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光満つ幽世

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●この幽世の片隅で
 眠たげに目をこすりながら、兎の妖怪少女は空を見上げる。
「いやあ、今日もいい天気だねぇ」
 お日様ぽかぽか。
 雲はふかふか。
 よくわからない光る何かがきらきら、ぴかぴか、しゅーてぃんぐ――。

「本当にまあ」
「近頃は良い天気が続くな」
「ふぎゃ!? 食べないでぇ!」
「「食べないよぉ」」

 驚いてぴょいと跳ねた兎に笑いかけるは、梟妖怪と狼妖怪。
 木立からひょっこり顔を覗かせた二人もまた、兎と同じく眠たげな顔で空を仰ぐ。
 風はそよそよ、良い気持ち。
 揺れる木々の間に光が落ちて。

 閃光、轟音――届くは、爆風。

「しかしこれじゃあ」
「もう夜は来ないかなぁ」
「お月見、できないね……」

●また滅亡か
「突然だけれど、世界が滅亡するわ」
 グリモア猟兵のレイラ・アストン(f11422)の言葉は、あまりにも唐突に聴こえたやもしれない。
 しかし、それは新たに繋がった世界――カクリヨファンタズム(幽世)においては日常茶飯事なのだ。

 少女、曰く。
 滅亡の兆候が確認されたのは、幽世のとある森を中心とする一帯。
 そこはしばらく前から『夜』が失われ、光の弾幕飛び交う『閃光の世界』と化しているという。
「住まう妖怪たちも睡眠不足に悩んでいるみたいで……いえ、重要なことは他にあるの」
 夜を奪われた幽世には無数の骸魂が飛び交っており、妖怪が次々と飲み込まれ、オブリビオン化している。
 早急に解決に動かねば、遠からず真の滅亡を迎えるであろう。

「やることは単純よ。元凶となったオブリビオンを退治すれば、世界は元に戻るはず。配下に置かれた妖怪たちを倒しながら進んでいけば、自ずと元凶の元へ辿り着けるわ。ただ、一つだけ心に留めておいて欲しいの」
 幽世のオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの――即ち。
「うまく骸魂のみを倒せれば、飲み込まれた妖怪を救うこともできるわ。配下は勿論、元凶となってしまった子もね」
 ただ敵を討つだけでも、世界の滅亡を止めることは叶うだろう。
 されど。
「私個人の願いになってしまうけれど……できれば、助けてあげて欲しいわ。今までそこに生きていた子たちがいなくなった世界なんて、寂しすぎるもの」

 事件を解決できれば、世界は『夜』を取り戻す。
 妖怪たちも浮かれて宴の準備でも始めるやもしれない。
「ちょうど満月を迎える時期でもあるそうだから。幽世の月は、きっと美しいでしょうね」
 帰る前に、月見を楽しんで来るのも良いだろうと。
 少女は仲間たちに小さく笑ってのち、転移の準備に取り掛かった。


藤影有
 お世話になっております。藤影有です。
 幽世に夜を取り戻すべく、皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。

 第一章は【集団戦】、第二章は【ボス戦】、第三章は【日常パート】です。

●補足
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。
 また、「骸魂(むくろだま)」とは。
 幽世に辿り着けず死んだ妖怪の霊魂です。

 第一章【集団戦】、第二章【ボス戦】ともにうまく骸魂だけを倒し、飲み込まれた妖怪を救う工夫があればプレイングボーナスが与えられます。

●第三章・日常パートについて
 幽世に夜が戻ったお祝いと月見の宴が催されます。
 妖怪たちは猟兵を大歓迎することでしょう。
 宴に参加するもよし、喧騒から離れてのんびりとお月見を楽しむもよし。
 自由にお過ごしください。

●グリモア猟兵について
 レイラ・アストン(f11422)は、第三章でお誘いプレイングを頂いた場合のみ登場します。

●プレイングについて
 各章とも〆切予定等はMSページをご確認いただけますと幸いです。

 それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
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第1章 集団戦 『麒麟』

POW   :    カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD   :    因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ   :    キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●災厄の獣
 晴れた空、白い雲、あたたかで麗らかな陽気。
 爽やかな風がそよげば、木々がさやさや音を立てる。
 辺りがやや眩いことを除けば、猟兵たちが降り立った地は平和そのものにも見えるが。

 滅亡の兆候は、確かにそこに。
 例えば、時おり空を流れる謎の光。
 光が落ちた方角から聴こえてくる轟音。
 そして――行く手を阻むように現れた、獣。

 そいつは立派な角を持ち、堂々たる体躯に光を纏う。
 麒麟。
 地球の東洋地域の知を持つ者ならば、その名を想起するやもしれない。
 瑞獣たる伝承とは真逆の、災厄の気配を漂わせた獣からは。

 ――……て。たす……て!

 幽かに助けを求める声が聴こえる。
 ああ、一体のみでない。
 向こうからわらわらとやってくる、同じ姿の奴らからも。

 妖怪たち皆が、猟兵に助けを求めている。
 取り込まれた者も。
 逃げ延びた者も。
 きっと、滅亡の元凶たる者も。
ナナシ・ナナイ
いい天気で昼寝しとうなってくるわ…オブリビオンがいなければやけどな。早う片付けて宴にしようか!

わいはユーべルコードで複製した銃火器を操って的確に骸魂だけをぶち抜いていくで!(【スナイパー】)

ナナシ・ナナイにかかればこの程度の敵はちょちょいのちょいや!


千々岩・弥七
カクリヨのピンチは、ぼくにおまかせですよ!(ビシッ!と自分が格好いいと思うポーズを決める)

たすけてっていわれたら、たすけるのが正義の味方!
いくです!【トリプルどろんチェンジ】!

おーおーだーぬーきー!(ぽこぽこお腹を叩き)

ぼくがおっきくなれば怖くないのです!
さあ!張り手で『除霊』するですよー!

ほんとは、ひとりひとり、ちゃんとお話し聞いたげたいですけど(張り手ぺちっ)
いっぱい来られると、こんがらがっちゃうですよ(ぺちぺちっ)
だから張り手でごめんなさいです!(べちーんっ)
あと順番守ってください!横入りだめですよー!(ちぎって投げ)

うーん…怪獣の気分になってきました
でも、怪獣もかっこいいから好きですよ




 猟兵たちと敵との遭遇から、ほんの少しだけ時を遡り――。

「ふわぁ~、いい天気。昼寝しとうなってくるわ」
 ぽかぽか陽気に誘われるように、ナナシ・ナナイ(f00913)はゆるりとあくびを一つ。
「でもでも、今はカクリヨの大ピンチなのです!」
「せやったな。オブリビオンがいなければ……ん?」
 はて。自分の声に答えるは、神か仏か妖怪か。
 きょろきょろと辺りを見回すナナシだが、声の主らしき姿は見当たらない。
「だからこそ、正義の味方のぼくの出番です!」
 否、いた。長身の青年の目線のはるか下に。
「あら、ぼっちゃんも猟兵やろか?」
「ご名答なのです! ぼくこそが……あれ? おにーさん、ぼくが見えるです?」
 きらきらと瞳を輝かせる千々岩・弥七(f28115)の姿は、ヒトと変わりないように見える。
 されど、感情に合わせてぴょこぴょこ動く狸耳と尻尾が、彼が獣の化身であることを物語っていた。
「猟兵になれば人間さんにもぼくが見えるってほんとだったのですね!」
「みたいやねぇ……っと、お話はあとでな」
 そう。今は幽世の、妖怪たちの危機の只中。
 二人の耳に、声が届く。

 ――……すけて!

