絶望映えする彼女(作者 荒左腕
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「もうやだ……!」
 もう何度目になるだろうか?ヒナは目に付いた路地に飛び込んで、身を潜めていた。

 奴ら――あの異常にでかい虫――はまたすぐに自分を探し当てるだろうが、それ以前にもう身体が限界だ。
 喉はカラカラで心臓は今にも飛び出しそう、泣きながら走ったせいか顔もぐちゃぐちゃである。

「なんでこんな事になっちゃったんだろう?」
 事の始まりは確か、今日の昼休みにマキちゃんから聞いたSNS映え必須のスポット。超でかくてめっちゃキラキラだとかなんだとか。

 妙に入り組んだ路地を何度も迷った先に、確かにキラキラはあった。確かに超でかかった。そして、
「……やだやだ思い出したくない」

 「それ」を一目見た瞬間に、急に見えたのだ。自分をぐるりと取り囲む虫の群れが。
 一体何が目的なのか、虫は逃げるヒナを追い回してくる。訳も分からず逃げ続けて、既にここがどこかもわからない。

 「いいね」が欲しくて抜け駆けして、一人で学校サボった罰が当たったのだろうか?
 泣き声を上げる事すら恐ろしく、ヒナは目を固く閉じて虫の羽音が遠ざかるのを祈っている。
 だがそんな彼女の背後から、頭上から、足元から。まるで脱皮をするように、何匹もの虫がずるりと顔を出していた。

●いいねより身バレの怖いクチ
「そう、このままじゃME5(マジでエロい展開5秒前)ってわけよ!」
 ぐぐっと拳を突き出すガン・ヴァソレム(ちょっと前流行ったアレ・f06145)に乗っかる猟兵は一人もいなかった。

「感染型UDCって知ってるか?今年の流行りらしいぜ」
 人の噂を源として増殖するという、新種のUDC。

「原因だの閾値だのは役所のメガネ共がメガネくいくいしながら調べてるから、こっちのメガネ共はいつも通りに殴ればいい。
 まずはこのでかい虫だな、どんどん増えるから手早くいっとけ」
 資料と共に裸眼の猟兵にまで伊達メガネを配り始め……あっこれ3Dメガネだ。

「JKちゃんの不幸は、本体を見ちまったことだな。こっちがなくならない限りは一生ストーキングだ」
 本来交わらない理の世界と偶然接続してしまったためなのか、虫は彼女を追って増え続ける。今漏れ出た虫を倒したら、次はまだこの世界と繋がりきっていない「本体」を叩く番だ。直接「本体」の居所に踏み込んだヒナは、最も重要な情報源となる。

「どいつもこいつも携帯にあることないこと言いふらして回ってる世の中だからな。
 これ以上エロじゃなくてヒドい目にあうJKが増える前に、頼むぜ?」

 いちいちエロとかJKとか言わないとダメなんだろうか?
 押し付けられた3D眼鏡を持て余しながら、猟兵達は転送の準備に入った。


荒左腕
 荒左腕です、よろしくお願いします。

 今回は第六猟兵最大の人気を誇る(らしい)TDCアースでの冒険となります。
 TDCアースの本質は現代ホラーのようですが、今回はアクション寄りです。
 超常のモンスターと超常のヒーローの戦いをお楽しみください。

 第1章ではヒナの周囲に群がってきた虫を掃討してください。
 ヒナが虫に襲われかけた所に猟兵が到着した時点からのスタートとなります。
 ※路地裏と言いながら意外と広めの空間です。何故か人気もなく、長物で派手に立ち回っても問題はありません。

 虫(パープル・フリンジ):単眼の巨大な虫状のUDCです。戦闘に入った時点で目標を一旦猟兵達に切り替えて襲い掛かってきます。
 個々の強さは然程ではありませんが、数が多い上に次々に新しい個体が発生するため、複数まとめての攻撃が有効です。
 一定量を倒し切れば増殖は(一旦)止まります。

 ヒナ:UDCアースのどこにでもいる、ごく一般的な擬態ギャルです。
 特に働きかけがなければ戦闘から遠ざかるように逃げていくので、猟兵達の邪魔をすることはありません。
 ただ体力的には限界のため、そこまで遠くには行けません。虫を片付けた頃には通りの手前でへたり込んでいるはずです。

 第2章で「本体」の居所を探し、第3章で「本体」との決戦となります。
 ヒナからは「友達から聞いた道順」を聞けますが、正確なものではありません(むしろ、間違えたために本体にたどり着いてしまいました)。
 周囲の探索・聞込み・その他の手段で、「本体」へ至る道筋を探してください。

 プレイングには技能やUC名を直接指定するより、どう使うかが明確であるほど有効となります。
 (例:「【追跡】で探索」→「××を根拠に〇〇の跡を追跡し、道筋を探る」等)
 通常と異なる空間への道筋ですから、もちろん通常の探索方法である必要もありません。
 自由な発想のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『パープル・フリンジ』

POW ●狩り
【視線】を向けた対象に、【群れ】が群がり【鋭い牙】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD ●存在しえない紫
対象の攻撃を軽減する【位相をずらした霞のような姿】に変身しつつ、【不意打ち】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ」」」
【不気味な鳴き声】を発し、群れの中で【それ】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


