骸魂は飲んでも飲まれるな!?(作者 鳴声海矢
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●俺も飲むからお前も飲め
「よっしゃー! 飲め飲めー!」
「妖怪酔わせてどうするつもり?」
「竜神様、まずは一杯!」
 カクリヨファンタズムのとある森。そこでは大規模な酒盛りが開催されていた。酒の種類はビールと日本酒に限定されてはいるが、一切無料、飲み放題の大盤振る舞い。これにつられた酒好きの妖怪たちがこぞって集まり、森は大賑わいのどんちゃん騒ぎとなっていた。
 幸せそうに酒を煽る妖怪たち。その姿を、森の奥から見つめる二つの姿があった。
「ふふふ、すっかり酔っておるな」
「そうだね、これならすぐに酔いつぶれて食べ放題だ」
 何やら剣呑な話を躱す、馬のような妖怪と着物の少女。何を隠そう彼らこそがこの祭りの主催者であり、酔いつぶれた妖怪たちを喰らおうという恐るべきオブリビオンなのだ。
「月の冠を引きずり下ろして!」
「奴らに明日の朝日は拝ません!」
 ……恐ろしいのは際どい発言の方かもしれない。

●肴は炙った妖怪でいい
「皆、集まってくれてありがとう。新世界のカクリヨファンタズムでもやっぱり事件は尽きないみたいよ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)が集まった面々に声をかける。
「さて、今回の事件なんだけれど、カクリヨファンタズムでお酒飲み放題のお祭りが開催されてるの。だけどそれが実はオブリビオンが仕組んだお祭りで、妖怪たちを酔っぱらわせて餌にしちゃおうとしてるみたい。だから皆にはそのお祭り会場に乗り込んで、主催者たちを叩きのめして欲しいの」
 カクリヨファンタズムのオブリビオンは妖怪に『骸魂』とよばれるものが取り付いた存在であり、倒せば依代の妖怪は解放される。遠慮なく叩きのめしていいということだろう。
「それで、具体的に何をしてほしいかだけど、まずは会場の森に行ってちょうだい。ただやっぱりさすがは妖怪の世界というか、この森まで酒気に当てられてたちの悪い酔っ払いみたいになっちゃってるのよ。絡み酒みたいな勢いで植物たちが大暴れしてくるから、躱すなりねじ伏せるなりしてちょうだい。一応頑張れば意思疎通もできるみたいよ」
 なお、この森の中には酒を飲んでは歌ったり踊ったりその他様々な奇行を繰り返す妖怪がいる。彼らを救出すれば、後々骸魂に捕らわれて立ちはだかる妖怪も減ってやり易くなるかもしれない。
「森を鎮めたら、会場スタッフなオブリビオン……『麒麟』の集団が襲ってくるわ。物凄いビッグネームだけど、依代の妖怪は一般人クラスでこいつらの力も大したことないから安心して。こいつらと戦って倒して欲しいのだけれど、どうもこいつはお酒に酔っている相手は後で依代に使えそうと見て手加減する傾向があるみたい。だからいかにも酔っ払ってる、という風に見せかければ戦いを有利に進められるかもね」
 あくまでふりで構わないのだが、それで戦えるのならもちろん本当に酔っぱらってしまっても構わない。幸い酒は近くにいくらでもあるわけだし。
「で、麒麟を倒したら主催者である『カッパ海坊主』の登場よ。こいつは河童の女の子を海坊主の骸魂が飲み込んだオブリビオンで、水属性の攻撃と相撲の技、さらには槍での攻撃を使用してくるわ。こいつもやっぱり酔っ払っている相手には手加減するから、やってみるといいんじゃないかしら。ああ、ただし行っておくけど、カクリヨファンタズムが年齢の概念が薄そうだからって、異世界で飲めない年齢の人はお酒は厳禁よ。そういう歳の人は必ずふりだけにしてちょうだい。持ち込みもOKだから、お水やぶどうジュースでも持っていって目の前で飲めば騙せるんじゃないかしら」
 たとえ事件解決のためでも守らなければならないルールはある。オーロラはそう念を押した後、グリモアを起動させる。
「さあ、新世界での事件解決一発目、頑張ってきてちょうだい」
 そう言ってオーロラは、猟兵たちをカクリヨファンタズムへ送り出した。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。フラグメントで麒麟と河童が並んだ瞬間これが浮かびました。そしてお酒の飲めるグリモア猟兵がオーロラとミルケン(本体)しかいなかった。
 今回はカクリヨファンタズムで、宴会を餌に妖怪を釣るオブリビオンたちを倒していただきます。
 会場内にはビールと日本酒しかないので、他のお酒や肴が欲しい人は各自持ち込んでください。

 第一章ではお祭り会場のある森を突破していただきます。植物までもが酒気にあてられており、絡み酒(物理)をしてきますので、なぎ倒したり躱したり諭したりして鎮めてください。森の中にもあちこちに酔っ払い妖怪が倒れていますので、彼らを解放したり退去させたりするとプレイングボーナスとなります。

 第二章では『麒麟』との集団戦になります。見た目に反して一体ずつはさほど強くありません。ここでは『酔っ払ったような動きをする』ことでプレイングボーナスとなります。泣く、絡む、脱ぐ、なんでもありです(あまりヤバすぎるものは描写できませんが)。ふりのみで構いませんが、お酒が飲める人は本当に酔っぱらってしまってもいいでしょう。なお麒麟たちはビール党です。

 第三章では『カッパ海坊主』とのボス戦です。ここでも同様に酔っぱらいムーブをすることでプレイングボーナスとなります。彼女はこう見えてお酒は飲める年齢でかなりの酒飲み、かつ日本酒党です。

 最後に注意ですが、未成年者の猟兵はたとえ作戦であっても飲酒はできません(未成年飲酒のプレイングは流します)。会場は持ち込みOKなので、ノンアルコールの飲料を持ち込んで飲むなどして、酔っ払ったふりをしてください。妖怪は外見と実年齢が一致しない者も多いので、見た目が子どもでも敵は気にしません。

 それでは、勝利の美酒に酔えるプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『さわがしの森』

POW暴れる植物を薙ぎ倒し、ねじ伏せる
SPD植物達の攻撃を素早く掻い潜り、駆け抜ける
WIZ暴れる植物達と心を通わせ、なだめて大人しくさせる
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 カクリヨファンタズムのとある森。そこには酒のにおいが充満し、辺りには酔っ払った妖怪たちが何人も転がっていた。この森こそ、オブリビオンが妖怪たちを集めるために企画した酒飲み大会の会場である。
 一人の妖怪が酔った勢いに任せ、木のふもとで着物の袴を緩めだした。その瞬間。
「なんらとぉ!?」
 突然木の根が盛り上がり、何しやがるとばかりに妖怪を跳ね上げた。綺麗な放物線を描き飛んでいく妖怪。
 落下した場所で袴が緩んだまま爆睡し始める妖怪を尻目に、その木は枝を伸ばし、器用に酒瓶をとって自身の根にそれをかけ始めた。
 木までこのような酔っ払いと化してしまうとは……これは戦う場所を確保するにも苦労しそうだが、何とかしてここを抑え、できれば妖怪たちもどこかにやっておいた方がいいだろう。
 猟兵よ、このたちの悪い酔っ払い植物たちを抑え込み、戦場を確保するのだ!
迅雷・電子
【心情】ここが新しい世界か…本当に昔図鑑とかで見た事あるような妖怪がいっぱいだねぇ…なんにしろ何の罪もない妖怪達を死なせる訳にはいかないし頑張らないとね!その前にまずはこの酔った森やところどころにいる妖怪をなんとかしないと…

【作戦】服装は制服。森の攻撃は【見切り】で回避するか【怪力】で受け止めたりして妖怪達を【救助活動】するよ!森の攻撃に当たらないように妖怪達を【運搬】して森から出していくよ!そしてあらかた救出したら森のたくさんの木に連続つっぱりをお見舞いしてねじ伏せるよ!「ほら!はやく酔いをさましな!!」(絡み・アドリブOK)


