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Blame by Flame

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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 降り注ぐ炎。
 逃げ惑う妖達。
 飛び交う災い。
 咆哮するは鋼鉄の竜。

 それは、よくある世界の終わり。
 世界の全ては、炎の中に沈もうとしていたーー。



「ーーというわけで、この世界の滅びを阻止して欲しい」
 グリモア猟兵、サナティス・ヴァルヴァード(死を告げるもの・f27951)の依頼は端的であった。
「…すまない。これだけでは説明不足だった。カクリヨファンタズム各地に、オブリビオンが『炎』を降らせ何もかもを焼き払おうとしているんだ」
 これを阻止して欲しい、ということらしい。
「元凶となるオブリビオンは『竜撃大砲』、竜を撃つ為の大砲が骸魂と化し龍神を取り込むことで生まれたオブリビオンだ」
 これが、とある山から砲撃を繰り返し、カクリヨファンタズム各地に炎を降らせているらしい。
「皆には、その山へ突入しこの竜撃大砲を倒して欲しいのだが…障害が二つばかりある」
 猟兵の一人が仔細を問えば、サナティスは説明を始める。

「まず、この山は既に完全に炎に包まれ火の海と化している。それだけでも厄介だが…」
 他にもあるのか、との問いにサナティスは頷き。
「この山に宿っていた霊が、炎を放たれたことで暴走状態になっていてな…分け入る者に対し、手当たり次第に霊障で攻撃を仕掛けてくるんだ」
 燃える倒木が飛んできたり、炎自体が波や竜巻となって襲ってきたり。他にも様々な攻撃が来ることが予想される。
「山の霊にとっては、全身火達磨にされているようなものだ、暴走するのも無理はない。オブリビオンさえ倒せば鎮火は叶う、何とか突破してくれ」

 また、現れるオブリビオンは竜撃大砲のみではない。
「『麒麟』という。人の世では瑞獣らしいが、オブリビオンとしてのこれらは紛いなき『大いなる災い』だ。…尤も、取り込んだ妖怪が強くないおかげでそこまで強大な存在ではないが」
 少なくとも一対一ならば、猟兵が遅れを取ることはない相手らしい。ただ数は多いので、包囲や不意打ちには気をつけた方が良いとのことだ。
 因みに霊障はオブリビオンにも襲いかかるが、あまり有為な効果は見られないらしい。

「それと、オブリビオンを倒したら、取り込まれた妖怪達の救助もお願いしたい」
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは、骸魂が妖怪を取り込むことで発生する。オブリビオンを倒せば取り込まれた妖怪は解放されるが、今回は戦場が戦場である。炎に巻かれたりしないよう、安全に逃がす方法を考えておくのが良いかもしれない。

「と、このような処か。皆、どうかオブリビオンを打ち倒しこの世界の危機を払って貰いたい。よろしく頼む」
 改めて願うと共に、サナティスの掌の上でグリモアが輝きを増しーー猟兵達を、燃え盛る山の麓へ送り出していく。


五条新一郎
 山が、燃える。
 五条です。

 というわけでやって参りました新世界カクリヨファンタズム。
 当方よりお送りするシナリオは、いきなり訪れた世界の危機を払う戦いとなります。

●目的
『竜撃大砲』以下、現れたオブリビオンの殲滅。

●戦場
 カクリヨファンタズムのとある山。
 山全体が炎上中。

●第一章
 燃える山の中で襲いかかる霊障を乗り越える「冒険」です。
 大体が炎に纏わる内容になってます。

●第二章
『麒麟』との「集団戦」です。
 撃破すると取り込まれていた妖怪が解放されます。彼らが無事に下山できるよう計らってあげると良いでしょう。

●第三章
『竜撃大砲』との「ボス戦」です。

●プレイングについて
 第一章はオープニング公開直後から、第二章以降は移行後に断章を投稿しますのでそれ以降からプレイングを受付致します。

 それでは、皆様の燃え盛るプレイングお待ちしております。
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第1章 冒険 『霊障領域』

POW   :    飛んでくる物体から仲間をかばう、揺れに負けずに突き進む

SPD   :    飛んでくる物体を素早くかわす、最短ルートを選んで駆け抜ける

WIZ   :    霊障の原因を特定する、護符や呪文で霊障の影響を和らげる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

火遊びはアタシも好むところで、派手なのも結構なこった。
けど、ちょいとヤンチャが過ぎらァな――つうワケで注意喚起の仕事だ。火の用心、火の用心……拍子木を借りてくりゃよかったかねぃ?

飛んでくるヤツにしろ周囲で燃え上がってるヤツにしろ、炎を◈UCで同化・吸収。
オブリビオンが馬鹿みてぇに撃ちまくってるなら、焼け石(焼け山)に水じゃああるかもしれないが、身の周りだけでも十分だ。

周辺の炎を支配下に置いたら、それを消す。
そうすりゃ、そこらの霊もアタシが敵じゃねぇってわかるだろ。

トリガーハッピーの大砲野郎じゃねぇんだ、余計な面倒事は減らすに限る。

炎以外の飛来物は見切って避ける。



 轟々と燃え上がる山、炎荒れ狂うその只中へと飛び込んでゆく猟兵達。
 林立する木々、秋でもないのに紅蓮と燃えるそれらの合間を歩むは玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)。その歩みは秋の落葉の中と恐らく変わりなく。
「いやまぁ、火遊びって言うにゃァちょいと派手過ぎだねェ…ヤンチャが過ぎらァな」
 火遊びならば彼女も好むところで、派手なものもまた然り。とは言え彼女とて限度は弁えている。これは明らかにやり過ぎだ。
「火の用心、火の用心…拍子木でも持ってくりゃ良かったかねぃ?」
 などとおどけて言いながら。その名と音を同じくする色の瞳が、仄かに光を放つ――刹那。狐狛の周囲、炎の紅を纏った木々が、瞬く間にその葉を失い。後にはただ、黒焦げの枯れ木が残るのみと化す。
 それは彼女のユーベルコード、周辺の炎を吸収同化する術。本来ならば更に敵を目掛け撃ち放つ業も可能とするが、此度は用いぬ。
「ま、焼け石ならぬ焼け山に水だがねェ」
 火勢は強く、更にオブリビオンの更なる砲撃もある。山の一角が立ち消えただけでは大勢に差は無いが、己の行動の妨げを退ける分には充分だ。
 と、その直後。
「…のぉわっ!!」
 前方から飛来するは燃える倒木。炎だけならユーベルコードで何とかなるが、残る木への対処は無理がある。咄嗟に身を屈め回避。
 改めて前方を見据えれば、更に飛び来たる炎の塊。それも複数。当たれば火達磨間違いなしだが、炎だけならばどうとでもなる。飛来する炎塊はその全てが狐狛の前で静止、彼女の歩むに随うが如く傍らへ浮遊する形へと変わる。
「――アタシはアンタらの敵じゃァない」
 炎塊の飛来が止まったところで、それらを一斉に消す。周囲で燃え盛る炎も同じく。己は山に火を放つのではなく、火を消しに来たのだと伝えるが如く。
 その意が伝わったかどうかは定かでないが、少なくとも彼女へ向けて飛来する炎は減った――ように見える。あちらこちらで騒ぐ音を聞くに、一時的なものに過ぎぬかもしれないが。
「ったく、トリガーハッピーの大砲野郎め」
 早いトコ根っこを断たなきゃァな――山頂から打ち上げられる炎を、狐狛は睨み上げる。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャスティス・ボトムズ
アドリブ歓迎
共闘歓迎

