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百合に捧げる、悪夢の行進

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 村人たちが家に帰る、夕暮れ時。
「おや……?」
 ふわりと漂う影の蝶たちに目を奪われれば、それと共に甘く香しい百合の花の香り。
 それが村人の鼻孔をくすぐった時……一斉に倒れ、安らかな寝息を立て始めていた。
「なるほど……安らかに眠るのですね。」
 静かに響く声と共に影の蝶が集まっていく。
 そこに現れたのは、細い鎖を手に絡めた黒髪の女性。
「私の好みの夢に変えましょう……。」
 女性の広げた手からチリリと軽い鎖の音が響き、幾重にも分かれた鎖が村人たちへと絡み付いていく。
 途端に村人たちの表情が、苦痛に歪みはじめる。
「ふふふ……これらは私がもらっていいと聞いていますし、」
 女性の口の端が、笑みの形に吊り上がっていった。
「早く来なければ……頂いてしまいますよ? 猟兵達。」

「……えっと、ダークセイヴァーの村で、そんな感じの事が起きてるんです。」
 グリモアベースに集まった猟兵達を前に、影山が状況を説明していた。
 手にしたグリモアを輝かせると、周囲の壁に映るのは薄暗い村……辺りに倒れる村人と、細長い鎖を持った女性の姿。
「今回、倒してほしいのはこの人です。
 手にしている鎖を使って人々に悪夢を見せて、その精神力を吸い取っていくみたいです。
 多分、皆さんにもそういう攻撃をしてくるとおもうんです……あの、気を強く持って、立ち向かってください。」
 そう言ってゲートを開くと、辺りに漂う甘い百合の香り。
「えっと、それで……この甘い香りは、あの女性の力じゃない、です。
 背後にほかの相手がいると思います。
 それも、退治してください、よろしくお願いします。」


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーの物語をお送りします。
 なお、村人たちは寝ているだけで、まだ息はあります。
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第1章 ボス戦 『久遠の悪夢・黒き美夜』

POW   :    あなたはあなた自身によって呪われているのです
命中した【忘れられない激しい恐怖や悲しみ】の【心身を麻痺させる辛い過去を齎す鎖】が【生きる意志さえ捨てさせるほどの絶望】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD   :    あなたの心はあなた自身を滅ぼします
【対象が二度と味わいたくなかった苦悩】を籠めた【対象の心中の負の感情を増大する漆黒の鎖】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【未来への希望と生きる意志】のみを攻撃する。
WIZ   :    滅ぶことであなたの苦痛は終わります
【立ち上がれないほどの恐怖を齎す鎖】【全てを諦めたくなる悲嘆を齎す鎖】【自分自身を否定するほどの絶望を齎す鎖】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠黒城・魅夜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テリブル・カトラリー
環境耐性、嗅覚を遮断する為マスクを宇宙空間仕様(密閉)に変更
猟兵を待ち構えている、か。
…戦わなければ村人達が犠牲になる。仕方ない。

開幕、制圧射撃。
何かをやらせたくはない。機関銃でフルオート射撃。

『加殺髪』を発動。
自身の周囲に張り巡らし、飛ばす、或いは地面を這ってくるであろう鎖を切断破壊。

悪夢…苦悩、悲しみ。恐怖。戦うために造られた私が、そんな感情で戦えなくなるならば……とうの昔に自壊するか破壊されていただろう。
鎖が命中しても、存在理由と上記理由で絶望を否定。

早業、アームドフォートを展開。
機関銃を防ぐようであれば徹甲砲撃の鎧無視攻撃。
避けるならば、ミサイル一斉発射での蹂躙爆撃を行い、砲撃。


久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


…碌でもない攻撃してくる相手に正面から挑むのは厳しいっすね
ならば俺の得意な搦め手と行きますか

選択UCを起動させ様々な英雄の武具を宙に浮かせて攻撃
その間に俺は家の影に潜み姿を隠します

目立たない・地形の利用・迷彩・忍び足を使い、武器を常に四方八方から飛ばしながら相手の背後方面に移動して武具達を正面に集め一気に放ちます
相手が武器の対処をしている間に一気に相手の背後に近づき暗殺・毒使いで斬りつけます

生憎滅ぶ事も呪う事も出来ない身でしてね…そういうのはお断りなんっすよと鎖は武具によって絡めとって防ぎます
そもそも絶望何て何度だって経験している。今更思い出したところで死にたくなる事はないっす


霧島・絶奈
◆心情
絶望ですか…
確かに其れは人の歩みを止めるモノでしょうね
ただ、我が身を止めるには聊か不適格です
其が在る…在ったからこそ私は神に成り果てたのですから

◆行動
【呪詛耐性】を高めた【オーラ防御】を球状に展開
抑々、鎖が当たらなければ絶望も何もありませんよ

『二つの三日月』を召喚し戦闘

私は巨人の影に隠れ【目立たない】様に行動

【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
燃焼範囲が限定されますので村人を巻き込む心配は無いでしょう

設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復

…絶望では私の歩みは止まりませんよ



「わざわざ、私たちが来るように待ち構えるか。」
 ふわりと漂う女性に向けて、油断なく機関銃を向けながら呟く、テリブル・カトラリー(女人型ウォーマシン・f04808)。
 あたりに漂う甘い香りを避けるため、口元を覆うマスクを宇宙でも動けるよう密閉仕様に変え、
「なぜだ?」
「何故、と言われましても。」
 クスクスと口元に手をやりながら笑みを浮かべ、女性は楽しそうに猟兵達を見渡している。
「私は新たな絶望に会いたいだけ。あなた達のような強い魂と会うため、話に乗っただけですよ。」
「……碌でもない理由っすね。」
 そんな女性の考えに、吐き捨てるように言い捨てる、久遠・翔(性別迷子・f00042)。
「そう簡単にやられると思うっすか?」
「ふふ……もちろん、そうはいかないでしょう?」
「なるほど、解ってはいるようですね。」
 目深に被ったフードの下で笑みを浮かべる、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「自身が絶望に染まる、その可能性も……理解しているので?」
「ええ、もちろん。」
「だったら、」
 テリブルの持つ機関銃が火を噴く。
 女性を狙ったフルオートでの制圧射撃……上がる硝煙の影からは豪奢な武器が浮かび上がり、光の巨人が立ちあがる。
「倒させてもらう、村人のためにな。」
「ふふ……抗いなさい、猟兵達。」
 銃弾の嵐にも平然と浮かんでいる女性は、その手の鎖を周囲に広げ始めた。

