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蒼き幽冥のともがら

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 命とは、かくも手折るに容易きもの。
 万雷の悲鳴と舞い踊る血潮を浴びながら、一本の弓を携え、数多の異形の忍を引き連れた青年は嗤う。
 歩むたびに幼子も、子どもも、何もかもが肉塊へと変わっていく。腹を抉られ、首を切られ、そうして無残に散っていく。
 その光景、正に叫喚地獄。さしずめ青年は地獄の悪鬼。
 なんといい気味だろうか、青年は想う。そうだ、すべて死に絶えろ。この現世に在りし生きとし生けるものすべて、すべて、すべて!
 私の妹もそうだった、私の兄もそうだった、父上も、母上も! あの悪辣な領主は我が愛しき家族を容易く葬り去った。理由など知らぬ、覚えていない。
 誰も助けてくれなかった。誰も手を差し伸べてくれなかった。
 誰も見向きもしなかった。誰も異を唱えなかった。
 当然だ。逆らえば次は我が身、静かに身を隠していれば生きていけただろう。
 だが、許せぬ。それでも、許せぬ。
 ゆえに殺す。無残に殺す。殺して殺して殺して殺す。
 見て見ぬふりをした愚者共が憎い。親兄妹を殺したすべてが憎い。憎くて憎くて堪らない。
「これは復讐だ」
 零す。
「皆殺しにするまで止めやしない」
 呪詛となった言葉を紡ぎ、青年は弓矢を番える。
 それは死者を仮初めの生者へと変える禁忌の霊装──『刻命』。
「さぁ、屍兵達よ。新たなる地獄を、生み出しましょう」
 青褪めた光を放つ矢を放てば、死人が立ち上がり、歩み出すのだった。



「みんな聞いてー! 一大事だよ一大事!! 予知! おれ予知見ちゃった!!」
 三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)は慌ただしく猟兵たちに声をかけた。
 ずいぶん興奮しているようで、側にあったスポーツドリンクを一口飲んでから三千院は話をはじめる。
「サムライエンパイアのとある町がオブリビオンに襲撃されちゃうんだよ。湖がキレーな町なんだけどね、とにかくそこにオブリビオンの集団が攻め寄せてくるってわけ。放置しておけば十中八九、大量虐殺が起こっちゃうってわけ」
 三千院は適当に呼び出した使い魔に資料を配らせながら続ける。資料には町の様子の写真や、襲撃してくるオブリビオンの情報が大雑把に記載されていた。
「資料にもあると思うけどー、集団でやってくるのは忍者だよ! といっても改造されてて精神は壊れちゃってる妖魔忍者だから話は通じませーん。なので遠慮なくぶっ壊してね!」
 無邪気ににっこりと微笑む三千院。
「で、だけど」
 ここから本題だと言うかのように、三千院はすっと真顔になり、資料のあるページを猟兵たちに見えるように指差す。
 そこには、蒼き弓矢を携えた一人の青年の画像があった。その瞳はどこか濁っており、画像越しながらも歪んだ感情を孕んでいるのが感じられる。
「今回の事件を主導してるのがこいつ。名前は『刻命』の阿頼耶識。全人類に憎悪を抱く過去の復讐者、ってところかな!」
 資料いわく、『刻命』の阿頼耶識は元人間のオブリビオンだそうだ。かつての領主に親兄妹を理不尽に殺害され、それによって憎悪の感情に囚われたもの。
「ちなみに『刻命』ってのは持ってる弓矢の名前でもあるよ! 死んだ生物に仮初めの命を与えて操ることができるんだって!! うーん、ネクロマンス」
 きゃるん、とふざけたようなポーズをして、三千院は続ける。
「そうだ! 無事に阿頼耶識くんを倒せたら、町の茶屋で一服なんてどう? さっきも言ったけど、そこの町の湖はすごく綺麗なんだって! 透過度が高くてね、『心が洗われるようだー』なんて評判らしいよ! それじゃあみんなー! がーんばってね!」
 死に触れたあとは身を清めましょう! なんてそれっぽいことを付け足し、手をぶんぶんと振りながら三千院は猟兵達を見送った。
「 ……おれもネクロマンス、したかったなぁ………」
 皆を転送してからぼそりと呟いた彼の言葉は、内側に潜むもうひとりの彼しか知る由はなかった。


ヒガキ ミョウリ
●水のようにフフフン花のようにフフフン!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 こんにちは、ヒガキミョウリです。
 お陰様で二作目作ることができました。本当にありがとうございます!!!

 今回のシナリオは復讐に燃える美青年を倒してもらいます。
 復讐に燃える美青年ですって、いいですね。

●第一章
 『妖魔忍者』との集団戦。
 町に襲い来る妖魔忍者との集団戦闘になります。わらわらとやってくるので派手に蹴散らしてしまってください。

●第二章
 『『刻命』の阿頼耶識』とのボス戦。
 今回の黒幕との戦闘になります。集団戦の後にドドン! と現れます。

●第三章
 湖の茶屋で一服。
 戦闘後のお楽しみです! 町の中にある湖、その近くの茶屋で一服!
 三千院の言っていたとおりめちゃめちゃ透明度の高い湖になります。各自ごゆるりと、お好きなようにお過ごしください。

 グリモア猟兵である三千院操(ネクロフォーミュラ・f12510)は【第三章】のみ、お声がけがあった際に登場します。

 皆さんのキャラクターがどのように想い、感じ、そして戦うのかとても楽しみにしております。
 よろしければ、ご参加お願い致します。
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第1章 集団戦 『妖魔忍者』

POW   :    忍法瞬断
【忍者刀】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    忍法鎌鼬
自身に【特殊な気流】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●妖魔忍法帖
 件の町、その門の前へと降り立った猟兵達の前に広がるのは無数の忍軍。
 しかしそれらに生者の気迫は感じられず、在るのは冷たき殺気のみ。
 然り、最早彼らはヒトならざるもの。感情はなく、思想もなく、絡繰の如く己が使命を遂行する阿頼耶の遣い。肉体を弄ばれし過去の産物。
 此度においては無辜なる人々の命を散らすために。
 この町をひとつの地獄へと変えるために。
 冷徹で、怜悧で、冷酷なる魔忍の軍団が歩を進める。
 立ち向かうは、退魔の力携えし十人十色の猟兵達。
 此度においては無辜なる人々の命を守るために。
 この町を地獄などに落とさぬために。
 さて、討つべき復讐者はこの先に在る。憎しみに縛られた憐れな心が待っている。

 それではいざ、尋常に──。
 蒼き幽冥。そのともがらを、討滅しよう。
ニコ・ベルクシュタイン
…復讐の連鎖は止まらない、誰かが止めぬ限りはな。
故に俺が、俺達が来たと知るが良い。
まずは小手調べと言った所か、蹴散らしてくれよう。

多少の孤立や包囲を厭わず、少しでも多くの敵を
射程内に収められるような立ち位置を狙い
一歩でも深く踏み込み、発動させるは【花冠の幻】
攻め込んでくるというのならば此の虹色の花にて迎え撃とう
此れを受けて尚立っていられたならば大したものだ

【忍法鬼火】は可能な限り「オーラ防御」で受け止め防ぎたい所
下手に躱すと後方への被害が懸念される故に

他、共に戦っている味方が居れば積極的に協力していきたい

…屍兵、か。お前達もまた、哀れなものだ。
在るべき場所へ還す事を以て、救いとなれば良いが。


キアロ・マジェスタス
復讐者であるか……随分と根深いものを抱えているようである
だがその恨みの徒花、儚くも散らして貰うぞ
如何に口惜しかろうとも、この世は今を生きる生者のものであるゆえ!