「ここが新しい世界か……本当に昔図鑑とかで見た事あるような妖怪がいっぱいだねぇ……」
 制服姿の迅雷・電子(女雷電・f23120)はカクリヨファンタズムの風景を見回し、そう呟く。UDCアースから忘れられた妖怪たちが住まう世界。住人も常識も他の世界とは一線を画すこの場所は、まさに絵巻の中、幻想の世界のようにも思えた。
 だがその世界にも、例外なくオブリビオンの脅威は伸びている。
「なんにしろ何の罪もない妖怪達を死なせる訳にはいかないし頑張らないとね! その前にまずはこの酔った森やところどころにいる妖怪をなんとかしないと……」
 ここではオブリビオンが妖怪を餌とすべく、妖怪たちや森さえも酒に酔わせ、前後不覚にさせられてしまっている場所だ。電子は森を鎮め、妖怪を救助すべく森の中へと進んでいく。
 数歩森の中へ進んだ所で、早速倒れ込んでいる妖怪を見つけた。和服姿の竜神で、長い髭から察するにそこそこの年齢の男だろう。
「ほら、おっさん! こんな所で寝てんじゃないよ!」
 電子が竜神の頬を軽くたたくと、竜神はうっすらと目を開ける。
「う、おぉ……今何時だい……?」
「何時だっていいだろ、とにかくここで寝てられると色々問題があるんだ。ほら、さっさと行くよ!」
 今だ意識朦朧としている竜神を、電子は強引に担ぎ上げて森の出口へと連れていった。そのまま安全と思われる場所で彼を下ろすと、電子は再び森の中へと入る。
「えー、次はー……ああ、あんたも、そこにいたら危ないよ!」
 次に見つけたのは、木のふもとで木に向かってくだを撒き続ける女性だ。誰かと間違えているのだろうか、返事がないのも気にせず一方的に喋り続けている。
「えー、ちょっとー、まらはなしおわってないからー!」
「話し相手なんていないだろうが! ここにいたら洒落にならないんだよ!」
 電子の言葉にも耳を貸さず、呂律の回らない下で文句を言う女。これでは埒が明かない……そう思われた瞬間、今まで女に話し相手にされてきた木が、枝を女の頭に勢いよく振り下ろした。
 ひゅっという空気を切る音の直後、ばしっ! と何かを叩きつけるような音が森に響いた。
「……な? 危ないだろ?」
 振り下ろされた枝は女の頭に当たる直前、電子の手によって掴み取られていた。怪力で握りつぶされ、べきりと枝が折れる。女は恐怖にひきつった表情で、すっかり酔いも覚めたとばかりにがくがくと頷いた。
 それからも電子は時に説得し、時に強引に担ぎ出して妖怪たちを救助していく。そして周囲の妖怪が粗方片付いた後、電子は改めて森に入り、木の前へと立った。
「さーて、じゃあ最後に、一番たちが悪い酔っ払いの始末だ!」
 そう言ってずぱぁん! と音を立て、強烈な張り手が木に見舞われた。それはまるで相撲の稽古のようだが、これは稽古ではない。それが証拠に、張られた木はまるで抵抗するかのように枝を振り、電子を打ち据えんとしてくる。
 だが、それよりも早く、電子の連続のつっぱりが木をさらに大きく揺らした。
「ほら! はやく酔いをさましな!!」
 女雷電の腰の入ったつっぱりが、どすどすと容赦なく木に見舞われる。木はしばらく枝を振り回していたが、やがて観念したように動かなくなった。
「さーて、次に食らいたいのはどいつだい!?」
 電子は凄味を利かせながら、周囲の木に視線を巡らせる。ちょうど横にあった気が一瞬ビクッと震え、まるで目を逸らすように幹をねじるが、そんなものは逆効果だ。
「次はあんただねこの酔っ払い! ほらほら、さっさと酔いを醒ますんだよ!」
 しばらくの間、重い音が森の中に響き続けるのであった。
大成功 🔵🔵🔵

初志・貫鉄
即興共闘歓迎
WIZ

転移前にちょっとおせっかい
オーロラに対して、万が一の未成年参加を考えて、自分の店で販売用にケースで用意した小さな偽装瓶ビール『りょうへいびいる』(中身は泡立つエナドリ)を、お子様に配るように依頼

ついでに、後で酒飲もうぜーと冗談交じりお誘いも忘れずに

基本酒はビール党員。ビール缶を片手に森に移動

木々に対しては敬意をもって対話

古くから畏れ敬われし木々に願う。宴に浮かれし妖怪たちを少し穏やかにさせに行くので、足元通ることを許したまえ
穏やかになった後は、あらためて神酒を備えさせていただきますので

酔い潰れた妖怪は分身と手分けして安全そうな場所に移送介抱もしくは、安全な場所まで退避させる


木霊・ウタ
心情
酒は楽しく飲まなきゃな
酒に呑まれちゃダメだよな
ま、俺は飲めないけど

手段
まずは救出を第一に

影を放ち倒れてる奴の居場所を探りつつ進む
発見したら水をかけたりして起こし
逃げるよう促す

骸魂が暴れてる
このままだとアンタも依代にされるぜ

爆睡の奴は影に引きずらせたり
俺がおんぶしたりして森の外へ

影の偵察を活かして
出来るだけ酔っ払い植物は避けて進むけど
出くわしたらギター爪弾き楽し気なメロディで
もっとご機嫌になってもらうぜ
そうそう酔っぱらうならこんな風に楽しくなきゃな

で通過

絡み(物理)が煩い植物には
オブリビオンじゃないし
乱暴なことはしたくないけど
傷口から獄炎をチラつかせて脅す
燃やされたくなかったら…判るよな?


 酔っ払った妖怪と植物が跋扈する森。その一見陽気ながら裏に危険な闇を孕んだ場所に、一人の若き猟兵が向かっていた。
「酒は楽しく飲まなきゃな。酒に呑まれちゃダメだよな」
 至って当然な、だがそれが難しいことを言いながら、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は森の入口を見上げる。
「ま、俺は飲めないけど」
 そう言うウタの手には、しかしビール瓶に入った飲料が携えられている。

 時は少し前に戻る。
「ちょっとおせっかいだ」
 転移される前、初志・貫鉄(拳食合一の功徳奉士・f26667)はグリモア猟兵にあるものを渡していた。彼の店で販売している、ビール瓶にエナジードリンクを詰めた飲み物『りょうへいびいる』。容器はもちろん、中身もビール類に酷似したそれを、未成年者が酔っ払いを偽る際に使えればと彼は用意していたのだ。もちろんノンアルコールである。
 それを渡した後、お約束の社交辞令としてグリモア猟兵を飲みに誘ってから、彼は現場へと向かっていった。
 そしてそこにちょうど来たウタがそれを受け取り、彼もまた現地へと出発したのであった。

「こいつは後で使わせてもらうとして……まずは救出を第一にだな」
 そう言いながら辺りを見回すと、早速酔いつぶれている妖怪を発見した。犬の妖怪の様だが、舌を垂らしてだらしなく寝込んでいる。
 ウタは彼の前にしゃがむと、徐にその顔に水をかけて目覚めさせる。そのまま相手が何か抗議してくる前に、真剣な目で彼の顔を見つめていった。
「骸魂が暴れてる。このままだとアンタも依代にされるぜ」
 何をいきなり、そう言いたげに妖怪はけげんな顔をするが、相手は自分が見える存在……最近この世界に来たという猟兵で、その彼が大真面目に自分に退避を促している。そのことを酔っぱらった頭で理解するにつれ、徐々に事態の深刻さを飲み込み始めた。
 妖怪は頭を少し振って立ち上がると、ウタに小さく礼を言って森の出口へと歩いていった。
「さて、他の場所は、と……」
 ウタは彼を見送った後、意識を視覚に集中する。するとその目には、彼の放った【影の追跡者】が見る風景が移り始めた。そのに見えるのは、ビール缶を片手に歩く逞しい料理人姿の男。
「酒は飲んでも飲まれるな……とはよく言ったもんだよな」
 自身も妖怪の救助のため森を歩く貫鉄。その足元にはウタの追跡者を連れ、お互いに情報を共有しあえる状態を作っていた。
 そして貫鉄の前に横たわるのは、顔を真っ赤にした巨大な鬼。赤いのは元々なのかもしれないが、その口から放たれる強烈なアルコール臭と彼のかく大いびきは、間違いなくこの森にあてられてのものだろう。貫鉄は何度か彼を揺すっては見るが、起きる気配はない。
「こりゃ仕方ないな。具現せよ、水鏡に写りし己が黒蓮」
 貫鉄は覇気を放出、具現化し、もう一人の己を作り出した。分身は鬼を担ぎ上げると、そのまま森の出口まで彼を運搬していった。それを見送りながら、貫鉄は同行しているウタの追跡者に声をかけた。
「さて、この先なんだが、ちょいと手伝っちゃくれないかい?」