「させるものか。」
 伸びる鎖に対し、テリブルの髪もまた周囲に広がる。
 意志を持って動く鋼鉄の髪によって、テリブルを狙う鎖は断たれていった。
「あら、なかなか面白い事を。」
「誉め言葉として受け取っておこう。」
 楽しそうな女性に対し、銃弾の雨と共に応えるのは感情の篭もらない合成音声。
 その間に殴りつける巨人の拳を女性はふわりと避け、さらに斬りつけてくる様々な武器を身を捩って躱していく。
「……なんなんすか、あれ。」
「人とは違う理の中で動くもの、というところでしょうか。」
 物陰に身を隠し、浮遊する武器を操っていた久遠。
 その呟きに応える霧島の姿はなく、声だけが響いていた。
「新たな絶望、それを啜るモノ……全く、悪夢というに相応しい。」
「なるほど。」
「もっとも、」
 女性の背後まで久遠が動いた時、女性の足元に仕掛けられた地雷からテルミットの炎が上空へと舞い上がる。
「絶望で歩みを止めるほど、あなたも弱くはないでしょう?」
「……ええ、もちろん。」
 女性を巻き込む火柱がおさまると、浮かび上がる様々な武器が女性へと降り注ぐ。
 それらを手にした鎖で弾いた時、背後からナイフを手に飛び掛かる久遠。
「生憎、滅ぶ事も呪う事も出来ない身でしてね……そういうのはお断りなんっすよ!」
「くぅっ!」
 首筋を襲うのは、毒の塗られた刃。
 斬られた部分は黒い霧となり、その手からは鎖が伸びる。
「させるか。」
 久遠へと伸びる鎖を撃ち落したのは、テリブルの背から伸びるアームドフォートからの砲撃。
 引きちぎられた鎖を目で追いつつ、女性へと伸びるテルブルの髪。
「悪夢……苦悩、悲しみ。恐怖。戦うために造られた私が、そんな感情で戦えなくなるならば。」
「が、は……。」
 全身を締め上げる髪に、その身体が霧へと変わっていく。
「……とうの昔に自壊するか破壊されていただろう。」
「歩みを止めさせるには、絶望を味あわせるだけでは聊か不適格です。」
 呼び出した光の巨人、二つの三日月の足元に立つ霧島が、飛び散った鎖を黒剣で払いのける。
「其が在る……在ったからこそ、私は神に成り果てたのですから。」
 巨人の拳に叩き潰され、女性は黒い霧となって広がっていった。

「……絶望何て、何度だって経験している。今更思い出したところで死にたくなる事はないっす。」
 ナイフを仕舞いながら呟く久遠に、視線を向けたのはテリブルだった。
「それを乗り越えた者である私たちだからこそ、その絶望を味わいたいのだろう。……悪趣味だがな。」
「ふふ、理解はできますけどね。」
 霧島はそのフードの下で、口元を吊り上げながら言葉を紡ぐ。
「彼女からすれば、そのような人が浮かべる絶望こそ、甘美な蜜のようなモノでしょうから。」
「……理解したくないっす。」
「理解されなくても構いませんよ。」
 猟兵達の前で黒い霧が寄り集まり、また女性の姿を取っていた。
「あなた方が悪夢を見てくれればいいのです。」
「お断りだ。」
 笑みが消えない口元へと、猟兵たちは武器を向ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヘルガ・リープフラウ
人を悪夢に閉じ込め、その精神を啜り踏み躙る
そんな忌まわしい敵が「まだ」いたなんて……

一の鎖と共に蘇る
水葬の都カナン・ルーでの忌まわしい出来事
愛する夫に関する記憶を奪われ
成す術もなく悪夢に捕らわれた
偽りの幸福に精神を壊され
信じた愛も信念も全て穢され歪められ
じわじわと死に至る罠から抜け出せぬ恐怖……

だからこそ、もう二度と同じ過ちは繰り返さない
生きることを諦めない
呪詛と狂気に耐え、決して自分を失うまいと覚悟を決めて
聖痕に刻まれた苦悩と悲しみ
その重さあればこそ、救世の意志は尚強く刻まれて

歌うはレクイエム【怒りの日】
解き放て、裁きの威光
無辜の人々を犠牲になど決してさせません
人の心を弄ぶ歪んだ悪意に天誅を


アリステル・ブルー
●行動
武器黒の細剣で攻撃。【生命力吸収】【鎧無視攻撃】有効だったりしないかな?
敵への憎悪を元にUCアンリーシュで応戦。恐怖や悲しみ、絶望なんて攻撃は全部UCの炎に変換しちゃうよ。もちろん味方には延焼させない、狙いは敵だけ!

余裕があれば他の猟兵さんのサポートにもまわるね。

●心情
君たちにあげるものなんて何ひとつないんだ。人の命も、夢でさえも。さあ、一つ残らず返してもらうよ。

家族を失った日、人狼になった日、その絶望や悲しみは、もう僕にとって前に進む原動力にしかならないよ。
平和な世界を取り戻す為に足をを止める事なんてできないんだ。
その為に、君たちには消えてもらわないといけないんだ。
(連携アドリブ歓迎)



「君たちにあげるものなんて何ひとつないんだ。人の命も、夢でさえも。」
 浮かぶ女性に向けて黒の細剣を向けながら語り掛ける、アリステル・ブルー(人狼のクレリック・f27826)。
「さあ、一つ残らず返してもらうよ。」
「ふふ……返せと言われて、はいそうですかと返すわけにはいきませんね。」
「くっ!?」
 女性の手先から伸びる、黒く細い鎖。
 触手のように蠢き迫るそれを、アリステルが手にした細剣で斬り払っていると、
「きゃっ!」
 悲鳴に目を向ければ、横にいたヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)の腕に、1本の鎖が絡み付いていた。
 見る間に青い瞳が曇り、膝が震えていく……。
「ほら、お仲間も私の手の中ですよ。」
「あなたは、どこまで……!」
 さらに襲い来る鎖を斬り払い、怒りのままに湧き上がる漆黒の炎で焼き払っていった。

 かつて、水葬の都カナン・ルーと呼ばれた地での出来事。
「……それは、わたくしのため。」
 領主の娘であるヘルガを守るため、民が犠牲になっていく。
 今もそれが続いていたら……?
「それならわたくしは、幸福だったかもしれません。」
 しかし、それはいつまでも続くものではない……民の数は有限で、何より領主への怒り、諦めを募らせる。
 それに気が付くのが遅くなったなら、
「あの人と会うことも……。」
 あの人?
 あの人とは誰だ?
「いつも、わたくしの隣に……。」
 顔が思い出せない……最愛の、『  』
「うそ……でしょう?」
 抱きしめるたくましい腕の温もりも、得体のしれない触手に絡まれたように書き換えられ……。
「いや、そんな……。」
「目を覚まして! これは敵に見せられた悪夢だ!」
 叫び声と共に肩を揺さぶられ、ヘルガは目を覚ました。
 引き千切った鎖を焼き払い、必死で言葉を掛けていたアリステルと、奥でニヤニヤと嗤う女性の姿。
「……すみません、御迷惑を。」
「いいや、構わない。それよりも、大丈夫かい?」
「ええ。」
 ヘルガから強く向けられた視線を、女性は笑みで受け流し、
「なかなか良い絶望だったわ。」
「……人を悪夢に閉じ込め、その精神を啜り踏み躙る。そんな忌まわしい敵が『まだ』いたのですね。」
「ああ、そのようだ。」
「ふふ、もっとよく見せてください。」
 ヘルガを守るように立つアリステルに対し、さらに鎖を伸ばす女性。
 そこに響くのはヘルガの歌、レクイエム【怒りの日】。
「……わたくしはもう、生きることを諦めない。そして、無辜の人々を犠牲になど決してさせません。」
「ああ、そうさ。平和な世界を取り戻す為に、足を止める事なんてできないんだ。」
 襲い来る鎖をアリステルの黒炎が焼き払った時、辺りに満ちるのは裁きの光。
「解き放て、裁きの威光。人の心を弄ぶ歪んだ悪意に天誅を。」
「ぐっうぅ……こ、これは。」
 光の中で苦しむ女性に振り下ろされる、漆黒の炎を纏う細剣。
「その為に、君たちには消えてもらわないといけないんだ。」
「あああ!」
 斬られて霧散し、黒い霧となってあたりに漂っていた。

「家族を失った日、人狼になった日。その絶望や悲しみは、もう僕にとって前に進む原動力にしかならないよ。」
「……アリステル様も、辛い思いを。」
「いや……あなたもこの世界に産まれたのであれば、多かれ少なかれあるでしょう?」
「そう、ですね。」
 人狼とオラトリオ……どちらもこの常闇の世界の住人。
 その二人の前で、黒い霧が集まり女性の姿を取った。
「ふふふ……だからこそ、私が生まれたのですよ。」
「……まだ、あなたは。」
 武器を向けられたその姿は先ほどより薄れ、後ろの家屋が見えるほどになっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
WIZ

妖艶な姿と裏腹に悪趣味な技を使うのね。
滅ぶ事で私の苦痛は終わる?
私を苦しめる連中を滅ぼしたいとは思っても
私が滅びたいなんて思った事は一度も無いわ!!

