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ついに発見!?未確認生物、【森の主】!

#UDCアース

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#UDCアース


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 とある二人の大学生だろう男性が、鬱蒼とした森の中へと分け入っていく。
 性能の良いライトを握り、方位磁針や携帯を手放さず、バックパック等重装備のまま、
 薄暗い森の中を探索している。
 そして――大柄な男性が震えながらも笑みを浮かべた。
「最近、『引き摺ったみたいな、謎の足跡見っけ!』とか『動く巨影を見かけたんだ』とか話題になってるよな?」
「う、うん……しかも、バラエティ番組でも『嘘を証明できなかった』もんね。本当にいるかもって」
 少し背の低い男性もまた、興奮半分恐怖半分で確り頷く。
 一番目撃情報が多かった【この森林】の中を歩くこと数分。
 遂に彼らはその足跡を……痕跡を発見した。
「まじか……マジだよ、マジでいるんだ!」
「で、でもこれ、これって……!」
「皆まで言うなって、わかってる。逃げられるように準備しとけよ」
 只の人間故に、だからこそ慢心なく彼らは引け腰になりながら、進んでいく。
 だからこそ気が付かない。すぐ横に―――顎を開いた【樹木】がいることを。

「単刀直入に言うよ。UDCアースで邪神がらみの事件が起きる」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)はホロデバイスを操作し、いくつかの情報を立体的に視界へ映させながら、予知した情報を提示し始めた。
「そも事件発覚前から、『UMA』の話題が後を絶たなかった。ツチノコやビッグフット、ネッシーとかのアレ等と同類。何件も湧きだし――嘘と断定できないものも複数あった」
 一拍置き、いくつかの状況証拠を提示しながら、フロッシュは説明する。
「巷では【森の主】なんて呼称されてるらしい。まあ予知が働き犠牲まで見えた異常十中八九オブリビオンだ……ただ邪神がらみの筈なんだけど、教団員の姿は見えないね」
 それは確かにおかしいと、猟兵達は首をかしげる。
 しかし、まさか?とピンとくる者もいたようで――察したフロッシュが更に続けた。
「恐らくUMAの情報に紛れているか、だろうね。もしかしたら敵についての情報を聞けるかもしれない。……ま、遠慮せずぶん殴ってでも聞きだせば」
 投げ槍なようでいて、確かな敵意宿る口調でフロッシュは物理案を叩き付けた。
 そのまま、目を細める。
「本当ならアタシ自身が速攻で、邪神諸共そっ首刈り飛ばしてやりたいところだけど――グリモア猟兵として予知した以上、その義務を果たすのに注力するよ……故に」
 呟きながらに転送の準備をして……こう締めくくった。
「眷属を、邪神を、完膚なきまでに倒すよう――健闘を祈るから」


青空
 UMA発見!それはロマン!と言う訳で未確認生物依頼です。
 しかしオブリビオンなのは自明の理、狂気の塊、確りと討滅をば。
 第一章では情報集め。
 痕跡を根気強く探して発見したり、目撃者や噂について調べたり、また罠を張ったりおびき寄せたりして探るのがメイン。
 おふざけでもOKなので、とにかくUMAを探してください。
 第二章から本格戦闘!集団戦はスタイリッシュに、ボス戦は熱く戦えます!

 またプレイングに関し、何もない場合は「微アドリブ」で。
 「※OK」とある方は「趣味全開のアドリブ」で。
 「※NG」とある方は、「なるべくプレイングそのまま出す」よう努めます。

 ――さあ、冒険に出かけましょう!!
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第1章 冒険 『猟兵探検隊!幻のUMAを捜索せよ!』

POW   :    現場百回、目撃情報のあった場所で痕跡を探ってみる。

SPD   :    急がば回れ、目撃者や噂の出処を辿る事で何か掴めるかもしれない。

WIZ   :    UMAはいまぁす!集めた情報を元に誘き出し確保する罠の考案など。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ファランス・ゲヘナ
【心境】
「UMA…それはアレだナ。ロマンであり夢であり永遠の謎。」
未確認生物なんだから確認されたら未確認じゃねーから永遠に未確認なんだナ。

【行動】
SPD
急がば回れ…カ。昔の人間はまさに名言を言ったものダ。
さてさっそく目撃者や現場近くの住民から聞き込みを行って『情報収集』ダ。
独りでやると手間だしナ。
UC:大軍団を発動。
分身も活用しできるだけ多くの人間から聞き込みをしよウ。
あなたは神を…もといUMAを信じますか?
馬じゃないヨ。ちなみにオレはフライングヒューマンが一番気になるナ。
そうじゃない、【森の主】だからビックフットあたりカ?
あと不審な人間の情報モ…え?なんだその目ハ…

【アドリブ】
全開でOK



もし猟兵の特殊能力が無ければ……もれなく世間は、彼を捕まえていただろう。
そんな余りに特異な容姿のブラックタール、ファランス・ゲヘナはUDCアースへ降り立つや否や、頭を悩ませていた。
何せUMAとは永遠のロマン。未確認であり続けるからこそ【未確認】足りえ、故に永遠の謎。
だからこそ人は追いかけるのだ。

……要するにオブリビオンとは言え「ちょっと勿体ないナ」と思っていたのである。

まあそれでも依頼は依頼、予知は予知。
勤めはしっかり果たそうと、真面目に考えていた方の案を提示する。
「急がば回れ……だナ。ここは一ツ、聞き込みや情報収集ヲ、アレでも使って行うカ!」
そうしてファランスは手――手? をババッと掲げ、ニヤッと笑いつつ宣言する。
「かつテ、とある宇宙攻撃軍総司令官が言っタ。「戦いは数ダ」とナ……つまり情報戦でモ、当然の如く数が物を言うのサ」
「「「その通りダ!」」」
ファランスの宣言に呼応し、現れるのは――出るわ出るわ大量のファランス。その分身体。
なるほど……これで一気に決めてしまおう、という訳らしい。

「そこまで遠くに行けないシ、まあ場所絞り込んで話を聞くカ」
距離300メートル弱ほどで分身体は止まるのだが、それも遠くまで行かなければ良いだけの話。
範囲を決めつつ、ファランスは情報収集を開始した。


「あなたは神ヲ…もといUMAを信じますカ?」
「え、ちょ、何ですかアナタ!?ねえおまわりさーん!!」
「初手警察!?」

「ウマ?」
「いやUMAダ、因みにオレはフライングヒューマンあたりが気になるナ」
「そっちか、最近話題の奴ね!でも森の主って言うぐらいだし、ツチノコかビッグフットじゃない?」
「なるほド、確かニ。ソレ系で進めた方が良いな」

「ありがとウ。UMAについての情報、感謝ダ」
「いや話題が錯綜してるし、こんなので良ければ構わないよ」
「ああそうだ……ついでに不審な人物の情報も何かないカ?」
「不信……不審……?」
「まテ、なんでオレを見るんダ」

―――紆余曲折こそあったものの、どうにかファランスは情報を得た。
1つは森の主というだけあって、鬱蒼とした森林地帯にしか情報がない事。
1つは姿かたちについて「大きめで硬い」という共通点がある事。
1つはUMAハンターらしき【謎の装束姿】の者達がいた事だ。
十二分に、役立てる情報と言えよう。
「あとは他の猟兵と共有するだけだナ……よシ」
言いながら確認を終え、まだ何かあるかもしれないと――ファランスは再び情報を集め出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリア・ヴェルフォード
この御時世ですから本当にUMAの一匹や二匹いてもおかしくはなさそうです!
しかし重要なのは食べれるかどうか…森の主と言われるとなぜか大猪か大鹿が定番な気がするので期待できそうですね!

【POW】
とにかく現地で探し回りましょう
【第六感】任せでもいいですがとりあえず【ダッシュ】で走り回っておけば何かしら痕跡は掴めるでしょうし
UMA捜索は現地で行うものだと相場も決まっていますからね!
後は森の他の動物も探してみましょうか、異変があるとやはりいないのが定番ですから

※アドリブOK



「よし、到着!!」
元気よく金髪のアホ毛を揺らし、森林地帯へ降り立ったのはアリア・ヴェルフォード。先に情報収集と洒落込んだファランスとは違い、どうも彼女は自ら森林へ赴き、証拠を集めるつもりらしい。
大容量マジックボックスでもある両の手袋を確認し、自信満々にあたりを見回す。
罠を仕掛けるのだろうか?
それとも、ファランスが何かしら情報を得たのだし、それを元に散策するのだろうか?
――否どれでもない。

「ここは一つ、ダッシュで走り回りましょう!」
ごりっごりの脳筋手段だった。
まあ確定したものが少ない現状、間違いでもない。
「この御時世、本当にUMAの一匹や二匹いても、何らおかしくはなさそうです! まあそれ以上に重要なことはあるのです……UMAが――UMAが――」
言いながらに、しかめ面でムムムと悩み始めた。
何せUMAに紛れていても、オブリビオン。【最悪】は否定できないのだろう。
つまりは、要するに……。