魅黒・神影
絡みアドリブ酷い目etc全てOKです。

「ちょっとショッキングな光景を広げるけどもう大丈夫だよ!」と少女に笑顔を向けつつUCを発動、大量の蛇で出来た迷宮を生成して虫を取り込もうとします。
迷宮に閉じ込めるのが成功したら出口付近で待機して出てきた虫を技能:誘惑でターゲットを取り、技能:怪力と技能:生命力吸収と技能:なぎ払いを乗せた近接攻撃を行います。

失敗時は迷宮出口がないので少女を庇うように動きながら同じ攻撃をしていきます。

被弾したダメージは気にせず、致命傷と見える攻撃以外は回避をするよりも攻撃数を増やして生命力吸収で耐える戦い方をする癖があります。

「ボクはそう簡単には堕とせないぜ?」


ボム・ボーマ
イッヤッフゥゥゥゥ!!現役JKの危機に爆破テロヒーロー(そんなものはない)の俺様参上!此処は人気の無い野路裏!なぁぁらぁぶぁぁ!キモい害虫を派手な爆弾で吹き飛ばしても問題無し!

UC『マキシマムボム』で爆弾の威力を底上げだ!

爆破機関銃の弾幕爆撃で爆発範囲内の敵を吹き飛ばすぜ!あんなキモいのが近寄ってくるとかマジ勘弁だかんな!

変な笑いかたしやがって!ゲッゲッゲッゲッ

ヒィイイ!?爆破弾幕を抜けて来やがったぁぁ!特殊衝撃爆弾でオレを後ろに吹き飛ばして緊急脱出!このまま逃げながら撃ち続けてやるぜぇ!んぁ?卑劣だトォ?バカ野郎!こうゆうのは勝てばよかろぉなのだぁ!

アドリブ、ok


「誰か……誰か助けて……」
 目を固く閉じて助けを祈るヒナの背後、新たに生まれた数匹の虫が標的を定めて顎を開いたまさにその時。

「イィィィッヤッフゥゥゥウ!!」
 奇声と共にばら撒いた爆竹が虫に巻きつき、爆発のけたたましい音と共に虫をヒナから引きはがした。
 グリモアからの転送で一番に飛び出した、ボム・ボーマ(爆弾狂・f25675)だ。

「え、何?……誰!?」

「俺様さJKちゃん、あえて言うなら爆破テロヒーロー!今日は名前だけでも覚えて帰ってね!」
 驚くヒナの話を聞いているのかいないのか。ボムは異常に太い銃身を持った銃器らしきものに、これまた奇妙なほど巨大なマガジンを装填する。

「いくぜ、俺様の十八番!」
 爆破機関銃――グレネード弾を連続で射出する安定性度外視の携行火器から、ユーベルコードの組み込まれた爆薬が撒き散らされる。

「汚ぇ花火になりな……!」
 着弾、同時に爆発。ヒナとボムの周囲に群がる虫はとめどない爆発に飲み込まれ、文字通り四散した。

「ひっ」
 運の悪いことに吹き飛んだ虫の臓物がヒナの頭に張り付いていたが、ボムは上機嫌だ。

「ナイスエクスプロードッ!よーし今日は特別に爆薬3倍にしちゃ……おブッ」

 ゴッ、と鈍い音を立ててボムの頭部に長物の柄がめり込んだ。
「いきなり出てきてはしゃいでんじゃないの、その子引いてるでしょ」

 魅黒・神影(人間の戦巫女・f00667)の持つ鉾先鈴の柄が後頭部にめり込んでいる。
「痛ってぇー!何すんだよゴリラ女子!」
「誰がゴリラか!」
「さっき自分で言ってたろうがよ、ドラゴリラとヘビゴリラ入ってますって」
「龍と!蛇ね!ゴリラひとつも関係ないよね?」
 ぐりぐりと柄を押し込む神影。もう5センチくらい沈んでる。
「ご、ゴリラも俺様も生きてる仲間だから……」

 ちょっと痙攣しているボムの頭から柄を引き抜いて、神影はヒナに向き直った。
「ごめんね、いきなりショッキングな奴が来ちゃって。もう大丈夫だよ」

 ヒナを安心させるべく笑顔を見せるが、直後周囲に虫の気配を感じて表情を引き締めた。

「「「ゲッゲッゲッゲッゲッ……」」」
 先程と同じく、建物の隙間や影から這い出すように、次々と虫が這い出して来る。

「だったら!」
 神影は意識を集中し、自らの内に宿る蛇の神に呼びかける。

「我が身に宿りし守り神よ、彼の者を惑わす迷宮となりて……」
 祝詞に呼応して、周囲から突如無数の蛇が現れる。

「……封じ込めよ!」
 無数の蛇が絡まりあい、道を塞ぎ、路地を覆う。
 やがて神影達と虫の群れは、蛇で作られた迷宮の中に取り込まれた。

「きゃああ、へ、蛇!?」
「きゃー!へ、蛇!」

 突然の爆発の後は目の前が蛇だらけである。ヒナが恐怖に声を上げるのも無理はないが、
「なんであんたまで一緒に逃げてんの!」
「だって俺様イヌ派なんだもん」
「ふざけろ!」

 口を開けばろくでもない事甚だしいボムだが、実はヒナを抱えて逃げている。
 迷宮化したこの空間から疲弊しきったヒナを避難させるには悪くない方針だ。

 一応納得はしたものの釈然としない顔で、神影は鉾先鈴の切っ先を虫の群れに向けた。
「いいさ、お前等の相手はこのボクだ!」

 鈴の音に群がるように、神影めがけて次々にとびかかる虫。
 その爪と牙がその身体に食い込むが、神影は構わず返す刃で虫を両断した。二柱の神の加護による癒しを頼りに、さらに前に出る。

