きょうのせかいは、きのうのまんま(作者 七尾マサムネ
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●幽世の遊び子
 赤い鳥居が、どこまでもどこまでも続く。
 その奥の神社には、妖怪たちが住んでいる。
 広い境内は、遊びの世界。かくれんぼに鬼ごっこ、ベーゴマ、カードバトルと、妖怪たちが楽しく遊ぶ。
 けれど今は、声の1つも聞こえない。鳥居も神社も妖怪たちも。
 全ては、花に覆われて。
 地面と心を満たすのは、とろり蕩けた甘い蜜。みんな眠って夢の中。

●導きの猫人
 タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は、少々緊張した面持ちで猟兵達を迎えた。それもそのはず、新しい世界への導きを始めようというのだから。
「ええっと、みんなに今回行ってもらいたいのは、『カクリヨファンタズム』……妖怪の世界だよ。UDCアースのお隣さんだと思うと、親しみがわくかも?」
 ただし同時に、骸の海のお隣さんでもある。
「神社が集まった地域で、事件が起こるんだ。どこからか発生した花と蜜が全部を覆い尽くしちゃって、妖怪たちをみんな眠らせちゃうんだ」
 それだけなら、危機感もさほど感じられないが、無数の骸魂が飛び交っている。
 奴等は無防備な妖怪たちを一方的に吸収し、オブリビオンに変えていっているのだ。
 その光景は、あたかも、静かなカタストロフ。
「妖怪さんたちを目覚めさせるため、このプチカタストロフの原因のオブリビオンを倒して欲しいんだ!」
 敵の本拠地は、神社エリアの中心に存在する五重塔。その最上階で、オブリビオン・キョンシー木綿が待ち受けているという。
 まずは、外縁部、神社の境内エリアを突破しなければならない。花びらにあふれた夕暮れ空の下、猟兵たちを待ち受けるのは……過去。
「楽しかったりつらかったり、色んな思い出があると思うけど、それがみんなを取り込もうとしてくるよ。なんとか振り切って!」
 境内を突破すれば、次は、連ね鳥居が待っている。内部は迷路状になっている上、オブリビオン化した妖怪たちが待ち受けている。
「たくさんの麒麟がみんなを邪魔してくるけど、元は妖怪さんたちだから、うまく倒せば元に戻せるはずだよ」
 そして、ボスの本拠地・五重塔。
 五重、と言いつつ、内部は空間が歪み、見た目以上の高さになっている。
 螺旋階段が延々と続いていて、最上階に辿り付くだけでも一苦労だ。
「何十階も上るのは大変だから、ショートカットするような方法があるといいかも」
 ボスのキョンシーもまた、骸魂に飲み込まれた妖怪の集合体である。
 誰かと遊びたい……昔みたいに人間と……という根源的な願望が、強い力を呼び込んでしまったのだろうか。
「できれば助けてあげてほしいんだ。ボクも猫の妖精、妖怪みたいなものだからね」
 両手を挙げて訴えるタビタビの様子は、確かに、小猫妖怪のように見えなくもなかった。


七尾マサムネ
 毎日カタストロフ。幽世ヤバい。

●1章
 神社の境内エリアで、花の蜜が見せる過去の記憶に抗います。
 どのような過去に囚われるかは、プレイングで指定してください。(万が一、指定のない場合は、ふわっとした感じの描写になりますので、あらかじめご了承ください)

●2章
 無限鳥居の迷宮をくぐり抜けながら、多数の麒麟と戦います。
 迷宮である事を逆手にとって、敵をかく乱するなどのプレイングがあれば、プレイングボーナスが発生します。

●3章
 ボス・キョンシー木綿の待つ五重塔に挑戦します。
 外から見ると五重塔ですが、内部は一本の螺旋階段が延々と続く、高層建築です。
 早くボスのいる最上階に辿りつかないと、一方的に上から攻撃を受ける事になります。
 ショートカット方法を編み出す、上からの攻撃に対処するなどのプレイングがあれば、プレイングボーナスが発生します。

 それでは、今日も元気に幽世を救ってくださいませ!
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第1章 冒険 『追憶回廊』

POW過去なんて振り返らないとただひたすら前へと進み続ける
SPD目を瞑る、耳を塞ぐなど、物理的に過去を遮断する
WIZ強い心で過去への誘惑に抗う
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


片桐・公明
【WIZ】
小学生、留守番しているときに強盗を包丁で刺した
中学生、帰宅途中ですれ違った会社員の首を絞めた
高校生、卒業記念の夕食時に両親を殺した
それから夜の都会の暗がりで何人も、何人も…

「これは私の過去ではないわ」
『だが、あり得たかもしれない過去だ』
公明の目の前に、そっくりな[闇]が立つ
『闇を抱えて産まれた以上、こうなったかもしれない』
「でも、こうはならなかったわ。両親のおかげでね」
[闇]に対し正面から向き合う

『では、過去ではなく未来かもしれないぞ。いずれ無辜の民に手を掛ける』
「いいえ。あり得ないわ。この拳銃と、この焔がある限り」
未来と嘯く[闇]に対して二挺拳銃からUCを放つ

(アドリブ歓迎です。)


 これは、とあるひとごろしの記録である。
 小学生の時には、留守番している時に押し入った強盗を、包丁で刺した。
 中学生の時には、帰宅途中、すれ違った会社員の首を絞めた。
 高校生の時には、卒業記念の夕食時に両親を殺した。
 それから、夜の都会の暗がりで、ひい、ふう、みい……。
「……これは私の過去ではないわ」
 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は言った。目の前の幻像に対して。
 そう、血も肉も悲鳴も、全てはまやかし。
 公明が立つのは、古びた映画館の一室……を模した、何処か。
『だが、あり得たかもしれない過去だ』
 公明に答えたのは、『闇』だ。スクリーンを背に、公明の目の前に立つ、似て非なるもの。
 『闇』公明は、語る。過去とて定まったものにあらず。未来同様、常に移ろいゆくものではないか、と。
 そして『闇』は、指し示す。公明の眼前、幾度も繰り返される、殺意の絵巻物を。
『闇を抱えて産まれた以上、こうなったかもしれない』
「でも、こうはならなかったわ。両親のおかげでね」
 公明の答えに、『闇』が、小さく身じろぎした。
『では、過去ではなく未来かもしれないぞ。いずれ無辜の民に手を掛ける』
「いいえ。あり得ないわ。この拳銃と、この焔がある限り」
 『闇』への答えは、拳銃だった。それも、二挺。
 片方は父と、片方は母と。銃それぞれの結ぶ縁が、公明に力を与える。
 引かれたトリガーが解放したのは弾丸ではなく、業火。焔は双の大蛇となって、過去の幻影を喰らい尽くす。
 まやかしの記憶を征服するだけでは飽き足らず、『闇』へと牙を剥く。
 喰らい尽くす。焼き尽くして、消し尽くす。それは、灼滅の宴。
 やがて、存在を保てなくなった『闇』は。
『その銃口が、罪なき魂に向けられる日を、楽しみにしていよう』
「そんな日が来る事はないわ。未来永劫ね」
『……ちッ』
 公明の心を折る事の出来なかった『闇』は、憎しみの表情を置いて、消えた。
 そして公明は戻る。花に囲まれ、妖怪たちが眠る神社へと。
 飛び交う骸魂を払い、公明は、鳥居へと向かう。
 妖怪たちを目覚めさせ、時計の針を未来へと進めるために。
成功 🔵🔵🔴

レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
ふんふん、過去かぁ……何があるかにゃ?。(ねこじゃらし等現れる猫グッズの数々)
これぐらいなら問題ない……いや、まって!?(【キャット・ドール】の乙女サキュバスが現れて)
コレって、サキュバスとしての誘惑の力を猫グッズに載せる、暴走パターンじゃ……にゃー!(誘惑ブーストされた猫グッズに遊ばれます)
くっ、満足すれば解放される筈にゃ……限界突破する位戯れ倒すにゃん。
……よ、ようやく満足してくれたかにゃ?…あれ?なんでいるのにゃ?サキュバスにゃん。ぇ、本物?さっきまでのは夢?(じりっ)あ、あのー…先に進みたいんだけど。
(強制発動したキャット・ドールの乙女サキュバスと第二ラウンド)


