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にゃん!ニャン!Nyan!

#UDCアース

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#UDCアース


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●尋ね猫
 都会から僅かに離れた、とある村。山を越え、川を越え、けれど谷は越えず。
 長閑な風景が広がる村の住人の傍らには、何らかの愛玩動物、ペットがいた。
 ―犬、兎、鳥、鼠、亀、蜥蜴。中でも群を抜いて多かったのは、猫だった。気高く、気まぐれに、傲慢に。しかし、甘えたい時はしっかりと甘える。
 飴と鞭をうまく使い分ける猫の姿が、この村の住人には刺さったに違いない。兎に角、前後左右、何処を見ても猫の姿が認められる、そんな村だった。

『おーい、コトラー!何処だー?』
 辺りをきょろきょろ見回しながら、何かを探す少年の姿が一つ。…いや、よくよく周りを見回せば、往く道を細部まで見る人や、垣根の中を探す人の姿がちらほらと。
 数日前から、村の動物…、何匹もの猫の姿が掻き消える事件が起こっていた。彼らがふらりと気まぐれに散歩に出るのは何時もの事。けれども、必ず家には戻ってきた。
 最初は、ただ遊びに夢中になっており、そのうちに戻ってくるだろうと思っていた。しかし、猫が行方不明になる件数が一件、また一件と増えるうちに、さすがの村人も何かがおかしいと感じたよう。
 これは何かの陰謀か、はたまた。
 何処か遠くで、猫の鳴き声が聞こえた―気がした。

●狐はイヌ科
「はろはろー。忙しい所ごめんねー?」
 猫パペットの手を振りながら、セツナ・トゥイーディア(燐光スターダスト・f02091)はぴこぴこと藤紫の耳を揺らす。
「えっとねー、UDCアースで動物…、っていうか、猫が居なくなる事件が起きてるんだってー」
 いそいそと手から猫パペットを抜き取り、セツナは続ける。
 住人のほとんどが何かしらの動物を飼っているのだが、ここ数日のうちに猫だけがいなくなっているらしい。もちろん、飼い主は村中を探し回ったのだけれど、その姿は一向に見つからず。
「UDCアースって言うと、邪神を復活させようと変な儀式をする世界でしょ?なんかあるんじゃないかと思って」
 ちょっとした偏見が感じられるが、いなくなった猫を贄にしようとする存在が居てもおかしくはない。
「それに、猫たちに何かあったら飼い主さんたちが悲しんじゃうし。それだけはちょっといただけないかなーって」
 だから、この事件を解決に導いてほしい。集った猟兵の顔を真っ直ぐに見つめながら、セツナはぺこりと頭を下げる。
「猫探し、大変だと思うけど…。あなたたちなら任せられるの。…誰も悲しむことが無いよう、頑張って」


幽灯
 幽灯(ゆうひ)と申します。
 今回はUDCアースで🐈を探すお話です。
 ちなみに狐はイヌ科だという事を初めて知りました。

 ●1章
 行方不明の猫の居場所を探してください。
 もしかしたら、何かに呼び寄せられるようにふらふらしている猫が居たり、何らかの痕跡が残っているかもしれません。

 ●2章
 猫が集った場所で猫を探します。
 方法はお任せします。

 ●3章
 元凶との対面です。

 ご一緒する方は「お名前」か「ID」、旅団で参加する場合は「旅団名」を記載してください。

 それでは、良き冒険となりますよう。
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第1章 冒険 『迷子の迷子の子猫ちゃん』

POW   :    体力の続く限り探し回る

SPD   :    小動物を追い掛け、行き先を探る

WIZ   :    状況から居場所を推理する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ねこねこパラダイス
 猟兵たちが村を通ると、あちこちで猫の姿を確認する事が出来た。確認出来るだけでも相当の数の猫がいるよう。
 そもそも、猫とは気まぐれな生き物である。今回の事件も、もしかしたら杞憂に終われば…、とも思ったが、よくよく村を歩き回ると、あちこちに貼られているのは”うちの猫を知りませんか”といった類いの張り紙だ。
 其れは一つに留まらず、いろいろな人が出しているようだった。こうなると、猫がいなくなったというのは真実なのだと思い知らされる。
 果たして、猫は何処に行ってしまったのか。
 猟兵たちは、僅かな手掛かりを探し、村へと散るのだった。
ロバート・ブレイズ
「猫探しは探偵に任せるべきだが、我々探索者も似たような存在。故、全霊を持って救済に向かう」
【SPD】または【WIZ】にて判定。MS様に任せます
屈強な肉体からは想定し難い足で他の猫を追跡する
何匹かに絞って『行き先』を探り、情報収集を行う
痕跡を発見した場合はスマートフォンで他の猟兵の伝達
影の追跡者を召喚し自身とは別の猫を追跡させる
「温かい場所が怪しいな。猫が在る場所を特定し、速やかかつ慎重に。彼等は高貴かつ気紛れな生き物だ」
猫が好きなので真剣な表情
此処まで失せ物探しに協力的なのは久方振りに違いない


ニコライ・ヤマモト
【SPD】小動物の様子や狭い道に残る痕跡を追う
(普段は冷静な傭兵然とした男、心ここに在らずという様子。自分でも分からず、ポケットの中で猫の首輪を握りしめ)

猫が…里の動物の中では捕食者側である彼らが一所に集まるということは…。えー…、恐らく、ネズミや小鳥はそこから逃げるのではないか。
猫はもちろん小動物の足跡や抜けた毛や羽根に注意しつつ調査。
猫を見つけられたら「追跡、忍び足、目立たない」で後を追い、必要があれば「ダッシュ」で追いつく。
情報は積極的に共有。

…呼んでくれる家族が居るのだから、帰らなくてはならんだろう。
愛玩といえど、彼らにも意志はあるのだから。それがヒトに伝わるかどうかは別として、だ。



 居なくなった猫を探すという、一見オブリビオンが関わっているとは言い難い事件であるが、世の中何があるか分からない。
「猫探しは探偵に任せるべきだが、我々探索者も似たような存在。故、全霊を持って救済に向かう」
 鋭い眼光を光らせるロバート・ブレイズ(冒涜翁・f00135)は周囲に視線を巡らせながらも、動物が怖がらないよう、努めて気配を希薄にする。…密かに猫が好きなので、避けられてしまっては、さすがに傷付く。
 虚空を見つめながら、何処かぼんやりとしたような、思いつめたような表情を浮かべるニコライ・ヤマモト(郷愁・f11619)は、知らずのうちに、ポケットに忍ばせている猫の首輪を強く強く握りしめた。
「…呼んでくれる家族が居るのだから、帰らなくてはならんだろう」
 其れは遠い記憶。己の頭を撫ぜる優しい手と、柔らかな笑顔を、それから…。
 はっとしたように、ニコライが被りを振る。今は己の過去を振り返っている場合ではないと、言わんばかりに。