「ボクはそう簡単には堕とせないぜ?」
 敵と自分。双方の血で彩られる舞は、危うく苛烈であった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

空飛・空牙
「路地裏で蛇迷宮に爆破テロとか、普通なら通報待ったなしだよなぁ」
…まぁ、警察や自衛隊でどうにかできるもんじゃねぇけどな

「地上はまぁ、任せといていいか。飛んでる連中撃ち落とすぜー」
[第六感]と[見切り]で動きを読みつつ
熱属性の精霊に頼んで【スピリット・ミサイル】発動
[多重詠唱][高速詠唱]の[全力魔法][範囲攻撃]で重ねて乱射してやる
「高温か低温かは任せんぜー。とにかく全部叩き落とせ!」

寄って来た奴には精霊銃の[クイックドロウ][先制攻撃][属性攻撃]で迎撃

嬢ちゃん追おうとしてる奴はロープ付きハーケンダガーを[投擲]&[捕縛]して、そのまま[敵を盾にする]か

「いやしかし…カオスだな」

アドリブ歓迎


「いやしかし……その、何かすごいなコレ」
 何の変哲もなかった路地裏を埋め尽くす程の巨大な虫、その虫を取り囲む蛇の壁、更にはその至る所に残る爆破の跡。

 空飛・空牙(蒼天疾駆の自由人・f04480)の転送が遅れたのは、確か数分程度のはずだ。
 ユーベルコード同士の激突は、その僅かな間に世界を大きく歪める力を秘めていた。

「まぁ、そんな事よりはあっちか」
 空牙の視界に入っているのは、傷をいとわず虫を切り伏せる神影の姿。動きこそまだ落ちていないものの、少なくない量の血が既に流れているはずだ。

 空牙は手にした槍を数度回し、魔力の流れを確認する。
「……一旦お前に7割回す、派手に頼むぜ」
 握り手を叩くと、槍は本来の姿――熱を司る精霊に戻り、受け渡された魔力を主が望む形へ転換する。

「めいっぱいはしゃいで来な、「スピリット・ミサイル」!!」
 熱量そのもので構成された無数の弾丸が宙を舞い、虫の群れに突き刺さる。
 甲殻内を直接加熱され、臓腑の蛋白質を焼き焦がされた虫は次々と地に落ち、自壊していった。

「OK、空の奴はそのまま頼むぜ」
 神影を取り囲む虫の一角が魔法でチンされたのを確認すると、空牙はできた包囲の穴に飛び込み、神影の背後を庇うように立つ。

「最初から飛ばし過ぎだよ、お嬢さん。後ろの分は俺に任せてくれ」
成功 🔵🔵🔴

九重・灯
人格が切り替わる。
「いやぁ、ハデにやってるねえ」
切った張ったは「オレ」の役割だ。観客もいるし少し張り切っていこうか。
(「観客ではなく護衛対象です。彼女には後で記憶消去しないと……」)
頭の中に響くもう一人の自分の声を「へいへい」と適当に聞き流して剣を抜く。

UC【剣劇】。
攻撃回数重視。剣、アザレアで蟲共を甲殻ごと破砕する。
『鎧砕き10、部位破壊5』
まとめて掛かってくるヤツらは、攻撃力重視に切り替えて一気になぎ払って吹っ飛ばしてやる。
『なぎ払い6、範囲攻撃5、怪力5、衝撃波5、吹き飛ばし3』

周りの屋根の上や塀の裏などからの奇襲には注意。「地形の利用」技能の勘で警戒する。
『地形の利用5』

アドリブOK


(いやぁ、ハデにやってるねえ。観客もいるし少し張り切っていこうか)

 蛇の迷宮を見回す九重・灯(多重人格者の探索者・f17073)の頭の中に、わざとらしくざらつかせた「自分」の声が響く。

「観客ではなく護衛対象です。彼女には後で記憶消去しないと……」

(ああそうだ、記憶を消さないと「オレ」を覚えられちまうからナア?そうすりゃ)

「……黙って!」
「外」に出ない限り、頭の中の声は灯を煽り続ける。
 息を一つついて、灯は眼鏡を外して厳重にポーチへしまった。

(これでいいんでしょう?)
「よし……いい子、だ!」
 眼鏡を外した刹那、灯の瞳孔が開いて剣呑な光が宿る。
 一般的な女性然とした佇まいから一転して獣のように低く身構えた肢体。
 戦闘行動を一手に引き受ける、灯の別人格が表出した。

(それからこの間みたいに、わざと眼鏡を壊さないように)
「どうせ経費で落ちるんだろ?後はオレに任せて、いつもみたいに眠っていろよ」

 それだけ言って、灯は手元に片刃の剣を取り出した。女性が扱うにしては肉厚の、赤みを帯びた重い刃。それを苦も無く振るい、彼女は虫の群れに叩きつけた。

「さぁ、こっから"オレ"のターンだ!」

 一閃の中に三撃。まるで別々の方向から叩きつけられたように、虫の甲殻がぐしゃぐしゃになって四散する。

「ノッてきたぜ、手前らもエサになりな!!」

 壁を駆け上がって空中の虫を捉え、さらに一閃、二閃。
 シンプルな斬撃に見える動きの中には全て嵐のような打撃の礫が内包され、虫の群れを次々に叩き砕いていく。

(綺麗……な筈がないわ)
 「交代前」の灯にもその光景は見えていた。
 「眠っている」という表現の通り感覚はぼんやりとしているが、それでも今空中で砕け散る虫たちを、次の虫を追って刃を滑らせる自分の手を、全て彼女は見ている。

