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Cross Garden

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●魔女狩り
「違う、嫌だ!待ってくれ!!」
 青年の叫びは届かない。高く組まれた樹木の死骸は、炎を今かと待っている。
 取り囲む人々は、彼を指差し蔑んだ。
「お前は、我々とは違う」
 口を開いた男の纏う布が、逞しい太腿をちらりと覗かせ、揺れる。
 集まっていた人々が、そうだそうだと紅引く口を揃えて賛同した。
 異常だ問題だ個性を魅力を損なう等と愚かしい垣根を超える気概と覚悟を勇気を持たない臆病者め。
 青年は、涙で滲む世界に向けて、震える声で叫びを上げる。
 彼だけが、スカートではない。
「なあ、おかしいよ……!おかしいだろ!?なあ!だって!俺は、ただ!!」
 俺でありたかっただけなんだ。
「異端者には、死を」
 乾いた木々に火が灯る。
 さあ、宴だ。赤々としたドレスが揺れる。
 ヒールを鳴らして踊れや踊れ。
 目元に引いた影と線とをコントラストに、紅を湛えた口を歪めて。
 笑えや嗤え烏合の衆。
 老若女は此処には居ない。
 此処に居るのは男のみ。
 狂気の沙汰の異端狩り。ようこそ此処は―――『女装の庭』

●という夢を見たんだ
「ンパ」
 上記の事が書かれた看板の下で、ケース・バイケース(鯉・f03188)がびっちびっちと跳ねている。
 グリモア猟兵の鯉は、びたん!と横に移動し、次の看板へとあなたを誘導する。
『ダークセイヴァーのとある街で、女装した男たちによる魔女狩りが行われます。女装してこれを阻止し、この事態の元凶である親玉を撃破してください』
 何度読んでもそう書いてある。お前は何を言っているんだ。
 鯉を見つめても、エラが動くだけである。
 視線を先へと進めると、こんな事が書いてあった。
『この街では、女装が当たり前なので、女装で行動してください』
 だからお前は何を言っているんだ。鯉は何も答えない。
『コロシアムの玉座に座っているのが、親玉です。女装コロシアムにエントリーし自身の魅力を最大限に引き出すと、優勝候補として親玉に接近出来ると思います』
 おい、なあ、女装コロシアムってなんだよ!なあ!
 鯉はまた、びたん!と次の看板へとあなたを誘導した。
 看板にはこう書いてある。
『どうか、男を見せてください』
「ンパ!ンパ!」
 鯉は懸命に跳ねながら、貴方を応援している。その横には、名も無きドレスの店が佇んでいた。
 なるほどここで服を着替えて行けと言うのか。
 違うそうじゃない。なるほどではない。
 出口付近で跳ねている鯉。着替えろと?着替えるしかないと?
 着替えて行けば、看板がある。
『よろしくお願いします』
 跳ねる鯉。
 ここまで来てしまったのが、運の尽きと言う物か。
 覚悟を決めたか、決めなかったか。なんにしろ、あなたの転送は始まってしまうのだった。


KS
 初めまして。初投稿のKS(ケーエス)です。
 人に来て頂けるか不安なシナリオではありますが、一生懸命頑張りますので、どうか、どうかよろしくお願いします。
 内容はシリアス?な、はず?です。
 第一章では、オープニングで魔女狩りに遭う青年を救出し、第二章ではコロシアムへ潜入し、BOSSへの道を開きます。第三章では己を曝け出しての殴り合い……を想定していますが……どうなるんでしょう……?
 このシナリオをどうしたいかは、参加者の方々に委ねようと思います。

 最後に。
 女装、と書いてありますが、女性の方も是非いらして下さい。垣根なんて飛び越えて行こうぜ!!しゃらくせえ!!!の精神で、是非。よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『魔女狩りを阻止せよ』

POW   :    異端審問官を力尽くで排除し、村人を救出する

SPD   :    刑場に突入し、異端審問官に捉えられる前に村人の拘束を解く

WIZ   :    周囲の村人を説得。味方につけ、処刑の中止を求める

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ジェイクス・ライアー
おい店主、何だこのドレスは。着ないと言っているだろう。
おい、勝手に転送を始めるな。
おい。おいッ話を聞けッッ!!!!

【やるからには本気で女装する】
…不本意だが紳士たるもの、やるからには無様な姿は見せられん。

ハイヒールを履きこなし、ロングスカートを翻す。その足取りに迷いはない。
無駄毛?剃るに決まっているだろう。私たちがしているのはなんだ?女装だろう。ふざけるのも大概にしろ。中途半端な覚悟は許さん。

で。男か。救出か。
ようは男の容疑が晴らせば良いのではないか?
男のズボンを素早くスカートに加工する、あるいはそもそもスカートに履き替えさすなどで誤魔化すのは難しいか?
他のものに良いアイディアがあれば乗ろう。



ジェイクスが着替えさせられた服は、深い紺のタイトドレス。
身体のラインに沿ったロングドレスだが、動きやすい様スリットが入り、逞しくも毛の処理された麗しい足がすらりと伸びているのが見える。広く長いストールが、肩を隠しミステリアスにセクシーだ。
毛が……処理を……!?この男、本気である。

当たり前だ。彼は紳士なのだから。
やるからには無様であってはならないのだ。

「待て、同志よ」
ヒールを鳴らし語り掛ける。一切同志では無い。決して。
けれどもその声に、異端審問者は止まる。
「なんだ貴様!美しいな!我々はこの男を異端者として吊るさなければいけないのだ。邪魔をしてくれるな」
赤いドレスを翻す筋骨逞しい審問者の近くで、青年が震えている。
カツカツと見事なキャットウォークで近付くジェイクスは、まぁ待てと優美に手を上げ制止する。
「その男は……果たして本当に、同志では無いのか?」
顔を見合わせる審問官。
今だ!猟兵としての本領を発揮したジェイクスは、ロングスカートを翻し素早い身のこなしで持っていたストールを青年へと巻き付け簡易のスカートとすると、ついでに穿いていたズボンをひっぺがして捨てた。
ふわりと、長いスカートが降りきる。その頃には、そこには女装の男しか居なくなっていた。

「……ん?んん!?」
三度見する審問官。す、スカートだ!
「……なんだ、同志だったか。手荒な真似をして、すまなかったな」
笑顔で手を伸ばす審問官。目を白黒させ戸惑う青年。
いいから手を取っておけ、話を合わせろ。美丈夫からの圧。
青年は泣きそうな顔でその手を取った。

こうして、一人の青年は救われた。
救われたのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

狗衣宮・藍狐
スカートじゃないといけない!?
じゃあキュロットパンツやパンツルックもダメってこと!?そんなの全っ然!オシャレじゃないわ!!
彼らにはオシャレの何たるかを教えないといけないようね!

私は村人たちにグラフィティスプラッシュの早業アートで「絶望的にパンツルックしか似合わないボーイッシュ系統メイク」を施すことで説得するわ。
スカートじゃないからって異端?そんな馬鹿なことあるもんですか!
ファッションは自己表現!極端なことを言えば例えTPOが守られてなくたって、遠ざける権利はあっても石を投げる権利は無いわ!
いくらあなたたちの服装が可愛くても、その価値観がかわいくなーい!!

※アドリブ、絡みなど歓迎



狗衣宮藍狐 (くぎみや らんこ)は激怒していた。
「スカートじゃないと許さない!?そんなの絶対!お洒落じゃない!」
それもその筈。彼女はスタイリストだ。白いふかふかの尾を膨らませ、ふわっと言うよりぶわっとしている。激おこぷんぷん丸(やわらかい表現)である。
彼女が筆を振るうと、千変万化の色が薙ぐ。赤、青、緑に黄色、暖色よりも寒色が多く、ラインは鋭く、切れ味の良い美しさに。
「どう!ご覧なさい!」
ダン!!と置かれる大鏡。そこに並ぶ男達に施された化粧の、なんと美しく、強い事か!
「こ……これが、俺……だと!?」
審問官は愕然とする。赤いドレスが!欠片も似合わない!!
「キュロットやパンツルックにも正義があるわ!スカートだけが正義だなんて、そんなの絶対おかしいの!そんな考え、可愛くない!!」
さあ、早く着替えて来なさい!と彼女は服屋を指差した。
「……っく、俺はダメだ!この姿のまま居る事なんて!服に対する侮辱だぁーーー!」
ダッシュ。
「ま、待て!俺だって一刻も早くこの強可愛いメイクにキュロットを合わせるんだ!!」
駆けていく審問官。と、思いきやスカートをひるがえし戻ってくる審問官。
「嬢ちゃん……素敵なメイクを、ありがとう。そしてすまない。俺達が間違っていた」
握手を求める審問官。
「……うん。いいわ、許してあげる。でもね、これだけは覚えていて欲しいの。ファッションは、自己表現。TPOやルールより先に、その人の、なりたい自分を応援してあげて」
ね。とそのごつい手を、小さな可愛らしい手が握る。
「ああ。約束しよう。そこの青年にも、彼に似合う姿を、開花を、示してやってくれ」
にこりと微笑む、ボーイッシュメイクの審問官。藍狐の耳が誇らしげに揺れる。

ここに、友情が生まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

須藤・莉亜
SPD
「いえーい、いくぜー。(ただし女装中)」
【ワンダレイ】の皆と参加

黒いシンプルなドレス着用。化粧で隈を隠し、仕上げに香水を振って良い匂いを纏っておく。

「邪魔するならバラバラにしちゃうよー」
召喚した首なし馬に乗って、夜野(f05352)が足止めしてくれてる間に、番長(f01648)と一緒に刑場に突っ込み青年の救出を狙う。
大鎌で青年の拘束を解いたり出来たら良いかも。

「みんなの女装ハマり過ぎてない?…後でこっそり写真撮っとこう。」


星群・ヒカル
ふふふ、この超宇宙番長にかかれば女装など朝飯前!
闇の女装集団の度肝を抜いていこうぜ!なあ野郎ども!

●行動:SPD
【ワンダレイ】で協力して行動
黒い冬セーラー服+ニーハイ+ローファーにバッチリ着替えるぜ
肩までつく長めの髪はそのまま後ろで軽く結っておく
似合いすぎて驚いてるだろ?おれもだ。(どやぁ)

莉亜の兄貴は貫禄のドレスアップだなぁ
夜野先輩(女性人格)は美意識高そうだ!

夜野先輩が気を引き付けてる間に莉亜の兄貴と一気に突入だ
宇宙バイク「銀翼号」で刑場へ突っ込んでそのまま青年を救出へ
ゴッドスピードライドで超加速だッ!
邪魔する奴はそのままはねちまうかもだぞ
オラオラそこをどけーッ!

※アドリブ歓迎です


尾守・夜野
WIZ判定
ワンダレイの皆と参加よ
俺よりこういったお仕事は私の担当ね!
人格を交代していくわね?
私は回りの足止めよ

「スカートじゃないから異端なんて短絡的すぎるわ!
お洒落の幅を狭めるだけよ!」 実際私はパンツスタイルのゴシックパンクで統一しているわ

男性的に成りすぎるからフリルやレース、アクセサリーを追加して髪の毛下ろしてお化粧もしているけどね?

完全にパンツだとここの人達に受け入れられ辛そうだから上をワンピースにしてヒール履いてるの
お洒落についての情報交換とかで足止め出来たらいいわね

俺の方に服を任せたら飾り気が少なすぎるのよ!後でフリル足さなきゃ!

写真?良いわよ?別に
終わったらお茶会とかしたいわね


アルフレッド・モトロ
「こうなったらヤケクソだわ!覚悟なさい!」
がっつりスリットの入ったチャイナドレス着用。なんか動きやすそうだったから…!全身傷だらけだけどこの際気にしない。
顔の傷だけはファンデでもつけてうっすら隠しておく。

POWだ(真顔)
【ワンダレイ】のメンバーたちがうまく動けるように、邪魔になりそうな異端審問官やその仲間を処理する。
何気ない顔で近づいて「…ごめんあそばせ」と組み付いて、【怪力】で静かに締め落とすぞ。
こっそり近付く際には【地形の利用】もする。

写真の撮影には割とノリノリで。
ピースとかしちゃう。



●チーム:ワンダレイ

「突然だが!戦艦ワンダレイの女装三銃士を紹介するぞ!ちがう!紹介するわ!!」
ヤケクソ気味に声を上げるワンダレイ艦長、アルフレッド。
「女装三銃士だと!?」
どよめく審問官。
「女装の専門家、須藤!女装の専門人格、尾守!そして女装の専門番、番長!よ!!」
ババン!!と音がしそうな勢いで紹介されたのは、シンプルな黒いドレスを纏った須藤莉亜(すどう りあ)
ゴシックパンクスタイルの尾守夜野(おもり やの)
そしてスケバンルックの星群ヒカル(ほむら ひかる)の三人だ。
ちなみに筋骨逞しい艦長アルフレッドは、がっつりスリットが入ったチャイナ服である。チラ見えの足が太ましい。

そう、彼らは女装し、堂々この広場までやってきた。
目の前には、火を点けられそうになっていた青年の姿。笑いごとでは無いのだが、10人を超える女装が並んでいる図は、控えめに言って頭がおかしいと思う。

「と言う訳で、こちらとらヤケクソよ!!覚悟なさい!」
ドォン!!!
爆発音かと思えば、どうやらそれはエンジンに火が灯った物だった。
ドゥルルンドゥルルンと軽快だが重く低いバイクコール音が広場に響く。
「莉亜の兄貴の貫禄あるドレスアップと、美意識高そうな夜野先輩の姿!しっかり目に焼き付けとけよぉ野郎どもぉ!」

未だ少し高い声に、胡椒程度のドスを含めてガンを決めたヒカル。
バイクに乗せたローファーと、そこから伸びる黒ニーハイ。そして冬セーラーならではの、厚手のスカートからちらりと見える絶対領域。パーフェクト!!ここにその手の趣味が居たらローアングルからの激写があった事だろう。170cmに未だ満たない身長なのも、これからの成長を感じさせてマーベラスである。

「まぁ待ちなさいよヒカル。私だって言いたい事があるわ」

その横からカツカツと15cm近いヒールブーツを鳴らしながら前へと出る夜野。
肩甲骨を優に超える漆黒の髪が艶やかに揺れ、露出した肩を滑る。鎖骨を惜しげも無く晒すゴシックパンクスタイルは、ダメージ加工がセクシーさを増している。
すらりと伸びた足は、ズボンで覆われているものの、上部はワンピース形式で、ついでに黒のレースやフリルが揺れている。なるほどこれは立派に女装である。

「いい?スカートじゃないから異端なんて短絡的過ぎるわ!お洒落の幅を狭めているだけよ!」
見なさい!と言わんばかりに、薄い布地を翻し、仁王立ちする夜野(女性人格)
「私だってパンツスタイルよ?何かおかしい?」

審問官達は顔を見合わせる。なにあれカッコイイ……ちらちらと夜野を見ながらひそひそ耳打ちをする審問官。
やがて、三人程近付いて来ると、手を差し出して来た。

「そのスタイル、実に素晴らしいと我らは感銘を受けた……なるほど、スカートだけが真実では無い。実によく解った」
うんうんと頷く審問官。
「ついては、その……ブランドを教えてくれないか?あるいは、作ったんだろうか?何か秘訣はあったりするのか?」
真摯な瞳は、真っ直ぐだ。
その目を見て、夜野は笑い、差し出された手を取った。
「ええ、良いわ。教えてあげる。私も丁度、フリルを足そうと思ってたの。ふふ、いい?これはね……」

