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幻想幽世奇譚〜殺戮妖魔列車の運行を阻止せよ!〜

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●カクリヨファンタズム・殺戮列車ターミナル
 新しく発見された新世界「カクリヨファンタズム」。現代地球であるUDCアースの隣接して存在すると言われているこの世界は、人々に忘れられた妖怪達の楽園である。だがあまりにも不安定でオブリビオンである骸魂に取り込まれやすいこの世界は、常に崩壊の危険性を孕んでいる。
 そしてこの一帯の幽世は今、死神のような骸魂によって未曾有の危機に見舞われようとしている。その幽世はすでに古今東西新旧問わず、列車に溢れていた。ただ線路はなく、各々が縦横無尽に駆け巡る。
 そんな列車が妖怪達を轢き倒し、漂う骸魂によって歯車となっていく。それらを骸骨の死神は悠然と自身の目的の為に使い尽くす。
「あと少しで殺戮妖魔列車が完成する。さあ、世界を轢殺しようぞ」
 真紅の刃の鎌を掲げて、骸骨の死神は先導する。この轢殺の世界を終わりの始まりとせんが為に。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「新しい世界で、さっそく世界崩壊の危機だよ!」
 元気いっぱいの笑顔で猟兵達を迎えるのは、グリモア猟兵見習いのエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)だ。義姉ほどうまくはないが、要点と若さ故の勢いで皆に情報を伝えていく。
「今回の幽世は列車が溢れかえる、死と暴力を運ぶ轢殺の世界なんだー」
 突如現れた様々な列車。線路がなくても縦横無尽に走行し、妖怪達を蹂躙していく。そして轢かれて弱った妖怪達を骸魂が宿り、首謀者である骸骨の死神が建造している巨大な列車の部品にしているのだ。
 その列車こそ、殺戮妖魔列車。もし完成して走行すれば幽世の妖怪達は残らず轢き殺され、世界崩壊の引き金になるだろう。その前になんとしても阻止しなくてはいけない。
「敵の親玉と殺戮妖魔列車は、列車が集う殺戮列車ターミナルにいるんだ。だからそこに乗り込んでやっつけちゃって!」
 もちろん荒れ狂って走行する列車を潜り抜けて件の列車に近づかなくてはならない。だが、妖怪達の案内の為にもやるしかない。
 頑張ってと手を振るエィミーの転移術式が発動する。列車渦巻く妖怪の世界の戦いが今、始まろうとしていた。


ライラ.hack
 新世界は東洋西洋入り混じる妖怪の世界!
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびは首謀者の骸魂が引き起こした列車溢れる世界、そこで胎動し「轢殺の世界」を巻き起こそうとしている殺戮妖魔列車の破壊が目的です。

 まずは列車が駆け回る殺戮列車ターミナルを突破して、殺戮妖魔列車を目指して頂きます。その後は殺戮妖魔列車の破壊と首謀者の骸魂の戦闘となります。

 まさしく殺戮だけを送る列車は遠慮なく木っ端微塵に破壊してしまいましょう。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『妖怪ターミナルを越えて』

POW   :    パワープレイで押し通る

SPD   :    テクニカルプレーで切り抜ける

WIZ   :    頭脳プレイで解決する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●カクリヨファンタズム・殺戮列車ターミナル構内
 猟兵達が転移されてきた場所は、幽世を縦横無尽に駆け巡っている列車達が集う場所。轢いた妖怪達を運搬したり、骸魂を各地にばら撒くために積む積載所。それがここ、殺戮列車ターミナルだった。
 運ばれた妖怪達はここで骸魂に取りつかれ、殺戮妖魔列車の部品として組み込まれていく。そうして出来上がっていくのが、世界を轢殺で壊そうとする列車なのだ。
 今は殺戮妖魔列車は完成には至っていない。おそらくこのターミナルの最奥にあるのだろう。黒幕である死神の骸魂もそこにいる。
 だが猟兵達の行く手を阻むかのように、列車が走り回る。この殺戮を運ぶ列車を突破しない限り奥へ進むことはできない。
 猟兵達は己が力を示す為、持てる力を持って殺戮列車群に挑んでいく。こんなところで足踏みをしている暇などないのだから。
備傘・剱
初めて来たが、随分と派手な歓迎、って奴なんだろうな
悪いが、押し通らせてもらおう

雷獣駆、発動!
トップスピードで駆け抜けてやる

体当たりしてくる奴には、オーラ防御全力展開でカウンター気味にこっちから体当たりして跳ね飛ばしてやる
そのまま、怪力と念動力で持ち上げつつ、結界術で動きを封じて、振り回しながら、他の車両も破壊して前に進むぞ

轢き殺す為の列車が、まさか、轢き殺される側になるとは思いもよるまいて
相手を殺そうとする時、相手もまた、自分を殺しに来てるってのは、妖怪だろうが、何だろうが、生命体なら、覚えておいた方がいい事だわな

所で、この車両ってよ、生き物…じゃないよな?

アドリブ、絡み、好きにしてくれ


セシリア・サヴェージ
殺戮妖魔列車など言語道断。完成は絶対に阻止しなければ。
これ以上犠牲者を増やさない為にも一刻も早く黒幕の元へ向かいましょう。

静かに隠れて……といきたいところですが、それでは時間がかかり過ぎます。ここは素早く【ダッシュ】で最短距離を突き進みます。
邪魔をする列車はその勢いに負けぬ【重量攻撃】で破壊してしまいましょう。
むしろ殺戮妖魔列車の完成を遅らせるという点では積極的に破壊を狙っていくべきでしょうか。

傷ついた妖怪を発見したらUC【暗黒の冥護】で回復と強化を。
これでこの場から逃げることくらいはできるはずです。
申し訳ないのですが私は先を急ぎますので……どうかお気をつけて。



 普段は平和であったであろう妖怪達が住む幽世。その幻想郷はいずこへや、今はその妖怪達を轢き殺さんと狂い走る列車に溢れる世界へと変貌を遂げていた。
 その列車がいつからあったのかはわからない。だがその列車が走行を始めてからはそれが日常と化した。鉄の箱が今日も殺戮を届けに妖怪達を向けて走り出す。
 そしてこの場所こそ、今の幽世を縦横無尽に駆け巡る殺戮列車群が集結する場所である、殺戮列車ターミナル。元凶となる殺戮妖魔列車が完成に向かわんとしている最中である場所でもある。
「初めて来たが、随分と派手な歓迎、って奴なんだろうな」
 そう言ってカクリヨファンタズムの世界に足を踏み入れた備傘・剱(絶路・f01759)はそう呟く。まさしく眼前を埋め尽くす列車達が目を覆うくらいに走り続けているからだ。
 こんなものが走り回っているのだから妖怪達は気が休まる時はないだろうと劔は思う。そして元凶に対する怒りもふつふつと沸くというものだ。
「悪いが、押し通らせてもらおう」
 そして能力「雷獣駆(ブレイジングビート)」を速攻発動させる劔。今まさに身体を轢き殺さんと迫る殺戮列車たに対抗する為に、額から生えた麒麟の角より発生した黒い迅雷が全身を覆う。
 まさしくトップスピードを瞬時に叩きだすかように、劔は大地を駆け抜ける。スピードであるならばおそらく列車にも負けない速さである。
「だがただ抜けるのじゃ、芸がないからな!」
 そう言って劔はこちらを轢こうと迫ってくる列車に対し、黒い迅雷を纏った腕で全力で受け止めそのまま地面に踏ん張る。まさしく鉄の箱との力比べであるが、体に埋め込んだバッテリーに蓄えた生体電流がありえないほどの力を発揮させていた。
 そのまま列車の勢いを止めると、おもむろに列車を持ち上げる劔。雷を列車に走らせる結界術を瞬時に展開させて動きを封じ、その殺戮列車を走る列車に対して振り回して粉砕していく。
「轢き殺す為の列車が、まさか、轢き殺される側になるとは思いもよるまいて」
 事もないようにバチバチッと雷の音を発しながら列車を振り回して、他の車両を破壊していく劔。列車には乗客もいない、殺戮の為に走る列車故に遠慮など必要はない。
 それに相手を殺そうとする時、相手もまた、自分を殺しに来てるということをしっかりと教訓として教え込む必要があるというものだ。
「妖怪だろうが、何だろうが、生命体なら、覚えておいた方がいい事だわな」
 列車は生命体であるかは微妙だが、そんなことは関係ないと列車に列車をぶつけ続ける劔。一瞬、列車が妖怪ではないかと疑問に思ったが、結界術を展開した時に生命反応がなかったことから、機械のようなものだと判断したので遠慮は一切ない。