 ふわりふわりと、小さな影が、境内を行く。
 散歩中の白猫……ではなく、レフティ・リトルキャット(フェアリーのリトルキャット・f15935)だ。
 花びらと甘い蜜の布団に抱かれて、すやすや、すやり。
 夢の国の住人と化した妖怪たちの間を、すり抜けていく。そんなレフティの様子は、不思議の国の妖精のよう。
「ふんふん、過去かぁ……何があるかにゃ?」
 すっ。
 レフティを取り巻く景色が変わった。
 無数の花は消え、代わりに現れたのは、ねこじゃらしにボール……レフティを誘惑する、猫グッズの数々。
「ううん、これぐらいなら問題ない……いや、まって!?」
 頭を振るレフティの前に姿を現したのは、乙女サキュバス。勝手に起動している。
「コレって、サキュバスとしての誘惑の力を猫グッズに載せる、暴走パターンじゃ……にゃー!」
 猫グッズ達が、レフティを『歓迎』した。
 サキュバスによって誘惑ブーストされ、全力で弄んでくるのだ。
「くっ、満足すれば解放される筈にゃ……」
 レフティは、あえて、衝動に身を任せた。
 ボールにコロコロ、ねこじゃらしにニャーン。すると、ひみつきちやトンネルも、おいでおいでと誘って。
 人目もはばからず……元々周りの妖怪たちは眠っていて、誰も気にするものはないのだけれど……猫の本能を解放するレフティ。
 限界突破する位、戯れ倒す。別に、誘惑に屈したわけではないのにゃん。
 すると……。
「にゃ?」
 遊ばれ疲れたのだろうか。サキュバスと猫グッズ軍団は、レフティから離れ、どこかへと消えていく。
「……よ、ようやく満足してくれたかにゃ?」
 ぱちっ。
「はっ」
 レフティが目を開けると、そこはやはり神社の境内で。
「……あれ? なんでいるのにゃ? サキュバスにゃん」
 軽く混乱するレフティに、サキュバスは、身振り手振りで訴えかけた。
「ぇ、本物? さっきまでのは夢?」
 こくこく。サキュバスは、うなずくと、レフティににじりよった。
「あ、あのー……先に進みたいんだけど」
 レフティのお願いは、通じなかった。
 くるくる。回る猫じゃらしは、万華鏡のよう。
 乙女サキュバスとの、第二ラウンドが始まった。
「にゃーん」
成功 🔵🔵🔴

清川・シャル
過去ですか…シャルは6歳まで奥座敷の牢に居たので、それが嫌ですね
迫ってくる赤い格子
逃げても捕まって閉じ込められて。
振り払っても格子が迫ってくるから
シャルはそーちゃんを振り回して逃れようと必死になるんです
あの頃は詰め込まれる知識と教養、手一杯でした
あの時沢山怒鳴られた声も迫ってきますね
嫌だなぁ、心を強く持たなくちゃ
シャルはもう立派に独り立ちしたんてます、大人の権力争いに巻き込まれるのはまっぴらです!
やっぱり、そーちゃんを振り回して抵抗します


 訪れた幽世の神社は、いつしか無限に続く空間へと様変わりしていた。
 駆け、足音を奏でる清川・シャル(無銘・f01440)の背中を、赤が追う。
 追跡者の正体は、赤い、格子。
 見覚えがある。奥座敷の牢の格子だ。シャルが6歳に至るまで居た……否、閉じ込められていた、場所。
 嫌な、記憶だ。
 どんなに逃げても、捕まって閉じ込められて。
 幾度振り払っても、追跡の手を緩めることのない格子。
 シャルは、桜色の金棒を振り回し、必死に逃れようと試みる。
 シャルの心の中に、無数の言葉が蘇って来る。それは、あたかも、呪いのよう。
 あるいは、大人たちの望む存在を形作るための、プログラムを刷り込まれているような。
(「あの頃は詰め込まれる知識と教養、手一杯でした」)
 シャルを追って来るのは、格子だけではない。
 声だ。
 烈火のごとく激しい、怒鳴り声の合唱。もしくは輪唱。
 鼓膜のみならず、心さえも震わせ、揺るがす大人達の意思が、音声だけでなく、文字という形をとって、シャルを捕まえようと手を伸ばす。
(「嫌だなぁ、心を強く持たなくちゃ」)
 有形無形の追っ手を、振り払うシャル。
 それは小さき力。理不尽な圧力を振り切るには足りない。
 しかし、か弱い抵抗は、やがてそーちゃんという力を得て、力強いものへと変化する。
 そう、今のシャルは、ただの箱入り娘ではない。
「シャルはもう立派に独り立ちしたんです、大人の権力争いに巻き込まれるのはまっぴらです!」
 シャルの決意に、そーちゃんは応える。
 強い意志を汲んで、金棒の棘が駆動する。チェーンソーモード。
 鬼神の如く唸る相棒が、迫りくる格子を粉砕し、怒声と呪詛の文字群を切り裂いた。
 過去は塵に還り、気づけばシャルは、神社の境内に立っていた。
 辺りには、花と蜜。そして眠る妖怪たちの姿。
 ここは、カクリヨファンタズム。シャルが、自ら選び、訪れた世界。
「行きましょう」
 シャルは、そーちゃんを握りしめると、近寄ってきた骸魂を叩き潰し、走り出した。
 自分と同じように囚われる妖怪たちを、眠り……そして、オブリビオンという名の牢獄から、救い出すために。
成功 🔵🔵🔴

ウーナ・グノーメ
【心情】
「……。これは」

見覚えのある光景だった。
石造り、それも砂岩で出来た牢獄。
いつの間にか自分の手足には、同じ砂岩で出来た手枷と足枷。

「わたしの過去。力が制御できるまで、幽閉されていた記憶」

牢獄の中では昼夜も判然とせず、只管に孤独。
何日も飲まず食わずだった時もあった。
空腹と狂気が、再び心の裡に囁きかける。

「……。全ては塵。わたしはあの時のわたしではない」

ユーベルコードで砂岩の枷と牢を全て砂に還し、幻影の記憶を打ち破る。
元が砂であるが故に、当時の未熟な自分には出来なかった芸当。

「でも、忘れはしない。決して。この過去があったからこそ、今のわたしがあるのだから」

【行動】
【狂気耐性】にて記憶に抗う。


 異界、幽世。
 しかし、ウーナ・グノーメ(砂礫の先達・f22960)の眼前に広がるのは、見覚えのある光景だった。
「…………。これは」
 石造り、それも砂岩で出来た牢獄。
 幽世の神社にやって来たのも束の間。ウーナは面妖なる空間へと誘われていた。
「…………」
 不意に違和感を覚え、ウーナが視線を落とした手足には、いつの間にか、牢獄と同じ砂岩で出来た手枷と足枷がはめられている。
 それを見た瞬間、ウーナは、全てを理解する。
 これは、現実でも、現在でもない。
「わたしの過去。力が制御できるまで、幽閉されていた記憶」
 時と共に劣化していくはずの記憶は、しかし、はっきり思い出すことができる。
 閉じ込められた牢獄の中、昼夜も判然とせず、只管に孤独。
 飲まず食わずが何日も続くことさえ、特別なことではなかった。
 話し相手と言えば、空腹と狂気くらいのもの。そして、そうした望まぬ友たちが、ウーナの心の裡に囁きかけてくる。
 閉ざされた世界、閉ざされた心。澱み、倦んだ時間が、ウーナの心を蝕む。
 それは、心を壊す狂気の箱。
 しかし。ウーナは、囚われの姫のままではない。
「…………。全ては塵。わたしはあの時のわたしではない」
 ウーナの意志が、景色を書き換える。
 振るわれた力が、一瞬にして、枷を砂に帰する。
 四肢の自由を取り戻したウーナは、そのまま牢をも砂へと還す。
 牢獄の消失と共に、孤独や空腹たちが、断末魔とともに消えていく。それはウーナへの呪詛か、それとも解放への歓喜か。
 全てが砂に還るのに、さほど時間は要しなかった。幻影の記憶は打ち破られ、ウーナの時は現在に戻る。
 そこで待っていたのは、眠った世界。妖怪たちを襲う、小さなカタストロフ。
 それでも、ウーナは絶望しない。
 先ほど過去を振り切った、超常の力は、幻ではない。元が砂であるが故に、当時の 未熟な自分には出来なかった芸当。
 困難を切り開く力が、今、ウーナの手にある。
 けれど、その力も、起きた過去を幻にはできない。
「でも、忘れはしない。決して。この過去があったからこそ、今のわたしがあるのだから」
 さらり、追憶の残滓を振り払い、ウーナは行く。
 自ら選ぶ道を。
成功 🔵🔵🔴

