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パンケーキによもぎがないと滅ぶ世界で

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●どこか懐かし夏祭り
 愉しげな祭囃子が鳴り響く、ノスタルジックな街並み。
 今宵は待ちに待った夏祭り、狐も狸も川獺も、おどれや踊れと手拍子足拍子。
 どことなくUDCアース世界に近いのに、あからさまにどこか異なる見知らぬ世界の一角で。
 真っ赤な目をした男の子がぐすぐすと、大粒の涙を溢して泣いていた。
「ぼくも、ぼくも食べたかったのぉ~、おねーちゃんがおいしい、おいしいって言ってたから~」
「ごめんなぁ坊主、よもぎパンケーキは売り切れちまったんだよぉ」
「やぁだぁぁぁぁ~~~っ!!」
 どこかのほほんとした犬のおっちゃんが宥めようとしても、男の子はただただ泣きじゃくる。
 どうも、パンケーキを売っている屋台にお目当てのパンケーキがあったそうだが、残念なことに売り切れた後のようだった。
 またよもぎ仕入れたときに作ってやるから、とおっちゃんが撫でる手を……男の子は強く振り払う。
「……よもぎパンケーキのない世界なんて」

 さて、お気付きの方は多いだろうが、ここはUDCアース世界ではない。
 位置的にはその隣にあるという、『妖怪』たちの住まうこの世界の名は『カクリヨファンタズム』。
 人々より忘れ去られた妖怪が平和に暮らす、この世界は。

「――滅んじゃえばいいんだぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

 その実、毎日のように滅びかけてるヤバい世界だった。

●それはカタストロフの連弾花火の如く
 ふたつ、お知らせがある。
 そう前置きをしてアトラ・アレーナ(黒猫船長・f27333)がにこやかに告げた“ひとつ目の知らせ”は、噂通りに新世界の発見を知らせるものであったのだが。
「ふたつ目の知らせは残念なことに、この世界は滅びる。 よもぎパンケーキを食べること叶わなかった、とある吸血鬼少年の悲しみによって」
 なんだそのふわっとした理由は。
 思わず突っかかりかけた者もいるだろう、対しアトラも困ったように小首を傾げるばかり。
 グリモアがそんな予知を寄越すものだから仕方ないだろう、と言わんばかりの態度である。
 新世界『カクリヨファンタズム』の詳細については各自資料に目を通すように、ともした上でアトラは詳細を紐解く。
「今回の元凶とも言うべき少年は吸血鬼……、西洋妖怪に当てはまる彼が『よもぎパンケーキのない世界など滅びればいい』と願った結果、世界から『味』が消え去った。 肴を食っても酒を飲んでも塩気しかない『塩味の世界』と言ったところだな」
 そうしてアトラはカクリヨファンタズムの“今の”光景を表示させる。
 先程まで愉しげな祭囃子が鳴り響いていたであろう街並みは、あちこちに塩の結晶がこびりついた世界と成り果てている。
 その上で辺りには骸魂が飛び交い、そこ行く妖怪を次々と飲み込んではオブリビオン化させていた。
「まさに終末……といった光景だが、我々はその元凶を突き止めている。 悲しみに暮れた吸血鬼少年を止め、世界を救ってくれたまえ」
 『ムカデ王』の骸魂に飲まれた吸血鬼少年は今や『ムカデヴァンパイア』となり、吸血鬼の残虐性を強制的に解放させての大暴れを繰り広げている。
 しかし当の少年は殺戮を望んでいるわけではない……この世界におけるオブリビオンとは、あくまで骸魂が妖怪を飲み込んで変身してしまった存在だと言う。
「つまり、ムカデ王の骸魂を引き剥がしさえすれば、中身の少年を救えると言うわけだな」
 ただし、骸魂飛び交う光景で察した者もいるだろうが……少年の周囲には骸魂に飲まれた妖怪がちらほらいる。
 それらは『麒麟』というオブリビオンに変化してしまっているが、幸いにも飲み込んだ妖怪が強くなかったため、戦闘力はそれほど高くはないとのことだ。
 注意事項があるとすれば……と、アトラは下顎に手を添える。
「先程も言ったが、今のカクリヨファンタズムは『塩気の世界』だ。 【何かを食べるか、口に含むようなユーベルコードは発動が阻害される】可能性がある、気を付けたまえ」
 何を食べても味がしない、と言うのは恐らく猟兵の所持品にも影響があるだろう。
 食べなれたそれのつもりで口に運んだら、思わぬ行動ロスに繋がってしまうかもしれないと注意を促されたとき、映像は消えて目前に転移の扉が現れた。
「さて、概要は理解できたな? それでは至急『カクリヨファンタズム』へと向かってくれたまえ。 世界をひとつ救った暁には、祭り屋台の出店焼きたて、ほっくほくのパンケーキの1枚や2枚……その10倍だって奢ってやるとも」
 にっこりと、紳士的な笑みを浮かべたアトラは地に杖を突き立て、転移の扉を開け放つ。
 そんな最中、目敏い者は気付いただろうか……グリモアの映像が消える前、塩漬けにされた屋台の中にこんな旗が立っていた。

『パンケーキ大食いバトル、開幕! 挑戦者募集中!』


四季臣
 五十一度目まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 しょっちゅうカタストロフ……すごいパワーワードが出ていましたね。
 そんなライブの余韻が残っている最中、四季臣もここぞとばかりに乗っかります。

 第1章は、集団戦です。
 元凶は吸血鬼の少年なのですが、その周囲にはオブリビオン『麒麟』の群れが出没しています。
 強そうなイメージがありますが、取り込んだ妖怪が弱かったらしく……そこまで強くはありません。
 ちなみに骸魂に飲み込まれた弱い妖怪も助け出せます。

 第2章は、ボス戦です。
 元凶の少年は『ムカデヴァンパイア』となり、周囲の屋台を破壊し始めています。
 ムカデ王の骸魂から吸血鬼少年を解放し助けてあげてください。
 尚、グリモア猟兵が言っていた注意事項はフレーバーです……該当するユーベルコードに対し、その塩味にむせる描写を加える程度になります。
 決して【プレイングに対しペナルティを与えるものではありません】。

 第3章は、日常パートです。
 グリモア猟兵が「奢ってやる」と言っていましたが、その実現地のイベントにかこつけただけです。
 現地ではパンケーキ大食いバトルなる催し物を開催しており、猟兵の皆様は大歓迎を受けてのエントリーとなります。
 優勝を狙うもよし、ただ楽しむもよし、お好みのトッピングを試すもよしです。
 優勝狙いのお方がいらっしゃった場合は、ダイスを振っての判定と致します。
 ちなみに元凶となってしまった少年もエントリーはしています、よもぎパンケーキは急ぎで追加される予定ですので安心。
 グリモア猟兵のアトラもちゃっかり参戦、お声がかかればお隣でパンケーキをもくもくと食べての登場となります。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『麒麟』

POW   :    カラミティリベンジ
全身を【災厄のオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【攻撃】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD   :    因果麒麟光
【身体を包むオーラ】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、身体を包むオーラから何度でも発動できる。
WIZ   :    キリンサンダー
【角を天にかざして招来した落雷】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を災いの雷で包み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
塩味しかしない、というのは残念ですよねぇ。
何とか対処しましょうかぁ。

『F●S』3種を展開、『FRS』『FSS』の[砲撃]に『FBS』の「斬撃」を混ぜ、[範囲攻撃]を行いますねぇ。
[砲撃]は主に「上から」、「斬撃」は「低空飛行で足元狙い」とすれば意識も分散出来るでしょう。

そして、麒麟さん達の反撃に合わせて【月衣奏】を使用、全身を『女神の鏡』に変換しますぅ。
これで「増加した攻撃回数」による攻撃全てを「吸収&反射」の対象に出来ますから、効率良く叩けますねぇ。
『脳波制御』の『F●S』3種は、意識さえ有れば動けなくても攻撃継続可能ですから、逃走する個体は此方で対処しましょうかぁ。


笹乃葉・きなこ
◇連携とかアドリブとかお任せ

よもぎパンケーキって食ったことねーけどおいしそうだべなぁ。
食べられないだけで滅ぶって味くってみてーなぁー。

でも今は塩味オンリー世界だからなぁ、他の味も食いたからなぁ。
とっととぶちのめして元の世界に戻すべ。

うんじゃぁー。さっそく腹ごしらえに一戦行くべぇ。

ジャンプして近づいてユーベルコードで掴んで、掴んだ奴を武器代わりに他の奴に叩き付けたり、他の奴を巻き込むようにグールグールと回してからぶん投げてやるべぇ。

攻撃回数が多くなって面倒だからまとめて掃除してやるべぇ♪
掃除が済むほど味に近づいて行ってる満足感があるんだべぇ。
次はどいつを投げてやろうかなぁー…


シャルロッテ・ヴェイロン
パンケーキはチョコ味を希望します!(ぉぃ)

――ていうか、よもぎパンケーキがないってだけで世界を滅ぼすとは…。
どうも人間が主役の世界とは感性がずれてるようですねぇ…。

――それはさておき。
早速新たなUCの威力を試してみましょうか、ということで、【破魔】属性を付与して撃ちまくってみましょうか。【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃】
――あぁ、敵が攻撃する前に角を【部位破壊】しておきましょうかね。

※アドリブ・連携歓迎


カイリ・タチバナ
アドリブ連携大歓迎。

アトラの話聞いてみて、資料見てみれば。またまあ、凄い世界だな。
毎日カタストロフって。想いがそのまま反映されるのも怖いな。

が、俺様は依頼こなすだけってな!
いやー、見事な塩の結晶だこと。塩田でもそうそう見ないぜこれ。
で、世界変わりゃ、瑞獣・神獣たれどもオブリビオンか!
おう、この銛(俺様の本体)の攻撃、受けてみろや。主に刺し攻撃だが、たまに凪ぎ払いも取り入れて。
刺さったら、すかさず【海神殺し】発動。
痛いだろ?ああ、痛いだろうな。そうしてるからな!