「中々派手ですね」
 そう言って列車を豪快に破壊しながら進む劔を静かに観察するセシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)。だが冷静さとは裏腹にその高潔なる黒騎士は義憤に燃えていた。
「殺戮妖魔列車など言語道断。完成は絶対に阻止しなければ」
 黒幕が齎そうとしている轢殺の世界など、一切認めることはできない。死をばら撒こうとしているするのであればセシリアは全力で止めねばならないとその足は列車ひしめく世界へと足を進める。
「これ以上犠牲者を増やさない為にも一刻も早く黒幕の元へ向かいましょう」
 その為に静かに隠れていくプランもあったが、あれほどの目の前の劔の豪快な立ち回り。ならばセシリアもそれに便乗して一気に駆け抜けるのが得策であろうと判断する。
 時間を駆けずに一気に最短距離を駆け抜ける俊足。素早いダッシュはまさしく劔の破壊劇の合間を抜けるかのようだった。
「邪魔ですよ!」
 だがそんな中でもセシリアを狙って轢き殺そうとしている殺戮列車を避けることもしない。最短距離を駆ける為に暗黒剣ダークスレイヤーによる特大剣の重量攻撃で真正面から破壊を試みる。
 高速で移動する鉄の塊であろうともセシリアが一転集中して破壊に向かえば壊せないものではない。食い破るかように列車を分断し、足は列車群を抜けようと進み出す。
「むしろ殺戮妖魔列車の完成を遅らせるという点では積極的に破壊を狙っていくべきでしょうか……ん?」
 一気に駆け抜けながらも劔と共闘して破壊を重点的にしようと思案するセシリアであるが、ふと視界に入ったものに意識を奪われる。それは殺戮列車によって轢かれて負傷して倒れる妖怪であった。
 負傷しているが故にこの列車群から抜け出すことができずいる妖怪に対して、セシリアは即座に駆け付け「暗黒の冥護(ダークミッショナリー)」を発動させる。
「怖れる必要はありません。この力があなたを護ります」
 そう言って暗黒のオーラが妖怪を包み込む。元より妖怪とはそういった力を取り込みやすいのか、すぐさま浸透して傷を癒し、さらに溢れる力に驚きの目をセシリアに向ける妖怪。
「これでこの場から逃げることくらいはできるはずです」
「あ、ありがとう……!」
 妖怪は絶望の中、助けにきてくれたセシリアに対してお礼を述べる。劔とセシリアが破壊した列車達の残骸を戻ればこのターミナルを抜けるのはそう難しくはないだろう。
「申し訳ないのですが私は先を急ぎますので……どうかお気をつけて」
 そう言ってセシリアは妖怪に戻るように伝え、再び最短距離を駆ける為に走り出す。その先にいるのは恐らく元凶たる殺戮妖魔列車。
 このような犠牲者をこれ以上増やすわけにもいかない。その想いが劔を、セシリアの足を前へと進める。殺戮をばら撒き続けてきた列車達が今、残骸となって幽世の楔となろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レディオット・スクラップド
ヒューッ!ハイ・ハロー!
暴走列車、宝の山にしか見えませんね!
線路のない列車、駆け抜けたい気持ちはよおくわかります!
ドリルや対戦車砲を備えた大型戦車と変形し突撃します!
レッツ・ゴー!(爆音ロックミュージックをかける)
妖怪以外の部品は私の一部として頂戴しましょうね。…私、走り回りたい気持ちも理解できますが、同じくらい、モノなりに好まぬ機械への組み込みの苦痛、理解できるつもりでございますので。そうして部品だけを頂戴して、妖怪さん解放の手助けになればこれSo,LUCKYでございます!
もし猟兵の方がいらっしゃるのならお乗せしましょう。振り落とされないようにお気をつけて!
(アドリブ・ピンチ・連携可能です)


才堂・紅葉
【アドリブ・連携歓迎】

ここが新世界か
早速に洒落にならない事態ね
懐から召喚符を取り出し「蒸気バイク」にまたがる

方針はバイクによるテクニカルな踏破だ
列車より速く走行すれば、自ずとこちらを狙う列車の動きは読みやすくなる
大事なのは迷いの無さと思いきりと【気合】だ

そして、それを補強するのは【偵察】ガジェットを【メカニック】で先行させての【情報収集】だ
現在地とゴールを設定し、障害となる列車とその動きを【戦闘知識】を駆使して【見切り】をつける

