凍れる世界~幽世温泉奇譚~(作者 相馬燈
8


●幽世の温泉地にて
 その日、幽世は氷雪に閉ざされた。
 温かさが消え失せた世界は酷烈な寒気に包まれ、雪の降りしきる地と成り果てたのだ。
 平素は温泉の湧き出るその山もまた例外ではなかった。
 山奥の秘湯は凍結し、幽趣漂う温泉宿も霜で覆われて見る影もない。
 そればかりか、無数に飛び交う骸魂は、山に棲んでいた妖怪たちを取り込んで怪異へと変えていった。
 満身から呪詛を放つ、麒麟の群れに、である。
 雪に覆われた大地を踏み、木々の合間を闊歩する災厄の獣。
 その咆哮は凍てつく空気を震わせ、山に木霊した。

●極寒白雪の地へ
「カクリヨファンタズムにて事件が起こりました」
 新たに発見された世界の名を告げて、化野・那由他(書物のヤドリガミ・f01201)は猟兵たちに事件の説明を始めた。
 グリモアベースが映しているのは、季節外れの雪に覆われた山の光景だ。
 山奥には温泉宿と秘湯があるというが、寒波で湯さえ凍結している始末。
「それもオブリビオンによって世界から『温』の概念が消されてしまったからなのです」
 幽世においては、骸魂に飲み込まれた妖怪がオブリビオンと化す。
 その骸魂に襲われた妖怪というのが――。

「雪女、と呼ばれる妖です」

 まだ幼い雪女は、骸魂に飲まれたことで老成した悪しき雪女へと変じ、山奥にある温泉宿に居を構えている。幽世を元の状態に戻すためには、その雪女を討ち果たさねばならないが、

「温泉宿へと繋がる山林には、骸魂に飲み込まれた妖怪たちが麒麟と化して歩きまわっており……」
 まず氷雪の山林で、麒麟の群れを倒さねばならない。

「温泉宿では、オブリビオンと化した雪女との戦いが待っています。討ち果たすことができれば幽世は元に戻り、飲み込まれた幼い雪女をも救出できるかも知れません」
 首尾よく骸魂だけを滅ぼせば、飲まれてしまった妖怪は元に戻る、というわけだ。

「解決後は……折角ですから温泉を楽しまれては如何でしょう」
 元は山奥の温泉地である。
 秘境の温泉宿では、妖怪たちが熱烈に歓迎してくれることだろう。
 温泉に浸るのも良いし、賑やかな宴会を楽しんでも良い。
 説明を終えると、那由他は猟兵たちに深々と一礼した。
「幽世を、そして妖怪たちを救うため、どうぞ宜しくお願い致します」


相馬燈
 カクリヨファンタズムの物語をお送りします。
 強大な雪女に変じたオブリビオンにより、「温」の概念が奪われ、幽世が氷雪に包まれてしまいました。山奥の温泉宿に巣食う雪女を討ち果たし、世界を元に戻しましょう。
 大まかな流れは下記の通りです。

 👾第1章:温泉宿に続く雪の積もった山林にて麒麟の集団と戦います。
 👿第2章:山奥の温泉宿にて雪女と戦います。
 🏠第3章:温泉宿で温泉や宴会を楽しむことができます。

 以上です。
 皆様のご参加をお待ちしております。
49




第1章 集団戦 『麒麟』

POW ●カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD ●因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ ●キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 牡丹雪が降りしきり、木々が白雪を振り落とす。
 樹木の間を縫い雪を蹴り上げて駆けるのは妖気を放つ麒麟の群れだ。
「ガ、ァァァァ――――!!」
 骸魂によって妖怪が変じた災厄の獣たちは、苦鳴にも似た咆哮を放って呪いを撒き散らす。骸魂だけを払うことができれば、変貌した妖怪を救うこともできるだろう。
 山奥の温泉宿に向かうため、この山林で襲い来る麒麟を討ち果たさねばならない。
天星・雲雀
「温もりが消えたら、色々と困ります。雪女さんにとっては、過ごしやすい世界に成るのでしょうが、世界情勢のモフモフ需要が高まって、かわいい雲雀ちゃんを巡って熾烈な争奪戦の火蓋が切って落とされてしまいます。自分にも伴侶を選ぶ権利が有るので、なんとしても、雲雀ちゃんウォーズは、回避しなくては!」

「しっ、雪を蹄が蹴り上げる、けたたましい音。予言に在った『麒麟』は近いですね。ここから先は【技能:追跡】で、相手に気付かれないように慎重に動きましょう」

【行動】麒麟の個体数と配置を確認したら、UC獅子の座流星弾で、先手を打ちます。

「オトモ!麒麟の眉間と角を狙って、各個体を一撃で無力化して!疾風迅雷、迅速に!」


 幽世は見渡す限り一面の銀世界だった。
 寒気は容赦なく襲い、来訪者を拒絶するかのように体温を奪い去る。
「温もりが消えたら、色々と困ります。雪女さんにとっては、過ごしやすい世界に成るのでしょうが」
 雪化粧した山林を歩きながら、天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)は白い息とともにそう言った。
 温という概念は多くの生命を支えている。
 それが失くなってしまうとしたら――雲雀は小さな拳をぎゅっと握りしめて、
「世界情勢のモフモフ需要が高まって、かわいい雲雀ちゃんを巡って熾烈な争奪戦の火蓋が切って落とされてしまいます……!」
 きっと壮絶な争いを想像したのだろう、ふわふわの狐耳や尻尾ごと体を震わせる雲雀。
「自分にも伴侶を選ぶ権利が有るので、なんとしても、雲雀ちゃんウォーズは回避しなくては!」
 決意を新たにした途端、雲雀の狐耳がピンと立った。
「しっ、雪を蹄が蹴り上げる、けたたましい音」
 鋭敏な聴覚で音を感じ取ると、雲雀は着物の裾で口元を覆った。
 予知にあった麒麟のものに違いない。
 ひとまず太い樹の幹に身を隠し、ちらりと顔半分だけを出して音のした方に目を凝らしてみる。
「あれですね……」
 赤く透き通る左目の機械式義眼が彼方の凶獣を捉えていた。
 見れば一頭だけではない。侵入者を待ち構えるように群れが散開しているようだ。
「ここから先は、慎重に動きましょう」
徐々に移動して位置を変える麒麟の一団――その動きを追跡しながら雲雀は距離を詰める。注意深い行動が功を奏し、先制攻撃の好機を掴むことに成功した。
 木々の合間から飛び出した雲雀を、麒麟の群れが一斉に睨む。
「オトモ!」
 雲雀が喚ばわると、顕れた赤と青の狐火が周囲に渦を巻き始めた。
 総勢七十三の狐火の尻尾が噴射機のような形になる。
「麒麟の眉間と角を狙って、各個体を一撃で無力化して! 疾風迅雷、迅速に!」
 号令一下、狐火たちはつぶらな瞳にやる気を込めて弾かれるように分散・飛翔した。
 木々を縫い、光の速さで飛んだ狐火が狙い通り麒麟たちの真眉間に命中。
 一撃の下に貫き通す――!
 異変を察知して駆けてきた麒麟が、怒りとも悲しみともつかぬ叫びを放って竿立ちになった。が、紫電を放つその角にも狐火が命中し、暴発した妖気が麒麟を内から震わせた。
 あちこちで巨体がどうと倒れ込む。
「上手く行ったみたいですね」
 残った赤と青の狐火が、雲雀を守るように取り巻き、躍っていた。
成功 🔵🔵🔴

シエラ・ヴァレンティーヌ
※WIZで行動
※連携OK
※アドリブ歓迎

思い出すわね、あなた(ロゼ)が私の国を冷やしてシャーベットを作った日のこと
いいのよ、もう怒ってはいないわ。もう終わった事なのだから
ええ、この怪異も早く終わらせてあげましょう

まずは精霊術を[高速詠唱]尚且つ[多重詠唱]するわ
光の精霊よ、朝日が霜を溶かすが如く凍て付く我が身を照らしなさい[氷結耐性]
土の精霊よ、土の守りよ、雷撃を大地へ導く道となれ[オーラ防御][電撃耐性]

私達も行くわよ
「薔薇のレイピア」に「風の精霊石」を装填
旋風[衝撃波][吹き飛ばし]を放ち[体勢を崩す]で墜落した麒麟を倒す
または敵集団を対象に「アイスローズ・ストーム」を放って一気に蹴散らすわ


 大気は凛冽として肌を刺し、広がる銀世界は生者の存続を許さぬ死界と化していた。
元が緑豊かな地であることを思えばまさに災厄と呼ぶに相応しい光景だ。
 シエラ・ヴァレンティーヌ(出稼ぎプリンセス・f27820)は淡々とした面持ちで長く揃った睫毛を伏せた。
「思い出すわね、あなたが私の国を冷やしてシャーベットを作った日のこと」
 言葉を向けると、腰に帯びたレイピアが微かに揺れた気がした。
 意志持つ秘宝、薔薇のレイピア。
 シエラの故国である島に伝わるその宝剣――ロゼは、封印から目覚めると島全体を氷結させる災禍をもたらした。いま雪に閉ざされている幽世の光景は過去を思い出させるものだが、シエラは小さくかぶりを振るのみ。
「いいのよ、怒ってはいないわ。もう終わった事なのだから」
 言うや否、麒麟の吼え声が大気を震わせた。
「ええ――この怪異も早く終わらせてあげましょう」
 シエラはグリップに手をかけて無駄のない所作で抜刀。前方から猛然と駆けきたる麒麟にロゼの切っ先を突きつけ、空いた掌に携帯する三種の精霊石に乗せて、
「光の精霊よ、朝日が霜を溶かすが如く凍て付く我が身を照らしなさい」
 凛然としたその姿が穏やかな光に包まれたかと思うと、シエラは更に精霊に呼びかける。
「土の精霊よ、土の守りよ、雷撃を大地へ導く道となれ」
 高速の二重詠唱。
 凍気による身体能力低下を精霊の加護で免れたシエラは、細剣の護拳部にある窪みに風の精霊石を装填した。
 恐らく山林の各所で戦闘が始まっていることだろう。
「私達も行くわよ」
 ロゼに語りかけ、疾駆する。
 前方から襲歩で突進してきた麒麟を避けざま、その横腹めがけ斜め下から振り上げるようにシエラは剣を閃かせた。凄まじい風と衝撃波が巨体を吹き上げ、木に激突させる。
「囮――!」
 周囲で両角に雷を帯びた麒麟が一斉に竿立ちになった。
 豪雷。
 だが土の精霊の力を借り受けたシエラは、大地が雷を受け流すように無傷だった。
「今度はこちらの番よ」
 縦に構えた薔薇のレイピアが輝き出し、幻想的な光景が現出する。
 煌めく細剣が、切っ先から氷薔薇の花弁に変じたのだ。
 氷の花が舞い散っては木々を駆け抜け、凍れる花の渦と化して凶獣に襲いかかる。
 絶鳴を響かせて倒れ伏す麒麟の群れ。
「ひとまず片付いたわね」
 それらが狐や狸に似た妖に戻るのを見届ると、シエラはロゼと共に歩み出した。
大成功 🔵🔵🔵

幻武・極
温かさが失われようとしているのか
うう、寒いね。
寒いときにはアレだよね。
ちょうどよさそうな妖怪を見つけたし行くかな。

ボクのユーベルコード『磁場形成』は集団戦に有効な範囲攻撃。
しかも、キミ達はそれをコピーして使ってくれるなんてありがたいね。
無差別故の高威力、だけど威力が高いのは磁力ってことさ。

さあ、同じ極同士のおしくらまんじゅうで暖まろうか。


 吹きすさぶ山風は生者の訪れを拒絶するように峻酷であった。
 曇天からの雪は小止みなく、寒気は刻一刻と生ける者の体力を奪っていく。
「温かさが失われようとしているのか。うう、寒いね」
 山奥で修行を重ねてきた幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)をして、そう言わしめる程の寒さなのだ。
 だが如何に幽世と言えど、山は山。
 鍛え抜かれた極の行く手を阻めるものではない。
 と、何処かで不気味な吼え声が響き、呼応して別方向からも声が鳴り渡った。
「――追ってきてるね」
 彼方より放たれる妖気を極は最前から肌で感じ取っていた。
 徐々に足を早め、駆け足に。
 走りながら目を配れば、いつしか木々の間に何頭もの麒麟の姿が認められた。
 さながら集団で狩りをする血に飢えた獣だ。
 背後から追い、左右からも回り込み、包囲を狭めてくる。
「ちょうどいい。寒いときにはやっぱりアレだよね」
 極が足を止めたのは、円くぽっかりと開けた地点だった。
 荒く息を吐いて麒麟の群れが姿を現す。
 全方位から囲むように、である。
「大歓迎だね。その炎みたいなオーラ、温かいのかな?」
 拳を打ち合わせて構えを取ると、極はじりじりと間合いを詰めてくる麒麟の群れに余裕の面持ちで視線を配った。
 小柄な羅刹の少女――その総身から不可視の力が放たれる。
 獄炎さながらのオーラを迸らせてそれを受け止めた麒麟たちが、殆ど反射的に不可視の波動を複製し解き放った。
「かかったね」
 極が笑んだ直後、異変は目を疑うような現象として襲ってきた。
 突進を仕掛けた麒麟が、見えざる力に圧されるようにして吹っ飛んだのだ。
 それだけではない。

 ――――――――!!??

