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カクリヨファンタズム――過去の遺物で組み上げられた、忘れられたモノたちの世界。幽世の片隅に、その迷宮はあった。
「ハーハハハハハハハハハハハハハハハ!」
堅牢なる日本家屋の迷宮、その奥で笑い声を上げるのはキョンシーの少女だ。しかし、その瞳にあるのは狂気だ。戟、青竜刀、槍、蛇矛――畳に突き立てられ、立ち並ぶ刃の花園。その中心で一反木綿の骸魂に飲み込まれたキョンシー、キョンシー木綿は笑う、嗤う、嘲笑う。
「このまま飲み込まれよ、幽世ッ! 闘争を、無限の闘争をここに――!」
日本家屋を、庭を、そして外を――刃が、幽世を飲み込むように暴走していく。そこから姿を見せた輪入道の群れを見て、キョンシー木綿は言ってのけた。
「喰らえ、喰らえ、喰らえ! 弱い妖怪に生きる価値なし! 食い尽くせ!」
ガガガガガガガガガ! と炎の轍を残し、輪入道の群れが走り出す。このカクリヨファンタズムにおいて、世界の終わりはどこにでもある――これもまた、その一つだった……。
●
「カクリヨファンタズム……新たな世界が見つかったようじゃな」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)がそう切り出すと、解説を続けた。
「UDCアースに隣り合った、忘れられた妖怪たちの世界……らしいの。ただ、ここでは妖怪が骸魂という存在の飲み込まれ、オブリビオン化する世界じゃ。そして、一度オブリビオンが現れれば世界は常に崩壊の危機に見舞われる」
今回、キョンシー木綿と呼ばれる一反木綿の骸魂に飲み込まれた、東方妖怪キョンシーの少女が起こす事件を解決するのが依頼の内容だ。
「刀剣が咲き乱れる世界は、カクリヨファンタズムを殺戮へと変えてしまう。妖怪たちも骸魂に次々と飲み込まれて、輪入道に変えられて増幅中じゃ」
元凶であるキョンシー木綿を倒し、キョンシーの少女を救うには迷宮化した日本家屋にまず侵入しなくてはならない。そのためには大量のつづらの中に隠された4本の鍵を見つけなくてはならないのだという。
「門を閉じておる鍵を開けなければ、迷宮に入る事さえできぬのじゃ。まずは大量のつづらのある迷宮化した蔵の中から鍵を見つけてくれい」
その後も、日本家屋の迷宮を攻略する必要がある――とにかく、キョンシー木綿を倒さなくてはこの騒動は収束しないのだ。
「何でも飲み込まれた妖怪は、オブリビオンを倒せば助けられるらしい。世界と同じく、妖怪たちも助けてやってくれ、頼んだぞ」
波多野志郎
新しい世界だよ! どうも、波多野志郎です。
今回はカクリヨファンタズムで迷宮を攻略、元凶であるキョンシー木綿を倒していただきます。
一章は蔵の迷宮にある、大量のつづらの中に隠された4つの鍵を探していただきます。
二章では迷宮攻略と輪入道との集団戦闘。
三章でキョンシー木綿との決戦となります。
それでは、新たな世界を存分にお楽しみくださいませ!
第1章 冒険
『開けてびっくり』
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POW : びっくりトラップを恐れず、総当たりで開けまくる
SPD : 外側から念入りに箱やつづらを調べ、びっくりトラップの有無を確認する
WIZ : びっくりトラップを無力化する策を編み出す
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鏡島・嵐
カクリヨファンタズム……妖怪だらけの世界か。
オバケが苦手な奴にはちょっと大変かもしれねーけど、これはこれで雰囲気があってイイなっておれは思う。
まあ、おどかされるこっちが妖怪たちに歓迎されるってのは不思議な感じだけどさ。
うーん、鍵が四つもあるくせにどこにあるのかわかんねえんか。
……管理がなってねえ気もするけど、今ここで言ってもしょうがねえ。
あんま時間かけるのもあとあと拙いだろうし、〈鍵開け〉と〈早業〉でスピード重視で調べていく。
危なそうなトラップは〈情報収集〉と《忘れられし十三番目の贈り物》を組み合わせて、なるべく予知・回避する。
トラップの有る無しはパターンとかあるかもだし、一応そこも注意。
依神・零奈
私の務めは現世の守護だけど……幽世が無くなってもめんどくさい事になりそうだし御役目といこうか。それに懐かしい雰囲気でなんだか心地いい場所だしね。
まず家に入るのに鍵を探さないといけない訳だけど……うわ……めんどくさいな……。仕方ないし地道に探すとしようか、つづらを開けながら先へ進みつつ【情報収集】で他のつづらと違った特徴のあるつづらも探してみるよ。飽きてきたら【第六感】を駆使して直感で開けていく。鍵は4つも必要な訳だし他の猟兵と探索場所が被って無駄骨にするのも嫌だし他の猟兵がまだ踏み込んでない場所を探していくよ。まぁ、慌ててもいい事はないしね。幽世が滅んだら……その時はその時。
セルマ・エンフィールド
ここがカクリヨファンタズム……サムライエンパイアに似ていますね。また違った風景のところもあるらしいですが……
この中から鍵を探す必要がある、と。
外れの箱の中にはやはり罠があるのでしょうか? であれば開く箱は鍵の入ったもののみにしましょうか。
こんな時に使える技術も魔術も持っていませんが……【絶望の福音】の予知じみた『第六感』で箱を開ける前に中身を判別し、びっくりトラップがある箱は開かないことで罠を回避しつつ鍵の入った箱を探します。
鍵の入った箱を見つけたら開いて取り出しましょう。もし害のある罠が仕掛けられていた場合は【絶望の福音】で察知し『クイックドロウ』したデリンジャーで撃ち落とします。
メンカル・プルモーサ
……常時カタストロフとはまた……スリリングな世界だよね…
…まずは葛籠の中にある鍵を見つけないといけない、と…
…お約束のように外からの見た目以上の広さの迷宮が広がってるな…まあ、よくあるよくある…
…【闇夜見通す梟の眼】により解析用のガジェットを召喚…フル稼働させて迷宮や葛籠の情報を収集・解析……
…それらの情報を下に【数理導く知性の眼】を使って鍵の入った葛籠を探しだす、と言う行動を成功させよう…
…見つけた葛籠に罠が仕掛けてあるようなら罠使いの知識も動員してそれも解除するよ…
…あけてびっくり……とはいうものの……凶悪な罠が仕掛けられている可能性もあるから油断せず…慎重に開けるとしよう…
神計・紅牙
ゆーでーしーあーすには他所の神格しかおらぬと思うたがこの様な場所があったとはな。
探せば知った顔もいるかも知れぬがそれどころでは無いようだ。うむ、やるか!
