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突然ですが、世界は彩を亡しました。

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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「へぇ、カクリヨファンタズム……UDCアースと妖怪の世界が隣り合わせとか、何か不思議で面白いなぁ」
 愉しげにトンボ眼鏡越しの双眸を細める各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)。
「この世界のオブリビオンは……なるほど、幽世に辿り着けんかった『骸魂』が、妖怪を飲み込んでなってまう、と」
 オブリビオンの定義も世界それぞれだと、やっぱり面白そうに頷いて。
「……で、突然やけど、とある幽世の『色』が亡くなってしもてん」
 勿論、オブリビオンの企みだ。
「その幽世は、何てゆうか……ファンシィでパステルな感じの『大正浪漫的な豪邸』なんやけどな。全ての『色』が消えてしもて、『白黒の世界』になってもたんよ」
 それもまあ、ゴシックホラーみたいな趣で悪くないかもしれないが、概念を奪われた幽世には無数の骸魂が飛び交い、妖怪達が次々と飲み込まれ、オブリビオンと化していく。
「オブリビオンと戦う猟兵としては、見過ごせへんよな」
 まず、猟兵達は、『豪邸』内に飛び交う骸魂に飲まれてオブリビオンと化した妖怪達を、倒さねばならない。
「飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救け出せるさかい、ビシバシ倒していったってな」
 群れ成すオブリビオンは「カビたモチ目目連」。黒一色の異形に、紅い眼がギョロギョロと。モノクロームの世界で見逃す事は無いだろう。
「何でも、元はカビた餅の妖怪の骸魂らしいんやけど……食べ物として終われんかった悔しさとか、あんまり関係ない幽世に湧いて出たんは、ちょっと気の毒かもなぁ」
 或いは、黒一色の外見が黒幕のオブリビオンに目を付けられたのか。まあ、その辺りの考察はさて置き。
「それで……このカビたモチ目目連をある程度倒していったら、痺れ切らした黒幕のオブリビオンの御登場や。すっぱり引導渡して、元のカラフルな世界に戻したってな」
 ボスオブリビオンは――邪神『第四の蜘蛛』。
「本来おった世界へ戻る力を蓄えるべく、蜘蛛の巣を張り生命を喰らう妖……らしいな」
 界渡る蜘蛛は魂と分かたれて幽世へ逃れ、幽世の蝶を喰らい仮初の『タマシイ』を得る――されど飢えは満たされず、未だ遠き魂を求め彷徨いて。
「『色』は生命の輝き、やからなぁ」
 その生命の輝きを、取り戻すのが今回の猟兵達の仕事だ。
「ちなみに、この『大正浪漫的な豪邸』の幽世の住人達はな、人形型の妖怪なんよ」
 彼らはお着替えも着せ替えも大好き! 故に『外の世界』からやってきた猟兵達の『最新ファッション』にも興味津々だ!
「『豪邸』の幽世やさかい、パウダールームも衣裳部屋も、色んな生地とか装飾とか、ミシンも完備した仕立て部屋も幾つもあるんやて」
 彩り溢れる幽世の豪邸で、オブリビオンから元に戻って大喜びの人形妖怪達と一緒に、 いざ、カクリヨファンタズムに最新モードの風を巻き起こさん!
「勿論、自分のでも大事な子のでも、新しい服とか仕立てても大丈夫やで。うちも、リュカの夏服仕立てよかなぁ……」
 幽世の妖怪達とカラフルな日常を謳歌するべく、まずはオブリビオンの討伐を。
「そしたら、あんじょう宜しゅうに。皆の活躍、期待しとるで!」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 新世界、カクリヨファンタズムでの初仕事。突然ですが、世界が滅亡しましたので、何とかして下さい。

 ファンシィでパステルな感じの『大正浪漫的な豪邸』の幽世で、『色』という概念が消えてしまいました。全ての色が消えた「白黒の世界」となってしまっています。
 『色』を奪われた幽世には無数の骸魂が飛び交い、妖怪達が次々と飲み込まれ、オブリビオンと化しています。

 第1章は【集団戦】。飛び交う骸魂によってオブリビオン「カビたモチ目目連」と化した妖怪達を倒し、救けてあげましょう。
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは「骸魂が妖怪を飲み込んで変身したもの」です。飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば救出できます。
 第2章は【ボス戦】。事件の元凶であるオブリビオン「邪神『第四の蜘蛛』」を倒し、『色』の概念を取り戻しましょう。

 そして、第3章は【日常】「ドールハウス・ファッションショウ!」です。
 この幽世の住人は人形型の妖怪達で、お着替えも着せ替えも大好き!
 豪邸にはパウダールームや衣裳部屋、様々な生地やミシンを完備した仕立て部屋が幾つも並んでいます。
 彩りが戻った幽世の豪邸で、救けられて大喜びの人形妖怪達と一緒に、夏服のお仕立てなど如何でしょうか?
 裁縫が苦手でも、デザインさえ伝えれば、人形妖怪達が迅速に仕立ててくれます。
 人形妖怪達は、『外の世界』からやってきた猟兵達の『最新ファッション』に興味津々! いざ、カクリヨファンタズムに最新モードの風を巻き起こさん!