「早う片付けて宴にしようか!」
「ですです! たすけてっていわれたら、たすけるのが正義の味方!
 愛銃を手に取るナナシの足元で、弥七はびしりとポーズを決める。
 勇気と憧れと使命感を、ぴんと伸ばした指先まで滾らせ。
「いくです!」
 高く跳び、頭にさっと葉を乗せ、くるっと綺麗に一回転。
 どろん!
「おーおーだーぬーきー!」
 妖しげな煙が晴れたそこには、ぽこぽことお腹を叩く巨大狸の姿が!
「おー。ほんま、御伽噺みたいに化けるんやねぇ」
 興味深げなナナシの前で、巨大狸は麒麟の群れに突っ込んでいき。
「どすこーい! です!」
 べちんと派手な音を立て、張り手でまとめてぶっ飛ばした!
 嘶きは悲鳴の如く、身に帯びた光が薄らいで。
 麒麟どもの姿は束の間揺らぎ、呑み込まれた者と思しき影がうっすらと。
「……見えた!」
 青年の声と共に、轟くは数多の銃声。
 ナナシを取り巻くように展開された重火器は、ユーベルコードで複製したものだ。
 骸魂が作り上げた仮初の肉体のみを狙い定め、的確に撃ち抜いては消し飛ばしていく。
 弥七の除霊術と、ナナシの射撃の技。
 双方あってこその連携であった。
「たすかったぁー!」
「ありがとね!」
 猫に犬に、鼠に鼬。
 ヒトに近い姿の者も獣の姿の者も、皆々が礼を告げてのち退避していく。
 彼ら彼女らが向かう方角は。
(「揃いも揃って敵が現れたのと真逆……このまま進んで間違いないな」)
 心のうちで呟くは、素の口調にて。
 傭兵としての磨き上げ、研ぎ澄ませた勘であろうか。
 ナナシのそれが告げるは、元凶の居場所。
 そして。
「……っ!」
 自らの危機。
 殺気を感じた方を見据えれば、そこには消える寸前の骸魂の置き土産――青年の愛銃そっくりの、銃口。
 反射的に念じる。
 数あるうちの一丁、一点を狙って、撃たれる前に撃――。
 青年が対処に回るよりも。
「横入りだめですよー!」
 べしっ。
 まさかまさかの、巨大狸の方が早かった。
 大きな掌ではたき落とされ、麒麟の怨念は跡形もなく消え去ることと相成ったのだ。
「怪獣になった気分です! がおー!」
 ぺちっ。
 ぺちぺちっ。
 べちーんっ。
 無邪気な様子で麒麟をちぎっては投げて進んでいく弥七に、仲間を救う明確な意図があったかは分からない。
 確かなことは。
(「ナナ”シ・ナナイ”だけに、か」)
 青年はここで死ぬ運命にはないということのみだ。
「……って、ぼっちゃーん!? そっちやない! あっち!」
 麒麟の群れを退けながら、巨大狸と人間の青年は先へ先へと駆けていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セシリア・サヴェージ
闇に閉ざされた世界もあれば光に満ちた世界もあるのですね。
ですがその光が滅亡の原因だというのであれば、今だけは闇を取り戻す為に戦いましょう。

オブリビオン化した妖怪は何としても救いたいところです。
【見切り】によって麒麟に宿る骸魂を判別し、UC【漆黒の剣閃】によって妖怪との結びつきを切断すれば元に戻るでしょうか。

あちらの攻撃は【武器受け】で防ぎます。物理的なものかそれとも妖術の類でしょうか?
いずれにせよ暗黒剣で全ての攻撃を受け流し防ぎ切ってみせましょう。
あるいは敵がこちらに接近してくるのであればユーベルコードに頼らずとも、【カウンター】攻撃を仕掛けて骸魂を滅することもできるかもしれません。




(「闇に閉ざされた世界もあれば、光に満ちた世界もあるのですね」)
 セシリア・サヴェージ(f11836)の銀の瞳に、此の世はどう映っただろう。
 彼女が生きる其とは真逆の、全てが明るく眩い世界。
 生まれるは静けさを讃えた感情か、はたまた焦がれるような衝動か。
 心の内に想いはあれど、同時に彼女は理解もしている。
 全てを呑み込まんとする光が“正しき”ものではありえないことを。
「この光が、滅亡の原因だというのであれば」
 ぐるると唸る獣を睨めつけ、気高き女騎士は剣を取る。
「……今だけは」
 闇を取り戻すために――誓いとともに、猛き暗黒が身を包む。

 ――……けて。た……て。

 声が聴こえる。
 次々に襲い来る麒麟どもをあしらいながら、セシリアは呼吸を整える。
 助けを求める者は?
 伸ばされた手の主は何処にいる?
 迫る角は身を翻して躱し、剥かれる牙を得物で受け止め。
 己が内で荒ぶる衝動を抑えながら、努めて冷静に見極めんとする。
 麒麟の攻撃が激しくなるたび、災厄齎す光も増して。
 次第に、辺り一面が白に塗り潰されていく。
 それでも、暗黒騎士は目を凝らし続け。
(「何としても、救いたい」)
 願った刹那、ついに捉えた。
 小さな影がいくつもいくつも、光に包まれるように囚われている。
「この一撃で断つ」
 光溢つつ中、闇が確かな形を取った。
「……奔れ、闇よ!」
 剣から放たれた暗黒の波動が、光を侵食し掻き消していく。
 嘶く麒麟の姿が溶けて、後に残るは。
「たす……かったの?」
「おねーさんが、助けてくれたの?」
 二又尻尾の黒猫に、烏の翼持つ幼子。
 セシリアに近しい色持つ二人のほかにも、救われた妖怪たちがわらわらと集まって。
 ありがとう、と口々に。

 守り抜いた者たちに、離れているよう優しく言い聴かせ。
 暗黒騎士はまた、光満ちる方へと歩みだす。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花澤・まゆ
助けてって言われたんだ、助けてあげなくちゃ!

UC使用、敵の骸魂だけ攻撃するべく内面から攻めていくよっ
攻撃回数を増やされたってこちらの一撃が当たればいいんだ
内面から骸魂を弱らせたところで一気に【切り込み】
妖怪さんを助けられるように【祈る】よ

それでも足りないようならUCを使いながら
【破魔】の効果を狙って符を麒麟にぺたり
徹底的に内面の骸魂を押さえつける狙い

妖怪さん、痛かったらごめんねっ
…でも、光の弾幕、眩しくってこれは辛いね…

アドリブ、絡み、歓迎です




 先へ先へと進む最中も、時おり空に光が爆ぜる。
 どぉんと広がる弾幕は、まるで花火のようであり。
 世界が平常であればきっと、楽しんで見物できるものであったのだろうが。
「これは、辛いね……」
 今の空は、見上げた花澤・まゆ(千紫万紅・f27638)が眩しさに目を細めてしまうほどだから。
 咲いては落ちて、白に溶ける。
 空から青が消えていく。
 束の間、くらりとした少女であったが。

 ――……けて。

 青い瞳を見開いた。
 誰かの声が聴こえたから。
(「助けてって言われたんだ」)
 すらりと抜くは退魔の刀、迫る光は災厄の獣。
「……助けてあげなくちゃ」
 強く踏み込んだまゆの心には、一点の曇りも無かった。

 麒麟どもの突進を跳躍して躱し、ひらりと着地し振り返る。
 忌々しげに唸りながら少女を睨め付ける獣。
 その巨躯を包む災厄の光が、ゆらりゆらりと広がっていく。
 白が満ちる、呑み込まれる。
(「眩しい……でも」)
 その向こうには、助けを求める者がいるから。
 けして目を逸らすわけにはいかない。逸したくない。
(「骸魂だけを弱らせられる、かな」)
 討つでなく、鎮めるように。
 無念を祓い、心を掬うように。
「妖怪さん、痛かったらごめんねっ」
 再び踏み込むその前に、まゆは霊符を麒麟どもへ投げた。