どんな攻撃が来ようと全部受け止めてやるぜ!
シンプルに目的地に向かって突き進むのが俺向きだ。
パワーで解決するのが俺にはわかりやすいからよ。
ただ突き進むだけじゃヒーローとしては十分じゃねえよな。
近くにいるヤツらになんか飛んでくるようなら俺がかわりに受け止めるぜ。
力任せなやり方なら任せておきな。
燃えてる山を進むこと自体かなりヤバいが、正義のためなら躊躇わずに進むのがヒーローってもんだろ。
ちょっとばかし暑いサウナだと思えばたいしたことないぜ。
後で飲むコーラが旨くなるってもんよ。
行動の方針は攻撃を全部受けきることと仲間への攻撃をかわりに受けることだ。
力任せに道を切り開くぜ。



 燃え盛る山の中を、一人の男が歩む。堂々たる巨躯に見合った大きな歩幅で、力強く炎の中へ分け入ってゆく。
 彼の名はジャスティス・ボトムズ(正義の執行者・f22965)。山中にて砲撃を繰り返すオブリビオンを悪と断定し、叩き潰すべく此度の任務に参加した猟兵である。
 渦巻く炎、放たれる高熱は無論、彼の身にも襲い掛かるが。
「ハ!この程度、ちょっとばかし暑いサウナだと思えば大したことないぜ!」
 後で飲むコーラが旨くなるってもんよ、と豪快に言い放ち前進する。彼とて現状の危険性は充分に認知しているが、己のやり方――正義の為なら躊躇わず、目的地へ向けて一直線に進むこと――を曲げるにはまるで値しない。
 立ち塞がる全てのものは、己の力で受け止め、切り開く。今まさに、炎に巻かれた大木が倒れ、ジャスティス目掛け落ちてこようとしてくるが――
「邪魔を!するなぁ!!」
 抜き放った正義の剣を一閃。鋭き刃と圧倒的な膂力の前に、大木は中途で真っ二つと斬り裂かれ。彼の行く手を阻むことなく倒れてゆく。
 更に飛来する、無数の燃える枝も、剣とガントレット嵌めた腕とで斬り払い、弾き飛ばす。時に炎が肌を打つも、火傷の一つも与えられぬ。
 今のジャスティスは、その身にユーベルコードにて創造した鎧を身に纏っている。己の力で生み出したもの故に、己の力を信じる限りは無敵の、想像からなる鎧。
 炎が竜巻となってジャスティスの全身を巻き込み唸るが、そこを抜けてきた彼の身には焦げ目一つつけられぬ。己はそれを超えられる、ジャスティス自身はそう信じているが故に。気に留めることなく、彼は更に山を進む。
「しかし、こっちから行くのが俺一人だったとはな」
 ふと独りごちる。同道する仲間がいれば、彼らに迫る攻撃も全て受け止めるつもりで来た彼だが、折悪く此方の経路を通る猟兵は他にいなかった。
「まあ良い。それならただただ突き進むだけだ!」
 横合いから飛来した倒木は腕で受け、押しのけて。無数の炎の雨をも正面から受け止めて。その熱を、衝撃を、一切意に介することなく。彼は一直線に山頂目指し突き進んでゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナインチェ・アンサング
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】
まさに世の終わりとも思える光景です、ね
故に、止める必要があると見ます
山の霊は敵ではありませんが、根源を断つには少しおとなしくして貰う必要はありそう、です
……ええ、わかっています。エリザベートらしい判断と思った迄。です
(瞳を伏して、小さく、口元に微笑みをつくり)

炎は……エリザベートに任せれば万全でしょう
私は荒れ狂う霊障を沈めます
この聖剣が、姿見えぬモノの天敵なれば――です
襲い掛かる木々や嵐、それらの根源となる霊障を斬り払い、根源へと至る道をつくります

……慌ただしいままでは、せっかくの見知らぬ世界を友人と楽しむ事も、できませんし。ね


エリザベート・フリーレン
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】
WIZ

炎の山ね、私達なら簡単に突破できるわ
そうでしょ?ナインチェ
ヴァルヴァードさんが言うには山の霊も大変みたいね
ま、ついで程度だけど?消していってあげてもいいんじゃない?
炎は邪魔だもの…ね?
何よの視線は…べ、別にかわいそうとかそんな訳じゃないから

まぁ、いいわ…時間すら凍る私の魔力で炎を砕いてあげる
身体に刻まれた刻印に触れて力を解放するわ
少し寒くなるけど構わないわよね?

それにしても本当に邪魔な炎…東方の風光明媚風景が台無しじゃない
早くトカゲを討伐して一息つきましょ
あぁ、本当に月が綺麗ね…



 轟々と燃え盛る山の中、二人の少女――と見える姿の猟兵が歩む。
 前も後ろも右も左も、視界の全てを炎が満たす。けたたましい音を立てて、炎に耐えかねた木が倒れてゆく。
「…まさに、世の終わりとも思える光景です、ね」
 二人の片割れ、白い髪のナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)はそう評する。炎によってこの世界が滅ぼされようとしている、とのグリモア猟兵の言は、決して大袈裟なものではない、と。
「まあ大した燃えようよね。でも、私達なら簡単に突破できるわ」
 応えるは今一人、紫銀の髪のエリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)。桃色の瞳に不遜なまでの自信を漲らせ、友たるナインチェに「そうでしょ?」と同意を促す。
「ええ。故に、私達が止めるのです」
 藍の瞳に決意を込めてナインチェが応え――直後。
「…危ない!」
 声を上げると共に伏せるナインチェ、応えて身を屈めるエリザベート。一拍後。二人の頭上を、燃え盛る倒木が飛び越えていった。
「…今のが霊障、ですか。成程、危険ですね」
「ヴァルヴァードさんの言ってた通りね。山の霊も大変だわ」
 グリモア猟兵の説明にあった霊障。実際に体験したことで、その意味するところを知った二人は頷きあう。
「敵ではないとはいえ、脅威には違いありません。此度の異変の根源を断つには、少し大人しくして頂いた方が良さそうです」
 ナインチェが語る間にも、木の葉が燃えながら渦を巻き、そこかしこに炎の竜巻が生じる。
「まあ、そうね。ついで程度なのだし。消していってもいいんじゃない?」
 炎は邪魔だもの…と、付け足しじみてエリザベートが応えて。そこに向く、ナインチェの視線。
「…何よ、その視線は…」
 エリザベート、思わず頬を小さく赤らめる。別に可哀想とかそんなことを考えているわけじゃない、と弁解じみて続けるが。
「…ええ、わかっています。エリザベートらしい判断と思ったまで、です」
 瞳を伏し、口元を小さく微笑ませて。ナインチェは応えた。

「まあ、いいわ…それならまずは私の出番ね」
 気を取り直し、前方を見据えるエリザベート。道は見えるが、そこを抜けるが叶わぬ程の猛烈なる炎が行く手を阻む。
「――少し寒くなるけど。構わないわよね?」
「問題ありません。遠慮なくどうぞ、です」
 不意に振り向き、懸念を伝えるエリザベート。ナインチェより是の答えが返れば、エリザベートの指は身体に宿る刻印を撫でる。
 ――直後。炎溢れる山の気温が不自然なほどに降下。溢れるエリザベートの魔力が、周辺気温を下げていき。冷たい魔力は前方の炎の道を突き抜けて。
 炎は、消える暇も無いままに凍りつき。そして粉々に砕け散っていった。
「さあ、このまま私の魔力で凍えて消えなさい」
 凍て付く魔力はエリザベートの周囲を包むように。近づく炎の悉くを退け、溶かしせしめていった。