まずは妖魔忍者どもを蹴散らすのである!
敵の数が多いので他の猟兵と協力する機会は積極的に狙う

我輩は速度で翻弄する戦いを得意とするのでな
『ダッシュ』と『スライディング』で敵の群れに斬り込み
悪魔医師人形と蹴りを食らわせヒット&アウェイで数を減らしていくのである
町の『地形の利用』で効率的に動くぞ
「ふははは!貴様らと我輩、どちらが速いか見極めようではないか!」

囲まれた時こそ好機!
【花の名は無情】で一掃する
禍根を残さぬよう徹底的に殲滅するのである!


上月・衒之丞
ふん、そんに目立ちいす身形で忍者とは、片腹痛いでありんすな。
本業忍者を名乗りささんすなら、もっと忍ぶべきでありんす。

面倒な技を多く使う奴だ。
だが、残念だったな。
「同じ忍びには通じせん。その技、封じいす。無明弦月流、如月」
伸ばした糸で四肢を拘束していく。
悪いが、特別製の糸なのでな。そう簡単に、鎌鼬などで切れるとは思わないことだ。

生憎、首を飛ばしても死ぬか分かりかねるのでな。
全てバラしてやろう。
「今日は死牡丹が咲き乱れなんし。無明弦月流、師走」

せめてこの手で、介錯仕りんす。
儚く散りなんせ。

しかし、これだけの忍者を操る阿頼耶とは、如何なる存在であろうな。
まぁ、何であれ殺すだけだが。



●花と糸、意図断つ音
「……復讐の連鎖は止まらない、誰かが止めぬ限りはな。故に俺が、俺達が来たと知るが良い」
 一輪咲いた星型の花が絡みつく柊の呪杖を携え、眼鏡の奥の赤瞳を光らせるのはニコ・ベルクシュタイン(虹の未来視・f00324)。彼は向かってくる数多の異形の忍達を見据え、冷静に零す。
「復讐者であるか……随分と根深いものを抱えているようである。だがその恨みの徒花、儚くも散らして貰うぞ」
「ふん、そんに目立ちいす身形で忍者とは、片腹痛いでありんすな。本業忍者を名乗りささんすなら、もっと忍ぶべきでありんす」
 尊大な口調で呟くのは悪魔の医師人形を傍らに連れる紫陽花の天使──キアロ・マジェスタス(浪漫追う翼・f05344)。
 艷やかな装いと滑らかな声色で冷笑するのは麹塵の妖狐──上月・衒之丞(泡沫の遊女・f11255)。又の名を『詠月』。
 どうやら忍者達は猟兵達を確認して幾つかに分かれたようだ。それでも数が多いことに変わりはない。彼らすべてを倒さなければ、予知の通りの結末が訪れる。
 三人の猟兵達は互いを一瞥し、頷く。
 ここにいる猟兵はこの三人のみ。対して敵はその数倍。上手く連携しなければ、幾ら力を持てども貪り喰われ、骸となる。
「まずはあの群れを蹴散らすのである! ニコ、詠月、力を貸してくれるな?」
「勿論だ。これほどの数、個人で捌き切るのは骨が折れる」
「えぇ、ようざんす」
「うむ、感謝する! それでは、往くぞ!」
 キアロのその言葉を合図に、戦の火蓋は切られた。

 目前の忍らから放たれるのは超熱の悪意。意思は火炎へと変容し、火炎は業火へと集束し、それは黒き弾丸となって猟兵達の命を侵さんと踊り狂う。
「させんッ!」
 だが、それはニコによって展開された時計盤の如き障壁で防がれる。それはオーラ。ニコ・ベルクシュタインという男が纏う生気の顯れだった。
(「下手に避ければ後ろの民家に被害が起こる……。それは、避けなければな」)
 住んでいる町人の避難は済んでいるとはいえ、帰った時に住む家が灰燼になっていてはいけない。
「でかしたぞニコ! さて、次は我輩たちの番よ!」
 高らかに声を上げ、キアロが忍の群れへと駆ける。そうして悪魔のごとき医師人形と蹴りを放ち、時には避け、渦中へと飛び込んでいく。
「ふははは!貴様らと我輩、どちらが速いか見極めようではないか!」
 屋根から屋根へと飛び移るキアロ。だは忍とてそれに遅れを取ってはいない。追いついては蹴り上げ、蹴り上げては逃げを繰り返しながら忍の数を減らしていた。
(「面倒な技を使う奴だ」)
 飄飄と忍びの斬撃をいなしながら衒之丞は思う。
 手遊びのように指先を揺らし切り上げられる一撃を避け、次いで放たれる一閃を身を引くことで躱す。
 それによって再び忍が鬼火を放とうと印を結ぼうとした、その時。
「しかし、残念でありんすな」
 冷気よりも冷たき宣告が聴こえる。
「同じ忍びには通じせん。その技、封じいす」
 そう、衒之丞も忍である。表では男娼として振る舞いながら、裏では暗殺を請け負う絃術の殺し屋。
 己の指よりも容易く手繰られた糸は、この戦場のあらゆる場所へと張り巡らされていた。戦いの最中、身を躱すたびに空中に光が奔っていたのに気づいたものは何人いただろうか?
 答えは、零。目前の妖狐に惹かれていた殺戮人形達はそんなことには気づかない。
「──無明弦月流、如月」
 綾取りのごとく指を操れば、見事、忍達は不可視の糸に縛り上げられ動くことは叶わなくなった。今であれば、その忍術も使うこと能わず。
「お生憎様。そん糸は特別でありんす、そう簡単に断てると思わないでおくんなんし。……さて、お二人とも。骸の命、儚く散らせる時なんし」
 振り向いて、衒之丞はニコとキアロへと声を掛けた。

「ふむ! 良かろう! その機動力は些か面倒であった。感謝する!」
「動かなければそれだけ屠りやすいというもの。さぁ、今だ」
 二人は各々の獲物へと指を添え、解呪の言の葉を口ずさむ。
「馨らず、実らず、其の花は偽り。然れど怨敵を切り裂く刃なり!」
「夢は虹色、現は鈍色、奇跡の花を此処に紡がん」
 悪魔の医師人形と柊の呪杖が魔力を帯びる。それは先程の忍者の鬼火と同じく変容の兆し。ニコとキアロ、彼らの武装が異なるものへと姿を変える。
「『花の名は無情(カルミナ・ハイドランジア)』!!」
「『花冠の幻(レインボー・フラワーズ)』ッ!」
 同時、鮮やかなる花々の嵐が周囲の妖魔忍者に向けて吹き荒ぶ。虹色の薔薇と紫陽花の花びらの狂騒、それは傍から見ればひどく美しい芸術のように見えたかも知れない。だが、違う。それは触れた悪意の身を斬りつける断罪の刃。魔力によって練り上げられた、蝕む過去への鉄槌。
 妖魔忍者たちは全身を裂かれ、一瞬のうちに地面へと倒れ伏した。殲滅されつくした彼らの姿は、一体たりとて残っていない。
 花々はニコとキアロの手元へと収まり、再び武器の姿を形づくる。
「……屍兵、か。彼らもまた、哀れなものだ。在るべき場所へ還す事を以て、救いとなれば良いが」
 忍者たちの残骸を見てニコがぽつりと呟く。
「祈るしかあるまい。どうやらこちらの方面の忍はすべて片付けたようだ。他の奴らも、うまくいっているといいのだがな!」
 キアロがそれに応じる中、衒之丞は此度の事件の黒幕について考えていた。
(「しかし、これだけの忍者を操る阿頼耶とは、如何なる存在であろうな」)
 外道の術を施された妖魔の忍者を従える、外道の術を操る弓士──『刻命』の阿頼耶識。彼はどのような者だろうか。
 だが、衒之丞はすぐにその思考を止める。
 相手が何であれ、殺すだけ。己は猟兵、奴は敵。そこに違いは、ありはしないのだから。