「コードハイペリア」
後は「紋章の力」で重力を弄り、壁や列車の車体を道路にしつつ、バイクの【ジャンプ】ガジェットで妖怪ターミナルを踏破していきたい



 殺戮列車ターミナルは今、騒然としていた。殺戮と破壊のみを届けていたはずの列車が蹴散らされる、そんな事態が起こった為である。
 現在幽世に満ちる列車の数はこの世界を覆いつくそうとしている。もはや駆け巡る列車群の数は悪夢といっても過言ではないだろう。
 そんな轢殺の世界に楔が打ち込まれんとしている。他ならぬ世界を救う為に送り込まれた猟兵によって。だがその想いは必ずしも正義感によるものだけではない。
「ヒューッ!ハイ・ハロー! 暴走列車、宝の山にしか見えませんね!」
 眼前に広がる殺戮列車群に対して、上機嫌なレディオット・スクラップド(ゴミ山ラジオ・f27593)。ゴミ山こそ、彼にとっての起源。それ故にこれから巻き起こるであろうスクラップ大量発生はご褒美でもあるわけだ。
「線路のない列車、駆け抜けたい気持ちはよおくわかります!」
 そんなハイテンションの中、殺戮列車の気持ちを察しながらも自身の目的の為にレディオットは行動を開始する。向かうはさきほどから他の猟兵によって破壊された列車のところだ。
 そこで発動するのは能力「シェイプ・シフター(テキセン・ナル・ヘンケイ)」。列車という鉄の箱スクラップはまさしくレディオットの血肉となり、ドリルや対戦車砲を備えた大型戦車へと変形していく。
「レッツ・ゴー!」
 自身の身長の二倍にも及ぶ大型戦車と化したレディオットは爆音ロックミュージックをかけながら、突撃を開始する。その姿は行進曲に乗って突き進む破壊神である。
 対戦車砲によって遠距離を走る殺戮列車は容赦なく吹き飛ばされ、近づいて突貫してきた列車もまた大型ドリルによって穿たれ粉砕されていく。もはやレディオットを止めることは殺戮列車には不可能に思えた。
「…私、走り回りたい気持ちも理解できますが、同じくらい、モノなりに好まぬ機械への組み込みの苦痛、理解できるつもりでございますので」
 そう言いながら殺戮列車に対して容赦ない破壊を繰り返してはいるが、運搬されている妖怪達に対しては丁寧に救出しているレディオット。また襲われている妖怪に対しても手厚い保護を忘れはしない。
 だがそれ以外に対しては遠慮は一切ない。破壊した列車からさらに部品を取り込んでいき自身の戦車をより巨大に成長させていく。そうやって頂戴した部品によって強化された巨大戦車はさらに爆走していく。
「妖怪さん解放の手助けになればこれSo,LUCKYでございます!」
「本当にノリノリねぇ」
 音楽に合わせて爆走ロードを突き進むレディオットに便乗する形で乗り込んでいた才堂・紅葉(お嬢・f08859)は楽しそうに周囲を睥睨する。破壊しながらの行進に心地よさも感じながらも列車破壊を眺めていた。
 レディオットもまた振り落とさないように注意はしているが、どこから列車が来るかわからない状態のカオス状態である。そのことも紅葉も十分にわかっていた。
「ここが新世界……早速に洒落にならない事態ね。それじゃ私も行くとしますか」
 このままレディオット戦車に乗っていくのも悪くはないが、道はさらに効率よく切り開くのがいいと判断した紅葉は、能力「アルダワ符術:機構召喚符(ガジェットカード)」を発動する。懐から召喚符を取り出し、そこから呼び出した相棒たる蒸気バイクに乗り込み御機嫌とばかりにアクセルを吹かす。
「私は破壊ではなく、テクニカルな踏破を狙うわ」
 方針は決まった。すでにレディオットの対戦車砲によって荒れ狂う列車群の中にも隙は生まれつつある。それは走破の為のチャンスでもあるのだ。
 そして列車より速く走行すれば、自ずとこちらを狙う列車の動きは読みやすくなる。そして大事なのは迷いの無さと思いきり、何より紅葉の気合こそ操縦の要であるのだ。
「破壊支援というのは、やっぱり便利よねー!」
 さらにこちらを支援するようにレディオットの砲撃が飛んでくる。それに巻き込まれないように偵察ガジェットを放ち、予め着弾地点の情報予測を済ませておき、そこを突くように突き抜けていく。
 偵察ガジェットから齎される情報は、紅葉に現在地とゴールを設定を容易にさせる。それさえ定めることができれば、障害となる列車を見切ることなど動作もない。列車故に急な方向転換もできない殺戮列車では、紅葉の縦横無尽の走破についてこれるはずもない。
「コードハイペリア」
 そして極めつけは紋章の力を解放してからの、紅葉の重力操作能力だ。重力を弄ったことで鉄の箱は自重が増したことで速度が落ち、列車すらも紅葉の走行ルートとなっていく。
 そうやって壁や列車の車体を道路にしつつ、バイクのジャンプガジェットを駆使して一気に妖怪ターミナルを最短距離で走破していく紅葉。その走行ルートは後に続くレディオットの戦車の道標にもなっていくのだ。
「おー、いいですね! いい道案内です!」
 そうやって爆音戦車はさらに破壊をまき散らしながら突き進んでいく。二つの速度が違う走行機械ではあるが、殺戮列車は死を送り届けることなく、次々とスクラップや道と成り果てていく。
 こうして二人が目的の殺戮妖魔列車にたどり着く頃には、スクラップの山ができていたという。これにより、幽世の妖怪達の生存確率が上がったことは、まさに副作用であったと言えるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『輪入道』

POW   :    燎原火炎陣
【激しく回転しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の輪入道】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    紅蓮疾走
自身に【燃え盛る炎】をまとい、高速移動と【回転する炎の輪】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ファイアホイールスピニング
【回転速度】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 殺戮列車群を抜けて、妖怪ターミナルの最奥へと辿り着いた猟兵達。そこには列車達が積載していた資材を下す場所でもある、その施設の心臓部でもあった。
 殺戮妖魔列車。自然発生した殺戮列車とは違い、骸魂が取り付いた妖怪達を部品も交じって構成された、まさしく妖怪列車でもあるのだ。この列車が齎す破壊力は、殺戮列車の比ではないだろう。
 そんな殺戮妖魔列車に乗り込んだ猟兵達ではあるが、その瞬間ものすごい音が鳴り響く。それと同時に殺戮妖魔列車が起動したのだ。
『ついに殺戮妖魔列車、運行の時である。さあ、破壊と殺戮をまき散らそうぞ』
 そう言って車内アナウンスのような声が聞こえてくる。このまま運行が開始されれば、幽世は蹂躙され世界崩壊の序章となりかねない。
 幸い、まだスピードも乗っていない状態。車輪となっている輪入道を破壊すれば、殺戮妖魔列車を止めることは可能な状態であるのだ。
 何より殺戮妖魔列車の部品となっている妖怪達の解放も最優先事項だ。猟兵達は骸魂によって捉われている殺戮妖魔列車運行阻止の為に、今こそ溢れる力を振るう。
セシリア・サヴェージ
くっ……発進は止められませんでしたか。ですがまだ間に合います!

輪入道の突進を暗黒剣による【武器受け】で受け止めます。
他の個体が合流してきても押し負けはしません。【怪力】により踏み止まり、むしろ押し返す程の力を発揮してみせましょう!

まるで鍔迫り合いの様な状況ですが、ここで敢えて力を緩めてバックステップすれば、虚を突かれた相手は勢い余って【体勢を崩す】かもしれませんね。
その隙にUC【魂喰らいの魔剣】を使って攻撃。取り込まれている妖怪にまで効果が波及しないよう気を付けつつ、救出を試みましょう。


才堂・紅葉
【改変連携歓迎】

中々の異常事態ね
確かにこんな奴を運行させたら大惨事必至かぁ
後は妖怪達の救出もお仕事かしらね

方針は列車の解体
召喚符から金剛石式鎖鋸を構える
だが、列車相手なら切断力が不足するので

「コードハイペリア!」

紋章の封印を解き、金剛石の刃に超重力をかけ六方晶金剛石に錬成
ロンズデーライトのパワーによる3倍(当社比)の切断力を持って妖怪列車を解体してくれよう

迫る炎も、火炎耐性のガジェットの仕込まれた外套のメカニックで払いのけ、後は気合で接近し、部位破壊で車体を解体して妖怪達を救助活動。同時に輪入道に怪力で切りつけ、バラバラにしていきたい
足回りはガジェットブーツによる跳躍機構でカバーして立ち回ろう



