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文字が消えたらこの世は闇よ

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●文字の無い世界
 その日は突然やってきた。
 オブリビオンの企みにより、幽世から「文字」のいずれかひとつが「消え」てしまい世界中の書物も看板もそして記録も何もかもが消し飛んでしまったのだ。

 見渡す限りどこまでもカクリヨファンタズムの世界全てからその概念が奪われていくというのに当の住人達はそれがあったことすら思い出せずに世界は破滅へと転がり落ちていくかのような光景が広がっていく。
 これではまるで世界の終わり(カタストロフ)が来たかのようなそんな地獄絵図、それに気付けたのは未だ世界の理に囚われきっていない猟兵達だけだったのだ。

●グリモアベース
「ええと、忙しい中……お集りいただきありがとうございますなのです」
 グリモアベースに集った猟兵達の前でペコリと頭を下げるとグリモア猟兵の文車・妖はいつになく怒った様子で頬を膨らませていた。
「先日発見されましたカクリヨファンタズムで事件なのです。それも本当に大変な事件なのです……っ」
 悔しそうに語るその口調からは言い知れぬ怒りと悲しみが伝わってくる、どうやらよっぽどの事が起こっているらしい。
「あの世界では概念が一つ消されるという事件が多発しているようなのですが、今回はよりによって『文字』という概念が消されてしまったのです」
 あぁ、何より大好きな本の存在も消されたのでここまで怒っているのだなと妖を知る者は頷き納得をした。
 名前も看板ももちろん本も記録も何もかもが消え去り世界は徐々に終末へと転がり落ちていく。
 『文字』を奪われた幽世には無数の骸魂が飛び交い、妖怪達が次々と飲み込まれ、次々とオブリビオン化していくというまさに地獄絵図。

 だがこの事件は事件を巻き起こしているオブリビオン退治する事で元に戻る事がわかっている。
 そしてどこにその元凶がいるのかを予知で発見した妖が続けていう言葉はもう決まっていた。
「とある寺小屋の辺りにいるというオブリビオンをぜひ退治して世界に文字を取り戻してくださいです。 よろしくお願いします!」
 すごい勢いでお辞儀し続ける少女に一同は後は任せておけとばかりに手を振りいい笑顔を見せた。
「転送先にはおそらく子ども姿の妖怪の骸魂が通せんぼすると思うのでこれを突破してもらい目標のオブリビオンを倒してください!」
 そうすれば世界に文字が戻り、帰りに少しばかり買い物でもして帰ってくることができるのではと補足を付け加えた。
 とにもかくにも世界を救うため、そして文字を取り燃すために猟兵達は戦場となる舞台へと転送されていく。
 カクリヨファンタズムでの戦いは今始まろうとしていた……。


轟天

 カクリヨファンタズム世界ですがいきなり滅亡しました。
 などと日常的に世界が破滅してる世界観、びっくりです。
 今回はこのカクリヨファンタズムで巻き起こったとある事件の物語。

 なんと『文字』がこの世から消えてしまったのです。
 この異常事態を巻き起こしたオブリビオンを退治し世界に文字を取り戻しましょう。


 カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。
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第1章 集団戦 『骸魂童子』

POW   :    怪力
レベル×1tまでの対象の【尻尾や足】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    霊障
見えない【念動力】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

青葉・まどか
新しい世界、危うい世界、妖の世界。
日常的に破滅の危機が迫る世界。
そして、今回は世界から『文字』が消える事件が発生。
……。
ダメです。
ダメです。

ええ、任せてください。
今回の騒動の主犯は必ず■しますから!
『文字が消える』なんて絶対に許さないよ!

ヤル気に満ちた私の前に立ちふさがる子ども妖怪(骸魂)達。
普段なら兎も角、今回は子どもだって容赦しないよ。
「邪魔するなら許さないよ!」

念動力で攻撃するみたいだけど悠長に待ってなんかあげない。
『神速軽妙』発動
子ども達が攻撃したのは私の【残像】で、私は既に子ども達に接近。
「さあ、お仕置きの時間だよ!」
【範囲攻撃・早業・2回攻撃】で撃ち破ぶるよ!




 新たに発見された妖漂う神秘の世界それがカクリヨファンタズム。
 魑魅魍魎も何もかもを呑み込む懐の広さと日常的に世界が壊滅(カタストロフ)へと向かい滅びかけるなど他の世界出身の者には信じれない光景ばかり。
 一歩歩けば世界の崩壊を垣間見れるかもしれないなど本当に不思議な世界。

 そして世界崩壊の第一歩はすぐに訪れるというのがこの世界、今回この世界より失われてしまったのだ『文字』という概念。
 世界中から文字という文字が消えたがために世界は大きく変化してしまう。
 文字がないのだから必然的に本なども消え文学も絶える、そして記録というものがなくなり世界にあるのは口伝による伝承のみ。
 あちらこちらの世界の風景さえもが変化していく様を見ながら青葉・まどか(玄鳥・f06729)は首を横に振りそれではいけないと正面を見据える。
(ダメです、ダメです……)
 文化も何もかもが崩れ去り過去の事を知る術もなくなれば世界がどうなるのかが目の前で次々と繰り広げられていく……。
 出発前に本好きの少女の怒りを見ていたのもあるがここに来て周囲から消えた文化を見れば何を為すべきかは自然と湧き上がってくるというものだ。
「えぇ、任せてください……今回の騒動の主犯は必ず■しますから!」
 懐よりダガーを抜きゆらりと歩む先にはゆらゆらと子供達が立ち塞がっていた。
 その子供達……骸魂童子は皆一様にまどかが近づいてくると距離を取り踊るように周囲をぐるぐると回り始める。
「お姉さん、お姉さん……一緒に遊びましょ、勉強の無い世界は愉しいよ♪」
 その動きはゆったりとしているのだがそれは油断させるための罠、周囲から一斉に落ちていた石がまどかに鈍い音をたて命中すると人形達はケラケラと乾いた笑い声をあげた。
 だが投石を浴びたはずのまどかの姿がかき消えると人形の真後ろに突如現れるまどか、残像を残し軽やかにすれ違いざまダガーの一撃が骸魂童子の首を斬り裂く。
「さあ、お仕置きの時間だよ!」
 軽やかにダガーを横薙ぎに振った直後、人形達の首が一斉に飛びさらにもう一薙ぎ繰り返せば反対側にいた人形達も足を切り裂かれ地へと倒れこむ。
「なんでなんでそんな事するの???」
「文字のない世界なんて……面白くないよ?」
 眼鏡が輝その殺意の籠った目は見えない、だがその刃は静かなる怒りを乗せ残らず人形達にトドメを刺していった。
 この文字の無い世界ではまどかの興味を惹くそんな物が次々と失われているのだ、それを許すほど無制限に優しいわけではない。
 バラバラに斬り裂いた骸魂童子を見下ろしながらまどかは早く元凶を探さないとと先を急ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イデアール・モラクス
文字の消失、それは一大事だな…綴り目にする文言なくば何かを伝え残す事さえ出来ん、それは命を繋げてゆく世界の営みを終わらせてしまう。
……と、真面目な話はさておき、エロい文章が無い世界なんてツマラナイしな!

