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Blame by Flame(作者 五条新一郎
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 降り注ぐ炎。
 逃げ惑う妖達。
 飛び交う災い。
 咆哮するは鋼鉄の竜。

 それは、よくある世界の終わり。
 世界の全ては、炎の中に沈もうとしていたーー。



「ーーというわけで、この世界の滅びを阻止して欲しい」
 グリモア猟兵、サナティス・ヴァルヴァード(死を告げるもの・f27951)の依頼は端的であった。
「…すまない。これだけでは説明不足だった。カクリヨファンタズム各地に、オブリビオンが『炎』を降らせ何もかもを焼き払おうとしているんだ」
 これを阻止して欲しい、ということらしい。
「元凶となるオブリビオンは『竜撃大砲』、竜を撃つ為の大砲が骸魂と化し龍神を取り込むことで生まれたオブリビオンだ」
 これが、とある山から砲撃を繰り返し、カクリヨファンタズム各地に炎を降らせているらしい。
「皆には、その山へ突入しこの竜撃大砲を倒して欲しいのだが…障害が二つばかりある」
 猟兵の一人が仔細を問えば、サナティスは説明を始める。

「まず、この山は既に完全に炎に包まれ火の海と化している。それだけでも厄介だが…」
 他にもあるのか、との問いにサナティスは頷き。
「この山に宿っていた霊が、炎を放たれたことで暴走状態になっていてな…分け入る者に対し、手当たり次第に霊障で攻撃を仕掛けてくるんだ」
 燃える倒木が飛んできたり、炎自体が波や竜巻となって襲ってきたり。他にも様々な攻撃が来ることが予想される。
「山の霊にとっては、全身火達磨にされているようなものだ、暴走するのも無理はない。オブリビオンさえ倒せば鎮火は叶う、何とか突破してくれ」

 また、現れるオブリビオンは竜撃大砲のみではない。
「『麒麟』という。人の世では瑞獣らしいが、オブリビオンとしてのこれらは紛いなき『大いなる災い』だ。…尤も、取り込んだ妖怪が強くないおかげでそこまで強大な存在ではないが」
 少なくとも一対一ならば、猟兵が遅れを取ることはない相手らしい。ただ数は多いので、包囲や不意打ちには気をつけた方が良いとのことだ。
 因みに霊障はオブリビオンにも襲いかかるが、あまり有為な効果は見られないらしい。

「それと、オブリビオンを倒したら、取り込まれた妖怪達の救助もお願いしたい」
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは、骸魂が妖怪を取り込むことで発生する。オブリビオンを倒せば取り込まれた妖怪は解放されるが、今回は戦場が戦場である。炎に巻かれたりしないよう、安全に逃がす方法を考えておくのが良いかもしれない。

「と、このような処か。皆、どうかオブリビオンを打ち倒しこの世界の危機を払って貰いたい。よろしく頼む」
 改めて願うと共に、サナティスの掌の上でグリモアが輝きを増しーー猟兵達を、燃え盛る山の麓へ送り出していく。





第2章 集団戦 『麒麟』

POW ●カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD ●因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ ●キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 炎に満ちた山中を突き進む猟兵達。やがて山頂で響く砲撃音が、火の弾ける音より明らかに聞こえてくる。
 だが、そこに降りてくる影が複数。見上げれば、宙空を蹴る蹄音を伴って、無数の馬とも龍ともつかぬ存在の姿。
 それは『麒麟』。本来は瑞獣であったものだが、この世界に在るそれは「大いなる災い」以外の何者でもない。
 猟兵達を認め、全身を包む炎を滾らせ額の角より電光を迸らせる麒麟。殺気は充分と見える。

 グリモア猟兵の話では、かの存在は妖怪を取り込んでおり、撃破を以て救助することが可能とのこと。
 だが此処は炎に包まれた山の中。無事に下山させるには、何らかの補助が必要となるかもしれない。

 いずれにせよ、異変の根源まではあと少し。かの敵を蹴散らし、道を切り開くべし。
エリザベート・フリーレン
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】
随分と荒れているのね、神聖さは微塵も感じないわ
熱気を軽く感じながら優雅に参戦よ
今回も【友人】のナインチェと共にハントと洒落込むわ

ナインチェ、追い込んであげるから華麗に決めなさいな
親指の腹を牙で裂き、流れ出る血で魔法陣を描くわ
追い込むのは猟犬、さぁ鋭い牙で食い破りなさい!