守護霊の憑依【ドーピング】で戦闘力を高め
【属性攻撃・火炎耐性】で全身に炎を纏い
相手の放つ鎖を瞬時に溶かす。
呪印の力で炎を槍状に圧縮し【槍投げ】
避けられても【念動力】で軌道を変え
相手の影をその場に縫いつけて動きを封じる【呪詛・マヒ攻撃】

『愛の想起・妖狐桃源郷』で
82人の妖狐忍と共に【誘惑・催眠術・全力魔法】と
全身を愛撫する【慰め・生命力吸収】で幸福な夢に溺れさせる

世界を滅ぼしてでも私達は生き続ける。
貴女もおいで。永遠の愛の花園に



「妖艶な姿と裏腹に、悪趣味な技を使うのね。」
 そんな言葉と共に現れたのは、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)。
 かけられた言葉に対し、戻ってきたのは柔和な笑みだった。
「ふふ。悪夢に染まり、絶望に満ちた魂ほど、美味しいものはありませんからね。」
「お生憎様、易々と貴女の餌になるつもりはないわ。」
 ドゥルールの周囲に浮かぶ守護霊たちが集まり、その身に宿っていく。
 同時に放たれた黒い鎖に対し、全身から炎を吹き出して溶かし落とす。
「あら、なかなかやるのね。」
「……絶望を味わって滅ぶ事で、私の苦痛は終わる?」
 鎖の残滓から意図を読み、怒りと共に放たれた炎を手の中に集めていく。
「私はね……私を苦しめる連中を滅ぼしたいとは思っても、私が滅びたいなんて思った事は一度も無いわ!!」
 槍と化した炎を思いっきり投げつけるが……ふわりと女性は槍を躱していた。
「ふふ、怒りに眼がくらんでいるようね。」
「……そうかしら?」
 くるりと回って炎の槍が地面に突き立つと、女性の影へと這い進み……その影を地面に縫い付ける。
「く、これは。」
「貴女に必要なのは、愛情よ。」
 いつの間にか目の前にいたドゥルールに、身動きの取れない女性は顎を持ち上げられ……その視界が埋まり、唇が奪われる。
 再びドゥルールの顔が離れた時、その後ろに忍びの妖狐たちの姿が見えた。
「……貴女もおいで。永遠の愛の花園に。」

 ドゥルールがその身を離した時、女性の姿はかなり薄れてきていた。
「世界を滅ぼしてでも、私達は生き続けるわ。」
 女性の姿を視界の隅にとらえつつ、ドゥルールは薄闇の中に姿を溶かしていく。
 その手には、黒く細い鎖が握られていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナギ・ヌドゥー
己にとって苦悩、絶望は分かつ事のできぬ感情……。
それを増大させるというならいいだろう、全て受け止めてやる。
未来への希望などいらん、戦いの中で死に近付けるなら本望だ。
ユーベルコード発動しサイコパームの【リミッター解除】
オレの掌から撃ち出す光線は精神の力
アンタが増大させた負の感情を全て放出してやるぞ!【限界突破】
【殺気・呪詛】を込めた【呪殺弾】の【制圧射撃】を敢行
己が負の感情は殺戮衝動そのもの
死の【弾幕】を浴びて真の絶望を知れ【恐怖を与える】


ヘルガ・リープフラウ
まだ倒れないというのですか
今度は何を……

あれは……先刻の「悪夢」の元凶たる黒衣の男
あの日、わたくしから夫の記憶を奪い、信じた全てを完膚なきまでに破壊し打ちのめした怨敵
分かっています、これはわたくしの「恐怖」が作り上げた幻
本物は既に縁ある者に倒され消滅したのだから

奴の幻は騙る
「いとも簡単に夫の記憶を忘れ、自分の頭でこしらえた『偽物の夫』との、偽りの幸せの幻影に溺れた
所詮貴様の『愛』などその程度だ」

……黙れ
人の心を弄んでおいて知った風な口をきくな
染み込んだ恐怖は僕を苛むだろう
それでも、限界を突破し、真の姿【白鳥の騎士】となって
何度でも切り伏せ乗り越えてやる

僕の心は僕だけのものだ
誰にも穢させはしない



「まだ、倒れないというのですか。」
「ふ、ふふ……人がいる限り、私は私で居続けるわ。」
 女性の姿がだいぶ薄れているが、ヘルガの問いに応える笑みには余裕も見える。
「……だろうな、この世界にアンタの餌はいくらでも転がってやがる。」
 吐き捨てるように言い放つ、ナギ・ヌドゥー(殺戮遊戯・f21507)。
 掌に埋め込まれた兵器を握り込みながら、
「オレもそうだ。苦悩、絶望からは逃れられん。」
「だったら、」
 不意に女性は鎖を放ち、二人へと絡み付いていった。
「絶望に苛まれて、私の力となりなさい……。」

「……え?」
 しかし……悪夢の中へと誘う鎖を、二人はしっかりと自分の意思で掴み取る。
「……それを増大させるというならいいだろう、全て受け止めてやる。」
 しっかりと女性を見据えるナギの目は告げている。
 苦悩など、今更増えたところで何だというのだ。
「未来への希望などいらん、戦いの中で死に近付けるなら本望だ。」
「黙れ……人の心を弄んでおいて知った風な口をきくな。」
 対し、真の姿である男装の騎士へと変わったヘルガの目には、霞がかかったようになっている。
 しかし、光を失わずに見つめるその目は……悪夢に呑まれながらも、敵へと向かう意志を捨てていない。
「僕の心には恐怖が染み込んでいる。それでも君を何度でも斬り伏せ、乗り越えてやる!」
「くっ……あなた、達は。」
 鎖からは絶望が伝わってこない。
 そのことに気が付いた時、女性は二人から逃げようとするが、
「逃がすかよ、」
「ひっ!」
 ナギの掌の兵器から放たれるのは、精神力を糧に撃ち出されるレーザー。
 それはナギの負の感情……殺戮衝動を喰らい、エネルギーに変えて放つ物。
「アンタが増大させた負の感情を全て放出してやる。死の弾幕を浴びて、真の絶望を知れ。」
「ひぅっ……!」
 足を、腕を貫かれ、女性の身体が闇へと溶けていく。
 身動きの取れなくなった女性の前に立つのは、水晶のナイフを手にしたヘルガの姿。
「や、やめ」
「僕の心は、僕だけのものだ。」
 ヘルガには、女性の声は届いていない……その目に映り、聞こえるのは、悪夢の元凶たる黒衣の男のもの。
『いとも簡単に夫の記憶を忘れ、自分の頭でこしらえた『偽物の夫』との、偽りの幸せの幻影に溺れた。所詮貴様の『愛』など、その程度だ。』と。
 自身を嘲笑う悪夢の中に居ながら、それへと立ち向かう意志がナイフを突き立てる。
「誰にも穢させはしない!」
「あああああ!」
 貫かれた女性が闇へと溶けて消えてゆき……ナイフに埋め込まれた沙羅双樹の花が白く輝いていた。