残り審問官、6名

仲間の様子に舌打ちをする他の審問官。
「なんだアイツら、惑わされやがって……パンツスタイルがなんだ?翻った時に生足が見えるスカートこそが、正義だろうが……」
これ女性に言ってたら完全にセクハラで訴えられるが、自分に言い聞かせる為に言われている物なので、ノーカンである。
そこに、伸びる手が一つ。
「……ごめんあそばせ?」
低音。地形を利用し、他の者から見えない位置へと引き込まれる審問官。
「なっ!?」
声を上げようとするも、その喉が、逞しい腕に塞がれる。
素早いスリーパー・ホールド。
突然の事にぱくぱくと口を動かす審問官は、だがしかし頸動脈への綺麗な圧迫により、約7秒後にはがくりと項垂れる。
静かな、静かな力技であった。
そっと審問官を横たえるセクシーチャイナ、アルフレッド。
今なお、夜野に視線は集まっている事を確認すると、ふむ。と首を傾げる。
「……あと一人か二人、いけるな?」
彼は再び、チャイナの裾をはためかせながら、こっそりと動きだした。

残り審問官、3名

「よーし、そろそろいいかなー?」
うーん、と伸びをして、莉亜は呟く。
「おいで、コシュタ」
ふわりと動く度に香水の柔らかな甘い香りが残る。
そして、伸ばす手に応える様に、首無し馬が現れた。
よいしょと鞍に跨れば、準備はOK。黒いドレスから覗く、白い脚が美しい。
「いえーい、一走り行くぜー」
駆け出すは、伝承の馬。四つ足が鳴る度に、それは速度を増して行く。走れ、走れ。それは質量を持った、風だ。
靡く紫の髪に、混じる金の閃は、一種の絵画を成していた。

囚われた青年の縄に向けて、白い鎌を持ち上げる。
「どいてどいてー、邪魔するならバラバラにしちゃうよー」
カマキリが如く持ち上げられた巨大な鎌に、思わず怯む審問官×3
その隙を、逃して等なるものか!
「おれも行くぜぇッ銀翼号!!レディ!ゴッドスピードライドーッ!!!」
次の瞬間、超加速するバイク。その様、流星。
ごうごう走る馬とバイクに、生身の人間が追い付ける筈は無い。
手を伸ばす審問官が掴むのは、残像さえも残らぬ空。
待て!と言葉が流れる前に縄が切られ、青年ごと宙へと落ちる。
投げ出された青年を、銀翼号が地へ落ちる前に回収し、そのまま走り抜けた。
置いて行かれる審問官。
「なっ なん、なんだったんだ!?ヤツら同志では無かったのか!?女装してたのに!?」
女装にも色々ある。その事に気付くには、審問官の頭は足りなかった。オブリビオンの洗脳は、そういう弊害も起こすのだ。多分。

それからなんやかんや街の外へと走り抜け、青年にお礼を言われながら別れたチームワンダレイは、合流をした。
こっそり写真を撮っておこうと思った莉亜がカメラを持って近付くと、それに気が付いたアルフレッドが笑って大きく全員を手招く。
「おーい!お前ら、記念撮影しようぜ!」
ぼっち生活が長かった艦長にとって、仲間との共同作業は掛け替えの無い、尊い記憶なのだ。例え女装回だったとしても。
例え女装回だったとしてもだ。
「おう!いいぜ!」
気前よく元気な返事を返すヒカル。
「写真?ええ、いいわよ?……あ、そうだ。終わったら、お茶会でもどうかしら」
折角だから。と笑いながら近付く夜野と、カメラのタイマーをセットして走る莉亜。ピースの準備をする艦長。
「ぅわ!!」
「おい!」「ちょっ」「おあー!?」
危うく転びかける莉亜と、咄嗟に手を伸ばしバランスを崩す三人。
もつれる四人とシャッターの音。

まぁそれも、思い出の1枚。という事で。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

花邨・八千代
鯉…お前、字ぃ書けたんか…?
いや別にそこが問題なんじゃねぇけどどうやって書いたのかすげー気になる。
すげー、気になる。

◆行動
とりあえずドレスで動けばいいんだなドレス、一番強いドレスで頼む。
そしたら真正面から村に乗りこむぜ、POW勝負だ。
『恫喝』しながら一気に踏み込むぜ。
たーのもーーー!!!

異端審問官って顔面が異端って意味合いなん?あ、違う?
とりあえず敵の攻撃は『第六感』で避けつつ掌掻っ捌いて【ブラッド・ガイスト】始動。
金棒に変化させて『怪力』でぶん回しながら道を開くぜ。俺に付いてきな!
村人が救出されるまで暴れるだけ暴れて救助時間を稼ぐか。
『2回攻撃』で可能な限り広範囲巻き込んで攻撃だ。



●一番強いドレス
確かに、八千代はそう頼んだ。

青年は走っていた。もう駄目だ。もうどう足掻いたってダメなんだ。悔しくて涙が出そうになるのを堪えて、縺れそうな足を叩いて、青年は走る。
「追え!もう少しだ!!」
その背に迫る、赤いドレスの集団。その数5人。
まだ増える気配がある。嫌だ、死ぬのは嫌だ!あんな集団が最期に見る光景なんて嫌すぎる!!
滲む涙が邪魔をしたのか、青年はとうとう躓き転ぶ。
無様に地を這いそれでも逃げようと、彼は足掻く。
その背を掴もうと伸ばされた武骨な腕を

白い布が邪魔をした。

それは、そうとしか形容が出来なかった。
横からずずいと現れた、白い布。スパンコールが塗された、やたらと煌びやかな白い布。何重にも重なる、布。
なんだ……?これは、なんだ?
青年と審問官、そのどちらもがそう思っていたその時、上から声が聞こえた。

「なんだアンタら、随分面白そうな事してんじゃねェか」
俺も混ぜてくれよォ。
上空から落ちて来る声に、顔を上げる男達。
彼等は、愕然とした。

その姿、約7.5m
孔雀を何重にしたらそこまで派手になるのかと言う白いドレス。そして巨大な羽。あれは決してオラトリオでは無く、明らかに作り物である。
でけえ。
誰しもが抱く驚愕。ひたすらに、デカい。なんだ、あれは?どうやって動いているんだ?
男達は、某年末の歌合戦鳳さながらの姿に、腰を抜かす。
強い。ダメだ、勝てない。
そんな言葉が赤いドレスの男達に過った。
ラスボスの風格が、辺りに満ちる。
これで演歌でも歌い出したら、恐らく色々怒られる。良かった歌わないタイプの猟兵で。

「どうしたァ?異端審問官ってのは、顔面が異端って意味だったか?」
7.5mからでは顔が分かるかも怪しいのだが、ああ違うか。まぁそりゃそうか、と欠片も気にせず八千代は嗤う。
「おい、アンタ!死にたくないなら俺に付いてきな!」
呼びかけられた青年は、びくりと跳ねてから大慌てでこくこくと赤ベコよりも早く何度も頷く。
だって死にたくない!!可愛い彼女も居るんだ俺には!

その姿に満足そうに頷いた八千代は、白い鳳の衣装を猟兵の中でも類まれな怪力で着こなし、ずりずりと移動していく。

その歩みは遅かったが、その強さの前に誰も彼女と青年を、襲う事は出来なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トラガン・ストイコブッチ
こちらケットシットワン
これより作戦を実行する

【SPD判定】
WAC(女性士官)の軍服を迷彩として装備して潜入
装備は音の少ないロングボウを選択
目標、村人の拘束具
攻撃方法:千里眼射ちにて拘束を破壊、もしくは損傷を与えて脱出を援護。
その後も千里眼射ちを継続して援護射撃へ移行、村人の脱出を食い止めるために異端審問官たちのスカートを縫い留めてやれ。

おっと、スカートがめくれたな?
着衣はちゃんと整えろよ、嗜みだ。
(煙管に入れたマタタビを吸いながら)


レイア・プラウテス
「異性装を罪に問われた例は聞いたことがありますが、まさか女装しないことが罪になるとは」
度し難いことです。個人の趣味ならまだしも、押しつけあまつさえ従わない者を処刑するなど、許されることではありませんね。

【POW】
普段着の神官服はユニセックスの仕様ですし、一応ドレスはお借りしましょうか。
正面から突入し、拘束を力尽くで解きに行きます。妨害する者は無敵城塞で受け止め、メイスの【気絶攻撃】にて無力化して進みましょう。
「法神の天秤にかけて、汝らの無法を捨て置く訳にはいかぬ」


森・メメント
WIZ
(元よりおかまですのでドレスは嬉々として選びます)
あぁ~ら、何だか不穏じゃないのぉ?
異端って言うのは個性よぉ、認めなさいな

ま、魅力を損なうって言うのは仕方ないわよね
魅力を見せつける勇気のない人なんかは放っておけばいいのよぉ
そうしたら、あれよね。わたしたちの魅力が一層引き立つって言うかぁ?わたしは引き立て役なんていらないほど美しいけど、まあ一層引き立つのは悪くないわよ
それに、世の中には美人は3日で飽きるって言う人もいるみたいだしぃ?わたしは飽きないけど
でも同じばっかりは飽きるかもでしょぉ、やっぱり色んなのがいるといいじゃなぁい?

それに、美しい者は明るくしなきゃ!物々しいのは美しくないわよぉ



レイアは極めて冷静に、周囲を見ていた。
「異性装を罪に問われた例は聞いたことがありますが、まさか女装しないことが罪になるとは」
度し難い。個人の趣味ならば、それを押さえつける事こそが悪だが、それを押し付け、従わない者を処刑するなど、許されることではない。

「法神の天秤にかけて、汝らの無法を捨て置く訳にはいかぬ」
汝は罪なりや。メイスを向け、敵意を示す。その事で、青年の木に火が灯る事を防ぐ。
男達は、マッシブポーズを決めながらその口上を聞き、そして頷いた。
「良いだろう。ならば、ここに教義を示せ」
力と、力のぶつかり合い。
譲れない者と譲れない者が相対した時、そこに必要なのは力なのだ。
「行くぞ!」
手に汗握る熱い戦いが、此処に幕を開けた。


それはともかく、迷彩服(女性用)を着用し潜入したトラガンは、物陰から対象を狙っていた。
「こちらケットシットワン。これより作戦を実行する」
坦々、呟く言葉は呪文だ。己を兵とし、最善を尽くす為の呪文(言い聞かせ)だ。此処に居るのは己一人。

千里眼を発動した縦長の瞳孔が、スコープの様に締まり、青年を捉えている縄を狙う。
本日の相棒はロングボウ。弓は音も無く射出され、縄へと吸い込まれる。
千切れる縄と、事態を飲み込めず戸惑う青年。
逃がすまいと手を伸ばす審問者のスカートの裾が、射出された矢に縫い留められる。
「ふっ、着衣が乱れたな?きちんと整えた方が良いぞ、身嗜みだ」
縫い留めた張本猫はそう言いながら、煙管を咥える。
まだ周囲には敵が居る。次々と青年を阻む赤い布地を射止めては、罪な男は矢を次いだ。

一方その頃、縫い留められた森は困惑していた。
すごく困惑していた。
こちらとら敵を説得していただけだったのに、何故突然矢が飛んで来たのか???
敵の中に遠距離の武器を持っていた者はいただろうか?いや、そんな事はわりとどうでも良い。

森が着ているのは、真っ赤なXラインのロングドレス。
括れを強調し、かつお尻の大きさを隠せる素晴らしいドレスだった。なのに!それなのに!
「ちょっとお!誰よ!せっかくのドレスにこんな事したのぉ!!」
露出した肩を震わせながら、半泣きで抗議する森。折角似合ってたのに!だがしかし、このままでは動きようが無い。
「もう、もう、なによぉ!うっ、3日では飽きない程の美しさを持つわたしに嫉妬したの!?自信持ちなさいよぉ!皆違って皆良いのよ!」
ぐすん、上手く行ってたのに……凹みまくりの森に近付く44cmの黒い影。
「なっ、あんた猟兵か!?」
ケットシーの驚愕。トラガンは慌てて、森のスカートを縫い留めていた矢を引っこ抜いた。
「すまない、あんたみたいな美人を撃つなんて、自分も腕が落ちちまったみたいだ……」
「まって、もう一回」
ずい、と伸ばされるワンスモアの手。
「えっ?ああ、すまない。自分があんたを撃っちまって……」
「ちがうわ!そこじゃない!」
「??……すまない、あんたみたいな美人を撃つつもりは」
「許したわ!!!!」
ゆるされた。
さっきまでの凹みを一切感じさせない強気の歩みで、森は前へと進む。
「ほら行くわよ猫ちゃん!あの男の子、助けるんでしょ?美人のわたしが、手伝ってあげる!」
美しい者は明るくしなきゃ、物々しいのは美しくない!ロングドレスをふわり翻す逞しいおかまに、トラガンはしばし目を瞬かせてから、ふふと笑った。
「……ああ、よろしく頼んだ。べっぴんさん」

あら、森って呼んで。それなら、自分の事はトラガンと。
そんなやりとりの間に聞こえる、レイアと審問官との打撃音の交差。
「ふっ、お嬢ちゃん思ったよりやるじゃねえか!だがこの審問官、早々簡単に倒れると思うなよ!」
「くっ、中々やりますね。ですが、これならどうです!」
展開される無敵城塞。弾かれる審問官の拳。代わりに入るメイスの一撃で、沈む審問官。立ち続けるレイア。襲い来る次の審問官。
「青年よ、ここは私に任せ、早く逃げるのです」

青年は、困惑していた。
もう死ぬかと思っていたら、逃げ道が出来ている。
逃げ道は出来ているのだが

目の前では聖職者が熱い戦いを繰り広げ
向こうでは逞しいオカマと猫がコントをし
周囲では赤いドレスが縫い留められている

えっ、ナニコレどうすれば良いの???青年は震えながら泣いた。ちょっと何が起きてるのか分からない。
真っ当に生きて来た青年にとって、この現状は余りにも受け止めきれない情報量が多過ぎた。
「うっ、ぐす、だ、誰か助けて……」

そんな青年の言葉が、それを言わしめた張本人達から叶えられるまで、あと僅か。
ほんの少し。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

明神・竜聖
鯉。
……久し振りに、洗いが食べたくなりましたね。
いえ、それは置いておきましょう。

女装……詰まる所、綺麗か美しいか可愛くなればいいんですよね?
僕はこの通り、自信はありますが、他の方はいかがでしょう?
宜しければ、衣装選びにお化粧等、お手伝いいたしますよ。

【WIZ】
異端の地ですし、味方は多い方がいいでしょう。

魔女とはいえ、まだ可能性のある青年。
ここで処断しては時期尚早では御座いませんか?
力づくで断ち切るのはあまりに横暴。
ちゃんと教育し治してはいかがでしょうか?

……と、「誘惑」しながら周りの方々に語り掛け、何とか処刑の中止を懇願致しましょう。
青年にはそっと近づいて、話を合わせるようにお願いしましょう。


ロク・ザイオン
エルフィ(f00156)と

(獣のようなボサボサ頭に化粧気の欠片もない顔。
生まれてこの方、森番の仕事着を脱いだことが無い)
(小さく愛らしいエルフィが言うのだから。依頼の為だから。いやしかし)

……。
これを。着るのか。

(小さく愛らしいエルフィはとてもイキイキと自分のまわりを飛び回りあれこれと尽くしてくれる。
報いねば。
…報いねば、だめか……?)

【SPD】
(エルフィの力で姿を消したまま、【忍び足】かつ全速力で刑場に突っ込む。
【早業】で男の拘束を断ち解放しよう)

すーすーする。ふわふわする。
動きにくい。破っちゃダメか。
……ダメか。


エルフィ・ティントット
ロク(f01377)とペアで参加だ!

……ってロク、そんな格好じゃキミも魔女狩りに逢うじゃあないか!
とびきりキュートにドレスアップするお手伝いをしてあげよう!
と、事前にロクを新緑色のフリフリドレスに着せ替えてあげるのさ!
ボクもピンクの薔薇のロリィタで参戦だよ。

……あ、ロク、ダメだったら!
そんな動き方フリフリが破けちゃうから!
ほら、ボクを真似て、ワンツーワンツー、優雅に淑やかに!
ロクの前の空中でキュートな動きのお手本を披露さ。

実地ではロクが素早く侵入するお手伝い。
「妖精の領分」でしっかりロクにひっついて、姿を透明にしてやる。
【目立たない】のはこれでも得意……待ってロク速い速い、振り落とされるぅ!!