 五感を共有する追跡者からの声に応え、ウタは貫鉄と合流する。その眼前にあるのは、枝を振り回し、根を振り上げ、やたらと暴れまわる大量の植物たちであった。
「出来るだけ避けて進みたかったけど、これだけやられちゃな」
 ウタはその数を見て自分が呼び出された理由を察する。暴れる植物たちの間からは大量の明かりが漏れ、祭りのメイン会場と思しき場所がちらちらと見えていた。
「悪いがそう言うこった。俺はあっちをやるから、お前さんはあの辺を頼むぜ」
 そう言って貫鉄は幹の太い古木の方へ、ウタは葉の多く茂る若木の方へと向かった。
「古くから畏れ敬われし木々に願う。宴に浮かれし妖怪たちを少し穏やかにさせに行くので、足元通ることを許したまえ」
 貫鉄はいかにも樹齢を重ねていそうな古木に、極めて真摯に、敬意を持ってそう語りかけた。最初は枝を揺すり貫鉄を追い払おうとしていた木であったが、一歩も引かぬ貫鉄の姿勢と、その真剣なまなざしにやがて動きを収めていく。
「穏やかになった後は、あらためて神酒を備えさせていただきますので」
 どっしりとした覇気さえ備えたようなその声に、木は自身の所業を恥じるかのように徐々に大人しくなる。
 年甲斐もなくはしゃぎ過ぎた、そう言うかのように木は動きを鎮め、泰然と聳える風格ある古木へと戻り、動かなくなった。
 一方ウタの側は。
「そうそう酔っぱらうならこんな風に楽しくなきゃな」
 ギターを爪弾き、陽気な歌で若木たちと打ち解ける。妖怪を運び出す邪魔さえされなければそれでいい、彼らの楽しみ自体を邪魔するつもりはない。そう言った意思を込めた明るい弾き語りで、森を通る約束を取り付けた。
 一曲終わり、ギターをしまって歩き出そうとするウタを、一本の木が枝を絡めて足止めする。どうやらもっと構えと絡んでいるようだ。
 そんな木をウタは最初は笑ってあしらっていたが、あまりにもしつこく絡まれるうち、表情を変え、ほんの少し指先を刃物で傷つけた。そこから垂れ落ちるのは赤い血ではなく、まるで液体のように伸びる紅蓮の炎。
「燃やされたくなかったら……判るよな?」
 乱暴はしたくないけど、言っても分からないなら。優しく陽気な男が一瞬見せた凄味に、木はすごすごと枝をしまい、動かなくなる。
 こうして森を鎮め道を作った二人の男は、宴の中央、主催者たちのいる場所へと進んでいくのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

リネリット・エルス
えっへへー♪ たーのしそうなお祭りっ、ん~私もお酒飲みたーい! とか言ってたら、この森本当に飲ませて来るんだよねえ。折角だしちょこーっとご相伴に。……んーふふ、おいしっ♪

っと、何処からか蔓が私に絡んで来て、ホントに絡み酒だコレ! 蔓が舌にしゅるしゅる絡み付いて、朝露の滴が垂れるみたいにお酒を飲ませて来る――なぁーんか絡み方がえっちぃんですけど~? えへへ、でもいー気分だしそのまま絡み酒にお付き合いしちゃう♪

はふぅ……なんだか、体があつくなって来ちゃったなぁ……♪ なぁんて、[誘惑]しつつ[催眠術]で絡んでくる植物にはお先におねんねしてもらうよ。


「えっへへー♪ たーのしそうなお祭りっ、ん~私もお酒飲みたーい!」
 酔っ払って浮かれ騒ぐ森の様子を、リネリット・エルス(夢魔・f16038)は楽しげに見回す。妖怪たちがそこら中で宴会し、ある者は歌い、ある者は眠り、ある者は脱ぎ散らかす。それは多少度が過ぎる部分はあるが、そこだけ見れば遅い花見か、早いビアガーデンかといった程度のものだろう。だが、それでは済まない光景が同時に目の前には広がっている。
「とか言ってたら、この森本当に飲ませて来るんだよねえ」
 そう、ここは妖怪の世界カクリヨファンタズム。森を構成する木もまた酒に酔い、枝屋根を振り回して暴れている。そんな突拍子もない光景が当たり前に存在し得る場所なのだ。
 そんな光景を前に、リネリットは。
「折角だしちょこーっとご相伴に。……んーふふ、おいしっ♪」
 平然と木の飲んでいる酒を失敬し、自らも味わっていた。
 どうせ酒そのものは会場内にいくらでもある。取られたことを怒る様子もなく、木はその枝と蔓をリネリットに伸ばして来た。
「えー、何、何かしたいのー? って、ホントに絡み酒だコレ!」
 枝はまるで手を置くかのようにリネリットの肩を抱き、さらに蔓は顔の方へと伸びていく。細さに似合わぬ弾力のあるそれは、器用にリネリットの口を開き、その舌へと絡みついた。
 えずかない程度に舌を引っ張り出し、もう一本の蔓に酒瓶を持ってその中身を蔓へ垂らす。朝露の雫を垂らすようにリネリットの口に酒が注がれ、リネリットはそれを美味しそうに味わって飲んでいく。
「なぁーんか絡み方がえっちぃんですけど~?」
 リネリットはいたずらっぽく、しかし楽し気にそう言った。そう言われた木は調子に乗るかのように酒を注ぐ勢いを増し、その酒は口に入りきらずその端から零れ、服の穴からちょうど露になっている彼女の豊かな谷間へと零れていく。大きすぎる谷間の間に滴るさけが、まるでそこを盃にでもするかのように少しずつ溜まっていった。
 さらに肩に回していた手も背中に回り、さらには撫でまわすように動きながら少しずつ下へと下りていく。
 人間がやればセクハラで一発アウトな行動だが、妖怪には逮捕も訴訟も何にもないとでも言うのか、やりたい放題リネリットの体に絡み酒を敢行するスケベ樹木。それに対しリネリットは抵抗するどころか自分から体を寄せるような仕草さえ見せた。
「えへへ、でもいー気分だしそのまま絡み酒にお付き合いしちゃう♪」
 自分で胸を寄せ、大きさをアピールするとともに中に入った酒を木へ差し出す。木は蔓の先をそこに浸し、リネリット自身を器にするかのようにそこから酒を吸い上げていく。さらに枝が豊かな尻まで下り切ると、リネリットはまるで自分から押し付けるかのように腰をくねらせる。
「はふぅ……なんだか、体があつくなって来ちゃったなぁ……♪」
 顔を赤くし、煽情的な目で見上げ、誘うように言うリネリット。その獣の如き誘いに、木は植物から動物へとクラスチェンジせんばかりに根の一本を地面から逆向きに突き出させ……
 そのまま全ての枝を下に向けて動きを止めた。
「えへへ、ちょっとからかいすぎちゃったかなー? まあ、楽しい思いは出来たってことで♪」
 意識を奪う催眠術を起こす瞳をまともに受けた木は、まるで精の尽きた酔っ払いのように全てをうなだれさせ爆睡する。木が寝るのか、とも思うが、一部の植物は睡眠に近い行動をするらしいし、そういうものなのだろう。
 さらなる宴の予感を感じながら、リネリットは森の中央へと進み行くのであった。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『麒麟』

