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無限ご飯で世界がヤバい!?

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●えっ、今日は好きなだけ食っていいのか!?
「ウメーウメー!」
「おばちゃん、おかわり!」
 ここは無限アーケード街、そこかしこのテーブル席で妖怪達がお食事中である。
 しかしこの状況……明らかにおかしいところが一つあった。
 それは食べ物が尽きず、際限なく出てくると言う事。
 ……なんたる事か、黒幕であるオブリビオンの企みで無限に出てくるご飯にカクリヨファンタズムが覆われてしまったのだ!
 そしてこの異常事態に乗じて無数の骸魂が飛び交い、妖怪達が次々と飲み込まれる。
 迫りくるカタストロフ! カクリヨファンタズムに溢れるオブリビオン!!
 この世界は速くも終わってしまうのか!?

●そんな感じで毎日がクライマックスです
「みんな、新たな世界『カクリヨファンタズム』の事はもう聞いているわね?」
 グリモアベースにて、アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)がなんだか神妙な面持ちで口を開く。
「唐突なんだけど、カタストロフの危機が迫っているわ。それも割とすぐに」
 いきなりすぎやしませんかね!?
 見つかったばかりの世界だと言うのに、一体何があったと言うのか?
「手っ取り早く説明するとね、黒幕のオブリビオンが『飯』を大量発生させたの」
 飯。
 ……ちょっと待って、理解が追い付かないんですが?
「尽きる事の無いご飯に妖怪達は幸せのあまり堕落して、エンドレスで食事をしているわ。そしてこの異変に便乗するかのように、無数の骸魂がやってくる予知を見たの」
 このままでは堕落して気が緩み切った妖怪達が、成す術もなく骸魂に飲まれてオブリビオン化してしまう……そうなれば、世界は滅びへ一直線だ。
「今回のみんなの目的は『異変を発生させているオブリビオンを倒し、無限ご飯地獄を終わらせてカタストロフを防ぐ』事にあるわ」
 蓋を開ければ何ともしょうもない異変だが、地味に世界の危機が迫っている。
 急ぎ、滅びの危機からカクリヨファンタズムを救わねばならないが……。
「でも、この世界って日常的にカタストロフの危機と隣り合わせなのよね。わたし、そんな世界初めて聞いたわ……」
 いや、多分ここだけだと思いますよ!
 むしろ毎日カタストロフの危機が迫る世界が他にあってたまるか、と言う話だが。

「話を戻すけど、異変の発生源は現地にある無限アーケード街よ。その奥の広場に黒幕がいるわ。みんなにはそこへ行ってもらう事になるけど……」
 問題は行く途中に”めちゃくちゃおもてなし大好きな妖怪”がいるらしく、彼らのおもてなしを何とかしなければ先に進む事は出来ない。
 そのため、どうにかして歓待を突破する必要があるようだ。
 そして何とか黒幕のいる広場まで辿り着けば、後は戦って倒すだけである。
 なお、この世界のオブリビオンは骸魂に飲み込まれた妖怪であるため、倒せば元の妖怪の姿に戻るとの事らしい。
 彼らを助けるのも任務の一つである事を忘れないように、とアヤカは付け加えた。
「説明は以上よ。あまり時間も無さそうだし、急ぎで出撃準備の方をよろしくね!」


NS
 はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
 カクリヨファンタズムが来ましたが、色々ヤバい世界のようで。
 早速NSもやりたいと思います、今回もどうぞよろしくお願いします。

●目的
 無限ご飯の異変を起こす、黒幕のオブリビオンをやっつける。

 第一章は無限アーケード街に入り込んだ際にめちゃくちゃおもてなし大好きな妖怪に遭遇、捕まってしまい豪華な宴席に連れていかれます。
 歓待をどうにかしつつ、この場を突破して黒幕の潜む奥地へと向かって下さい。

 第二章は黒幕と遭遇、多数の輪入道をけしかけてきます。
 サクッと退治して、飲み込まれた妖怪を元に戻してあげましょう。

 第三章は黒幕キョンシー木綿との決戦です。
 一反木綿の骸魂に飲み込まれ、操られているキョンシーを倒して解放して下さい。

●ご注意
 OPのノリから分かるやもしれませんが、今回はコミカル寄りになりそうです。
 リプレイ内容もそんな感じになるはずなので、予めご了承の上ご参加下さい。

 プレイング受付は章の導入部分を書いてからになります。
 リプレイはいつも通り、ある程度集まってから書けそうな人を少しずつ。
 最低でも失効までには必ず仕上げる方針でやっていきます。

 それでは、常にクライマックスなこの世界を早速救って下さい。
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第1章 冒険 『エンドレスおもてなしパーティ』

POW   :    並べられた大量のご馳走を食べ尽くし、宴会を強制的に終わらせる

SPD   :    宴席の主人や他のお客の隙を突き、全速力で逃げ出す

WIZ   :    宴席の主人にあの手この手で酒を飲ませ、酔い潰れさせておいとまする

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●地獄のおもてなしパーティー
 猟兵達はゲートを抜け、カクリヨファンタズムへやってきた。
 一行の目の前には件の無限アーケード街『ヲリヲン通り』の入口が。
 この奥に異変の黒幕がいるとの事だ。
 早速中へ入ってみると、そこはUDCアースの昭和末期に見られた活気溢れるアーケード街がそっくりそのまま再現されていた。
 そして特筆すべき点がもう一つ……それはひたすら長い事。
 どこまで進めば黒幕のいる広場にたどり着けるのかと言う程に、このアーケード街はダンジョンのように奥深い構造になっているようだ。
 無限アーケード街の名は伊達ではないと言う事なのか。

 一行は妖怪の経営する店や、外に臨時設置されたテーブル席で延々とお食事中の妖怪達の横をすり抜けつつ、奥へと進んでいく。
 するとそこへ……
「あっ、もしかして猟兵さん!?」
「え、どこどこ!」
「いた、あそこだよ!」
 出撃前に聞いていた”めちゃくちゃおもてなし大好きな妖怪”に見つかってしまい、こちらへワラワラと集まってくる。
 そしてあっという間に包囲されてしまった猟兵達。
「猟兵さん達、よく来てくれたねえ!」
「こんな事もあろうかと、宴の準備をしてて良かったわー」
「さあさあ、遠慮せずにこっちに来て来て!」
 有無を言わさぬ勢いで、半ば無理矢理連れていかれてしまう。
 ……一行が連れて行かれた先はちょっとした宴会場であった。

「最近やってきた噂の猟兵さんがウチに来てくれて嬉しいよ!」
「おいしい食べ物はたんと用意してあるからねえ!」
「ジュースやお酒もあるよぉ!」
 実に嬉しそうに歓待してくる妖怪達。
 彼らは黒幕の手先ではない分、ある意味タチが悪いと言ってもいい。
 ただ単に、猟兵達をおもてなししたいだけと言う善意しか無いのだ。
 ……だが、このままでは永遠に帰してくれそうにないだろう。
 彼らの好意を無下にせず、何とかしてこの場から立ち去らねばならない。
 さもなければ、この世界がカタストロフに呑まれてしまうぞ! 急げ猟兵!!
黒木・摩那
ここは素直におもてなしされます。
ご飯をくれる人は良い人です。
しかも、食べられるだけ食べてよいとか言われたら、行くしかないじゃありませんか。

とりあえず出されたものはガンガン食べていきます。
こう見えても、量は食べられるんです。
山海の珍味が待っている!
さぁ、接待されちゃいますよ。


……さすがに厳しくなってきました。
もう無理。入らない。このままだと体型くずれそうだし、動けなくなる。
依頼もう行けなくなりそう。

ここは最後の手段。
UC【月光幻影】でテレポートで脱出します。

おいしくいただきました。
ありがとうございました。



●食欲は人の三大なんちゃらって言いますよね
 無限アーケード街にある集会場に設営された『猟兵さんいらっしゃいパーティー』会場は凄い事になっていた。
 主にテーブル上の料理の数々が、だが。
「さあさあ猟兵さん、たーんとお食べ」
「足りない分はどんどん持ってくるからねー」
「なんでか知らないけど、ご飯が尽きる事はないものねー」
 って、気にしてないのかい!
 普通そこは疑問を覚えるとこじゃないのかよ!?
(ご飯をくれる人は良い人です。しかも、食べられるだけ食べてよいとか言われたら、行くしかないじゃありませんか)
 席に着いた黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)、今回の任務の出撃理由はそれであった……いや、いいのかそれは。
 そして『実は大食い(ステシ情報から)』と言う事もあってか、目の前の料理の数々を前に野獣のごとく目を光らせているのは言うまでもない。
 因みに彼女はフードファイターではないぞ!(ここ大事)
「ではまずは……そうですね、このチャーハンからいただきます」
 手近なところにあった大皿の上に乗っている大量のチャーハンに手を伸ばす。
 しかし妖怪の作った料理、そもそもにして食べられるのかどうかと言う疑問を覚える人も一定数いるやもしれないが……
「これは……グーですね」
 ビッと親指を立て、摩那がチャーハンの味を一言で称賛する。
 どうやら何も問題は無かったようだ。
「あらまあ、嬉しい事言ってくれるじゃないの! ウチのチャーハンはここじゃ一番ウマいんだからねえ!」
「おっと、それは聞き捨てならねえな! お嬢ちゃん、俺んとこの爆裂野菜炒めも食っとくれ!」
 続いて定食屋の風貌をした妖怪のおじさんが皿に盛り付けた野菜炒めを差し出して勧める。
 ……ネーミングに若干の不安があるが、どの辺りが爆裂なのやら。
「それでは、こちらの方も……」
 勧められるがまま、今度は野菜炒めを口にする。
「……ど、どうだい?」
「ええ、いいですね。どの辺りが爆裂なのかが気になっていましたが……」
 一旦間を置くと……
「この弾けるような辛さ、とても気に入りました。人を選ぶ味だとは思いますが、私は好きですよ?」
「ワハハ、そうだろうそうだろう!」
 そう言って食べるのを再開する摩那を見て、実に上機嫌な妖怪のおじさん。
 彼女は『絶望的な辛党(こっちもステシ情報)』であったためか、この味が大層気に入ったようだ。
 因みに『口の中が爆裂する程の辛さ』が襲い掛かるのが、この爆裂野菜炒めの特徴である。
「こう見えても、量は食べられるんです。山海の珍味が待っている! さあ、どんどん持ってきて下さい!」
 誰の挑戦でも受けるとばかりにプロレスラー根性を見せる摩那が、更にやってくる料理へと立ち向かう……!

「……さすがに厳しくなってきました。もう無理。入らない。このままだと体型くずれそうだし、動けなくなる。依頼もう行けなくなりそう」
 ……が、ダメっ!
 いや、正しくは延々と料理を食べ続けていたのですが!
 そもそもにして『尽きる事のないご飯』を前に限度があったようです。
 そして何より本来の目的を遂行出来ないのは大問題である。
「すいません、ちょっと休んでもいいですか?」
「いいわよぉ。何か飲み物持ってくるわねぇ」
 この場を妖怪が離れてくれたタイミングを見て『月光幻影(サイキック・ミラージュ)』でテレポートし、この場から脱出する。
 宴会場を出た摩那はアーケード街の奥へ向けて進み始めた。
「おいしくいただきました。ありがとうございました……うぷ、まだキツい……」
 ……大丈夫なんですかね?

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・ラーヴァ
アドリブ・連携歓迎

やってきましたクリヨファンタズムー
生まれ故郷のヒーローズアースに比べて古めかしい雰囲気の街並みが面白いのー
あ、妖怪さんこんにちわー
ご飯をごちそーしてくれるのー?
わーい、ありがとー!美味しそーな料理がたくさんー!
それじゃー、みんなでごちそーになっちゃおー
妹達も沢山呼んで大量のお御馳走を食べつくすのよー
どんどん持ってきてねー
お料理は、得意の【団体行動】で【運搬】して会場に入れなかった妹達にも行き渡るよーに配るのよー
え?どのくらいの人数がいるかってー?うーん…大地を埋め尽くすくらいかしらー?
あ、お腹いっぱいになった子は後続の子に譲って先に行ってねー
アリスも早く食べて進まないとー



●念のためここでも書いておきますが、彼女はれっきとした猟兵です
「やってきましたカクリヨファンタズムー。生まれ故郷のヒーローズアースに比べて古めかしい雰囲気の街並みが面白いのー」
 楽しげに呟いているが、実際にはギチギチと言う鳴き声を上げている蜘蛛のような生物。
 一見して新手のオブリビオンかと思われるやもしれないが、彼女の名はアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)。
 バイオモンスターの猟兵である。
「よく来てくれたねえ。ささ、美味しい物はたっぷりあるよぉ」
「ご飯をごちそーしてくれるのー? わーい、ありがとー! 美味しそーな料理がたくさんー!」
 出された豪勢なご馳走を前にギチギチと嬉しそうに鳴くアリス。
 実に異様な光景にも見えるが、猟兵はその世界の住人から違和感を持たれないと言う特性のおかげで、こうして何事もないように溶け込んでいるのだ。
「あ、そうだ。アリスの他にも妹達がいるんだけど、その子達の分もあるー?」
「あらまあ妹さんも? 賑やかでいいわねえ。もちろん、用意するよぉ」
 一見して普通に会話をしているようにも見えるが、実際にはアリスがテレパシー的な何かで意思疎通を行っていた。
 ……ますますどんな光景なんだと言いたくなるが、これで会話が成り立っているのだから仕方ない。

「それじゃー、みんなでごちそーになっちゃおー」
 アリスが嬉しそうに言うと、彼女の妹達である成虫がいつの間にやらわんさか詰めかけていたではないか。
 しかも入りきれなかった分は外で待機していると言うほどに数が多い。
 これには宴会場内の妖怪もビックリするしかなかった。
「ひゃー、大家族すぎるわぁ!? これはどんどん用意しなきゃねえ!」
「どんどん持ってきてねー。……んー、これおいしー!」
 出された料理の一つを貪るアリス。
 味は問題なかったらしく、満足げな様子だ。
「……ところでお嬢ちゃん、家族はどれだけいるのかしら?」
「え? どのくらいの人数がいるかってー? うーん…大地を埋め尽くすくらいかしらー?」
 その言葉に偽りは無かった。
 アリスが『ぜんそくぜんしん~(ゼンソクゼンシン)』で呼び出した妹達は文字通り大地を埋め尽くす数であり、アーケード街の外にも行列が伸びているほどだ。
 もし虫嫌いの妖怪がいれば、この光景で間違いなく卒倒していた事だろうが……猟兵である以上、外見に違和感を持たれないのは幸いと言えるだろう。
 出された料理はあっという間にアリスや妹達が後続に運搬するなどしてきれいさっぱり食べ尽くすと、その直後すぐまた別の新しい物が出されていく。
 更にアリスの方は満腹になった妹達が後続と交代するなどして、終わりが全く見えそうにない状態だ。
「妹達もおいしいって喜んでるよー」
「あらそれは嬉しいわねえ! そしたらおばちゃんもがんばらなきゃねえ!」
 ほのぼのとしたやり取りにに見えるだろうが、実際には次々と出されるオーダーを前に大車輪状態の妖怪達。
 アリス達が満腹になるか、或いはご飯が尽きるか……は、ないとしても、料理を延々と出し続ける妖怪達がダウンするか。
 この果てしなきフードバトルの結末や、いかに!?

「ご、ごめんねえ……みんな、もう限界みたい……」
 パタリとその場に倒れる妖怪。
 どうやら料理を作り、出し続けた事で体力が先に尽きてしまったようだ。
「えー、もう終わりー? まだまだ行けるのにー」
 ちょっと残念そうな様子だが、ひとまずはおいしい食事が出来て満足の様子だ。
 こうしてアリスは妹達を引き連れ、アーケード街の奥へと進んでいくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
何とも難儀な世界ですねぇ。
頑張ってみましょうかぁ。

おや、宴ですかぁ。
楽しそうですが、ゆっくりとはしていられませんからねぇ。
【豊饒現界】で[大食い]を強化、全て一気に食べ尽してしまいましょうかぁ。
まずは「野菜類」、次いで「さっぱり系」→「こってり系」の流れで食べると、ペースも早く出来ますねぇ。
飲み物は、途中では少量ずつ、残りは最後に纏めていただくと、胃の中で食べた物が膨らまず食べ易いですぅ。

タイミングを読んで、新たに[料理]が追加されるまでに食べきれば、先へ向かえそうですぅ。
全て終わったら戻ってきますので、その頃に[宴会]が続いていたら、付き合いますよぉ?



