少女幻想~おばあちゃんが夢見た世界(作者 霧雨りあ
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 その日、幽世から『老い』が消えた。
 誰も彼もが若返り、少年少女が溢れる世界へと変貌を遂げたのだ。おじいちゃんもおばあちゃんも狂喜乱舞。
 ……とは言え、それはオブリビオンの仕業だ。喜んでいる場合ではない。
 カタストロフよろしく骸魂が溢れ出し、妖怪たちを食べんがために飛び回っている。
 戦えるはずの妖怪たちは幼くなって力も出せず――憐れ、骸魂に食べられてオブリビオンへと変貌していった。
 幽世は、滅亡寸前へと追い込まれたのだ。


「……という予知をしたのです! 大変なのですよー!」
 沙羅はグリモアで空中に映像を映し出し、猟兵たちに事の重大さを伝えた。
 既に幽世には骸魂が溢れ、住人たちは次々とオブリビオン化しているという。
「カクリヨを元に戻すためにも、みなさんにオブリビオンを倒してほしいのです!」
 幽世のオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで変身したものだ。オブリビオンを倒すことで、元の妖怪を助け出すことができる。
 妖怪は普通の人間に比べれば丈夫な種族だ。多少強めに殴ったところで、肉体が粉々になるようなことはない――と思われる。
「まずはオブリビオン化してしまった妖怪たちを、元に戻してあげてほしいのです!」
 沙羅は力強くそう告げてから、グリモアを操作して映像を切り替えた。
 次に映し出されたのは、赤々と燃え盛る炎に包まれた少女だった。
「この恐ろしい状況を創り出したオブリビオンが、こいつなのです。罪のない竜神の少女を、フェニックスの骸魂が飲み込んでオブリビオン化したのです」
 フェニックスと言えば不死鳥のことだが、過去に何かの事件で消滅してしまったのだろう。彼女は自身の死を否定し続けるあまりに、確定した死――つまり『老い』というものを世界から消し去ってしまったのだ。
 老いることのない、永遠の生の世界。そんなものが存在して良いわけがない。
「この竜神の少女を助け出し、カクリヨを救ってください!」
 沙羅の懇願に、猟兵たちは頷いた。


 猟兵たちが転送された先は、竹やぶの中だった。
 町から近いその場所に逃げ込んだ妖怪たちが、骸魂に食べられてしまったようだ。
 あちらこちらから、ゆらりと姿を現すオブリビオン――少年少女の姿をした『骸魂童子』だ。
 まずは彼らを倒して、妖怪を助け出そう。


霧雨りあ
 カクリヨファンタズムからこんばんは、霧雨です。
 幽世、良い世界感ですよね。霧雨は大好物です。
 そんな一作目ですが、ちょっぴり(?)ギャグ風味でお送りいたします。

●第一章は集団戦です。
 少年少女になってしまった妖怪たちが、骸魂に飲まれてオブリビオンとなってしまいました。優しく倒して助けてあげましょう。妖怪は体が丈夫ですが、肉体が滅びるような攻撃をすると助けることは出来ません。
 妖怪を助けられるような攻撃には、プレイングボーナスが加算されます。

●第二章はボス戦です。
 こちらは強敵のオブリビオンとなります。全力で戦ってください。
 倒すことが出来ればフェニックスのみが消滅し、竜神の少女を救うことができます。

●第三章は日常です。
 妖怪たちは元の年齢に戻りますが、久し振りに若返って元気に動き回れることを実感した老妖怪たちが、夜の墓場で運動会を繰り広げます!
 猟兵のみなさんは彼らを労りながらも、一緒に楽しんじゃってください。

 それでは、みなさまの冒険が良きものとなりますように。
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第1章 集団戦 『骸魂童子』

POW ●怪力
レベル×1tまでの対象の【尻尾や足】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD ●霊障
見えない【念動力】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ ●鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


シーザー・ゴールドマン
概念をこうも容易く消すとは……幽世、不安定な世界の様だね。
とても興味深い。依頼を手早く終わらせて見て回りたいものだ。

さて、まずは骸魂に呑み込まれた妖怪達の救出か。
ふむ……
広範囲に破邪の波動を放って骸魂のみを浄化、破壊します。
(属性攻撃:聖×破魔×衝撃波×なぎ払い×範囲攻撃)
敵POWUC
見切って回避です。(第六感×見切り)

せっかく若返っても体を乗っ取られてはね。
精進する事だ……と言っても、もうすぐ元に戻るだろうがね。

アドリブ歓迎です。


 竹藪の中から、子供たちの笑い声が聞こえて来る。
 ――くすくす。
 ――ふふ、うふふ。
 それらは一様に、狂気を孕んでいた。

「概念をこうも容易く消すとは……幽世、不安定な世界の様だね」
 転移された竹藪の中で、黒髪金眼の偉丈夫、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)はいつのも笑みを浮かべて呟いた。『老い』という概念の消えた世界。幸い、猟兵たちにその効力は適用されていないようだが、この先何が起こるとも限らない。
 しかし、シーザーにそういった不安などあるはずもなく。
「とても興味深い。依頼を手早く終わらせて見て回りたいものだ」
 さすがは赤公爵。そう楽しげに呟いて、竹藪の奥から現れた子供姿のオブリビオンを見やるだった。
『おじちゃん、あそぼ……』
「骸魂に飲み込まれた妖怪か……ふむ」
 まずは妖怪たちを救出する――この世の概念を狂わせた元凶と戦うのは、その後だ。
 ”おじちゃん”という言葉は適切ではないが、シーザーはそこには触れずに妖怪の救助法を思案する。妖怪の体はある程度のダメージに耐えられる構造という話だが、果たしてどの程度か……。やはり物理攻撃より骸魂のみの浄化かと結論付けた矢先、子供たちが一斉に駆け寄ってきた。
『あそんで……』
 白く短い手がシーザへと伸ばされる。不穏な妖気を纏った手は、どう見ても子供が繰り出す速度ではない。それを第六感的なもので躱し後退するシーザー。子供たちの包囲を抜けたところで、今度は反撃に出る。
「なかなかのパワーだね。しかし、当たらなければ意味がない」
 そう告げながらも右腕を伸ばした。
 既に発動しているユーベルコード『シドンの栄華』によって創り出された魔力が、邪を撃つ光の波動となって彼の腕から子供たちへと放たれる。
『まぶし……』
『やめて……』
 顔を手で覆った子供たちを、光が通り過ぎ――彼らを取り込んでいる骸魂のみを瞬時に浄化させていった。

