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海底のシャングリラ(作者 ささかまかまだ
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 その世界は全てがまっさらな海だった。
 どこまでも広がる青い青い世界の中に不思議な穴が開いたなら、飛び出してきたのは小さな海の仲間たち。
 彼らは自分達が望んでいた光景に目を輝かせ、これからの事を考え始めた。

 この世界をぼく達の国にしよう。
 岩がたくさんあるのだから、それでぼくらの都市を作ろう。
 好きなものを建てて、好きな風に彩って。
 いつかアリスが来たのなら一緒に遊べるといいな。
 みんなでずっとずっと住めるような素敵な国を作ろうね。

 仲間達は声を合わせて広い世界を楽しんでいく。
 そんな新しい国へ向け、黒い影が迫っている事には――まだ誰も気付いていない。


「集合お疲れ様。今回は海に行こうか」
 レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は緩い笑顔を浮かべつつ、猟兵達を出迎える。
「アリスラビリンスにまっさらな『海の国』が見つかったんだ。皆にはこの国に向かって、愉快な仲間たちの手助けをして欲しいんだよ」

 『海の国』はその名の通り海で出来ている国だ。
 不思議なことに海水の中では誰もが呼吸をする事が可能で、猟兵達が入ったとしても支障はない。
 海水以外に存在しているのは深緑色の不思議な岩だけ。この岩は簡単に切り出せるが、同時に頑丈な素材としても扱えるようだ。
 けれど、今この国にあるのはこれが全て。これでは立派な国とは言えないだろう。

「ちょうどこの国に、海の生き物の姿をした仲間たちがやってきてるみたい。彼らに良いアイデアを提供しつつ、一緒に国を作ったらいいんじゃないかな」
 今回の仲間たちはぬいぐるみのように丸々とした姿の海の生き物だ。
 魚はもちろん、サメやシャチ、イカやタコの姿をした仲間たちも存在している。
 彼らは広がる海の世界を楽しみつつ、これからの事を考えている様子。
「仲間たちは水中に都市を作りたいみたいなんだ。だから住む家とかお店とか……あとは必要そうな施設なんかも作れば喜ぶんじゃないかな」
 彼らは猟兵達の提案を受けつつ、次々に岩を加工していく。
 仲間たちの見た目に合わせた可愛らしい家や、皆で集まれる大きな建物があれば楽しいだろうか。
 敢えて近未来的なビルを作ってみたり、お城なんかを作ってみるのもいいかもしれない。
 中に置く家具も自由に考える事が出来る。
 仲間たちの生活に合わせたものはもちろん、アリスが来た時のために人間用の家具だって必要だ。
 一緒にアイデアを出していけば、きっとすぐに素敵な都市が出来上がるだろう。

「ある程度建物が出来てきたら、今度は色なんかもつけると良さそうだね」
 イカやタコの仲間達はカラフルな墨を吐く事が出来る。
 青い海も深緑色の岩も美しいけれど、せっかくだからカラフルにするのも良いだろう。
 色を塗るだけでなく、何かを描いてみるのも楽しいかもしれない。
 繊細に色をつけるのも、思うままに何かを印すのもきっと素敵だ。
 世界すべてを彩ったなら――唯一無二の都市が出来上がるはず。

「けれど楽しいだけでは終わらない。この国にオウガが向かってきてもいるみたいだから、その討伐までお願いするよ」
 皆で作り上げた国を台無しにされてしまってはたまらない。
 最後にオウガを迎え撃つまでが今回の仕事になりそうだ。
 また、その時に備えて国の中に設備を作っておくのも悪くない。
 都市を守る壁や遠くを見渡せるポイントを作っておくのも一つの作戦だろう。

「せっかくの新しい国だ。皆がどんな都市を作り上げるのか、楽しみにしているね」
 レンは猟兵達へと再び笑みを向け、転移の準備を完了させた。





第3章 ボス戦 『人魚姫』

POW ●【自滅型UC】ヘル・ダイバー
【自身の身体(戦闘終了後、泡になって消滅)】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【身体を、接触した存在を泡に変換する身体】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD ●【自滅型UC】堕水の契約
自身の【身体(戦闘終了後、泡になって消滅)】を代償に、【契約した、海の魔女】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【強大な魔術を駆使する事】で戦う。
WIZ ●【自滅型UC】懐かしき骸の水底へ
【自身の身体(戦闘終了後、泡になって消滅)】【を代償に、敵対者のUCに対して耐性を獲得】【、同時に全ステータスを大幅に向上させる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達のさらなる活躍により『海の国』はより賑やかに姿を変えた。

 街を囲う外壁は色鮮やかで、童心に返してくれるようなワクワク感を抱かせてくれる。
 けれど内壁は純白に煌めいて街の景色を引き立ててくれていた。

 愉快な仲間たちの暮らす街はクールに、そして美しく彩られている。
 黒を基調にした建物は格好良く、別の場所では爽やかなミントカラーが皆を迎える。
 波に揺れる街路樹は愛らしく、そして誰もが利用する事が出来るだろう。
 憩いの場である公園には童話をモチーフにした可愛らしい絵が描かれて、遊びにきた人達を癒やしてくれるはずだ。

 皆の暮らしの場であるお城もカラフルに色を塗られている。
 自分達の好きな色で好きなものを描いたのだ。その弾む気持ちを伝えてくれるよう、城は立派に聳え立っている。
 横に備え付けられたタワーも楽しい。イソギンチャク達がのんびりと定着し、望遠鏡から遠くを見るのも素敵だろう。

 お茶処も愛らしく彩られた。
 シックで上品な色で飾られたお茶処には愛らしい人魚も待っている。どんなお客様も笑顔で足を踏み入れるはずだ。

 銀河のように煌めくダンスホールは、この国の文化の中心になるに違いない。
 伴奏用の楽器もたくさん作られ、誰もが毎日楽しい音楽を奏でるだろう。

 こうして『海の国』の暮らしは整うが――最後にやらなければならない事がある。


 暗い暗い海の向こうから、一人の人魚が姿を現す。
 彼女の視線は『海の国』へと向けられていた。
「賑やかで楽しそう……私は泡になって消えるしかないのに。せめて、みんな一緒に溶かしてやりましょう」
 妬むような、恨むような言葉と共に人魚のオウガは水を蹴る。
 このまま彼女を放っておけば、完成したばかりの『海の国』は蹂躙されてしまうだろう。

 それを阻止するためにも、猟兵達は戦わなければならない。


 3章のプレイングは【8月3日(月)8:31~】受付開始予定です。
 よろしくお願いします。