●NPCについて
 お誘いプレイングがあった場合のみ、各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)も登場します。お声が無ければ描写はしませんが、平和になった豪邸幽世の隅っこでからくり人形の夏服を仕立てているでしょう。(グリモア猟兵が登場するのは、第三章の日常シーンのみとなります)

 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『カビたモチ目目連』

POW   :    キミモクルシムトイイヨ
攻撃が命中した対象に【口と鼻が餅でふさがった状態】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【呼吸困難】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    タベラレルモノナラタベテミテヨ
レベル×5本の【毒】属性の【カビた餅】を放つ。
WIZ   :    デキタテダヨ
自身の肉体を【熱々のお餅】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 其れは、大正時代特有の、和洋折衷の佇まい――だが、増築に増築を重ね、延々とした続き間や、長々とした回廊にズラリと並ぶ扉の数々、いっそ迷宮のような様相であるのは、この『豪邸』そのものが1つの幽世であるからだろう。
 本来ならば、豪邸のあちこちで、人形型の妖怪達がお着替えや着せ替えを愉しんでいる筈が。
 ――キミモクルシムトイイヨ。
 今や、豪邸を闊歩するのは、紅の眼を幾つもギョロギョロさせた黒の異形ばかり。
 かつては、ファンシィにパステルであった様相が、見る影もない。
 天井と床は黒一色、壁は白一色。黒と白の世界を、我が物顔に骸魂が数多飛び交っている。
 このままでは遠からず、隠れ逃げ惑う妖怪達も、全て喰らい尽くされてしまうだろう。
 一刻も早く、色を亡くしたこの幽世を、オブリビオンから取り戻さなくては。
ケルスティン・フレデリクション
…かびた、もち…?
おいしくなさそう…

えっと、むくろだまをたおせばいいんだよね?
うん、じゃあがんばる!

【ひかりのねむり】で敵をすやすや、おやすみ。

それから
ルル、おてつだいおねがいね!
鳥型の氷の精霊におねがいして、氷の【属性攻撃】【範囲攻撃】で攻撃!オブリビオンのほうを重点的に。

いろのないせかいは、なんだかものたりないから、なんとかしなきゃ!


ダンテ・ホーンテッド
アドリブ、他の猟兵さんとの共闘、負傷おっけーです!


噂の人形妖怪見たさや新たなイラストの題材を求めてついでに任務に赴くダンテ。

和風ゴシックホラーな雰囲気は個人的にかなり唆るが、
本来は可愛い人形妖怪がいるファンシーでパステルカラーなお屋敷だと言うことを思い出す。

白黒の絵ばっかり描くのは味気無いな、
たまにはローズクォーツのような甘ロリみたいな可愛い配色の絵、サファイアのような爽やかな配色の絵…あらゆる色彩を使ってこそゴッドペインターだと言い聞かせてたら、
もち目目連の群れが現れたので
「幽世の餅は他の和風な世界の餅とどう違うんだろな!」と言い(思い)ながら黒曜石色の黒で対処する。



 黒白の世界を闊歩する有象無象――数多飛び交うのが骸魂、黒き異形はカビたモチ目目連なるオブリビオンだ。
 まるでカタストロフを彷彿とさせる光景に、白きヴェールの下、稚き少女はこてんと小首を傾げる。
「えっと、むくろだまをたおせばいいんだよね?」
 正確には『骸魂が妖怪を飲み込んで変身した』のがオブリビオンなので……妖怪を救出するなら、オブリビオンの方をお願いします。
「うん、じゃあがんばる!」
 自問自答で愛らしくもググっと拳を握るケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)。
「すやすや、おやすみなさい」
 早速、勿忘草のはなびらを放ち、視界に入る限りの骸魂やら、カビたモチ目目連やら、次々と眠らせていく。
 どんなに数が多かろうと、眠らせて無力化すれば、ケルスティンのペースで戦えるというものだ。
「ルル、おてつだいおねがいね!」
 少女の喚び声に、顕れたのはふくふくと白い小鳥。お願いに返答するように紫に咲く花を啄むや、一転、オブリビオン目掛けて羽ばたく。
 ――――!!
 凍れる風が、複数のカビたモチ目目連を襲う。その実、氷の精霊たるルルの攻撃に、黒の異形の表面がピキピキと凍り付いていく――。
 ――デキタテダヨ。
 だが、一撃で倒さねば敵も目が覚めてしまう。氷風の余波で動き出した紅眼が、ギョロリとケルスティンを睨み付ける。忽ち湯気立つ餅に姿を替え、オブリビオンはグニリと収縮。
「……かびた、もち……? おいしくなさそう……」
「!!」
 よくよく見れば、黒に点々と粉吹く様は、カビだろう。少女の至極真っ当な感想に憤ったか。バチンと音を立て、カビた黒餅は弾丸の如く襲い掛かる!
「幽世の餅は、他の和風な世界の餅とどう違うんだろな!」
 寸での所、黒影が奔った。ビリリと空気を震わせた迅雷が、熱々の餅の軌道を弾く。
「大丈夫か?」
「あ……ありがとう……」
 黒き電撃を放ったのは、ダンテ・ホーンテッド(黒い幻雷と紫水晶・f23827)。全身に黒い宝石が角や棘のように生える様は如何にもパンクだが、ニッと笑みを浮かべた表情は頼もしい。
「人形妖怪ってのが、イラストのネタになるかと思って来てみたら……何だ此処。そそるじゃん」
 黒と白、和風ゴシックホラーな光景は、確かにダンテの好みに合うけれど。
(「本当なら、ファンシィでパステルなお屋敷だったっけな」)
 モノクロの絵ばかりでは味気ない。偶にはローズクォーツのように甘ロリの可愛い配色や、サファイアのように爽やかな色合いだって、きっと悪くない。
「あらゆる色彩を使ってこそ、ゴッドペインターだぜ!」
「うん……いろのないせかいは、なんだかものたりないから、なんとかしなきゃ」
 肩を並べて頷き合う、オラトリオの少女とクリスタリアンの青年。
 ――――!!
 勿忘草のはなびらが舞い散る一方で氷の小鳥が凍れる風を巻き起こし、黒き迅雷が爆ぜる度、人形妖怪を吐き出したオブリビオンは次々と消滅していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
和洋折衷の豪邸で、迷宮。
他所の世界(UDCアース)のお隣さんの世界と聞いてた割に私にお似合いの場所ね?
…自分に皮肉言っても仕方ないか。はやく進みましょう。