 女性が消え去ったと同時に、ヘルガは元の令嬢の姿へと戻る。
「う……わたくし、は。」
「大丈夫か?」
 ナギがその目を覗き込んだ時、ヘルガの目にかかっていた霞は消えていた。
「え、ええ……すいません、お気遣いを。」
「それは構わない。だが、」
 周囲に響く足音……整然と進むそれは、二人の立つ場へと向かっている。
「次が現れたようだ。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『信仰し進軍する人の群れ』

POW   :    人の群れが飲み込み、蹂躙する
【槍を持ち一斉突撃を行うこと】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    全てを焼き払い、踏みつけ進軍する
【持ち帰られた弓から放たれる斉射】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火矢】で攻撃する。
WIZ   :    守るべき信仰の為に
対象のユーベルコードに対し【集団による防御結界】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 整然と進む白い頭巾の群れ。
 全てが同じ槍を持ち、同じ足音をたてながら向かってくる。
 そして……村人との間に立つ猟兵へと、
「我ら、主への捧げものを受け取りに参った。」
 前の者から槍を構えて言い放つ。
「邪魔をするなら、我らは主のため……容赦はせぬぞ。」
アリステル・ブルー
連携アドリブ歓迎
他の猟兵さんが望めば、協力でもサポートでも積極的に行うね。

僕は……そうだね。僕は彼らが人間でオブリビオンでないのならなるべく殺さずに無力化したい、かな。
『主』についての情報も聞き出したいね、捧げて何をするつもりなのかな。
まぁオブリビオンだったら容赦はしないんだけど。
それに誰もあげないよ。

だからUC【小鳥たちの舞】で有効範囲内の敵全員を眠らせるよ、戦力も減らしたい。
無力化されたらその時は仕方がない。
起きてる敵はソードメイスに持ち替えて【闇に紛れて】【気絶攻撃】をしかけるよ。鎧くらい貫通しないかな?
空からは使い魔ユールに偵察させて情報共有、余裕があるなら援護してほしいかなぁ。


霧島・絶奈
◆心情
容赦しない?
是非もありません
共に愉しみましょう

◆行動
折角ですし会戦と洒落込みましょうか
丁度似た様な戦術を用いる様ですしね

『獣ノ爪牙』を使用
砲兵による打撃支援を皮切りに、屍者の軍勢の構える槍衾の【範囲攻撃】で敵を蹂躙
屍獣の群と武装ユタラプトル達には側面より攻撃を加える【二回攻撃】で突進を援護させます

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動

【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
攻撃範囲は限られますから村人を巻き込まずに彼らの守りとなってくれるでしょう

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


ヘルガ・リープフラウ
先刻の敵とは別に「甘い香りを放つもう一人の敵」がいると聞きました
恐らく彼らの言う「主」とは……

いずれにせよ、敵が何者であろうと、村人たちを犠牲になどさせはしませんわ
信仰の力は、ただ人を救い、幸せを願うためのもの
邪悪な欲望、それも人々を虐げるためのものでは断じてないと
聖者として、決して捨て置くことはできません

敵が村人たちに近づけぬよう間に立ちはだかる位置取りで
【主よ、哀れみ給え】と祈り捧げ
呪詛と狂気に耐え、放つ光に限界を突破するほどの、破魔の全力魔法の力を込めて
敵に先手を取られ対策されないよう高速詠唱
共に戦う仲間のための援護として、少しでも時間稼ぎが出来れば良いのですが



「……容赦しない?」
 槍を手に言い放った白頭巾たちに、蒼白いフードの下で口元を吊り上げる霧島。
 パチリと指を鳴らすと、周囲に現れるのは屍の兵士たち。
「是非もありません。折角ですし、会戦と洒落込みましょうか。」
「敵が何者であろうと、村人たちを犠牲になどさせはしませんわ。」
「ああ、彼らに手は出させはしない。」
 背後に倒れる村人たちを護るように、ヘルガとアリステルも白頭巾たちへと向き直る。
「しかし……先刻の敵とは別に、『甘い香りを放つもう一人の敵』がいると聞きました。」
「それが『主』なのかな。その情報も、彼らから聞き出したいね。」
「ふふ……ならば愉しみましょう。彼らの身で、たっぷりと。」
 霧島の合図に屍兵たちの構えたマスケット銃が火を噴き……同時に白頭巾たちも槍を構えて突っ込んできた。

 白頭巾の一人の額が弾丸に貫かれ、その下からは白骨の死体が転がり出る。
「おや……。」
「我らは退かぬ、全ては主のため。」
 前にいた数名が倒れようとも、白頭巾たちは気にした様子はない。
 アリステルが改めて転がるモノを見れば、骨か少しの肉だけが残る死体のようだった。
「主の求めるモノを得るために。」
「彼らはもう、人ではないようだね。」
「ええ、全く。見上げた信仰です。」
 吐き捨てるように呟きながら、霧島はさらに足元から屍獣たちを呼び出していく。
 マスケットから槍に持ち替えた屍兵とは別に散開させ、
「その主のために、まさにその身ごと差し出しているわけですか。」
「……信仰の力は、ただ人を救い、幸せを願うためのもの。」
 静かに怒りを込めて言葉を放つヘルガ。
 人の道を外れ、ただ主のためと嘯く彼らを強く見つめつつ、
「邪悪な欲望、それも人々を虐げるためのものでは断じてありません。」
「その通り。」
 同意と共に、アリステルの手から青い鳥が飛び立つ。
 見る間に鳥たちは数を増し、素早くその身で白頭巾たちの間を飛び回った。
「彼らが人間ならなるべく殺さずにと考えていたが、容赦はいらないようだね。」
 鳥たちの勢いが増し、それらは鳥の形を模した剣となって斬りつけていく。
 さらに、それらを目で追った白頭巾の動きが緩慢になっていった。
「天にまします我らが神よ。その御心の許、我らに加護を。」
 祈りの言葉と共にヘルガが純白の翼を広げると、神聖な光が浮かび上がる。
 それはこの世界で差すことのない、天から降り注ぐ日の光に似て、
「かの者に懺悔の時を……主よ、哀れみ給え!」
 白頭巾と共に纏う呪詛と狂気すらも打ち払う、破魔の光。
 しかし……力を失った仲間の白骨をも踏み越え、その槍を手離すこともなく襲い来る白頭巾たち。
「……我らを止める事、能わず。」
「ふふ、それでも足を止めないのは称賛に値します。」
 白頭巾たちが足を踏み出した時……霧島の仕掛けた地雷から吹き上がる炎に巻き込まれていく。
 炎を追うように槍を持った屍兵が進み、側面から屍獣が襲い掛かる。
「そこまでしても信じられる相手、ということですか。」
「そのようだね。」
 乱戦の中、空を舞う使い魔の鳥の目から戦場を見つつ、アリステルはソードメイスを手に駆ける。
 隙を見せた白頭巾の背後からメイスを叩きつけつつ、
「もっとも、その主は彼らの信仰に応えているとは到底思えないけれど。」
「……彼らはすでに、この世のものではありません。」
 ヘルガが向けるのは、憐みの篭もる視線。
 悪夢の中に居た自分と重ね合わせ、
「主を信仰し、仕え続けているのでしょう……心地の良い夢の中を、延々と彷徨っているのかもしれませんね。」
「ふふ、それならば……仕える相手を間違えたこと、その身をもって理解させましょう。」
 そう呟きながら、霧島は付き従う屍の兵士たちと共に、白頭巾たちを文字通り蹂躙していった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


生憎生贄はありません
お引き取り願います…と、言っても引き下がらないっすよね
なら強行突破させていただきますよ?