POW ●カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD ●因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ ●キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 森の中央、イベントのメイン会場へと辿り着いた猟兵たち。そこでは角の生えた馬のような妖怪が、器用にビール瓶やグラスを背中に乗せ運んでいた。
「オリオン座も輝かぬこの季節、ビールのうまい時期がやってきた! 鳥居の下に日も沈み、明日の朝日ももう忘れ、妖怪たちよ飲み明かせ!」
 間違いない、あれがこのイベントを企て妖怪たちを餌にせんとするオブリビオン、麒麟だろう。
 麒麟は会場に入り込んできた猟兵たちを見ると、一斉にそちらに顔を向け威嚇の構えを取る。
「ん? 貴様ら妖怪ではないな、なぜこの会場に……さては、最近骸魂を狩って回っているという猟兵なる輩だな! どうも酔い潰れた連中が減ったように思えていたが、それも貴様らの仕業か!」
 状況を察し、怒りの声を上げる麒麟。一斉にビール瓶を跳ね上げ、先端を口にくわえてぐっと中身を飲み干し、瓶を投げ捨て一声上げる。
「よかろう、貴様らも我らの依代としてくれるわ。二度と恵比須顔など浮かべられぬようにしてやる!」
 さあ、この色々際どい麒麟を黙らせろ!
木霊・ウタ
心情
手がないのに器用に飲むな
すげぇ

酔っ払いでもオブリビオンなら
遠慮なく戦うぜ

けど…
骸魂も可哀そうだよな
必死でこの世界を目指して辿り着けなかった
さぞ無念だったろうな
さっさと解放してやろうぜ

酔う
折角だからりょうへいびいるを使わせてもらうか
へへ俺の酔剣を喰らいやがれって、ってカンジで
片手にもって戦い時々飲むぜ
水分補給は大切だからな
千鳥足風の足捌きはちょいと俺の好みじゃないんで
その辺は気にせずに普通に戦うぜ

戦闘
獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払う
火壁を展開して武器受け
仲間も庇う

災厄のオーラを獄炎が侵食し燃やし尽くす
例え攻撃回数が増えても
返り血=獄炎や
武器受けの剣や火壁の獄炎をくれてやるぜ

事後
鎮魂曲
海で安らかにな


迅雷・電子
【心情】酒に麒麟…うん、なんかどっかで見た組み合わせな気がするけど気のせいだよね。ようやくオブリビオンのお出ましかい。さてなんかエナジードリンク入りの疑似ビールも渡されたしそれで酔っ払いになってみますかねぇ…でもそれで手加減するってんなら大チャンスだよね…

【作戦】酒を飲んで酔ったふりをしつつ麒麟を迎え撃つよ!「なんらお前ら~!」とエナジードリンクを飲みつつ舌足らずに喋ってくだをまく演技をするよ。そして「やるってのら~?よっしゃー!やってやら~!」と制服を脱いでイェカの姿になり某力士の如く体をパンパン叩いて気合を入れつつ麒麟を全員つっぱりだ!!「実は酔ってないよ!どうだ!まいったか!!」


 ビールをあおり、戦闘態勢を整える麒麟の群れ。その手慣れた動きに、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)は感心の声を上げる。
「手がないのに器用に飲むな、すげぇ」
 とはいえ相手は良からぬことを企むオブリビオン。一芸あろうが酔っ払いだろうが戦うことへの遠慮はない。
「酒に麒麟……うん、なんかどっかで見た組み合わせな気がするけど気のせいだよね。ようやくオブリビオンのお出ましかい」
 迅雷・電子(女雷電・f23120)は何かを察しながらも、それ以上は詮索せず戦いの方へ意識を集中させる。
「貴様らが一番手か、その命搾りつくしてくれよう!」
 そんな電子の気遣いを台無しにするようにまた微妙な発言をしながら、麒麟はその身にオーラと雷を蓄えていく。一体ずつはさほど強いわけではないとはいえ、一斉に攻撃を放たれれば大きな被害は免れないだろう。その前にと、ウタと電子は素早く一本の瓶を取り出した。
「へへ、俺の酔剣を喰らいやがれ、ってカンジで」
「それじゃこっちも酔っ払いになってみますかねぇ……」
 二人が取り出したのは、他の猟兵からの差し入れでありグリモア猟兵から受け取った『りょうへいびいる』。二人はお互いの瓶を軽く打ち合わせると、口をつけて一気にそれをあおった。
「よし、気合入って来たぜ! うおらぁ!」
 ウタは掛け声と共に、片手で『焔摩天』を大振りに振り回して麒麟へと切りかかる。テレフォンパンチに近いその斬撃を麒麟は一歩後退することで躱すが、その軌跡をなぞるように残された業炎が幕の様に残り、踏み込んでの追撃を許さない。
 ウタは振り切った焔摩天を戻しながら、もう片方の手に携えたビール瓶を口につけた。
「ぬっ、こやつ……できる!」
 そう言う麒麟たちの目は剣ではなく瓶の方に向けられている。恐らく『できる』というにはつまり『飲める』という意味なのだろう。
 そして炎が途切れた瞬間、そのすぐ後ろまで着ていた電子がずんずんと麒麟へと歩み寄っていた。
「なんらお前ら~!」
 舌っ足らずに言いながら、ためらいなく麒麟の顔をつかむ電子。そのままがくがくと顔を揺すり、さらに顔を近づける。
「いや、何と言われても……」
「やるってのら~? よっしゃー! やってやら~!」
 答えに窮する麒麟に不満だったのか、電子はさらに詰め寄って一方的に言った後、徐に制服に手をかけ脱ぎ去った。制服の下から現れたのは、胸にサラシを巻き、下はスパッツの上にまわしを締めた相撲取りスタイルだ。
「どすこぉい!」
 そのまま有無を言わさず、強烈な張り手を麒麟に見舞う電子。
「こ、こいつ……タチが悪いぞ!」
「ドライならいいというものでもないが、あまりに絡み方が悪い! 急いで潰せ!」
 恐らくこの潰せと言うのも、酔い潰せという意味なのだろう。麒麟は電子に牽制のように前蹴りを放ちはするが、瓶を取り出し口をつけるたびに攻撃は止めてその邪魔はしないようにしている。
「おっと、俺も構ってくれよな!」
 その電子の周囲に炎の壁を作りながら、分断するようにウタが切りかかった。巻きあがる炎は周囲の温度を上げ、術者であるウタ自身にも汗をかかせる。それを感じるとウタは再度瓶に口をつけ、中身を喉に流し込んだ。
「水分補給は大切だからな」
 そのウタの言葉に、麒麟は内心で笑みを浮かべながら彼から距離を取る。
「愚かな……酒による水分補給は逆効果! 朝酒が残ったからと言ってレッドアイを飲むようなもの!」
 その通り、喉が渇いたときに酒を飲むのはむしろ体の水分が流れ出し脱水が促進されてしまう。そのまま自滅を待つべく、麒麟は攻撃の手を緩めた。
 そしてこれこそまさしく、猟兵二人が狙ったものであった。
 二人の飲むりょうへいびいるは、見た目をそれらしくしたエナジードリンク。ノンアルコール飲料だ。当然ながら二人とも全くの素面、酔っ払ってなどいない。しかしすっかり騙されている麒麟は、後で依代とするために過剰な損傷を避けるべく、カウンターを主体の戦法に切り替えていた。
 その麒麟に剣を振りながら、ウタは思う。
(けど……骸魂も可哀そうだよな。必死でこの世界を目指して辿り着けなかった。さぞ無念だったろうな)
 陽気な酒好きに見えても、その実態はカクリヨファンタズムにたどり着けなかった妖怪の無念の魂。倒すことでそれを解放できるならと、ウタはしっかりとした足取りで、まっすぐに剣を振り下ろし麒麟の一体を切り裂いた。
 さすがに仲間がやられては悠長にしていられない、とそちらの救援に向かおうとした麒麟を、電子の【連続つっぱり】が押し返す。
「どすこいどすこいどすこい!!」
 連続で繰り出されるつっぱりの、壁の如き圧力がどんどん麒麟を押し返していく。その連続攻撃はウタの側にいる麒麟に伝えられて反撃の力となるが、ウタは彼らの反撃を甘んじて受け、返り血を浴びせそれを【ブレイズフレイム】で燃やすことで二重のカウンターとした。
(こんなことで苦しみを分かち合ってやれるとは思わないけど)
 ウタの返し技と電子の圧倒的な攻め。二つの戦法で数を減らされていく中、ようやく麒麟たちも気づく。
「さては貴様ら……!」
「実は酔ってないよ! どうだ! まいったか!!」
 種明かしと同時のつっぱりで、二人を囲んでいた麒麟の最後の一体が消え失せた。後には依代にされていた一般人の妖怪が倒れ込み、呑気にいびきをかいている。
「やれやれ、また酔っ払いの世話かい」
 電子はそう言いながら、麒麟だった妖怪たちを次の戦いの邪魔にならないよう離れた場所へかつぎ出す。
「海で安らかにな」
 ウタは酒で少しでも気がまぎれたのならと、骸魂たちへと鎮魂の歌を捧げるのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