 ──かくして三人の猟兵達によって妖魔忍軍、その一部は打ち破られた。
 しかしまだその全てが終わったわけではない。残る軍勢は、あと幾つか。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

明神・竜聖
皆殺し……ああ、なんとも潔い。
しかし、彼らは殺すばかり意気込んで、殺される覚悟が見て取れませんねぇ。
それは、あまりに無粋、というやつですね。

街中で、ごくりごくりと瓢箪からお酒を飲んで、
酔わずの蟒蛇を使いながら舞い躍って待ちましょう。
この華美な服装なら目も引くでしょうし、狙ってきやすいでしょう。

纏まって一気に飛び掛かってきたら、震脚で一度蹴散らしましょう。
踏み込みは、鋭く強力でも、動作が大きいとは限らないんですよ。

さぁ、天舞を舞い、手数で次から次へとお相手しましょう。
時には閃で切り払い、時には斬仙飛刀を放って射落としますよ。
お酒を飲む余裕がありそうなら、呑みながらも舞いましょう。


木目・一葉
では仕事に取り掛かろう
相手は復讐者か
「その勢いは、油断できないな」
しかし名が『阿頼耶識』か
これまた皮肉ではないか

・戦闘
では遠慮せずに蹴散らさせてもらう
そもそも精神は破壊するものではなく、コントロールするものだ
自分は前衛で戦う
忍者刀の一撃には斧を構え、【武器受け】と【地形の利用】でさばく
衝撃波と鬼火に対しては、こちらも妖の小太刀で『妖刀解放』から繰り出す衝撃波で迎撃する
忍者が隙をみせたら、足場の地形を破壊するため『グラウンドクラッシャー』を仕掛ける
地形破壊になるべく多くの忍者を巻き込むのが理想的だ
これで足がとられて咄嗟には動きにくいだろう
あと忍者の不意打ちにも注意する為、【第六感】を働かせておく


秋月・信子
「ここなら…辺りを見渡せるね」
(もし、この世界に「種子島」があるとすれば…相手は先込めの火縄銃と思うかも。けど、これはうまく的確に、素早く撃ち込んでいけば相手をこちらも多勢だと撹乱できるかも…?)

辺りを一望し見渡せる場所からユーベルコード【千里眼撃ち】を使って視力を研ぎ澄ませるながら、ボルトアクションライフルで狙撃して皆さんを援護します



もし相手が居場所を突き止め、間合いを詰められるのに気づいたのならば、ハンドガンをクイックドロウで抜いて応戦します
(技能、スナイパー8、援護射撃2、視力2、クイックドロウ6、を使用)
(可能なら共闘を希望)



●斧と銃と拳
「皆殺し……ああ、なんとも潔い。しかし、彼らは殺すばかり意気込んで、殺される覚悟が見て取れませんねぇ」
 それはあまりに無粋だと、迫る妖魔忍軍を見遣り明神・竜聖(戦場の天女・f12539)はひとり呟く。天女か舞姫の如き美しき衣を身に纏い、手にするものは酒の入った瓢箪。ごくりごくりと中身を揺らし、酔いに気分を良くしながらゆらりゆらりと舞い踊っている。
 ここは間もなく戦場になるというのに、その様はひどく不相応。
 正しき感情を持つ忍であれば違和感を覚え、警戒のひとつもしただろう。だが此処にいるのは感情もなければ意思もない、傀儡の忍達だ。
 彼らは好機とばかりに竜聖へ殺到する。派手な衣装であったがゆえに目についたというのもあったのだろう。憐れ、一人の天女は物言わぬ肉塊に──。
「やはり、無粋。命のやり取りをするには、些か物足りないな」
 柔らかな、それでいて凛とした声が響いたと思えば、次の瞬間に竜星に群がる忍達が爆ぜた。
 それは研ぎ澄まされた震脚の一撃。竜星の手繰る力によって更に強化されていたそれが、羽虫のように群がった忍達を吹き飛ばしたのだ。
「『酔わずの蟒蛇(ヨワズノウワバミ)』。……美味しいお酒は、良いものですよ」
 ふっ、と竜星の唇に不敵な笑みが浮かぶ。
 それが、合図だった。
「では、仕事に取り掛かろう」
 忍達の上空から若い声が聞こえた。
 同時、轟!! と大地が揺れる。今度は竜星の前方で、多くの忍が数を減らす。落ちているのだ、倒れているのだ。吹き飛んだのではなく、潰されている。
 これこそが鈍重なる一撃、『グラウンドクラッシャー』。何よりも単純であるが故に、何よりも強い破壊力を持つ技。
 それほどまでの大きな圧を生み出し、文字通り忍者を圧倒したのは、一人の小柄な少女だった。身の丈以上もある柄の長い巨大な戦斧を持ち、外套によって体と頭を隠している──木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)。
 彼女はすっと竜星の側に寄り、声をかける。
「作戦、うまくいってるかい?」
「ええ、お陰様で。それなりに数は減らせましたね。これで、秋月さんも狙いやすくなるでしょうか」
「ならよかった。だったら、僕たちは」
 一葉の言葉に竜星が頷く。
「この残りの忍達を、一人残らず倒せばよい」
 猟兵は再び押し寄せる忍者たちへと相対する。此処にあるのは天女でありながら羅刹であり、少女でありながら戦士である二人の猟兵。遠慮はしない、躊躇いもない。この身に培った力を振るうのみ。

 一方その頃、彼らのもうひとりの仲間である秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は村から少し離れた高台にいた。
「よいしょっ、と。ここなら……辺りを見渡せるね」
 持ち込んだボルトアクションライフルを降ろし、構え、スコープを竜星と一葉が戦っている戦場へと合わせる。どうやらある程度蹴散らされているようで、随分と狙いやすくなっていた。
(「もし、この世界に『種子島』があるとすれば……相手は先込めの火縄銃と思うかも。けど、これはうまく的確に、素早く撃ち込んでいけば相手をこちらも多勢だと撹乱できるかも……?」)
 そう、これは作戦。近接戦闘を主体とする竜星と一葉が村へと赴き殲滅、長距離射撃を可能とする信子が援護をする。
 スコープの先では、竜星が舞い踊るかのように鮮やかな手法で地形破壊によって動きの崩れた者達を蹴散らし、一葉がその戦斧による豪快な動きで放とうとした攻撃ごと薙ぎ払っていく。
「視力、強化」
 そうして十の刻が過ぎ、少女の視界は拡大する。信子がいる場所から二人がいる場所までにはそれなりの距離がある。だが、今の彼女にとってそんなものはあってないものと同じだった。
 『千里眼撃ち』。視力を一時的に強化することにより、獲物と狙撃手の間にある距離を無意味にする力。
「──そこっ!」
 幾ら鬼神の如き活躍をしている二人とて、意識の隙間は発生する。信子の役目はそれを埋めること。背後からの悪意、死角からの殺意。今の彼女にはそれらすべてが『視得る』。
 眉間に一発。それだけでいい。それだけで、殲滅はより確実なものとなる。

 魔弾の射手の指は止まらない。戦場にて踊る二人の修羅が静まらぬことと同じように。その様相は正に無双。容易く散らされるのはどちらであったか。もしも忍らに感情があれば後悔したかもしれない。
 それほどまでに、この戦場の有様は圧倒的。
 斧が振るえば首が飛び、拳が振るえば肉が飛ぶ。そこに隙はなく、背後を取れども飛来するのは鉛玉。狙撃手へと気を向ければ、即座に二人の修羅の餌食となる。そう、業を打つ暇もないほどに。
 そうしているうちに、いつのまにか妖魔忍者たちは屠られ尽くしていた。
 まさしく、獅子奮迅。
 戦果は大きい。この場の戦によって、妖魔忍者の数が大幅に削られたことを彼らが知るのは、もう少しあとだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リステル・クローズエデン
復讐は何も生まないとよく言いますが、
復讐も何かを生み出してしまう……