「――食べれるかどうか!!」
そう。食べられ――ではない。ではない筈……なのだが。
「森の主と言われれば、やはりここは大猪か大鹿が定番! ……な、気がするので期待できそうですね!レッツ大鍋、かりっと丸焼き!!」
まだ決まっていないのにこの燥ぎよう――どうもやる気の一端はそこにあったらしい。
「閃け、私の第六感!とりゃあー!!」
……そんなことを叫びつつ、アリアはどんどん森の奥へ向かい、また走り回る。
大きめで硬い外見なのだが、それはすっかり頭の中から抜けているらしい。

そうして走り回ること、一時間。
普通の人間なら、いや並みの猟兵だとしてもとっくに倒れている頃間が、
体内に龍の神――その因子を持つアリアはこの程度じゃあへこたれない。
まだまだスタミナを残しつつ、小走りで目を動かし、
見落としそうなまでの勢いで、雰囲気で走るアリアは――しかし、ピタッと足を止めた。

視線の先にあるのは――【人の足跡】。
しかも複数。
だがここは森の奥で、おまけに一応の許可を得て立ち入った禁止区域だ。
「……怪しい……ですね」
残念ながら足跡自体は途中で途切れていたが、その代わり【鈍い刃で傷つけたような跡】が高い木の幹にも見られ、情報は確実に集まっていく。
先に集まった情報通り、『UMAハンター』らしきものは奥にいるし、何より不自然故の傷跡から、存在も確定し始めた。
「よし他の場所も見ていきましょう!コレが見つかった以上、範囲は絞り込めるはず!!あむ」
――どこからともなく猪肉を取り出してかじりつきつつ、アリアは決意を新たにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

木目・一葉
UMAは、未知への夢であり憧れだ
それに紛れるとは、
「人の夢を踏みにじるとはね」

【POW】痕跡を探る

まず話題のバラエティ番組を視聴して情報を把握
――この番組、面白いな
続いて現地に入る前に、地図とライトを用意し、更にその周辺住民に持ち前の【コミュ力】で【情報収集】を行う
その土地に伝わる逸話もヒントになるかもしれない
バラエティ番組の調査ルートは比較的安全だから、このルートを起点に広げていく形で森林内の調査をする
これまでの皆の情報と【地形の利用】、【失せ物探し】を駆使し、今までの犠牲者の痕跡から調べる
あと噂の動く巨影にも常に【第六感】を研ぎ澄ませつつ警戒する
見つけたら『影の追跡者の召喚』で追跡させよう



『これや……え、マジで居るん――あ、見て見て見て!あった!あった!!』
「…………」
携帯機器越しにとあるバラエティ番組を見ながら、フードを目深にかぶったロングコートの少女が歩く。
少女、木目一葉もまた森で情報を集めようとしている一人だった。
風にロングコートを翻しつつ、人気のない道を進んでゆく。
先のアリアは己のスタミナと脚力を活かし突っ走って行ったが、一葉は技量こそ持てど、それを出来るだけのスタミナはない。
故まずは情報収集にと件のバラエティ番組を拝見しているらしい。
また来る前に周辺民家で聞き込みも行ってきた。

ファランスが得た情報のほか、【決まった時刻に怪しい仮面の集団が森へ向かう】目撃例が多数あったらしい。
不自然に木が枯れていたり、木が変に増えている地域もあったとか。
『なんやったっけ見た事ある感じ……ああ、アレやアレ!テジャク!』
『デジャビュやろ』
「……うん、中々に面白いな」
すっとぼけた事を言う芸人へ、ワイプから大御所がツッコミ、周りの観客たちの笑い声で自然とそういう感想が漏れ出てきた。
そして仕事ではあれども、純粋にUMAを信じて探し求めている憧れが見て取れる。
「許せないね。未知と、其処への憧れを……下らない儀式の紛れに利用するなんて」
情念込め呟いた。夢を踏みにじる真似は、だからこそ許してはいけないだろうと。

件の森林にたどり着いた一葉は……迷う事なく「とあるルート」を選択していた。
それはバラエティ番組が使っていたルートの事。
アレ等はあくまで『人を楽しませる催し物』だ。なればこそルートも比較的安全な物であろう。
そこから中心に、一葉は証拠を探し始める。
「高い位置の幹の傷……足跡……今の所は見当たらないか――けど」
件のものの他、彼女がTV内に見つけたもう一つの痕跡、それに近しい物は視界に移った。
まるで【幾本もの触手が蠢いた】かの様な、不可思議な引き摺り跡が。
少しルートから外れて調査したところ、ライトに照らされくっきり浮かび上がった、それを見つけたようだ。

――そして、できれば『無い方が良かった』物も発見する。
「……!これは、血痕……?でも大分、古い……」
余りに不可思議。
獣の付けた足跡も、骨などの痕跡も無いのに、何故か血の跡があったのだ。
食べた――というより、潰したかのような……惨殺の跡。
「……重要な、情報だね」
犠牲者なのかは分からないが、それでも無為に殺されたことに違いはなく。
一葉は静かに黙祷を捧げ、その場から情報を得ようと―――した瞬間。

「っ!」
不意に走る悍ましい気配から反射的に木の陰へのがれれば、少し遠くに【蠢く巨影】が姿を現していた。
すぐさま影の追跡者(シャドウチェイサー)を放つものの、その巨影本体は取り逃がしてしまう。
……が、しかし。
「居たな……教団員が」
どうやらそれでも重要な物は、見つけたらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェット・ラトリオック
【POW】で森林を歩いて現場を探索する。
事前に「世界知識」「情報収集」で周辺一帯の地図は頭の中に叩き込んでおく。実物の地図も持っていく。
「第六感」にも頼り、兎に角痕跡を探そう。どれだけ日常の中に紛れようと異常は異常でしかない。違和感は消しきれないはず。
痕跡を見つけ次第に「追跡」だ。
その先で何かがあるに違いない。それから情報を得よう。人物がいるなら話し合いでもいい、拘束具も拷問具も必要な分は持ち合わせている。或いはさらなる痕跡か、そこから推測するのでもいい。

すべき事をするだけだ。
(アドリブOK。好きにして下さい)


ノルナイン・エストラーシャ
UMA! 未確認生物を探すなんて素敵ですよね。
でもそれがオブリビオンだとするなら、危険極まりないです。目撃例に上がっている『仮面の集団』も怪しいですね。

既に幾つかのルートが見つかっており、『仮面の集団』は決まった時刻に目撃されている、と。
血痕や不自然な引き摺り跡を追いながら、【世界知識】や【学習力】を用いて敵の大まかな性質を把握しようと努めます。
教団員が来るような時間になれば、【選択したUC】で透明になって待ち伏せし、観察……何か被害者が居るようなら介入して助けにいきます。

にしても教団員は、山の中で何してるんでしょう?
人目につかないから都合が良いのでしょうか。

※アドリブOK



(情報は幾らか集まったな)
189の高身長を持ち、バケツをひっくり返したようなメットを被る男。
そんな彼が、夜の森のとある一点で息を潜めつつ歩いていた。
彼はジェット・ラトリオック。
UDC組織へ所属しているからか、情報の伝達も他より先に来たようで、後続の者達の中では一足早く、この場所へと踏み入ったようだ。

【大きく硬質的】【UMAハンターに偽装した者達】【高い位置にある傷】【蠢いた触手のような痕跡】【食事とは違う血痕】
情報は既に出そろった。
持ち前の収集力と、詰め込まれた世界の知識を総動員し、この周辺までジェットは『可能性ある範囲』を絞り込んだのだ。
先に一葉が、謎の人物を発見し場所を突き止めたのも大きいだろう。
そしてジェットは一様とはまた別ルート・別方向から、絞り込んだ範囲へ赴いていた。
研ぎ澄まされた第六感も、確証齎す警鐘を脳裏へと何度も鳴らしている。
十中八九「何かある」。
(そも、異常は異常でしかない……必ずどこか綻びが、違和感が生じる筈だ)
ましてそこに『悪意』が混ざるのなら、猶更に。
実物の地図と今いる場所を見比べながらに、ジェットは呼吸音のみを周囲に吸い込ませながら、見逃し無きよう神経を尖らせ『痕跡』を探す。

やはりと言うべきか……今まで発見したものと酷似するモノが、絞り込んだ範囲内のあちらこちらに見受けられる。
間違いないのだろう、凡そ、この辺りに犯人がいるのは。
「……これは」
と、そこでジェットが初めて声を表に出す。
見つけたのは足跡だが、まだ新しい。しかも確りとこの奥へ続いている。
――其処に居るのか。
胸中でつぶやきながらに、彼の手の内で「物騒な器具」がガチャリ……と鳴る。


――同時刻―――
(本当にUMAならロマン一杯で、とても素敵なことでしたが……それがオブリビオンと言うなら見過ごすわけにはいきませんね!)
心の内でそう呟きながら、一人の女性が今まさにジェットの向かっている【古びた建物】の外で息を潜めていた。