 ついに幽世を破壊すべく動き始めた殺戮妖魔列車。その規模は他の殺戮列車とは比べ物になるものではなく、尋常ではないリソースが結集されていることが伺えるほど、力強さを醸し出している。
 特に車輪を担っている輪入道の数も完成に至る為に多くの妖怪を骸魂に憑りつかせたらしく、とてつもない数になっている。それが轢殺を齎すとされる殺戮妖魔列車の力を支えているともいえる。
 そして逆にいえば車輪部である輪入道を何とかすれば殺戮妖魔列車は止まるということを示している。セシリア・サヴェージは運行を止められなかったことに苦々しい表情を浮かべながらも、すでに気持ちは切り替えている。
「くっ……発進は止められませんでしたか。ですがまだ間に合います!」
 発進は阻止できなかったものの、ここで破壊すれば幽世の被害は食い止められる。そして骸魂に囚われている妖怪達もまだ解放に間に合う段階である。
 ならばやるべきことは一つである。その決意をしたセシリアに、列車に乗り込んできた侵入者を倒すべく輪入道の一部が列車から離れてセシリアに襲い掛かってくる。
「今、解放してみせます!」
 燎原火炎陣を組む輪入道に対してセシリアは挑むのは真っ向勝負。暗黒剣ダークスレイヤーを構えて、その突進を力で受け止めるが、強力な陣形に足が後退しそうになる。
 だがここで押し負ければ列車外に叩きだされ、殺戮妖魔列車を止めることができなくなってしまう。その想いが、セシリアの怪力を発揮する原動力となり、他の個体が合流してきても押し負けない力となる。むしろそれらを押し返すほどの力を発揮する怪物っぷりである。
「鍔迫り合い、ですね。ですが、これならどうです?」
 拮抗した状態であったが、押しとどめているセシリアの方が冷静であった。この力の均衡状態で敢えて力を緩めてバックステップすることで、輪入道達は虚を突かれて勢い余って態勢を崩す形となってしまう。
「暗黒剣よ、赴くままに喰らうがいい!」
 その態勢の崩れた輪入道にセシリアの「魂喰らいの魔剣(ソウルイーター)」が叩き込まれる。その暗黒の呪いは肉体を傷つけることなく、骸魂の生命力のみを喰らう。
 中にいる妖怪達の生命力を吸わないように配慮しつつ、輪入道を喰らい尽くし、妖怪達を解放していくセシリア。無事に眠る妖怪達を見て、自身の戦法が優位に働いたことにほっと胸をなでおろす。

「ほっと一息。でも油断はダメよ」
 妖怪達を保護しているセシリアに襲い掛かろうとする輪入道を、召喚符から呼び出した金剛石式鎖鋸で殴りつける才堂・紅葉。すでに戦闘態勢は万全のようだ。
「感謝します」
「いえいえ。それより中々の異常事態ね。確かにこんな奴を運行させたら大惨事必至かぁ」
 妖怪達の保護はセシリアに任せ、紅葉は飛び交って襲い掛かってくる輪入道と、防衛の輪入道を射出し続けているにも関わらずに走行する殺戮妖魔列車にため息を漏らす。なるほど、世界を滅ぼす力というのは嘘偽りのない言葉であると信じれるものだ。
 だが紅葉の方針は変わらず列車の解体。防衛用の輪入道を叩き潰しつつ、列車本体も相手取るとなると、手持ちの武器ではいささか切断力が不足する状態ともいえる。
「後は妖怪達の救出もお仕事かしらね。コードハイペリア!」
 そう言って掌のハイペリアの紋章が光輝く。紅葉の力の封印が解かれ、「六方晶金剛石式鎖鋸(ロンズデーライトチェーンソー)」が発動される。
 金剛石の刃に超重力をかけた六方晶金剛石を錬成されたロンズデーライト。その圧倒的な暴力を前に、紅葉は凶悪に微笑む。
「試して見る? この刃はダイヤモンドより硬いわよ!」
 飛んでくる輪入道を、ロンズデーライトのパワーによる3倍(当社比)の切断力が発揮される。回転しているにも関わらず鮮やかに真っ二つにされ、骸魂が滅び去っていく。その切断力を見た紅葉はこれならば殺戮妖魔列車の解体は可能と確信する。
 だがそれを見た輪入道達はさせまいと火炎放射によって紅葉を排除しようとする。迫る炎に対しても紅葉は冷静に対処し、火炎耐性のガジェットの仕込まれた外套のメカニックで払いのける。
「さあ、解体のお時間です!」
 空飛ぶ輪入道達の火炎を潜り抜け、殺戮妖魔列車の車軸へと狙いを定める紅葉。その回転するロンズデーライトのチェーンソーは容赦なく車体を解体し、車輪である輪入道を破壊していく。
 骸魂を滅ぼすことで妖怪達を次々と解放していく紅葉。セシリアにその保護を任せて、どんどん列車を解体へと導いていく。
「あといい加減空から邪魔よ!」
 そして極めつけは空飛ぶ輪入道達への対処と言わんばかりに、紅葉のガジェットブーツによる跳躍機構で一気に接近し、金剛石式鎖鋸によって斬り刻んでいく。
 まさしく機動力においても縦横無尽な紅葉。彼女が暴れ回れるのも、妖怪を保護してい来るセシリアあってのことだ。その信頼関係が殺戮妖魔列車に容赦ないダメージを刻んでいく。

 こうして殺戮妖魔列車はその機能に甚大なる被害を出すこととなる。二人の八面六臂の活躍がその性能を大きく減退させることとなり、殺戮妖魔列車の力を大きく削ったことは言うまでもないことだろう。
 その機能はいまだ停止していないものの、一気に攻勢に出れる情勢を作り上げたことはまさしく一番槍に相応しい活躍だっただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レディオット・スクラップド
ンーフン。おばかさん。
列車は人を安全に目的地まで運ぶ物であり人の敷いたレールを走るものであり人の手で動いて走るものです。
殺戮妖魔列車なんてね、轢くしか能のない箱ですよ――殺戮をしたいのなら戦車などにでもなれば良かったのです。
さあてそれでは物体の先輩としてわたしがレールを作って差し上げましょう!
他の猟兵が戦いやすいよう、迷宮を作り列車の進行を妨げます。所々崩し、列車への攻撃も行いましょう。
…列車、か。これは骸魂、あなたの無念ですか?誰かをたくさん載せてどこかに行きたかった、とか?
なあんて、少々おセンチでございますね。
(ピンチ・協力・アドリブ歓迎です)


備傘・剱
あれだけ壊したのに、まだあるのか…
しかも、今度は全部壊せってか?
…なら、やってやるよ

全兵装起動、青龍撃発動!

