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夢誘いの紫陽花迷宮(作者 真魚
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●紫陽花の路
 曇天の空の下、紫陽花が咲いている。
 赤紫、青紫、青に白に桃色に。とりどりの色した紫陽花は、どこまでも――どこまでも広がっていて。
 揺蕩うような花の群れ、立ち込めるは夢色の霧。それは訪れる者を包み込み、優しく優しく夢へと誘うだろう。
 幸せな夢が、見られるだろう。しかしそれに蕩ける者を、狙う影がある。
 馬の如き体躯に、炎のたてがみ。立派な角が天を向き、牙剥く口で嘶くのだ。
 伝承の麒麟のような、幻想的な姿。骸魂取り込んだオブリビオン達は、ただ静かに獲物を待っていた。

●夢誘いの世界へ
「新しい世界――カクリヨファンタズムで、紫陽花が大量発生してるんだ。解決してきてくれるか?」
 求めに応じ集まる猟兵達へ、助かると笑み向けて。クロード・ロラン(黒狼の狩人・f00390)は、視得た出来事を語っていく。
「この紫陽花の大量発生は、オブリビオンの仕業だと思う。こいつは幽世を埋め尽くして、迷宮を作り出しているんだ」
 そしてその中に、幾頭もの麒麟――オブリビオンの姿も確認されている。彼らは周囲を飛び交う無数の骸魂が妖怪を飲み込んだもので、放置すればどんどん増えて行ってしまうだろう。
 阻止するには、これらを倒しながら先に進み、事件を起こしたボスオブリビオンを見つけ出し撃破する必要があるのだと、黒衣のグリモア猟兵は説明した。
「迷宮は道なりにしか進めねえようになってるんだけど、麒麟を倒しながら進めばきっと終着点に辿り着くだろう。ただ――その前に、厄介な罠があって」
 紫陽花の中を漂う、夢色の霧。それは触れる者に必ず『ありえないほどに満たされた、蕩けるように幸せな夢』を見せるのだと言う。
「その人なりの幸せを見せるだろうから、内容は一概には言えねえけど……うっかりすると抜け出せなくなる、危険なものであることは確かだ」
 おいしいものをたくさん食べる、なんてささやかな幸せを見る者もいるだろう。会いたいと願う人に会える者、叶えたい想いが成就した世界を見る者――その夢はきっと、猟兵達の『願望』を映し出すのだ。
 少し浸るくらいならいいけれど、麒麟に見つかれば無防備なままやられてしまう。そうなる前に何とか抜け出してくれと、クロードは猟兵達を見回し告げた。
「カクリヨファンタズムのオブリビオンは、骸魂が妖怪を飲み込んで変身したものだ。倒せば飲み込まれた妖怪は助けられる。麒麟も、ボスも、それは変わらない」
 世界を元に戻すため、妖怪達を救うため。どうか己の願望に打ち勝ち、紫陽花の迷路を攻略してほしい。そう語った黒狼の少年は、掌のグリモアを起動する。
 美しい紫陽花と、魅惑的な夢見せる霧。それがどんなに困難でも、お前達なら大丈夫だろ――信頼の言葉を紡ぎながら、クロードは猟兵達を新たな世界へと送り出した。





第3章 ボス戦 『口寄せの篝火』

POW ●甘美な夢現
【対象が魅力的と感じる声で囁く言霊】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象の精神と肉体を浸食する炎】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD ●怨嗟の輩
【吐き出した妖怪の亡霊】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ ●蠱惑の怨火
レベル×1個の【口や目】の形をした【魅了効果と狂気属性】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシエル・マリアージュです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●篝火は雨に濡れても
 襲い来る麒麟達を撃破し、猟兵達は迷宮の奥目指して進んでいく。
 永遠に続くかと思われる、紫陽花の路。いつしか天からは雫が落ち、紫陽花がぽつぽつ雨に濡れ始めた――その時、迷路は突然終わった。
 そこはひとつの部屋程度に、開けた場所。今しがた進んできた路以外は、紫陽花が奇妙なほど生育し、壁を形作っている。
 そのただ中に、ぽつんと立つ人影がひとつ。
 白い着物に黒髪おかっぱ、東方妖怪だろうか。少女の姿するそれは、しかし目を閉じ微動だにしない。代わりに蠢いているのは、少女の足元の赤い物体だ。
 ぼう、ぼうと篝火を放つ赤い球。猟兵達は直感する、こちらこそが撃破対象だと。
 ゆらゆら揺れる不気味な炎は雨でも構わずそこに浮かんでいて、ただ燃やすためだけのものには見えない。もしかしたら先の霧のように、幻影を見せてくるかもしれない。
 油断ならないオブリビオンだけれど、これを倒せば妖怪達を掬うことができるし、この世界のカタストロフも止められる。為すべきことを反芻し、猟兵達は篝火のオブリビオンと対峙する。その肩を叩く雨が、戦闘開始を告げるようにまた強くなった。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺(本体)の二刀流