攻撃と追い込みは血の矢に任せて麒麟の攻撃を見切っていくわ
踊る様に躱してあげる、でも雷は本当に邪魔ね…
ま、ナインチェにかかれば…麒麟に有利な地形なんて意味ないけどね?
ふふ、ご愁傷様
一網打尽ね

ふぅ、少し汗をかいたわね
い、依頼が終わったら一緒にお風呂とか…
友人でもお風呂を誘うのはいきなり過ぎかしら…むぅ…


ナインチェ・アンサング
連携・アドリブ歓迎
【白銀同盟】

麒麟の名を冠していますが、世界に仇為す存在には違いありません。ね

群れを伴う様は瑞獣に不似合いですが、脅威
即ち、こちらもコンビネーションです。エリザベート

聖剣を隕鉄の外殻が覆い隠し封印状態へ
純白の大剣へ姿を変えます
災いの雷は脅威…それに付き合うつもりは、ありません

隕鉄の塊。見た目以上の大質量剣を打ち据えるは、大地そのもの
天へ爆ぜ、散らばる土塊に如何程の雷を形成できるのかはわかりませんが…
何にせよ。エリザベート程は舞踊れぬでしょう
隙を見せれば、今度は大地ではなく獣に打ち据えます。し

…しかし、エリザベートは何かを悩んでいる様子
これでも、何か不安材料があるのでしょうか…?


 猟兵達を排除せんと、殺気を炎や雷光と成して空駆け迫る麒麟の群れ。迎え撃つは二人の猟兵。
「随分と荒れているのね、神聖さが微塵も感じられないわ」
 上空と地上と。熱気を感じながら、エリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)は肩を竦める。その所作はあくまでも優雅に。
「ええ、世界に仇為す存在には違いありません。ね」
 ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)もまた、頷いて同意を示し。迫る災いの群れを見据える。
「斯様に群れる様は瑞獣には不似合いですが、脅威には違いありません」
 即ち、とナインチェは視線をエリザベートへ。
「そうね、…私達で華麗にハントと洒落込みましょうか」
 意を察し、応えるエリザベートの言はあくまでも不遜に。麒麟狩りの開始である。

「ナインチェ、追い込んであげるから華麗に決めなさいな」
 先に動くはエリザベート、親指の腹を己の牙で噛み裂き、血流れるままに指を宙空へ躍らせる。溢れる血は宙空に魔法陣を描き、その先に麒麟の群れを捉える。
「さあ、私の猟犬達。鋭い牙で、食い破りなさい!」
 号令に応えるかのように、魔法陣から飛び出してゆくのは50本を超す鮮血の矢。最前の麒麟の四肢へ、喉笛へ突き刺されば、自ら震えて傷口を更に広げる。
 飛翔をかわした麒麟に対しても、弧を描きながら追走し追いたて、炎による迎撃をもすり抜けて突き刺さってゆく。その様は正しく、矢の形をした猟犬であった。
「ええ、コンビネーションといきましょう」
 血矢に追いたてられる麒麟の前には、ナインチェが立ちはだかる。その手には、内に聖剣封じた純白の隕鉄大剣。帯びたる斥力ゆえに、彼女の細腕であっても取り回しは苦とならぬ。
 突破を試みんとする麒麟に、すれ違いざまの一閃。無骨ながらも鋭い刃が麒麟の身を断ち割り、取り込まれていた妖怪を残して霧散してゆく。
 両者の連携によりその数を減らされてゆく麒麟、なれど反撃を試みる。角に雷光が走ったかと思えば天から落雷が降り落ちて。
「そんな大振りが当たると思って?」
 しかしエリザベートは攻撃を猟犬矢に任せているが故に、意識を回避に専念させることが可能。地へと突き刺さる雷撃をも、踊るが如く華麗に身を翻し、かわして見せる。
「――でも、この雷は邪魔ね」
 地に落ちきった落雷はそのまま消散することなく、突き刺さった地面に留まり帯電し続ける。周囲に集う麒麟達の動きが、目に見えて良くなってきているのが分かる。彼らを追い立てていた血矢が、逆に翻弄されている。
「ええ。このようなものに付き合う必要は、ありません」
 応えるナインチェ。隕鉄剣を振りかぶり、災いの雷蟠るそこへと駆ける。剣が帯びる斥力場が加速器の役割を果たし、先程まで以上の速度と、それ故に衝撃力を上乗せし――重厚なる刃が、地へと叩き付けられる。
 隕石の落下を想起させる一撃が、大地を抉り爆ざしめ、そこにあった土塊や石が四方へ飛び散る。拠り所を失った雷光は霧散し、その加護を失った麒麟達の挙動が精彩を失う。
「その様では、云っても理解らぬでしょう。故に」
 血矢に狩られゆく麒麟、傷つき狂乱したかの如く炎吐き散らす一体へと、ナインチェは再び白き大剣を振り下ろす。炎をも弾く斥力と共に、重い一撃が麒麟に叩き付けられその身を両断。瞬く間に霧散した後には、ただ解放された妖怪のみが残っていた。