槍による一斉突撃…なるほど数での蹂躙っすか
ならば俺はこの二振りのククリナイフで貴方達を沈めましょう
そう言って武器を構え相手との距離がぎりぎりの位置で選択UCを発動
相手の人達には一瞬で俺が消えたように見えるっすけど実際には全員の後方部分に佇んでいます
慌てて振り向く相手にUC名を告げると一瞬にして雷光がそれぞれの人達から瞬時に上がり黒焦げにしていきます

すみませんね…奴隷とか生贄とかの類の言葉は嫌いでしてね
それと、すみませんね手加減できずに
骸の海に向かう者達へ会釈
次、行きますか


ナギ・ヌドゥー
アンタ等の主とは何者だ?
この統率された軍隊、領主クラスの者の筈だ。
言いたくないなら最後に残った奴に聞くさ。
……生き残る奴がいれば、の話だがなぁ!

集団で突撃してくれるなら好都合
ユーベルコード発動により拷問具ソウルトーチャーを暴走させる!
超耐久力を宿したコイツを止めるのは容易ではないぞ
無闇に動く奴等から【捕食】してくれるだろう
尤も近付いたらオレも喰われかねん
敵を攪乱してる隙にサイドに回る
ソウルトーチャーに恐れをなして動きを止めた奴を斬る【暗殺】
喰われるか斬られるか好きな死に方を選べ【恐怖を与える】


テリブル・カトラリー
人の群れか…
これに蹂躙されてはウォーマシンの名が泣くな。

片手で機関銃を構えて制圧射撃
もう片方の手でスナイパーライフルを使い、
鎧無視攻撃で複数纏めて貫き、
集団に目掛けてアームドフォートで砲撃、なぎ払い続ける。

銃撃・砲撃に身をさらす恐怖よりも、信仰が上回るか。
対した物だ。

『爆破工作』発動。破壊工作。見えないロボ爆弾達を召喚。
事前に配置しておいた爆弾に触れた者達を爆破。
一定距離まで近づいてきた者も爆破。
倒れた死体の上を通る者を爆破。
固まっている集団を爆破。
混乱させ、銃撃し、砲撃し、人の群れを吹き飛ばし、殺し続ける。

元より兵器、引き金を引く事に、容赦も慈悲もない。



「人の……いや、人だったものの群れか。」
 居並ぶ白頭巾、そして転がる中身の人骨を見渡しながら呟くテリブル。
 槍を構える白頭巾に対し、機関銃を構えて頭をポイントしていく。
「これに蹂躙されてはウォーマシンの名が泣くな。」
「ははは、気持ちは解る。オレも、この程度にやられる気はない。」
 ナギも同意しつつ、獰猛な笑みを浮かべていた。
 足元では呪獣のソウルトーチャーが涎を垂らしながら唸りを上げている。
「だが、この統率された軍隊、領主クラスの者の筈だ。……アンタ等の主とは何者だ?」
 問いかけに対し、白頭巾たちはあっさりと言葉を返してきた。
「我らの主は白百合の君である。あの方のための生贄を引き取りに」
「生憎、生贄はありません。お引き取り願います。」
 言葉をかぶせ、久遠は白頭巾の言葉を遮った。
「……と言っても引き下がらないっすよね。」
「当然である。我らの目的はその生贄だ。」
「なら、強行突破させていただきますよ?」
「ああ、始めよう。」
 久遠がナイフを構えた時、テリブルの機関銃が火を噴いた。

 片手で機関銃、もう片方の手にはスナイパーライフル、さらに腰のアームドフォートからの砲撃……。
 もうもうと上がる土煙を貫き、屍を乗り越えて槍を構えた白頭巾たちが跳び出してきた。
「銃撃・砲撃に身をさらす恐怖よりも、信仰が上回るか。対した物だ。」
「確かに。だが、」
 グシャリとナギは自身の手で鋸刃の鉈を握り込み、滴る血を呪獣へと注ぎ込む。
「集団で突撃してくれるなら好都合。……コイツを止めるのは容易ではないぞ。」
 向かい来る白頭巾へ向け、大口を開けて食らいつくソウルトーチャー。
 一人、また一人と喰らいつかれ、後ろから槍で貫かれるが……痛みを感じぬ餓えた獣の動きを止めることはできず、新たな白骨が転がっていく。
「尤も、近付いたらオレでも喰われかねん。アンタも気を付けろ。」
「……了解っす。」
「よし、行くぞ。」
 ククリナイフを両手に持った久遠と共に、ナギも鉈を手に白頭巾へ向けて駆け出す。
 対し、白頭巾たちは散開しようとするが、
「突進が主とはいえ、回り込むのは想定済みだ。」
 先にテリブルの放った小型のロボ爆弾たちが爆発し、脇に逸れた白頭巾たちが吹き飛んでいく。
「元より兵器、引き金を引く事に、容赦も慈悲もない。」
 さらに弾丸・砲弾の嵐に襲われ、白頭巾たちは数を頼りに正面からソウルトーチャーを乗り越えてくる。
「それは無謀というものだろう。」
 横に回り込んだナギの鉈が白頭巾を斬り飛ばし、中の頭蓋骨が転がっていった。
 挑発的な目で睨みつつ、
「喰われるか斬られるか、好きな死に方を選べ。」
「我ら、退く事能わず!」
 即答する白頭巾たちに笑みを浮かべ、
「ふん、恐怖はないか。」
「そんな気はしたっすよ。」
 前に出た久遠へと、白頭巾が槍を突き出した。
 しかし……それは久遠の身体を貫くことなく、ナギの鉈に弾き飛ばされる。
「くっ……どこへ?」
「ここっすよ。」
 白頭巾たちの後ろからかけられる、久遠の声。
 しかし、白頭巾たちが振り向く間もなく、
「雷光一閃(セツナ)」
 言葉が響く間に、久遠は白頭巾たちの上を紫電を纏って飛ぶ。
 それは雷光へと変わり、残る白頭巾たちを貫いて黒い塵へと変えていた。

「……すみませんね、奴隷とか生贄とかの類の言葉は嫌いでしてね。」
 ククリナイフを仕舞い、久遠は会釈をしながら言葉を続けていた。
「それと、すみませんね手加減できずに。」
「生贄など、気分のいいものではないからな。」
 そうテリブルが久遠へと声をかけた時……ふわりと甘い、百合の香りが漂ってきた。
「……どうやら、現れたようだ。白百合の君とやらが。」
 再び大人しくさせたソウルトーチャーと共に、ナギは香りの主へと視線を向ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『純白のリリィ』