・殲滅
「ほぅ、これがカクリヨの骸魂か…遊んでやろう」
UC【魔剣帝の至宝】を『全力魔法』によるブーストで召喚される魔剣の威力を増し『属性攻撃』で鬼火を掻き消す《魔氷》を纏わせ、『高速詠唱』を用いて『一斉射撃』と『乱れ撃ち』による二種の『制圧射撃』を敢行し『範囲攻撃』を行い敵勢を『蹂躙』
魔剣は命中したら敵を『串刺し』にした上で刀身から血を『吸血』し『生命力を奪い』嬲り尽くす。

※アドリブ歓迎




 カクリヨファンタズムはまさに骨董無形にして摩訶不思議の罷り通るとても特殊な世界。
 毎日のように世界が崩壊寸前になるのは日常茶飯事のそんな折に訪れた此度の災難。
それは『文字』がこの世から消えてなくなり、そのために文字がなければこうなってしまうとばかりに世界の様々なものへの影響は避けれない有様だった。
 一歩その世界へ降り達辺りを見渡すとイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)はやれやれとばかりに首を振り近くにあった商店へと目を伸ばす。
 そこにはあるはずの物がかなりの割合で無くなっており値札も看板もそして互いの名すらが『音』だけで判別されている様子が見て取れていた。
 文字という概念に付随して同時に貨幣すらまともに存在するのか怪しくなっている様子でこのままでは近いうちに崩壊は免れないのは必至だ。
「フム……文字の消失は一大事だな。綴り目にする文言なく何かを伝え残す事さえできん」
 見る限りと少しばかり聞いた話では歴史すらが失われ伝え聞く以外の知識も怪しいもののようで。
(命を繋げてゆく世界の営みを終わらせてしまうなど……いかん、いかんだろう??)
 表情に静かにこみ上げてくるそれは怒りと焦り、そして高らかに手を掲げ群衆のど真ん中で宣言をする。
「真面目な話はさておき、エロい文章が無い世界なんてツマラナイしな!」
 周囲の視線が突き刺さるのも気にせずイデアールは元凶がいるであろう建物へ向け意気揚々と歩み始めていく。

「言葉なんて残すものじゃない」
「勉強なんてしたくない」
 無邪気にも聞こえる童の声が聞こえてきていつの間にやら道を塞がれイデアールはようやくこれがこの世界での敵だと認識することができた。
 見た目はともかく立ち塞がるならば容赦などしないのがこの暴虐の魔女。
「ほぅ、これがカクリヨの骸魂か…遊んでやろう」
「遊んでー♪ 遊んでー♪ それっ」
 骸魂童子達の放った鬼火が迫ろうと余裕を崩さない暴虐の魔女、口元を歪め腕を翳した姿はまさに邪悪そのものの気配、高まる魔力が雪崩のように吹き上がりそして背後の空間から現れた大量の魔剣がその異様を強調する。
「魔剣を統べる女帝の力…その一端を見せてやろう!」
 氷を纏った魔剣が降り注ぎ襲いかかっていた鬼火を瞬く間にかき消してしまう、さらにはもはや制御できているのかと心配になるかのような魔剣の雨が周囲の何もかもを串刺しにして……。
「ウソッ、なにこれすごい……周りがみんな剣でいっぱああい、ぐあっ」
 あまりの光景に見とれた骸魂童子は避ける事も忘れたまま次々と串刺しにされていきその数を減らしていく。
 そこへと歩み寄ったイデアールは串刺しにし虫の息の童子を見上げると赤い舌をチロリと出し妖艶な笑みを浮かべた。
「若い子のエキスってのも……また格別だろうな♥」
 指をパチンと鳴らすと同時に体内から水分が無くなっていき萎れていく童子、魔剣ドミナンスに全身の血を吸われてしまえばもはや存在していることも不可能になる次々とその屍を霧散させていく。
 流れ込む童子の生命力を全身で味わいながら恍惚の表情を見せる暴虐の魔女、その前にはもはや往く道を遮る障害は何も存在していない。
「あぁ……この劣情を現す文字が今この世界にないのではメモに残す事もできん、残念だなぁ……あっはっはっは♪」
 イデアールが高笑いし優雅に歩み始めた後にはもはやそれを妨げる障害は何も残されていないのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

南青台・紙代
アドリブ・連携OK

は?文字が消える?
めちゃくちゃヤバいが?
……思わず言葉が乱れたのである。
我輩(怪奇人間の文豪)にとっては
文字通りの死活問題であるが故に。
いや、我輩だけでなくこの世界にいるであろう
文や筆など文字に携わる品より生まれし
妖の存在にも関わるのではないか?
後は文字や数字を以て戦う術とする魔術師も困りそうであるな。
……我輩と同じ電脳魔術師であるとか。
うむ。絶対放っておけぬ。
というわけで骸魂たちよ、事件解決のため
押し通らせてもらうのである!
【怪奇ヘビ人間】で毒蛇になり、敵に噛み付いたり、
《念動力》で『多機能ナイフ』を振り回して攻撃。
掴まれないよう《オーラ防御》で身を守るようにしよう。




「は? 文字が消える? めちゃくちゃヤバいが?」
 カクリヨファンタズムで発生した『文字』という概念が効ける事件、その説明を聞き皆が騒めく中で一際大きな声をあげてしまったのは南青台・紙代(言の葉綴りし青蛇女・f23355)だった。
 周囲の視線に少しばかり頬を赤らめつつコホンと咳払い、気にしないでほしいという雰囲気を纏わせ追及を煙に撒きさっそく異界へと旅立っていった。
(……思わず言葉が乱れたのである)
 紙代にとっての死活問題、いや他にも多数いるであろう文や筆それに文学に携わる者達にもおそらくは影響がでてしまうだろう。
 ここに紙代を送り出した妖もきっとその一人に違いなく普段見せない怒りを表に出すというぐらいには重大な問題に違いないのだ。

 降り立ったカクリヨファンタズムの地に流れる何やら違和感は次第に増していきあるべきものがない、何故そんな物が?という代物があちこちゴロゴロと転がり全くもって落ち着かないのだ。
 文字それは絵文字も含めて概念そのものがないので次世代に物事を伝えるのは口伝のみとなってしまうためか建物やそれに纏わる物がいつからあるのか皆何も考えず生きてしまっているようである。
 文字列がなければ電脳に生きる者にもどうやら影響が出るようでプログラムがどうにも不安定な挙動しかせず影響は次第に猟兵にも迫りつつあった。
 「吾輩がこのような愚挙を絶対に放っておくわけがなかろう!」
 元凶がいるという建物へと一路急ぐ紙代の前に立ちふさがるは多数の骸魂童子達、その顔に浮かぶのは無邪気にこの状況を愉しむ童そのもの。
「あはは、遊ぼう遊ぼう♪ 勉強もなにもしなくていいこんな世界へようこそ♪」
「くっ、面用であるなっ!」
 掴みかかってくるその手をするりと毒蛇に変化しすり抜けると腕に巻き付きさらに首筋へとその毒牙をかけた。
 どちらが面妖と言われると……気のせいか全身毒蛇へと身を転じた紙代のほうがと言いたくなるのはわかる。
 だが怪奇ヘビ人間を使いこなし見事なまでに一人二人と倒していく姿はまさにすごいの一言。
 多機能ナイフを念動力でフォローに回らせ童達の手が伸びてくるのを牽制しするすると隙間を抜け次の獲物へと襲いかかる。
 まさに野生の狩人のようなその動きに骸魂童子は苦労したがようやくその尻尾を握りしめ……と思った瞬間バシッと手で何かが弾けその手はついに蛇となった紙代を掴むことがなかった。
 オーラで作りあげた絶対の防御膜の前に彼らはただただ追いかけ隙間に入られてはまた別の者が襲撃にあいと次第にその数を減らしていく。
 この囲いを突破し元凶を滅ぼさねば……その一途な想いが心を満たしそして一気に駆け抜ける。
「というわけで骸魂たちよ、事件解決のため押し通らせてもらうのである!」
「ま、待て~~~っ!」
 草むらをするすると立ち去る紙代をまともに追う事も出来ず骸魂童子達は地団駄を踏むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジェイク・リー
※華澄と行動

口伝では抽象的になってしまうから文章は必要になる。
文字がなくなれば伝言も不可能となる以上、防がねえとな。
「相手に隙を与えると不味そうだな」
七星天狼刃を短刀、ドゥームを短剣の光刃に形成しておく。
酔八仙拳をベースに見切り、フェイント、残像、摺足のダッシュ、早業を融合させた酔剣術で応戦する。
問題は援護する華澄か。不規則に動きまわる以上、援護は厳しくなりそうだが。

