螢狩り(作者 空色
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●螢狩り
 都会の真ん中で螢が見られると聞いたら、貴方はどう思うだろうか。

 とある街の植物センターにて「螢のゆうべ」という催し物が行われているという。週に一度、解放されるセンター内のホールに螢が放たれるというのだ。
 ホールはどこかの田舎風の景色を模していて、小さな人工の小川が流れ、その周囲には植物センターならではの野草が見られる小さな草原が広がる。ホールの端には近所の神社から借りてきたというおみくじも置かれており、自由に引くことができる。とは言え、螢が飛ぶような暗闇だ、おみくじの内容はホールを出なければ読むことはできない。
 人工的に作られた螢狩りだが、浴衣を着て楽しむものも多いという。螢を楽しめるのは六月いっぱい、つまり四回ほどのイベントになる。
 けれども、初回の「螢のゆうべ」が終わったあとから、ちょっとした噂が流れ出した。
 螢を見た人が、雨男または雨女になるという噂だった。

●雨に好かれる
「お集まりいただき、ありがとうございます」
 グリモア猟兵の八神・凛は猟兵たちを見て深々と頭を下げた。
「今回は、皆様に呪詛型UDCの対処をお願いいたしたく思います。実はとある『螢のゆうべ』という螢狩りのイベントに参加した人たちがUDCの怪異に巻き込まれているようなのです。怪異はどうやら天気に関係するものらしいのですが」
 凛は、一枚の名刺大の紙を猟兵たちに見せた。そこには天気予報アプリの広告が書かれている。
「これは『螢のゆうべ』にて配られた広告です。この広告にはオリエンテーリングのようなものが書かれています。街の各所にてスタンプを押してもらえれば、アプリ使用料が無料になるとか。これが、どうやら今回のUDCの怪異につながっているらしいのです。今のところ怪異に巻き込まれている人はこのオリエンテーリングをクリアした人たちばかりのようです」
 広告の裏には街の有名なラーメン店やファッションビルに入っているタピオカドリンク店、ゲームセンターや雑貨屋さんなど、螢狩りをしたあとにちょっと寄ってもいいかな、と思わせる店名がずらり。
「そこで、今回は『螢のゆうべ』の会場を貸し切りましたので、まずは無心に螢を楽しんできてくださいませ。その後、オリエンテーリングでスタンプを集め、UDCの怪異を突き止めてください」
 街で遊べばUDCにたどり着くらしい。思い切り楽しむのもよいだろう。
「どうか、ご武運を」
 凛はグリモアを発動させ、微笑んだ。


空色
 空色と申します。よろしくお願いいたします。
 呪詛型UDCを探すついでに楽しもうというお遊び要素の強い依頼になります。

 1章では螢狩りを楽しめます。都会の螢ではありますが、どうぞ存分にお楽しみください。ご友人をお誘い合わせてのご参加も歓迎いたしますが、迷子にならないように気をつけてくださいませね。
 2章は街中を歩き、スタンプを押してもらいながらUDCにたどり着くルートを探してくださいませ。真剣に探すもよし、街中で遊ぶもよし。基本的にUDCにはたどり着くようになっています。
 3章はUDCとの対決になりますが、ふんわりした戦闘になるような気が致します。

 受付や締切などは恐れ入りますが、マスターページをご確認いただけますと幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 日常 『彼の地には螢の光有り』

POW一か所に留まってなんてもったいない。歩き回って、色んな景色を眺めながら。
SPD不意に気づいたよさげな場所。ここからなんて、どう? 手、貸そうか。
WIZここは穴場。静かな場所で、物思いに耽りながらも悪くない。
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ゲンジボタルもヘイケボタルも、両方離してあるという。
 とある街での「螢のゆうべ」。人工的な小川は微かな水音で螢を呼び寄せる。植物センターならではの野草も密やかに花開く。
 ところどころに床几台が設置され、ゆっくりと楽しむこともできるようだ。
 おみくじはホールの端に。手作りの鳥居の下に設置されている。手作り感がどこか懐かしさを感じる。

 さあ、どこで螢を見ようか。
ケルスティン・フレデリクション
ほたる…?
ダークセイヴァー生まれの自分にはそれがどんな生物なのかはわからない。
生き物がひかるの?
それは、本当に生き物…?