 麒麟どもの四ツ足が突如として地面を離れ、『引かれ合って』いるかのように巨体同士が空中で衝突。同様の現象が一時に巻き起こっていた。
「さあ、おしくらまんじゅうで暖まろうか」
 幻武流『磁場形成』。
 触れた対象に強大な磁力を付与する磁場を放ち、物体を無差別に強磁性体と化させる超常の技だ。自らも磁極と化した羅刹の少女は麒麟に引っ張られ――その勢いを利用して飛び蹴りを放った。
 強烈な蹴撃の後、極は麒麟のたてがみを掴む。
 頃合いを見て背を蹴り飛ばし、渾身の力で跳んだ。
 そこへ一拍遅れて複数の麒麟が引き寄せられ、暴れていた凶獣に激突する。
「少しは暖まったかな」
 麒麟が山をなして倒れ伏すその上に着地して極は涼やかに言ってのけた。
成功 🔵🔵🔴

リウティナ・スピネルレッド
【Star Wind】で参加!
呼称は、ククリ(f26110),レムリ(f26111),キリネア(f26115)だよ!

すごい!辺り一面雪景色だよ!っていつもだったら喜ぶんだけど……想像以上に寒いね……!早く異変を解決して、温泉に入りたいよ!

麒麟さん、なんだか見た目はあったかそうだなー。
今日はみんながいるからサクッと終わらせちゃうよー!
【怪力】【力溜め】からのUCで蹴散らしちゃうよ!
わたしは攻撃に専念をして援護はみんなに任せるね!

※アドリブ歓迎


ククリネ・タンザール
【Star Wind】で参加。
呼称は、リウ(f26107),レムリ(f26111),キリネア(f26115)

みんなで温泉に行けるって聞いたから付いてきたけど……寒い、寒すぎる……。
取り敢えず、リウで暖をとろう。……こいつも冷え切ってるじゃねーか。
これはとっとと根本を断ち切るしかないわね。

戦闘はUC【邪神の手】を使って攻撃を加えつつ、仲間に何かあったら、【邪神の手】を使って庇うなりしてサポートに回らせてもらうわ。

※アドリブ歓迎


レムチェリ・プイユ
【Star Wind】で参加します。
呼称は、リウちゃん(f26107),ククリちゃん(f26110),キリネアちゃん(f26115)だよ。

雪の世界……私は寒いのには強い方だから、まだ大丈夫だけどこのままこの状況が続いたら……なによりも、骸魂に飲み込まれたって聞いた、雪女ちゃんはまだ小さい子らしいし早く助けてあげないと。

戦闘は【残像】【見切り】【武器受け】を使用して、敵を撹乱しつつ、隙を見つけたら、UCを使って少しずつ攻めて行くね。

※アドリブ歓迎


キリネロア・メラリス
【Star Wind】で参加するわ。
呼称は、リウ(f26107),ククリ(f26110),レムリ(f26111)よ。

アンタ達、さっきから寒い寒いうるさいわよ。
この景色を見てなんとも思わない訳?異変とは言え風情がーーヘックチ!!(くしゃみ)……早く元凶を倒しに行くわよ!(小走り)

戦闘時は、UCを使って敵の隙を作るために、牽制射撃をしたり
仲間の隙をフォローする為の援護射撃を行って、完全にフォローに回らせてもらうわよ。
……全く、アンタ等と一緒にいるとホンッットに忙しくなるわね。

※アドリブ歓迎


 深々と降りしきる白雪は止む気配もなく、幽世は冷たい銀世界と化していた。
 積もったばかりの新雪に靴跡を残していくのは、Star Wind――剣と魔法と竜の世界に存在する冒険者ギルドの四人である。
「すごい! 辺り一面雪景色だよ! っていつもだったら喜ぶんだけど……」
 幽世に足を踏み入れた直後には広がる光景に目を輝かせていたリウティナ・スピネルレッド(廻る冒険家・f26107)だったが、
「そ、想像以上に寒い……!」
 余りの気温の低さに、今や震えながら緋色のマントを寄り合わせていた。
 肌を刺す凍気に震えているのはリウティナだけではない。
「みんなで温泉に行けるって聞いたから付いてきたけど……寒い、寒すぎる……」
 吹きすさぶ寒風に紫色のツーテールをなびかせながら、ククリネ・タンザール(頭脳明晰型脳筋・f26110)は我が身を抱くようにして呟いた。どちらかと言うと引きこもり気味のククリネにとって、雪中行進はなかなか酷だ。
「取り敢えずリウで暖をとろう」
「わ、ククリ……!?」
「ってこいつも冷え切ってるじゃねーか」
 リウティナに抱きついてはみたものの、アテが外れてげんなりした目をするククリネ。
「いちゃついてると体力持ってかれるわよ」
 少し前を行くキリネロア・メラリス(孤高の天才メカニック(自称)・f26115)が、やれやれと言いたげに白い息を吐いた。まだ歩き始めたばかりである。
「っていうかアンタたち、さっきから寒い寒いうるさい」
「でもやっぱり寒い、よね」
 四人の先頭を行くレムチェリ・プイユ(儚き雪月花・f26111)が、ちらと振り向いて三人を気遣った。今のところ余裕はあるけれど、寒気が容赦なく体力を奪うことを冒険者たる彼女はよく分かっている。

 ――私は寒いのには強い方だからまだ大丈夫だけど。このままこの状況が続いたら。

 それに加えて、骸魂に取り込まれたという幼い雪女も心配だ。
「早く助けてあげないとね」
 レムチェリが言った途端、また冷たい風が四人を襲った。
「うう、寒い……!」
「これ凍死するやつだ……」
 二人してガタガタ震えるリウティナとククリネ。
「さ、寒いっていうから寒いのよ」
 歯の根が噛み合わないながらも、根が負けず嫌いなキリネロアは、ギリギリと油切れの機械みたいな動きで頭上を見上げた。
 雪化粧した木々がきらきらと輝きを放ち、一幅の絵にもなりそうな幻想的な光景が描き出されている。
「この絶景を見てなんとも思わない訳? 異変とは言え風情が――ヘックチ!!」
 後ろの二人が言わんこっちゃないみたいな顔をした。
「…………。……早く元凶を倒しに行くわよ!」
 唐突に雪道ダッシュするキリネロア。
「あ、キリネアちゃん……!」
「待ってー!」
「確かにとっとと解決するのが一番ね……」
 レムチェリが早足で続き、リウティナが尚もひっつくククリネを引きずるような形で追いかける。
 
 ――オオオオオオオォォォォォォォォォォォッ!!

 山林に凶獣の長く尾を引く鳴き声が轟いたのは、その直後だった。
「気をつけて。近いみたい」
 注意を促しながら刀の柄に手を掛けるレムチェリ。
 他の三人がそれぞれに頷き、互いに足を止めて死角を作らぬよう背を預け合った。
 麒麟の群れが左右の林を抜けて挟撃してくる。
「ここで戦うしかないね」
 レムチェリが腰間の鞘から刀を抜き払った。
 冴えた大気に触れて凛乎とした輝きを放つのは、穢れなき雪を思わせる青白い刀身。
「麒麟さん、なんだか見た目はあったかそうだなー。今日はみんながいるからサクッと終わらせちゃうよー!」
 レムチェリが右で迎え撃つならば、リウティナは左だ。
 見るからに頑丈そうなロングソードを引き抜いて、襲い来る麒麟の一団に構えを取る。禍々しい気を放つ妖獣を前にしても、その瞳、その表情から明るさが失せることはない。
 前衛を左右に配した陣形の中心で、ククリネとキリネロアも援護の態勢を整えている。
「このままだと凍死不可避だし……さっさと終わらせるわ」
「……全く、アンタ等と一緒にいるとホンッットに忙しくなるわね!」
 ククリネがその小柄な体からオーラを揺らめかせれば、キリネロアがモナディオクの名を冠するリボルバーの撃鉄を起こして呆れ混じりに笑った。
 微塵も慌てることなく、息の合った連携で迎撃するStar Windの冒険者たち。

 ――グルオオォォォォォォォォォォォ!!!!
 
 麒麟の咆哮。
 そして連続する射撃音。
 雪を蹴り上げて駆けてきた麒麟の群れが胸や首を銃弾に貫かれて血を飛沫かせる。
「この子たちにも、少し頑張ってもらわないとね」
 キリネロアが左右に銃を掲げて同時撃ちするという離れ業をやってのけたのだ。
 モナバレプ――モナディオクの性能を向上させるユーベルコードによって威力はおろか射程さえ伸ばした弾丸が、麒麟の群れを的確に撃ち抜く!
「敵の動きもバラバラじゃないみたいだね……!」
 冴え冴えとした名刀『雪渓華』を構えて迎え撃ったレムチェリは、敵集団の連携の取れた動きを鋭く見切っていた。
 傷を負って勢いを増した麒麟が容赦なく突進してくる。
 少女の細身を四足が踏みしだく――その感覚を凶獣が得ることはなかった。
 残像だ。
「これで一体」
 素早く側面に回り込んだレムチェリが麒麟の胴を斜め下から斬り上げた。
「二体目」
 返す刀で更に突っ込んでくる獣を上段から斬る。
「一気に行くよー!!」
 陣形の左翼で奮戦するリウティナはまさに好対照をなしていた。
 レムチェリが技で敵を断つならば、リウティナは力で獲物を圧倒する――。
 肉厚の剣を振るうと麒麟の巨体が斬撃とともに吹き飛んだ。
 ロングソードは一見して平凡な一振りに見えるが、リウティナが全力で振り回しても刃こぼれ一つしない辺り相当の業物であることがうかがえる。
 しかし味方が倒れるほどに苛烈の度を増すのが麒麟である。
 前衛二人だけで全てを捌き切るのは困難だ。
「はいはい、狙い通り。サクッと終わらせましょう」
 ククリネの立ち上らせていたオーラが不気味に揺らめき、形を変えた。
 禍々しく巨大な手の形に、である。
 前衛二人に飛びかかろうとした麒麟が大きな手に掴まれて投げ飛ばされる。
「止め……!」
 レムチェリが倒れた麒麟を撃ち抜いて戦闘不能に追い込んだ。

 オオオオオォォォォォォォォォォ――――――!!!!

 と、勝利の天秤が猟兵たちに傾いたと思ったその矢先。
 竿立ちになった周囲の麒麟がいななき、その両角に激しく紫電を迸らせた。
「倒しきれない――!」
 キリネロアがリボルバーを連射しながら歯噛みする。
 転瞬。
 目の眩むような紫電が四人を包囲して迸った。
 神獣の名を関する禍ツ獣が両角に豪雷を喚び寄せる――!!
 閃光。
 少女たちに降り注ごうとした万雷は――しかし、突如として地面から突き立った何ものかに誘導されて爆ぜた。
 迸った雷光。
 それを頭上で受け切ったのは――ククリネが空へと伸ばした邪神の腕だ。
「切り札っぽいけど雷だったらこんなものね。これでおしまい、はいさよなら」
 面倒そうな表情のままさらっと言ってのけるククリネ。
「今のうちに……!」
 レムチェリの手による雪渓華の冴えた剣閃が麒麟の額を断ち、背後への突きが別の巨体の脾腹を貫く。
「単純明快! リウちゃんアタック!!」
 雪を蹴って飛び上がったリウティナの力を込めた斬撃が、残る麒麟たちを一撃の下に吹き飛ばした。
 雪が吹き飛び、えぐれた大地の真ん中に立って額をぬぐうリウティナ。
「寒さもちょっとは吹き飛んだかな。さ、行こうみんな!」
 戦いを切り抜けた他の三人もそれぞれに首肯して。
 Star Windの冒険者たちは再び賑やかに山道を征くのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

フェイフェイ・リャン
【POW】白雨(f02212)と一緒
今は夏の時期だったはずなのに。さすがのワタシもこの温度差は堪えるヨ……!
早く事件を解決して温泉に行くネ!

麒麟……麒麟ってこんな悪そうな生き物じゃなかった気がするアルけど。
他人の空似アルな!温泉前に一汗かいてくネ!
身体を動かせばあったかくもなるヨー!!
味方がやられるたびパワーアップするみたいだけど、ワタシと白雨のコンビには勝てないヨー!!

『屠龍拳』で一撃必殺していくヨ!
相手の攻撃回数が増えるなら【カウンター】を狙う回数もそれだけ増えるし、【咄嗟の一撃】もワタシは得意分野ネ!
白雨が討ち漏らしたのは全部ワタシの担当アル。
リーチは短いけど当たるとスゴいヨー!!


心禰・白雨
フェイフェイ(f08212)と参加

地下迷宮の次は山に登るって言ってたっけ。
温泉付きとは豪奢だが
夏も近いのにやたらめたら寒いぞ。
それになんか珍しい動物まで居やがるし……。

どうにも人懐っこい善い動物にはみえねえな。
どうせならパンダがよかったぜ。
ここは一つ懲らしめてやるとするか。

ユ―ベルコード櫻狩を使用する。
フェイフェイの元へやって来る麒麟を
第六感と怪力でリズムよく捌き

よそ見するようなフェイントを掛けながら一匹ずつ倒す。
攻撃の回数が増えようと攻撃前に倒しちまえばいいだけだ
打ち漏らしはフェイフェイに頼む!

おまえらは仲間がやられてご立腹かもしれねえが
俺には無敵の相棒が付いてるのさ!