アドリブOK


藤宮・華澄
※ジェイクと行動

久しぶりに二人だけですね。
文字をなくす、そんな事したら大変な事になります。
カルテだって書けなくなったら患者さんを助けられなくなります。
何としても阻止しないと。
ヴァナディースによる援護射撃を行います。
迷彩で目立たないように隠れつつマヒ攻撃や乱れ撃ちを繰り出します。
第六感でジェイクさんの動きを予測しつつ何とかします。

アドリブOK




 “文字”という概念が失われたここカクリヨファンタズムに降り立つ二人の猟兵達、その視界内に見える光景はすでにその影響を受けているのか看板も書物も何かもが消え聞こえてくる会話などもお世辞にも知性をあまり感じれない様子。
 手元の端末を確認してみたが文字の表示どころかプログラム言語にまで影響が出ているのか動作不良を起こし反応すらしない。
(口伝だけでは伝えきれない事が多すぎる上にここまで影響が出る以上はどうにかしないとな)
 言語という物がここまで影響が出ると想像していなかったがために内心驚きを隠せないジェイク・リー(影の護り手・f24231)だが他にも影響は多々出ているはずだ。
 コンピュータ系が使い物にならないとすると久しぶりに生身で全てを解決する必要があると先を急ぎ始める。

「待ってください」
 その後ろを追いかけるように駆けてくるのは藤宮・華澄(戦医師・f17614)、久しぶりに2人きりで仕事をするわけなのだがここに来て文字という概念が無くなるということがどういうことか出始めた影響に寒い物が走っていた。
「カルテ類も全部ただの紙になってしまってますね、携帯端末も全て動作不良を起こして反応もしません」
「相手に好きにさせると不味そうだな」
 そうこう言っているうちに囲まれている二人、骸魂童子達はクスクスと笑いながらどんどん近づいてくる。
「あそびましょ? あそびましょ……べんきょうしないであそびましょ」
 そう言いつつも念動力で飛ばされた石を避け続けるジェイク、泥酔したような不規則な動きでそれらを避け続けクネクネと酔っ払いにしか見えないというのに手にした短刀ですれ違いざまに切り裂く怪しい動き。
 それは敵だけで無く援護に回ろうとした華澄にとってもあまりにも予測がつかない動きなわけで。
「当たったらすいませーん!」
 銃に書かれた文字も何もかも消え電子的な補助が無くなりアナログな設定で操作を余儀なくされたうえに援護すべきジェイクの動きは正直言って先が読めない。
 仕方がなく勘に頼って何発が撃ち込んでみるのだがこれまたギリギリの所に着弾し心臓に悪い。
 最悪当たる事も何とかですよねなどと自分に言い訳しトリガーを引き続ける先では酔剣術による動きにノってきたジェイクが酔っ払いよろしく骸魂童子に蹴りを入れていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

枯井戸・マックス
【砦】で参加

俺が集める遺物には魔導書や歴史書もある
それが台無しにされるとなれば、黙って見ている訳にいかないな
何より俺はこの世界の遺物をまだ一つも…じゃなくて、この世界の歴史を知らないんだ!
それを消し去るなんて許せん、ああ許せんとも!
(張り切る真琴に調子を合わせて誤魔化す)

◇戦闘
「合わせるぜ!水攻めで一気に押し流そう」
両肩に水瓶座の水流砲、手に魚座の月牙鏟を召喚
敵の鬼火を高圧水流で消しつつ敵本体へも攻撃だ
高圧水流が当たったらユーベルコード発動
月牙鏟の両端に仕込まれた鎖付きの刃を発射し、それを操り追撃
【属性攻撃、一斉発射、2回攻撃】
仲間に攻撃が及ぶようなら【武器受け、かばう】でフォローだ


琶咲・真琴
【砦】

文字が無くなるっ?!
それは大変です!
色んなことで困ったことになりますよ

文字がないと勉強もできませんし
絵本もつまらなくなってしまいます
張り切っていきましょう!

常にオーラ防御

火は水で消火
火の用心です!
高速&多重詠唱・先制攻撃などでUCを使用
スナイパー・学習力・追跡・2回&属性攻撃などで
鬼火を消した上で確実に攻めます

お祖父ちゃんとお祖母ちゃんも援護射撃お願い!

了解です、マックスさん!

怪力で輝うさを握り
念動力で空中にいるお祖父ちゃんたちが敵に振り回されないようにサポート
接近戦で来たら
第六感・野生の勘などで避けたり
カウンターなどで対抗

守られっぱなしは性に合いません
ボクもカバーしますよ

アドリブ歓迎


一駒・丈一
【砦】

(自らの日記帳を開き)…なるほど。確かに文字という概念が消失しているようだ。
個人的に、文字が消えればコレ(日記帳)で己の過去を再確認できなくなるのでとても困る。
故に、このカタストロフは止めさせていただこう

戦闘においては、少々到着が遅れてしまったな。
マックスと真琴は水攻めで敵に挑んでいる。大技だ。

ならば俺は
敵がその水攻めで撹乱されている最中に、
物陰からUC【静寂なる雷】にて、【早業】にて仲間が撃ち漏らした敵の頭を順次射抜いていくとしよう。
遅れて来たが故に、敵も俺の存在には気付き辛かろう。要は、伏兵として影から立ち回る方向で動く。
敵の霊障が飛んで来た場合は【見切り】回避に注力する

アドリブOK




 “文字”という概念の消え失せたカクリヨファンタズムは世界崩壊一歩手前で今も推移しこのまま放置するわけにはいかない状況にもう陥っていた。
「文字がなくなる?! それは大変です!」
 この世界へと一歩足を踏み入れ驚きを隠せない琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)は周囲を見渡し本来あるべき看板などが全て失われている事に気付いた。
 これでは勉強もそれに新たな知識を得るのも難しく絵本でさえもつまらなくなるのは間違いないだろう。
 下手をするとその存在すらもが巻き沿えをくっている可能性すらある。

「あぁ、これは酷いな」
 真琴の横で同じく露天商に置いてある商品をざっと見渡し枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)は丸サングラスの位置を直し落胆の色を隠せない。
 そこにあるべきはずの商品やそれを記した物全てが欠けている、むしろ金銭という存在までもが文字が失われた影響で消えている可能性すらある。
(俺が集める遺物には魔導書や歴史書もある。それが台無しにされるとなれば、黙って見ている訳にいかないな……)
 そう……書物は文字があってこその代物であり今この世界から全ては失われてしまっているはずなのだ。
(俺はこの世界の遺物をまだ一つも…じゃなくて、この世界の歴史を知らないんだ!)
 それはとてもとても看過できない所業であるとマックスは表に出し切ってはいないが静かな怒りがその視線には宿っているかのようで。