●転送前

ロクは困っていた。
「……これを。着るのか……?」
エルフィが一生懸命探してきた服を持って、困っていた。
「だってロク、そんな恰好じゃあキミも魔女狩りに逢うじゃあないか!そんなの好くないよ!ほらほらボクに任せて!とびきりキュートにドレスアップする、お手伝いをしてあげよう!」
ふんすっと胸を張る小さな妖精は、ピンクの薔薇を服へと仕立てた様な、柔らかく可愛らしいロリィタの装いでロクの周囲を飛んでいる。
きっと童話に出て来る優しい妖精は、こんな姿をしているんだろう。
押される様に着替え室へと一緒に入ったロクは、戸惑ったし苦戦した。これだけ苦戦する戦い、そうは無い。
「エルフィ。これ、破ける……」
「破けない!あっ、違うよそっちは腕!頭はこっち!こっち!」
やいのやいのわいのわいの!
ようやく出て来たロクは、新緑色のフィッシュテールドレスを纏っていた。動きやすさを考えて選ばれたのだろう。確かにこれなら、布が脚の動きを邪魔する事は少ない。
薄く白に近い黄緑色のレースの上に、新緑のふわりとした布地が揺れる。
けれども、なんというか、何処か似合わない。
装飾だろうか?エルフィはうーんと唸る。

横から、声がかけられた。
「もし、何かお困りですか?」
そう訊ねたのは、天女の如き外見を持つ羅刹、竜聖(りゅうせい)だ。
「ああ、これは可愛らしいお嬢さん。化粧をその顔(かんばせ)に、落としはしないのですか?」
エルフィは、あー!と声を上げた。
「そうだ!ロクが可愛いから忘れてたけど、お化粧だよ!ボクに任せて!なんか、こう、いい感じにするから!」
パタパタと化粧道具を取りに行こうとするエルフィを、竜聖が止める。
「お待ち下さい。貴女の様な可愛らしいお方に、人の筆は余りに重い。僕に任せて頂けませんか?」
にこりと穏やかに微笑むと、自身の懐から道具一式を取り出す竜聖。準備がばっちりでちょっと怖いと、ロクは思った。
「これでも、美しいものをより美しくする事には、長けていると自負しています。どうでしょう?」
桃色の瞳を細めて、とん、と自身の胸を叩く。
「……」
おれは、とロクが声を出そうとしたその瞬間
「よぉっし!それじゃあ二人で!ロクをめちゃくちゃ可愛くしちゃおう!!」
ぐっ!と握り拳をぶんぶんしながら、共同作業を申し出るエルフィ。
え?嘘?そこOKなの?お手伝い妖精がお手伝いされちゃうのは良いの? そんな顔をロクはしていたかもしれない。
「はい。では二人で、彼女を絶世の美女に」
ふふ、と笑う竜聖。
どうしよう、逃げ場がない。ロクの背中を冷汗が伝う。こんなピンチを、おれは知らない。
「あ!そうだ!ボクはエルフィ!こっちはロク!お前は?」
「僕ですか?竜聖です」
にこやかに進められる自己紹介。初めまして。どうぞよろしく。


●それから色々ありまして

現在三人は何人目か分からない青年の救出の為、薄暗い広場へとやって来ていた。
この日が突発的な魔女狩りdayだったとでも言う事なのだろう。
猟兵が来ていなければ、一体どれほどの犠牲が出ていたのか。

「それでは、僕が時間を稼ぎます。お二人は青年の救出を」
和装にも見える広い袖のひざ丈Iラインドレスを纏った竜聖は、そう言ってにこやかに手を振った。

助けるべき青年から近い場所へ居る審問官へ、ヒールを鳴らし近付いて行く。
「失礼。その青年、ここで処断してしまうのは時期尚早では御座いませんか?」
誘惑の技能を使いながら、話しかければ審問官が、目を瞬かせ、首を傾げた。
「ほう?なんだ貴様、一瞬女神かと思ったぞ。なるほど、話を聞こう」
184cmの女神。つまる所自販機よりデカいのだが。それは良いのか。良いんだろうな。
顔面偏差値は全てを埋めるもんな。
「まだ可能性のある青年を、力尽くで断ち切るのはあまりにも横暴……ちゃんと教育し直してみる、というのは如何でしょう?」
「教育を……?」
「ええ、具体的には……」
なんだなんだ?と集まって来る他の審問官。
ちら、と流し目を送れば、それがサインとエルフィとロクが駆け出した。
「なるほど、そういった考えもあるか……」
「ええ、そうですとも。先ずは美しさを提示し、感銘を受けたものが何だったかによって指針を……」

エルフィの力で姿を消したロクと、そのロクの肩に掴まるエルフィ。
忍び足での全力疾走。横を通り過ぎられた審問官は、ただ風が過ぎただけかと、気にも留めない。彼等が気が付くには、その森の香は、あまりにも静かだった。
青年の拘束を早業で解くロクは、エルフィに訊ねる。
「エルフィ、すーすーする。動きにくい」
「うんうん。ドレスだから仕方ないよ!あっ!だから足広げちゃダメだって!!パンツ見えるよ!」
「これ、破っちゃダメか……ダメか……そんな顔をするな……」
「もー!だからその動き方はダメだってば!」
わいのわいの
直ぐ近くで、姿も見えない砂嵐の様な声とやたらと元気な高い声が聞こえて、青年はしょうじきちびりそうだった。
滅茶苦茶怖い。なにこのホラー。誰か助けて。
「あっ待って待ってロク、動きが雑!ボク落ちる!」
落ちた。
「あ」
青年と目が合うロク。
太腿まで届く、緩くウェーブした焔色の髪は太陽の光にも似て、新緑のドレスから伸びる四肢はしなやかな細い筋肉で覆われ生きている者の強さを感じさせた。
果実を思わせる赤い唇。青い瞳が、空の様だと。ともすれば、ここに命が必要とする全てがあるのでは無いかと、青年は目の前の美女にただ茫然とする。
「やあ!青年!助けに来たよ!」
ひょっこりと顔を出す妖精が、まるで花の様にも見えて。
「……う、ぐす……」
青年は泣いた。
「えっ!!?どうした青年!?ほら!かわいいエルフィちゃんだよ!?どうした!?」
ぱたぱたと周囲を飛び回る妖精。
審問官が、違和感に気が付き、動き出した。
「うぅ……最期に見たのが、貴女達みたいな綺麗な人達で、良かった……うっ、幻覚だとしても、嬉しくて……」
ぐすぐすと泣く青年を、ロクは俵的に担ぐ。
「最期じゃ、ない」
砂嵐に似た歪な声は、それでも僅か、優しさを含んでいる。少なくとも、青年がそう思う程度には。
行くぞ。と再び走り出す。御伽噺に出て来る様な美女と妖精。

背後から追いかけて来る赤いドレスのむくつけき男達を見てしまった青年。
そのあまりにもな温度差に、彼の心の中のグッピーは死んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御剣・誉
くつ……罪もない人が苦しんでいると知っては見過ごすわけにはいかない!
ん?女装??仕方ねぇなー、やれというならやるしかないじゃん
でも、女の服はよくわかんねーから店主に任せるわー

お、解放された?よかったよかった
そんじゃささっと逃げようぜ!
おっと、さっきの審問官のヤツ、まだ疑ってやがるな
仕方ねぇな、ここはオレが引き受ける
お前は先に行け!

というわけで、審問官を引き留めるか
あれ?どうすれば引き留められるんだ
……あ、そうか
見ろ!ここに女装してない男がいるぞ!
誰か一人くらい女装を拒否ってるやつがいるだろう
誰もいなければ……仕方がない、オレが囮になってやるか
あ、でもちゃんと後で助けてくれよ!?
見捨てるなよ!!


リゥ・ズゥ
リゥ・ズゥは、雄のブラックタールの、筈、だ。
リゥ・ズゥは、女装も、出来る。
リゥ・ズゥは、お前たちの、仲間、だ。
何も、問題はない。
(ブラックタールなので普段から服は着ません。よって今回も着ません。
ですがリボンは巻きます。
悪魔を模した凶悪な風貌は何時も通りですが、
角には!!リボンを!!巻きます!!
特別な要素など要らないのです。
たった一つの「可愛い」を自信を持って身に纏えば、それは即ち女の子。
どこに出しても、誰に見せても恥ずかしくない立派な女装男子なのです。
魔女狩りに遭っている村人が居たら助けに行きます。
リボンを一つ巻く。それだけで救える命がある。)



●この後ちゃんと助けに来た

リゥ・ズゥは雄のブラックタールである。
たぶん。
そもそもブラックタールの性別の概念とはどこにあるのか。
それを考え始めると深淵を覗く事になりかねない為、言及は控える。
とりあえず、リゥ・ズゥは雄のブラックタールなのだ。
そんなリゥ・ズゥは、化け物の外見をしている。大きな角、歪な体、今は伸びた牙もある。
恐らく様々な人間が抱く化け物の情報を、集めて煮込んで表出させた。
そんな化け物の姿が、リゥ・ズゥだ。
だがしかし、今日のリゥ・ズゥは一味、いや、二味以上違う。
何故なら今日は、角にリボンをつけている。

角に!リボンを!!つけている!!!

普段は何も身に着けず、己の身一つのリゥ・ズゥ。しかし今は、リボンがその角を可愛らしく彩っている。
もうこれは、リゥ・ズカワイゥだ。

リゥ・ズカワイゥは、審問者に呼びかける。
「聞け。リゥ・ズゥは、お前たちの、仲間、だ。だから、ここに居ても、何も、問題はない」
赤いドレスの男達は顔を見合わせる。
「……だがしかし、貴様、どこからどう見ても、化け物ではないか」
正直お前らにそれを言われたくはないと思う。
リゥ・ズカワイゥは自身の角に揺れるリボンを指した。
「みろ、リボンだ。リボンは、かわいい」
審問官は頷く。
「ああ、そのリボンは実に可愛らしい。俺も良いと思う」
リゥ・ズカワイゥも頷く。
「そうだろう。だから、今のリゥ・ズゥは、リゥ・ズカワイゥだ」
胸を張るリゥ・ズカワイゥ。
なんだか審問官達も、彼がちょっとかわいく見えてきた。もしかしたら本当に可愛いのかもしれない。
「……なるほど……リゥ・ズカワイゥか……」
呟く審問者。頷くリゥ・ズカワイゥ。
「ああ、だから、リゥ・ズカワイゥは、お前たちの、味方だ」
キリッ。
「そうか……同志よ、疑ってすまなかった」
手を差し出す審問官。その手を握るリゥ・ズカワイゥ。

そうしてリゥ・ズカワイゥが時間を稼いでいる間に、捕まっていた青年を助けに走る猟兵が居た。
誉(ほまれ)だ。
罪もない人が苦しんでいるのを見過ごす訳にはいかないと、女装も厭わずやってきた誉は、現在腹部が出るタイプのセパレートドレスを着ていた。
スカートは前と後ろで長さの違うフィッシュテールスタイル。上半身を覆うドレスは白く、スカートは水色と明るい色を基調とした姿は、この暗い世界では目を引いた。
底が厚く丸い革靴で、青年の前に仁王立ちする誉。
「助けに来たぞ!」
えっ!?誰!?という顔の青年の縄を切ると、誉はリボンを渡す。
「さあ、これを着けるんだ!」
突如渡されたリボン。困惑する青年。
「おい!異端者が逃げるぞ!捕まえろ!!」
気付いた審問官。
慌てる誉。
「やべえ!お前は早く逃げるんだ!」
進み出る誉の背中に、青年は頷き走り出す。
けれど、青年の前に新たな審問官が現れる。絶体絶命!
「任せろ。リゥ・ズゥが、一緒に行く」
風の様に青年の横に現れ、審問官を蹴り飛ばすリゥ・ズカワイゥ。
和解した審問官はどこかに行っているので問題無い。
「リボンを、つけろ。かわいいは、つよい」
強さとはなんだったろうか。
化け物に言われた青年は、怯えながらリボンを頭に結んだ。かわいい!
その様子に頷くリゥ・ズカワイゥ。
スカートを捨て去り半ズボンになっていた誉が叫ぶ。
「俺が囮になっている間に……!ここはオレに任せて先に行け!」
さあ!オレはその姿を否定する!と声を上げる誉を取り囲む審問官達。
異端は排除しなければ!!
次々と増える審問官。あれ待って数多くね???誉は思った。
「お、おい!!後で助けに来いよ!?おいてくなよ!?約束だぞ!!!」
青年を担いで走りながらリゥ・ズゥは呟く。
「リゥ・ズゥは、仲間を見捨てない。約束を、破らない」
その声が誉に届いていたかは、いや、多分届いていなかっただろう。
けれど、担がれた青年は、確かに化け物の優しさを、その言葉から受け取った。
絶対だからなーーー!! 響く誉の声。
その声に釣られる様に、さらに審問官の気配が増えた気がした。

boyse be dressing.
少年よ。いざとなれば女装だと言い張れ。
生き残れよ。
リゥ・ズゥはなんかどっかで見たのを思い出して、親指を立てながらその場から離脱した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

揺歌語・なびき
【団地】

おれは人狼の咎人殺しだからね
だーくせいゔぁーのまちのききをみのがせないよね

スリットのあるドレス着用
ちゃんとアクセとメイクもしてくよね、うん
似合う似合わないじゃないんだよこういうのは多分
どれだけ本気かだよ多分

他の猟兵が青年を助けやすいよう
おれは審問官や住民の注意を惹くね

確かに彼は異端かもしれない
そう、今はね!
彼は見るからに胸に秘めた女装への信仰を今から解き放とうとしてた真っ最中だったよ!?
君達は新たな信徒をみすみす失うところだったんだ
そうでしょう?(哀れな青年にウィンク
違わない違わないやだなあ恥ずかしがっちゃって!
ところで審問官さんのドレスはどこでご購入を?