 雪化粧した山林に二人分の足跡が続いていた。
 幸いまだそれほど雪深くはないが、冷え切った大気は容赦なく肌を刺してくる。
「夏も近いのにやたらめたら寒いぞ」
 歩を進めながら銀世界の風情を愛でていた心禰・白雨(赤糸結び・f02212)が、白い息を吐いてそんな言葉を口にしていた。吹き下ろしてくる山風は雪混じりで、その厳しさときたら、とても夏山のそれとは思えない。
「今は暑い時期だったはずなのに。さすがのワタシもこの温度差は堪えるヨ……!」
 まるで季節が逆転したようで、フェイフェイ・リャン(がりゅー・f08212)も白雪を踏んで歩きながら、ぶるりと身を震わせた。
「これも雪女とやらの仕業か」
「お仕置きが必要だネ!」
「違いねぇ」
 旅慣れているからか、それともフェイフェイが共にいるからか、雪白の髪を寒風に躍らせながらも白雨は何処か楽しげであった。

 ――地下迷宮の次は山に登るって言ってたっけ。温泉付きとは豪奢だが。

 かの地下迷宮における大戦で共に闘い、強敵を打ち倒したことは記憶に新しい。
 今度は幽世の山奥で妖異の類を相手取るわけだ。
「やっぱり寒いヨ。早く事件を解決して温泉に行くネ!」
 寒さが募るほど温かな湯が恋しくなるというもので。
「秘湯って話だからな。どんなものやら」
 想像するうち、奇怪なる鳴き声が辺りに木霊した。
 
 ――オオォォォォォォォォォォォォォ!!!!
 
「幽世ってのはあれか。なんか珍しい動物まで居やがるらしいな……」
 鋭敏な感覚で殺気を捉えた白雨が目を細め、左方――林の奥の妖物を睨む。
「右からも前からも来てるヨ……!」
 先程の吼え声は、獲物の発見を『仲間』に報せるものだったに違いない。
荒く白息を吐きながら雪を蹴り突進してくるのは、恐るべき獣の群れだった。
「どうにも人懐っこい善い動物にはみえねえな」
 殺生を忌み嫌う同名の瑞獣とは明らかに異なる、殺意に塗れた凶獣だ。
「麒麟…………麒麟ってこんな悪そうな生き物じゃなかった気がするアルけど……他人の空似アルな!」
「どうせならパンダがよかったぜ」
 拳を握りしめ、片方の手のひらに小気味よく打ち合わせる白雨。
 フェイフェイは片足立ちの独特な構えで麒麟の群れを迎え撃つ。

 ザ、ザ、ザ――――雪を蹴って左右前方より襲来する凶獣の群れ。 

「ここは一つ懲らしめてやるとするか」
 なかなか頭の働く妖獣であるらしく、麒麟は連携して攻め寄せてくる。
「そこだ!」
 左から突進してきた最初の一頭に踏み込むと、白雨は喉首を掴んで強引に地面に叩きつけた。指を首に突き立てたまま怪力でブン回し、背後を衝いてきた別の一頭を薙ぎ倒す。
「――喰らいな!」
 投げつけられた巨体が信じられないほどの速度で他の群れに激突した。
 数頭が一度に倒れ込み、味方の下敷きになった麒麟が暴れ、力尽きる。
 白雨の怪力にかかっては、巨大な妖獣もまるで玩具だ。
 さりとて衆を以て攻めて来る敵は侮りがたい。
「新手が来るヨ!」
「フェイフェイ、頼む!」
 左右から尚も挟撃してくる麒麟を白雨が捌いている間に、前方から駆けてきた一団が高らかに跳躍。
 白雨の頭上を飛び越えてフェイフェイに飛びかかる!
「温泉前に一汗かいてくネ! 身体を動かせばあったかくもなるヨー!!」
 同胞が倒れたことで迸るオーラを更に燃え上がらせた麒麟だったが、フェイフェイは微塵の恐れも抱かない。跳び上がった敵の動きを見極め、ふわりと橙色の髪をなびかせると着地の瞬間を狙って気合一声――横腹に渾身の掌底を打ち込んだ!

 ――グガアアァァァァァッッ!!??

 麒麟が口から泡を吹きながら仲間を巻き込んで吹っ飛ぶ。
 その打撃の威力たるや、仮にも神獣の名を関する妖異を一撃で屠る程だ。
 龍を以て龍を覆す――絶招、その名も屠龍拳!
「リーチは短いけど当たるとスゴいヨー!!」
 角で串刺しにしようと突っ込んできた一頭の顔面に見事な回し蹴りを叩き込み、更にもう一頭の顎を掌でかち上げた。
「おまえらは仲間がやられてご立腹かもしれねえが」
 空中にふわりと浮かぶ獣。
 その首を、あろうことか白雨が空中で掴んで
「俺には無敵の相棒が付いてるのさ!」
 容赦なく群れに投げ落とす。
そして山中に響き渡る連打、連打、連打――!!
「一丁上がりアル!」
 息の合った戦い振りで、二人は傷一つ負うことなく麒麟の群れを無力化したのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アルトリウス・セレスタイト
まず超えねば話にならんな
速やかに終えようか

破界で掃討
目標は妖怪を変異させている骸魂、及び麒麟のユーベルコード
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無

高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
「瞬く間もなく」天を覆う数の魔弾を生成、全てに『解放』を通じ全力で魔力を注ぎ干渉力を最大化
爆ぜる魔弾の斉射で蹂躙する面制圧飽和攻撃
射出の瞬間を『再帰』で無限循環し間断なく斉射を継続

目標周辺を纏めて範囲に収め回避の余地を与えず
攻撃の速度密度で反撃の機を与えず
無理矢理行動してもユーベルコードも消滅対象とし機能不全を企図

攻撃の物量で全て圧殺する

※アドリブ歓迎


「概念にまで影響を及ぼすか」
 温もりが消え果てた白銀の世界で。
 吹きすさぶ雪風に漆黒の外套をはためかせながら、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は独り言った。
 温という概念が消え失せた世界では存続できる生命も限られよう。
 改変された概念の及ぼす影響力は事程左様に大きいものだ。
 その異常を捨て置くアルトリウスではない。
「まず超えねば話にならんな。速やかに終えよう」
 鋭利な剣の切っ先を思わせる視線を辺りに流す。
 銀世界と化した山林にて、妖気を滾らせた麒麟の群れが、既に彼を囲んでいた。
 荒く白煙めいた息を吐き出して唸りをあげる災いの獣たち。
 包囲は此処に成り――上空から見下ろしたならば、恐るべき数の凶獣がアルトリウス一人を取り囲んでいるさまを俯瞰できたことだろう。
「骸魂だけを狙うべきだな」
 しかし。
 絶望的にも見えるその渦中にあってさえ、アルトリウスは眉一つ動かすことはない。
 そればかりか、骸魂に取り込まれ麒麟と化した妖怪を救おうとさえ言うのだ。

 ――オオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!

 引き絞った矢さながらの麒麟が、遂に両角より紫電を迸らせて突進する。
 また或るものは耳を聾する叫びを放って豪雷を喚んだ。
「その根源を断つ」
 だが瞋恚に憑かれた妖獣は気づかない。
 アルトリウスの周囲に漂い出した淡青の光にも、世界を破る権能の発動にも。
 麒麟の紫電が周囲の音を掻き消す中、アルトリウスは唇を動かした。

 ――――行き止まりだ。

 転瞬……否。
 まさしく須臾の間にそれは訪れた。
 天蓋さながらに中天を覆ったのは蒼光の魔弾。
 降り注ぐそれは、世界を白紙に戻し、創世をもたらす権能の賜物。
 魔弾は紫電を掻き消し、禍ツ獣を貫いて爆ぜ――周囲を蒼き光の紗幕(ヴェール)のように覆い尽くした。

 無限加速・無限循環・万象の扉は此処に開かれ。
 無窮の力が、巡り、巡り、加速する――。

 魔弾射出の瞬間が幾度となく再演され、無尽蔵の蒼き雨と化す。
 麒麟がたとえ無量の数で攻めかけようと、この終焉は避けられまい。
 それはさながら万物が決して超えられぬ終着地点(デッドエンド)。
「終わったか」
 蒼き魔弾の雨が骸魂だけを『消去』し、取り込まれた妖怪を無傷で引き剥がしていた。
 うずくまっていた妖怪が動き出すのを横目に、アルトリウスは山林を歩き出す。
速やかに災いの根源を断つために。
大成功 🔵🔵🔵

四王天・燦
暑い夏にこの雪はいいね♪
テンション高く行軍し…十分後には寒さにキレる。
冬か?雪山か!?

麒麟が出たら、祓いは巫女のお仕事。退魔業と行きますか。
漆式にて紅狐様を召喚し騎乗。
あー…狐様あったけー

麒麟光はこの術には無力に等しいかな。
蹄による蹴りを見切って避けて、雷撃なんざダッシュで駆け抜けて当たらないよ。
憑かれているだけと思うと刃物に抵抗を感じちゃうので、黒曜石の杖を手に突撃。
群れの中に黒曜石化の呪詛に満ちたガスを振り撒くよ

程よく動きが鈍ったら四王稲荷符をぺたっと貼り付けて破魔を持って躯魂退散!
躯魂そのものを認識できるなら紅狐様の爪で焼き祓うぜ。
成仏せいよー

そいじゃ紅狐様に揺られて温泉宿を目指すぜ


 雪に閉ざされた幽世は氷室めいて、空気も冷たく冴え渡っていた。
 陽気な鼻歌交じりに山林を行く四王天・燦(月夜の翼・f04448)は、ざくざくと雪を踏みながら景色を楽しんでさえいて、
「暑い夏にこの雪はいいね♪」
 先の黒い狐耳をはたりはたりと動かして周囲の警戒も怠りない。
 この調子なら、寒さも麒麟もなんのその。

 ……そんな風に考えていた時期が燦にもありました。

「なんだこの寒さ! 冬か! 雪山か!?」
 夏だというのにまるで冬山のような厳しさである。
 山の天気が変わりやすいのは何処の世界も同じなのか、寒気はいっそう肌を刺すわ雪混じりの風は吹き付けてくるわで、燦は若干キレながら雪道を進んでいく。
 危なくちょっと眠くなってきたところで燦は邪気を感じ、気付けに首を振った。

 ――オオオオオオオォォォォォォォォォォォッ!!!!

 山中に木霊する鳴き声。
 俄に強まった厄災の気配は麒麟が発しているものに相違ない。
「祓いは巫女のお仕事。退魔業と行きますか」
 林立する木々の間から麒麟が群れをなして走ってくるが、まだ遠い。

「御狐・燦の狐火をもって贄となせ。紅蓮の鳥居潜りて、おいでませ紅狐様!」

 円を描くように灯った無数の狐火が、燦の言霊に呼応して一斉に集まり、鳥居の形を成した。燃え盛る妖火の境界をくぐり顕れたのは、紅蓮の気を滾らせる巨大な紅狐。
 燦は麒麟の接近より早く颯爽とその背に飛び乗ると、
「あー……狐様あったけー」
 へたりと紅蓮の妖気に体を埋めて暖を取る。
 構わず疾駆した紅狐は、猛追する麒麟を早くも引き離していた。
 木々が物凄い速度で背後へ流れていく。
 紅狐は燦を乗せたまま、前方から走ってきた別の群れに突っ込んだ。
 如何に敵の術理を複製できる麒麟といえど、絶大な妖気の持ち主たる紅狐の突進をまともに受けきれる道理はない。
「流石に刃物ってわけにも、ね」
 黒曜石の杖を手にした燦は、周囲の麒麟にそれを打ち振るう。
 蛇さながらにしなる黒杖が石化ガスを噴出し、群れを軒並み硬化させていく。やっとのことで飛びかかった麒麟の額に、燦は四王稲荷符を貼り付けた。
「躯魂退散!」
 骸魂だけが見事に爆ぜ飛ぶ。
 ようやく追いついてきた一団にも容赦なく杖から石化ガスを噴出させて、
「狐様!」
 咆哮だけで麒麟を身震いさせた紅狐が、紅蓮を宿した爪で獣の凝る骸魂だけを吹き飛ばした。
「成仏せいよー」
 点々と横たわった麒麟が瘴気のようなものを発散しながら消えていく。
 森の住民であろう、後に残されたのは小鬼や猿、狐狸の妖怪だ。
 そのままにしておいても流石に凍死したりはしないだろう。
 今は事件の解決が先決である。
「そいじゃ、温泉宿を目指すとするか」
 紅狐に揺られながら、一路、燦は山道を行く。
大成功 🔵🔵🔵

アルファ・オメガ
がう、まさかのもふもふ大ピンチ
確かにもふもふはもふもふだけで価値があるんだけど
もふもふから伝わる温もりも大切なんだ!
つまりこれは、ボクがもふもふを取り戻す物語!

というわけでボクはもふもふで戦うよ
『すーぱー・もふもふぱわー!』だね
普段だと機動力使ってのヒット&アウェイだけど
今日はもふもふを伝えるため
もふもふ手足によるカンフー、
略してモッフーでお相手するよ!
(注:たった今思い付きで作ったただの格闘攻撃)
小さな体を利用して懐に潜り込みつつ
接近戦での突きとか蹴りとかで攻撃
麒麟の攻撃に対してもふもふで受け止めるか
野性の勘による見切り残像で回避
麒麟の攻撃回数が上か、ボクのちょこまかさが上か
勝負だ!


「がう、まさかのもふもふ大ピンチ……」
 雪化粧した山林のただ中で、茶トラなケットシーが周囲に目を配っていた。
 トレードマークの笠を被ったアルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)だ。
 巨大な獣が林を駆け回る。
 まるで狩りでもするように、麒麟の群れが彼に狙いを定めているのだ。
「温もりを奪わせてたまるもんか……!」
 数的不利もなんのその、アルファは一歩も退かずに構えを取る。
 そう、温もりの消失とは、なにも気温の低下だけを意味するものではない。
「確かにもふもふはもふもふだけで価値があるけど……もふもふから伝わる温もりも大切なんだ!」
 それが失くなった世界なんて、想像するだけで冷たく寂しい。
 もふもふな毛並みを持つ者として、決して負けるわけには行かないのだ。

 ――つまりこれは、ボクがもふもふを取り戻す物語!

「がう、かかってこいー!」

 ――グガアアァァァァァァァァ!!