「あそぼうあそぼう、無駄な物が消えたら楽しいよっと」
 わらわらと現れた骸魂童子達が二人に誘いかけるように近づいてくる、だがその遊ぼうとは言葉通りの意味ではない。
 命を賭けた遊びをしようと誘いをかけてきているのだ……彼らの周囲に突如として現れた鬼火がそれを象徴しているかのようだ。
 それはポツポツと数を増やしていき一斉に2人へと襲いかかろうとする。
「火は水で消化できます……すなわち水剋火! 火の用心ですっ!」
 真琴が素早く印を切り瞬時に狙いを定めれば無数の魔法の塗料弾が放たれ襲い来る鬼火が蒸気をあげ飛び散っていく。
「合わせるぜ!水攻めで一気に押し流そう」
 真琴に合わせ両肩に宝瓶宮グレイスポッドを装着しマックスはそこから放たれる水流を全開にし前方へと一気に解き放った。
 2人のコンビネーションの前に鬼火は相殺され間合いへと飛び込める下地は出来上がる、だが双方の火と水が互いに熱量を好感した結果その場に立ち込める大量の蒸気に二人はまだ気付いていない……側面から回り込もうとしている骸魂童子の一団の存在を。
 だがそれは異物がそこに混じっている事に気付いていない骸魂童子達もまた同じこと。
「悪いな。正面切って挑む程でも無かったのでね?」
 突如として先頭を走っていた童子の頭が吹き飛び一本の杭の異様が視界に入る、さらに抜かれた杭がまた別の童子の胸を貫きその死体は物陰へと投げ捨てられた。
 戦場に人知れず紛れ込んでいた偉丈夫、鋭い視線で次の獲物を狙いながら一駒・丈一(金眼の・f01005)は贖罪の道標という名の杭を引き抜く。
「少々到着が遅れてしまったが結果オーライ、いいタイミングだったろう?」
 到着に時間差が出来た事を利用し伏兵として十二分な仕事をこなした丈一が未だ戦いの中にある二人へとそう語ると二人共にいい笑顔でそれを頼もしく思い勢いに拍車がかかる。
「お前さんもこいつら許せないって口か」
「丈一さん来てくれたんですね!」
 その声を背にもう一体を杭で地面に縫い付けるとそれを踏みつけ丈一は懐より日記帳を取り出した。
 そのページを開いてみるものの中味は白紙であり何も書かれてはいない。
「……この通り文字という概念が消失し日記もこの様だ。個人的に己の過去を再確認できなくなるのはとても困るのでね」
 足元で鈍い踏みつぶしたような音が響く、そして残った童子達のほうを見ると3人はここで一気に決めてしまおうと間合い内へと次々に飛び込んでいった。

「ここは俺様が先陣を切るぜ!」
 マックスが手にした双魚宮ハープーン・ケンレーンを構えその先端から鎖付き刃を放ち童子の一人が不意をつかれそれをまともに喰らう。
 月牙鏟であるそれを振り回しまた別の童子の肩を切り裂き敵陣中へと飛び込むマックス、その使い込んだ武器の独特な動きは推、圧、拍、支、滾、鏟、截、挑、撥、劈、沖と留まる事を知らずあっという間に数人を無力化しまだ余裕さえも感じさせた。
「お祖父ちゃんとお祖母ちゃんも援護射撃お願い!」
 空中へと距離を取らせたそれよりもさらに前へと真琴は飛び込みその幼い容姿に似合わない怪力でお面を背負うふさふさなたれ耳黒兎のぬいぐるみより変化した薙刀を振り回し童子達は次々とバランスを崩し倒れこんだ。
「こっちも忘れるなよ?」
 起き上がり真琴を狙おうとした童子の後頭部に尖った物が押し当てられる、それは丈一の必殺の杭。
 容赦なくそれを突き刺し情勢はほぼほぼ決まったように思える、3人の行く手を遮る敵はあともう僅か。
 辺りに骸魂童子の断末魔の叫びが響きそして静寂へと飲まれていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『キョンシー木綿』

POW   :    キョンシーカンフー
【中国拳法の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    百反木綿槍
自身が装備する【一反木綿が変形した布槍】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    キョンシーパレード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【キョンシー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「みんな真っ白、どこまでも真っ白……余計な物は消え去って、世の中どこも真っ白け♪」
 街角の寺小屋があった建物の庭でピョンピョンと腕を前に突き出し跳ねているキョンシーが一人。
 このキョンシー娘こそが今回の事件の真犯人であり“文字”という概念を世界から失わせた元凶なのだ。
 ただただ勉強せずに遊んでいたいというそれだけの想いがこのカクリヨファンタズムではこうして事故を引き起こしたりするという例なのだろう。
 本人にはその気はなくとも世界はまさに崩壊一歩手前、本当にこの世界はギリギリの均衡で保たれているのだ。

「アチョー♪ 朝はグーグー 昼もグーグー 夜はみんなでうんどかーい♪」
 たった一人でピョンピョンとキョンシらしく跳ねながら庭をグルグルと回り続けるキョンシー少女、だがその見た目に騙されてはいけない。
 妖怪であるキョンシー少女が外見通りのか弱さということは決してなくその技量も含めて規格外なのは間違いない。
 骸魂に飲み込まれオブリビオン化しているだけの事で打ち倒せば無事に救出も可能……であれば手加減なく倒してしまって問題ないといこと。

 文字を巡る猟兵達との激突はもう間近まで迫っていた。
イデアール・モラクス
勉強したくない想いが文字という概念すら消す…一念天に通ずるとでも言おうか。
実に可愛らしいこのような娘の心すら世界を揺らがせる、カクリヨとは面白き世界よな。

・攻撃
ともあれまずは倒す事だ、何をしても中身はちゃんと助かるんだろ?
「可愛がってやる、死ぬまでな!」
UC【色欲の触手】を『全力魔法』で数を無数に増やした上で『高速詠唱』を用いて素早く召喚、『範囲攻撃』で蘇ったキョンシーを含め同時に多数の対象を絡めて快楽漬けにする。
「キョンシーに感覚が残っているかは知らんが、焼かれれば耐えられまい」
拘束したら触手で穴という穴を『串刺し』にして『属性攻撃』を用いて先端から炎を流し体内から『焼却』

※アドリブ歓迎


青葉・まどか
この世界から文字を奪った犯人、キョンシー木綿。
コイツ……何も考えてないよ!
『文字が消える』という事がどれ程の損害なのか全く分かっていない!
コイツに文字の大切さを説明しても、今は理解しないだろうし……よし!ぶん殴ろう。

本を読まないのも、勉学をしないのも個人の自由だ。
そう、あくまで個人。
他人の読書や勉学をする自由を奪うなんて誰にも許されないよ!

『破魔焔』発動
キョンシー木綿とその配下のキョンシー(骸魂童子を変化させた?)の集団を相手にちまちまやっていたらきりがない。
破魔焔で【範囲攻撃・2回攻撃】でまとめて【焼却】するよ。




「アチョー!」
 寺小屋前で無邪気に功夫を磨いているかのように見えてただたんに遊んでいるだけのキョンシー木綿。
 そのただただ遊んでいたいという想いが世界を滅ぼそうとしているなど誰が思おうか。

「コイツ……なにも考えてないよ!?」
 ここに来るまでに様々な惨状を見かけあまりにも”文字“という概念と共に失われたものが大きすぎる。
 だというのにこのキョンシーはその仕出かした事に全く気付く様子も無い。
さすがに青葉・まどか(玄鳥・f06729)はさすがにムッとした様子で目を細めると自然とその構えは戦いに向けたものへと形どられていく。
(コイツに文字の大切さを説明しても、今は理解しないだろうし……)
 目の前のキョンシーはーどう考えてもお子様がそのまま遊んでいるだけで悪気も何もあったものではないだろうし説明しても理解などできないに違いない。

「勉強したくない想いが文字という概念すら消す…一念天に通ずるとでも言おうか」
 信じる者は救われるなどと言う言葉を聞くこともあるがまさか世界が滅びるなどとはさすがに思わないものだ。
 だがまあこのような可愛い娘の一念がそこまで世界を動かすとは……と感慨深く観察するイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)は少しばかり楽しそうに笑いをこらえ口元を隠す。
(カクリヨとは実に……実に面白き世界よな)
 だがまあその面白き世界を終わらせてしまっては元も子もない、まどかとは反対側に陣取り戦闘態勢を整えた。
 結局のところ二人がすべきことは明白でそしてこの相手には全力で立ち向かうのが手っ取り早いという説明も聞いている以上二人に迷いはなかった。