初志・貫鉄
共闘即興歓迎
POW

なんだテメェら、ただ酒だから来てやったんだぞ!もっと飲ませろー!
あ?キレのあるラガーが最高に決まってるだろ!心の園も捨てがたいぜー!

酒好きアピールしながら、ふらりとした足取りで敵を避け酒の傍に
周囲が飲んだくれてるのを見回して、敵の位置も確認

にしても、誰一人として余興しやがらねぇなぁ…しょうがないっ!一番っ!初志貫鉄。ポージングします!

酔った勢いと見せて褌一枚に。ポージングを極め覇気を練り限界突破
薄っすらオーラを纏い輝き注目を集めてから

続けてっ!初志・貫鉄、空を飛びますっ!

ジャンプの後、UCを使って変身
浄化と破魔の力を乗せた風雷雨で空中戦攻撃
敵の攻撃はオーラ防御と高速飛翔で対処


リネリット・エルス
説明しようっ、私は酔うと抱きつき魔でキス魔になるのだっ。

というわけできりんさんの首に抱きついて、ねーぇ〜きりんさんちゅーしてお酒飲ませれー♪ トリスおじさんやニッカのおじさまも好きだけど、きりんさんはもーっと好きでぇーす。

ねーねー、きりんさんもやっぱりウマ並みなのかなぁ?
んー、んぅ……♪

えへへー、そのままちゅーしながら[UC夢魔の枷]でUC全部封じちゃーう。コピーされてもUC使えませーん♪ [生命力吸収][誘惑][呪詛]精気ちゅーちゅーって、いい夢見てねェ〜♪


「なんだテメェら、ただ酒だから来てやったんだぞ! もっと飲ませろー!」
 酒気渦巻く会場に、缶ビール片手にふらりとやってきた初志・貫鉄(拳食合一の功徳奉士・f26667)は開口一番そう言った。だが先に偽の酔っぱらいに騙されている麒麟たちは、缶を持っていてもすぐには信用せずまずは確認を取ろうとする。
「飲ませるのは構わんが、どんな酒が好みだ、言ってみろ!」
「あ? キレのあるラガーが最高に決まってるだろ! 心の園も捨てがたいぜー!」
 よどみない貫鉄の返答。品名まで言っているのを聞き、これは本物だと麒麟たちは確信した。
 さらにその麒麟たちが積んでいたビールを、横から近づいてきたリネリット・エルス(夢魔・f16038)がひょいと取り上げ、そのまま口をつけた。新たな乱入者に驚く麒麟たちに構わず中身を一気に飲み干すと、リネリットは甘えるようにその麒麟の首に抱き着く。
「説明しようっ、私は酔うと抱きつき魔でキス魔になるのだっ」
 あざとく麒麟に囁きながら、その首を胸を押し付けながら思いきり抱き締めるリネリット。
「ねーぇ〜きりんさんちゅーしてお酒飲ませれー♪ バーテンのおじさんやローリーおじさまも好きだけど、きりんさんはもーっと好きでぇーす」
 別種を排してのアピールに抱き着かれた麒麟はご満悦。他の麒麟たちの恨みがましい視線をよそに、デレデレとさらにリネリットにビールを渡していく。
「そうかそうか。よし、飲め飲め」
「わ~い♪」
 その様子を、麒麟たちがよく見える席に着いて酒を飲みながら貫鉄は観察していた。周囲にも飲んだくれた妖怪はいるが、とりあえず簡単に巻き込まれるようなことはなさそうだと確認してから席を立つ。
「にしても、誰一人として余興しやがらねぇなぁ……しょうがないっ! 一番っ! 初志貫鉄。ポージングします!」
 言うが早いか、貫鉄は徐に服を脱ぎ、褌一枚の裸体を披露。服の上からでも盛り上がりが分かる程の胸筋が露になり、惜しげもなくサイドチェストでそれをアピールする。
「どうだ、この男筋!」
 その姿にはまさに酔った男の色気が満載、その肉体は輝きを放ち、ポーズからは覇気さえも立ち上らんばかりの男気が溢れている。なおこれに対して麒麟は。
「お、おう……」
「努力は買う」
「ウホッ」
 とこんな感じ。一部好意的な視線を向けているのは依代が女の妖怪なのか、あるいは別の可能性があるのか。ともあれある種注目を集めるのには成功していた。
「ねーねー、きりんさんもやっぱりウマ並みなのかなぁ? んー、んぅ……♪」
 一方で一体の麒麟に抱き着き続けるリネリット。周囲の麒麟からは『なんでお前ばかり……』と恨みがましい視線が向けられるが、当の本人はお構いなしだ。
 そしてこれに負けじと、貫鉄もさらなるパフォーマンスにてアピールをかける。
「続けてっ! 初志・貫鉄、空を飛びますっ!」
 言うとともに貫鉄は大ジャンプ、さらに空中で覇気を解放、輝く孔雀の姿へと変身した。これには麒麟たちも素直に感心し、貫鉄の姿に注目する。
「我が覇気、瑞鳥の力を象りて、恵みと改心の嵐を巻き起こさん」
 そのまま貫鉄は浄化の風雷雨を麒麟たちに向かって放つ。それはイベント会場全体に降り注ぎ、麒麟たちの骸魂にダメージを与え始めた。
「な、なんだこれは!?」
「ただの雨ではない……憑依が、剥がれる……!」
 その身に入るダメージに、浮足立つ麒麟たち。だがそれに追い打ちをかけるように、リネリットに抱き着かれていた麒麟が突然姿を消した。
「精気ちゅーちゅーって、いい夢見てねェ〜♪」
 リネリットは麒麟に抱き着きながら【夢魔の枷】で行動を封じつつ、その生命力を吸収しながら呪詛を流し込んでいた。それによって弱らされていた麒麟が、浄化に耐えきれず最初に消滅する。
 そのままリネリットは次の麒麟に狙いを定め、首に抱き着いた。
「あなたも欲しそうな顔してたし、いーっぱいちゅーちゅーしてあげるねぇ~♪」
 さすがに遊んでいる場合ではないと、麒麟は反撃のオーラを出そうとする。だがユーベルコード自体が既に封じられており、それすらもままならない。
 ならば空を飛ぶ貫鉄から先に倒そうと、受けた雨の分だけ貫鉄に向けて雷を放つが、孔雀と化した貫鉄は高速で飛翔しそれさえ避ける。そしてそちらに翻弄されている間に、また一体麒麟が消滅し、次の獲物にリネリットが抱き着いた。
 上空からの範囲攻撃で全体を弱らせ、そこに一人ずつを確実に仕留めていく。二種の戦法に次々にその数を減らした麒麟はやがてその全てが酔っ払い妖怪に戻り、浄化の雨に打たれて目を覚ますのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『カッパ海坊主』