 靄のかかった頭の中でも鮮明なその光景をこれ以上焼き付けないよう、彼女は改めて心の瞳を閉じた。
成功 🔵🔵🔴

ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

あと一押し、という処か、俺が呼ばれるワケだな。
数には数をぶつけるのがセオリー、更に言わせて貰うなら
質も具えたこの攻撃で一掃させてもらおう

【天羅地網】を発動。位相空間転移させたグレイプニル
(フック付きワイヤー)は一にして千、千にして一
(実際は670本程だが……)
複製ではなく総て本物であり同一にして同時に存在する
ある物は虫に絡みつき締め上げバラバラにしていき
ある物は槍と化し虫の単眼を貫き
ある物は鉤で虫を引き裂いていく

もし討ち漏らした虫が向かって来たら残像にカウンターを合わせて
装備武器又は素手で反撃していく
先制攻撃や2回攻撃も活用
「貴様等には俺の尻尾の影すら捉えさせん。ご愁傷様だ」


「あと一押し、という処か?俺が呼ばれるワケだな」
 ロウガ・イスルギ(白朧牙虎・f00846)は鷹揚に笑った。
 その言葉通り、蛇の迷宮を埋め尽くす程だった虫は半分以下に減り、
 先程まで無限に続くかと思われた増殖も既に止まっている。

「仕上げはこの「グレイプニル」が任された!」

 両の鉤爪を立てて虚空を薙ぐと、爪痕が時空の裂け目となって僅かに開く。
 位相のずれた空間に収納したワイヤーの1本を手繰り寄せて弾くと、空間内に張り巡らされたワイヤーが次々に振動し、奇妙なメロディを奏で始めた。

「一騎当千、然して俺は万騎当千万……」
別のワイヤーを弓のように弾き絞り、放った次の瞬間。

「「数」と「質」の極。刮目せよ、天羅地網!!」
迷宮の各所に時空の裂け目が現れ、無数のワイヤーが一斉に放たれた。

 上下左右、あらゆる方向から襲い掛かるワイヤーに次々絡めとられる虫の群れ。
 1匹の虫を貫いたワイヤーが別の虫の足にかかり、回避した虫の進行方向にはさらに別のワイヤーが待ち構えて縛り付け、地に落とし、ひき潰してゆく。

 そして、数え切れないほどと思われた虫の群れは最後の1匹となった。
 ロウガの冷徹な連鎖を運よく潜り抜けたそれが、背後に迫る。

「……ご愁傷様だな、そこも計算済だ」

 尻尾に仕込んだワイヤーを軽く弾くと、周囲のワイヤーが方向転換して虫へ殺到する。
 無数の鋼線に貫かれ、最後の1匹もその動きを止めた。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 冒険 『真実は散歩道』

POW手あたり次第に手がかりを探す!
SPDマップを記録してルートを探す。
WIZ情報収集をしてルートを絞る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幕間

「疲れた……」
 蛇巫女之大迷宮を解除し、神影がその場にへたり込む。
 傷はほぼ塞がっているものの、想定外の物量と増殖速度で消耗が激しい。
「お疲れの所悪いが、まだ残ってるぜ」
 空牙が肩を貸して神影を立たせた。

 その後ろでは灯が手元のポーチと格闘している。
「もう少しオレの番でいいじゃねえか」
(ダメです、終わったら早く交代してください)
 一瞬の隙をついてポーチから眼鏡を取り出して装着し、「灯」は「灯」から体を奪い返した。
「……そうですね、本体の居場所を突き止めないと」

「そっちはどうやら、もう段取りが進んでるようだな」
 戦闘態勢を解いたロウガが親指でさした先。路地を出てほんの少しの場所では、

「……まずね?マキちゃんが道順ぜんぶ口で言うから間違えちゃうんじゃん?最初っから地図送ってくれても良くない?」
「わっかるぅー、俺様だったら爆破しちゃうー」
 けろっとした顔のヒナが、ボムとタピオカ片手にだべっていた。

「あ・ん・た・は!何やってんのか!」
「よっ、お疲れ」
「タピオカ片手にいい御身分ですこと」
「ダブルケチャップアボカドショコラだ。新製品だぜ?」
「うまいの、それ?」
「んー……ゲロ飲んでる感すごい」
 首根っこをぎゅうぎゅう掴む神影、蔑んだ視線の灯、リアクションに困っている空牙。
 淀みなく対応しているあたり、売り出し中ながらボムはかなりのハイスペックだ。何のスペックかは知らないが。

「……で、どうだったんだ?」
「こんな感じだな」
 噴きあがりそうな神影を制して、ロウガはボムが取り出した端末を受け取った。
 端末の画面には既に周辺の地図と、赤い矢印で道順が記入されている。
 ヒナを落ち着けた上でまず「本来彼女が通るはずのルート」を聞き出していたのだろう。見た目に反してそつのない仕事だ。
「……成程な」

 地図上には確かに細かな路地を何度も曲がるルートが示されているが、
 その終点は……路地の入口。

「答え合わせ的にも間違いないぜ」
 ボムが指し示したのはすぐ隣にあるタピオカ屋。
 サマーシーズンに合わせて「巨大」なかき氷のオブジェを用意しており、店外からもわかる程「キラキラ」輝いていた。