●フードファイターるこる(実際はフードファイターではない)
「目的地に向けて進んでいたら、あっと言う間に妖怪さん達に取り囲まれてこんな事になってしまいましたけど……」
 この地に到着してすぐ、唐突に妖怪に捕まりこの場へ連れて来られた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
 彼女の目の前には凄まじい量の料理の山、山、山……
 例え大食いの者であっても、この量には困惑する事間違いなしだ。
「これは……凄い量ですぅ……」
 るこるは思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。
「うふふ、猟兵さんがいつ来ても大丈夫なように歓迎会の準備をしていて良かったわぁ。しかも何故か知らないけど、ご飯が好きなだけ出てきてなくならないからねぇ」
(ふむ……それは楽しそうですが、ゆっくりとはしていられませんからねぇ)
 こんな時でもなければゆっくりしたいところだが、一刻も早くこの場を抜けて黒幕の待つアーケード街の奥にある広場へと進まねばならないのだ。
 さもなければ、この世界が滅びてしまうのである。
「据え膳食わぬはなんとやら、ですぅ。ここは全て一気に食べ尽してしまいましょうかぁ」
 覚悟を決めたるこるが箸に手を伸ばす。
「それでは、いただきます」
 手を合わせると同時に『豊乳女神の加護・豊饒現界(チチガミサマノカゴ・ホウジョウノアラワレ)』を発動させ、自らの大食いレベルをブーストする。
 因みに現時点で彼女の大食い技能は……160!
 そしてそれに豊饒現界で二倍のパワーと三倍の回転が加わったかのように倍加させた事で、大食い技能は……1600ッ!
 ……これでフードファイターじゃないのだから、世の中分からんものだ。

「まずはこの野菜から……シャキシャキしてますねぇ」
 初手は皿の上にドーンと乗せられたサラダを口にする。
 どこで育てているのかは不明だが、新鮮な野菜を使っているようだ。
 みるみる内にサラダの山が減っていき、あっと言う間に空となる。
「次はさっぱりした物が食べたいんですけど、ありますかぁ?」
「なら、ワシのとこの妖怪蕎麦を食っとくれ! 美味いぞぉ!」
 続いてやってきたのは蕎麦である。
 これまた麺の量が半端ではないが、こちらはわんこそばのような勢いでズズズーッと食べ進めていく。
 その神速の食べっぷりには、妖怪達もただ唖然とするしかない。
「ここでこってりした物をお願いしますぅ」
「蕎麦ときたら天ぷらも必須よ! 揚げ物をどんどん用意するからねぇ!」
 ここで妖怪はるこるのリクエストを受け、揚げ物を投入。
 出てくる度にどんどんるこるの胃に吸い込まれていく様は、まさにブラックホールと呼ぶ他ない!
 因みに、食べる物の流れはちゃんと計算済みのようで野菜類、次いでさっぱり系からこってり系と食べる事でペースも早く出来るとの事だ。
 ……君、ホントはフードファイターじゃないの?
 因みに飲み物(麦茶)は途中では少量ずつ、残りは最後にグイーッと行く事で胃の中で食べた物が膨らまず食べ易いと言う事も把握済みだ。
 ……やっぱり君、フードファイターじゃ(二度目略)

「え、え、ちょっと待って、お嬢ちゃんのペースが速すぎて、供給が……」
 そして妖怪側は補充する前に全て完食され、追い付かない状態だ!
 それをるこるはチャンスと見て、スッと立ち上がると……
「すいません、ここにはやるべき事があって来たんですぅ。なので、全て終わったら戻ってきますので、その頃に宴会が続いていたら、付き合いますよぉ?」
「そ、そうなのか? じゃ、じゃあまた新しく何か用意して待ってるからな!」
「はぁい♪」
 約束も取り付け、るこる選手脱出成功だー!
 ……って、まだ食べる気なんかい君ィ!?

成功 🔵​🔵​🔴​

雨咲・ケイ
私は幼い頃から妖怪が大好きなんです。
まさか本当に妖怪の世界を訪れる事になるとは
夢にも思っていませんでした……。(感激)

【WIZ】で行動します。

こんなに歓迎されるなんて初めてですねえ……。
無下には出来ませんし、とりあえずずっと気になっていた
骸魂ケーキと天ぷらを頂きましょう。

では、
「私はずっと小豆洗いさんの小豆を食べてみたいと
思っていたんです。あと一度でいいから猫又さんをモフりたいと
思っていました」
などとおだてながら次々とお酌をして眠っていただきましょう。
おだてると言っても全部本当の事なのですが。

頃合いを見て
「楽しい時間をありがとうございました」
と先へ進みます。

アドリブ歓迎です。



●ここは妖怪天国
(どこかに妖怪の住まう世界は無いものかと思った物ですが……)
 宴会場にて、雨咲・ケイ(人間の學徒兵・f00882)が周りを軽く見渡す。
「まさか本当に妖怪の世界を訪れる事になるとは夢にも思っていませんでした……」
 つい思った事が口に出てしまうケイ。
 それほどまでに、このカクリヨファンタズムに感銘を受けたのだろう。
 でも、自分の好きな物を実際にお目にかかる事が出来た時の感動は本物だものね。
 わかるとも、その気持ち!
「おやお兄さん、妖怪に興味があるのかい?」
「ええ、私は幼い頃から妖怪が大好きなんです。だから実際に妖怪の皆さんとお会い出来て……その、少し興奮を隠し切れなくて」
「わあ、今時そんな事言ってくれる子がいるだなんてねえ! こりゃあたっぷり歓迎してあげなきゃだあね!」
 実に嬉しそうな様子の妖怪達。
 元より猟兵は大歓迎であるが、自分達の存在を好きだと言ってくれる相手ともなれば、嬉しさは倍の倍だ。
「さてそれじゃあお兄さん、何か食べたい物があれば言っとくれよ」
「そうですね……とりあえずずっと気になっていた骸魂ケーキと天ぷらを頂きましょう」
「あいよぉ! すぐに持ってくるねえ!」
 すっ飛んで頼まれた物を取りに行く妖怪。
 元よりこれだけ歓迎してくれる以上、好意を無下には出来ないので自分なりにこの場を上手く切り抜けていこうと言うのがケイの考えである。
「はいお兄さん、天ぷらと骸魂ケーキお待たせー!」
「ありがとうございます。では、早速……」
 まずは骸魂ケーキを一口。
 口の中で少し動いたような気もしたが、新感覚とも言える味であった。
 しかし、いくら安全とは言え骸魂を食べるのってどうなんですかね?

「それにしても、まだまだ私の見た事のない妖怪がここには沢山いますね」
「新しくやってきた妖怪も結構いるからねえ。外の世界じゃ知名度が少ないのも仕方ないのよね」
「どんな妖怪なのか、是非とも聞いてみたいですね。……あ、お酒どうぞ」
「おっと、あんがとね! ……ぷはーっ、今日の酒はいつもより美味いねぇ!」
 さりげなく、ケイが話しかけてきた妖怪にお酌をする。
 上手く酔わせてしまおうと言うつもりのようだ。
「……ええと、あなたは確か小豆洗いさん、でしたよね?」
「おお、ワシの事を知ってる子がおるとは……こら嬉しいのう!」
 更にケイは近くにいる妖怪にも声をかける。
 声をかけた妖怪は小豆洗いであった。
「私はずっと小豆洗いさんの小豆を食べてみたいと思っていたんです」
「……うん? ありゃああんまりウマいモンでもないと思うがのう?」
「それでも、ですよ。私は妖怪の事をもっと近くで知りたいんです」
 そんな感じでおだてつつもお酌をする。
 当然、これに気を良くして小豆洗いは酒をグイーッと飲むと。
「そんな事言ってくれるんじゃ、応えてあげんとなぁ! ほら、これじゃよ」
「どうも、頂きます。……これが小豆洗いさんの小豆、初めて口にしました」
 ケイもケイで嬉しそうな反応をする。
 もっとも、これは彼の本心なので全て本当の事だったりするのだが。
「あと一度でいいから猫又さんをモフりたいと思っていました」
「にゃっ!? あたいの事!?」
「モフらせてもらえると嬉しいのですが……」
「んもぅ、そんなに言われちゃしょうがないにゃあ」
 猫又の少女がケイの膝の辺りで丸まると、愛猫を愛でるかのように頭を撫でる。
 ……その様子を別の動物系妖怪が羨ましそうな目で見ていたとか。

「楽しい時間をありがとうございました」
 ケイがそっと立ち上がり、宴会場に一礼する。
 周囲は酔い潰れて気持ち良さそうに眠りこけている妖怪達の姿が。
 あの後も彼は妖怪達をおだてつつ、お酒を飲ませる事でやりすごしたのだ。
 ……多分ケイはこの世界でも上手くやってけそうですね!
「こんな素敵な世界が滅びるのは絶対に止めなければ。急ぎましょう」
 そして足早にアーケード街の奥へと向かうのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
無限にご飯が出てくるとか最高じゃん!?
別にカタストロフってもいいじゃんと一瞬思ったけど
妖怪がどんどんオブリビオン化するのは困るな!

せっかくの美味しいご飯のお誘いを断るのも
心が痛むなぁ~~じゃあちょっとだけな~~
と、最初のうちは普通に宴会を楽しむ!
食べながら俺の猟兵生活の武勇伝も語ってやろう!
ドラゴンがいっぱいいる世界で戦争があってな
そこで俺はふしだらな山賊をバーンと倒したりな

ではここで、演劇を披露しまーす!
いでよ、うさみっちレンジャー!
飛び回ったり合体したりと華麗なパフォーマンス
存在感増し増しで妖怪達の気を引いてる隙に
俺は置き手紙を残してこっそり脱出
『たのしかったぜ!ありがとー!(廿x<U)』



●因みにこの後、猟兵になりたがる妖怪が続出したそうです
「いやー、大歓迎してもらった上にご飯が好きなだけ出るって最高だな!」
 宴会場に設けられた特別席に座りながら、出されたご馳走の数々を口にする榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)は非常にご満悦のようだ。
 グリモアベースで『無限にご飯が出てくる異変』と聞いて、うさみっちは出撃を志願したらしいのだが……まさにここは天国も同然であった。
 ついつい『別にカタストロフってもいいじゃん』と一瞬思ってしまったが、これだけ歓迎してくれる妖怪が皆オブリビオン化してしまうのはさすがによろしくない。
 むしろそれを口にした上で、隣にニコがいたら……
「うさみ、さすがに言っていい事と悪い事があるぞ……」
 ……などと呆れ顔で言われてしまっていたであろう。
「ところで猟兵ってあたい達の姿が見える他、どれだけ凄いの?」
「猟兵はすっごい強いんだぞー。なんと骸魂に飲み込まれた妖怪を元に戻せるんだぜー?」
 うさみっちの語りに妖怪達の間でどよめきが沸く。
 ならば猟兵の凄さについてもっと教えてやろうとばかりに閃き、うさみっちゆたんぽから筆記用具にスケッチブックを一冊取り出すと、その場でシュバババッと何かを描き始める。
 ……時間にして数分足らず、ゴッドペインターの本領を発揮するかのごとくスケッチブック一冊に様々な絵が描き上がる。
「ではここからは俺の猟兵生活の武勇伝も語ってやろう! うさみっち伝説、始まり始まりー」
 紙芝居のようなノリでうさみっちが語り出す。
 時代に忘れ去られた紙芝居形式は、この世界の妖怪達の心を釘付けにするのは言うまでもなかった。

「今回の舞台となるのは剣と魔法と竜の世界、アックス&ウィザーズだ。こんな感じの風景で、魔物とドラゴンがいっぱいいる世界で戦争があってな……」
 ここも無数に存在する世界の一つであり、猟兵は様々な世界を行き来出来ると言う説明を前置きした上で先月行われた帝竜戦役について、大幅に脚色した自分の活躍を語り出す。
「……そこで俺はふしだらな山賊をバーンと倒したりな」
「どうやって戦ったの?」
「クールでハンサムなうさみっち様は突如機転を効かせて、山賊を強力な武器でドッカーンとだな」
 ページをめくる度、妖怪達から『おぉー』『えぇーっ!?』などの反応が。
「……そして俺と一番の舎弟であるニコの活躍で帝竜ヴァルギリオスはついに倒されたのだ! めでたしめでたし」
 ……うん、大分脚色しすぎてますね。
 しかし妖怪達からすれば非常にエキサイティングだったらしく、拍手で紙芝居が終わる。
「話に出たニコって人はどんな人なの?」
「お、よくぞ聞いてくれた! この絵の通りのナイスガイだぞー? カッコいいだろー? でも惚れちゃダメだぜー? だって俺の一番の舎弟だしなー」
 もし本人がいたら何を言われるか分からないような事を言ううさみっち。
 なんともフリーダムである。
「ではここで、演劇を披露しまーす! いでよ、うさみっちレンジャー!」
 更に興が乗ったのか、うさみっちが『あいとせいぎのうさみっちレンジャー(ウサミノ・アイガ・セカイヲ・スクウ)』でヒーローコスチュームなカラフルうさみっちを召喚する。
 数が多い分は怪人役に回すなどの配分を行い、宴会場のステージで即席的なヒーローショーが始まった。
 飛び回ったり合体したりと華麗なパフォーマンスで妖怪達を魅了するのであった。

 そんな中で、うさみっちは書置きを残してひっそりと宴会場を後にする。
『たのしかったぜ!ありがとー!(廿x<U)』……と。
 ……彼らがそれに気付くのは、もう少し後の事である。
「よーし美味いメシもたっぷり食えたし、異変解決に行くぞー!」
 うさみっちは改めて、カタストロフを止めるためにアーケード街を進む。
(でも、出来ればニコと一緒に食いたかったなー)
 そんな事を考えながら。

成功 🔵​🔵​🔴​

オル・フィラ
無限ご飯、と仰いましたか
この私が、そのような誘惑に心動かされるとでも?

鮭おにぎりを要求します
なければ作らせてください、何でもお手伝いしますから
一緒にお味噌汁(具はわかめとお豆腐)があれば更に良しです

お米の、ご飯の前においては、全ての命は平等に救われます
故にご飯が無限であっても、際限なく求めて良いものではありません
それぞれが必要な分だけご飯を受け取り、共に食べて、生きる
私も充分なご飯をいただいたら、静かに手を合わせて感謝を捧げ、去り行くのみです
誰しもが救われるべき場に危険があるのなら、ご飯の意志に従い【泥流弾】で退けましょう

…ところで、この世界に来た目的ってなんでしたっけ?



●無限ご飯なんかに絶対負けない!(フラグ)
 宴会場は何故か異様な空気に支配されていた。
 目の前の豪勢な食事を前に、オル・フィラ(Rusalka・f27718)は表情一つ変えず手を付ける様子すらない。
「ええと、もしかして気に入らなかったとか……?」
「無限ご飯、と仰いましたか。この私が、そのような誘惑に心動かされるとでも?」
 困ったような顔の妖怪に、キッパリと言い返すオル。
 別に食べても何か悪影響が起こる訳ではないし、彼らの用意した物は実際美味しいのだが……どうにも彼女は警戒気味のようである。
「うーん、困ったわねえ。あたし達はただ単に、猟兵さんに喜んでもらいたいだけなんだけど……」
 彼らは本当にただの善意しか無く、こうも拒否されるのは結構辛いようだ。
「何か食べたい物とか好きな物があれば、出来る限り用意するわよ?」
「では鮭おにぎりを要求します」
 鮭おにぎり。
 ……いや、一体これはどう言う事なんだと思われるやもしれないが、どうやらオルの好物らしい。
 それが目の前の料理の中に含まれていなかったのが不満だったのか。
「えっ、鮭おにぎり?」
「なければ作らせてください、何でもお手伝いしますから」
「ああ、大丈夫よ。すぐに用意するからね!」
 念願のリクエストを聞けたとなれば、オルのために大急ぎで用意せねばとばかりに妖怪が厨房へと走る。
「一緒にお味噌汁……具はわかめとお豆腐があれば更に良しです」
 更に追加注文!
 オルはどうやら和食派であったようだ。
「それでお嬢ちゃんが喜んでくれるなら、こっちもすぐに作ってくるわよ!」
 そう言い、もう一人の妖怪も厨房へとすっ飛んでいった。
 果たして妖怪の作った物はオルの心を動かす事が出来るのか!?
 ……あれ、どんな展開なんだこれ?

「ふむ」
 早速出された鮭おにぎりを口にするオルを妖怪達は固唾を飲んで見守る。
 これでも低評価を付けられてしまったらどうしようと言う顔だ。
「なかなかです、気に入りました」
 セーフ!
 これには妖怪達もただホッとするばかりである。
「そしてこのお味噌汁。わかめとお豆腐の量はそれぞれバランスが取れていますね」
 味噌汁を啜り、その味を品評する。
「ああ、良かったわぁ。これでも食べてくれなかったらどうしようと……」
「前言は撤回します。美味しいおにぎりを作れる人はいい人です」
 はむはむと鮭おにぎりを頬張るオル。
 そう言えばステシにありましたね、『好物の握り飯(具が鮭であれば最良)で餌付けすると簡単に懐く』って!
 ……あれ、大丈夫なのこれ?
「お嬢ちゃん、おにぎりが好きなんだねえ?」
 妖怪の問いかけにオルがピクリと反応する。
 手元のおにぎりをパクッと食べきり、味噌汁を啜ると……
「お米の、ご飯の前においては、全ての命は平等に救われます」
 あの、何か急に真顔で語り出したんですがこの人?
「故にご飯が無限であっても、際限なく求めて良いものではありません。それぞれが必要な分だけご飯を受け取り、共に食べて、生きる」
 唐突の語りに妖怪達も混乱する。
 彼らには難しい話(?)がよく理解出来ないらしい。
「私も充分なご飯をいただいたら、静かに手を合わせて感謝を捧げ、去り行くのみです」
 と、オルは出されたおにぎりと味噌汁を完食して手を合わせる。
「誰しもが救われるべき場に危険があるのなら、ご飯の意志に従い泥流弾で退けましょう」
 うん、言いたい事は分かるけどここで『泥流弾(マッド・フロウ)』使うのは危ないよ!?
「つまりそう言う訳です。ご馳走様でした」
「あ、よ、喜んでもらえたのならあたし達も嬉しいよ」
 なんやかんやで妖怪達を言いくるめて(?)オルはここから脱出に成功した。

「……ところで、この世界に来た目的ってなんでしたっけ?」
 アーケード街の奥に行って、異変の黒幕をやっつける事ですよ!
 てか君それで大丈夫なんかーい!?