 そうして、一帯の麒麟達はその全てが狩り尽くされた。取り込まれていた妖怪達も、多少の擦り傷などはあるが無事だ。
 二人がここまで登ってきたルートならば、道中消火や霊障の抑制を行ってきたので未だ安全だろう。そちらへと妖怪達を送り出しつつ、エリザベートは己の手で自らを仰ぐ。
「ふぅ、少し汗をかいたわね」
 言葉通り、彼女の白磁の肌には玉の如く汗が浮かんでいた。火災で気温が上昇している中の立ち回り、無理からぬ話である。
「ね、ナインチェ。この依頼が終わったら――」
「はい?」
 ふと思い立ち、傍らのナインチェに声をかける…が。
「――いえ、何でもないわ。忘れて頂戴」
「?」
 思い直し、かけようと思った言葉を引っ込める。その理由は。
(…友人でもお風呂を誘うのはいきなり過ぎな気がするわ…)
 他者との距離感に不慣れなエリザベート。同性とはいえ、そのような誘いは距離感を誤っているような気がした模様。
(…エリザベート、何かを悩んでいるようですね。連携は完璧だったと思うのですが、何か不安材料でも…?)
 そんな彼女の心中など知る由もなく。悩むような様子を見て、不思議そうに首を傾げるナインチェであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

玉ノ井・狐狛
※アドリブ/連携などお任せ

前座にしちゃァずいぶんと派手だな。

相手の手札が火ィだけなら、さっきと同じ要領でどうにでもなるんだが。
雷を落とすってんなら、こっちもあたらしい手札を切ろう。

雷を►大見映の鏡面に捉えて、その軌跡を曲げる。
見当違いの場所に落ちる分にゃ、雨の日とそう変わらないってもんだ。

――と、防ぐだけならどうにでもなるが。
あとがつかえてるっぽいからな、とっとと静かにしてもらわねぇと。

◈UCで相手の「戦闘力を高める」効果を不利益に変換。
❝災いの雷❞とやらを、本来の、❝瑞獣としての性質を帯びた雷❞に置き換えるって寸法だ。

中に妖怪がいるってんならやりすぎてもアレだし、同じ力で返しときゃイイだろ。


緋縅・善蔵
連携やアドリブは可。
味方の一部が麒麟と接敵した後、黒曜の一角獣で味方の近くにテレポート。
重装甲化とVRBで強化したら【オーラ防御】と【力溜め】【武器受け】【盾受け】【激痛耐性】【雷撃耐性】を使用し、を目に付いた個体に【一斉発射】。
【ダッシュ】し【重量攻撃】と【零距離射撃】で麒麟を排除。
取り込まれた妖怪を救出したら彼の妖怪を庇う。
また、支援要請(レベル35)×2に支援させる。
ミサイルカーニバル等の射撃武器の【誘導弾】で味方の支援して複数の妖怪を救出したいところ。