【コミュ力、催眠術、魅了】活用



●だーくせいヴぁーのまちのききを、みのがせない

宇宙猫顔で転送されてきたなびき。深い紺に金色の刺繍が施されたチャイナドレスふわりと揺れた。メイクもアクセもばっちりだ。うんうん。そうだね。女装だね。未だ抜け切らぬ宇宙猫顔。いや、これはどちらかと言うとチベットスナギツネかもしれない。

出遅れたか、他の団地メンバーは見当たらないが、まあ仕方ないだろう。
気を取り直して先へと進む。おっと何やら物々しい雰囲気。どうやらここが当たりらしい。

青年を連れていこうと無理矢理引きずる異端審問官へと声をかける。
「へい!そこの赤いドレスの人!その青年は異端者なんかじゃないよぉ!」
ぱたぱたと手を振りながら近付くと、異端審問者が青年を押さえたままきょとん、と顔を向ける。
「なんだと……?貴様、素晴らしいチャイナへの拘りをしているが、この青年と知り合いか?」
青年と目を合わせるなびき。
大丈夫、おれに任せて。とウィンク。
「いやぁ、知り合いじゃないけどさ?でもさ、彼今まさに、女装に開花しようとしてたよ!」
ね!と力強く青年に同意を求めるなびき。
お前は何を言っているんだと言いたげな驚愕顔の青年。
「えっ、いや、ちが」
「違わない違わない!恥ずかしがっちゃって!ねぇ審問官として、新たな信徒を殺すのはちょっとどうかと思うでしょ?!」
ずずいと顔を近付けて、問い詰められる審問官。
「そ、それは確かに、そうかもしれないが……」
「うんうん!そうでしょそうでしょ!あ、ところで審問官さん、そのドレスは何処でご購入を?おれも欲しいなぁ、なんて……」
ぱぁ!と顔を輝かせる審問官。ぽいっと青年を放り出す。
「貴様、お目が高いな!!そうかそうか!じゃあこれから案内してやろう!付いてこい!」
るんたるんたと歩き出す審問官。
えっ、ちょろい……と思われるかもしれないが、これはなびきのコミュ力と催眠術、そして魅了があってこそのちょろさである。
猟兵だから出来るちょろさなのである。猟兵ってすごい。

放り出された青年に、なびきは人狼の耳をぴくりと動かし、通りの向こうを指差した。
「あっちに、助けてくれる人が居る筈だ。上手く落ち合うんだよ」
にっと笑って手を振り、早く来いよ~と言う審問官の方へと走る。

残された青年は、静かに頭を下げて通りの方へと走り出す。7.5mが目に入るのは、それから直ぐの事だった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『血の狂宴』

POW   :    わざと捕えられ、地下コロシアムに潜入する。

SPD   :    街中を調査し、地下コロシアムの場所を探る。

WIZ   :    人々から情報収集し、地下コロシアムの場所を探る。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「同志として立ちたくば、コロシアムであのお方に認められる事だ」
そんな言葉を受けて、君たちはコロシアムを探し始めた。
あるいはそんな言葉を聞かずとも、辿り着くタイミングだったかもしれない。
なんにしろ、このコロシアムで自身の魅力を最大限発揮し元凶に近付くのが君たちの目的だ。

並ぶ審査員。
玉座で足を組み、頬杖を付く筋骨逞しいツインテール。
探し出し、辿り着き、自身を魅せろ。
そしてあのオブリビオンへと、辿り着くのだ。

あ、メインはコロシアムでの審査になります。
辿り着くまでは、なんなら以下省略でも大丈夫です。
学文路・花束
【WIZ】(アドリブ可)
女装、か。
異性装自体に抵抗はない。固定観念にとらわれず、自由でいいと思う。
さて、赴くからにはしっかり装おう。
派手なのは好みではないので、シックなナイトドレスと肌の露出を抑えるストールにピンヒールを選ばせていただく。
メイクは不慣れだが、演出力でカバーだ。
美しさや眩さが具象化した態でクロッキーブックのアートから生み出したラメやパールの如き光、翼の燐火を、オーラ防御の要領でエフェクトとして纏う。

そこの素敵な貴方……おっと、眩くてすまない。
(ひらり、光と花弁が零れる美形エフェクト)
地下コロシアムの場所を知りたいのだが、教えてくれないか?
催眠効果のある声音で、通行人に訊ねよう。



●光の数を数えよう

コロシアムへと堂々足を踏み入れた花束(はなつか)。
驚く審査員。
以下、実況者がお送りします。

「今回も始まりました女装コロシアム!!こちら実況席からお送りいたします私、エキストラ!!どうぞよろしくお願いいたします!
早速ですが先ほど突然参加が決定致しました彼!名前は、なになに……ハナツカ・カムロと言うらしいですね!ハナツカ青年、こちら解説をさせて頂きたいと思います!!
ええーーまずハナツカ青年ですが、夜に似た紺のナイトドレスを、ロングタイプのAラインで見事に着こなしております!!そして露出した肩をレースのストールが隠し、黒いピンヒールが色白の肌を引き立て、セクシーさの中に清楚さを併せ持った非常に素晴らしいバランスの出で立ちをしております!!
若さを感じる顔立ちと四肢から!そうとは取れぬ落ち着いたナイトドレス!!そのアンバランスが、ある種の色を出している!!!
そしてなによりも!彼の纏う雰囲気!いいや雰囲気で片付けて良いのかあの光と花弁は!?とにかく彼の周囲と!そして翼が!ここにあるはずの光景を夢か幻想かと思わせるまでに到達させています!!
これはある種の暴力!!圧倒的顔面偏差値と芸術性との暴力!!
さしもの審査員達も大きく戸惑い、中には感嘆のため息を吐く者までいます!!
初手で!初手でこの有様ですが果たして今後どうなっていくのか!?
審査員はこの奇跡に果たして点数が付けられるのか!!ああっとここでハナツカ青年が動いた!!
キラキラと輝く光(物理)が、スポットライトとして彼の白い肌をより白く!そして美しく照らし出す!!花弁が彼の周囲を舞い、風も無いのに落ちては浮かび揺れているーーー!!!
美しい!ただひたすらに、美しいーー!
生きている内に見る事は無いだろう情景が!今ここに!すぐそこに展開されている!!おおっとハナツカ青年、何か言いたそうにしていますね。マイクを渡してみましょう。
……はい、どうしましたか?」

マイクを受け取る花束。

「ああ、ありがとう。眩くてすまない。突然の乱入だが、許して貰えるだろうか、と審査員の方々に聞いておきたくて」
緩やかに笑う花束。

胸を押さえて呻く審査員×2。目を逸らす審査員×1。
それぞれの手に掲げられた審査点10点10点8点

花束は、こうして無事に優勝候補の席へと通されたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

六六六・たかし
【アドリブ歓迎】
敵相手に同士と認められなきゃならんのは癪だが…
そうしなければならないというのならするまでだ。
ならば早くコロシアムに向かわないとだな。
(たかしはたかしだったのでコロシアムを見つけた)

自らの魅力を最大限に見せつけることに必要なことがわかるか?
自信だ、自らに魅力があると自信を持って行動することだ。
そこに男女の差など関係ない。
そして自信を持つことに置いて、俺は無敵だ(黒のドレスとマフラーを装着した女装たかしはそう告げるとコロシアムに挑んでいく)
(コロシアムに入っていくや否や『悪魔の舞踏(デビルダンス)』を踊りだすたかし、その踊りには自信で満ち溢れていた)



●たかしだ!!

「次のエントリークロッサーは、たかしだーー!!おおっとたかし!入って来たと思いきや突如、突如踊りだしたーー!!!なんだこの踊りは!?奇怪な動きが目を惹く謎のダンス!!技術はあまり感じられないが!それでも尚そのダンスから目を逸らす事が出来ない!!
黒のショートドレスから伸びる足!そして動きに合わせ靡く黒いマフラーが美しい!!おおっとたかし!ここでこちらに自信に溢れた視線を投げる!
すばらしい!黒い眼鏡がどこか幼さを残し、全体的に可愛らしい印象となっているものの!それを覆す悪魔的なダンス!!これはすごいぞたかし!自信満々だたかし!!その自信は何処から来るんだたかしーーーー!!!」

どうだ?お前達も踊らないか?視線で問いかけるたかし。
その目に動きそうになる審査員達だが、ぐっと踏み留まる。
踊りたくないか?と言われれば踊りたい。だがしかし、踊る訳にはいかない。
踊る資格もない。
なぜなら、審査員達は、たかしではないからだ。

そうか、と笑い頷くたかし。
たかしは悪魔の舞踏を踊り続ける。

形容し難い動きにいつの間にかジャズが添えられ、そしてとうとうたかしはデビルズダンスを踊り切り、膝を付いた。

やり切った男の顔。自身に溢れたその姿。
審査員はそっと、8点10点8点の数字を掲げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

トワ・エモア
探すってのもメンドいし、ダッサイ格好してたら見つけてくれっかな?フラフラ散歩しとくわ。

コロシアム出る時は、隠しといたとっておきの衣装とメイクで登場しちゃうよ。
紅牡丹が映える、白基調の和ロリ。
【トリニティ・エンハンス】は風の魔力を攻撃力重視で使用。
ふんわりヴェールも揺れる。
レースを靡かせ、優雅に華麗に闘って魅せんよ。

あ、うちさぁオーダーメイドやってんだよね。
アンタらに似合うイチバン見繕ったげる。
(ぱっちんウィンクと投げキッス)
写真館、兼服飾店「Greed」をよろしく。
(店の宣伝しに来たんじゃって?んなことないよ)

※アドリブ、絡み歓迎
※基本汚れたくないので遠距離系使いますが、男なので物理もいけます



●ダサいのは、よくないと思うからね。

ちょんちょん、とつつかれる実況者。
耳打ちと共に渡される紙。
「ん?コロシアムに誰か連れて来られた様ですトワ・エモア青年?ふむふむ、えー、なになに?あまりのダサさに見ていられず、ここで多少勉強してから外に出る様連れてきた、と?なるほど! え?それでなんでエントリーしてるんですか?よく分からない? マジですか、何考えてるんですか?!」

突然の連絡に驚く実況者。だがしかし、そこはプロだ。急遽組み替えられたプログラムを頭に叩き込み、次のクロッサーの為に舞台を整える。

「失礼しました!次の挑戦者の入場となります!次のクロスドレッサーはトワ青年!!なんとこの青年、あまりにもダサい服だったのを見ていられなかった審問官からそっとこの場所へ連れて来られた青年です!
多少のお色直しが舞台上であるとの事ですが!果たしてどこまで変わると言うのか!もし変わらなくとも、これからが在る者です!!皆様どうか暖かい拍手で、彼の背中を叩いてあげてください!!それでは、トワ青年の入場です!」

客席と審査員からの拍手と共に、道が開かれ、トワが入場する。
その姿は、洒落っ気の一切無い黒パーカー、ロングの黒スカート、頭はお団子に纏められているものの、可愛さとしてはいまいちだ。
審査員が顔を合わせ、二、三言葉を交わす。
「なるほど、原石、といった所でしょうか!審査員の方々からも、基は悪くない、磨けば光る、など好印象な言葉が飛んでいる様で……おや?」
どこかから現れたスタッフが彼の周囲に白く大きな布を置き、箱を渡すと去っていく。
審査員と実況者に目を合わせ、手を挙げるトワ。
変則的トリニティ・エンハンス。その手を中心に風が集まり、白い布が彼の周囲を包んだ!

「な、トワ青年突如不思議な力を使い、布で周囲を隠したーー!?おおっと足元に展開される箱の中身は……!あれはメイクセット!?色とりどりのメイクセットだ!!何が起きている!?何が起きているといのか!?
おおっと黒い布が足元へ落ちていく!あれは……パーカー!?そしてスカートか!?着替えている!どうやらあの風に揺らめく白い布の向こうで、着替えている様です!!これは……これはまるで変身シーン!トワ青年、ま、まさか魔法少年だったとでも言うのかーーーー!!!?」

やがて渦巻く風が止まり、ふぁさと白い布が落ちた時……そこには白い和ロりの青年が居た。
雑に纏めていただけに見えた髪には今、シャラシャラと鳴る銀の簪が、そして顔には和を意識した赤が基調のメイクが施され、和ロりの服には紅牡丹の刺繍が踊る。

「な、なんということだーーーーー!!トワ青年、見事な転身を決めたーーーー!!この様まるで羽化!!蝶への変態を、この舞台上でやってのけたーーー!!!誰がこうなる事を予想出来たでしょう!!審査員も目を丸くして驚いている!!」

そそくさと彼の足元の布や道具を回収していくスタッフ。
「点数は!これはどうなる審査員!!!おおっと点数が上がった!10点!10点!8点!!余裕の優勝候補戦進出ーーーー!!これには実況者も驚きです!トワさんにも話を聞いてみましょう!」

マイクを差し出されると、トワは笑って受け取った。

「びっくりした?うちさぁオーダーメイドやってんだよね。よかったら店来てよ。アンタらに似合うイチバン見繕ったげる」
そう言ってウィンクとキッスを投げるトワ。

「写真館、兼服飾店『Greed』よろしく☆」

審査員と観客が、急いでメモを開く気配を感じた。

成功 🔵​🔵​🔴​

森・メメント
WIZ
そうねぇ、魅力って言っても色々あるじゃなぁい?
先ずはライバルになる、競争相手の情報を探ってみたほうが良いと思うのよねぇん

それで、よっぽど勝算のある場合を除いて、相手の魅力に正面からぶつかるのは避けたいわねぇ
できれば相手にない魅力をアピールしたいわよぅ

わたしなんかはいるだけで美しい蝶の魅力をアピールするのが一番かしら~?(実際は蛾がモチーフです)
他に来る子にもライバル情報は共有したいわねぇ
わたし出来る女だからぁ~ん♡

あ、ドレス姿ももちろん自慢だけどぉ……肉体にも自信があるわよ?
必要とあらば少しくらいは見せちゃおうかしら、なんてねっ



●相手を知り、己を知り、勝利を

森(もり)は、控室で他の参加者から話を聞いていた。
「あら、そうなのぉ?じゃああなたと直接対決する!とかじゃないのねぇん」
赤いドレスのマッチョは頷く。
「ああ、この大会は一定の点数より上の者達が、優勝候補としてあの方の前へと行く事が出来るんだ。優勝者は、そこであの方が決めるんだ」
「なるほど……コロシアムって言うから、もっと物騒なの想像しちゃってたわぁ」
確かに、控室での様子は和気藹々とし、殺伐とした空気は感じられない。その様子も、直接的な戦いが無いからと言われれば納得もする。
「ねぇ、審査って具体的にどんな事が見られるのん?」
首を傾げる森に、マッチョは笑う。
「そうか、何も知らないんだな。よーし、教えてやろう。先ず審査員は三人居るんだが、それぞれ、心・技・体を10点満点で審査しているんだ」
「心・技・体?」
「ああ。女装に対しての心意気や思い入れ……まぁ、気迫とかだな。これが心で、次に技術力の高さ。メイクの上手さや身に着けている物のマッチ具合を見ているんだが、ここは別名、芸術点って言われてる。お前みたいに美しい者は、技術点は10で間違いないだろうなぁ。羨ましいよ」
苦笑するマッチョ。マッチョの背中を叩く森。パァン!!いてぇ!!
「やだもぉ~~!!!嬉しくなっちゃうじゃなぁい!!んふふ、え?それでそれで?最後は何を見てるの?」
しなっしなっと照れる森と痛みに背中をさする涙目の赤ドレスマッチョ。
「あ、ああ。最後の体は、肉体美だ。まぁ、筋肉だな。どれだけ強そうか、っていうのがここの点数になるんだ」
「筋肉……?」
「筋肉」
何故なのか。そこは体の美しさだけでよかったのではないか。
森はちょっと思った。

「どうだ?少しは参考になったか?」
にこりと笑うマッチョ。女装でなければ、モテていただろうに。
いや、洗脳が解ければ、きっと好漢として周囲から応援される男だろう。
「ええ!すごく助かったわぁ!」
嬉しそうに手を叩く森。他の猟兵に伝える方法を、考えなければ。
あ、そういえば、と紳士な猫の事を思い出す。
「ねぇねぇ、わたし、友人が来てると思うのだけど、どこに居るのか分からないのよね。お兄さん、ほかの控室ってどこにあるか知ってるぅ?」
「他の控室か?それなら……」
こうして森は、他の猟兵へと情報を共有する。

流石できる女よねぇんと胸を張る森。
すごいぞ。この章で必要な解説はもう全部出た。
ありがとう森。流石オカマは最強だ。

その後、舞台へと立った森は、心・技・体それぞれのアピールを上手く繰り出し、フルスコアでの優勝候補進出を決めたのだった。

すごいぞ森。ほんとうにありがとう森。

大成功 🔵​🔵​🔵​

浅沼・灯人
何でここにいるんだ、なあ鯉、何でこんな格好してるの俺???(服装はおまかせします)
いや、でもこれも仕事だ……やれるところまでやってやるよ……


【POW】
一般人には見つからないよう迷彩で逃げる。超逃げる。記憶に留めさせたくねぇ。
が、明らかにヤバそうな見た目のやつらがいたらわざと見つかって素直に従う。
あ?女装男子じゃねえ?
そりゃまあ、なあ。俺そういう趣味ないし……これだって知り合いに進められて着せられただけだし……
似合わねぇだろ、こんなの……
(知り合いに応募させられたオーディションに仕方なく参加するような雰囲気で。技能誘惑使用)

まあダメならダメでボコって道聞くだけだ。
なるべく穏便に進めてぇからな。



●鯉は友達

灯人(ともひと)は、コロシアム近くにペイッと放り出されていた。
壁に手を付き、呆然とする灯人。
「……なんで俺はここに居るんだ……」
仕事だからです。
「なあ鯉……答えてくれよ……この服はなんなんだよ……」
鯉は既にここに居ない。
そもそも鯉に聞こうとしている時点で正気度の危うさを感じる。

壁に向かって話しかけている灯人に、赤いドレスの男が話しかけた。
「どうした貴様、具合でも悪いのか?」
同志には親切な赤いドレスの男達は、灯人から話を聞くと頷いた。
「なるほど、コロシアムまで来たは良いがどうすれば良いか解らなかったんだな!よし!案内してやろう!ついてこい同志よ!」
はっはっはっ!と軽快に笑いながら案内する赤ドレス。
同志じゃない。決して同志ではないんだ。
だがそれを否定する訳には行かないので、灯人は真顔で、おう、と最低音の返事をして歩き始めた。

時間を進め、以降コロシアム実況者からお送りします。

「さあ!そんなこんなで進んで来ました女装コロシアム!次なるエントリーはトモヒト・アサヌマだーー!!」

コツコツと控えめにヒールを鳴らしながら、中央まで足を進める灯人。

「トモヒト青年、こちら黒いタイトドレスに真珠のネックレスと、かなり地味な…いや、シックな……!?出で立ちです!ヒールも、黒い!これは、コロシアムでも類を見ない姿です!!だがしかし、何か、何か見覚えが……どこか色気を感じさせるこの姿……!!」

凝視する実況者。少し気まずそうに視線を逸らし、下を見る灯人。
その時、実況者は思い至った。そうか!この感覚の正体は!!