僕では終わらせることはできませんが。
ひとたびの連鎖は、断ち切らせていただきます。

『見切り4+視力2、戦闘知識3+先制攻撃4』にて
行動を見切り、先手を取り。
【穿刃天舞】『投擲10+2回攻撃3、毒使い4+マヒ攻撃4』
マヒ系の毒を込めた苦無の投擲で広範囲を攻撃します。
毒が効きにくい場合は『毒使い を 呪詛2』に切り替えます。

その後、接近されれば刀と蹴り『2回攻撃3+グラップル7』で
距離がある相手は手裏剣の『投擲10』で攻撃。

攻撃に対しては『見切り3、残像2+ダッシュ1+ジャンプ6』で回避
『オーラ防御8+激痛耐性3』で防御します。



●舞姫
 幾ら多くの忍らが撃滅されたとはいえど、それでも数はまだ残っている。
 例えばここ、裏門。他の猟兵達が相手をしていたほどの軍勢ではないが、忍達は攻め込んできていた。
「復讐は何も生まないとよく言いますが、復讐も何かを生み出してしまう……」
 憂いの声をもらすのはリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)。薄花色の髪をなびかせ無銘の刀と紫紺の刃を腰に下げた彼女は、たったひとりで忍軍と相まみえる。
「僕では終わらせることはできませんが、ひとたびの連鎖は、断ち切らせていただきます」
 言って構えるのは数多の形状を持つ忍者手裏剣。この距離であれば十分に届く。
 リステルは感じ取っていた。目前の忍者たちが何をしてくるのか。纏う空気、帯びる気配。それらはなによりも意思を物語る。
(「おそらく、瞬断。至近距離より超速で放つ刀の一撃。ならば」)
 研ぎ澄まされた視力と戦の知識から導き出した結論は、遠距離からの先制攻撃。刀の一撃よりも速く、接敵されるよりも疾く、相手を落としてしまえばそれで良い。
「天ノ舞は、刃ノ風を呼ぶ」
 これより始まるのは刃の舞踏。紡ぐ言葉は意思を刃にのせる祝詞。
 だが、たったひとりの敵相手に好き勝手を許す妖魔忍者ではない。その生命を葬るべく、薄花を散らすべく、忍者たちは刃をリステルに向けて疾駆する──。
「『穿刃天舞』」
 それでも、リステルのほうが先だった。
 手にした手裏剣と苦無の数々が忍らへと放たれる。
 穿つ苦無は肉へと突き刺さり、抉る飛刃は肉を切り裂き、そうして動きを鈍らせる。それはただの手裏剣ではない。麻痺毒が仕込まれたそれが触れれば、自由な動きは取れなくなる。いくら改造が施されているとはいえ元は人間。その血に混ざった毒は急速に全身に回っていく。
「言ったでしょう。連鎖は断つ、と」
 鈴のような声がした。
 そう、舞姫の脚は、腕はまだ止まっていない。
 続く二撃。それは無慈悲に疾さを失った忍へと襲いかかる。先の一撃が毒を行き届かせるためのものであるならば、この二撃目は告死の嵐。逃れられるはずもなく、避けられるはずもない。手裏剣と苦無は忍者達を無残に切り裂いていく。
 復讐によって生み出されるもの。悲しみ、嘆き、苦しみ、怒り──それを続かせないために、今ここで終わらせる。
 言ったのだ。言葉に出した。『自分がここで止める』のだと。なればそれは最上の言霊となり、至高の瞬刃は敵の悉くを討つ。

 ──こうして、一人の少女により瞬く間に裏口の忍軍は撃破された。
 間もなく復讐を願うものは顕れようとしている。
 蒼き幽冥は、もうすぐ。

成功 🔵​🔵​🔴​

甘夏・寧子
【SPD判定】
復讐、ねぇ。……気持ちは分かりたくないけど分かるよ。ま、アタシも失くしたもんは多かったし。
止めよう、やめさせようなんて大義で動くことはしないさ。お互いの正論同士を派手にぶつけて決着をつけるとするかね。
そ、の、ま、え、に。まずは忍者を掃討しますか!!

相手がスピードで攻めてくるならこっちもスピード勝負だよ。
愛車の夜建鴉で追い掛け回してやろう。
衝撃波はブラスターで相殺できないかねぇ?
物理法則はちょっと違うかもしれないけど、特に避けられそうになかったら試したいと思っているよ。
さ、アンタとアタシの速さ勝負といこうじゃないか!!



●露払いの熱線
(「復讐、ねぇ。……気持ちは分かりたくないけど分かるよ。ま、アタシも失くしたもんは多かったし」)
 他の猟兵達が見逃した妖魔忍者達、それが向かった場所へと先回りしているのは甘夏・寧子(錦鈴の女・f01173)。跨がる宇宙二輪の名は『夜建鴉』。彼女が長年愛用している相棒だ。
(「止めよう、やめさせようなんて大義で動くことはしないさ。お互いの正論同士を派手にぶつけて決着をつけるとするかね」)
 『刻命』の阿頼耶識が持った感情は間違いではない。理不尽に血縁を殺された者であれば当然の反応だ。だが、その為に多くを骸にしようというのは間違っている。復讐に侵されたその身に最早大義は届かないと、寧子はたしかに理解していた。
 ならばこそ、迎え撃つは正論。正しさの反対は悪ではなく、また別の正しさだ。
「そ、の、ま、え、に」
 キッ、と二輪が止まる。それは、寧子が会敵したことを意味していた。
 蒼き復讐者に触れようとするのならば、目前の忍者達を除かねばならない。
 ぞわり。忍者達は寧子を認識すると、その身に不可思議な気流を纏った。
 空気が変わる。それは妖魔へと変質した忍が扱う術の一つ、『忍法鎌鼬』。
「まずは忍者を掃討しますか!!」
 対して寧子が構えるのは二丁の熱線銃。深い漆黒に彩られたそれは『クロウ』と『レイヴン』。二つで一つの比翼の鳥銃。
 彼女はそれをくるりと手の内で遊ばせると、その銃口を忍者たちへと向けた。

 ──爆風。
 斬撃による衝撃波が番鴉の黒き熱線と激突し、爆ぜる。
(「物理法則はちょっと違うかもしれないけど、相殺することはできるみたいだねぇ」)
 先の忍術を行使してから、忍達の動きが格段に上がっていた。刀を振るえば風が巻き起こり、それが刃となって飛来してくる。
 寧子はそれを打ち消しながら、相棒と共に駆ける。
 確かに忍者達の動きは迅速。けれど反応不可能の速度ではない。現に、寧子と彼女の相棒は高速となった彼らに追いついてきていた。
 再び飛来した衝撃波を相殺し、寧子は思考する。
(「そろそろ、かねぇ」)
 お互いにお互いの動きを把握しつつある。これ以上の時間を掛ければ消耗戦となるだろう。それは自分にとっても、相手にとっても不利なこと。
 であれば──。
(「一撃で、決める」)
 答えはそれに尽きる。寧子は両手に二丁の鴉を構え直し、忍者の群れへと疾駆する。彼らとて思考の結論は同じようで、そのより鋭利なる殺意を携え、駆ける。
「さ、アンタたちとアタシの速さ勝負といこうじゃないか!!」
 妖魔忍者達と騎手が交わる。
 同時、寧子の時が二十分の一まで『加速』する。周囲の群れが限りなく遅く、自らの挙動が限りなく捷く感じる。そこから繰り出されるのは黒き熱戦の乱舞。文字通り瞬く間に引き金を引き、忍達を撃ち抜く──『クイックドロウ』。
 久遠とも思えたその刻は過ぎ、忍らと寧子の場所が入れ替わる。
 ばたり。
 一つの地へ伏す音を皮切りに、それは二つ三つと増えていく。それはこの一瞬の駆け引きにおいて、 甘夏・寧子という女が勝利したという事実に他ならなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『刻命』の阿頼耶識』