 ひらり。
 花びらが舞い落ちるように符が身体に張り付けば、獣は動きをぴたりと留めて。
 一閃。
 斬るは肉体でなく、邪心。

 どうか、助けられますように。
 少女のささやかな祈り。
 刀を納めて振り返れば、形を成してそこにいた。

「に゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛」
「こ゛わ゛か゛っ゛た゛あ゛」
 猫か、あるいは虎であろうか。
 しましま尻尾と耳を生やした幼子らが、まゆに縋り付き泣いている。
 宥めんとする少女が浮かべるは、安堵と慈しみの表情。
 助けたい。
 願った命は、確かにここに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルザ・メレディウス
■メレディノポリスで参加します
アド◎絡み〇

...誰もいない宴なんて寂しいだけだもの。
一人でも多く...この手で救ってみせます

●先陣を切った久遠寺君に続いて私も攻撃を開始です。久遠寺君の攻撃で足を止めている相手を積極的に狙います

【スナイパー】のように敵の骸魂のみを正確に狙って、喰霊刀―白王―を振りぬきます。UC剣刃一閃で骸魂のみを確実に切り裂き骸魂のみを【除霊】していきます

派手に動き回りながら...相手の攻撃を【誘惑】して、仲間への注意が逸れるように

【残像】も同時に使用。少しでも回避率↑できるように...!
多少の攻撃は受ける【覚悟】です

*戦闘後、骸魂から解放された妖怪たちを安全な場所へ誘導します


如月・上弦
※メレディノポリス で参加
 アドリブ大歓迎

常に強き光の降る世界は、私にとっては辛い場所になりましょう
柔らかな月光を取り戻すべく、尽力させて頂きます

戦闘では、まず絶翔炎・墜を用いて戦闘体制を整えます
先陣を切った久遠寺さんに続き、空を飛翔し戦いを始めましょう

骸魂のみの排除。難しいですが、私の炎であれば
久遠寺さんの攻撃で弱った個体を、エルザさんと連携しつつ狙っていきます
身に纏いし炎を振るい、骸魂に滅びを、傷ついた妖怪には再生を与えてあげましょう
黄金の世界に、紅と黒にて彩を添えさせて頂きます

麒麟の攻撃に対しては高速飛翔での回避を試みます
回避が叶わない場合は防御結界を展開、被害の軽減を


久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎
メレディノポリスから参加

こいつは間違いない、弾幕シューティングの世界だ
なら飛び回って相手の弾を避けながらこっちの弾を当てるのが道理
空を飛び回り焔をばら撒く程度の能力で
お前たちの遊びに付き合ってやるよ

UCで変身し高速飛行で先陣を切る
【第六感】で敵の弾幕を予測し、
【空中戦】【残像】を駆使して避けながら
弱い焔で全ての骸魂だけを【焼却】して飛び回る
倒し切るには火力は足りないかもしれないが
その分中の妖怪たちには大きな影響はないはずだ
弱った骸魂の後始末、妖怪の救出は仲間に任せるとするぜ




(「陽の光は、私には……」)
 空をちらりと見上げてのち、如月・上弦(f27945)は厭うように目を逸した。
 宵闇を失ったこの世界は、あまりにも眩しすぎて。
 先へ先へと進む程に、生の気配も光に呑まれ薄くなっていくかのよう。
「一人でも多く……救ってみせます」
 己が手で必ず成し遂げんと、エルザ・メレディウス(f19492)は拳を握る。
 誰もいない宴の席など、住まう者がいない地など寂し過ぎるから。
 滅びかけた世界の有様は、一つの領地の長としてのエルザの胸を打つものがあった。

 ――……すけて。

 二人の女性を現へと引き戻すは、助けを求める微かな声と。
「俺が先陣を切る。背中は任せるぜ!」
 久遠寺・遥翔(f01190)が信頼込めて、仲間に呼びかける勇ましき声。
「焔黒転身(フレアライズ)! 焔黒騎士フレアライザー、参上!」
 焔黒剣を鎧装と成した黒衣の英雄が今、空へ。

 *****

「天より降り注げ、浄化の焔ッ! 天焔弾(コスモスフレア)ッ!!」
 先手必勝。
 フレアライザー・ヘヴンにモードを切り替え、空より黄金の炎を放つ。
 迫りくる麒麟の群れを焔が飲み込んだ、刹那。
 ごうっと苦しげな咆哮とともに、反撃の雷が遥翔を目掛けて放たれる。
「……っと! こいつは間違いない」
 ほぼ隙間なく飛び交う雷をぎりぎりで躱す青年の脳裏に浮かぶは、故郷で馴染みのゲームのジャンル。
 弾幕シューティング。
 襲い来る弾は画面の向こうのそれより速いが、攻略の要領はコントローラーを握っている時とまるで変わりない。
 強いて違いを挙げるならば、ゲームとは違って戦場にはオプションもボムも無い。
 その代わり、もっとずっと頼もしき者――共に戦う仲間がいる。
「余所見は、いけませんよ」
 一閃。
 空へ伸びる雷の帯が薄くなる。
 紅色の刃を構え直すエルザの目の前で、麒麟どもの形がぐにゃりと崩れ――。
「……ぷはぁ!」
「たすかったぁー!」
 骸魂より解放された、鱗持つ人妖たちがてけてけと逃げてくる。
 あちらへ、と逃げ道を指し示して。
 女騎士は再び、喰霊刀を手に敵へと切り込んでいく。
 己へと注意を引きつけることで、仲間へ、救い出した者へ。奴らが牙を剥くことがないように。
 エルザの背を追って加勢せんとするは、戦闘態勢を整えた上弦だ。
 その身に宿した黒炎を解き放ち、空へ上がらんと――。
「待って!」
 地を蹴リ駆けた瞬間。エルザに誘導され逃げてきた妖怪の一人が上弦を引き止め必死に請うた。
「友達のこともね、助けて欲しいの」
 曰く。
 骸魂に食われた“友達”は一人だけ麒麟とは化さず、ほとんど元の姿を保っていると。
 代わりに、色こそ違うが上弦とよく似た炎の力が新たに宿り。
 まるで力を誇示するかのように、世界を照らしているのだと。
「尽力させて頂きます」
 妖怪に頷いてのち離れているよう促し、今度こそ黒き不死鳥は空に上る。
 白に塗り潰された世界の中で、黒き翼が上弦の存在を示す。
 柔らかな月光を取り戻すべく。
 骸魂に滅びを、傷ついた者に再生を。
「墜ちてなお、この炎は――」

 黄金の炎が揺らめく中、紅と黒とが彩を添える。
 声を掬い上げたその後は。
 いざ、最後の一人を助けに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『フェニックスドラゴン』

POW   :    不死鳥再臨
自身が戦闘で瀕死になると【羽が燃え上がり、炎の中から無傷の自分】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    フェニックス・レイ
レベル分の1秒で【灼熱の光線】を発射できる。
WIZ   :    不死鳥の尾
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【炎の羽】で包囲攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●永久の停滞
 不思議なほど静かだった。
 猟兵たちが辿り着いたのは、一面が白に塗り潰された場所。
 其処には何があったのか、其処に誰が生きていたのか。
 何も、何もわからない。
 何も無い世界の中心に、たった一つの人の影。

『汝ら、何用……いや、愚問か』
 紅白の衣の少女が纏うは、厳かで清浄な雰囲気。
 敏感な者であれば、彼女が神の類であることを察せられるであろう。
 ここまでに遭遇してきた妖怪たちよりも、明らかに高い力を持つと。
『猟兵の成すべきことなど、一つ。我を狩りに来たのだな』
 少女が呟く言の葉は、明らかに敵対の意を秘めたもの。
 即ち、彼女こそが。
『笑止! 我は不死鳥。永久の生命の具現なり!』
 全ての元凶たるオブリビオンだ。

 ぶわり。
 少女の身体を炎が包む。
 巨大な鳥を象った其からは、妖怪たちを囚えていたのとよく似た気配。
『我が死すなど、有り得ぬこと。永久の存在たることを、今こそ証明してみせようぞ』
 邪な笑みとは裏腹に、少女の瞳は哀しげなもの。
 不死鳥の炎が揺らめいた刹那――口元だけが確かに動いた。

 ――た・す・け・て。

 *****

 少女の意識はまだ生きている。
 不死鳥の骸魂を弱らせ引き剥がすことができれば、救い出すことも叶うだろう。
 過去を討ち、未来を守れば、止まった時もきっと動く。
ナナシ・ナナイ
おーおーいたいけな少女に取り憑くなんてええ趣味しとるな。
それにしても不死鳥ねぇ…奇遇やな、わいもなかなか死なないことにおいては自信があるんや。

UC『死なない男』を発動、超近距離に近づいて突撃銃型アサルトウェポンを骸魂に突き付けぶっ放す!
「自分も死なないちゅうんなら避ける必要あらへんよなぁ?」
相手が復活するたびに繰り返すで!(【零距離射撃】【スナイパー】【言いくるめ】【挑発】)

わいと自分、どっちが先にくたばるか試してみぃひん?