POW ●河童大相撲
【踏み込みからの張り手】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD ●サゴジョウアーツ
【半月刃の付いた三節棍】で攻撃する。[半月刃の付いた三節棍]に施された【神将沙悟浄】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ ●河童のナイアガラ流し
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【水】属性の【滝】を、レベル✕5mの直線上に放つ。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 会場スタッフである麒麟を倒し切った猟兵たち。その騒ぎを聞きつけてか、一人の着物姿の少女が会場に現れる。その手には今まで飲んでいたのか一升瓶が握られていた。
「何の騒ぎ……あれ、麒麟がいない? スタッフ、スタッフー!?」
 少女はあたりをきょろきょろと見回すが、その声に応える者はいない。その代わり彼女の目に入ったのは、武器を携えた見慣れぬ存在。
「ちょっとここで何でそんなもの持ってるの!? ……さてはお前たち、あたしのイベントを邪魔しに来たな!」
 そう言いながら襟巻を手のように変形させ、そこに槍を構える少女。自分も武器持ってきてるじゃないかというツッコミは聞かなさそうな彼女こそ、このイベントの主催者『カッパ海坊主』と見て間違いないだろう。彼女は持っていた瓶をぐいっとあおり、猟兵を睨みつける。
「お前たちみたいなだっさい連中、八つにばらして海と山に捨ててやる!」
 やはりこいつも早急に黙らせた方がよさそうだ。さあ、急いでこのイベントをお開きにしろ!
火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で『カッパ海坊主』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。もちろん、取り込まれた方も助け出します」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が、まずはカッパ海坊主の前へ出た。そのままカッパ海坊主が構えるより早く、明は銀の剣を構えて踏み込む。
「この攻撃で、妖怪を助け出す!」
 素早く繰り出された【銀色の疾風】が、カッパ海坊主の体を切り裂く。カッパ海坊主はとっさに半月刃を重ねてそれを受けるが、銀の剣はその刃の小さな隙間を抜け、体へと届いた。さらに明はそこから素早く剣を抜き取り、相手の横を移動しながらすれ違いざまの二撃目を見舞う。
「なっ……早い……!?」
 あっという間の連撃に、カッパ海坊主はぐらりと体を揺らす。だが改めて剣を受けた部分に触れると、そこに傷は一切ない。
「切られてない……? にしちゃ、随分気持ち悪い……」
 訝るように傷があってしかるべき場所を撫でるカッパ海坊主。その前で、明は種明かしは不要とばかりに再度剣を構えて待っている。
「ああもう、こういう時は迎え酒! あたしは銀より吟醸の方が好きなの!」
 不快感をごまかすように手に持った酒を一口飲み、踏み込みながら手を大きく引くカッパ海坊主。
「どっせい!」
 その手を一気に突き出し、明を張り倒さんとした。小さいながら体重の乗ったその一撃はうなりを上げ、明の体に叩きつけられる。
「残念、それは残像です」
 しかしその攻撃を、明は残像を残す早さで躱し、反撃にもう一度銀の剣を振るった。
「何度もやられるか!」
 だがその斬撃は、手のように動いた襟巻が構えた刃によって受け止められる。ならばと先と同じようにそこから引き抜こうとするが、今度は逃がさないとばかりに襟巻の手は剣をぎりぎりと締め上げ、抜くことを許さない。
「よくもやってくれたな……カッパの力なめんなよ!」
 酒を飲まない明に、カッパ海坊主は手加減しない。武器を取られ一瞬動きの止まった明に、今一度強烈な張り手が叩きつけられた。避けられない、と判断した明はオーラを体の前面に集め、その衝撃を受け止める。強烈な破裂音を響かせながら、明の体が踵を地面に埋め込ませつつ大きく後退った。
「……これは効く……でも、少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に……!」
 軽減してなお、ダメージは小さくない。だが自分一人では倒せなくても、骸魂を少しでも妖怪から引きはがせれば、後に続く誰かの助けに慣れれば……その一念で、明は銀の剣を敵の戒めから抜き取り、再度素早く切りかかる。
「必ず、助け出す!」
 再度放たれた銀色の疾風が、カッパの少女に取り付いた海坊主を切り裂いた。
 その一撃と共に離脱する明を追うことは出来ず、結合の緩んだ骸魂を酔わせて無理矢理つなぎとめるように、カッパ海坊主は酒をあおるのであった。
成功 🔵🔵🔴

リネリット・エルス
ちょっとー、ださいとかひどくなぁーい? こちとらお酒呑める歳だけど心は錦の14だい! 海もヘーキになって天狗になってる河童なんてやっつけてやるんだからっ。

というわけでカッパ海坊主の女の子と呑み比べで勝負だよ!

ギャラリーに囃し立てられながらお互い泥酔するまで呑んで、呑んで、呑まれてー……えへへェ~よく見るとかぁーいいおかおー♪ おねーしゃんとちゅーしよ、うん。ちゅー。あはは、UC詠唱のろれつがまわってなぁーい♪ 

[UC幻覚]ほーらぁちゅーしたくなーるしたくなーる~~~そのまま[生命力吸収]で精気をちゅーって♪

……ぷぁ♪ えっへへー……うっぷ(※自主規制)


 一戦を終えたカッパ海坊主の前に、ふらふらとした足取りでリネリット・エルス(夢魔・f16038)が進み出る。
「ちょっとー、ださいとかひどくなぁーい? こちとらお酒呑める歳だけど心は錦の14だい! 海もヘーキになって天狗になってる河童なんてやっつけてやるんだからっ」
 そう言ってリネリットはびしっとカッパ海坊主に指を突き付けた。
「錦は山田だけで十分だよ! やるって言うなら相手になってやるから!」
 負けじと槍を構えるカッパ海坊主。そんな相手に対しリネリットは。
「よーし、それじゃー……呑み比べで勝負だよ!」
 一升瓶を取り出し、高々と掲げた。一瞬あっけにとられるカッパ海坊主。だがすぐに得意げな笑顔を浮かべ自分の持っている瓶を対抗するように持ち上げた。
「あたしがちっちゃいからってバカにしてるな? いーだろ、カッパの本気見せてやる!」
 そう言ってカッパ海坊主はどっかりその場にあぐらをかいて座り込んだ。リネリットもそれに合わせ、彼女の隣に酒瓶を持って座り込む。
「よーし、それじゃー……スタートぉ!」
 リネリットの掛け声と共に、唐突に飲み比べ大海はスタートした。
「いいぞー、のめー!」
「姉ちゃんたちやるじゃないか!」
「ポロリはないんですか!?」
「そんなもの、ウチにはないよ……」
 美女と美少女の飲み比べ対決に、いつの間にやら周囲には酔っ払い妖怪たちが集まってきていた。その中にはよく見ればさっきまで麒麟だった連中までおり、あんな目に合ってまだ懲りない酒飲みの業が見て取れる。
 その大歓声の中、二人は酒をまるで水で出もあるかのようにぐいぐい飲み干していた。
「く……なかなかやるじゃんあんた……でも、こっちはカッパと海坊主二人分肝臓があるんだからね!」
 中々潰れないリネリットを見て、カッパ海坊主が言う。そもそも彼女とて考えなしに飲み比べに乗ったわけではない。元々酒量には自信があったし、それで酔い潰してしまえば労せずして強力な依代をゲットできるのだ。どうせなら強い体を無傷で手に入れたいという魂胆から、カッパ海坊主はリネリットの轟沈を待ち飲み続けていた。対するリネリットはというと。
「呑んで、呑んで、呑まれてー……」
 顔がかなり赤くなり、呂律も回っていない。これはあと少しかとほくそ笑むカッパ海坊主に、リネリットはずいっと顔を近づけた。
「えへへェ~よく見るとかぁーいいおかおー♪ おねーしゃんとちゅーしよ、うん。ちゅー。あはは、UC詠唱のろれつがまわってなぁーい♪」
 とろんとした目でカッパ海坊主を見つめながら、抱き着いて唇を突き出すリネリット。
「や、やめろ! 妨害行為だぞ!」
 迫るリネリットを押し返そうとするカッパ海坊主だが、力が入らずどんどん迫られ、押し倒されていく。周囲のギャラリーはもちろん止めることなどせず、むしろ大盛り上がりだ。楽しければ何でもいいという、ダメな酒飲みの姿がそこにあった。
「ほーらぁちゅーしたくなーるしたくなーる~~~」
 なおもリネリットは呪文のように呟き続ける。その内にカッパ海坊主も抵抗する力が徐々に弱くなっていき、ぱたりと手を落とし、酔いの中に意識を吸い取られるように目を閉じていった。
「……ちょっと待て、あたしはそんなに弱くないぞ!」
 そうして眠りに落ちる瞬間、カッパ海坊主ははっと気づく。そのまま最後の力を振り絞り、思い切りリネリットを突き飛ばした。
「あはは~、ざんね~ん、もうちょっとだったんだけどぉ~♪」
 そう言ってリネリットは金の瞳を、アルコールとは違う怪しい光で輝かせた。瞳からの幻覚でカッパ海坊主を惑わし生命力を吸い尽くす。飲み比べにかこつけて相手を潰そうという魂胆はリネリットもまた一緒であった。
「こんなの無効試合だ! 上物の善い酒抱えたまま水の如く流れ去れ! 河童のナイアガラ流し!」
 カッパ海坊主の怒りの水流が、リネリットを直撃する。その激しい流れに、リネリットは力を込めて踏ん張るも、その体は揺れ、三半規管が激しく刺激される。水にあえて顔を当てて目を覚まそうとするが、結局水の勢いで頭部が揺さぶられ逆効果だ。
「……ぷぁ♪ えっへへー……」
 自ら顔を上げたリネリットは、悪戯っぽく、しかしどこか捨て鉢な笑顔を浮かべ、思い切りカッパ海坊主へしなだれかかっていく。そして。
「うっぷ」
 捨て身の反撃、【猟兵のナイアガラ返し】が炸裂した。
 これ以上の描写については自粛させていただく。
成功 🔵🔵🔴