 ――嗚呼、無念……。

 幽世へ辿り着けずして志半ばに骸魂となった妖怪たち。彼らの想いが浄化されて宙に溶けていく。
 骸魂から解放された妖怪たちは、無事に元の姿を取り戻していった。
 ――それも何故かほぼ『老妖怪』である。
「おお、助かったのか。しかし助けられたのに、半分複雑な気持ちじゃて」
「おおお可愛らしいばあさんがぁ、元に戻ってしもうたぁ!!!」
 何やら半分残念感が漂う中、シーザーが変わらぬ微笑を浮かべて言う。
「ハハハ、せっかく若返っても体を乗っ取られてはね。精進する事だ」
 妖怪ならば、妖力で若返ったり出来そうなものだが。
 シーザーに言われ、妖怪たちも陽気な笑い声を上げるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

雨谷・境
アドリブ連携歓迎

若返るってのは悪いイメージがしねーけど、この状況は放っておけないっすね
子供の姿をした相手を殴るのは申し訳ないけど……皆のためっす
やらせてもらうっすよ

バス停担いで戦場へ
掴まれたらやばいっすね
武器のリーチを活かして戦うっす
相手が腕を伸ばしてきたらバス停で振り払っていくっすよ
最悪掴まれたら俺も【怪力】で相手の腕を掴んで引き離すっす

こういう時は……これっすね
バス停に妖力を籠めて、放つのは断ち浄め
相手の肉体を傷つけず、取り憑いた骸魂だけをぶっ叩く!
絵面はなかなか酷いけどこれが最適だと思うっす!

もし妖怪を助けられたらすぐに逃げるように促すっす
後のことは俺達に任せて
あとで一緒に遊ぼうっす!


フィーナ・ステラガーデン
結構えらいことになってるわね!?老いが奪われるってどうなのかしら?
ちょっと憧れる気はするわね!
とにかくここが新しい世界ね!(きょろきょろ)
妖怪がいるって聞いたけど妖怪ってそもそも何なのかしら?
魔獣とか幽霊とか邪神とかとは違うのよね?
吸血鬼も妖怪って聞いたけど吸血鬼は吸血鬼じゃないのかしら?
よくわかんないわね!

さあて!あれが噂の元妖怪ね!身体が丈夫なのよね?
じゃあ灰にしてやるわ!え?だめ?
私の辞書に手加減なんて言葉はないわ!!
もー仕方ないわね!とりあえず鬼火をUCで打ち消して壁とかに
杭で縫いとめるわ!
後はー、そうねえ。殴りつけるわ!歯ぁ食いしばれええっ!!
(アレンジアドリブ連携大歓迎!)


「ゆっゆっゆうやけ、からすもなくよ! ぼーくらよいこはかえるよゴーゴー!」
 竹藪にこだます、謎の歌声。
 そう、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)である。
「――で、何だったかしら? って、思い出したわ! 妖怪を助けるのよね!」
 思わず目的を忘れかけていた彼女は、歌うのをやめて立ち止まった。
 辺りはとても静かだ。
「しっかし、結構えらいことになってるわね! 老いが奪われるってどうなのかしら?」
 暫し考えるフィーナ。
「……ちょっと憧れる気はするわね!」
 とても素直な感想である。
 きょろきょろと辺りを見渡して、ふーむと唸った。
「とにかくここが新しい世界ね! 妖怪がいるって聞いたけど……妖怪ってそもそも何なのかしら? 魔獣とか幽霊とか邪神とかとは違うのよね? 吸血鬼も妖怪って聞いたけど吸血鬼は吸血鬼じゃないのかしら?」
 幽世の妖怪は、元はUDCアースで妖怪と呼ばれていた存在だ。妖狐は東方妖怪だし、吸血鬼は西洋妖怪という括りだ。
 サムライエンパイアの妖狐や、ダークセイヴァーを支配している吸血鬼<ヴァンパイア>のように、元々そこにいる種族とは違うということらしい。
 ――まぁ、あまり詳細には語られていないが。
「よくわかんないわね!」
 そう。そう思う猟兵も多いだろう。
 フィーナがふんふんと鼻息を荒くしていると、後方の竹藪がガサガサと音を立てた。
「現れたわね妖怪!!」
 火を放つ勢いでフィーナが振り向けば、そこにはバス停を担いだ青年が立っていた。
「なんすかー!?」
 火を噴く杖を突きつけられたのは、雨谷・境(境目停留所の怪・f28129)だ。赤い瞳を見開いて、思わずバス停で殴りそうになった。事実、振り下ろしかけたところでピタリと止めたのだった。
「えーっと……ああ、フィーナっすね」
「アンタ、境じゃない」
 先刻グリモアベースで顔を合わせた仲間に、お互い武器を下ろす。
「さすがにびっくりしたっすよ」
「悪かったわね! それよりも、アンタのうしろからゾロゾロ出てきた少年少女って、もしかして妖怪じゃないの!?」
 下ろした杖を再び振りかざしたフィーナが叫べば、確かに境の後ろから骸魂童子たちが笑顔で駆けて来た。
 若返った妖怪を、何かしらの骸魂が飲み込んだ存在。そう、オブリビオンだ。
「若返るってのは悪いイメージがしねーけど、この状況はさすがに放っておけないっすね」
 ぞろぞろと現れる子供たちに、若干顔を引きつらせて境が言う。
 しかしフィーナは目を輝かせて杖をぶんぶんと振った。
「つまりこれが噂の元・妖怪ね! 身体が丈夫なのよね? じゃあ灰にしてやるわ!」
「灰……って、何言ってるんすか!?」
 彼女の言葉に、思わず境が目を剥いて叫ぶ。
「え、だめ? 私の辞書に手加減なんて言葉はないわ!!」
「いやいやいや、灰になんてさせたら、いくら妖怪でも消滅しちゃうっす!」
 どれだけ頑丈な肉体とは言え、灰から蘇るのは不死鳥くらいなものだ。
 そうやって二人が言い合っている間に、骸魂童子たちは『あそぼう』と言いながら鬼火をこさえて放って来る。
「もー、仕方ないわね!」
 フィーナはしぶしぶ灰にすることを諦めると、ユーベルコードを展開した。彼女の周りに召喚された『黒い杭』が、骸魂童子たちが放った炎を吸収してフィーナの魔力へと変換していく。杭はそのまま飛翔して、骸魂童子を竹に縫い止めた。
「お、やるっすね! なら俺は――」
 境は担いでいたバス停を構えた。そのバス停に、濃い妖気が纏わり付いていく。
 彼のユーベルコード『断ち浄め』によって、バス停には悪しきものを払う力が宿ったのだ。
 フィーナの杭を掻い潜った骸魂童子が、境へと殺到する。その小さく握りしめた拳が、異様な殺気を放っていた。
「残念、その腕の長さだとこっちに歩があるっす!」
 境が思い切りバス停を横に薙ぐ。小さな子供をバス停で殴るという、なんとも酷い絵面だ。
 仮にそれが何の変哲もないバス停だったら、骸魂童子の肉体は破壊されていただろう。しかし、今のバス停なら――。
『ふわ、あったかい……』
 バス停が体に触れた瞬間、骸魂童子の体は光に包まれ――あとに残ったのは、元の姿に戻った妖怪たちだった。
「さあ、ここは俺たちに任せて、すぐに竹藪の外に逃げるっす。全部終わったら、一緒に遊ぼうっす!」
 境に促されて、妖怪たちが慌てて逃げて行く。
 一方フィーナは……竹に縫い付けた骸魂童子を、片っ端から殴っていた。これまた酷い絵面である。
「ほら、アンタたちもさっさと起きなさい! 歯ぁ食いしばれええっ!!」
 ガスッという鈍い音。まるで魂が抜けるかのように、骸魂が成仏していく。
 元に戻った妖怪たちは憐れ、頬を腫らして(子供妖怪は泣きながら)竹藪から逃げて行くのだった。