高速移動で外を列車と並走しつつ頭の上の一足りないのダイス攻撃と衝撃波、呪殺弾で、誘導弾と水弾と爪で車輪を破壊してやる

こう見えても、機械扱いの知識はあるんだ
どこを破壊すれば、動作不良を起こすか、わかるかもしれないな

部品にされている妖怪たちには、オーラ防御と結界術と念動力で少しづつ、解放していくぞ

しかしまぁ、よくもこんな悪趣味なものを作れるもんだな…
あの車内アナウンスをしてる奴は、絶対に頭の中の車輪が脱輪してあらぬところを走りまくってるんだろうぜ

アドリブ、絡み、すきにしてくれ


火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶の殺戮妖魔列車ですか。まずは目の前の相手を倒しましょう」「もちろん、取り込まれた方は助け出します。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の嵐】を【範囲攻撃】にして、『輪入道』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂達にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 すべてを轢殺するべく運行を開始した殺戮妖魔列車。その足並がさっそくではあるが乱れてきている。猟兵による阻止攻撃により甚大な被害を被っているのだ。
 元は妖怪達を骸魂にて捕えて車輪などに組み込んだ列車である。確かに火力はもちろん、馬力も相当にあるが、それが解放されてしまえば当然消滅の一途を辿っていく。
 殺戮妖魔列車の要はその車体ではなく、その巨大な車体を動かす車輪にある。その輪入道が減少してしまえば、動くことはできなくなる。そこを徹底的に狙えば、その足を止めることは可能になる。
「ンーフン。おばかさん。列車は人を安全に目的地まで運ぶ物であり人の敷いたレールを走るものであり人の手で動いて走るものです」
 そんな崩壊の道に入った殺戮妖魔列車に乗り込みながら呆れた態度を示すレディオット・スクラップド。そもそも意義を間違えた列車に対して、言うことは辛らつになるのも当然と言えた。
 所詮は殺戮妖魔列車といっても轢くことしか能のない鉄の箱も同然。その用途は単純であり、その目的さえ潰してしまえばスクラップを間逃れない。すでに存在からピエロにレディオットは思えた。
「殺戮をしたいのなら戦車などにでもなれば良かったのです」
 そうなれば対処は違ってであろうレディオットではあるが現実はこの列車の世界。轢くことしか能のない世界に終止符を打つべくレディオットは動き出す。車輪である輪入道達が回転力を高めて性能を強め、防衛用輪入道達が猟兵を叩き落さんと動き始める。
「さあてそれでは物体の先輩としてわたしがレールを作って差し上げましょう!」
 そう言ってレディオットが発動したのは能力「イン・マイ・ボディ(ココハシュウチャクテン)」。レディオットの身体がバラバラに輪入道の高速回転によって引き裂かれたかと思ったが、それは違った。変形した自身と、放出したゴミや列車の残骸が殺戮妖魔列車の進路を阻むように迷路を形成し始めたのだ。
 この迷路は殺戮妖魔列車の運行を妨げるように造られており、レディオットも他の猟兵が戦いやすいように構成されたものだった。さらに所々を崩壊させるようにして輪入道に対する牽制を行って、攻撃を行うようにしたのだ。

 これによって殺戮妖魔列車の動きは大きく阻害され、動きが鈍ることになる。それを見逃さないのが備傘・剱と不敵に微笑む火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。
「ありがたいですね。今回の事件の元凶の殺戮妖魔列車ですが、まずは目の前の相手を倒しましょう」
「あれだけ壊したのに、まだあるのか…しかも、今度は全部壊せってか?」
 明は好機到来に戦意を昂らせ、劔はさらなる巨大な破壊対象に対して霹靂する。だが二人の想いは同じである。レディオットが演出したこのチャンスに乗らない手はない。
 破壊と崩壊が進む殺戮妖魔列車をここで叩き、その運行を停止させる。その一撃を今こそ叩き込む時なのだと、猟兵の直感が囁いていたのだ。
「なら、やってやるよ!」
 まず動いたのは劔だ。全兵装起動させ能力「青龍撃(バレットスピーディング)」を発動させる。空気中の水分を凝縮し形成した青龍の爪と牙を纏い、動きの鈍った殺戮妖魔列車本体と輪入道達を狙うべく高速飛翔を開始する。
 列車と並走するように動き、そのまま走行の要となる車輪の輪入道に対して頭の上の一足りないのダイス攻撃と衝撃波、呪殺弾、さらに生み出した水弾で一斉射撃を敢行して破壊していく。止めようと近づいてくる輪入道には青龍の爪を持って迎撃をする。
「こう見えても、機械扱いの知識はあるんだ」
 そうやって防衛用の輪入道を斬り刻みながらも、メカニックの知識を生かして的確に列車の機動の要を攻撃していく劔。どこを破壊すれば、動作不良を起こすか、わかっているような見事な攻撃だった。
 そして骸魂を破壊されて解放された妖怪達に対しても、結界術や念動力を駆使してクッションになるように保護していくのも忘れない。気遣いをしつつも、悪趣味な殺戮妖魔列車の破壊は続ける。
「しかしまぁ、よくもこんな悪趣味なものを作れるもんだな……あの車内アナウンスをしてる奴は、絶対に頭の中の車輪が脱輪してあらぬところを走りまくってるんだろうぜ」
「同感ですね」
 破壊の嵐をまき散らしながら感想を述べる劔に大いに同意する明。彼女は劔のように高速に移動することもなく、ただ魔力を蓄え続けてきた。それは一転集中のこの術技の為である。
「全ての骸魂に、ダメージを。もちろん、取り込まれた方は助け出しますが」
 そうして発動したのは能力「銀色の嵐」である。幾何学模様を描き複雑に飛翔する、800本を超える魔法剣が顕現する。それはただの魔法剣ではない。骸魂に直接ダメージを与える特攻を持つ、対骸魂とも呼べる特殊魔法剣である。
 それを劔を排除しようとしている輪入道に対して放ち、その骸魂を直接破壊していく。輪入道達は悲鳴を上げる間もなく、その覆われた骸魂だけを破壊されて消失していく。
「うまくいってよかったです。では……」
 そう言って広範囲攻撃を繰り返していき、その性能を見届けた明は成功を見届けた後、魔術を発動させて妖怪達の保護も忘れることはない。クッションのような緩和材を発生させて落下衝撃を防いでいく。
 飛び交う魔法剣によって劔の飛翔を阻害する輪入道が減ったことにより、さらに破壊に拍車をかけていく。さらにレディオットの迷路による妨害と直接攻撃、明の特攻魔法剣の乱舞もあっていよいよ列車の速度が落ちていく。
 最後の足掻きと言わんばかりに魔法剣の元になっている明に対して回転攻撃を加える輪入道達であるが、引き裂いたと思った明の姿が霞みのように散っていく。
「残念、それは残像です」
 それは明の魔法によって作り出された残像であった。そしてそこに予め配置しておいた魔法剣によって骸魂を破壊されていく輪入道達。
 輪入道の数がついに巨体を動かすほどの数に足りなくなった時、ついに殺戮妖魔列車はその動きを停止することになる。護衛となって襲い掛かって来た輪入道達の破壊もあって、予想以上のスピードで崩壊が進んだのは、三人による圧倒的な殲滅能力あってのものであった。

「列車、か。これは骸魂、あなたの無念ですか? 誰かをたくさん載せてどこかに行きたかった、とか?」
 動きを止めた殺戮妖魔列車に対して、センチメンタルな気持ちを吐露するレディオット。同じ鉄の身体を持つものとして去来した想いは幾何であるものか。
 迷路を解除して殺戮妖魔列車を見つめるその瞳は、完全停止した対象を見る。だがこれで終わりではない。運行を停止させても元凶を叩かなければ終わりではない。いよいよ猟兵達は幽世を破壊しようとする悪意と対面することになる。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『深紅の死神』プルプルンゼンゼンマン』