「よしっ! ぶん殴ろう!!」
 結果として最もシンプルな言葉……いわゆる肉体言語で語る事にしたまどか、ここにカクリヨファンタズムの命運を決める戦いの幕が上がった。
 まどかの詠唱と共に現れた破魔の炎は舞い上がりそしてキョンシー娘へと襲いかかる、だがキョンシー娘は軽やかな跳躍で距離を取りなおし身に纏う木綿布が辺り一面へと伸びていき何かを巻きつけ引き寄せ始めた。
「来!来!来!来! 殭屍再見!」
 それは先頬倒された骸魂童子達の肉体それらに霊力が流れ込みそして全員が殭屍(キョンシー)へと変貌し二人の前に立ちふさがった。
 何体かがさっそくまどかの破魔焔の餌食になり燃え始めるがいかんせん数が多い。
「あっはっはっは、まかせておけ♪ 可愛がってやる、死ぬまでな!」
 高笑いしながらイデアールの詠唱と共に空中に現れた無数の魔法陣、そこから飛び出してきた触手が出来たてのキョンシー達を捕まえそして絡めとり着衣の中へと侵入していった。
「快楽の海に呑まれ痴態を晒すがいい、ヤれ!色欲の触手!」
 暴虐の魔女が指を鳴らすと同時にキョンシー達から一斉にあがる嬌声の数々、あきらかに着衣の中では激しい責めが繰り返されているに違いない。

「わぁ……激しそう♥ じゃ……ないない! 今がチャンスだよ!」
「なんだシテほしいならいくらでもシテやるからな♥」
 眼鏡を光らせたまどかの視線が何を見ていたのかはあえて言うまい、だがちょっとした感想に一気に食いついてくるイデアール。
 同じ目に合う気してしない、危険すぎる。
「今日はけっこう! さぁ……一気に焼き尽くすよ!」
「遠慮などいらんのになぁ……いつでもウェルカムだぞ? まぁ今回はこいつらで我慢しておいてやろう」
 触手に捕まっているキョンシーにまどかの破魔焔が次々と襲いかかり炎に包まれていく、そして内側からもイデアールの触手が先端から炎を噴き出し元骸魂童子だったキョンシーは残らず焼き尽くされていく。
 こうして文字を巡る戦いは大炎上より始まることとなったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

南青台・紙代
アドリブ・連携OK
引き続き毒蛇姿のまま戦闘へ。
「貴様がこの異変の元凶か!文字書きの端くれとして、
いやそれ以前に物語を愛する者の一人として許してはおけん!」
宙に浮かせた『蛇怪之瑪玉』を輝かせて敵に《マヒ攻撃》を試みる。
敵の拳は地を這う我輩には当てにくいとよいのであるが、
当たりそうならば《オーラ防御》で防ぎたい。
あの木綿の方が骸魂のようであるから、『多機能ナイフ』で
千々に切り裂いてやるのである!
「……確かに勉強を辛く思うなら文字を見るのが嫌になることもあるであろう。
しかしな、文字に命を救われる者もあるのだ」
怪奇人間故の短命を、文豪の業で
引き延ばす我輩のように、
と内心呟きながら人の姿に戻る。




「貴様が異変の元凶か!」
 世界が崩壊を始めた中ついに元凶と対峙することができた南青台・紙代(言の葉綴りし青蛇女・f23355)は毒蛇に変化したままの姿で庭に現れるともはや我慢できぬとばかりに叫ぶのをやめることは出来なかった。
 キョンシー娘はキョトンとした表情で首を傾げ現れた毒蛇のほうを見るが反応はあまりにも薄いものだった。
「げんきょーってなあに?」
 そう、自覚がないお子様にとっては理解の及ばない所のようなのだ。
「文字書きの端くれとして、いやそれ以前に物語を愛する者の一人として許してはおけん!」
 その反応を見て紙代の怒りはさらにヒートアップ、容赦せずにいくぞとばかりに真っ赤な瑪瑙の勾玉を宙に浮かせそれが怪しい輝きを増す。
 ビクン
 蛇怪之瑪玉と呼ばれるその勾玉の輝きを見た者は動きが少しばかり封じられる、キョンシー娘も一瞬それで動きが遅れワンテンポ遅れて紙代が寸前までいた場所へと強烈な拳が突き刺さり大地が砕け散った。
 そのままするすると地面を這う毒蛇の動きは拳法で戦うにはあまりにも狙いを定めにくいものであるらしく幾度かの攻撃を避け続け紙代は慎重に相手を観察した。
(あの木綿の方が骸魂のようであるか……ならば!)
 宙を舞う多機能ナイフがキョンシーの身に纏う一反木綿を次々と切り裂こうと襲い掛かりその行動を阻害し始めた。
「あははは♪ 喋る蛇さんおもしろーい♪」
 だがそれを意に介さず強烈な拳を振るっていたキョンシーの動きが変わる、突如足を大きく上げそして大地を踏みしめるいわゆる“震脚”が地を這う紙代へと振り下ろされ。
「くっ!」
 避けられないそう判断し全身にオーラを急ぎ纏わせたのが功を奏し最悪の事態は避けられた、だがおかげで防御そのものが疎かになったキョンシーの虚を突くかのように紙代の姿は人の姿へと突如として変化し浮いていた多機能ナイフを手に取るや必殺の信念で一気に振り回され……。
「……確かに勉強を辛く思うなら文字を見るのが嫌になることもあるであろう。しかしな、文字に命を救われる者もあるのだ!」
「勉強なんてきらいーっ!」
 怪奇人間故の短命で何を残せるのか日々自問する紙代にとって己の存在を書き残す文豪としての業がキョンシーの無邪気すぎる心に一撃を加える。
 内心のそんな想いはまだまだこの娘には通じてはいないだろう、だがやっていい事と悪い事はここできちんと教えてやるとばかりに紙代はさらなる一撃のためナイフを構え直すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

一駒・丈一
【砦】

遊んでいたいという気持ちは分からんでは無いが
文字を無くすのは悪手だぞ。文字から得られる娯楽もあるのだからな。

俺は、真琴と共に敵の足止めに回る。真琴のUCで姿を隠しながら
相手が放つ布槍の軌道を【見切り】、それに対してUC【罪業罰下】を放ち、囮として立ち回る真琴に向かう敵の布槍を断ち叩き落とす。…しかし、こうも数多く飛んで来てはキリがない…。ならば…。

布槍を凌ぎつつマックスの仮面を額に宿す。
「さ、さもんあーまー!」(声を合わせた方が良いかと思って言った)
なるほど、睡眠効果か。この召喚装備の効果は抜群だな。

さて、時間は稼いだ。
シル、あとは任せた。頼むから巻き込むなよ。あの骸魂を断つのだ!


琶咲・真琴
【砦】
丈一さん、先程は助けていただき
ありがとうございました!
シルさんも合流ですね
百人力です!


時間稼ぎならお任せをっ
敵に切り込んで
幻畏白炎で味方を迷彩で目立たなくし
自分の存在感を強調して囮に
残像・ダッシュなどで敵の周りを駆け巡りながら
高速・多重詠唱などでUC発動

誰も倒れさせませんよ!