「さあ、これで準備オッケーね!」
 フィーナは静かになった竹藪で、満足げに頷いた。
「どうしてそうも清々しい笑顔なんすか……」
 子供を殴って若干心を痛めていた境に突っ込まれても、フィーナは気にしていない様子。
 二人はそのまま竹藪を抜け、今回の事件の元凶へと向かうのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アンノット・リアルハート
老いがないか
良いことなのかもしれないけど、それって成長しないってことよね?
だったら私は反対かな、貴方達はどう?大人になんてなりたくない?

そう骸魂童子に問い掛けて選択UCを発動、幸福の象徴を召喚することで成仏させるように骸魂を妖怪から引き剥がしましょう
オブリビオンとは言え、子供を傷つけるのは気がひけるものね……それに誰からも忘れて死んでしまうというのは、ちょっと覚えがあるから

幸福が足りなそうなら『上質な茶葉』でも開けて紅茶を入れましょうか……あ、でも念動力で茶葉にいたずらをするのはメッ(早業、カウンターでデコピン)よ


 午後15時を少し回っただろうか。
 西へと傾きはじめた太陽のオレンジがかった光が、竹藪の隙間から差し込んでいる。
「老いがない、か……」
 アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)は、そんな柔らかな景色の中から現れた黒い着物の少年少女――骸魂童子たちを見つめ呟いた。彼らはクスクスと笑いながら、ゆっくりとこちらへ近付いて来る。
『お姉ちゃん、あそぼ……』
 小さく無邪気な声が、アンノットの耳に届いた。
 彼らは足元の笹の葉を念動力で舞い上がらせ、アンノットの上に降らせた。どうやら本当に遊び始めたようだ。
 アンノットはふうと息を吐くと、そんな骸魂童子に優しく問いかける。
「老いがないのは良いことなのかもしれないけど、それって成長しないってことよね? だったら私は反対かな、貴方達はどう? 大人になんてなりたくない?」
 彼女の言葉に、骸魂童子たちの動きが止まった。そこには抗えない幸福感があったからだ。
 もう遠い昔に忘れ去られた記憶から溢れ出す、数々の思い出。
 愛する家族との夕餉、息子が初めて自分を呼んでくれた瞬間、化かし合戦で優勝したこと――妖怪だった頃の思い出が、骸魂童子たちを幸福感で満たしていく。
『ああ、なんて温かい……』
 骸魂童子たちは泣きながらしゃがみ込んだ。そんな彼等から白い霊体が抜け出たかと思えば、その姿は取り込まれる前の妖怪の姿へと戻っていく。
 ――そう、骸魂が成仏したのだ。
「オブリビオンとは言え、子供を傷付けるのは気がひけるものね……それに、誰からも忘れられて死んでしまうというのは、ちょっと覚えがあるから」
 アンノットが優しく微笑む。
 彼女はとある王国のお姫様の複製体だ。夢で栄えたその国は、人々が夢を見なくなったことで衰退し、記憶から消え――今では亡国となってしまった。
 幽世の妖怪たちも似たようなものだ。人間は文明の発達と共に彼等が見えなくなり、人間の感情を食糧としていた妖怪たちは滅亡を逃れるために幽世へと逃げ込んだ。しかし幽世に辿り着けなかった者は『骸魂』となり、オブリビオンとなる道しか残されなかったのだ。
 ――それはどんなに悲しいことだろう。

 遂に最後の一人となった骸魂童子は、不思議そうにアンノットを見つめていた。どうやら彼だけは骸魂が抜け出ていないようだ。
 もしかしたら彼には、『幸福の記憶がない骸魂』が宿っているのかも知れない。
「こっちへいらっしゃい」
 アンノットは彼に手招きすると、とある刑事おすすめの上質な茶葉で紅茶を淹れた。少年は不思議そうに彼女の手元を覗き込むと、その上品な香りに嬉しそうな声を上げた。
 彼はその後アンノットと共に暫し穏やかなティータイムを楽しみ――そのまま穏やかに眠りについた。悲しい過去を持った骸魂は、妖怪の頃に得られなかった幸福感と共に逝ったのだ。

 あとに残った妖怪は、骸魂の想いを受け継いで、いつまでも泣いていたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

田守・狼護
老いとかよくわからんが、困ってんなら
何とかしてやるか!
って、力加減はしろって? 面倒くせえけどしゃあなしか

方針は近くにいるやつを手当たり次第殴る、だな
破魔の力を宿して、バスタードソードの腹で殴り
破魔の力を宿して、鬼棍棒で殴る!

力加減してりゃ、骸魂のみ消えんだろ
敵UCは厄介だが、こちらもUCで対抗しようか
元が爺婆ってなら嘘はたくさんついてるだろ
良くないぜぇ、嘘ってやつは

こうまでしてやれば得意の力も出せないだろ
さーて、残りも殴るかー!