「おーおー。いたいけな少女に取り憑くなんて、ええ趣味しとるな」
 ナナシの言葉にも、彼の構える無骨な突撃銃にも。オブリビオンは表情ひとつ変えることはない。
『少女の姿に化身こそすれ、この身体は竜神ぞ? 永久の存在たる我の……不死鳥の器に相応しかろう?』
 己の在り方に、取り込んだ少女の――竜神の力に。絶対的な自信を持っているらしい。
 されど。
「そっかそっか。不死鳥ねぇ……奇遇やな」
 それは青年にとっても同じこと。
「わいもなかなか死なないことにおいては自信があるんや」
 ナナシが飄々と呟いた、次の瞬間。
 鈍い銃撃音に続き、オブリビオンの身体が炎に包まれた。
「自己紹介を忘れとったで。わいの名前は──」

 *****

 ナナシ・ナナイは傭兵である。
 各地を流れ歩く中、数多の命のやりとりをした。
 それでも、彼は未だ生きている。
 死なない男――それが、名に込められた彼の在り方。

 *****

 突き付けたはずの銃口の先から、ナナシに向かって細い腕が伸びる。
『小癪な』
 炎の中から出づるは、まるで無傷の少女の姿。
 青年の腕を取ったかと思うと、人非ざる怪力で高く高くに放り投げる。
 腕が妙な方向に曲がるか、それとも落ちた衝撃で骨が折れるか。
 普通の人間であれば、深手は免れなかったであろうが。
 地に身体が触れる刹那、ナナシはくるりと受け身を取って。
「――言ったやろ?」
『……っ!?』
「なかなか死なないことには自身があるって」
 即座に、敵との距離を再び詰めていた。
 まるで何事もなかったかのように、飄々とした態度のままに。
「自分も死なないちゅうんなら、避ける必要あらへんよなぁ?」
 挑発を添え、不死鳥へ鉛玉を贈る。

 銃が火を吹くたび、不死鳥は蘇り。
 炎に焦がされるたび、青年は立ち上がる。
「わいと自分、どっちが先にくたばるかなぁ?」
『……上等』
 繰り広げられるは、命懸けの根比べ。
 己の在り方に、絶対的な自信をもつゆえにできること。
 創り上げた無敵の身体を武器に、青年は挑み続ける。

成功 🔵​🔵​🔴​

千々岩・弥七
なにようって聞かれたら、答えてあげるのが正義の味方!(ビシッと格好いいポーズ!)
おねいさん、あなたを助けにきました!
だいじょぶです!
火はちょっとこわいですが、ぼくは正義の味方ですから…!(震え)

両手でほっぺをぺちんぺちんして気合をいれるです!
変身!【骸合体「ヤマタノオロチ」】!!
おねいさんを助けるためなら、貯蔵した甘酒くらいおしくないですよ…!(涙目)

『フェイント』で敵をけんせいするです!
ヤマタノオロチの首の内、半分くらいをあっちこっち動かして注意をそらして
残りの首でちょいちょい攻撃して『破魔』するです
弱った時がちゃんす!『除霊』ですー!
おんなのこは泣かしちゃダメってととさまが言ってたですよ!




 目の前で炎が燃え盛る。
 きっときっと、このままでは全部焦がして無くしてしまう。
(「……こわい」)
 まだ幼い弥七が恐怖を覚えるのも当然であろう。
 美味しいご飯を作ったり、寒い時に暖を取ったり。
 生まれてこの方寄り添ってくれた、あたたかで優しい其とはまるで違う顔をしているのだから。
 されど。
(「ちょっとこわい、けど」)
 少年はぺちんと両の手で頬を叩き、身体の震えを抑え込み。
「おねいさん!」
 たたっとオブリビオンの前まで駆けていって。
「あなたを助けにきました!」
 耳も尻尾もぴんと伸ばし、堂々と啖呵を切ったのだ。

 *****

 千々岩弥七は正義の味方だ。
 悪を挫き、守り、更生への道へと引きずり込む。
 そんな在り方に憧れる、齢六歳の狸妖怪だ。
 知らないことはたくさんあって、できることはまだ少ないけれど。
 最初の一歩を踏み出すには、憧れとほんの少しの勇気で十分だった。

 *****

 ぎろりと睨め付けてくる不死鳥に負けじと、弥七はとっておきの術を繰り出す。
「変身!」
 どろん。
 もわりと煙が立ち込めて、するすると形作る影は。
「おねいさんをたすけるためなら、とっておきの甘酒くらいおしくないですよ……!」
 山神にして水神とも見なされる巨龍。
 逆鱗の位置に弥七の身体を据え、八岐大蛇が不死鳥に牙を剥く!
「いくです!」
『……小童が』
 ごおっと吠えて迫る首に対し、不死鳥が繰り出すは灼熱の光線。
 じゅうっと焼ける音がして、大蛇の首の半数程が煙を上げて消し飛ぶが。
「かかったですね!」
 それは弥七の策のうち。
 煙で死角となった方から順々に、残る首にて総攻撃!
 化けるも化かすも、狸にとってはお手の物だ。
「おんなのこは泣かしちゃダメって、ととさまが言ってたですよ!」
 除霊の力と想いを込めて、正義の味方は龍の牙を振るう。
 少女を囚える悪を討ち果たし、助けを求める声に応えるため。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セシリア・サヴェージ
白光の先にあるのは無……ですか。一刻も早く闇黒を取り戻す必要がありそうです。

飛来する炎の羽の全てを避けるのは難しいでしょう。
【多重詠唱】により幾重にも重ねた【オーラ防御】を展開することで突破を防ぎつつ、ただひたすらに攻撃が止むのを待ちます。

攻撃の手が緩んだ時が勝負です。【切り込み】で一気に距離を詰めてUC【純黒の終撃】で攻撃します。
相手は不死鳥。一撃で倒せないのなら何度でも剣を振るいます。
その度に白は黒に染まり、戦いも有利になることでしょう。

攻撃を繰り返すことで不死鳥の力が弱まれば、骸魂と囚われた者とを引き離すことができるかもしれません。
絶対に諦めません。なんとしてでも救出します。


花澤・まゆ
…大丈夫、助けてみせるよっ

【破魔】の力を込めた符を敵へと投げつけ
まずは骸魂の弱体化を
何枚も投げて、少しでも弱らせるように

弱ってきたと思えたところで
UC使用、一気に骸魂と少女を切り離すっ
痛いかもしれないけど勘弁してね
一瞬で終わらせるから

あたし一人の力じゃ無理だってよくわかってる
…あたしは、まだ弱いから
でも、死なない存在なんてあり得ない
だから、あたしは何度でも立ち向かうよ
骸魂から助け出せるときまで