「「本体」は路地の奥じゃなかったのか?」
 再度地図を見る。まっすぐ進めば2分もかからず通り抜けられるような小さな路地には、行き止まりも見当たらない。
「……ならば、場所ではなく道程自体が扉なのだろう」

 手当たり次第に歩き回るか、周囲の痕跡から法則性を探るか。
 または、おぼつかないヒナの記憶の底をさらに探るか。
 猟兵達は思案顔で、再び先ほどの路地を覗き込んだ。
ロウガ・イスルギ
引き続きアドリブ・連携歓迎
UC活性化しておくが基本使用せず

情報共有の一環で俺の端末にも地図送ってもらおう
とりあえずヒナに当たって「実際に通った道順」を思い出させる
その上で実際通った道順自体が本体へ通ずる儀式になっているとか
魔法陣を描いているとかその線で調査進めてみるか

万一負傷してたら治療の間位は待ってやろう
人使いが荒いと言われようが俺達がいなけりゃ死んでた身だ
生きてる内に『記憶』は有効に活用してもらわないとな
(脅迫はしないが威圧で攻めるタイプ)

文句言われても俺は傭兵なんでな。ヒーローでも正義の味方でもない
まあまたなんかあったら傭兵なりのやり方で護らせてもらうさ


九重・灯
体の支配権が「わたし」に移る。
ある程度はヒナさん自身に通った道を案内してもらいます。
覚えていないなら、彼女に装備のサンドマンの眠り砂をごく少量だけ、ふっと吹きかける。
「……ほら、落ち着いて。気分がだんだん楽になってきますよ」
記憶を催眠術で遡ってみようと思います。
『催眠術5』

(「オイオイ、なんか犯罪クサいな!」)
もう一人自分の、茶化すような声が頭の中に響く。
わたしだって不本意だけど緊急事態です。また虫が湧いてくる前に元を絶たないといけません。

UC【血晶の振り子】。血色の石が揺れ導く。
ヒナさんの案内を元に、UCのダウジングで邪神の魔力の痕跡なり空間の歪みなりを探って追跡してみます。
『第六感、追跡』


「……さて、早速だがお嬢ちゃんに質問だ。本当の所はどこを歩いた?」
「へっ!?」
 自分の端末に地図と道順を転送すると、ロウガはぎろりとヒナを睨んだ。
 近づけば顔も見えない程の身長差と、(UDCアースではどう見えているのかわからないが)自他ともに認める強面。
「え、えっと最初の道を右……いやまっすぐ?じゃなくて」
 普段の尋問であれば確かに効果的だが、相手が情報を隠していることが大前提だ。

「無理強いは駄目ですよ、かえって記憶が混乱します」
 おろおろしだすヒナを見て、灯はロウガを押しのけた。

「いきなりごめんなさい、無理しなくても大丈夫ですよ。まずこれを握って」
 そのまま縁石の上に深く座らせ、親指大の宝石を幾つか握らせる。

「そしたら目を閉じて、大きく息を吸ってくださいね。3、2、1……はい頭がスッキリー」
「ウンアタマスッキリー」
 ほんの数秒で、虚ろな目のヒナが口をパクパクしていた。

「いきなり洗脳してんじゃねえか!」
「洗脳じゃなくて催眠です、緊急事態なんだから仕方ないじゃないですか」
 無理強いはダメで催眠はいいんだろうか?
 多重人格者というのは性格が全く違うようで、存外根元の所は同じなのかもしれない。ロウガはふとそう思ったが、自分もほぼ同じことをしている手前黙っていた。

「左……左……まっすぐ……引き返して右……」
 先程ヒナに握らせたのは灯がダウジングに使用する術具だ。
 ユーベルコード「血晶の振り子」を催眠状態のヒナに直接使用することで、無意識下の記憶が克明に再現されていた。

 吶々と話すヒナの道順を逐一端末の地図へ入力していくロウガ。
「魔法陣……ルーン……形而上のヒットはないが……」
 端末の地図には既に何本もの線が重なって、既に最初の線が見えなくなっている。
 紙の方が便利なこともあるのだな、と思考を放り出す寸前、ロウガはとうとう糸口を掴んだ。
「道順はバラバラだが、引き返す度に同じ場所を通っている。その時だけ必ず同じ方向だ」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

空飛・空牙
間違え方探しとか、新しいな

UC使用
地図とペン持たせた精霊を空に配置
「上から俺の移動経路マッピングしてくれなー。何かあったら記録してくれ」

俺自身は路地に入って『間違えそうなルート』を歩きつつ
見逃し聞き逃しがないよう五感と勘を働かせながら異変を探り、記録すんぜー

「ないはずの通路があったり、そこに入り込んだりしたら、空の精霊は気づくかね?」
外部からは観測出来ねぇだろうし、当たりを引けば多分
「俺を見失う瞬間がある、か」
そいつを繋げば間違えルート完成かな
空の精霊から見えてない通路とか観測できない何かがあれば、積極的に探りを入れるよ