「未亡人!!!そうです!!この既視感の正体!未亡人です!!!」

??? 宇宙猫顔の灯人。

「憂いを帯びつつも!誰に頼らず自分で立とうとしている強さ!!だがしかしどこか危うさを感じさせるこの雰囲気!!まさに未亡人と言って良いのでは無いでしょうか!?トモヒト青年!まだ三十路にもなっていない筈なのにそんなアブノーマルな色気を出してて大丈夫か!?!?実況者は彼の将来に危うさを感じている!!!」

鯉よ、聞いてくれ。俺はあいつを殴っても許されるのではないか? 灯人は思った。
ダメです。
ダメか、そうか。

「だがしかし、覇気を感じないですねトモヒト青年。コロシアムには自ら来た筈なのですが、なんと言うか、勝ち残るぜ!という気迫がありません。そこもまた未亡人感を出している原因だと思うんですが……少し話を聞いてみましょう」

マイクを持って近付く実況者。

「トモヒト青年、今回は何故女装コロシアムにエントリーを?」
マイクを渡される灯人。
親玉をぶっ殺す為だとは流石に言えない。どうしよう。
「……えっと、その……友達に連れてこられて……」
揺れる布地が落ち着かず、スカートを押さえる。
「これも、勧められたから着てるんだけど、似合わねえだろ……?場違いだとは、思ってる……」
そもそも女装の趣味が無い事は、言うと問題になるだろうから言えなかった。
赤くなった顔を隠すように、恥ずかしそうに下を向きマイクを実況者にやや力強く返す灯人。
呆然としていた為、マイクを落としかけた実況者は、慌ててマイクを持ち直し、声を出す。

「ま、まさかの押しきられての参加だったーーー!!こ、これは押しに弱い!!!これは押しに弱い未亡人!!!!押しの強い宅配業者が来たらダメな事になってしまうタイプ!!!!危うい!これは危うい!!この危うさにこれ以上実況は続けられない!!点数!点数をお願いします!!」

4点 8点 8点

「中々に厳しい点数!!だがしかし!彼が我々に残した波紋は大きい!これは点数には現せない!トモヒト青年、なにか困ったことがあれば、我々にも相談してください!!あとあっちの優勝候補席までは私が案内しますね!!!!」

意気揚々と案内を始める実況者。
それに付いて移動をしようと審査員に背を向けた灯人は、去り際に一度静かに浅く、頭を下げていく。

その様、まさに未亡人。本人無自覚。
審査員が三名そろって胸を押さえた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイクス・ライアー
正気を疑う。
ここまでさせるのか。

しかし、言っただろう。やるからには無様な姿は晒さんと。
ドレスをさらに裂き、スリットを深める。私の魅力を見せろと言うならば見せてやろう…私のポールダンスを。

音楽に合わせ、しなやかな筋肉を見せつけながらドレスをはためかせ踊る。苦もなく踊って見えるだろうが、それは鍛え上げた肉体があってこそのものだ。
ここに必要なものはただ一つ。[覚悟]だ。
よく目に焼き付けておけ。貴様らは必ず殺す。
サービスにウィンクでも投げてやろうか。

殺す。



●殺意は熱病にも似ている

ジェイクスは疑っていた。
正気を疑っていた。
ここまでさせるのか?と正直ここへすっ飛ばして来た鯉にも殺意を抱いていた。

だがしかし、彼は紳士だ。
やるからには無様を晒しはしない。

覚悟を決めた強い意思の瞳で、ジェイクスはスリットを深める為にドレスを裂く。
深い紺のタイトドレスから覗く足が、より大胆にその白い肌を見せる。

「さあ、頼むぞ」
スタッフが頷く。
ジェイクスは、真っ直ぐに前だけを見て、歩き出した。

「続いて入場しますは、ジェイクス・ライアー!!セクシーなドレスを身に纏うこの紳士は一体何を見せてくれると言うのかーー!!おおっとジェイクス選手、何やらスタッフと共に歩み出て来た!スタッフが持っているのは……?あれは、棒か?鉄の棒の様に見えます!!一体何をするのかジェイクス選手!スタッフが棒を設置し始めた!台を置き、縦に設置!台と棒との接合をしっかりと確認し、強度を調べるスタッフ!かなり丹念に調べております!……おっと、終わったようです!ジェイクス選手が確認し、頷くとスタッフは去って行きました!!ん?何か音楽が聞こえてきましたが……おや?明かりが消えていきますね?どうしたのでしょうか?スタッフ、松明を持って戻って来ました。お?篝籠を用意していますね……それを棒の近くへと置き……?焚きました!去って行くスタッフを見送り、ジェイクス選手が、篝火に照らされている棒へと近付いて行く……ジェイクス選手一体何をしようと……!!お、踊り始めたーーーーー!!これはまさか、ポールダンス!?ポールダンスなのか!!ゆっくりと動く四肢が篝火の朱に照らされ艶めかしい!!剥き出しの肩から腕にかけての筋肉の流動!そしてスリットから大きく露出し、布を揺らす脚が!素晴らしい!芸術的な色気です!!神に愛されても致し方無い程の美しさがここに君臨しています!!はっ ジェイクス選手、熱い瞳でこちらを見ている……!いや、審査員の方を見ている!!そして……ウィンクだーー!!審査員、呻いている!!私も直撃を受けて居れば恐らく同じことになっていたでしょう!!寒気を感じさせる程の美しさに、私恐怖すら抱いています!!」

その恐怖は正しい。なにせジェイクスが抱いているのは熱意ではなく殺意なのだから。
恐らく寒気と言うのも芸術に感化されたものというよりも、本能的な逃げなくてはと言う気持ちのすり替わりだろう。ある種正しい感性を、実況者が持っていたという事の証ともなる。

ジェイクスがぽつりと何かを呟いたが、その言葉は音楽に消されて誰にも届かない。
ただ、冷たい程の熱が込められた視線だけが、玉座のツインテールに送られる。

音楽が終わり、降りるジェイクスが前を向く。

そこには、10点10点10点の、フルスコアが並んでいた。

マイクを向ける実況者に軽く手を振り、優勝候補の席へと向かうジェイクス。

『いいか、覚悟しろ。絶対に殺す』

絶対にだ。
普段シリアスなシナリオにしか出ていないジェイクスは、この仕打ちに対する報復の熱を、己の内に燃やすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

須藤・莉亜
【ワンダレイ】の皆と参加。

「さあ、魅せてあげよう。ワンダレイ女装三銃士withチャイナエイの勇姿を。」
蝙蝠さんたちを召喚して、周囲を飛んでもらいながら登場する。

どうアピールすれば良いのかな?取り敢えず流し目で審査員の人たちを順番に見てみよう。

蝙蝠たちにはアピール中もずっと周囲を飛んでもらって、夜野ねーさんの毒を審査員たちの方に集めてもらう。

夜野ねーさんの毒はあらかじめもらっといた解毒薬で回避する。

「チャイナエイ艦長が荒ぶってる…」


星群・ヒカル
あそこがあの女(?)のハウスね
どいつもこいつも自分が一番可愛いと思っているに違いないわ
どうしますお姉様たち?全員纏めてシめますか?

●行動:SPD
服装は前と同じ
「視力」でコロシアムを発見したらカチコミだ
【ワンダレイ】のお姉様方とコロシアムで精一杯アピール
「あたしがワンダレイのスケ番、星群ヒカルよ!文句があんならかかってこいや!」
解毒薬は飲んでおく
お姉様たちのアピールには「さすがお姉様!」と合いの手で引き立てる

お姉様たちと比較して女子力が足りないというのなら仕方ないわ
黒ニーハイをこれ見よがしに脱いで審査員席に投げつけるわよ
「う、うるっせぇなぁ……今回は特別だかんな」(目そらし)


アルフレッド・モトロ
POWでお願いするわね!

ワンダレイ女装三銃士withチャイナエイ出動だわよ!(?)

ふふん、見た目はこんなだけど…女子力(ぢから)なら誰にも負けないんだから。
ていうかコロシアムって何よ! 腕っぷしなら負けないわよ!?
そこのツインテ! アナタよアナタ! お覚悟なさい!

って感じで、猛々しく審査員のボスっぽいツインテールをビシッと指して、宣戦布告しちゃうぜ!

アピールが必要なら莉亜の蝙蝠に合わせて、
ブレイズフレイムを使って…なんかこう、あれだ。
情熱的かつ美しい炎でアピる!

ふう…
夜野の解毒薬は飲んでおくぞ!

(アドリブ・絡みは大歓迎よ)


花邨・八千代
【POW】
なるほど、これは強いドレスを纏う俺の出番だな。
OKOK、連れてけよ。
というかコレで隠れられるとか思わねぇよ普通に。

という訳で俺様参上、7.5m上から失礼するぜ!
インパクト重視でいくぞ、勢いよくドレスの裾を「怪力」で捌きながら堂々の会場入りだ。
女に見える?……ふふ、ばっかだなァ。
こんな可愛い子が女の子のはずがない、っていうだろ?
俺は可愛い、そして強いドレスを纏ってる。つまりそういうことだ。
強くて可愛いとか魅力の塊じゃねーか俺。

自尊心とドレスの高度なら負けない自信があるぜ。
こんなクソ長い裾を捌けるの、俺くらいなもんだろうしな!


尾守・夜野
POW判定ね
ワンダレイの皆といくわ

コロシアムで競うのは
力?知力?魅力?
分からないけれど…
最終的に猟兵だけ残ればいいわよね?

まぁ何にせよこの格好だと不利だからドレスに着替えてから行くわ

一人だけズボンとか浮きそうだし
…仲間外れは嫌なのよ


殺意はドレスの下に隠れしてるわ(銃とか他装備)

ごぎげんようと礼儀作法通りにカテーシー
それでは皆様、勝利の為に消えてくださる? と素敵な笑顔で黒剣を鉄扇に変えて、パタパタと毒を拡散させようかしら

私自身は耐性があるし別にいいわよね

希望者には解毒薬も渡すわよ?

猟兵以外に渡すのは只の砂糖だけど

毒は蝙蝠には無害なのにしとくわ

ヒカルも十分に素敵よと投げた後はフォロー()しとくわ



●チーム・ワンダレイ+α

「あそこがあの女?のハウスね……」
ワンダレイの星群ヒカル(ほむら ひかる)は相棒の銀翼号に跨り、カチコミの準備をしていた。
「どいつもこいつも、自分が一番可愛いと思ってる居るに違いないわ……」
何故か女性口調のヒカル。明らかに場の空気に呑まれているぞヒカル。大丈夫か。
「どうしますお姉様たち?全員纏めてシめますか?」
背後から現れる三人。

黒いドレスの須藤莉亜(すどう りあ)
ゴシックパンクドレスの尾守夜野(おがみ やの)
そしてチャイナドレスのアルフレッド・モトロ

ババン ちなみにヒカルの姿はスケバンルックである。

「待ちなさいヒカル。私に考えがあるわ」

そう言ったのは夜野だ。
手招きをされ夜野の元に集まる三人。

「いい?作戦を説明するわね……」

頭を突き合わせる様にして、内緒話をする女装4人。
女装している人間の尻が4つ、円形に並んでいるのは、ちょっと面白い光景だった。


そして時を飛ばして、ここはコロシアムの中である。

「おおっと!!今回の挑戦者は、なんとチーム!チームでの参加です!!4名のクロッサーがお互いに力を合わせ、魅せてくれるとの事ですので!私実況者も期待に溢れております!!!それでは出て来てください!チーム・ワンダレイ!入場です!え?なに?出場者から、煩いから実況者は黙って欲しいとの要望が出ている……!?なんという事でしょう!実況者ショック!……ですが、出演者からの要望であれば致し方ありません……ここはこのエキストラ、大人しく従いましょう……なにせ私はただのエキストラですので!!」
くっ 涙を流しながら引っ込む実況者。
以下地の文多めでお送り致します。

「さあ、魅せてあげよう。ワンダレイ女装三銃士withチャイナエイの勇姿を」
最初に入ってきた莉亜は、歩きながら周囲に蝙蝠を展開させる。
黒いドレスを揺らめかせながらパタパタと周囲を飛び回る蝙蝠。それは、それだけで怪しさと優美さを魅せ付け動く。
ざわつく審査員に、ごきげんよう、と儀礼通りのカテーシーで挨拶をする夜野。二人の姿は、吸血鬼にも似た美しさだったと、後に審査員は語る。

「さすがお姉様!輝いてるぜ!あ、ちがう、輝いてますわ!」
後ろから合いの手を入れるヒカルと、それにウィンクを飛ばす夜野と、眠たげな瞳で手を振る莉亜。うぉーーー!と拳を上げるヒカル。
そして一番最後に、コツコツとヒールを鳴らしながら堂々登場するは、深いスリットの入ったチャイナを着こなす筋骨隆々の、エイ。アルフレッドだった。

中央に辿り着き、審査員へと流し目を送る莉亜。その周囲を蝙蝠が飛び、黒くもレースが華やかなドレスを、風が無くとも靡かせる。
紫と金の長い髪が、ふわりと落ちる頃。最後に、気怠げに微笑んで、莉亜はゆるくゆるく手を振った。

次いでヒカルが莉亜から背を押されて前に出た。
精一杯審査員にメンチを切る。
「あたしがワンダレイのスケ番、星群ヒカルよ!文句があんならかかってこいや!」
何やら審査員の間に相談が起こる。それを見て、少し不安になるヒカル。
「な、なんだよ!お姉様たちと比較して、女子力が足りないって言うのかよ!仕方ないだろ!?」
慌てるヒカル。ふと思いついたヒカル。なんか昔こういうのをどっかで見た事があるぞ!
黒ニーハイをこれ見よがしに脱いで、審査員へと投げる。どよめく審査員。
「う、うるっせぇなぁ……その、今回は特別、だかんな」
目を逸らす。ここに心の代弁者である実況者が居れば、熱い実況で4行埋めていたかもしれないのだが、居ない。だがしかしその行動は、確かに彼らの魂へと響いていた。
くら、と頭が揺れる審査員。

入れ代わり、チャイナ服のアルフレッドが前へと歩み出る。揺れるチャイナ。逞しい足。
「ふふん、見た目はこんなだけど……女子力(物理)なら誰にも負けないんだから!」
ふんっと審査員に向けて決めるポーズはサイド・トライセップス。
チャイナから大きく足を出し、太腿と、そしてポーズの目的である上腕三頭筋を強調する。
「わぁ、チャイナエイ艦長が荒ぶってる……」
呟く莉亜。
そこからフロント・ダブル・バイセップスへと移行するチャイナエイ。
「っていうかコロシアムって何よ!この通り腕っぷしなら誰にも負けないわよ!?」
言いながら、ポーズを解除し玉座へ座るボスへと指を向ける。
「そこのツインテ!アナタよアナタ!!お覚悟なさい!」
猛々しい宣戦布告。そして決めるモスト・マスキュラー。あまりの筋肉にチャイナの背面が悲鳴を上げた!
ビリィ 想定外のお色気シーンに、ヒカルが慌てて艦長を後ろへと下げた。
ぐらり、頭が揺れる審査員。