成功 🔵​🔵​🔴​

シルス・レヴィナス
ここがカクリヨか
どこか懐かしい雰囲気だな

◎アドリブ等大歓迎

◆行動

まず、礼儀作法と優しさを活用して
宴会参加中の地元民の話を聞く(情報収集)
何か勧められたら幾つかは有難く頂こう
住民の真心が伝わってくる
…暖かい味がする

…有難い話だが、俺はそんなに食べられないぞ?
(許可を得て持ち帰りたいが我慢)

【WIZ】

折を見てUC『射手の知己』で力士達を呼び出す
宴会と言えば大食いな奴と
パフォーマンスが付き物だろう?
敢えての腕相撲や初切でも良いし
歌でも、ラインダンスでもいい
主人を喜ばせて(彼らに)酒の相手を務めて貰おう
飲み&食べ比べ勝負とか
横で盛り上げて
上手く主人が幸せな夢の中…になったら
そっと退場を図る(逃げ足等



●宴会は楽しんでナンボって言いますよね
(ここがカクリヨか。どこか懐かしい雰囲気だな)
 連れて来られた宴会場にてシルス・レヴィナス(黒雲穿つ銃手・f25116)が、窓の外から見えるアーケード街の賑わいを見て思う。
(しかしまあ、とんでもない数の料理だな。これを一人で、は……無理だな)
 ふとテーブル上に視線を戻せば、凄まじい量のご馳走の山。
 しかもこれが延々と出続けると言うのだから、ある意味恐ろしい異変だ。
「やあやあお兄さん、ヲリヲン通りによぉこそ! 色々な物を用意したから、遠慮せずに食べたり飲んだりしとくれよー」
「ああ、これはご丁寧にどうも。来たばかりなのに、こうして歓迎してもらえるのは本当に嬉しいですよ」
「あはは、お兄さんも喜んでもらえるのなら、あたしも嬉しいよぉ!」
 礼儀正しく対応する事で、より好印象を持ってもらえたようで話しかけてきた妖怪が笑顔になる。
 ……なんだか既に酔っているような気もするが、それはそれとして。
(さて、まずは情報を集めねばならんな)
 自分から宴会場にいる妖怪達に対し礼儀作法と優しさをもって接触し、このアーケード街の事や最近何か怪しい事が起きなかったかどうかを調査する。
 それがシルスの狙いであった。

「やあ、どうも。今日は我々のために歓迎会を開いてもらったようで……」
「わ、猟兵さんが話かけてきてくれるだなんて! あ、これどうぞー♪」
 コンタクトを取ろうとした妖怪が驚きつつも、皿の上にあった唐揚げを小皿に取り分けるとスッと差し出す。
 もちろん、それをシルスはありがたく受け取る。
「頂きましょう。これは住民の真心が伝わってきて……暖かい味がする」
「んもー、お兄さんったら言う事が上手いんだからぁ!」
「いえ、事実を言ったまでですよ。あの、それでですね……」
「それじゃあ、次はこの骸魂ケーキを食べて食べてー♪」
「おにーちゃん、このおにぎりもどうぞ、なの!」
 続いて足元の小さな子供妖怪が骸魂ケーキやらおにぎりやらを差し出してくる。
 子供好きな彼は当然、それを邪険に出来るはずもなく笑顔で受け取る。
 ……こんなやり取りを続け、少し腹がきつくなりながらも情報を集めた結果『何か様子がおかしい妖怪がいた』、『ほんの二~三日前くらいから突然変な事を言い出し始めた妖怪がいる』と言う事が分かった。
(異変の黒幕、と言う奴かね。で、そいつが現れたが二~三日前と)
 それが今この状況に繋がっているらしい。
 ひとまず腹も満たせて情報も得られたので、後はここを脱出するだけだが……
「やほー、楽しんでるー? 食べ物はまだまだあるよー?」
「……有難い話だが、俺はそんなに食べられないぞ?」
 フレンドリーに話しかけてきた妖怪に対し、少しキツくなってきた事を口にする。
 許可を得てご馳走を持ち帰りたいが、ここはグッと我慢するとして。
「その、美味い飯のお礼と言ってなんだが……俺の友人を呼んであるんだ」
 そう言うシルスの後ろには、いつの間にか58人の力士がいた。
 彼が『射手の知己(スナイパーズ・フレンド)』で召喚した者達だ。
「わお、力士さんだー!」
「こう見えて、色々な事が出来るんだぜ? ……と言う訳だ、今度はこっちがおもてなしと行こうじゃないか!」
「「「うーっす!」」」
 シルスの呼びかけに答え、力士達が方々へと散っていく。
 ある者はステージ上でのパフォーマンス、ある者はその場にいた河童と相撲勝負、またある者はお酒の相手をさせたり、飲み比べや早食い勝負など、場を大いに盛り上げる。
 ……それから少し時間が経つと、宴会場は酔い潰れて幸せそうな妖怪やら力士やらで、実に混沌とした状態になっていた。
「ご馳走さん、と。飯、美味かったぜ」
 その隙にシルスはその場からスッと離れ、アーケード街の奥へと向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アストラ・テレスコープ
なんか滅びそうでもみんな楽しそうな世界だねー!

とりあえず食べれるだけ楽しんじゃおう!
好きな食べ物はかにみそ!
嫌いな食べ物は特に無いよ!

お腹いっぱいになってきたら
ユーベルコード発動!ロケット発射で緊急垂直離脱するよー!

あははーわーいたのしー(知性消失)


山根・桜桃
まぁ、せっかくだし、おもてなしされてみるかにゃ?

ゆすらちゃんは猟兵だけど、みんなと同じ妖怪にゃんだし、にゃんかいっぱい話聞かれそうにゃ…
それを適当にあることにゃいこと自慢話してみたりしつつ
いっぱい食べモノ食べまくりにゃ♪
お魚お刺身楽しみだにゃー♪
パクパクパクパク食べるにゃー!

まぁ、これ以上食べられないにゃーっておもったら、どろんチェンジで一反木綿になってぴゅーって空飛んで逃げるにゃー
ゆすらちゃん、着痩せして見えるだけで、実はけっこうスタイルいいんにゃから、食べ過ぎて体型崩すわけにはいかにゃいし
…ん?見た目まだ子供だろって?ほっとけにゃー!これでも何百年と生きてる大妖怪にゃんだからー!



●華麗なる大脱出(?)
「なんか滅びそうでもみんな楽しそうな世界だねー!」
 宴会場の席にて、アストラ・テレスコープ(夢望む天体望遠鏡・f27241)がこの世界における率直な感想を口にする。
 実際に毎日面白おかしく暮らしているのだから、間違ってはいないのだが。
「でもそれが日常的で、みんな感覚がマヒしてるにゃ」
 一方の山根・桜桃(ヤマネコ・f28269)はこの世界の住人であり、猟兵の力に目覚めた貴重な(?)妖怪だ。
 故にこの世界の事は理解しているが、その危機感の無さには呆れ気味のようで。
「うーん、みんな強いんだねー。滅びには負けないぞー、みたいな感じの!」
「そうかにゃ……そうかも……?」
 いや、多分違うんじゃないかな……
 ここの妖怪はいつも陽気なんだと思いますよ、ええ。
「それはともかくとして! とりあえず食べれるだけ楽しんじゃおう!」
 目の前のご馳走を前に、アストラはもう待ちきれないと言った様子だ。
 例えヤドリガミとてお腹は空く、それはどこの世界でも一緒なのだ。
「お嬢ちゃん、好きな物とか嫌いな物はあるかしら?」
「好きな食べ物はかにみそ! 嫌いな食べ物は特に無いよ!」
 元気よく答えるアストラ。
 何気に嫌いな物が無いと言うのは大きいのではないでしょうか。
「ええと、ゆすらちゃんは……お魚でいいわね?」
「お刺身もだにゃー♪」
 一方、桜桃の方は猫らしく魚一択のようで。
 やはり猫のDNAがそうさせるのか。
「こんな時こそ、美味しい物をいっぱい食べないとねー!」
「それは大事だけど、アストラちゃん……本来やる事は忘れてないかにゃ?」
「異変をなんとかして、この世界が滅ぶのを止める! だよね?」
 あ、そこは一応覚えているんですね。
 もし忘れていたら、桜桃が説明する事になってたぞ……
「はーい、お待たせぇー。お嬢ちゃんにはかにみそ、ゆすらちゃんにはお刺身を持ってきたわぁ」
 そこへ、妖怪のおばちゃんがリクエストのあった物を持ってくる。
 二人はやってきた好物を前に、目を輝かせると……
「それじゃあ、早速!」
「いただきます、にゃ!」
 もう我慢出来ないとばかりに、お食事タイムを始めるのであった。

「……で、ゆすらちゃん。猟兵になったけど、実際何がどう変わったの?」
「それはもう、禁じられた凄いパワーが発揮出来るようになったにゃ。骸魂に飲まれた妖怪を元の姿に戻す事だって余裕だにゃー」
 猟兵になった事で妖怪仲間から質問攻めに合う桜桃。
 その中には一部誇張表現も含めているが、ある意味間違っていない部分もあるのだから仕方ない。
「ここの他にも違う世界がいっぱいあるって聞いたけど、どんながあるの?」
「一つ一つ話したら長くなるけど、それでもいいかにゃー?」
 しかも割と得意気な様子だ。
 もっとも妖怪からすれば猟兵になりたがる者は非常に多いのだから、こうして猟兵となれた事は本人的にも大きかったのもあるだろう。
「お嬢ちゃんは何の妖怪なんだい?」
「私は妖怪じゃなくて、天体望遠鏡のヤドリガミだよ!」
「ヤドリガミって言うと確か長く使われた器物に魂が宿ったって言う、あの?」
「そうそう、それそれ……おかわりー!」
 アストラの方はと言えば、食事をしつつも妖怪の質問タイムに快く答えていた。
 とは言え、主な比率は食事の方に傾いているのだが……
「お嬢ちゃんがいた世界って、どんなところだったの?」
「一年中桜が咲いている世界で、私は郊外のお屋敷で長いこと眠ってたよ!」
「はぁー、常に桜が咲いている世界かぁ。行ってみたいわねえ」
 話を聞き、見知らぬ世界への興味を抱く妖怪。
 一方、質問が停止した合間に夢中でご馳走をどんどん平らげていくアストラ。
 既に空になった茶碗がいくつも積み上がっていた。
「……ふぅー、そろそろキツくなってきたかなー」
「ふにゃ、ゆすらちゃんもこの辺りが限界かにゃ……」
 こうして食べたり質問に答えたりを繰り返し、二人は満腹になって食を止める。
 これ以上はさすがに厳しいと言ったところだろう。
「ゆすらちゃん、着痩せして見えるだけで、実はけっこうスタイルいいんにゃから、食べ過ぎて体型崩すわけにはいかにゃいし……」
「おいおい、桜桃はお子ちゃま体型じゃないか。妖怪ジョークはもっと上手い事を言うんだぞ?」
 独り言を耳にした妖怪の一人が笑いながら反応する。
「……ん? 見た目まだ子供だろって? ほっとけにゃー! これでも何百年と生きてる大妖怪にゃんだからー!」
 そう言われては黙っていられないとばかりにふしゃーっと反論する。

「ねえねえ、桜桃。そろそろここから出ないと」
 と、そこへアストラがちょいちょいと桜桃に呼びかける。
 美味しい物も十分食べたので、いよいよ本来の任務……異変の黒幕退治に向かわねばならなかった。
「はっ、そうだったにゃ……それで、どうやってここから出るにゃ? 普通に出たいと言っても、帰してもらえそうになさそうだにゃ……」
「私は大丈夫だよー。ほら、こんな風に……」
 そう言うアストラの腰部分に付いている四つのロケット型アクセサリが、『ロケットブレットハートビート』を発動させた事により全長1mの大きさに変形する。
 この状態になってしまえば、これから起こる事は桜桃にも予測出来た。
「アストラちゃん、それってもしかして」
「先に向こうへ行ってるねー! 3・2・1……発射!!」
 ズドーンと轟音と共に、人間ロケットと化したアストラが屋根を突き破って宴会場を脱出する。
「あははーわーいたのしー……」
 ドップラー効果で遠ざかっていくアストラ。
 代償は知性を犠牲にする事であった……って、これ大丈夫なんです!?
「うわーッ!? お嬢ちゃんがいきなり屋根をブチ破って飛んでったぞー!?」
 混乱する妖怪達!
「あ、これチャンスだにゃ。今の内に……」
 そして、この機に乗じた桜桃が窓を開けるとトリプルどろんチェンジで一反木綿になると、その場からスタコラサッサする。

 後に残ったのは混乱した地獄絵図……ではないものの、まだ事態が飲み込めずに唖然とするしかない妖怪達であったと言う。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『輪入道』

POW   :    燎原火炎陣
【激しく回転しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他の輪入道】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    紅蓮疾走
自身に【燃え盛る炎】をまとい、高速移動と【回転する炎の輪】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ファイアホイールスピニング
【回転速度】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●現れた黒幕(ただし割とアホ)
 猟兵達は妖怪の歓待をどうにか切り抜け、宴会場を脱出した。
 一行は急ぎアーケード街の奥へと前進していく。
 ……暫く進むと、大きな広場が見えてきた。
 その中心部には何者かの姿がある。
「ヒョーッヒョヒョヒョ! もうすぐこの世界に無数の骸魂がやってくるぞ! 儂が起こした無限ご飯地獄で腑抜けきった妖怪共を同士に変え、この世界を喰らい尽くしてやろうぞ!」
「……アタシ、ずっと何も食べてなくて腹減ったヨ」
「ええいだまらっしゃい! 儂と一体化した事で食事など必要なくなったろう!」
 一見して一人芝居……ではなく、何かドス黒いオーラに包まれた布のような物と会話をしているキョンシーの少女であろうか?
 おそらく彼女が骸魂に飲み込まれたオブリビオンであり、今回の異変の黒幕なのかもしれない。
「……んなッ!? あれは猟兵だと!? 儂の計画を察知したとでもッ!?」
「あぁ、いいところに! アタシはここだヨ、猟兵さーん!」
 視線に気付き、ひょいひょいと手招きするキョンシーの少女。
 すぐさま一行が駆け付けると、いよいよ黒幕と対峙する。

「来るのが早いではないか、猟兵め……そこはさすがと言ってやろうぞ」
 その声は布のような何かから聞こえてくる。
 骸魂はきっとアレに違いない。
「……しかしもう間もなく、この世界には多くの骸魂がやってきて儂の起こした異変で腑抜けた妖怪達を飲み込む事になっておる!!」
「そうなったら、この世界はいよいよもって終わりだヨ……」
「ああ、それ儂のセリフ!」
 ……なんなんだこいつら。
 新手の妖怪漫才コンビか何か?
「……まあそれはいい。お前達は儂の計画を止めるために来たのだろうが、そうはいかん。あと少しと言うところなのだ、邪魔はさせんぞ!」
「猟兵さん達、気を付けてネ! 骸魂に飲まれた妖怪が……来るヨ!」
 その言葉の通り、キョンシーの周囲に突然炎が巻き起こると中からいくつもの燃え盛る車輪の怪物が現れる。
 奴らは既に骸魂に飲まれてしまった妖怪が変異した姿だ。
 倒せば元の姿に戻せるはずである。
「お前達、猟兵共を少しでも足止めするのだ!」
「オォ……仰せの通りに、キョンシー木綿様……」
 猟兵達の前に立ち塞がる輪入道。
 黒幕はアホっぽいかもしれないが、事態は一刻を争うようだ。

 ならば急ぎこいつらを倒し、黒幕との決戦と行こう!
アストラ・テレスコープ
お腹いっぱいになったし、適度に運動しようか!
あれ、食後の運動って体に良いんだっけ悪いんだっけ……どっちでもいいや!

やっぱり世界の危機にしてはなんか楽しそうだけど。
とりあえず倒せば良いんだねっ!
みんなに降り注げ!スターダスト!



●食後の運動には気を付けよう!
「よーし、お腹いっぱいになったし、適度に運動しようか!」
 現れた輸入道を前に、アストラはやる気十分だ。
 美味しい物を沢山食べる事が出来たのもあるのだろう。
「あれ、食後の運動って体に良いんだっけ悪いんだっけ」
 えーと軽い程度なら大丈夫だと思うけど、割と激しいのは脇腹に来るからね!
 ソースは筆者の過去の経験からだよ!!
 ありゃホントしんどかったからね……
「……どっちでもいいや!」
 アッハイ、猟兵ならそんな事は関係ないですねそうですね。
「ここから先へは行かせんぞ、猟兵……」
「我らがお前達を焼き尽くす……」
「覚悟するがいい、骸魂の力をその目に焼き付けろ……」
 輸入道がメラメラとその身から炎を燃焼させ、威嚇する。
 もし力の無い妖怪なら、震え上がる事間違いないであろう威圧感だ。
「美味しい物を食べさせてもらったお礼、やっちゃうからねー!」
 だが、アストラは恐れる様子を一切見せていない。
 何せこちらは猟兵……この程度の敵などに恐れはしない。
 ……いや、どちらかと言うと彼女の場合は恐れ知らずなのかもしれないが。
 それはともかくとして、いよいよ輸入道との戦いが始まろうとしていた!