火の山を通る場合は【火炎耐性】で妖怪を庇いながら撤収。


 燃え盛る炎の中、角から雷電を迸らせながら宙を駆ける麒麟の群れ。そもそも元は瑞獣にして神獣だ。
 前座にしちゃァ随分と派手だな――玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)は呆れたような、感心したような呟きを漏らす。
「しかしまァ、一人でやるにゃァちぃと数が多いかねェ――うん?」
 群れ集う麒麟を前に思案する事数瞬、山の麓の方から急速に迫る気配を感じ振り返れば。
 風を裂いてその場へ駆け込むは、一頭の黒馬――正確には一機。その身体は肉でなく金属。そして額には一本の螺旋角。その姿は正しく、黒きユニコーン。
「遅参した。戦端が開かれるのは今からだったか」
 その鞍上に座るのは、浅黒い肌にスキンヘッド、右眼を通る古傷を持つ、正しく強面という形容の似合う男。緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)。後から此度の任務に志願した身だが、ユーベルコードの産物たる黒のユニコーンによって、一気にここまでテレポートしてきたのだ。
「おー、ご同業かぃ?こいつァ有難い、今からあの麒麟どもをやっつけようってトコだったんだが、ちょいと数が多くてなァ」
 思わぬ増援に、狐狛はにまりと笑んで馬上の善蔵を見上げる。その善蔵は視線を更に上、上空の麒麟達へ。
「…成程、丁度良かったというところか。把握した」
 その数を確かめ、頷く善蔵。支援に赴くには丁度良い戦域であった、と納得した様子。
 時同じくして、麒麟の側にも動きが生じる。集う彼らの双角が纏う雷電、その輝きが増すに従って、上空で雷鳴が轟きだしたのだ。
「…これは」
「思ったより派手にくるじゃないか…そんならこっちも新しい手札を切らにゃァな」
 身構える善蔵の前、狐狛が片手に何かを掲げる。それは鏡。懐に入るサイズの小さなコンパクトミラーだ。雷光を映す鏡は、今まさに降り注がんとする落雷を捉え…そして雷が降り注げば。
「…雷が、逸れていった…?」
 真っ直ぐ地上を目指していたはずの雷が、直角に近い角度で捻じ曲がり。何処かへと飛び去っていったのである。
「見当違いの場所に落ちる分にゃ、雨の日とそう変わらないってモンだ」
 にやりと笑う狐狛。これが彼女の携える「大見映」の鏡の力。雷や光の軌道を捻じ曲げる力だ。
「違いない。ならば、守りはこれでよし…ここからは攻めの時間だ」
 応え頷く善蔵。同時に更なるユーベルコードを発動すれば、先程まで騎乗していた黒のユニコーンが眩い光と共に変形し善蔵へと装着される。持ち込んだ火器類をも取り込みつつ合体を果たしたその姿は、まさしく戦闘用のロボットそのものであった。
「…行くぞ!」
 ブーストで飛翔するように疾走し、携えたプラズマライフルを連射。打ち上げられる超高熱の弾頭が、次々と麒麟達を撃ち抜き、撃墜せしめてゆく。
「へぇ、派手にやるじゃないか兄さん。そんなら、アタシももう一仕事だ」
 大立ち回りを繰り広げる善蔵の様子を感心しきりに眺める狐狛。一方で彼女は見ていた。その攻勢に対抗するべく、麒麟達が落雷を敢えて二人から離れた位置に落としているのを。恐らくは、地表に落とした災いの雷を以て自己強化を図っているのだろう。
「だが、気付いちまった以上そうはいかさねェ」
 狐狛の瞳が、地表で蟠る災いの雷を見据える。そのもとへ集う麒麟達の様相が、――何故だか精彩を欠いてゆく。
 それは狐狛のユーベルコード。相手のユーベルコードの生み出す効果に干渉し、その強化効果を弱体効果へ反転せしめる結界を張ったのだ。
「動きが悪い。ならば一気に仕留めさせてもらおう」
 その異常に麒麟達が対応するより、善蔵が仕掛ける方が早い。一気に肉薄し、左腕にマウントしたプラズマブレードの蒼き刃を以て、一体残らず斬り捨てていった。

「周辺に敵反応無し。この場は状況終了だな」
 全ての麒麟を撃破したことを確かめ、善蔵は周囲を見回す。骸魂から解放された妖怪達が目を覚ます。未だ山中は炎が満ちる。一旦護衛して下山するかと思ったが。
「山を下りるなら、アタシが登ってきた方角から下りるといい。あっちはきっちり消火済みだ」
 狐狛の言う通り、彼女が登ってきた方面には火の手が見えぬ。道中にて燃えていた炎は全て、彼女の力で鎮圧済みだ。
 だが、万一ということもあろう。と、途中まで護衛することとした善蔵の先導のもと、妖怪達は無事に山を下りていったのであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