黒木・摩那
過去というと、実験体していた頃のことになります。
毎日が同じことの繰り返し。
体温と体調の確認から始まって、いろいろな検査機器の上に乗せられて。
科学者は難しい顔して、検査データを見ながら、あーだこーだと議論を繰り返す。
それをぼんやりと聞いていただけの日々。

しかし。
今はそんな退屈とは無縁で、しかも、緊急でとても大事な依頼があった気がします。
いけない!
ここでぼんやりしてる場合ではありません。

【気合】でベッドから起きて、周りの科学者たちをぶん殴って、
夢の世界からとっとと解放しなくては。

猟兵はとても忙しいんです。


 かつて、黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の日々は、同じことの繰り返しだった。
 すなわち、実験体として、様々な検査を受ける毎日。
 一日の始まりは、体温と体調の確認。それから、様々な検査機器の上に乗せられて。
 せめて、話し相手の1人もいれば、つまらぬ検査も多少は気が紛れるものを。
 けれども、摩那を取り巻く科学者たちは、揃いも揃って難しい顔。雁首揃えて、検査データとにらめっこ。あーだこーだと議論の反復。
 摩那が出来る事と言えば、そんな無味乾燥、味気ない言葉をぼんやりと聞くだけ。
 そんな、日々。
 摩那は超能力者だっだけれど、そんな力がなくったって、絶対的な確信があった。明日も同じことが続くのだと。
 そんな灰色の世界の中で。不意に摩那の耳を、心地よい声がくすぐった。それは、鳥のさえずり。
 それを聞いた途端、摩那は、横たえられていた寝台から上半身を起こす。
「そうです」
 そうですとも。
「今はそんな退屈とは無縁で、しかも、緊急でとても大事な依頼があった気がします」
 科学者たちが、摩那に大人しくしているよう指示を飛ばすが、もうそんなことはどうでもいい。いや、当時だってどうでもよかったのだ。
 使命が、胸に火を灯す。それまでの無気力は一瞬で吹き飛ばされると、周りの景色が色彩に満ち満ちた。
 それまで、モノトーンにしか見えていなかった世界が。
「いけない! ここでぼんやりしてる場合ではありません」
 摩那は、気合でベッドから起きると、すっくと床に立った。素足に、人工的な冷たさが伝わってくる。五感が、めきめきと目覚め出したのを感じる。
 何事か騒ぎ立てる科学者たちをぶん殴ると、摩那は部屋から抜け出した。
 ここは夢の世界。夢の中身がつまらぬものなら、とっとと解放しなくては。
 そう、猟兵はとても忙しいのだから。
 そうして抜け出した外の世界は……しかし、夢も希望も無かった。
 花と蜜に抱かれて、眠れる妖怪たち。そして、跋扈する骸魂。
「なんてろくでもない。とてもじゃないけど現実とは認めたくないですね」
 骸魂を切り捨てながら、摩那は進む。
 次は、この世界が、カタストロフから目覚める番だ。
成功 🔵🔵🔴

夜由・寂
サビ、カクリヨ引き籠り隊
だから、プチカタストロフ、何とかしたい

目が見えないサビも、きっと過去に捕まる、はず
サビは弱いから、幽世に辿り着けなくて、死んじゃった
なんにもなくなる「死」は、寂しくて寂しくて
わぁー……ってなったら、また生まれてた
眠り続ける、死と同じ……それは、寂しいから、ダメ

ぽろぽろと零れてしまう涙
涙は何もしなくても、不思議な小瓶へ吸い込まれる

花の甘い匂いにさよなら
過去も怖いけど、誰もいない未来はもっと怖い
怖い匂いのする方へ、妖の気配がする方へ、行かなきゃ

生まれ変わっても、まだ寂しいばかり、だけど
ここなら、サビと一緒に居ても大丈夫な妖怪が、いてくれるはず
起きて……サビ、頑張る、から


 妖怪たちの危機を助けに、幽世の神社を訪れた夜由・寂(影雀・f27970)は、突然、体を包む浮遊感を得た。
 寂は、視覚に頼れぬ。
 それでも幽世の罠は、寂を過去へと誘う。
 むかし、むかし。地球を逃れた寂は、他の妖怪たちと同じように、幽世を目指した。
 けれど、同朋たちの背中は1つ、また1つと遠ざかり、残されたのは寂1人。
 目指す幽世は、まだ先。しかし、寂は力尽き、狭間にて『死』を迎える事になった。
 寂は知った。『死』とは、虚無。心も体も無くしてしまう死は、とてもとても寂しくて。
 寂しさの渦に飲み込まれて、耐えられなくて、声を上げた寂は……再び生まれることが出来ていた。
 だからこそ、わかっている。
「眠り続ける、死と同じ……それは、寂しいから、ダメ」
 眠りの蜜に誘われた同朋たちを、思う。
 あまつさえ、骸魂に喰われ、オブリビオンとなってしまうなど。
 いつの間にか響く音は、ぽろぽろと零れる涙の音。寂の流す、雫の音。
 何もしなくても、寂の涙は、不思議な小瓶へ吸い込まれていく。
 花の甘い香りは、過去の幻にまで、ふんわり届く。
 けれど寂は、さよならと、別れを告げる。
 過去も怖いけれど、誰もいない未来はもっと怖いもの。
 ひたひたと。寂は、歩みを進める。怖い匂いのする方へ、妖の気配がする方へ。
「行かなきゃ」
 そして、今度こそ、辿り付いた。
 光の門を越えた先、神社の境内が、寂を再び迎え入れる。
 そこには、花と蜜に抱かれて、醒めない眠りに就いたままの妖怪たち。
 寂の知った顔はいない。生まれ変わっても、まだ寂しいばかり、だけど。
 ここならば、辿り付いたこの世界ならば。寂と一緒に居ても大丈夫な妖怪が、居てくれるはず。きっと出会える、はず。
 だが不意に、寂が気配を感じ取った。妖怪を喰らう、骸魂の群れだ。
 傷付けさせはしない。寂の翼が、骸魂を跳ねのけた。
 それから、眠る妖怪にそっ、と寄り添うと、寂はささやく。
「起きて……サビ、頑張る、から」
 答えは、ない。
 だから、答えをもらうために。『カクリヨ引き籠り隊』たる寂は、鳥居を目指す。
 この世界を寂しがらせるプチカタストロフを、何とかするために。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『麒麟』