アドリブ、絡み、歓迎です




 己が存在を否定せんとする猟兵に業を煮やしたか。
 もしくは、敗北の気配を察して焦りを覚えでもしたのであろうか。
 不死鳥の平静が崩れ始める。
『嗚呼、煩わしい!!』
 オブリビオンの激情に乗せ炎の翼が羽ばたけば、数多の火の粉が舞い散って戦場へと放たれる。
 其は不死鳥の尾の如く、幾重にも連なって。
 孔雀の目玉模様にも似た弾幕を描きだし猟兵を襲う!
(「逃げられないっ!?」)
 白き翼を震わせたまゆであったが。
「動かないで」
 刹那、青い瞳がセシリアの背中を映す。
「必ず守りますから、機を伺って」
 囁いてのち、唱えるは闇を呼ぶ言霊。
 足元から染み出すように黒いオーラが広がって、二人の猟兵を包み込む。
『足掻くか。だが、何時まで耐えられる?』
 不死鳥が喉の奥でくつくつと笑えば、弾幕が闇の守りを崩さんと迫りくる。
 人ひとりが逃れる隙間もなく飛び交う光。
 防御を選んだセシリアの判断は正解であった。
 反撃の狼煙を上げるための時を稼ぐことができたのだから。
(「猛攻が止むまで、耐えてみせます」)
 じわりじわりと侵食してくる光を、闇の力で押し返しながら暗黒騎士はふと思う。
(「白光の先にあるのは無……ですか」)

 *****

 セシリア・サヴェージは暗黒騎士である。
 闇に閉ざされた世界に光を取り戻さんがため、戦い続ける気高き者だ。
 されど、其は目的。彼女の行動原理は。
 “弱き者を護るための剣となり、盾となる”
 闇と光が置き換われども、助けを求める声は止まない。
 ならば戦おう――救うために。

 *****

 闇に抱かれ守られる中、まゆは霊符を手に目を凝らす。
 光の弾幕が押し寄せる様は、恐ろしく感じても良いはずなのに。
(「綺麗……」)
 此処からはまるで、満天の星空のようにも見えるのだ。
『……諦めの悪い奴らめ』
 星空の向こうで、不死鳥が猟兵を嘲笑っている。
 しかしながら、邪悪に歪んだ表情と裏腹に瞳だけは哀しげなもの。
 まるで怯えるような、縋るような。
 不死鳥の其ではあり得ぬ感情が伝わってくる。
(「そこに、いるんだね」)
 竜神の少女の存在を感じたと同時。
 見えた。
 弾幕を縫う僅かな隙間、きっときっと届く距離。
「大丈夫――」
 願いを込めて、符を放つ。
「――助けてみせるよっ」

 *****

 花澤まゆはオラトリオだ。
 生まれ落ちた世界にて、生まれ持った翼と花を理由に捨てられた。
 一人で過酷に生きてきた。
 独りの限界もよく分かる。
 ゆえに、彼女は手を伸ばす。
 ひとりで泣く子を、けして放ってなどおけぬから。

 *****

『……ぐ、あっ!?』
 霊符が溶けるように炎の中に消えれば、不死鳥が苦しげに呻き声をあげる。
 規則正しかった弾幕は散開し、敵の元へ続く道が生まれる。
 好機。
「今だよっ!」
「ええ!」
 刀を、剣を。各々握って猟兵たちは駆け出した。
「痛いかもしれないけど、勘弁してね」
 桜の香りをふわりと纏い、まゆが放つは斬撃波。
 残る弾幕ごと蹴散らし、オブリビオンの身体に届いた――刹那。
『我は、死なぬ!』
 ごうっと炎が勢い増して、無傷の少女が現れる。
 そこに。
「終焉に導くまで、諦めませんよ」
 叩き付けられるはセシリアの暗黒剣。
 その重い一撃は、普通のヒトであればひとたまりもないであろうもの。
 まともに食らってなお、不死鳥は食い下がる。
『我、は……永遠の』
 斬られては蘇り、断たれては蘇り。
 終わりが見えぬとも思える攻防の応酬。
 しかし少しずつ闇が広がって、僅かながら光に呑まれていた景色が見え始めている。
 永遠など、此処にはないのだ。
「絶対に諦めません。何度でも、なんとしてでも」
「立ち向かうよ。助け出せるときまで」
 竜神の少女の瞳から、雫が落ちた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カマル・アザリー
アドリブ可
道に迷っていたら遅れてしまいました……夜と聞くと何故か放っておけませんし、炎を使う相手となれば私も対抗しましょう!一人でも頑張りますよー!

とても速い光線については飛翔して回避しましょう。間に合わない分は翼の部分で受け止めてしまえば同じ熱、痛みもありません。
こちらも炎を飛ばして牽制をして何らかの隙が生まれた時点で拘束する炎を放ちましょう!
相手も炎を使うのであれば長く拘束するのは難しいと思いますので私自身が直接拘束します。そしてそのままフリーフォールです!一緒に落ちましょう!

あぅー、頭から落ちました……目が回りますぅー……




 満ちていた光が少しずつ薄れ、景色の輪郭が見え始める頃。
(「間に合いました……!」)
 事件の報せを聴き付けたカマル・アザリー(f16590)が戦場へと辿り着いた。
 膝を付いていたオブリビオンが、金髪の娘を睨め付ける。
『……ちっ、新手か』
 ごうっと音を立て、大きく翼を広げる不死鳥の炎。
 されど燃え盛る勢いと裏腹に、骸霊の気配はだいぶ弱まっている。
「もう少し、ですね。頑張りますよー!」
 微笑みとともに決意を言葉に。
 向けるは己と、龍神の少女に。
 少女の瞳に輝きが見えた、刹那。
『認、めぬぞ』
 頭を振るオブリビオン。少女の身体の主導権は、未だ敵の手の内だ。
『我は、永久に在り続けるのだ!』
 オブリビオンの翼より、灼熱の光線が放たれる――。

 *****

 カマル・アザリー(f16590)はランプのヤドリガミだ。
 自我が芽生えて、まだ日は浅い。
 己について確かなことは、金物としての特性を残していること、魔術に長けていること。
 そして、月が好きなこと。
 夜が失われたと聴いてどうしてか、いても立っていられなくなったこと。

 *****

 歪な光に呑まれてしまう前に。
「……行きます!」
 強く地を蹴ったカマルの背には、魔力の具現たる赤き炎翼。
 飛翔して光線を回避しつつ、高速で敵との距離を詰める。
 攻撃が掠めたか、時おりじゅうっと焼けるような音がするが。
 それでも、娘は止まらない。
「熱と熱、炎と炎。勝負です!」
 炎の渦でぐるりと敵の身体を覆って。
『なっ……汝、何を!』
 そのまま抱き抱えたかと思うと、真っ直ぐ上空へ飛び上がる!
 高く。
 高く。
 高く。
 昇って、くるりと下向きに。
 正確な高度は分からぬが、天の色は青かった。
『やめ――』
「一緒に、大地まで帰りますよ!」
 落ちる。
 落ちる。
 落ちる。
 着地、轟音、砂埃。
「あぅー……目が回りますぅー……」
 くらくらする視界に映るは、形を失いつつある不死鳥の炎。
 そして、何処か見覚えのある三人の猟兵の影。

成功 🔵​🔵​🔴​

エルザ・メレディウス
◆メレディノポリスで参加を
アド◎

★オリンポスの祝福を使用します
『演説内容』:メレディウスの騎士たちよ。この世界を救うために、いざ共に進みましょう...!

オリンポスの祝福を仲間達へと付与したらまずは久遠寺君に先行して頂きます。
久遠寺君が眠ってしまったところで、敵目掛けて、槍投げを。敵の攻撃の的を私へと誘惑します

残像を使用して、相手には数が増えたように見せかけながら、白王で斬撃を繰り返します。囮として、相手の目を惹きつけながら如月さんの奇襲が成功するように工夫致します

...如月、あなたの黒く染まった炎が、この白の世界を照らし出す光だから。どうか、あなたの手で、彼女を救ってあげてください...