アドリブ歓迎


 夕方の竹藪に降り立った真神、田守・狼護(田畑の守護神・f28068)は、慣れ親しんだ農村にも似た竹藪があったなと思いながら、笹が積もった地を踏みしめた。
 オブリビオン化した妖怪たちは、かなりの数が猟兵たちに助けられ、骸魂童子も残すところ後僅かだ。
「老いとかよくわからんが、困ってんなら何とかしてやるか!」
 狼護は犬歯を覗かせてニイっと笑うと、巨大な武器を担いで竹藪を散策した。
 程なくして現れた骸魂童子たちは、その姿に思わず後退る。
『お、おじちゃん……こわい』
「おいおい、初対面で人柄決めつけんなよ?」
 狼護は苦笑いしつつも、その巨大な棍棒とバスタードソードを構えた。
「……って、力加減はしろ、だったな。面倒くせえけどしゃあなしか」
 普段通りに思い切り殴ろうかというところを我慢して、破魔の力を宿してやれば――力加減次第ではあるが、骸魂のみ消し飛ばすことが出来るだろう。
『怖くないおじちゃんなら、あそんで……』
 骸魂童子たちは、そう言いながらも辺りの竹を力任せに引っこ抜き、狼護の真似をして構えた。
「はっ! チビどもが俺にどうやって――ぉお!?」
 思い掛けないスピードで竹を突き出す骸魂童子たち。
 狼護は器用に体を仰け反らせてそれ等を躱すと、愉快そうに笑いながら反撃に出た。バスタードソードの腹が少女を張り倒し、続いて鬼棍棒の一撃が少年二人を殴り飛ばした。
 しかしさすがは頑丈な妖怪。骸魂は瞬時に吹き飛んだが、本体の妖怪は元気に飛び起きた。
「アイタタタタタ!」
 姿が元に戻れば、何と全員が老妖怪ではないか。
「おいおいおい、みんな爺婆ってか? これはたくさん嘘付いてるやつがいるなぁ……良くないぜぇ、嘘ってやつは」
 狼護の笑みが、鬼のソレに変わる。
『あわわ……』
 残った骸魂童子たちが表情を引き攣らせて後退る。が、もう遅い。
 ユーベルコードを発動させた狼護の、凄まじいスピードで繰り出された鬼棍棒が骸魂童子を捉える。
 それは僅かに掠っただけでも効果を発揮するのだ――舌に生えた棘が嘘に応じダメージを与える、という恐ろしい効果を。
『いたい、いたいいたい!!!』
 子供たちは堪らず地面を転げ回った。
 もう反撃どころの騒ぎではない。
「さーて、残りも殴るかー!」
 狼護は元気よく(手加減はして)鬼棍棒を振り続ける。

 まるで地獄絵図のような時間が過ぎ去り、気付けば妖怪たちは助けられていたのだった。
成功 🔵🔵🔴


第2章 ボス戦 『フェニックスドラゴン』

POW ●不死鳥再臨
自身が戦闘で瀕死になると【羽が燃え上がり、炎の中から無傷の自分】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD ●フェニックス・レイ
レベル分の1秒で【灼熱の光線】を発射できる。
WIZ ●不死鳥の尾
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル✕10本の【炎の羽】で包囲攻撃する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 竹藪を抜けた先の神社の参道に、その少女は立っていた。
 竜神を飲み込んだフェニックスの骸魂。
 オブリビオン『フェニックスドラゴン』と成り果てた彼女は、猟兵たちに冷たい目を向ける。

 ――私を倒そうと言うのですか? この不死の私を。

 竜神の神力を得たフェニックスは、再び不死になったと思い込んでいる。不死とはいかないまでも、己の死を否定するがあまりに『老い』の概念を消す程の力を得たのは事実だ。
 そんなもの、猟兵以外の誰の手にも負えない。

 ――私に再び死をもたらすと言うのですか?

 フェニックスドラゴンの殺意が膨れ上がった。
 不死鳥と竜神の力が混ざり合って、神社の境内を赤いオーラが包み込む。
 灼熱のフィールドを創り出した彼女は、声にならない鳴き声を上げると、猟兵たちへと襲い掛かった。
シーザー・ゴールドマン
やあ、不死鳥君。第二の生は楽しんだかね?
まあ、どちらでもよろしい。
そろそろ、竜神の少女にその体を返してもらおうか。
『ウルクの黎明』を発動。
オド(オーラ防御×火炎耐性)を活性化して戦闘態勢へ。
超高速機動(空中戦)で翻弄。
基本的には凍てつく波動(属性攻撃:氷結×衝撃波)を放ってダメージを蓄積。機を見てオーラセイバーで斬り裂きます。
敵POWUC
ハハハ、不死鳥の面目躍如といったところだが……
何も変わらないね。
戦闘力自体は増加している様だが、戦い方に工夫がない。
それでは、通じないよ。
(攻撃手段が変わらないので少しギアを上げて対応します)

さあ、あとどれぐらい持つのだろうね?

アドリブ歓迎です。


 赤々と辺りを照らす炎の中、シーザーは涼し気な笑みを浮かべていた。
「やあ、不死鳥君。第二の生は楽しんだかね?」
 まるで知人に問い掛けるように。
 シーザーの軽い言葉に、フェニックスドラゴンの表情がピクリと動く。
「……楽しむ? いいえ、まだこれからです。老いのない幽世となった今、私に怖いものなどありませんから」
 フェニックスドラゴンは抑揚のない声でそう返すと、燃え盛る炎を拡大した。火の粉混じりの熱風がシーザーに吹き付ける。
「まあ、どちらでもよろしい。そろそろ、竜神の少女にその体を返してもらおうか」
「返す? もうこれは私と一体になっています。渡しなどしません」
 少女の瞳が紅く輝く。
 同時に、シーザーの全身を真紅の光が覆った。それは強力な魔力のオーラ、彼自身の魔力だ。
 二人は宙に浮かび上がると、高速でぶつかりあった。
 シーザーは凍てつく波動を放ちながら肉薄し、フェニックスドラゴンはそれを火炎の障壁で防いで上空へ舞い上がる。超高速で旋回する彼女に、シーザーはピタリと追尾し――否、瞬時に追い越した。振り向き樣にオーラセイバーを一閃、少女の体を上下二つに斬り裂く。
 炎が揺らいで少女の体が塵になったかと思えば――。
「無駄です。私は不死」
 燃え盛る炎の中から、同じ姿へと『再生』した少女が現れる。
 彼女は表情のない顔をシーザーに向け、そして告げた。
「貴方は私を殺せない」
 少女の背後に巨大な翼が広がり、宙を奔る。
「さて、どうだろうね」
 シーザーは微笑を絶やさずそれを追い掛けると、降り注ぐ火の光線をオーラで弾き飛ばして肉薄する。
 オーラセイバーの一閃が、再度少女を斬り裂いた。

 ――そうやって、何度殺しただろうか。
 度重なる死の体験は、死を認めない不死鳥の精神を確実に蝕んでいく。

「ハハハ、不死鳥の面目躍如といったところだが……何も変わらないね」
 何度生まれ変わったところで、フェニックスドラゴンの戦い方が変わるわけでもない。
「戦闘力自体は増加している様だが、戦い方に工夫がない。それでは、通じないよ」
 シーザーはそう言って笑顔を向ける。
 少女の表情のない顔に、感情らしきものが浮かんだ。
 そして、また。
 果てしない死の経験が、彼女を壊していくのだ。

 ――さあ、あとどれぐらい持つのだろうね?
成功 🔵🔵🔴

田守・狼護
死にたくない気持ちは分からんでもない
しかし不老はともかく、不死は寂しいぞ?
悪いことは言わん、やめときな?
…と言って聞いてくれたら楽だわなあ
さて、いっちょやるか!