ロリータ風なふりふりフリルか浴衣を着て探索するよ!
おみくじも、ひいてみる…
暗くてなんて書いてるかわからないから、とりあえず肩掛けポーチの中に入れておくね。
あとで、ホールにもどったらよむよ!

ほたる…ひかってる!
すごーい!きれい!
初めて見た光景に感動して大きな声を出そうとするけど、ほたるがびっくりするから、あわてて口をふさぐよ。
しばらくきらきらとしたひとみでほたるを眺めたあと、ホールにもどって、おみくじかくにんするよー。
なにがでても、まえむきに!


(ほたる……?)
 ダークセイヴァー生まれのケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)には「螢」という生き物がどんな生き物かわからなかった。
 グリモア猟兵の話を聞くに、どうやら光る生き物らしい。
(生き物がひかるの?)
 大きなオレンジの瞳を瞬かせて、幼い少女は不思議に思う。
(それは、本当に生き物……?)
 暗いダークセイヴァーで生まれたのであれば、そう思うのも無理はない。ともあれ、ケルスティンは見に行ってみることに決めた。好奇心は旺盛なのだ。

 ふわふわの紫の髪によく似合うフリルのついた淡い紫の浴衣を着て、「螢のゆうべ」へ。思ったよりも暗い室内に、歩く足も慎重になる。
 まずは手作り感漂うおみくじのほうへ。かさり、と何か紙を引いたが、さすがに暗くて何が書いてあるかはわからない。
 うん、とうなずくと、ケルスティンは肩掛けポーチの中におみくじを入れておいた。
(あとで、ホールにもどったら読もう!)
 そう思うと、わくわくしてくる。
 暗闇にも目が慣れたので、少しずつ小川のほうへと移動してみた。
 ひかりが、すーっとケルスティンの前を横切った。
 驚いて、ケルスティンは足を止める。
(今の、なあに?)
 すーっと飛んでいくひかり。周囲を見渡せば、あちこちに淡い光が飛んでいる。
(これが、ほたる……?)
 ケルスティンは大きな目を見開いた。
(ほたる……ひかってる!)
 初めて見た螢。ケルスティンはその光景の美しさに胸がいっぱいになった。
「す……っ」
 思わず大きな声を出そうとしてしまうが、螢が驚いてはいけない、慌てて口を両手で塞ぎ、代わりに胸の中で叫ぶ。
(すごーい! きれい!)
 螢に負けないくらいきらきらと光る瞳で、飛び回る螢を眺めるケルスティン。
 螢はすいすいと宙を漂い、草に止まる。ケルスティンは注意して螢の傍にしゃがみこんだ。
(ほんとうにひかってる……すごーい!)
 けして眩しいとは言えない、淡い光だ。けれども、光は光。ケルスティンはその淡い光を心から綺麗だと思った。
(本当に、生き物が光ってる!)
 じーっとケルスティンは飽きることなくその淡い光を眺めるのだった。

 螢を堪能して、ポーチの中に入っていたおみくじを取り出してみる。
 「中吉」と書かれていた。
 これから大吉へと満ちていく、上り坂の運気だ。ぱあっとケルスティンは笑顔になる。
(いいこといっぱいあるといいな!)
 螢を思い出し、ケルスティンは幸せに目を細めるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

草野・千秋
呪詛型UDCですか、気になりますね
何やら邪神の影を感じます
『あいつら』は僕にとっても許せないものですから
ですが今はお祭りを楽しむ側としてお客様です
お祭りと言えば僕のお店がある商店街でかき氷とかしましたね……

まず蛍狩りすればUDCの元に辿りつける手がかりが得られるのですね?
蛍は東京生まれ東京育ちの僕には珍しいものです
地元商店街のお祭りをやってきたコミュ力を使って他の参加者さんとも挨拶しつつも情報収集を
何かこの街に変わった事はありませんか?
おみくじ、折角なので一本
大吉が出てもラッキーですが
くじ運が悪くともまぁそれはそれで厄落としになります