POW ●カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD ●因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ ●キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 飛び交う骸魂を払いのけて。
 境内を抜けた猟兵達を、無数の鳥居が迎えた。
 何処までも、何処までも。続く朱色が織りなすのは、迷宮。行く者の感覚を狂わせる、迷い道。
 そして、気配を感じ、骸魂たちが集まって来る。
 亡者の如き魂たちは、ぼう、と淡い光を放つと、麒麟の姿を取った。
「通さぬぞ……」
「通さぬぞ!」
 同じ姿形を持つオブリビオンたちが、猟兵の道を阻む。
 その体を形作るのは、取り込んだ妖怪たち。
 たすけて。
 くらい。
 こわい。
 麒麟の内から、助けを請う声が、響き渡る。
「静まれ……」
「静まれ!」
 一喝する麒麟たち。
 だが、このオブリビオンたちの力は、十全には程遠い。取り込んだ妖怪の数がまだ少なく、何より、完全に取り込めていない。
 加えて、鳥居の迷宮は、麒麟たちをも惑わす。ならば、この迷い道を逆手に取ろうではないか。
 骸魂を砕いて、麒麟の内なる妖怪たちを解き放つのだ。そして、鳥居の編む迷宮のその先へ。
夜由・寂
ぴ!?カミナリこわい!!
こわい気配、たくさん……
同じくらい、かなしい気配も、たくさん……

方向感覚変でも、気配を頼りに飛ぶ
不格好でも、がんばる
恫喝、乱暴、……きらい
怖くて涙しても、瓶に溜める

麒麟に、祟り羽の呪詛を飛ばす
サビの力じゃきっと、ちょっとしか傷付けられない
でも、いい……その傷は、癒えない呪い
【連鎖する呪い】が発動
不幸が重なって、落雷も失敗しちゃえ

なんで、そんなに邪魔するの?
本当はこんな力、使いたくない
でも、サビにはこんな力しかないから
どいてくれないなら、ひどいことするなら……バイバイ

麒麟は、麒麟だけ倒されるの、嫌でしょ
だからきっとそうなる……不幸だから
内なる妖怪、自由になったら、逃げて


 夜由・寂を威嚇するように、雷光が閃いた。
「ぴ!? カミナリこわい!!」
 虚空を切り裂く雷と同じだけ、オブリビオンが、鳥居の陰から現れる。
 寂を取り囲む、麒麟の群れ。
 刺々しく、禍々しい、彼らの気配は、寂を怯えさせるだけではない。
「同じくらい、かなしい気配も、たくさん……」
 骸魂に喰らわれた、妖怪たちのものだ。いまだ麒麟の中で、それぞれの自我を保っているよう。
 それなら、間に合う。骸魂さえ除いてしまえば、妖怪たちを元の彼らに戻す事が出来る。
「其方の魂、いただくぞ……」
「いただくぞ!」
 麒麟が、石畳を蹴って、飛翔した。
 此処は、方向感覚を乱す、鳥居の迷い路。それでも寂は、気配を頼りに、飛び回る。
 決して優雅でも勇壮でもないけれど。力強い羽ばたき。
「逃がさぬ……」
「逃がさぬぞ!」
 四方から、敵意が乱れ舞う。思わず翼で耳を塞ぎたくなるのを、寂は何とか堪える。
「恫喝、乱暴、……きらい」
 ぬぐえぬ涙がこぼれ。瓶を満たしていく。
「どいてくれないなら、ひどいことするなら……バイバイ」
 はらり、寂の羽根から散るのは祟り羽。追走の麒麟を足止めし、その体を傷つける。
 だが、与えたのは、いずれもかすり傷。足を止めることは叶わず。
「効かぬぞ」
「麒麟は、麒麟だけ倒されるの、嫌でしょ。だからきっとそうなる……不幸だから」
 寂は、とっさに体をかがめた。
「……何と!?」
 麒麟の落雷が、寂を貫く寸前……影が飛び込んできた。
 鳥居をくぐって現れた、別の麒麟だ。
 2者は、互いの雷にその身を撃たれ、相打ちとなる。
 祟り羽の傷は、呪い。そして連鎖する呪いは、麒麟に不幸と不運を招いたのだ。
「忌まわしい……」
「忌まわしい小娘め!」
「本当はこんな力、使いたくない。でも、サビにはこんな力しかないから」
 寂へと怨嗟をこぼす麒麟。しかしその身は、雷撃に耐えかね、消えていく。
 代わりにあふれ出すのは、タヌキや狐……四足の獣たち。妖怪たちだ。
「君が助けてくれたのかい?」
「わぁい、ありがとう!!」
「え、と……」
 怨嗟は感謝に裏返り。
 妖怪たちの眼差しが自分に注がれていることを知り、寂はどう応えていいものやら、戸惑うのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ウーナ・グノーメ
連携・アドリブ◎

【心情】
「…………」

真の姿を顕にした妖精が、瑞獣達と対峙する。
災いの雷を操る獣に、妖精は告げた。

「……。あなた方が道を阻むのなら、無視するまで」

ひらりと身を翻し、複雑に広がる迷宮の奥へ、奥へ。
当然麒麟は追ってくるだろう。
だが、それこそが妖精の狙い。

「全ては塵」

詠唱と共に轟音が響く。

【行動】

【第六感】で攻撃を感知し、【念動力】で自身の体を素早く【吹き飛ばし】て回避。
そのまま帯電した地形を無視して迷宮の奥へ。
追ってくる麒麟を確認次第、UCを発動。
鳥居は木製故に、無機物を砂に変じるこのUCの対象外。
しかしその礎となる石材は別。
土台を失わせて無数の鳥居を倒壊させ、麒麟達を圧し潰さんと。


レフティ・リトルキャット
※詠唱省略やアドリブOK
ぐったり。……ウーちゃんが居た気がするにゃ(ぶんぶん)
今は妖怪達の救出だね。ここは一撃離脱の【スカルキャット】といくにゃん。
僕は子猫に変身し、召喚した頭蓋骨を被って装備。
髭感知で動きを見切り、肉球で足音を消し、更に頭蓋骨の特性「装備者と共に発見され難くなる」で隠密性を高めたら、迷宮に響く妖怪達の声を情報収集し麒麟の元へ。
一度発見すれば「追跡能力」でロックオン。鳥居や麒麟達に紛れて死角から斬鉄爪による奇襲攻撃していくにゃ。
にゃはは、まだまだ。辺りが雷に満ちれば
呪いのオーラを操作しオーラ防御形状をボード変えて雷に乗り、盾受けのオーラサーフィン!驚かせ、一気に刈り取るにゃあ。


●迷いの道行・其の壱
 ぐったり。
 すっかり遊ばれ疲れた体を、引きずるようにして。
 レフティ・リトルキャットは、鳥居の迷宮へとたどり着いた。
「……ウーちゃんが居た気がするにゃ」
 ぽつり。
 知り合いの妖精の姿を見たように思ったレフティは、別の気配に囲まれた。
「来たな……」
「来たな!」
 麒麟の群れ。幸いではなく災いを呼び込む、偽りの瑞獣。
 ぶんぶん、と頭を振ると、レフティは、むん、と気合をこめて。
「今は妖怪たちの救出! 起動(イグニッション)! スカルキャット」
 子猫の姿に変身を遂げたレフティを、麒麟たちが取り囲む。
「妖の猫……」
「喰らってくれる!」
 頭蓋骨を被り、勇ましき姿となったレフティは、麒麟の突撃を難なくかわした。髭の感知力を甘く見てはいけない。
 麒麟から逃れ、たしっ、と地面を踏む音は、肉球が吸収してくれる。
「行くにゃ!」

 そこから少し離れた、別の鳥居群。
 麒麟の群れと対峙するは、妖精。真の姿を露わにしたウーナ・グノーメ。
「…………」
 妖精の行く道を阻むは、瑞獣たち。
 しかし、その姿と権能は、偽りだ。齎すは吉事ではなく災禍。
 その証拠として災いの雷を双角に宿す獣たちに、妖精は告げた。
「…………。あなた方が道を阻むのなら、無視するまで」
 ひらりと身を翻し、ウーナは、鳥居の連なりへと身を投じた。複雑に広がる迷宮の奥へ、奥へと。
「逃がさぬ……」
「逃がさぬぞ!」
 麒麟の群れは散開し、ウーナを追いかけ始めた。

