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辺境伯の襲撃(作者 波多野志郎
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 ダークセイヴァーの辺境領域――深き樹海は、今日も変わらず広がっていた。昨日も今日も明日も、雄大な自然は変わらない。誰もが、そう思っていた――そのはずだった。

 しかし、今日は違った。悠久の今日と違い、樹海を変える『脅威』がその姿を現したのだ。

『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオ、オ……』

 それは樹の虚を吹き抜ける風の音にも似た唸り声だった。それと同時、樹海の一部が地面から吹き飛んだ。

 高所から樹海を見るものがいれば、それが巨大な腕によるものだと見て取れただろう。そう、遠くからでも見えるほどの巨大な腕が生えたのだ。
 バキバキバキ――! と木々を砕きながら、這い出てきたのは緑色の巨人だ。高き森の怪物――全てを打ち砕く猛り狂う猛獣が、樹海に姿を現したのだ。

 膨大な数の鳥が、高き森の怪物の周囲で飛び回る。その体から溢れ出すのは蟲型オブリビオン死肉喰らいの群れだった。

 ゆっくりと、しかし確実に高き森の怪物が動き出す。その方向は、ヴァンパイアの支配が及ばない人類の活動圏――通称「人類砦」が存在する方角だった。


「辺境伯、その怪物はそう呼ばれる存在らしい」

 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)の表情は厳しい。それだけの脅威が出現した、という事だ。

「ダークセイヴァー世界の人類砦に向かって、辺境伯とその配下の侵攻が始まっておる。動きが遅い分、まだ余裕があるが……たどり着けば最後、ひとたまりもあるまい。そうなる前に、対処してほしいのじゃ」

 まず、辺境伯を迎撃するための準備を整える必要がある。人類砦の近く、開拓途中の平地がある。そこで迎え撃つのが一番だろう。

「戦場に巻き込まれそうな一般人の避難や事前の情報収集、迎撃のための用意……ここでどれだけ用意が整えられるかは実際の戦いに与える影響が大きいじゃろう」

 高き森の怪物には、宝石の体と不気味な触手を持つブローチ大の寄生虫オブリビオン辺境伯の紋章が寄生し、力を与えている。かなりの強敵となるのは間違いない。

「辺境伯を倒し紋章を数多く収集すれば、わかる事もあるじゃろうが……まずは、人々を守る方が重要じゃ。よろしく頼むぞ」





第3章 ボス戦 『高き森の怪物』

POW ●圧倒的な膂力
単純で重い【剛腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●原始の魔眼
【視線】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ ●聖域の守護者
【燃え盛る青き瞳】に覚醒して【かつての力を取り戻した聖獣】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アウル・トールフォレストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●高き森の辺境伯

『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオ、オ……』

 低く吹き抜ける風の音に似た雄叫びが、人類砦の外壁を震わせた。その声が届くまでになれば、もはや見失う事もない。高き森の怪物はゆっくりと、しかし確実に迫っていた。

 絶対的破壊者の威容は、見る者の心を折るのに充分だったろう。しかし、人類砦の多くの人々が希望をまだ見失ってはいなかった。

 猟兵が、戦っているのだ。戦ってくれているのだ。彼等には、猟兵の勝利を信じるだけの確証がある。絶望的な状況かもしれない、しかし、希望は確かに残っているのだ。

 信じる事。人類砦の無力な人々にできる事はそれだけだ。しかし、それこそが彼等の未来に希望をもたらす、唯一の手段でもあった……。