 炎は消えても、飛び交う枝や木そのものが飛来する霊障は止まず。
「まだまだ飛びかかってきます、ね。では、私の力をもって――」
 ナインチェが剣を抜く。それは蒼い燐光で仄かに輝く、月の涙に濡れたかのような艶かしくも神秘を感じさせる聖剣。
 不意に突風が吹いて。二人を正面から打ち付ける。なれどナインチェは剣を構え、踏み込む――
「――そこです!!」
 徐に剣を一閃。渦巻いていた風が、瞬く間に沈静し。木の枝も飛び交うことなく、霊障はひとまずの安定を迎えたようだ。
「…うまくいきました。ね」
 炎も霊障も途切れた中、ナインチェは安心したように頷く。
「そのようね…まったく、炎のせいで風光明媚が台無しじゃない」
 応えるエリザベートは愚痴混じりに。折角そうした光景の美しさを楽しむために来たのに、と。これでは殆どが灰になってしまう。
「――ああ、でも。月は――本当に、綺麗ね…」
 不意に空を見上げれば。妖しくも美しく輝く、巨大なる黄金の満月。月がここまで大きく明るく見える世界が、他にあったろうか。
「ええ。実に。異変が解決しましたら、存分に楽しみましょう。ね」
 ナインチェも同意し、更なる山中へと歩み行く。慌ただしいままでは、折角の見知らぬ世界を友人と楽しむことも十全には叶わぬ。故に今は、為すべきことを全力で。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『麒麟』

POW   :    カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD   :    因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ   :    キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 炎に満ちた山中を突き進む猟兵達。やがて山頂で響く砲撃音が、火の弾ける音より明らかに聞こえてくる。
 だが、そこに降りてくる影が複数。見上げれば、宙空を蹴る蹄音を伴って、無数の馬とも龍ともつかぬ存在の姿。
 それは『麒麟』。本来は瑞獣であったものだが、この世界に在るそれは「大いなる災い」以外の何者でもない。
 猟兵達を認め、全身を包む炎を滾らせ額の角より電光を迸らせる麒麟。殺気は充分と見える。

 グリモア猟兵の話では、かの存在は妖怪を取り込んでおり、撃破を以て救助することが可能とのこと。
 だが此処は炎に包まれた山の中。無事に下山させるには、何らかの補助が必要となるかもしれない。

 いずれにせよ、異変の根源まではあと少し。かの敵を蹴散らし、道を切り開くべし。
エリザベート・フリーレン
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】
随分と荒れているのね、神聖さは微塵も感じないわ
熱気を軽く感じながら優雅に参戦よ
今回も【友人】のナインチェと共にハントと洒落込むわ

ナインチェ、追い込んであげるから華麗に決めなさいな
親指の腹を牙で裂き、流れ出る血で魔法陣を描くわ
追い込むのは猟犬、さぁ鋭い牙で食い破りなさい!

攻撃と追い込みは血の矢に任せて麒麟の攻撃を見切っていくわ
踊る様に躱してあげる、でも雷は本当に邪魔ね…
ま、ナインチェにかかれば…麒麟に有利な地形なんて意味ないけどね?
ふふ、ご愁傷様
一網打尽ね

ふぅ、少し汗をかいたわね
い、依頼が終わったら一緒にお風呂とか…
友人でもお風呂を誘うのはいきなり過ぎかしら…むぅ…


ナインチェ・アンサング
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】

麒麟の名を冠していますが、世界に仇為す存在には違いありません。ね

群れを伴う様は瑞獣に不似合いですが、脅威
即ち、こちらもコンビネーションです。エリザベート

聖剣を隕鉄の外殻が覆い隠し封印状態へ
純白の大剣へ姿を変えます
災いの雷は脅威…それに付き合うつもりは、ありません

隕鉄の塊。見た目以上の大質量剣を打ち据えるは、大地そのもの
天へ爆ぜ、散らばる土塊に如何程の雷を形成できるのかはわかりませんが…
何にせよ。エリザベート程は舞踊れぬでしょう
隙を見せれば、今度は大地ではなく獣に打ち据えます。し

…しかし、エリザベートは何かを悩んでいる様子
これでも、何か不安材料があるのでしょうか…?



 猟兵達を排除せんと、殺気を炎や雷光と成して空駆け迫る麒麟の群れ。迎え撃つは二人の猟兵。
「随分と荒れているのね、神聖さが微塵も感じられないわ」
 上空と地上と。熱気を感じながら、エリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)は肩を竦める。その所作はあくまでも優雅に。
「ええ、世界に仇為す存在には違いありません。ね」
 ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)もまた、頷いて同意を示し。迫る災いの群れを見据える。
「斯様に群れる様は瑞獣には不似合いですが、脅威には違いありません」
 即ち、とナインチェは視線をエリザベートへ。
「そうね、…私達で華麗にハントと洒落込みましょうか」
 意を察し、応えるエリザベートの言はあくまでも不遜に。麒麟狩りの開始である。

「ナインチェ、追い込んであげるから華麗に決めなさいな」
 先に動くはエリザベート、親指の腹を己の牙で噛み裂き、血流れるままに指を宙空へ躍らせる。溢れる血は宙空に魔法陣を描き、その先に麒麟の群れを捉える。
「さあ、私の猟犬達。鋭い牙で、食い破りなさい!」
 号令に応えるかのように、魔法陣から飛び出してゆくのは50本を超す鮮血の矢。最前の麒麟の四肢へ、喉笛へ突き刺されば、自ら震えて傷口を更に広げる。
 飛翔をかわした麒麟に対しても、弧を描きながら追走し追いたて、炎による迎撃をもすり抜けて突き刺さってゆく。その様は正しく、矢の形をした猟犬であった。
「ええ、コンビネーションといきましょう」
 血矢に追いたてられる麒麟の前には、ナインチェが立ちはだかる。その手には、内に聖剣封じた純白の隕鉄大剣。帯びたる斥力ゆえに、彼女の細腕であっても取り回しは苦とならぬ。
 突破を試みんとする麒麟に、すれ違いざまの一閃。無骨ながらも鋭い刃が麒麟の身を断ち割り、取り込まれていた妖怪を残して霧散してゆく。
 両者の連携によりその数を減らされてゆく麒麟、なれど反撃を試みる。角に雷光が走ったかと思えば天から落雷が降り落ちて。
「そんな大振りが当たると思って?」
 しかしエリザベートは攻撃を猟犬矢に任せているが故に、意識を回避に専念させることが可能。地へと突き刺さる雷撃をも、踊るが如く華麗に身を翻し、かわして見せる。
「――でも、この雷は邪魔ね」
 地に落ちきった落雷はそのまま消散することなく、突き刺さった地面に留まり帯電し続ける。周囲に集う麒麟達の動きが、目に見えて良くなってきているのが分かる。彼らを追い立てていた血矢が、逆に翻弄されている。
「ええ。このようなものに付き合う必要は、ありません」
 応えるナインチェ。隕鉄剣を振りかぶり、災いの雷蟠るそこへと駆ける。剣が帯びる斥力場が加速器の役割を果たし、先程まで以上の速度と、それ故に衝撃力を上乗せし――重厚なる刃が、地へと叩き付けられる。
 隕石の落下を想起させる一撃が、大地を抉り爆ざしめ、そこにあった土塊や石が四方へ飛び散る。拠り所を失った雷光は霧散し、その加護を失った麒麟達の挙動が精彩を失う。
「その様では、云っても理解らぬでしょう。故に」
 血矢に狩られゆく麒麟、傷つき狂乱したかの如く炎吐き散らす一体へと、ナインチェは再び白き大剣を振り下ろす。炎をも弾く斥力と共に、重い一撃が麒麟に叩き付けられその身を両断。瞬く間に霧散した後には、ただ解放された妖怪のみが残っていた。

 そうして、一帯の麒麟達はその全てが狩り尽くされた。取り込まれていた妖怪達も、多少の擦り傷などはあるが無事だ。
 二人がここまで登ってきたルートならば、道中消火や霊障の抑制を行ってきたので未だ安全だろう。そちらへと妖怪達を送り出しつつ、エリザベートは己の手で自らを仰ぐ。
「ふぅ、少し汗をかいたわね」
 言葉通り、彼女の白磁の肌には玉の如く汗が浮かんでいた。火災で気温が上昇している中の立ち回り、無理からぬ話である。
「ね、ナインチェ。この依頼が終わったら――」
「はい?」
 ふと思い立ち、傍らのナインチェに声をかける…が。
「――いえ、何でもないわ。忘れて頂戴」
「?」
 思い直し、かけようと思った言葉を引っ込める。その理由は。
(…友人でもお風呂を誘うのはいきなり過ぎな気がするわ…)
 他者との距離感に不慣れなエリザベート。同性とはいえ、そのような誘いは距離感を誤っているような気がした模様。
(…エリザベート、何かを悩んでいるようですね。連携は完璧だったと思うのですが、何か不安材料でも…?)
 そんな彼女の心中など知る由もなく。悩むような様子を見て、不思議そうに首を傾げるナインチェであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