藍色の瞳を細めて極力金髪を揺らさず。
そのまま大木の影に佇む女性、ノルナイン・エストラーシャもまた、この夜半過ぎに捜索へ乗り出した猟兵の一人だった。
情報自体はそこまで速く行きつかなかったものの、彼女の持つ学習力が範囲を自主的に狭めさせ、また位置が良かったのもあって最初にたどり着いたのである。
件の【引き摺り跡】もこの周辺でよく見られたため、目の前の建物は正に黒――ビンゴと言ってよいだろう。

そうしてどれだけ待っただろうか。

(……っ、来ました!)
遠くで寺の鐘が鳴った丁度そのころを見計らったかのように、怪しげな格好をした者達が現れた。
しかも、何やら「大きなもの」が入ったズタ袋を提げて居るではないか。
不幸か距離が遠く、話している内容もとぎれとぎれだが……今の彼女は『非認証機能・不可視化(ブラックボックス・インビジブル)』を使い透明化している。
恐れくことなく近づいて行けば――。

「これで邪神様が復活するのか?」
「いやまだだ。たっぷり血を吸って蓄えた力を、己の足跡で山の中へ魔方陣を描きつつ、広げていくことが重要だからな」
……これでねらいは読めた。
自然の中という環境だからこそ、UDC組織を欺くのにうってつけだったのだろう。
だからここを根城に選んでいたのである。
「そうか、陣はともかくまだ力が足りないのか。……にしても良く思いついたな?」
「UMAか。嗚呼あれは良かったな」
にやり嗤ったのだろう、団員のうち一人が、これまでの全貌を自然とぺらぺら口にしだす。
「そうよねえ、何せ人間って言うのは未知が大好きだ。本来なら危険かもしれない場所へだって、UMAだ未確認だと聞けば飛んでくる!自分から邪神様の贄に、眷属たちの食事になりに来てくれるの、こんな楽なことはないわ」
笑いを、下品たものをこらえているその様相に――ノルナインは自然、拳を握ってしまう。
(人の夢を、ロマンを……何だと思ってるんですか……っ!)
それでもなんとか抑えていたが、
「じゃあ次は……いい加減やせっぽっちの動物や、植物だけじゃ飽きたただろうし」
ズタ袋から取り出された、
「こいつを食らわせてやるとしますか!」
「ん……ん、んんー!?」
年端も行かない少女を見て――爆ぜた。

「ちょ、なんだぁ!?」
「生贄が浮いて――いや消えた!」
最後のラインはしっかり守り、透明状態のままノルナインは少女をかっさらう。
それと同時にチャンスと見たか……。
「確保させてもらう」
「なに……!」
「ぐぎゃ」
「ぎ、はぁっ……!?」
いつのまにやら忍び寄っていたジェットが、教団員を早業でのし、また一人を拘束具で捕縛した。
猟兵との力の差が分かる、早業の逮捕劇であった。

「さて……幾つかの『事』はこちらでも聞かせてもらった。それ以上に何があるのか、この山でなければいけない理由などを聞かせてもらおうか」
少女を抱きつつ熱線銃で警戒するノルナインを背後に、教団員へとジェットは問う。
観念したのか、教団員は口を開いた。
「……『木を隠すには森の中』ってことだ。要は邪神様の眷属は――」
その情報が紡がれ、漸く掃討作戦に入れるのだろうかと、ジェットが考え始めた。

――刹那、彼は身を引き、寸前まで彼がいたその途上を硬質的な刃が通り抜ける。
「え――こば」
意味不明な断末魔を挙げて頭蓋を咲かれた教団員にはもう目もくれず、ジェットは、そしてノルナインも【飛ばした正体】をみやる。
「どうやら……もう、早々情報はなくて良いらしい」
「ええ見たまま……なんですね」

教団員たちが森の中を選んだ、もう一つの理由。
それは件の眷属が―――
『ギギ、ギギギギ……!』
樹木そのものの姿をしているからだったのだ――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『六零二『デビルズナンバーはやし』』

POW   :    悪魔の枝葉(デビルリーフ)
【刃物のように鋭い木の葉】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪魔の花粉(デビルポレン)
【目が痒くなる特殊な花粉】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    悪魔の樹枝(デビルブランチ)
レベル×5本の【刺突】属性の【鋭く伸びた木の枝】を放つ。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『木を隠すには森の中』
その言葉通り、いや言葉そのものを示す、樹木型の眷属。
魔力に疎い猟兵でも感じる程の「力」を蓄え、其処にゆらゆらと佇んでいる。
見れば前後、左右から、どんどんと集まって来るではないか。

血の供給が遅れた事、この山に猟兵達が潜入したこと。
それが引き金となったのだろう。
陣自体は描き終えている……との教団員の言だが、その後に続けたように、
そして生贄が居るあたりまだ阻止のチャンスはある。
――猟兵とオブリビオン――
決して相容れぬ存在が、今夜この森林で、鬱蒼とした山で交わる。

さあ、戦いのときだ……!!
モルツクルス・ゼーレヴェックス
陣?邪教徒?眷属?邪神?
……焼けば解決っすね!

「はっはっは!呼ばれず飛び出て猟兵参上!焼き討ち実施するっす!人質を出すなら今のうちっす!」

一度につき105本の炎の矢の弾幕は正に【範囲攻撃】森という周囲の【地形すら利用】して、焼いて焼いて焼きまくるっす!



火の【属性攻撃】を息もつかせぬ【高速詠唱】で叩き込む!それが【戦闘知識】が囁く最適解っす!

「はっはっは!汚物は消毒っす!オブリビオンとか、もっと激しく消毒っす!」

とはいうものの、被害者とか、酷い山火事にならないよう配慮はするっす
【世界知識】と、必要なら【物質変換】で延焼防止

「さあ!人質を出すっす!」

居るなら!居たらなんとか助けるっす!



周りに引かれた【異形の魔法陣】。
邪教徒達の手引きにより、産み落とされた眷属が敷いた、邪神への扉。
それら情報を聞いて駆け付けたオラトリオの男は――走りながらにこう叫ぶ。

「……つまり焼けば解決っすね!!」

要するに分からなかったらしい。
だが、その方法に何ら間違いなどないだろう。
オブリビオンは、滅するべき、と。
【成せば成る】のハチマキと、眼鏡が目を引くモルツクルス・ゼーレヴェックス。
彼は連絡のあった現場へと一直線に向かいつつ、ある作戦の為周りを気にし始めた。

そうしてたどり着いてみれば、居るわ出るわ樹木型眷属がうじゃうじゃ。
しかも一個体につき3~5はある顔を、一斉にモルツクルスの方へ向け睨み付けてくるのだ。
流石にビクッとしたモルツクルスだったがそれも一瞬。ノリの様なもの。
すぐさま指を突きつけ宣言して見せた。
「はっはっは、呼ばれず飛び出て猟兵参上……焼き討ち、燃え撃ち、実施するっす!人質を出すなら今のうちっすよぉ!」
まだ居ない、とするのは確かに先走り、決めつけが過ぎる。
何より転がっているとはいえ教団員はまだ居るのだ。
その発言に数歩引いた教団員たちだったが――しかし樹木型眷属は止まらない。

「ならば先手必勝!焼いて、燃やして、焦がしまくるっす!!」
瞬間、モルツクルスは聞き取り困難なレベルの高速で詠唱し出し、あっと言う間に完成へ至る。
更に間髪入れず、桜の木より作った杖から、計105本の魔法火矢をコレでもかと打ち出し始めた。
『ギギ、ギギギ――!』
『ギアアァァ――!』
潤沢な魔力と熱量を含んだ魔力の矢は、猛烈は爆破音を上げつつ眷属達へ余さず命中……生木ベースなのか倒し損ねが意外と多いが、それでもダメージは確り与える。
火属性による攻撃魔術を、高速でたたき込み地形諸共焼き尽くす。
……それがモルツクルスの出した、戦闘における最適解だった。

しかし当然ながらここは山中。
辺りへも普通に燃え移ってしまっている。
その所為で火力自体は上がっていた様だが、同時に無用な被害を出しかねない。
他の猟兵達が驚く中、モルツクルスは自信ありげに笑う。
「なーに心配ご無用!確り若い木だけに当たるようにしたし……自慢のユーベルコードで、物質変換も出来るっすよ!」
抜けているように見えようと、本質は戦士らしい知恵の一端。
これで延焼防止が出来る!上手い策だ……!


――とはいかないのが現実であると、この後思い知る事となる。
「ちょ、ちょ!?やば、思ったより火の手が……!」
なにせここら辺の木は、眷属達の贄や栄養とされたうえ、遠慮なしに傷もつけられている。
燃えにくい若木に見えても、その実中身は枯れかけていた物すらあったのだろう。
あたふたする彼をしり目に……周りの猟兵達がユーベルコードを駆使してなんとか被害拡大だけは防いだ。
モルツクルス自身も、ユーベルコード鈴蘭の嵐でなんとか火を舞い上げるが……あたり一帯の焼け跡は生々しくも広がっている。

オマケに敵へ対処しきれず、数発傷をも貰っていた。
「甘かったっすか――!」
汚名返上しなければと、体に鞭を撃ち……モルツクルスは杖を構えた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アリア・ヴェルフォード
絶望しました!
これ木じゃ薪にしかなりませんよ!
この恨み、はらさでおくべきか!