「猫が…里の動物の中では捕食者側である彼らが一所に集まるということは…」
 ニコライが自身の考えを零す。
「えー…、恐らく、ネズミや小鳥はそこから逃げるのではないか」
 其れに被せるよう、ロバートも自身の考えを告げた。猫が好きな物。其れは。
「温かい場所が怪しいな。猫が在る場所を特定し、速やかかつ慎重に。彼等は高貴かつ気紛れな生き物だ」
 二人は顔を見合わせると、大きく頷き、周囲の探索を始める。
 念のために、ロバートが己の影を召喚し、何処かへ行こうとする猫を追跡させる。この猫が、目的の場所へ移動してくれるなら願ったり叶ったりである。
 周囲を注意深く観察し、やがてニコライが地面に残った小動物の足跡を発見する。其れは、ある場所から大量に発生しており、散っていた。其の情報を、ロバートがスマートフォンを起動し、細かにメモに残し、これから来るであろう猟兵へと伝達する。
 その時、ふらりと一匹の猫が村から出ていくのが見えた。何処か虚ろな瞳をした其の猫は、迷うことなくまっすぐと村の奥にある林へと向かっていた。
 同時、ロバートの影も追っていた猫が林の奥へと消えるのを見た、と伝達する。
 果たして、この先には何があるのか。今は進み、真相を暴くのみである。


 

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

十六夜・月
「にゃんこ~ どこにいるんだ~ にゃんこ~」
技能である第六感だけでネコを探します。何も情報が
ない以上、苦戦することは仕方ないなと思いつつも、
体力が続く限り探し続ける決心をしています。



 同時刻。きょろきょろ周囲を見回す十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)の姿があった。
「にゃんこー、どこにいるんだー。にゃんこやーい」
 ぴくり、と周囲で日向ぼっこをしていた猫が小さく耳を動かした。此処は多くの猫が存在する村。つまり、何処を見ても猫の姿が認められた。
 そんなに広くない村である。己の第六感を信じながら、月は村の中に情報となるものが無いか探す事にした。
 建物の影や木の陰。はたまた猫が集っていそうな場所を探し、ひたすらに歩き回る。
 途中、何処かにふらりと赴く猫の姿があり、そっと後を着いていくが、たどり着いたのは、其の猫の住まいであろう小さな家。中からはおかえり、と声をかける幼い少女の声が響いた。
「んー。なかなかいないなー。どこに居るんだろう、にゃんこ」
 
 その後も、村を歩き回るが、特に収穫は得られなかった。
 ―と、月の視界の隅に、ふらふらと村を出ていく猫の姿が映った。
 此れは何かある。己の直感を信じ、月はその後を追うのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

フイ・フイ
猫の捜索? なら行くしかないね。実は私、猫好きなんだよね。

と、やって来たものの。うーん、どうしたものか。
……地道に現地調査といきますか。

じゃあさっそく現地の猫ちゃんを調査して回るとしよう。
スマホで撮影したり、撫でたり、抱っこしたり……ふふふ、癒しの光をくらえー。
そんな感じで愛でて回りつつ、猫捜索をしてる村人さんがいたら話を聞いていこう。
「すみません、私、猫で溢れる村があると聞いて来た者なんですが……、ああいえ何も言わないで下さい実は私も猫好きなんです。是非協力させて下さい」
さて気になるのは……そうだなー。
最近村で何か変わった事はなかったか。
村の近辺に建物とか猫の集まりそうな場所がないか、とか?


リィン・エンペリウス
猫がいなくなってるんだ…これはビーストマスターとして見過ごせない事件だね。

うん、まずは手掛かりを集めないとだね。
まずは獣奏器の【楽器演奏】を使って周囲にいる動物を呼んでみようかな。
集まってくれた【動物と話す】ことで色々【情報収集】していこうか。集まってくれた子の中でどこに猫がいるか知っている子がいるといいんだけどね。
集めた情報と集まってくれた動物達、それと猫が声をだしているかもしれないので【聞き耳】と【救助活動】で周囲を探してみようか。

あ、もし一緒に探してくれるって同行者がいたら一緒に探すのも効率よさそうだね。一緒に来る人はいるかな?



陽は、頭上の一番高い位置へと昇っていた。―そんな、昼頃。食事の頃合いだからだろうか。飼い主の元へ一度戻ったのか、外で過ごす猫の数は目に見えて減っていた。
 しかし、早々と日当たりの良いスポットへ戻った猫もいるようで、ぽかぽかと日向ぼっこへと勤しむ姿も。そんな猫の様子を、キラキラとした表情で見つめるフイ・フイ(人間の聖女・f08740)と白黒の狐耳をぴこぴこと動かすリィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)の姿。
「うーん、どうしたものか。……地道に現地調査といきますか」
 猫好きなフイは猫が事件に巻き込まれたと聞いて、この村にやってきた一人だ。
「…これはビーストマスターとして見過ごせない事件だね」
 周囲を見渡しながらリィンは手掛かりが無いか目を光らせる。二人は情報を集める為、一度別れる事にする。集合場所と時間を決め、頷いた後、村の中へと散っていった。

 もともと人間に慣れているのだろう。フイが近付いても猫が逃げる事はなかった。其れを好機とみて、そっと黒い靴下模様を持つ白い猫の背を撫ぜる。程よい暖かさが手に伝わり、心がほっこりと癒される。
『…はあ。…何処行っちゃったの、ムギ』
 ふと、しょんぼりとした声が聞こえ、フイが視線を向けると、一人の女性が肩を落としているところだった。彼女も行方不明になった猫の飼い主の一人らしい。
「すみません、私、猫で溢れる村があると聞いて来た者なんですが…。ああいえ何も言わないで下さい。実は私も猫好きなんです。是非協力させて下さい」
 突然の申し出に目を瞬かせる女性だが、相当参っていたのだろう。僅かに迷ったのちに、『お願い、します』との声が聞こえた。

 村にある小さな公園にリィンは来ていた。ゆっくり揺れる猫の尻尾を横目に見ながら、獣奏器を取り出したリィンは大きく息を吐いた後、楽器を奏でる。
 心地よい旋律が周囲に響くと、その音に惹かれたのか猫が一匹、二匹とリィンの傍へと集まってきた。
 演奏が終わると、リィンは猫と目線を合わせ、中でも一番大きな体躯の猫へと話しかける。
「こんにちわ。聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
『何だ人間。俺たちの言葉が分かるのか』
 小さく頷いたリィンは、集まってくれた猫たちへ様々な問いを投げかけていった。

 戻った二人の集めた情報はこうだ。
 曰く、大きく変わった事はない。ただ、村の奥にある林から時折、不気味な唸り声が聞こえるようになった事。
 また、猫たちから聞いた話によると、いなくなった猫たちへ声をかけたのだが、一向に反応がなく、まるで何かに操られているようだった。との事。
 林の奥に、猫を呼び寄せる何かがあるのかもしれない。二人はそう結論をつけ、まだ足を踏み入れていない、うっそうと茂る林の方を見やるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩花・涼
旅団【morgen】で参加だ
猫の行方不明事件か……邪神の復活儀式の生贄などにされていなければいいが…
これを言うとザッフィーロが更に暴走しそうなので言わないでおく
まぁ……猫を無事に助けられたら、飼い主に返すまで抱っこしたり遊びたいな