前座にしちゃァずいぶんと派手だな。

相手の手札が火ィだけなら、さっきと同じ要領でどうにでもなるんだが。
雷を落とすってんなら、こっちもあたらしい手札を切ろう。

雷を►大見映の鏡面に捉えて、その軌跡を曲げる。
見当違いの場所に落ちる分にゃ、雨の日とそう変わらないってもんだ。

――と、防ぐだけならどうにでもなるが。
あとがつかえてるっぽいからな、とっとと静かにしてもらわねぇと。

◈UCで相手の「戦闘力を高める」効果を不利益に変換。
❝災いの雷❞とやらを、本来の、❝瑞獣としての性質を帯びた雷❞に置き換えるって寸法だ。

中に妖怪がいるってんならやりすぎてもアレだし、同じ力で返しときゃイイだろ。


緋縅・善蔵
連携やアドリブは可。
味方の一部が麒麟と接敵した後、黒曜の一角獣で味方の近くにテレポート。
重装甲化とVRBで強化したら【オーラ防御】と【力溜め】【武器受け】【盾受け】【激痛耐性】【雷撃耐性】を使用し、を目に付いた個体に【一斉発射】。
【ダッシュ】し【重量攻撃】と【零距離射撃】で麒麟を排除。
取り込まれた妖怪を救出したら彼の妖怪を庇う。
また、支援要請(レベル35)×2に支援させる。
ミサイルカーニバル等の射撃武器の【誘導弾】で味方の支援して複数の妖怪を救出したいところ。

火の山を通る場合は【火炎耐性】で妖怪を庇いながら撤収。



 燃え盛る炎の中、角から雷電を迸らせながら宙を駆ける麒麟の群れ。そもそも元は瑞獣にして神獣だ。
 前座にしちゃァ随分と派手だな――玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は呆れたような、感心したような呟きを漏らす。
「しかしまァ、一人でやるにゃァちぃと数が多いかねェ――うん?」
 群れ集う麒麟を前に思案する事数瞬、山の麓の方から急速に迫る気配を感じ振り返れば。
 風を裂いてその場へ駆け込むは、一頭の黒馬――正確には一機。その身体は肉でなく金属。そして額には一本の螺旋角。その姿は正しく、黒きユニコーン。
「遅参した。戦端が開かれるのは今からだったか」
 その鞍上に座るのは、浅黒い肌にスキンヘッド、右眼を通る古傷を持つ、正しく強面という形容の似合う男。緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)。後から此度の任務に志願した身だが、ユーベルコードの産物たる黒のユニコーンによって、一気にここまでテレポートしてきたのだ。
「おー、ご同業かぃ?こいつァ有難い、今からあの麒麟どもをやっつけようってトコだったんだが、ちょいと数が多くてなァ」
 思わぬ増援に、狐狛はにまりと笑んで馬上の善蔵を見上げる。その善蔵は視線を更に上、上空の麒麟達へ。
「…成程、丁度良かったというところか。把握した」
 その数を確かめ、頷く善蔵。支援に赴くには丁度良い戦域であった、と納得した様子。
 時同じくして、麒麟の側にも動きが生じる。集う彼らの双角が纏う雷電、その輝きが増すに従って、上空で雷鳴が轟きだしたのだ。
「…これは」
「思ったより派手にくるじゃないか…そんならこっちも新しい手札を切らにゃァな」
 身構える善蔵の前、狐狛が片手に何かを掲げる。それは鏡。懐に入るサイズの小さなコンパクトミラーだ。雷光を映す鏡は、今まさに降り注がんとする落雷を捉え…そして雷が降り注げば。
「…雷が、逸れていった…?」
 真っ直ぐ地上を目指していたはずの雷が、直角に近い角度で捻じ曲がり。何処かへと飛び去っていったのである。
「見当違いの場所に落ちる分にゃ、雨の日とそう変わらないってモンだ」
 にやりと笑う狐狛。これが彼女の携える「大見映」の鏡の力。雷や光の軌道を捻じ曲げる力だ。
「違いない。ならば、守りはこれでよし…ここからは攻めの時間だ」
 応え頷く善蔵。同時に更なるユーベルコードを発動すれば、先程まで騎乗していた黒のユニコーンが眩い光と共に変形し善蔵へと装着される。持ち込んだ火器類をも取り込みつつ合体を果たしたその姿は、まさしく戦闘用のロボットそのものであった。
「…行くぞ!」
 ブーストで飛翔するように疾走し、携えたプラズマライフルを連射。打ち上げられる超高熱の弾頭が、次々と麒麟達を撃ち抜き、撃墜せしめてゆく。
「へぇ、派手にやるじゃないか兄さん。そんなら、アタシももう一仕事だ」
 大立ち回りを繰り広げる善蔵の様子を感心しきりに眺める狐狛。一方で彼女は見ていた。その攻勢に対抗するべく、麒麟達が落雷を敢えて二人から離れた位置に落としているのを。恐らくは、地表に落とした災いの雷を以て自己強化を図っているのだろう。
「だが、気付いちまった以上そうはいかさねェ」
 狐狛の瞳が、地表で蟠る災いの雷を見据える。そのもとへ集う麒麟達の様相が、――何故だか精彩を欠いてゆく。
 それは狐狛のユーベルコード。相手のユーベルコードの生み出す効果に干渉し、その強化効果を弱体効果へ反転せしめる結界を張ったのだ。
「動きが悪い。ならば一気に仕留めさせてもらおう」
 その異常に麒麟達が対応するより、善蔵が仕掛ける方が早い。一気に肉薄し、左腕にマウントしたプラズマブレードの蒼き刃を以て、一体残らず斬り捨てていった。

「周辺に敵反応無し。この場は状況終了だな」
 全ての麒麟を撃破したことを確かめ、善蔵は周囲を見回す。骸魂から解放された妖怪達が目を覚ます。未だ山中は炎が満ちる。一旦護衛して下山するかと思ったが。
「山を下りるなら、アタシが登ってきた方角から下りるといい。あっちはきっちり消火済みだ」
 狐狛の言う通り、彼女が登ってきた方面には火の手が見えぬ。道中にて燃えていた炎は全て、彼女の力で鎮圧済みだ。
 だが、万一ということもあろう。と、途中まで護衛することとした善蔵の先導のもと、妖怪達は無事に山を下りていったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

赤嶺・愛(サポート)
『世界が平和になりますように』
 人間のパラディン×シーフの女の子です。
 普段の口調は「平和を愛する(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、怒った時は「憤怒(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく、人と話す事が好きで
平和的な解決を望む優しい性格の女の子ですが
戦う事でしか依頼を成功出来ない時は戦う事も厭わないです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


マリウス・ストランツィーニ(サポート)
助けが必要と聞いて馳せ参じた!

どんな理由であっても人々に害為す敵は許さん!いや、理由によっては許すかもしれないがとにかく全力で戦う!
我が一族の誇りに懸けて、私の剣で成敗してやる!もしくは銃で成敗してやる!

もちろん敵とは正面から堂々と戦う!
しかし必要とあらば隙を伺って死角から襲ったりもするぞ!これは戦いだからな!

はあはあ、どうだ……!まいったか!
……まいったよね?