迅雷・電子
【心情】へっへっへ…待ってたよ!実を言えばあんたと相撲取るためにこの依頼に来たようなもんさ!さあ、勝負しようか!

【作戦】最初まだ酔っぱらいになりきり「河童ちゃ~ん、相撲しよ~」と四股を踏みつつそのまま相撲の体勢に。そっから相撲を半ば強引に取るも手加減してる河童を見てうんざりしつつビンを割りつつ「やめだ!やっぱあたしは本気のアンタと勝負したい!元からあたしはシラフだよ!本気の勝負だ!」と敵と本気の相撲を交えた戦いを望むよ!
敵の槍や滝は【見切り】で回避するよ!敵の張り手は【怪力】で受け止めるよ!こっちも相撲投げや雷電張り手で攻撃だ!「本気の相撲と行こうじゃないか!カッパ海坊主!」


初志・貫鉄
即興共闘歓迎
pow

褌男は地上に降りると、開いてない苦味のキリッと利いたラガーを一缶飲み干して、河童を一睨み

来いよ、カッパぁ!槍なんか捨てて掛かってこい!

雲竜型土俵入りで挑発、相撲勝負だ!
立ち会い勝負は目に見えているので、覇気を練り上げギリギリまで溜め込み、小さな声で詠唱
発気良い残った!の合図でリミッター解除、限界突破!
立ち会いは、横に跳んでかわす。
河童の体勢が崩れた所で、UCを
張り手でねじ込み一撃必殺ねらい。
無理だったら、その後はガチンコ相撲だ!

戦闘後に、約束通り1章で道譲ってくれた老木まで戻り、御神酒『荒覇吐』を根にかけて、多分また始まる宴会の詫びをしてから、老木に背を預けゆっくり休みます


「あーもう、何でこんな目にー!」
 自分で出した水を浴び、体中を洗うカッパ海坊主。彼女に何があったのかは、聞かないでおいてやるのが優しさだろう。
 そんなカッパ海坊主の前に、一人の褌男が舞い降りた。初志・貫鉄(拳食合一の功徳奉士・f26667)は苦みの冴えるラガーを開けて一缶飲み干し、カッパ海坊主を一睨みする。
「来いよ、カッパぁ! 槍なんか捨てて掛かってこい!」
 貫鉄の挑発に、カッパ海坊主も彼を睨み返す。
「ふざけんな! 誰が敵の前で武器なんて捨てるか!」
 至極当然のことを言うカッパ海坊主。だがさらに畳みかけるように、迅雷・電子(女雷電・f23120)も貫鉄の後ろから現れ誘いをかけた。
「河童ちゃ~ん、相撲しよ~」
 上機嫌にふらふらしながら言う電子の姿は紛れもなく酔っ払い。実のところ彼女は未成年なので酔ったふりをしているだけなのだが、先刻の麒麟との戦いを見ていないカッパ海坊主には本当に酔っているようにしか見えなかった。
 目の前にいる敵は二人だが、相撲となれば纏めてかかってくることはないだろう。それに片や足元はおぼつかず、片や現在進行形で飲んでいる。武器を使うより投げ倒してしまえば傷も少なく、後で依代を乗り換えるのにも使いやすいかもしれない……
 そう考えて、カッパ海坊主は槍を地面に置き、着物の袖をまくった。
「よーし、いいだろ! ただしちゃんと一人ずつかかってきてよね!」
 その言葉を受け、まずは貫鉄が前に出た。雲竜型の土俵入りをし、肉体を見せつけ相手を挑発していく。
「よーし、じゃあはっけよーい……」
 二人の横に電子が立ち、行司のように声をかけた。それに合わせ両者とも地に拳をつき、立ち合いの構えを取る。カッパ海坊主は小さい体に強靭な力を込め、貫鉄も体に覇気が凝縮されていくかの如く、静かに力を溜めていた。
「のこった!」
 開始と共にカッパ海坊主が勢いよく飛び出す。その立ち合いを、貫鉄は横に飛んで躱した。
「何だとっ!?」
「まともに当たって勝てるとも思わないからな。行くぜ、不動明王尊火焔撃!」
 勝負は一瞬、とばかりに、貫鉄は見合いの間に小さく詠唱しておいた【不動明王尊火焔撃】を、練った覇気を全開にしながら張り手に乗せてぶちかました。体制の崩れていたカッパ海坊主はそれをまともに食らい、大きく動かされる。
「なんのぉ!」
 だが、ついていた足を強引に踏ん張り、なんとか踏みとどまろうとするカッパ海坊主。そのまま押し切ろうと、貫鉄もがぶりよる。そのまま力と力、押しと押しの比べあいが続いたが、元より体制の崩れていたカッパ海坊主は少しずつ足が落ちていき、やがてその膝が土についた。
「……よし、俺の勝ちだ!」
 それを確認し、組みを外して離れる貫鉄。これは相撲であり、殺し合いではない。そう言わんばかりに慈悲慈愛の一撃から勝利を収めた男は、次の取り組みの行司役を務めるべく横にどいた。
「よ~し河童ちゃん、つぎはあたしが相手だ~!」
 その貫鉄を止める間も与えずに、強引に電子が組みつきに行く。
「おっと、それじゃはっけよい、のこった!」
 それを見た貫鉄も、即座に声をかけて取り組みを開始させた。
 取り組みが始まり、しばらくは押して引いてのぶつかり合いが繰り広げられる。だがカッパ海坊主の方はどうにか傷つけず倒せないかと手加減しており、電子もふらついた様子でそれを返さず倒されず、のらくら躱す形を取っていた。
 しばらくそんな状態が続いたが、突如電子が強烈な張り手をカッパ海坊主の横に叩きつけ、襟巻に握らせていた酒瓶をたたき割った。
「やめだ! やっぱあたしは本気のアンタと勝負したい! 元からあたしはシラフだよ! 本気の勝負だ!」
 はっきりとした口調での、電子の突然の告白にカッパ海坊主はあっけにとられたように動きを止める。だが、少ししてから再び笑い顔を浮かべ、再び手に力を込め始めた。
「ああ、そうかい。なら本気だよ。思い出したけどさ……あたしは酒と同じくらい、相撲が好きなんだよね!」
 そう言って今度は手加減なしに投げ飛ばしにかかるカッパ海坊主。それを下半身に力を入れて耐えながら、電子も笑顔を浮かべて答えた。
「へっへっへ……待ってたよ! 実を言えばあんたと相撲取るためにこの依頼に来たようなもんさ! さあ、勝負しようか! 本気の相撲と行こうじゃないか! カッパ海坊主!」
 そこから始まる本気の取り組み。互いにユーベルコードで張り手を見舞い合い、まわしを取ってはそれを切り、投げに行っては釣って返し、全身全霊をかけた勝負が繰り広げられた。
 そして互いに精魂出し切った瞬間。
「どすこぉぉぉい!!」
 電子の【雷電張り手】がカッパ海坊主を吹き飛ばし、地面に尻から倒れ込ませた。
「あー! くっそー、やられたよ! 次はこうはいかないからね!」
 悔し気に、しかしどこか楽しげに言うカッパ海坊主。元より相撲はカッパの特技。それを全力で行ったことで、依代のカッパの意識が海坊主の骸魂を押し返し始めているのだろう。
 後は他の猟兵に任せればいい。電子は好敵手となった少女が救われることを確信し、会場を後にした。
「悪しき宴はもうすぐ終わります。その後またひと騒ぎあるだろうが……お許し願いたい」
 そして貫鉄もまた、約束通り古木に御神酒『荒覇吐』を一献捧げ、また宴会が始まるだろうことを詫びながら、その幹に背を預け休むのであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