目やら口がたくさんあるからどこまで効果があるかわからんが。
雨音に紛れ存在感を消し目立たない様に死角に回り、可能な限りマヒ攻撃を乗せた暗殺のUC剣刃一閃で攻撃。
言霊自体は回避は難しいだろうな。呪詛・火炎耐性で耐えきれるかどうか。

迷うならやめてもいいと、霧の中の人物だと思われる声が聞こえる。
…それはだめだ。俺自身が生まれたのは「誰が為に」だから、迷っても歩き続けないと。戦わないと。

敵の物理攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。それでも喰らってしまうものはオーラ防御、激痛耐性で耐える。



 雨に濡れる銀の前髪を払いながら、瑞樹はオブリビオンを見据える。
 ぎょろりと動く目と、ガチガチ歯を鳴らす口。敵のそれは不気味な赤い球体のあちこちに浮かび上がっていて、どれが本物か――どれもが本物なのか、見ただけではわからない。
(「どこまで効果があるかわからんが」)
 警戒しつつも、ナイフのヤドリガミは濡れた地面を滑るように移動した。足音は雨降る音でかき消して、気配すらも雫に紛れさせれば、球体の目が彼を探してぎょろりぎょろり。その動きが、瑞樹を発見して一点に止まらないうちに――右手の『胡』を振り上げて、彼はユーベルコードを発動する。
「……っ!」
 呼吸と共に、剣刃一閃。複数並ぶ目をなぞるように薙げば、敵は篝火をぽっぽっと吐いて叫んだ。
『――!!』
 伸びる蔦のような部位が、もごもご蠢く。すぐに反撃がくると直感した瑞樹は、とんと地を蹴り距離置いて、水溜まりにも構わず着地する。
 瞬間、脳裏に直接響くような声。くるとわかって備えていても、その声は甘やかに瑞樹の心を撫でてくる。
 ――迷うなら、やめていいんだと。その声の主はきっと、先の霧の中で見た人物だ。
 けれど瑞樹はかぶりを振って、その誘いを跳ね除ける。
「……それはだめだ。俺自身が生まれたのは「誰が為に」だから、迷っても歩き続けないと。戦わないと」
 紡ぐ言葉は彼の決意。そのままヤドリガミの青年は身を屈め、刃の黒いナイフ――『彼自身』を握り締め、弾けるように跳んだ。
 球体が、赤い炎を放ってくる。真っ直ぐに飛んでくるそれは、避けることも容易いだろう。けれど瑞樹は敢えて速度落とさず距離を詰め、燃え盛る炎が眼前に迫るところで『黒鵺』使って叩き落した。
『――!』
 オブリビオンが瞳を見開く、それは決定的な隙。振り切った左手をくるりと返し、戻す動きを力に乗せて。
 瑞樹が振るった黒刃は、赤い球体に深々と突き刺さった。
大成功 🔵🔵🔵

リダン・ムグルエギ(サポート)
「餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね
「お、今の映えるわね!ヒュー

キマフュ特有のノリの服飾師

見た人の五感を狂わす「催眠模様」の入り衣装を作って配る事で
仲間や一般人の防御底上げと敵の妨害を実施したり
依頼に即したなんらかのブームを生むことで敵に特定の行動を躊躇させたり
等を得意とする
「戦闘開始前に自分のやるべき仕事の準備を終えている」事が多い純支援キャラ