あ、取り込まれた妖怪は助けるつもりだからな。
出てきたら、一旦この場から逃げるように言っとくぜ。



●幽世にて
 祭囃子も鳴り止んだ、妖怪たちの幻想世界。
 塩漬けとなった世界に飛び交い、妖怪たちを飲み込んでいく骸魂の群れ。
 それらはやがてオブリビオンとなり、世界を破壊へと導いてしまうだろう。
 そうして生まれた『麒麟』たちは、頭部に生やした二本の角を天へとかざしたところで……。

「――さあ、ゲームを始めようか」

 唐突に、世界の命運を掛けたバトルの開幕が宣言された。

●エンカウント
「攻撃プログラム展開、一斉射出!」
 骸魂を掻い潜り、幾何学模様を描きながら飛翔するのは攻撃用プログラム。
 人の世より失われし、禁断の遺失魔術にも似た新たな力……ATTACK COMMAND Ver.BFを操るのはシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)だ。
 この世界にいるはずのない“人間”を警戒する麒麟たちだが、ゲームに乗るには遅すぎた。
「この弾幕から逃げられると思うな!」
 シャルロッテの指揮の元、既に張り巡らされていたプログラムより、破魔の属性が付与された制圧射撃が放たれる。
 すべての攻撃プログラムから一斉に乱れ撃たれた弾丸は麒麟の群れを撃ち貫き、落雷を招くための角をも破壊していく。
 出会い頭の急襲に傷つき驚いた麒麟たちは、戦略的撤退とでも言うように路地裏へと逃げていく。
 そんな中で倒れた麒麟は、骸魂が剥がされて元の妖怪の姿へと戻っていくのが確認できた。
 ファーストアタックは成功、電脳ゴーグルを外したシャルロッテはひとまずやりきった所でくるっと振り返った。
「パンケーキはチョコ味を希望します!」
「けれど今は塩味しかしない、というのは残念ですよねぇ」
 ゲーム中と普段の雰囲気がぱっと異なるシャルロッテに、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が困ったように応じる。
 何とか対処しましょうかぁ、と元凶たる吸血鬼少年を探し始めたるこるの後、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)とカイリ・タチバナ(銛に宿りし守神・f27462)、二人の猟兵も合流した。
「よもぎパンケーキって食ったことねーけどおいしそうだべなぁ。 食べられないだけで滅ぶって味くってみてーなぁー」
「……ていうか、よもぎパンケーキがないってだけで世界を滅ぼすとは……」
 パンケーキによもぎという、珍しいフレーバーにきなこが想いを馳せる中、シャルロッテは幼いながらも頭を抱えてしまう。
 社長令嬢という立場をも持つ社交的なシャルロッテからしてみれば、ただそれだけの理由で世界を滅ぼすと言うのは到底理解しがたいこと。
 感性のズレをひしひしと感じている少女の横で、カイリは資料片手に改めてこの世界の凄まじさを感じていた。
「毎日カタストロフって……想いがそのまま反映されるのも怖いな」
 妖怪が強く思ったことがこのように世界を変化させてしまうと言うのは、これまでの世界に存在し得なかった特性の1つ。
 少しばかり観光気分で歩いてみれば、至るところに塩の柱が立ち並んでいる……カイリは思わず足を止めた。
「いやー、見事な塩の結晶だこと。 塩田でもそうそう見ないぜこれ」
「とっととぶちのめして元の世界に戻すべ。 でねぇと塩味オンリー世界のまんまで滅んじまうからなぁ」
「……だな、俺様は依頼こなすだけってな!」
 きなこに促されて、再び歩き出すカイリ……そんな二人の前には、少年を探していたるこるの身構えた後ろ姿がある。
 その先には……シャルロッテの強襲から逃げ延びた麒麟の群れが、災厄のオーラを身に纏って待ち構えていた。
 攻撃を受けてから一旦退いたのは、災厄のオーラを最大限に発動させる為か。
 角を折られた麒麟の群れは、咆哮を上げながら猟兵たちへ最大の攻撃数を見舞うべく突撃してくる。
 その瞬間を、るこるもまた待ち構えていた。
「大いなる豊穣の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて御贄を捧げましょう」
 災いもたらす突撃に合わせ、るこるはユーベルコード――豊乳女神の加護・月衣奏により、その身を女神の鏡に変化させる。
 写し身の姿に違わず、鏡は麒麟の災厄のオーラを受けると、オーラそのものを吸収し、その攻撃数を反射させた。
 手傷を負った麒麟の反撃技を、さらに反撃し返するこるの行動はそれだけに留まらず……3種類のフローディングシステムを操っての追加攻撃をも放った。
 空中浮遊する砲台と小型ビームシールドによる砲撃、そしてビームの刃で直接切りつける戦輪は容赦なく敵を殲滅していく。
 その横からきなことカイリも飛び出して、あまりの猛反撃に怯んだ麒麟に逃げる間も与えない……まずはきなこが麒麟を1頭掴み上げた。
「逃がさねぇべ。 お前さんを投げ技地獄に招待してやるな?」
 その投げ技……笹乃葉式我流投げ技地獄は、きなこの身の丈よりも大きな獣を軽々持ち上げ、そいつを武器がわりにぐるぐると振り回しては他の麒麟へと打ち付けていく。
 トドメとばかりに力強くぶん投げてやれば、群れていた麒麟の多くをはね飛ばして地に転がした。
 さながらボーリングでストライクでも取ったような爽快感さえ漂うなか、カイリもまた銛を振り回しての掃討に加わっていく。
 迂闊に近付く獣たちを凪払い、体勢を崩させてからの一突きは、海神殺し。
 銛の先端を無数の針へと変えて、抜けなくなった麒麟の身を、カイリはきなこに習って大いにブン回した。
「ハハッ、こいつぁ痛いだろうな。 なんせそうしてるからな!」
「じゃぁー、次はどいつを投げてやろうかなぁー……」
 と、るこるの反撃に庇われつつ、きなことカイリが千切っては投げ、千切っては投げを繰り返していると……やがて麒麟もその数を大きく減らすこととなる。
 力尽き、倒れ付した麒麟の骸魂が剥がれていけば、元の姿に戻った妖怪がぺったりと倒れ込んでいた。
「ふぅ……あらかた倒せましたかねぇ」
「つっても、ここにいちゃまた骸魂に取り込まれるかもしれねぇな。 てめぇら、さっさと起きてこの場から離れとけ!」
 鏡の姿のままで、麒麟へ追撃を仕掛けるるこるときなこに戦線を任せたカイリは、解放された妖怪たちへそう呼びかける。
「シャルロッテっつったか、手ぇ貸してくれ。 動けそうにねぇヤツを退避させねぇとな」
「わかりました、バトルキャラクターを召喚します!」
 そうしてカイリとシャルロッテは78体のキャラクターと共に、動けない妖怪たちを手頃な建物の中に押し込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