最後に出て来るのは夜野だ。
夜野は審査員の様子に優しく笑い、そして先程よりも深いカテーシーをもう一度。
今度は上がり様、黒剣を手に持っているのだが。
「それでは皆様、勝利の為に消えてくださる?」
黒剣を鉄扇へと変え、パタパタと毒を扇ぐ夜野。
なっ!?と声を上げる審査員の元へと、毒を纏う蝙蝠が群がる。
ぐらり、ぐらり、頭が揺れる。
審査員あの眩暈は熱気のせいでも、体調不良でも、ましてや興奮による物でもなかった。

あれは毒のせいだったのだ。

夜野の作戦はこうだった。
『相手が油断している間に、須藤の蝙蝠と自分の毒を使って周囲を動けない状態にし、オブリビオンに畳みかける』

上手く行った。このままいけば、観客を含め敵を全て動けなくさせる事が可能だ。
4人が拳を握ったその時、舞台の中央が突如音を上げ始めた。

ゴゴゴゴゴゴゴ

ガゴン ガゴンと音を上げながら、舞台中央の地面が開く。

これは、迫!?
上がる地下からの舞台。
見える頭。白いドレス。未だ上がり続ける舞台。

え?嘘どこまで上がるのあれ??
上がり続ける舞台。どんどん上がる人。え?まってまって今2m越えてるよね?
4人はただ見上げる。
3m、4mまだ上がるのか!?
4人の視界を埋め尽くす白。
5m、6m、上がり続ける迫。そして越える7m

そのドレス、高さ7.5m
頂上に位置した花邨八千代(はなむら やちよ)
「この審査、俺が頂いていくぜェ!」
怪力で翻される7.5mのドレスの裾。ぶわぁあああっと動く空気。
振り払われる毒!
「「「「んなっ!?」」」」
思わず叫ぶ女装三銃士+エイ!
折角目標に集まっていた毒が無効化されてしまった。まさかの猟兵による作戦失敗。
これは予想出来る筈が無い。
「ん?なんか余計な事したかァ?」
7.5m上から首を傾げる八千代は、まあいいかァと気にせず審査員の方を向いた。
「おら、判定しろよォ」
毒で朦朧としていた審査員が、ぐらつく頭を押さえながら上を見る。
「まて……お前、女装っていうか……女じゃないか……???」
目を細めて上を見る審査員。7.5mだと顔がよく見えないんだけども。
「はァ?ばっかだなァ。こんな可愛い子が女の子のはずがない、って言うだろ?」
うん。確かに、そういうのは聞いた事がある。頷く審査員。
「俺は可愛い」
溢れる自信。いや、顔はよく見えないんだけども。本人がここまで自信満々に言うのだから、そりゃもう可愛いんだろう。うん。
「そして一番強いドレスを纏っている」
確かにそのドレスは強い。明らかに強い。だって年末の鳳だもん。
「つまりそういう事だ」
どういうことだ。
「強くて可愛い。こんな魅力の塊みたいな俺が、女の子な訳ないだろォ?」
どうだと胸を張る八千代。ふんす
審査員は顔を合わせて相談する。たしかに、あんなドレスを女性が操れる訳が無い。最終的にそこに落ち着き、判定を出す事にした。
本人が言うなら、めちゃくちゃ可愛いだろうし。

「その自信と気概、10点に値する」
「そのドレスの芸術性、10点でも足りないと思われる」
「そしてそのドレスを動かせるだけの筋肉。ここからでは見られないが、さぞかし良い筋肉を持っているのだろう」

合計、フルスコア。

「そして君達だが……」
4人に顔を向ける審査員。毒が抜け、はっきりした顔で4人の目を見つめる。

「何をしてでも勝ち上がろうと言う気概。10点を超えると、俺は評価する」
12点を掲げる審査員。
「それぞれの能力を活かした作戦、魅せ方の芸術性、これもまた10点を越えるものだろう」
12点を掲げる審査員。
「それぞれの力強さ、平均するとやや頼りない筋肉量だが、それでも強さを感じさせる」
9点を掲げる審査員。

「オーバーだ。我々の評価、チームとして受け取ってくれ」

合計33点。
このコロシアム初めての、点数がそこにはあった。

「ところで君、ヒカル君だったね。……仲間の為とは言え、自分の事は大切にするんだよ」
審査員は優しく笑うと、ヒカルに黒ニーハイを返したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

明神・竜聖
コロシアム、ですか。
とはいえ、力と力がぶつかり合うようなものではないのですね。
ふむ……なら、本番までは、あまり目立ちたくないですねぇ。

【WIZ】
先ほどの審問官さん達に、お話を伺いましょうか。
誘惑と言い包めで絡めて、さも当然のように入り込みましょう。
……この容姿だと、逆に入りづらいですかね?

出来なければ、お友達が参加するので応援したい、とでもしましょうか。

参加できたとして、そうですか、筋肉ですか……。
心構えや、お化粧は良いんですが……。
仕方ありません。
いざとなりましたら、羅刹の怪力、その源をお見せするしかありませんね。



●美しくとも羅刹は羅刹

竜聖(りゅうせい)はコロシアムに参加していた。
話をしていた審問官に技能を使って案内してもらい、ついでに受付も済ませたし、なんならどういう判定をしているのかもしっかり聞いていた。
ちなみに審問官が居なかったら、女性かと疑われてもっと時間がかかっていた可能性があるのだが、美しいとは時に厄介なものである。

ヒールを鳴らしながら入場する竜聖は落ち着いていた。
「お話は聞いていましたが、本当に力と力がぶつかり合うようなものではないのですね」
ふむ。と頷く竜聖。で、あれば態々、暴れて目立つ必要も無いだろう。

「さて!!復活しました!私実況者!入場しますはリュウセイ・ミョウジン!コロシアムの真ん中に立つその姿はー!和装にも似た襟と袖を持つ膝丈のIラインドレスです!陶磁の様に白く、青い刺繍が美しい!!我々は基本的に洋の衣装を見慣れているものですから!島国の衣装を合わせたこの姿、実に素晴らしいと思います!
メイクもドレスも、文句の付け様が無い!!美しいと審査員達が頷きながら相談しているーー!いや、だがしかし!?ただ一人、肉体美を見ている審査員だけは少し難しい顔をしているぞ!?確かにリュウセイ選手は細身だ!ご飯をちゃんと食べているのか?と疑問を持ってしまうモデル体型をしている!これは点数に難が付くか!?
おや?リュウセイ選手、太いリボンを取り出し、腰に巻いていますね?そして……?ぬ、脱いだーー!?なっ、なんという事でしょう!ゆったりとしたドレスの下に隠されていた上半身!そこに宿っているのは、細くしなやかであるにも関わらず、みっしりと敷き積まれた筋肉!!筋肉であります!実況者である私も、話でしか聞いた事は無かった羅刹という種族!その筋肉は天賦の才!!人が勝てる物では無い!情熱だけでは辿り着けない極地!その筋肉が我々の目の前に惜しげもなく晒されている!!!」

スカート姿で晒される美しい筋肉。
そのアンバランスさが一種の美として成り立っていた。

審査員は驚き、そして点数を手に取った。

「結果を見ましょう!9点!10点!10点!!素晴らしい!余裕の優勝候補進出だーーー!!!」

服を整え、リボンを外す竜聖。
そのリボンで髪を結い直し、堂々と優勝候補の席へと歩き出すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『変態的破滅招来体』ランジーリ』

POW   :    本当の自分と向き合って!
【欲望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【対象の分身】から、高命中力の【本音】を飛ばす。
SPD   :    あなたの気持ち、わかるわ!
【まるで相手の心をわかっているかのように】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    あなたの欲望を教えて?
質問と共に【視線を向けてウィンク】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最終決戦

「では!我々はこれにて!あとはランジーリ様があなた方を見てくださいますので!」
そう言って去って行く実況者や審査員を見送り、優勝候補として場に残った猟兵達は、先ず力自慢どもが壁に穴を空けた。

これでコロシアムに参加していなかった猟兵も、殴り込みに来れるだろう。

自分に対し殺気を放つ女装した猟兵達を見て、ランジーリは静かに玉座から立ち上がる。
のし、のし、と猟兵達の前へと進み出たランジーリは、面々の顔を見渡しやれやれと首を振る。

「なぜだ?中世に起きた魔女狩りでは、誰も魔女を助けなかったというのに。なぜ、やつらを助ける?」

グリモアは、予知夢が無ければ機動されない。
つまり人と人とが起こした魔女狩りは、そもそも予知される必要すらない、些事だったという事なのか。

「マジョリティはいつもそうだ。マイノリティを淘汰することに、なんの躊躇も無い。後悔も無い」

だからこそ、とランジーリはフロントダブルパイセップスを、花を編む少女の様な可憐さで決め、猟兵を睨んだ。

「ここで狩り尽くしてやろう。貴様らの様な多数派をなぁ!」

こうして、マジョ狩りが幕を開ける。

「この世界がCross Gardenとなるのもほど近い!今度は我らマイノリティこそが、マジョリティを狩り尽くす!ふははははは!!」

語り合おう!心行くまで!!その本心を聞かせてくれ!と高笑いをキメるオブリビオン。
君が揺らごうと、揺らが無かろうと、このオブリビオンを放置する訳には行かない。

さあ、狩りの時間だ。


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【メタ】

反撃をくらってもいい場合、POWならば【欲望】と【本音】を、SPDなら【隠された気持ち(無ければその時の素直な気持ち)】を、WIZならば【質問の応え】をプレイングに記入してください。

ちなみにWIZの場合は応えに合わせて、ランジーリさんがそれっぽい質問をした体にします。ダメージを選択すると「女装も良いものだろう?」という質問への黙認となります。不名誉。

不採用にしてしまった方々を優先的に採用したいのですが、果たして来て頂けるのか?
メタの叫びもどうぞ。不採用になった悲しみをランジーリさんにぶつけましょう。
ジェイクス・ライアー
マイノリティを憂う貴様が、この街でのマイノリティである青年たちを狩る側にまわること。貴様がしていることは所詮、自分以外の価値観を認められなかったマジョリティと同じだ。

【POW】
……だが、言わせてもらおう。
マジョリティだ?マイノリティーだ?貴様の言い分など!!心底どうでもいいわァッッ!!!
語り合おうだ?死ねッッ!!!俺は一刻も早くこのイカれた仕事から身を引きたいのだ!すぐに死ね、今すぐ死ねッッ!!!
ゴリラ風情が人語を話すな薄気味悪い!!その似合わんツインテールを耳ごと削ぎ落としてやろうか!?あ゛!?そして死ねッ!!!

【メタ】
いつも通りなのは最初だけ。
反撃歓迎、全然スマートに戦えないと思います。



●ここに飛ばしてきたグリモア猟兵も同罪

ジェイクスは コツ コツ とヒールを鳴らし、前へと歩み出た。
「マイノリティを憂う貴様が、この街でのマイノリティである青年たちを狩る側にまわること」
静かに目を伏せ、努めて冷静に、静かな怒りを身に宿し、ランジーリへと近付いて行く。
「貴様がしていることは所詮、自分以外の価値観を認められなかったマジョリティと同じだ」
隣接。
自分よりも高い位置に在るオブリビオンの瞳を、強く睨む。
視線に質量が有れば、確実に射貫いていただろう力が、その目には宿っている。

ランジーリは、視線で問う。
その【欲望】は?

ジェイクスは、拳を、その視線へと叩きつけた。

静かな火は酸素を吸い上げ、爆炎へと姿を変える。

「……だが、言わせてもらおう!!!マジョリティだ!?マイノリティーだ!!?貴様の言い分など!!心底どうでもいいわァッッ!!!」

オブリビオン、ランジーリの顔面へと叩き込まれた拳を引き抜き、腹部へ膝をめり込ませる。

「語り合おうだ!?死ねッッ!!!俺は一刻も早くこのイカれた仕事から身を引きたいのだ!!!すぐに死ね、今すぐ死ねッッ!!!」

怒りを現すにはまだ足りぬ。理性を代償にした身体強化により、細い筋肉がギリギリと音を立てている。ああ!アイツを殺さなければ!!!

笑うオブリビオンの顔など見えず、いいや、見えたとして、それは殺意と言う欲望の、枷にはならなかった事だろう。

「ゴリラ風情が人語を話すな薄気味悪い!!その似合わんツインテールを耳ごと削ぎ落としてやろうか!?あ゛!?そして死ねッ!!!」

ぐらつく身体を容赦無く狙う拳が見事顎を捉え、巨体を宙へと誘い、そして続く蹴りが、オブリビオンを地へと沈める。
その顔面を蹴り上げようとした足を、蹴り飛ばす、細い脚。
顔を上げれば、自分の顔が目に入る。
青い炎を体現した様な、殺意の熱が、凶暴性が、ありありと顕現した自分自身が。

「「……不愉快だ」」

説く声は同時。随分精度の良い分身だ。

「「いいから死ねエ!!!!!」」

抜き放たれるナイフも同時。本音もまた。
獣が如き唸り声が、響く。

ランジーリは、鼻血を拳で拭いながら、よろよろと立ち上がる。
彼の分身が消える前に、他の猟兵を片付けねば。
ぶっちゃけ消えたら死ぬと思うこれ。やばい。

「ふっ……さて、次は誰かな……?」

背後で響く打撃音、金属音。怪物かと言う怒鳴り声。
ランジーリは正直怖かったが、ボスとしての威厳を保つため、努めて冷静に、そこから距離を置いて他の猟兵へと向き合った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

森・メメント
マイノリティがつらいのもわかるわよぉ。
でもねぇ、マジョリティを排除したら、今度はそっちがマジョリティなのよねぇん。お・わ・か・り?(言いくるめ)

「右に美男、左に美女、そして中間がこのわたし!」
【美しさの暴力】で攻撃するから、わたし自身は基本後ろのほうで待機ねぇ。攻撃くらったら美が減っちゃうわぁん。

大体多いか少ないかで物事を測ろうってのがダメよぉ。
自分はいつでも一人、唯一無二の存在なのよぉ!
ちょっと趣味が合っても、それは他人。
皆に個性があるから、世界が輝くんじゃなぁ~い。

質問への答え
今日は黒の総レースよぉ!何言わせるのよっ、もぅっ!



●オカマは最強

森は、移動した為に近付いて来たランジーリをつん、とつつく。
「マイノリティがつらいのもわかるわよぉ」
「ほう、わかってくれるか?さては……同志か?」
で、あれば戦う必要は無い。そう言いたげに緊張を解くランジーリ。
「ええ、好きな装いで、好きに美しさを追求する。その姿は、嫌いじゃないわぁ」
でもねぇ、と、くねっとしなを作りながら、森は人差し指を立てる。
「マジョリティを排除したら、今度はそっちがマジョリティなのよねぇん」
お・わ・か・り?と指を振られれば、ぐぬ、と低い声が唸る。
図星。
言いくるめにより動きが鈍ったオブリビオンから距離を取り、森は堂々立ちはだかる。

「右に美男、左に美女!そして中間がこのわたし!」

言葉に合わせ顕現するグッドルッキングな益荒男と、立てば芍薬座れば以下略な守ってあげたくなる手弱女。
そして真ん中で輝く森。

「大体、多いか少ないかで物事を測ろうってのがダメよぉ。自分はいつでも一人、唯一無二の存在なのよぉ!」

走り出すグッドルッキングが、ランジーリにタックルを入れる。
思わずよろめいたそこに、美女からの強烈なビンタが炸裂。
「ぐわぁあぁあ!」

「ちょっと趣味が合っても、それは他人よ?皆に個性があるから、世界が輝くんじゃなぁ~い」

そしてウィンクを飛ばす森。
「ぐ、ふっ……なるほどな……お前が言う事は尤もだ……」
だがしかし、止まる訳には行かないのだ。
自分はそういうオブリビオンだからこそ。

ランジーリは、森のウィンクに応える様に、パチリとウィンクを飛ばす。
「ちなみに、今日の下着は?」
「へ?今日は黒の総レースよぉ!って何言わせるのよっ、もう!」
「ぐはぁ!!!」
えっち!!と言う叫びと共に、振り下ろされる美男美女の拳。
その拳により、ランジーリは地面へと沈んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トラガン・ストイコブッチ
【隠された気持ち】戦闘なんて怖いから、楽しいことだけしていきたい
けどな、ここは現実で戦場だ。そして俺は兵士だ
マタタビが俺の脳を侵蝕しようが職務を遂行するのが平和を守る兵士たる自分の役目だ

――こちらケットシットワン!
マジョリティ警護のため、作戦名『マジョリティック12』を実行する!