事前に猫の好きそうなものを用意、猫カフェに行った時に使った猫じゃらしと猫用の煮干を持っておく、3人にもそれぞれ渡しておこう

猫の毛や足跡の痕跡を探して他の3人と情報を共有し、痕跡や怪しい猫を【追跡】しよう
近くに猫を見つけたら、猫じゃらしと煮干で【誘惑】して首に鈴を付けて目印にする
痕跡のある方向に動く猫がいれば、音を頼りに追跡できるしな


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
旅団【morgen】で参加
皆と情報を共有しつつ行動

『聞き耳』をたて猫の鳴き声が聞こえんか耳を澄ませつつ街中を歩く
又、何か怪しい痕跡がないか『失せ物探し』をするよう目を皿にし探ってみよう。…怪我の痕等なければ良いのだが…
『第六感』が働いてくれれば嬉しいが…いや、あの愛らしい生き物が危険に晒されているかような時こそ働くべきだろう、俺の『第六感』は
もし怪しい猫が居たら気付かれぬよう『忍び足』で『追跡』しようと思う
後アネットは心が読めるのか?…いや、連れ帰らんぞ
家族が居るのだからな。…居らんで怪我をしている猫が居たらその、解らんが…な

※猫馬鹿を知られまいと平静を装います…が、多分隠しきれていません


アネット・レインフォール
【―morgen―】で参加

◆心情
ふむ…。そう言えば昔、少し風変りな狐を世話していた事がある…ような気がする。
それは兎も角、猫には様々な逸話があるが神隠しとはな。
――とりあえず、猫のお持ち帰りはするなよ?

◆行動
【POW】

探すにしても大まかな目途はつけたい処だ。
飼い主達に猫の行きそう所や、ここ数日で変わった事がなかったかを聞いて
その付近の痕跡(草木の折れや足跡の有無)を重点的に調べよう。

いくつかの場所には猫の好みそうな煮干を仲間から借りて置き誘い出してみるか。
様子がおかしくても腹は減るだろう…多分。
発見出来れば共有し追跡が得意な仲間へ任せつつ少し距離を開けて尾行

◆他
旅団仲間との連携重視
アドリブ歓迎


キア・レイス
【morgen】と参加する。

いつもとなんだか様子が違うものがいるが…気がつかないふりで態度を変えないのが人情だろう。
にしても猫か、何度かこの世界に来たことはあるがだいたい消えるのは人の場合が多いUDCアースのにしてはある意味珍しい事件だな。
理由があるんだろうか…?

地道に探してみる、装備品のセントリードローンで痕跡や猫を探す、ユーベルコード【スカウトドローン】も呼び出し散開して同様の指示、もちろん猫に攻撃はせず、何かあったら記録させ即座に連絡が来るよう設定する。

自分はそうだな…猫は高い所にいることが多いんだったか?
フックショットを活用し屋根や電柱の上などに登り情報を伝えつつ私も上から探してみる。



 村の入り口にて、数名の男女が話をしていた。今回の事件を聞き、猫を助けたいと集った彼らは、旅団【―morgen―】に所属するメンバーだ。
 村を闊歩する猫の姿をそわそわと見つめるザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は、普段の真面目な表情を保とうとするが、僅かに口角が上がっており、猫の姿を発見出来た喜びを隠し切れていなかった。
 そんな様子を見て見ぬふりをするのはキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)で、人には触れないほうがいい事もあるとそっと納得する。
「消えるのは人の場合が多いUDCアースの事件にしてはある意味珍しいな。何か理由があるんだろうか…?」
 冷静に分析しているキアの横で、彩花・涼(黒蝶・f01922)もザッフィーロの様子に気付かないふりをする一人である。
「猫の行方不明事件か…」
 ―邪神の復活儀式の生贄にされていなければ、との言葉は心に留めておく。言葉にしたら最後、確実に暴走するであろう誰かの方をそっと見やる。
「兎も角、猫には様々な逸話があるが神隠しとはな」
 嘗て、自身が世話をしていた狐の姿を思い出しながら、アネット・レインフォール(剣の家庭教師・f01254)はそっと釘をさしておく。
「猫のお持ち帰りはするなよ?」
 その言葉に、ぎくりと身を跳ねさせたのは果たして誰だっただろうか。
 何はともあれ、涼が準備した猫じゃらしと、猫用の煮干しを片手に四人は村へと繰り出すのであった。

 手がかりを探すなら目は多い方がいい、との事で四人は一度別れ、それぞれで情報収集を開始する。
 キアが召喚した物と手持ちのドローンを空へと飛ばす。何か痕跡を発見すれば、すぐに連絡を寄越せるように設定を行う。万が一にも、敵が現れても攻撃はしないようにプログラムにも組み込んでおく。
「何か情報があればいいのだが…」
 ドローンが飛び去った方向を見ながら、キアも猫の捜索を開始する。猫は高い所を好むという。家の屋根に飛び乗り、痕跡が無いか捜索を始めるのだった。
 
 家が数件立ち並ぶ道端で、アネットが村の住人へ話を聞いていた。
「最近、何か変わったことはないだろうか。猫が行きそうな場所に心当たりがあれば、そちらも教えていただけると助かるのだが」
 最初は訝しげな表情を浮かべていた住人だったが、真摯な態度に考えを改めたのか、ぽつりと話し始めた。
『変わった事…。最近、ルルに声をかけてもぼーっとしている事が増えてて…』
 居なくなった猫たちも同様の件があったようで、住人もさすがに心配になったとの事だった。

 村の一角、空き地となっている場所にぼんやりと佇む猫の姿を涼が発見する。足音を立てずに近づくも、猫は逃げる様子を見せない。一度、涼の方へと視線を向けたが、其れはすぐに逸らされる。
 何処か様子のおかしい猫の姿に、涼の心が僅かにざわつく。そっと、目の前に猫じゃらしを揺らせば、動く物を追いかける本能故なのだろう。ぺしぺしとじゃれる姿があり、ホッとする。
 そっと煮干しを差し出せば、ふんふんと匂いを確認した後、ぱくりと口へ。猫が煮干しを食べている隙をみて、そっと首に鈴をつけた。
「…可愛いな」
 煮干しを食べる猫の頭をそっと撫で、涼は猫の無事を願うのだった。

 目を閉じ、全神経を耳に集中しているザッフィーロの耳に、小さく猫の鳴き声が響く。声のする方に向かえば、二匹の猫がまるで会話をしているように向き合っている。片方の猫は、その鳴き声には反応せず、やはり何処か遠くを見つめているようであった。
 これまで探ってきたが、特に怪我の痕跡が見当たらなかったことに安堵しつつ、ザッフィーロは目の前の猫の様子をじっと観察する。
 己の第六感が反応しないところをみると、今のところ眼前の猫が危険にあう事は無い様子。ひとまず集まった情報を手に、一度仲間の元へと戻るのだった。