POW   :    マサーカー・トーテンシェーデル(虐殺髑髏)
【殺戮への渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    グラオザーム・ヒンリヒトゥング(残忍処刑)
【鏖殺の大鎌】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    トート・シックザール(死の運命)
攻撃が命中した対象に【死を招く呪い】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【様々なバッドステータスが発生する呪い】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠夢幻・天魔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 妖怪達を取り込んだ輪入道達の破壊と解放により、その巨体を動かす動力は失われた。完全停止した殺戮妖魔列車を動かすには再び同数の輪入道を揃える必要になり、とりあえず轢殺の世界が齎される危険は去ったともいえる。
 だがその殺戮妖魔列車の先頭車両から、今回の元凶ともいえる異形の死神が現れる。真紅の禍々しい鎧を身に纏い、巨大なる鎌と骸の頭を持った死神とも呼べる容貌を持った者、まさしく死神と形容するに相応しい存在であった。
「我が轢殺の世界を阻止するか、愚か者共よ。ならばその愚行は死をもって償うべし」
 ドイツ語で真紅の死神と形容される「プルプルンゼンゼンマン」。過去の世界で多くの死をまき散らしたと呼ばれる者が、幽世でその死を形どったかのような瘴気と殺気が放たれる。
 常人ではない力は輪入道達の比ではなく、死への妄執も桁違いに感じられる。この元凶を倒さなければまた殺戮妖魔列車は復活するだろうという確信が猟兵達に過る。
 ならばその元を断つべく、猟兵達は最後の戦いへと赴く。死を従える真紅の死神を相手に、殺戮妖魔列車破壊作戦は最終段階へと移行、決戦が始まろうとしていた。
セシリア・サヴェージ
笑止。愚行を冒しているのはあなたの方でしょう。今すぐ犠牲となった妖怪達を解放していただきます!

巨大化に加え禍々しい妖気の高まりを感じます。ですがここは臆せず【切り込み】ます。
大鎌のリーチは脅威ですがその性質上、懐に飛び込めば一転してこちらの有利となるでしょう。
接近を拒む相手に【戦闘知識】を用いて攻撃を読み、【見切り】で回避しながら接近します。

攻撃にはUC【暗黒剣技】を使います。単純な腕力ではあちらに分がありますが、戦技においてはその限りではないかと。
そしてトドメは【鎧砕き】でその深紅の外殻を破壊します。
その強固な鎧はまさに妖怪を囲う檻のよう。ならばそれを砕き、解放の一助としましょう。


備傘・剱
軟そうな名前の割にゃ、随分と厳つい恰好だな
おい、お前、見掛け倒しって言葉、知ってるか?
…と、見掛け倒しってなら、俺も同じか
んじゃ、精々、油断してくれな

オーラ防御とガントレットで攻撃を受け流しつつ、鎧砕きと鎧無視攻撃で接近戦を仕掛けるぜ
同時に、当たって鎧が砕けた所に呪殺弾、衝撃波、誘導弾を零距離射撃で打ち込み、体勢を崩した所に黒魔弾を叩き込んでやる

呪いを受けたら、弾幕を張りつつ、一度、空中浮遊で距離を置いて、やり過ごすぞ

どんな思考でそうなったか知らないが、そう簡単に世界が亡ぼせると思ったら大間違いだぜ
誤った使い方をする悪い子にはお仕置きが必要だな
反省は、骸の海で、な

アドリブ、絡み、好きにしてくれ



 殺戮妖魔列車の核たる輪入道の車輪を失い、運行が止まった状態にすることはできた。だがその殺戮妖魔列車の完全破壊を阻止せんとこの列車の世界を作り上げた元凶たる骸魂「深紅の死神」は大鎌を構えて君臨している。
 その威圧感は只者ではなく、死の気配をバラ撒く様はまさしく死神といっても過言ではないだろう。派手な出で立ちもそれを助長しているかのようだ。
「殺戮をこの幽世に満たす。誰にも虐殺を邪魔はさせぬぞ」
 その気配はより濃さを増し、濃厚な殺意が周囲を埋め尽くす。飽くなき殺戮の渇望こそ、この死神プルプルンゼンゼンマンの原動力であり、殺戮妖魔列車の要であることは間違いないだろう。
「笑止。愚行を冒しているのはあなたの方でしょう。今すぐ犠牲となった妖怪達を解放していただきます!」
 そういって深紅の死神の言うことを一刀両断し、己の溢れ出る想いと共に行動を開始するセシリア・サヴェージ。その正義感の前では、殺戮の余波などものともしない精神力を感じさせる行動力である。
 だが禍々しい妖気の高まりを感じる上に、巨大化する深紅の死神。それにセシリアは警戒心を怠ることなく、だが敢えて臆せずにその懐に斬り込んでいく。
「愚かな。わざわざ首を差し出すか」
 そんなセシリアに深紅の死神の容赦ない大鎌の刃が迫りくる。無慈悲な刃は首に目掛けて一直線に向かってくるが、セシリアは冷静であった。
 大鎌のリーチは脅威ではあるがその性質上、懐に飛び込めば一転してセシリアの有利に働く。その性質を理解した上で接近戦を挑んだセシリアは、大鎌の恐怖を克服してその懐に入り込むことによって敢えてその大鎌の安全地帯へと入ったのだ。
 深紅の死神もそれを感じ取ったのか、距離を取ろうとするが絶妙な戦闘経験を積んだセシリアはその距離を離れようとはしない。その距離感を保ちつつ、自身の能力「暗黒剣技(ダークアーツ)」を解放する。
「現世に縋る者よ……我が暗黒剣でお前を在るべき場所へ還そう」
 その禍々しい力を限定的に開放した暗黒剣はセシリアにとって伝家の宝刀。単純な腕力では巨大化した深紅の死神に一歩譲るが、戦技においてはその限りではない。
 大鎌の刃を見切った上でいなしつつ、その深紅の鎧の懐にまで入り込み、強烈な剣技によって深紅の外殻を砕く一撃を叩き込む。その圧倒的な破壊力を前に、深紅の破片が飛び散るほどだった。
「その強固な鎧はまさに妖怪を囲う檻のよう。ならばそれを砕き、解放の一助としましょう」
 禍々しい鎧を見事に砕いたかに見えたが、その外殻は思った以上に分厚い。深紅の死神にダメージを与えていることは確かではあるが、カタカタと嗤うかように返す刀でセシリアに大鎌の一閃が迫る。
 だが暗黒剣技によってそれを受け止め、その勢いをもって大鎌の射程外へと離脱するセシリア。回避方法までスマートな離脱をみせるその姿に、備傘・剱も口笛を吹く。
「軟そうな名前の割にゃ、随分と厳つい恰好だな。おい、お前、見掛け倒しって言葉、知ってるか?」
 その巨大化した深紅の死神に対しても大して臆した気持ちはない。むしろ見掛け倒し、張りぼての虎だと言わんばかりに挑発する劔。
「ならば試してみるがいい。己の死を持って支払うことになるかもだがな」
「ハッ…と、見掛け倒しってなら、俺も同じか。んじゃ、精々、油断してくれな」
 不敵と言わんばかりに笑い飛ばす深紅の死神と劔。どちらの力が上か試さんと、両者共に接近戦を仕掛ける。その死神の鎌は大いなる殺戮の気迫を乗せて劔へと振り下ろされる。
 対して劔はそれを下手に回避しようせずにオーラで防御強化したガントレットによって受け流すことに専念する。そうすることで防御と懐に入り込むことに可能にし、さきほどセシリアが砕いた鎧の箇所へと銃口が届く。
「こいつも喰らっていきな!」
 そう言って砕かれた鎧の箇所に呪殺弾に加え、衝撃波の籠った誘導弾を零距離射撃で打ち込んでいく劔。無慈悲なる攻撃は見事に鎧の破壊箇所を広げて、内部に浸透した衝撃は深紅の死神の耐性を崩す。
 その隙を見逃すことなく、劔の「黒魔弾(ルイン)」が火を噴く。漆黒の魔弾は強烈なる破壊を巻き起こし、深紅の死神の内部へと突き刺さる。
「ぐっ……小癪な」
 さすがに内部にまで破壊が及べば深紅の死神であろうともただでは済まない。劔の追撃を撃ち落とそうと大鎌を振るう死神ではあるが、劔はそれすらも読んで弾幕を張りつつ、一度空中浮遊で距離を置いて、やり過ごす。
「どんな思考でそうなったか知らないが、そう簡単に世界が亡ぼせると思ったら大間違いだぜ」
 そう言う劔は深紅の死神の内部で呪いが浸透しているのを感じ、仕事が完了したことを確信する。この毒はいずれあの骸魂を崩壊させる毒になる、と。
「誤った使い方をする悪い子にはお仕置きが必要だな。反省は、骸の海で、な」
 距離を取り大鎌が届かないところまで離脱した劔に深紅の死神の攻撃が当たることはない。その骸魂を打倒する瞬間は近いと確信し、劔とセシリアは見事にその先陣を果たすことに成功したのだった。
 その穿たれた鎧と蝕まれた魂の呪いは着実にその生命を削っていくのを感じ、深紅の死神に一抹の不安を感じさせる要因にもなっていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
ふむ……なかなか雰囲気のあるオブリビオンだね……
…こいつを倒さないとまた妖魔列車が生まれかねないと…ならここで仕留めるか…