 災厄のオーラを燃え上がらせて襲いかかってくる四ツ脚の妖獣。
 アルファは動じることなく全身から見えざる『力』を立ち昇らせた。
「もふもふのパワーを受けてみろ!」
 麒麟の猛突進をぴょんと避けたアルファが、空中で麒麟の顔面を猫キック!
 着地時を狙って踏みつけようとした別の一頭の真下に潜り込んで、
「はあー!」
 ジャンプしての掌底が麒麟をなにかの冗談のように吹っ飛ばした。
 全方位からの突進を、アルファはぴょんぴょんと高らかに跳ねて避けていく。

 ――ガアァァァァァッ!!

 背後から両角で突き上げようとする麒麟。
 その切っ先が遂にアルファを串刺しにした――と見えたその時には、小柄な体が宙に身を躍らせていた。
「はずれだよー」
 野生の勘、からの残像だ。
 着地するや、ぼすんと雪に埋もれかけてぶるぶる震えるアルファ。
 その隙をついて麒麟の群れが災厄のオーラを炎弾のように飛ばしてきた。
「がう、それならこうだー!」
 アルファはもふもふの拳を構えると、気弾を次から次へと弾き飛ばす!
 すーぱー・もふもふぱわーによって戦闘力を増強させたがゆえの格闘術だ。
 名付けて、

「もふもふ手足によるカンフー、略してモッフー!」

 ……いや、たったいま思いついた名前ではあるのだが。
「あたーーーー!!」
 その威力は本物だった。
 麒麟が手数を増してくるなら、それを上回る速度で動くのみ!
 ちょこまか動きながらの拳や蹴りが、麒麟をばったばったと打ち倒していった。
成功 🔵🔵🔴


第2章 ボス戦 『『雪女』碧麗』

POW ●さ、動けぬうちにとどめでも刺すかの。
予め【対象を氷で動けなくする】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD ●ほれ、踊ってみせい。
【絶対零度の爆発を起こす氷柱の弾幕】を降らせる事で、戦場全体が【絶対零度の氷弾が舞う氷の花畑】と同じ環境に変化する。[絶対零度の氷弾が舞う氷の花畑]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ ●少し本気を出すとしようかの。
【器となった妖怪が未来に得る筈の力】に覚醒して【大人の妖艶な雪女】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 雪に閉ざされた山林を抜けて、猟兵たちは山奥の温泉宿に辿り着いた。
 古雅な趣を漂わせる瓦屋根の宿も、やはり氷雪の影響は免れない。
 庇から垂れる氷柱は寒々しく、入り口の提灯も凍っていた。
 玄関を潜ってみれば――。
 勘定をする帳場、言わばフロントの先に「ゆ」の暖簾がかかっていた。そこから恐ろしいほどの寒波が流れてくるのだ。

 凍った「ゆ」の暖簾をくぐり、冷たい板張りの通路を進めば、その先に待っているのは、雄大な山を借景にした大露天風呂であり、

「くふふふ……あの雪山を登って来るとは、なかなか見上げたものじゃの」

 岩風呂の、さながら広大な銀盤と化した氷上に立って、雪女が侵入者を迎え撃つ。
 名を碧麗(へきれい)。
 齢四桁を超えると云う、年経た強大な雪女である。
 渦巻く闇に似た『骸魂』はその胸元に。
 困難であろうが、直接それだけを破壊できれば、取り込まれた幼い雪女を救出できるに違いない。
「妾の邪魔をする猟兵ども……まとめて氷像にしてくれよう」
 恐るべき凍気を放ち、碧麗が猟兵たちに挑みかかる――!
リウティナ・スピネルレッド
【Star Wind】で参加!
呼称は、ククリ(f26110),レムリ(f26111),キリネア(f26115)だよ!

さて、楽しいイタズラはこれでおしまいにしよっか?
(雪女の胸元を見ながら)勿論、言ってるのは君にだよ。

彼女の攻撃は【第六感】【見切り】【武器受け】を使用して擦れ擦れに交わしつつ、ロングソードで反撃をしつつ、途中、胸元にUCを――なーんて、【フェイント】だよ!
――レムリ!お願い!

※アドリブ歓迎


ククリネ・タンザール
【Star Wind】で参加。
呼称は、リウ(f26107),レムリ(f26111),キリネア(f26115)

ここが例のおんせ……あ”ぁ”っ!温泉凍ってんじゃねーか……!
何のためにここまで来たと思ってんだ……!とっととカタをつけて元に戻してやる……勿論あなたもね。

【邪神の手】を使って、相手の行動を少しでも阻害して隙が出来るように立ち回るわ。もし仲間が押され始めたら、庇ったり、キャッチしたり、乗せたり、本格的にサポートに回るわ。

※アドリブ歓迎


レムチェリ・プイユ
【Star Wind】で参加します。
呼称は、リウちゃん(f26107),ククリちゃん(f26110),キリネアちゃん(f26115)だよ。

あなたが例の……今助けてあげるから、待っててね。(氷の闘気を出して、相手にこちらに【氷結耐性】があることをアピールしながら)

最初は、リウちゃんと一緒に【残像】【第六感】【見切り】【武器受け】を使用しながら、敵を撹乱しつつ、少しずつ攻撃をしていくね。
途中で、【残像】を残しつつ、私自身はククリちゃんの【邪神の手】に紛れて、UCを準備して、リウちゃんのフェイントに合わせて、相手の胸元に向かって、すれ違いざまに居合を放つね。(骸魂に)『儚く散り逝け。』

※アドリブ歓迎


キリネロア・メラリス
【Star Wind】で参加するわ。
呼称は、リウ(f26107),ククリ(f26110),レムリ(f26111)よ。

と言う訳で、他が言ってくれたしアタシからは特にアンタに言う事は――ないわ!(【クイックドロウ】の発泡で戦闘開始)

【援護射撃】を使って仲間を援護しつつ、余裕がある時は【属性攻撃】で炎の弾を撃ち込んでいくわ。みんなが大きい隙を作ったここぞという時には、【スナイパー】を使って、胸元に向かってUCを放つわ。失敗しても、当たりさえすれば敵の動きを妨害出来るはずよ。

※アドリブ歓迎


「全くどんな輩かと思えば、可愛らしい来客もあったものじゃな」
 吹き荒れる雪風は極北の嵐めいて、冒険者の少女たちに襲いかかる。
 幽世を氷雪で覆うほどの怪異こそ、幼娘を器とした目前の雪女――碧麗なのだ。
「あなたが例の……」
 風雪にさえ映える青く長い髪をなびかせながら、レムチェリ・プイユ(儚き雪月花・f26111)は襲い来る寒風の矢面に立った。青白く発光しながら全身を覆うのは氷の闘気だ。
 寒さには強い――その言葉通りに風雪を防ぎながら強大な雪女と対峙する。 
「ほう、雪山を越えてきたのもあながち偶然ではなかったようだの」
 碧麗はあどけない顔立ちを老獪そうな笑みに歪め、腕組みしたまま目を細める。
 両者の間に早くも戦いの火蓋が切って落とされようとした――その時である。
「ここが例のおんせ……あ゛ぁ゛っ! 温泉凍ってんじゃねーか……!」
 寒さに震えながらも後から続いてきたククリネ・タンザール(頭脳明晰型脳筋・f26110)が、銀盤と化した温泉を見るや、へたりと膝をついた。身も心も凍るような酷寒の雪山を越えてようやく辿り着いてみればこれである。ひどい。ひどすぎる。
「何のためにここまで来たと思ってんだ……!」
 思わず頭を抱えるククリネ。
「ちょっとククリ、しっかりして! ここ真面目なとこだから!」
 リウティナ・スピネルレッド(廻る冒険家・f26107)がククリネを抱き起こして脱魂しかけた少女を軽く揺さぶる。キリネロア・メラリス(孤高の天才メカニック(自称)・f26115)が後ろで額を押さえながら「はあ……」とため息をついていた。
「なんじゃ小娘どもが、騒々しい」
「いやお前に言われたくねーし!」
「ククリってば……!」
 温泉の恨みとばかりにビシリと指をつきつけるククリネ。そうかと思うと、リウティナに真剣な面持ちで告げた。
「分かってるわ。とっととカタをつけて元に戻してやる……取り込まれた子を、ね」
 頷いたリウティナが、得物である頑丈なロングソードの切っ先を碧麗の胸元に向ける。
「楽しいイタズラはこれでおしまいにしよっか? 勿論、言ってるのは『君に』だよ」
「今助けてあげるから、待っててね」
 歩み出たリウティナと並び立つような位置取りで、レムチェリが腰に差した雪青の刀の柄に手を添えた。話しながらも陣形を整え、戦闘態勢に入っているのは流石に息の合ったパーティと言ったところ。
「――と言う訳で、他が言ってくれたし」
 キリネロアは銀色に輝く二丁のリボルバー、モナディオクを両手でガンスピンさせて、
「アタシからは特にアンタに言う事は――――ないわ!」
 二丁の銃口を碧麗にぴたりとつきつけ、引き金を引いた。
 立て続けに響く銃声こそが激戦の始まりを告げる合図だ。

 冷え切った大気を切り裂いて飛んだ弾丸が、碧麗の周囲に浮遊する氷塊を穿った。
 キリネロアの連射に氷が砕け散るもののまだ碧麗には届かない。
「ふくくく、少しは楽しめそうじゃの」
 幼い手が持ち上がると頭上に極寒の妖気が集結し、見る間に無数の氷柱となった。
 碧麗の意のままに氷柱が氷の矢と化して降り注ぐ。
「リウちゃんっ」
「任せてレムリ……!」
 斬り込もうとしたレムチェリとリウティナが弾かれるように左右に散開。
 疾駆しつつ雪渓華を鞘込めしたままで襲い来る氷槍を打ち払うレムチェリ。
 一方のリウティナはロングソードの風圧で降り注ぐ氷槍を吹き飛ばし、なお駆ける。
「流石に一筋縄では行かないわね……!」
 その間も、キリネロアはモナディオクの引き金を引いていた。
 援護射撃の多くは碧麗が作り出す氷塊に阻まれるが、それでも注意を逸らすことはできている筈だった。だが、圧倒的な妖力の前に通常弾だけで立ち向かうのは至難。
「ククリ、時間を……!」
「やってる。ったく素早すぎだっつーの」
 射撃しながらキリネロアが言えば、ククリネが邪神の手を召喚して碧麗にけしかける。大蛇さながらにうねくり、上下左右から変則的な動きで襲いかかる邪神の手。
「面白いのう。じゃが凍らせれば動きも止まろうて」
 碧麗は銀盤と化した床を滑りながら掌から凍気を放ち、複数の手を凍らせる。
「スケートかなんかかよ……!」
 毒づくククリネ。
「気に入ったぞ。お主らであればさぞ美しい氷像になりそうじゃ」
 空中に二振りの氷剣が出現すると、左右から斬り込んだリウティナとレムチェリを同時に阻む。切り結ぶ二人を見ながらキリネロアはククリネに言った。
「距離を取られたか……。ねえ、あれに『近づける』と思う?」
「いや無理ゲーだろ常考……」
「……でしょうね。でも諦めるわけには行かないわ」
 前衛二人が猛攻を仕掛けているのを見て、キリネロアは新たに弾丸を装填する。
「まずは一人目じゃな」
 碧麗が掌を向けると、凍気の渦がレムチェリに襲いかかった。
 残った邪神の手が遮蔽するように伸び、盾となって氷結する。
 それを足場としてレムチェリが跳躍。
「間合いさえ詰められれば……!」
 空中で迎撃しようとする氷槍を鞘込めした刀で払い、着地を狙って落下してきた氷の槍を残像を引いて回避。碧麗に接近するレムチェリ。
「なんじゃ……!?」
「そーーれっ!!」
 と、側面から迫ったリウティナがロングソードを一閃――辛くも浅手にとどめた碧麗がそれでも剣風に吹き飛ばされ、狙い澄ましたレムチェリが遂に雪渓華を抜刀する!
 冴え冴えとした一閃。
「が、っ……!?」
 骸魂を斬り裂かれてぐらついた碧麗にキリネロアの銃弾が炸裂する。
 ただの銃弾ではない。炎の属性を込めた魔弾だ。

「ぎゃあああああ!! 熱い、熱い……!!」

 炎に取り巻かれながら叫び身悶えする碧麗――しかし何ということか、その身の内から青い光が迸り、一瞬のうちに炎を吹き飛ばしたではないか!
 眩い閃光の後。
 ふわりと銀盤に着地したのは、少女の姿ではない――妖艶な雪女そのものだつた。

 ――やってくれおるわ。そろそろ本気を出すとするかの。

「仕留めきれなかった……!」
 世界そのものに響くような妖声と立ち昇る圧倒的な妖気に、キリネロアが歯噛みする。
「おいおい、アイツまだ変身残してやがったのかよ……」
ククリネが邪神の腕を無数に伸ばすが、それらは碧麗を囲むような形で凍結する。
 先程に倍するほどの氷槍がリウティナとレムチェリに襲いかかった。
 二人が切り払い、邪神の腕が凍りつきながらも盾となるが、防ぐので精一杯だ。

 ――さて、まずは小賢しい魔弾使いからじゃな。

 音もなく滑るようにして氷上を行き、離れた少女二人に接近する碧麗。
 キリネロアはしかし、その行動を見て不敵に口角を上げた。

「ああ――まさかそっちから近づいてきてくれるなんてね」

 瞬間、碧麗の内部で魔弾が立て続けに炸裂、爆発を起こす。
 ディアプトバレット。
 一定距離内に位置する対象の内部で弾丸を炸裂させ続けるユーベルコードだ。
 
 ――ガ、アァァッ!? 何故じゃ、何故消えぬ……!?