何もなけりゃ
正しい地図と俺の地図、精霊の地図を照らし合わせて差異を探すぜー


魅黒・神影
絡みアドリブ歓迎

「血、流し過ぎたかな…?」

UCを発動して祈りを捧げながら正規ルートから単純ミスで間違えそうな道をUCの神々や祖霊に助言をもらいつつ予測し、その道に進んでみようと思います。

祈りを捧げる時間は戦闘で上がった息などを整える間にして、長くは時間を取らずに行きます。


「じゃ、次は俺の番だな」
 空牙は再び呼び出した精霊にペンと紙を持たせて上空に飛ばすと、自身は路地裏へ駆け出して行った。
 スカイダンサーの脚力をもって、ヒナから聞き出したルートを片っ端から駆け回り、上空の精霊に記録させる。

「……どうだった?」
 念のために同じルートを2,3周走り終えた空牙が、息を弾ませて精霊の持ってきた紙を受け取る。

「確かに、この方向で通った時だけ俺の姿が見えなくなってるのか……」
 紙の上にはロウガと同じく重なった線が数本書かれていたが、特定の方向から通る時のみ線が途切れる箇所がある。
「場所と方向はここで間違いないみたいなんだが……後は何が足りないんだ?回数じゃないのか?」

 その頃、神影は神霊通信による霊的な情報収集を試みていた。
 だが先程の戦闘のダメージが抜けきっていないのか、集中がいまひとつだ。
「血……やっぱり出しすぎたかな」
「……大丈夫?コレでも飲んどく?」
「ありがと、助かる」
 タピオカは確か炭水化物の塊だ。吸収はともかく、エネルギーの足しにはなるだろう。
 どうやら催眠を抜けた様子のヒナが差し出したタピオカを受け取り、口に含んだ。

……ゲロ飲んでる感がすごい。

「なんでキミまでこんなの飲んでるのさ!?」
「だって新製品……」

 しかし、その斬新な味わいは何故か蛇神に届き、神影の脳裏に神託をもたらした。

「マジか……って、……おうま、がとき、はんとき……「逢魔が時 半時」?」

「でも逢魔が時って確か、日暮れ時のことじゃなかったか?」
 再度路地裏を回ってきた空牙が訝る。午後は回っているが、日が落ちるにはまだ数時間はかかるはずだ。
「多分そのままの意味だよ、魔の来る時間」
 そして、「半時」は昔の時刻の数え方で約1時間。

「あの場所は「逢魔が時」の来る間隔が短いんだよ、1日1回じゃなくて1時間に1回」
「……さっきの戦闘からどの程度経つ?」
「ざっくり30分。あの子が襲われたのはもっと前だから、そろそろ時間のはずだ」
 戦いが迫ることを意識し、ざわめき立つ猟兵達。

「え、待ってどこ行くの?」
「キミはそこにいて!あと次はまともな味のタピオカ飲んでね!」
 きょとんとした顔のヒナを背にして、猟兵達は再び路地裏へ駆け出した。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『邪神・白蛆の怪』

POW ●エヴァグの傷が疼くのだ!
全身を【溶岩に近い性質を持つ、溢れ出る漆黒の体液】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD ●イイーキルス起動
自身が装備する【氷山に偽装した、永久冷凍光輪を放つ宇宙船】を変形させ騎乗する事で、自身の移動速度と戦闘力を増強する。
WIZ ●イーリディームの到来(口からも大量に)
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【非常食にもなる、光と氷属性のUDC】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●「噂」の居所

 特定した場所と方向の移動を数回繰り返したその時、その場にいる全員をめまいのような感覚が襲う。
 グリモアによる転送の感覚にほど近いそれが終わった時、彼らは陸とも海ともつかない、その広さもきちんと認識できない不思議な空間に佇んでいた。そして、

「……アレじゃない?」
「まあ、「巨大」だし「キラキラ」……か、たぶん」

 この空間の最奥。どこにいてもわかる程の存在感で鎮座している「それ」。

 念のため言葉に出してはみたものの、目に入った時には既に全員が理解していた。
――こいつが「本体」だ。

 巨大な氷晶のような構造物と、それを守るように巻き付いた白い蛇のような怪物。
 蛇の頭に相当する部分からは血とも卵ともつかない粘液がとめどとなく溢れ続け、氷晶を含めた全身を覆っている。
 中心の氷晶はべっとりとした粘液に塗れてもなお清水のように透明で、その内部にある「何か」の鳴動を映していた。

「――ッ!?」

 その姿を認識した瞬間、確かに「そのように」頭の中へ響く声。

―― ひ ろ め よ 。――

 存在自体をユーベルコードに護られた猟兵達でも吐き気を催すような不快感。
 常人であれば既に発狂していただろう。逃げ出すことのできたヒナは幸運だったのだ。

 周囲を確認すると、先程戦った虫の幼体や卵と思われる生き物がもぞもぞと動いている。
 この期を逃せば虫は再び外に放たれ、路地裏を飛び出して街の人々を襲うかもしれない。そうなればもう「噂」を抑えることは不可能だろう。

 ここが勝負時だ。猟兵達は顔を見合わせて、巨大な怪異に身構えた。
九重・灯
人格が「オレ」に変わる。
ハハハッ、ブサイクな蛇だな。それとも何かの幼虫か?
ま、どっちでもいいか。
「アレやるぞ」
(「わかりました。でも長くは持ちませんよ」)
もう一人の自分が応える。遠慮はナシだ。

UC【朱の王】
「我ら、狂気を以て狂気を討つ!」
自分の腕を切り裂き、血を代償に朱の契約印から魔炎を喚び四肢と武器に纏う。
『属性攻撃15、呪詛6』
燃える剣、アザレアを邪神に叩き付けると同時に、身を覆う体液を吹っ飛ばす。
『怪力7、部位破壊5、衝撃波5、吹き飛ばし3』
間髪入れず、返す刀を突き立ててやる。
『2回攻撃5、串刺し8』
魔炎は相手の血肉をさらなる贄に、火勢を増して燃え続ける。
『生命力吸収3、継続ダメージ4』


シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!