蛍、儚い命でも精一杯生きている
生きている今をしっかり見届ける


(呪詛型UDCですか、気になりますね)
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は眼鏡の奥の緑色の瞳を光らせた。
(何やら邪神の影を感じます)
 『あいつら』は千秋にとっても許せない『敵』。どうしたって表情が強張ってしまう。千秋は一度、深呼吸をした。
(ですが、今はお祭りを楽しむ側としてお客様です。お祭りと言えば僕のお店がある商店街でかき氷とかしましたね……)
 千秋のお店は駄菓子屋だ。商店街のお祭りはさぞや賑わっただろう。
 千秋はそんなことを思い出しながら、植物センターへ足を踏み入れた。

(まず蛍狩りをすればUDCの元に辿りつける手がかりが得られるのですね?)
 どうにも螢とUDCの関係が繋がらないが、今は螢を楽しむことにする。
(蛍は東京生まれ東京育ちの僕には珍しいものです)
 『螢のゆうべ』を開催しているホールの外では、同じように物珍しそうな顔をした人や植物センターのセンター員、ボランティアなどがいる。ボランティアは家庭用鉄板で焼きそばを焼いてふるまっている。ちょっとしたお祭り気分だ。
 こういう空気は千秋は得意だ。なにしろ、地元の商店街で培ったコミュ力が存分に使える。焼きそばを作るボランティアに千秋は気さくに「こんにちは」と声をかけた。
「こんにちは! 焼きそば、どうぞ!」
 焼きそばをいただきながら、千秋はごく自然に問いかけた。
「何かこの街に変わった事はありませんか?」
「変わった事ねえ……」
「あ、あれはおかしなことでしたよ」
 ひょこりと顔を出す、植物センター員。その手にはグリモア猟兵も持っていた名刺大のスタンプカードがある。
「『螢のゆうべ』を行う噂を聞いて、近くのアプリ開発会社が広告を持ってきたんですが、その広告が変なんです」
「変とは?」
 焼きそばを食べている手が止まる。千秋の問いかけにセンター員は声を潜めた。
「店を回ってスタンプを集めるとアプリが無料になるらしいんですが……どの店もそんな契約を結んだ記憶がないんだそうです」
「記憶がない?」
「ええ、それなのに、スタンプだけはお店に置いてあるんだそうですよ」
 千秋は焼きそばのお皿をお返ししながら、考え込んだ。それはどうにもおかしい。
 やはりUDCの気配がする。とは言え、今は螢を楽しむのが先かもしれない。
 せっかくなのでおみくじを引いた。おみくじを開くと『小吉』の文字が見えた。
(くじ運が悪くともまぁそれはそれで厄落としになります)
 おみくじを読めば、運気はこの後上り調子だとも書いてある。十分な厄落としになっただろう。
 ホールに入り、螢を眺める。淡い光が暗闇を泳ぐ。
(蛍、儚い命でも精一杯生きている)
 螢が生きている今をしっかりと見届けて、千秋はこの件の解決を心に誓うのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ハロ・シエラ
【ファランビー】、この合言葉を使って戦ったのも、もう随分前のような気がしてしまいます。
浴衣は去年のがあったので着てきましたが、やはり少しサイズが合っていない……
この成長も皆さんのお陰でしょうか。
一緒に食事をしたり、戦ったり……そう言えば、仕事の一環で劇をした事もありましたね。
そう言う時にいつも指揮を執ってくれるロランさんには感謝しています。
一人では出来ない事だって、出来る様にしてくれるんですから。

なるほど、確かに蛍の輝く姿はチェリカさんみたいかも知れません。
とても癒される光で……もちろん、戦う時にチェリカさんが放つ眩い光も好きですよ。

来年も、皆とこうしていられるといいな。
素直にそう思います。


ロラン・ヒュッテンブレナー
※感情が耳や尻尾によく表れる
※アドリブOK

集合の合言葉は【ファランビー】なの

新しい浴衣、しっぽも出せる、特別仕様だよ
でも、ちょっとすーすーするの

ほたるって、どんな虫なんだろうね?
光るって聞いてるんだけど、どうやって光るのかな?