箒星・仄々
郷愁に満ちた世界ですけれども…
本当にすぐに世界滅亡してしますんですね
夢幻のような繊細な世界なのでしょう

塩味は好きですけれども
それだけだと流石に味気ないです

少年さんや他の妖怪さんをお助けして
パンケーキを思い切り楽しみましょう

弦を爪弾き魔力を練り上げ
属性魔力宿した音色=魔力の矢で攻撃します

翠の音:風
緋の音:炎
蒼の音:水

落雷に対しては頭上に水の矢を撃ち上げ連ねて
避雷針として回避

地形を包む災いの雷は
破魔の祈りを込めて歌い奏で
三魔力の音色で消去・排除します

骸魂に飲まれてしまいお可哀想に
今お助けします

戦闘後に骸魂さんへ鎮魂曲を奏でます
幽世に辿り着けず
さぞ悔しく辛かったでしょう
どうぞ海で安らかに


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

塩の柱だらけ…まさに滅亡の時…
…暢気だけど危うい世界だなぁ
…ともかく世界と妖怪達を救わないと

[存在感と挑発]により敵群を[おびき寄せ]よう
敵の攻撃を鉄塊剣での[武器受けに呪詛耐性とオーラ防御]で受け流そう

鉄塊剣を振るい回し[破魔と範囲攻撃]を用いた
【火車八つ裂きの刑】を放ち敵群だけを[焼却]し
捕らわれた妖怪達を助けよう…

塩…塩は良いものだけど…こんなに塩はいらない…
なんだか喉が渇いてきたし甘い物が欲しい…



●骸の魂よ、安らかに
「郷愁に満ちた世界ですけれども……本当にすぐに滅亡してしまうんですね」
「ううん……どこもかしこも塩の柱だらけ……まさに滅亡の時……」
 時同じくして、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)と仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)、二人の猟兵もまた、新たな世界に降り立つ。
 発見の知らせと同時に、滅亡までも観測されてしまった世界ではあるが、そんな結末でさえも猟兵は変えられる。
 夢幻のように繊細で、暢気だけれど危うい世界をまるまる一つ救うため、二人は武器を取り合う。
「……ともかく世界と妖怪たちを救わないと」
「はい、皆さんをお助けしてパンケーキを思い切り楽しみましょう」
 手始めにと仄々は構えた竪琴の弦を爪弾き、その音色を以て魔力を練り上げる。
 やがてその音に釣られたのだろうか、半壊した屋台の陰から麒麟の群れが顔を覗かせて来た。
 対しアンナは鉄塊剣『錆色の乙女』を大きく振るい回し、その存在感を以て敵の注視を引き付けにかかった。
 そして麒麟たちの角が天へとかざし、災いの雷を招かんとする……ゴロゴロと稲妻の音が迫る中、仄々は魔法の旋律で対抗した。
「骸魂に飲まれてしまいお可哀想に……今お助けします。 さあ、ちょっと派手にいきますよ~!」
 ユーベルコード――トリニティ・ブラストの魔力を込めて奏でられる三種の音……その内の蒼の音は水の矢へと変えて、天へと重ねて撃ち上げる。
 麒麟の招いた落雷は、水の魔力が込められた蒼の矢に惹かれるように落とされ、中空で次々と相殺されていった。
 さながら花火でも見ているような爆発が轟く……辺りを覆い尽くさんとする災いの雷には、残る二つの音……翠の風の矢と緋の炎の矢を放ち、破魔の祈りを込めて歌い奏でる。
 災いをものともしない演奏で仄々がやり過ごす中、アンナもまた鉄塊剣に地獄の炎を纏わせていた。
 落雷は通じぬと悟った麒麟が災厄のオーラを纏って突撃してくるのに対し、アンナは燃え盛る錆色の乙女を振りかざす。
「地獄の炎は焼くだけでなく、お前の……、骸魂を切り刻む……!」
 弧を描くように振り抜かれた、火車八つ裂きの刑……全方位に放たれた地獄は迫る麒麟の、骸魂を焼き払っては切り刻んでいく。
 折り重ねられた破魔の力に圧倒された麒麟の骸魂はついに力を失い、飲み込んでいた妖怪たちを吐き出しながらいずこかへと消え去っていく。
 解放された妖怪たちは、むっくりと起き上がってはわたわたと建物の中へと逃げ隠れていった。
 この一帯のオブリビオンも掃討出来たのだろう、地獄の炎を収めたアンナは小さくため息を吐く。
「塩……塩は良いものだけど多すぎる……こんなに塩はいらない……」
 塩気に当てられ過ぎた世界は空気さえもしょっぱくて、喉も乾いてくる。
 何か甘いものが欲しくなるが、世界を救わねばどんな甘味も不毛な味しかしないのだ。
 ならば早く元凶の少年を探そうとアンナが歩を進める……その最中にも響くのは仄々の奏でる竪琴の音色。
 いついかなる時も、仄々は自らの手で骸の海へ還したモノへ鎮魂曲を捧げるのを欠かさない。
「幽世に辿り着けずさぞ悔しく辛かったでしょう……どうぞ海で安らかに」
「葬送するには……」
 まだ早い、そう言いかけたアンナの声はふと止まる。
 空を見上げてみると、辺りを飛び交っていた骸魂の数が減っているような……そんな気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三上・桧
アドリブ連携歓迎

猫又の火車さんを連れて現地入り
よもぎパンケーキが食べられなくて世界滅亡ですか。よほどおいしいのでしょうね
……おや?
なんということでしょう
火車さんのおやつも全て塩味になってしまったようです
『おのれ骸魂絶対許さぬ』

麒麟の大量発生とか、ここがUDCアースならすごい光景ですね
とりあえず【オーラ防御】を自分と火車さんに張って落雷から身を守りつつ、【ガラスのラビリンス】で敵を囲ってしまいましょうか
あとはまとめてロケットランチャーで【吹き飛ばし】ましょう
はいドーン!
『これはひどい』



●猫又もご立腹の滅亡危機
「よもぎパンケーキが食べられなくて世界滅亡ですか」
 すっかり塩まみれのパンケーキ屋台から、三上・桧(虫捕り王子・f19736)はメニュー表を1枚拝借する。
 こびりついた塩をはたき落としてよく見てみれば、確かに『よもぎ味』と書かれたそれの上に売り切れシールが貼られており……それほど人気だったのだろうと伺える。
 機会があればぜひとは思うが、そのためにはまず滅亡の危機をどうにかしなければ……。
「おや?」
 と、桧が振り返った先に見つけたのは、ぺちっと打ち捨てられていたのは猫用の液状おやつだった。
 随分と真新しいそれには桧も見覚えがある、確か猫又の火車さんにあげたばかりのホタテ味なのだが……。
『おのれ骸魂! 絶対許さぬ!』
 その側で、ふさふさ毛並みの猫又こと火車さんがぷんすこと怒っている……察するに火車さんのおやつも全て塩味になってしまったようだ。
 そんなお怒りモードな火車さんの声に釣られてか、桧たちの元にも麒麟の群れが現れる……UDCアースなら住民のパニック必至のすごい光景だ。
 麒麟の角から落雷が招かれるのに対し、桧は自身と火車さんの身にオーラを纏わせて防御姿勢を取る。
 もだもだする火車さんをさっと抱き上げ、災いの雷に包まれた地点を走り抜けながら、桧は『アリス』としての力を解放した。
 ガラスのラビリンス……戦場全体に、透明なガラスで出来た迷路を作り出す力は、敵の遠隔技を凌ぐのに有効な手の一つだ。
 いくら雷を放たれようとも、かなりの硬度を持つガラスを打ち破ることは出来ない……となれば麒麟はひとつしかない出口を探し当てねばならないのだが。
 そんな出口の前で、桧がよっこいせと構えたそれは、不動明王の真言が刻まれた『慈救砲』。
 いかにも浄化しますといった風のそれを、麒麟がやっと飛び出てきたタイミングを見計らい、引き金を引いてみれば。
「はい、ドーン!」
 慈救砲から射出されたロケット弾は、麒麟のいる辺り一帯を浄化(物理)すべく、爆発を起こす。
 ラベルを剥がせばロケットランチャーなそれは、名前とは裏腹な吹き飛ばしで麒麟たちをガラスの壁へと強く叩きつけた。
 爆風とか、たくさんの麒麟が激しくぶつかったガラスの壁がビリビリと揺れる……これにて浄化は成された、物理的な意味で。
「……これはひどい」
『自分で撃っといて何を抜かすか』
 すっかり制圧された光景にぽつりと呟けば、火車さんからすかさずツッコミが入る。
 しかしてここは妖怪の世界、骸魂も空気を読んだのか……まるで天に召されるかのように妖怪たちから剥がされて、虚空へと消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『ムカデヴァンパイア』

POW   :    ネバーエンドヴァンパイア
無敵の【大人になった自分】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    ミカミヤマセンチピード
自身の身長の2倍の【堅固な外皮を持つ大ムカデ】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    毒百足旋風
【嫌悪感】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【絡み合うムカデの群れ】から、高命中力の【猛毒大ムカデ】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●よもぎいっぱい、大急ぎで
「た、助かっただよぉあんがとなぁ。 ……ん? あんたら、もしかして外の人かぁ?」
 かくして麒麟の群れを打ち払った猟兵たちは、骸魂に取り込まれていた動物妖怪たちと顔を合わせていた。
 その中には、今回のカタストロフめいた現象の元凶となった少年と話していたパンケーキ屋台の犬神もいて、周囲をきょろりと見渡しながら鼻を鳴らしている。
 そうしてハッとした顔つきに変わると、身近な猟兵にすがるような勢いでこう頼み込んできた。
「ど、どなかたか知んねぇけんど坊主を助けたってくれよぅ! あんの坊主、わるーい骸魂に取り込まれちまって、あちこちで大暴れしちまってるし、世界なんて滅んじまえなんて言ってるかもしんねぇけんど、ぜんぶ骸魂のせいなんだぁ! きっと坊主だってそこまで望んじゃいねぇんだぁ!」
 この世界でいう所の骸魂……それこそがオブリビオンであり、世界の破壊を望む過去の怪物である。
 グリモア猟兵が“元凶”とも呼んでいた吸血鬼の少年は、そんな怪物に目をつけられてしまっただけの被害者なのだと犬神は涙ながらに訴えてきたのだ。