「……どうやったら、ここまで醜くなれるものなんだ?」
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は端正な顔を歪めて、戦場に出てきたことをひどく後悔した。
 住人の容姿や精神性は(猟兵基準として)自分達との差異が少ないにも関わらず、邪神と呼ばれるTDCアース特有のオブリビオンは大抵、目の前の怪物のように醜悪な外見をしている。

――イー ディ リ……――

 蛇状の怪物から再び頭の中に声が響くと、周囲に散乱した虫の幼体や死骸がびくびくと動き出す。内部から青白い光を放つそれらは、さながらゾンビのようにシェーラへと群がってきた。

「……いいさ、報酬分は働いてやる」

 シェーラはホルスターから一瞬で四丁の精霊銃を抜き放ち、宙へ放り投げた。

 自身も跳躍すると空中で精霊銃の引金をひき、次々に持ち替えていく。シェーラの得意とする戦術、「彩色銃技」だ。

「君達と踊る趣味はないんでね」
 蝶のごとく優雅、機械のごとく正確。
 シェーラの放った無数の弾丸は虫の群れを蹂躙し、青白い躯を再び土に還した。

(ケケッ、気取ったオネエだぜ!負けちゃいられねえな、さっさと代われよ)
「わかったから少し黙って!」

 灯は安堵した。人格交代が遅れて今の声を聞いたのは自分だけだ。
 他人の(特に割と自意識高めの)ファッションに口出しすれば、その先は戦争しかないのだ。

(悠長にしてていいのかよ?そら、向こうから来たぞ)

 白い蛇の全身に開いた孔からじくじくと黒い体液が染み出して徐々に全身を覆ってゆく。
 巨体の身じろぎで飛び散った飛沫をすんでのところで避けると、飛沫のついた場所がぶすぶすと煙を上げていた。

「酸?違う、この温度……!」
 危険を察知し、灯は瞬時に眼鏡を投げ捨てた。

「……ッハァ!やっと出番かよ」
 交代した人格が歓喜の声を上げる。

「野郎が使ってるのは溶岩か。なら、アレでいくぜ」
(……わかりました)

 渋々といった声を了承とみなし、「灯」はユーベルコードを起動した。
「我ら、狂気を以て狂気を討つ!」

 二の腕に爪を立て、流れ出る血で印を描く。印の完成と共にさらに噴き出した血液が赤黒い炎となって「灯」の四肢と刀を覆い尽くした。
 自身の血液を代償にした魔術的発火現象、「朱の王」だ。

「遠慮はナシだぜ!!」

 溶岩に包まれた蛇の身体を、炎の足で駆け上がる。
 高熱の飛沫を赤熱の掌で受け止め、身体の孔に燃える刀を突き刺した。
「黒焦げになりな!」
 蛇の放つ熱すらも吸収し、灯の炎はさらに勢いを増す。

 悲鳴というにはあまりに奇怪な音が異空間にこだました。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

魅黒・神影
絡みアドリブ歓迎です。


「これが本体…?蛆はとっとと叩き潰しちゃいたいなー…」
「龍神様、ここはお任せします。」

真の姿とUCの完全龍神体の合わせで龍神になり【天候操作】を組み合わせた雷雨で虫の卵や幼体、本体を攻撃しながら飛翔速度と【怪力】で本体に近接攻撃を仕掛けます。
龍神時は【生命吸収】も交えますが一撃離脱多めに行動し、一撃の重さを重視する癖があります。


ロウガ・イスルギ
アドリブ・連携歓迎

デカブツめ、まるで氷山を守るように巻き付いてやがる!
まてよ、『守る』ように……ではなく『守っている』のだとしたら?
氷山の方を狙ってみるか、コイツは傭兵の勘ってヤツだ
外れたら俺がご愁傷様だがな

グレイプニルで邪神を拘束して引き剥がす!
【怪力】と【ロープワーク】はこのために!
(氷山壊すまではなるべく負傷させない心掛ける)

活性化して位相空間に収納中のムゲンストライカー
(ヒーローカー)を呼び出すぞ
UDCアースじゃピックアップトラックに擬装しているが
本来のUFOへ戻して乗り込み【超鋼砕波】発動
【残像】と【カウンター】で敵の攻撃を捌きつつ
衝角装備の特攻形態で氷山及び中の宇宙船に吶喊する!