…まずは相手が呪いを附与してくるのであれば…
…【彩り失う五色の魔】で呪いに対する耐性を増加…
そして【神話終わる幕引きの舞台】を発動…共に呪いを極度に減衰させて相手の攻め手を奪うとして…
…後は骸魂の位置を探って解析…術式銃【アヌエヌエ】で浄化術式を込めた銃弾を撃ち込んで牽制をしよう…
後は相手の反応を見つつ…骸玉を重点的に守るなら他の部分を削って
骸玉の守りが薄いなら狙撃をするかな…明確に弱点があるって言うのは不便な物だね…



 その深紅の禍々しさが残る鎧が砕かれて、呪いが溢れ出してくるのを感じる死神プルプルンゼンゼンマン。だがその容貌は骸骨故に表情は決して現れることはない。
 痛苦も与える側であるが感じる側ではないのかもしれない。むしろ痛みというものがあるのかも疑わしい骸魂という存在である。
 その毒々しいオーラは鎧の中に充満し、亀裂の入ったところから溢れ出してくるのも感じさせるものがある。そんな深紅の死神に対して、冷静に俯瞰するのはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)だ。
「ふむ……なかなか雰囲気のあるオブリビオンだね……」
 その瞳は冷静に敵を分析することに注力していた。死をまき散らす呪いに加えて、その死神の大鎌のリーチも侮れるものではない。決して与しやすい相手ではないとメンカルは理解する。
 だが勝てない相手ではないこともメンカルはわかっていた。そしてここで殺戮妖魔列車は止めなくてはならないことも。
「…こいつを倒さないとまた妖魔列車が生まれかねないと…ならここで仕留めるか…」
「それができるのであればな。我が死の呪いは軽くはないぞ」
 そう言って深紅の大鎌やその腕からはトート・シックザール(死の運命)が付与されていく。その呪いは触れるだけで、様々なバッドステータスを発生させる代物だ。
「なるほど…まずは相手が呪いを附与してくるのであれば…」
 まずはその呪いの脅威に感じたメンカルは、魔術術式によって呪いに対する耐性を上げることに注力する。だがそれはあくまで事前の策としての備えに過ぎない。
 初撃となる大鎌の一撃を術式防御によって防いだメンカルが次に放つ一手は、能力「神話終わる幕引きの舞台(ゼロ・キャスト)」であった。
「人知及ばぬ演目よ、締まれ、閉じよ。汝は静謐、汝は静寂。魔女が望むは神魔の去りし只人の地」
 メンカルが発動するは、世界法則を改変する数多の鍵剣の乱舞。降り注ぐ鍵剣が生み出すのは、あらゆる加護と呪詛が極度に減衰される結界の世界である。
「こ、れは……!」
 深紅の死神は己の身体が極端に重くなっていくのを感じる。己が存在こそ、呪詛の塊と呼べる存在であるもの。その呪詛が減衰されればその力を十全に発揮することはできずに能力は制限される。
 その動きが鈍くなった死神を魔術によって骸魂の位置を探って解析するメンカル。その位置に当たりをつけ、術式銃【アヌエヌエ】を構える。浄化術式を込めた銃弾を撃ち込んで牽制の一手を放つ。
「チッ、本体を直接狙うか。させぬぞ……!」
「……そう来るよね。だけど……」
 だが深紅の死神も自身の弱点は熟知しているのか、骸魂本体の射撃を大鎌で遮断する。だが呪詛が減衰するこの結界内ではそれをするだけでも精一杯である。
 ならばメンカルがやるべきことは相手を削ることである。骸玉を重点的に守るなら他の部分を削っていく。特に深紅の鎧が欠けたところは本体にも浄化術式が浸透する箇所。狙わない理由はない。
「…明確に弱点があるって言うのは不便な物だね…」

 こうして鴨撃ちならぬ、削るような狙撃を続けたメンカル。結界が解けるまでその狙撃は続けられ、深紅の死神の骸玉をあと一歩で破壊することはできなかったが、その外殻や呪詛本体に対しては多大なる打撃を与えることはできた。
 深紅の死神にとってもこれほど力を削られることは想定外であったであろう。まさしく誤算ともいえる苦戦は、いよいよその骸魂の危機を呼び込む呼び水になるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
出たわね、元凶
悪いけど、これ以上あんたの好き勝手にさせる訳にはいかないのよ

「蒸気王!!」
指を鳴らして相棒を召喚
これで増大したサイズ差による当たり負けはしない
戦闘方針は「六尺棒」で大鎌と打ち合い粘る。増大した戦闘力の相手に正面はかなりの不利だが、【怪力】と装甲と【気合】で粘りながら【情報収集】
奴の癖を【見切り】、【カウンター、グラップル】でローキック。蒸気王の質量の乗った【重量攻撃】による【部位破壊】で足を奪いたい
戦化粧を施し「“楔”」の【封印を解く】事で、間髪入れない貫撃と超偽神兵器の励起効果で奴の【吹き飛ばし】を狙いたい

