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昨日、今日、明日(作者 みなさわ
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●某国、ストリート
 昨日はひどい日だった。
 でも、仕事をしたから、きもちいいくすりをいっぱいもらった。

 今日はひどい日だ。
 奴らが追ってくる!
 ボスのかたきうちだって……しらないよ!
 おれはくすりが欲しくてやったんだ!
 痛い!
 痛い! いたい! イタイ!
 腕がいたい! あしがいたい!
 からだがイタイ!
 やつらがおれをかこむ。
 くすり……きもちいいくすり! くすりがあれば……!
 ない?
 ない!?
 くすり、おとした!?
 くすりない!
 あしたどうすればいい?
 いま、どうすればいい?
 くすりくすりくすりksr……。

「同情はしない」
 男共の警戒の視線をものともせず、女は立ち上がり、缶を蹴り飛ばした。
「ツィクロンは好みか」
 突如、立ち込める煙に少年を囲んでいたはず集団がせき込み、距離を置く。
「空気中では効果が弱い。呼吸が苦しくなり、嘔吐がとまらない程度だ」
 煙の向こう側でマスクの女は外套を翻し、ストリートを歩く。
「……どうも、しゃべりすぎる。奴の癖でも移ったか」
 女の脳裏によぎった男の姿。
 自分の眉間が歪むのが分かった。
 それがひどく不機嫌で、心の奥より聞こえるくすりを求める声すら遮るほどだった。

 ……ああ、ストリートではよくあることだ。

●グリモアベース
「悪い報告がある、UDCが現れた。良い報告がある、速めに倒せば人になる――つまり人間がUDCに変身した存在、UDC-HUMANだ」
 グリモア猟兵、氏家・禄郎(探偵屋・f22632)は終始不機嫌な表情で語り始めると、その手はタイプライターを叩く。
「そっちの世界でもよくある話なんだろう? 薬欲しさに鉄砲玉をやり遂げたストリートチルドレン。それを追い詰めたマフィア達。落とし前を着ける直前、チルドレン――少年はUDCへと変貌した」
 出力された紙を猟兵に投げ渡しながら、グリモア猟兵の説明は続く。
「今なら、まだ間に合う。早急に変貌したUDCを撃退し、少年をもとに戻してほしい。勿論、途中で邪魔する者もいる、それを排除した上での行動だ」
 探偵屋は意識を切り替えるために、一度煙草を吸い、そして猟兵と向き直った。

「終わったら、後始末だ。少年と追いかけたマフィアの対処を任せる……ああ、分かってるよ、君達が何をどうしても、明日は変わらない。そういうところへ君達を送る」
 立ち上がり、レバーに手をかけるグリモア猟兵。
「だが、ここで仕事をしないと明日は来ない。これはそういう類の奴だ」
 レバーを降ろし、ベルを鳴らせば、ゲートが開かれる。
「私からは以上だ、時計を合わせたらすぐに動いてくれ。時間はあまりない」
 そう告げる男は猟兵から目を背けることはなかった……仕事の意味を分かっている故に。





第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る
SPD証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる
WIZ事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●明日

「旦那、取引だ」
 UDC-HUMANの呪縛から解放された少年。
 彼を抱えてビルから出た猟兵へマフィアの一人が申し出る。
「そいつはこの街でやっちゃいけないことをした、落とし前は着けてもらわないとならない」
 くたびれたスーツの男は笑みを絶やさずに言葉を続けた。
「分かってると思うが、命には値段がある。勿論、俺もそいつも大した高くはねえ、けど奪った分は返してもらわんと釣り合いが取れない――そんなところだ」
 気の利くであろう部下が投げた鞄をマフィアが受け取り中身を見せるように地面に置いた。
「ドルだ。勿論、この国のじゃねえ。これでそいつを買う――それでどうだい?」
 交渉と言う名の演説はまだ続く。
「なあ、そいつを生かしておくのか? クスリに溺れちまった哀れなガキを……それとも旦那達はそいつの一生を見るのかい? なあ、ここにはマンホールを開けば一杯、同じようなガキが居るんだぜ。そいつらを見捨てて、そいつだけを救う……それで気が済むのかい? なあ、ヴィジランテやディテクティブ・ザ・ハンドみたいなヒューマニストなMANGA話はごめんだ、取引で済ませよう……なあ旦那、うちのバカがうっかり引鉄を触っちまう前に頼むぜ」

 無法にも法はあり、その上で彼らは彼らなりの流儀で動いた。
 君達がどうするかは、自由であろう。
 ただ、変わらないことは――明日は昨日と変わらない。

 それだけだ。