葛篭なぞそこらにあるであろう。ならば開け方よな
少し離れてから錬成カミヤドリでうまいこと葛篭の蓋を持ち上げればよかろう
びっくりとらっぷというからに驚かせるだけであろうが念のため【オーラ防御】をまとっておくぞ
……本当に驚かせるだけなら一つくらい直接我が開けても問題ないのではないか?
長生きすると人生に刺激が欲しくなるもの故に!
さーて、なにが出るかのう
アドリブ、連携可
御剣・刀也
POW行動
トラップ?それがどうした
恐れたって始まらねぇ。罠があるんなら、正面からそれを砕いて突き進むだけよ
そんなもんで俺の命をとれると思うな
第六感でトラップを恐れず、直感で危険を感じ取ったら、見切り、残像でトラップが発動する前にその場から移動して回避する
トラップがあると感じたら、獅子吼でトラップごと箱を両断してトラップを破壊する。
その際、中のカギを壊さないようにある程度は加減する
「たく、めんどくせぇ。時間稼ぎしたいのが見え見えだな。すぐそこにいっれやるよ。臆病者」
●夢幻の蔵と無限の葛籠
「カクリヨファンタズム……妖怪だらけの世界か」
鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)は降り立った世界を見回し、小さく呟いた。小妖が逃げ出す日本家屋が拡大していく光景に、小さく苦笑する。
「オバケが苦手な奴にはちょっと大変かもしれねーけど、これはこれで雰囲気があってイイなっておれは思う。まあ、おどかされるこっちが妖怪たちに歓迎されるってのは不思議な感じだけどさ」
騒動の中心、広がる屋敷を目にして依神・零奈(殯の掃持ち・f16925)も肩をすくめる。
「私の務めは現世の守護だけど……幽世が無くなってもめんどくさい事になりそうだし御役目といこうか。それに懐かしい雰囲気でなんだか心地いい場所だしね」
サクラミラージュ出身の零奈からすれば、その建物の様式は見慣れてさえいた。いくつかの世界を巡って来たセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)にとっても、どこか既視感を感じさせる。
「ここがカクリヨファンタズム……サムライエンパイアに似ていますね。また違った風景のところもあるらしいですが……」
セルマが見上げるのは、一つの蔵だ。江戸時代――彼女にすればサムライエンパイアがまさにそれだ――であれば、どこにでもあるだろう二階建ての木造建築だ。
「この中から鍵を探す必要がある、と」
ギィ……と蔵の扉が開いていく。次の瞬間、ボッ、ボボボボボボボボボボボボボボボッ! と蔵の中で炎の明かりが灯っていった。その炎に終わりがないのにすぐに気付いて、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は呟く。
「……お約束のように外からの見た目以上の広さの迷宮が広がってるな……まあ、よくあるよくある……まずは葛籠の中にある鍵を見つけないといけない、と……」
文字通り無限に拡大を続ける、夢幻の蔵だ。神計・紅牙(天の御柱・f01140)は、いっそ懐かしいという表情で告げる。
「ゆーでーしーあーすには他所の神格しかおらぬと思うたがこの様な場所があったとはな。探せば知った顔もいるかも知れぬがそれどころでは無いようだ」
紅牙はしみじみとこぼし、紅牙尺を手に言ってのけた。
「うむ、やるか!」
●驚くか? 死か?
「まず家に入るのに鍵を探さないといけない訳だけど……うわ……めんどくさいな……」
零奈がそう言ってしまうのも、仕方のない光景だった。
拡大を続ける蔵の中には、葛籠はただただ膨大な数に及ぶ。大きな葛籠、小さな葛籠。どこぞの昔話を彷彿とさせる葛籠の山が、そこにはあった。
その全てを開けるとなれば、それこそ一昼夜でも足りなさそうだ。そして、その間にも蔵は拡張を続け、葛籠を増やしていくだろう。
「トラップ? それがどうした。恐れたって始まらねぇ。罠があるんなら、正面からそれを砕いて突き進むだけよ。そんなもんで俺の命をとれると思うな」
言い捨て、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)が獅子吼を抜く。立ち塞がるのならば切り捨てるのみ――障害であろうと敵であろうと、刀也にとって対処法は変わらない。
「賢き眼よ、出でよ、視よ。汝は検分、汝は助力。魔女が望むは黄昏飛び立つ森の知者」
メンカルの詠唱と共に浮かび上がった魔法陣から現れるのは、無数の分析・解析用ガジェットだ。闇夜見通す梟の目(オウル・オブ・ミネルヴァ)――メンカルの目とするべく、ガジェットの群れが蔵の中を跳んでいく。
「うみ、人海戦術というもの――」
じゃな、と錬成カミヤドリによって生み出した無数の紅牙尺を床から現出させ紅牙が一つの葛籠の蓋を開けた瞬間だ。ぽん! と軽い音と共に開いた葛籠から打ち上がったのは、バスケットボールサイズの白い玉で――。
「――散って下さい」
絶望の福音によって十秒後に起こる惨劇を知ったセルマの警告に、猟兵達は床を蹴って即座に退避――直後、破裂した白い玉からトリモチがぶちまけられた。
「……ッ、何だコレ……ってヤベぇッ! 上だ!」
それで終わらない、忘れられし十三番目の贈り物(マルール・トレーズ)によって次のトラップに気付いた嵐の声に続いて上から無数の葛籠が崩れ落ちてきた。葛籠の中から棘付き鉄球が、灼熱を帯びた刃が、雷を宿す鉾が――次々と降り注いできた。
「普く力よ、測れ、導け。汝は結実、汝は予見。魔女が望むは因果を結ぶ全知の理」