●迷いの道行・其の弐
「む」
「何処に」
 視線を巡らせる麒麟たち。
 いつの間にか、レフティの姿はない。鳥居の迷宮に紛れている。頭蓋骨の加護が隠密性を高めてくれる。
 だが、レフティから相手を捉えることは出来る。
(「聞こえるにゃん」)
 くらい……。
 さむい……。
 麒麟からこぼれる妖怪たちの想いが、空気ではなく霊気を震わせ、レフティに届く。
 迷宮に哀しく響く訴えが目印。レフティは、麒麟の元へ。
「見つけたにゃ」
 麒麟が、突き飛ばされた。
 レフティの鉄をも断つ爪が、奇襲したのだ。
 だが、相手を見つけたのは、麒麟にとっても同じこと。
「裁かれよ」
 ばりばりと、空間を引きちぎる音とともに、雷光が閃く。
「にゃはは、まだまだ」
 ヒット&アウェイ。落雷の歓迎をかわしながら、笑うレフティ。
 外れた雷は、周囲の地面を駆け抜け、災いに満ちた空間に書き換えていく。
 対するレフティは、呪いのオーラを操った。形はボードとなり、迸る雷を乗りこなし、麒麟たちの間を駆け回る。
 天から降り注ぐ雷。しかしレフティは、ボードの前方を跳ね上げ、雷をはじき返してみせた。
「何と!」
 驚愕に見開かれた麒麟の瞳に、レフティの爪が迫った。
 斬。
 骸魂を裂かれ、光の粒と消える麒麟。
 その残滓から、妖怪たちが飛び出した。

「…………」
 ウーナは、鳥居の向こうから、笑い声を聞いたような気がした。
 だが、迸る雷が、その思いを妨げる。
 麒麟の双角によって招来された、天よりの雷撃。
 破壊の光がウーナを貫く寸前、その身が弾かれるように加速した。念動力で、己が躰を吹き飛ばし、前へ。
 目標を外した雷は、しぶとくも、辺りの鳥居と地面を駆け抜けた。帯電する石畳が、その上を通過する麒麟の力を更に高め、ウーナへの距離を縮める。
 追撃の足が、加速する。だが、それこそが、ウーナの狙い。
「捉えたぞ……」
「捉えたぞ!」
 多数の鳥居をくぐり抜けながら、妖精は『歌う』。
「全ては塵」
 詠唱と共に、轟音が響く。
 迷宮が、砂になる。ウーナの力の発動だ。
 周囲を襲う異変に、麒麟の足が止まる。
「これは……」
「地面が溶ける!」
 ウーナの力は、あまねく無機物を、砂に還す。
 ただし、鳥居に異変は起きぬ。木製であるがゆえに。
 しかし、その礎となるのは石。よって土台は砂となり、支えを失った鳥居は、姿勢を保つ事叶わず。
 結果として生じたのが、崩壊だった。
「何という……」
「何という!」
 倒壊する無数の鳥居が、麒麟の群れを圧し潰した。ウーナの望み通り。
 すると、折り重なる鳥居の下、光があふれ出す。
 放たれた光は、幾筋にもわかれ、それぞれの形をとる。それは、麒麟に取り込まれていた妖怪たち。
「ありがとう」
「助けてくれて」
「…………。無事でよかったのです」
 妖怪たちから感謝を受けても、ウーナの表情は変わらぬ。
 だが、その羽は、何処かせわしなく、ぱたぱたと動いていた。
「やっぱりウーちゃんだったにゃ」
「……?」
 聞き覚えのある声に、ウーナが振り返る。
 そこには、子猫……レフティの姿があった。
 助けた妖怪たちに、妙に懐かれた知己が。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

片桐・公明
【POW】

一気に接近して敵を殴りつける。
UCに備わっている優雅さはあるもののいつもより荒々しい。

「珍しく、"私"が不機嫌だったからな。あたしが出て来たわけだが、なるほど」
「怨恨も何も関係ない。あたしはただ殺して殺す。それだけだ。」
普段より狂的で底冷えするような笑顔を浮かべて敵に相対する。

ひたすら接敵して攻撃する。相手の攻撃はある程度避けるが、致命傷でなければ多少攻撃を受けることも厭わない。

(絡み、アドリブ歓迎です。)


「……!」
 麒麟の体が、殴打され、吹き飛んだ。
 片桐・公明の繰り出す、諸葛流舞闘術。舞踊を含む故、優雅さこそ備わるが、普段よりその所作は荒々しく見える。
「珍しく、"私"が不機嫌だったからな。あたしが出て来たわけだが、なるほど」
 自分を包囲する麒麟たちを見遣り、公明は不敵に笑う。
 だが、麒麟たちは、すぐに攻めては来ようとしない。公明を警戒して。
「先ほどとは」
「異質なり」
 公明を観察する麒麟たちの気配には、警戒の色が混じっている。
 鳥居迷宮を訪れたばかりの時とは、明らかに違う。
 麒麟にとって公明は初見なれど、差異を察する事ができるほどに、様子が変わっていた。
 もしも麒麟が、灼滅者なるものの存在を知っていたなら、その変化に、闇堕ち、と呼ばれる現象を想起したかもしれぬ。
 もっとも、幽世の住人たる麒麟には、それを望むべくもないが。
「怨恨も何も関係ない。あたしはただ殺して殺す。それだけだ」
 狂的で底冷えするような笑顔を浮かべ。『公明』は、麒麟たちに飛び込んだ。
 攻めかかって来る公明に、麒麟たちは臆し、甘んじて拳を、蹴撃を受ける。
 だが、それも策のうち。
 災厄のオーラによって吸収された攻撃が、麒麟の力に転化する。
「かわせぬぞ……」
「かわせぬぞ!」
 四方から、疾く、飛びかかって来る麒麟たち。
 麒麟同士で共有化された連続攻撃を、かわしていく公明。やがて、そのうちの一発が、公明を打撃する。
 それでも、公明の笑みは消えない。
「それでお仕舞いか? 麒麟というからどんなものかと思えば、期待外れだな」
 戦鬼と化した公明の視線に、後ずさる麒麟たち。
 それが大きな隙となった。掌打、そして投術。闘技の連続が、麒麟たちを殲滅していく。
 骸魂が破られ、妖怪たちがあふれ出す。
「うわっ、戻った!」
「ありがとう!」
 妖怪たちの感謝へと、公明が返した笑顔は、いささか獰猛すぎたらしい。
 ささっ、と妖怪たちは、鳥居の陰に隠れた。
「それでいい。ちょっと乱暴にいくから、終わるまで隠れてるんだな」
 おそるおそる。
 自分を見つめる妖怪たちに、公明はそう告げると、残りの麒麟退治に赴いた。
大成功 🔵🔵🔵