如月・上弦
※メレディノポリスで参加
 アドリブ大歓迎

永久の生命を持つ者が過去へと堕ちる━━
その無念は分かります
ですが、白の世界に黒を取り戻す為
かの妖より託された願いの為、燃え堕ちて頂きます

囮役はエルザさんが、攻撃役は久遠寺さんが担ってくれています
なれば私の役割は弱った骸魂を焼き払い、傷ついた少女を癒す事
黒き炎を纏い、時が来れば前に出ましょう

傷ついてなお勢いを増す炎、その手の中は読めています
瀕死状態で現れる新手は多重詠唱の結界術で動きを封じましょう
稼げる時間はそう多くはありません
攻撃は火炎耐性で凌ぎ、彼女の身体を抱きしめ燃やします
骸魂には滅びを、妖には再生を
墜ちた炎であれど、未来を照らす事は出来るはずです


久遠寺・遥翔
メレディノポリスから参加
アドリブ歓迎

俺が奴の炎を上回るにはあれを使うしかない
UCで一時、原初の焔の魔神イグニスと化す

「笑わせてくれる。我も貴様も共に"忘れ去られた"もの、
既に滅びこうして何かに憑りつくしか永らえる術もない。
まさに永久の対極よな」

剣の焔が尽きるまでの間
敵の炎は【火炎耐性】【オーラ防御】で防ぎ
さらに【生命力吸収】で自らの内に取り込み糧とする
【カウンター】【2回攻撃】で相手の再生を上回る速度で骸魂だけを【焼却】し尽くす
「貴様如き鳥の火遊びではない、真なる焔を見せてやろう。ほんの一時だ、耐えて見せよ」

長時間は保てず眠りに落ちるが後は二人に任せるぜ
上弦なら、今なお生きる不死鳥ならやれるさ




『――ッ!!!』
 声なき声を上げるオブリビオン。
 弱まった炎が急激に、激しく激しく燃え上がる。
 骸霊が得た仮初の命は尽きかけ、最後の輝きを放つ。
 もはや不死鳥の形を保つことすら危うくなろうとも。
(「だからこそ、油断ならねえな。……アレを使うしかないか」)
 漆黒の兜の内で、遥翔はすっと瞳を細める。
 敵も決死の様子、炎の勢いは最大――上回る力を以て、助けを求める手を取るには。
「俺が先行する。二人とも、後は頼むぜ」
 青年の覚悟を決めた声に、エルザと上弦が頷いたのを見届けて。
「更なる同調を。完全融合術式・真焔(コード・イグニス)」
 解き放つは、対峙する者と同じ骸魂の力。

 *****

 久遠寺遥翔は焔黒の騎士だ。
 ごく普通の家庭に育ったが、望んだわけでなく力を手に入れてしまった。
 単なる偶然か、それとも必然だったのか。
 何れにせよ、彼は己が運命を嘆かない。
 力を持った責任を果たすが、正しき道だと思うから。

 *****

「メレディウスの騎士たちよ。この世界を救うために、いざ共に進みましょう……!」
 エルザの凛とした声に背を押され、遥翔は剣を手に踏み出した。
『我は、永久、の――ッ』
 壊れた機械の如く妄執の言葉を吐きながら、不死鳥は灼熱の光線にて猟兵を近づけんと試みる。
 されど。
「笑わせてくれる」
 悠々と躱して距離を詰める遥翔――否、今はイグニスであろうか。
「我も貴様も共に"忘れ去られた"もの」
 黒鎧の内に不死鳥の炎を喰らいながら、騎士は剣を振り上げて。
「貴様如き鳥の火遊びではない、真なる焔を見せてやろう。ほんの一時だ、耐えて見せよ」
 斬。
 一閃ののち、再生より速くもう一閃。
 撃ち込むまでが、限界。
「既に滅び、こうして何かに憑りつくしか永らえる術もない。まさに、究極、の」
 永久の対極であると。
 己と不死鳥の在り方に想うところを呟いて。
 真焔の力は尽き、遥翔の意識はそこで途切れた。
『我は、我は――ッ!!』
 再生の炎の内より、狂乱の声とともに凶刃が出づる。
 崩れ落ちた青年めがけて伸ばされた炎の爪は。
「仲間はやらせませんよ」
 エルザの投げた槍に穿たれ、寸前で掻き消されたのだった。
「貴女の相手は、私です」

 *****

 エルザ・メレディウスは騎士として生きてきた。
 その道は栄光のみならず、身も心も引き裂かれるような事もあった。
 復讐の炎は、未だ心の内に滾っている。
 それでも、救うために前へ進む。
 その在り方は、違えない。

 *****

 ぱっと跳んで距離を取ろうとする不死鳥を、エルザは逃さない。
「騎士たちよ、いざ!」
 喰霊刀―白王―を手に追撃をかける女騎士には、数多の人影が続く。
 其はエルザが作り出した残像に過ぎなかったのだが、仲間を鼓舞する声も合わせ、オブリビオンの目にはあたかも軍勢が押し寄せたかのように見えた。
『――ッ!』
 必死の形相で炎の翼をはためかせる不死鳥。
 途切れぬ斬撃にて追い詰めるエルザ。
「どうか、あなたの手で、彼女を救ってあげてください」
 猛攻の合間、女騎士が息を継ぎながらオリンポスの祝福を与えるは。
「あなたの黒く染まった炎が、この白の世界を照らし出す光だから……如月!」
 全ての準備を整えた仲間――黒き不死鳥へと。

 *****

 如月上弦は堕ちた妖だ。
 力は衰え、宿した炎は黒に染まって輝きを失っている。
 されど光が強すぎる世界において、闇は導と成り得るもの。
 夜を、己を取り戻せ。
 如月上弦は、不死鳥だ。

 *****

(「エルザさん、久遠寺さん……」)
 束の間、目を閉じ、仲間の顔を心に焼き付け。上弦は再び目を開けた。
 視線の先には、揺らめく眩い炎。
 其はもはや、ほとんど不死鳥の形を成していないけれど。
(「永久の生命を持つ者が過去へと堕ちる――その無念は分かります。ですが」)
 想い馳せるは、骸霊へ。
 鏡写しのような存在へ。
「白の世界に黒を取り戻すため、かの妖より託された願いのため」
 己が意志は言葉へと変え、贈る。
「燃え堕ちて頂きます」
 黒き不死鳥が翼を広げる。
 深い深い闇の色が、光を切り裂いて力強く羽ばたく。
 眩い炎を抱き込むように包み込んで、そして。
「墜ちてなお、この炎は燃え上がる……滅びと、再生を“貴女”に」
 “少女”の身体を己の腕で抱きしめる――。

 *****

 古ぼけた建物、立派な神木。
 光が晴れ、戦場となった地は神社の境内としての景色を取り戻す。
 そっと寝かされた龍神の少女は。
「あり、がと」
 小さく笑って、猟兵たちに礼を言う。

 遠くから聴こえるは、妖たちの歓声。
 青い空が少しずつ黄金に染まって。
 そして、やがて夜が来る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『幽世の月見』

POW   :    郷愁に浸りつつ、月を愛でる

SPD   :    旅愁を覚えつつ、月を愛でる

WIZ   :    哀愁を感じつつ、月を愛でる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●時は巡りて
 涼やかな風が吹けば、湿った土の匂いが届く。
 闇夜を見上げればそこには、まんまるのお月様。