POW   :    私は今、『禁忌の果て』に至る
対象の攻撃を軽減する【半人半獣の戦闘形態】に変身しつつ、【蒼炎を纏った矢】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    『刻命』よ、力の一端を開放しなさい
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【仮初の命を与えた絶対服従の傀儡】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    では…切り札といきましょう
自身が戦闘で瀕死になると【自身と全く同じ姿をした2体の分身】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はセリオン・アーヴニルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蒼き幽冥、来たりて
 使役された妖魔忍者達はその全てを討滅された。
 倒れた肉体は青白い光となってある一つの場所へと集束していく。それはまるで魂が吸い込まれているかのような光景だった。
 猟兵達の中にはその先の場所を目視したものもいるかもしれない。
 そこにいたのは、青褪めた弓矢を携えし美青年。

 ──『刻命』の阿頼耶識。
 復讐という泥濘に囚われる、生死を手繰る冥府の弓士。

「邪魔を、するというのですか」
 彼は猟兵達を視界に捉えると、憤怒を押し殺したような声で冷淡に呟く。
「我が復讐を、妨げるというのですか」
 激情の渦巻く怜悧な声は、その場にいる者へと届く。
「であれば、必然。貴方達も、骸の轍へとなってもらいましょう」
 その瞳に顕れる光はひどく歪に輝いていた。生命を操り、死者を偽る冥土の光。生なきものに生を与え、死遠きものを死へと向かわせる昏き光。そんな邪なる光を宿す、濁りきった、眼をしていた。
 阿頼耶識は静かに弓矢を構える。
「『──愛しき我が那勢命、如此為ば、汝の国の人草、一日に千頭絞り殺さむ』」
 口ずさむは原初の呪詛。それに応じるかのように『刻命』が淡く光を発する。
「遍く総てを鏖殺し、黄泉を大地を敷きましょう。さすればきっと、私の心も晴れる。さすればきっと、愛しき家族も浄土へ行ける」
 その声色に、その気配に最早正気は遺されていないと理解するにそう時間はかからないだろう。
 瞬間、阿頼耶識から膨大な殺気が放たれた。純粋なる悪意は、猟兵達へと吹雪の如く押寄せる。

 ──さて、復讐に巣食われた男を救うと欲すのならば。
 猟兵達よ。いざ、戦え。
リステル・クローズエデン
あなたを終わらせるのは僕ではない。
その恨みも、憎しみも。
あなたが奪われた者達の痛みも嘆きも知らないから。

だから、僕は……

僕の我儘を通す。


【制限解除・呪腕解放】
デメリットは『呪詛耐性3、毒耐性3、激痛耐性3』で軽減

『見切り4+情報収集9』で行動予測
死者から傀儡が生み出されるならば、そちらを優先的に倒し
阿頼耶識と対峙しているメンバーの邪魔をさせない。

攻撃は『2回攻撃4、鎧無視攻撃7』の刀による斬撃
『投擲11、毒使い4+マヒ攻撃4』のマヒ毒付きの手裏剣投擲
『グラップル7+怪力2』の鞘による打撃と蹴り

回避は『見切り4+第六感5、残像2+ジャンプ6+ダッシュ2』
防御は『オーラ防御8+激痛耐性3』で耐える


クー・フロスト
◆可愛い女の子から(?)の頼み

他の参加者が花を飾れるように
サポートに立ち回りたい

出来ればトドメは他の者に…
宜しく頼む

――

▼心情

フッ……復讐であるか。
下らんな、そのような下賎な考えを持ってして
浄土に逝けると考えておるとは、な。
貴様のようなヤツは地獄がお似合いだ。

以前森を守る為戦った聖獣のオブリビオンの方がまだ
誇り高き騎士であったぞ?

引導を渡してやろう……苦しんで逝くが良い

▼戦闘

不死騎兵よ
駆けて槍で【串刺し】にせよ【傷口をえぐり】苦しませよ
白骨歩兵よ
連携し騎兵の刺した場所の【傷口をえぐり】、更なる苦痛を与えよ

傀儡鎧兵と死神は接近し
他の者のトドメとなるべく動きを封じよ
【傷口をえぐる】のは忘れるなよ?



●碧き現世のともがら
「復讐か。……下らんな」
 吹きすさぶ死の冷気を断つように呟いたのはクー・フロスト(《甦生氷姫》武人たる者、常に鍛えよ・f08503)だった。
「そのような下賎な考えを持ってして浄土に逝けると考えておるとは……貴様のようなヤツには、地獄がお似合いだ」
「地獄、ふふ。囀りますね猟兵。であれば見せてもらいましょう、あなた達の力をを。あなた達が私を否定するというならば、私もあなた達を否定する」
 阿頼耶識は冷たい笑みを浮かべて『刻命』に指を這わせる。青白く発光し、力が渦巻いていく。
「──『刻命』よ、力の一端を開放しなさい」
 その言葉と共に、集束していた光が解放された。
 光? 否、それは霊魂だ。それらが先刻に猟兵達が倒した妖魔忍者たちの骸へと乗り移ったと思えば、だらりと立ち上がる。
 そうして絶対服従の傀儡と化した骸たちは、命を貪らんと襲いかかる!

 その状況に、それまでクーの隣で沈黙していたリステル・クローズエデンが一歩、骸たちの前へと進み出る。
「あなたを終わらせるのは僕ではない。その恨みも、憎しみも。あなたが奪われた者達の痛みも嘆きも知らないから」
 向ける言葉は骸たちのその先の阿頼耶識へ。ゆっくりと刀を納めながら呟く。
「だから、僕は──僕の我儘を通す」
 ゆっくりと右腕をあげ、確りと阿頼耶識を見据えるリステル。その眼には、眩い決意の光があった。
「リミッター解除、青の封印解放……。この身は刃、凍てつく青き刃……!」
 ぞわり、と彼女の纏う空気が変わっていく。
 その言葉は解呪の祝詞。己の力の封を解き、己の身を刃へと変えるための言霊。
「ただ、斬り裂くのみ……ッ!!」
 ──『制限解除・呪腕解放(リミッターカット・ブルーブレイク)』。
 リステルの右腕に埋め込まれた呪物の封印が解かれる。同時、身を蹂躙するほどの呪いと濁流のように押寄せる青の魔力。意識が千切れる、肉体が四散しそうになる。
「グッ……ガ、ァッ! 怨念如きが……静かにしてろ……ッ」
 だが、それらを零度よりも冷たい殺意で必死に抑える。身を蝕む代償への耐性はついたとはいえどそれでも苦しい。
「……他の皆の邪魔は、させない」
「無論だ。リステル殿、私も側にいる。共に、戦おう」
 クーのその言葉に、リステルは頷いた。
 隣に共に戦うものがいる。それだけでも代償は軽くなるような気がした。
「さて! 随分と多く傀儡にしたものだ。目には目を、歯には歯を、軍には軍を!」
 傀儡達の群れへと向き直り、クーは声高らかに言う。
 そうしてククク、と笑い紡ぐのは呪言。
「我がシモベたちよ。――――従え。カタカタと骨を震わせ、這い上がれ。スケルトン軍団の恐ろしさ魅せてやろうぞ……?」
 暗闇が溢れる。暗澹が満ちる。そこから顕れるのは、もうひとつの死者たちの軍勢。これこそが、『甦生氷姫』クー・フロストの軍団にして戦術。
 『《傀儡の躯》死霊術士の戦術(クグツノカラダ)』。
「これで戦力は対等だ! ……いや、もしかしたらこちらのほうが上かもしれんな?」
 自信げにクーは言う。
「……そうですね。この傀儡ども、僕達で潰してしまいましょう」
「あぁ! 往くぞ!」