UC【黄金の雨のアリス】の【クイックドロウ】【乱れ撃ち】で撃ち合うわ。
敵の攻撃は射撃による【武器落とし】。
撃ち落としきれない数が来る場合は単純に逃げて躱しましょう。
『アリス』ですもの、迷宮を逃げ回るのは得意よ。(【逃げ足】【地形耐性】)

そんなカビたお餅、私いらないわ。お引き取り下さる?
【共闘・アドリブ歓迎】


鏡島・嵐
うーん、なんもかんもモノクロになっちまう怪現象か。
こういうのここの世界じゃ珍しくねえんかな? ……流石にそれは無ぇか。
ともかく、事件解決と行こうじゃねえか。戦うんは怖ぇけど。

クゥの背中に乗って、〈第六感〉を働かせてカビ餅の攻撃を〈見切り〉つつ、数を減らすことを優先で反撃。
餅は餅でも毒あって腹壊すから、クゥは食っちゃダメだぞ。
あとは、もし近場に味方がいるようならそっちに〈援護射撃〉を飛ばして支援したり、向こうの攻撃を〈目潰し〉で妨害して被害を抑えるようにする。

そう言やコイツら倒すと飲み込まれた妖怪たちを助け出せるんか。
……食い物に食われるって、口にしてみるとなんかヘンな言葉だな……。



 カクリヨファンタズムは、UDCアースと隣接した世界だ。
「でも、和洋折衷の豪邸で、迷宮なんて……寧ろ、私にお似合いの場所ね?」
 皮肉交じりに呟く卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)。サクラミラージュ出身のアリス適合者ならば、確かにさもありなんではあろうけれど。
(「……こんな事言っても仕方ないか。はやく進みましょう」)
 今は猟兵として、此処に居るのだから……悪魔憑きの拳銃を構え、アンリは果て見えぬ廊下を往く。
 ――タベラレルモノナラタベテミテヨ。
「そんなカビたお餅、私いらないわ。お引き取り下さる?」
 黒の異形がカビた餅を乱れ撃つより早く、アンリのクイックドロウはいっそ無造作に。
「遅い。もう私は撃ち終わったわ」
 アンリの十八番というべき神速のファニングショット。拳銃に宿る悪魔が召喚する弾丸は、狙いつけずとも望んだ通りに命中する――ビチャリビチャリと、次々と爆ぜる毒餅。
 ――――!!
 だが、敵は数が頼り。アンリの手技に引き寄せられるように、続々と押し寄せるオブリビオン。
「『アリス』ですもの、迷宮を逃げ回るのは得意よ」
 ふと、既視感めいた感傷を覚えるのも束の間。一転、身を翻して駆け出した。隙あらば、反撃しながらの逃走だが、こうも骸魂が飛び交っていては、倒す端からオブリビオンが生まれてくるようにさえ感じる。
「……っ」
 或いは、他の世界でもカタストロフは斯様な多勢に無勢なのか――忌々し気に、アンリが眉根を寄せたその時。
 ――我ら光と影。共に歩み、共に生き、共に戦うもの。
「……力を貸してくれ、クゥ!」
 燃え上がる黄金がアンリの視界を過る――雄々しき黄金の獅子に騎乗する鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)のお手製スリングショットが、すれ違い様に唸りを上げた。
「餅は餅でも、毒餅だからな。クゥは食っちゃダメだぞ」
 腹を壊すと嘯きながら、相棒の鬣を軽く叩く嵐。
「うーん、なんもかんもモノクロになっちまう怪現象か」
 思わぬ増援に警戒したか、遠巻きに蠢くカビたモチ目目連共を見回し、惚けた風に琥珀の双眸を細める。
「こういうの、ここの世界じゃ珍しくねえんかな?」
「それ、私に聞いてるの? 毎日がカタストロフ、って話だけど」
「流石にそれは無ぇか……って、日常茶飯事なのか!?」
 マズイ、ちょっと帰りたくなってきた……。
(「けど、このまま逃げて後悔もしたくねぇからな」)
 グッと腹に力を込め、クゥにしっかり捕まって、敵を睨み据える嵐。
「兎も角、事件解決と行こうじゃねえか」
 それでも、戦うのは怖いけど。
(「これは、共闘の流れかしらね」)
 ならば、此処から反撃の時間だ。
 ――――!!
 嵐を乗せて、焔纏う黄金獅子が飛び出せば、その眩さに目潰しされたオブリビオンは右往左往。すかさず、アンリの早撃ちが引導を渡していく。
「へぇ……そう言や、コイツら倒すと飲み込まれた妖怪たちを助け出せるんだっけ」
 カビ胞子を撒き散らし、人形妖怪を吐き出すカビたモチ目目連を目の当たりにして、嵐は思わず頬を掻く。
「……食い物に食われるって、口にしてみるとなんかヘンな言葉だな……」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『邪神『第四の蜘蛛』』