 *****

「ではでは、宴を始める前に……アヤカシ十七条、その九条!」
「「「お酒はハタチになってから!」」」

 神社境内に敷かれた茣蓙の上には、妖怪たちが持ち寄ったご馳走がずらり。
 色とりどりの夏野菜に鮎の塩焼きといった、自然の恵みの数々のみならず。
 どこから持ってきたのやら、ノズタルジックな駄菓子まである。
 ででんと積まれたお月見団子は――。
「呑むぞー!」
「食べるぞー!!」
「おかわりもあるぞー!!!」
 あれよあれよと言う間に、食いしん坊たちのお腹の中。

 飲んで食べて、歌って踊る。
 久しぶりの夜にはしゃぐ妖怪の輪の中には、すっかり元気を取り戻した龍神の少女の姿も。
 みんなみんな、笑っている。
 この穏やかな時間こそ、猟兵たちが取り戻したもの。

 深い色の空に抱かれ、月は静かに輝くのみ。
 さて、幽世での一夜をどう過ごしたものだろう?
セシリア・サヴェージ
骸魂に囚われていた妖怪の皆さんをお救いすることができて何よりです。
滅亡の危機は去り、こうして皆で夜を迎えられたことを喜びましょう。

妖怪の皆さんは私を見ても怖がるどころか、積極的に話しかけてくださいます。
……皆がそうだと私も嬉しいのですが。ともかく、ご招待にあずかったのですから今宵は日常を忘れて楽しみましょう。

故郷の空は常に厚い雲に覆われていた為、夜でも月を見ることはできませんでした。
ですが……月を愛でるというのは良いものですね。いつかこの幽世の月を思い出しながら、故郷の月を愛でる事が出来る日を楽しみにしておきましょう。




「おねーさん、これおいしーよ!」
「お酒、のむ?」
 わらわらわら。
 妖怪たちがセシリアを囲む。
 骸魂より救い出された者も、そうでない者も。押し合いへし合いしながら次々と話しかけてくる。
 そのあまりの無邪気さに、初めこそ戸惑い気味であったセシリアも。
(「……今宵だけは、日常を忘れて」)
 いつしか瞳を和ませて、穏やかな心地で皆に応じる。
 互いの存在が新鮮だ。
 妖怪たちにとっては、自分を認識してくれるセシリアが。
 セシリアにとっては、自分を恐れない妖怪たちが。
「ね、ね。あのかっこいいのやってー!」
「かっこいいの、とは?」
「剣から黒いのぶわって出すやつ!」
 手にした木の棒を剣に見立ててはしゃぐは、二又尻尾の黒猫と烏の翼持つ幼子。
 暗黒騎士を、月光が優しく照らす。

 *****

 宴もたけなわ。
 夜はこれからとばかりに酒を楽しむ者もいれば。
「すー……」
「このいちげきで……ぐぅ」
 はしゃぎ疲れて夢の中へと旅立つ者も。
 己の膝の上で寝息を立てる黒猫と烏を優しく撫でて、セシリアはふと空を見上げる。
(「……月を愛でるというのは、良いものですね」)
 いつかきっと、故郷の空を晴らして。
 今宵の月明かりのように、優しき光を取り戻さん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナナシ・ナナイ
宴やで~!!今日は食いまくり飲みまくりや!!どんどん持ってきて~!
いや~何がいいって一番はタダで食い放題飲み放題ってことやな!
おっ、それ酒に合いそうやな。もらいっと。あれもええなぁ。…全部食うか。



も、もう食えへんし、飲めへん…横になろ…明日は二日酔い決定やな…。
…それにしても綺麗な月や。




「宴やで~!!」
「せやで~!!」
「呑むで~!!」
 宴が始まって早々、ナナシは妖怪たちの輪に完全に溶け込んでいた!
「どんどん持ってきて~」
「おうよ! お兄さん、良い食べっぷりだねぇ」
「せやろ?」
 今宵はタダで食い放題の飲み放題。
 ここは天国? 楽園? いいえ、幽世です。
「おっ、それ酒に合いそうやな。もらいっと」
「あら、お目が高いね。サワガニに衣をまぶして油でからっと揚げた、あたいご自慢の一品さ」
「お兄さん、お野菜も採るのよ? このフキの和え物も召し上がって」
「それもええなぁ……よっしゃ、全部食うか」
 存分に食べては飲んで。
 歌って踊って、また食べては飲んで。
 さてさて、宴もたけなわですが――。

 *****

「も、もう食えへんし、飲めへん……」
 健啖なナナシも、流石に大の字に倒れ込んだ。
「明日は二日酔い決定やな……」
 とほほと言った様子で呟くも、その表情は何処か幸せそうでもある。
 青年の頭上、空高くでは。
「……それにしても、綺麗や」
 夜闇の中、月が静かに輝いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花澤・まゆ
一人でお月見は寂しいもの
レイラさん、お忙しいところ恐縮だけど付き合ってもらえないかな?

賑やかな場からちょっとだけ離れて
お茶とお月見団子は二人分もらっておきます
まんまるお月さまを眺めて

綺麗だねえ
やっぱり夜があるって素敵だねえ
ちょっぴりしみじみ

お茶を一口飲んで、忘れてね、と前置きしてから
「正直ね、力不足を痛感したんだ」
みんなで助けられればそれで十分
でも、あたしには力が足りない
もっともっと助けられるようになりたい
だから、頑張るね

お月見団子、一口で頬張って笑ってみせて
幽世の月に、誓います

アドリブなど歓迎です




 どんちき騒ぎの中心から少し離れて。
 月明かりに照らされるは、お茶とお団子が二人分。
 並んで座るは、同じ年頃の少女が二人。
「綺麗だねぇ」
「ええ、本当に」
 極上の月夜を楽しむにも、一人では少うし寂しいと。
 声掛けたレイラ・アストン(f11422)と共に、まゆは空を見上げていた。
 ふわりと優しく地に落ちる月光は、夜闇に浮かんでいてこそ映えるもの。
「やっぱり夜があるって素敵だねえ」
 しみじみと呟いて、お茶を一口啜れば。
 感じるは、程よい旨味と苦味。
「その、今から話すこと……忘れてね」
 思わずまゆが零すは、胸の内。
「正直ね、力不足を痛感したんだ」
 猟兵みんなの力を合わせて助けることが叶うなら、きっとそれで十分なのだろう。
 されど。
 もっと自分が強かったら?
 もっと力を持っていれば?
「もっともっと、助けられるようになりたい。だから」
 頑張るね。
 幽世の月に誓いを述べて。
 お団子をぱくりと一口で頬張り、笑って見せれば。
「憶えているわ」
 交わる視線の色は、青。
 レイラが真っ直ぐにまゆを見ている。
「貴女が夜を取り戻してくれたこと。これからも、何処かで誰かを助けるために戦っていること」
 憶えているから。
 返される言葉と笑顔。
 月見団子はほんのりと甘かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千々岩・弥七
んふふー、カクリヨに平和がおとずれたのです
正義の味方はひっそり去るのがいいのかもですが…
ごちそう…(ちらっ)
おだんご…(ちらちらっ)
ちょ、ちょっとならいいですよね!
お土産にお団子ちょっと貰って手拭に包みます

あとは…さしいれっ(気合!)
おいしそうなすももを持っておねいさん達のところへ
びじんさんキンチョーするです…(そわそわもじもじ)

ひとつは龍神のおねいさん
きっと怖かったから、もうだいじょぶですよって渡します

もうひとつは…お空のおねいさん(レイラさん)
髪はお月さまで、おめめは晴れたお空みたいです
カクリヨの危機を教えてくれて、ありがとございましたって渡します

僕もすもも食べます
んふー!勝利の味ですよ!