オーラ防御し正面から対峙
破魔を纏わせた杭打ちで殴る
鎧無視攻撃・鎧砕きもオマケな

敵UCはUCで受け止める
そしてそこに太郎と花子をけしかける
隙ができたらUC解除して、カウンターをしかける!

しかしそうさな…
まあ、当人だけならいいが、他人には押し付けんなよ
不死を迷惑と思うやつもいるんでね

アドリブ歓迎


フィーナ・ステラガーデン
それよりあんたそれ熱くないの!?
やせ我慢は身体を潰すわよ!
妖怪って丈夫ね!やっぱり燃やしても良かったんじゃないかしら!
まあいいわ!とにかく戦闘ね!

明らかに炎が効かない相手だけど【属性攻撃】で火球飛ばすわよ!
なぜならそれが私だからよ!
でも絶対効かないから文句を言いながら【ダッシュ、ジャンプ、スライディング、気合い、火炎耐性】とかで光線を必死に避けるとするわ!

よーするにあの燃えてる鳥みたいなのが厄介なのよね?
それならこうよ!
何とか隙を見て隣接したら鳥に杖を突き刺してUC発動!
炎の鳥を絡めとって仲間のUCが当てやすい位置に投げつけるわ!
(アレンジアドリブ連携大歓迎!)


雨谷・境
仮にあんたが不死になったとしても、竜神さんの身体を使ってる時点で最低っすよ
せめて自分の身体を取り戻してから不死がどうとか言うっす
さあ、死者はさっさと成仏するっすよ!

敵の炎はバス停で【武器受け】しつつ距離を詰める
油断せずにいくっすよ

四肢や大事な臓器を守りつつ前進
こういう時に肉体って不便だなーって思うっす
でも、だからこそ大切に思えるものもあるはずだから
そんなものを奪うお前は許さないっす

接近したら【怪力】でバス停をぶんまわして【2回攻撃】
竜神さんには悪いけど今は全力で殴るっすよ
羽を燃え上がらせようとしたらすかさず『断ち切り』!
炎を切り裂いて復活を防ぐっす!
骸魂はこの世からおさらばっすよ!!


「不死? そんなの美味しくも何ともないわ!」
 フェニックスドラゴンを見やって、フィーナが感想を述べる。
 そんな彼女を、フェニックスドラゴンは静かに見つめた。
「人は死へ向かって生きているからこそ、死を受け入れているだけ。私には元々『死』の概念がなかったのです。元の状態を取り戻そうとすることの、何がいけないというのですか?」
「……まぁ死にたくない気持ちは、分からんでもない」
 吹き付ける熱風から顔を庇いながら、狼護はマイペースに告げる。僅かな肯定の意思に、不死の少女はほう、と呟いて目を細めた。
「しかし不老はともかく、不死は寂しいぞ? 悪いことは言わん、やめときな?」
 狼護の言葉に、少女は沈黙した。言葉が届き、言葉の意味を噛み締めている――わけではなさそうだ。
 殺気混じりの熱風が更に強くなり、やれやれと肩を竦める狼護。その隣で、境は腕を組んで言い放った。
「仮にあんたが不死になったとしても、竜神さんの身体を使ってる時点で最低っすよ。せめて自分の身体を取り戻してから不死がどうとか言うっす」
「確かに」
 境の最もな意見に納得して、狼護とフィーナは首を縦に振った。
 ――フェニックスドラゴンの纏う炎が、一層激しさを増した。
「って、それよりあんたそれ熱くないの!? やせ我慢は身体を潰すわよ! 妖怪って丈夫ね! やっぱり燃やしても良かったんじゃないかしら!」
「心配してるわけじゃないんだな……」
 思いついた感想を並べるフィーナに、狼護が苦笑いを浮かべる。フェニックスドラゴンは既に戦闘態勢に入っている。
「まあいいわ! とにかく戦闘ね!」
「いっちょやるか!」
「さあ、死者はさっさと成仏するっすよ!」
 三人は各々の武器を構えた。

 先手を打ったのはフィーナだった。
 ぶおん、と唸りを上げて幾つもの火球がすっ飛んでいく。
「って、何で火で攻撃するっすか!?」
「明らかに火が効かない相手だろ!?」
 境と狼護の非難に、フィーナは誇らしげに仁王立ちした。
「それが私だからよ!」
 納得感あるセリフに、二人は最早何も言うまいと。
 案の定。火球はフェニックスドラゴンにぶつかり、そのまま彼女の纏う炎のオーラに仲間入りしてしまった。
「あーもー!! 火に火が効かないなんて、誰が決めたわけ!? 私の火が効かない道理がないじゃないー!!」
 フィーナの叫び声と、フェニックスドラゴンの攻撃は同時だった。彼女から放たれる火球や熱線を、フィーナは抜群の運動神経と野生の勘的なもので器用に躱して走り回る。
 後方で成り行きを見守っていた境と狼護にも、無論その攻撃は降り注ぐわけで。
「巻沿い食らってるっすー!?」
「これは酷い……」
 灼熱の空気で臓器が焼けないように注意を払いつつ、境はバス停を振り回して炎を掻き消し、狼護はオーラを纏って熱戦を防御した。
「こういう時に肉体って不便だなーって思うっす。でも、だからこそ大切に思えるものもあるはずだから――そんなものを奪うお前は許さないっす」
 境は静かにそう告げると、大地を蹴った。ひといきにフェニックスドラゴンへと肉薄し、凄まじい勢いでバス停を振り回す。
「竜神さんには悪いけど、今は全力で殴るっすよ!」
 ひらりひらりと攻撃を躱すフェニックスドラゴンを、遂に一撃が捉えた。
 頭を強打され、少女は昏倒する。一瞬消えた炎は再び燃焼し、少女を包み込んで――。
「させないっす!」
 死の淵より蘇る不死鳥の翼を、境はユーベルコードの力で断ち切った。
 少女から立ち上った炎が分断され、揺らめき――弾けた。しかしそれは、無数の火の粉となって上空へと舞い上がり、そこで再び鳥のカタチを形成する。
「よーするに、あの燃えてる鳥みたいなのが厄介なのよね? それならこうよ!」
 後方で見ていたフィーナが、ぶうんと杖を投げ付けた。それは見事、不死鳥に突き刺さると、見る見る間に炎を吸収していく。不死鳥を絡め終えた杖は、そのまま地面に突き刺さった。
「さあ、今がチャンスよ!!」
 フィーナの言葉に、狼護が動く。
「行け、太郎&花子!」
 彼の言葉に従い、二匹の狛犬が召喚された。
 太郎は地面に縫い付けられた不死鳥に牙を剥き、花子は後方から術式をぶつける。
 しかし不死鳥もやられっ放しではない。自身の羽を炎の矢に変えて、四方八方へと飛散させた。
「その程度じゃ効かんな」
 太郎と花子の攻撃に合わせ、狼護がダッシュする。不死鳥が放った炎の矢は、彼の纏ったオーラに触れて霧散した。
 狼護の拳は破魔の拳。全力ダッシュの勢いを乗せ、杖に絡んだ不死鳥を殴りつけた。
 不死鳥は形を留めておくことが叶わず、パシュッと小さな音を立てて霧散した。
「しかしそうさな……まあ、当人だけならいいが、他人には押し付けんなよ。不死を迷惑と思うやつもいるんでね」
 ぽつりと狼護が呟くと、背後で空気が震える。
 振り返れば、倒れた竜神の少女が起き上がるところだった。
「……それでも私は、蘇るのです」
「まだ生きているっすか!」
 不死鳥自身は消滅しておらず、ユーベルコードによって召喚された分身が消滅した、といったところだろう。とは言え、分身も自分と意識を共有した存在だ。幾度となく繰り返された死と再生によって精神は擦り減り、竜神の魔力は減少し、自身の力も弱まっていた。
 ゆらりと立ち上がった少女から炎が噴き上がる。しかし最初の頃のような勢いはない。瞳に灯る紅い光も弱々しく――それは死を想わせる。