メンカルが数理導く知性の眼(ラプラス・ガイスト)を発動、周囲に視線を走らせる。コンマ秒、行動に関する要素の観測と解析を行う時間としては短くはあるが細い活路をメンカルは確かに『見つけた』。
「……こっち……」
柱の陰へ跳んだメンカルの声に、仲間達が続く。その最後尾に敢えて残った刀也が横一閃、避けきれなかった落下物を獅子吼の一太刀で斬り伏せた。
「あのトリモチに引っかかっていたらそのまま全部に巻き込まれていた訳か」
なるほど、凶悪だ。思わず口の端を持ち上げた刀也に、パンと胸の前で手を打って零奈が言った。
「……仕方ない。地道に探すとしようか」
慎重にね、と付け加えた零奈の言葉を敢えて否定しようと言うものはいなかった。
●急がば回れ
「まぁ、慌ててもいい事はないしね。幽世が滅んだら……その時はその時」
気負う事なく、零奈は呟く。効率を重視するため仲間と離れていたためその言葉を聞く者はいなかったが、ある意味でそれは正解だった。
この蔵の構造を考えた者は、よく考えている。トラップの解除や対処に時間をかけてしまえば、蔵の拡大する速度に追いつかなくなるだろう――へたに急げば急ぐほど、逆に時間がかかって手に負えなくなる仕様なのだ。
「……っと」
零奈は、ふと一抱えある葛籠の中にあった手の平サイズの葛籠に気付いた。葛籠を調べた、そう気を抜いてしまえば見過ごしてしまったかもしれない。
「なるほど、確かに葛籠の中も蔵の中と同じか」
葛籠を振ってみると、カランと軽い音がした。零奈は小さな葛籠を観察し――蓋を持ち上げるのではなく、スライドさせた。
「まずは一つ」
中から出てきたのは古臭い鉄の鍵だ。零奈はそれを改めて葛籠に戻すと、葛籠ごと仕舞って次へと歩き始めた。
●ピッキングとトラップ解除
葛籠の中には鍵がかけられた物もあった。嵐はその中の一つを、手慣れた手付きでピッキングしていく。
「うーん、鍵が四つもあるくせにどこにあるのかわかんねえんか……管理がなってねえ気もするけど、今ここで言ってもしょうがねえ」
南京錠式の簡単なものだ、開けるのには困らない。嵐は素早く鍵を開けると、葛籠の中を確認していく。事前に忘れられし十三番目の贈り物(マルール・トレーズ)でトラップの有無を確認できているだけに、面倒なことにならなかったのが不幸中の幸いだ。
「――あ」
だが、嵐は思い知る。トラップが何故存在するのか? それは開けられたら困るものがあるからである。
「どうするかな――」
「任せて下さい」
開けたら作動するトラップに気付いた嵐に、セルマがそう請け負った。嵐が葛籠から離れると、セルマはスカートの中からデリンジャーを抜き――パン! と葛籠の蓋を迷わず撃ち抜いた。
「――――」
それと同時、嵐とセルマは後方へ跳ぶ。葛籠の中から飛び出した円形の刃が唸りを上げて蔵の壁へと深々と突き刺さった。
「お?」
トラップがなくなった事を確認した嵐が、葛籠の中を確認する。嵐は巾着に大事にしまわれていた古ぼけた鍵を見つけると、手に取った。
●敢えて乗る!
「……本当に驚かせるだけなら一つくらい直接我が開けても問題ないのではないか? 長生きすると人生に刺激が欲しくなるもの故に!」
「……あんまり、推奨しない……けど……」
紅牙は巨大な葛籠を前にそう言ってのけ、メンカルは一応は制止する――のだが。
「……この葛籠は……危険は、ない……みたい、だけど……」
人どころか、建物が入りそうなサイズである。メンカルのガジェットが確認する限り、何かがあるが危険はなさそうとの判断だが――。
「さーて、なにが出るかのう」
紅牙尺を器用に使い、紅牙は巨大な葛籠を開ける。ズン……と重い音を立てて落ちた蓋、メンカルがガジェットで巨大な葛籠を覗き込むと――その中には、古風な日本家屋と庭園があった。
「おお、迷い家の一種か! これは興味深いの!」
紅牙は目を輝かせ、そう言った。しかし、メンカルは気付いた。気付いて、しまった。
「……もしかして、この中に鍵が……?」
「……お、おう」
葛籠の中には違いはないが、意地が悪いにも程がある。紅牙とメンカルは、二時間賭けてこの迷い家の中を探索し、一つの鍵を見つけるのだった……。
●背負われた葛籠
ふと、刀也はその気配に気付いて振り返った。
「ああ、こういうのもあるのか」
振り返った先にいたのは、武者鎧だ。カラカラと絡繰細工で動いているのだろう、武者鎧は太刀を抜くと刀也と向かい合った。その背には、一抱えある葛籠が背負われていた。
「葛籠が動かないとは、確かに言って――」
いなかったか、と続く刀也の呟きは、武者鎧の斬撃音にかき消させる。それをかいくぐり、刀也は獅子吼を振るった。一合、二合、三合、薄暗い蔵の中に火花が散った。
「たく、めんどくせぇ。時間稼ぎしたいのが見え見えだな。すぐそこにいっれやるよ。臆病者」
大上段、頭頂から真っ二つに刀也は武者鎧を両断した。がらん、と転がる断たれた鎧と葛籠。布に包まれた鍵を見つけると、刀也はそれを拾い上げた……。
――こうして、四つの鍵が猟兵達の手へと渡る。だが、これはまだ序の口。本命に至る前の序章に過ぎなかった……。
大成功
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第2章 集団戦
『輪入道』
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POW : 燎原火炎陣
【激しく回転しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の輪入道】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 紅蓮疾走