「――よもぎパンケーキのない世界なんて、滅んじゃえばいいんだぁぁぁぁぁッ!!!!!!」
「ひ、ひぃぃ! き、来ただよぉ!!」
 よもぎパンケーキと世界の滅亡を望む声に振り返ると、そこには確かに吸血鬼の少年がいた。
 身体の至るところからムカデの足を生やす異形と化した少年は、周囲に大ムカデの群れを従えては破壊を叫ぶ。
 真っ赤な瞳に猟兵たちが映ったなら、猟兵を宿敵と見なした“オブリビオン”が殺気を漲らせた。
「ぼ、坊主ぅ~! 大急ぎでよもぎ取り寄せっからよぉ! 元に戻っておくれよぉ~っ!!」
 悲痛な叫びを上げる犬神を手近な建物に押し込んでから、猟兵たちは身構える。
 世界をひとつ、そして少年ひとりを救う戦いを始めるために。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
はい、出来る限りのことは致しますねぇ。

【紘器】を使用、『F●S』3種を「元個数×【UC】補正」の数に応じ大量複製し展開しますぅ。
『FBS』の本体は四肢に嵌め飛行、複製は私と少年の間に配置し、近づいて来たら[カウンター]で迎撃を。
『FSS』は前面を厚く自身の周囲に配置、「遠距離攻撃」への備えと[援護射撃]に。
『FRS』は相手を包囲する様に展開し[砲撃]、[範囲攻撃]の「連射([2回攻撃])」を行いますぅ。

『大人の姿』を用いても『百足』の部位には効果は無いでしょう。
全方位から確実に狙いますぅ。

滅ぼしてしまっては、今後「よもぎパンケーキ」が食べられる可能性は無くなりますよぉ?


カイリ・タチバナ
アドリブ連携大歓迎。

まー、幼いやつの癇癪ってやつだな。
店主の頼みがなくても、助けるつもりでやって来たんだ。全力で救う。

ちなみにムカデって、あんま嫌いじゃないんだよな。
アオイソメやゴカイ見慣れてる漁師舐めんなよ。

が、そのムカデが固い。こっちも力高めなきゃいけねぇか!
【蒼輝紫電増幅】!これで強化された銛を叩きつける!!
俺様の本体は、使われてこそだ!

坊主、さっきの聞いただろ。店主、急いでよもぎパンケーキ用意するってよ。
なあ、もし、この戦いが終わったら。一緒にたらふく食おうぜ!
よもぎパンケーキ、俺様も気になってるからな!!

ってなわけで、骸魂はとっとと退場しやがれってんだ!!



●幼さ故の
「こりゃまー、幼いやつの癇癪ってやつだな」
 犬神店主を建物に押し込めたカイリは、再び手にした銛を軽く一回ししてから構えを取る。
 元より妖怪たちを救うつもりでやってきたのだ、頼みがなくとも全力で救うつもりではあったのだ。
 それを自らの危険を省みずに、ただ子供を助けてくれと頼み込まれたならば、必ずや救い出してやらねばなるまいと、その意志を固くする。
 女神の鏡形態から、元の和服メイド服姿に戻ったるこるも、カイリの目線に頷きを返した。
「はい、出来る限りのことは致しますねぇ」
 麒麟の群れを盛大に凪ぎ払ったフローディングシステム、三種全てをるこるの元へと引き寄せたなら、発育の良すぎる少女は再び祈りを捧げる。
 バーチャルキャラクターであるるこるの過剰な発育は一体どこ由来だなんて野暮なツッコミは無しだ、詳細は不明。
「大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に」
 月衣奏の次に、るこるが女神より承りし加護は……紘器。
 それは全てのフローディングシステムを大量に複製させ、なおかつそれらの各種性能の底上げから機能の追加に至るまでの増強をもたらした。
 ビームの刃を四肢に装着して飛行形態に移行したり、余った刃と盾でガードを固めて少年の周囲に砲台を展開する最中、少年も動きを見せる。
「ふーんだ、そんなの“大人になった”ぼくには効かないもんね!」
 子供の持つ豊富な想像力により生まれいずるのは、無敵のヴァンパイアとなった未来の自分自身……ネバーランドヴァンパイアもまた複数の巨大ムカデを引き連れての登場である。
 強大な敵性反応を察知したるこるのシステムは、それを迎え撃つべくして一斉攻撃を開始。
 地鳴りが鳴り止まぬほどの砲撃の嵐に加え、飛来するビームブレイドはネバーランドヴァンパイアのムカデたちの装甲を撃ち貫き、切り刻んでいく。
 しかしそれでも、創造された“無敵の”ヴァンパイアの足を止めるまでには至らない……突破は困難に思えるるこるの全方位射撃をも、無敵の吸血鬼は構わず切り抜けてくる。
「どうだぁ! 大人になってもよもぎパンケーキを食べれなかったぼくは強いんだぁ!」
 腕を組み、ふんすとどや顔してくる少年……その能力に疑念を与えぬ限り、無敵の吸血鬼を止めるのは至難の技だ。
「むぅ……大人になった吸血鬼さんはお強いんですねぇ」
 まさかの猛攻に、るこるはぷるぷると身体を震わせながら、無敵の吸血鬼から逃げるように後退る。
 調子づいた少年が未来の自分へトドメを命じようとした時、るこるはふと小首を傾げてみせた。
「でもぉ……世界を滅ぼしてしまっては、今後よもぎパンケーキを食べられる可能性はなくなりますよぉ?」
 そんなるこるの言葉に、少年も大人な吸血鬼も攻撃の手をぴたっと止める。
 両者共に「えっ」と言わんばかりのきょとんとした表情になっているのが、ちょっと愛らしいとさえ思えてしまうかもしれないが、るこるは尚も続けた。
「だってぇ、世界が滅んでしまえばパンケーキを作ってくださる人もいらっしゃらないしぃ、よもぎだって取れませんもの。 “大人”になられた吸血鬼さんなら、それくらいは分かりますよねぇ?」
「そそそ、それくらい分かるよ! でもおっちゃんはもう売り切れだって言ってたし!」
「そのおっちゃんもさっき言ってたの聞いただろ。 店主、急いでよもぎパンケーキ用意するってよ」
 売り切れならもう食べれないじゃん、と駄々こねる少年へすかさず声をかけたのはカイリだ。
 るこるのシステムと共にムカデたちを相手取っていたカイリは、何匹目かのムカデを討ち取った後で少年へにかっと笑いかける。
「なぁ、もし、この戦いが終わったら、一緒にたらふく食おうぜ! よもぎパンケーキって旨いんだろ? 俺様も気になってるからな!!」
 そして一緒に帰ろうと腕さえ伸ばすカイリだが……それを阻んだのは百足の王のおぞましい嘶きだ。
 少年は確かにカイリの手を取ろうとしていたのに、それを骸魂が邪魔をして遠ざけて、破壊の意志を呼び起こそうとする。
 そしてカイリと少年の間を阻むように、一際大きなムカデが姿を現した。
「だって売り切れだって言ってたもん!! 食べれないもーん!!」
「チッ、骸魂はとっとと退場しやがれってんだ!!」
 少年の駄々こねる声よりも骸魂の妨害に苛立ったカイリもまた、己の本体でもある銛に力を宿す。
 強固な外皮を持つムカデを貫く為、その穂先に稲妻めいた光を纏わせながら、天高く振り上げた。
「俺様を舐めんじゃねぇよ!!」
 蒼輝紫電増幅により、強化の施された銛がムカデ王の装甲に強く叩き付けられる。
 祀られつつも島民と共に海に出ることもあったカイリにとって、ムカデの見てくれはイソメやゴカイに近しい。
 猟師舐めんなと繰り出された渾身の一撃はムカデの外皮を破壊し、穂先は深々と突き刺さった。
「あぁ、ムカデさんがー!」
 呼んだばかりの大ムカデに深手を負わされて、少年は大人な自分の陰に隠れてしまう。
 その“大人”もるこるの言葉によって、少しだけ疑念が生じているようで……“無敵”の力を失うのも時間の問題だろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