「ウオォォォー……!」
「轢き潰すゥゥゥー!」
「燃やし尽くすゥゥゥー!」
 早々に輸入道が身の車輪を高速回転させる。
 自らの戦闘能力を六倍に跳ね上げる『ファイアホイールスピニング』だ。
 超高速回転で、それぞれの輸入道がアストラに向けて体当たりを行う。
「おおっと! いきなり飛ばしてくるねー!」
 しかし、アストラはそれを難なく躱す。
 超高速で燃え盛る水車ほどの大きさの車輪、一見すれば避ける事も難しいであろうが……そもそもにして飲み込んだ妖怪が弱い事もあってか、本来の実力は大幅に抑えられていた。
 なおかつ、相手は猟兵……この程度の相手に苦戦する事など!
「……よっ、ほっ、とぉっ!」
 まるで相手を弄ぶかのような動きで、次々と輸入道の体当たりを避け続ける。
 相手が自身の近くを通り過ぎる度、肌を炎の熱が吹き付けていく。
「おのれぇ、ちょこまかと!」
「ええい、飲み込んだ妖怪が弱いせいで!」
「我々の攻撃を何故こうも避けられるのだ!?」
 攻撃が当てられずに苛立つ輸入道。
「ここに来る前、美味しいご飯を食べてきたからね! 元気いっぱいだよー!」
 食後の運動にはちょうどいいとばかりに、ハッキリ答えるアストラ。
 猟兵ならば激しい運動でもへっちゃらなようだ。
「それに、やっぱり世界の危機にしてはなんか楽しそうだけど」
 いやあの、この状況を楽しそうって言っていいんですかね!?
 まあアストラが言うのならきっとそうなんだろう。
「とりあえず倒せば良いんだねっ! みんなに降り注げ!」
 アストラが飛翔し、くるりと回ってキラリとポーズを決めると……
「……スターダスト!」
 無数のキラキラと光る小さな星屑のような矢弾、『星間尋矢(スターダストストライク)』がアストラの身から放たれる!
「ぬううッ、こんな弾幕くらい避けて……はうあッ!?」
「しまった、時間切れか……か、体が!」
 超高速移動で避けようとした矢先、輸入道の動きが急激に鈍る。
 ファイアホイールスピニングは一定時間後に昏睡してしまう代償があった。
 アストラに攻撃を避けられ続け、そのまま時間切れとなってしまったようだ。
 そうなってしまえば、放たれた星屑弾は避けられるはずもなく……
「グワーッ!」「グワーッ!」「グワーッ!」
 盛大に直撃し、輸入道はまとめて爆発四散!
「さあ、どんどん行くよー!」
 第一波を片付けたアストラは、次の輸入道を叩くべく更に飛翔するであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・ラーヴァ
アドリブ・連携歓迎

ふー、ご飯美味しかったー
でも、もー少し食べたいよねー
何かないかなー?
あ、あんな所に変な車輪が沢山あるのー
丁度よかったー、軽食代わりにつまんでいきましょー
UC【ぜんそくぜんしん~】を使用して、妹たちを沢山呼び出すのー
それから【ダッシュ】して『輪入道』に向けて突進しましょー
得意の【集団戦術】でみんなで一体になった壁を作って、『燎原火炎陣』を【激痛耐性】のある甲殻で真正面から受け止めるのー
燃えていても【火炎耐性】があるからへーきへーき
自慢の鋏角で【串刺し】にして【捕食】するのよー
モグモグ…うーん、熱々でおいしーのー
みんなー、仲良く分け合って食べるのよー



●※本人の名誉のためにもう一度書きますが、アリスはれっきとした猟兵です
「ふー、ご飯美味しかったー。でも、もー少し食べたいよねー。何かないかなー?」
 先のおもてなしタイムで多少の腹を満たしたであろうアリスが、更に何か口に出来る物はないかとばかりに周囲を物色する。
 さすがにアーケード街の奥まで来ると人影も少なくなってきており、次第に活気も遠のいていくのが分かった。
 そんな訳で奥地にある広場へとやってきたのだが、現れた輸入道を前に……
「あ、あんな所に変な車輪が沢山あるのー」
 何やら珍しい物を発見したような様子を見せるアリス。
 ……なんだか嫌な予感がしてきたぞ。
「丁度よかったー、軽食代わりにつまんでいきましょー」
 おお、なんたる事か!
 新たに現れた骸魂に飲み込まれた妖怪が変異したオブリビオンでさえ、アリスからすれば捕食対象の一つでしかないのだ!
 ……いやでも一応こいつらを倒すのが目的とは言え、倒した後に中から出てきた妖怪までは食べちゃダメですからね?
「大丈夫よー。アリス、ちゃんとそこまでの見境は付くものー」
 ほ、本当に大丈夫なんですかね……?
「……な、なんなのだあいつは?」
「いや、周りにも仲間がいる事から、奴も猟兵なのだろう」
「ならばすべき事はただ一つ! 我々が足止めし、あわよくば轢き潰すまで!」
 一方の輸入道はアリスから何やらじっと見られている事に困惑しつつも、戦闘体勢に入る。
 果たしてこの戦い、食うか食われるか……どちらになるのか!?
 何となく結末が見えていると言ってはいけないぞ!

「みんなー、おいしそうな物が目の前にあるわよー」
 アリスが『ぜんそくぜんしん~』で妹達を呼び出す。
 どこからやってきたのか分からない程の数は相変わらずだ。
 そして獲物を捕捉すると、妹達がダッシュで突進する。
「行くぞ、奴を轢き潰せ! 突撃ィィィ!!」
 そこへ輸入道の燎原火炎陣!
 激しい回転をかけた強烈な体当たりが襲い掛かる!
 更に三体揃っての同時攻撃で、威力は更に増加している危険な攻撃だ。
「わぁ、活きがいいのねー!」
 だがアリスは迫りくる輸入道を前にしても、全く怯まない。 
 激しい回転がかかった事で、輸入道の体は硬い物をも易々と粉砕するローラーにも相当する威力のはずだが……そもそもにして銃弾を弾き返す強固な濡羽色の甲殻が、そんな物に砕かれる訳もない。
 ましてや、それが集団戦術で妹達と一体となった壁となってしまえば……まさに無敵の壁同然である。
「な、なにィィィーーーッ!?」
「我らの突進を受け止めているだと!?」
「だが、炎に焼かれていつまで持つか……!」
 突進が効かない事に焦る輸入道であったが、奴らの身には炎が渦巻いている。
 これで焼かれてしまえば、目の前の猟兵とてひとたまりもあるまい。
 ……そう、思っていたのだが。
「ちょっとだけ熱いけど、こんなのへーきへーき」
 通じて……いない!
 アリス達の持つ甲殻は、激しい炎ですらも物ともしないのだ。
 最早こうなってしまえば、勝負は付いたも同然である。
「それじゃあみんなで、いただきましょうー」
 アリス達が群がると同時に、鋭い鋏角が輸入道に次々と串刺しとなる。
「グワッ!? な、何を……ヒィッ!?」
 その時、輸入道が見たのは……今まさにこちらを捕食せんとするアリス達の開いた口であった。
「モグモグ……うーん、熱々でおいしーのー」
「アーッ! アバーッ!!」
「みんなー、仲良く分け合って食べるのよー」
「ヤメロー! ヤメローッ!! ……アァーーーッ!!」
 輸入道が生きたまま喰われ死の叫びを上げる中、アリス達はじっくりと連中を貪っていくのであった……コワイ!

 なお、輸入道が捕食された跡からは骸魂に飲まれた妖怪が出てきて、事無きを得たそうです。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
な、何やら楽しそうな方々では有りますが。
まずは此方の輪入道さん達から、ですねぇ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、広範囲に【秤濤】を使いましょうかぁ。
『魅了』による「同士討ち」も試みはしますが、メインは続く『超重力波』の方になりますねぇ。
そのまま押し潰せればよし、そうでなくても相手を『超重力下』にとらえた上で此方が飛行していれば、仮に相手が飛行能力を所持していたとしても突撃は極めて難しくなりますぅ。
後は、『FRS』による[範囲攻撃]の[砲撃]を降らせつつ、遠距離攻撃が有れば『FSS』でガードしますねぇ。

退治後に戻った方に意識が有れば、そのまま避難していただきたいところですが。



●弱点:空中からの攻撃に大分弱い
 黒幕はキョンシー木綿なる骸魂に飲まれた妖怪であった。
 割とアホっぽい性格のようだが、それは骸魂である一反木綿が元々そうだったからなのか、或いは飲み込んだキョンシーの少女がそんな性格だったため、はたまた両方か。
 どちらなのかはともかくとして、初遭遇時に漫才コンビのようなやり取りをしていたのを見て……
「な、何やら楽しそうな方々では有りますが」
 るこる、君もそう思ったのか!
 ……とは言え、そう見えたとしても今回の異変の黒幕である事は事実だ。
 しかも奴はもうすぐこの世界に大量の骸魂を呼び寄せる準備を終えてしまうのだから、こんなところでボヤボヤしている訳にもいかない。
 こちらの足止めとして呼び出した、輸入道を倒さなければならないのだ。
「まずは此方の輪入道さん達から、ですねぇ」
「キョンシー木綿様の邪魔はさせぬぞ、猟兵……!」
 輸入道が妖怪ならではの怖い形相で睨む。
 仕えている相手がアホっぽい(二度目)者とは言え、忠実に足止めとしての役割を全うするつもりだ。
(あまり時間を取られる訳にはいきませんねぇ……)
 どんな相手であっても油断は禁物。
 さもなくば、思わぬところで足を掬われる事だろう。
「美味しいご飯をいっぱい食べさせてもらった事もあります。早めにカタを付けて、戻ってお食事再開と行きますよぉ」
 ってまだ食う気マンマンだったのかよ!
 まあ、先のパートでは妖怪と約束してましたからね……

「ここは先手必勝、これで行きますよぉ」
 戦闘開始と同時にるこるが四肢に装着したFBSで浮遊状態になると、その場で『豊乳女神の加護・秤濤(チチガミサマノカゴ・ハカリノナミ)』を使い周囲に乳白色のオーラを放射する。
「むッ!? 一体何を……何、を……?」
「我々のすべき事は……何だかよく分からんが、お前の顔が気に入らん!」
「グワーッ!? おのれ、何をするか!!」
 放射されたオーラを浴びた輸入道が一旦動きを止めるも、即座に仲間割れを起こしてぶつかり合う。
 ……だが、その動きは重い。
 それもそのはず、秤濤を浴びた者は肉体を傷付けず魂を魅了し、更に超重力空間で機動力を大きく削いでいるのだ。
 しかもるこるは現在浮遊状態であり、相手が勢いを付けて飛び上がって攻撃でもしない限り当たる事は一切無い。
 この超重力空間の中では、そんな事は到底不可能だ。
「ぐ、おお……体が重い……ッ!」
「ええい、これではお前にぶつかれぬではないか!」
「ア、アバッ……う、動けん……!」
 今いる場所の何十倍もの重力が圧し掛かり、ひたすら四苦八苦する輸入道。
 一度その場に倒れてしまえば、自力で起き上がる事も出来ないようだ。
「これならいい的ですねぇ。一網打尽にしますよぉ」
 チャンスとばかりにるこるがFRSによる範囲攻撃で砲撃の雨を降らせる。
「グワーッ!」「アバーッ!!」「アァーーッ!!」
 爆発から吹き飛ばされるかに見えたが、超重力空間がそれを許さない。
 砲撃を喰らって盛大に横転すると、その場で輸入道が必死にもがく。
「お、おお……我らが女神よ!」
「も、もっと……もっといじめて下さい!」
「お慈悲、お慈悲をー!」
 ……が、るこるを見る輸入道の目が何かおかしい。
 既に魂まで魅了されているようだが、どうやら攻撃されて変な方向に目覚めてしまったらしい。
「え、えぇー……」
 るこるが予想外の事態に困惑する。
 まあ、やってくれと言うのなら遠慮なくやるだけではあるが。
「そんなに砲撃がお望みでしたら……はい、どっかーん☆」
 一切の慈悲もなく、るこるは輸入道に砲撃を叩き込む。
「「「ありがとうございます!!」」」
 そして輸入道はそのまま爆発四散し、消滅するのであった。

 因みに、輸入道の中から出てきた妖怪は『なんだか変な夢を見ていたような気がする』と口にしていたが、るこるは「気のせいですよぉ」とだけ答えたとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
フッ、美味い飯を食わせてくれたあいつらを
オブリビオン化なんてさせないぜ
お前の悪巧みもここまでだぁー!
(美味い飯食べた後なのでノリノリ

ってぎゃー!!妖怪・首だけおばけ!!
夢にでも出てきそうな見た目の
輪入道(しかも大量!)にビビり散らす

ぎゃー!しかもめっちゃ速く迫ってくる!
逃げ足と早業駆使してかろうじて避けつつ
ワルみっち軍団召喚!
用意した銃は水鉄砲とか放水砲とか
ヒャッハー悪い妖怪は消火だーというわけで
全員位置につけ!構え!発射ー!
敵めがけて一斉発射して炎を消してやりつつ
そのまま水の勢いでぶっ飛ばしてやんよ!
いくら高速で移動しようと
1秒と経たずに発射出来るんだぜ!
お前らに逃げ場はなーい!ふはははは



●※本人は必死です
「フッ、美味い飯を食わせてくれたあいつらをオブリビオン化なんてさせないぜ」
 美味しいご馳走をたらふく食べて上機嫌のうさみっちがキリッと宣言する。
 どうやら一宿一飯の恩義と言う物は感じているようだ。
 ……まあ、この場合は一飯だけなんですが!
「お前の悪巧みもここまでだぁー!」
 などと(本人的には)カッコよくキメたつもりで言い放ったのだが……
「オォ……キョンシー木綿様のために……」
「猟兵を足止めする……」
「邪魔をするなら焼き尽くすまで……」
 輸入道がこちらを向き、地獄の底から聞こえるような声でボソボソと呟く。
 とは言え、この程度の相手に猟兵が怯むはずも……
「ってぎゃー!! 妖怪・首だけおばけ!!」
 思いっきりビビってるー!?
 いや、だが冷静に考えてもみよう……夢にでも出てきそうな見た目の輪入道が、大勢この場に現れたのだ。
 それと今回やり合うと言う事を考えると、八歳児のうさみっちからすれば恐怖以外の何者でもなかった。
「……フハハ! どうだ怖かろう!」
「我らに恐れ慄け!」
「さあ、もっと我々を恐れるのだファーハハハーッ!!」
 輸入道の方はと言うと、うさみっちがビビり散らしている事に気を良くしてか、やたら調子に乗っていた。
 ……そもそも妖怪は人の恐れや驚きと言った感情を食糧とする。
 自分達を怖がってくれる存在に出会えたのが暫くぶりと言う事もあってか、もっと怖がらせてやろうと言うつもりのようだ。
 この輸入道、実にノリノリである。
「ぴゃあぁぁぁぁー!? ニコー、ニコー! たーすーけーれー!!」
 その場でUターンし、逃げ惑ううさみっち。
 一体彼の運命やいかに!?