不思議な事って、わくわくするね
二人と出かけるときは、いつもわくわくする事があるの
お勉強会とか、新しいUCを使う時とか
新しい事が、二人と一緒だといっぱいあって
それが楽しいし、うれしいの

わぁ、こんな風に光るんだね!
魔術の光とはまた違うの
(興味津々に蛍と聖女の光を反射して本当に瞳を輝かせる)

そうだね
来年も、その先も
ずっと、一緒が、いいな…
もっともっと、思い出作って、いきたいの


チェリカ・ロンド
アドリブ◎
【ファランビー】!すっかり私たちの言葉になったわね、ふふ。
私も去年の浴衣が小さくなって、入らなくなっちゃった。だから新しいのを買ったわ!
ずっと一緒にいるものね、私たち。ドンパチ戦う時も、こうやってのんびりしてる時も。えへへ、いいわね、こういうの。
ロランとハロとたくさん冒険して、たくさん遊んだこと、私の宝物よ。二人に出会えて、とっても幸せだわ!
これからも三人で、たくさんのもの、見つけにいきましょ!

蛍の光……とってもきれい……!
こんな感じかな?(ぼんやりと髪を光らせ)ううん、ちょっと違うかも。
ホント、独特の光よね。優しくてあったかくて。

うん、私も同じ気持ち。
来年も、その先も、ずっと……。


 【ファランビー】が三人の集合の合図。
「この合言葉を使って戦ったのも、もう随分前のような気がしてしまいます」
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が呟くと、同意するようにロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)が尻尾をぱたぱたと振った。
「すっかり私たちの言葉になったわね、ふふ」
 チェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)も楽しそうに微笑む。
 三人は申し合わせて、浴衣をそれぞれ着て来ていた。
「浴衣は去年のがあったので着てきましたが、やはり少しサイズが合っていない……」
 ハロの浴衣は黒地に朱色の水玉の模様だ。とは言え、ハロもロランもチェリカも成長期。去年の浴衣では丈や胸元あたりがちょっと気になってしまう。
「私も去年の浴衣が小さくなって、入らなくなっちゃった。だから新しいのを買ったわ!」
 ゴスロリ風の浴衣はチェリカによく似合っている。ロランも嬉しそうに耳をぱたぱたさせた。ロランの浴衣は和柄の正統派の浴衣に見えるのだが。
「新しい浴衣、しっぽも出せる、特別仕様だよ。でも、ちょっとすーすーするの」
 ちゃんと尻尾用の穴が空いているから尻尾だって存分にぱたぱた振れる。とは言え、そこから風が入るからちょっぴり心許ない。少し困惑げなロランに、ハロとチェリカは微笑んだ。
「いいと思いますよ。ロランさんの尻尾がよく映えて」
「うん! 私もそう思う! ロランの尻尾ってかわいいもの」
 二人に褒められて、ロランははにかむように言った。
「ありがとう。ハロちゃんの浴衣もチェリカちゃんの浴衣も、とっても綺麗」
「ありがとうございます、ロランさん」
「ありがとね、ロラン。これ、気に入ってるの!」
 やはり女の子。浴衣を褒められれば嬉しい。二人の満面の笑顔にロランは照れくさそうに話題を変えた。
「ほたるって、どんな虫なんだろうね? 光るって聞いてるんだけど、どうやって光るのかな?」
「「うーん……」」
 ハロとチェリカが同時に考え込む。そんな仕草が楽しくて三人で顔を見合わせ笑った。
「うん、ほたるは実際に見てみよう?」
「そうですね、貴重な機会ですから、存分に見てみませんと」
「わくわくするね」
 三人は仲良く植物センターの門をくぐった。