三上・桧
アドリブ連携歓迎

……
虫じゃないですか
虫 じゃ な い で す か !(歓喜)

こうなれば、こちらのすることは一つですね
【牡鹿甲虫】でクワガタを召喚し騎乗
虫バトル開始です!
『こやつ、虫のことになると急に早口になる……』

クワガタの大顎でムカデの胴部を挟んでしまいましょう
顎部のリーチはこちらが上です
ちなみにこちら、スマトラオオヒラタといいまして
体格も力もトップクラスの、正に最強クワガタです
格好いいですね
素晴らしいですね

ムカデを押さえているうちに、火車さんは少年の方をお願いします
『妾のおやつ返せぇぇー!!』(腹部目掛けて突進攻撃)

火車さんには後できちんとおやつをあげましょう
食べ物の怨みは恐ろしいですから



●虫王ガチ勢
『お主か! 妾のおやつを塩味に変えた骸魂というのは!』
 さて、紫電纏う銛に打ちのめされた大ムカデへ、猫又の火車さんも怒り剥き出しの大騒ぎだ。
 妾をモフる権利などくれてやるものかと憤るふかふか猫、それを喧しく思ったであろう大ムカデは深紅の眼で獲物たちを睨み付ける。
 丸太のような胴体をゆらりと持ち上げて、無数の足を小刻みに揺らしての威嚇なんかは虫嫌いにとってはまさに地獄の権化のような存在だったろう。
「……虫じゃないですか」
 ほら、この通りに桧もまた、
「虫 じ ゃ な い で す か !」
 訂正、桧は虫取り王子の称号に違わぬ虫マニアだった。
 そしてなんと称号が“虫王ガチ勢”にすり変わっている……何気無いミカミヤマセンチピードは、桧の虫愛に火を付けたようだ。
「三上山と言えば俵藤太の大ムカデ退治伝説でも有名ですね、瀬田川に住まう白蛇の化身に依頼された藤原秀郷が、竜神を苦しめる大ムカデを一本の矢に唾を付けて仏に祈りつつ放つと、その矢は大ムカデの眉間に当たり退治されたというお話です」
『こやつ、虫のこととなると急に早口になる……』
 普段はどちらかと言えば大人しい方なのに、虫が絡むと桧はだいたいこの調子になる。
 その饒舌ぶりにムカデはもちろん、その背中にいそいそ乗り出した少年や馴染みの火車さんまで引いていたのだが、桧はその辺り気にしないタイプだ。
「こうなれば、こちらのすることは一つですね……虫バトル開始です!」
 あちらの吸血鬼がムカデに騎乗するならば、こちらも対抗すべしと桧が呼び起こしたのは……クワガタだ。
 無論ただのクワガタではない……牡鹿昆虫の力によって招かれたのは、それはそれは巨大なヒラタクワガタである。
 ムカデの顎よりも遥かに巨大なクワガタの大顎が、三上山由来の大ムカデの胴をがっちりと挟む。
 顎のリーチ差はクワガタが優勢、ムカデ退治に必要なのは唾を付けた矢ではなく、俺様のパワーだと言わんばかりのホールディングだ。
「ちなみにこちら、スマトラオオヒラタといいまして体格も力をトップクラスの正に最強クワガタです。 格好いいですね素晴らしいですね惚れ惚れしますね!」
「わーっ、ムカデさーん!?」
 勃発した昆虫大戦争に桧の熱気宿ったクワガタ愛が炸裂しているが、劣勢となったムカデの背にしがみつく少年はそれどころではない。
 そんな少年の横っ腹に飛び込んでいったのは、ロケット弾ばりの怒りに満ちた火車さんだ。
『妾のおやつ返せぇぇー!!』
「はうっ?!」
 猫又渾身の頭突きをもろに食らった少年は、大ムカデの背より突き飛ばされては地に転げていく。
 けれどぷんすかした火車さんは容赦なく、転がってもすぐに立ち上がった少年をにゃあにゃあと追いかけ回すのだ。
『妾のおやつー!!』
「わああっ、なんだよもー!?」
 猫又と吸血鬼のおやつを巡ったおいかけっこが始まったが、桧はそれに見向きもせず今も尚クワガタの事を語り続ける。
 個体差によって内歯の上下が激しいとか、顎の形にも大きな差がなど……現在進行形でその大顎に押さえ付けられた大ムカデはそれどころじゃないというのに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

箒星・仄々
お二方共お可哀想に
少年さんを元に戻し
王様を海へお還し致しましょう

哀れみの感情で対峙
必死で幽世を目指し
辿り着けなかった王様のご無念が
少年さんのそれと共感したのでしょうか
お可哀想に

弦を爪弾き魔力練り上げ
属性魔力宿した音色=魔力の矢で攻撃

翠の音:風
緋の音:炎
蒼の音:水

激流が群れを吹き飛ばし
烈風が毒腺を斬り裂き
焔が顎や炙り鈍に

疾風纏い残像回避
水流の盾で毒液防御
破魔&毒耐性込めた雫で解毒

破魔の旋律で
少年さんの心へ呼びかけ鼓舞

このまま世界が滅ぶんだら
本当に二度と
よもぎPが食べられなくなっちゃいますよ
犬神さんがよもぎをお取り寄せ下さいます
直ぐお助けします
よもぎPを楽しみに頑張って!

戦闘後鎮魂曲
どうぞ安らかに


シャルロッテ・ヴェイロン
さて、元凶とご対面ときましたが――
この少年、よもぎパンケーキにどんな思い入れがあるのでしょうか?
可能ならば話を聞いておきたいところですがねぇ・・・。

まぁせっかくなので、【指定UC(【破魔】属性を付与)】を撃ち込んで、ムカデともども黙らせてやりましょう。【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・鎧無視攻撃】
敵のムカデ攻撃が来たら動きを【見切り】回避しつつ、【零距離射撃】で撃破していきましょうか。

※アドリブ・連携歓迎



●哀れみ色の雨と旋律
「さて、元凶とご対面ときましたが……」
 救出された妖怪たちの退避を終えたシャルロッテが合流した頃、元凶と称される少年は猫又の猛攻から逃げ切った後のようだった。
 よもぎパンケーキがないと言うだけで、これほどの事態を呼び起こした少年なのだが、それだけよもぎパンケーキに思い入れがあると言うことなのだろうか。
 可能ならば話を聞いておきたいとシャルロッテは考えるが、今の状況ではムカデ王の骸魂に邪魔をされてそれどころではなくなるだろう。
 現に今も尚少年は、シャルロッテを敵と認識した途端に自らの周囲に絡み合うムカデの群れを召喚した。
 毒々しい彩りをぬめぬめとした毒の粘液が覆い尽くし、気味悪く光り蠢く多脚生物に対し、嫌悪感を抱かぬ者は少なくない。
 シャルロッテの心のうち、僅かに生じた“嫌悪感”こそ、ムカデの群れによる一斉攻撃の合図だ。
「くらえ、毒百足旋風ー!」
 少年の指揮により、猛毒の大ムカデたちがシャルロッテ目掛けて飛んでくる。
 しかしてシャルロッテは敵プレイヤーの手の先を読む事に長けたバトルゲーマーだ、その遠隔技に対する手は既に用意がある。
 ストレートに飛んできたムカデの動きを容易に見切り、がら空きとなった腹へは攻撃プログラムの零距離射撃を叩き込む。
 ムカデの外皮の中でも柔らかな腹を弱点と見なし、まず一匹を仕留めたシャルロッテの攻撃プログラムは……ATTACK COMMAND Ver.BFをリコールされる。
 麒麟の群れを一方的に蹂躙した破魔の弾幕は、この場においてもその効力を存分に発揮することとなった。
 絡み合うムカデの群れを執拗に撃ち貫く電脳兵器に、対する少年も怖じ気付いたように後退る。
 けれどもムカデ王の骸魂が、猟兵に対しての退転を許すはずもなく……少年は望まぬ破壊を強いられるのだ。
 そこへ、竪琴の弦が高く強く弾かれる……暗がりに灯る緑色の光。
 破魔の旋律を奏でる仄々は、すっと静かに目を細めた。
「お二人共、お可哀想に」
 仄々は、“二人”と言った。
 鎮魂のシンフォニアが哀れみを向けるのは骸魂に飲まれた少年のみにあらず……少年を飲み込んだムカデ王の骸魂さえもその対象なのだ。
 かつて人の世より忘れられて、そこで生き続けること叶わずして、必死に幽世を目指した百足の王。
 けれどその願い叶わず、辿り着けなかった無念はやがて骸魂となりて、自らを死に追いやった世界を壊そうとしている。
 その境遇を哀れみを抱いた仄々の心に、百足の生理的な嫌悪感が宿るはずもない。
 寧ろ……止めなければならぬと言う想いが仄々の心の深い所より、こんこんと込み上げてくるのだ。
 シャルロッテの攻撃プログラムと共に、弾かれた弦より魔法の音色が飛び立つ。
 蒼の旋律は激流となってムカデを吹き飛ばし、翠の旋律は烈風となって毒を斬り裂く。
 そして緋の旋律は焔となり、ムカデの身を炙る最中、シャルロッテと仄々、二人は破魔の力で戦場を満たしていく。
 少年の身を覆う骸魂、その陰が大きくぐらついた所に、仄々が呼び掛けた。
「このまま世界が滅んだら、本当に二度とよもぎパンケーキが食べられなくなっちゃいますよ」
「そうですよ、これだけのことが起こるほどの思い入れがあるのでしょう? パンケーキを一緒に食べながら、ぜひ聞かせてくださいな」
 シャルロッテもそれに続けば、少年もまたそれに答えるべく口を開こうとする。
 しかしムカデ王の骸魂がそうはさせまいと、配下のムカデ足で少年の口を覆い隠してしまった。
 骸魂の執念がこれほどとは……仄々は驚かされるが、弦を鳴らす爪は止めない。
「(王様……あなたを海へお還し致します)」
 鎮魂曲は止めないと決めたなら、それはオブリビオンを還すまで奏でられる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

蟲蟲蟲…蟲まみれだ…
塩漬けになるのも蟲漬けになるのも御免だ…
行こうか…幽世と少年と甘味を救う為に…!