 ――それでも、生きていたいのです。

 フェニックスドラゴンは最期の力を振り絞ると、猟兵たちへと攻撃を仕掛けるのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

アンノット・リアルハート
貴女、死を恐れるあまり忘れてしまったのかしら
不死鳥は不滅の存在じゃない、一度灰になって甦る再誕の象徴よ!

そう宣言してユーベルコードを発動、不死鳥の記憶から戦場全体を炎を海に変化させます
これは不死鳥が死ぬ時に飛び込む再誕の炎
焼かれることを恐れなければ灰になっても蘇り、どんな傷も灰になった身体と共に『焼却』される
でも、世界から老いを奪うほど死を恐れた貴女にそれはできないでしょう
『火炎耐性』で身を焼かれる痛みに耐え、敵の攻撃に真っ正面から突撃
槍に炎を纏わせた『属性攻撃』で相手を『串刺し』にします

その炎の暖かさを思い出したなら、今度は別の形で会いましょう


「貴女、死を恐れるあまり忘れてしまったのかしら。不死鳥は不滅の存在じゃない、一度灰になって甦る再誕の象徴よ!」
 アンノットは竜神姿のフェニックスに向かって叫んだ。同時に彼女のユーベルコードが発動すれば、フェニックスの記憶から呼び起こされた炎が、辺り一帯を燃え上がらせる。
「おやめなさい、貴女も死にますよ?」
 フェニックスドラゴンはそう言って、その燃え盛る炎の海から目を背けた。
 自身が纏う火と同じなのに、何故これ程にも恐ろしいのか。
 ――灰になって蘇る、再誕の象徴?
 フェニックスの記憶がチリチリと何かを告げてくる。
 幽世に来る以前、不死鳥であった頃。一体どのように生きていたのか……思い出すことはできない。死のない世界を生きていたと『私』は思っているが、この竜神の少女は違うのだと告げているような気がして。
「これは不死鳥が死ぬ時に飛び込む再誕の炎」
 アンノットの声でフェニックスドラゴンは我に返った。見れば、アンノットは炎の海の中で身を焼かれながらも立っている。
「どうして、生きていられるのですか……」
「焼かれることを恐れなければ灰になっても蘇り、どんな傷も灰になった身体と共に『焼却』される」
 彼女の言葉に、フェニックスドラゴンは顔を顰めた。忘れ去った何かを思い出すかのように、視線が宙を彷徨い――悲しみの表情を浮かべた。
 何も、思い出せない。
「世界から老いを奪うほど死を恐れた貴女に、それはできないでしょう」
 身を焼かれる痛み。しかし恐怖はない。アンノットは、王国の守護竜の影であるノイギーア・シャッテンを構え、地を蹴った。
 戦意を喪失しかけていたフェニックスドラゴンが、ゆっくりと炎の翼を持ち上げる。先の戦闘で消耗しきっている彼女の炎は、まるで命を燃やしているようで。
「それでも、私は――」
 何か言いかけたフェニックスドラゴンは、ゆっくりと目を閉じた。そして、大きな翼から数多の羽をアンノットへと放つ。
 しかし彼女は避けない。否、避ける必要がないのだ。向かい来る羽はすべて、記憶から生み出された炎に触れた瞬間消えてしまった。
「どうして……」
 フェニックスドラゴンが目を見開いた。
 記憶の炎を纏ったノイギーア・シャッテンが、空気を裂く。ゆっくりと穂先が自身を貫いても、痛みはなかった。
「ああ、終わってしまう……」
 そんな言葉が無意識に口をつき、そしてまだ心は記憶を探していた。
「……その炎の暖かさを思い出したなら、今度は別の形で会いましょう」
 アンノットの優しい声が、フェニックスの記憶を呼び起こす。
 ――そう、私は死と再生の象徴。不死の神々と共にあゆみ、自身の死期が訪れても、燃え尽きた灰から再び蘇っていたのだ――。

 竜神の少女から離れたフェニックスが、温かな再生の炎を受け入れる。
 不滅の呪縛より解放された彼女は、またどこかでフェニックスとして再誕するのだろうか。
 アンノットは、彼女が消えゆくのをいつまでも見守っていた。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 日常 『ナイト・グレイヴヤード・大運動会!』

POW綱引き・棒倒しなどパワー系競技に参加orお弁当販売のテントでお手伝い
SPD障害物競走・玉入れなどテクニック系競技に参加or運営テントでお手伝い
WIZ借り物競走・早着替えレースなどアイデア系競技or救護テントでお手伝い
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 幽世から『不老』の概念が消え去った。
 再び平穏を取り戻した妖怪たちは、日常を満喫――していない者もいるようだ。

「……あれはあれで良かったのう」
「久方ぶりに、あんなに走ったわい」
 茶屋に集った老妖怪たちは、先日の若返りを惜しんでいた。
「実際、まだまだ動ける気がするんじゃが……」
「確かにのぅ。動ける感覚を失わないように、日頃からもう少し運動しようかと思ったわい」
 談笑する老妖怪たちに、団子を持って来た座敷童子がコロコロと笑って告げる。
「もう、おじいちゃんたちったら。そんなに言うなら、今週の町内運動会に参加すればいいじゃない」
『……』