POW   :    アトラク=ナクア
骸魂【となった邪神『第四の蜘蛛』の肉体】と合体し、一時的にオブリビオン化する。強力だが毎秒自身の【存在を繋ぎ止める糸】を消費し、無くなると眠る。
SPD   :    イノセントコラージュ
戦闘力が増加する【巨大な女郎蜘蛛の邪神】、飛翔力が増加する【幽世蝶の群れ】、驚かせ力が増加する【足の無いブリキのロボット】のいずれかに変身する。
WIZ   :    チョウの標本
攻撃が命中した対象に【命を止める針、避けた対象に動きを封じる糸】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【その息の根を止めるまで針や糸】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠虻須・志郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カビたモチ目目連を次々と斃しながら、猟兵達が雪崩れ込んだのは――広々とした畳敷きの大広間。
 ――――。
 その中央に、ポツンと椅子に腰掛ける小柄な人影。
「……」
 銀の髪をさらりと揺らし、少女の紅い眼が猟兵らを見据える。愛らしい姿であるだけに、その表情は寧ろ人形めいて。
 明らかに、群れ成していたカビたモチ目目連とは毛色の異なる、異形。そう断じるに足る、禍々しい気配が色濃く漂っていた。
 ――――!!
 果たして、少女から立ち上るオーラは、時に蜘蛛脚を、或いは蜘蛛糸に絡めとられた数多の蝶を象り、更なる獲物を求めて鋭利な針と糸が、蜘蛛の巣を織り成していく。
 邪神『第四の蜘蛛』――界渡る蜘蛛は分かたれた魂を求め、或いは飢えを満たすべく、幽世までも喰らわんと。
ダンテ・ホーンテッド
アドリブ、共闘、負傷描写おっけーです

へぇ…今回の依頼の大将首格がとうとうお出ましか!
うわぁ餅の次は虫モチーフかよ…
蜘蛛に蝶…ゴシック方面だとよくモチーフにされるけどよ…サソリや百足はモチーフにないのかよ、つーか百足いいじゃん!
どーでもいいけど今の俺様の財布は百足の絵付きだぜと
言いつつもUCで巨大なダイヤモンドで出来た武装したゴーレム(ゴーレムという割にはどこかパンクでスタイリッシュな宝石のメカっぽい造形をしてる、ダンテよりかなり大きい)を描いて具現化しようとする

描き上がるまで時間がかかるし描き溜めも性質上出来ねーと言いつつ
敵の攻撃を辛うじて避けてやっと描き上げゴーレムと共に機敏に猛反撃をする


鏡島・嵐
……なんつーか、やっぱ他の妖怪とは雰囲気が違うのが怖ぇな。
餅連中はまだコミカルだったけど、こっちはそういう遊びが全然無ぇもん。
とは言え、ここまで来たら退くわけにもいかない。やるしかねえか……!

〈援護射撃〉で他の仲間を支援したり、相手の攻撃を〈目潰し〉や〈フェイント〉でタイミングを狂わせて妨害したり、戦いが有利に運ぶように行動。
防ぎきれねえ攻撃は〈見切り〉〈オーラ防御〉で耐える。
あとは予めユーベルコードを使っておいて、運も味方にする。貼り付けるのは自分と、近くにいる仲間に。
上手いこと相手に不幸が降りかかって攻撃のチャンスが出来たら〈スナイパー〉よろしく精度を引き上げた一撃を叩き込む。