POW   :    今日の私はあなたが欲しい
【その美貌】を披露した指定の全対象に【自らの血肉や命を捧げたいという衝動的な】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD   :    綺麗に食べて差し上げますから、安心して眠って
【対象が望む幸せな夢を強制的に見せる花香】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
WIZ   :    Hallelujah!
【レベル×1体の狂信者】の霊を召喚する。これは【対象を供物として捧げようと、痛覚】や【身体の自由を奪う麻痺毒】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は夏目・晴夜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あらあら……遅いと思ってきてみれば。」
 ふらりと、ふわふわとした女性の声。
 猟兵達が視線を向ければ、白い衣装を着た女性の姿。
「今日は綺麗で新鮮な方々をお招きしたいと思っていましたのに……。仕方ありませんわね。」
 女性が近づくごとに、甘い白百合の香りが強くなる。
 それは、幸せな夢へと誘う香りで。
「あなた方にしましょう。とっても新鮮で……美味しそうな、あなた方に。」
 猟兵達へと、とろんと蕩けたような目を向けていた。
アリステル・ブルー
連携アドリブお任せ

●行動POW
使い魔ユールは呼び出したまま、隙があれば僕たち猟兵の援護を、無理そうならそのまま戦況把握してもらうよ。
僕は協力出来そうな猟兵さんがいたら手を貸すね、囮でもなんでも、ね。

僕は黒の細剣に持ち替えて接敵、【二回攻撃】してUC【アンリーシュ】を使用、味方には延焼させない。燃やすのは敵だけで十分。
衝動には狂気耐性…満月の狂気に比べたらこんなもの…。

UCに使う感情はオブリビオンに支配された世界への理不尽さだよ!
「僕は負けない。僕が望む幸せな夢は、領主や邪神から真の意味で解放されたこの故郷の姿をみることだからそんな『まやかし』なんで必要ないんだ!」
人の世界は人の為にあるべきだ。


テリブル・カトラリー
古い機械に、新鮮も何もないがな。

環境耐性、マスクの調子を確認。香りの遮断を継続
機関銃で周囲に湧いた霊をなぎ払い、敵に照準を向け制圧射撃。

……感情の付与。なるほど、鈍るな。

貌を視認すると照準が遅い、引き金がやや重い。
女子供であろうと敵ならば容赦なく撃てた。それは今も変わらない。
貌、美しいとは思うが、それだけだ。戦闘ではどうでもいい。

目を閉じる。視覚センサーを遮断し、『支援狙撃』発動
ドローンでの情報収集、位置把握、戦闘知識から動きを見切り、
クイックドロウ、早業で自動拳銃を向け二回攻撃

私もお前も、皮を剥いでしまえば肉か機械かの違いしかあるまい。



「なんなんでしょうね、この方は……。」
 違和感……アリステルが感じたものを現すなら、それだろう。
 人骨が転がる中で武器を持った猟兵たちの前に、あまりにも無防備に笑みを浮かべながら現れた女性。
「僕らの事が怖くないのか。」
「……恐怖という感情が、存在しないのかもしれないな。」
 呟きに応えたテリブルも、声に同じものが混ざっている。
「しかし、先ほどの奴らを……骨だけになっていた彼らを喰らったのは彼女のようだが。」
「ふふふ、そうですよ。」
 いつの間にか、近づいてきた女性の声が聞こえる。
「わたくしの欲しいものを頂いて、それでもわたくしに付いていきたいと言っていらしたのに。もう動かないのですね?」
 歩みを止めない女性。
 配下だったものを踏みつけているが、物言わぬそれには興味がないと言いたげに猟兵達を見つめていて、
「あなた達はどんな味がするのかしら?」
「……。」
 そう言う女性を前に、二人は立ち尽くしていた。
 武器を手にしていることも忘れたかのように、無防備に……そう、自分の血肉を差し出すように。
「……なるほど、鈍るな。」
「そうだね……だけど、」
 白い百合に覆われかけた視界の端に、青い鳥が飛ぶ。
 アリステルの使い魔であるユールの動きに、武器を握っていることを思い出した。
「やられるわけにはいかない……満月の狂気に比べたら、こんなもの。」
「ああ……貌、美しいとは思うが、それだけだ。」
「あら……。」
 武器を構えた猟兵達を見て、女性は歩みを止める。
 代わりに浮かぶのは……脳を蕩けさせるような笑み。
「あなた達も、食べられたいのではなくって?」
 食べられれば……全てが終わって幸せに。

「……ふざけるな!」
 叫びながら黒の細剣を手に斬りかかるアリステル。
 女性の腕を斬り裂き、さらに手から吹き出す漆黒の炎を浴びせかける。
「あら……。」
「僕が望む幸せな夢は、領主や邪神から真の意味で解放された、この故郷の姿をみることだ!」
「ああ、それでいい。」
 漆黒の炎に捕らわれた女性へ、テリブルは目を閉じたまま両手で引き抜いた自動拳銃を撃ち放つ。
 遮断された視界を補うドローンの超音波を頼りに放たれた二発の弾丸は、女性の心臓を貫いていた。
「私もお前も、皮を剥いでしまえば肉か機械かの違いしかあるまい。まぁもっとも、」
 顔を見ずに済むと分かり、テリブルは目を開けて、
「古い機械に、新鮮も何もないがな。」
「人の世界は人のためにあるべきだ……。」
 呟きながらアリステルは女性を包む漆黒の炎をさらに燃やす。
「まやかしの幸せなんて、必要ないんだ。」
「ふ……ふふふ……。」
「……まだ笑うか。」
 テリブルの放った弾丸が漆黒の炎を貫いた時、ちらりと見えた女性の口元は笑っていた。
 嘲りではなく、純粋に楽しそうに。
「食べられたくない、そんなあなた達を……。」
 ふらりと歩む足は軽やかに、炎に取り巻かれたまま歩み出し、
「もっと食べたくなりました。」
「……ふざけるな!」
 楽しそうな声に叫び返したアリステルの炎に包まれながらも、その歩みを止めることはなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
墓地に咲く白百合は、死者から生者への挨拶であり、無実の死者の復讐を告げるのだとか…
きっと、貴女に相応しい花なのでしょうね

…蒼白き死と黄泉の獣が、貴女を今一度冥府へと送りましょう

◆行動
<真の姿を開放>

【罠使い】として持ち込んだ複数の「魔法で敵を識別するサーメート」を【衝撃波】に乗せて投射し【範囲攻撃】

投射後は『涅槃寂静』にて【範囲攻撃】する「死」属性の「濃霧」を行使

加えて私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

各種【範囲攻撃】のつるべ打ちです
貴女がどれ程の狂信者を飼おうとも、貴女も含め殲滅し尽くしてみせましょう

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


ヘルガ・リープフラウ
先刻の黒い女は精神を啜り
目の前の白い女は肉体を食らう
彼女たちにとって、人間はただの餌に過ぎないというの
これまで一体何人の人が、彼女たちの犠牲になったというの

恐ろしい
悍ましい
忌まわしい
この世界ではありふれたことと分かっていても
「混じりけのない純粋な狂気」に
恐怖と嫌悪を感じずにはいられない

これ以上誰も犠牲になどさせない
わたくし自身もおとなしくやられはしない

麻痺毒は毒耐性、激痛耐性、オーラ防御で抵抗
再び歌うは【怒りの日】
禍々しき亡霊よ去れ
浄化の光よ、魔を打ち破れ
(除霊+浄化+破魔)

