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光満つ幽世(作者 藤影有
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●この幽世の片隅で
 眠たげに目をこすりながら、兎の妖怪少女は空を見上げる。
「いやあ、今日もいい天気だねぇ」
 お日様ぽかぽか。
 雲はふかふか。
 よくわからない光る何かがきらきら、ぴかぴか、しゅーてぃんぐ――。

「本当にまあ」
「近頃は良い天気が続くな」
「ふぎゃ!? 食べないでぇ!」
「「食べないよぉ」」

 驚いてぴょいと跳ねた兎に笑いかけるは、梟妖怪と狼妖怪。
 木立からひょっこり顔を覗かせた二人もまた、兎と同じく眠たげな顔で空を仰ぐ。
 風はそよそよ、良い気持ち。
 揺れる木々の間に光が落ちて。

 閃光、轟音――届くは、爆風。

「しかしこれじゃあ」
「もう夜は来ないかなぁ」
「お月見、できないね……」

●また滅亡か
「突然だけれど、世界が滅亡するわ」
 グリモア猟兵のレイラ・アストン(f11422)の言葉は、あまりにも唐突に聴こえたやもしれない。
 しかし、それは新たに繋がった世界――カクリヨファンタズム(幽世)においては日常茶飯事なのだ。

 少女、曰く。
 滅亡の兆候が確認されたのは、幽世のとある森を中心とする一帯。
 そこはしばらく前から『夜』が失われ、光の弾幕飛び交う『閃光の世界』と化しているという。
「住まう妖怪たちも睡眠不足に悩んでいるみたいで……いえ、重要なことは他にあるの」
 夜を奪われた幽世には無数の骸魂が飛び交っており、妖怪が次々と飲み込まれ、オブリビオン化している。
 早急に解決に動かねば、遠からず真の滅亡を迎えるであろう。

「やることは単純よ。元凶となったオブリビオンを退治すれば、世界は元に戻るはず。配下に置かれた妖怪たちを倒しながら進んでいけば、自ずと元凶の元へ辿り着けるわ。ただ、一つだけ心に留めておいて欲しいの」
 幽世のオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの――即ち。
「うまく骸魂のみを倒せれば、飲み込まれた妖怪を救うこともできるわ。配下は勿論、元凶となってしまった子もね」
 ただ敵を討つだけでも、世界の滅亡を止めることは叶うだろう。
 されど。
「私個人の願いになってしまうけれど……できれば、助けてあげて欲しいわ。今までそこに生きていた子たちがいなくなった世界なんて、寂しすぎるもの」

 事件を解決できれば、世界は『夜』を取り戻す。
 妖怪たちも浮かれて宴の準備でも始めるやもしれない。
「ちょうど満月を迎える時期でもあるそうだから。幽世の月は、きっと美しいでしょうね」
 帰る前に、月見を楽しんで来るのも良いだろうと。
 少女は仲間たちに小さく笑ってのち、転移の準備に取り掛かった。





第3章 日常 『幽世の月見』

POW郷愁に浸りつつ、月を愛でる
SPD旅愁を覚えつつ、月を愛でる
WIZ哀愁を感じつつ、月を愛でる
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●時は巡りて
 涼やかな風が吹けば、湿った土の匂いが届く。
 闇夜を見上げればそこには、まんまるのお月様。

 *****

「ではでは、宴を始める前に……アヤカシ十七条、その九条!」
「「「お酒はハタチになってから!」」」

 神社境内に敷かれた茣蓙の上には、妖怪たちが持ち寄ったご馳走がずらり。
 色とりどりの夏野菜に鮎の塩焼きといった、自然の恵みの数々のみならず。
 どこから持ってきたのやら、ノズタルジックな駄菓子まである。
 ででんと積まれたお月見団子は――。
「呑むぞー!」
「食べるぞー!!」
「おかわりもあるぞー!!!」
 あれよあれよと言う間に、食いしん坊たちのお腹の中。

 飲んで食べて、歌って踊る。
 久しぶりの夜にはしゃぐ妖怪の輪の中には、すっかり元気を取り戻した龍神の少女の姿も。
 みんなみんな、笑っている。
 この穏やかな時間こそ、猟兵たちが取り戻したもの。

 深い色の空に抱かれ、月は静かに輝くのみ。
 さて、幽世での一夜をどう過ごしたものだろう?