 事態は思いのほか早く動いた。涼が鈴をつけた猫が、何処かに向かっているとキアのドローンから報告があったのだ。しかも、猫の数も一匹ではなく、数匹の猫が、何かに誘われるように林の中へ入っていく、とも。
 ザッフィーロが率先して、忍び足を駆使し、猫たちが向かった林の奥へと進む。
「…何だ。あれは」
 そうアネットが零せば、林を抜けた先。古びた小屋のような建物が目に入った。特に警戒する様子もなく、猫はその建物へと入っていく。
 今まで行方が知れなくなった猫も此処にいるのだろうか。…猫に怪我無い事を祈りながら、四人は建物をそっと見上げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『ねこです。よろしくおねがいします』

POW   :    井戸小屋を修繕します

SPD   :    井戸小屋の掃除をします

WIZ   :    井戸小屋を明るくします

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●其処は楽園か、はたまた地獄か。
 眼前に聳え立つは、木で出来た粗末な小屋。外から見える部分には石で出来た井戸があった。今はもう使われていない井戸小屋の周囲には何処か不穏な空気が漂っていた。
 井戸小屋の他にもう一つ、ぽつんと大きな小屋が立っていた。嘗ては倉庫だったであろうその小屋は、ボロボロで埃が舞っていた。
 この空間の何処かに、居なくなった猫たちがいるのだろう。よくよく見れば、ぴん、と隠し切れていない尻尾が目の端に映った。
 この環境である。ただ探すだけでは、猫が怪我をしてしまうかもしれないし、警戒して出てきてくれないかもしれない。
 ならば、小屋を何とかすれば自然と居なくなった猫を保護する事も出来るかもしれない。

 ―にゃーん。
 何処からともなく、猫の声が聞こえる。
 果たしてそれは、本当にこの場に集った猫の鳴き声、なのだろうか。
ニコライ・ヤマモト
【SPDorWIZ】小屋のすみ数箇所の危険物や埃を取り除き、そこへ水飲み場や餌等を設置する。
[救助活動]のために携行している水や、村で譲ってもらった餌を容器に入れて設置。
毛布もあれば簡易な寝床になるだろうか。
怪我は[医術]で応急処置を行いたいが、触らせてもらえるかどうか。

極力[目立たない]ように[忍び足]で行動。
失踪して数日だったか。だが小屋がこの有様ではまともに食事もできていないだろう。無事に飼い主のところへ返すためにもひとまず休ませるべきだ。
……俺も猫ならお前たちの言葉を分かってやれたのだろうが、猫のようでいて俺にはあいにくそうした技術がない。
直ぐ解決するから、それまで無事でいるんだぞ。



 野晒しだった小屋は、歩くたびに、ぎしぎしと床板が音を鳴らす。黒い耳をぴんと立て、ニコライ・ヤマモト(郷愁・f11619)は、小屋の中をぐるりと見回した。
「失踪して数日だったか。だが小屋がこの有様ではまともに食事もできていないだろう」
 小屋の状態は、それは酷いものだった。壁板はところどころ割れ、天井の穴からは、うっすらと光が差し込んでいた。落ちた木屑や禿げた壁はささくれだっており、このままではこの場にいるであろう猫が怪我をしてしまうかもしれない。
 そう考えたニコライは、気配を殺し、足音を立てずに小屋の中を歩く。まずは猫が安心して歩ける環境を。周囲に散らばっている木屑を拾い、小屋の外へと運び出す。
 木屑を片付けていると、ぼんやりとたたずむ猫の姿を見つける。白い体躯に黒い斑模様。そっとニコライが近付くも、猫が逃げ出す様子はなく。慎重に、ゆっくりと抱き上げ、小屋の外へと猫を連れ出す。
 まずは、見つけたこの猫を、安全な場所へと連れて行くのが先だと、ニコライは小屋を後にするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

十六夜・月
[SPD]
私には建物を修繕できるような技術力はない・・・
それならば掃除をして小屋をきれいにするしかないでしょう!
「掃除掃除っと・・・自分の部屋をするように~」
にゃんこに対する[優しさ]をもってできるだけ丁寧に掃除をしていきます。
埃落とし、水拭き、乾拭き等々、できる範囲の物を全力でします。



 そっと窺うように小屋の中を覗く十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は目の届く位置に猫が居ない事を確認すると、いささか肩を落とす。
 建物自体、大分傷んでおり、簡単に修繕できる状態ではなかった。ならば、自分に出来る事を。そうして月が選んだのは、小屋の中を掃除する事だった。
「掃除掃除っと…。自分の部屋をするようにー」
 鼻歌交じりで、手にしたはたきで埃を上から下へと落とす。長年、放置されていたであろう小屋には、勿論大量の埃が。もうもうと舞う埃に悪戦苦闘しながらも、月は大量に積まれた埃を床へと落としていく。
 ―くちゅんっ。
 小さなくしゃみが一つ、二つ。いくらぼんやりとしている猫でも、さすがに埃舞う室内にいるのは、いささか厳しかったよう。
 月がくしゃみのする方へと歩み寄れば、其処には探していた猫の姿が二匹ほど。
「大丈夫、大丈夫だよー」
 まだまだ掃除は終わっていないけれど。まずは猫の保護が優先だと、そっと猫を抱き上げ、月は出口へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フイ・フイ
改めまして私は不意俯依といいます。気軽にフイフイって呼んでください。よろしくねー。

さて。
「わー……これはこれは。いかにも何か出そうな雰囲気だねー」
辺りには常に気を配っておこう。

小屋の中がちょっと暗いみたいだね。私が光って照らそうかな。

【生まれながらの光】

(体から仄かに飴色がかった暖かな光を放ち始める)
もし怪我をしたら癒すこともできる優れものです。
暖かさに釣られて猫ちゃんが出てきたりしないかなー。

でも、もし他にいい明かりを持っている人がいたら、明かりについてはお任せして……そうだなー。掃除でもしようかな。
倉庫っぽい小屋のほうに掃除道具とか置いてないかな?


リィン・エンペリウス
うん?なんだか猫・・・?の鳴き声みたいなのが聞こえるね。
このボロボロの小屋をきちんとしたものにすれば猫が安心する場所になるのかな?うん、直してみようか。

うん、小屋の壁が割れてたりして猫達がケガをしちゃいそうだね。ボクはこの割れた樹の壁を直すようにしていこうか。
丁度ここは森だし、周りにはいっぱい木があるもんね。材料には困らなさそうだね。
手持ちのビーフジャーキーを食べて、フードファイト・ワイルドモードを使おうか。それと武器の包丁を使って、周りの安全を確かめながら木を切り倒すよ。
切った木を板状にして、壊れた壁の修繕をしていこうか。あ、入口の扉の所には猫が通れるような入口も作っておこうね。