依頼本編では戦いの様子等を撮影・配信したり
キャーキャー逃げたり
合いの手を入れてたりしています
単独戦闘には不向き

ミシンや針、布等も所持
その場で他依頼参加者に合わせ衣装アレンジも

MSのセンスで自由に動かしてOK
エロだけは厳禁


アーレ・イーナ(サポート)
 サイボーグの戦場傭兵×咎人殺し、20歳の女です。
 普段の口調は「ボクっ娘(ボク、~君、~さん、だね、だよ、~かい?)」、敵には「冷酷(私、てめぇ、だ、だな、だろう、なのか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


エウトティア・ナトゥア(サポート)
※アドリブ・連携歓迎

負け描写、引き立て役OK

キャラを一言で言えば、なんちゃって部族じゃよ。
精霊と祖霊を信仰する部族の巫女をしておる。
自然が好きなお転婆娘じゃ。
あとお肉が大好きじゃよ

活発で単純な性格で事の善悪にはあまり興味はないのう。
自分とその周囲の安寧の為、オブリビオンが害になるから戦っておる。

専ら【巨狼マニトゥ】に騎乗していて、移動や回避・近接戦闘等は狼任せじゃよ。

ボス戦時は、動物や精霊を召喚しての行動(実は未熟ゆえ精霊や動物たちにフォローされている)で数で対抗しつつ、自身は後方で弓矢や術で援護するスタイルじゃ。



 猟兵の攻撃受けて仰け反る敵を前に、リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は周囲の仲間を見回した。
(「アタシの仕事は、今のうちに……」)
 思いながら、近付く先には白い巨狼を従えるキマイラの少女。彼女――エウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)が頭の猫耳をぴんと立ててこちらを見れば、リダンは緩やかに笑って一着の服を取り出した。
「あなた、これを着ていくといいわ」
「ほう、これはなんじゃ?」
 紅い瞳を瞬かせるエウトティアに、手早く纏わせるのは催眠模様入りの服。『GOATia』というブランドのタグついたその服は、見る者の五感を狂わすのだとリダンは言う。
 それはつまり、敵の攻撃を阻害することになり、ひいては猟兵達の身を守る防具となる。
「雨が降っているから、防水加工もしておくわ。……あなたもどうぞ」
「えっ、ボク?」
 デザイナーである彼女が次に手招きしたのは、アーレ・イーナ(機械化歩兵・f17281)だ。きょとんとしながらやってくる彼女の体に軽く触れて、リダンは携帯していた裁縫道具を取り出す。アーレはサイボーグで、身体の様々な部位が機械に置き換わっている。その動きを阻害しないよう仕立て直すのだって、彼女の手ならば一瞬のこと。
「さ、できたわ。餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね」
 二人に服着せ、にこりと笑顔。送り出すリダンは、前線に出るのは苦手なのだと言う。
 それが、彼女の戦い方なのだ。理解したアーレは笑顔を浮かべ、ぴょんと飛び跳ね頭を下げた。
「わかったよ、動きやすい服をありがとう!」
 そしてそのまま、敵へと駆け出す。手には処刑具、骸魂を断罪する武器。降りしきる雨にも構わず疾駆して、懐に潜り込むやいなやその手を揮った。
「いくぜ!」
 先程までのボーイッシュな雰囲気とは打って変わって、敵を見据える茶の瞳は冷酷に。渾身の一撃は赤い球体を深く傷つけ、その力を奪っていく。
『――!!』
 球体が大きく震え、伴う東方妖怪の体も揺れる。しかし反撃繰り出そうと動く複数の目は、アーレが纏う催眠模様に釘付けになった。
 その隙に、エウトティアが動く。巨狼マニトゥにひらりと飛び乗り、『ノアの長杖』を翳して声を張り上げる。
「精霊よ! 幻想のおもむくままに歌え!」
 凛と響く声に、風が巻き起こる。それは周囲の雨を巻き込むように渦起こし、水の竜巻を作り出して。
 咆哮するマニトゥ、敵に迫る竜巻。それは雨にも消えない篝火を一瞬で消し去るほどの威力を持っていて。
「お、今の映えるわね! ヒュー」
 歓声上げるリダンは、その戦いを応援している。決して仲間の足手まといにはならぬよう、後方で、敵の炎を的確に避けながら。
 敵を処刑するサイボーグの女性、雨に負けぬ苛烈さで緑縞瑪瑙の矢を降らせるキマイラの少女。二人の奮闘は、それを見守る宇宙山羊族の女性の撮った動画の中にしっかりと記録されるのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