ロングボウを構えて『千里眼射ち』でお前のランジェリーの裾を矢で縫い留める
(ポロリが見えた場合)――ぐぼぁ!
せ、精神的ダメージはマタタビをキメて回復だ

その後はアサルトウェポンに武器を変えて、援護射撃
ちゃんと二回攻撃で二発ずつ、射撃する仕事は忘れないぜ

特殊な性癖は理解するが、騒いで過激派になるな
俺がマタタビ吸えないだろう?



●応答、無くとも

トラガンはよろめきながら立ち上がるランジーリと目が合った。

目が合ってしまった。
撃ち放つ矢を、軽々避けるオブリビオン。

「……まるで、怖がっているかの様だな?」
口元の血を拭い、紅として笑うオブリビオンに、ぞわと毛が膨らむ。
心を読まれた寒気が、手元を狂わせ攻撃が当たらない。

二発、三発、矢が無駄に消費されていく。
ダメだ。このままでは、駄目だ!

易々と接近され、耳元で囁かれる。
「楽しいことだけして、生きていたい。ちがうか?ふっ、随分弱い本心だ」

めぎ、容易く殴り飛ばされる44cmの身体は、宙を舞う。
痛みは警告だ。身体が震える。それでも!それでも!それでも!!

「――こちらケットシットワン!!」
血を吐きながらでも唱えろ!兵士としての呪文をキメろ!

「マジョリティ復讐のため、作戦名『マジョリティック12』を実行する!」

走り、空いた距離をさらに空け、猟兵達を壁とする。
そうだ。自分はそもそも、前に出てはいけない者だ!
ロングボウへと矢を継ぎ『千里眼討ち』で追いかけて来るランジーリのランジェリーを撃ち抜き、裾を矢で縫い留める。

ちらっ💛 フワ~~~ォ♡
「ぐぼぁっ!!」
省略する描写に精神が血を吐いた。
慌ててマタタビをキメて息を整える。オレハナニモミテイナイ!
ひっひっふーひっひっふーー今日も世界は美しいナァーーー!!

領分を弁え迷いを捨てて、戦場での相銃アサルトウェポンへと武器を変える。

他の猟兵の動きを、サポートする為の援護射撃を。
銃は同時に二砲を放つ。

そうだ。自分は、安寧を求めている。
だからこそ、だからこそだ。

「特殊な性癖は理解するが、騒いで過激派になるんじゃない」

でなきゃ俺が、安全な場所で思う存分、マタタビを堪能出来ないだろう?

大成功 🔵​🔵​🔵​

六六六・たかし
ふん、マジョリティがマイノリティを排除することに躊躇いがないだと?
お前たちがこの世界の男にやってきたことも一緒だろうが。
多数派か少数派かなんてことは問題じゃない。
その行いが正しいのか間違っているのか、それが問題なんだ。
そして、お前のやってきたことは間違っていると俺が判断する。
なぜなら俺はたかしだから。

【WIZ】
男装だろうと女装だろうとそして…

『変…身…!!』

どんな姿であろうと俺はたかしだ。(『悪魔の変身』でざしきわらしと合体して青い鎧武者の姿になる)
服装ごときで俺が変わることはない。
これが俺のお前への最後の答えだ!!!

デビル!たかし!!スラァッシュ!!!!



●答えはいつも一つ

たかしは援護射撃を背に、オブリビオンへと近付いた。
「マジョリティがマイノリティを排除する事に躊躇がないだと?お前たちがこの世界の男にやってきたことも一緒だろうが」
ギラリとたかしの目が光る。
「多数派か少数派かなんてことは問題じゃない。その行いが正しいのか間違っているのか、それが問題なんだ」
だんっと彼の足が鳴る。自信に満ち溢れた足取りで、たかしは宣言した。
「そしてお前のやってきたことは間違っていると俺が判断する」
首を傾げるオブリビオン。
「何故そんなことが言い切れる?」
気にも留めずに言い切るたかし。
「言い切れるさ。なぜなら俺は、たかしだからだ」
「なに?」
たかしとは何か?それは深淵を覗く事になりかねない事柄なので深く考えてはいけない。
深く考えないついでにウィンクを飛ばすランジーリ。
「お前は、何者なんだ?」
マジョリティか?マイノリティか?同志か?なんだ?たかしってなに?
ウィンクを受け、尚歩みを止めぬたかし。

「ああ!そうだ!男装だろうと女装だろうと!」
青い髪の少女、いや意志持つ人形が、たかしのそばに現れる。
『変…身…!!』
デビルチェンジにより青い髪の人形、ざしきわらしと合体し、大きな青い鎧武者の姿に変わるたかし。
「どんな姿であろうと、俺はたかしだ!服装ごときで俺が変わることはない!」
何を隠そう!ざしきわらしもまた、デビルズナンバーが刻まれた者!
故にデビルチェンジによる力はより強く、硬くなっている!

「これがお前への最後の答えだ!!!」
拳を振り下ろすたかし。
鎧武者だから刀を持っているだろうというツッコミを完全に無視して、拳を振り下ろす。
「デビル!たかし!!スラァッシュ!!!」
「ぐわああああああ!!!!!」
地面へとめり込むランジーリ。

こ、こいつ、人の質問に答える気が、無い!だと!?
いや、答えている。応えてはいるのだ。
なぜなら彼はたかしだからだ。

たかしはたかし以上でも以下でもない。たかしは、たかしなのだ。

ただ、それを理解するには、ランジーリはあまりにもオブリビオン(世界から取り残された物)だった。それだけの事だったのだ。

言ったらすっきりしたのか、たかしはチェンジを解き、ざしきわらしと共に他の者への支援へと回る事にした。
そう、支援も出来るのだ。
何故なら彼は、たかしだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●肉が食いたい

「マイノだかマジョだか難しい横文字はわからん!」
7.5m上から堂々と宣言する八千代。
「だがとりあえずぶっ飛ばせばいいんだろ?オッケー任せろ、得意だ!」

「他人の金で!!焼肉が喰いたい!!!」
堂々とした宣言!堂々とし過ぎていて一瞬ぽかんとするランジーリ!
「いやもう正直めっちゃ腹減ってきた。ドレス死ぬほど重い」
ドレスをパージする八千代。っていうかドレスの上に立つ八千代。
「っつー訳で行くぜェ!!くらいなァ!!」
南天紋の描かれた印籠を振り回せば、それは金棒へと姿を変える。
怪力でその巨大な金棒をぶん回しながら、7.5mからランジーリに向け落ちる八千代の全力攻撃。
「ふんぬぁ!!!」
それを受け止めるランジーリの両の腕がぐぎゃりと鈍い音を上げる。
けれども彼は倒れない。筋肉でその金棒を振り落す。
金棒を軸に、落ちながら回転する八千代は、返す刀で脹脛へと一撃を入れる。第六感がざわめくに従い体を横へと転がせば、ランジーリの蹴りが掠めて行く。
「あっぶねェ!はッ!!いいねェ!派手にいこうぜェッ!!」
半身をバネの様に使い上体を起こした八千代は、勢いのままその顎に一撃を入れる。
自身の頭蓋骨を信じた捨て身の一撃だった。

折られた腕では庇う事すら出来ず、大きくよろめくオブリビオン。
そして思ったより顎が硬くてうずくまる八千代。

「いっでェェーー……っアンタさ、よくわかんねーヤツだけど面白かったぜ!あれだよアレ、希少価値?みたいな、そんな感じで良いんじゃね?」
まぁもう遅いんだけど。と肩を竦める。
「いやァ、一緒に焼肉でも行きたかったなァ、アンタの金で!」
親指を立てる八千代と対照的に、膝を付くランジーリ。
俺の金なのか、というツッコミを入れる気力さえ、そこには残されていなかった。
【メタ:間違えたので上げ直します】
花邨・八千代
マイノだかマジョだか難しい横文字はわからん!
とりあえずぶっ飛ばせばいいんだろ?オッケー任せろ、得意だ!

◆戦闘(POW)
【欲望】他人の金で【本音】焼肉が喰いたい!!!
正直めっちゃ腹減ってきた…ドレス死ぬほど重い…。
っつー訳でドレスをパージ!身軽になってから南天を金棒に変化させるぜ。
「怪力」でぶん回しつつ全力で攻撃ぶち込んでいくぞ!
返す刀で「2回攻撃」!「傷口をえぐる」!
「第六感」で攻撃避けつつ、最後は「捨て身の一撃」だ。
派手に行こうぜ!

アンタ、よくわかんねーヤツだけど面白かったぜ!
あれだよアレ、希少価値?みたいな、そんな感じで良いんじゃね?
一緒に焼肉でも行きたかったなァ、アンタの金で!



●肉が食いたい

「マイノだかマジョだか難しい横文字はわからん!」
7.5m上から堂々と宣言する八千代。
「だがとりあえずぶっ飛ばせばいいんだろ?オッケー任せろ、得意だ!」

「他人の金で!!焼肉が喰いたい!!!」
堂々とした宣言!堂々とし過ぎていて一瞬ぽかんとするランジーリ!
「いやもう正直めっちゃ腹減ってきた。ドレス死ぬほど重い」
ドレスをパージする八千代。っていうかドレスの上に立つ八千代。
「っつー訳で行くぜェ!!くらいなァ!!」
南天紋の描かれた印籠を振り回せば、それは金棒へと姿を変える。
怪力でその巨大な金棒をぶん回しながら、7.5mからランジーリに向け落ちる八千代の全力攻撃。
「ふんぬぁ!!!」
それを受け止めるランジーリの両の腕がぐぎゃりと鈍い音を上げる。
けれども彼は倒れない。筋肉でその金棒を振り落す。
金棒を軸に、落ちながら回転する八千代は、返す刀で脹脛へと一撃を入れる。第六感がざわめくに従い体を横へと転がせば、ランジーリの蹴りが掠めて行く。
「あっぶねェ!はッ!!いいねェ!派手にいこうぜェッ!!」
半身をバネの様に使い上体を起こした八千代は、勢いのままその顎に一撃を入れる。
自身の頭蓋骨を信じた捨て身の一撃だった。

折られた腕では庇う事すら出来ず、大きくよろめくオブリビオン。
そして思ったより顎が硬くてうずくまる八千代。

「いっでェェーー……っアンタさ、よくわかんねーヤツだけど面白かったぜ!あれだよアレ、希少価値?みたいな、そんな感じで良いんじゃね?」
まぁもう遅いんだけど。と肩を竦める。
「いやァ、一緒に焼肉でも行きたかったなァ、アンタの金で!」
親指を立てる八千代と対照的に、膝を付くランジーリ。
俺の金なのか、というツッコミを入れる気力さえ、そこには残されていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴラディラウス・アルデバラン
鯉……?(訝しげ)

女装か。
女が戦場にどうのこうのと言われたこともある身。今更異性装だからどうたらなどと言うつもりもないが……。見苦しいのは頂けないな。
とはいえ調子が乱されるわけもなく。
涼やかな目付きでただ剣を振るおう。

細身の片手剣で素早く、重く。

……しかし。
女装の趣味がない男共がそれをしているというのは些か見物だな。面白いものを見た。
(自身は着なれた鎧姿で悠々と周囲を観察したりなど)
初対面の者ばかりとはいえ。写真でも撮っておけば、今後のからかいのネタにでもなるか?



●もしや欲望:写真撮りたい では?

ヴラディウスは、鯉に送られてここまでやってきた。
ひょっこり、壁に開いた穴から顔を覗かせる。

「なにやら、面白い事をやっているな」
ふむ、とひとつ頷くと、躊躇も無く足を踏み入れる。
「異性装だからどうなどと、今更言うつもりもないが」
カシャリカシャリと金属の靴を鳴らして、堂々ランジーリの背後に立った。
「見苦しいのは、頂けないな」
ゆっくりと振り返るランジーリに、ヴラディウスは細身の片手剣を、ゆるり構えて小さく笑う。
ダンピールである彼女の、壊れ物の様に美しい笑顔は、果たして見えたのだろうか?

オブリビオンが口を開くその前に、彼女は剣と共に踏み込んだ。
一線、よろめく様な足取りで掠める。
二閃、けれど剣先は一瞬前よりも早く
三戦、そして重くなりその動きを捉えて離さず
そうして四撃目、とうとうその芯を捉えて切裂いた。

「ぐあああああ!!」

剣刃一閃により見事切断された体を、オブリビオンの力でどうにかつなぐ。
それでも、血は大量に流れ、なにより、こう、ランジェリーがボロボロになってしまった。
これは危ない。ポロリって言うかモロリの危険性がある。

「だが……っだがまだ死なんぞ……!マジョリティを狩らねばならんのだぁあ!!」

ふんぬっ 気合で接合される胴体(縦)に、ヴラディウスは口笛でも吹いてやろうかとも思ったが。
流石にそれはどうかと思い、やめておいてやる事にした。

ランジーリの背後から近付く影に気が付けば、ちらりと目を合わせ無言の合わせ。
「なるほど、選手交代か」
ひらり手を振る剣豪は、次の剣豪へと場を譲る。

代わりに自分は、写るらしい使い捨てのカメラを持って、楽しそうに移動した。
と、言うのも
あちらでは全く同じ姿の美丈夫が、あちらでは可愛い姿の猫人が、こっちでは黒いドレスの青年が、向こうじゃ作戦立ててる面子が各々

「女装の趣味を持たない男共がそれをしているというのは、些か、そうだな。面白い」

ふふ、と綺麗な顔で笑む。考えている事は、悪戯好きの子供と同じなのだが。
「初対面の者ばかりだが、写真でも撮っておけば……今後話をする時に、話題に困らず済むかもしれないな?」

果たして彼女が上手く写真を撮れたのか?ついでに現像出来たのか?

それはまた、どこか。別なお話で。

大成功 🔵​🔵​🔵​


【メタ:お名前間違えてますね!?大変申し訳無い……】
【ブラディウス→ブラディラウスに……心の目で変更をお願いします……】
多々羅・赤銅
女装男子でーーーーーーーす!!!!!!(フリフリピンクロリドレスに身を包んだメスお兄さんが低音を効かせて現れた)

あ?コロシアム終わったの?
チッ私のゆめ(にうなされて)かわ(いそう)コーデでギャフンと言わせようと思ったが仕方無え。
いやちょっとさみしい。判定してくれ誰か。
サンキューーー!!!(満足し斬りかかりに行く)

随分暴れてくれたじゃねえか
てめえの無法もこれまでよ
これはお前たちの無茶苦茶で狩られた人々の分!
これは哀れ女装を晒す羽目になった男子達の分!
そしてこれは行き場を失った私の🦍の分!!!!!!!