死せる犠牲者に今ひとたびの慰めを
人の生き血を啜る度し難き悪意に神罰を
そして……いつの日かこの世界に救済を……



「墓地に咲く白百合は、死者から生者への挨拶であり、無実の死者の復讐を告げるのだとか……。」
 霧島の呟きに足を止める女性。
 白いヴェールに刺さる白百合を揺らし、霧島の方へと笑みを浮かべ、
「あら、そのような意味があるのね?」
「そう聞きました。……きっと、貴女に相応しい花なのでしょうね。」
「ええ、私も大好きです。」
 自身に喰われた者たちから、復讐を望まれている……女性はそれを理解できているのかいないのか、ふわりとした笑みが崩れない。
「……恐ろしい、悍ましい、忌まわしい。」
 その問答を見ていた、ヘルガの言葉が恐怖と嫌悪に震える。
 この宵闇の世界ではありふれたことと分かっていても、
「混じりけのない純粋な狂気が、これほどとは……。」
「ふふ……ですが、そのようなものに立ち向かうのも、今回が初めてではないでしょう?」
 蒼白いローブの下から問いかける霧島の口元が笑みの形へと変わる。
 皮肉めいた言葉だが、目の前の女性よりははるかに人間らしい問いに、
「……ええ、その通りです。参りましょう。」
 ヘルガも意を決し、女性と対峙していった。

「あの子たちは美しいですね。」
 二人を前に、女性は笑みを崩さずに呟いている。
 その影からは、骸骨がカタカタといくつも起き上がり、
「きっと、美味しいに違いありません。」
 骸骨たちは呟く女性へと人を差しだそうと、猟兵達へと向かってくる。
「先刻の黒い女は精神を啜り、目の前の白い女は肉体を食らう。……彼女たちにとって、人間はただの餌に過ぎないというのですか?」
「そうなのでしょうね。ただ……易々と餌となる気は毛頭ありません。」
 ヘルガの周囲に光が浮かび上がる中、前に立つ霧島が放り投げる爆薬が炎を噴き上げる。
 異端の神と化した霧島の手から放たれる衝撃波に操られ、炎は骸骨を舐めるように焼き払っていった。
「蒼白き死と黄泉の獣が、貴女を今一度冥府へと送りましょう。貴女がどれ程の狂信者を飼おうとも、」
 さらに向けられた白い手から放たれるのは、死の安寧へと導く深い霧。
「貴女も含め、殲滅し尽くしてみせましょう。」
「……あの骸も、犠牲になった方々なのですね。」
 崩れゆく骸骨たちを、憐みの目で見つめていたヘルガ。
 信ずる神へと願うのは、
「死せる犠牲者に、今ひとたびの慰めを。そして、」
 周囲に漂う光が骸骨と、その後ろに立つ女性を包み込む。
「人の生き血を啜る、度し難き悪意に……神罰を。」
「……あらあら。」
 崩れた骸骨が白い粉へと変わるほどの浄化の光の中から、少しの困惑の混ざる女性の呟きが響く。
 そこへ霧島が飛び込み、手にした大鎌を横薙ぎに振るった。
「……ここまで手ごたえがないとは。」
「ふふ……。」
 女性の笑みごと斬り裂いたはずの大鎌は、まるで空気を切り裂いたようにあっけなく。
 悪い予感に飛び退る霧島の足へと、女性の居た場所から湧き出す骸骨の手が伸びる。
「全く、前の黒い方もそうでしたが……悪霊と言った方が正しそうですね。」
「とても、活きの良い方々です。気に入りました。」
 皮肉の篭もる言葉にも動じることなく返される、柔らかな声。
 光が消えた後も、女性は変わらぬ笑みを浮かべていた。
「……禍々しき亡霊よ、去れ!」
 そんな女性の姿をかき消すように、ヘルガは浄化の光で包みこむ。
「浄化の光よ、魔を打ち破れ! ……いつの日か、この世界に救済をもたらさん。」
 渾身の祈りの中……クスクスと楽し気な笑みが響く。
 ヘルガがそちらへと目を向けた時、変わらぬ笑みを浮かべる女性の体がうっすらと透けて見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナギ・ヌドゥー
オレが美味そう?正気か?
そんな事を言われたのは初めてだ
……何故か分からんがオレもアンタに喰われたい気分だ、味見してみるかい?

喰らい付かれると同時に体に巻いておいた武器・邪絞帯を作動し【捕縛】
美味いか?この猛毒仕込みの肉体は【毒使い】
【毒耐性】にて長き時間をかけ馴染ませた血肉だ
こんな血を好んで啜る奴などこの呪獣くらいだと思っていたよ

抱きしめて【呪詛】を直接流し込む
穢れた毒と呪いを吸い出してくれ
替わりにオレはアンタの生命を吸ってやる【生命力吸収】

自身から流れ出る血をソウルトーチャーに啜らせUC発動
コイツももう我慢が出来ないそうだ
アンタの臓腑はきっととても美しいのだろう
全部ブチまけて見せてくれ!



「むぅ……お腹が空いてしまいました。」
 唇を尖らせて呟く、女性の背後が透けて見える。
 その視線は一番近くにいたナギへと向き、
「あなたの身体、引き締まっていて美味しそうですね?」
「……オレが美味そう? 正気か?」
 握りしめる自分の手……人体改造の末に人を超えた力を持つ手を見つめながら呟くナギ。
 しかし、女性の表情は蕩けそうな笑みのまま、
「ええ、あなたです。」
「そんな事を言われたのは初めてだ。」
「ふふ……ほかの方は、見る目がないのでしょう。」
 ゆっくりと近づくナギに、女性もそのまま歩み寄っていく。
「……何故か分からんが、オレもアンタに喰われたい気分だ。味見してみるかい?」
 抱きとめるように腕を広げるナギ。
 その胸へと女性は飛び込み、
「ええ……もちろん。」
 女性は口を開け、肩に喰らいついた。

「……ぐ、うぅ!?」
 肩の肉を口に入れた途端に苦しむ女性。
「あ、なた、は……!」
「美味いか? この猛毒仕込みの肉体は。」
 女性の身体にナギの体に巻かれている包帯が絡みつく。
 口を離そうとする女性に、さらに傷口を押し付け……体に染み込んだ毒と呪詛の溶け込む血を飲ませていく。
「穢れた毒と呪いを吸い出してくれ。替わりにオレは、アンタの生命を吸ってやる。」
「む、ぐぅう!?」
 女性の背に回した手が肉に食い込み、その血から生命力を吸い上げる。
 新鮮な血の臭いに呪獣、ソウルトーチャーも美味そうに両者の流れ出す血を啜り上げていた。
「ぷはっ! あ、あなたは……、」
「不味いって? だろうな。こんな血を好んで啜る奴など、この呪獣くらいだ。」
 女性の拘束が解かれ、見上げた瞳に映るのはナギの暗い笑み。
 しかし、それもすぐに、大口を開けたソウルトーチャーが覆いつくす。
「コイツも血だけでは満足できないそうだ。」
 白い百合の花が散っていく。
 喰らいつかれ、その身を奪われ、
「ああ……私、を、」
「アンタの臓腑は、きっととても美しいのだろう。」
 大鉈が女性に振り下ろされる。
 それは腹を裂き、内に詰まるピンクの臓腑が広がった。
「全部ブチまけて見せてくれ!」
「……あは。」
 女性が笑みを浮かべたかと思えば、組み敷くソウルトーチャーの下からするりと起き上がる。
 その身は元の傷一つない姿のままで、存在が希薄になったように透けていて、
「食べられるというのも、たまにはいいですね。」
「……まだ動けるか。」
 ソウルトーチャーに飛び掛かられながらも笑みは崩さずに、
「ええ、まだ私の餓えは……満たされていませんもの。」