(アドリブ連携等歓迎)


二天堂・たま(サポート)
ワタシは流血を伴わない攻撃手段が主だ。
武器:ケットシーの肉球による“負の感情浄化”や、UC:常識を覆すピヨの波動によるスタミナ奪取を多用する。

直接触れないような相手(体が火や毒で覆われている等)の場合はUC:アルダワ流錬金術を応用した攻撃が主力だ。
(火に覆われているなら水、毒液で覆われているなら砂嵐等)

しかし実際には直接的な戦闘以外の方が得意だな。
ボビンケースの糸を使った即席の罠の用意、料理や情報収集や掃除。
UC:親指チックで呼びだした相棒による偵察と、同UCによる居場所交代(テレポート)で潜入・解錠して味方の手引きとかな。

もふもふが必要ならなでても構わんぞ。UCで呼んだ相棒達(ひよこ)もな。



 未だ響く砲声、燃え盛る山林。炎の中を駆け、麒麟達が迫り来る。その瞳に宿るは明確な害意。向かい来る猟兵達への攻撃の意志。
「平和的な解決…はできそうにないのね」
 その様相を見据え、赤嶺・愛(愛を広める騎士・f08508)は悲しげに呟く。可能ならば穏便に解決したいと思っていたが、この様子では戦いは避けられない。
 それを証立てるかのように、麒麟の一体が大きく顎を開いたかと思えば。その口中の炎が火球と化し、愛を目掛け射出されてきた。ハートの形の盾を掲げ、受け止める。
「敵意満々といった感じだな!だが私が来たからにはこれ以上の狼藉は許さぬとも!」
 更に迫らんとする麒麟に対し、響き渡る音声と銃声。飛び来た銃弾が麒麟の身を穿ち、血を噴き悶える麒麟。愛が振り返れば、そこには黄金のリボルバーを構えるマリウス・ストランツィーニ(没落華族・f26734)の姿。
「そうとも、何より彼らは骸魂に憑かれ暴れているのみと聞く」
 そのマリウスの足元に進み出る、ひよこに跨った灰毛の猫人。そのケットシー――二天堂・たま(神速の料理人・f14723)は彼らについての情報を思い返しつつ語る。
「故に全力で押し止め、これ以上己の世界を壊させないようにせねば」
 生まれ経た時の流れを感じさせる重々しげな語りに、愛とマリウスも頷く。
「…うん、この子達も骸魂の被害者なのだもの。助けられるなら、助けてあげなきゃね」
「ああ、助けが必要ならばそれを為すに異論は無い!助けてやろう!」
 そんな三人に更なる麒麟が迫る。その様は彼らへの挑戦とも見えて。
 麒麟達が掲げた角に雷電が迸り、上空の雲が唸りを上げる。直後に迅る稲光、三人を目掛け紫雷が降り注ぐ。
「させるものかぁ!」
 だがマリウスは臆さぬ。降雷に対し踏み込み、背の愛刀、八重霞の銘を持つ太刀を抜き放つ。その勢いのままに振り抜き、落雷へと斬りかかれば。ユーベルコードの力で輝く刃が雷光を斬り裂き、地に禍雷を残させもせず消し飛ばす。
 それでも構わず宙を駆け迫る麒麟達に、愛は決意を籠めた視線を向ける。片手の愛剣をひとたび地に突き刺せば、両手を組み、精神を集中する。そこに籠めるは慈愛と優しさ。骸魂に憑かれた妖怪達を救わんとする意思。
「全ての者に慈愛の力を…そして、邪悪なる者には制裁の力を!」
 決然たる宣言と共に、籠めた想いを解き放つ。想いは力へ、そして七色に煌くハートの群れへ。虹色の吹雪と化して、戦場で燃え盛っていた炎をも吹き消して。愛を目掛けて駆ける麒麟達を巻き込む。
 エネルギーの嵐に翻弄され、打ち据えられ。大いなる災い、とも称されるかの存在は、自分達を襲う慈愛と制裁の嵐の前に次々と墜落していく。
 ダメージの程は周囲の炎より尚明らかで、しかしそれでも。地に横たわる麒麟は起き上がらんともがく。その瞳に敵意の炎を、周囲の炎に負けぬ程に燃え滾らせて。
「いや、そこまでだ」
 そんな麒麟のもとへと、たまは歩み寄る。諭すように語りかけながら、牙を剥く口蓋の上、鼻先を己の肉球でぷにり、と押す。
「暴れる必要はもはや無い。在るべき場所に戻るといい」
 すると。今にも噛み付かんばかりに殺気立っていた麒麟の表情から、徐々に敵意と攻撃の意志が薄れ。やがてその身から、黒き瘴気じみた気体が漏れ出して、麒麟の肉体までもが徐々に薄れてゆく。
 それはたまの肉球に宿った力。触れた相手の負の感情を浄化する、心の癒しを齎す力。以て、骸魂は力失い浄められてゆき。麒麟の姿が完全に消え失せれば、後には取り付かれていた妖怪の少年の横たわる姿が残るのみ。
「みんな無事かしら?…良かった」
 そうして元の姿に戻っていった妖怪達。皆、命に別条ないことを確かめて、愛は安堵の声を漏らす。助けるべきものを助けられたことは幸いと。
「はぁ、はぁ…よし、うまくいったな…!」
 息の上がった様子のマリウス。雷を斬り払う業を幾度も繰り返していたらしく、それ故か結構な疲労が溜まっていた模様。
「…だが、まだ諸悪の根源が残ってる。奴を倒し、崩壊の危機を打ち砕かないとな」
 それでも、どうにか息を整えてしっかりと立ち上がれば。未だ砲撃の炎が見える山の頂上を、しっかりと見据え。
 決然と紡がれたその言葉に、愛とたまも頷くのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

緋縅・善蔵
味方が居る出あろう敵地には黒曜の一角獣で侵入。
キリンと竜撃大砲、それにボスと遭遇した事を考えてプレイング。
戦闘初期に【電撃耐性と火炎耐性、オーラ防御と激痛耐性】を用いて任務に当たる。飛んでくる攻撃は素早く避けるか【力溜め・盾受け・武器受け】で受け流し、こちらからの射撃には【誘導弾」付与で撃ち抜き爆撃し、距離次第ではプラズマブレードや大剣で両断する。
敵が多い場合は支援要請(レベル35と36の2機)を呼び。VRBで自己強化。



「――随分と数が減ったようだな」
 先の交戦で救出した妖怪達を安全圏まで護衛していた緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)が再び戻ってくる頃には、麒麟達の数は最早数える程まで減っていた。
 しかし全滅したわけではない。このまま首謀者たる竜撃大砲との交戦に向かい背中から撃たれては堪ったものではない。何より、取り付かれた妖怪の救助も必要であろう。
「後始末、確実に遂行させてもらおう」
 騎乗してきた宇宙バイクが変形、善蔵が元より纏う全身鎧と合体。その身の更なる武装――パワードスーツへと姿を変える。背中のブースタを吹かし、残る麒麟達のもとへと飛翔してゆく。
 気付いた麒麟達は、次々と火炎弾を吐き迎撃を試みる。対する善蔵はその身をオーラの障壁で包む。炎弾が直撃し爆発が起こるも、その爆炎の中から飛び出した善蔵、その機鎧には傷の一つも無い。
 右手のアサルトライフルを構え、お返しとばかりに麒麟達を目掛け連射。一撃ごとに過たず麒麟の身へと突き刺さり、耐え切れなくなったものから墜落。地に落ち、元の妖怪の姿へと戻っていく。
 それでも残る麒麟達は牙を剥き、頭部の角から雷電を撒き散らして善蔵へ迫る。破壊の衝動に駆られるかの如く。
「まだ来るか。――こちらカラミティ。無人機支援を要請する」
 敵の数は減っているが、それでも一人で相手するのは骨が折れる。そう見て取った善蔵は、ユーベルコードを以て支援要請を飛ばす。応えて、二機の人型無人機――パワードスーツを纏う前の全身鎧状態の彼と同一の姿をしたもの達が現れる。
 無人機達はそれぞれに状況判断、善蔵の左右より迫る麒麟と交戦を開始。後は前方より迫る麒麟達だ。
 敵の方から近接を試みてくるなら好都合。左腕を胸元に構えながら肉薄。その手首から、蒼く輝く光の刃が溢れ出す。間合いに捉える。一閃。麒麟の胸が深く斬り裂かれ、断末魔じみた咆哮を残し落ちてゆく。
 そのまま方向転換。左前から迫ってきていた麒麟へと、肩部プラズマキャノンの砲口を向ける。閃光が走り、高密度のプラズマ弾が放たれる。直撃、堪らず墜落してゆく麒麟。
 そうして数体の麒麟を撃破、無人機達もそれぞれに相対した麒麟を打ち倒し、善蔵のもとへ合流してくる。
「――周辺に敵性存在なし。全滅だ」
 残るは山頂にいる竜撃大砲のみ。その背よりブースタの炎を棚引かせ、三機の機鎧が山頂目指し翔けてゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『竜撃大砲』