黒木・摩那
麒麟というと吉兆の獣と聞いてましたが、ここではオブリビオンなんですね。

鳥居の迷宮ですか。
いったいどこが出口なのか全然わかりません。
まずは出口探しをしなくては。

UC【胡蝶天翔】で鳥居を黒蝶に変換して、迷宮の屋根を壊します。
そこからドローン『マリオネット』を飛ばして、【情報収集】。
出口を探します。

見つけたら、そこを目指して進みます。邪魔な鳥居は黒蝶に変換して除去します。

妖怪を取り込む麒麟たちは魔法剣『緋月絢爛』で【ダッシュ】からの【衝撃波】の【なぎ払い】と【先制攻撃】で攻撃します。

守りは【第六感】とスマートグラスのセンサーで対応します。
【電撃耐性】あり。


 黒木・摩那は、鳥居の迷路を歩み進んでいた。
 闇の世界へ誘う、迷い路。ゆえに、出口はわからぬ。
 五重塔が目印になるかと視線を上げれば、怪し気な天井に覆われ、空も見えぬ。
 まずは出口探し、と目的を定めた摩那は、傍の鳥居に触れた。すると途端に、鳥居が黒の蝶の群れへと分解していく。
 摩那の力は周囲にも伝播して、鳥居が次々と黒蝶へと転身、羽ばたいていく。
 黒の群れが天井に穴を穿つと、摩那はそこへドローン『マリオネット』を滑り込ませた。
 これで見つけた出口に向かえば良い。
 だが、ドローンの調査結果を待つ摩那は、迷宮の番人の歓迎を受けた。
「通さぬぞ……」
「進さぬぞ!」
 麒麟が来た。
 四肢に宿した炎、そしてまとう気は、如何にも邪悪。摩那は、ふむ、と首をわずかに傾げた。
「麒麟というと吉兆の獣と聞いてましたが、ここではオブリビオンなんですね」
 それも、厄災の訪れを告げるもの。どちらかと言えば、来ないで欲しい類のものだ。
「塵となれ……」
 天より迸る雷光が、摩那を襲った。
 だが、その力の発動は、スマートグラスのセンサーに察知されていた。
 バック転を披露して、落雷を回避。身を焼かれるのを避けた摩那は、剣を抜いた。千変万化の刀身に、雷光を映すは……魔法剣『緋月絢爛』。
 雷の余波にて焼かれた地面を蹴って、摩那は前方へとダッシュ。剣に蓄えた力を衝撃波として解放。
 相手の雷撃招来を封殺、まとめて相手を薙ぎ払うと、その身を空中へと舞い上げた。
 宙を舞う麒麟たちの体が霧散し、その中から、光の筋が幾つも飛び出した。
 光の正体は、妖怪だ。麒麟に取り込まれていた、か弱き住人たち。
「ぷはーっ、助かった!」
「ありがとう!」
 自分たちを救い出したのが摩那だとわかると、口々にお礼の言葉を述べる妖怪たち。
 するとそこへ、ドローンが帰還する。
「出口がわかりましたね。皆さんは神社に戻って待っていてください」
 『マリオネット』に妖怪たちの導き手を託すと、摩那は、目指すべき出口に足を向けた。
 道を塞ぐ邪魔な鳥居には、黒蝶となっていてもらうまでだ。摩那が行くべき場所に、辿りつくまで。
大成功 🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『キョンシー木綿』

POW ●キョンシーカンフー
【中国拳法の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD ●百反木綿槍
自身が装備する【一反木綿が変形した布槍】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ ●キョンシーパレード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【キョンシー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 麒麟と、鳥居。二重の妨害を切り抜け。
 猟兵たちは辿り付いた。五重塔へ。
 赤と黒の威容。複数の時代の建築様式が融合したそのデザインは、未来的ですらある。
 扉を開け放ち、討ち入りを果たした猟兵たち。
 すると、天から、声が降って来る。
「来たのね、邪魔もの。でも、ここまでは来られないのね?」
 思いのほか可愛らしい声は、キョンシー木綿のもの。
 しかも、降って来るのは声だけでなく。布槍のおまけつき。
 このままでは、一方的に串刺しにされるだけ。
 上層を目指さんとする猟兵の視界に、階段が飛び込んでくる。最上階まで続く、長く、長い螺旋階段。
 これを使い、或いはまた別の策を講じて。最上階まで疾く辿りつく方法を編み出せば、万全にてキョンシー木綿と相対できよう。
 いざ行かん、眠れる幽世を目覚めさせるために。
 一反木綿の骸魂に取り込まれた、キョンシーの少女を救い出しに。
片桐・公明
[真の姿を開放]
足元から陽炎の様に黒い靄が立ち上る
両手の拳から炎のような赤いオーラが噴き出す
感情が希薄になった眼差しは、それで射殺すように敵を見定める

【SPD】
UCを使い、相手の攻撃を回避しながら螺旋階段を昇っていく。
一歩一歩、確実に昇っていく。
狭いスペースでも敵の攻撃を紙一重で避けていく
時折右手に持った拳銃から牽制の銃撃を放っていく

最上階で敵と相対しても変わらない。
UCで攻撃を回避して、接敵して渾身の右ストレートを話す。

(アドリブ歓迎です。)


 片桐・公明は、なおも往く。
 塔の頂きを目指して、螺旋階段を駆け上る。
 気づけば、ゆらり、陽炎の如き黒の靄が、立ち昇る。段を踏むたび、その勢いは増していく。
 そして、両拳からも、炎のような赤いオーラが溢れ出す。
 反対に、感情の色が希薄になった眼差しは、槍、もしくは矢の如く。射殺すように、敵を見定める。高きところにて待つ、骸魂に呑まれし妖怪を。
「その顔が見られないのは残念なのね」
 キョンシー木綿の声が、公明に届く。ユーベルコードの洗礼付きで。
「槍か」
 一反木綿の妖力を生かした、布製の槍。
 だが、公明の速度が落ちる事は、ない。
 攻撃から相手の殺意を読み取り、かわす。布槍に宿る意思と意図を汲み取れば、命中は避けられる。
 これは本来、敵を殺すための技。転じて、自らが殺すまで殺されぬ技ともいえる。
 殺人鬼の技を以て、一段一段、確実に、進んでいく公明。槍の乱舞も、それに伴い、激しさを増す。
 攻撃の間隙を縫って、拳銃を抜き、銃撃を返す。交錯する槍と弾。それは、あたかも、武力による意思疎通のようでもあり。
 そして、公明の足が止まる。それはすなわち、最上階……キョンシー木綿の待つ場所にたどりついたことを意味する。
「まさか、辿りついちゃうなんてびっくりなのね」
「招かれざる客だろうから歓迎はいらない」
 公明の殺意の視線に射抜かれ、キョンシー木綿が一瞬、たじろぐ。
「やむを得ず、お相手するのね!」
 キョンシーの袖から、布が噴き出した。
 布きれは無数の槍を作ると、公明を穿ちにかかった。
 距離が近い分、回避難度も上がっている。
 もっとも、公明にとっても、相対はアドバンテージだ。視線や四肢の挙動……相手の殺意を読み取る材料が増える。
 牽制と撃ち落しを兼ねて銃撃しつつ、踏み込む。睨みつけたキョンシー木綿に、妖しき気配が重なる。
 それこそ骸魂。悪しき一反木綿の成れの果て。
 同時に、キョンシー本来の意志も見えた。骸魂から解放して欲しいという、願い。
 それを見極めた公明は、相手の至近まで迫ると……拳銃を手放した。
「救いに来たわけじゃない。邪魔なものは殺す。ただそれだけ」
 公明、渾身の右ストレートが、キョンシー木綿のボディにヒットした。
大成功 🔵🔵🔵

黒木・摩那
やっと到着しました。
あとは一反木綿を退治して雑巾にすれば解決ですね。

高い五重塔は一気に飛び越しましょう。
ヨーヨー『エクリプス』で階段や梁にワイヤーを引っ掛けたところで、呪力エンジン『ジュピター』を使って、【ジャンプ】。これを繰り返して、一気に空中を駆け上がります。
上からの妨害は【念動力】で軌道を逸らして回避します。

たどり着いたら、UC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】を付与します【属性攻撃】。水流をヨーヨーにまとわせて、切り裂きます【なぎ払い】。