自身に【燃え盛る炎】をまとい、高速移動と【回転する炎の輪】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : ファイアホイールスピニング
【回転速度】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●炎の轍
四つの南京錠を鍵を使ってあければ、巨大な門が独りでに開いていく。歓迎しているのだ、そこへ至る資格を持つ者達を。
拡大を続ける日本家屋、その庭には無数の炎の轍が刻まれていた。輪入道――骸魂に飲まれた小妖達が変じたオブリビオンだ。
『ボ、ボゥ!!』
輪入道達が、門が開いた気配に殺到してくる。迷い込んだ『敵』を討ち、外を目指すそのために……。
雲母坂・絢瀬
また仰山のお出迎えおおきに、ってとこやろか。
輪っかの真ん中に顔だけやとか、妖はほんま珍妙なんおるなあ。
とにかく悪いんやけど、此処は押し通らせてもらうんよ。
ややおっとりめ、マイペース系関西弁剣豪女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなん。
数を減らして通りやすうしてみよか。
軽やかなステップを踏みつつ、スキル【見切り】や
【残像】で輪入道の攻撃や炎をかいくぐり、無塵流のUC【剱神楽】で舞い進むんよ。
寄ってくる敵をひたすら妖魔殺しの刀で斬り捨てながら、
道を開くで。
ちょっとはすっきりしたやろか。
基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。
御剣・刀也
おー、よく見た日本妖怪だな
まぁー、それでも、そんな強い気配は感じないな
集団で来る当たり、そんな感じが強い
まぁ、何であれ、どんな相手だろうと、ただ斬って捨てるのみ。だ
燎原火炎陣で、回転しながら体当たりしてきたら、第六感、見切り、残像で避けつつ、カウンターで相手を斬り捨てようとする。
車輪と獅子吼がぶつかって火花が散ったら、足腰の力と腕の力を使って、強引に力任せにぶった斬る
「ふーん。回転すると厄介だな。ま、それでも腹の足しにもならん」
依神・零奈
暴走行為は違反行為です、ただちに止まりなさい……というのは冗談として、爆走する輪入道……ある意味では風物詩ね。とはいえ黒幕はオブリビオンな訳だしさっさと叩きのめして助けてあげるべきかな……。
動き回れるのもめんどくさいしまず動きを止めるべきかな
UCを発動して【呪詛】たっぷりの舌禍を放つ
「るわまるわまはわのいめんう(運命の輪は廻る廻る)」
「くいてしくそかはどくそのそ(その速度は加速していく)」
言葉を逆さに動を静へと置き換えて加速を減速へと置き換える
動きが止まる、もしくは鈍った敵を【破魔】の力を込めた無銘刀、霊符を敵との距離に応じて使い分け攻撃していくよ。
鏡島・嵐
輪入道か、名前くらいは聞いたことあるな。
……まあ、実物を見るなんて去年の今頃は予想もしてなかったけどさ。ましてそんなんと戦うなんて、想定外にも程がありすぎだ。
怖ぇけどちゃっちゃと片付けねえとな。出番だクゥ、蹴散らしてやれ!
〈騎乗〉して機動力と有利な間合いを確保しつつ、〈スナイパー〉ばりに精度を引き上げた〈援護射撃〉を撃って他の仲間を助ける。
向こうが攻撃してきそうならタイミングを〈見切り〉〈目潰し〉を仕掛けて攻撃を挫くようにする。たまに〈フェイント〉も混ぜて相手のペースを狂わすようにしてえな。
向こうもそれなりにすばしっこそうだけど〈第六感〉や〈オーラ防御〉で受けるダメージは最小限にしてえな。
メンカル・プルモーサ
さて……と。
次は輪入道が沢山だね……確か、骸魂を撃ち抜けば元になった妖怪を助けられるんだっけ…
それなら、まずは骸玉の位置の解析からだね…同じような位置にあれば楽なんだけど…
…骸玉の場所に見当を付けたら…術式銃【アヌエヌ】で氷の術式を込めた銃弾を装填…銃撃して輪入道を凍らせて足止めをしよう…
…そして【夜空の光は全て星】で描く半球形の立体魔法陣の中に輪入道達を
閉じ込めて……
…立体魔法陣から放たれる光線で閉じ込めた輪入道の骸玉を狙い撃ちしてしまおう…
…元に戻った妖怪は【旅人招く御伽宿】の中へと避難させて…疲労と怪我を癒やしてあげよう…
セルマ・エンフィールド
問答無用、ということですね。では、こちらもそうするだけです。
【褪せぬ氷晶】を使用、見えないほどに透き通った氷の壁を周囲に配置します。
炎の敵ですし、溶けないよういつもより分厚く作りましょう。
突進してくるのであればその勢いを利用させてもらいます、こちらを弾き飛ばすほどの勢いで
氷の壁に激突すれば自滅するのみです。
敵が氷の壁への激突を警戒して突進の速度が遅くなるのであれば、【褪せぬ氷晶】で作り出した何本もの氷の刃で回転の軸になる頭部を狙います。
作れるのは壁だけではありません。
神計・紅牙
宝探しは良い余興であったが歓迎の仕方はまだまだであるな
そも小さきもの共を糧として現界するような者では期待するものでもないか。
回転速度を増して力を上げるのならば回転速度を落としてやればよい
【幽冥の間】を使い、式神たちを絡みつかせてやる。
速度を落とせば耐えゆくのみ。【創世神話(簡易版)】を用いて障害物を作成。追突事故は痛かろう。
昏睡したなら【破魔】の札で封印ぞ。すでにある札は見たところボロボロであるしな、ぺたっと張るがよい。
まったく、世話がかかるやつらよのぅ。
●車輪を止めろ!