 二つの青は死霊だらけの戦場を駆ける。
 魔力を帯びる呪腕が傀儡の忍者達を切り裂き吹き飛ばし、不死の騎兵と白骨の騎兵が連携し残りの忍者を串刺しにしていく。
 ──そうして、阿頼耶識によって喚び起こされた忍者の骸達は、再び永い眠りへと落ちていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

木目・一葉
復讐を分別つけずに全てに撒き散らすなんて
それは彼の心が芯から憎悪で濁ったゆえ
せめてそれをこの戦いで吐き出させよう

・戦闘
前衛に立つ
蒼炎の矢は【地形の利用】でその場の建物などを盾にし、更に【武器受け】のために斧も構え、2段防御を試みる
更に妖の小太刀で『妖刀解放』による衝撃波の【カウンター】を行う
「その弓矢に利用されてないか?
本当に『皆』殺しを考えたのか?
当事者以外を何故殺す?
同じ悲劇を他の人にも味合わせるのか!?」
これらの問いかけと、逐一行うカウンターで敵も僕を無視できないだろう
この【おびき寄せ】で、敵の攻撃の囮となり、先程と同じ戦いを続けよう
できるなら、仲間の攻撃が有利となる場所へ誘導したい


甘夏・寧子
ああ、邪魔するよ。アタシが、アタシという一個人が生きている限りはね。
さ、どっちが[正しい]か戦って決めようじゃないか。

あっちが矢で攻撃してくるってんなら、こっちはブラスターで対抗だよ。
『クロウ』、『レイヴン』、さっきと同じようにどっちも使って戦おうじゃないか。
【早業】と【力溜め】で手数と火力で勝負を仕掛けようかね。
相手の傀儡ごと撃ち抜ければ上々だ。

……しっかり撃ち抜けよ。私はアンタを捉えたからね。




「その弓矢に利用されてないか? 本当に『皆』殺しを考えたのか?」
 阿頼耶識から放たれる蒼炎の矢を斧で弾き、群がろうとする傀儡たちを吹き飛ばしながら木目・一葉は声をあげる。
「当事者以外を何故殺す? 同じ悲劇を他の人にも味わわせるのか!?」
 口から出るのは怒号。
 復讐を撒き散らすのは彼の心が濁ったからだ。憎悪に心身を囚われたのならば、この戦いで吐き出させたい。彼女はそう願っていた。
 それに、疑問でもあった。阿頼耶識と名乗った男は本当に自分の意思でこの事柄を行っているのか? 己が受けた悲しみを、関係のない他人に押し付ける。それがもし彼の意思だとしたら。
「それは──お前の家族を殺した領主と同じじゃないのか?!」
 その言葉に、半人半獣の姿となった阿頼耶識の顔が一葉へと向けられる。
「いいえ──いいえ! 違う、違う違う違う違う断じて違う! あの屑と私は違うのですよ……。私には正当なる理由がある! 理由なき虐殺ではないッ!」
 汚濁にまみれた瞳を見開き、違うのだと叫ぶ。
「助けを求めたが出される手はなかった。救いを願ったがだれも見向きもしなかった!! だったらそれで十分でしょう? 私を、私達を、見てみぬフリをした者共などいらない!!」
 阿頼耶識の眉間に皺が寄る。忌々しそうな声色で彼は続ける。
「きっと誰もがそうなのです。この町の者達もそうに違いない。であればそんな命、一度潰してしまったほうがいい。そうすれば、私のような悲劇を経験するものはいなくなる。これは善意、救済なんですよ。それでも──私の邪魔をするのですか?」
「あぁ、邪魔するよ。アタシが、アタシという一個人が生きている限りはね」
 間髪いれずに甘夏・寧子が答えた。
 両手には番鴉の熱線銃の銃口を向け、その琥珀の双眸に蒼き復讐者を確りと映して。
「アンタにもアンタの正しさがあるように、アタシにもアタシの正しさがある。アンタの『正しさ』がこの町の人らを全員殺すってことなら、アタシの『正しさ』はそれに決着をつけることだ」
 目前の妄執に囚われた男に、きっと言葉は届かない。復讐を願う意思の力はひどく強大で、ひどく粘着質だ。
 理解したくはないと思いながら、それでも理解してしまっている。理解できてしまっている。自分も、この男のように多くを失った身であることに変わりはないから。
 だけど、元より意思は決まっている。
「さ、どっちが『正しい』か戦って決めようじゃないか」
「ふざけたことを。決めるまでもありません、『正しい』のは、私だ」

 同時、蒼き焔の矢と黒き光の線が衝突する。
 次いで爆風が巻き起こり、土煙があがる。
「妖剣、解放……!!」
 それが一葉の突進と斧から放たれた衝撃波によって切り裂かれれば、その背後から再び黒き熱線が阿頼耶識へと向かう。
「この……ッ!!」
 咄嗟に阿頼耶識が矢を番え、寧子へと蒼炎を放つ。
「させないッ!」
 だが、一葉がそれを許さない。放たれた矢は標的へと辿り着く前に斧によって断ち切られる。
 矢を放った後──その、隙に。
「寧子さん!」
「あぁ! ……しっかり撃ち抜けよ。私はアンタを捉えたからね」
 阿頼耶識へ向けて、黒き一閃が放たれた。
 甘夏・寧子は決して撃ち漏らさない。ニ十分の一の速度で引き金を引くことができ彼女にとって、一瞬でも隙があれば狙いを定めることなどたやすいのだから。
「ガ、ハッ……!!」
 番鴉の熱は阿頼耶識の腹を大きく穿った。彼女の『正しさ』が、彼の『正しさ』に打ち勝ったことを意味するように、深く。

 甘夏寧子と木目一葉。彼女たち二人の連携によって、『刻命』の阿頼耶識は大きな打撃を負ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

明神・竜聖
嗚呼、無常。
復讐の枷に囚われた、哀れな男。
彼の岸にも此の岸にも、居場所の無い、悲しき男。
せめて、その怨嗟も残さぬほどに殺しつくしてあげましょう。

離れすぎては少々面倒ですからね。
先ずは、捉えましょうか。
白錠縛鎖の光弾を展開、点ではなく面の斉射で確実に捉えましょうか。
鎖で繋がったら、怪力で強引に引き寄せて、こちらの射程に引き込みましょう。
第六感や残像を駆使して攻撃を見切り、太極拳や八卦掌の流れるような動きで攻撃をいなし、振り回し、離れては引き寄せ、八極拳の重く鋭い打撃を叩き込みましょう。
鎖が切れたら再び白錠縛鎖で捉えましょう。

最後は、崩天で壊してあげられたら、いいんですが……。


秋月・信子
阿頼耶識が切り札を放ち2体の分身を召喚させるのを見て驚く
「分身…!?」


それなら…こちらも「分身」をするまで

「お願い、私の影達…本体を追って!」
ユーベルコード【影の追跡者の召喚】で、自身を形取り拳銃を握る影を召喚する

本体を追う影を止めようと分身らは食い止めようとするだろう
だが、それを見越して影を狙撃で援護するべくボルトアクションライフルに弾を装填する
挿弾子で束ねられ、光が当たると鈍く白く輝く弾頭は破魔の力を宿す銀の弾丸
西洋の魔物は兎も角、東洋の亡霊にも効果はあるのか不明確だが、力を増幅させた魔弾を撃った―

(技能:援護射撃2、追跡1、スナイパー8、破魔3、を使用)
アドリブは大歓迎
共闘はお任せします


上月・衒之丞
ふん……主、阿頼耶識と申しなんしか
如何が故にその名を名乗りなんしか知りんせんが……その言葉、好かなんしな
主は決して生かしておかなんし、疾く散りなんせ

出し惜しみする余裕はない
鋼線を放ち、素早く切り刻んで行く
敵のユーベルコードの前兆が見えたら、四肢を絡め取り動きを封じる
「無明弦月流、如月。その業、封じいす……!」
こいつは、自由に動かすと危険だと本能でわかる
寿命なぞくれてやる、後で精で補えばいい
今は、全身全霊でこいつを止める……!