 前回までのあらすじ。
 猟兵たちの大活躍で、カクリヨに平和が訪れたぞ!
 そして、正義の味方はクールにひっそりと去――。
「ごちそう……」
 ちらっ。
「おだんご……」
 ちらちらっ。
「狸のチビちゃんもおいでー!」
「飲み物も冷えてるよぉ」
 妖怪たちがにこにこ笑って弥七を呼んでいる。
「ちょ、ちょっとならいいですよね!」
 正義の味方には、平和を楽しむ時間も必要なのだ。

 家族へのお土産に、お団子を手拭いに包み終えてのち。
「あとは……さしいれっ」
 きりっと表情を引き締めて、弥七はよく熟れたすももを取り出す。
 その一つは、龍神の少女へと。
「もうだいじょぶですよ」
 骸魂に囚われて、きっと怖かったことだろう。
 元気付けようとの弥七の想いは少女に届き。
「助けてくれて、ありがとうね」
 ほわりと優しい笑顔となった。

 また一つは、グリモア猟兵のレイラへと。
「カクリヨの危機を教えてくれて、ありがとございました」
 ぺこりとお辞儀した小さな手から、そっとすももを受け取って。
「こちらこそ。カクリヨを救ってくれてありがとう」
 月に似た色の髪の下、晴空の瞳が穏やかに笑んだ。

 *****

「ふー、びじんさんキンチョーしたです……」
 妖怪たちの輪を抜け、ほっと一息。
 残ったすももをひと齧りすれば、尻尾がぱたりと嬉しげに動く。
「んふー! 勝利の味ですよ!」
 今宵のお土産話も、持って帰ろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エルザ・メレディウス
◆メレディノポリス
アド◎絡み◎
★お酒と一緒に宴へ:ほろ酔い状態で
皆様達に囲まれて、月を見上げます

かつて見上げた月は、私に過去を鮮烈に思い出させるばかりでした
でも、カマルと出会って月が少しだけ好きになれて。。。
今は、こうやって、久遠寺君や如月さんもいる。それに私たちを心から歓迎して、祝ってくれてる妖怪達もいる
...今は、月も夜空も暖かい


雑談
スイーツ
駄菓子、これも立派なスイーツよね
紹介してくれたものを三人で頂きましょう。
...うん、どれも懐かしくて美味しい味です

学生生活
留年...実は私も騎士学生時代に留年の危機にあったのは秘密です

・感情:愛情のフレンドがいたら、一緒に月光の下でダンスを提案致します


久遠寺・遥翔
メレディノポリスから参加
アドリブ歓迎

あー、酒飲めていいなぁ!
俺はまだあと1か月待たないと飲めないんだよな…
飲んでるからか皆いつもより少しテンション高いな
ま、それならそれで俺なりに楽しむだけさ

エルザさんに聞かれたが学生生活かぁ。やっぱこんな生活してると出席はギリギリよギリギリ
勉強自体にはまぁついていけてはいるが留年してるんだから当たり前だよな

駄菓子か。まぁスイーツって言っていいんじゃね?
駄菓子なら俺は棒状スナックのコンポタ味が至高だと思うね
…いや、さすがに甘くないしスイーツって言うのは微妙か

月を見るエルザさんは何か思う所があるんだろうか
でも今夜はこんなにも月が綺麗だ
何も考えず楽しまなきゃ損だぜ


如月・上弦
※メレディノポリスで参加
アドリブ大歓迎

ああ、今夜は満月だったんですね
柔らかな月光に、優しく身を包む闇
この上、宴もあるとは、楽しい一夜になりそうです

月を見ながら美酒を頂き、皆さまと楽しく語り合う
それに、ご馳走も沢山あるとは至れり尽くせりですね
(酒は程々に、馳走はたっぷりと頂きます)
スイーツかと言われると微妙ですが、
駄菓子ではカップに入ったヨーグルトの様なものや、
自分で材料を練ってつくるものなどが好きですね
エルザさん、久遠寺さんもお一つどうですか?

本当に楽しい宴ですが、如何に楽しい一時であると、いつかは終わらなければいけませんね
落ちぬ陽が無いように、明けない夜が無いように
だから皆さま、また明日




「ああ、今夜は満月だったんですね」
 夜空にぽっかり浮かぶ月を見つめて、上弦は瞳を和らげる。
 眩くもやわらかな光が照らす皆々の表情は、とてもとても嬉しげで。
「楽しい一夜になりそうです」
 ぽつりと小さく呟いたすぐ傍で。
「あー、酒飲めていいなぁ!」
 遥翔が羨ましげに見つめるエルザは、早くもほろ酔いの様子であった。
「俺はまだ、あと一ヶ月待たないとなぁ」
「ふふ、一緒に飲める日を楽しみに……久遠寺君は今日はお茶、ね? ええと」
 お茶に合いそうなスイーツは、と唇に指先当てて思考を巡らせるエルザ。
 その視線の先には、駄菓子の山がこんもりと。
「……スイーツ?」
「駄菓子か。まぁスイーツって言っていいんじゃね?」
 顔を見合わせ、上弦と遥翔は小さく笑って。
「エルザさん、久遠寺さんも。このカップ入りのお菓子、お一つどうですか?」
「お、ヨーグルト系が好みなのか? ……って、上弦も酒かー!」
「ありがとう、如月さん。久遠寺君のおすすめも教えてくれる?」
「俺? 俺はこの棒状スナックだな。特にコンポタ味は至高だと思うね」
 選び出すはとっておきの逸品。
 会話も心も、弾む弾む。

 *****

 猟兵にも様々な顔がある。
 戦いでの顔、日常での顔。
 話題が行き着くは、遥翔の一面――ひとりの学生としての顔について。
「やっぱこんな生活してると、出席はギリギリよ。ギリギリ」
 彼には力を得た代償に、留年を余儀なくされた過去がある。
「勉強自体には、まぁ。ついていけてはいるけど」
 それでも、肩を竦めながら話す表情に後悔の色はない。
 穏やかに微笑んで、時おり頷きながら遥翔の話を聴くエルザ。
 そんな彼女であるが、騎士学生時代に留年の危機に見舞われたことは当人のみぞ知る。
(「本当に楽しい宴です。……ですが」)
 ふと覚えた寂しさをそのままに、上弦は仲間から外した視線を手元へ落とす。
 ねりねりねり。
 水を加えて練れば練るほど、容器の中の菓子は色を変える。
 はじめは真っ白であった粉状の素に、少しずつ青が混ざり出し。やがては淡い紫へと至る。
 それはまるで、空の色の移り変わりのように。
(「如何に楽しいひと時であれ、いつかは終わらなければいけませんね」)
 時は巡る。
 落ちぬ陽がないように、明けない夜がないように。
「月が、綺麗ね」
 月光に惹かれるように立ち上がったエルザが、風に当たってくると言い残して去っていく。
「何か、思う所があるんだろうかね」
 女騎士の後ろ姿を見送り、遥翔もまた空を見上げる。
 東から南の方へ。いつの間にやら登った月は、相も変わらず美しい。
「いや、今夜は何も考えず楽しまなきゃ損だな」
 喉に流し込んだ冷たい茶は、ほんの少し苦みがあって。
「なあ、上弦。その練る菓子、まだあるか?」
 きっと、甘いものと合わせて味わうにちょうどいい。
 時は巡る。
 今宵の宴の楽しい記憶を、久遠のものとして刻んで。

 *****

 月明かりの下、エルザはひとり目を閉じる。
 浮かぶは遥翔と上弦の顔、出会った妖怪たちの顔。
 今日の戦い、平穏な時間――不思議と胸があたたかい。

 目を開けば、眩いばかりの月。
 その金色の光に過去を見て、胸が締め付けられるようなこともあったけれど。
(「あの子と出会って、月が少しだけ好きになれて……」)

 振り返り、手を伸べて。
「踊りませんか、――?」
 あなたと二人、月明かりの下で。

 *****

 月が沈んで、朝が来る。
 陽が沈んで、夜が来る。
 今日の日は過ぎ去って、未だ見ぬ明日がやって来る。

 時は再び動き出し、幽世の未来は紡がれる。
 それが此度の戦いで、猟兵たちが成したこと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月13日


挿絵イラスト