独りでに開いていく巨大な門、その門の先にこそ滅びの元凶がいる。
「おー、よく見た日本妖怪だな」
夜の日本家屋、その庭を彩る無数の炎の轍を見て御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は呟く。巨大な人の顔に燃える木製の輪、その妖怪の群れに鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)はしみじみと言った。
「輪入道か、名前くらいは聞いたことあるな……まあ、実物を見るなんて去年の今頃は予想もしてなかったけどさ」
ましてそんなんと戦うなんて、想定外にも程がありすぎだ、という嵐の言葉を否定する者はいない。むしろ、そんな心構えをして暮らす者など……猟兵でも、極々一部であっただろう。
「また仰山のお出迎えおおきに、ってとこやろか。輪っかの真ん中に顔だけやとか、妖はほんま珍妙なんおるなあ」
雲母坂・絢瀬(花散る刃・f23235)の手が、自然と蘇芳一文字の柄へ伸びる。妖魔が鍛え上げられたとされる妖魔殺しの刀――その魔性に気づいたからか、一斉に輪入道達が猟兵達の方へ殺到し始めたからだ。
『ボ、ボゥ!!』
「暴走行為は違反行為です、ただちに止まりなさい……というのは冗談として、爆走する輪入道……ある意味では風物詩ね。とはいえ黒幕はオブリビオンな訳だしさっさと叩きのめして助けてあげるべきかな……」
冗談めかした依神・零奈(殯の掃持ち・f16925)の言葉に、セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)はフィンブルヴェトを構え呟いた。
「問答無用、ということですね。では、こちらもそうするだけです」
パキン! と澄んだ音が、屋敷に響き渡った。セルマの褪せぬ氷晶が生み出した見えないほどに透き通った氷に、輪入道達が阻まれたのだ。輪入道達からすれば唐突に衝撃に襲われ、急停止してしまった事に等しい。
「さて……と。次は輪入道が沢山だね……確か、骸魂を撃ち抜けば元になった妖怪を助けられるんだっけ……それなら、まずは骸玉の位置の解析からだね……同じような位置にあれば楽なんだけど……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)も術式拳銃【アヌエヌエ】を構え、引き金を引く。氷の術式のこもった銃弾は、輪入道達に着弾。バキバキバキ! と車輪を凍らせて拘束していき――。
『ボボボウ!』
その上を、次の輪入道達が飛び越えていく。空中から襲いかかろうとして来る妖怪の群れへ、神計・紅牙(天の御柱・f01140)が紅牙尺を突きつけた。
「この間合い、そちにとっては凶と出るぞ」
『ボ――!?』
紅牙の幽冥の間によって召喚された魔性の気を纏った式神が、空中で輪入道達を絡め取る! そこへ絢瀬と刀也が同時に駆け込んだ。
「数を減らして通りやすうしてみよか」
「おう」
絢瀬の舞うような軌道で放たれる蘇芳一文字と刀也の豪腕に任せた獅子吼が、輪入道達を捉えていく。ズザン! と柔剛の太刀筋に切り裂かれ輪入道達が両断され――ボン! と茶碗や箒、草履と言った付喪神系の小妖へと戻っていった。
その小妖達が、ポテ……と地面に落ちるのを見て、嵐の瞳の色が変わる。怖さを内側からこみ上げる気持ちが凌駕した瞬間だった。
「怖ぇけどちゃっちゃと片付けねえとな。出番だクゥ、蹴散らしてやれ!」
我が涅槃に到れ獣(ア・バオ・ア・クゥ)によって召喚された焔を纏った黄金のライオンであるクゥに跨り、嵐が前に出る。それに合わせ次々と殺到する輪入道達に、零奈は口を開く。
「るわまるわまはわのいめんう(運命の輪は廻る廻る)」
零奈の「言進の鬼邪天」計謀(ンゲンシノクャジノマアイケウボ)は、対象の名称や事象を逆さ言葉で表現する事で性質・能力を反転させる呪詛だ。廻る、という言葉の反転――ギギギギギギギギギギギギギギギッ! と火花を散らし、輪入道達の輪が急停止。動きを止めた。
「まだまだ来ますよ」
「……こっち……」
セルマが身構え、メンカルは小妖達を門の向こうへと逃していく。一体たりとも外には出させない、その覚悟を持って猟兵達は輪入道達の前へ立ち塞がった。
●カクリヨのホロビとは――?
燎原火炎陣、数が増えれば増えるほど効果の増す輪入道達の突進を、零奈は真っ向から迎え撃つ。
「くいてしくそかはどくそのそ(その速度は加速していく)」
急激に速度を失う輪の回転が、次々と突進から脱落するモノ達を生んでいった。その上で、紅牙が紅牙尺を地面に突き立て創世神話(簡易版)によって地脈を操り、土壁を作り出していく。
「宝探しは良い余興であったが歓迎の仕方はまだまだであるな。そも小さきもの共を糧として現界するような者では期待するものでもないか」
歯応えのない、と紅牙がため息をこぼす。あくまで脅威なのは、その数だ。それにさえ対処できれば、処理にはさほど労力はかからなかった。
「いや、結構キツいけどな……!」
だが、嵐がそう言ってしまう程度には本来は危険な相手であった。
燎原火炎陣という数に任せた攻撃を軸に、紅蓮疾走やファイアホイールスピニングにより速度の能力の引き上げ。対処法を間違えれば、熟練の猟兵と言えど押し切られかねないポテンシャルはあった。
しかし、セルマとメンカルに氷が。零奈の呪詛と紅牙の式神が。嵐のお手製スリングショットによる精密な援護射撃が。輪入道達の軸であるはずの輪の回転を許さなかった。その上で前衛で絢瀬と刀也が体勢を立て直す前に刀によって止めを刺していくのである――輪入道達からすれば、むしろ徹底的に完封された形となってしまった。
「ふーん。回転すると厄介だな。ま、それでも腹の足しにもならん」
刀也の感想こそが、全てだ。全力どころか基本性能を引き出す前に、輪入道達は処理されていく事となっていた。
『ボボウ! ボウボウ!!』
それでも怒りに任せて迫ってくるのは、まがりなりにもオブリビオンだからか――メンカルは深呼吸を一つ、唱えた。
「闇裂く光よ、奔れ、描け。汝は光芒、汝は閃画。魔女が望むは夜空彩る星の華」
メンカルの周囲に展開されるのは、膨大な数の星剣の軌跡で描いた立体魔法陣だ。夜空の光は全て星(スターライト・ドローイング)による魔法陣に囲まれた輪入道達が慄いている間隙に、魔法陣から放たれた光線が輪入道の顔を次々と撃ち抜き――骸玉を破壊していった。
「まったく、世話がかかるやつらよのぅ」