無駄な問いとわかってはいても、聞かねばなるまい
主は、伊邪那美なりや?
それとも、黄泉比良坂に囚われし亡者なんしか?
……その意志が『阿頼耶識』とは認められようはずがありんせん!




 ──そう、阿頼耶識は大きな傷を受けた。腹は抉れ、息も荒い。足元はふらつくし、全身の体温が下っていくのが分かる。
 自分が死に瀕しているということは直ぐに理解できた。
 間もなく、自分は目前の彼らに討たれようとしている。
「ク、ハハ……」
 心に渦巻くのは憎悪と憤怒。
 己は正しい、間違ってなどいない、だから。
「ふざけるなよ──猟兵!!」
 ここで倒れるなどありえない。
 ここで再び骸の海に還るなど認めない。
 阿頼耶識がそう咆哮をあげたと同時、彼の手の内にある『刻命』から眩い光が放たれる。
 それはこれまでの光とはまるで違う。蝋燭が燃え尽きる寸前のより強い焔のごとく、蒼き光は猟兵達の視界を埋め尽くす。

 やがて光が過ぎれば、そこに現れていたのは二人の阿頼耶識だった。一切の傷を受けておらず、涼やかな顔で傷ついた阿頼耶識の前へと出現した──『分身』。
 これこそが阿頼耶識の切り札。自らが死の危険に瀕した時に召喚される、同等の力を持つ鏡像。
「遍く総てを鏖殺し、この世に黄泉を敷きましょう」
「一切総てを骸にし、この世に冥府を置きましょう」
「「これ即ち報復。赦さない、認めない、私達を見捨てた者共、その後に続く人類など。故に殺すのです。同じ目に合わせなければ気が済まない」」
 詠うように口遊みながら、分身達は猟兵たちへと意識を向け──。
 戦いが、始まった。

「阿頼耶識。如何が故にその名を名乗りなんしか知りんせんが……汝の言葉は好かなんし」
 最も疾く動いたのは衒之丞だった。
 操る単分子のワイヤーは空気を切り裂き、『刻命』に指を這わせようとしていた阿頼耶識達へと向かう。
(「分身か。……やはり、自由にしておくのは危険過ぎる」)
 傀儡にせよ蒼炎の矢にせよ、術者が二人になればより対処がしづらくなる。
 それ以前に、衒之丞は阿頼耶識達に本能的な忌避感を抱いていた。
「無明弦月流、如月。その業、封じいす……!」
 分身達の体に糸が巻き付く。四肢を絡め取られたことによって、傀儡を生み出す光を放つことは阻止された。
 だが、即座に分身は呪言を口遊む。傀儡を封じられたのであれば、違う手を使えば良いだけだ。
「「私は今、『禁忌の果て』に至る」」
 同時、身を封じていた衒之丞の糸が蒼炎によって燃え上がる。
 それは当然、分身達から発せられたものだ。
「……主は、伊邪那美なりや? それとも、黄泉比良坂に囚われし亡者なんしか?」
 半人半獣の戦闘形態となった彼らに衒之丞は問いかける。それに、分身達は答えなかった。

「嗚呼、無常」
 そこに明神・竜聖の穏やかな、しかし冷静な声が響く。
「復讐の枷に囚われた、哀れな男。彼の岸にも此の岸にも、居場所の無い、悲しき男」
 言って、竜聖は己の内に在る力を具現する。
「――さあ、し合いましょう」
 形成されるのは鏃型の無数の光弾。それが分身達へと殺到する──『白錠縛鎖』。
 咄嗟の角度から放たれたそれらを回避しきることは分身にはできない。命中した光弾は鎖となり、分身達をつなぎとめる。
「離れすぎては少々面倒ですからね。……ご安心を、その怨恨も残さぬほどに殺しつくしてあげましょう」
 竜聖が強引に鎖を引けば、その怪力によって分身達が引き寄せられる。
「フッ──!!」
 竜聖の間合いに入った分身達に撃ち込まれるのは八極拳による鈍重な打撃。先ず腹部、次いで胸部、水流のように艶やかな動きは嵐のような激しさをもって彼らの肉体を正確に打ち砕いていく。
 骨が砕け、肉が裂ける音がしてその手に握られた『刻命』が地へと落ちた。

「お願い、私の影達!」
 そして秋月・信子がそこに加勢する。影が蠢き、顕れるのは信子と同じ姿をし拳銃を握る影の追跡者たち。
 彼らは疲弊した分身達の動きを止めるかのように射撃を開始する。
 戦況は圧倒的に猟兵有利だった。
 ──そして、彼女の本領は精密なる射撃にある。
 信子は手にしたボルトアクションライフルに銀の弾丸を込め、構える。撃ち抜く先は阿頼耶識本体。衒之丞と竜聖によって分身達の力が弱められた今であれば、きっと届くに違いない。
(「必ず、当てる……!」)
 そうして引き金が引かれ、純白の光を纏う浄弾が発射される。それは破魔の力を宿す魔滅の一射。相手は復讐に取り憑かれた憐れなる亡霊だ。魔を討つ光は、最上の毒となって襲いかかる!

「───」
 目前に迫る白き浄化の光を、阿頼耶識は避けない。否、避けられない。
「あぁ、みんな、そこにいたのか──」
 確かに彼はそう呟いた。汚濁しきった瞳で、己の命を狩る光の中に何を幻視したのかは分からない。
 只一つ確実なこと、それは弾丸が『刻命』の阿頼耶識の眉間に吸い込まれ、眉間を貫いたことだった。
 どさり、と地面に倒れる音がしたと同時に分身達の肉体は硝子のように砕け散り、程なくして、阿頼耶識本体の肉体も光の粒子となって消えていった。

 猟兵達は彼の最期の言葉を聞こえてもいいし、聞こえなくてもいい。
 いずれにせよ、こうして一人の復讐者の凶行は防がれたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『茶屋にて一服いかがでしょう?』

POW   :    お茶の味を楽しみながらまったりとする。

SPD   :    和菓子の味に舌打ちながらまったりとする。

WIZ   :    茶屋からの景色を眺めてまったりとする。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦の後は
 ──猟兵達の活躍によって復讐者の脅威は去った。
 町人達は猟兵に感謝を告げ、町の中にある茶屋へと招待した。

 透き通る湖を臨むことができるそれなりの大きさの茶屋。
 湖へと近付いてみれば、そこに泳ぐ魚の数々や揺れる水草を見ることができるだろう。それは阿頼耶識の瞳とは正反対の、どこまでも透き通る湖だった。

 猟兵達はここで思い思いの行動をとることができる。
 蒼き幽冥のともがらを退けたあと、貴方達は何をするだろうか? 
木目・一葉
【WIZ】茶屋からの景色を眺める

確かに景色が良い
特に湖の綺麗さは格別だ
「心が洗われるようだと言っていたな」
阿頼耶識と名乗った心を濁らせたあの復讐者は、真識といわれる筈のそれには遠く、妄識にも遠かった
その最後の呟きが――
「帰りたかったんだな」

その後は【失せ物探し】で『刻命』と彼の遺品を探索
『刻命』は危険だから回収だ
彼の遺品は、もしも見つけたら弔いの意味を込め、湖へ沈めよう
これからを生きる人達に、この事件に気持ちを囚われないようにという願いも込めて
「僕も、随分と自分勝手だな」

もし探索の協力が可能なら、三千院操(f12510)さんに声をかけてお願いしたい
返礼はお茶や団子?それともこの弓がいいかな?