木霊・ウタ
心情
骸魂を還し依代を救うぜ

酔う
景気づけだ
呑んでガンガン行くぜ!と瓢箪の水を飲む
瓢箪?
うんずっと持ってた

ボス相手に片手じゃアレなんで
戦闘中は腰に下げ
時々飲むパフォーマンス
水は嫌という程浴びせられるだろうけど

戦闘
獄炎を舐めるなよ
水をも燃やし尽くす意で
獄炎纏う焔摩天で繰り返し薙ぎ払う
その熱と炎で頭の皿の水を徐々に蒸発

踏み込みに対し爆炎の反動で瞬時に距離とる
回避不能時は火壁&武器受け
仲間も庇う
受傷時は返り血の獄炎を

海坊主
辿りづけず辛かったな
仲間を苦しめるなんて
望んじゃいないだろ
海へ還してやる

河童
聴こえるか判んないけど呼びかけ
もう少しの辛抱だ

事後
鎮魂曲
海で安らかにな

皿へ水をかけてやる
悪かったな
お疲れさん


「骸魂を還し依代を救うぜ」
 シンプルだが揺るぎない目的を胸に、戦いに臨む木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)。日本酒の製造工程には、酒を加熱し浄化する『火入れ』という工程がある。獄炎を武器とし操ることを得意とする彼こそ、あるいはこの骸魂の憑依と無念を浄化するに相応しい存在と言えるかもしれない。
 その前でカッパ海坊主は、酒で無理やり憑依を保たせるかのように次々と酒をあおっていた。どこかやけ酒じみたあまり美味そうには見えないその飲み方は、まるで骸魂がカッパに意思を失うまで飲むことを強要しているかのようで痛々しい。
「よし、景気づけだ。呑んでガンガン行くぜ!」
 そんな彼女の前で、ウタはあえて明るく言ってこれまでずっと携えていた瓢箪に口をつけた。中身は水だが、その見た目は景気づけに酒をあおる酒飲みの様だ。カッパ海坊主はそんなウタを見ると、自分よりうまそうに飲んでいるのが気に入らないのか瓶から口を離して彼を睨みつける。
「なんだい、ちょっと負けが込んでて気が立ってるんだ。今のあたしは魔王よりおっかないよ!」
 そう言って、カッパ海坊主は水を纏った手でウタへと殴り掛かった。ウタは一歩引いてそれを躱し、散った水飛沫でその顔を濡らす。
「ま、水を嫌という程浴びせられるのは覚悟してたさ。そっちが水ならこっちはこいつだ。獄炎を舐めるなよ」
 そう言ってウタは【ブレイズフレイム】の炎を『焔摩天』に纏わせ、大きくなぎ払った。カッパ海坊主も酒が入っているとは思えない動きでそれを躱すが、それを追うかのように二度、三度と焔摩天がなぎ払われ、炎があたりに散らばっていく。
「夏に熱燗なんてごめんだよ! くらえ!」
 カッパ海坊主はその火を踏み越え、大ぶりに張り手を繰り出した。その勢いはブレイズフレイムの獄炎すら吹き消さんばかりに強く、ウタの体に迫る。
「……もうちょっとの辛抱だからな」
 語り掛けるようにそう言って、ウタは自身の目の前に爆炎を発生させた。その炎はカッパ海坊主を押し返すのみならず、使用者であるウタの体さえ巻き込み、大きく後ろに吹き飛ばした。あまりの熱気に周囲の空気は揺らぎ、そこかしこに陽炎が立ち上る。
「こ、こいつ……正気なの……?」
 ウタの捨て身の回避術に、カッパ海坊主は顔を引きつらせる。だがその表情が歪んでいるのは予想外の行動を目の当たりにしたからだけではない。ウタは前面に炎の壁を張り、その後ろで瓢箪から水を飲みながら相手の様子を見てそれを確信していた。
「これぐらいしかできることがないからな」
 そう言って壁を消し、カッパ海坊主へと近づくウタ。カッパ海坊主は再び張り手を繰り出すが、その威力は先に放った一発とは比べ物にならないほどに遅く、ウタはあえてそれを躱さず、武器で受けて軽減するだけにとどめた。消しきれなかったダメージがウタの体に傷をつけ、そこから返り血がカッパ海坊主へと付着。その血は即座に燃え上がり、彼女に小さなやけどを負わせる。
 そこからウタは、大きく焔摩天を振り上げた。カッパ海坊主は槍を構えそれを受けようとするが、武器を取った腕がなぜか持ち上がらず、防御の構えを取ることすらままならない。
「あ、れ……力が……」
 一度つけばウタの意思なしには消えないブレイズフレイムの炎。戦場に満ちたそれは周囲の温度を上げ、辺りの水分を消し飛ばしていた。汗も、酒気も、そしてカッパの命とも言える、皿の水さえも。
「辿りづけず辛かったな。仲間を苦しめるなんて望んじゃいないだろ。海へ還してやる」
 ウタは目の前の少女に憑依する海坊主の骸魂に語り掛けた。それを聞いたカッパ海坊主は、その骸魂の部分で理解した。先にウタが言った「これぐらいしかできることがない」、それは回避術のことではなく、戦って海に返すしか今自分にできることはないと、そう言う意味なのだと。
 そして炎を纏う巨大剣が、カッパ海坊主へと振り下ろされた。
 傘が割れ、少女があおむけに倒れていく。ウタは素早く彼女を抱きとめると、瓢箪を取り出して頭の皿にその中身をかけた。
「悪かったな。お疲れさん」
 カッパはしばらく虚ろな表情をしていたが、やがてはっきり目を開くと、きょろきょろと辺りを見回す。
「あれ? えーと、あたし……何を?」
「気にするな。変な夢は酒飲んで忘れちまいな。……ほどほどにな」
 ウタはそう言って彼女から離れ、森の出口へと歩いていく。
 その時彼が口ずさむのは、今回の本当の元凶であり、元をただせば哀れな犠牲者の一人とも言える海坊主への鎮魂歌。求めた地にたどり着けず骸となった魂が少しでも海で安らげるよう、そう祈りながら。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月03日
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