「へぇ……大将首格がとうとうお出ましか!」
 好戦的にニヤリとしたダンテ・ホーンテッドだが、すぐ眉根を寄せる。
「うわぁ、餅の次は虫モチーフかよ……」
 敵なる少女から立ち上るオーラは、時に蜘蛛脚を、或いは蜘蛛糸に絡めとられた数多の蝶の姿を描く。
(「蜘蛛に蝶……ゴシック方面だと、よくモチーフにされるけどよ。サソリや百足はないのかよ」)
「つーか百足いいじゃん!」
 ちなみに、ダンテの財布は、百足のイラスト入りである。
 ――――!!
 青年の主張も構わず、オーラが象るのは巨大な女郎蜘蛛。かつては邪神であったモノ。
「ヤル気満々じゃねぇか」
 パンクロックな黒いペンを握るや、素早く宙に走らせる。ダンテが描かんとするのは、巨大なダイヤモンドの武装ゴーレム。
「ダイヤモンドの輝きは強靭と難攻不落の大いなる輝きッッ!! 決してそう易々と壊れないのさ!!」
 人呼んで、不壊金剛石色の巨石鎧傀儡――ゴッドペインター面目躍如のユーベルコードと言えようが、如何せん描き溜めも出来ないし。
「完成まで、時間掛かるんだよな、これが!」
「了解、何とかしてやるよ……正しき者には恵みの花を。不義の者には裁きの枷を」
 ダンテに応じて前に出たのは、鏡島・嵐。だが、お手製スリングショットを握る手が震えている。
(「……なんつーか、やっぱ他の妖怪と雰囲気が違うのが怖ぇな」)
 餅連中はまだコミカルであったが、目の前の敵にはそんな類の遊びは皆無。とは言え、ここまで来たら退く訳にいかない。やるしかない!
「ここ掘れワンワン、なんてな!」
 すれ違いざま、嵐がダンテに貼り付けたのは、禍福の忠犬シロのメダル。
「……っ!?」
 棘槍の如き蜘蛛脚の攻撃は星読む隠者のリボンが発したオーラで凌ぎ、嵐自身にも更に1枚。これで、運も味方に出来た筈。
 ――――!!
 接敵時と比して、敵が繰り出す蜘蛛脚は、禍々しさを増している。直撃すれば只では済むまい。
「まだか!?」
「もうちょいだ!」
 描画に専念するダンテを護り、果敢にもスリングショットの礫で敵を牽制する嵐。時にフェイントを交え、少女の目潰しを狙って懸命に時間を稼ぐ。
「おっと!」
 嵐を掠めた蜘蛛脚が、柱を貫く。『不運』にも深々と刺さって敵の動きが止まった好機。
(「まあ、おれは、シャーマンとかビーストマスターだけどな!」)
 スナイパー宜しく狙い澄ました礫が、蜘蛛脚を擦り抜け、少女を穿つ!
「……」
 椅子に座ったまま、少女の情に乏しい白い面が、嵐に向けられた。見る間に、その華奢を蜘蛛脚が覆い尽くすや。
 ――――!!
 実体化した巨大な女郎蜘蛛は、正しくオーラが模った姿と同じ。甲高い咆哮を上げる様は、狂気に満ちた邪神そのもの。
「待たせたな! 俺様渾身の傑作、完成だ!」
 だが、その時、『幸運』にもダンテが作品を描き上げる。身長約170cmのダンテよりかなり大きなダイヤモンドゴーレムは、パンクでスタイリッシュ。寧ろメカっぽい造形だ。
「あんたのお陰で助かったぜ!」
 敵の攻撃から逃げ回りながら描くより、格段に速く完成出来た。嵐に謝意を示し、ダンテはゴーレムに指令を下す。
「ハードロックに、攻めろッ!!」
 己が魔力もペンに込めて描き上げた傑作が、負ける訳がない。ダンテに疑念の余地は無く、ダイヤモンドゴーレムは巨体に違う機敏で猛反撃を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドゥアン・ドゥマン(サポート)
任務への声掛け、感謝を。
墓守として。猟兵として。
役立てるならば、どのUCでも振おうぞ。
怪我も懲りぬゆえ、どこへなりとも。

■行動方針
同行者方の援護を主に。
誰ぞの願い、行動に、添える力の一つとなれれば幸い。
絡み・アドリブ歓迎である。

■信条
死はあまねくもの。故に、憐れむなかれ。
死者であれ生者であれ、巡る命。敬いを持つは、墓守の教え。
オブリビオンも、そうだ。不要に貶めは、せず。
その上で。猟兵として、屠ろう。
…外道の類は。遠慮をせんで良いぶん。戦いやすく。
それもまたよい。
ひとに紛れてはいるが…獣の理の方が、本来は身近なのだ。