「この成長も皆さんのお陰でしょうか」
 浴衣の袷を気にしながら、ハロは手で胸を押さえた。
「一緒に食事をしたり、戦ったり……そう言えば、仕事の一環で劇をした事もありましたね」
「ずっと一緒にいるものね、私たち。ドンパチ戦う時も、こうやってのんびりしてる時も。えへへ、いいわね、こういうの」
 チェリカも沢山の思い出を振り返り、微笑む。ロランも目を細めて耳をぴこぴこと動かした。
「不思議な事って、わくわくするね。二人と出かけるときは、いつもわくわくする事があるの」
 楽しいときも。戦闘のときも。それがたとえ、戦争のさなかでさえ。
 三人で力を合わせれば、何も怖いことなんてない。大きなドラゴンだって、三人で倒してきたのだ。
「お勉強会とか、新しいUCを使う時とか、新しい事が、二人と一緒だといっぱいあって、それが楽しいし、うれしいの」
 ロランが言うと、ハロはロランに小さく頭を下げた。
「そう言う時にいつも指揮を執ってくれるロランさんには感謝しています。一人では出来ない事だって、出来る様にしてくれるんですから」
「そんなこと、ないよ。二人がいるから、できること」
 ロランが首をふるふると振ると、チェリカがまとめて二人をぎゅうっと抱きしめた。
「ロランとハロとたくさん冒険して、たくさん遊んだこと、私の宝物よ。二人に出会えて、とっても幸せだわ!」
 チェリカの満面の笑みにロランとハロも笑顔になる。
「これからも三人で、たくさんのもの、見つけにいきましょ!」
「ええ、是非。行きましょう」
「うん、一緒に行きたいな」
 三人は顔を見合わせ、嬉しそうに目を細めた。

 螢が放たれているホールへと入ると、三人は飛ぶ螢に釘付けになった。
 手を繋いで淡い光を放つ螢を眺める。
「蛍の光……とってもきれい……!」
 チェリカが感極まったように言う。
「わぁ、こんな風に光るんだね!」
 ロランは興味津々に周囲を見渡した。尻尾がぱたぱたとせわしなく動いている。
「ええ、本当に綺麗です。とても虫とは思えませんね」
 ハロも、このときばかりは年齢相応の表情で螢の飛ぶ軌跡を目で追いかける。
「こんな感じかな?」
 チェリカが聖なる光で紫色の髪をぼんやりと光らせた。その髪はとても綺麗だ。闇夜に咲く紫陽花のようにも見える。でも、螢の淡い光とはどうも違う。
「ううん、ちょっと違うかも」
 チェリカは光る自分の髪を撫で、首を傾げた。
「魔術の光とはまた違うの」
 自身も魔術を使うロランはチェリカの光と螢の光を目に収め、本当に瞳を輝かせる。きらきら、興味と好奇心でいっぱいの瞳だ。
「なるほど、確かに蛍の輝く姿はチェリカさんみたいかもしれません。とても癒やされる光で……」
 ハロには螢の輝きは命の輝きのように思えた。だからこそ、チェリカが光る姿を見て、それが眩しく、胸をしめつける。
「もちろん、戦う時にチェリカさんが放つ眩い光も好きですよ」
「えへへ、ありがと、ハロ!」
 チェリカは髪の光を消して、もう一度螢を見回した。
「ホント、独特の光よね。優しくてあったかくて」
「うん、こんな光、はじめて」
 ロランが言えば、ハロもうなずいた。
「まるで、二人のような光です」
 ハロの言葉に、ロランとチェリカは目を瞬く。ハロは目を伏せて、思いを込めた。
「来年も、皆とこうしていられるといいな。素直にそう思います」
「そうだね。来年も、その先も、ずっと、一緒が、いいな……」
 ロランも嬉しそうに尻尾をぱたりと振った。
「もっともっと、思い出作って、いきたいの」
「うん、私も同じ気持ち」
 チェリカも胸に手をあて、心を込めて言う。
「来年も、その先も、ずっと……」
 繋いだ手に自然と力がこもる。三人は並んで、同じ螢を飽きることなく眺め続けた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

轆轤坂・蛇夜
カクリヨファンタズムの仲間達…『妖怪が猟兵になって現世に行くのはやめておけ』って言ってたけど…今の地球はこうなっているのね…。

蛍、そういえば幽世に来る前は沢山居たわね…人間達に私の姿は見えるみたいで、一安心…。

さて、堪能させてもらいましょう…現代に合った服装(護符装束による物)で来てみたわ…。

蛍、はかなく飛んで行く…綺麗ね…。凄く小さな人魂のよう…
おみくじは何が出るかしら…?