「ここがあんたの終点よ」

【改変、連携歓迎】


レディオット・スクラップド
ハイ・ハロー、ご機嫌よう。
ンーフフフフフ、死神、真紅の死神‪!
あなたの描いた殺戮は空っぽの列車のように一本で単調でありましたよ!
ねえ死神様、人類は遥か時を経て宇宙に至ってまで戦争して戦争して戦争していたのですよ!
あの列車より悲惨で陰惨で凄惨な光景だったと思いますよ、私は!
あなたはもはや旧式です。今更支配者の顔したって遅いのです。
ご賞味下さいませ、人類の業、フフ、警備ロボットにすら組み込まれた敵性殺戮モードを!
そしてね、地獄を作り命を唾棄した唇で、ンフフ、戦争停止の調停を結び、新しい平和のための歌を歌ったのですよ、人は。
まるで壊れた列車を直して走らせたようにね。
(アドリブ・ピンチ・協力可能です)



 体内に宿る呪詛を大きく削られ、力の源となる骸魂にも大きくダメージを与えられることになった深紅の死神。このままではいよいよ殺戮妖魔列車の維持すら難しくなってくる情勢となっている。
 だがその殺意は決して衰えることは知らず、相手を殺戮せんとする意志は折れることはない。その強烈な殺戮衝動こそ、この殺戮妖魔列車を存在へと至らしめるものである。
「これほどまで追い詰められるとは。なりふり構ってはいられんな」
 こうして殺戮の気配を濃厚に滾らせ、さらにその深紅の身体を巨大化させる死神。一気に情勢をこちらへと傾けようとする戦意を感じさせる鬼気迫るものがあった。
「出たわね、元凶」
「ハイ・ハロー、ご機嫌よう。ンーフフフフフ、死神、真紅の死神‪!」
 だがそれに臆することもなく才堂・紅葉は威風堂々と立ち尽くし、レディオット・スクラップドも鼻歌交じりに深紅の死神を見据えている。その瞳は両者共に、狙った獲物を見つけた猛禽類のような類の光を放っている。
 特にレディオットは殺戮妖魔列車の元凶たる深紅の死神には一言も二言も物言いたい立場でもあった。その用途にも目的にも文句は言いたい気分でもあるのだ。
「あなたの描いた殺戮は空っぽの列車のように一本で単調でありましたよ!」
 そして激情に支配されたレディオットの口調は止まらない。猛然と接近しながらも、深紅の死神の大鎌にも怯まずにその言葉は紡がれる。
「ねえ死神様、人類は遥か時を経て宇宙に至ってまで戦争して戦争して戦争していたのですよ! あの列車より悲惨で陰惨で凄惨な光景だったと思いますよ、私は!」
 押し寄せる感情のそのままにレディオットの言葉は深紅の死神へと突き刺さる。まるで自分のしようとしたことを否定するかのように機械とは思えない感情が乗った言葉だ。
「我が殺戮妖魔列車が劣るとでもいうか、スクラップ風情が」
 殺戮の感情を爆発させ、深紅の大鎌を振るう死神。だがレディオットもまた機械の身体を盾にそれを真正面から受けきる。
「あなたはもはや旧式です。今更支配者の顔したって遅いのです。ご賞味下さいませ、人類の業、フフ、警備ロボットにすら組み込まれた敵性殺戮モードを!」
 そう言ってレディオットは大鎌の刃を喰い込ませたボディのままに、能力「ドラスティック・ベイビー(センメツ・キドウ)」を発動させる。その身体が適選変形型敵機殲滅兵器と化し、レディオットの身体が戦闘に最も適した形となっていく。
 だが理性は失われていく副作用があるが、ここまで接近してしまえばどうとでもなる。レディオットは敢えて挑発によって深紅の死神を間合いへと引き込んだのだ。
「ぐっ!」
「そしてね、地獄を作り命を唾棄した唇で、ンフフ、戦争停止の調停を結び、新しい平和のための歌を歌ったのですよ、人は」
 大鎌と片腕でレディオットの猛攻を受けきるが、巨体化してなおその撃ち合いは互角。それほど殲滅兵器と化したレディオットの出力は高い。
 人に比べれば死神の悪意の産物など可愛いものよ。レディオットの口調も拳もそう語っている。そしてその人、最も破壊の粋を極めた人種が背後へと回り込む。
「蒸気王!!」
 それは機動力を駆使した紅葉だった。指が鳴らされると同時に、「蒸気王(スチームジャイアント)」が召喚される。蒸気バイクをコアとする巨大蒸気ゴーレムは巨大化した深紅の死神にも負けていない。
「悪いけど、これ以上あんたの好き勝手にさせる訳にはいかないのよ」
「おのれ、人間風情が」
 蒸気王が装備した巨大な六尺棒を駆使して深紅の死神を打ち据える紅葉。対する死神もまた大鎌で応戦するものの、レディオットとの挟み撃ちによってその力は分散されて、撃ち負けていないどころか押している状態だ。
 その隙を狙いすましたかのように、紅葉の蒸気王の苛烈なローキックが深紅の死神の足を折るどころか粉砕する。バランスを崩した所でレディオットが片腕を撃ち抜き死神を固定する。
 片足となり、さらにレディオットで片腕を拘束された深紅の死神はもはや防御手段も脆弱となった。レディオットは理性を崩壊させたラジオのようにけたましく宣言する。
「さあさあ、これにて終わりですよ!」
「ここがあんたの終点よ」
 蒸気王の六尺棒が大鎌を持った腕を粉砕すると同時に、紅葉は空へと飛翔する。戦化粧を施し、対戦車杭打銃“楔“の封印を解く。そこから繰り出される貫撃と超偽神兵器の励起効果が合わさった一撃をその脳天に炸裂させる。
 そこは深紅の死神の骸玉の核となっている部分でもあった。そこを吹き飛ばすような衝撃が爆裂し、顎から上が吹き飛んだ死神は力なく断末魔を上げるのみだった。
「が…が……か……」
 もはや言葉を紡ぐことはない。それと同時に深紅の死神の身体は崩壊を迎え、覆っていた強大な骸魂は消滅を迎える。中から出てきたのは、どうやら列車の妖怪のようだった。今は安らかな眠りについている。
「まるで壊れた列車を直して走らせたような死神でしたね」
 そんな呟きと共にレディオットは機械の同胞の肩に手を添える。最後の一撃を炸裂させた紅葉は、いい仕事をしたと崩壊していく列車の世界を眺めていた。

 こうして深紅の死神が消滅したと同時に殺戮妖魔列車は存在を保てなくなり崩壊した。骸魂もまた霧散することなり、捉われていた妖怪達もまた解放されていった。
 世界崩壊、しいては轢殺の世界の成就という暴挙は阻止できた。だが幽世は現世よりも不安定に陥りやすい。これからも骸魂達による干渉による幽世の破壊は続いていくのだろう。
 だが今は戻った妖怪達の笑顔を守れただけでもよしとしよう。カクリヨファンタズムを守る戦いはまだ始まったばかりなのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月09日


挿絵イラスト