■NG
依頼成功の為であれ、度を超した公序良俗違反は致さぬ。
性的な物事も避ける次第


火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で『邪神『第四の蜘蛛』』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 女郎蜘蛛とゴーレムの丁々発止。そこへ、悠然と現れたのは火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。彼女が纏う黒色のウィザードローブは、この幽世に於いて中々に刺激的なデザインだろう。
「この方が今回の事件の元凶ですか」
 オブリビオンを見据え、銀の剣を抜く明。
「では、こちらも全力で……もちろん、取り込まれた方も助け出します」
 女郎蜘蛛が明を認めるより早く、銀の剣撃が奔る。魔力込めた一手、すかさずもう一手は、蜘蛛脚を斬り払うと見せ掛けて膨れた腹を狙い、柔い外骨格を易々と貫いた。
 ――――!!
「残念、それは残像です」
 憤怒の叫びと共に、明の影が掻き消える。流石に、初手で引導を渡すに至らなかったが、明は再度、銀色の疾風と化す。
(「少しでも、骸魂にダメージを与えて次の方に……っ」)
 この攻撃で、妖怪を助け出す! ――その一念で繰り出された一撃は、邪神の骸魂を突き刺さんと。
 ア、ァァァ……。
 或いは、糸を断つような手応え――否、正しく、邪神の存在を繋ぎ止める『糸』を斬り払った瞬間、女郎蜘蛛は上半身を弛緩させ、昏倒する。
「此れにてオブビリオンの命脈は……違うな」
 だが、ドゥアン・ドゥマン(煙る猟葬・f27051)は、小さく頭を振る。
 墓守として。猟兵として。敵は刹那の眠りに落ちただけと看破したのだ。
 ――――。
 案の定、瞬時にその呈を崩したオブリビオンは、幽世蝶の群れと化して、高き天井すれすれを翔ける。猟兵と間合いを取り、体勢を立て直す心算か。
「無論、逃がさぬとも」
 死はあまねくもの。故に、憐れむなかれ。
 死者であれ生者であれ、巡る命。敬いを持つは、墓守の教え。
 喩え、オブリビオンであろうとも……だが、蝶に変じた敵は、幽世に渡れ切れず潰えながら良しと出来ず、剰え、我欲の為、幽世を喰らい続けようとしている。
「外道の類には、遠慮はせん」
 墓場影絵――ケットシーの小柄が、影と化す。畳に伸びる影と同化するや、音も無く伝い渡る。
 ――――!!
 幽世蝶の群れの真下、一塊の影溜りが一気に伸び上がるや、掴み掛らんと黒腕が唸りを上げた。
(「外道の相手も、又よし」)
 掴んだ蝶を握り潰しながら、ドゥアンは胸の内で呟く。
 ひとに紛れてはいるものの……己は猫妖精。獣の理の方が、本来は身近なのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ケルスティン・フレデリクション
くも、にがて…、やだ…。
だから、くものぶぶんだけ、たおせるかな…?

【ひかりのしらべ】で攻撃!きらきら。
てきのこーげきは避けるよ。動きが封じられたら、鳥型の氷の精霊、ルルにお願いして、手伝ってもらうよ!
ルル、おねがいね。
糸を通り、凍らせて蜘蛛を凍らせちゃえ!
痛いのは【激痛耐性】【オーラ防御】でがまん!

ひょうほんみたいに、なるのはいやだもん。


卜一・アンリ
敵攻撃を【逃げ足】で回避しつつ接近。
勿論近づく以上避け切れなくなるでしょうけどそこまで織り込み済み。
致命傷にならない程度、そして銃口を向けるだけの自由を奪われないようにだけ【見切り】回避しつつ【激痛耐性】で凌ぐ。

ハンっ、何が邪神の骸魂よ。
要はお隣の世界にもいられなくなった死に損なのでしょう。

拳銃、即ちダイモンデバイスからUC【悪魔召喚「アスモデウス」】!
差し出すのは負傷した私の血、そしてあの骸魂!
悪魔の炎をもって【焼却】する【捨て身の一撃】!

人生滅茶苦茶にしてくれた貴方達への私の怒り、モノクロで塗りつぶせると思わないことね。
目障りよ、さっさと消えなさいオブリビオン!
【共闘・アドリブ歓迎】



 スリングショットの牽制からゴーレムの反撃、銀の斬撃に影のグラップルと、猟兵らの猛攻は、オブリビオンのオーラを消し飛ばす。
「……」
 だが、少女の人形めいた表情に変わりはない。あくまでも飢えを満たすべく、鋭利な針と糸で蜘蛛の巣を織り直していく。
「……っ」
 情なき紅と愛くるしい橙が見交わされ、ケルスティン・フレデリクションは思わず身を震わせる。
「くも、にがて……、やだ……」
 幼くとも、ケルスティンだって猟兵だ。苦手が相手でも、頑張って踏ん張った。
(「くものぶぶんだけ、たおせるかな……?」)
 ぴかぴか、くるくる、ふわふわ――それは、ひかりのしらべ。少女の皓い指先が敵を指し示した瞬間、天井から光射す。
(「ひょうほんみたいに、なるのはいやだもん」)
 応酬の針を躱そうとしたケルスティンだが、間に合わず、痛みは奥歯を噛んで耐えた。白きヴェールを翻してオーラで身を護らんとするも、両の手首や足首を拘束されては。
「ルル、おねがいね」
 だが、少女の呼び声に応え、氷の精霊は飛翔する。糸の合間をくぐり、邪神を凍らせんと。
「ハンッ、何が邪神の骸魂よ。要は、お隣の世界にもいられなくなった死に損なのでしょう」
 同時、反対方向から、オブリビオンに迫るのは卜一・アンリ。『逃げ足』の要領で大広間を駆け回り、敵の攻撃を凌いできたが、流石にうんざりしていた。
(「人生滅茶苦茶にしてくれた貴方達への私の怒り、モノクロで塗りつぶせると思わないことね」)
 近付けば、命留める針も糸も、避け切れなくなってきたが、そこまでは織り込み済み。要は、自分の『息の根が止まる』前に決着を付ければ良い。
「……っ」
 突き刺さる針から血が滴り、絡み付く糸がいよいよ足の自由を奪う。だが、アンリは、些か強引に腕を動かし、刻まれる痛みを堪えて悪魔憑きの拳銃を敵へと向ける。
 贄は我が血、そして、あれなる骸魂! 悪魔の炎を以て、焼却せよ!
「目障りよ。さっさと消えなさい、オブリビオン!」
 胸に滾る憎しみを吐き出すと同時、銃口から迸った炎弾がオブリビオンを襲う。
 ――――!!
 或いは絡め取らんとしたか、張り巡らされた蜘蛛の巣の間隙を縫い、アンリの魔弾は慣性を無視した軌道を描く。
「……」
 さしものオブビリオンも、椅子から立ち上がって逃れようとしたがもう遅い。
 ケルスティンの氷の精霊に片脚を凍らされ、立ち往生した瞬間。真っ向から、魔弾がその薄い胸を抉る。
 ア、アアァァァ――。
 か細い悲鳴は、華奢が燃え尽きるまで、長く尾を引いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ドールハウス・ファッションショウ!』