 輸入道は紅蓮疾走を使い、全身の炎をより燃え上がらせると高速移動と共に回転する炎の輪を投げ付ける。
 少しでも当たってしまえば、あっという間に丸焼きにされてしまうだろう。
「ぎゃー! しかもめっちゃ速く迫ってくる!」
 うさみっちは元々小さな体に高い機動力、そこへ逃げ足と早業も加えた事で、避ける事自体はそう苦でもなかった。
 一方の輸入道は、もっと怖がらせてやるとばかりに『敢えて攻撃を当てずにギリギリのところを狙う』事で、精神的優位にも立っていたのだ。
 なんと言うサディスティックさか!
「ぴゃあぁぁぁー……!」
「フハハハーッ! そら逃げろ逃げろォー!」
 必死の追いかけっこが続く。
 第三者目線からすれば、なんとも楽しそうな光景にも見えるが本人からすればそれどころではない。
 いつまでこの時間が続くのかと思われたが、ここでうさみっちが反撃に出る。
「くそぉ、こうなったら……ワルみっち軍団召喚! カモーン!!」
 苦し紛れ気味に『でんこうせっかのワルみっちスナイパー(ウサミノ・ガンガン・ショータイム)』でワルみっち軍団を呼び出す。
 因みに今回の彼らはカクリヨファンタズム仕様、即ち妖怪の格好である。
 その手には水鉄砲や放水砲があった。
「ヒャッハー悪い妖怪は消火だー、というわけで……全員位置につけ! 構え! 発射ー!」
「ヒャッハー!」
 うさみっちが命令を下すと同時に、ワルみっち軍団の一斉放水攻撃が放たれる。
 炎を駆使する相手なら、水に弱いのではないかと言う閃きからだ。
「ヌオーッ!? ア、アァッ、我の炎が……!」
 放水を受けた輸入道の炎が小さくなる。
 燃え盛る炎こそが力の源でもある輸入道は水に弱かったのだ!
 しかも73分の1秒で放水攻撃が行われる事もあるため、高速移動する輸入道を捉える事は容易である。
「お前らに逃げ場はなーい! ふははははー!!」
 うさみっちが一転攻勢とばかりに強気になる。
 先ほど逃げ回っていたのが嘘のようだ。
「アァ……我らが消えるゥゥゥ……!」
「オォォー……!」
「グアァァ……!」
 大量の水を浴び、輸入道が消滅するとその跡から妖怪が這い出てきた。
 やたらとびっしょりになっているが、そこは已む無しである。
「フフン、見掛け倒しだったな!」
 一転して勝ち誇るうさみっち。
 咄嗟の判断による反撃が無ければ、まだ逃げ回っていた事だろうが……
 そこは勝てばよかろうなのだの精神で、一つ。

成功 🔵​🔵​🔴​

雨咲・ケイ
おぉ、あの有名な輪入道ですね!
……と感動してる場合ではありませんね。
写真を撮りたい所ですが……グッと我慢して
早急にやっつけて本来の姿に戻ってもらいましょう。

【POW】で行動します。

敵に囲まれないようポジションに注意しながら接近していきます。
敵の突進は、ルミナスからサイキックエナジーを放ち
勢いを減衰させてから回避。
そのまま側面から【魔斬りの刃】を放って攻撃します。
敵が連携を狙うようであれば、邪鬼を祓うスノーホワイトの
薔薇の香気で攪乱しましょう。

元に戻った妖怪さんは無事ですよね?
お怪我はありませんよね?(汗)

アドリブ歓迎です。



●やっぱりここは天国?
 さて、先程は現れた輸入道を前に恐怖する猟兵がいた訳だが、その逆のケースもまた存在している訳であり……
「おぉ、あの有名な輪入道ですね!」
 ケイは現れた輸入道を前に早速目を輝かせる。
 妖怪が大好きである彼の事は、先の宴会場でも説明した通りだが……ここでも例に漏れず感動を隠せない様子だ。
 ……だが一番の問題は、この輸入道が骸魂を飲み込んだ敵である事。
 つまり、戦わねばならないのだ!
 大好きな妖怪と戦って、倒さねばならないと言う辛い決断(?)を迫られていると言ってもいいだろう。
「……と感動してる場合ではありませんね。写真を撮りたい所ですが……グッと我慢して、早急にやっつけて本来の姿に戻ってもらいましょう」
 いや、その気持ちは分かるけど相手は敵だからね!?
 きっとケイは『輸入道が敵でなければ……』と思っているに違いない。
「……あの猟兵、何故我らをじっと見ているのだ?」
「いや、分からん……何か企んでいるのか……?」
「その割には仕掛けてくる様子が無いぞ……?」
 ケイから熱い興味の視線を向けられ、困惑する輸入道。
 こんな事は初めての体験……と、言っていいのだろうか。
 しかし、連中は気を取り直してケイを倒すべく動き出そうとするのであった。

「ウオォォォ……ッ!」
 燎原火炎陣で激しくその身を回転させ、輸入道が体当たりを敢行する。
 その後方には仲間の輸入道も続いてきており、連携攻撃をしてくるのは明白だ。
「あれだけの回転で本体は目を回さないのか気になりますが……それよりも、後続がいるのは少し厄介ですね」
 襲い来る輸入道を前に、ケイがどう動くかを考える。
 もし囲まれてしまっては不利に陥るのは確実、ならばそうされないような位置取りを心掛けるべきであると判断し、注意深く距離を詰めていく。
 接触まであと僅かと言うところで、ケイがブレスレット型の増幅器・ルミナスからサイキックエナジーを放ち、盾状に展開する。
「喰らえぇぇぇい!!」
 輸入道の激しい体当たり!
 ドガッと言う音と同時に、衝撃と熱がケイを襲う。
 これが輸入道の力なのかと言う事に感心しつつも、サイキックエナジーの盾で体当たりの勢いを削いだ直後、横へ回り込むように回避する。
 側面から輸入道を攻撃しようと言うつもりのようだ。
「まだまだぁぁぁ!!」
 だが、そうはさせじと後続からやってきた別の輸入道が体当たりを仕掛ける。
(思ったよりも速い……! ここは速さについても推測したいところですが……)
 今は戦闘中である。
 おそらく後続の輸入道が更にやってくるに違いないと直感したケイは、搦め手を使う事を決めた。
「この邪気を払う香気、お近付きの印としてどうぞ」
 胸ポケットから雪のように白い花弁の薔薇『スノーホワイト』を取り出し、薔薇の香気をふわりと振り撒く。
 心を落ち着けるいい香りがケイの周囲に漂うと……
「ぐ、ぐおぉぉッ!? なんだこの匂いは……!?」
 無害な者に対してはいい香りであっても、邪悪な骸魂であるオブリビオンからすればこの香気は強烈な刺激臭だったらしい。
 体当たりはケイの手前で大きくコースが逸れると、コントロールを失ったかのように暴走する。
「妖怪を倒すのは心が痛みますが、相手が骸魂であれば仕方ありません……」
 暴走した輸入道の動きに合わせて、タイミングを取りつつ構えを取る。
 ……そして!
「お覚悟を……せやあぁぁぁーッ!」
 ザンッと『魔斬りの刃(マキリノヤイバ)』で輸入道を一閃する!
「あぱァァァーーーッ!?」
 光輝く手刀は輸入道を横真っ二つに両断した。
 他の輸入道もスノーホワイトの香りで攪乱されており、そのままケイの手によってバッサリと両断されていくのであった。

 なお、ケイが心配していた骸魂に飲まれた妖怪は何事もなく、その場で気絶していたのを見てホッとしたそうな。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
思惑通りに妖怪を取り込ませるわけにはいきません。
すぐに骸魂を倒すから、もう少し待っててください。

先ほどはいっぱい食べたので、ここで動いてカロリー消費しないと。

さて、まずは輪入道を何とかしないといけません。
動きの速い相手なので、足を止めたいところです。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【獅子剛力】を使い、ヨーヨーで輪入道を捕らえたところを
そのままヨーヨー代わりにして、他の輪入道達にぶつけて【なぎ払い】ます。

形も似てるから、結構便利に使えるのではないでしょうか。
しかも燃えてるから【属性攻撃】も付きそうですね。



●後にこの世界で『輸入道ヨーヨー』と言うアイテムが流行したそうです
「先ほどはいっぱい食べたので、ここで動いてカロリー消費しないと。……うっぷ」
 先の宴会場にてガッツリ食べまくった摩那は少し苦しそうな様子であった。
 戦闘中、ちょっと大変な事にならないか心配ではあるが……猟兵なら大丈夫であろう(あまり根拠のない確信)。
「それに、思惑通りに妖怪を取り込ませるわけにはいきません。すぐに骸魂を倒すから、もう少し待っててください」
 摩那は輸入道を見据えて呟く。
 ……あの中には先行して骸魂に飲まれた妖怪がいると言う。
 彼らを救うためにも、そしてこの世界の危機を救うためにも今ここで足止めを喰らう訳にはいかない。
(それにしても、あの見た目は……なんだかヨーヨーみたいな感じね)
 ふと、摩那が輸入道の姿を見て率直な事を思う。
 車輪の軸部分に紐を通してしまえば、大分それっぽくなりそうな気がするが……
(……あ、閃いた。ちょっと試してみようかしら)
 何かとんでもない事を思い付いたであろう摩那が、脳内で電球をピカーンと光らせる。
 一体何をしようと言うのか?
 ……いや、何をする大体分かるような気もするが本当に出来るのか!?
 そんな摩那の思惑とは裏腹に、輸入道が動き出した。

「潰れるがいいわッ!」
 輸入道が勢いを付け、摩那に襲い掛かる。
 飲み込んだ妖怪が弱いせいで本来の力を発揮出来ない輸入道ではあるが、攻撃そのものは決して侮る事の出来ない物だ。
(……後はタイミングを合わせて一気にやってみる、これが上手く行くかどうかは出たとこ勝負!)
 摩那は覚悟を決めたような目で輸入道の体当たりを待ち受ける。
 このまま体当たりを受けてしまうのか!?
「見えた、ここっ!」
 ……否、摩那が輸入道の体当たりに当たる手前で……背面宙返りだ!
 精神を研ぎ澄まし、時間の流れがスローモーションのごとくゆっくり流れる。
 狙うべきポイントは輸入道の車輪、軸に当たる部分だ。
 愛用のヨーヨー『エクリプス』を両手に持つと、そこへ向けて放つ。
「接地、反転。アンカー作動……力場解放!」
 摩那は『獅子剛力(ラ・フォルス)』でエクリプスを伸ばすと、輸入道の軸部分を捕縛し……
「よぉし、捕まえた!」
「……!?」
 そのまま輸入道の体を空中に振り上げると……
「そぉ、れっ!」
 ……おお、見よ!
 なんと摩那は輸入道を巨大なヨーヨーに見立てて、後続からやってくる別の輸入道に向けて投げ飛ばしたではないか!!
 なんたる力業か!!
「グワーッ!?」
「グワーッ!?」
 そして輸入道同士が激しくぶつかり合うと、ぶつけられた方が大きく吹き飛ばされる。
 投げ飛ばした摩那のパワーが乗せられた事で、その威力は大きく上がっていたのだ。
 実際に見てみれば、なんとも無茶苦茶な攻撃方法ではあるが……まさに猟兵だからこそ出来る業と言ってもいいだろう。
「うん、上手く行った! さて、この輸入道ヨーヨーで勝負よ!」
「な、なんと無茶な事を……!?」
 摩那の予想外すぎる攻撃を前に、輸入道もただただ唖然とするしかない。
 因みにヨーヨーにされた輸入道は逃げる事も出来ず、彼女の手によりコントロールされて、今もなお空中でグルングルンと振り回されている。
 超人的ヨーヨーテクニック!
「それ、犬の……もとい、輸入道の散歩!」
「グワーッ!!」
 地面を滑るように輸入道ヨーヨーが走ると、激しい激突音と共に輸入道が吹き飛ばされる。
「続いて世界一周ならぬ、カクリヨファンタズム一周!」
「ホゲーッ!!」
 輸入道ヨーヨーをダイナミックに振り回し、別の輸入道が弾き飛ばされる。
 ……この後も摩那はヨーヨートリックで襲い来る輸入道を次から次へとなぎ倒していくのであった。

 ところで、この戦いの一番の被害者ってヨーヨーにされた輸入道に入っていた妖怪ですよね……?

成功 🔵​🔵​🔴​

オル・フィラ
なるほど、あれを撃てばいいんですか
いただいたご飯の分は、ちゃんと働かないといけませんね

見た目は車輪ですけど、普通に転がって攻撃してくるとは思わない方が良さそうです
勘を頼りに標的の機動を予測、あちらの攻撃を回避しつつ顔面を狙い【泥流弾】を撃ち込みます
炎の輪も私の弾で相殺できれば良いのですが、駄目そうなら一旦退避して機会を窺いましょう
ギリギリ間に合わせる迎撃を、直撃を受けたように見せかけて、隙を誘うのも面白そうです
加減できるほど器用ではありませんので、遠慮なくやらせてもらいますよ

ご飯を陰謀に利用する邪な存在は、消し去らなければいけません
遍く世界に、ご飯のあらんことを



●人は食べ物が絡むと強い(個人差があります)
「なるほど、あれを撃てばいいんですか」
 初手から物騒な!?
 しかし、やる事としては何も間違っていない。
 むしろ分かりやすくていいと言う物だ。
「いただいたご飯の分は、ちゃんと働かないといけませんね」
 君、結構律儀だね!?
 いやまあ先の宴会場では美味しいご飯で餌付けされた訳だし、その辺りの恩は感じていると見ていいのか。
「速やかに事件を解決して、また新しい鮭おにぎりを用意してもらいましょう。一仕事終えた後の味は格別です」
 ってそっちかーい!
 もっとも、あの妖怪達の事だ……事件解決の一報を聞けば喜んでくれるし、鮭おにぎりと美味しい味噌汁だって用意してくれるはずだろう。
 そのためにも、輸入道と黒幕であるキョンシー木綿を倒さなければ。
「それにあまり時間が無いと聞きます。腹が減ったら善は急げ、とも言いますね」
 混じってる、それ混じってるから!
 ……それはともかくとして、オルは愛銃である『MUD-CP』を構える。
 自分がやるべき事は一つ、こいつで敵を撃って倒す。
 それだけだ。

 まず先手を撃ってきたのは輸入道からであった。
 激しい炎をその身に纏い、高速移動でオルに迫る。
「なるほど、なかなか早いようです。見た目は車輪ですけど、普通に転がって攻撃してくるとは思わない方が良さそうです」
 マイペースに、かつ冷静にオルがやってくる輸入道を分析する。
 どんな時でもブレずに行動出来るのは、ある意味長所かもしれない。
(おそらくはこちらの動きを読んで仕掛けてくるはずです。ならば、こちらはその裏の裏をかけばいいだけの話です)
 勘を頼りに標的の機動を予測するオル。
 こう見えても自身の勘は割と鋭いようで、何となくこっちと選んだ方へとサイドステップすると……
「潰れろ! ……何ッ、読まれた!?」
 間一髪!
 オルは輸入道の高速体当たりを寸前のところで躱した……だけでなく。
「そこです」
「アッギャァァーッ!?」
 すれ違いざまに泥流弾を至近距離から輸入道の顔面に叩き込む。
 放たれた弾丸が顔面を侵食し乱雑に破壊していくと、弾け飛ぶように破裂。
 その中から飲み込まれた妖怪が放り出された。
「まずは一つです」
「おのれ、よくもやってくれたな!」
 仲間がやられたのを見て、別の輸入道が回転する炎の輪を次々と飛ばしオルへ牙を剥く。
「こんな物は射撃訓練と思えば楽勝ですが……一つ、閃きました」
 オルは飛んでくる炎の輪を撃ち落とそうとするが、ここで何か思い付いたらしく迎撃を止めて一旦退避する。
「ええい、逃がす物か!」
 輸入道が逃がさんとばかりに追いかけつつ、火の輪を射出。
 時折後ろを振り返りつつ、オルは飛んでくる火の輪を避け続ける。
 そしてそろそろ限界かと言うところで反転し、泥流弾で迎撃を試みる……が。
「あうっ!」
 寸前での迎撃は間に合わず、火の輪がオルに直撃!
 バランスを崩してその場に転がってしまったではないか!!
「フハハッ、我々を舐めたらどうなるか……教えてやろうではないか!」
 勝機とばかりに輸入道がその身を激しく燃やし、じわじわ近付いてくる。
 これはピンチか!?
「さあ、我を恐れよ。そして絶望に満ちた顔を見せ……」
 その時、輸入道は視線の先に光る何かを見た。
 ……次の瞬間!
「引っかかりましたね」
 その言葉と共に、泥流弾が放たれた。
 それを油断しきっていた輸入道が回避出来るはずもなく……
「グワアバババババーーーッ!?」
 そのまま顔面を破壊され、輸入道が弾け飛んだ。
 騙し討ちである。
「慣れない事をする物ではありませんが、上手く行きました。それに、私は加減できるほど器用ではありませんので、遠慮なくやらせてもらいますよ」
 再びハンターの目に戻ったオルが、容赦なく輸入道を狩っていく。
 連中が彼女の高い射撃能力からは逃れる事など出来はしなかった。

「ご飯を陰謀に利用する邪な存在は、消し去らなければいけません。遍く世界に、ご飯のあらんことを」
 そうして、輸入道を一通り片付けたオルが決めセリフを放つ。
 ……言ってる事がちょっと締まらないなどとは言ってはいけないぞ!

成功 🔵​🔵​🔴​

山根・桜桃
やれやれだにゃー
漫才のお喋りが楽しくても、それで許されると思ったら大間違いにゃん!
…って、漫才コンビの前に足止めの雑魚っぽいのが現れた?
んー、でもあの子たちも善良な妖怪が取りつかれてるんだよねぇ?
仕方ない、全力で手加減するにゃ!

さぁさ、ゆすらちゃんの大秘術!槍の弾幕をその車輪で避けれれるかにゃ?
【審判「刀葉林」】
無数に現れる槍の林!6倍の速度で避けきれるものなら避けてみるがいいにゃー!
ずらーっと空中に浮いた槍衾から、時間差を置いて次々と発射される槍の美しさ、たっぷり堪能するにゃ!

…あ、仮に避けきっても、その頃にはお昼寝昏睡状態だろうから、手持ちのオリジナル刀葉林でグッサリ刺して終わらせるにゃ♪


シルス・レヴィナス
◎アドリブ等歓迎

火炎か、世界共通で強力だな
燃料は…あれは感情と寿命で補ってるのか
囚われている妖怪に誤射しない様に注意して、と

【SPD】

回転する炎はまず軽減を図る
薙ぎ払いでいなす、又は火炎耐性、オーラ防御で耐える等

折を見て…睨む!
UCの『射手と黒夢』
主に(自分の)精神面にダメージが来るが
先刻のご馳走の栄養分で
差し引き0に…マイナスにならない程度に行こう
余り見るなよ!?俺もかなり恥ずかしい!(心の叫びがダダ漏れ)

天候操作で一時的にゲリラ豪雨にして
相手の『燃え盛る炎』の勢いが弱まるか、多少でも怯んだらスナイパー+呪殺弾の一斉発射で炎の輪も含めて撃墜する!以上!