 ―にゃあー。
 小屋の何処かから、猫の声が響く。その声を拾ったのか、リィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)の耳が、ぴんと立つ。
「うん?なんだか猫・・・?の鳴き声みたいなのが聞こえるね」
 しかし、その声は何処か濁っているような、そんな印象を受けた。
 リィンの後ろからひょっこりと小屋の中を覗き込むのはフイ・フイ(人間の聖女・f08740)
「わー……これはこれは。いかにも何か出そうな雰囲気だねー」
 何か、が何を示すのか。…探していた猫であってほしいと、二人は小さく祈る。
 小屋の中は、昼を越えた頃だというのにもか関わらず、薄暗かった。だした
 しかし、室内は何処か小奇麗になっている事から、前に別の猟兵が此処を訪れたのかもしれない。
 だが、まだまだ室内には猫であろう物の気配が色濃く残っていた。二人は、顔を見合わせ、こくりと頷くと薄暗い室内へと足を踏み入れた。
「小屋の中がちょっと暗いみたいだね。私が光って照らそうかな」
 ぽつりとフイが言葉を溢すと、その身から飴色の柔らかな光が零れる。明るくなった室内をぐるりと見回すと、地に落ちた木屑等は片づけられているようだったが、壁の修繕は全く行われていなかった。
「うん、小屋の壁が割れてたりして猫達がケガをしちゃいそうだね」
 ならば、己は壁の修繕を。幸いにも此処は林の中。修繕に必要な材料は、現地調達で何の問題もなく揃いそうであった。
 ビーフジャーキーを噛み切ると、火狐の紋が入った包丁を片手に木を切り倒す。
 リィンが修繕に必要な材料を揃えている間、フイは井戸小屋の中から嘗て使われていたであろう掃除用具を発見する。
 建付けの悪い窓をフイが解放すれば、新鮮な空気が小屋の中へと入りこむ。よどんだ空気が外へと追い出されると、何処か身体が軽くなったような錯覚さえ受けた。

 リィンが壁の修繕を、フイが室内の掃除をしていると、フイの放つ光に惹かれたのか猫が数匹ぼんやりとしたままフイの足元へとすり寄ってくる。
 猫が通りやすいよう、小さな入り口を作り終えたリィンがフイの傍へを駆けより、猫を抱き上げる。次いで、フイも猫を抱き上げる。猫の瞳を見つめると、何処か濁った色が見えたが、フイが放つ光に浄化されたのか。それは瞬時に消え、猫の瞳が色を取り戻す。
 二人の腕の中で猫が頭を擦り付ける。ぼんやりしていても何処か虚ろに意識はあったよう。
 この小屋には何かある。そんな予感が、二人の頭を占めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩花・涼
旅団【morgen】で参加
此処が猫の集会所のようだな…なにやら不思議な空間だ
小屋の修繕くらいなら、皆でやればあっという間に終わりそうだな

大元の小屋の脆くなっている屋根や壁の板を張り替えよう
足りない材料はアネットよろしく頼む
屋根は傍の木を伝って小屋の上に慎重登って修繕する
踏み外したら掃除しているザッフィーロの上に落ちそうだしな

だいたいの修繕が終わったら、倉庫の壁と傍の木を【地形の利用】して
猫が動きやすそうなキャットステップやキャットウォークを取り付けていこう
キアの手が空いたら協力を求めよう

綺麗になったら猫を煮干や猫じゃらしでおびき寄せつつ
保護目的の猫を探すとしよう


アネット・レインフォール
【morgen】で参加

◆心情
俺は猫の習性に詳しくないが、ここは集会場か何かか?
小屋の方は崩れる危険もありそうだしなるべく頑丈に。
ああ、そうだ。単車を出すので必要な物があれば言ってくれ。
皆の注文を聞き、補強や掃除で使う道具を近くの店で購入してこよう。

◆行動(POW)
購入後は小屋の修繕に取り掛かる。
ガタがきてる箇所に補強材を打ち込み、木材が必要なら付近に廃材を確認。
入用なら近くの木々を【霽月一刀】で形を整える。
修繕している彩花やキアにも渡そう。

ザッフィーロや彩花から助言を貰いつつ猫用の出入口を作っておくか。
有事の際には逃げ出すことが出来るだろう。

作業後、皆は猫を探すようなので俺は周囲の気配に警戒を


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【―morgen―】で参加

井戸小屋の不穏な様子が気になるが…先ずは大きな小屋の修理だな
倉庫だったなら物が乱雑に残って居そうだ
先ずは動きやすい様隅に分かり易く詰む事にしよう
木の板等が出たら井戸を塞いでくれるキアに渡しに行くが…
猫の出入り口にキャットウォークか
つい作業を見に行ってしまうかもしれん

荷物がない場合や、先の作業が終わった時は彩花達が修繕をしてくれて居る故、俺はゴミを捨てたり埃を拭いたりしつつ
壊れそうな場所のチェックを
『掃除』は嫌いではないからな
…猫達がその後過ごしやすい様、少しでも綺麗にしてやりたい所だ

綺麗になった後猫を見つけた場合はストラを軽く振りつつ猫の興味を惹いてみようと思う


キア・レイス
【morgen】の仲間と参加。

井戸が何だか不穏だ、出来るだけ中は見たくないな。
とりあえず井戸の中に猫が誤って落ちたらいけない、倉庫だし木の板やトタン等があるだろう、蓋をして石でものせて重しに。
余裕があるなら買い出しに行ってくれるアネットに、釘と金槌でも買ってきてもらおうか。
難しい作業とは思えないし時間があるなら彩花やアネットの作業を手伝う。

後は出しっぱなしのドローンを猫じゃらしにしてみる。
引き続き攻撃しないよう指示し超低空飛行、猫が引っ掻いたり飛びかかってきたら回避させて遊んでみる、隠れた猫がこれで出てきたり、遊びに夢中になって変なところに行くことがなくなるだろう、井戸を塞ぐ作業に集中できる。



 何処か不穏な、剣呑な空気が濃くなったように感じる。しかし、その元凶が何なのかは、未だ知る事は無く。
 旅団【―morgen―】の面々は、そんな空気を肌で感じながら、二つの小屋の前に立っていた。どちらかと言えば、綺麗になっているのは倉庫の方で、井戸が存在する小屋の方はまだ内部が散らかっている様子だった。強風に煽られて飛んできたのか、木の板や村のゴミが、小屋だけではなくその周囲にも散らばっていた。
「井戸小屋の不穏な様子が気になるが…」
 そう零すのはザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)だが、まずは猫を保護する事が先決だと意識を切り替える。
「俺は猫の習性に詳しくないが、ここは集会場か何かか?」
「…なるほど、集会場。ならば、此処が猫の集会所のようだな」
 未だ姿を見ない猫は、果たしてどこに隠れているのか。もしかしたら、猫の集会は人間に見られては行けないのかもしれないと、アネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)はふと考えた。頭の中で彩花・涼(黒蝶・f01922)は修繕のプランを組み立てる。人数ならば、揃っている。ならば、後は実行に残すのみ、だと。
 じっと、使われていない井戸を見つめるのは、キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)、しかし、その視線はすぐに逸らされる。
「戸が何だか不穏だ、出来るだけ中は見たくないな」
 そっと井戸を覗き込み、落下した猫が居ない事に安堵する。
 まずは、小屋の中を掃除して行方不明になった猫を探そうと、四人は頷くのであった。