POW   :    パッション満ち溢れる、派手で情熱的なファッション!!!!!

SPD   :    飾りすぎないカッコよさ、クールでイカした服装でキメる。

WIZ   :    カワイイ=世界の心理、キュートなコーデでばっちり★

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 少女の身体が燃え尽き失せて――その跡から音も無く舞い上がったのは、儚き蝶。恐らく、邪神の骸魂に喰われた幽世の蝶だろう。
 感謝を述べるように、ハラリフワリと猟兵達の周りと飛び回り、鱗粉を煌めかせながら、幽世なる豪邸を渡り往く。
 嗚呼――。
 幽世の蝶が通り過ぎた後、明確な黒白の境界線が俄かにぼやけ、滲み、数多の色に分かれていく。
 淡やかで優しい色彩を振り撒いた幽世の蝶がその姿を消した頃――豪邸は往時の彩りを取り戻した。
 そしてほぼ同時、襖や窓硝子の隙間に、幾つもの頭が見え隠れ。
 ――あたしたちをたすけてくれたのは、だあれ? とってもつよいひとたちね。
 ――どうだい、あのお召し物! きっとハクライモノに違いない!
 ――すてきすてき! どんなお仕立てか、優しい方なら教えて下さるかしら?
 人形型の妖怪は、着せ替えするのもお着替えも大好き! 『外の世界』からやってきた猟兵達の『最新ファッション』にも興味津々だ。
 パウダールームも衣裳部屋も、ミシン完備の仕立て部屋も――彩りを取り戻した幽世の豪邸は、俄かに賑やかになる。
 さあ、人形妖怪達との交流も兼ねて、カクリヨファンタズムに最新モードの風を巻き起こそう!
鏡島・嵐
うーん、服かぁ。
おれはそんなにこだわりがある方じゃねえけど、まあ似合ってるって褒められれば悪ィ気はしねえな。
おれの好み? そうだなぁ……動きやすいゆったり着こなせるんが好みかな。旅好きとしては、動きやすさとか身軽さってのは大事にしてえし。

おれが着てるみてえのが流行るかどうかは知らねえけど、手伝えることがあんなら協力するぞ。
……つっても服作りの手伝いっていうと、どういうコトすればいいんかな。
布を選ぶときの相談に乗るとか、型紙を作ったりとか。手先はまあそこそこ器用だから、切ったり縫ったりも出来るぞ。
あとは……実際に着るモデル役とかか。
着せ替え人形に自我があるとしたら、こんな気分を味わってんのかな?



「うーん、服かぁ」
 柔らかな色彩に首を巡らせ、鏡島・嵐はワクワクと見上げてくる人形妖怪達に笑みを浮かべる。
「おれはそんなにこだわりがある方じゃねえけど……まあ、似合ってるって褒められるのは、悪ィ気はしねえな」
 嵐が着ている薄手のハーフジャケットは防水加工付き。ブランド品らしく、丁寧な仕立て。その上に羽織るポンチョは、防寒性能抜群。冷たい北風も平気へっちゃらだ。
「おれの好み? そうだなぁ……動きやすいゆったり着こなせるんが好みかな。旅好きとしては、動きやすさとか身軽さってのは大事にしてえし」
 特に目を引くのはマフラーで、18歳の青年が生意気盛りの腕白少年に見えてしまう不思議。
「まあ、おれが着てるみてえのが流行るかどうかは知らねえけど。手伝えることがあんなら協力するぞ」
 ちなみに、嵐と似たコーデのガウチョ人形の妖怪が、得意げにそっくり返っている。羨ましそうに嵐とガウチョ人形を見比べている妖怪も何人か。勿論、嵐の申し出に大歓迎の声が上がった。
(「……つっても、服作りの手伝いっていうと、どういうコトすればいいんかな」)
 手を引かれて仕立て部屋に案内された嵐は、山と積まれた反物を前に、思わず頬を掻く。
 取り敢えず、ハーフジャケットはさて置き、ポンチョは貫頭衣やダルマティカに類する衣類で、構造としては簡単だ。
「防寒具だしな。やっぱり、毛織物が良いかな……」
 布選びの相談に乗る一方、手先の器用さを如何なく発揮して、手際よく裁断したり縫い合わせたり。
 そうして、何着か完成すれば、皆でとっかえひっかえ、ポンチョのファッションショーの始まり始まり。
(「着せ替え人形に自我があるなら、こんな気分を味わってんのかな?」)
 我も我もと、妖怪達が持ってくるポンチョの彩りはどれも鮮やかで、嵐は思わず琥珀の双眸を細めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケルスティン・フレデリクション
ええっと…ファッションショー…?
おようふくのことは、あまりわからないんだけど…
えっと、いつものじゃだめかな…?
(可愛らしい甘ロリファッション。忘れな草の髪飾りも添えて)
みんなのふくもみてみたいな。
あまり、ようふくのことは、くわしくないの。
だから、よかったらよーかいのみなさん、おしえてくれるかな…?