 内から破裂し続ける魔弾は、さしもの碧麗の凍気を以てしても消し飛ばせない。
「今だ。リウ、レムリ……!」
 ククリネが邪神の手を伸ばしながら言い、二人が頷く。
 リウティナが、邪神の手――その掌に跳ね上げられるようにして高らかに跳躍した。そのまま渾身の力でロングソードを叩き込む!

「一味違うリウちゃんアターーック!!!!」

 麒麟を一掃したときよりも更に強力な圧倒的一撃。
 銀盤を砕き、氷の塵を舞わせるがしかし届かない――――否!!
 剣圧によろめいた雪女を見て、リウティナは確信を込めた視線を仲間に投げた。
「レムリ! お願い!」
 そして凛と大気を震わせる、雪青の少女の気合一声。
 別方向から風の如くに間合いを詰めたレムチェリが、そこで再び刀を抜刀した。
 一閃、美しき雪渓華が大気を断ち、
「――儚く散り逝け」
 碧麗の胸元に渦巻く骸魂を深く斬り裂いた。
 まるで勝利を運命づける一陣の星のように。
 Star Wind の四人が見事な連携で、碧麗に痛打を与えることに成功したのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

フェイフェイ・リャン
【POW】白雨(f02212)と一緒
温泉は目の前!
取り込まれてる雪女の子も助けられるみたいだし、ここが正念場!
あと一踏ん張りヨー!

『五行拳』を火の魔力、攻撃力重視でいくアル!
相手の能力を受けたら動きが止められる、けど、拳法使いにそんな大振り、カウンター入れ放題ヨ!
白雨と前後左右みたいに挟み打つ形で攻撃するネ。的を絞らせない、意識を散らす、大技で強引にいくより、小さく積み重ねるのが強敵と戦うコツアル!
あとは機を見て白雨が動きを止めてくれるから、胸の骸魂を思いっきり叩くアル!
もしどちらかが動きを止められたらフォローし合う。気心知れたコンビの強みヨー!


心禰・白雨
【POW】白雨(f02212)と一緒
トドメ刺しちゃマズいんだったか。
それなら助けてやりてえな、温かい温泉にでも叩き込んでほかほかにしてやるとするぜ。

『赫絲』を使う。これだけ寒けりゃ何でも凍るだろうけど
超低温だろうが運命に凍結なんて概念は通用しねえ。

此方も第六感で相手の攻撃を見切りつつ、相棒と一緒に相手を挟み撃ちにしながら糸で包囲していく。
大振りばかりの鬼だと思ったら大間違いだぜ。
ちょっとは器用な事もできるとこ見せてやる。
もしどちらかが動きを止められたら糸を結び引き寄せて緊急回避だ。

ロープワークで障害物も糸に絡め利用しながら相手を絡め取るように動きを制限させる
救出はフェイフェイにまかせたぜ!


「何処までも妾の邪魔をするつもりじゃな、小煩い猟兵ども」
 幼娘の身に憑依した老獪なる雪女――碧麗は可憐な顔を怒りに歪めていた。
 その胸元に渦を巻く骸魂は絶え間なく邪気を発し、未だ衰える気配もない。
「トドメ刺しちゃマズいんだったか」
 真紅の瞳に妖異の姿を映しながら心禰・白雨(赤糸結び・f02212)が言った。
 俄に厳しさを増した雪風が長く美しい白髪を躍らせる。
「アレさえ倒せば、取り込まれてる雪女の子も助けられるアル!」
 拳を構えたフェイフェイ・リャン(がりゅー・f08212)が総身から炎にも似た闘気を立ち昇らせた。吹きつける氷の礫が揺らめくオーラに触れ、触れたはしから溶けていく。
「つまりここが正念場! あと一踏ん張りヨー!」
「ああ、それなら何とか助けてやらねえとな」
 対して白雨は自然体のままで、幼娘の姿をした碧麗を見据えていた。
 ここで遭ったのも一つの奇縁。袖振り合うも何とやら。
 ――温かい温泉にでも叩き込んでほかほかにしてやりてぇが。 
 右の拳を面前に掲げ、白雨は不敵に口の端を上げて見せる。
「妾から器を取り戻すじゃと? くくく……なかなか面白い冗談よな……!」
 宙に冷え切った妖気が集結すると、氷柱にも似た無数の氷槍と化して降り注いだ。
「フェイフェイ!」
「一気に行くヨ!」
 ユーベルコードでさえない氷槍の雨だが、そうであるならば容易く喰らう二人でもない。白雨とフェイフェイは呼吸を合わせて散開、円を描くようにして碧麗を挟撃した。
「おのれ、蚊蜻蛉のように動き回りおる……!」
 両の掌に蓄えた凍気を交互に放ちながら、二人を仕留めようとする碧麗。
「――と、こいつは喰らえねぇな」
 五感を超えた、或いはそれらを総動員した超感覚によって極寒の妖気を避ける白雨。着物の端を凍りつかせながらも連打を振るい、振り下ろしが銀盤を叩き割る――!
 ふわりと矮躯を後ろへ流しながら碧麗が嗤う。
「うぬは鬼の類よな。左様な馬鹿力だけでは妾は倒せぬぞ」
「ハッ、大振りばかりの鬼だと思ったら大間違いだぜ」
 無論、囮だ。
 舞い上がった氷の欠片を熱い闘気で吹き飛ばしながらフェイフェイが迫る。
「そこヨ……!」
「馬鹿め、読めておるわ……! 凍りつくがよい!」
 炎纏わせた拳、それを身を翻して避けた碧麗が掌の凍気を放つ。
 だが――如何に強大な妖力を誇ろうとも、雪女に武術の心得まではない。
「五行拳を甘くみないことネ――!」
 渦を巻いて襲い来る烈寒の凍気を鋭い感覚で捉えたフェイフェイは、回転するように避けると、炎纏う裏拳を碧麗の胸元にめり込ませた。十分に隙を作ってからの痛打。重い一撃が雪女を火炎で包みながら吹き飛ばす。
「拳法使いにそんな大振り、カウンター入れ放題ヨ!」
「おのれ小娘が……!」
 近接戦闘は不利――咄嗟に距離を取ろうと凍った地面を滑る碧麗がぐらりと態勢を崩した。
 
 何かに引っ張られるようにして、である。
 
「捕まえたぜ」
 白雨の言葉に、碧麗がその青い瞳を見開いた。
 身に纏う装束が何かで縫い合わされたように引っ張られ、気付けば腕も脚も自由が利かなくなっているではないか――!
「なん、じゃと……」
「言った筈だぜ。大振りばかりの鬼だと思ったら大間違いだってな」
 赫絲(アヤトルイト)――目に見えぬ赤糸は、運命さながらに逃れられぬ束縛となって碧麗の自由を奪う。先の攻防における大振りは目眩まし……悟ったときには手遅れだ。
「こんなもの、こんなもので妾を虜にしたつもりか……!」
 碧麗が足元から凍気を迸らせるが、不可視の糸は解けない。
「無駄だ、運命に凍結なんて概念は通用しねえ」
「おのれ……おのれおのれ! 妾を馬鹿にしおって……!」
 怒りに震えて突っ込む碧麗。
 感情の激発により、もはや大吹雪にも似た妖気を荒れ狂わせたその姿は、依代となる幼い雪女の能力を限界以上に引き出した『災厄』そのものだ。
「うぬらを滅ぼすなど造作もないわ! 仲間の目の前で凍るがよい!」
今までにない極大の凍気の渦がフェイフェイめがけ迸る――!
「白雨、頼んだアル!」
「やらせるかってな!」
 白雨が不可視の糸を強く手繰ると、跳躍して回避しようとしたフェイフェイが空中でグンと引っ張られた。急激に速度を増して渦を避けきるフェイフェイ。
 そう、運命の赤糸は共に戦う二人を確かに結びつけていたのだ。
「まかせたぜ、フェイフェイ!」
「了解ヨ!」
 強大な妖力に驕り、二人を侮ったのが運の尽きだった。碧麗が動揺して首を振る。
「う、嘘じゃ……こんな……!」
 震脚が凍った地面を割り、炎纏ったフェイフェイの正拳突きが、碧麗の骸魂に直撃する――!
「流石だぜフェイフェイ」
「さあ、早く倒して温泉を楽しむアル!」
 吹っ飛ばされた碧麗に油断なく構えを取りながら二人は言うのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

幻武・極
キミがこの現象を引き起こした張本人か、世界を氷漬けにさせるわけにもいかないから倒させてもらうよ。

絶対零度の爆発を起こす氷柱に絶対零度の氷弾に氷の花畑ということは空中が比較的安全ということだろうけど、キミの言う通り踊ってあげるかな。
氷結耐性、地形耐性を駆使して降ってくる氷柱を紙一重ではなく完全に躱し続け、徐々に接敵していくよ。
十分に接近出来たら常在戦場で骸玉に一撃を打ち込むよ。


「猟兵め……飽くまで妾の前に立ちはだかろうと言うのじゃな」
 齢四桁を重ねたと云うだけあり、少女を器とした雪女――碧麗の妖力は強大であった。
 猟兵たちの猛攻を受けてなお、駆使する凍気の苛烈さは増していくばかりだ。
「キミがこの現象を引き起こした張本人か」
 血潮も凍りそうな戦場のただ中に躊躇いなく足を踏み入れた幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は、その赤い羅刹の瞳に碧麗を捉えて両の拳を構えた。
「倒させてもらうよ。世界を氷漬けにさせるわけにもいかないからね」
 猟兵とオブリビオンとはこうして対峙した以上、果たし合うのが定め。
「なるほどその両角――鬼のたぐいというわけか」
 かぐろい羅刹の角を見据えた碧麗は、佳い趣向とばかりに総身から妖気を発散した。
「面白い。鬼よ、妾との力比べと参ろうぞ」
 放たれた力は空中で無数の星々さながらに輝き出し、まさに数え切れぬほどの氷柱となって碧麗の頭上にずらりと並んだものである。
「キミの言う通り相手になってあげるよ。――さあ」
「よく言うた、鬼よ。絶凍の舞台で踊ってみせい!」
 双方の距離は隔たっている。
 それをよいことに、碧麗は容赦なく片手を振るって頭上の氷柱に下知した。
 
 極を串刺しにせんと、氷柱の雨が降り注ぐ――!

「氷の弾幕に氷の花畑か……本当は空中が安全そうだけど、ね」
 実戦と修練の積み重ね、そして卓絶した戦闘センスにより、極は敵が操る妖術の本質を見抜きつつあった。降ってくる氷柱が爆発し環境を変えるのであれば、敢えて突入し、利用するまで――!
「ウォーミングアップくらいにはなるかな……!」
 銀盤めいた地面に着弾した氷柱が凍気を放ちながら炸裂し、氷弾の舞う美しくも過酷な氷の花畑に変貌させた。
 だが極は着弾地点を見切ってごく僅かな安全地帯に身を滑らせると、驚くべき反射神経で襲い来る氷弾を次々に回避して見せた。
 左右に続く爆発と凍れる花畑の間を走り、跳び、全てを避けて駆け抜ける。
「なかなか面白いね」
 身に纏うオーラが冷気を跳ね除け、体温の低下を防いでいた。
 そのため極は、極寒の環境下にあっても十全に動き回ることができたのだ。
「この勝負、ボクの勝ちだ」
 幻武流『常在戦場』――駆けるほどに加速する極が凍気の爆発を背に跳躍。
「鬼め、なんという捷さじゃ……!」
 切り抜けられまいと油断していた碧麗が驚愕し、その瞬間には体重を乗せた極の正拳突きが骸玉を強く打ち抜いていた。
大成功 🔵🔵🔵

アルファ・オメガ
がう、雪と温泉のコラボ、終了のお知らせ!
楽しみにしている人いるのにーダメだよー
後、もふもふと氷像は圧倒的に相性が悪いと思う
だからその申し出はノーだよ!

『ぶらっく・せいばー』で接近戦
絶対零度の氷弾もそれが舞う氷の花畑も
たいした策が打てないや
だったら攻撃される時間を最小限にする
『駆け抜ける黒き刃』で素早く花畑を駆け抜けてまずは一撃!

碧麗と距離を詰めたらここからが本番だ
素早い一撃って間合いを詰めるだけが能じゃない
『刀が素早く動く』一撃だってあるのさ!
「がう、これでどうだー!」
笠も外套も脱ぎ捨ててボクの最速の一撃で!
骸魂の位置を見切り
零距離射撃の要領で残像が残るほどの
素早い一撃で骸魂だけをなぎ払うよ!


「がう、雪と温泉のコラボ、終了のお知らせ!」
 凍気に満たされてシンと冷え切った戦場に、何処か柔らかな声が響き渡った。
 ぴょんと飛び跳ねた彼こそはケットシーのアルファ・オメガ(もふもふペット・f03963)。これ以上の暴挙は許さないと、雪女の碧麗にふるふる首を振った。
「温泉、楽しみにしている人いるのにーダメだよー」
 無残にも氷漬けになってしまった温泉を見渡してアルファが言う。
「ほう、これは可愛らしい客人もあったものじゃ。お主も氷像にしてやろうかえ?」
 本気で魅力を感じているような碧麗の物言いに、ぞわりと茶トラな毛を逆立てるアルファ。カチーンと氷漬けになった自分を一瞬だけ想像してしまって、
「も、もふもふと氷像は圧倒的に相性が悪いと思う……!」
 そうはさせないと、腰に差した刀の鞘にふわふわの手をかけた。
「だからその申し出はノーだよ!」
「左様か。それは残念至極じゃ。ならば……無理にでも氷漬けにしてくれる!」
 碧麗が着物の袖をしゅるりと滑らせながら白い両腕を掲げると、掌から迸った妖気が頭上で眩い星のように輝きを放った。それは光を反射して輝く無数の氷柱だ。
「ほれ、可愛らしく踊ってみせい、化け猫よ!」
「ば、化け猫……」
 流石にそれはひどいと思う――なんて考えながらもアルファは駆ける。
 
 ――起きて『黒刃』、キミの力を見せてくれ!