 小屋の中に入り、涼が天井を見上げると、屋根の隙間から漏れる光が目に入った。どうやら屋根に穴が開いているらしい。此処も修繕が必要であると判断するが、果たして屋根の修理の材料など、小屋に存在するのだろうか。
 と、ちょうどそのタイミングで、アネットが口を開く。
「ああ、そうだ。単車を出すので必要な物があれば言ってくれ。すぐに揃えてこよう」
 【三頭黒狼】と名の付いた宇宙バイクをアネットが軽く手で叩けば、それぞれが必要になりそうなものをアネットへと告げていく。そうして宇宙バイクの駆動音が周囲に響き、遠くへと消えていった。
 そうして、ザッフィーロが小屋の中にあった廃材をどんどん離れた場所へと積み上げていく。途中、井戸を塞ぐにちょうどいい木の板を見つけたのか、廃材と一緒に置かずに、キアの元へと板を抱えて歩み寄る。
「この板は井戸を塞ぐのに使えないだろうか」
 井戸の幅と、木の板を見比べるとキアはザッフィーロから木の板を受け取った。
「ありがとう。…猫が井戸に落ちてなくて良かったな」
 相変わらず、井戸の底を見ないよう、キアが木の板をそっと被せた。

 エンジン音を響かせて、アネットが荷物を積んで戻ってくる。頼んだ物を受け取り、それぞれが再び修繕へと戻る。
 身軽な動きで、涼は屋根の上を飛び回る。穴が開いている箇所があれば、板を張り、どんどん塞いでいく。すべての穴が埋まると、涼は満足げに地へと降りる。
 ちょうど、壁を修繕していたアネットも作業を終えたようで、ぱちりと二人の視線が交差した。
 小屋の中は綺麗になったが、何処か殺風景。もしかしたら、此処で遊ぶ猫がいるかもしれないと、涼は外の壁と、小屋の樹を変化させ、簡単な猫の遊び場を作る。
 其れを見たザッフィーロの瞳が何処か輝く。そんな彼の横で、釘を打ち付け終えたキアも、涼が作り出したキャットステップを見上げ、感嘆の息を漏らした。

 ーにゃん。
 何処からともなく、猫の声が響く。濁っていた空気が全て浄化され、残りの猫たちが我に返ったように出てきたよう。
 たくさんの猫の姿に、ザッフィーロのテンションが急上昇する。そんな姿に苦笑しながら、涼はにぼしと猫じゃらしを手に、そっと猫へと近付く。同じく、キアもドローンを遊び道具に見立てて、猫の気を引いた。
 警戒心を解いた猫がわらわらと三人の元へと集う。僅かな癒しの時間に三人の顔が僅かに綻んだ。
 そんな、旅団のメンバーの姿を見ながら、アネットは周囲の警戒を怠らなかった。この場に猫がいるのならば、元凶はこの状況が面白くない筈。
 眼光鋭く、周囲を見回すアネットの耳に僅かな唸り声が響く。
「何か、来るぞ!」
 急いで仲間へと事実を伝えれば、和やかな空気は何処へやら、一気に空気が研ぎ澄まされた物へと変化する。名残惜しそうにザッフィーロが猫の頭を撫でると、その背に庇うように迫りくる何かへと向き合った。

 さあ、元凶のお出ました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●贄を呼ぶもの
 現れた其れは、とても醜悪な姿をしていた。
『ヨクも、よクも。猫の肉ハ、非常ニ美味ナリ。故ニ、此処に猫を募ッタのだガ…』
 無数に存在する口の何処から声を発しているのかは分からない。其れは太く、醜く、欲に塗れた酷い声。
『ナラば。代わリニ、オ前たチを喰ラッて、やロウではナいか』
 ーぐ、にゃああああああああああ。
 ひと際大きな咆哮が辺りに響き渡る。幸い、猫は全て逃がしている。
 故に、元凶である、喰らうものを倒すのにあたって障害と呼べるものは何一つとして存在していない。
 其れにとって、猫は一番の食物なのだという。一定の音を聞き分けさせる事で、この場に呼んでいたのだと。

 醜悪な見た目ではあるが、贄である猫を喰らう事が出来なかった為か、本来の力全てを引き出せているわけではない様子。
 ならば好奇。武器を取り、眼前の敵を打ち払い、今度こそ猫に平和な日常を取り戻させるのだ。
十六夜・月
さてさて、ボスっぽいのが出てきたね。これはコードも使って真面目にいかないとね!

禍々しい姿、大きい体、攻撃が当たれば大ダメージは確定だろう・・・
ならば、なるべく当たらないように立ち回るのが当然。「ステラ」が必要か。

ユーベルコード[Blue spell [Stella]]を使用し少し先の未来を見つつ、
[第六感][見切り]にて攻撃を回避、可能ならば[カウンター]を狙う。
それが、かなわなくても[武器受け]で防御すれば自身への負担も少ないだろう。
攻撃の手段は[早業]での速攻攻撃を仕掛ける。[二回攻撃]、[範囲攻撃]での
接近戦、[スナイパー]での[援護射撃]を臨機応変な戦闘を行えば味方の支援にもなるだろう



 先程、猫と対峙していた時とは違い、十六夜・月(自由気ままなダンピール・f12574)は厳しい表情を浮かべた。
「さてさて、ボスっぽいのが出てきたね。今度は真面目にいかないとね!」
 そうして月は、相手の様子を観察する。大きな体躯に、歪んた姿。鋭い牙や爪に触れたら、大怪我は免れない。
(ならば、なるべく当たらないように立ち回るのが当然)
 月は、大きく息を吐き出すと、赤い瞳を僅かに閉じる。脳裏に浮かぶは、数秒先の未来―。
 目を閉じた月を見やり、好奇だと思ったか。喰らう者がその身を巨大な口へと変形させ月へと迫る。
 刹那、月が目を開き、ひらりと身を翻す。当然、喰らう者の噛みつきは空を切る。勢いが強かったのか、喰らう者はその場でたたらを踏む。
 その隙を狙って、喰らう者の背後へ月が愛用の銃の引き金を絞る。響いた発砲音は二つ。一つは脇腹へ、一つは腕を貫いた。
『グ、ギャ…』
 痛みに呻くと同時、横薙ぎに払った腕に月の身体が軽く吹き飛ばされた。大した怪我は見当たらない。しかし、一度体制を立て直した方が良さそうだと、月は痛む身体を引きずり、その場から離脱するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコライ・ヤマモト
【SPD】なる程、仕組みが分かればもう何も案ずることは無い。折角綺麗になった小屋をまた穢されんうちに、元凶にはさっさとご退場頂くとしよう。
残念だったな。あいつらはお前の腹の中で暮らすのは御免らしいぞ。

【姿なき狩人】ポケットの中の青い首輪を握りしめ集中する。
迷いも不安も、己の不確かな……遠く甘い記憶も頭の中から追い出して、今は敵を討つためだけの猟兵となろう。
[ダッシュ]と高速移動で攻撃を避け、[クイックドロウ・スナイパー・二回攻撃・鎧無視攻撃]戦う者として鍛えた技能と覚悟を全て、一撃一撃に込めて狙い撃つ。

