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Way of Ray with Bay(作者 五条新一郎
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 荒れ果てた大地に潮風が吹く。荒涼たる風の音に、潮騒が混じる。
 見下ろせば、長く遠く伸びる砂浜と、そこに寄せては返す細波が見える。
 荒野と砂浜の境界は妙に明確で、高く滑らかな崖が隔てる。堤防の名残だろうか。

 そこはきっと、『かつて』であれば人々で賑わうビーチであったのだろう。
 だが今は誰も居ない。誰もが、生きるだけで必死だからだ。

 どうしてこうなったのか。
 いつからこうなったのか。
 分からない。
 だが、一つだけ分かることがある。

 ――『敵』は、今もこの地を蹂躙し続けているのだ、と。



「おー、皆集まってくれたんやね!おおきにやー☆」
 グリモアベースに集まった猟兵達を、グリモア猟兵、ツキカ・アシュヴィン(星追いの渡り鳥・f24375)は明るい笑顔で出迎える。
「ほんで早速、今回のお仕事やけども!皆に、道作りをやって欲しいんよ」
 曰く。
 オブリビオン・ストームによる文明の崩壊以来、人々は基本的に各地の『拠点』から動くことがない。拠点の外で活動するのは、各地の廃墟を探索する奪還者をはじめ、相応の理由や動機がある者に限られる。言うまでもなく危険だからだ。
 何しろ、オブリビオン・ストームは道路や線路といった交通インフラも容赦なく破壊したため、そもそも拠点の外にはまともな道すら存在しない。近隣拠点に向かうだけでも、どれだけの回り道をせねばならないか想像もつかないのだ。
 だが、逆に言えば。拠点同士を結ぶ道を整備すれば、それだけでも拠点同士の行き来はかなり楽になるのではないか。そしてそれは、双方の拠点における人や物の往来を促し、以て世界復興の大きな一歩となるのでは――そう期待されるのだ。
「せやけど、まだちゃんとした道作るには材料も足らへんし、いつまたオブリビオン・ストームで壊されるかも分からへんさかい。今回は、マカダム式ちゅう方法で道を作ってもらお思うとるんよ」
 マカダム式とは、簡単に言えば細かく砕いた石を敷き詰めローラー等で固める方法である。これなら材料調達も補修も比較的容易であるため採用されたらしい。

「ほんで、今回道を作ってもらうんは…」
 続いてツキカは地図を広げる。今回の任務区域周辺の地図らしい。
「ここの拠点と、ここの拠点。この間の海岸沿いを真っ直ぐ走るように、道を引いたってや」
 二つの拠点はどちらも海辺に存在し、それ故に道を作るのも海岸沿いとなる。
「道中は瓦礫がいっぱいだったり穴だらけだったりするさかい、その辺もうまいこと処理したってな」
 瓦礫を砕いて穴を埋め、その上から砕石を敷き詰めていくのが理想かもしれない。

「あ、せやせや。折角海の近くなんやし、工事の合間に海を見てくのもええと思うで☆」
 文明が崩壊して久しい世界ゆえに人気は無く、しかして自然の営みは変わらず繰り返される海。アポカリプスヘルの海は、他の世界のそれとはまた違った趣を持つことだろう。
 工事を疎かにしない程度になら、水遊び等をしていくのも悪くはないかもしれない…などと言っていたツキカだが、不意にその表情が引き締まる。
「せやけど、工事にせよ海遊びにせよ、充分気ぃつけてや。その工事区域周辺に、オブリビオンが出るっちゅう予知も見えとるんよ」
 オブリビオンと聞いて、猟兵達の間にも緊張が走る。
 曰く、予知で見えたオブリビオンは二種。戦闘機じみた風体のオブリビオンの群れと、更に大きな、雲めいた存在――それらの姿が見えたらしい。
「詳しいコトは分からへんかって、申し訳ないねんけど…何にせよ、空飛ぶ方法なり、空中の敵への攻撃手段なりがあるとええかも知れんね」
 勿論、どちらも無くとも遣りようはあるかもしれない…とは言い添えて。

「と、こんなトコやな。この世界の復興をもっと進められるように、皆、よろしゅうな!」
 ツキカのグリモアが輝き、猟兵達を、かの荒廃世界へと送り出してゆく。





第2章 集団戦 『支える者』

POW ●――“発射”
【ミサイルや機関砲 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●――“散開”
技能名「【空中戦(回避機動) 】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ ●――“大祖国よ栄光あれ”
【大祖国の敵を撃滅する 】という願いを【他の“燕”】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 風の音と波の音とが断続する荒野の中、めいめいに工事を進めていく猟兵達。
 やがて、誰ともなく異変に気付く。それまでに感じられなかった異質な音が、耳に入ってきたのだ。

 聞こえてくるのは炎の音。高熱の炎が高速で噴出する――そう、ジェットの音だ。
 空を見上げれば音の主。鳥じみた黒い影が群れを成し、高速で飛翔し迫り来る。
 その正体は黒き鋼鉄の飛翔存在――戦闘機だ。この荒廃した世界の空を飛ぶ戦闘機など、尋常の存在ではあるまい。それを証立てるかのように、彼らの機首が一斉に火を噴く。機関砲による射撃が荒野を穿ち、猟兵達の敷いた道路にも突き刺さる。
 このまま好き勝手にさせれば、折角敷いた道路が一瞬でズタズタにされてしまうだろう。ただちに迎撃するべし。