【POW】
伐採不可避ですね!
オブリビオンですから普通の木よりは硬いでしょう!
なので剣に魔力を纏わせ【属性攻撃】の【2回攻撃】で確実に伐採していきます!
鋭い攻撃が多そうなのでちゃんと【見切り】で回避しましょうか

※アドリブOK


ファランス・ゲヘナ
【心境】
「やっとこさ見つけたナ。」
しかし見事な大木ダナ。これは立派な薪になるだろうナ。さて行こうカ。

【行動】
さって、UC:≪天通頑≫発動。
【∞ロ-ロ】の眼鏡を懐(⁉)から取り出シ、パワーアップ。
龍星号に『騎乗』し爆走しながラ、すれ違いざまに懐から取り出したダブルヘッドハンマーによる一撃で大木を殴り壊ス。
『勇気』と『覚悟』を胸に流星号の『ダッシュ』によるスピードとオレの『怪力』による攻撃力は相乗効果で無限に上昇するのダ。
上昇したらいいナ。そんな夢見てもいいじゃなイ。

おっと一撃を食らわせたら即座に離脱。ヒット&ウェイによる連続攻撃を食らわせル。

アドリブOK



モルツクルスが上げてしまった大焔だが、しかして何も負の影響ばかり呼び込んできた訳ではない。
まだ合流していなかった猟兵達の、目印になっていた。
一般では遠目過ぎ、ボヤか何かとしか捉えられずとも……猟兵の目ならば異変に確りと気が付くことができるのだ。

そうして黒煙を目印に、街での情報収集を切り上げて向かったファランスと……元気いっぱい走り過ぎたか山の端――森林外近くにまで出ていたアリアが、事件の中心部へとひた走る。
ファランスは、乗るだけで操作可能な特性バイク【龍星号】にまたがり(?)。
アリアは己の足で突っ走り。
障害物多い山道だからか、そうバイクもスピードは出ず、結果並走する形で二人ともに現場へ向かっていた。
……なぜファランスが己の足を使わないかは、言わずもがなである。

「それにしてモ、火を使ったって事はよく聞く相手だったって事だよナ」
「そうですね。火を使った方がより美味し……こんがりできるオブリビオン。なら、期待も高まります!」
――いヤ、そんな事言ってないぞオレ。何に期待してんのオマエ――
そんな言葉をギリギリでのみ込み、少し道が開けたのを見るや否や、一足お先にと【龍星号】をスピードを上げて一気に駆け上る。

焼け土を巻き上げ突入した先には、件の樹木型眷属の姿があった。
「オ、やっとこさ見つけたナ」
成程確かに山やら森林の中の方が有利だとファランスは頷き、同時に焼け跡目立ち何やら他者が必死になっているあたりに察しつつ。
「しかしまあ見事な大木ダナ。これは立派な……」
「薪にしかならないじゃないですかぁー!?」
ファランスが言いかけた言葉を、何時の間にか居たアリアが偶然にもつなぐ形で口走り、悲痛な叫びを迸らせた。

「絶望しましたよ、ええ絶望させられました……何です過去の木材達!食事関係は関係でも、美味しく炊くための薪にしかならないですよ!!」
美味しく調理できるオブリビオンなら――そう願っていたアリア。
だが目の前にいるのは樹木だ。
圧倒的樹木だ。
アリアは白アリではない、つまり木なんか食べられない。
「失望させてくれましたね、よくも、よくも……恨み晴さでおくべきかっ!!」
彼女の内から、逞しくも意地汚い『食欲パワー』が生み出される。
これぞ【食べ物の恨みは恐ろしい】の究極系――!

「さーて行くカ」
そんな彼女を横目に見つつ。
どちらにせよやる気になってくれたなら好都合、とファランスは敢えてそのまま【龍星号】のエンジンをふかす。
同時に懐……懐(?)から眼鏡を取り出し、
「【∞ロ-ロ】の眼鏡ヨ、我に力ヲ……!」
スチャッ!と装着――なんとその不思議なアイテムの効力により、彼の体内から力がドンドン湧き上がってくる。
これこそがファランスのUC、多種の強化技能を備える『天眼通』なのだ。
「発進、行くゾー!!」
そして再び懐――多分懐からダブルヘッドハンマーを取り出し、無謀なまでの勇気をもって真正面から突っ込んでゆく。
『ギ、ギイイギギギギギギ!』
気が付いた樹木型眷属も、迎え撃たんと体を震わせ、頭部の緑葉あたりから葉刃を雨あられと射出してきた。
下手をすれば喰らうだろう、身が竦んでも仕方が無いその攻撃を前に。
「悪いナ、オレは覚悟ぐらい出来てるんだヨ!」
寧ろ喰らって上等……その精神を持ったおかげか、目立った傷も無く接近し――その手に持ったハンマーを思い切り叩き込んだ。
『ギャギぁ……!!?』
身体の一部が豪快に弾け飛んだ樹木型眷属は、その威力に驚き反撃が出来ないでいる。
「コレがオレの力ってやつサ。怪力とスピードの相乗効果で、威力は何処までも無限に上昇するのダ!」
『ギギャァァァァ!!』
ふざけるな。
そうも言いたげに樹木型眷属が吠え、再び刃の葉を飛ばそうとする。

……されど彼らは忘れていた。
「せええぇっ!」
金の髪靡く一人の少女、アリアの存在を。気が付くころにはもう遅く、白く輝く剣がその体を断ち割っていた。
『ギギッギ』
『アアァァアァァ……!』
「うるさいですよ!大人しく伐採されなさいっ!」
その右には白き聖剣Xカリバーを、左には黒き邪聖剣Xカリバーを。
潤沢に魔力を纏わせたその刃が、先のファランスに負けず劣らずのを持って、奴らを角材へ変えんと俊敏に繰り出される。
伸ばされる鎌なる枝腕は左の黒に切り落とされ、返す刀で飛び退きつつも葉っぱの刃を切り散らす。
「まだまだ!」
『ィィ……!』
かと思えば後ろ手に右の城を突き出して、切り上げ道へと深く切り込みを入れる。
振り上げた剣はそのままに反転――思い切り横薙ぎにして二体目を撃破。
『モロロロロロロロ!!』
背中が開いたと思い突っ込む眷属も居たが、やはり甘い。
「ヒット&アウェイなんだよナ、悪いネ」
『バ――!』
その更に後方から、【龍星号】に乗ったファランスによる重量打撃が激突。
近寄り殴り、離れる形で、一体また一体と叩き入れてゆく。

――その打撃と走りゆく轍の形は、奇しくも一点へと集めているように思えた――

「今ダ!」
そしてそれは、気のせいにあらず。
ファランスが急加速で樹木型眷属を無視してすり抜け、合図を送る。
「勿論!」
同時に、放出した魔力の大加速で迫ったアリアが両の剣を振り上げ……
「光と闇の奔流、受けてみよ!エックス――」
今交わりしは、黒白の本流。
聖と黒、光と闇の極みが入り交じる、彼女の切り札が一つ――!
「――カリバァアァァァッ!!」
喝破と共にX状なる二色の斬撃派が地形諸共砕き飛ばし……後には、眷属などまるで残らない。
これこそが聖剣、また邪聖剣の力、その名にふさわしき面目躍如であった。

「よし!!まだまだ、次の敵を薪にしに行きますよ!」
「了解、それじゃあギア上げてくカ!」
まだまだ終わらない。
互いに高揚感から笑い合い、迫りくる樹木型眷属へと二人とも狙いを定め始めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ウィルトス・ユビキタス
戦闘なら任せてもらおう。
その為に俺はいる!

装備している【イクリプス・フリティラリア】を大鎌形態にして高速戦闘を仕掛ける。
【ダッシュ】で【残像】を残しながら障害を【なぎ払い】接近する。
眷属に近付いたなら【スチームエンジン】で武器に蒸気エンジンを搭載して【範囲攻撃】で眷属をまとめて刈り取る。

※アドリブOK


ジェット・ラトリオック
他猟兵の援護に回る。

基本、逃げ足で距離を取りつつ、AW-Babyで援護射撃を行いながら敵行動を抑制、隙きを見て【拷問具:黒削刃】も複数投擲する。残数は気にしない、それだけ用意してきてある。
敵の花粉の射程内には入らない。木の葉や枝にも注意する。距離が取れるなら余裕もある、避けられるはずだ。

血の通わないUDC相手には面倒な手順を踏まなければならないのが嫌だ。
黒削刃には事前に自分の腕に刺し、血を吸わせ武器改造を行う。直撃すれば無数の刃が飛び出すナイフの完成だ。