心配せずとも彼らはあるべき場所へ無事に帰って、またいつも通り自由に過ごしてくれるはずだ。



 背から、脇腹から血を落とす喰らう者をやや離れた位置からニコライ・ヤマモト(郷愁・f11619)が青い瞳を煌めかせ、鋭く見据える。
「残念だったな。あいつらはお前の腹の中で暮らすのは御免らしいぞ」
 小屋へ集められた猫は保護し、今は別の場所で大人しく過ごしている事だろう。目の前の対象を排除せねば、彼らもまた飼い主の元へ戻れないのだから。
 ポケットに忍ばせた青い首輪を強く、強く握りしめる。漠然とした不安も迷いも。嘗ての温かな優しいぬくもりも、今は全部全部頭の片隅に追いやって。
「心配せずとも彼らはあるべき場所へ無事に帰って、またいつも通り自由に過ごしてくれるはずだ」
 其れは、猫への言葉か。はたまたニコライ自身への言葉か。その真実を今は知る事は出来ないけれど。
 かさり、と木の葉を踏み締めた音を聞いたのか、喰らう者がその身を巨大な口へと変化させ、ニコライへと迫る。
 相手が迫ると同時、ニコライも地を踏み締め、双方の距離が一気に縮む。丸呑みせんと近付いた喰らう者の牙が、ニコライの腕を浅く切り裂いて血の華を咲かせた。
 鮮血が舞うと共に、喰らう者の腕に無数の穴が開き、はじけ飛ぶ。
 無音の魔弾が一点を狙い、彼の者の腕を吹き飛ばしたのだ。
「さあて。次はどうする?」
 不敵な笑みを浮かべ、ニコライは喰らう者を睨みつけるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩花・涼
旅団【morgen】で参加
こいつが猫をおびき寄せていた元凶か、猫達の平穏を守る為に此処で倒さねば
終わったら行方不明になっていた猫達は飼い主に送り届けよう
抱っこもしたいしな

基本は黒華・改で【2回攻撃】と【生命力吸収】で敵の体力を削ぎにいく
敵の攻撃が来たら、【見切り】と【ダッシュ】で攻撃を回避しつつ【カウンター】で斬り返す
口だけの頭部に変形したら、キアが攻撃を撃ち込んだ後に黒柵で口を縛ってやろう
「貴様にはそれで十分だな」

仲間が狙われていたら攻撃から【かばう】ぞ
黒爪で【武器受け】して止め、アネットに攻撃してもらう

後少しで倒せそうならUCを使用して
高速移動で敵を翻弄しながら隙を見て斬撃を飛ばす


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【morgen】で参加を
…今まで何匹の犠牲をだしたのだ?
ここで引導を渡してやろう

基本はメイスでの『二回攻撃』敵の攻撃が来た場合は『カウンター』を使いながら確実に体力を削って行こうと思う
噛みつきによる強化や治療が厄介故、敵の噛みつきが味方に当たりそうな場合は【穢れの影】にて拘束を試みる
又、体力が減った仲間に攻撃が当たりそうな場合も【穢れの影】で妨害
『かばう』の方が早い場合は『オーラ防御』と『盾受け』を使い庇おう
キアが敵にUCを放つ際は【穢れの影】にて拘束援護出来れば幸いだ
戦後は猫に怪我が無いか調べ撫でさせて貰った後、飼い主の元に送り届けよう
家に戻った後も、この場所が猫達の憩いの場になればよいな


アネット・レインフォール
【morgen】で参加

◆心情
ふむ…想像以上に歪な姿をしているな。
それだけの数を捕食してきた、という事だろうが…。
終わったらザッフィーロ達が猫の相手をすると思うので苦笑しつつ温かく見守ろう。

◆行動
【POW】葬剣と霽刀を主軸

序盤の内に敵の動作を頭に叩き込んでおき共有を。
防御や噛みつき対策として腕か口を優先して狙いを定めよう。

この面子だと俺の役割は前に出て攻撃と敵の引き付けだな。
葬剣を鋼糸にして木々に張り巡らし、その上を足場に変則かつ高速移動しながら
【零斬】の居合斬りで確実に削っていこう。

彩花とキアに合わせつつ攻撃を。
必要なら敵の足に地面まで突き刺さるよう【零斬】の居合突きを放ち一瞬の足止めを行う。


キア・レイス
【morgen】の仲間と参加。 

保護の対象である猫は散ったか、ならば少々手荒くしてしまっても構わないな。
敵はおおよそ近距離で戦うタイプのようだ。敵の場所が変わるたび、ダッシュで距離を取り援護射撃のしやすい位置をポジショニング。
敵の噛みつき攻撃などが見えたら狙撃で口の部分を吹き飛ばす、手出しはさせん。

戦いが進み傷を負ったこいつは手近な肉、私達を食べようとするか逃げ出して食べれるものを探すのか。
「気が変わった、ここまで何も食べられていないのも可哀想だ」
ダッシュジャンプで近付き、今にも食らおうと開けた口に【人の身に余る火砲】の銃身を傷口をえぐるかのようにねじ込み零距離射撃。

「喰えよ、腹一杯」



 あれが猫たちを攫った元凶か、そう言葉を落としたのは誰だったか。旅団【―morgen―】のメンバーの、特に猫を愛してやまないどちらかの言葉か。それは、分からないけれども。
 普段の落ち着いた表情は何処へやら。ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)は血に染まった牙で喰らうものの姿を強く睨みつけた。
「…今まで何匹の犠牲をだしたのだ?ここで引導を渡してやろう」
 その言葉に彩花・涼(黒蝶・f01922)は強く頷いた。
「こいつが猫をおびき寄せていた元凶か、猫達の平穏を守る為に此処で倒さねば」
 保護した猫たちはしっかりと飼い主の元へと届けなくてはならないと使命を燃やす。…あわよくば、抱っこして、ちょっと遊ばせてもらえたりなんかしないか、なんて僅かかな邪念を混ぜつつ、黒剣を構える。
 一方のアネット・レインフォール(剣の教育者・f01254)は、喰らうものを上から下まで一瞥した後、僅かに顔を歪めた。
「ふむ…想像以上に歪な姿をしているな。それだけの数を捕食してきた、という事だろうが…」
 ちらりと、横で激昂する仲間を見やり、苦笑する。これは、早めに敵を駆除した方がよさそうだ、と独り言ちる。
 きょろきょろと周囲を見回すキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)は周囲に猫の姿が無い事に安堵の息を漏らした。
「保護の対象である猫は散ったか、ならば少々手荒くしてしまっても構わないな」
 倒して、連れ帰るまでが今回の任務である。ならば、どんな手を使ってもしっかりと仕留めなくてはなるまい。
『猫ハ、猫さエ、喰らエテいレばアアアアアあああああああ』
 牙で喰らうものが大きな咆哮をあげる。
「…せっかく保護した猫が居なくなってしまったらどうするのだ」
 そう、ザッフィーロが零すが、誰も答えない。咆哮が収まると静かな空間がその場を満たす。
 各々が武器を構えると、其れが戦闘の合図となった。