そして、その光線から逃れた輪入道の死角に滑り込み、紅牙が牛王星来を貼り付ける。既にはられている封印の札は焦げてボロボロだ。その上に烏の絵描かれた符がぺたっと貼り付けられ、元の鍋の付喪神へと戻っていった。
「……こっちで、休んでいて……」
元に戻った小妖達を、メンカルは旅人招く御伽宿(スパロウズ・ホテル)で保護していく。ペコペコと感謝を込めて頭を下げていく小妖達へ、不意に一体の輪入道が襲いかかった。
『ボボ――!?』
小妖達を押し潰す、そう思えた瞬間輪入道の顔へ見えない氷が突き刺さる! セルマの褪せぬ氷晶による氷の刃だった。
「作れるのは壁だけではありません」
小妖達の前へ立ち、セルマが迫る輪入道達を撃ち落としていく。そこへ、黄金のライオン――クゥが炎の軌跡を描いて駆け込んだ。
「させるか!」
嵐のお手製スリングショットによる精密な一撃が、横合いから輪入道の顔を打ち砕く! 喉を鳴らし威嚇するクゥの上で、振り返らずに嵐が言った。
「安心しろ、ちゃんと守る!」
震えを押し殺し、嵐は言ってのける。混乱寸前だった小妖達は、その背中に勇気づけられたように順番を守って小さな扉型魔法陣に触れて消えていった。
本来であれば混乱して足手まといになっただろう小妖達が、素早く保護されていく――輪入道達にとっては嵐の振り絞るその勇気こそ、邪魔なものだ。ヒュガガガガガガガガガガガ! と炎を拭き上げながら、小妖ごと押し潰そうと殺到した。
「ひらり舞い散れ――」
そこへ、絢瀬が降り立った。間合い内の者を斬り捨てる鋭く緩やかな剣舞――絢瀬の剱神楽だ。
「道を開くで」
緩やかな、遅いとさえ思える動き。ヒュオン、と蘇芳一文字の切っ先が踊る度に、輪入道達が切り裂かれていく。その姿は、炎に魅せられた蛾の群れのようだった。自らを断ち切るとわかっていても……否、まさに断ち切られる事を望むように、輪入道達は絢瀬の剣舞に混じっていった。
「お、お――!!」
そして、そこに刀也が飛び込む。足腰の力と腕の力を使った強引な横薙ぎ、ギギギギギギギギギギギギギギギッ! と輪と獅子吼が火花を散らす中、構わず刀也は振り抜き力技で断ち切った。
「ちょっとはすっきりしたやろか」
「みたいだな」
絢瀬の言葉に、刀也は応える。まだ、残っていた最後の輪入道が襲いかかろうと迫るが――まるで、そこにいないかのように反応しなかった。
する必要がない、その事を察していたからだ。
「……これで、お終い」
カチャリ、と無銘刀の鍔を鳴らし零奈が駆け込む。放たれた鋭い斬撃は、最後の輪入道を両断――ボン! と内側から爆ぜて、しゃもじの付喪神となって地面に転がった……。
大成功
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第3章 ボス戦
『キョンシー木綿』
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POW : キョンシーカンフー
【中国拳法の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 百反木綿槍
自身が装備する【一反木綿が変形した布槍】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : キョンシーパレード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【キョンシー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●キョンシー木綿
日本家屋の奥、広大に広がる畳の間でキョンシー木綿は笑う。
「ク、ハハハハハハハハハハハ! そうかそうか! 戦いに来るものがいるか」
その瞬間、ガガガガガガガガガガガン! と戟、青竜刀、槍、蛇矛――畳に突き立てられた刃の花園を中心に、キョンシー木綿は歯を剥いた。
「それでこそ、それでこそだ! ただ終わるなどつまらん! 闘争を、はてなき闘争によっての終焉を! さればこそ、この身に意味が生まれる」
闘争を望むからこそ、キョンシー木綿は待つ。生きるか死ぬか、殺すか殺されるか、二者択一を求めて……。
御剣・刀也
キョンシーと一反木綿が一緒になった相手か
和洋折衷なんでもありか?まぁいい
世界を守る為なんてお題目を唱える気はない。お前は、俺が斬る
中国拳法の一撃は、第六感、見切り、残像、グラップルで打ち込もうを賭してくる場所を察知し、避けるか、肘で防御して相手の拳を使えなくする
そんなことで怯むとも思えないが、相手が及び腰になったらダッシュで一気に距離を詰めて、勇気で反撃を恐れず捨て身の一撃で真正面から斬り捨てる
「俺は下手な小細工はしない。不退転。それが俺の流儀なんでな」
メンカル・プルモーサ
キョンシーが一反木綿に呑まれたからキョンシー木綿…
…理屈の上では確かにそうなりそうだけど…なんかこう、単純だな…
…さて…闘争を求めるのは良いけど他人を取り込んでまで、というのは感心しないね…
…まずは術式銃【アヌエヌエ】で牽制、布槍を火炎術式を刻んだ銃弾で迎撃しながら骸玉の位置を解析…
…位置の解析が完了したらしたら足下に煙玉を投下、一時的に姿を消して心理隠密術式【シュレディンガー】で姿を消そう…
…他の人とも戦ってるならそうそうは見つからないはず…少し離れた位置から【慈悲深き死神の手】を発動…骸玉を削り取って元に戻そうとするよ…
元に戻ったなら診断してキョンシー少女を適度に治療してあげよう…
宴・段三郎
おのれぇ…きょんしぃ木綿…刀剣と言いながら…刀が一振りも無いとは…差別…差別じゃぁ………
唐の国の武器ばかりじゃぁ…刀剣溢れる世界と聞いて楽しみにしてたのに……おのれぇ…謝罪と賠償を要求するのじゃぁ…
ここにある武器を全部妖刀にしてやるのじゃぁ……もっと面白おかしくしてやるのじゃぁ…(にたぁ)
闘争とかそれどころじゃ無くしてやるのじゃぁ……
刀こそ最強、刀こそ至高なのじゃぁ…
妖刀見本市で今まで鍛刀した妖刀を全部解放させつつ、いま所持してる刀も全部使って、刀こそ最強だと分からせてやるのじゃぁ…
わしが作る刀こそ最強!
わしが作る刀こそ至高!
奴が刀こそ最強じゃと思うまでわからせ刀鍛冶になるのじゃ
鏡島・嵐
見た目はそうでもねえのに、物騒なこと言ってんなぁ。
ずっと戦い続けるなんて怖ぇことはしねえし、終わらせもしねえよ。
まずは《笛吹き男の凱歌》を使って、自分も含めた味方の能力を増強。ずっと戦うなんて悪ィ夢は笑い飛ばしてやれ!