それでも近づいてくるのならば断割鉈で叩き割ろう。鉈とは本来こう使うものだ。

覚悟は既に。容赦なく殺せ。
…一般人は守り通せ、何の為にここにいる。


木目・一葉
まだ生贄にされていない人達もいるかもしれない
助けるにしても、まずはこの樹木の処理だ

・戦闘
「焼けて開けている場所があるなら、やりやすい。」
僕は斧と妖の小太刀の両方を握り戦う
斧は【武器受け】でのデビルリーフに対する防御用とし、妖の小太刀は木の枝対策とする
僕は樹木達から一定距離を保つように【地形の利用】で移動しながら、妖刀解放の衝撃波で敵の木の枝を攻撃する
同時に焼けて開けた場所へと敵を【おびき寄せ】て、なるべく集める
集めればそこでグラウンドクラッシャーを仕掛け、敵の足場を地形破壊し、移動を鈍らせる
これが成功したら仲間に攻撃のチャンスであることを知らせるため、声をかけておこう

※OK



(まだ、生贄にされていない人が居るかもしれないな……)
一葉はそう考えつつ、ファランスの援護とアリアの必殺ユーベルコードにより、また他の猟兵たちの奮闘により数を減らした樹木型眷属を見やる。
件の少女は今偶々助けられたから良いが、他の人間が向こうのあばら屋内にいないとも限らない。
建物へ火が移る事は防げたため、居た場合は確り助けねばならないのだ。
「まあ何れにせよ……先ずは樹木共の処理だな」
片手に斧【グリューアンクル】を、片手に【妖の小太刀】を構え、一葉は未だに残る敵集団へと鋭い視線を向けた。

「戦闘なら俺にも一つ任せてもらおう――その為に、来たんだからな」
その横へ自信満々な笑みを浮かべつつ、200超えの長身の青年が並び立つ。
ガジェッティアの猟兵、ウィルトス・ユビキタスは大鎌へと可変済みの【イクリプス・フリティラリア】を手に、彼女を同じ方へ目線を向けていた。
この地に広がった焼け跡は目立つ半面、逆に木々へ紛れられる可能性をなくし、且つ戦闘領域が広がったという事でもある。
「焼けて開けている場所が出来たなら、やりやすい」
「同感、だな!」
そして、互いの獲物を携えて……二人同時に眷属の方へと駆け出した。

その後方。
「……支援役で行くか」
小さくそう呟いたジェットは、対UDC用に調整されたサブマシンガンを構える。
また片手には【拷問具:黒削刃】と呼ばれる小型ナイフが幾つも挟み込まれている。
徹底的な後方援護。
己の役割を胸中へカチリとはめ込み、ジェットもまた二人に合わせて駆け出した。
――と同時に、間を縫って弾丸をばら撒く。
絶妙なタイミングで命中した弾丸に気を取られたその隙に……先ずはウィルトスが発砲の反動を活かし、直線的に高速で接近。
「ぜぇっ!!」
擦れ違い様に斬り裂き、樹木型眷属をぐらつかせた。
かと思えば既に、彼はもう一体の眷属に切りかかっており、悪あがきの反撃も残像を残す余裕をもって回避され、刈り裂かれる。
『ギィィ……!』
ウィルトスは危険だと判断したか、彼の死角を狙い樹木魔がその背後から――。
「どこを見てるんだ?」
『ガギャ!?』
仕掛けることなく逆に背を一閃される。
深い切り傷を、回り込んでいた一葉が刻む。
樹木型眷属は怒り、鎌刃の腕を叩き付けるものの、小太刀で反らされ見事に空振り。
更に焼けた地面が距離感を受け取り辛くさせているのか、放たれた飛ぶ葉刃も尽くが当たらない。
反面、一葉は確りと地形を把握しており、その尽くを回避しまたグリューアンクルを構え撃ち落としてて見せる
「…………」
その隙にジェットの弾丸が、または投げナイフが後方から殺到。断末魔すら上げることなく樹木の魔物はまた一体その身を散らせた。
何故だか腕に『血をしたらせつつ』も、構え放つことをやめない。
圧倒的なまでに、猟兵側の優勢だった。

だから、だろうか。
「――ふざけるなよ……っ!」
小さな悪意に気が付かなかったのは。


「まだまだ行くぞ!」
ウィルトスの大鎌の勢いは留まる所を知らず、発砲し様に豪速の刃が振り切られ……スチームエンジンにより更なる力を得たソレは大樹のごとき眷属を横真っ二つにして見せる。
「遅いよ、僕をなめてるのか」
妖刀の怨念を解放し、更なる速さを得た一葉は戦場を疾く駆け巡る。振るわれる刃には衝撃波が生じて、届かぬ敵をもズタズタに変える。
そのまま――影を見ることなく一体を葬る。
「……甘いな」
そう呟いたジェットの視線の先。
其処には花粉を飛ばして、援護役の彼をどうにか抑えようとする眷属が居る。
……のだが、如何せん離れて戦う事を前提としている逃げ足と、そもそも距離が離れすぎていた。
仮に枝の槍を伸ばそうともウィルトスに切り離され、また葉刃は一葉に全て散らされ、結果また弾丸が襲い来るのみ。

そうして一葉とジェットが周囲を回り、眷属達への包囲網を徐々に、徐々に狭めていく。
やがてその包囲網は、焼けて開けた場所の中心部へと押し込む形を形成していた。
これこそ――チャンス。
(今だ!)
息をつめ、グリューアンクルを振り上げる一葉。
妖刀解放の勢い其の侭叩き付けられたその斧は、地形を粗くも大きく崩し行く、必滅の破壊を成し遂げた。
『ガガガギャギャギャ!!』
『ギシシシギシシ』
『モロロロォロロロロロロオ!』
だが……否だからこそ。
眷属達は最後の悪あがきとして、己が持つ技の全てを分担しつつ解き放って来る。
葉が、枝が、花粉が、嵐の如くまき散らされるその光景に、猟兵達は迂闊に近寄れない。
――そう、近寄れない。
なら近寄らなければ良い。

「悪いな、此度の敵は餌じゃない――飢餓の衝動を叩き付けろ」
長くそう口にしたジェットの言とほぼ同時に、彼の血を『喰らって』いた【黒削刃】が飛来する。
カカカッ……!とそれは全眷属に一つずつ命中し――刹那。
『『『ギエエェエエェェ!?』』』
躰内より鋭き刃が現ずる。
幹をもくらい、突き破り……鋼色の花が咲き誇る。
それで攻撃はピタリ止み、トドメとばかりに進む風一つ。
「はあぁぁっ!」
高らかなエンジン音と発砲音を立てて、鎌刃抱えるウィルトスが迫る。
「――これで、トドメだっ!!」
剛直一閃。
広範囲を巻き込んで振るわれたその斬撃により、眷属達はまとめて刈り取られたのであった。





「いや、なんとか終わったな!」
「ああ」
「…………」
汗を拭うウィルトスに、小さく同意する一葉と、何も言わず視線のみ彷徨わせるジェット。
何故まだ警戒を残しているのかと言えば……眷属達は消えども、教団員達は残っているから。
それだけならまだしも、その数が足りないのだ。
言うまでも無い、戦闘中にどさくさ紛れで逃げ出したのだろう。

―――普通ならばそう考える。

だが彼らの第六感が、『おかしい』を告げているのだ。
建物の中に居た、今日この日犠牲になる予定だったのだろう、罪なき人間たちは無事救出した……その上で。
よく見ればウィルトスの顔にも、何処となく不安の色が混じっている。
「僕らも、もう少し周りを」
調べてみよう。一葉がそう口に仕掛けた、正にその瞬間だった。

「こっちを見やがれ猟兵ども!!」
「た、たすっ……けて……!」
刃物を突きつけるという、余りにチープな方法で。
しかし洒落にならない人質を取った、教団員の姿が。
動くに動けない猟兵達だが……何人かは悟っていた。

――違う――

そう、違う。アレは人質じゃない。
ならば教団員のグルでのペテンか……否、それも違う。
あれは『生贄』だ。
そも逃げるのならさっさと尻尾を巻いて、この山から去れば良いだけの話。
つまり彼がやろうとしている事は、闘争の為の退路確保ではない。
「さあ完成するぞ……出てきてください、邪神様っ!!」
捉えた人を生贄とした、儀式の再建。
「い、や……いやあぁあぁぁ!?」
そして刃物がとうとう、罪なき者の首にあてがわれ、そのまま引かれる――!
「ハハハハハハハハ!これで、俺たちの願いが成就――」


――直前、彼の背中から刃の花が咲く。
「―――し、りゅ……ぼ?」
そのまま回り込んでいたジェットが、人質を押しのけて鉈を振るい、男の縦に割って見せる。
恐怖のあまり気絶したらしい人質は、幸いその光景を見ずに済んだようだ。
だが何故? 何故そんなことを?
その答えは彼の口から直接発せられた。
「容赦なく殺す事となったとしても……一般人は守り通せ、何の為にここにいる」

余りに残酷。しかして正しく。
そして何よりも……彼の言葉に反論している暇などない。
何せ地面が揺れ始めているのだから。
その魔力は、不完全。
されどだからこそ復活する。件の邪神が餌場を求め、この現世へと顕現する――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『四六七『デビルズナンバーかかし』』

POW   :    悪魔の変身(デビルバリエーション)
【巨大デビルかかし】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    悪魔の竜巻(デビルトルネード)
【鋤】による素早い一撃を放つ。また、【高速回転により宙に浮く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    悪魔の案山子(デビルスケアクロウ)
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【かかし】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は六六六・たかしです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