 アネットが腕を振るうと、空気を切る音が小さく響いた。彼の手から放たれた鋼糸は、瞬く間に周囲の木々へと張り巡らされ、彼専用の足場となった。
 ふわりと慣れた動作でアネットが鋼糸の足場に乗れば、まるで宙に浮いているかのような錯覚を受ける。
「行くぞ」
 小さく涼が呟くと共に、喰らうものとの距離を詰める。次いで、アネットも逆側から刀を抜き、攻める。
 高い音が響き、二人の剣戟を喰らうものは片手の爪のみで捌いていく。鋭い斬撃に相手が気を取られている間に、ザッフィーロがその背後へ近づき、メイスを振り下ろした。風切り音に寸での処で気が付いたのか、喰らうものが腕を払い、真上へと跳躍する。
 すかさず、キアが狙いをつけ、引き金を絞った。小さく肉を貫く音が響き、喰らうものが小さくうめき声をあげた。
 地に降り立った瞬間を狙い、ザッフィーロは嘆きに満ちた影を解き放ち、喰らうものの動きを封じんとする。
 足を、手を、腹を拘束せんと這いずる影は、かぱりと口を開いた喰らうものによって噛み砕かれる。
 瞬間、足元に無数の影が伸び、キアを、涼を、ザッフィーロを拘束せんと忍び寄る。影に気が付いたアネットは足場へ飛び乗り難を逃れる。
 涼を庇い、ザッフィーロの身が拘束される。このままでは不味いと判断した涼が黒剣を一閃、横に薙げば腹を切り裂いた。
『ならバ、猫でハナく、お前たチの肉を…!』
「気が変わった、ここまで何も食べられていないのも可哀想だ」
 静かな声が響くと、距離を詰めていたキアが腹部に生える大きな口に向かって銃口を向ける。
 カチリ、と引き金を引けば、爆風が包む。衝撃で吹き飛ばされたキアをアネットが慌てて受け止める。す、とザッフィーロの拘束も解け、二人の元へと駆け寄った。
 焼けた肉の匂いと、鉄錆の匂いが混じりあって、皆が顔を歪めた。周囲を包んでいた煙が晴れると、腹部に風穴を開けた喰らうものの姿。頭部と思わしき口からは、ぼたぼたと鮮血が多量に零れていた。
 あと少し。
 誰の目から見ても、それは明らかだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フイ・フイ
出そうだと思ってたけど本当に出たねー。

さあ実戦だ。
まあ私は荒事が苦手、というかこういうのに有効そうな手段を持ってないんだけど。

ここは相手の消耗狙いかな。
付かず離れずな間合いを保って、攻撃されたら【柳に風】と躱し続ける。
体捌きと足運びでくるくるーとね。長年の合気術の稽古の賜物です。
「はいはい触れなければ一緒一緒。口の大きさなんて関係無いよ」
ついでに挑発しとこう。
一応、棒手裏剣を持ってきたから危なくなったら投擲してあの口の中にでも打ち込もう。

あとは、どこかから猫ちゃんとかがひょっこり出てこないとも限らないし。
もしそんな状況が起きてもそんな子を拾い上げつつ攻撃を躱せるくらいの余裕は持っときたいね。


リィン・エンペリウス
あれが猫達のいなくなった元凶…絶対に許さないよ!

SPD自慢のライオンライドのライオンくんを呼び出そうか。呼び出したライオンくんに【騎乗】して戦うよ。
「ライオンくんもネコ科だよね。仲間を食べるあいつをボクと一緒にコテンパンにしてやろうか!」
ここは森だし、隠れながら接近して攻撃が出来そうだね。【地形の利用】と【見切り】を使って攻撃を回避しようか。
回避しながら近づいていき、敵に隙が出来たらボクの自慢の包丁とライオンくんの【2回攻撃】で敵を攻撃しようか。
もし敵の攻撃がどうしても当たりそうになった場合は【野生の勘】を使って緊急回避するよ!

戦闘中はわたしが囮的役割するので、同行者大歓迎だよ!



 大地が赤く染まる。血臭が漂う。其れでも、贄を肉を喰らえば力を取り戻せる、と。諦めの見えない牙を喰らうものの瞳が、ゆっくりと翳っていく。
「あれが猫達のいなくなった元凶…絶対に許さないよ!」
 動物たちと共に生きてきたリィン・エンペリウス(もふもふ大好きグルメ妖狐・f01308)は、相手を見据えて真っ直ぐ告げる。
 その隣で、フイ・フイ(人間の聖女・f08740)も大きく頷く。荒事は決して好きにはなれないけれど。それでも、誰かが泣く事だけはどうしても見過ごせない。相手がオブリビオンなれば、尚更の事。
 リィンとフイは、互いに顔を見合わせ頷く。きっと、これで最後。…これが最後。
『グ、ル…。ガァ…!』
 喰らうものが二人の姿に気が付く。逃げられないと悟ったか。風穴開いた腹からは、止めどなく鮮血が溢れる。
 まるで、最後のあがきと言わんばかりに、喰らうものは全てをかなぐり捨てて向かってきた。

「ライオンくんもネコ科だよね。仲間を食べるあいつをボクと一緒にコテンパンにしてやろうか!」
 傍らに呼びだしたライオンへ、リィンがひらりとその背に飛び乗る。周囲を見回し、リィンは有利な地形を探し出す。
 その隣。フイが喰らうものへ肉迫し、頭部に掌底を叩き込む。僅かにふらつく喰らうものだが、残された片腕を、爪を揮い、フイへ害成そうとする。
「はいはい触れなければ一緒一緒。口の大きさなんて関係無いよ」
 しかし、其れを見越していたフイが華麗なステップで、ひらりと躱す。まるで、舞うように、踊るように。繰り出される爪を、牙を軽々と避けていく。
 体力も残り僅かだったのだろう。繰り返した連撃に、疲労の為か動きが鈍る。その隙をついて、背後からリィンが火狐の印が入った包丁を大きく揮う。其の動きに合わせるかのように、彼女が騎乗したライオンも爪を揮い、同時に振り下ろす。
 ごとり、と重苦しい音が響く。地に落ちた、喰らうものの頭部。ごぽり、と落ちた頭部から血の塊が吐き出されると、其れは動かなくなった。同時に、頭部を落とされた胴体が大きく痙攣したかと思うと、そのまま地に伏せた。
 ―戦いは、終わったのだ。

 修繕した小屋は、このまま猫たちの遊び場になればいい。猟兵たちは戦闘の名残を消すように、軽く周囲の環境を整えた。
 さあ、後は保護した猫たちを飼い主へ戻すのみ。元凶が倒れた今、猫たちも正気に戻っている事であろう。
 猫たちが待っているであろう場所へ、猟兵たちは静かに向かう。大切なつながりを、彼らはしっかりと守る事が出来たのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日


挿絵イラスト