POW   :    有り余る生命力
自身の【飲み込んだ竜の生命力】を代償に、【大砲から竜の生命力】を籠めた一撃を放つ。自分にとって飲み込んだ竜の生命力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    強靭な肉体
【竜の肉体】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
WIZ   :    理解が及ばぬ精神
自身の【飲み込んだ竜の精神】を代償に、【理性を失った竜】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【牙や爪】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はサフィリア・ラズワルドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 山頂、未だ炎燃え盛る最中を駆け抜け、猟兵達は砲撃の起点を目指しゆく。
「GaOooooooNN!!」
 果たして、そこに在ったものは、背に二門の大砲を背負った巨大なる竜の姿。咆哮を上げながら、空を目掛けて炎弾を打ち上げ続けている。
 あれらの炎がカクリヨファンタズム各地に降り注ぎ、炎による破滅を巻き起こしているのだろう。このまま捨て置けば、成程この世界自体が燃え落ちてしまいかねぬ程の勢いだ。
「…Grrrrr!!」
 と、竜が唸りを上げて砲撃を止める。そして巨体が猟兵達を振り向き、砲口が狙いを定めんばかりに睥睨してくる。己を妨害せんとする存在に気付き、これを排除せんとしているのだ。
 だが、その表情は何処か苦しげだ。骸魂に取り込まれた龍神が、その破壊齎さんとする動きに抗っているのだろうか。
 なれば尚更のこと、この存在を止めなければならぬ。世界の破滅を止めるべく、そして取り込まれた龍神を救うべく。かの存在を打ち倒すのだ!
火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」「飲み込まれた竜の力を代償にされないようにするには、この攻撃方法でしょうか?。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の竜巻】で『竜撃大砲』だけを【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などおまかせ

コイツがヤンチャの元凶だな?
火遊びすんなら、水の用意をしとけっつう話だぜ。

まずは敵の攻撃を受け・避けに徹してやりすごす。
「理性を失った」状態なら、攻撃はどれも最速の発動と最短の軌道をとるだろう。
なら、読み合いとすら言えない簡単な目押しだけのゲームだ。
▻見切り▻結界術▻オーラ防御

そのあいだに重要なのは、「余裕を見せる」コト。
何か仕込みがあるんじゃないか――と思わせるワケだ。使われてる竜は理性を失ってても、使ってる側はそうじゃない。
▻パフォーマンス

相手に不安や懸念が生じたら◈UC使用。
「竜」本来のすがたを複製して攻撃させる。

そら、ぶちかましてやれよ。



猟兵達の前に重々しく立ちはだかる、鉄色の肌と双の巨砲を具えし竜――竜撃大砲。見据える二人の猟兵。
「成程、この方が今回の事件の元凶…」
 黒のローブに黒の三角帽子、魔女と形容するが相応しき装いの娘がかの竜の様相を確かめ頷く。火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)、この接敵の直前に合流した猟兵だ。
「ああ、今回のヤンチャの元凶ってわけサ。全く、火遊びすんなら水の用意をしとけっつぅ話だぜ」
 応えるは金の髪を熱風に靡かす妖狐の娘。玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)。肩を竦めながらも目線は正面の砲竜を確りと見据える。
「Grrrrrrrr…」
 対する砲竜、二人の娘を双の眼で以て睥睨し――否、睥睨する瞳は更に二つ。即ち、竜の双肩に負われた大砲、その砲口の奥に燃える炎!
「「!!」」
 気付いた二人が左右に跳び離れるのと、燃える炎が解き放たれるはほぼ同時。一刹那前に二人が立っていた地面を、紅蓮の炎塊が喰らい穿つ。
「成程、この世界を滅ぼし得るほどの炎。流石に威力が高いですね」
「直撃したらッて思うとぞっとしないネェ…っとぉ!?」
 地面に直径数mはあろうかという大穴を穿つその威力、明の分析に相槌を打とうとした狐狛の頭上に影が差す。慌てて飛びのいたそこに、何か巨大な生物が着地。地面に大きな皹を走らせる。
「ガアアアアアアアア!!!」
 それは砲竜によく似た――機械的な要素を持たぬ純粋な生物と認められる竜。このオブリビオンを形作る骸魂に取り憑かれた竜だろうか。
「ゴアア!ガアアア!グオアアアアアア!!」
 だがその挙動には一切の理性が感じられず。眼前の狐狛の身を引き裂かんとその爪を振るい、牙で噛み付きにかかる。
「のわっ!とっ!こいつぁ速ぇ…!けどなぁ!」
 その攻撃速度は暴風じみていたが、狐狛は軽やかに身を捻り跳躍し、巧みに攻撃をかわしてゆく。理性なきが故、その攻撃行動は全ては最速にして最短。フェイントの一つすらも無い。ならば攻撃のリズムさえ分かれば回避は容易い。読み合いですらない、タイミングだけが全て。
「こりゃただの目押しゲームだなァ?どうした、お前さんの力ってなァこの程度かァ?」
 頭上からの噛み付きを回避し、口角を上げる。余裕を前面に出したかのような笑み。
「Grrrrrrr……!!」
 その様子に苛立ったかどうかは定かではないが。砲竜本体は唸りを上げる。彼女の余裕げな様子を訝しんでいるのか。それは――狐狛の狙い通りであった。
「――『疑った』な?なら、影武者の出番は終わりだぜ」
 宣言した狐狛の背後に立つは、長身に龍の角と尾を具えた青年。その目は超然と、そして決然とした色を帯びて。それは恐らく、かの竜の本来の姿――狐狛のユーベルコードによって生み出された仮初の姿、であろうか。
『――目覚めよ。『我』よ』
 静かに、だが力強く。青年は宣言する。その言葉を受けた暴走竜が、びくり、と身を震わせ、動きを止める。
「お目覚めかぃ?説明は省くが、お前さんを操ってたやつがあれだ」
 竜に語りかける狐狛。示す先には砲竜の姿。
「許すわけにはいかないよなァ?なら――ぶちかましてやんなよ」
『――無論だ。我等の生きるこの世界、滅ぼさせはせぬ』
 促しに応えるかの如く、竜が吼える。それは先程までの衝動に従ったものではない。本来の彼が語るが如き、確かな意思――怒りの籠もった咆哮。
 そして駆け出し、砲竜へと迫る。驚愕した様子の砲竜へ、爪を振るう。砲竜の身を、鋭く穿つ。
 苦悶に唸る砲竜。反撃せんと動いたそこに、影が差す。明だ。
「あなたが取り込んだ竜の力。手放してもらいましょうか」
 冷然と宣言する。かの存在の用いるユーベルコードは、取り込んだ竜神に負荷を強いるものが多い。それを封じる意味も込めて、明は龍神の救助を主眼にせんとしていた。
 そして抜き放つは、白銀色に輝く刀身を有する魔法剣。骸魂に取り込まれた存在を傷つけぬという武器だ。
「邪悪な骸魂のみを断つ刃。受けてご覧なさい」
 明の宣言と共に、その剣が一気に長さと太さを増す。そのまま振るわれれば、まさに銀色の竜巻と称するに相応しい猛烈な斬撃が荒れ狂い、砲竜を打ち据え、斬り刻む。
「Gaaaaaaaaaa!!」
 斬り裂かれた身が血を流し、苦悶に砲竜が吼える。立て続けに襲う追撃の刃は、狐狛や彼女と共に戦う竜は傷つけることなく、砲竜のみを尚も斬り刻んで。
「Guooooooo!!」
 唸ると共に肉体を強化し対抗する砲竜。だが二人と一体の攻勢により、その身には少なからぬ傷が重なり。最終的に退けるまでに受けたダメージは、相当なものであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