大人だと…?
よもぎパンケーキがなくとも我慢して
別のパンケーキを食べるのが大人だろう!
よもぎパンケーキがないぐらいでぎゃあぎゃあ泣き喚き
世界を滅ぼすんじゃあない!
貴様なんぞ大人じゃない、ただの我儘な餓鬼だ!
身勝手な子供だ!!!

大人になった少年を[恫喝し挑発]して弱体化を狙い
【炎獄殺】による地獄の炎と[破魔]を纏わせた平手打ちを
喰らわせ取り憑いた骸魂を吹き飛ばし少年の目を覚まさせよう…

よもぎパンケーキ…
早く甘味を食べたいけど大人と言った手前、今はまだ辛抱しよう…


火土金水・明
「この方が今回の事件の元凶ですか、こちらも全力で迎え撃ちましょう。」「もちろん、取り込まれた方も助け出します。」
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の疾風】で『ムカデヴァンパイア』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



●子供に戻り、世界に帰る時間
 鎮魂の音色が鳴り響く最中も、絡み合うムカデの群れはそこかしこで蠢き続けている。
 それも今となっては死骸の方が多くなった気もするが……その光景を目の当たりにし続ければ嫌悪感を抱かざるを得ないものだ。
「蟲蟲蟲……蟲まみれだ……塩漬けになるのも蟲漬けになるのも御免だ……」
「そうならないためにも、こちらも全力で迎え撃ちましょう」
 塩も蟲もウンザリといったアンナの側に、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が降り立つ。
 ウィザードの象徴とも言えるとんがり帽子をかぶり直した明は、対妖怪用と言うべき力を引っ提げての登場だ。
「もちろん、取り込まれた方も助け出します」
「ああ、行こうか……幽世と少年と甘味を救う為に……!」

 ムカデの足に口を塞がれた少年は、骸魂の意のままに無敵な大人の自分の想像を始める。
 けれどこれまで積み重ねられた攻撃や説得もあってか、少年の動作はいくらか重くなっていた。
 そしてそれを見逃す道理はアンナにも明にもありはしない……まず先手を取った明がムカデの群れを見切りつつ、少年へと迫る。
「この攻撃で、妖怪を助け出す!」
 ユーベルコード――銀色の疾風。
 その手には魔力を籠めた銀の剣、古より邪なるモノを退けると知られた刃は、空を斬るが如く振り抜かれた。
 妖怪の肉体を傷付けずに骸魂のみを攻撃するという、正にカクリヨファンタズムに適応させた魔剣は、確かに少年を覆うムカデ王の骸魂を深く傷付けた。
 周囲に漂う破魔の力も相まって、骸魂が負ったダメージも甚大なモノだろう……それでも少年は大人になった自分を創造するまでに至った。
 それほどまでによもぎパンケーキが食べたいのか、はたまた骸魂に無理やり動かされているのか……どちらにせよ、明に次の手を託されたアンナがやることは変わらない。
「大人だと……?」
 アンナは“無敵の吸血鬼”の胸ぐらを掴んでは引き寄せる、その手には既に地獄の炎を宿した上で。
 パンケーキどころか蝙蝠の炭火焼きでも仕上がりそうな勢いで燃えるアンナの地獄……炎獄殺に“無敵の吸血鬼”は「ひっ」とか細い悲鳴を上げた。
「よもぎパンケーキがなくとも我慢して別のパンケーキを食べるのが大人だろう! よもぎパンケーキがないくらいでぎゃあぎゃあ泣き喚き世界を滅ぼすんじゃあない!」
 至極真っ当な恫喝を仕掛けながら、アンナは持ち前の怪力で“無敵の吸血鬼”を持ち上げては適当な壁に強く強く叩き付ける。
 そのまま壁をぶち破るのではとさえ思える勢いだ、“無敵の吸血鬼”の姿がブレ始めても尚アンナは続ける。
「そんな聞き分けのない貴様なんぞ大人じゃない、ただの我儘な餓鬼だ! 身勝手な、子供だ!!!」
『!!』
 子供、と聞いた“無敵の吸血鬼”の瞳孔が揺れ、姿が大きく歪む。
 いくら大人になった自分を想像から創造しても、その中身が子供のままではその能力にはすぐさま疑念が生じるだろう。
 そうして最早“無敵”ではなくなった吸血鬼の創造は、アンナの破魔の平手打ちを受けることもなく消え去っていく。
 その、“吸血鬼”こそが骸魂の最後の一欠片だったのだろうか……ふとアンナが視線を下ろすと、そこには尻餅をついて泣きじゃくる男の子がいた。
「うわ~~ん!! おっちゃんのこと叩いて、お店こわしてごめんなさぁ~い! もうワガママ言ったりしないからぁ~!!」
「…………ふぅ、骸魂はもう吹き飛ばせたようだ……」
「よしよし。 それじゃあまずは、店主さんに謝りに行きましょうか」
 正に火がついたかのように泣き出した少年……もうオブリビオンの気配も感じない状態に戻った様を見て、アンナは小さくため息を吐く。
 見かねた明が少年をなだめにきた頃……、夏祭りの光景を覆い尽くしていた塩塊らは、空気に溶けるように消えていった。
 その光景をまじまじと見ていた猫又が試しにおやつをぱくっと食べると、これは確かにホタテ味だとあっという間に平らげて。
 こうして世界に『味』が戻り、そして救われたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『大食いバトル』

POW   :    豪快にガンガン食べまくる

SPD   :    味変を駆使して最後まで飽きずに食べ切る

WIZ   :    ペース配分を考え、無理なく食べ進める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●パンケーキ大食いバトル!
「いんやぁ~、皆にはほんっと感謝してんだよぉ~! 坊主も助けてくれて、あんがとなぁ~!」
 建物の奥からおニューなパンケーキ屋台を引っ提げてきた犬神のおっちゃんが、のほほんとした様子で猟兵たちへ感謝を述べる。
 大量の麒麟が暴れまわったり、少年が壊してまわったりしたものの、お祭りはなんとか続けられそうな状態ではあるようだ。
 そんでもって、と犬神はいそいそと倒されていた旗をさくっと地に突き立てる。
 その旗には確かに『パンケーキ大食いバトル』と書かれており……犬神は人懐っこそうな笑顔で両手を広げた。
「おらんとこでは『パンケーキ大食いバトル』っつうイベントをやるんだぁ、ぜひみんなも参加してってくれよぅ! みんな恩人だし参加費なんて取んねぇ、フツーに食べるだけでも大歓迎だぁ! さっきは売り切れてたよもぎのパンケーキもあるし、他の味もあっからよぅ!」
 腹いっぱいになるまで食ってってくれ、と大歓迎する犬神の側、もじもじと様子を伺っているのは“元凶”と呼ばれていた吸血鬼の少年。
 その視線を察した犬神はくるっと振り返り、少年にもくいくいっと手招きをした。
「もちろん坊主も歓迎するぞぅ! よもぎパンケーキいーっぱい作ってやっかんなぁ、残すんじゃねぇぞぅ!」
「! うん、おっちゃんありがとう! あと……ごめんなさいっ」

●補足するぞぅ
 つーわけで、外の人たち……猟兵っつったかぁ?
 さっきも言った気がするけどあんたらの参加は大歓迎だかんな!
 大食いチャレンジするもよし、いろんなフレーバーやトッピングを試すもよしだ!
 おっとフレーバーで思い出したけんど、あんたら【骸魂ケーキ】って知ってっかぁ?
 さっきの骸魂みてぇな危ねぇやつじゃねぇ、安全な骸魂で作ったケーキがあんだよぉ。
 それもフレーバーの中に入ってっから、興味ある人は食べてみてくれなぁ!
 ……時々跳ねるけど、まぁ気にすんな、うん。

 あとな、もし大食いバトルで優勝狙ってる人がいたら、プレイング頭に【優勝】って書いてくれなぁ。
 そしたら優勝狙い同士で白熱の大食いバトルっつー感じで盛り上がると思うんだぁ!
 ……もしだぁれも【優勝】って書かなかったら? そんときゃ坊主が優勝すっと思うなぁ。

 おっ、そっちの黒猫紳士もどーだ、参加すっかぁ?
夢ヶ枝・るこる
■方針
・【優勝】
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
とても楽しそうな催しですねぇ。
全力で参りましょうかぁ。

【渺喰】を使用し『消化吸収機能』を強化、食べる端から消化吸収が完了する状態にした上で[大食い]させていただくことに致しましょうかぁ。
『代償』で『満腹中枢の機能』が失われますから、文字通り幾らでも食べられますぅ。
ペース面で負けなければ、何とか?

まあ「消化吸収」が行われる以上、体型にも即座に影響が出てくるわけですが。
お祭りとのことですし、大会後に『FCS』で『FRS』の弾頭を『儀礼用の花火』に変更、まんまるになった状態から『余剰カロリー』を全消費して体型を戻しつつ、大型の花火を打ち上げますねぇ。


三上・桧
【優勝】

……骸魂って食べていいものなんですか
『幽世の妖怪の感覚はよく分からぬ……』
出身地は同じはずなんですけどね
まあ、現地の方々が気にしてないのなら、深く考えないことにしましょう
そうだ、火車さんにはおやつ(まぐろ味とサーモン味)をあげましょうか
お疲れさまでした

せっかくですので、大食いバトル挑戦してみましょう
よもぎパンケーキをお願いします
その後はメニューを順番に、自分のペースで食べ進めます
トッピングもひと通り試したいですね

『……おい、このパンケーキ動いておるぞ』
新鮮なんですよ、きっと
お経でも唱えればいいでしょうかね?


箒星・仄々
【優勝】
食べる量は競うものではないと思いますが
参加するからには全力で

アトラさんには負けません!

UCで喉の通りを良くし誤嚥防止

盛り上げ
妖怪さんへ沢山の好意や愛情をお届けしたいです

色々なフレーバーで戴きます
以下リスト

定番のバターとメープルシロップ
+クリームや+アイス
蜂蜜かけ
キャラメルソース
ピーナッツバター
チョコバナナも定番
小豆や餡子もグーです
レモン&レモンクリームの酸味
マカデミアンナッツソース
ベリーや苺のソースにたっぷりのフルーツは爽やか

お食事風も忘れずに
目玉焼きにベーコン&チーズ
エッグベネディクトに野菜たっぷり
アボガド生地
シラス生地もいけます
挽肉ソースは最高です

そして最後の締めはよもぎ

幸せです♪



●始まりの合図
 からからころん、とチープな鐘の音が祭の夜に高鳴る。
 パンケーキ大食いバトル、その主催者である犬神のおっちゃんは参加希望の妖怪たちを呼び集め、手作りのナンバープレートを渡していった。
「番号はきちーんと見えるとこに付けておくれよぅ! でねぇとお菊さんが数え間違えちまうかもしんねぇかんなぁ~」
「……もし、お皿を失くしたり割ったりしたら……うっ、ううぅぅ」
「あああっ、泣かねえでくれよぅお菊さぁん」
 相変わらずのほほんとしているおっちゃんの横でお皿を支度している女性はお菊さんと言うらしい、過去に何かあったのか涙脆い妖怪のようだ。
 どうにも対照的なお二人から、猟兵たちも番号を受け取る……るこるは20番。
「とても楽しそうな催しですねぇ、全力で参りましょうかぁ」
 オブリビオンもいない今、“仕事”も終えたるこるはぷるぷるとしながら席に付く。
 隣に座ったオヤジな妖怪が、るこるの桁違いな発育の身体に鼻息を荒くしたところで急遽席替えが発生していた。
 続けて桧は12番、念願のおやつ(まぐろ味とサーモン味)にありつけた火車さんを抱えながら席へと向かう。
「……骸魂って食べていいものなんですか」
『幽世の妖怪の感覚はよく分からぬ……』
 既に用意されていたよもぎパンケーキの隣で、ひとりでに跳ねるパンケーキを凝視する桧と火車さん。
 うっかり狂気に陥りそうな謎ケーキ……これが噂の骸塊ケーキと言うものなのだろう。
 ぴょこんと跳ねるケーキを前に、涎が垂れそうになっている狐の子も見かけたので、彼らに取ってはごくごく一般的においしいケーキのようだ。
 なら深く考えないようにした桧の隣に座ったのは仄々だ、手にした番号は23番。
 食べる量は競うものではないとは思うが、そういう催しものに参加するなら全力でと気合いは十分だ。
「アトラさんには負けません!」
「ふむ、名指しで挑戦されるとは意外だな」
 隣で24と書かれた札を手の平で転がすアトラが席につき、仄々の意気込みに普段通りの笑みを返す。
 優勝争いの面々が出揃ったところで、おっちゃんは射的で使うおもちゃの鉄砲を取り出した。
「そんじゃ、始めっぞぉ! よ~いっ、どーん!!」

 ――パァン。

 どこかふわっとした掛け声と、乾いた発砲音でパンケーキ大食いバトルの幕が上がる。

●優勝は誰の手に
 王道のもちもちホットケーキ。
 ふわふわ食感が人気のスフレパンケーキ。
 クリームをふんだんに使ったハワイアンパンケーキ、などなど。
 犬神のおっちゃんとお手伝いさんたちの手によって作られるパンケーキの雨霰は、次々と挑戦者たちの胃袋の中へと落とし込まれていく。
 せっかくだからと挑戦した桧もまた、メニュー表を見ながら順番にパンケーキを注文、マイペースで食べ進めていった。
「パンケーキって、こんなに種類があるんですね」
『魚味のパンケーキはないのか……むぐぐ』
 味のフレーバーもさるごとながら、その製法によって全く異なる食感になるパンケーキの種類に、桧も少し驚きながらもう一口。
 もしかしたら、自分の好きなクワガタよりも種類が
「いえクワガタの方が多いですよ、ミヤマクワガタの他にもオオクワガタやノコギリクワガタ、ネブトクワガタにオニクワガ」
『お行儀の悪い!』
 ――称号が元に戻っても、桧の虫愛はワンタッチで起動するらしい。
 といった具合に桧がペースダウンしている最中、仄々はフレーバーに加えてトッピングで勝負していた。
 リストも用意して準備は万端……定番のバターとメープルシロップ、そこからクリームやアイスなども乗せて、しんやりと冷たくて甘い味わいはまさにスイーツパラダイス。
 蜂蜜はもちろんのこと、キャラメルソースにピーナッツバター、チョコバナナといったお祭りならではのトッピングに加え、小豆や餡子のしっとりとした和風の甘味もグッドだ。
 ちょっと趣向を変えてレモンクリームを添え、マカデミアンナッツソースにベリーソースを掛けてやれば、酸味が効いてさわやかな味わいにも変わる。
「ん~、幸せです♪」
「んぐっ」
「? アトラさん大丈夫ですか?」
 お食事プレート風の目玉焼きとベーコンチーズを添えたパンケーキを口に運ぶ仄々の隣で、負けないと意気込まれたアトラはむせていた。
 そんなアトラが挑んでいるパンケーキを仄々が覗き見ると……一口分欠けたパンケーキは、ひとりでにぴょこんと跳ねていた。
「あぁ、これが噂に聞く骸魂ケーキなんですね。 本当に跳ねてます」
「……まさか喉の奥で跳ねるとは思わなんだ」
 驚いて目を瞬かせる仄々の前で、なんとか持ち直したアトラは水の入ったコップに手を伸ばしていた。
『……おい、あのパンケーキ動いておるぞ』
「新鮮なんですよ、きっと。 お経でも唱えればいいでしょうかね?」
 火車さんも遠目で驚いているのに、桧ときたら素知らぬ顔で骸魂ケーキをぱくり。
 あなた実は現地人では、と思わせるくらいに冷静というか、マイペースであった。

 さて、多くの挑戦者が味に変化を加えながら挑んだ大食いバトルだが……一人、異様な者がいた。
「大いなる豊穣の女神、その深淵へと私の身をお導きください」
 その者とは、夢ヶ枝・るこるである。
 全力で参りましょうの言葉に嘘偽りなどはなく、奇跡の力であるユーベルコードを引っ提げての参戦だ。
 仄々も猫の毛つぐろいをして喉の通りを良くはしていたが、るこるの祈り……豊乳女神の加護・渺喰とはスケールが違う。
 自身の消化吸収機能を強化するという渺喰の効果により、るこるは食べた端から消化吸収が完了する状態で、この大食いバトルに挑んだのだ。
 まさに大食いのためのユーベルコードと言えよう……その代償は満腹中枢機能が失われることとなれば、大食いにさらなる拍車がかかる。
 食べるとすぐに膨らむらしいお腹も、膨らんだ端から引っ込んでいくという見た目訳の分からない状態に、他の挑戦者の手や口がぴたっと止まる程だ。