教団員と、眷属達にとって、大きな誤算が三つあった。
1つは単純に猟兵達に嗅ぎつけられてしまったという事。
1つはファランスとアリアの存在……彼らがバイクで山を登り、更にアリアはその前から辺りを走り回っていた。
人では持ちえぬ轍と、並人にあり得ぬ力強いその二つの走りが、陣を狂わせたのだ。

最後の1つ……それは何と、モルツクルスの『山火事』。
燃え広がったその所為で、【樹木に付けられた傷】による陣が崩れ落ちた。
そう、彼は確かに失敗したが――成功させてもいたのだ。

そしてウィルトス、一葉、ジェットらの活躍で教団の血を流させるのみに留まり。
かくして儀式は失敗に終わる。

しかし流石に邪神――ある程度状況が整ったこの状況でも、尚顕現し猛威を振るうだろう。
最後まで抗う狂気に対し、猟兵達が捕る手段など一つだけ。
……戦い討滅することのみ。


――さあ、決戦の時だ。
ファランス・ゲヘナ
【心境】
「幽霊の正体見たり枯れ尾花…。」
幽霊もUMAも正体が不明だから怖いシ、興味を掻き立てル。
正体が分かった貴様はただの確認済み生物ダ

【戦闘】
さてさっきまで持っていたハンマは―懐に仕舞いなおして帽子から戦士の銃を取り出ス。
流星号の轢き逃げアタックはまだまだこれからダ。
戦士の銃で『スナイパー』かくやな遠距離射撃で攻撃しつツ、質量のない【残像】を生む【ダッシュ】で駆ける龍星号の突撃でかかしを吹っ飛ばス。
良い子は真似をしてはいけなイ。訓練された猟兵だから許される攻撃だゾ。

UC:影分身…轢き逃げすると同時に発動。【´・ω・】【 ̄Ω ̄】【・ω・`】の三体の分身を取りつかせル。

アドリブOK牧場



『コココ……ココココココ――!』
 規則的に、或いは不規則的に。
 奇妙でおかしげな声を上げて、このUDCアースの現世へと邪神が顕現する。
 顔の「へのへのもへじ」、木材だろう一本足、麦藁帽に手袋。
 ……それらがまるで、見たまま【かかし】の様な装いであり、農的なそれらが何処か親しみを感じさせる。
 だがしかし。
 内より発する魔と“狂気”が、そのかかしを世にあってはならぬ【異常な物】だと是が非でも脳裏へ伝えてきた。
 
「ふム……マ、前提がそうだったシ、こうなるのも予想してたけどナ」
 それを見たファランスは懐(?)――懐、だろう場所へハンマーをしまいつつ、【龍星号】の上に乗ったまま、したり顔で邪神をねめつけていた。
「幽霊の正体を見たり枯れ尾花……ってやつダ」
 彼の言う通り、UMAや未確認生物あるいは霊魂などの存在が恐ろしいのは、分からないからこそなのだ。
 “邪神復活の儀”という情報があり、尚且つこうして直に姿を現した今となっては――邪神だろうと、ただ解明されるのを待つだけの『確認生物』。
 未知への恐怖も夢への興味も……等の昔に、猟兵達から消え失せていた。
「じゃあ、初っ端の切込みハ、このオレに任せてもらおうカ!」
 気炎吐く彼に呼応して【龍星号】のエンジンが唸る。
 邪神を警戒してか、ファランスが次に取り出したのは……多少ながら旧式に部類される熱線銃。
 そのまま【戦士の銃】と呼ばれるソレを構え、どうやら遠距離からまず攻め立てよう――という事らしい。

『コ、コココ……コココココ……ッ!!』
 その気迫と戦意を感じ取り、棘の生えた一本杭の足を捩じる案山子型邪神。
 迎え撃つ……そう言っている風に聞こえた。
 余裕からか、それが奴にとっての最善なのかは伺い知れないが、先制攻撃のチャンスではあるだろう。
「そおラッ!!」
 宣言した通り【龍星号】を駆り、他の猟兵に先んじファランスは飛び出す。
 同時に、手にした【戦士の銃】から銃弾を連続で撃ち放っていく。
『ゴ、コココ……ギギ!!』
 スナイパーよろしく正確に弾丸が飛び交い、バイクに乗っていることを感じさせない、高い命中率を持って案山子へ次々ぶち当たる。
 ダメージこそ薄いものの、それは案山子に確かな隙を齎し――残像が生まれる程の急加速によりそのまま突っ込んでいく。
「吹っ飛ベヨ!」
『ゴ、オゴゴゴ……!』
 だが相手も案山子もボス級の邪神、駒のように高速回転しつつ、手に持つ鍬で【上から】薙ぎ払うような一撃を放ってくる。
「くソ……!」
 結果緩急を付けざるを得なくなり、突進攻撃は勢い足らずの掠りに留まってしまう。

 だがそれで終わらせるファランスではない。
「ジェットストリームアタックを仕掛けるゾ!」
「「「おうサー!」」」
 己にも似た体躯を持ち、また(´・ω・)、( ̄Ω ̄)、(・ω・`)と実にバラエティ豊かな顔を持つ分身たちが一斉に案山子へ取りついた。
 案山子型邪神のユーベルコードこそ封じれなかったものの、取りつかれた所為で格段に攻撃力が落ちている。
「今がチャンスだナ!」
 周囲の猟兵達へと呼びかけるようにファランスは叫び、これで追われるかと【龍星号】のエンジンをふかす。

 まだまだ、此処からである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェット・ラトリオック
随分と間抜けな面の邪神…本当に邪神かアレ。どちらかと言えばオブジェクト…ああ、どうでもいい。
役目を果たせ、今はそれだけでいい。

他の猟兵が戦っている間に、保護した一般人を安全な場所に。第一優先はソレだ。
その後にすぐさま戦闘に戻る。
【拷問具:断割鉈】を鞭の様に伸ばし、軸足を狙って回転を阻止する目的で攻撃する。遠心力も利用し、攻撃力重視だ。ついでに傷口をえぐる事も出来れば儲け物だ。
残像を残しながら、俺自身は目立たない様に逃げ足で逃げて、攻撃は避ける。特に強化は気をつけよう、残像の方に攻撃を誘発させたい。

…最後のキーを、不完全であろうと条件を整わせたのは、血を流させた俺だ。
尻拭いは自分でするとも。


モルツクルス・ゼーレヴェックス
こそこそ、隠れて案山子を観察して【情報収集】して【戦闘知識】で弱点を見定める

「んっん!名誉返上、汚名挽回!モルツクルス・ゼーレヴェックス、二度目の参上っす!(小声)」

今の今までここらを駆けずりまわって掌握した【地形を利用】して、奇襲を掛ける

「変転せよ、変換せよ!」

【高速詠唱】で素早く【物質変換】を撃つ
当たればヤツの体を襤褸に変えてみせ、避けられても地形をもっと入り乱れさせて制限かける

【範囲攻撃】の応用でより大きく地形を変えて、それを戦闘に利用してみせる

「どう見てもただの案山子っす!こいつにビビって負けてちゃお笑いっすよ!」

味方を【鼓舞】しながら観察して【コミュ力】で呼吸を合わせて戦う

絶対勝つ



 ファランスのユーベルコードでできた隙を逃さず、一気呵成に責め立てる猟兵達。
 ある者達は詰め寄りながら近接攻撃を入れ、また群がり傷を刻んて行く。
 またある者達は遠距離武器を、魔導の杖を携え、射撃により牽制したり魔術で少しでも強化を施したりと、各々の役割を果たしていた。

 ……そんな中、影の中で動き別行動をとる、そんな猟兵が二人いた。
 1人はバケツヘルムを被り拷問具を手に駆ける、ジェット。
 1人はこそこそと、何やら探るように木々の間を移動する、モルツクルス。
 隠密行動それ自体は同じなれど、しかして目的がまるで違った。
(なんだあの間抜けた面は……アレが本当に、邪神か?)
 どちらかと言えばあのシルエット、田畑に添える鳥除けオブジェクトか何かではないか?
 そんな、ある種当たり前に思うだろう事を考えつつ、静かに走るジェットの目的は【人質】。
 理由はどうあれ邪神顕現の、最後のキーをはめ込んだのは……彼自身。
 ならば最低限でもその尻拭いをせねばならない。そう考えての、敢えての行動だった。

 猟兵達相手に意識がおろそかなのか、邪神が此方へ飛んでくることはない。
 それでも万が一の為に張り詰めた気は抜かぬまま、彼は人質達の前まで接近する。
「無事か?痛む箇所は」
「あ。ええ、なんとか……無傷です」
「どうなるの……ね、ねえアタシ達――!」
 詰め寄ってこようとした一人を掌で制しつつ、多少険の取れた声でジェットは告げた。
「心配するな。今から安全なルートまで案内する……付いて来てくれ」
 普段はあまり喋らない彼だが、一般相手に、ジェスチャーや目線で伝えることはできない。
 確りと口を開き、頭に入れたルートを抜けつつ指定箇所まで先導し、そこで待機していたUDC職員の元まで連れて行く。
 鬱蒼とした森の中だが、邪神の空気に充てられたのか、不気味なほど動物の声は聞こえない。
 かえって好都合ではあったが……自体を再認識するにもまた充分な物だった。
「あとはお任せください」
「……ああ」
 ジェットは短く、それだけUDC職員へ伝えると、来た時とは比べ物にならない速度で戦場まで駆け戻って行く。