弥久・銀花(サポート)
これはもう一番私の得意とする所です

基本的には愛刀の白嵐玉椿で接近戦を挑みます

相手が遠距離を得手としているのなら、石を投げたりして距離を詰めてユーベルコードの鋭刃線閃で斬り掛かります

特に強大な敵の場合はオルタナティブ・エネミーを使って戦います
これはどんな相手にでも勝てる様にと作ったユーベルコードですので大体の相手には優位に立てるでしょう



エッチな感じで拘束され責められてる場合は、一人で切り抜けられないと分かるまで頑張ってみて、駄目なら名誉はあんまりない撤退と使って、相手を私と同じ様に拘束(この時、拘束具などで顔や全身が隠れてたら味方にも判別し難くなります)して、味方の前に逃げますね


アオイ・カーマイン(サポート)
 サイボーグの力持ち×ガジェッティア、16歳の女です。
 普段の口調は女性的(ぼく、あなた、~さん、だね、だよ、~かい?)
真剣な時は 冷静(僕、相手の名前、だね、だよ、~かい?)です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず寿命の消費も必要と判断すれば積極的に使用します。
基本他の猟兵の補助を優先します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 傷を受け苦悶する竜撃大砲。これへ追撃を為さんと、今二人の猟兵が駆け来る。
「これはもう私の一番の得意とする処です。破滅の元凶、斬り捨ててくれましょう」
 白い髪を靡かせ、紅い瞳で砲竜を見据える人狼の少女。弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)。愛刀『白嵐玉椿』を抜き放ち斬りかからんとして――その左目、黄玉の義眼が、不吉な兆しを捉えた。
「GaaaaOooooooonn!!」
 咆哮する竜撃大砲、その双肩の巨砲を銀花へと向ければ即座に撃ち放つ。早撃ち。完全に想定を外したその砲撃、直撃を回避できるかどうか――
「しまっ――」
「危ない!!」
 その時。横合いから疾走してきた影が銀花を抱え横っ飛びに跳躍。疾走の勢いを乗せた跳躍により、直撃範囲を辛くも逃れることに成功。
「――大丈夫、みたいだね。…良かった」
 爆風の煽りを受けつつも体勢を保ち着地すれば、影は銀花から離れつつ安心したように言う。その姿は軍服じみた装いの少女、しかしその身の一部は白銀の装甲に置き換えられ、彼女のサイボーグたるを示す。アオイ・カーマイン(心身、未だ未完のサイボーグ・f26716)。
「あ、ありがとうございます。少々、油断してたようです」
 己の先走りを戒めつつも、恥ずかしげに。礼を述べる銀花。己の傷つくに無頓着な彼女だが、それを回避するべく力を尽くす行いを邪険にはしない。
「間に合ったから大丈夫。僕もお手伝いするから、一緒に戦おう」
 微笑を返しつつ共闘を申し出るアオイ。心根の優しさが滲み出るような笑みだ。
「ええ、あれ程の強敵ならば。力を合わせ全力にて!」
 銀花は決然と言い、そして二人揃ってその場より跳躍。追撃とばかり放たれた砲撃を、今度は余裕をもって回避する。
「そしてこれ程の強敵なれば。力を借りる価値は大きいでしょう!」
 愛刀を一度納め、片手を掲げれば発動するはユーベルコード。二人の背後の空間が歪み、姿を現すは――目の前にしている竜撃大砲、そのものであった。
「Gaooooooon!!」
 咆哮を上げる、複製の砲竜。本物のそれを目掛け、負けじと強力な砲撃を放ち反撃と為す。
「これで戦力差は逆転です、じっくり追い詰めていきましょう!」
「…う、うん!油断しないように、ね…!」
 あれ程の敵の複製を作り上げるとは。その力に圧倒されていたアオイだったが、銀花の呼びかけには確りと頷いて。共に、複製との砲撃戦を余儀なくされる砲竜へと距離を詰めてゆく。
(でも、近づいたらきっとこっちを向いてくるよね…)
 砲竜との距離を詰めつつ、慎重にその出方を窺うアオイ。彼我の距離が徐々に縮まる。もう少しで、銀花の攻撃の間合いに捉えられる――その時。
「Guoooo!!」
 接近に気付いた砲竜、その身が二人の方へと向き直る。そして砲口をもそちらへ振り向けようとしたその瞬間。アオイは動いた。
「支援・制圧用拘束機能、起動…!行けっ!」
 鋼鉄の右腕を掲げ、大砲を目掛け突き出せば。その腕が肩口から分離、そのまま一直線に撃ち出される。掲げた先の砲身を右手が捉え、射出の勢いも利して砲口の向きを無理矢理に変えさせんとし。
「Gaaaaa!?Gaaa、Wraaaaaa!!」
 予想外の行動妨害に呻きながらも、力ずくで拘束に抗う砲竜。その動きを戒められたのは僅かに数瞬。だが。
「ありがとうございます、ここまで来れば、後は…!」
 銀花にとっては、その数瞬だけで充分だった。砲竜のもとまでは一間程。ここまで来れば、最早そこは彼女の間合い。
 複製砲竜の砲撃。本物砲竜の肩へと命中、その体勢が崩れる。疾走。本物砲竜の砲撃を掻い潜り更に接近。
 跳躍。砲竜が爪を振るい叩き落そうとするが、銀花の身は既にその間合いの内。白嵐玉椿、その柄に手を添える。狙うは胸元。
 到達まで一秒。柄を握る。抜刀。鞘より噴出す白光。抜き打つ。横薙一閃。
「Gyaaaaaaaaaaa!!」
 その一太刀は、砲竜の胸元を深く、深く斬り裂き。悲鳴じみた砲竜の咆哮が響く。追撃の砲撃が降り注ぐ。
「このまま…仕留めるっ!」
 アオイもまた、ガジェットに己の力を注ぎ込み。放たれた光条が、銀花によって刻まれた傷口を、更に深く焼き焦がしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナインチェ・アンサング
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】

ようやく、山頂。そして……
世界を滅ぼさん限りの砲撃
故に…まずはこれを止めねばなりません

「エリザベート。隙を、つくります」

刃に、人差し指を滑らせ……血を流します
私の業。力ある盃に宿る、欲望を掻き立てる匂い
竜の生命力を呑む大砲に更なる力の欲求を与えます
…もっとも、それを捧げるつもりはありません、が

少しの間、理の無い獣となってもらいます
迫り奪わんとするそれを――誘導、です

「鋭き牙は、ケダモノだけの領分ではありません、ね」

そう。尚鋭き鉄杭の牙へと。です

…静かになれば、今度こそ月を友人と楽しむのもよい、ですね
エリザベート…エリザベート?
え、指を、ですか…? ン、ん…っ


エリザベート・フリーレン
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】
邪魔な砲撃ね、でも私達にかかれば竜もただの大きなトカゲと同じよ
ね、ナインチェ?