接近戦では
グラップル・怪力・第六感などで体術で攻撃

オーラ防御・カウンター・野生の勘などで防御や回避を行う

隙あれば攻防共に体勢崩しも狙います

お祖父ちゃんとお祖母ちゃんはシルさんをお願い!
シルさんへ行った攻撃を光線でスナイパー・援護射撃などで撃ち落とす


聞き耳でシルさんの合図を逃さず
敵をUC付きで踏み付けて退避



アドリブ歓迎


枯井戸・マックス
【砦】

子供の我が儘から始まる大事件
予想以上に危うい世界のようだな
「まあ、まずはあの娘を止めなくちゃ遺物探索もままならん。悪い子はお尻ぺんぺんだ!」

◇戦闘
「行くぜ一駒の旦那。サモンアーマー!」
仮面だけ分離して、一駒の顔に張り付きUC発動
彼の守護星座たる牡羊座の鎧と白羊宮ラリホーンサックスを召喚装備
眠りの【属性攻撃、楽器演奏、催眠術】で敵を眠りに誘うぜ
「文字を読んだら眠くなる性分か?だったら勉強前にたっぷり寝ておきな」
音撃にのせて【封印を解】き、一反木綿とキョンシー娘の繋がりを弱めることが狙いだ

その後は鎧の力で一駒の身体能力を強化し行動補助
角笛は打撃武器にもなるぜ【怪力、武器改造】

連携アドリブ可


シル・ウィンディア
【砦】で行くよ

遊びたい気持ちはわかるけど…
でも、遊んでばっかりだと飽きてきちゃうよ?
わかってくれないなら、ちょっとお仕置きだねっ


今回は頼りになる人達がいるから
甘えさせてもらって…

敵の動きを焦らずに【見切り】観察だね
子供は突拍子のない行動があるからそれもじっくり観察するよ

敵UCのキョンシーがこっちに来たら【空中戦】で飛んで
【残像】で撹乱して最小限の動きで回避しつつ距離を取るね
みんなが護ってくれるから、絶対に通すっ!

【限界突破】で【魔力溜め】を行って魔力を増幅
【多重詠唱】で術式強化してから
【全力魔法】のヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!

射線から離れてっ!
…いっけーーっ!!

※連携・アドリブ可




 元凶たるキョンシー木綿がいる庭へとようやく辿り着いた猟兵の面々はすでに始まっていた戦いに乱入し一気に流れをこちらへと向けるべく勢いをつける。

(子供の我が儘から始まる大事件、予想以上に危うい世界のようだな)
 こんな些細な事でいちいち滅んでいては恐ろしくてしかたがない、そう思いつつも枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)は今ここで止めてやることがこの子のためでもありそして大人の責務であると自覚する。
「まあ、まずはあの娘を止めなくちゃ遺物探索もままならん。悪い子はお尻ぺんぺんだ!」
 そう言いつつも視線はさらに前をいく二人へと注がれる、子供とはいえ相手はオブリビオンであり生半可な攻撃では通じないと心が囁くのだ。

「丈一さん、先ほどは助けていただきありがとうございました!」
 真っ先に飛び込んでいく琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)はそう声をかけ確かな仲間達の声援を受け懐へと踏み込む。
「仲間だろ? 気にしなくていいぜ」
 すぐ脇にいるはずなのに声だけがする一駒・丈一(金眼の・f01005)がそう口にし挟むようにキョンシーへと迫る。
 真琴の楼炎白風により姿が幻覚で姿を晦ませ不意をつこうというのだ。
「あ? あれぇぇ???」
 キョンシー木綿が真琴に放った布槍の一撃は突如として横合いから現れた(かに見える)丈一の一閃で叩き落とされ目を丸くする。
 キョンシーの目からは丈一がまるで何もない空間から湧き出てきたようにも見えてしまっている。
 驚きつつも隙無く繰り出された蹴りを丈一は目一杯身を逸らして避ける、鋭い蹴りが空を裂き風が頬を撫でる。
 やはり子供の姿とは言え実力だけは本物である相手にますます視線を細めた。

 その攻防を空中より見届ける視線が一つ、事件と聞きつけようやく駆け付け突入のタイミングを計るそれは幼い少女のもの。
(遊びたい気持ちはわかるけど……)
 そうぽつりと考えるシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は遊んでばかりの双子の妹の事を考える。
(遊んでばっかりだと飽きてきちゃうのに……わかってくれないならちょっとお仕置きだよね!)
 お姉ちゃんとしてそこは譲れない、キョンシー木綿を通じて何処かで遊びまわっていそうな妹へとその言葉は向けられているかもしれない。

「アイアイ♪ 遊ぼう遊ぼう……みんな一緒にずーっと遊ぼう♪」
 キョンシーが手を合わせ軽やかに結ばれた印の直後、倒れていた童子達が新たなるキョンシーとして立ち上がり一行へと立ち塞がった。
 それはまさにキョンシーパレード……死者たちの行列である。

 その状況を打破すべく最初に動いたのはマックスだった、自らの仮面を外すとそれを思い切り前を往く丈一へと投げつけたのだ。
「行くぜ一駒の旦那。サモンアーマー!」
「へっ? お、おうっ……さ、さもんあーまー!」
 空気を読んでマックスの掛け声に合わせ声を絞り出す丈一だったが正直三十路にはキッい、ちょっと真琴の視線が気になる微妙なお年頃。
 ふと視線をあげれば上空にいるシルからのニコニコとした生暖か(く感じる)い視線がなんだか心に刺さる、これから齎される強化より心のダメージのほうが大きい気がしてならない。
 丈一の守護星座である牡羊座の形状をした鎧と白羊宮のラリホーンサックスが召喚され次々と装着されていく。
 なんだかポーズもとらねばならない気がしてばっちりとキメるあたりが羞恥心に負けない大人の心意気。
 そんな合体を邪魔させまいと真琴はさらに踏み込みキョンシーと手数を競い合うかのように次々と拳をそして身体をぶつけ合いその力を振るっていた。
「てぇええええい!」
「あははは、すっごい力持ちすごーい!」
 腰にしがみつき一気に押し出すかのように壁へと叩きつけるがキョンシーはそれすらも遊戯感覚のようで其処が知れない頑丈さだ。

「あいあいあいあい!」
 群がるキョンシーの群れを引き付け残像を残しながら飛び立ち回避するシルはこれらが皆のほうへ流れれば戦いはより一層カオスになってしまうと思いそのまま逃げ切るわけにいかず少しばかりどうしたものかと考える。
 仲間全体の配置と敵の配置から考えとれる手段は……とっておきがまだある!とキッと前方を睨みつけた。
(みんなが護ってくれるから、絶対に通すっ!)
 事前にある程度は伝えてあるのであとは仲間達を信じるだけ、シルはすうと息を吸うように周囲の精霊達から魔力を分け与えてもらうべく心を静め始めた。

「さあって、お子様は文字を読んだら眠くなる性分か!」
 マックスはそう言いながら丈一に授けた鎧へと力を注ぎ込む、それは牡羊座に秘められた力を解放することを意味している。
 Seepから転じてSleepへと導くそれは優しき眠りの技……眠りの調べは暴れまわるキョンシー娘と一反木綿との連携にもじわりじわりと影響を色濃く落としていく。
 元から勉強嫌いの子供なのだ、居眠りを始めると戦えた戦えと身体を動かそうとする一反木綿との落差にどうやら不協和音が鳴り始めたようだ。
(なるほど、催眠効果とは考えたな)
 丈一は邪魔な周囲のキョンシーを刃で斬り裂きそして一気に真横へと跳躍する、視線は送らずにただ心の叫びだけを背後でこの機を伺っているであろうシルへと送る。
「さて、時間は稼いだ、シル、あとは任せた」
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんも射線から離れてっ!」
 真琴も全身のサイクックエナジーを足裏へと集中しキョンシーを踏みつけその場へと固定しながら横へと跳んだ。

 じっくりと溜められたシルの膨大な魔力、多重に重ねられた魔法陣がその内圧で赤く輝き始めている。
 臨界点はすぐそこまでやってきている。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 6属性が集約されそしてその圧縮された魔力がシルの前方へと解き放たれた。
「射線から離れてっ! …いっけーーっ、ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!!」

「おっきな花火って、きゃあああああああっ!?
圧倒的な輝きがキョンシー達を残らずそして動きが固定され身動きとれなキョンシー木綿を呑み込んでいった……。
 次の瞬間寺小屋のあった場所に巨大な魔力の球体が爆風をまき散らしながら降臨し全てが包み込まれていくのだった。

 キョンシー木綿から染み出すように剥がされていく骸魂、それは丈一の間合いに入った瞬間に真っ二つに切断されそして一つの崩壊はここで無事に防がれる事となった。
 壊れた建物の門跡に『寺小屋』という看板が再び姿を現しそれを見た4人は互いに手を叩き合い目的が果たされた事を知る。