まだ終わっていない
も、もう少し頑張ろう…



●輸入道をやっつけろ!
「やれやれだにゃー……漫才のお喋りが楽しくても、それで許されると思ったら大間違いにゃん!」
 ビシッと指差し、桜桃がどこかズレたような事を言う。
 ……あの、一応あいつは悪い奴なんですが大丈夫なんでしょうかね?
「ああ、この世界を滅ぼそうとしている奴を黙って見過ごす訳にはいかんな」
 と、シルスが軌道修正するかのようにまともな一言。
 良かった、ツッコミ役がいたぞ!
 桜桃だけだと一人でボケ倒して色々大変な事になりそうだったからね……
 それはさておき、二人は早速キョンシー木綿と戦おうとするのであったが。
「……って、漫才コンビの前に足止めの雑魚っぽいのが現れた?」
「火炎か、世界共通で強力だな。燃料は……あれは感情と寿命で補ってるのか」
 そこへ現れた輸入道を前に足止めをされてしまう。
 ボス戦の前にザコ戦と言うお約束をよく分かっている敵のようだ。
「んー、でもあの子たちも善良な妖怪が取りつかれてるんだよねぇ?」
「骸魂に飲まれた妖怪と聞いているな。少しばかり面倒な事になりそうだ……」
 倒せば妖怪が解放されるとは言え、あまり派手にやりすぎてしまうとどうなるか分からない。
 ……まあ、先の戦闘で他の仲間が大分エクストリームな戦いっぷりを見せていたので、割となんとかなるかもしれませんが!
「仕方ない、全力で手加減するにゃ!」
 全力で手加減……一体どんな感じなんでしょうかね、それ。
 ゆっくり走れとか光の速さで歩け、みたいなイメージなんでしょうか。
「よし、それじゃあやるか。……お嬢ちゃん、行けるな?」
「ふふーん、ゆすらちゃんはこう見えても地獄の獄卒。あのくらいの妖怪なら、なんて事ないにゃ!」
 子供には優しいシルスが桜桃に対して問いかける。
 本人曰く『これでも何百年と生きてる大妖怪』との事だそうだが……見た感じは十割低身長のお子様だ。
 もっとも、そんな事を口にしたら全力で反論してくるのだが。
「そいつは頼もしいな。なら、早いとこカタを付けて世界の滅びを止めないとだ。……だが、もし何かあったら俺を頼ってくれよ?」
「おっけーだにゃ! それじゃあ、行くにゃー!」
 各々が武器を構えると、輸入道もこちらを睨み付けている。
 まさに一触即発の状況だ。
 そして誰が合図をした訳でもなく、双方が動き出すと同時に戦いが始まった。

 輸入道が高速で二人に向けてやってくる。
 シルスを狙う方は紅蓮疾走、桜桃の方はファイアホイールスピニングでそれぞれ攻撃を仕掛けてきた。
「いきなり激しいな。これはまず勢いを削ぐところからか」
 シルスは革命剣を抜くと、輸入道が放った回転する炎の輪を薙ぎ払う。
 一つ、二つと弾き返し、間に合わない分はオーラ防御で威力を落とす。
「むむっ、雑魚の割にはなかなかやるようだにゃ」
 桜桃の方は、六倍の能力でやってくる輸入道の攻撃をヒョイヒョイと避ける。
 元が化け猫と言う事もあってか、かなりのすばしっこさだ。
 二人は攻撃を受け止めたり避けたりしつつ、輸入道の猛攻を凌いでいく。
「よし、ここだッ!」
 と、唐突にシルスが反撃のチャンスとばかりに輸入道を睨んだ。
 一体何をと思ったがその時、不思議な事が起こった。
 シルスの顔が『誰もが二度見する正統派イケメンの王子様』に変身していたのだ。何故か。
 普段の彼は『地獄を潜り抜け、激戦の中で生きてきたシブメン』と言った感じだが、それが一転して前述のイケメンに……これは一体何事なのか。
「オ、オォ……? これは一体……?」
 輸入道がシルスを二度見する!
「おぉ、お兄さん格好良いにゃあ……」
 桜桃もシルスを二度見する!
「余り見るなよ!? 俺もかなり恥ずかしい!」
 しかし当事者のシルスは心の叫びがダダ漏れだ!
 ……さて説明が遅れたが、これはシルスのユーベルコード『射手と黒夢(プリンス・スナイパー)』だ。
 敵を睨み付ける事で(何故か)誰もが二度見する正統派イケメンの王子様に変身し(何故か)スピードと反応速度が爆発的に増大すると言った物である。
 使用中は本人に精神的ダメージが行く事で寿命を削る難点はあるが、輸入道に対抗するにはこれしかないと踏んだのだろう。
 だが、不思議な事は更に起きた!
 突然ポツリ、ポツリと雨が降ってきたのだ。
 その雨は次第に激しくなり、戦場となっているヲリヲン通りの大広場がゲリラ豪雨に見舞われる。
 ここには屋根が無いため、雨粒が床のタイルにどんどん染み渡っていく。
「ア、アァッ!? マ、マズい……これでは……!」
 輸入道慌て出す。
 特に輸入道からすれば、この状況……豪雨で身に纏う炎が弱まってしまう。
 それは即ち、戦闘力の減退と言う他無い。
 因みにこれはシルスの天候操作で行った現象である。
 これが……イケメン王子様パワーなのか!(多分違う)
「囚われている妖怪に誤射しない様に注意して、と……」
 そんな中でも、シルスは愛銃『シューティングプレアデス』に呪殺弾を装填すると、爆発的に増大したスピードで走り出す。
「この状態ならば逃げられまい!」
 自分を狙ってきた輸入道に向け、呪殺弾を一斉発射すると……一発も外す事なく、輸入道の眉間にブルズアイ!
「グアァァァ……!」
「ゴオォォォ……!」
「ア゛ァ゛ー……!」
 シルスの見事な射撃で輸入道が消滅していくと、その中から飲まれた妖怪の姿が出てきた。
「おお、凄いにゃ! これはゆすらちゃんも負けてられないにゃー!」
 あっという間に数体仕留めたシルスを見て桜桃もやる気を燃やす。
 彼女を狙う六倍の能力となった輸入道には、先のゲリラ豪雨の効果があまり効いていないのか今もなお元気な様子を見せている。
「さぁさ、ゆすらちゃんの大秘術! 槍の弾幕をその車輪で避けれれるかにゃ?」
 おちゃらけて口にする桜桃の周囲には『審判「刀葉林」(ジャッジメント・ソード・フォレスト)』で悪業を裁く衆合地獄の槍『刀葉林』が多数複製され、宙に浮く。
「無数に現れる槍の林! 六倍の速度で避けきれるものなら避けてみるがいいにゃー!」
 その言葉と共に、刀葉林が特殊な軌道を描いて次々とミサイルのごとく放たれる。
 それはまるで板野サーカスめいた動きだ!
「ぬ、ぬうぅぅーーーッ!?」
 輸入道が高速で通り過ぎた地面に、刀葉林が鋭くズドドッと突き刺さっていく。
 いくら六倍の速度になったとは言え、輸入道は無数に飛んでくる槍の弾幕を避けるのに必死だ。
 しかも厄介な事に、ただ飛んでくるだけではなく時間差を置いて次々と発射されるのだから非常にタチが悪すぎる。
 それでも、避け続ければいずれあの槍は尽きる……そうなるはずであったが。
「よし、これで最後……う、しまった、時間、切……れか……!」
 最後の一本を避けた直後、ファイアホイールスピニングの効果時間が尽きてしまったらしく、その場にゴロンと横倒しになって昏睡する。
 それは僅か一分のみだが、その一分があまりにも致命的すぎる時間であった。
 ……そこへ桜桃がやってきた。
「よく頑張ったと褒めてやりたいとこだけど、罪の無い妖怪を飲み込んだのは重罪だにゃ。よって酌量の余地はない物として……」
 くるりとオリジナルの刀葉林を回し……
「判決……死刑(パニッシュメント)!」
 ドスッと輸入道にトドメの一撃を見舞った。
 なんともえげつないやり方にも見えるが、桜桃は地獄の獄卒。
 これくらいの事には慣れている。
 こうして輸入道を死刑に処すと、その姿は消滅し中から妖怪が現れるのであった。

「どうやらそっちも終わったようだな」
 事を済ませた後、いつものシブメンに戻ったシルスがやってくる。
 ゲリラ豪雨は既に止んだ後だ。
「さてさて、これであの漫才コンビと戦えそうだにゃ」
「ああ、まだ終わっていない。も、もう少し頑張ろう……」
 先のイメケン化の精神的ダメージが抜けきっていないのか、シルスが少し疲れた顔になる。
 がんばれ、あとちょっとの辛抱だぞ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『キョンシー木綿』

POW   :    キョンシーカンフー
【中国拳法の一撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    百反木綿槍
自身が装備する【一反木綿が変形した布槍】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    キョンシーパレード
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【キョンシー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アホだけどそれなりに力はある黒幕です
 輸入道は全て倒された……これで後は黒幕を倒すだけだ。
 その黒幕は短時間で部下が全滅した事に驚くと同時に毒づいた。
「ぐうぅぅぅ、足止めにもならんか! 使えん奴らめ!!」
「そもそも飲み込んだのが力の弱い妖怪だからダメだったんだヨ……」
「ええい、そんな事は分かっておるわ!」
 またセルフのボケ・ツッコミを行う黒幕、キョンシー木綿。
 キョンシーの少女を飲み込んだ時から、こんなノリなんですかね?
「こうなれば仕方ない、儂自らが相手をしてくれよう……だが、その前に!」
「う、あぁぁぁーーーッ!?」
 体がドス黒い瘴気に覆われると、キョンシーの少女が苦しみ出した。
 一体何を!?
「ヒョヒョヒョ……より深く、儂とこの娘が一体化したのだ。それを証拠に、こんな事も出来るぞ……ホイ!」
 右手を上げると、先の戦闘で消滅したはずの輸入道の骸魂や、その場で気絶している妖怪がキョンシーに形を変える。
 黒幕はただのアホだと思っていたが、これは少々面倒な相手になりそうだ。

「さあどうする猟兵! 儂を倒せばこの異変は終わり、世界の滅びは止められる! だが、儂を倒せば一体化したこの娘の命は無いぞ!」
 アホのくせになんと卑怯な真似を!
 しかし、そこへキョンシーの少女が苦し紛れに口を開く。
「ア、アタシの事なら大丈夫ヨ……ちょっとくらい激しくやっても、死なないからネ……だってもう死んでるシ」
 ……あっ、そういやそうだった。
 迫真の演技にすっかり騙されるところだったが、そもそもキョンシーはアンデッド系列の妖怪じゃないか。
「あーッ! お前ー!? 儂の完璧な作戦をブチ壊しにしおってぇぇぇ!!」
 そして作戦の穴を突かれ逆ギレする一反木綿……やっぱりこいつ小物なのでは?
 とは言え、力が強いのは間違いないし油断は出来ない相手のはずだ。
「思いっきりやっちゃってヨ、猟兵さん達……アタシ、痛いのに慣れてるかラ。……あ、でも体は出来るだけきれいなままでお願いするネ……」
「ぐぬぬぬぬ……最早言葉は無用! 儂の力を見せてやろうッ!!」
 キョンシー木綿が(一反木綿に操られるかのように)戦闘の構えに出る。
 さすがに彼女の体が損傷するのはよろしくないので、その辺りを考慮した上で戦わねばならないだろう。

 ……さあ、これが最後だ。
 キョンシー木綿を倒し、異変を終結させよう!
アストラ・テレスコープ
さいしゅーけっせん!

腰のミニロケットをバシューっと噴射して「空中浮遊」しながら、
量産されたキョンシーたちを乗り越えてボスのキョンシー木綿にどんどん近づくよー!

上空から弓を構えて必殺「流鏑流星(メテオリックストライク)」!
やったね!


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
面白いだけの方ではなさそうですねぇ。
それでは、参りましょうかぁ。

【銀翼袍】を使用し飛行、『崩壊の波動』を放射しますねぇ。
此方は『敵全て』への効果ですから、私がキョンシーさんを『敵』と認識しなければ、一反木綿だけを対象に出来ますぅ。

私が『飛行中』、且つ『速度』や『弱い認識阻害』を合わせますと、一反木綿の能力で飛行出来たとしても『拳法』で私を捉えるのは難しいでしょう。
飛行や攻撃の為に『一反木綿の部位』をキョンシーさんの体から伸ばしましたら、その『伸ばした場所』だけを『F●S』3種の[砲撃]や[カウンター]で狙いましょうかぁ。

終わったら、キョンシーさんも一緒に宴会に行きます?



●初手作戦ミス
 ひとまず思いっきり(ただし体を乗っ取られているキョンシーの少女の体の事はある程度考慮して)やってもいい、と言う事はハッキリした。
 ここからいかにして黒幕を叩きのめすかが一番の問題となる訳だが……
「さいしゅーけっせん! ……なんだけど、周りに邪魔がいっぱい!」
「ただ面白いだけの方ではなさそうですねぇ。さて、どうしましょう」
 アストラとるこるの二人は相手を見やる。
 キョンシー木綿の前には壁となるような形で、倒された輸入道やその場で気絶した妖怪がキョンシーに変えられてしまい、その場に立ちはだかっている。
 連中は戦闘力こそ大きく落ちるが、数自体は結構な物で相手にするには骨が折れる事だろう。
 それに加えて、どのキョンシーが輸入道or気絶した妖怪の変化した物かが判別しづらいと言うのも厄介な点だ。
 倒したキョンシーが助けるはずの妖怪だった、なんて事になったら一大事だ。
 ……黒幕はアホのくせに結構頭の回る奴ですね!
「ヒョーヒョヒョヒョ! 判別が出来なければ、迂闊にキョンシー共を倒す訳にもいくまい! しかぁし、そいつらはお前達を容赦なく狙ってくるぞぉ!」
 まさに完璧な作戦だと言わんばかりに、キョンシー木綿が(乗っ取った体のキョンシーの少女の声で)笑う。
 既に彼女の体と意識は一反木綿に乗っ取られてしまっていると見て良さそうだ。
「むー、なんて卑怯な手をー!」
「これではキョンシーを蹴散らして進むと言う訳にもいきませんねぇ……」
 相手の卑怯さに憤慨するアストラ、悩むるこる。
 アレをなんとかしない限り、キョンシー木綿に攻撃する事は出来ない。
「そしてお前達がボヤボヤしていれば、この世界にもうすぐ無数の骸魂がやってくる! そうなってしまえば儂の勝ちよ! ヒョヒョヒョー!」
 勝ち誇ったように笑うキョンシー木綿。
 ……あの、ところで『相手が勝ち誇った時、そいつは既に敗北している』って言う言葉と言うかフラグがありますよね?
 今の状況ってまさにそれでは?
「……うん、確かにキョンシーをやっつけて進む事は出来ないよねー」
「……そもそもやっつける事が出来ないのなら、別の手がありますよねぇ?」
 ふと、何か悪い笑みを浮かべたアストラとるこるがお互いの顔を見合わせ、うんと頷く。
 おそらく、二人の考えている事は口にせずとも一致したのだろう。