「ええっと……ファッションショー……?」
 好奇心旺盛に、オレンジの瞳を瞬かせるケルスティン・フレデリクション。
「おようふくのことは、あまりわからないんだけど……えっと、いつものじゃだめかな……?」
 しげしげと、自らの装いを見下ろす。頭を覆い隠す白きヴェールの下は、甘やかなロリータスタイル。忘れな草の髪飾りが紫の髪に映えて、可愛らしさ満点だ。
(「みんなのふくもみてみたいな」)
 寧ろ、妖怪達の装いに興味津々のケルスティン。少女のリボンとレースたっぷりの膝丈ドレスに惹かれて集まる人形妖怪達は、アンティークドールが動き出したようなクラシカルな装いが多い。
「よかったらよーかいのみなさん、おしえてくれるかな……?」
 例えるならば、甘ロリが「お姫様」なら、彼女達の装いは「貴族の子女」。足首丈のドレスやボンネットは定番のロリータよりドレッシーで、落ち着いた色柄だ。
 ちなみに、クラシカルロリータ――クラロリと呼ばれるスタイルらしい。
「ふーん……ほかにも、いろいろ、あるのね……?」
 所謂ガーリー路線から、更にお人形のような着こなしに踏み込んだロリータファッションは、実は元々ストリートファッション。寧ろ『新しい妖怪』の方が詳しい模様。ケルスティンに色々(着せ替え付きで)教えてくれた花子さんは、着物ドレスとぽっくり風サンダルの和ロリなお人形だった。
「後はね、チャイナロリとかもあるんだよ」
「??」
 結論――ロリータスタイルも、奥が深い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

卜一・アンリ
ぁ痛たたたたたた(屋敷の隅で刺さった針を力づくで抜針中)
ああもう、服にまで血が滲んじゃうし!
またお洗濯で落とさないと……え、なに?召し物?
生憎、私の恰好はこのお屋敷にあるものとそう変わらなくてよ?

むしろこの世界の生地とか気になるわ。
そうだわ、妖怪さんたち。私の新しい服、仕立ててくださる?
桜學府から支給されてるの、所謂バンカラマントだからこの恰好に少し合わないのよね。
夏が終わる前に用意したいの。

…せっかくモノクロの世界じゃなくなったのだから鮮色とかはって?
……そうね。ピン留めの一つでもあれば。桜色がいいわ。
【アドリブ歓迎】



「……ぁ、痛たたたたたた」
 歯を食い縛ろうとしても零れる悲鳴。卜一・アンリは豪邸の一室に引き籠り、オブビリオンに突き立てられた針を引き抜いていく。
「ああもう、服にまで血が滲んじゃうし!」
 寧ろアンリも力づくを好む節があるし、荒事も慣れっこと言えばそうだけど。血液のシミは、放っておくと取れなくなる。
「早くお洗濯しないと……え、なに? 召し物?」
 ヒョコリヒョコリとドアの陰から顔を出した人形妖怪達は、一応に心配そうだったが、針を残らず処理したアンリが差し招けば、屈託なく駆け寄ってきた。
「生憎、私の恰好は、このお屋敷にあるものとそう変わらなくてよ?」
 時々『新しい』人形妖怪が現代の流行を持ち込んでくる事はあっても、基本、この幽世は大正時代の文化に近い。つまりは、アンリの故郷、サクラミラージュとも。
(「むしろ、この世界の生地とか気になるわ」)
 それとなく、妖怪達の装いを観察するアンリ。風合いからして、化繊ではなさそうか。
「……そうだわ、妖怪さんたち。私の新しい服、仕立ててくださる?」
 桜學府の制服に明確な統一規格はないものの、ゴシック風ドレスにバンカラマントの組合せは、アンリの好みに些かそぐわない。夏が終わる前に、マントを用意したいと考えていた。
 勿論、妖怪達に否やはない。早速、あれやこれやと細かくアンリの好みを尋ねては、何枚もデザイン画を重ねていく。
「色はどうしよう?」
「ゴシックの定番は、黒ですけれど……」
「あ、でもでも!」
 折角、猟兵達の尽力でモノクロの世界じゃなくなったのだから。例えば、金の刺繍とか、ワインレッドのサテンのリボンとか、鮮やかな差し色も捨て難い……?
「……そうね」
 その時、アンリの脳裏に過ったのは、故郷を彩る花吹雪。
「ピン留めの1つでもあれば。桜色がいいわ」

 それから暫くの間――その豪邸の幽世では、ポンチョスタイルの上着や甘ロリなレースのドレス、桜色のアクセサリーが、大いに流行ったというお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月08日
宿敵 『邪神『第四の蜘蛛』』 を撃破!


挿絵イラスト