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突然ですが、世界は滅亡しました(作者 鍼々
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●突然ですが、世界は滅亡しました
 世界が滅び、幽世から武器という概念が失われ、
 そして武器だったものは全て『枕』になった。

●そういう世界なので
「みなさん、カクリヨファンタズムという世界についてはご存知ですよね」
 白い軍服を纏った少女が切り出す。
 するとグリモアベースの景色がゆらめき、現代人にはノスタルジックな印象を抱かせる、木造建築の町並みを映し出した。
 これが過去の遺物で組み上げられたという世界である。
「そこではさっそくカタストロフが起きてしまいまして、世界がピンチなんです」
 なんでも世界から何か一つの概念が失われてしまったのだという。どんな概念か現時点ではまだ不明だが、放置はできない。
「新しい世界と、そして未知の異変……何が起きるかわからずとても危険ですが、どうかみなさんには事件を解決してほしいです」
 失われた概念に起因する現象はまだ確認されていないが、すでに幽世には夥しい数の骸魂が現れ、オビリビオン化したものたちが跋扈してるのだという。グリモア猟兵が提供できる情報はそれだけだ。あまりにも少ない。
「……よろしくお願いします。世界を救ってください」
 少女は深く深く頭を下げた。きゅっと結ばれた口元は、己の不甲斐なさを恥じるようであった。
 あ、そうだと少女は顔を上げる。
「あの、せっかくの新しい世界ですし、事件が解決したらちょっと観光してみるのはどうでしょう」
 面白いものが見つかるかもと付け加えて、改めて猟兵たちを送り出すのだった。





第3章 日常 『食い倒れ行脚』

POWやっぱり食べるならボリューム重視
SPDいろんな種類のものを食べたいね
WIZ珍しい食べ物、何かない?
👑5 🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ここはカクリヨファンタズムにおいて食い倒れ横丁と渾名される場所。
 もし猟兵達が一度足を踏み入れてしまえば、きっと大変だ。
 妖怪の姿を見ることができ、さらに世界を救った猟兵たちは様々な料理でもてなされるだろう。
 カクリヨファンタズムは、古代から現代の文明様式が無規則に混在した世界だという。
 であれば様々な料理が見られるかもしれない。

 Q.つまりどういうこと?

 A.好きな料理をどうぞ。検索できる範囲で描写がんばります。なんか架空の料理を捏造してもいいですが、わかりにくかったり食品の衛生や安全を損なうものは採用率が下がります。

 OPに登場したグリモア猟兵は本章での登場予定はありませんが、キョンシーのほうは自由にしていいです。
白鳥・深菜
「じゃあ焼肉」(思考時間1秒の結論)



――で、具体的には何の、どの部位の焼肉にするかというと……

「すみません。今流行りのメニューをお願いします」

これは委託する事にした。
妖怪達の料理事情はよく分からないから、
どういうのものが流行りなのか全く見当がつかない。
とはいえ、折角遠出してるのだし、
その世界ならではのネタになりそうなものは頼んでみたい……

そうして出てきたのが「鹿」の肉。
うーん、もっと変なのを期待はしてたけど……
でもまあ、ウマい鹿肉だわ。これはこれで。

しかしまあ。
馬に始まり、鹿で終わった、この騒動。
――本当に、バっカじゃないの。



 どどど、と天狗らしき妖怪が白鳥・深菜めがけて駆けてくる。
 世界をカタストロフから救った猟兵は幾人もいたものの、そのなかから深菜を選んだのは外見にシンパシーを抱いてのものか。
 天狗を筆頭に経立、さらには河童のような者たちが深菜のもとへたどり着き、喜色をたっぷり滲ませながら口を開く。
「見つけた、事件を解決したひとだ! ねぇ何か食べたいも――」
「焼き肉で」
 食い気味に弾き出された回答を受け、妖怪たちは顔を見合わせるのだった。

 肉の焼ける音は雨音に似ていると言ったら、果たしてどれだけの人間が頷くのだろう。
 金網の上で焼けていく肉が醸し出す音は以外にも静かで、心を落ち着けてくれる。
「……」
 天狗たちに案内された店は何やら薄暗い焼肉店で、メニューらしきものが何もなかった。妖怪達の食事事情を知らない深菜としてはきちんと食べられるものが出るかどうか疑問があったが、少なくとも金網の上で焼けるものを見る限りはあまり心配する必要はなさそうだ。
 このカクリヨファンタズムならではの食べ物を、と思って注文は妖怪たちに任せたのだが、案外期待できるかもしれない。
「それで、これは何の肉なのかしら」
 問えば妖怪たちは顔を見合わせて意味深に微笑む。当ててみろ、ということらしい。
「そう。変な肉じゃなさそうだけど……」
 まずはほのかに煙を上げる様子を矯めつ眇めつ。肉の色合いは濃い赤で、いわゆる霜降りという部分は見られない。焼ける匂いにはほのかな野性的な臭みがあり、この時点で豚や牛など一般的な家畜ではないと見える。
 ひとこと断ってからタレをつけて頬張った。
 初めに感じたのは食感。脂肪分が少なく柔らかめの肉質だ。焼いたときから気づいていたように若干の臭みがあるが、さほど気にならない。むしろ咀嚼すればするほどじわりにじみ出る肉のうまみがなんとも言えない。いつまでも噛んでいたくなるような味だ。
「……」
「……」
 妖怪たちは変わらずキラキラした目を向けてくる。自分たちの食事よりも深菜がどう回答するかに夢中らしい。
 ふと、深菜は気づいた。彼らの瞳には当てられるかもしれないという一定の期待が見られる。すると他の世界で流通しない肉ではないということだ。この世界でしか食べられないような肉、というのを期待していただけに少しばかり残念だったが、そこまで情報が揃えば当てられなくもない。
「わかったわ」
 ごくり。じっとこちらを伺う妖怪たちの喉が鳴った。食べているのは深菜だけというのだから妙な話だ。
 いつの間にか店主らしき妖怪までじっと解答を待っている。
 さらには窓から通行人までが覗き込んでいる。
 なんだか大事になってきたなと深菜は思った。
「鹿肉でしょう?」
 だから至極あっさりと言ってみた。
「……」
「……」
 どよめき。妖怪たちが顔を見合わせてから十秒、二十秒。
 やがて厳しい表情の店主が深菜の前まで歩いてくる。
「正解!」
 わあっと妖怪たちが歓声を上げる。お互いに手を叩きあいハグまで交わす。店主はと言うとニコニコ顔でテーブルに皿を次々乗せていくではないか。

「当たってよかったわ」
 当たり障りのないコメントをしながら深菜は思う。この騒動は馬に始まって鹿で終わったことになるのか。
 全身の武器が枕になったときは、本当に馬鹿じゃないかと思ったが。
「ねえ見てこれクジラ肉!」
「こっちは熊肉と犬肉ね! どっちがどっちか当ててみて!!」
 どうやらこの世界は、馬鹿騒ぎを楽しむ住人が多いらしい。
大成功 🔵🔵🔵