【本望/欲望】
ぶっちゃけちょっとお前にハグして欲しい!!!!!!!!!!!!(迷いなき剣刃一閃)



●人の夢

「女装男子でーーーーーーーーす!!!!!(低音)」
ランジーリの背後から、堂々勇みフリフリピンクのロリィタドレスで、のっしのっしと登場したのは、赤銅だ。
可愛らしいフリルのチョーカー(ピンク)により、喉仏の有無は確認出来ない為、メスお兄さんと分類させて頂こう。(ガバ判定)

刀片手にヤンキーさながら登場した赤銅は、周囲を見渡しきょとんとする。今来たばかりらしい。
「え?何?コロシアム終わったの?」
他の猟兵に訊ねれば、うん。と頷かれてしまう。
「チッ、私のゆめかわコーデでギャフンと言わせようと思ったが仕方無え」
よいせと刀を構えて、やっぱやめる。

「いやちょっとさみしい。判定してくれ誰か」
突然の無茶振り。誰かって言われても、判定出来るやついねえよ。
ざわつく周囲に、ちょっとしょんぼりしてくる赤銅。
だって折角キメて来たんだし?少しくらいははしゃぎたい。
やがて周囲の視線が、ランジーリへと集中する。

評価しろと??猟兵を見るオブリビオン。
頷く猟兵。
ほら早くしろよ、赤銅ちゃんしょんぼりし始めちゃっただろ。

「ン”ッ、ゴホン」
咳払いするランジーリ。
目を輝かせ胸を張る赤銅。

「……お前の姿、特に、そうだな……ピンクと青の髪色に合わせたロリィタドレスのセンスは、高く評価出来る。露出された腕から見える筋肉、そして足の逞しさ、鍛えている物だと分かる良い物だ。気概はどこに向けた物かが分からない為評価は難しいが……何より難しいのは……」

改めて赤銅を見る。
可愛らしいピンクの、小物がたっぷり使われたロリィタドレス。
小物が たっぷり 使われた
 小物が すごく どっさり 使われた ロリィタドレス

「なんだその目玉とかキャンディとかエネミーの数々は!?お前はきゃりーっとしてぱみゅっとしてる某歌手かなにかか!!?」

「すごくね!?」
「それを堂々着て来た姿が何よりすごい!!!」
「そんなに褒めるなよ!このゆめかわコーデを!!」
「それもしかして夢でうなされて可哀想なコーデって意図か!?!!」
「で!?総評は!!」

「心10技10体10!!!!」
「サンキューーーーーーー!!!!」

斬りかかる赤銅、一撃目を避けるランジーリ。
次いで二撃、三撃と、刀を振るう。

「随分暴れてくれたじゃねえか!てめえの無法もこれまでよ!」
自分が無法みたいなドレスを着ている事を100段ぐらい上げての物言いを、ツッコむ者は此処には居ない。

「これはお前たちの無茶苦茶で狩られた人々の分!!」
大きく一閃、オブリビオンの肩を裂く。

「これは哀れ女装を晒す羽目になった男子達の分!!」
横薙ぎの一閃、腹を裂き。

「そしてこれは行き場を失った私のゴリラの分!!!!!!!!」
大きく振りかぶったグーパンが、ランジーリの顔面にめり込んだ。

「ゴハァッ‼‼‼ く、おまえ、まさか……!?」

そう、この赤銅、何を隠そう第一章でプレイング(ゴリラ)を送っていたにも関わらず、あっさりと流されてしまっていたのだ。
本当にごめん。三章来てくれてありがとう。

がくり、膝を付くランジーリ。
荒い息がぜぇぜぇと、猟兵達の耳まで届く。

「ゆめ(でみて)かわ(いそうな)コーデ……、お前の、欲望は、なんだ……」
それでもランジーリは諦めない。世界女装の庭計画を。

反撃の為に尋ねられた質問に、赤銅は攻撃の手を止める。
そして僅か下を向き、目を逸らす。

どうしたのかと首を傾げるランジーリ。
やがて、少し恥ずかしそうに告げられた答えは

「ぶっちゃけ、ちょっとお前にハグしてほしい……」

だった。

これにはランジーリも周りの猟兵もびっくりである。
いや、確かにこの界隈、筋肉は少ない。
余りにも少ない。
びっくりするほどここまで筋肉があるイラストを滅多に見ない。

だがしかし
それにしたって
いいのかそれで。ランジェリー姿のオブリビオンは戸惑った。

けれど本心からの言葉を、そう求められて尚、応えないでは男じゃ無い。

反撃も忘れ、ふらつく足で立ち上がるランジーリ。
そして腕に力を込める。
「ふんぬっ!!」
折られ、使い物にならなくなっていた腕に、再び力が宿った。

動く様になった両腕を、ランジーリは広げ……そして頷く。
一歩、前へ踏み出す赤銅。
そのまま引かれる様に、一歩、二歩と、そして逞しい胸筋へと頬を寄せ

お互いの腕が、お互いの背へと回される。

抱擁。
互いの心臓の音が、静かに、けれど確実に上がっているのは、聞こえただろうか?

胸筋を押して僅か距離を空けた赤銅が顔を上げれば、様子を見る為に恐る恐る向けられていたランジーリと目が合った。

柔らかく、笑い合う。

ここに、恋が生まれ

「よぉし!!!!満足した!!!!!ありがとな!!!!」

剣刃一閃!!!恋は死んだ!!!!

「ぐあああああああ!!!!!!」
それはもう見事な袈裟切りだった。酷い。余りにも儚い桃色だった。

倒れ伏すランジーリ。
仁王立ちの赤銅。
最後の力を振り絞り、顔を上げたランジーリは

「……お前、動きを気にしろ……パンツが……見える、ぞ……」

そう言ってがくりと力尽きた。

「安心しろ。見せパンだ……」

峰打ちだ。みたいな言い方で背を向けた赤銅の、ちなみに今日は赤。という言葉が聞こえたかどうかは、風のみが知っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​

尾守・夜野
【ワンダレイ】の皆といくわ

もう一人、別人格をオルタナティブダブルで呼び出して一緒に戦うの

別に私の分身であれば…ね?
自分で自分を殺して何が悪いというのかしら?

欲望?私も主人格も破滅願望ね
本音は自分を殺したいか、次は守りたい じゃないかしら

だから…彼女を巻き込み自爆炎上でもしようかしら?
さっきは防がれちゃったけど、自分や分身巻き込んで毒を撒いて
血にまみれて黒剣を叩き付けて…

単純計算、私が4人になるのかしら?
地獄のような光景ね?
吐き気がするわ

ひたすら自分の損害には一切合切気を使わずに前衛になるわ

船長から心配されてるような気がするんだからとっとと消えなさいよ!
この!
(更にヒートアップ)


須藤・莉亜
【ワンダレイ】の皆と参加。
「なんという、女子力(暴力)。ちっと本気でぶっ殺そうか。」

地獄の門を出し、悪魔大王さんの右腕だけ召喚。敵さんをぶん殴ってもらう。
「番長ー、上手いこと避けてねー。」
動き回っている番長には一声かけとこうかな。

味方がヤバそうなら、悪魔大王さん(右腕)にフォローを頼む。
僕は動きの止まった敵さんを大鎌で攻撃。 狙いは首、出来なければ手足を狙って行く。

「僕はあらゆる手段で敵を殺したいだけ、その手段が女装であってもね(無駄にクール)」
でも、やっぱ女装はネタでやるに限るね…。


星群・ヒカル
【ワンダレイ】で突撃
くっ、なんて女子力だ……
だけどあたしたちは負けないわッ
今こそ特訓の成果を魅せる時!
(以後、全然身に覚えのない特訓の回想シーンがフラッシュバックする)

「騎乗」で銀翼号に乗り込み、敵の周りを回って翻弄
ほらほら捕まえてごらんよ!おっと失礼!
(莉亜の召喚した腕をひょいと飛び越え)

おれの本心が見えたか?(にぃ)
おれは「そろそろ誰か突っ込んでくんねーかな」と思いつつ……
今の状況をサイコーに楽しんでいるッ!

てめーは今を楽しんでるようには見えないな
相手を貶めることに精一杯で
自分の好きなものが『視えなく』なっちまってんだよ!

バイクごと突っ込み、「超宇宙・真眼光波動」で敵を焼き尽くすぞ!


アルフレッド・モトロ
ワンダレイ女装三銃士withチャイナエイ、いよいよ大詰めね!
魔女狩りってマジョリティ狩りの事だったのね!…って感心してる場合じゃねーわよ!勝負よランジーリ!

俺…アタシの何がマジョリティなのよ!この見た目で分かんないの!?
イヤな目にもあったわ、辛かったわ、助けて欲しかったわ……だから戦うの!あの時助けてほしかったから、今度はアタシが助ける側になるのよ!!

アツく語りながらランジーリと殴り合いをするわ。

マジョリティもマイノリティも関係ない。アツい方が勝つんだ!!(?)

…貴女もそうなのよねランジーリ、オブリビオンと猟兵でなければ良かったのに

相変わらず夜野が心配なので「無理するな」と声をかけておくわよ。



息を継ぐ。
猟兵達の攻撃は、確実に効いている。

それでも男は立ち上がる。

そのランジェリーはほぼ腰布になってしまっているが。

パンプアップ
筋肉が膨張し、傷口を埋める!

「ふ、ふはははは!さあ!来るがいい!」

まだ立つのか、と驚く声に、サイドチェストで応えるランジーリ。

トドメを刺すには、息もつかせぬ死が必要だ。
武器を構える面々。

そして、この戦場に置いては最も連携の取れる四人が、前へ出た。


●チーム:ワンダレイ

一番手、ワンダレイ艦長アルフレッドはランジーリを睨みつけ、高々と声を上げる。
「勝負よランジーリ!!」
ランジーリは、筋肉と汗とが生み出す湯気をその身に纏いながら、その宣言に向き直った。
「ほう……?」
自分に目を向けたランジーリに、アルフレッドは自身の胸を叩く。
「大体、アタシの何がマジョリティだって言うのよ?見て分からない?」
大きなエイの頭。青い肌。人なのか、化物なのか。
その堺はいつだって曖昧だ。
「イヤな目にも合ったわ、辛かったわ、助けて欲しかった……!」
ランジーリは拳を構える。
それに合わせ、アルフレッドもまた、拳を構えた。
「だからこそ戦うの!」
ドンッ空気が揺れる。間合いを詰める為の、地面への蹴りだけで、だ。
「あの時助けて欲しかったから!!」
そのまま拳を打ち付け合う。二度、三度、四度!
「今度はアタシが!迫害されている者を!助ける側に、なるのよ!!」
大きく振り降ろされるランジーリの拳を腕で押し流し、その勢いのままチャイナ服をはためかせたハイキックを、オブリビオンの頭に蹴り込んだ。

思わずよろめくランジーリ。
「こざかしい……!こざかしいわぁ!!!!!」
脳震盪を振り払う様に、大きく吠える。
びりびりと宙が揺れる。

その圧倒的な力に、ヒカルが呟く。
「くっ、なんて女子力……!だけどあたしたち、負けないわッ!」

そして突如始まる回想


~~回想~~

寺の階段をうさぎ跳びで往復する女装三銃士withチャイナエイ
山に入り、熊と戦う女装三銃士withチャイナエイ
滝に打たれ雑念を払う女装三銃士withチャイナエイ

特訓の日々は過ぎ去り、そして

『お姉様!あたしたち、勝てるわよね!』
『……当たり前でしょう。四人で行くって決めたじゃない。あの、夏の女装甲子園に』
『そうだよー。だから、こんな所で負ける訳にはいかないよねー』
『ええ!皆、全力で行くわよ!』

四人は夕暮れの中手を重ね、大きく頷きあう。
えいえいおー!

あの日の約束は、まだ、生きている。

~~回想終了~~



「今こそ特訓の成果を、魅せる時!!」

ひらり華麗に銀翼号に乗り込み大きくエンジンを吹かせば、アルフレッドとランジーリの間に一瞬で割って入る。

「艦長!轢かれないでね!」
そのままぐるぐると敵の周りを疾走するヒカル。
車体ごと止めようと、闇雲に拳を振るわれるランジーリの攻撃が、地面を抉る。

その様を少し遠くから見ていた莉亜は、ひゅーと音にもならない口笛で空気を揺らしていた。
「なんという、物理的女子力~。ちょっと、本気でぶっ殺そうか。」

大きく腕を広げれば、彼が願う場所へと門が出現する。
それは城へと繋がる様な、人の数倍大きな扉。
ジゴクショウライ・ダイキュウケン・ルーチーフェロ
「地獄招来【第九圏・悪魔大王】」

扉が開き、門ぎりぎりの太さを持った、巨大な腕が現れた。

「番長ー、上手いこと避けてねー。」
艦長もねー と添えて、腕を前へと振り降ろす。

地面を穿つ轟音が、オブリビオンと巨大な腕との間で起きる。
無い筈の風が、猟兵のスカートを揺らし外へと流れていく。
神アトラースの姿でもって、その拳を受け止めたランジーリは、動けない。
「うんうん、それでこそー。」
それこそが、目的だった。
すかさず大鎌を手に駆ける莉亜。
首、はあの状態では狙えない。
ならば、脚だ!

反撃を喰らわぬ様すれ違い様、アキレス腱を切裂いて行く。
「ぐっ!?ぬ、ぬおぉぉおおおっ」
腱を切られた事により、足に力が籠められなくなったランジーリは、巨大な腕に押しつぶされた。骨が砕ける音がする。

タイムリミット。
巨大な腕は消え、扉は閉まり、そして門は消えていく。

「女装とか、本当にどうでもいいんだけどさ。僕はあらゆる手段で敵を殺したいだけ。その手段が、例え女装であってもね。」

ドレスと髪が、この場に合わぬ程、穏やかに揺れた。

「まぁでも、やっぱ女装はネタでやるに限るね……。」
肩を竦め、大鎌を降ろした莉亜は、ふぅとゆるーく息を吐いた。

時間稼ぎは、終了だ。

唸る様な声がする。
獣が腹から出す様な
嵐にすさぶ風の様な
暗闇を燃やす松明の様な

音がする。

駆け出す二人の影。
そのどちらもが黒い髪、赤い目、そして動物の様な尾と耳を、持っている。

姿変わらずとも、慣れている者なら動きで分かる。
あれは、夜野の主人格と、女性人格の物であると。

自身の血を代償に、殺戮捕食態へと姿を変えている黒剣は、牙の様にも、爪の様にも見えている。
その姿はキマイラに近い。エネミーに近い、と言っても良いかもしれない。

駆ける二人の前に現れる、ランジーリのユーベルコードにより現れた分身。
夜野の欲望を、現した者。

「破滅を」
「出来る事なら、仲間の無事を」

分身が二体、走る。

「「祈れ!!」」
「「消えろ!」」

それは同じだけの質量を持った、願い。望み。あるいは、光だ。

ああいやだ、地獄の様な光景ね。
呟く夜野のオルタナティブ。
四人も自分が居るなんて、馬鹿みたいだわ。
私は、俺から仲間を守りたい。俺は、私を殺したい。

それなら利害が一致してるわ。今回はここでお別れね。

目が合うけれど、止めやしない。
だって、自分自身で自分を殺して、何が悪いと言うのだろうか。

前を睨むその顔を同意と受け取ったか、矢野のオルタナティブは爆弾と化した黒剣を携えて。

そうして分身である自身に向けて、走り出す。
その手を取って、まとめて、助けようとしたもう一人まで、その腕を掴んで。

周囲が爆発し、炎上する。

炎を掻きわけ、走る。オリジナルと呼ばれてもいいのかしら?女性人格は思う。それでもトリガーピースを擦ればどうせ、主人格は現れる。

ようやく隣接した頃には、ランジーリが立ち上がっている。
そこに向けて、殺戮状態を取っている黒剣を突き立てた。

「心配されてる気がするから!とっとと消えてよオブリビオン!!」
腹部に突き立つ黒剣から、毒を流し込み命を削り、その血を、肉を、剣が捕食する。
一撃、二撃、何度もその身体に黒剣を、抜いては沈ませ血を撒き散らし

「離れろ!!夜野!!!」

いつの間に近付いていたのか、艦長、アルフレッドがその身体を引きはがし、駆ける。距離を取る。

その直後響く、ヒカルの声。

「その目に焼き付けろ!!これが……超宇宙番長の輝きだーーーー!!!」

目の前を覆う光。色が折り重なり白となった様な、光。
それは、ヒカルの半径21m全てを焼き尽くす、強力な魔力光波動だった。

「      」

何かを言ったかもしれないランジーリの声すら、焼き尽くす光の中で、静かに、そして思っていたよりもあっけなく。

オブリビオンは、塵となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト