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ただ、愛してほしかった

#UDCアース #UDC-HUMAN

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●ただ、愛してほしかった
 いたい、いたい、いたい
 こころも、からだも、ひめいをあげている。
 
 学校の近くの廃れた倉庫、東樹莉麻は頑張って吊るした縄に手をかけた。丸く作られた輪は己を殺すためのもの。
 赤いランドセルと、靴を床に置いて、『いしょ』と書かれた紙をその横に置く。これを見たらお母さんとお父さんは、愛してくれるだろうか。
 死んでよかった、親孝行の子だ、って褒められる?
 
 うそだ。おかあさんも、おとうさんも、りまをすきじゃないんだ。
 だって言ってたもん。
「お前なんか生まれなければよかった」
 って。がっこうでみんなはゆってる、おかあさんがごはんをつくってくれた。おとうさんがあそんでくれた。
 …つくってくれた?おかあさんのだしてくれたごはんは、へんなあじがした(おなかがいたくなるの)
 …あそんでくれた?おとうさんはボクシングだって、ゆって、わたしのおなかをなぐった(いたいよ)
 わたしがくちから、ごはんをだしているのをみて、きもちわるいってゆったの。おぼえてるよ
 せんせいに、おとうさんになぐられてますってゆったら、つぎのひに、あついおゆをかけられたのも、おぼえてるよ

 りまは、わるいこなの?

「…だいすき、だったよ」
 こころが、ひえていく。なんだか身体がふわふわして、なにか別のものになっていくかのよう。
 あぁ、こころがかるくなる。もしかして、これでいいのかな…

●グリモアベース
「…UDC-HUMANの話は聞いているか」
 集まった猟兵たちへ樋島・奏弥(ノイズ・f23269)は話し始めた。人間がUDCに変身した、という事件がUDCアースにて発生した。
「…辛い出来事により心が壊され、UDC怪物に変貌してしまうらしい。今回貴方たちに行ってもらうのは、その事件のひとつだ。…UDC-HUMANになったのは小学生の少女、東樹莉麻だ。彼女は両親から酷い虐待を受けている。」
 その虐待の内容は酷すぎるため、言うのは憚れた。猟兵である奏弥が口を噤むぐらいの内容だろう。
「…莉麻は、自殺をしようとしたらしい。ネットで色々調べたんだろうな。縄と、自殺するのに良い場所を見つけた」
 そして自殺をしようとして、心が壊れたのだろう。UDC-HUMANへと少女の身は変化を遂げた。
「だが、まだ間に合う。変化した直後に転送することが出来る。…急いで倒せば莉麻を救うことが出来るかもしれない」
 しかし少女の心は壊れてしまった。説得をすれば、少しでも期待が増えるだろう。

「まずしてもらうことは、莉麻の周りに現れたUDCの討伐だ。…莉麻の心に同調したらしい、『嘆き続けるモノ』が現れた」
 敵は、自ら攻撃することは少ないが、莉麻を守るように周りに群がっている。なんとかしないと、莉麻のもとへたどり着けず、被害が増えることになるだろう。
「…次は、UDCとなった莉麻…『ラプラスの魔』だ。まるで赤子のような形をしているが、俺たちの記憶を改ざんしたり、同士討ちを狙ってくる。…強力な敵となることは確かだ」
 強力な敵だとしても、倒さなければいけないことは、猟兵たちは理解していた。
「…莉麻がどうなるかは、貴方たちにかかっているが…、その後は、莉麻の両親へ制裁を行ってほしい。野放しにしていれば…新しい犠牲が出るかもしれない」
 気が進まない猟兵も居るかもしれない。だが、これは必要なことなのだ、と奏弥は話す。
「…これ以上、傷つかないよう、莉麻のフォローも頼む」
 転送ゲートを開いて、奏弥は頭を下げた。


笹山ぱんだ
こんにちは、笹山ぱんだです。
今回は、UDCアースにて現れた、UDC-HUMANについてのシナリオです。
可哀想な女の子を救済してあげてください。

場所は、少女が自殺を図ろうとした廃れた倉庫です。時刻は暗くなった夜の為、人目を気にせず行動できるでしょう。

第1章:『嘆き続けるモノ』
集団戦。事件に巻き込まれた被害者の感情が寄り固まったモノ。悲嘆した彼らは寄り集まり、嘆きに満ちた少女に同調し、守ろうとしています。

第2章:『ラプラスの魔』
ボス戦 少女が変化したUDC-HUMAN。因果律に介入し猟兵のユーベルコードの効果・記憶・感情を改竄する能力を持つ。人を弄ぶ性質は、少女の気質が反転したものかもしれません。中に居る少女の状態はシナリオの成功失敗には関係ありません。

第3章:『人間の屑に制裁を』
日常 家に居る少女の両親に制裁を行います。普通の人間なので、少し力を使い脅しただけでも効果はあるでしょう。

【東樹莉麻】
近くの小学校へ通う少女。心を壊し、UDC-HUMANへとなってしまうが本来は優しく穏やかな少女。

それでは、良き戦いを。
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第1章 集団戦 『嘆き続けるモノ』

POW   :    何故俺は救われなかった?
質問と共に【多数の視線】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
SPD   :    誰も私を助けてくれない
自身と自身の装備、【自身と同じ感情を抱く】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    僕を傷つけないで!
【悲しみに満ちた声】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……退け、有象無象共。
アンタらが莉麻ちゃんの想いに同調するのも分かる。
その無念も、悲しみも。
アタシが分からない訳が、ねェだろうがよ。
だからこそ退け。道を開けろ。
嘆くだけのお前らじゃ、莉麻ちゃんは本当の意味で救ってやれねぇ。
それでも分からなけりゃ、押し通る!

アンタらがなぜ救われなかったか?
言ってやろうか、「アタシにゃさっぱり分からねぇ」。
大事なダチの、人としての最期すら未だ知らないアタシだよ、
アンタらの最期だって「知らない」。
少なくともアンタらとアタシの間じゃ、これが「真実」だ。
それでも塞ぐ聞き分けのない奴は、
『衝撃波』で散らして道を開ける。

まずは彼女を救わせろや。



●嘆きは響き渡る。
 UDCアース、某都市にある廃れた倉庫に猟兵は転送された。音は聞こえないが、倉庫内を街灯が薄暗く照らしている。
 堕ちたのは幼い少女。赤黒い何かに囲まれ、少女はUDCへと変化を進めていた。
 赤黒い何か『嘆き続けるモノ』達は、事件の被害者達である。無残にも殺され、貶められ、嬲られ、その果てに自らの無念の感情を他者と寄り集まった。
 悲しき者たちの、末路である。悲しき者たちは、少女の嘆きと同調しざわめいている。

「……退け、有象無象共」
 焦茶色のゆるりとした髪を持つ女性、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は嘆き続けるモノに告げる。
「アンタらが莉麻ちゃんの想いに同調するのも分かる。その無念も、悲しみも、アタシが分からない訳が、ねェだろうがよ。」
 今はもう居ない友人の姿を思い出した。オブリビオンと化したその姿が今も多喜の脳裏に残っている。
「だからこそ退け。道を開けろ」
 ざわり、ざわり嘆き続けるモノは無数にある赤き瞳を向けた。赤い涙を流し、泣いている。
「嘆くだけのお前らじゃ、莉麻ちゃんは本当の意味で救ってやれねぇ。それでも分からなけりゃ、押し通る!」
 嘆き、心を壊した少女を助ける為に、嘆きに満ちたそれを倒すのだ。

『何故俺は救われなかった?』
 嘆きに満ちた声は多喜に問う。
「アンタらがなぜ救われなかったか?言ってやろうか、『アタシにゃさっぱり分からねぇ』」
 多喜は言う。そうすれば、たくさんの声が、なんで、どうして、と語り掛けてきた。
「大事なダチの、人としての最期すら未だ知らないアタシだよ、アンタらの最期だって『知らない』」
 人として終わった時、友人はどう感じたのだろう、どんな顔をしていたのだろう。…判らない。それならば赤の他人である嘆き続けるモノのことなんてわかるはずがない。
「少なくともアンタらとアタシの間じゃ、これが『真実』だ」
 拳に装備したナックルに力を宿らせ多喜が嘆き続けるモノを見やる。それらは襲っては来ない。だが少女を守るように壁になり多喜を阻む。その壁にナックルを打ちこみ衝撃波を発生させる。
 そうすればぽろぽろとこぼれるように、崩れる。
「まずは彼女を救わせろや」
 友人のようには、させない。まだ助けられる道があるのなら――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルリック・イーゴン
(親が子を愛する義務は無いのだろう。それでも、親が子を愛し、子が親に愛される権利はあると…俺はそう思うよ)

だからこそ、俺はその道を遮る者を斬って捨てましょう
例えその嘆きが、正当なものであろうと…いえ
正当なものであると認識するからこそ、同じ領域に引き摺り込ませ等させませんよ
それは寄り添いではなく、次の嘆きを生むだけなのですから

【ブラッド・ガイスト】を起動

「何故救われなかったか?」
それは「救われる為の適切なプロセスを踏まなかった」からでしょう
酷な事とは思いますが、「天は自ら助くる者を助く」ものです
仮にあなたが救いと言う餌を待つ雛鳥で無かったとしても、狩りの仕方を知らない鳥は生きられないのですから…



●嘆き
 子は、親を選び生まれてくることは出来ない。どんな親の元へ生まれてもそれは変わらない。親にどう育まれたかによって、子の成長過程は大きく変わるだろう。

(親が子を愛する義務は無いのだろう。それでも、親が子を愛し、子が親に愛される権利はあると…俺はそう思うよ)
 一番、愛してくれるだろう両親に虐げられていた少女の心は、どれだけ傷ついていただろうか。ウルリック・イーゴン(Volker・f27829)は思う。
 また、少女の嘆きに同調し現れた『嘆き続けるモノ』にも思うところはある。だからこそ――
「だからこそ、俺はその道を遮る者を斬って捨てましょう」
 ざわざわと、猟兵を前にした嘆き続けるモノは蠢く。己たちを傷つけるものだと認識しているのだろう。
「例えその嘆きが、正当なものであろうと…いえ正当なものであると認識するからこそ、同じ領域に引き摺り込ませ等させませんよ」
 嘆きが、過去の加害者への真っ当なものだとしても、それは全て過去のこと。今を生きるべき少女をそこまで陥れることは許されることではない。
「それは寄り添いではなく、次の嘆きを生むだけなのですから」
 
『何故俺は救われなかった?』
 嘆き続けるモノはウルリックに問う
 腕を傷つけ、刀に血を吸わせれば殺戮捕食態に変化させ黒々した物体の、ひとつの赤い目玉に刀を潜り込ませ捕食させる。複数の悲鳴のような声が倉庫に響き渡った。

「『何故救われなかったか?』それは『救われる為の適切なプロセスを踏まなかった』からでしょう」
 ウルリックは、嘆き続けるモノ達に言う。それが本当に適切な答えなのか、ウルリックも、嘆き続けるモノもわからない。だが、彼は思う。
「酷な事とは思いますが、「天は自ら助くる者を助く」ものです。仮にあなたが救いと言う餌を待つ雛鳥で無かったとしても、狩りの仕方を知らない鳥は生きられないのですから…」
 救われるための行動をしなかったから、救われなかったのだ。たとえ、その為の行動を行えない状況だったとしても。だからこそ、彼らは 嘆き続けなければならない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
アドリブ連携大歓迎。

※悪霊には見えないが、四人で一人の複合型悪霊。
今回は第三人格(?)『侵す者』が表に。
一人称『わし/わしら』。豪快古風な喋り。

救われなかった理由なぞ、わしは、『わしら』は知らん!
何故なら、『わしら』も救われなかった存在だからの。
何の因果か、ここに立ちて猟兵なぞやるが。

救われなかった。理解はしよう。同じゆえ。
だが、嘆いても始まらんし、嘆き続けるに意味はなし!
未だ救える道があり、間に合うのなら、そちらを選ぶのが『わしら』よ!
『わしら』のような存在を、増やしてたまるか!

わしが表に出た理由は明白。切り開く力が一番強い!
武器『黒燭炎』、指定UCで豪快にぶっ叩く!



●嘆き
 UDCアース、某都市にある廃れた倉庫に猟兵は転送された。周りから街の音は聞こえないが、音は聞こえないが、街灯が中を薄暗く照らしている。
 そこには少女がUDCへと変わり始めた姿と、黒々とした肉体と、たくさんの赤い目を持つ嘆き続けるモノが居た。
 嘆き続けるモノは少女を守るように肉壁と化していた。現れた猟兵に、敵は問う。

『何故俺は救われなかった?』
 嘆き続けるモノはたくさんの視線を馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)に向けて言った。今、義透の身体を操るのは義透本人ではない。三番目の人格、『侵す者』。
「救われなかった理由なぞ、わしは、『わしら』は知らん!何故なら、『わしら』も救われなかった存在だからの。何の因果か、ここに立ちて猟兵なぞやるが」
 敵も救われなかった存在なら、彼らもそうである、と。だからこそ理解は出来るが――。だが、
「嘆いても始まらんし、嘆き続けるに意味はなし!未だ救える道があり、間に合うのなら、そちらを選ぶのが『わしら』よ!」
 まだ幼い少女を、救われなかった物たちと同じにしてはいけない。その為に彼らは来たのだと。
「『わしら』のような存在を、増やしてたまるか!」
 
「わしが表に出た理由は明白。切り開く力が一番強い!」
 黒燭炎の重い一撃は、嘆き続けるモノを押し潰し地面を割った。嘆きが、悲鳴が、倉庫に響き渡る。 いたい、なんで、どうして、そんな言葉が『侵す者』の耳に聞こえた。
 それは救われなかった者たちの叫び。しかし、屈することは無い。猟兵は敵を倒し、少女を助ける為にここに居るのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
まず速やかに障害を取り除くか

天楼で捕獲
対象は戦域のオブリビオン
原理を編み「迷宮に囚われた」概念で縛る論理の牢獄に閉じ込める

内から外へは何もできず、逆は自由な理不尽の檻だ
無論迷宮は真っ直ぐには進めず入り込めば迷うもの
精々惑え

高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
即座に、無数の迷宮を重複させて展開
自壊速度を最大化し早期殲滅を図る

出口は自身に設定
仮に到達する個体があれば『討滅』で破壊の原理を乗せた打撃で対処
自身への攻撃は『絶理』『無現』で否定し影響を回避
必要魔力は『超克』で“世界の外”から汲み上げる

※アドリブ歓迎



●滅びの迷宮
 UDCアース、某都市にある廃れた倉庫に猟兵は転送された。周りから街の音は聞こえないが、音は聞こえないが、街灯が中を薄暗く照らしている。
 そこには少女がUDCへと変わり始めた姿と、黒々とした肉体と、たくさんの赤い目を持つ嘆き続けるモノが居た。
 嘆き続けるモノは少女を守るように肉壁と化していた。その肉壁も、猟兵たちの攻撃を受け傷ついてはいたがまだそこに鎮座している。
「まず速やかに障害を取り除くか」
 どこまでも冷静に、藍色の鋭い瞳を敵に向けるアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は倉庫全体に、論理の牢獄へ迷い込ませる。そこは何れ自壊する原理を組まれている滅びの迷宮。
 素早く、時の原理に働きかけ、幾重にも迷宮を重複させ展開する。複数体居る嘆き続けるモノは逃げ惑うように、迷宮を歩く。まるで子供が泣いたような、あるいは女性が叫ぶような、あるいは、男性がわめくような、そんな声を上げて迷宮を歩き続ける。
 しかし幾重にもかけられた迷宮は、自壊速度を最大化させている。ぽろぽろと、まるで黒い身体から一人ずつ、解けるように壊れていく。

 迷路の出口はアルトウリス自身だ。複数居る敵の個体の一体は壊れながらも、アルトウリスにたどり着いた。
 それにも動じることなく、拳に破壊の原理を乗せれば嘆き続けるモノへと打ち付ける。そうすればなんで、どうして、と声を上げながら消えていく。
 敵だから、壊したのだ。純粋に聞かれてもそう答えるしかない。数分立てば、敵も適度に倒れ迷宮も必要無くなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レイ・アイオライト
本当に、クズな両親を持つと苦労するわね。……莉麻がどう思ってるかは知らないけど、親っていうのはその背中を子供に見せる存在なのにね。

アンタたちの嘆き、その悲痛の問い、救い無き者の懇願、全ては正しいものなんでしょう。否定するつもりはないわ。でも、その嘆きは今絶望の淵にいる女の子に寄せる感情じゃない。そして、あたしにもね。

UC発動、【雷火閃影】で『雷竜真銀鋼糸』を活性化させる。『罠使い・目立たない』で周辺に配置、透明になったとしても、この鋼糸の結界から抜け出せる?(暗殺)

……救いはないかもしれないけど……アンタたちがいたことを覚えておくことはできる。だから眠りなさい。嘆きに苛まれない骸の海の中でね。



●嘆き
 UDCアース、某都市にある廃れた倉庫に猟兵は転送された。周りから街の音は聞こえないが、音は聞こえないが、街灯が中を薄暗く照らしている。
 そこには少女がUDCへと変わり始めた姿と、黒々とした肉体と、たくさんの赤い目を持つ嘆き続けるモノが居た。
 嘆き続けるモノは少女を守るように肉壁と化していた。その肉壁も、猟兵たちの攻撃を受け傷ついてはいたがまだそこに鎮座している。
「本当に、クズな両親を持つと苦労するわね。……莉麻がどう思ってるかは知らないけど、親っていうのはその背中を子供に見せる存在なのにね」
 傷ついた嘆き続けるモノの向こう、少女だったものに目を向けてレイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は呟く。少女のもとへたどり着く前にこの悲しきものたちを退けなければならない。

「アンタたちの嘆き、その悲痛の問い、救い無き者の懇願、全ては正しいものなんでしょう。否定するつもりはないわ。でも、その嘆きは今絶望の淵にいる女の子に寄せる感情じゃない。そして、あたしにもね」
 かなしい、さみしい、いたい、どうして、どうして。そんな色んな嘆きがレイの耳に届く。だがレイはその嘆きをただ受け取るだけの存在ではない。
 ユーベルコード【励起・雷火閃影】を使い、『雷竜真銀鋼糸』を活性化する。雷を宿す超硬鋼糸は戦場に張り巡らされる。透明化した一体が動こうとしても、動けず糸に絡み取られ、切り刻まれていく。暗殺を行うように、数体の嘆き続けるモノも同じように糸でバラバラした。
「……救いはないかもしれないけど……アンタたちがいたことを覚えておくことはできる。だから眠りなさい。嘆きに苛まれない骸の海の中でね」
 嘆き続けるモノたちが何をされたのかはわからない。集まり嘆きを共有するほどに、悲しい出来事があったのだろう。だが、それも終わりにしてしまおう。ゆっくりと、おやすみ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
【天星】
…そうだね…あの時は、誰も助けてはくれなかった…傷つけられるのは悲しいし辛いよね…
それでも俺には零っていう救いがあって、君たちにはなかった
君たちの痛みも悲しみも、共苦の力でなくても、良く分かるよ
でも、ごめんね…まだ助けられるかもしれない子がいるんだ
だから…俺を幾らでも憎んで恨むといいよ
ここは押し通らせてもらう!
君たちの痛みも悲しみも…ちゃんと覚えて、忘れないから…
…恨んで憎んでいいけど…願わくば、その想いから解放されて、せめて…安らかに…


指定コードと同時に銃撃や銀糸も交えて攻撃しつつ痛みを受けとめながら押し通ります
共苦はアイテムです
同年代と年上は零のみ呼び捨てで他の年上はさんづけ


天星・零
【天星】

『何故俺は救われなかった?誰も助けてくれない。僕を傷つけないで。大丈夫、貴方達は十分傷つきました。僕達もお互い会うまでは何年も同じ境遇。だから後は僕達に任せてください。』

・行動
彼女を救う事も大事だが、彼らも見捨てる事はできない為、【継戦能力と覚悟】を持って彼ら一人一人に話しかけるように動く
基本的には霊に協力してもらい霊力の壁を作り【オーラ防御】やグレイヴ・ロウ、十の死を使って攻撃は最小限に

説得ができたのならクオリアス・ノーツで
【楽器演奏】を用いて彼らに音楽葬をし、苦しめないように落ち着かせるようにして倒す

『どうか安らかにお眠りください』
『暁音、共苦の痛みがあるんだ。無理しないでね』



●嘆き
 悲しいことがあった。辛く苦しい日々があった。でもそれは過去のこと。血は繋がらなくとも傍に居てくれる家族が居る。それが何より心の支えとなる。
 それを知っていたから天星・暁音(貫く想い・f02508)には彼らの心が気になった。
「…そうだね…あの時は、誰も助けてはくれなかった…傷つけられるのは悲しいし辛いよね…」
 かなしい、さみしい、いたい、どうして、たすけて。そんなたくさんの声が暁音の耳に届く。
「それでも俺には零っていう救いがあって、君たちにはなかった。君たちの痛みも悲しみも、共苦の力でなくても、良く分かるよ」
 他者の痛みも自らの痛みとし、共感する力が無くてもこんなにたくさんの嘆きの気持ちが分かる。伝わる。
「でも、ごめんね…まだ助けられるかもしれない子がいるんだ。だから…俺を幾らでも憎んで恨むといいよ」
 それでも前に進まなければいけない。嘆きを嘆きのままでは終わらせてはいけない。暁音はその向こうの少女を助ける為にここにいるのだから。
 暁音の背をそっと撫でるのは天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)だ。兄弟は戦う為に、武器を構える。

 
「何故俺は救われなかった?誰も助けてくれない。僕を傷つけないで。大丈夫、貴方達は十分傷つきました。僕達もお互い会うまでは何年も同じ境遇。だから後は僕達に任せてください。」
 零は嘆き続けるモノに話しかける。勿論少女を助ける為に零はここに居る。だが悲しき存在である彼らをこのまま見捨てる事はできないのだ。
 嘆き続けるモノは『僕を傷つけないで!』と怯え攻撃を拒絶している。零の【惨憺蓮華】の一撃にもいたい、いたい、と嘆きその体を震わせて攻撃を返した。零の霊たちに協力してもらったオーラによる防御でダメージ自体は少ないものではあったが――。
 攻撃の手は暁音も止めない。銃を撃ち、その弾丸が敵に沈んでいくのを見れば武器を銀糸に持ち変え、敵の周りへと張り巡らし、絡めとった。
「っ、…」
「暁音、共苦の痛みがあるんだ。無理しないでね」
 暁音は小さく頷く。共苦の痛みを通して伝わってくるのは彼らの今の痛みと、過去の痛み。虐げられ、踏みにじられ、貶められた彼らの嘆きを痛みとして暁音は感じ取った。それはひとりの子供が受け入れるには大きすぎる量の『痛み』だ。思わず後ずさりして、息を落ち着かせる。

 そんな弟の姿を心配な瞳で見つめた後、零は嘆き続けるモノに語り掛けを続けた。もう苦しまなくていい、少女のことは自分たちがその嘆きから解放する、と。それは零の覚悟だ。
 それを聞いた彼らは攻撃の手を止め赤いたくさんの瞳で零を見た。零は感じる、嘆き続けるモノたちの瞳には敵意が写っていないことを。
 クオリアス・ノーツ、宙に浮かぶ非物質のピアノの鍵盤を出現させると、奏で始める。もう彼らが苦しまないように。
「どうか安らかにお眠りください」
 その音に合わせて七色に輝く水晶の花びらが彼らを優しく包み込んだ。
「君たちの痛みも悲しみも…ちゃんと覚えて、忘れないから…」
 感じた痛みも、悲しみもすべて、暁音は覚えた。
「…恨んで憎んでいいけど…願わくば、その想いから解放されて、せめて…安らかに…」
 きっと、優しく包んでくれた水晶の花びらのうつくしさを、穏やかに奏でられるピアノの音色を彼らは忘れないだろう。
 浄化するように光と音が、嘆き続けるモノを連れて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白峰・歌音
お前達みんな、あの子の境遇と悲しみに惹かれて来たんだよな。嘆きの理由は分からないけれど、きっとあの子の事を想えるほど優しい人達だったり、同じような目にあったりしたんだよな。
みんなを救えなかったし、根本を救う事はオレにはできない。ゴメンな。けれど……お前達が守るあの子は、まだ救えるかもしれない。オレは、あの子をお前達みたいな存在にはしたくないんだ。だから……ここを、通らせてほしい。あの子を、救うために。

攻撃は一切しかけず、莉麻を救いたいと【情熱】【優しさ】を込めて説得。通って一方的にでも攻撃を受ける【覚悟】を秘めて通ろうとする。

アドリブ・共闘OK



●嘆き
 嘆き続けるモノ達も、数を減らした。だがそれでも少女を守るために彼らは肉壁となり猟兵の前へと立ちふさがった。
「お前達みんな、あの子の境遇と悲しみに惹かれて来たんだよな。嘆きの理由は分からないけれど、きっとあの子の事を想えるほど優しい人達だったり、同じような目にあったりしたんだよな」
 白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は先の猟兵たちの戦いも見ていた。少女を守るために戦った、彼らの姿を。きっとこんな事になる前も優しいひとであったのだろう。
「みんなを救えなかったし、根本を救う事はオレにはできない。ゴメンな。けれど……お前達が守るあの子は、まだ救えるかもしれない」
 過去の遺物である嘆き続けるモノを根本的に救うことなんてできやしないのだ。それこそ過去へと飛ばなければいけない。だからこそ、今を生きる少女を、助けなければいけない。
 助けられるうちに、助けなければ――。皆が後悔する結果になってしまう。
「オレは、あの子をお前達みたいな存在にはしたくないんだ。だから……ここを、通らせてほしい。あの子を、救うために」
 歌音はその情熱と優しさを持って嘆き続けるモノ達に話しかける。ざわり、ざわり、彼らはざわめく。もう、くるしまなくていいの。たすけてくれるの。 そんな小さな子供の声のようなものが歌音の耳に届く。
「勿論。もう、誰も傷つかない。…お前達も傷つけさせない」
 一歩、一歩、前へと進む。嘆き続けるモノたちはゆっくりと身体を動かして、道を作る。おねがい、おねがい。かのじょを、たすけて。そう女性の声が聞こえた。悲しきものたちの、誰かの声だ。
 その言葉を最後に、彼らは霧散して消えてしまう。

 残ったのは、少女がいびつな赤子のような姿になったUDCの姿。歌音の姿を見ると、にぃと、笑ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ラプラスの魔』

POW   :    だぁぶ!
対象の攻撃を軽減する【因果律介入モード】に変身しつつ、【敵のユーベルコードの効果反転】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    んま!んま!
【心からの愉悦】を籠めた【因果を蝕む電波】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【大事な記憶】のみを攻撃する。
WIZ   :    きゃっ!きゃっ!
【因果の反転】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【敵意と親愛を反転させ、同士討ちさせる事】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ジャガーノート・ジャックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●少女だったもの
 いたい、くるしい、さみしい、たくさんの声が少女の中で渦巻いた。こころは砕け散って、まるでまどろみの中にいるようだ。
 莉麻の中に誰かがいた。違う、莉麻が何かの中に居たのだ。それが不思議なことだとは思わなかった。
 まるで何かを通して、風景を見ているような気持ちだった。そして砕け散ったこころがどんどん消えていくことにも気づく。やがて、わたしはわたしでなくなってしまう。

 そんな少女の葛藤をラプラスの魔は楽し気に見つめていた。
 何の因果か莉麻の皮になったUDCはひとの気持ちを見るのが好きだった。
 それも葛藤や心の揺れが。親愛が敵意に変わること、記憶を失い、壊れていくひとびと。それはラプレスの魔にとって最高の娯楽だった。

 獲物は目の前に居る。猟兵たちが、ここに。
 にぃ、と口元を歪めるように笑ったのだった。



(*二章プレイング募集は6/26 8:30から)
白峰・歌音
一番身近な人に愛されなかった。けれど、誰も愛する人がいなくなった訳じゃない!

敵の攻撃を【第六感】も駆使して【見切り】躱し、攻撃を受けて記憶を傷つけられても、【狂気耐性】で耐える。
そして、莉麻の意志へ【手をつなぐ】イメージでUC発動!そして、あの子が両親から感じられなかった【優しさ】【慰め】のぬくもりを込めて、【鼓舞】し続けて莉麻を元に戻すよう試みる!


「オレはマギステック・カノン。莉麻の助けを求める声を聞いて駆け付けたヒーローさ。……もう、一人で苦しまなくていい。お前に生きてほしいと望んでいる人がいる。泣かないでほしいと悲しんでいる人がいる。だから…一緒に、生きようぜ?」

アドリブ・共闘OK



●カノン
 ラプラスの魔はまるで遊ぶように空中を飛んだ。赤ん坊が笑い、はしゃぐような声が薄暗い倉庫に響く。その声がこの場には不気味でしかなかった。
 白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は考える。虐げられた少女の気持ちを。本来愛してくれる存在に愛されないのは、とてもつらかっただろう。
 本来愛してくれる存在に虐げられるのはどれほどつらいことだっただろう。
「んま!んま!」
 楽しそうに笑う。その笑いに乗せて歌音を襲うのは因果を蝕む電波だ。それは歌音の身体を傷つけず、大切な記憶を攻撃しようとしていた。
「っ、」
 最初は見切り避けていたそれも、幾度も発せられれば当たり、歌音を蝕んでいく。記憶を攻撃されれば大事な思い出が、消えていく。それが分かってしまう。恐怖を覚えるが、しばし耐えた。
 隙を見破れば、ユーベルコード【イマジネイションロード・パルセーション】を使い走る。ラプラスの魔の中に居る少女、莉麻の心へ手を伸ばし、その手をつなぐ。がっしりと心と心を繋ぎ合わせれば、泣いている少女が見えた気がした。
「一番身近な人に愛されなかった。けれど、誰も愛する人がいなくなった訳じゃない!」
 歌音は安心させるように微笑み、言葉を投げかける。そして、まるでテレビに出てくるヒーローのようにかっこよく。
「オレはマギステック・カノン。莉麻の助けを求める声を聞いて駆け付けたヒーローさ。……もう、一人で苦しまなくていい。お前に生きてほしいと望んでいる人がいる。泣かないでほしいと悲しんでいる人がいる。だから…一緒に、生きようぜ?」
 ラプラスの魔の中の少女はその瞬間、歌音の存在を認識した。助けを求めるように少女は両手を伸ばし――
「やあああああああああ!」
 赤ん坊の甲高い泣き声と共にラプラスは宙へ飛び逃げる。手は、離れてしまった。
 だが確かに、少女はこちらを見ている。声が届いている。それはまさしく、希望だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルトリウス・セレスタイト
『絶理』『天冥』で自身への因果干渉を拒み影響を回避
必要魔力は『超克』で世界の“外”から汲み上げる

魔眼・封絶で拘束
行動と能力発露を封じる魔眼故、捕らえればユーベルコードも霧散する
一瞬でも捕らえればそれで事足りる。何をしていようと消え失せるだろう

高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
間断なく常に新たな拘束を掛け続け封殺する
反転を狙おうとも『天冥』で阻む。俺の因果に触れるのは俺だけだ

封じたらそれを維持しつつ攻撃
『討滅』の破壊の原理を乗せた打撃で始末する

※アドリブ歓迎



●せんとう
 冷ややかな藍の瞳でアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)はラプラスの魔を見つめる。因果を操る力は厄介だ。だが、攻略出来ないというわけではない。
「きゃっ!きゃっ!」
 因果を操る力はアルトリウスを襲う。だが断絶と因果の原理を手繰り寄せその干渉を拒む。
「無駄だ」
 続きユーベルコード【魔眼・封絶】を使い心眼で捉えた敵に魔眼の力を放ち、その動きを封じる。ふわふわと浮いていたラプラスの魔は空中で止まる。
「やあああ!」
 暴れ、その力から逃れようとしていたが魔眼を無限に使い、永遠に縛り付けられればラプラスの魔も溜まったものではない。
 アルトリウスの隙を見つけその因果を操ろうとするも、それを封じられ敵は悔しそうに甲高く泣いた。
「俺の因果に触れるのは俺だけだ」
 その拳に破壊の原理を乗せ、空中に縛られたラプラスの魔に拳を振り下ろす。少女の姿と敵が重なりぶれる。しかしそれはすぐに消える。その幻は確かにラプラスの魔と少女がつながっていることを示していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
アドリブ連携歓迎。

人格交代:第二人格『静かなる者』
一人称『私/我ら』

赤子のようなUDC。しかし、油断はできない相手。
…少女は助けたい。だからこその武器:白雪林と【それは水のように】。
破魔の弓と呪詛破り、そしてこの『静かなる者』という組み合わせ。

莉麻殿は、何の遊びが好きですか?
私、最近、この世界に引っ越してきたばかりで…遊びがわからないのですよ。
…苦しみも悲しみも、『我ら』が持っていきましょう。

…ラプラスの魔。
『我ら』の中を見たな…?
『疾き者』『静かなる者』『侵す者』『不動なる者』。四人で一人、記憶は互いに補完しあう、我ら『馬県義透』を。
…我らという悪霊を。



●こころは流れる
 先ほどまで戦っていた『侵す者』から『静かなる者』へ。馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)は宙に浮かぶラプラスの魔を見つめる。
「赤子のようなUDC。しかし、油断はできない相手」
 その因果を操る力は強力であり、無視はできない力だ。
(…少女は助けたい)
 だからこそ、『静かなる者』が表へ出てきて、武器を構えるのだ。

「莉麻殿は、何の遊びが好きですか?」
 それを聞いたラプラスの魔は赤ん坊のように楽しそうに笑った。
「私、最近、この世界に引っ越してきたばかりで…遊びがわからないのですよ」
 敵の中で、少女が何を思っているのかはわからない。だがこの声掛けが、意味のあるものになればいい。
「…苦しみも悲しみも、『我ら』が持っていきましょう」
 少女の救いになるように。白雪林を構え、ユーベルコード【それは水のように】を放つ。そのユーベルコードはラプラスの魔の力により、反転する。
 しかしそれは、ラプラスの魔を苦しめる結果となる。
「…ラプラスの魔。『我ら』の中を見たな…?」
 交わるのは4つの人格、4つの人間。膨大な情報の量はラプラスの魔を混乱させる。
「『疾き者』『静かなる者』『侵す者』『不動なる者』。四人で一人、記憶は互いに補完しあう、我ら『馬県義透』を。…我らという悪霊を」
 本来は存在しないその名前、義透を作る人格たちの名を足し割ったものだ。一つの因果に干渉するのと、4つの因果に干渉するのとでは勝手が違う。
「だあ!」
 赤ん坊が怒るように、ラプラスの魔はそう叫んで不満そうに飛び上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルリック・イーゴン
(記憶も寿命もくれてやる。その子の未来と引き換えなら、惜しいとは思わない)

東樹莉麻、あなたは優しいのですね
嘆くのではなく、ただ直向きに親の愛を求め、親に愛を向けられるのですから…
だからこそ、あなたの思い遣りがあなた自身を壊す…そんな悲しい結末を迎えないで下さい

…俺は救うには役不足だが、苦難に寄り添う位はしてみせるさ
だから、雛鳥の羽搏きを…あなたの美しい心を応援させてくれ
それがあなたに俺が助力する理由…所謂「適切なプロセス」だ

ラプラスの魔、自己の喪失は救済ではありませんよ
だから俺は、東樹莉麻の歩みに邪魔なだけのあなたを排除する

【九死殺戮刃】による【捨て身の一撃】で、ラプラスの魔だけを【部位破壊】



●きみのみらい
(記憶も寿命もくれてやる。その子の未来と引き換えなら、惜しいとは思わない)
 宙を楽し気に飛ぶラプラスの魔を見つめ、ウルリック・イーゴン(Volker・f27829)はつぶやく。
「東樹莉麻、あなたは優しいのですね。嘆くのではなく、ただ直向きに親の愛を求め、親に愛を向けられるのですから…」
 フラスコチャイルドのウルリックには親という存在はわからないが、少女が愛を求め、愛を向けるのならきっとそれは良いものなのだろう。そう思う。
 だからこそ、少女が助かる未来があればいい。
「あなたの思い遣りがあなた自身を壊す…そんな悲しい結末を迎えないで下さい」
 UDCの中の少女が何を思ったのか、それはウルリックにはわからなかった。

「…俺は救うには役不足だが、苦難に寄り添う位はしてみせるさ」
 ラプラスの魔の因果を操る攻撃がウルリックを襲う。それに苦痛を覚えながらも耐えて。
「だから、雛鳥の羽搏きを…あなたの美しい心を応援させてくれ。それがあなたに俺が助力する理由…所謂「適切なプロセス」だ」
 戦う目的ははっきりしている。だからここに居て戦っているのだから。
「ラプラスの魔、自己の喪失は救済ではありませんよ。だから俺は、東樹莉麻の歩みに邪魔なだけのあなたを排除する」
 赤茶の瞳を輝かせ、殺戮刃物を構えると飛び回る敵に駆け寄り、軽く飛び上がると身体のラプラスの魔を切り裂いた。幾度も、幾度も。
 それは少女の身をすり抜け、敵の身体だけ傷つける。地面に落ちたそれは痛みに泣き叫ぶ声を上げる。耳障りな、金切り声だ。
「ぎゃあああああ!」
 それでも、武器を下ろさずウルリックはラプラスの魔を見据えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・零
【天星】

『ああ、貴方は…』

親や兄に虐待、学校では虐め、周りの人からは助けてもらえなかった過去から彼女をみて少し自分の過去を浮かべ

遠距離は十の死とグレイヴ・ロウを戦況に合わせ使用
近接はØ

『全く駄目ですね。人の記憶は改竄しても想いまでは制御できませんよ。ふふ、これが僕の力です。全て元の状態に上書きしますね』

指定UCを使い記憶が傷つけられる前の元の状態に戻す

『貴方は悪い子では無いですよ。それにこちら側に貴方はなる必要はない。貴方は生きているのですから…。それに貴方はとても幸運かもしれません。堕ちる前に助けて貰えるのだから。貴方はもう1人じゃない』

戦闘が終わったら
『暁音、僕少しやりすぎるかも…』


天星・暁音
【天星で参加】
ラプラスの魔…か…
悪いけど好き勝手はさせないよ
君の干渉に何か負けてあげない
皆の心も記憶も体も全力で癒して正して導く
誰かの意志を記憶を想いを弄ぶような真似、絶対させない
何より莉麻の心をこれ以上、玩具に何てさせないよ
彼女がどんな道をこの先に選ぶのかは分からないけれど…
彼女の道は彼女が選ぶものだ!
零と一緒にその手助けをして、その為の道を作る為に彼女を返してもらうよ

「零の好きなようにやれば良いと思うよ。俺も手伝うから」


援護射撃で隙があれば援護しますが基本は全員の回復を集中的に行います
精神異常の回復で味方の同士討ちを防いだりという意味もあるので常に一歩引いた立ち位置を心がけます

アドリブ歓迎



●たたかい
 先の猟兵たちとの戦いに傷ついたラプラスの魔に天星兄弟は立ち向かう。
「悪いけど好き勝手はさせないよ」
 天星・暁音(貫く想い・f02508)は星具シュテルシアを構え、宣言する。この敵を打つために、自分たちはここに居るのだ、と。
「ああ、貴方は…」
 少女と同じく虐げられた過去を持つ天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)は少しそのことを思い出した。過去の記憶があるからこそ、今の零が居る。だからこそそれも、大事な記憶のひとつだ。いい物か、悪い物かは、別として。

 ラプラスの魔は金切り声を上げて、二人の因果を操る為に力を行使した。身体を傷つけず、その心に、記憶に、侵入し破壊していく。
 零は大事な記憶を消去される痛みに耐えつつ、笑みを浮かべて。
「全く駄目ですね。人の記憶は改竄しても想いまでは制御できませんよ。ふふ、これが僕の力です。全て元の状態に上書きしますね」
 ユーベルコード【Over Write】を使い記憶を消される前の状態に戻す。ラプラスの魔は何が起こったかわからない、という顔をする。
「それでは、お返しをしますね」
 十の死を使い敵に死をモチーフとした攻撃を行う。それをよけながらラプラスの魔の瞳が開き無機質な目が零を見る。

「誰かの意志を記憶を想いを弄ぶような真似、絶対させない。何より莉麻の心をこれ以上、玩具に何てさせないよ」
 暁音は思う。今もきっと、ラプラスの魔の中で苦しんでいるのだろう。このまま敵の中に居れば取り返しのつかないことになることだけは確かだ。
「彼女がどんな道をこの先に選ぶのかは分からないけれど…彼女の道は彼女が選ぶものだ!」
 ラプラスの魔は因果を操り、零への攻撃の手を増やした。その心も、身体も、すべてを壊してしまおうと苛烈な攻撃を繰り返す。幾度も状態を戻しても、攻撃は繰り返される。
「っ…!」
「零!…祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を…傷ついた翼に再び力を!」
 傷つく零へ、暁音は癒しの光を差し出した。高速で治療した暁音は疲労で息をつくことになるが、前は向き、戦う家族の姿を見た。
 傷を、記憶を、癒した零はその手を再び攻撃へと回す。少女のすべてを助けるために。


 静かになった倉庫で、暁音の小さな声が響いた。
「暁音、僕少しやりすぎるかも…」
「零の好きなようにやれば良いと思うよ。俺も手伝うから」
 行うのは、少女を傷つけた者たちへの制裁。少女が、心を壊した原因を取り除ければ、たぶん、もう大丈夫だろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビリー・ライジング
ミリィ(f05963)と共に行動

……親の為に死んで、親が喜ぶと思うのか?
違う、お前がやろうとしてる事は褒められる事じゃない。

お前が死んで、親が泣こうが泣かないかはどうでもいい。
だが少なくとも、お前の周りにいた友達や教師は悲しむ。

むしろ両親がいるだけ幸せだと思え。
俺たちは物心ついた時から、実の両親がいなかったんだぜ?

例え因果律に介入して効果反転させようが、俺には【氷結耐性】がある。
凍り付くのはお前だけだ。

凍り付いたなら、溶かさないとな。
グレネードランチャーの焼夷弾に【焼却・爆撃・砲撃】を乗せて追撃だ。
「オマケだ、取っておけ」


ミリィ・ライジング
ビリー(f05930)と共に行動

説得には【優しさ・礼儀作法・慰め】を持って対応する。

痛かったよね。苦しかったよね。寂しかったよね。
親に全然愛されないなんて、私には辛くて、きっと耐えられない。

私たちは物心ついた時から、本当の両親がいなかった。
本当の両親の愛情なんて、まったく感じた事が無い。

……私が言っても説得力は無い事は分かってる。
だけど、どうしても一つだけ言わせて。「生きて!」

敵の周囲を高速移動して、【残像】を見せる事で的は絞らせない。
UCで化身を召喚して、敵のUCから【かばう】ように指示。
護符や手裏剣に、炎の【属性攻撃・高速詠唱・破魔】を込めて【投擲】攻撃。



●輝く金の
 先の猟兵との戦いにより、疲弊激しいラプラスの魔は、それでも戦おうと宙へと浮いた。それは少女の心がまだ壊れたままだから、だ。
「……親の為に死んで、親が喜ぶと思うのか?違う、お前がやろうとしてる事は褒められる事じゃない」
 ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は敵の中に居る少女へ声をかける。
「お前が死んで、親が泣こうが泣かないかはどうでもいい。だが少なくとも、お前の周りにいた友達や教師は悲しむ」
 少女の周りにはきっと、たくさんの人が居ただろう。居なくなれば彼らは悲しむ人だろう、そうビリーは話した。
「痛かったよね。苦しかったよね。寂しかったよね。親に全然愛されないなんて、私には辛くて、きっと耐えられない」
 柔らかく包み込むような口調で、ミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は少女へと語り掛ける。
「私たちは物心ついた時から、本当の両親がいなかった。本当の両親の愛情なんて、まったく感じた事が無い」
 両親がおらず、親族に育てられてきた二人は、両親が居ることは幸せだと、説く。
 両親が居て、虐げられる毎日を過ごすのと、おらず、しかし穏やかな生活を送るのは、どちらが幸せだろうか。
 それは少女にも、二人にもわからない。
 だが少女はそれが原因で心を壊した。すべてはそれが結論である。

「あ、ああああああ、!」
 ラプラスの魔が二人の話に割り込むように泣き叫ぶ。攻撃の体制に入った敵にミリィは動いた。敵の周囲を高速で移動し、残像を出現させて翻弄させる。
 その隙を狙い、ビリーはルーンレイピアの封印を解き冷気を帯びたレイピア変え構え、ラプラスの魔へと攻撃を繰り出す。敵はそれに反応し、攻撃の因果を反転させビリーへ返した。
 しかし、氷結への耐性を持つビリーはそれに耐える。凍えるのはラプラスの魔だけだ。ぴきぴき、と凍る音がし、その体を凍らせていくがすべては凍らない。
 再びくる攻撃を耐えるため、ミリィは化身の天才陰陽師の亡霊を呼び出しかばうように指示をする。
「凍り付いたなら、溶かさないとな」
 ビリーはグレネードランチャーにありったけの威力を詰め込み、それを発射する。
「オマケだ、取っておけ」
 兄の声に続きミリィは炎の属性を持つ手裏剣と護符を取り出し、高速で詠唱しながらもそれを放った。
「ぎゃあああああ!」
 聞くに堪えない醜い声が炎に照らされた薄暗い倉庫に響きわたる。
 まるでそれは燃えカスのように。しかし、まだ戦おうと、床を這いつくばる存在は惨めな存在に見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……因果を操る、ねぇ。
そうか、莉麻ちゃん。
「産まれ直したい」んだな。
けれども、その力はダメだ。
そいつに縋っちゃいけねぇ。
それは、心を単なる娯楽と養分にしか見ていない。
アンタの苦しみを、嘆きを、受け止めてすらいないんだからよ!

そしてラプラスの魔よぉ。
アタシも何度も、自分の因果を呪った事があるよ。
なんでこんな事になっちまった、ってね。
でも、大体何かしらの納得たる理由があったし、
これからも有るんだろうと思ってる。
もちろん、今アタシがここに居るのもな。
そう、反転した因果だからこそが帰結できる結果。
【魂削ぐ刃】で莉麻ちゃんの心を『癒す』!
アタシはなぁ、「救う為」に来たんだよ!



●すくい
 数多の猟兵により傷つけられたラプラスの魔は、それでも戦う意思を見せ、床を這いつくばる。
「……因果を操る、ねぇ」
 先の戦いを見ていた数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は思いついたことを敵に話しかける。それはきっと、少女にも届くはず。
「そうか、莉麻ちゃん。「産まれ直したい」んだな。」
 己の因果を超え、両親のもとへ。そうすればきっと…愛してもらえる。少女が考えた「いいかんがえ」
「けれども、その力はダメだ。そいつに縋っちゃいけねぇ。それは、心を単なる娯楽と養分にしか見ていない。アンタの苦しみを、嘆きを、受け止めてすらいないんだからよ!」
 少女の願いを知っていても、ラプラスの魔は愉悦のままに動く。そして取り込み完全なUDCとなるだろう。

「そしてラプラスの魔よぉ。アタシも何度も、自分の因果を呪った事があるよ」
 己の因果は己には操れない。どんなつらいことがあったとしても、それは運命である。
「なんでこんな事になっちまった、ってね。でも、大体何かしらの納得たる理由があったし、これからも有るんだろうと思ってる。」
 何も起きない人生なんてないのだ。今までも、これからも。多喜や少女にはたくさんの何かが降りかかるだろう。
「もちろん、今アタシがここに居るのもな」
 ここに猟兵、多喜が居るのだって、ひとつの因果である。手にサイキックエナジーを籠めるとラプラスの魔もそれに反応する。
 ユーベルコード【魂削ぐ刃】は核となる、魂などの超常的存在のみを倒す能力だ。
 手刀するようにラプラスの魔に攻撃を振るえば敵はその因果を反転させる。核を倒す能力が反転すればどうなるのか。答えは簡単だ。核の外側に居るラプラスの魔のみを攻撃するのだ。
(そう、反転した因果だからこそが帰結できる結果)
 元々傷ついていたラプラスの魔はその攻撃により存在が揺らぐ。
「アタシはなぁ、「救う為」に来たんだよ!」
 一喝。その熱量により敵は霧散し、消えていった。
 残ったのは、意識を失った幼い少女の姿だ。多喜は少女を抱き、小さく呟いた。
「…良かった…」
 友人のように、ならなかった。多喜は少女を救えたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●制裁
 ラプラスの魔の中に居た少女は消耗していたが、やがて眼を覚ます。
「…?…わたし…」
 どうしたんだろう、と周りに居る猟兵たちを見やる。
 それにどう答えるか、そして少女を傷つけた者たちをどう制裁するかは猟兵たちに任されている。
 対象の両親は、家で娘が帰ってこないことに心配の仮面をつけ過ごしていた。夜闇は全てを覆い隠す。何をしてもきっと隠してくれるだろう。
 
 とあるマンションの一室、男と女はソファでのんびりと話し合っていた。
「…ちょっと、警察にでも行かれたらどうするのよ?」
 女はヒステリックにそう言う。缶ビールを煽った男は、ガン、っと大きく音を立ててそれを置く。
「あぁ?あいつが言うわけないだろ?いい子ちゃんだからなぁ、莉麻は」
 かわいいかわいい、むすめ。叩いても、殴っても、涙目で耐え、声を殺す。
 でも夜遅くに帰ってくるのは悪い子だ。お仕置きしなければ。水に沈めでもすれば、しばらくは大人しく言うことを聞くだろう。
 聞かなかったら…それはその時だ。
 

※補足
莉麻は放っておけば地域の警察に保護されしかるべき場所へ向かうことになります。
莉麻の家の場所はグリモア猟兵により教えられています。
また、莉麻をどうするか、両親をどうするかは全てを任せます。ご自由に。
プレイングの受付は6/30 8:30からです。
馬県・義透
人格交代:第一人格『疾き者』
一人称『私/私たち』

悪霊らしいことしましょうかねー。
…人の親になってはいけないですね、この夫婦。

こんばんは。莉麻殿のことでお話が。
そう話しかけつつ、武器:漆黒風で【早業】にて【連鎖する呪い】を使い、鼻の頭を通るような傷痕を。
ついでに真の姿:背後に蠢く呪いの闇も解放しましょうか。
鼻の頭ってね、自分の視界にちらちら入るんですよ。
癒えぬ傷痕、見るたびに思い出すがいい。莉麻殿を守る『悪霊』を。あんたたちへの呪いを。
二度と近づくな。

※いつもは語尾が伸びたり、二人称『あなた』なのだが、怒っているために変化している元忍者。
『静かなる者』いわく、「怒らせてはいけない人を怒らせた」



●制裁を
「悪霊らしいことしましょうかねー」
 とあるマンションの1階までたどり着いた馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)は小さく呟く。今から己がすることを思えばため息をつく。
「…人の親になってはいけないですね、この夫婦」
 悪霊らしく、ひどいことをするのだ。だが、因果応報というものだろう。

 その部屋の前まで行けば、ぴんぽんとインターホンを押す。
「こんばんは。莉麻殿のことでお話が」
 義透がそう言えば、女がドアの隙間から取り繕った顔を覗かせた。
「莉麻?あの子が何か迷惑を…きゃああ!!」
 顔を覗かせた瞬間、義透は漆黒風で女の鼻の頭を傷つける。それは消えない傷跡。義透が近くに場合、不慮の事故を何度も引き起こす呪いのしるし。
「どうした…、うわあ!なんだこいつは…!」
 女の叫びを聞いた男が部屋の中から出てくる。男が見たのは義透の背後に蠢く呪いの闇。真の姿である。ついでに男にも同じように鼻の頭に傷跡を施しておく。
「鼻の頭ってね、自分の視界にちらちら入るんですよ」
 とんとん、と自分の鼻の頭を撫でて義透は軽く笑う。その笑いは二人にとっては未知の恐怖でしかない。
「癒えぬ傷痕、見るたびに思い出すがいい。莉麻殿を守る『悪霊』を。あんたたちへの呪いを」
 慌てたように女はごまかすように口を開いた。
「り、莉麻に何か言われたのね?あ、あの子ったらいつも嘘ばっかりつくの、あなたもそれに騙されたのね、まったくしかたな…」
 漆黒風が女の首へ突きつけられると、ひぃ、と小さい悲鳴を上げながらも黙る。
「二度と近づくな」
 あの子のすこやかな未来のために。もう苦しまなくても良い『これから』を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
莉麻ちゃん、無事かい?
……いやこの場合はちょっと違うな、
痛い所はないかい?
身体は?心は?
多分どこもボロボロだろうから、まずはゆっくり休んでおくれ。
セーフハウスを手配してもらって、そこに行って貰おう。
お父さんやお母さんには、アタシ達からちゃんと
「いい子にしてる」と言っておくからね。

……さ、後は仕置きの時間だ。
婦警姿に『変装』し、両親へ「誘拐未遂事件について話がある」と取り入る。
それから莉麻ちゃんは保護された事、身体には暴行の跡があった事を説明して、『言いくるめ』るように二人がやった暴行の詳細を聞き出す。
そうすりゃ『法律学』も駆使して即逮捕さ。
社会的にも死んでおけ!



●少女への救い
 ぱちり目が覚めた少女、東樹莉麻は目の前に居た女性の姿にぱちくり瞳を瞬かせた。
「莉麻ちゃん、無事かい?……いやこの場合はちょっと違うな、痛い所はないかい?…身体は?心は?」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は心配していた。UDC-HUMANになる現象は原因が不明とは言え体力を消耗うするだろう。
 こんな小さい体でそれを耐えていたのだ。消耗は激しいだろう。その証拠に莉麻の顔色は青白く、身体は冷たかった。震える唇では多喜の言葉に返事が出来ない。
 莉麻の手を握り温める。氷のような冷たさの手は、多喜の温かにより温もっていく。
「多分どこもボロボロだろうから、まずはゆっくり休んでおくれ」
(…セーフハウスを手配してもらって、そこに行って貰おう)
 どこに行くよりも、きっとそれが安全だろう、という判断だ。だが少女は家に帰らなきゃいけない、と思っているのか首を横に振って。
「お父さんやお母さんには、アタシ達からちゃんと「いい子にしてる」と言っておくからね」
 なだめる様に言った言葉に、安心したように莉麻は小さく頷いた。

「……さ、後は仕置きの時間だ」
 多喜は婦警の姿に変装し、両親が居るマンションについた。そしてインターホン越しに言う。
「――、誘拐未遂事件についてお話しがあります」
 そう言えば慌てたように両親は出てくる。そして玄関先で淡々と、言う。莉麻が誘拐に合ったが助け出され保護している、身体には日常的な暴行の後があった、と。
 最初は己で転んだ、やら学校のいじめ等言い訳を連ねていた両親も言いくるられれば段々と真実を話すようになり。
 勉強していた法律学を使いつつ、最後には本当の警察に逮捕してもらう。
(社会的にも死んでおけ!)
 あの子の健やかなの未来のために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウルリック・イーゴン
(それでもきっと、東樹莉麻は両親を赦すのだろうな…)

伝え聞く両親の人物像を鑑みれば徹底的に叩き潰す必要はありそうですが…
痛めつけても意味が無いのでしょうね
証拠を集め円滑に、何よりも確実に東樹莉麻と両親を引き離さなければいけないでしょう
いつか彼女が両親の悪行と向き合う為にも…

大丈夫ですか?
俺達はあなたを助けに来た者です
東樹莉麻、もう一度俺達に「あなたが両親に何をされていたのか」話してくれませんか?
俺達はある程度の現状を理解していますので、今度こそあなたを守ると約束しましょう
そして、一度両親から離れて心と体の傷を癒して下さい
他ならぬあなた自身の未来の為に…

…どうか俺達に、あなたの未来を護らせてくれ



●少女への救い
 少女は心を壊すほど、酷いことをされたのだ。
(それでもきっと、東樹莉麻は両親を赦すのだろうな…)
 ウルリック・イーゴン(Volker・f27829)は哀れだと思う。伝え聞いた両親の人物像を鑑みれば徹底的に叩き潰す必要はありそうだ。
 だが…痛めつけても意味が無いのだろう。証拠を集め円滑に、何よりも確実に東樹莉麻と両親を引き離さなければいけない。いつか彼女が両親の悪行と向き合う為にも。
 それがきっと、少女の為でもある。

「大丈夫ですか?俺達はあなたを助けに来た者です」
 莉麻は目を覚まし、傍に居た男の姿を見ては驚いたようにぱちくりと瞳を瞬かせた。
 助けに来た、その言葉に首を傾げる。頭の中に霞がかかったかのように、少し前のことを思い出せない。
 UDCに取りつかれたせいか消耗している身体をそっとウルリックは支える。
「東樹莉麻、もう一度俺達に『あなたが両親に何をされていたのか』話してくれませんか?」
 少女は冷たい唇を震わせながら瞳を泳がせた。言ったことが両親にばれたらどうなる?きっとまた、いたいことをされる。
 察したウルリックは安心させるよう言う。
「俺達はある程度の現状を理解していますので、今度こそあなたを守ると約束しましょう」
「…まも、る…?」
 莉麻は小さく呟き、少し迷った後にそっと長袖の服をめくり、隠された腕を見せた。大きな切り傷の跡、青黒く肌を飾る打撲の跡、引きつった火傷の跡。凡そ自然では出来るはずがない無数の傷跡にウルリックは言葉を失う。
 息をつき、一度心を落ち着かせた後語り掛ける。
「一度両親から離れて心と体の傷を癒して下さい。他ならぬあなた自身の未来の為に…」
 少女にはウルリックが何者なのか、何をしようとしているのか、わからない。ただ、自分のことを案じてくれているのだけは、理解できた。
「…どうか俺達に、あなたの未来を護らせてくれ」
 その小さな頭をそっと撫でて、ウルリックは紡ぎだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビリー・ライジング
ミリィ(f05963)と共に行動

……ミリィ、裏に回れ。俺が突入したら、同時に入れ。

家の扉をノックして、男を【おびき寄せ】。
扉を開けたと同時に【先制攻撃・咄嗟の一撃】の鉄拳を顔面に叩き込む。
そして壁際に【グラップル】、目の前にマインゴーシュを突きつける。

実の娘を「いい子」と呼ぶとは、随分都合がいいんだな。
自分のうっ憤を娘にぶつけて爽快か?
娘はお前達のせいで、自殺を考えていたんだぞ?

これから俺たちの仲間がお前達に制裁を下す。
その前に親のいない俺たちに三つ誓え。

一つ、娘に決して暴力をふるわないこと。
そして三つ、今度から娘を本気で愛すること。

もしも一つでも誓いを破ったのなら、今度は容赦しないぞ……?


ミリィ・ライジング
ビリー(f05930)と共に行動

家の扉の前で【聞き耳・情報収集】した後、兄の指示に無言でうなずく。
【目立たない】ように【忍び足】でマンションのバルコニーへ移動。

兄の突入と同時にバルコニーから突入。
女を背後から取り押さえて、喉元に手裏剣の刃を突きつける。
動かない方がいいよ?

娘さんはただ、あなた達に愛してほしかっただけなのに、
生まれなければよかった?
親が子を選べない様に、子も親を選べないんだよ。
生んだのならちゃんと育てる責任を持つべきだよ。

兄の三つの誓いに同調して、誓いを述べる。
二つ、娘さんに美味しいご飯をつくること。
そして三つ、今度から娘を本気で愛すること。

分かったなら、ちゃんと返事して!



●制裁を。
 グリモア猟兵から聞いていたマンションにつけばビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)はミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)に指示を出す。
「……ミリィ、裏に回れ。俺が突入したら、同時に入れ」
 ミリィはドアの向こうにちゃんと少女の両親が居ることを確認すれば頷き、忍び足でバルコニーの方へ向かう。到着したことを確認すればビリーは扉をノックする。
 そうすれば扉から顔を出したのは男だった。
「だれだ――っ、ぐあ!」
 ビリーは顔面に鉄拳を顔面に叩き込んだ。壁にグラップリングしつつも、男の目の前にマインゴーシュを突きつける。
「な、なんだ、いきなりなんだ君は…!」
「実の娘を「いい子」と呼ぶとは、随分都合がいいんだな」
 それは先ほどミリィが聞いていた言葉。実の娘をそう呼び、物理的な暴力を加えると言っていた言葉だ。
「自分のうっ憤を娘にぶつけて爽快か?娘はお前達のせいで、自殺を考えていたんだぞ?」
「莉麻の知り合いか…?自殺?何のことだ!」
 しらばっくれるつもりらしい男の首元にマインゴーシュ当てればひぃっと小さな悲鳴が上がった。

 一方そのころ、バルコニーから中に入ったミリィは女を背後から取り押さえ、喉元に手裏剣の刃を突きつけていた。
「動かない方がいいよ?」
「な、何よ…!警察呼ぶわよ…!」
「呼ばれたら困るのはあなたの方じゃない?」
 情けなく言う女に首を傾げて、ミリィはそう言う。睨まれても怖くもなんともない。
「娘さんについて言いたいことがあるの。…娘さんはただ、あなた達に愛してほしかっただけなのに、生まれなければよかった?親が子を選べない様に、子も親を選べないんだよ」
 両親に育てられた記憶が無いミリィには子供を虐げる気持ちが分からなかった。
「あんたみたいな若い子に子供を育てる大変さはわかるはずがないでしょ!」
「わからないよ、でも生んだのならちゃんと育てる責任を持つべきだよ」
 貴方のお腹から生まれた、貴方とあの人の子供でしょ、と。静かに呟く。どうしてこの人が子供を虐げるようになったのか、それは解らない。
 だけれど子供を産んだなら責任があるのだ。

「これから俺たちの仲間がお前達に制裁を下す。その前に親のいない俺たちに三つ誓え」
 他の猟兵たちもここに向かい、この両親たちに制裁を下すだろう。その前に二人は誓ってほしいことがあった。

「一つ、娘に決して暴力をふるわないこと」

「二つ、娘さんに美味しいご飯をつくること」

「そして三つ、今度から娘を本気で愛すること」

 この誓いが本当になるのかは分からない。人の心とは簡単なものではない。
「もしも一つでも誓いを破ったのなら、今度は容赦しないぞ……?」
 だが誓いを破れば再び二人は来るのだろう、今度はきっと両親を許しはしない。

「分かったなら、ちゃんと返事して!」
「わ、わかったわ!」
「あ、あぁ、優しくする!」

 歪な親子の関係はこれからも続くのだろう。だがそれをどう修正していくかは彼ら次第である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

白峰・歌音
両親の方はみんなに任せるぜ。
オレは可能な限り、莉麻が両親からもらえなかったぬくもりを与えたい。
一緒に手を繋いで買い物して、料理も一緒に作って…って、オレ素人だから野菜切って適当に味付けして炒めるくらいしか出来ないんだけれどな?
そして、一緒にご飯食べながら酷い目にあわされても、両親を愛し続ける愛情と優しさを褒めて
「辛くなったら躊躇わずに誰かを頼れよ?オレも駆けつけてみせるし。そして…元気に生きてほしい、ってそう思ってる人がここにいるってのを忘れないでくれよ?オレは莉麻の笑顔、大好きだからな?」
って抱きしめてあげて、両親が上げなかった親愛のぬくもりを教えてあげたいなって思う。

アドリブ・共闘OK



●カノンと少女
 夜の街に少女を連れ出した白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)は少女と手をつなぐ。
 きっと両親に関しては他の猟兵たちがなんとかしていることだろう。…だから、歌音は莉麻が両親からもらえなかったぬくもりを与えたかった。
 夜と言ってもまだ早い時間だったため、いろんな店が開いている。スーパーで莉麻の好きな食べ物を聞いて食材を買い込めば部屋を借りご飯を作ろうと思った。
 グリモア猟兵に頼めばそこらへんは手続きをしてくれたのが幸いだった。
「……あたたかい、ごはんがすき」
「そっか。じゃあ一緒に作ろうぜ」
 作ったものは、ご飯と野菜炒め。野菜を切って適当に味付けしたものでもきっとそれなりに美味しいだろう。素人料理しかできないのは仕方がない。
 そして食事をしながらも、話をする。箸を止め、何度も言葉を詰まらせる莉麻の背をそっと歌音は撫でる。
「…りまは、わるいこだから…」
 少女にあるのは罪悪感。首に確かに縄をかけたはずなのに、生きている。何があったのかはわからないが皆に迷惑をかけたことだけは理解できている。それはきっと、悪いことなのだ。
 親にも、皆にも迷惑をかけているのだ。きっと、自分は悪い子に違いない。
 そう、莉麻は言った。
「…そうじゃない。そうじゃないんだ、莉麻。オレは莉麻が大好きだから助けた。迷惑なんかじゃない」
 歌音はそっと小さな体を抱きしめる。その身体は小さく、細かった。
「辛くなったら躊躇わずに誰かを頼れよ?オレも駆けつけてみせるし。そして…元気に生きてほしい、ってそう思ってる人がここにいるってのを忘れないでくれよ?オレは莉麻の笑顔、大好きだからな?」
 つらかったのだろうか、そう莉麻は自分に自答する。わからない。だけれど、歌音の腕の中は温かくて心地よかった。
 歌音が莉麻にあげたかったのは、親愛のぬくもり。それは確かに少女の中にとどまり、助けることになるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・暁音
【天星で参加】
幼い子には酷な事を言っているとは思うけど…ね…
それでも、どれほど幼くとも決断は自分でするべきだと思うし、周りが当人の為って言って道を勝手に決めるのは、そもそも好かないんだ
莉麻、君はどうしたい?両親と別れるか、これからも一緒にいるか…
勿論、君がまた同じことにならない様に手は打つし、もう一度起これば引き離すことにはなるのだけど…


UCで呼び出す人形たちは零に采配を任せ莉麻に両親が反省する様子を見せてどうするかを尋ねます
一緒に暮らす場合は反省が嘘だった場合に備えて人形を一つ莉麻に渡すかして緊急の連絡が出来る様にしつつ何かあった時には今度こそ警察に保護させる形を取ります


天星・零
【天星】


【呪詛】や暁音の人形、霊を用いて怪奇現象で恐怖を覚えさせたあと尋問



『僕と一つ勝負しよう。あんた達には今から僕の幻術で2時間様々な死を体験し続けてもらう。痛みと恐怖に耐えれたらこの事は口外しないようにするよ。あぁ、本当に死ぬわけじゃ無いからそこは安心して?』

会話の後指定UCを発動し、現実での1秒が幻術世界の2時間に相当する世界で悪霊や怨霊に満ちた世界で過ごしてもらい【精神攻撃】
幻術世界2時間たったら現実世界に戻す

『まだ1秒しか経ってないよ?まだまだ先は長いから。あと、7199秒張ってね?そこまで精神が保てばだけどね』

真の姿
暁音以外には零とバレないように、誰もいない時間でフードを被り侵入



●現実と夢想
 天星・暁音(貫く想い・f02508)は目が覚めた少女を見つめて問いかける。
「莉麻、君はどうしたい?両親と別れるか、これからも一緒にいるか…」
 今のこの状況については理解しているのだろう、莉麻は青ざめた顔をしながらも必死に考えていた。
(幼い子には酷な事を言っているとは思うけど…ね…。それでも、どれほど幼くとも決断は自分でするべきだと思うし、周りが当人の為って言って道を勝手に決めるのは、そもそも好かないんだ)
 自らの選択じゃないことで後々後悔をすることだってあるのだろうし。それは望むところではない。
「勿論、君がまた同じことにならない様に手は打つし、もう一度起これば引き離すことにはなるのだけど…」
 まぁ、それは二人の反省を聞いてから考えよう。

  銀色の髪を隠すためフードを被った天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)は両親の住むマンションの一室に侵入すれば暁音に召喚されたファンシーな人形たちに二人を取り押さえさせ、今まで少女にしたことを言及した。
「な、何が目的だ…」
「僕と一つ勝負しよう。あんた達には今から僕の幻術で2時間様々な死を体験し続けてもらう。痛みと恐怖に耐えれたらこの事は口外しないようにするよ。あぁ、本当に死ぬわけじゃ無いからそこは安心して?」
 そう言ってユーベルコード【夢幻泡影】を発動させる。それは零の想像した世界に閉じ込め怪奇現象で精神のみを何回も殺すことが出来る力。一般人が攻撃されればどうなるか――。
 現実での1秒が幻術世界の2時間に相当する世界はそれこそ精神を壊すことも可能だろう。幻術世界で2時間が立てば現実世界に戻す。
「まだ1秒しか経ってないよ?まだまだ先は長いから。あと、7199秒張ってね?そこまで精神が保てばだけどね」
「あ、あぁ…もうやめてくれ…!!」
 もう一度、幻術世界へと閉じ込める。あと、1時間59分59秒…

 幻術世界に閉じこまれ、何時間もそこで過ごした両親は既に精神が疲弊し、溶け切っていた。もう立ち上がれはしないらしい、すみません、ごめんなさい、と口々に謝罪を言っていた。
「も、もう…ひどいことしないで…」
 そう言ったのは莉麻だった。言葉も喋れず床に崩れた二人を見た少女はそれをしたのが零だと知ると恐る恐るそう言った。
「…酷いことをされたのは貴方だと思いますけれど」
 その身体に、精神に、暴力を加えられても、少女は両親に愛情を感じていた。だからこそ両親を傷つけることなく、自分を殺そうとしたのだから。たとえ、そこに自分への愛が無かったとしても。
「…わかった。…莉麻、この人形をあげる。…あの二人の反省が嘘だったら連絡して」
 暁音は可愛らしいうさぎのぬいぐるみを莉麻に差し出す。何もなければ、それはただのぬいぐるみである。
 何かがあれば…今度は警察に保護させようと思う。何もなければいい。
「…うん、だいじょうぶ…」
 精神が壊れかけた両親を見て、莉麻はほほえむ。こんどは、わたしがおせわをするの。
 だから、きっと、大丈夫。
 
 暴力が莉麻を苛まれなければいい。天星兄弟は頷いてその家を離れたのだった。 
 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月06日
宿敵 『ラプラスの魔』 を撃破!


挿絵イラスト