空飛・空牙
いや、普通にキモいな
こいつで『いいね』は稼げねぇよなぁ
「まぁ、SNSとかアカウント登録以降何もしてねぇからよく知らねぇけど」
けらけら笑いながら、精霊達を呼び出すか

UC起動
周囲の虫共の対応かな
非常食とか、回復される気しかしねぇし
「氷かつ光なら影ん中で熱すかね」
雨と熱の精霊の力で作った『超高温の雨雲』を、穹の精霊の力で虫共のいる場所だけに発生させんぜー
死骸利用されないよう骨格残さず[焼却]するな
本体の方は味方巻き込まない時だけ狙うか
…わざわざ大量の虫に突っ込んでく猛者がいないことを祈る

俺に群がって来るぶんには俺ごと巻き込む
精霊由来の[環境耐性][火炎耐性]あるし

「そんじゃ、我慢比べといきますか!」


「流石にこいつじゃ「いいね」は稼げねぇよなぁ、俺はSNSとかよく知らねえけど……っていうか、こんなキモいのJK垢で拡散したら炎上必至……いやセンシティブな画像で下手すりゃアカウント凍結かもな、よく知らねぇけど」
 けらけらと笑いながらも、空牙はいつになく饒舌だった。良く知らないけど。
「……一体誰に向かって言ってるんだ?」

「うるせえ、さっさと片付けるぞ!」
 声を荒げて次々呼び出した精霊たちが何故か顔を隠している。色々思うところはあったようだ。
「そういうのはいいから、さっさと行ってこい!」
 顔を隠したままの雨と熱の精霊が、火照った顔をくるくる回して高圧蒸気の積乱雲を作り出す。続いて呼び出された穹の精霊が雨雲を邪神の元へ運び、邪神と周囲の虫へ高温の雨を浴びせ始めた。

「名付けてレッドホットスコール、汚物を消毒だ!」
 煮えたぎる集中豪雨を浴びて、虫の群れはその光を弱めて次々溶けていき、邪神の赤黒い溶岩は水分と反応して凝固する。白い蛇の動きは目に見えて鈍くなっていた。

「道は開けてやったぜ、おっさん!」

「……お前さんに言っておくことがある」
 ロウガは深く腕を組んで目を閉じ、幾つかの思考に結論を出した。
「俺は今年で23。つまり、俺の方が年下だ」
「……なんだと……っ!?いやでもたった1歳……」
 今日イチの衝撃であった。

「道は使わせてもらう。ありがとうな、「おっさん」」
 皺にも縞にも見える顔の線をニッと歪め、ロウガは位相空間に手を差し入れて「奥の手」を取り出した。

「ムゲンストライカー、Go!!」
 ピックアップトラックの偽装をパージし、ヒーローズアースのテクノロジーを満載した白銀のスーパーマシンに乗り込むロウガ。

「チェンジ・デモリッションモード!狙いは……あの氷山だ!」
 ロウガは白い蛇が覆う氷山、その奥に見える構造体こそが邪神の核であると推理していた。蛇の体勢が崩れた今こそ、直接核を叩くチャンスだ。

 ロウガの狙いを感じ取ったのか、氷山をすり抜けるように鋭角な構造体がせり出し、ムゲンストライカーを迎え撃つようにエネルギーを集中させる。

「いいだろう、真っ向勝負だ!」
 自身の力を全てマシンに預けた突貫攻撃、「超鋼砕破(デモリションドライバー)」。

 錐揉み回転する鋼鉄の塊は邪神の構造体をエネルギー波ごと砕き、耳を覆うような奇怪な叫びと共に氷山と蛇から大小の爆発が上がった。

「……やったか?」
「いいえ、まだ!」

 数々の攻撃に晒されてその形を失いつつある白蛇と氷山。だが、爆炎の収まりと共にその影が徐々に揺らめいて混ざり合い、不可思議な金属質を持つ銀の蛇がその姿を現した。

――エヴァ・ク――

 奇怪な言語が猟兵達の脳裏に響き、銀の蛇から濁流のように溶岩の血液が溢れ出す。その量は先ほどの比ではなかった。

「まだこんな力が!?」
「いいえ、これが最後の筈……我が身に宿りし龍の神よ、今こそ!!」

 神影は祝詞を唱えて大きく跳ぶと、その体を内に眠る龍神に捧げて真の姿を解放した。
 雷雲を纏う、巨大な半人半龍である。

「蛇だなんて畏れ多い、蛆如きが神を気取れると思うな!」

 空牙が作った雲すらも経由して、異空間を雷雲が覆い尽くす。
 次々に降る雷が溶岩の血を焼き砕き、銀の蛇……いや蛆を岩肌に縫い留めた。

「叩き潰してやる!!」

 神影の爪が蛆の腹に食い込み、そのまま金属の表皮を引き裂いた。。

「……とどめを!」
 炎の剣と輝く銃撃、鋼鉄の塊と精霊の魔弾。
 猟兵達が持てる全ての威力を身体の内側から叩きこまれ、蛆の邪神はその居所と共に、完全に消滅した。

●噂の終焉

「……あれ!?」
 夕刻。ヒナは喫茶店のテラスで目を覚ました。
 学校をさぼってここまで来たのはいいが、それ以降のことをどうにも思い出せない。
「なんか超怖い目にあって、すごいうるさい人が来て……っていう、夢……?」

 まだぼんやりする頭を二、三度振ったその時、ヒナは見た。
 すぐ向かいの路地の奥から立ち上り、夕日を受けて光る光の帯。

「超でかくて……キラキラじゃん……!」
 それは砕け散った邪神の肉体なのか、役目を終えて帰還する猟兵達のグリモアの残滓か。
 何故か記憶が曖昧になってきているヒナには知る由もない。

 早速SNSに投稿すべく携帯を取り出して……やめた。
「やっぱマキちゃんと一緒の時にしよっと」

 数日後、件のタピオカ店から正式に宣伝と地図が拡散される。
 「映えるキラキラ」から怪異が生まれることは、もうないだろう。

「でもなんであたし、なんで1人で2つもタピオカ飲んでたんだろう……?」
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月07日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