 一方。
(うはぁ……見た目はアホっぽいのに、攻撃は苛烈ってヤバいっす……っていうか鍬って!棘って!)
 内心で戦々恐々半分、戦時の興奮半分でまくし立てつつ移動するモルツクルスの目的は一歩引いての【敵情報の収集】だ。
 ――後々知る事だが、彼の起こした山火事は、全くのデメリットばかりではない。
 しかし現状それを知る事など不可能故に、汚名返上のため敢えて突っ込まずこの位置にいるのである。
 されど高速回転で空に浮ける、見た目通りのパワーを誇る、体の材質の所為か痛みに強い……敵は弱点らしい弱点がまるでない。
 戦闘知識を総動員して悩むも、連続火球のバーンアウトぐらいしか思いつかない。
 流石にこれ以上燃える事はないが、馬鹿正直に撃ってもまた仕方がないだろう。
(なら弱点を『作る』しかないっすね!)
 方向性は決まった。あとは機を見計らい、確実に打ち込める方法を取るのみ。
 が、モルツクルスの手の内にある各種手段では心許ない。
 ――ならば利用できる物をすべて使う他ないと、彼は強く頷いた。

(何かを狙っているらしいな)
 ……そんなモルツクルスを視界の端に映し、サブマシンガンをばら撒いきながらにジェットが戦線へ戻る。
 案山子型邪神が振り下ろす鍬に、彼は【拷問具:断割鉈】を振るい合わせて受け流す。
 飛び込んで、右からくる――側面を弾き、逃げ足で距離を取る。
 更に左からくる――残像を貫き、ジェット自身は既に避けている。
 他の猟兵よりは多く撃ち合ってこそいないが、普段に比べて前にいる時間が長い。
 己で尻拭いをすると決めたのだ……ならば何時もよりは前に出ねばなるまい、と。
『オオオオオォォオオオ!』
 間隙を突かれてなんども傷を負わせられ、更に中々当たらないジェットの存在に焦れたか、なんと案山子型邪神が【巨大デビルかかし】へと変貌。
 今まで以上のリーチで鍬と腕で交互に薙ぎ払い、猟兵達を吹き飛ばしていく。
 間一髪のところでジェットは範囲外へと逃げれていたが、コレでは攻撃が届かないだろう。
「ならば……!」
 反転して息つく間もなく、ジェットは躊躇わずUCを発動。【拷問具:断割鉈】が鞭の如く変わり伸びたかと思えば……軸足目掛けて思い切り振るわれた。
 命中率重視の広範囲型、これならば届く……!
(硬い……ッ!)
 その一撃は案山子型邪神の勢いを止める――には、至らない。
 しかも腕が此方へと延びてくる。
 あわや掴まれる……かと思えば、残像映しで回避し次の攻撃へ備えようと……。
「っ! ……何だこの案山子達は――!?」
 否、それも出来ない。
 気絶させられた猟兵達がなんと【かかしに変えられた】上で操られ、ソレ等に体を押さえられているのだ。
 すぐの脱出は、不可能。もはや万事休す……!


「今っす――変転せよ、変換せよっ……我が示す真実を現したまえ!!」
 刹那、飛び出してきたモルツクルスが杖を突きつけユーベルコードを発動。
 【物質変換(アート・オブ・ザ・トランス)】は、無事だった猟兵やジェットに夢中になっていた案山子邪神へ見事に命中、その体をみじめな『襤褸』へと変えていく。
 余りの変化と、いきなりな登場に案山子型邪神は思わず、攻撃を止めてしまう。
「そんな物質的な形で顕現したのが仇になったっすねぇ!」
『コ、コ、コ……オオオオォォオ!!』
怒りに震えた案山子は体を盛り上がらせ、モルツクルスを握りつぶそうと手を伸ばす。
「っとぉ、残念賞っす!」
 飛び出してきたモルツクルスは、しかし握っていたツタが途中でばねの如く戻り、翼の羽ばたきも合わせて安全圏へと退避していく。
 更にいつのまにやら高速で詠唱を済ませていたか、二度目の【物質変換】が炸裂しており、奴の足元の僅かな地形が鉄の如く硬くなってゆく。
『コオコココココォッ!?』
 尖った軸足で立っていた邪神は力加減を思い切り間違え、ぶざまにすっ転んだ。
 それでも!と鍬を持ち上げ。
「――どこを見ている」
 ……己が鉈鞭を振りかざしたジェットにより、今度は遠心力で攻撃の威力を引き上げ重視したその一撃が、ファランスが付けた銃傷へと的確に命中。
 より深く、また広く、ガッツリと抉られていった。
 それで力の集中が解けて【巨大デビルかかし】を維持するのに精一杯らしく、かかし化していた猟兵達が元に戻りまた気絶してゆく。

「ほら、たかが固いだけですってんころりん! これ、どう見てもただの案山子っす! ――こいつにビビって負けてちゃお笑いっすよ!」
 それでも案山子変化で落ちかけていた士気を……モルツクルスの一声が立て直した。
 先の山火事の件を、この一件で持ち直そうと動いたのも大きい。
――何か失敗しても、頑張れば取り返せる……自分が取り返してやれる――
 無駄にでかくなったせいで立て直しに時間がかかっている案山子邪神へと、再び各々武器を握って闘気を向け始めた。

「も一発っす!」
「…………ッ!」
 ジェットの斬撃と続く離脱に、モルツクルスの魔法弾がタイミングよく着弾する、呼吸のあった連携から――戦闘が再開した。

 もう少し、あと少し。

 邪神は確実に……弱ってきている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリア・ヴェルフォード
真打ち登場!いや最初からいましたけどね!
分身の準備が終わっていざ参戦・・・と思ったら猟兵型の案山子に阻まれていただけですから!出遅れただけですから!
やっと本体の相手ができます!

【SPD】
(ユーベルコードで2人になっているので)
挟撃を仕掛ける形で【属性攻撃】による【2回攻撃】を繰り出していきます!
うまくもう一人の自分と連携をとりながら【武器受け】や【見切り】からの【カウンター】でとにかく攻撃を当て続けましょう!

大分弱っているみたいですからね!
とにかくダメージを与え続けてあげますよ!

※アドリブOK


木目・一葉
いや、その、これは……なんだ
――いかん、見た目に騙されてどうする
「いざ参る」

・戦闘

早く動く物を無差別攻撃か、成る程ね
敵が悪魔の変身を使えば、こちらも真の姿を解放し、『影の追跡者の召喚』を行う
「これで翻弄させてもらおう」
影の追跡者で敵を追いかけさせ続ければ、敵の攻撃は仲間やその場の一般人へと向かうことは少なくなるだろう
もしもその影の追跡者が敵に接近したら、『影の蹂躙舞踏で』攻撃させる
攻撃したら再び影の追跡者を召喚し、同じことを繰り返し、確実に敵の攻撃を誘導させ弱らせていこう

しかし――
縦に割れてしまった教団員の躯を見て思う
「こんなものの召喚に命をかけるより、僕はUMA探索に命をかけた方が増しだな」



『オオ、オォォオオォオ……!』
 ブン! ブン!! と鍬を振り回して必死に抵抗する邪神を見て、消耗具合を見切ったからだろうか。

(ああ、うん、なんというか……)
 一旦前衛から離れて倒れ伏した猟兵達を運びつつ、一葉は今更ながら敵の容姿の『何とも言えなさ』加減に戸惑いを覚えていた。
 仲間が案山子へと変えられて操られたこと、そして邪神顕現という大きな出来事、合わせでしっかり認識する暇はなかったがいざ見てみると――。
(その、これは……なんだ……)
 そこまで考えて、彼女は激しく頭を振る。
――見た目に騙されてどうする!――
 現に奴は味方を操り、更には【巨大デビルかかし】へと変貌も遂げてみせた。
 モルツクルスの激で士気が上がり、またジェットやファランスのお陰で戦力を大分削げているとはいえ、目標は未だに鎮座中。
 舐めてかかれる相手ではないだろう。
 一葉が、両の手の武器をしっかり握りしめた。

『コ、ココココゴゴゴ……!!』
 猟兵達をかき分けて、巨大な案山子邪神が一葉へ迫る。
 敵を見据えた彼女がグリューアンクルを構え――たのと同時に、「2つの影」が飛び込んできた。
 息の合ったコンビネーションで案山子の鍬を弾き上げ、また軸足を払って転がして見せる。
 唐突な援軍の正体は、金髪アホ毛の……少女。
「さあ、真打登場っ!!」
「主役は遅れてやってくるものですよ!」
 ユーベルコード【オルタナティブ・X(エックス)】で分身したアリアだった。
 この技は、彼女と思考と感覚を共有する“もう一人の自分”を呼び出す、だから見事な連係プレイを可能としているのだ。