木綿に水が沁みて、すぐに床掃除に使えそうですね。


 黒木・摩那は、ふう、と一息。
 キョンシー木綿の声が響いて来た、上階を見上げる。
「やっと到着しました。あとは一反木綿を退治して雑巾にすれば解決ですね」
 しかし、最終目的地は、まだ遠い。
 天まで伸びる、高く、長い階段。これをまともに昇っていくのは、骨が折れる。
「健康にはよさそうですが、ここは一気に飛び越しましょう」
 摩那は、ヨーヨー『エクリプス』を取り出すと、軽やかに投じた。階段や梁にワイヤーを引っ掛ける。
 強度を確かめると、お次は加速準備。靴が輝き、床との反発力が生じる。
 輝きの源、呪力エンジン『ジュピター』の力を借りて、大ジャンプ。
 2つの動作を素早く繰り返し、またたく間に塔を攻略していく。
「ずいぶん楽してるのね。なら少し難易度を上げてやるのね」
 キョンシー木綿の愛らしい声が響いたすぐ後。
 衝撃波が降って来た。
「正直、余計なお世話ですね」
 摩那はとっさにワイヤーを梁にひっかけ、吹き飛ばしを免れる。
 滞空中での方向転換は難しい。そこで摩那は、念動力を駆使して、衝撃波の軌道を逸らしていく。階下に誰もいないのを確かめながら。
 そして、最後の跳躍を終え、摩那はキョンシー木綿の前に着地した。
「よく来たのね。ここからが本番なのね」
「いかにも負け惜しみっぽいですが、こちらもここからです」
 せいっ、とポーズを決めたキョンシー木綿が、気合の声と共に、攻撃を開始した。
 カンフーだ。キョンシーの力を前面に押し出した武技でもって、摩那をもてなしてくる。
「ほっ、はっ! なかなかやるのね」
 お褒めの言葉を預かると、摩那は、魔力を起動させた。
 布を燃やす炎、布を濡らす水、そして、布を吹き飛ばす風。
 その中で摩那が選択したのは、水だ。エクリプスに水流を纏わせると、高速回転する刃と為す。
 投じたヨーヨーは、相手の肘鉄をかわし、懐に飛び込む。
 そして、薙ぎ払う。一反木綿だった小さな布きれが、はらはらと床に散る。
しかも、水の刃は、ただ鋭利なだけではない。
「かっ、体が何だか重いのね。木綿がびしょびしょ……!」
「これならすぐに床掃除に使えそうですね」
 ぱしっ、とエクリプスを手元で受け止めた、摩那の言葉通り。
 水を含んだ木綿は、すっかり重くなっていた。枷を付けられたに等しいこの状態では、得意のカンフーも、キレは鈍かろう。
成功 🔵🔵🔴

夜由・寂
行くよ、飛ぶよ
【影雀の憂鬱】で変身
全身真っ黒な影雀になって、最上階まで一気に羽ばたく

邪魔な布槍は、祟り羽の呪詛で弾く
……それは、あなたの光じゃない
一反木綿に奪われているキョンシーの視界を更に奪って
真っ暗な影の世界にご案内、敵は一時的に何にも見えなくなる
上手く操れなくなった布槍は、なるべく沢山落としておく
他の猟兵が階段を上りやすくなるように

制限時間ぎりぎり
一反木綿をひっぺがすように
布の出処に、力を振り絞って呪詛をまとめてぶつける

涙が切れたら眠っちゃう
ちっぽけな鳥型、夜雀に戻って落ちて行く
護符が守ってくれるはずだから、落下しても多分平気

サビが目覚める時には……キョンシーもみんなも、起きてる、よね


 解放した妖怪たちに見送られ。
 夜由・寂は、五重塔の入り口をくぐった。
「行くよ、飛ぶよ」
 交叉した前髪が、揺れる。浮かび上がるのは、骸魂。
 その力を身にまとい、影雀となった寂が、羽ばたいた。
 果敢な挑戦者の来訪に、キョンシー木綿の歓迎は手厚い。
 一反木綿の布槍が、降る。
 だが、寂は恐怖を堪えたまま、祟り羽を放った。妖怪同士の力が、空中でぶつかり合う。
「鳥さんなんて撃ち落としてあげるのね……速っ!?」
 迎撃、その第二陣を用意していたキョンシー木綿の前に、翼を広げた寂が現れた。
「邪魔をするひとは、もっともっと深い眠りに就いてもらうのね」
 慌ててキョンシー木綿が、袖を振る。再び布槍が飛び出した。
「それは、あなたの望みじゃない」
 祟り羽で槍を弾きながら、骸魂に飲み込まれたキョンシーの意識に訴える寂。
「……そしてそれは、あなたの光じゃない」
 さあっ。
 キョンシー木綿の視界が、黒に染まった。
「なっ、何も見えないのね」
 真っ暗な影の世界。寂のいざないが、オブリビオンを暗黒へと落とす。
 布槍を放つことこそ止めぬが、狙いはまるで出鱈目。闇雲に数を増やしたところで、舞い飛ぶ影雀を捕らえる事など、どうしてできようか。
 そして、寂によって叩き落とされた槍は、布となって落下していく。槍も有限、数が減れば、他の猟兵たちも此処を目指しやすくなるはず。
『全く、使えぬ体よのう』
 突然、別の声が、寂の耳を打つ。骸魂、一反木綿のものだろう。
 一方、寂の力も、いつまでも続くわけではない。
 キョンシー木綿に光が戻る寸前、寂は、ありったけの力をこめて、呪詛を叩き込んだ。元凶・一反木綿を引き剥がすように。
『くぬぬ、力が思うように振るえぬ』
 キョンシーと一反木綿、両者の結合が、束の間引き離される。
 相手が悶えるのを見て、寂は満足げに、意識のまぶたを閉じた。
 小瓶は空っぽ。涙が切れたことで、ちっぽけな夜雀に戻り、そのまま階下へ落ちて行く。
(「サビが目覚める時には……キョンシーもみんなも、起きてる、よね」)
 薄れゆく意識の中、寂は願う。
 地面に叩きつけられる寸前、寂の体を、溢れた光がふわりと受け止めた。
 護符の助けだった。
大成功 🔵🔵🔵

レフティ・リトルキャット
【やすらぎの館】 詠唱省略やアドリブOK
遊びたいなら楽しもう。邪魔者?それでもほら一緒に踊れば。でもウーちゃんを、ウーナを一人にはさせないにゃ。
上層へ移動中や戦闘は子猫に変身し髭感知で見切り、呪われた肉球を盾と化して。砂岩や壁等にシールドバッシュすることで跳ね上がり、くるりくるりと砂岩や壁の間を移動するにゃん。
ウーナの砂岩をバッシュすることで軌道を変える連携攻撃しつつ【猫転竜生】の条件を満たす為に、縦横無尽に敵を翻弄。
「やったか!?」を引き出せる状況に誘き寄せたら一撃を貰い発動。敵のUC発動ミスを誘った隙に、負傷無効化による回復と共に真の姿を解放しドラゴンブレス「妖精竜の煌球」を放つにゃ。


ウーナ・グノーメ
【安らぎの館】アドリブ◎

【心情】
「そう。『お邪魔する』と言う手間が省けた」
「熱烈な歓迎、痛み入る」

余裕を崩さず、上階を仰ぐ。

【行動】
レフティと共に【オーラ防御】を展開しつつ、【念動力】による【吹き飛ばし】で吹き抜けを真上へと急上昇。同時にUCの無数の砂岩を自身と同時に飛ばすことで、敵の攻撃への盾と、レフティのための足場を用意。

敵地へ辿り着いたなら、【第六感】と【読心術】を駆使した回避、【オーラ防御】とUCの砂岩を【念動力】によって再利用した防御、【吹き飛ばし】による再攻撃でレフティを支援。
レフティのUCの条件を満たすべく、【読心術】でタイミングを合わせて「レフティ!」と悲痛な声をわざと上げる。