 心に念じれば、集中した神経の前に全てのものが遅く見え、氷弾の弾着地点が予測できた。黒刃の賜物か、アルファの疾駆は速度を増し、氷柱の弾幕の安全地帯を駆け抜ける。
 氷柱が着弾と同時に巻き起こす爆発の連続――その合間をすり抜け、爆ぜ飛ぶ氷弾さえ身を低くしてやり過ごし、一陣の風のようにアルファは走る。
 決定的な対策が取れないのであれば。
 最短距離を駆け抜けることで、攻撃を最小限に留めるのみ――!
「とりゃーー!」
 鯉口を切って抜刀、黒き刀身に流れる刃紋の紅も鮮やかに、冴え渡る一閃は驚愕する碧麗を斬り裂いて態勢を崩させた。
「ぐぬぅっ……! あれだけの攻撃を抜けてくるじゃと……!」
 両の掌に凍気を集めて放つ碧麗。
 まともに受ければお仕舞いと、アルファは笠も外套も脱ぎ捨てる。
 ――間合いを詰めるだけが能じゃない。『刀が素早く動く』一撃だってあるのさ!
 残像を引いて迫るアルファに碧麗が目を見開く。
「がう、これでどうだー!」
 神速の横薙ぎが狙い過たず碧麗の骸魂に斬撃を刻み、深々と斬り裂いた。
大成功 🔵🔵🔵

アルトリウス・セレスタイト
お出ましか
では早速だが退場してくれ

受ける攻撃は『絶理』『刻真』で自身を異なる時間へ置き影響を回避
此方の行動は目標が存在する時間へ向け実行
必要魔力は『超克』で“世界の外”から汲み上げる


魔眼・封絶で拘束
行動と能力発露を封じる魔眼故、捕らえればユーベルコードも霧散する
一瞬でも捕らえればそれで事足りる。何をしていようと消え失せるだろう

高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
間断なく常に新たな拘束を掛け続け封殺する

封じた後は維持しつつ打撃で骸魂を狙って攻撃
『討滅』の破壊の原理を乗せて始末する

※アドリブ歓迎


シエラ・ヴァレンティーヌ
※WIZで行動
※連携可,アドリブ歓迎

感じるわ、あの胸元の闇が骸魂かしら
勿論何とかするわ。ええ、両方……ね
精霊たちは、風と光の守りを[オーラ防御][氷結耐性]
吹雪いても無駄、精霊術[高速詠唱][多重詠唱]は止められないわ[息止め][無酸素詠唱]

温泉宿を対象にUCコントロール・スピリットを使用
『温泉宿に宿りし座敷の精霊』を召喚して[かばう]事で、温泉宿を破壊から守るわ。

私は直接戦わない方が良さそうね
怖い?勘違いしないで(敵UCで器の寿命が減る)悪い予感がするのよ[第六感]
大丈夫、他の仲間が必ず成し遂げるわ。私達はフォローをしましょう
骸魂のみを破壊する、それにはあなたが齎す「幸運」が必要なのだから。


四王天・燦
暖簾に腕押しって暖簾が砕けるものですかねー…
温泉もスケートリンクだし寒いのはこりごりだ

可愛い雪女にちっとは気分も高揚する。
あは、本気の姿は尚別嬪だ。
憑依によるものじゃなきゃ精気を吸いたいんだけどね

マヒ攻撃を載せた電撃の符術で牽制するよ。
震えあがる寒さに半ば凍っても慌てない。
氷結耐性で耐え、フォックスファイア発動。
狐火の半数は自分の周囲に浮かせて暖を取る。
たかが絶対零度を相殺する+273度を作る簡単な作業さ

もう半分は攻撃用。
直接ぶつけたり、碧麗の足元の温泉に当てて溶解・蒸発させて湯気で目潰しする

凍った温泉を滑り往き、ジャンプ―九回転サルコウで体当たり。
組み合って躯魂に破魔符の直貼りだ。
躯魂退散!


「おのれおのれ、妾の邪魔をする者はみな氷漬けじゃ……!」
 銀盤と化した岩風呂の氷上で、強大なる雪女――碧麗は叫びとともに妖気を発散した。怒気は禍々しい気となって胸の渦より溢れ、冷気と化して荒れ狂う。
「感じるわ、あの胸元の闇が骸魂かしら」
 極寒の空気に包まれながらシエラ・ヴァレンティーヌ(出稼ぎプリンセス・f27820)は薔薇のレイピアに語りかけた。肯定するように微動したロゼの剣柄に力を込めて、
「勿論何とかするわ。ええ、両方……ね」
 ロゼを縦に構えたシエラは、祈るように携行する精霊石を励起させる。
 
 ――光の精霊よ、朝日が霜を溶かすが如く凍て付く我が身を照らしなさい。
 
 輝ける精霊が足下から円を描くように立ち上り、陽光を思わせる力でシエラを護る。火の精霊であれば眼前の妖異を圧倒できたかも知れないが、言うことを聞いてくれるかどうかは未知数なのだった。
「小娘が、小癪な術を……!」
 大吹雪(ブリザード)にも等しい雪風がシエラを襲うが、光に続いて風の精霊をも呼び起こした彼女に凍気は届かない。
 
 ――幾ら吹雪いても無駄、精霊術は止められないわ。
 
 息を止めて呼吸器を守り、高速の多重詠唱で絶凍の環境に対応して。

 ――幽遠の地に宿りし守護の精霊よ、精霊の娘シエラ・ヴァレンティーヌの召喚に応え、我が意の侭に力を示しなさい。

「なんじゃと……!」
 シエラの背後に立ち現れた『モノ』に碧麗は我が目を疑う。
 赤い着物を纏った黒髪の幼娘が、シエラにすがるようにして雪女を睨んでいるのだ。
 コントロール・スピリット。
 温泉宿を守護する精霊――座敷童子が、碧麗の蹂躙を拒絶するようにその妖気に干渉し始めた。
 だがシエラの精霊術とて限度はある。
 碧麗の圧倒的な妖気を防ぎ阻害しようとも、攻撃に割くだけの力があるかと言えば――。

「暖簾に腕押しって暖簾が砕けるものですかねー……」
 不意の声に、碧麗は視線を大露天風呂の出入り口へと向けた。
 我が身を抱くようにしつつ、首を傾げながら現れたのは、狐耳をピンと立てた四王天・燦(月夜の翼・f04448)だ。
 ……どうも此処に来るまでに暖簾を一枚、バラバラにしてしまったらしい。
 まあ雪女さえ倒せば世界も宿も救えることだし、お釣りが来るってものである。
「温泉もスケートリンクだし寒いのはこりごりだ」
 やれやれと腰に手を当てた燦は、凍気を放つ碧麗に目を向けた。
「へえ、想像してたより可愛いね」
 見た目だけは可憐な雪女に、ガタ落ちしていたテンションがやや上がる。
 気分の高揚を戦意に変えて、燦は懐から符を取り出し、面前に構えた。
「憑依によるものじゃなきゃ精気を吸いたいんだけど、ね」
 足下から円を描いて狐火の群れが生じ、血潮も凍らせるような寒さが僅かに緩まる。
「――というわけで、容赦はしないよ」
 燦の意志に応じて、四十を超える狐火が群れ飛ぶ。
 残る四十余は術者を護るように取り巻き、燦は碧麗に向けて駆け出した。
「って滑る滑る……!」
 バランスを取りながら碧麗に接近する燦を見て、シエラもロゼを手に突きの型を取る。切っ先から光が迸り、座敷童子の妖力と相まって碧麗の攻撃を阻害した。
「ぐぬぬ……黙って氷像になるのじゃ!」
 狐火を滑り踊るように避けながら、掌に集めた凍気を二人に放つ碧麗。
 可視化できるほどの妖気の渦を、シエラがロゼを構えて防ぎ切り、座敷童子が碧麗の動きを遅延させている間に。
「まずは牽制を、ってね」
 燦は華麗に避けながら、狐火を銀盤と化した氷上に着弾させていた。
 濛々と立ち昇る湯気が煙幕と化し、
「動かれると面倒だ、まずは足を止めるさ」
 束になった電撃の符が舞い飛んで碧麗に殺到する!
「ぐぬふぅ……!」
 突きたった符に体を痺れさせながらも、後ろへ身を滑らせる碧麗。
「もうちょっと可愛い悲鳴はないのかねー。あ、中身はババアだったっけ?」
 敢えて挑発的な言動を取る燦。
「誰がババアじゃ!!」
 思わず叫んだ碧麗の矮躯が猛吹雪に包まれた。尋常ではないのほどの妖気が吹きすさび猟兵たちを圧倒する。

 ――良かろう、妾の本気を見せてくれる。

「――ッ」
 シエラが息を呑む。
 吹雪の中から現れたのは白絹を纏った妖美にして妖艶な雪女。
 伝承に語られる、迷い人を籠絡し凍死させる妖怪そのものの姿だ。
 力を使わせてしまった――シエラは僅かに歯噛みしながらロゼを構え直す。
 その推測、その懸念は鋭い。
 碧麗は器となる雪女の力を限界以上に引き出すことで暴れまわる。無理に覚醒させたとすれば、依代に与える負荷は如何ばかりか――。
 しかし、かような秘技を持つ以上、碧麗が戦いの中でそれを行使するは道理。
 戦いを制するため、これは乗り越えなければならない試練だ。
「あは、本気の姿はなお別嬪だ」
 言った燦も爆発的に増した妖気に真剣な面持ちで符を構え直す。
 シエラの足を掴んで、座敷童子が震えていた。
 その頭にそっと手をおいて、
「大丈夫、必ず成し遂げるわ。私達はフォローをしましょう」
 ロゼを構え、震える座敷童子にシエラは言う。
「骸魂のみを破壊する、それにはあなたが齎す『幸運』が必要なのだから」
 
 果たして――その『幸運』は直後、強力無比な援軍という形でやってきた。
 
「真の姿のお出ましといったところか。では早速だが退場してくれ」
 響く声に重なって、戛、戛と硬い足音がその場にいる者の耳朶を震わせた。
 雪風を黒の外套に受けながら、アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)が戦場に足を踏み入れるや、黒き手套に覆われた右の掌を雪女に向けたのだ。
 
 ――この期に及んで幾ら集まろうが、妾を止められるものではない。

 世界全体に木霊するような声を発した雪女が、絶凍の冷気でアルトリウスを射抜く。
 しかし銀髪の青年の体は――いや、その黒衣さえも凍りつくことはなかった。
 目を見開いた雪女が怒りに顔を歪め、虚空に数え切れぬほどの氷柱を形成。
 降り注いだそれらさえ、アルトリウスを擦り抜けてただ氷上に突き立った。
「無駄だ」
 いつしか淡青の光が辺りを漂っている。
 世の理を切り離す断絶の『原理』は力の使い手を異なる位相に置き、あらゆる攻撃を無効化する。襲い来る猛撃を全て無きものとして、アルトリウスは雪女を見据えた。


                『淀め』


 藍色を湛えた両の瞳で、ではない。
 世界の本質を捉える心眼そのものが逃れ得ぬ魔眼と化し――、

 ――なんじゃ……なんじゃこれは……!?

 睨み据えられた雪女は世界が静止したようにも感じられたに違いない。
 一切の行動を封じる魔眼の行使は極大のエネルギーを要するものだ。
 アルトリウスは世界の外から絶えず力を取り入れることでそれを賄う。
 詠唱の無限加速、無限循環――もたらされる完全封殺。
 有り得べからざる超常の異能は、さながら絶対的な機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)の顕現を思わせるものだった。

「これは、光……?」
 シエラがふわりふわりと漂い出した温かな輝きに気付いて周囲を見渡す。
 蛍にも似た光が露天の大浴場に漂い出し、凍気が急速に弱まっていく。
 その温もりはまるで凍れる世界に抗うように。
「……あなたが?」
 シエラの足元で座敷童子が俯いていた顔を持ち上げ、頷いた。
 
「終わりだ」
 魔眼により身動きが取れなくなった碧麗めがけ、アルトリウスが駆ける。
 万象に終焉をもたらす原理が漆黒の拳に宿り、骸魂だけを強かに撃ち抜いた。
 渦巻く骸魂に穴が空いたように、黒煙にも似た力が溢れ出す。
 
 と、吹き飛ばされ仰向けに倒れゆく碧麗に、駆け寄る者があった。
 氷上を滑るようにして接近した彼女は、雪女の背を抱くようにして。
「せめてもの情けだ」
 燦が骸魂に破魔符を貼り付ける。

「――躯魂退散!」

 燦の腕の中で陽光を浴びたかのように霧散していく碧麗。
 かくして猟兵は強大なる妖魔(オブリビオン)を討ち果たし。
 後に残ったのは、救出され安らかに寝息を立てる雪女の幼娘であった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 日常 『忘れられた秘湯』

POW熱い湯に肩まで浸かって、身体を癒す
SPD妖怪たちとお話しながら湯を楽しむ
WIZ温泉といえばお酒! 宴会!!
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


(第三章の断章は7/1の夜までに公開する予定です。しばらくお待ち下さい)
●幽遠の温泉宿にて
 幽世に温もりが戻ってきた。
 緑は陽を浴びて瑞々しく輝き、妖怪たちが喜びに舞い踊る。
 豊かな自然に囲まれた山奥の温泉宿も活気を取り戻し始めた。
「皆様には幾ら感謝しても足りません。どうぞ、ごゆるりとお寛ぎ下さいまし!」
 そう言って案内に立ったのは、着物を纏った狐顔の女将である。
 宿をあげて、恩人である猟兵たちをもてなそうというのだ。