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
過度なグロ×
POW

ごきげんよう、吸血鬼様。
私は雑種のドゥルールと申します

酷いお怪我ですね……
よろしければ、私の血肉をお召し上がり下さい

愛欲が力の源である私は
魅了されると逆に【気合い】が漲り
彼女の歯が食い込む度に【激痛耐性】で甘い声を上げる

やがて力尽きるも『永劫火生』で強化復活!
真の姿で背中に黒炎の翼。
守護霊の【ドーピング】で更に強化!

私は不死身。おかわり自由ですよ♪

【呪詛・マヒ攻撃】を宿す私の血肉を食べた彼女は
全身の自由が利かなくなる

さあ、今度は私に貴女を味わわせて下さい。
そして永遠になりましょう……♥

【怪力】で抱きしめ
濃厚なキスと愛撫による【慰め・生命力吸収】で
彼女の全身を味わい尽くす



「あぁ……私を満たす方は……。」
 床に倒れ、存在が希薄になっている女性。
 コツ、と近くに降り立つ足音に顔を上げると、黒髪の女性の姿があった。
「ごきげんよう、吸血鬼様。私は、雑種のドゥルールと申します。」
「あら……。」
 深々と礼をし、女性の手を取るドゥルール。
 すっかり薄れ、幽霊のようになった手に目を落とし、
「酷いお怪我だったのですね……。」
「ふふ……少し、失いすぎました。」
「……もしよろしければ、」
 力なく笑う女性の手を引き、ドゥルールはその体を抱き上げ、
「私の血肉をお召し上がり下さい。」
「あら……。」
 ドゥルールの体を掴む手に力が篭もる。
 今にも涎を垂らしそうなほどの無邪気な笑みは、まるでご馳走を前にした子供のようで、
「あなたの身体……とっても柔らかくて、」
 赤く開いた口が、ドゥルールの白い肩へと喰らいつく。
「ぐぅ……ふ、ふふふ。」
「美味しい……本当に、」
 蕩けた笑みが戻り、その口がドゥルールの肉を噛み千切っていく。
「はぁ……好きなだけ、お召し上がりくださ、いぃん!」
 その身が骨に変わる中……ドゥルールもまた、恍惚の声と共に笑みを浮かべていた。
 しかしそれも、ゴギリと首を食いちぎるまで……。

「あら……?」
 地に落ちた蕩けた表情のドゥルールの生首を抱え上げたのは、すべて元通りになったドゥルールだった。
「私は不死身。おかわり自由ですよ♪」
「あなた……本当に、素晴らしいわ。」
 女性は受け取った首を、まるでリンゴを齧るかのように食らいつく。
 その口元から垂れる血をドゥルールは啜りあげ、赤く染まる口元を軽く拭い、
「さあ……今度は私に、貴女を味わわせて下さい。」
「あなたも、食べたいのかしら?」
「ふふ……あいにく、私はお腹は空いておりません。」
「ではんぅう!?」
 女性の口をドゥルールの唇が塞ぐ。
 その口が離れた時、辺りには血の濃密な香りが立ち込め、
「私がいただくのは、こちらです。」
「あぁ……そんな、」
 全身を這うドゥルールの手から逃れようと身を捩るが、食べていたドゥルールの身体に沁み込んだ呪詛に体が蝕まれていた。
「い、やぁ……。」
「私と一緒に……永遠に、なりましょう?」
 あとには、吐息と血の絡み合う二つの肉体だけがあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎



なんか俺を見る目が怖いのですが…どちらにしろ倒すことに変わりないので問題ないっす
真の姿開放して純白のドレス姿になり誘惑技能が無自覚に強化(誘惑技能144)
美貌を披露した…ねぇ?
生憎好きな人が居るんで披露されてもね?
と、言うか…何でうっとりとこっち見ているのかな?(汗)

選択UCを起動して相手がフラフラとこっちに近づいて来たが、気づけば相手の後ろに立っている
その後相手から鮮血と同時に雷撃が迸り焼いていく

余りにも無防備に技を受けたので警戒して振り向くと、攻撃を受けながらも恍惚とした表情で俺を見る相手

いけず…って、なんで嬉しそうなんだこの人…?
UC無自覚の使役術の影響で使役獣化させます



「……えーと、終わったっすか?」
 久遠が顔を出した時、女性は一人で佇んでいた。
 その声に顔を上げると、変わらぬ蕩けた笑みを浮かべ、
「ふ、ふふふ……ええ、終わりました。」
「な、なんか俺を見る目が怖い……っす、よ?」
「あら……なんの事かしら。」
 ひた、ひた、と歩み寄ってくる女性に対し、ナイフを引き抜きつつ身を翻し、
「あら、これは……可愛らしい。」
 真の姿を現し、純白の衣装に身を包んだ久遠を、女性はうっとりと見つめていた。
「可愛らしいって……。」
「ふふ……食べちゃいたいくらいね。」
 頬を染め、片頬に手を当てながらふらふらと歩み寄ってくる様は、一般の男性であれば愛らしいと感じただろう。
 しかし、生憎と久遠は女性で、そういう趣味はなかった。
「つかまえ……あら?」
 女性が手を伸ばした時、目の前にいたはずの久遠の姿が消えていた。
「……遅いっすよ。」
「く、ああ!?」
 紫電を纏った雷光のごとき一閃が女性の胴を斬り裂き、久遠の姿は女性の背後にあった。
 しかし、無防備に背を向けている女性に警戒しながらナイフを構え、
「こう……後ろに大きな口があって喰らいついてくるとかじゃないっすよね。」
「ふ、ふふふ……。」
 肩を震わせて笑う様に思わず久遠が飛び退ると、女性はくるりと振り向き、
「逃げる事ないのですのに……罪なお方。」
 久遠を見つめる目は、まるで恋をする乙女のようで。
「ちょ、何でそうなるんすか!?」
「あぁん、そんなことおっしゃるなんて……いけずな方。」
 ふらりと歩み寄るかと思えば、ポンと煙に包まれ……白い猫のような獣へと変わり、久遠の足に身を寄せていた。
「え、えっと……何で俺に。」
 ゴロゴロと喉を鳴らす獣を抱え上げると、村人たちが目を覚ましていくのが見えた。
「……顔を合わせる訳にはいかないっす。」
 事件を起こした首謀者を抱え、久遠は村人たちに会わないように駆け出した。

 夢の中で幸せな生活を送っていた村人たちが目を覚ます。
 微かに覚えているのは、甘い百合の香りだけで……どんな夢かは覚えていない。
 彼らの記憶には何も残っていないが……そんな彼らの命を、猟兵達は確かに守ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月14日
宿敵 『久遠の悪夢・黒き美夜』 『純白のリリィ』 を撃破!


挿絵イラスト