 ――からからころん、終了を告げる鐘の音が鳴る。
「いちま~い、にま~い、さんまぁ~い……」
 お菊さんによる厳正なジャッジの元……パンケーキ大食いバトルの優勝者が決定した。
「さんじゅうろくまぁ~い……うっ、ううぅぅ、二十六枚も多いわぁ……」
「おおぅお菊さん泣かねぇでくれよぅ!! ……んっとと、優勝者は番号20番のー和服めいど? のー、夢ヶ枝・るこるの三十六枚だー! おめでとなぁー!!」
「ありがとうございますぅ♪」
 二位以下を大差で引き離し、ぶっちぎりの一位で優勝したるこるを主催者がぱちぱちと祝福する。
 ギャラリーとして見物していた多くの妖怪たちからも歓声が上がり、るこるはぷるぷるしながらお辞儀をして回った。
 そんなるこるのお腹はまんまるの状態になっていたのだが……それも瞬間的に吸収消化されてもとの体型に戻る。
 余剰に加えられたカロリーは、戦闘においても活躍したフローディングシステムに注がれて……固定砲台から夜空に何かが打ち上げられた。
 どん、と大きな爆破音を立てて夜空に咲くのは……大型の花火。
 突如咲いた夏の大輪……ひとつの催しものを締め括るの贅沢すぎるほどの夏の風物詩に、地上にいる誰しもが見入っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カイリ・タチバナ
…あの建物のなかで作ったのか、元からあったのか気になる屋台だな。抜かりねぇ。

お、ちゃんとよもぎパンケーキある。よかったな、坊主!!
つか、うめぇな、本当に。よもぎのは初めて食うんだが、いくつでも食えそう。

しばらくしたら、アトラのところいくか。飲み物持ってくが…ジュースでいいか。
パンケーキばかり食べてても、乾燥しかけるし喉つまりそうだしな!
お前さん、どんなパンケーキ食ってる?俺様は生クリームたっぷりのだ。たまにフルーツのせる。
…滅多に食えねぇ生クリーム好きがなんだよ、悪いかっ。


仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

終わったね…
少年も幽世も甘味も救われた…

大食い…か…
暴食はいけない事だけど…試してみようかな…

よもぎパンケーキも気になるけど…骸魂ケーキ…気になる…
食べようかな…いや食べる…!

気になるパンケーキを食べていこうかな…

4枚くらい食べたらお腹一杯になってきたな……げぷっ失礼…

…しょっぱい結果だって?
甘味を充分食べたから私は充分だよ…

ところで…熱いお茶と…何か塩っぽい食べ物はないかな…?
甘いものばかり口にしたから…ね…?


シャルロッテ・ヴェイロン
〇WIZ

(大食いバトルに参加する気はなく、むしろせっかくの新世界なのでいろいろ見て回ろうとか考えてる)

まぁ、今回の騒ぎはどうにか収まりましたが、こんなある意味世界滅亡クラスの事件が頻発する世界なんて聞いたことありませんよ。
ていうか、この先どうなることでしょうかねぇ…(とか言いつつマイペースでパンケーキを食ってる)。

(で、元凶となっていた少年に対して)そういえば、戦闘中は聞きそびれてしまいましたが、よもぎパンケーキにどんな思い入れがあるんでしょうか?詳しく聞かせてはくれませんか?

※アドリブ・連携歓迎



●こちらエンジョイ勢
 平和を取り戻した夜空に打ち上げる、たくさんの花火。
 大食いバトルに優勝した和服メイドさんからのサプライズを、猟兵たちも現地の妖怪と共に見物していた。
「……しっかしおっちゃんも抜かりねぇな」
 そんな最中、カイリは大食いバトルからバイキング形式に切り替わったパンケーキ屋台をじぃっと見つめていた。
 あのおニューの屋台は建物のなかで急遽拵えたのか、元々ストックとしてあったのか……少々気になるところだ。
「終わったね……少年も幽世も甘味も救われた……」
「まぁ、今回の騒ぎはどうにか収まりましたが……」
 アンナとシャルロッテもまた、適当な丸テーブルを確保してマイペースにパンケーキを頂いている。
 そこへちゃっかり同席しているのはかの少年である、お目当てのよもぎパンケーキがどっさり乗ったプレートを抱えて満面の笑みを浮かべていた。
「お、それがよもぎパンケーキか、よかったな、坊主!」
「うんっ! おにーさんやおねーさんたちの分もあるよ!」
 カイリにがしがしと頭を撫でられながら、少年はみんなの皿によもぎパンケーキを乗っけていく……せめてものお詫びのしるしのようだ。
 では是非ともと頂いてみれば、よもぎ独特の清々しい香りが口の中いっぱいに広がり……それでも後味はあっさりとした自然の優しい味がした。
「つか、うめぇな、本当に。 いくつでも食えそう」
「うん……あと骸魂ケーキ……気になる……」
「えっ、あの跳ねてるケーキですか?」
 と、いった具合にアンナは骸魂ケーキにも惹かれつつ、猟兵たちは少年とよもぎパンケーキの一時を楽しんだ。

 しばらく経った頃、カイリはジュースをふたつ手に取ってアトラの元を訪れていた。
 この黒猫紳士は同じく黒猫な楽士に誘われて大食いバトルに参加していたはずなのだが、未だにパンケーキをもくもくと口に運んでいる。
「お前さん、案外大食いなんだな……そんな食ってたら乾燥して喉詰まるぞ」
 つーか実際詰まってたよなと、カイリはからかいながらジュースを添えてやる。
 アトラはそんなカイリのニヤケ面を一瞥しては、しれっと目線をパンケーキに戻しつつジュースを手に取った。
「そんなことは忘れたな」
「おっ、図星かぁ?」
「カイリ君こそ、過剰な甘ったるさで胸焼けでも起こさんといいな?」
 ジュースを喉に流し込み、カリカリののベーコンをかじるアトラは、今しがたカイリが持ってきたパンケーキを見て小さく笑う。
 生クリームがたっぷりで、色とりどりのフルーツがトッピングされたハワイアンパンケーキはいかにも甘そうだ。
「……滅多に食えねぇ生クリーム好きがなんだよ、悪いかっ」
 可愛らしい一面を見たと微笑む黒猫紳士から目線を逸らしつつ、カイリは生クリームを豪快に頬張った。

「四枚食べたらお腹一杯になってきたな……」
「ええと、確かるこるさんは三十六枚でしたっけ……凄いですよねぇ」
 その一方で、アンナとシャルロッテの大食いチャレンジもストップがかかったようだ。
 モノは試しと奮闘してみたアンナだったが、まぁ甘味を充分に頂けたのでそれで満足したらしい。
 気になっていた骸魂ケーキは、甘さのなかにビリッとした刺激のある……まるで災いのような味がしたとかなんとか。
「……あれはまさか、麒麟の骸魂ケーキだったのかな……」
 もしそうだとしたら、犬神のおっちゃんはタイムリーな選択をしたことになる。
 今もなお跳ねる災いの骸魂ケーキに、シャルロッテは苦笑いを浮かべた。
「それにしても、こんなある意味世界滅亡クラスの事件が勃発する世界なんて聞いたことありませんよ。 この先どうなることでしょうかねぇ……」
「……そうなったら、また救うだけだよ……」
 他の世界とは類を見ない性質を持つ、カクリヨファンタズム。
 シャルロッテがふんわりと憂いを抱くように、この先もちょっとしたことから滅亡の危機といった事が起こるのだろう。
 もしもそうなったなら……アンナの言うように、また猟兵の力が必要とされるのだ。

「……そういえば、戦闘中は聞きそびれてしまいましたが、よもぎパンケーキにはどんな思い入れがあるんでしょうか?」
「え? その……思い入れっていうか……おねーちゃんがおいしいって言ってたからぼくもー、って思っただけ……」
「…………えっ、それ、だけ?」
「うん、それだけ…………」
 本当に、ほんっとうにちょっとしたことで滅びかける世界なのだと思い知れば、シャルロッテの身体からふらっと力が抜けていく。
「熱いお茶と……何か塩っぽい食べ物はないかな……?」
 アンナがふらりと席を立ち、味の変化を求めてフェードアウトしていけば……後には食べかけのチョコパンケーキの横で、ふにゃりと脱力してうつ伏せたお嬢様ゲーマーだけが残された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月06日


挿絵イラスト