「当宿の温泉には幾つか種類がございまして――」
 絶景の大露天風呂もすっかり元通りになっていた。風情ある竹垣は、金槌坊がトンテンカンテンと整えて、男湯・女湯を隔てている。

 混浴の岩風呂もあるが、こちらは水着などの着用が望ましい。

 貸し切り露天風呂では、周りに気兼ねなくゆったりとした時を過ごすことができそうだ。

「宴会場では、山と川の幸をご堪能頂ければと……」
 狸の料理人が腕をふるい、小鬼がせっせと膳を運ぶ。
 川魚や山菜、とろりと濃厚な地酒もなかなかの逸品だ。
 余興として猫又がべんべんと三味線を弾いたり、からかさ小僧が宴会芸を披露したりと妖怪たちも大賑わい。
「この娘のことも、なんとお礼を申し上げれば良いやら」
「あ、あの……助けてくれて、ありがとうございます」
 案内を終えた狐の女将の傍らで、救われた雪女の少女がぺこりとお辞儀をした。
【プレイング受付期間につきまして】
必要成功度・ご参加状況を考慮し、第三章はプレイングの受付を「7/4(土)23:59まで」とさせて頂きます。ご了承下さい。
相沢・友子
調理場に近い露天風呂にて。

「温泉、せっかくの家族風呂なんだし。お父さんも連れてきたかったなー。仕事は、温泉よりも大事って言ってたけど。『私と入る温泉』よりも大事なんですかねー?ねー?温泉卵さん?」

遠くから、今日は良いクジラ肉が入ったと言う声が聞こえる。

「温泉玉子さんは、いっぱい一緒に入れていいですね」
ふてくされ気味だが、友子の入ってる温泉には、たくさんの温泉卵が茹でられていた。

「夕飯の写真でも撮って、お父さんに送っちゃおうかなぁ?こういうのってめしてろって言うんですよ?知ってましたか?温泉卵さん?」

遠くから、今日の薬味は人魚の肝だと言う声が聞こえた。

「ん~。次は、お父さんと入りに来たいな~」


 温泉宿の一角には、緑豊かな風景を味わえる、露天の檜風呂があった。
 掛け流される青の湯は、案内した狐の女将によると、美肌効果が抜群だという。
 幽世に棲む野鳥のさえずりが響き、夏風が木々の葉を揺らして去っていく。
 檜風呂は、貸し切りであった。
「温泉、せっかくの家族風呂なんだし。お父さんも連れてきたかったなー」
 浴槽の縁に背を預けて、神秘的で温かな湯に包まれながら、相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)は両手を上に伸ばした。その美しい人魚の尾鰭で、水面をぱしゃりと跳ね上げる。
 ここは炊事場が近いらしく、先程からトントントンと響いてくるのは包丁の音だ。
 時々、甘やかな煮ものだとか、香ばしい焼きものの匂いも漂ってくる。
 そんな中、少し不満げに口をとがらせて、友子は言った。
「仕事は、温泉よりも大事って言ってたけど。『私と入る温泉』よりも大事なんですかねー? ねー? 温泉卵さん?」
 さらりと爆弾発言をしつつ、友子は湯の中から、二つ三つの温泉卵を手のひらですくいあげた。この露天風呂に来る前に、通りかかった炊事場で貰ってきたものだ。
 猟兵である友子に、割烹着すがたの狸の妖怪はたくさんの卵を持たせてくれた。
 そんなこともあって――。
「温泉玉子さんは、いっぱい一緒に入れていいですね」
 檜風呂の温泉に浸る友子の周りを囲むように、幾つもの卵が茹でられていた。
 宿の妖の手になる竹で編まれた小舟の上でも、二、三の温泉卵が揺られている。

 ――今日は良いクジラ肉が入ったからな。

 風に乗って聞こえてくるのは、さっき卵をくれた狸の声だろうか。
「夕飯の写真でも撮って、お父さんに送っちゃおうかなぁ?」
 ぱちゃりと水音をたてて、口元に白魚のような指を添える友子。
「こういうのってめしてろって言うんですよ? 知ってましたか? 温泉卵さん?」
 温泉卵がのった竹の小舟をそっとつついて尋ねてみる。
 音楽めいて楽しげな調理具の音、それに漂ってくる香りから考えても、このあとに続く食事はきっと絶品に違いない。
 
 ――今日の薬味は人魚の肝だ。

 はてなと小首をかしげる友子。
 妖の宿も、そろそろ夕餉の時間のようだ。
「ん~。次は、お父さんと入りに来たいな~」
 温かな湯に浸かりながら、うーんと伸びをして友子は言うのだった。
大成功 🔵🔵🔵

幻武・極
いやあ、冷えた体には温泉が一番だね。
あのまま、温が失われた世界だったらこれもただの水風呂だったのかもしれないね。
効能はあっても水風呂じゃごめんだね。


 夏の陽射しに山景が映え、幽世に棲む野鳥のさえずりも爽やかであった。
 絶景を一望できる露天の大浴場も、すっかり元の趣を取り戻した様子。 
「いやあ、冷えた体には温泉が一番だね」
 幽世のこの地は多様な色の温泉を楽しめるらしく、乳白色のにごり湯に浸かりながら、幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)は束の間の休息を味わっていた。
 寒さに冷え切った体に、湯の温もりが染み渡るようだ。
 肌もほんのり上気してくる。
 武術の深奥に至る道は、遠く果てない。
 いずれまた訪れる戦いのときに備えて、英気を養っておくのも大切なことだろう。
「あのまま温が失われた世界だったら、これもただの水風呂だったのかもしれないね」
 岩風呂の湯口からは、温かな湯が絶え間なく掛け流されてくる。
 乳白色の湯を両掌ですくいながら、極は凍結した世界に思いを巡らせていた。
 あのまま概念が消失すれば、この温泉も幽世から消え果てていたことだろう。
「効能はあっても水風呂じゃごめんだね」
 岩風呂の脇に立てられた看板には、筆文字で疲労回復の効能書きが記されていた。
 いくら健康に良いと言っても、冷え切った水では苦行のたぐいである。
 温かさが失くなるだけで、世界はなんと味気ないものになるだろうか。
「ともかくこれで一件落着かな」 
 広い岩風呂のあちこちで、妖怪たちが温泉を楽しんでいた。
 女狐のあやかしが湯に浸りながら極に会釈する。湯の中で、鬼の女童たちがきゃっきゃと笑い、ふくらすずめみたいな妖怪が頭に白布を乗せながらほかりと息を吐いていた。
 これもまた極を始めとした猟兵たちが取り戻した一幕だ。
 武の道を行くため、極はまた苛烈な戦いに身を投じることになるのだろう。
 でももう暫くは。
 温かな湯の中で、羅刹の少女は存分に疲れを癒やすのだった。
大成功 🔵🔵🔵

心禰・白雨
フェイフェイ(f08212)と温泉に参加。

混浴でフェイフェイが背中を流してくれるってよ
はあん。よく分かんねえけどやってくれるなら頼むわ
髪は大事な所だから触らないでくれよ。

(髪を結い上げお団子にし、湯浴み着の上を脱ぎフェイフェイに背中を任せます
けれど髪を他人に触らせない性格上、他人に背中を触れる経験も少なくくすぐったがります)

わっ、ひっひっひ……!
フェイフェイおまえ! くすぐったい! 程々にしておけよな!

フェイフェイの手に身じろぎながら

ふぇいふぇいお前、後でみてろよー!
お湯から上がったら指圧でお前の身体をふにゃふにゃにしてやるからな。

喜ぶ様子の彼女へ大変な目に合わせてやると内心ほくそ笑むのでした


フェイフェイ・リャン
【POW】白雨(f02212)と温泉
湯浴み着を着て、待ちに待った温泉アルヨー!
そうだ、日頃のお礼も兼ねて白雨の背中を流すヨ!背中はなかなか洗いにくいからネ!
ワタシ、弟妹の背中とかたくさん洗ったしきっと洗うの上手だと思うヨー!
髪はノータッチアルな!
手拭いでワシワシと洗うアル!……さすがにしっかり男の子の背中アルな。ちっちゃい頃の弟とは違うネー。
うーん、筋肉もしっかりしている……白雨、ちょっとじっとして洗われるヨロシ!くすぐったくても!洗いにくいヨー!!
まあワタシくらいになるとぐいぐい洗えちゃうアルけどネ!

なんかお風呂上がりには白雨がマッサージしてくれるらしいアル。やったー!


 宿の離れにあったのは、瑞々しい翠緑の木々に囲まれた、風雅な岩風呂であった。
 湯気の漂う温泉は神秘的な青白色で、美容や創傷治癒に卓効があるとのこと。
 風雅な混浴風呂に足を運んだ二人の猟兵は、早速、掛け流しの湯を満喫していた。
「待ちに待った温泉、極楽アル……」
 温かな青の湯に浸かって岩風呂の縁に背を預けながら、湯浴み着を纏ったフェイフェイ・リャン(がりゅー・f08212)が心地良さそうに息をついた。
 これこそ厳しい雪山を越え、雪女との激闘を制して、漸く辿り着いた安息の地。
 芯まで冷えた体が温まり、疲れや凝りもじんわりとほぐれていくようだ。
「……悪くねえもんだな」
 湯浴み着すがたの心禰・白雨(赤糸結び・f02212)も、すぐ隣で、ゆったりとしたひとときに身を置いていた。白絹のような長い髪はしっかり結い上げ、お団子にしてある。
 混浴風呂は、貸し切りであった。
 時折、夏風が木々を揺らし、涼やかな鳥のさえずりが聞こえてくるばかりだ。
 と、何を思ったか、ぱしゃりと水音をたて、フェイフェイは白雨の方を向いた。
「そうだ、日頃のお礼も兼ねて背中を流すヨ! 背中はなかなか洗いにくいからネ!」
 出し抜けの提案に、ことりと首を傾げた白雨は、軽く両目をぱちぱちさせて、
「はあん。よく分かんねえけど、やってくれるなら頼むわ」
「任せるアル!」
 そうと決まれば話は早い。
 フェイフェイは湯から上がって、白雨を手招きすると、檜木の風呂椅子に腰掛けさせた。手拭いを持ち、風呂桶に湯を湛え、実に手際よく用意を整えてみせる。
「ワタシ、弟妹の背中とかたくさん洗ったし、きっと洗うの上手だと思うヨー!」
「髪は大事な所だから触らないでくれよ」
 湯浴み着の上を脱ぎ、肌を晒す白雨。
「髪はノータッチアルな!」
 そこはもちろん分かっていると頷くフェイフェイ。
 白雨の髪は、お団子に結ってあるので、気をつけてさえいれば触れる心配はない。
 さて意気揚々と手拭いを構えたフェイフェイは、手桶で白雨の背に温かな湯をかけるや、石鹸も使って結構な勢いでわしわしと洗い始めた。
「……っ」
 何やら息を詰める白雨。
「……さすがにしっかり男の子の背中アルな。ちっちゃい頃の弟とは違うネー」 
 フェイフェイはと言えば、美しい雪白の背に手拭いを行き来させながら興味深げだった。細身ながら怪力無双の白雨のこと、普段は服に覆われていて分かりにくいが、
「うーん、筋肉もしっかりしている……」
 思わず見惚れたように言うフェイフェイ。
 と、脇腹のあたりを擦ろうとしたところで遂に白雨が素っ頓狂な声を出した。
「わっ、ひっひっひ……! フェイフェイおまえ! くすぐったい!」
 実は先程から堪えていたのだ。
 白雨は、白絹を思わせるその美しく長い髪を他人に触れさせることはない。
 となれば自然、髪に隠れている背中を人に触れさせる経験も皆無なわけで。
「白雨、ちょっとじっとして洗われるヨロシ! くすぐったくても! 洗いにくいヨー!!」
「ひっ、ははは! 駄目だって、この、程々にしておけよな!」
 くすぐったさに白雨はどうしても身じろぎしてしまう。
 フェイフェイはフェイフェイで、言い出したからにはしっかり洗いたいらしく――傍から見たなら何とも楽しげな、わちゃわちゃとした攻防戦が始まった。
「まあワタシくらいになるとぐいぐい洗えちゃうアルけどネ!」
 弟と妹でよほど手慣れているらしく、力技で洗い上げるフェイフェイ。
 涙目になった白雨の笑い声が貸切の露天風呂に響く。
「ふぇいふぇいお前、後でみてろよー!」
「何をみてるアル」
「風呂上がりに指圧でお前の身体ふにゃふにゃにしてやるからな!」
「え、白雨がマッサージしてくれるアルか? やったー!」
 ぱたりと動きを止めるや、手拭いを片手に万歳するフェイフェイ。
 助かった――とばかりに息をつく白雨。
「マッサージ楽しみアル!」
 フェイフェイは背中を流したことへのお礼だと思っているが……さにあらず。
 仕返しに『大変な目』に遭わせてやろうと、白雨は内心ほくそ笑むのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リウティナ・スピネルレッド
【Star Wind】で参加!
呼称は、ククリ(f26110),レムリ(f26111),キリネア(f26115)だよ!

ふー……これで一件落着かな?
最初から最後まですごく寒かったし、早速温泉に入ろっか!ねっ!ねっ!?(レムリを見て)
(キリネアに対しわざと弄りで)そっか……でも無理して入る必要はないと思うし、ご飯とかもあるらしいからまた後でだね!