 カクリヨファンタズム世界に“文字”とい概念が再び帰ってきたのだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『骨董ガラクタ蚤の市』

POW   :    値下げ交渉をしてみる。

SPD   :    面白い物を探して歩く。

WIZ   :    珍しい掘り出し物を探す。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 戦いが終わり世界に“文字”という概念が再び戻ってきたカクリヨファンタズムに平和が訪れる。
 憑依されてオブリビオン化していたキョンシー木綿も無事に目を覚ましひとまずは一安心といったところ。
 この世界においてはこうして妖怪たちが犠牲者となることなく救出可能というのが猟兵達にとってはまだやりやすい要因だろう。
「ふぁぁ、よく寝た~」
 寺小屋で漢字の書き取りの宿題をやっているうちに”文字“なんか消えちゃえなどと思っていただけのキョンシー木綿にとって、それがまさか世界を滅ぼす一歩手前までいっていたなどきっと理解できないかもしれない。

 怪我なく無事な事を確認しキョンシー木綿は元気に住処へと帰っていった。
 残された猟兵達は賑わいの戻ってきた街の骨董ガラクタ蚤の市の雑踏や呼び声を耳にし平和が戻ってきたと確信する。

 少しばかり市を覗いて帰ろうかと誰かが言い出し、皆もそうしようと賛同しながら賑わいを見せる蚤の市に一行は歩を進める。
 いったいどんな物が売られているのだろう……?
イデアール・モラクス
ふむ、問題も無事に片付いたようだし市でも見ていこうか。
新たな世界、何か面白いものがあるやも知れぬしな…錬金術の材料とか…何かエロいアイテムとか…エロいアイテムとか(大事な事なので二回ry)

・散策
まぁ本当に何があるのか分からんからな、適当に見て歩いて気に入った物は全て買って帰れば良い。
物品を亜空間に貯蔵する魔術はもちろん、金には困っていない。
「んん?金以外が欲しいだと?」
金銭以外にも私には出せるものが沢山ある…錬金術で作った数々の魔法道具、あらゆる魔術そのもの、そして何より…
「カラダで払っても、イイんだぞ❤️」
何にせよ私は愉しむ、全ては心の決めたままに…それが我が道さ。

※アドリブ歓迎




 カクリヨファンタズムに“文字”という概念が帰ってきた、それは世界の崩壊が免れたということであり猟兵達にとって勝利という最高な結果なわけだ。
 人々の雑踏が再び戻りあちらこちらに妖怪たちが楽しく騒ぎそして賑やかな雑踏の声も戻ってきた。
「ふむ、問題も無事に片付いたようだし市でも見ていこうか」
 全ての終わりを見届けイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)は軽やかな足取りで雑踏のほうへと歩き出す。
 この平和を味わえるのも世界の危機から救った猟兵としてのお愉しみといいたい所だがこの暴虐の魔女、そこはそこいつも通りの怪しさ満点。
 世間様にはお見せ出来ない事を考えていたりするのだ。
(新たな世界、何か面白いものがあるやも知れぬしな…錬金術の材料とか…)
「何かエロいアイテムとか…エロいアイテムとか!」
 イデアールさーん、表に出して言いセリフ逆です逆!

 蚤の市はまさに非現実的な商品でいっぱい、他の世界ではあまり見かけないような物が出品されていてイデアールの財布の紐はもうガバガバなどというものではない。
 だがここにいるのは妖怪たち、対価はお金ばかりというわけでもないのだ。
 そう……金銭などあまり関係なく過ごしている妖怪たちにとっては面白い物なども対価となりえるわけで。
「んー、お金以外でいいものが欲しいポヨ」
「んん?金以外が欲しいだと?」
 金銭以外と聞き何故か怪しい笑みを浮かべ始めるイデアール、なんというか公共の場とも思えない妖艶さで店主の顎を撫でると魔女ともなれば錬金術で作った数々の魔道具や魔術などでも払えると豪語する。
 だがそれよりもおの魔女が差し出せる報酬はといえば……。
「カラダで払っても、イイんだぞ❤️」
「えjfらjげあげいえk!?」
 目を白黒させて真っ赤に染まっていく店主をからかうようにイデーアルはさらなる値段交渉を続ける事にした。
 この蚤の市……まだまだ愉しめそうじゃないか!などと思っているに違いない。
 心のままに愉しみつくすぞとイデアールは本腰を入れてこの店主達へと身体を近づけていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青葉・まどか
骨董ガラクタ蚤の市……うん、面白そうだね!
せっかくだし、文車さんも呼んじゃおうか。

蚤の市は何処も彼処も面白そうだけど、今回の事件の後ならやっぱり古書や書籍の掘り出し物を探しますか!

色々な出物があるけど、私が狙うのは「妖怪の方が執筆した本」
この世界なら妖怪の文豪もいるだろうし、どんな本をあるのか楽しみだよ。

古本屋の店主に勧められたのは推理小説。
偏屈な老魔女が魔術を一切使わずに推理だけで事件を解決する、『魔女の安楽椅子探偵』 長編・短編合わせてシリーズ全13作品。
店主曰く、人気絶頂期に終了したベストセラー作品、らしい。

妖怪の推理モノ、面白そうだね。
ねえ、文車さんは何か気になるの見つけた?




「うん、面白そうだねここ!」
 骨董ガラクタ蚤の市、その名前の響きだけでもワクワクしそうなその催しに青葉・まどか(玄鳥・f06729)は軽い足取りで見て回ると後ろを振り返った。
「ほらほら文車さんも早く早く!」
「えっ、あう……はいなのです」
 まどかに手を引かれおどおどしながら文車・妖もこの蚤の市へとやってきていた、ここには普通では手に入らない古書や書籍などの掘り出し物があるかもと言われれば来るしかないといったところだ。
 二人は一軒ずつ出店を見て回り心行くまで古書に触れ思わず笑みが浮かんできてしまう。
「わわわ、青葉さんこの本素敵なのです」
「えっ……それって妖怪の方が執筆した本だよね!?」
 妖が手に取って見せた本に暗い突きまどかはまじまじとそれを触れそして見開き中を吟味する。
 それはとても不思議な本、読めば読むほど惹かれていきワクワクが止まらなくなってくる魅惑の掘り出し物。
 そんな二人の様子に店主の唐笠を被った妖怪店主がとっておきだと出してくれた連作物に二人はさらに目を輝かせた。
「わわっ、これって!?」
「素敵な雰囲気の表紙といいす、すごいのです!」
 まどかと妖の目をくぎ付けにしたそれは偏屈な老魔女が魔術を一切使わずに推理だけで事件を解決する、『魔女の安楽椅子探偵』シリーズ。
 なんと長編・短編合わせて全13作品の大ボリュームというのがまたすごい、二人は手を合わせその場でピョンピョン飛び跳ねてるぐらいなのだからこれがどれだけ二人の好奇心を引いたかは言うまでもない。
「まどかさん……お、お小遣い足りますです!?」
「ふっ、文車さんいくら持ってる? 私の手持ちと合わせてでも絶対買って帰ろうよ!」
 普段大人しめの二人がこれほど興奮するのも珍しい、それを見てトドメとばかりに店主は並べて見せてニヤリと笑う。
「お嬢ちゃん達、今日は運がいいな! このシリーズはな人気絶頂期に終了したおかげで引き延ばしとか一切なしに愉しめる真のエンターティメントってやつなんだぜ? そいつが今日は特別価格だ……これを買わねぇで蚤の市から帰っちゃあ後悔すっぜ?」
「ははは、はい! ぜひ……ぜひ買わせてもらうよ!」
 手を大きく振りまどかはそれを即決し包んでもらってる間に横で他の本をじっと見つめる妖に気付き声をかけた。
「ねぇ、文車さんは何か気になるもの見つけた?」
「えっあっ……この竜神と異界の神との決戦を描いた戦記物とかちょっと気になっちゃいます」
「えっ、なにそれどれどれ!」
 妖が指さした本にまどかは興味津々とばかりに手を伸ばし目を丸くし二人は再び素敵な本に出会えた蚤の市を堪能し始める。
 二人が見て回るには蚤の市はまだまだ出物が眠る夢のマーケット、楽しい一時はまだまだこれから始まったばかりなのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