さらに〈援護射撃〉も撃って他の仲間の攻撃を援けつつ、自分でも〈フェイント〉を織り交ぜた攻撃を撃つことを狙う。
意識が飛ぶと操られる可能性があるから、間合いは付かず離れずを保って。もし詰められそうなら〈逃げ足〉を活かして退避。
攻撃の矛先がこっちに向いたら〈第六感〉を働かせて〈見切り〉、それでも避けきれないなら〈目潰し〉で攻撃そのものを失敗させるか、〈オーラ防御〉で耐えるかする。
火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で『キョンシー木綿』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
依神・零奈
これまた随分と好戦的なようで……めんどくさい事この上ないけどひたすらに闘争を求める実直な姿勢は嫌いじゃないよ。……仕方ないから相手してあげる
とはいえ私にとって真っ向勝負は分が悪いしここは搦手を使わせて貰う。UCを発動して禍言による舌禍で【呪詛】を与えて動きを阻害する。
「運命は確定した、キミの躰は闘争に縛られる」
すぐに無銘刀を抜刀し【破魔】の力を与え攻撃を与えていく、相手の動きを【情報収集】や【第六感】で予測し【フェイント】などで隙を作りだし【だまし討ち】で強襲を狙うよ。十分に迎え撃つ準備は整えたつもりだけれど、闘争に明け暮れるその一撃を強烈だろうな……刀を放さないように手の痺れとかには注意する
セルマ・エンフィールド
戦いを求める者ばかりでも、それが可能な者ばかりでもありません。
この世界全体を戦乱の世に変えるのではなく、もっと狭い範囲で完結してくれる方が助かるのですが……そうでないのであれば仕方ありません。私たち猟兵が相手になりましょう。
フィンブルヴェトを手に【ニヴルヘイム】を使用し、周囲を覆う冷気で敵の操る布槍を凍てつかせます。
念力で操っていますし凍り付こうが操作は可能でしょうが、凍り付いてしまえば布だろうが砕ける。強化された身体能力を活かし、飛来する布槍を銃剣によるなぎ払いと射撃で砕いていきます。
複製した布槍をある程度砕いたら布槍の合間を見切り突破、敵が射程に入り次第絶対零度の弾丸で撃ち抜きます。
●刃、咲き乱れ
「この方が今回の事件の元凶ですか」
日本家屋の迷宮を駆け抜け、ついに猟兵達は決戦の場へとたどり着いた。そこに待ち受けていたキョンシー木綿を見て、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が呟く。その言葉に、キョンシー木綿は口の端を持ち上げた。
「来たか、敵」
「これまた随分と好戦的なようで……」
そこに込められた愉悦に気づき、依神・零奈(殯の掃持ち・f16925)がこぼす。敵と出会い、敵意より愉悦が先に来るのは目的が手段となっているモノだ……だからこそ、呆れが前に来た。
「めんどくさい事この上ないけどひたすらに闘争を求める実直な姿勢は嫌いじゃないよ……仕方ないから相手してあげる」
「そう、それでいい。闘争を。殺し殺され、命の果てにある結末こそ我は求めている!」
「見た目はそうでもねえのに、物騒なこと言ってんなぁ。ずっと戦い続けるなんて怖ぇことはしねえし、終わらせもしねえよ」
鏡島・嵐(星読みの渡り鳥・f03812)はキョンシー木綿の一切の誇張もない本音に、眉根を寄せる。願望に世界を巻き込む相手の、本気度が恐ろしい、と。
セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)も小さなため息をこぼし、目の前の元凶に凛と告げた。
「戦いを求める者ばかりでも、それが可能な者ばかりでもありません。この世界全体を戦乱の世に変えるのではなく、もっと狭い範囲で完結してくれる方が助かるのですが……そうでないのであれば仕方ありません。私たち猟兵が相手になりましょう」
「ほうほう。ならば、この我、キョンシー木綿も全身全霊でお相手しよう」
ガガガガガガガガガガガガガガガガ! とキョンシー木綿を中心に、刃の森が起立していく。戟、青竜刀、槍、蛇矛――畳に突き立てられた刃の花園で、キョンシー木綿は吼えた。
「それでこそ、それでこそだ! ただ終わるなどつまらん! 闘争を、はてなき闘争によっての終焉を! さればこそ、この身に意味が生まれる」
その闘志を前に、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)がふと口を開く。
「キョンシーと一反木綿が一緒になった相手か。和洋折衷なんでもありか?」
「キョンシーが一反木綿に呑まれたからキョンシー木綿……理屈の上では確かにそうなりそうだけど……なんかこう、単純だな……」
「名前にダメ出しは止めろ! この我の関わるところではない!」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)の指摘に、キョンシー木綿も思わすツッコミを入れる。キョンシー木綿が動こうとした、その時だ。
「おのれぇ……きょんしぃ木綿……刀剣と言いながら……刀が一振りも無いとは……差別……差別じゃぁ………」
念の為の確認を終えて、宴・段三郎(刀鍛冶・f02241)が地の底から響くように呟いた。確かに日本刀は存在しない、七星剣や両刃剣はあるのだが。
「唐の国の武器ばかりじゃぁ……刀剣溢れる世界と聞いて楽しみにしてたのに……おのれぇ……謝罪と賠償を要求するのじゃぁ……」
「知るか、うつけが!!」
木綿が伸びて、武具を引き抜いていく。百反木綿槍――大量の布槍に武具を絡ませ、キョンシー木綿が猟兵達へと投擲した。
●闘争の領域へ――
迫る武具を前に、にたぁと段三郎が笑みを浮かべた。
「ここにある武器を全部妖刀にしてやるのじゃぁ……もっと面白おかしくしてやるのじゃぁ……」
ヒュガガガガガガガガガガガガ! と段三郎を中心に畳を埋め尽くしていくのは妖刀十万と四七振り――膨大な妖刀が、キョンシー木綿の武具へと突撃し弾き飛ばしていった。
「刀こそ最強、刀こそ至高なのじゃぁ……」
ギギギギギギギギギギギギンッ!! と火花が咲き乱れる中でまず動いたのは嵐だった。
「魔笛の導き、鼠の行軍、それは常闇への巡礼なり。……耳を塞ぐなよ?」
嵐の笛吹き男の凱歌(ラッテンフェンガー・パラード)によって召喚された道化師が、魔笛を高らかに鳴り響かせる。その音と同時に、嵐が言い放った。
「ずっと戦うなんて悪ィ夢は笑い飛ばしてやれ!」
魔笛の強化を受けて、明が駆ける。そして、銀の剣を手にキョンシー木綿へと迫った。
「こちらも全力で迎え撃ちましょう。もちろん、取り込まれた方も助け出します」
銀色の疾風による十字斬り、それをキョンシー木綿は紙一重で引き抜いた青龍刀二本で受け止め弾き飛ばされた。その剣の本質を見切ったからこそ、キョンシー木綿は舌打ちする。
「厄介な技を――ッ!」
「まだだ!」
嵐の援護射撃が、キョンシー木綿の着地点に放たれた。キョンシー木綿は軽やかなステップで更に後退。そこへ既に駆け込んでいた、刀也が獅子吼を振り下ろす!