●生真面目な戦士
「心が洗われるようだと言っていたな」
 いい景色だ。と、湖を眺めながら木目・一葉は想う。
 太陽の光を反射して煌めく水面は、ただ静かにそこに在った。
 阿頼耶識と名乗ったあの復讐者は、真識といわれる筈のそれには遠く、妄識にも遠かった。
 彼の言った最期の言葉、それは一葉の耳に確かに届いていた。
「帰りたかったんだな」
 光の中に幻視したものは、きっと喪った家族なのだろう。果たして、彼は還ることができたのだろうか。

 踵を返し、一葉は阿頼耶識と戦った場所へと戻る。
(「彼の遺品があればいいのだが……。それに『刻命』。あの弓矢は危険だ」)
 途中でグリモア猟兵の三千院・操に探索の協力をしてもらおうと声をかければ、彼は快く引き受けた。
「捜し物するの? いいよ!」
「あぁ、弔いがしたいんだ。ありがとう」
 言って、二人は周囲へと目を配らせる。
 そうしていると、一葉の目に留まるものがあった。
「あれは……」
「ん、何か見つけた?」
「あぁ。これは、手袋か……」
 彼女が見つけたのは阿頼耶識がはめていた手袋。その片方だった。彼が身につけていたものは、『刻命』を含め、彼が光の粒子となって消えていく時にほぼほぼなくなってしまったようだが、どうやらそれは奇跡的に残っていたようだ。
「それどうするのー? 弔いって言ってたけど、土に埋める?」
「いや、湖に沈める。これからを生きる人達に、この事件に気持ちを囚われないようにという願いも込めてな」
 再び二人は湖へと戻り、見つけた阿頼耶識の手袋を湖の中へと落とす。
 手袋はすぐに水を吸い、透き通る湖の底へと沈んでいった。
「僕も、随分と自分勝手だな」
 言って、一葉は苦笑する。
「さて、手伝ってもらったし返礼をしないとな。何がいいだろうか、お茶や団子?」
「え! いいの?! やったー! じゃあー、団子!!」
 そうして目を輝かせて喜ぶ操と共に、一葉は団子を口へと運ぶ。
 弔いと願いの後に食べたそれは、普段よりも少しだけ、美味しかったような気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

明神・竜聖
嗚呼……良き平穏ですね……。
何気ない、ケの日々ではありますが、これが無くして明日も無し。
十二分に、堪能致しましょう。

【WIZ】

お茶屋ですが、僕はこちら(お酒)で。
素晴らしい風景を肴に、腰に下げた瓢箪のお酒を頂きましょう。

……でも、そうですね。
ここで鎮魂の祈りを捧げても、オブリビオンと化した阿頼耶識には届かないでしょうが。
僅かでもその思いが晴れるよう、舞を踊りましょうか。



●天女舞踊
「嗚呼……良き平穏ですね……」
 茶屋の腰掛けにて瓢箪で酒を楽しむのは明神・竜聖だ。
 目前に広がる美しい光景は、十分に酒の肴になる。
(「何気ない、ケの日々ではありますが、これが無くして明日も無し」)
 ハレとケ、陰と陽。気枯れの日なくして晴れの日なし。世の中は良いことばかりではなく、大きな理不尽に晒されることもある。そして時に、それによって病みに憑かれてしまうことも。
 だからこそ、と竜聖は立つ。

「十二分に、堪能致しましょう」
 瓢箪を腰に下げ、湖の前までやってくれば、彼は優雅に舞を踊り始めた。
 最早過去の産物と化し、骸の海へと沈んだ阿頼耶識に鎮魂の祈りは届かないだろう。であれば、僅かなりともその澱んだ想いを晴らすべく。
 その舞は竜聖の装いも相まってまさしく天女。きめ細やかな天乃白川がふわりと浮けば、神仙の如き舞衣が揺れ踊る。
 背にする湖が光を受けて煌めけば、彼の舞踊を引き立てた。
「……綺麗だ」
 それを見た町人の一人が呟き、一人また一人と竜聖の舞に足を止める。
 此処に紡がれるのは慰みの神楽。先まで戦に酔っていた羅刹とは思えぬほどの繊細さと美麗さを放つ様は鬼子母神のようで、神秘の魅力を放っていた。

 やがて、舞が終われば町人からは大きな拍手が上がった。
 竜聖は恭しく礼をすれば、一陣の風が吹き抜ける。彼の天鵞絨の髪を揺らし、水面を揺らして過ぎていった風は、清々しく、そして爽やかなものだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上月・衒之丞
グリモア猟兵の操に声をかけ誘おう。
「ちと……散歩に行かなんしか?」

澄んだ湖を眺めながらゆっくりと歩こう。
「綺麗な湖でありんすな。町人達の自慢でありなんしょうなぁ」
あちきには似つかわしゅうありんせんな。

ぽつりと、操に問いかけよう。
「主はあちきをどう思いなんし?
……あぁ、見目ではありんせん。すまなんすな」
「今でこそ猟兵で表に出ささんすが、あちきも裏稼業の出なんし。
あちきには表は眩し過ぎたんしよ」

色々話してもらったら、最後に礼を言おう。
「付き合いささんして、ほんに有難く。礼を申しいすよ」
「……よく見たらいい男なんしな。ふふあちきと今度遊びなんしか?」



●遊女遊歩
「ちと……散歩に行かなんしか?」
 ちょうど四本目の団子を食べ終わった操に声をかけたのは上月・衒之丞だった。
「うん! いいよ!」
 頷き、側にいた他の猟兵と茶屋の主人に礼を言って操は立ち上がった。

「綺麗な湖でありんすな。町人達の自慢でありなんしょうなぁ」
 あちきには似つかわしゅうありんせんな。衒之丞そんな言葉は内に秘め、ゆっくりと湖の近くを歩いていく。
「だろうねー、こんなに透明な湖あんまりないだろうし!」
「──主は、あちきをどう思いなんし?」
 ぽつりと、衒之丞は隣を歩く操に問いかける。
「んー、綺麗な人だと思うよ!」
「……あぁ、見目ではありんせん。すまなんすな」
 くすりと笑みを零してそういえば、操は『そうなの?』と頭上にクエスチョンマークを浮かべた。
「今でこそ猟兵で表に出ささんすが、あちきも裏稼業の出なんし。あちきには表は眩し過ぎたんしよ」
「あぁ、そういうこと。だったら、おれも似たようなものかも!」
 両手を頭の後ろで組んで歩みながら、操は言う。
「おれも、もともとあんまり表に出るような立場じゃなかったからさ。たまーに、なんかむず痒くなる時ある」
 へら、と彼は笑みを浮かべる。
「そう思ったら、たまに影に隠れればいいと思うよ。そんで、大丈夫そうになったら出てくる! そうすれば、なんとかやっていけたりしない? かな?」
 眩しすぎる光は時に身を焦がし、暗すぎる闇は時に身を侵す。故に、光に闇にと居場所を変えれば、或いは。
 操の返答を受け、衒之丞がどう想ったのかはわからない。なぜなら彼は遊女。遊び、遊ばせ、水面に浮かぶ泡のように儚い泡沫なのだから。
「付き合いささんして、ほんに有難く。礼を申しいすよ」
「こちらこそ! 誘ってくれてありがとね!」
 そう言って笑う操の顔を見て、衒之丞は一言。
「……よく見たらいい男なんしな。ふふ、あちきと今度遊びなんしか?」
「ふぁっ?!」
 その言葉にひどく驚く操と、くすくすと笑う衒之丞。
 斯くして、穏やかな時間は過ぎていった。



 ──広がる空は突き抜けるように蒼く、過去の幽鬼は去った。
 此処にあるのは現在を生きる人々と、未来を守る猟兵達のみ。
 それでは、此度の話はこれにて御仕舞い。目出度し、目出度し。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日


挿絵イラスト