 五重塔の内部は、思いのほか高く、広く。
 ウーナ・グノーメが見上げた天から、何かが降って来る。
 正体は、またしても麒麟だ。ただし、口は一切利かぬし、目も虚ろ。
 キョンシー木綿によって、キョンシーへと変えられた者たちだ。
「熱烈な歓迎、痛み入る」
 ウーナは、動く屍と化した麒麟、そしてそれを使役するキョンシー木綿へと返礼。
 そこへ、キョンシー木綿本人からの言葉が届く。
「さあさあ、これはほんのご挨拶なのね」
「そう。『お邪魔する』と言う手間が省けた」
 高みの見物中であろう敵の声を聴いても、ウーナは、全く余裕を崩さない。
 妖精の羽根をはばたかせ、上を目指す。
 1人でも果敢に向かおうとするウーナを追いかけるのは、レフティ・リトルキャット。
「ウーちゃんを、ウーナを一人にはさせないにゃ」
 くるり、その場で回って、子猫姿に変身。ウーナの後に続くレフティ。
 ぴくん。跳ねた髭が教えてくれるのは、容赦なく降って来る麒麟の群れ。
「麒麟が一匹、麒麟が二匹……」
 ウーナは、すぐに数えるのをやめた。
 もっとも、キョンシー化した分、動きは遅く、機転も利かぬようだ。
 レフティと2人、競うようにゴールを目指すウーナは、レフティ同様、身を包むオーラで麒麟を跳ね返し、すり抜ける。
 そして、念動力で自身を吹き飛ばし、吹き抜けを一気に急上昇。
 麒麟キョンシーの列を、華麗に追い越して。ウーナは、無数の砂岩の槍を生成する。
 すると、レフティも、呪われた肉球を、盾に見立てた。
 ウーナの用意してくれた砂岩に、シールドバッシュ。その勢いで跳ね上がり、くるりくるりと砂岩、そして壁の間を移動していく。
 麒麟は、レフティの俊敏な動きについてこられず、右往左往するばかり。
 その頃、キョンシー木綿は悠然と下層を見遣る。
「小さい子たちには、少し手荒すぎた気がするのね」
「ううん、ちょうどよかったにゃ」
 ひょいっ。
 キョンシー木綿の前に、子猫レフティが飛び出した。
「もう辿りついたのね!?」
「遊びたいなら一緒に楽しもう」
 同時に最上階に到達したウーナは、キョンシー木綿の心を見透かした。どんな攻撃がこようとも、避けて見せる。
「行くのね、屍たち!」
 キョンシー木綿の号令とともに、麒麟キョンシーの群れが飛びかかる。
 動じることなく、ウーナは砂岩を幾つも連ね、防壁とした。突破しようとした麒麟は、その硬さに行く手を塞がれてしまう。
 先頭の一頭がもたついている間に、別の砂岩が接近。ウーナの念動力でミサイルと化した砂岩の槍が、麒麟をまとめて串刺しにした。
 浮かぶ無数の砂岩は、あたかも迷路のよう。敵の攻撃を阻むウーナだが、その一方で、砂岩の配置は、レフティの行く手を遮らないよう、配慮されている。
 そして、レフティの肉球が、ウーナの砂岩をバッシュ。麒麟キョンシーの目前で軌道を変え、翻弄しながら攻撃を仕掛ける。
 何せ、子で猫。その身軽さは、キョンシー木綿にさえ、ひけをとらない。
「鬼さんこちら、にゃ」
 麒麟やキョンシー木綿の間を、縦横無尽に駆け回るレフティ。
 2人の連携が、麒麟キョンシーを退散させていく。そろそろ本丸、キョンシー木綿の相手をしたいところ。
(「そろそろいくにゃ」)
 レフティが、何かを仕掛けようとしている。
 それを第六感……いや、それをも越えた特別な勘で読み取ったウーナは、動きを合わせて、砂岩を操る。敵が軌道を読みやすいように。
「うろちょろ、うっとうしいのね!」
 レフティが跳ねるタイミングを見切ったキョンシー木綿が、必殺の麒麟アタックを命じた。
 砂岩に着地した瞬間、レフティを、麒麟の体当たりが直撃する……!
「レフティ!」
 ウーナの悲痛な声が、塔内に木霊する。
「やったのね!?」
 命中を確信するキョンシー木綿。
 だがそれは、レフティの思うつぼだった。無論、そのことは、ウーナも承知済み。
 突然、麒麟の体が消滅する。その向こうから飛び出したレフティは、全くの無傷。正確には、力の発動に伴って、ダメージを無効にしたのだ。
 そして、何よりキョンシー木綿を驚かせたのは、その姿。庇護欲をそそる子猫から一転、真なる姿。妖精仔猫竜へと変貌を遂げていたのだ。
 その口元には、輝きが収束している。
 ドラゴンブレス……『妖精竜の煌球』が、麒麟の残党ごと、キョンシー木綿を飲み込んだ。
『おのれ、永遠なる安寧の邪魔をしおって……!』
 よろめくキョンシーの体から、妖気の煙が噴き出した。
 一反木綿の骸魂だ。
 なおも連なる恨み言を遮り、ウーナが砂岩柱を差し向ける。
「永遠におやすみするのは、あなただけ」
 キョンシー木綿から伸びる反物、一反木綿の化身が、塔の壁へと打ち付けられた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

清川・シャル
真の姿は鬼神也
さぁ参りましょう
このまま串刺しを待つのは性にあわないですからね、嫌ですしね
ショートカットしましょう
櫻鬼のジェットで空中浮遊、ダッシュで一気にお空へ向かいましょう
そーちゃん片手にダッシュかけたら呪詛を帯びたなぎ払い攻撃を仕掛けます
同時に櫻鬼での蹴りで傷口をえぐる攻撃、吹き飛ばしで距離をはかります
敵攻撃には激痛耐性と見切り、武器受けとカウンターで反撃を行います
シャルの遊び方は戦う事も含まれますが、出来たら避けたいでしょう。普通に遊べたらいいなって思うんですよ、ね。


 挑む塔を見上げ、清川・シャルは、鬼神としての本性を露わにして。
「さぁ参りましょう」
 そう告げたシャルの体が、ふわり、浮かんだ。
 櫻鬼の魔力ジェット噴射で空中浮遊、そのままダッシュで一気に最上階へとショートカット。
 道中、キョンシー木綿の衝撃波が降って来るが、その勢いは弱い。布槍の力を失って、攻撃の威力も低下しているようだ。
「それなら一気に蹴りを付けちゃいましょう」
 加速を示す水蒸気の輪を生み出して。
 シャルは、一息に最上階へとたどり着いた。
「速ッ……って、もう驚かないのね」
 猟兵たちの活躍に、キョンシー木綿も耐性がついているらしい。
 なので前口上なしで、シャルも攻撃する。
 片手に握ったのは、そーちゃん。キョンシー木綿目がけて疾走。鬼の剛力にて、そーちゃんを振り切る。
 呪詛を帯びた打撃が、キョンシー木綿の体を吹き飛ばす。
「うっ……!」
 壁にぶつかり跳ね返る相手へと、シャルは更に加速。櫻鬼の速力を生かした蹴りを、打撃痕目がけて繰り出す。
「ま、まだまだなのね!」
 くるり。
 シャルに蹴り飛ばされつつも、宙で身を回して天井にさかさまに着地すると、今度はキョンシー木綿の番だ。
 天井を蹴って、シャルへとアタック。キョンシー仕込みのカンフーで、鬼神を攻めたてる。
「はっ、ほっ」
「おお、それっぽい」
 千変万化の体術を受けつつ、思わず感心するシャル。
 シャルにとっては、戦、荒事も遊びのうち。だが、出来ることなら避けたいのが人情……鬼情というもの。
「普通に遊べたらいいなって思うんですよ、ね」
 えいやっ、と、そーちゃんでキョンシー木綿を振り払うと、遠心力も加えてもう一発。
 単純ゆえに防ぐことの出来ぬ打撃が、キョンシー木綿を叩き潰した。
 半壊した床に横臥したキョンシー木綿の体から、邪悪な念……骸魂が飛び出す。
『おのれ、我が眠りの世界が、夢と消える……無念……!』
 一反木綿の骸魂が砕けた瞬間、光の輪が広がった。
 それを追って、シャルが、窓から外をのぞく。
 すると、妖怪と世界を覆っていた花や蜜が、消えていくのが見えた。
 妖怪たちが、次々と目覚めていく。
「う、うん……」
「おや」
 シャルのそばで、みじろぎの気配。
「ふわあ、なんだか悪い夢を見てた気がするのね」
 あくび混じり、眠気まなこのキョンシー少女。
 花は散り、幽世は目覚め、やがて明日が始まる。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月05日
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