「世界を守る為なんてお題目を唱える気はない。お前は、俺が斬る」
「ああ、それでこそよ!」
しなやかに伸びた木綿が鋼鉄の硬さを持って、刀也の一撃を受け止めた。だが、迷いのない踏み込みと振り下ろしに、キョンシー木綿が押される。素早く拳打を返したキョンシー木綿を、刀也は紙一重で見切って身をかわした。
「そこです」
そして、狙いをすましたセルマのフィンブルヴェトの銃撃がキョンシー木綿に撃ち込まれた。キョンシー木綿は生み出した布槍でその銃弾を迎撃し――。
「ッ!?」
ゾクリ、と背筋を走る悪寒に、考えるより速く布槍を投げ捨てる。バキバキバキ! と銃弾を受け止めた布槍が凍りつき、砕け散っていった。
そこへメンカルが術式拳銃【アヌエヌエ】の銃弾で追撃する。キョンシー木綿は布槍を展開、受ける端から燃やされていく布槍を放棄していった。
「氷と炎か、考えるものだな」
「…………」
その間も、メンカルの視線は骸玉の位置を探っている。それがわかるからこそ、キョンシー木綿は油断しなかった。
「私にとって真っ向勝負は分が悪いしここは搦手を使わせて貰う」
零奈は深呼吸を一つ、舌禍の呪いを放つ。
「運命は確定した、キミの躰は闘争に縛られる」
「元よりその覚悟よ!」
キョンシー木綿が畳を蹴って前に出る。零奈の舌禍「七羽鴉」(クチハワザワイノモト)に縛られたキョンシー木綿は、一つの過程を飛ばした――様子見、情報収集、戦力の計算。謂わば、敵への観察という過程を、だ。
闘争、戦いに己のみを乗せて、キョンシー木綿は猟兵達へと襲いかかっていった。
●闘争の果てに、刃は散って
「わしが作る刀こそ最強! わしが作る刀こそ至高!」
吼える段三郎の元から、次々と妖刀が飛び立っていく。それを自身の刃で受けていたキョンシー木綿であったが、ついに一つの事実を認めるしかなかった。
「ああ、ああ! 認めよう――お前の妖刀の方が、強い!」
布槍で妖刀を絡め取り、キョンシー木綿は妖刀の群れを迎え撃っていく。ついに認めた、とにたぁ、と笑みを濃くした段三郎が目を細め、猫なで声で言った。
「おんしゃ、刀が欲しいか?」
「ありったけな!!」
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギン! と妖刀と妖刀が激突していく。片方は暴走して、片方は布槍で――その中を刀也が身を低く駆け抜けていった。
「俺は下手な小細工はしない。不退転。それが俺の流儀なんでな」
「ぐ、う!!」
雲耀の太刀、刀也の全身全霊の振り下ろしがキョンシー木綿の布槍の隙間を縫って本体へ届かせた。キョンシー木綿が、たまらず後退する。その直後、セルマが動いた。
「私が限界を迎えるのが先か、あなたが斃れるのが先か……勝負といきましょうか」
セルマのニヴルヘイムの発動と同時、フィンブルヴェトから銃弾が放たれた。キョンシー木綿は布を操り妖刀で受けようとして――バキン! と一瞬で布という布が凍てついていくのを見た。
「な、あ――!?」
一反木綿という妖怪の一部でさえ瞬く間に凍らせる絶対零度。1分39秒の間、身体能力が増強し周囲に絶対零度の冷気をまとうセルマのニヴルヘイムだからこその暴虐とも言うべき冷気だ。
キョンシー木綿は手づから妖刀を引き抜き、銃弾を受け止める。紙一重だ、妖刀でなければ凍った衝撃で砕け散っていただろう。
「く、は、はははははははははははは!! この圧倒的! これでこそ、戦う意味がある!」
笑い、キョンシー木綿が素手で走る。キョンシーカンフー、鋭い動きで間合いを詰めようとしたキョンシー木綿に、嵐がその眼前へ援護射撃で閃光玉を放った。一瞬の強烈な光に、キョンシー木綿の視界が奪われる!
「今だ!」
嵐の声に、すかさずメンカルが煙玉を使用した。キョンシー木綿の視界が、何とか回復した時には周囲に噴煙が満ちている――キョンシー木綿は、身構えた。
「お、のれ――」
「空なる孔よ、開け、閉じよ。汝は切削、汝は虚現。魔女が望むは世界切り取る虚空の手」
ゴッ! と不意にキョンシー木綿の胸元に浮かぶものがあった。メンカルの慈悲深き死神の手(クー・デ・グラース)によって掴みだされた骸玉だ。
「まさ、か!?」
「この攻撃で、妖怪を助け出す!」
そして、明の銀の剣による背後からの刺突――明の銀色の疾風はメンカルに抜き出された骸玉だけを正確に貫き、パキンと軽い破裂音を残して、破壊した。
ずるり、と倒れるキョンシーの体。それを受け止めて、メンカルは安堵の息をこぼす。
「……良かった、大丈夫そう……」
「それは良かったです」
明もようやく、笑みを見せる。闘争を望んだ魂は滅びた、その事を示すように日本家屋の迷宮は静かに縮小していった……。
大成功
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