 かくして、町内運動会――墓地で行われる『ナイト・グレイヴヤード・大運動会』は、老妖怪主催の地獄の運動会へと変貌を遂げた。
「おおお血がたぎるわい!」
「今回は猟兵たちも参加してくれるらしいぞ」
「負けてはおれんのぅ!」
 おじいちゃんもおばあちゃんも、恐ろしくやる気だ。
 ――しかし、忘れてはならない。
 これは、死と隣り合わせの運動会だということを。
 彼らは『若返って体感した動ける感覚』を頼りに、全力で運動会を楽しもうと言うのだ。体は決して若くはない。無茶をすればポックリいってしまう可能性の方が高い。

 さて、猟兵の諸君。
 この運動会、どう楽しもうか。

---

 ●補足
 プレイングには『何の競技に参加するか』を明記してください。
 老妖怪を労りながら戦ってもよし、全力で戦ってもよし。
 基本的に体は頑丈な妖怪たちですが、あまり無理させ過ぎると成仏してしまうのでご注意ください。
 とにかく自由に楽しく遊んで頂ければと思います!
シーザー・ゴールドマン
何故、墓場を会場とするのか……まあ、お約束というものかな。

大運動会を観客として楽しみますが、事前に運営に話をつけて、救護テントに回復魔法が得意な悪魔を複数送り込みます。(『ローマの奔流』で召喚)

全力を尽くして成仏するのは悪くない最期だと思うがね。
まあ、今日はそういう日ではなかったということだ。
(救護班に救命される老妖怪への感想)

適当にそこら辺の妖怪と競技の勝敗で賭けをしながら、観戦を楽しみます。
(勝敗予測は第六感×見切り!)

アドリブ歓迎です。


アンノット・リアルハート
【WIZ】
さすがに私が参加するのは大人げないし、救護テントのお手伝いをしましょう
怪我をしたり疲れた人を【メタルハート・ベーゼン】乗せてテントまで運んで休ませます
最近暑いから飲み物冷たい紅茶も配ってね
もし借り物競争などで何か物を借りたい人がいれば喜んで渡しましょう

……ところで皆さん、リアルハート王国って知ってる?
いや、知らないなら別にいいのよ。とっくの昔に無くなった国だし……今更覚えてる人が現れても、ちょっと困るしね


田守・狼護
無事解決って感じだな
で、やることが運動会、と。──どういうこっちゃねん!
いやまぁやるならやるで、やってやりますとも!

の前に、まずお弁当作ってるところに野菜納品だな
作った野菜使ってくれ! 旨い料理にしてやってくれ!
そして俺にも食わせてくれたら嬉しいな!

さて、渡すもん渡したら競技にいきますか
……ま、やるなら綱引きだな
「農作業で鍛えた足腰舐めんじゃねえぞ……!」
と言いながらほどよい力加減で相手してやるか
って頑張りすぎんなよ、じいさんばあさん!
……太郎、花子。腰痛めた連中を救護テントに運んでくれ
いやはやもう不老じゃねえってえのに……


フィーナ・ステラガーデン
何なのこの変な方向でスリル溢れる運動会は!?(倒れそうなおばあちゃんを支えつつ)
競技に参加?いやいや見てらんないわよこれ!ちょ、おじーさん!一息に団子食べようとしてんじゃないわよ!喉!喉つめてるわーー!!ふぬー!ふぬー!!(ハイムリック法)
そこの走り終えて倒れてるおばーさん呼吸が薄いわよ!なんか口から魂的な物が出てる!出てるからー!!(口の中に入れ込み)
あん!?私はあんたの孫娘になった覚えはないわ!!
おじーさんどこ行くのよ!そっちは明後日よ!トイレ!?あー!もう仕方ないわね!(案内)
ええ!?ご飯はまだかいの?あんたさっき団子喉に詰まらせてたでしょ!
もーーいやああ!!
(アレンジアドリブ連携大歓迎


「無事解決って感じだな」
 狼護はそう言いながら、夜の墓場を見渡した。
 今宵は満月。普段静かな広大な墓地には、老妖怪たちが集って大賑わいだ。
「何故、墓場を会場とするのか……」
 シーザーがぽつりと呟く。
「で、やることが運動会、と。……どういうこっちゃねん!」
 頭を抱える狼護。しかしシーザーは何故か納得顔だ。
「まあ、お約束というものかな」
 ……確かにそんな歌もあったかも知れない。
 狼護はウンウン唸りながらも、結局は『いやまぁやるならやるで、やってやりますとも!』と叫んで走っていった。
「ハハハ、元気だね。私も楽しませて貰おう」
 シーザーが愉快そうに笑って視線を別の場所に移せば、そこでは既に『パン食い競走』が繰り広げられていた。
 おじいちゃんおばあちゃんが楽しそうに、そして全力で突っ走っている。
「何なのこの変な方向でスリル溢れる運動会は!?」
 パンに届かず倒れたおばあちゃんを助け起こしながら、フィーナが叫ぶ。
 おばあちゃんは、とても幸せそうな笑顔をフィーナに向けた。
「おお……ありがとう、裕子さん」
「違うわよ! ってか誰よ!? こんな惨状で競技に参加? いやいや見てらんないわよこれー!!」
 そのままおばあちゃんを背負って、救護テントへと走って行く。
「全力を尽くして成仏するのは悪くない最期だと思うがね。まあ、今日はそういう日ではなかったということだ」
 フィーナに運ばれるおばあちゃんに、そんな感想を漏らすシーザー。
 まぁ、本人たちが良ければ良いかも知れないが、今日は家族の妖怪も応援に来ているのだ。
 安心安全に運営したいという家族の願いがあっては、成仏してもらうわけにもいかない。
「……さすがに私が参加するのは大人げないし、あちらでお手伝いしましょう」
 アンノットはフィーナの後ろ姿を見送ってから、苦笑交じりに救護テントへと向かうのだった。

