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カクリヨレクイエム(作者 中村一梟
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●死と忘却のはざまに
 幽世(カクリヨ)。それは地球と骸の海の境にあって、UDCアースから失われた過去の遺物が流れ着く世界である。
 カクリヨファンタズムの住人は、二十一世紀では忘れられた人外のもの達――妖怪と呼ばれる存在だ。人類が文明を発達させるにつれて居場所をなくした彼らは、地球に隣接する幽世へと移り住んだ。
 しかし、全ての妖怪が幽世に辿り着けるわけではない。世界を渡る旅路の最中に命を落とす妖怪もいる。そういった「どこにも行けなかった」妖怪の成れの果てこそが骸魂(むくろだま)――カクリヨファンタズムの住人をオブリビオンへと化さしめる災厄である。

●いつか花になれたら
「けれど、妖怪の方たち全てが骸魂を恐れているかというと、そうではありません。カクリヨファンタズムに辿り着けず亡くなってしまった同朋を悼む気持ちが強い方々もいらっしゃいますの」
 そう言って、ミレイユ・ダーエ(永遠の森の歌乙女・f01590)は肩越しに振り返った。グリモアベースの壁に映し出されたカクリヨファンタズムの景色は、地球という世界を知らない者にもなぜか懐かしい想いを抱かせる風情を湛えている。
「そういうわけで、この世界では死んで骸魂になってしまった妖怪たちの魂を鎮める儀式が行われることがありますの。儀式が無事に終われば、骸魂は浄化され植物たちの糧となって世界に還るのだそうですが……」
 ミレイユはその鎮魂の儀が失敗することを予知したという。儀式の主祭司たる竜神が強大な骸魂に飲みこまれてしまい、オブリビオンになってしまったのだ。
 このままでは、鎮魂の儀に参列しようとしていた妖怪達が残らず犠牲になってしまう。そうして数を増やしたオブリビオンはさらなる餌食を求めて広がり、いずれは世界そのものを破壊する。
「前置きが長くなってしまいましたが、そういうことですの。皆さんは急ぎカクリヨファンタズムに向かっていただき、オブリビオンを倒して主祭司の方を救出してくださいまし」

●わざわいの森
 鎮魂の儀が行われるはずだった幽世の森は、暴走する骸魂が植物に憑依し生まれたオブリビオンの群れに占領されてしまっている。
 五色のたてがみと角を持ち、鱗に覆われた獣――麒麟。かつての伝承では瑞獣と呼ばれたそれは、オブリビオンと化して災いをもたらす存在へと変貌していた。
「麒麟は反撃能力に長けたオブリビオンですの。無闇に攻撃するだけではいけません。相手の反撃にどう対処するか作戦を立てなければならないでしょう」
 そうミレイユは忠告する。特に、コピーされる可能性があるユーベルコードを使う際には一層の注意が必要だ。生半可な防御策や回避方法ではどうにもならないかもしれない。
「この麒麟たちに限った話ではないのですが、カクリヨファンタズムのオブリビオンの本質は寄る辺のない魂ですの。新しい住みかを探す途中、志半ばで死んでしまった彼らの慰めになるような行動や言葉があれば、凶暴性を抑えられるかもしれませんの」
 どういったものが有効かはわからないが、場合によっては単純に攻撃するよりも説得に注力したほうがよい結果になることもあるだろう。
「カクリヨファンタズムでの戦いはまだ始まったばかりですの。考えついたことはなんでも試してみるのが今後のためになるかもしれませんわね」
 微笑んで、ミレイユはグリモアを乗せた手を猟兵達に向かって差し伸べた。
「それでは、準備ができた方からお送りいたしますの。皆さんの旅路に、朝露と追い風の祝福がありますように」





第2章 冒険 『やさしくてひどいゆめ』

POW自分で自分をぶん殴り、正気に戻る
SPD状況のありえなさを見破り、幻覚を打ち破る
WIZ自身の望みと向き合い、受け入れた上で幻覚と決別する
👑7

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●「幸福」という名の罠
 それは誰もが望むもの。得られないことに涙し、手が届いた瞬間に笑い、側にあると気づいた時に感謝するもの。
 その姿は人それぞれ。人や、物や、もしかすると形のない概念かもしれない。
 かつてあって今はないかもしれないし、いつか手に入れたいものであるかも、あるいは、今あなたの傍らにあるものかもしれない。
 あなたが望む形が何であっても、それは今目の前にある。優しく、甘く、鮮やかに心を包み、満たしてくれる。
 さあ、あなたの幸せを、教えて?