「さあキョンシー軍団よ、やれい!」
 二人が何を企んでいるかも知らないまま、キョンシー木綿がバッと右手を差し出して命令すると、キョンシー軍団が一斉に移動をし始める。
 数が多い分、取り囲まれてしまうと猟兵とて劣勢に立たされるのは必至だ。
「地上からキョンシーがやってくるのなら!」
「こっちは飛んでしまえばなんともないですぅ!」
 アストラは腰のミニロケットを噴射させて、るこるは『豊乳女神の加護・銀翼袍(チチガミサマノカゴ・ギンヨクノショウゾク)』で女神の衣を纏い、飛翔する。
 二人が空中浮遊状態になった事で、地上のキョンシー軍団は攻撃が届かず、ただその場でピョンピョンと飛び跳ねて何とかしようとする。
 だが二人に届かない以上、何の意味も無い行動であった。
「あーッ!? お前達、卑怯だぞーーーッ!!」
 ……キョンシー軍団攻撃、破れたり!
 そもそも対空攻撃すら持たない連中と言う時点で、この作戦に穴があった事にキョンシー木綿は気付いていなかったのだ!!
 ……あれ、やっぱりこいつアホなんじゃ?
「そっちが先に卑怯な手を使ったんだから、おあいこだよー!」
「ぐぬッ……!」
 アストラのド正論に何も言い返せないキョンシー木綿。
 このままでは近付かれて自分が狙い撃ちにされる事に気付いてか、すぐさまキョンシー軍団に命令を出す。
「ええい、キョンシー軍団……戻れ! 儂を守るのだ!」
 攻撃に使えないのなら防御に使えばいい。
 そうすれば、猟兵は迂闊に攻撃すら出来ないはずだと言う事を確信しての手だ。
「確かに判別の出来ないキョンシーを壁にすれば、私達が攻撃しづらいのはありますねぇ。ですが……」
 しかし、るこるの方は更に先の手を考えていた。
 彼女の身からパァッと何かが戦場に放たれる。
「なんだ、何をしたのだ? まあいい、キョンシー軍団、儂を……ンン!?」
 命令したはずのキョンシー軍団が戻って……こない!
 それもそのはず、るこるが放ったのは認識阻害を伴う強力な『崩壊の波動』。
 これを浴びたキョンシー軍団はアストラとるこるを敵と認識出来ず、攻撃してくる対象が判別出来ない事から、命令が聞けずに辺りをうろつく事しか出来ずにあった。
「おのれ、舐めた真似を……ならば儂の力を見るがいい! ホアァァァーッ!!」
 キョンシー木綿が怪しい掛け声と共にダッシュ、ジャンプすると同時に飛び蹴りを敢行する。
 それをるこるはFSSで受け止めるが、威力はなかなかの物らしくシールドの出力が一発だけで大きく減少していた事に気付く。
 一反木綿がキョンシーの少女と深く同化した事で、彼女の操るキョンシーカンフーの威力は大きく上がっていた。
「むむっ、これは油断ならない相手ですねぇ……」
「まだまだ、儂はこんな事も出来るぞ! ぬぅぅぅーんッ!!」
 続いてキョンシー木綿の体に纏わり付く一反木綿の部分が変形した布槍となって複製されると、ミサイルのようにアストラへ向けて次々と発射される。
「おおっと、これはなかなか危ないね! ……でも、負けないよー!」
 アストラはコズミックロングボウを構え、空中から狙いを付ける。
 ……溢れる想いを弓に込め、燃える心よ今ここに!
「これが私の全力全霊……いっけーーーっ!」
 そして放て、この力!
 アストラの『流鏑流星(メテオリックストライク)』がコズミックロングボウから、華々しく光り激しく燃える流星のような矢弾となって無数の布槍へ向けて撃ち返される。
 流星矢弾は飛んできた布槍を易々と焼き払うと、容赦なくキョンシー木綿へと牙を剥く。
「なッ、なにィーッ!?」
 慌てて布槍を変化させ、盾にしようとするが間に合わない!
 流星矢弾は次々とキョンシー木綿の身に着弾していく。
 そこへ、更に!
「隙あり、ですぅ。こちらもどうぞぉ」
 るこるが浮遊武装三種による砲撃で追撃!
 一反木綿の部位を的確に狙った一撃が部位に穴を開けていく。
「おごごごごッ!! わ、儂の体に穴を……おのれぇ……!」
 体に開けられた穴は一反木綿の妖力で回復していくものの、ダメージを受けた事は間違いないようだ。
「よーし、大当たり! やったね!」
 まずは一撃叩き込めた事を喜ぶアストラ。
「あっ、そうだ。終わったら、キョンシーさんも一緒に宴会に行きます?」
 るこるは体を乗っ取られているキョンシーの少女に呼びかける。
「無駄な事を、既にこの娘の意識は既に儂が……」
「えッ、いいノ!? アタシにもご飯食べさせてくれるノ!?」
 ビクンと反応し、キョンシーの少女の意識が一瞬戻って返答する。
 ……あの、ホントに乗っ取られているんですかこれ?
「……だーッ、お前は黙っておれーッ!」
 慌てて少女の意識を引っ込める一反木綿。
 色々な意味でガバガバですね、この黒幕……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒木・摩那
あとはキョンシーさんを乗っ取ってる一反木綿を裁断して雑巾にするだけです。
とはいえキョンシーさんの頭や手を切り落としてしまうのはまずいわけですね。
そうなると剣は使いにくいですね。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
UC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】【風の魔力】を付与します【属性攻撃】。ヨーヨーの周りに水流の渦を作って、巨大化。
これでぶん殴れば、布はちぎれるし、濡れて重くなって一石二鳥!
雑巾もすぐに使えますね。

軌道は【念動力】で曲げて回避困難にします。
防御は【第六感】とスマートグラスのセンサーで対応します。

ドカーン、といってみましょうか。



●ところでこれって雑巾に使えるんでしょうか?
 早々にキョンシー軍団攻撃は失敗に終わった。
 そもそもにして作戦が穴だらけと言う時点でどうにかならなかったのかと思うだろうが、黒幕の一反木綿がアホだから仕方ない。
「ついにここまで来ましたね。あとはキョンシーさんを乗っ取ってる一反木綿を裁断して雑巾にするだけです」
 続いてキョンシー木綿と対峙するのは摩那であったが、いきなり凄い事を!?
 一反木綿雑巾とか、ちょっとアイテム的にはどうなんですかそれ!?
「ヒョッ!? 何か偉い恐ろしい事を口にしておるぞ、この娘!?」
 当然、その発言を耳にした本体の一反木綿はビクッと恐怖する。
 雑巾にされると言う事自体が、奴にとって何よりも恐ろしいようだ。
「とはいえキョンシーさんの頭や手を切り落としてしまうのはまずいわけですね」
「そうだヨ、取れた腕や足をくっつけるの大変なんだからネ! 頭は尚更ヨ!」
 またしても意識が戻ったキョンシーの少女が反応する。
 アンデッド系妖怪とは言え、そっちはそっちで何かと苦労しているようだ。
 ……ところでこれ、完全に意識乗っ取られてないですよね。
「だからお前は出てくるなと言っておろうが! ……オホン。さあ猟兵よ、儂とどう戦うかな?」
 最早ただの面白妖怪に成り下がった(ような気がする)一反木綿が、不敵な笑みで尋ねる。
「そうなると剣は使いにくいですね。ならば、私はこれで行きます」
 先の戦いでも輸入道を倒した必殺武器、ヨーヨーのエクリプスを手にする。
「それで儂と戦うか! よかろう、では……行くぞ! ホアァァァーッ!!」
 キョンシー木綿がキョンシーカンフーの構えを取り、叫び声と共に勢い良く飛び出すと摩那に襲い掛かる。
 第二ラウンドの始まりだ。

「キョエェェーッ! イヤァーッ!」
 骸魂に飲まれ、力を増したカンフーの一撃が空を切る。
 なかなかに強烈なパワーとスピード、受け止めるだけでも厳しそうだ。
「……早い! なかなかやりますね」
 冷静に攻撃を避けつつも、反撃の糸口を掴むべく摩那は様子を見る。
 相手の出方をスマートグラスの分析を重ねる事で分かったが、攻撃には一反木綿の本体も加わっているようだ。
(アレを何とかすれば、キョンシーさんを傷付けずに本体へダメージを与えられそうですね)
「ヒョヒョヒョ! どうした娘よ、儂の攻撃を避けるだけで精一杯か!」
「いいえ、そろそろ反撃と行きますよ。……この力で!」
 その時、摩那のエクリプスが青と緑の光に包まれた。
 それを見たキョンシー木綿は、危険を感じて一旦後ろに飛び退き距離を取る。
「ドカーン、といってみましょうか。メイルシュトローム、シュート!」
 トリニティ・エンハンスで水と風の魔力を付与したエクリプスがキョンシー木綿に向けて伸ばされる。
「フン、そんな攻撃……攻撃……ゲ、ゲェーッ!?」
 キョンシー木綿は目を見開き驚愕する。
 飛んできたエクリプスの周りに水流の渦が出来、巨大化したのだ。
 更に大質量の渦が、念動力で不規則な軌道を描いて回避予測は困難に。
 これでは避けようにも避けられない!
「ホギャァァァーッ!? 儂の体がァァァ!!」
 あえなくキョンシー木綿が吹き飛ばされ、本体部分のいくつかがあっさり千切り取られて周囲に散らばる。
 ついでに体が濡れた事で、機動力も低下とマイナス効果も付与された。
「よし、一反木綿の布ゲットです。雑巾もすぐに使えますね」
 少し濡れた布の破片を素早く回収する摩那。
 ……あの、ホントにこれ雑巾にするんです?
「ヤメロー! 雑巾にするのだけはヤメローッ! この儂がそんな雑な扱いをされていいはずがなかろうッ!」
 そして本人的にはかなりの屈辱なのだろう、その身を雑巾にされる事に憤慨する一反木綿。
 妖怪のプライドとはよく分からない物ですね!

成功 🔵​🔵​🔴​

雨咲・ケイ
オブリビオンは世界を滅ぼす存在……。
一反木綿さん、かつての貴方は(えげつない伝承もありますが)
そんな事をする妖怪ではなかったはずです……たぶん。
心苦しいのですが、この世界の為に滅びて頂きます。

【SPD】で行動します。

敵の布槍は【光明散華】の氣弾で撃ち落とします。
撃ち漏らした布槍の攻撃は【オーラ防御】と【盾受け】を
併用して凌ぎつつ、そのまま突撃。
アリエルの盾を輝かせて【目潰し】を仕掛け
【グラップル】で一反木綿を捕まえてキョンシーから引き剥がし、
闇陽を纏った手刀でザクザクやっちゃいましょう。
妖怪に言うのもなんですが、迷わず成仏して下さい。

アドリブ歓迎です。



●ダイレクトアタック(物理的に)
「おのれ、なんたる屈辱! この儂がこうもいいようにやられるなど……」
 本体の一部を千切り取られた上、びしょ濡れとなったキョンシー木綿。
 少しずつだがダメージは与えられているはずだ。
「一反木綿にキョンシー……凄い、まさか二つの妖怪が一つになっているなんて」
 一方で黒幕と遭遇したケイはまたも生でお目にかかれた妖怪を前に、興奮が隠し切れない様子だ。
 一応、こいつが倒すべき敵なんですがね!
「む、何だお前……何故儂をそんな目で見ておる?」
 何やら自身にも熱い視線が向けられている事に気付いたキョンシー木綿が、どこか怪訝そうな顔をする。
 妖怪が大好きなケイからすれば、この世界はまさに楽園なのだから仕方ない。
「ですが残念です、オブリビオンは世界を滅ぼす存在……。一反木綿さん、かつての貴方はそんな事をする妖怪ではなかったはずです……たぶん」
 一部ではえげつない伝承もあると聞きますけどね!
「ヒョヒョヒョ、それは過去の話よ! 儂は幽世に辿り着けず死んだが、こうして骸魂となった。そして、まだここに辿り着けない仲間は山ほどおる」
「貴方はそのために、この異変を起こした……と」
「左様! それこそが儂の目的よ!」
 ケイに話を振られ、ノリノリで計画の全てを話すキョンシー木綿。
 一応、ちゃんとした理由(?)はあったんですね……
「心苦しいのですが、この世界の為に滅びて頂きます。ここは妖怪の楽園、決して滅んではいけない世界です」
「よかろう、ならば来るがいい! 儂を止めてみせよ!」
 双方が構え、世界の存亡をかけた戦いが始まる。
 ……もっとも、世界の危機はここじゃよくある事だったりするんですが!

「さて、こいつを凌げるかな!」
 一反木綿が変形した布槍がキョンシー木綿の周囲にいくつも展開される。
 例え濡れているとは言え、その威力は侮れないはずだ。
「……ゆけい!」
 掛け声と共に次々と布槍がケイに射出される。
「こちらも負けられません……これで!」
 ケイが『光明散華(コウミョウサンゲ)』で両手から実に73発もの氣弾を両手から次々と放つ。
 イメージ的な物で例えるなら龍の球(を英語読みしたアレ)的な何かで考えていただくとして。
 氣の流れを読む行動予測で布槍を次々と撃ち落としていく。
 だが射出数は向こうの方が上らしく、撃ち漏らした布槍がケイを襲う。
「なんの!」
 それをケイは装備している小型盾『アリエル』で受け流し、それでも間に合わない分はオーラ防御で威力を削いでいく。
 飛んできた布槍のいくつかが彼の身を掠めていく中で、攻撃を凌ぎつつキョンシー木綿に突撃する。
「こやつ、儂の攻撃を……!?」
 至近距離にまで詰め寄られると同時に、ケイのアリエルが眩く輝き出す。
 間近で放たれた強烈な閃光がキョンシー木綿の目にダイレクトアタックだ!
「アァーッ!? 目が、目がァーッ!!」
 キョンシーの少女とより深く同化している事もあり、本体である一反木綿の視界も奪われてしまう。
 その大きな隙が出来た機会をケイは見逃す事はなかった。
「確か本体は一反木綿のはず、ならば引き剥がします!」
 組み付くと同時に、キョンシーの少女に絡まっていた一反木綿を捕まえて器用に引き剥がし、そのまま手刀でスパスパッと切り裂く。
 今度は本体へのダイレクトアタックだ!
「ウギャーッ!? 儂の体が細切れにされるゥゥゥ!?」
 本体の四分の一くらいを切り裂かれ、手痛いダメージを受ける一反木綿。
 急ぎ妖力で体の再生を行うも、回復が追い付いていないようだ。
「妖怪に言うのもなんですが、迷わず成仏して下さい」
「ま、まだだ! 儂はまだ死ねん……ぐぬぅぅぅ!」
 ケイに体を切り刻まれるも、どうにかキョンシーの体に戻った一反木綿が焦りを感じ始める。
 猟兵の恐怖をこれから更に思い知らされる事になるのは言うまでもない。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
これがドシリアス依頼だったなら
少女と世界を天秤にかける葛藤に襲われながら戦うという
エモ切ない展開になったであろうに…(メタ発言
今度こそ命運尽きたなポンコツ木綿!

一反木綿が黒幕ということは
つまりあの布は容赦なくボコっていいわけだよな?
よーし、UCでさむらいっちゆたんぽと
まほみっちゆたんぽを半数ずつ複製!
襲いかかってくる布槍を迎撃!
槍の形してても所詮材料は布だ!
さむらいっちのよく切れる刀でスパーンとしたり
まほみっちの炎の属性攻撃魔法で燃やしたり

その隙に俺はキョンシー本人目掛け
うさみっちばずーかで愛を込めた一撃を放つ!
弾はゆたんぽだから、当たるとめっちゃ痛いだけで
キョンシーの身体は傷つけないぜ!



●あーもう滅茶苦茶だよ(主に展開が)
「これがドシリアス依頼だったなら、少女と世界を天秤にかける葛藤に襲われながら戦うというエモ切ない展開になったであろうに……」
 でも、悲しいけどこれってコミカル寄りシナリオなのよね。
 メタにはメタで返すと、もしかしたらそこからキョンシー少女とのロマンスもあったかもしれませんよ、うさみっちさん!
「マジかー。モテる男はつれーなー、かーつれーなー! でも、俺にはニコがいるからなー」
 でもその肝心のニコさん、残念ながら今回不在なんですよね。
 もし来ていたらよりカオスな事になってたかもしれませんが!
「ニコ、いい時にいないもんなー。これは帰ったらお説教しかないよなー」
「……お前はさっきから誰と話しておるのだ?」
 キョンシー木綿が先ほどから虚空に向けて会話しているうさみっちに問う。
 ……なんか以前にもこんなケースあった気しますね!
「気にするな、こっちの事だ! さて今度こそ命運尽きたなポンコツ木綿!」
「だ、誰がポンコツか!!」
 早々にポンコツ呼ばわりされて憤慨するキョンシー木綿。
 ……でも、そう言われてもおかしくないレベルのやらかし具合ですよね。
「……そうネ、確かに一反木綿は作戦が穴だらけよネ。ポンコツ言われてもおかしくないヨ」
 憑依先のキョンシーの少女が追い打ちとばかりに意識を戻してうさみっちに続く。
 割と容赦ないっすね、この子。
「だよなー、やっぱりポンコツだよなー」
「だからお前は引っ込んでおれーッ! ……ええい、どいつもこいつもこの儂をコケにしおって……!」
 立て続けにバカにされた事で本体の一反木綿が怒りに震える。
 ポンコツさんおこなの?

「儂の布槍で穴だらけになるがいいわ、小さいの!」
 キョンシー木綿は再度、自身の周囲に布槍を複製・展開する。
 もしもアレが一発でも当たってしまえば、うさみっちが(絵的に)モズのはやにえとなってしまう事は避けられないぞ!
「一反木綿が黒幕ということは、つまりあの布は容赦なくボコっていいわけだよな?」
 そうですよ!
 一応、憑依先に攻撃すれば本体にもダメージは行きますけど!!
「ならば話は早い! だが、まずは先にあの布槍をなんとかしなきゃだな!」
 既に対策は万全だと言わんばかりにうさみっちが構える。
 一体何が始まるんです?
「まずはさむらいっちゆたんぽとまほみっちゆたんぽを半数ずつ複製!」
 うさみっちは『かくせいのうさみっちスピリッツ(ウサミノ・ユタンポ・ヨナヨナ・ウゴク)』でさむらいっちとまほみっちを半数ずつ召喚。
 彼らを周囲に配置させると……
「襲いかかってくる布槍を迎撃だ!」
 即時命令を下すと、早速飛んできた布槍をさむらいっちはスパパッと切り落とし、まほみっちは炎の属性攻撃魔法で焼き尽くす。
 的確な迎撃のおかげで、うさみっちにダメージは一切無い。
「ぬぅぅぅッ、儂の布槍を落としているだと!?」
「槍の形してても所詮材料は布だ! なんて事はないぜ!!」
「ぐ、まだまだぁ!」
 ならば更に数で押してやろうと布槍を放つも、さむらいっちの刹那の見切りとまほみっちの炎の魔法を前に次々と落とされていく。
「そしてこの隙に俺はこいつをぶっ放すぜ!」
 テッテレー!
 うさみっちバズーカ!!
 ……いや、これ弾の方は大丈夫なんですか?
 殺傷力のある弾はキョンシー本体へのダメージがヤバいのでは?
「大丈夫だ、問題ない」
 それフラグでは!?
「そら、これでも喰らえー!」
 うさみっちくん、バズーカをはっしゃしたー!
「ふごッ!?」
 そして弾がキョンシー木綿の顔面を直撃だー!
 顔面には……おおっと、うさみっちゆたんぽがめり込んでいるぞ!
「弾はゆたんぽだから、当たるとめっちゃ痛いだけでキョンシーの身体は傷つけないぜ!」
「あが…ッ、ま、前が……前が見えん……!」
 確かに痛そうだけどギャグにしか見えない光景だ!
 ……これ、両方ともダメージ入ってますよね?