枯井戸・マックス
【砦】

「これで一件落着。だがこれも一時の平穏なんだよなぁ。やれやれ、忙しない世界だ」
(まあ嫌いじゃないがね。暇しないのはいいことだ)
内心で次なる愉快な騒乱に期待してほくそ笑む

元の依代に戻り、仲間と共に蚤の市でこの世界特有の武具を探す
確かメダルが武器になるんだったか?
面白い魔導遺物があれば思わず財布の紐が緩むかもな

「ところで一駒の旦那、その日記には何を書いてんだ?」
ひょいっと覗き込もうと
「カード?そのくらい俺が一緒に買ってやるよ」
その後、値段を見て後悔する

確かこの世界の住人は気づいてくれる人間を大層有難がるんだったな
果てさて、どんなリアクションを取ってくれるのか楽しみだ

アドリブの会話や行動大歓迎


一駒・丈一
【砦】

(自らの日記帳を開き、記した文字が蘇っていることを確認し)…無事に目的は達したようだな。良かった。
(日記をパタンと閉じ)この日記は…。一応日々の出来事を書き留めているのだよ。おじさんは、あまり記憶力には自信がなくてな。

骨董市、か。折角だから見て回ろうか。この世界の市とやらは初めて見るしな。

俺は、古来の日本風の武器があるか否かを見て回ろう。
小型で取り回しの良く曰く付きの業物が見つかると良いのだが。

なるほど。真琴のお祖父さんは目利きなのか。それは助かる。
では、此処は先達の目を頼りにさせて貰おうとしよう。
さておき、財布の紐は緩みがちだが、二人とも無駄遣いは程々にな。

アドリブ歓迎


琶咲・真琴
【砦】
本当に、この世界から文字が無くならなくてよかったなのです

日記、ですか
文字で簡単に思い出を振り返ることができますから
改めて、『文字』って大切だなと思いますっ

この世界では
お祖父ちゃんとお祖母ちゃん(familia pupa)が普通に飛んでいられるのもいいですね

あ、丈一さん
お祖父ちゃんは目利きなので
武器を一緒に見たいそうです
ご一緒させても大丈夫ですか?

メダルだけではなく
バス停も武器になるんでしたっけ
お母さんが持っていた武器の中にもバス停の様なものがあったような?

あっ
UDCアースで買えなかったカード発見!
こっちはーーって
お祖母ちゃん、睨まないでっ?!

うぅ
ボクのお財布の紐は鉄壁です…




アドリブ歓迎




 激しい戦いを終えカクリヨファンタズムに平和が戻ってきた、とはいえいつ世界の危機が訪れるかわからない世界であるからして。
「これで一件落着。だがこれも一時の平穏なんだよなぁ。やれやれ、忙しない世界だ」
 髪をかき上げふぅと埃を掃うと枯井戸・マックス(マスターピーベリー・f03382)は連れの一行のほうを振り向いた。
 そこには自らの日記を開き記した文章の無事を確認したことで一息ついた一駒・丈一(金眼の・f01005)のほっとした表情が目に入り少し微笑ましく思う。
「…無事に目的は達したようだな。良かった」
 丈一はどう呟くと手にした日記を閉じその視線に答えると肩を竦めて見せた。
 大事そうにしている日記に何が書かれているのかと琶咲・真琴(今は幼き力の継承者・f08611)も興味津々で覗き込もうとするのだがそれを丈一は嗤いつつもひょいと目につかぬように懐へと直してしまう。
「世界から文字が無くならなくてよかったのです」
「あぁ全くだ……やれやれちゃんと元に戻ってるな一安心だ」
 ちょっと覗き見したそうにしている真琴へとこれは何も面白い事は書いてないぞとわざと見えそうで見えないようにしそれを見ようと真琴がピョンピョンとその場で飛び跳ねる。
(クク、まあ嫌いじゃないがねこんな世界も。暇しないのはいいことだ)
 二人のやりとりを見ながらマックスは無意識に口元が緩み色々な意味でこの退屈しない日々にほくそ笑む。
 これからもさぞこの世界と仲間達はマックスを愉しませてくれるだろうと¥。

「骨董市か、折角だから見て回ろうか」
「あ、丈一さんお祖父ちゃんとお祖母ちゃんが武器を一緒に見に行きたいそうです」
 ご一緒させても大丈夫ですか? という言葉を聞くまでもなく丈一は頷きマックスもまたそれに同意してこの世界における武器に想いを馳せる。
 この世界ではメダルが武器になるという、そんな珍しい魔道具が出回っているのならば財布の紐も緩むというものだ。
 3人はそれから様々な出店に立ち寄り興味深い武器や小物などの出物を眺め実に楽しく買い物をすることができていた。
 なんといっても他の世界では見られないそんな妖怪独特の小物などは面白いとしかいようがない。
「ううむ、業物があればいいのだが……」
「ボク達が一緒に見てあげるですよ♪」
 吟味を続ける丈一が手に取った武器を真琴のお祖父ちゃんことfamilia pupaが鑑定し順に仕上げのいい品物ばかりを選んでくれるおかげで実に有意義に商品を見比べると丈一の財布の紐は限りなく緩みそれはそれはもう中身は軽くなっていく。
「あっ、これは……むむむむっ!!」
 並べられていた一枚のカードを手に取り唸り始める真琴、それはUDCアースで買い損ねた欲しかった一枚。
 しかも次にいつ手に入るかわからない喉から手が出るほど欲しい物なのだが何といっても先立つ者が無ければ買えるわけもなくただただ悔しそうに唸るのみ。
 だがそんな真琴の頭に手をポンと置きいい笑顔で覗き込んだマックスがひょいとそのカードを手にし店主へと差し出す。
「カードだろ? そのくらい俺が一緒に買ってやるよ」
「えっ……いいんですか!」
 目を輝かせ羨望の眼差しがくすぐったい、マックスは少しばかり優越感に浸りつつ会計を待ちそして示された金額に顔が青ざめた。
(いやいやいやいや!? カード一枚が何でこんな高いとか聞いてないじゃん!?)
 視線だけそっと真琴にずらしてみるがこれは今更無かった事にできない喜びぶり、マックスは心の涙を隠しつつ会計を済ませるとカードを真琴に持たせてやった。
 そんな心中を察したのかニヤニヤ笑いつつ丈一が日記帳にさっそく今の出来事を記入しているらしい。
「と、ところで一駒の旦那、その日記には何を書いてんだ?」
「えっ何ってそりゃあれだ、日々の“面白い”出来事を書き留めてるのだよ、おじさん……あまり記憶力に自信が無くてな?」
 ちょっと目が笑っている、絶対今のマックスの懐具合を察している顔つきだ。
 この出来事を書き残されてしまったのかなどと思いつつマックスはしょうがないなと諦めようとしたのだが、そこへ真琴がまた何か商品を持って近づいてきた。
「メダル以外にも見て下さい、これ! バス停ですよバス停!」
「いや、それはさすがに自分で買ってほしいんだぜ?????」
 もはや財布が致命傷を負っているマックスにこの追い打ちはもはや死活問題、鉄壁の財布を誇り今日はとことんマックスに驕ってもらおうなどと悪戯っぽく笑う真琴。
 そんな二人に無駄遣いはほどほどにななどと丈一はツッコミを入れつつも、この取り戻された日常を心行くまで愉しんで帰ろう。 そう思ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月09日


挿絵イラスト