 ――妖怪大運動会、想像以上にハードである。

「おう、やってるな! これ、うちで作った野菜だ。使ってくれ!」
 狼護が最初に向かった先は、墓地近くの公民館だった。
 そこで運営サイドの妖怪たちがお弁当を作っているのだ。
「ありがとー! すごく助かるわ!」
「旨い料理にしてやってくれ!」
 狼護が笑ってそう言えば、料理していた妖怪たちが皆サムズアップで応えた。
「そして俺にも食わせてくれたらうれし……」
「ささ、猟兵さんは運動会を楽しんで来ておくれよ!」
 ――タダで野菜を提供しても、見返りは期待できそうになかった。
 若干しょんぼりしながらも、狼護は再び墓地へと赴く。
 パン食い競走は終わり、次は綱引きがはじまるようだ。
「……ま、やるなら綱引きだな」
 農作業で鍛えた足腰を最大限活かせる競技だ。
 狼護が意気揚々と『天国チーム』へ参加する。相対するのは、やっぱり『地獄チーム』なわけで。
 本当に死ぬ気なんじゃないのかと思う中、オープニングのアナウンスが流れた。
 沸き立つ妖怪たち。
「程よい力加減で相手してやるか」
 本当は全力でやりたいところだが、じじばば相手にそれは大人げないというものだ。
『――それでは、よーい、スタート!』
 可愛いらしい猫又の合図で、一斉に縄を引き始める双方。
「どっせーい!」
「ほーいほーい、負けんぞぉ!」
 老妖怪たちの掛け声。
 想像以上に強い力で縄が引かれていく。
「って、頑張りすぎんなよ、じいさんばあさん!」
「ほあ!?」
 ――狼護の制止も虚しく。
 腰を痛めて倒れこむ妖怪たち。
「ああ……言わんこっちゃない……」
 目も当てられない惨状に、狼護は太郎と花子を呼んで倒れた妖怪たちを救護テントへ運ばせた。
「いやはや、もう不老じゃねえってのに……」

 綱引きと同時進行で、墓場の外周ではリレーが始まろうとしていた。
「そうだね……私はあの一反木綿に賭けようか」
 シーザーは、救護テントの隣に設置された大型テントの下で優雅に座り、グラスを傾けている。彼の他にも、若い妖怪や猟兵たちが酒やジュースを飲みながら勝敗の予想をしている。
 賭け事は猟兵に歩があるだろう。何と言っても、猟兵には『第六感』という技能があるのだ。
 え、イカサマ?
 いやいや、感覚のひとつだからイカサマとは言わないだろう。
 猟兵は何故か皆、一反木綿に賭けているが、妖怪たちは疑うこともなく好きに賭けていた。楽しければそれで良いのだ。
 そしてリレーがスタートし、老妖怪たちが全力で駆け抜けていく。
 第一コーナーで曲がり切れずにニ名脱落。
 第ニコーナーに差し掛かる前に、呼吸困難で一名脱落。
 その先の起伏に富んだ直線、第三コーナーと、次々に倒れゆく妖怪たち。
 最終コーナーでは、既に一反木綿と砂かけばばあのニ名しか残っていなかった。そのまま僅かに早く一反木綿がゴール!
 ――しかし、なかなかに熱い戦いである。
「ハハハ、思った以上に良い戦いだったね」
 機嫌良く観戦するシーザー。
 その耳に、聞き慣れた叫び声が届く。
「そこの走り終えて倒れてるおばーさん呼吸が薄いわよ! なんか口から魂的な物が出てる! 出てるからー!!」
 見れば、倒れた砂かけばばあの口から出掛けた魂を、フィーナが押し戻しているところだった。
「あん!? 私はあんたの孫娘になった覚えはないわ!!」
 意外と元気に復活した砂かけばばあに孫と間違えられながらも、走り終わって休憩していた子泣きじじいが、一息に団子を食べている現場を目撃して駆け寄る。
「ちょ、おじーさん! 一息に団子食べようとしてんじゃないわよ! 喉! 喉つめてるわーー!! ふぬー! ふぬー!!」
 ハイムリック法で後ろから腹部を突き上げて助けたのも束の間、フラフラと明後日の方向へ歩きはじめた子泣きじじいの腕を掴む。
「ちょっと、どこ行くのよ!? トイレ!? あー! もう仕方ないわね!」
「すまんのお。……ああ、そうじゃ。ご飯はまだかの?」
「あんた今さっき団子喉に詰まらせてたでしょ!?」
 フィーナは頭を抱えながらも、ちゃんとお手洗いには案内する。
 しかしその後も立て続けに襲い来る問題に、ついには――。
「もーーいやあああ!!!」
 フィーナの叫び声は、墓地全体に響き渡ったのだった。

 その頃――。
 空飛ぶ箒を魔改造した『メタルハート・ベーゼン』で怪我人を救護室に運び入れたアンノットは、そろそろ満席になりつつあるベッドを見て溜め息をついた。
「……頑張り過ぎじゃないかしら?」
 ひとまず怪我人を椅子に座らせてから、手当は事前にシーザーが用意していた悪魔たちに任せ、自分は冷たい飲み物を用意する。
 彼らがいる限り、まず大事には至らないのだろうが。
 それにしても健康者が少ない。怪我人続出、熱中症で倒れる妖怪も続出だ。
 手当を受けて元気になった妖怪たちにアイスティーを手渡していると、突然救護室へ猫又のおばあちゃんが走り込んで来た。
「ここにお茶はあるかしら?」
 どうやら借り物競走の最中のようだ。
「ええ、あるわよ」
 アンノットは、さっき封を切ったばかりのベルガモットティーの箱を持ってきた。
「これでいいかしら?」
「ありがとう、なのだわ!」
 猫又は嬉しそうに受け取ると、テントから出ていった。
「危なっかしいけど、みんな楽しそうね」
 アンノットはそう言って微笑むと、再びテントの中の妖怪たちにアイスティーを手渡していく。
「ありがとねぇ。あら、素敵な香り」
「本当ねぇ。お姫様にでもなった気分よ」
 おばあちゃんたちが、コロコロと笑い合う。
 お姫様、という言葉に、アンノットの顔からほんの少しだけ笑顔が消えた。
「……ところで皆さん、リアルハート王国って知ってる?」
 もう吹っ切れたとは言え、どうしても訊かずにはいられなかったのだ。
 あの国のことを――。
「リアルハート? いいえ、はじめて聞く名前ねぇ」
「ごめんなさいね、私たちの記憶も、だいぶポンコツになっちゃったからねぇ」
 おばあちゃんたちは、すまなさそうにそう告げた。
「いや、知らないなら別にいいのよ。とっくの昔に無くなった国だし……今更覚えてる人が現れても、ちょっと困るしね」
 アンノットは笑顔でそう言うと、この話は終わりと言いながら、アイスティーのおかわりを用意するのだった。


 月は西へと沈みかけ、薄っすらと東の空が色付きはじめた頃。
 様々な想いを乗せて運動会は閉会した。
 妖怪も猟兵も、皆一様に笑顔で各々の住む場所へと戻って行く。
 今回の事件は破滅と隣り合わせだったとは言え、老妖怪たちにとって良い思い出となっただろう。
 もし再びカタストロフのような事件が起きても、この世界の妖怪たちなら乗り越えていける――そんな気がするのだ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月08日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