それにしても、ここの世界って大変だね……わたしはちょっと前に異変の解決に行った事あるんだけど、こう世界の危機が多いと安心して休む事も出来ないよぉ……ふぅ~……(そう言いつつふやけながら)

※アドリブ歓迎


ククリネ・タンザール
【Star Wind】で参加。
呼称は、リウ(f26107),レムリ(f26111),キリネア(f26115)

やっと念願の温泉に入れる……何か割には合ってない気がするけど……まぁ、いいわ。
(キリネアに)そう。それじゃ……先にあたし達はお湯頂いてるから、気が向いたらどうぞ。(スタスタと去る)

(リウに)いや、ふやっふやになってんじゃねーか……リウみたいに楽観的なのが多いからじゃないかしら……多分。

※アドリブ歓迎。基本的に毒舌口調は少なめかつ、『……』多めかつ、テンション低めに淡々と言っているイメージでお願いします。


レムチェリ・プイユ
【Star Wind】で参加します。
呼称は、リウちゃん(f26107),ククリちゃん(f26110),キリネアちゃん(f26115)だよ。

無事、解決したみたいで本当に良かった……。
それじゃ、私は次の戦いに備えてそろそろ……
(友人からの視線を察して)そ、そうだね。折角だし、私もみんなとゆっくりしていこうかな!

私もみんなと一緒に温泉に入って、その後は戦った雪女ちゃんのもとに行くよ。体に負担とか掛かってないかな?みんなも本気だったし、大丈夫だったらいいんだけど……

※アドリブ歓迎


キリネロア・メラリス
【Star Wind】で参加するわ。
呼称は、リウ(f26107),ククリ(f26110),レムリ(f26111)よ。

これで終わったみたいね。
それで、アンタ達は温泉入ってくの?まぁアタシは別にそんな事が目的でここに来た訳じゃないし、まぁアンタ達がどうしてもって言うなら――(誘ってほしそうにブツブツと)えっ?レムリ帰るの……!?えっ!?待って!先、行かないで!(急いで付いていく)

※アドリブ歓迎


 幽世の温泉宿は活況を呈していた。
 臙脂色の着物を纏った妖怪の従業員たちが、忙しなくも楽しげに行き来している。
 そんな中。
 夏の頃としては暖かな陽射しが差し込むロビーの窓際にて、激闘に勝利を収めたStar Windの四人は、集まって言葉を交わし合っていた。
「ふー……これで一件落着かな?」
 平穏と活気を取り戻した温泉宿の光景に、リウティナ・スピネルレッド(廻る冒険家・f26107)は、大きく伸びをしてほっと一息。
 先程までの寒さが嘘のように、世界は温もりを取り戻したけれど、一連の戦いは決して容易なものではなかった。何と言っても、雪山を越え、強大な雪女に立ち向かったのだ。
「無事、解決したみたいで本当に良かった……」
 行き交う妖怪たちを眺めながら、レムチェリ・プイユ(儚き雪月花・f26111)も一安心したように息をついた。向上心旺盛な彼女のこと、今回の事件もまた良い学びとなり、より磨かれた剣術の冴えは、きっと新たな戦いで力を発揮することだろう。
「それじゃ、私は次の戦いに備えてそろそろ……」
「えっ? レムリ帰るの……!?」
 さらりと言いかけたレムチェリに、真っ先に驚きの声を発したのは、意外にもキリネロア・メラリス(孤高の天才メカニック(自称)・f26115)だった。
 続いてリウティナが慌てたように言葉を重ねる。
「最初から最後まですごく寒かったし、早速温泉に入ろっか! ねっ! ねっ!?」
「そ、そうだね。折角だし、私もみんなとゆっくりしていこうかな!」
 強い意志を宿したキラッキラな銀の瞳を向けられ、察したように言うレムチェリ。
 二人のやり取りを前にしつつ、疲れもあってちょっと据わった目をしながら、ククリネ・タンザール(頭脳明晰型脳筋・f26110)が呟いていた。
「やっと念願の温泉に入れる……何か割には合ってない気がするけど……まぁ、いいわ」
 みんなで温泉に行くと聞いて付いてきたが、まさかこれほどの艱難辛苦を乗り越える羽目になるとは。ともあれこれで事件は解決、心置きなく温泉で疲れを癒せるってものである。
「で、アンタ達は温泉入ってくわけね」
 三人の様子を見ていたキリネロアが、腰に手を当てながら言った。
 そのまま伏し目がちに視線を床に流して、
「まぁアタシは別にそんな事が目的でここに来た訳じゃないし……」
「そう。それじゃ……先にあたし達はお湯頂いてるから、気が向いたらどうぞ」
 素っ気なく言うと、ククリネが背を向けて大浴場の方へ歩いていく。
「そっか……でも無理して入る必要はないと思うし、ご飯とかもあるらしいから、キリネアはまた後でだね!」
 リウティナはと言えば、気が強くてちょっと意地っ張りなこの友人の性格を知っていて、敢えてそんな風に弄っているのだった。
 つまるところ――誘ってほしいのだけれど、言い出せないのだ。
「ま、まぁアンタ達がどうしてもって言うなら――」
 視線を逸らしたまま尚も言葉を重ねるキリネロア。
 ちらりと目線を上げて見ると、いつの間にか誰もいなくなっているではないか。
「――――って、えっ!? 待って! 先、行かないで!」
 歩いていく三人をキリネロアは慌てて追いかけるのだった。

 かぽーんと風呂桶の音が木霊する。
 四人が入っていったのは、翠緑の木々が美しい露天の岩風呂であった。温泉宿の一角にあるその秘湯は貸し切りで、ゆったり羽根を伸ばすにはもってこいだ。
 時間によって色が変わるという青く神秘的な湯の中で、四人は思い思いに癒やしのひとときを過ごしていた。
「あー……ようやく辿り着いたわ……」
 健康増進に加え美容効果も高い掛け流しの湯に肩まで浸かり、ククリネが言う。
「それにしても、ここの世界って大変だね……」
 リウティナは澄み渡る温かな湯に包まれながらまた大きく伸びをして。
 岩風呂の縁に背中を預け、しみじみと言った。
「ちょっと前にも異変の解決に行った事あるんだけど。こう世界の危機が多いと安心して休む事も出来ないよぉ……」
 ふぅ~……と大きく息をつくや、ぶくぶくと湯に沈みかけるリウティナ。
「いや、ふやっふやになってんじゃねーか……」
 隣でククリネが、ふやけるリウティナに淡々とした口調で突っ込みを入れる。少しだけ目を細めるようにしながら、ふと思い浮かべたのは、妖怪たちのこと。
「事件ね……リウみたいに楽観的なのが多いからじゃないかしら……多分」
 彼らが打たれ強いのは間違いなさそうだ。
 何しろ、あれだけのことがあった直後に元気よく働き始めるくらいである。
 その日、その時を楽しむという姿勢は、記憶喪失を抱えても明るく世界を飛び回るリウティナに通ずるところがあるのかも知れない。
「雪女ちゃん、大丈夫かな……」
 雪白の肌をほんのり上気させたレムチェリは、湯気に取り巻かれながら、段々に黄昏れゆく空を見上げていた。こうしてゆったりと休んでいる間にも、頭の中には、麒麟や雪女を相手に繰り広げた激闘のことがあれこれと浮かんでくる。
 ことに雪女との戦いは熾烈であった。
「体に負担とか掛かってないかな? みんなも本気だったし……」
「一応、元気そうだったけど。どうかなー」 
「平気なんじゃない……お礼言ってるの見かけたし……」
 ふやけながらもリウティナが返し、ククリネが何処か眠たそうに言った。
「温泉ね、悪くないじゃない」
 僅かに離れたところで、膝を抱えるようにしながらキリネロアが感心していた。
 青く美しい湯を片方の掌ですくって、興味深げに眺めたりしている。
「それにしても大活躍だったね、キリネアちゃん。みんなも」
 戦闘を振り返っていたレムチェリは、さらりと思ったままを言ったのだろう。
 キリネロアは湯の温かさのためだろうか、頬を紅潮させて、
「べ、別に……出来ることをやったまでよ」
 何だかんだで温泉を楽しんでいる様子の彼女に、レムチェリとリウティナが顔を見合わせて、くすりと笑うのだった。
  
「ご飯、ご飯ー!」 
 存分に露天風呂を楽しんだ後は、山菜や川魚を使った絶品の夕餉が待っている。
 ぱたぱたと足音をたてて意気揚々と廊下を歩いていくリウティナに、すっかり温まった三人も続いた。
 夕陽が差し込む通路を歩く一向は、ふとロビーの近くで儚げな少女を目にして、
「雪女ちゃん」
 救け出された幼い雪女にレムチェリが歩み寄って声をかける。
「あ、ありがとうございます……皆さんのお陰で、その……助かりました」
 おずおずと遠慮がちに言いながら、四人にぺこりと頭を下げる雪女。
「大丈夫? ……何処も痛くない、かな」
 レムチェリは膝を折って視線を同じにしながら問いかける。
「わたしは大丈夫です……でも、みなさんは……?」
「全然平気だよ! ね、ククリ、キリネア!」
「まあとんでもなく寒――」
「あのくらいどうってことないわ」
 言いかけたククリネに、負けず嫌いなところもあるキリネロアが言葉を被せる。
「何ともないみたいだね。……良かった」
 胸に手を当ててレムチェリが安堵の表情を浮かべた。
 四人の奮闘もあり、雪女の少女にも幽世の日常が戻ってきたのだ。
 暫し言葉を交わしあい――廊下を別方向に歩みだす、四人の猟兵と一人の妖怪。
「どんなご飯が出てくるのか楽しみだね!」
 賑やかに語らうStar Windの猟兵たちを振り返り、少女は改めて一礼した。
 世界を巡る一陣の星は、また輝きながら世界を巡ることだろう。
 まだ幼い雪女は、去りゆくその姿を眩しげに見送るのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

四王天・燦
WIZ

酒池肉林を楽しむ…ってろくろ首の姉さん顔近い!

猫又ちゃんの尻尾をさわって驚かせたり、鬼っ娘の帯をほどいて伝統と格式の帯回しをしちゃう。良いではないか♪
遊び程度で本気で手は出さないよ

雪女には優しく頭を撫でるんだ。
無事でよかった、てね。
それと憑依の影響もあるけど、あれだけの冷気の素養は間違いなくあるんだから無駄にせず精進しなよってな

よろしければお酌してもらうぜ。
力を制御するお勉強ってことで一杯、キンキンの冷酒にしてもらいましょ。
お酒だけに意識を集中させなきゃグラスを割っちまうぜ?

〆の一品はもちろんきつねうどん。
狸の料理人さん、何をたぬき蕎麦だそうとしているの?

ごっそさん。
女将さん、また来るわ


 漆塗りの雅な膳に、香り立つ美酒佳肴の数々がところ狭しと並んでいる。
 山菜を使った天麩羅は香ばしく、肉料理も川魚の塩焼きも、どれも風味豊かだ。
「酒池肉林を楽しむ……これも役得ってね」
 宴会場の上座にて、四王天・燦(月夜の翼・f04448)は酒宴に興じていた。
「ほんに猟兵の姉さんには頭が下がります。快刀乱麻を断つと言いましょうか」
「……ってろくろ首の姉さん顔近い!」
 首を伸ばして挨拶にきた芸者風のろくろ首に、流石の燦もちょっと仰け反る。
「こちら茶碗蒸しですにゃ」
 給仕の猫又もいるらしく、熱々の碗を持ってきた。
 一礼し、腰を上げて踵を返した猫又の二股尻尾がぴょこりぴょこりと跳ねている。
 悪戯心をくすぐられた燦が、手を伸ばして触れてみると、
「に゛ゃ!?」
 予想通りの反応があって、燦は「きしし」と笑って見せた。
 妖怪たちはまるで今日が待ちわびた祝日のように浮かれ騒いでいる。
 燦も遠慮なく、上客としてもてなしを受けていた。
「あーーれーーーー!」
「良いではないか♪ 良いではないか♪」
 鬼娘を相手に伝統と格式の帯回しに興じる燦。もちろん場の雰囲気に合わせて遊び戯れているだけで、弁えて酒宴を楽しむ燦は妖怪たちにとっても良い客人であった。
 そのうちに、かたりと襖が開いて、青い髪をお団子にした少女が顔を覗かせた。
「無事でよかった」
 手招きをして、燦は歩いてきた雪女の頭を優しく撫でた。
「その……何てお礼を言ったらいいか」
「お礼、ね。それじゃ――」
 上座へ伴い、徳利を手にした燦は、ぺたりと座った幼い雪女にそれを渡して、 
「キンキンの冷酒にしてもらいましょ。力を制御するお勉強ってね」
「……やってみます」
 頷いて徳利を両手で包む少女。目を瞑って念じると、その掌から冷気が迸った。
「お酒だけに意識を集中させなきゃ割っちまうぜ?」
 制御さえ出来れば、相当な妖気を使いこなせるに違いない。
 果たして燦の見立て通り、少女がお猪口に注いだ地酒は、飲み口さわやかな冷酒へと変わっていた。
「ほら素養は間違いなくあるんだ。無駄にせず精進しなよ」
「……はい」
 控えめながら自信をつけたように雪女の少女は頷いた。
「あ、料理長さん、きつねうどんある? いやたぬきじゃなくて、き・つ・ね!」
 挨拶ついでにちゃっかりたぬき蕎麦を推してくる狸の料理長に念を押す燦。
 宴もたけなわとなって――。
 外が暗くなりゆらりゆらり怪火が漂う頃、燦は辞去することにした。
「またどうぞお越しを。いつでもお待ちしておりますゆえ」
「ごっそさん。女将さん、また来るわ」
 ひらひら手をふる燦を、雪女の少女を始め、たくさんの妖怪たちが見送っていた。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月05日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