あの子の力…ね、本当にらしすぎるのよ…
黒い外套にレオタードの黒戦衣スキアを纏うわ
これで隙を突けるはず…
あの子をこれ以上無駄に傷ける訳にはいかないわ!
適度に妨害しながら大きな隙を見つけるの

濃くて甘い血の香り
理性がとけそうよね?
私にも分かるわ、それが大きな隙を作る事も!
ステップを踏んで接敵
懐、頂くわ!
【貫穿ロートナーデル】
この一撃は重いわよ…って聞こえていないかしら?

これで終わり…傷見せなさい
血止まってないじゃない、本当に甘い香り…ん…
こ、これで止まるわ!
傷口舐めちゃった…
つ、月のせいよね!



 猟兵達の攻撃により傷ついた、砲背負う竜。その傷は傍目にも深く、重いものであろうと認められる。
 しかしよろめくように立ち上がれば、再び双肩の砲を天へと向け、轟音と共に焔を打ち上げ始める。まるで己はその為に――焔以て幽世を滅ぼす為だけに在る、と表明するかのように。
「――まさしく、世界を滅ぼさん限りの砲撃、ですね」
 そんな竜の在り様を、続いて到着した二人の猟兵の片割れ――ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)は評する。彼女らに気付いた砲竜、振り向けば上空に打ち上げていた火砲を其方目掛け撃ち放ってくる。
「っと!まったく、邪魔な砲撃ね」
 横っ跳びで回避するも、弾けた炎は周辺の木々に引火し再び燃え上がらせてゆく。二人組の今一方、エリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)が忌々しげに呟くも、すぐにその表情は不敵な笑みとなり。
「――でも。私達にかかれば、これ程の竜でもただの大きなトカゲと同じよ」
 ね、と。相棒たるナインチェに呼びかければ。
「ええ。これは、止めねばなりません」
 エリザベートの呼びかけに彼女は頷き、応える。
「Gaaaoooooooonn!!」
 そこに響くは砲竜の咆哮。双肩の砲に、先程とは質の異なる力が集束してゆく。咆哮に紛れて、悲鳴じみた声が聞こえた気がした。
「…!これ、命を――」
 エリザベートは気付く。このオブリビオンに取り込まれているという、龍。その生命力を簒奪しての砲撃であると。だが思案の時間は無い。
「Guoon!Guoooon!!」
 左右交互、立て続けの砲撃が二人を襲い来たが故に。一撃あたりの威力が初撃程ではないが、連射力は上。
「隙が、見当たりませんね」
 ステップを繰り返しながら、竜の攻勢をナインチェはそう評する。迂闊に近づこうとすれば、たちまちに砲撃の餌食であろう。ならば。
「エリザベート。隙を、作ります」
 告げて、携えた得物たる黒槍、その穂先へ人指し指を這わす。
「え。ちょっと、それってまさか」
 何かを思い至ったか。エリザベートが戸惑い気味に声を上げるのと、ナインチェの人差し指の腹が血を流すのはほぼ同時。
 直後、未だ炎燃える戦場に立ち込める火と煤の匂いをもかき消さんばかりに、濃厚な芳香が溢れ出す。流れた血の量からすれば有り得ない程の、芳醇なる匂い。
(あの子の力…ね、本当にらしすぎるのよ…!)
 それはナインチェの――聖餐の器、血を受け、血を捧ぐための聖杯のヤドリガミである彼女の業。力ある盃から溢れる血もまた力を宿す。故に、その血の匂いは生けるモノ達の欲望を駆り立てる。
 彼女達を追いたてんとする砲竜とて、その例外ではなく。取り込んだ龍の生命力を呑み力と為すかの竜の視線が、ナインチェを捉えて真っ直ぐに凝視する。
 あの血を貪れば、更なる力を得られる――そう考えたかどうか、定かではないが。かの竜は砲撃を止め、ゆっくりとナインチェを目指し歩き出す。まるで引き込まれるかのように。
(…理性が蕩けそうよね?私にも分かるわ)
 その様を見守りながら、エリザベートの表情も何処か恍惚として。ナインチェの血から溢れる濃厚にして甘美なる匂いは、彼女の鼻腔から脳髄にまで染み込み、蕩かさんばかりで。
(…でも、あの子をこれ以上無駄に傷つけさせるわけにはいかない)
 だが、今はその甘美に浸っている場合ではない。その手の指輪に嵌め込まれた魔石を、逆手の指で撫でれば、そこから漆黒の外套が引き出されてくる。羽織るように纏いながら身を一回転。元に向き直ったその時には、外套の下の着衣は純白の軍服ドレスから漆黒のインナー姿へ一瞬で変化していた。
 氷の刃携える大鎌が変形を開始。拡大変形と共に片腕へと装着されたその形状は、氷色の鉄杭を備えた大盾――パイルバンカーであった。

 そうしている間にも、砲竜はナインチェへ迫る。だらしなくも大きく広がった口中から、熱い吐息が溢れ。とうとう、それが彼女へと吐きかかる程の近距離まで。むき出しの牙が、今にも眼前の少女へ食いつかんとする。
「――鋭き牙は、ケダモノだけの領分ではありません、ね」
 その、ナインチェを喰らわんとする有様こそ、最大の隙。刹那、懐へ飛び込む黒の影。エリザベート。片腕の杭を振りかざす。
「――そう。尚鋭き鉄杭の牙へと。です」
 ナインチェが頷く。杭装着するエリザベートの腕が、蒸気と駆動音を吐き上げる。
「酔っ払ってるところに、この一撃は…効くわよ!!」
 蒸気の噴射に逆らわず、拳を振りぬく。撃ち出されたパイルが、砲竜の胸元へと叩き込まれ、深々と穿孔――そして、貫通。
「AnGaaaaaaaaaaa!!!」
 それまでに受けた傷の蓄積していた砲竜に、その一撃を耐え切る力は既に無く――そのまま崩れ落ち、轟音と共に地に伏せて――
「……ぅ……」
 鉄色の肌が漆黒の瘴気と化して崩れ落ちれば、そこに居たのは一人の青年。取り込まれていた、龍神であった。

 ほどなくして、山を覆っていた炎は徐々に火勢を弱める。オブリビオンが斃れたことで、漸く消火が叶うようになったものだ。
 他の猟兵達が青年を伴い下山する中。二人は山頂に残っていた。
「今度こそ、二人で月を楽しむのも――」
 ナインチェが緩やかに言うが、エリザベートの表情は硬い。徐に、ナインチェの手を取り、人差し指を見る。
「…血、止まってないじゃない」
 その表情は、指先から溢れる血の、変わらぬ濃厚な芳香に酔い痴れそうなのを堪えているようにも見えたかもしれない。
「これ、ですか。案ずることはない、のですが」
 いつものこと、と言わんばかり、きょとんとした表情で返すナインチェだが。
「あなたが構わなくても私が構うの!…これで、止まるわ!」
 返す声は存外に大きくて。その勢いのまま、傷口を己の口元へ引き寄せる。小さな唇をそこへ寄せれば、軽く口付けるように傷口へ重ね。伸ばした桃色の舌で、流れる血ごと傷口を舐め上げる。
「え、エリザベート…っ?ン、ん…っ」
 柔らかな唇。滑らかで温かな舌。傷口に伝わる感触に、ナインチェの唇から漏れる、戸惑い気味な甘い声。
「…こ、これで大丈夫、よ!」
 見返すエリザベートの顔は、周囲で未だ燃え残る炎より尚紅く。傷口を舐めるというその行為を誤魔化すように、声を上げ宣言する。
「…エリザベート…?」
 戸惑うような、驚くようなナインチェの表情。直視しきれず、そっぽを向いてしまって。
(月よ。月のせいよ…!あんなに大きくて綺麗な月…!)
 古来より、月の光は人の心を狂わすと云う。エリザベートの心を騒めかすその感情も、月の光が齎した狂気なのか。
 二人を見下ろす、大きな大きな黄金の満月。炎による滅びより救われた世界の空で、優しくも謎めいて光輝き続けていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月18日


挿絵イラスト