 油断なく邪神を睨んだままに、一葉はアリアへと問うた。
「中々だな」
「「当然!なにせ本命戦力ですからね、最初からいましたけど」」
「……ああ。だからこそだ。何で初めから加わらなかった?」
 一葉の疑問は尤も。
 ファランスの最初の気勢挫きの折、アリアの性格からして飛び込んでいきそうな物ではある。
 彼女の言葉に対してアリア達は……何故だろう、物凄く視線をさまよわせている。
「えっと……どうした?」
「「分身の準備が終わって、いざ参戦しようとと思ったら猟兵型の案山子に阻まれていただけですから! 出遅れただけですから!」」
「……そうだったんだな」
 己もまた、案山子邪神の様相に呆けて出遅れた故に、一葉は強く言えなかった。

 だから代わりに武器を構えなおすことで、意思を示す。
「なら、乗り遅れた分を叩き込もう」
「当然です!!」
「ええやってやりますともっ!」
 叫ぶと同時にアリアたちが飛び出し、邪神の鍬捌きにコンビネーションで食らいついてゆく。
 前後から勢いよく振るわれる聖剣には流石に対応しきれず、ついつい邪神も大振りを繰り出してしまう。
「もらった!」
 その一撃をあえてアリアが受け止め、傾けてすり流す。
「脇甘いですね!」
 もう一人のアリアが案山子の腕を打ち据え硬直を齎し、
「「せいやっ!!」」
 ほぼ同時にすれ違いながら斬り裂いて、再び挟撃の構えを取った。
 このまま攻め立て押し切れる――否。
 邪神ともあろうものがこれで終わるはずがなかった。
『ゴゴゴゴゴゴゴオ!』
「「わあ!?」」
 突如として爆速で鍬が振るわれ、通り過ぎ様もう一回転し、更に猛回転が続いて空中に浮かび始める。
 振り下ろしこそしないが、これでは攻撃すらできない。
「「この……なんのっ!!」」
 しかして、此処まで勢いよく回転しているなら一定方向からの攻撃に弱い筈。
 思い切り振り上げた、二人のアリアの斬撃は――果たして、独楽と化した邪神の得物を、見事に弾き揚げ止めていた。
『ゴゴッゴオオオオオオ!!』
「止めますよ!」
「勿論!」
 ふら付いたまま繰り出された鍬を、一瞬だけ二人は受け止めてみせる。
 ……案山子は気が付かない。
 その後ろから一葉の【影の追跡者】が迫っていることを。
「影よ、踊れ!」
 その一言と共に【影の追跡者】は至近まで詰め寄る……だが【影の追跡者】の攻撃力は軽い、邪神を挑発するだけにとどまるのがせいぜいだろう――本来は。
『オオオオオォォオオオ!?』
 放たれし影より、その内側から次々と生じる剣山に貫かれ、突如として襲い来る激痛に邪神は身をよじらせた。
 一葉のユーベルコード、【影の追跡者】派生……【影の蹂躙舞踏】が、ものの見事にヒットしたのだ。
 ずたずたとなった案山子邪神には、もはや今までの気迫など見られない。
『オオオオゴゴオオオオオオオ!!』
「まだ起きますか……!」
「でっかくなりました!?」
 それでも、いやだからこそ足掻いてやる! との意思で再び【巨大デビルかかし】へと形態を変えた。
 我武者羅に暴れだすだろう、これは最大のピンチかもしれない。
 ――それを、一葉は待っていた。

 声にならない静かな叫びをあげ、その体が変貌していく。
 それが見えたのは一瞬。
 赤黒き霧がまき散らされ、またそれらが燃え散り、しかして本人の姿は見えない。
 やがて不自然に起こった自然現象が、またもや不自然に消えてゆく。
 その中から現れたのは……獄炎吹き出す異形の『鬼』。
「これが……僕の真の貌、だ」
 彼女の影はより濃くなり、まるで何かが潜んでいるかのよう。
 ひび割れた皮膚からは噴火寸前の火山が如く、焔が噴き出ては止み、脈動宜しく点滅を繰り返す。
 何より目を引いたのは、額を突き破り天を向く、焼け焦げたような色の角。
 これが、これこそが――木目一葉の【真の姿】であった。

「「格好良いですね!!よし、アクセル駆けて行きますよ!!」」
 本来ならば一歩引いてもおかしくないその容姿に、アリア達はむしろ喜び勇んで言葉を添えつつ、既に走り出している。
 気のせいかと思う時間、わずかに苦笑した一葉は――【影の追跡者】を再び放つ。
『オオオオオオオオオオオオォォ!!』
 誰よりも、何よりも速く動き回るそれに気を取られ、案山子型邪神は攻撃を集中させてしまう。
 その間にアリア達が切り、斬り、また刻みと繰り返して尚、意識の飛んだ邪神がソレに頓着することはない。
「せいやぁ!!」
「はぁっ!!」
 繰り返し、繰り返し、何度もめぐる挟撃と、『影の蹂躙舞踏』が巨大な邪神を再び削っていく。
 獄炎通り過ぎ焼き裂く刃が、鍬諸共にかの案山子を潰していく。
 何度目かになる【影の追跡者】での惑わしを境に……漸く我に返った邪神が一葉へと目を付ける。

 だが、もう遅い。

「集え聖光!」
「集え極黒!」
「「カオス――レイッ!」」
 左右から聖邪離れてまた交わりし、魔法の槍が殺到する。
 挟み撃ちを受ける結果となった邪神はグラグラと揺れ……その動きを、現出した剣山ががっちり縫い留める。
「さあ!とどめです!」
「一葉さんっ!!」
 アリアの呼びかけに、大焔纏う妖の小刀を、溶岩揺らめくグリューアンクルを構えた一葉がゆっくりと迫り――。
「邪神……この一撃で、眠れ……!」
 ――瞬く間に通り過ぎた。
 後に残った軌跡をたどるかのように、次々と灼熱が刻まれてゆく。
 二本の赤き刃線が、邪神の体を割っていく。
『オオオォオオオオ……オオオオォォォォォオオオオオォオ―――!!』
 長い断末魔を挙げたのを最後に、邪神はそれ以上何を発することも無く……虚空のチリへと変わっていった。
 あれだけ騒がしかったこの森林に……今ようやく、静寂が訪れた。

 ―――かくして対案山子型邪神との戦いは、一人の『鬼』の手により終わりを見たのだった。



 後始末は任せてほしい。
 UDC職員たちの発言を受け、猟兵達は皆帰路に就こうとしていた。
 グリモアベースへと戻り、そこから各々の家が、本拠地が、住化がある場所へと戻っていくのだろう。

 だが、そんな中で二人だけ、まだ山の中に残っている人物がいた。
 最後の最後で活躍し、勝利をもぎ取る立役者となった――アリアと、一葉だ。
 一葉は事後処理で片付けられる前に、教団員の骸があった場所を見つめ続けている。
 何か意味があるのだろうか。
 そう思ったらしき様子のアリアは、ちょっと首をひねった後に問いかけてみた。
「あのー……どうかされたんですか?」
「ああ。……ここに、縦に割れた奴が、いたよな」
「……居ました、ね。人質を取ってでも、邪神を呼ぼうとした人が」
 結果的に邪神は復活こそしたが、不完全な状態で終わり、こうして猟兵達の手により討ち取られている。
 UMA、または未確認生物――そんなロマンあふれる話題まで持ち出して。
 結局つかんだのは、断罪の一刀それのみだった。
「彼が、何か……?まさか」
「別に知り合いと言う訳でもないよ。ただ……」
 そこで一拍置き、一葉は素直に脳裏の考えを口に出す。

「ただこんな物の召喚に命を懸けるよりも、僕は真剣にUMAを探した方が増しだな……と、そう思ったんだ」
「―――えぇそうですね」
 教団員の彼が一体何を望んで邪神を呼ぼうとしていたのか、それは分からないし、分かりようもない。
 生きていたとて、夢を踏みにじるソレを理解できるわけもない。
 だからアリアは自分なりにこう答えてみせる。
「誰かを利用してあーだこーだやるより、美味しいUMAやオブリビオンを探して渡り歩いた方が、私は良いと思いますよ!」 
 ピン!とアホ毛を立てて、興奮しつつアリアは喋る。
「ま、簡単には見つからないでしょうけどね!」
「……そうか。まあそうだな。ツチノコもなんでも、彼らがすぐに見つかったら、未確認生物じゃあなく待ってしまうか」
「そうです!!」
 共感できるか否かそれは分からないけれど……邪神の復活なんぞかより、食せる道の生物を探す――そっちの方が『夢』がある。
 一葉はアリアの発言に頷いて見せ、その後楽しそうに笑う彼女の後へ続く形で、帰路に就くのだった。




「シィ……シィィー……」
 ――すぐ近くにいた、【寸胴体系で体短い蛇】には終ぞ気が付かないままに――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日
宿敵 『四六七『デビルズナンバーかかし』』 を撃破!


挿絵イラスト