成功 🔵​🔵​🔴​

オル・フィラ
見つけましたよ、ご飯の意志に背く極悪外道
楽に逝けるとは思わないことです

狙うべきはキョンシーさんに取り憑いている木綿の方ですね
【泥流弾】で風穴を空けてあげましょう、残弾のある限り沢山の穴を
伸びたり増えたりするようですから、私の方を狙ってきたら上手く逃げ回りたいところです
広場からアーケード街の狭い路地へ誘導したり、暗所へ逃げ込んで一旦撒いたり
一方的に射撃できる状況へ持ち込めれば最良ですね

木綿さん、ひとつ提案したいのですが
無限ご飯地獄を起こす能力について詳しく教えていただけませんか?
もし有益な情報をいただけるなら、見逃してあげてもいいです
(※撃たないとは言ってない)



●恐怖の追跡者
 いよいよもってピンチと言う状況にキョンシー木綿が焦り出す。
 ここに至るまで、猟兵相手にほぼ一方的にやられっ放しとなってしまったのは大きな誤算であった。
 このまま戦い続けては、どうあっても敗北は避けられまい。
「この儂であっても、猟兵共には勝てん……だが儂が生き残りさえすれば、骸魂は辿り着く! つまり死ななければ勝ちよ!」
 そう言い残しキョンシー木綿は一目散にその場から逃げ出した!
 どうやら土壇場と言うところで悪知恵が働いたようだ。
 加えてここは無限アーケード街……オブリビオンの影響で迷宮化している事もあってか、ちょっとした迷路と言える。
 姿を見失ってしまえば、追跡は困難となるだろう。
 ……だが、逃げ出したキョンシー木綿を執拗に追いかける影が一つあった事に奴はまだ気付かない。
 そしてここからが、更なる恐怖の始まりでもあったのだ。

「ヒョヒョヒョ、ここまで逃げれば猟兵共を撒い……」
 ある程度逃げ回った直後、突然パァンと言う銃声音がアーケード街に響く。
 人っ子一人(この場合は妖怪だが)おらず、静かな場所と言う事もあってなのかよく通る音であった。
「見つけましたよ、ご飯の意志に背く極悪外道。楽に逝けるとは思わないことです」
 背後から追跡者……オルの声が聞こえてきた。
 彼女の声にキョンシー木綿の肝が途端に冷える。
「ウゲェッ、猟兵!? な、何故追い付かれたのだ!?」
「ご飯の意思に背く外道は匂いで分かります」
 ……えっ、そうなの!?
「逃げ回れば何とかなるとでも思ったようですが、そうはいきません」
「ええい……もうすぐ、もうすぐなのだ……儂の邪魔はさせんぞ!」
 だがキョンシー木綿は悪あがきとばかりに、周囲に布槍を複製・展開する。
 相手が一人ならばこのアーケード街の地の利を生かし、逆に討ち取れるのではないかと言う僅かな希望に賭けるつもりのようだ。
「喰らえい!」
 キョンシー木綿が無数の布槍を射出。
 それをオルは周囲の地形を生かしつつ、上手くやり過ごす。
「腐っても黒幕、威力はあるようですね」
 アレに当たってはひとたまりもないと感じたオルは、一旦その場から離れるべく踵を返して逃走を試みる。
 複雑に入り組んだアーケード街は隠れる場所も多く、オルは追跡を撒くのに丁度いい暗所に身を隠した。
 そこで少しの間、息を潜めていると……
「ぬぅ、どこに隠れたのだ……」
 真横をキョンシー木綿が通り過ぎていく。
 どうやらこちらを完全に見失ったようだ。
 そこから慎重に顔を出し、様子を見ると……完全に背後がガラ空きであった。
「行きましたか。ここが狙いどころですね」
 少しずつ離れていくキョンシー木綿の背に向け、オルがMUD-CPを構えると……
「あやつめ、一体どこへ……ぐえッ!?」
 数発の銃声音と共に、キョンシー木綿の本体……一反木綿の体が『泥流弾(マッド・フロウ)』によって無慈悲に穴を開けられる。
 慌てて振り返れば、そこにはオルの姿が。
「しまった、後ろか!?」
 このままでは狙い撃ちにされる事に気付き、キョンシー木綿は慌てて逃げ出す。
 ……が、ここまでダメージの回復に自身の妖力を浪費した事もあってなのか動きは大分鈍っていた。
 そうなってしまえばオルに追い付かれるのは当然であり……
「や、やめろ……来るな!」
「木綿さん、ひとつ提案したいのですが。無限ご飯地獄を起こす能力について詳しく教えていただけませんか?」
 ……えっ、いきなり何を?
「もし有益な情報をいただけるなら、見逃してあげてもいいです」
 ちょっと待って、君なんちゅう事を提案してるの!?
「む、無限ご飯地獄か? アレは儂の妖力を使って起こした物……その辺の人間には絶対真似は出来んぞ?」
 そして愚かにも見逃してくれると言う言葉を信じ、キョンシー木綿がゲロった。
 やっぱりこいつアホだ!
「そうですか。私には真似出来そうにないのですね」
「そうだ、力のある妖怪でなければな! この儂のような……」
 その直後、無慈悲な銃声とキョンシー木綿の悲鳴が響き渡った。
 オルは見逃すとは言ったが、撃たないとは一言も言ってなかったのだ。
 キョンシー木綿の命はまさに風前の灯状態であった……。

成功 🔵​🔵​🔴​

山根・桜桃
出たにゃ漫才コンビ!

地獄の極卒として言っておくけどにゃ?
地獄の鬼のしごきに耐えてお勤め果たしたら新しい命貰って生き返るっていう世界もどこかにあるから、思いっきりやって殺しちゃってもオールオッケーにゃ!(びしっ

というわけで、キャット地獄をお見せしよーぅ!
全力で手加減にゃ!(槍はぽーいとほっぽり出して
詠唱省略適当に!ちゃんと手加減できるかは無くした理性に聞けニャー!
【解放「化け猫乱舞酒池肉林」】!!
猫の爪でその木綿全部引っかき切り裂いてやるにゃーーー!
キョンシーの服とか肌とかどうなるかはゆすらちゃんは知らないにゃ!
だが安心するにゃ……峰打ち……にゃりよ?(にやり

ツッコミないと猫死んじゃうにゃー!?


シルス・レヴィナス
キョンシーの嬢ちゃん、苦しいだろうが
もう少しの辛抱だ

…今更だが、あの一反木綿はつまり少女趣味か?
ヤバイな!!(某ry

◎アドリブ、共闘等歓迎

【POW】
身体はキョンシー嬢で
悪意に溢れた木綿が黒幕
対空防御が布槍しかないのか
ならば

…俺にも実は翼が有ってな?(※種族参照)
まずは弾幕でキョンシー軍団を抑制
攻撃は見切り+オーラ防御で回避を図る

次にジャンプ→空中浮遊
木綿のカンフー攻撃の範囲外辺りまで浮かんで(飛んで)から
空中戦+スナイパーでUC『慈愛の射手』を使用
木綿が弱ったら浄化付きの呪殺弾を撃ち込む

ここの飯が美味いのは分かる
だが何事も程々が大切だ

そうだな、終わったらまた
あの宴会で皆で仲良くご馳走になろうか



●無限ご飯地獄の終焉
「アヒイィィーッ! 猟兵の奴ら、儂の想像を上回りすぎだーッ!!」
 満身創痍の状態でキョンシー木綿が逃げ回る。
 憑依した本体である木綿部分は既に穴だらけ。
 更にダメージ回復のために妖力を回しすぎた事もあって、戦う力は僅かであった。
「猟兵さんはホントに強いんだネ。アタシ驚いたよ!」
「ええい、なんでお前にはダメージがあんまり行ってないんだーッ!」
 そして激戦を潜り抜けた割にはキョンシーの少女は元気そうだ。
 先の戦闘で、猟兵達は憑依した少女への攻撃をなるべくを避けつつ、本体に集中していた事もあってなのか、彼女の受けたダメージは最低限で済んでいた。
 もしも少女の事はお構いなしに攻撃をしていたら、今頃はもっと早くケリが付いていたかもしれないが……多分その時は、絵的にも色々とヤバい事になっていただろう。
 ……ほら、体が色々もげたりしそうでしたし?
「見つけたにゃ、漫才コンビ!」
 そこへ、桜桃が追い付いてきた。
 広場から逃走したキョンシー木綿を探していたようだが、ようやく発見出来たと言ったところだろうか。
「……うげぇッ、化け猫妖怪!?」
「にゃふふ、ゆすらちゃんからは逃げられないにゃー」
 ここが年貢の納め時とばかりに刀葉林の切っ先を突き付ける。
「地獄の極卒として言っておくけどにゃ?」
「え、お前……極卒なの!?」
 そんな小さなお子様が?
 ……とでも言いたそうにキョンシー木綿が驚く。
「にゃー、話の腰を折るにゃー! ……おほん、地獄の鬼のしごきに耐えてお勤め果たしたら新しい命貰って生き返るっていう世界もどこかにあるから、思いっきりやって殺しちゃってもオールオッケーにゃ!」
 ナ、ナムアミダブツ!
 なんたる一方的抹殺宣言か!!
 だが考えてもらいたい、キョンシー木綿にそこまでされる謂れは……
 いや、ありますね。
 そもそもこの世界滅ぼそうとしてる訳ですし、慈悲はいらないですよね。
「ギャー!? この娘、滅茶苦茶物騒な事をー!」
「……と言う訳で、覚悟の方はいいかにゃ?」
「い、いい訳ない、いい訳ないーーーッ!」
 死んでたまるかとキョンシー木綿が最後の力を振り絞って全力逃走する。
 カジバチカラ!
 死の間際に見せる生物の底力だ!
「あっ、逃げるにゃー! 逃げたら罪は重くなるにゃー!」
 桜桃は逃げたキョンシー木綿の追跡を再開する。
 ……まあでも、やる事は死刑以外無いから逃げても逃げなくても同じですよね?

「ゼーハー……ゼーハー……け、結局広場に戻ってきてしまったか……」
 息を切らし、キョンシー木綿が逃げ切れたかとホッとしようとしたのも束の間。
「やはり戻ってくると思ってたぜ」
 なんと そこには シルスが まちうけていた!
 予想外の事態に、ただ驚愕するしかないキョンシー木綿。
「アイエエエ!? 猟兵!? 猟兵ナンデ!?」
「いくらここが入り組んでいても、結局ここに戻ってくる……ただの勘って奴さ」
 長らく地獄を生き抜いてきた戦士の勘と言う奴なのだろう。
 それが見事に的中したようだ。
 もっとも、キョンシー木綿からすれば終わらない地獄であったが。
「さてキョンシーの嬢ちゃん、苦しいだろうが……もう少しの辛抱だ」
 そう言いシューティングプレアデスを構えるシルス。
 最早キョンシー木綿もこれまでかと思われたが、突然ニヤリと笑い出す。
「キョンシー軍団よ、儂のところに来い!」
 呼びかけると同時に、広場でボーッと突っ立っていたキョンシー軍団が揃ってやってくる。
 ……そう言えばいましたね、こいつら!
「儂がここに戻ってきたのはこ奴らを再び使うため! そして誰が化けたか判別が出来なければ攻撃もままならんだろう! これぞ儂の逃走経路よォーッ!」
 ……いや、アンタたまたまここに戻ってきた時に気付いただけだろ。
 絶対狙ってやってないだろ。
「あの時は空を飛ばれると言う予想外の事態になったが、さすがにそう飛べる奴が何人もいる訳がなかろう! あと少し、時間を稼げれば儂の勝ち……」
「……ところがだ、俺にも実は翼が有ってな?」
 と、シルスはバサッと自らの翼をアピールする。
 彼はオラトリオ、飛行するための翼は持ち合わせていた。
 言われなければ分からない部分を間抜けなキョンシー木綿が気付くはずもない。
「……へ?」
「つまりは俺も飛べると言う訳だ」
 言い終えると同時にキョンシー軍団の足元に弾幕を張り、動きを抑制する。
 こちらにやってきたキョンシーはそう多くなく、攻撃を避けるのも容易であった。
 すぐさまシルスはジャンプと同時に翼をはためかせ、飛行状態に移る。
 自分達よりも高い場所にいる彼を見上げ、キョンシー軍団はただオロオロする事しか出来ない。
「う、うがァーッ! お、お前、お前もかァーッ!!」
 これではもうキョンシー軍団は役に立たず、その場で悔しがるキョンシー木綿。
 何度もプライドをズタボロにされた事で、せめて一矢報いようとばかりに最後の反撃を試みようとするのだが……
「ここまで高く飛べば、自慢の拳法も当たりはしないな」
 シルスがより高く浮遊した事で、キョンシーカンフーの跳躍力であっても彼には届かなかった。
 こうなってしまえば、後は一方的に撃つだけだ。
 その場でシューティングプレアデスからクロスボウ『Arbaletas』に得物を持ち変えると、躊躇う事なくバシュッと射撃する。
 放たれたボルトはキョンシーの少女の胸を貫くが……
「あ、あぎゃぎゃぎゃぎゃーッ!? 儂の、儂の体が引き裂かるゥゥゥ!!」
「……え、あれ? アタシは痛くもなんともないヨ? どうしテ?」
 激痛に苦しむ一反木綿とは裏腹に一切ノーダメージのキョンシーの少女。
 これは一体?
「俺が撃ったのは世界への悪意を持つ者、つまり……お前だけだ、一反木綿」
 彼が放った『慈愛の射手(ハートフルスナイパー)』は対象の【世界や猟兵への悪意と歪んだ欲望、邪な野望】のみを攻撃するユーベルコード。
 即ち、本体である一反木綿にのみダメージが行く攻撃だ。
 優しさを込めた魔法のクロスボウは、悪しき者ではない少女の肉体を一切傷付けない……だから彼女はノーダメージだったのだ。
「にゃにゃっ、何やら騒がしいと思えばクライマックスだにゃ!?」
 そこへ、戦闘音を聞きつけた桜桃が追い付いてきた。
 周囲のキョンシー軍団は主が苦しんでいるのに連動してか、まともに動く事が出来ないようだ。
「おっと、お嬢ちゃん。そいつはもう死にかけだ、そろそろトドメと行こうぜ」
「にゃー、良かったにゃー。判決を言い渡してなかったからにゃー」
 まだ終わっていなくてホッとする桜桃。
「さあ、これで終わりだ」
 シルスの慈愛の射手を喰らい、悶絶するキョンシー木綿に追撃として浄化付きの呪殺弾を撃ち込むと、文字に出来ない奇妙な叫びと共にその場でガクガクと震え出す。
 もう奴(と言うより本体)は虫の息のようだ。
「よし、トドメにゃ! というわけで、キャット地獄をお見せしよーぅ! 全力で手加減にゃ!」
 桜桃が刀葉林をその場にポイーと投棄すると、手から化け猫ならではの鋭い爪をシャキーンと伸ばす。
「詠唱省略適当に! ちゃんと手加減できるかは無くした理性に聞けニャー!」
 叫びと共にピンクの閃光と化した桜桃は『解放「化け猫乱舞酒池肉林」(リベレイション・ディボーチド・パーティー)』でトドメにかかった。
 理性を代償に、解放された野生の力を籠めた一撃……と言うより、爪による超高速のひっかき攻撃がキョンシー木綿の木綿を、少女の服を容赦なく切り裂く!
 死の叫びすら上げる間もなく、本体である一反木綿は再生不可能になるまで細切れにされた。
 本体である一反木綿が消滅した事でキョンシー軍団は気絶していた妖怪に姿が戻り、それ以外は倒された輸入道だったのか、跡形もなく姿が消えていったそうな……。

「安心するにゃ……峰打ち……にゃりよ?」
 ひっかきラッシュが終わり、理性が戻った桜桃はニヤリと決めセリフを放つ。
「おお、凄いモンだな。これでさすがにこいつも死んだか」
 シルスはただの布の破片となった一反木綿を見て、桜桃の手際に感心する。
「って、ツッコミないと猫死んじゃうにゃー!?」
 だがツッコミ役からツッコミが来ない事に桜桃はガビーンとショックを受けた。
 ……君、狙ってそれ言ったの?
「……あー、やっと解放されたネ……」
 そしてトドメを受け、倒れていたキョンシーの少女がむくりと起き上がる。
 桜桃の爪で服は切り裂かれたが、体には布が僅かに巻かれて残っていたようだ。
「大丈夫だったか、嬢ちゃん」
 すぐにシルスが駆け付けると、身に着けていたコートを着せる。
 紳士!
「あの悪い一反木綿は死刑になったにゃ。これで全て解決したにゃー」
「ここの飯が美味いのは分かる。だが何事も程々が大切だ……もう奴には聞こえんだろうがな」
 この異変が終了した事で、もう無限にご飯が出てくる事もないだろう。
 妖怪達は何事かと思うかもしれないが、すぐ元の生活に戻るはずだ。
「一仕事終えたら疲れたにゃー。ゆすらちゃん、お腹減ったにゃー」
「そうだな、ならあの宴会で皆で仲良くご馳走になろうか」
「それがいいにゃ! キョンシーちゃんも来るにゃ?」
 そう桜桃が問いかけると……
「え、いいノ!? なら、アタシも付いていくヨ!」
 少女は喜んで答えるのであった。

 こうして無限ご飯の異変は解決し、カタストロフの危機はひとまず去った。
 だが、この世界は常に滅びに危機に瀕している事を忘れてはならない。
 きっと明日にも、また新たな異変がカクリヨファンタズムを脅かすだろう。
 妖怪達の楽園を守るべく、猟兵達は日夜戦い続ける……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月09日


挿絵イラスト