あ…良い場所、見つけたわ…。蛍が沢山飛んでいる場所…。
人間がいれば、暗い場所は化かすのに絶好なのだけれど…、今回は貸し切りだし猟兵の仕事だから、仕方ないわね…我慢しましょう…。

…手に止まった。可愛い小さな人魂ね。


 轆轤坂・蛇夜(ろくろ首のような蛇女・f27966)はカクリヨファンタズムの人間、否、妖怪だがUDCアースに興味津々だ。
(カクリヨファンタズムの仲間達……『妖怪が猟兵になって現世に行くのはやめておけ』って言ってたけど……)
 自分が昔見ていた世界と大きく異なる世界。ビルが立ち並び、妖怪が見えない人が沢山いる。
(……今の地球はこうなっているのね……)
 長い黒髪を整えなおして、蛇夜はしみじみとあたりを見渡す。すれ違う人が蛇夜の長い髪に感心したように振り返っていった。
(人間達に私の姿は見えるみたいで、一安心……)
 蛇夜は気にしていたことが大丈夫としれて、ほっと息をつく。ちゃんと服装も護符装束をアレンジして現代に合ったものにしてきている。これなら変に疑われることはあるまい。
(蛍、そういえば幽世に来る前は沢山居たわね……)
 昔はこんなイベントにしなくたって螢は飛んでいたのだ。蛇夜は少し懐かしさを覚えながら、植物センターの門をくぐった。
(さて、堪能させてもらいましょう……)
 『螢のゆうべ』の開催されているホールに入ると、ふわふわと飛ぶ小さな光が舞っているのがすぐに見て取れた。温かい、優しい光は昔のことをじんわりと思い出させる。
(蛍、はかなく飛んで行く……綺麗ね……。凄く小さな人魂のよう……)
 たとえがやはり幽世の者らしい。でも、ふわふわと浮かぶ光は人魂のようにも見えた。一生を詰め込んだ、光。
(おみくじは何が出るかしら……?)
 さすがに暗がりでは中は確認できない。蛇夜はそれを持ったまま、小川のほうへと歩いて行った。
(あ……良い場所、見つけたわ……)
 川の近く、螢が沢山飛んでいるのが見て取れる。ちょうど近くに床几台も置いてあった。腰掛け、蛇夜は螢の光よりも、暗がりを少し懐かしげに眺める。
(人間がいれば、暗い場所は化かすのに絶好なのだけれど……)
 猟兵になっても、やはり妖怪。どうしても、そわそわしてしまう。
(今回は貸し切りだし猟兵の仕事だから、仕方ないわね……我慢しましょう……)
 少しだけしょんぼりと肩を落とし、蛇夜は螢を眺めることに意識を切り替えた。そんな蛇夜を慰めるかのように、螢がふわりと蛇夜の指先に止まる。白い指先に淡い光。
(……可愛い小さな人魂ね)
 蛇夜の口元に笑みが浮かんだ。
 外に出ておみくじを見ると『大吉』と書いてあった。これからの旅路がよいものになる、と書かれている。おみくじのノスタルジックさに、蛇夜はまた微笑み、そっと懐にそれをしまった。
大成功 🔵🔵🔵

アイ・リスパー
【電脳の箱庭】
浴衣姿(全身カット参照)

「蛍ですかっ!?
私の出身世界のスペースシップワールドには蛍がいなかったので、見るのは初めてですっ!
さあ、みなさん、行きましょうっ!」

浴衣を着て、旅団の皆さんと蛍狩りに出発です!

「なるほど、凶悪な宇宙怪獣ホ・タールを狩るのが任務なんですねっ!
……え、違う?」

仲間から蛍がどういうものか教えてもらって、【クラインの壺】で召喚した機動戦車オベイロンを送還します。残念。

「わぁっ、まるで、SSWの星空みたいですっ」

一面に飛ぶ蛍を見て、子供のようにはしゃいで……

「はうっ」

運動音痴が祟って何もない所で転ぶのでした。

「あれ、痛……くない?
治してくれてありがとうございますっ」


菫宮・理緒
【電脳の箱庭】

久しぶりにみんなとでーと!
はじめていっしょに行く人もたくさんいるし、楽しみだね♪

あんまりいっしょできてなかったけど、
こういう機会にみんなと仲良くなれたら嬉しいな。

あ、蛍さんはハントしちゃだめだよー!?
むしろ蛍さんに心を撃ち抜かれて、ハントされてください!

ほら、じーっとみてると、柔らかな光の明滅に、
心がだんだん無になっていくよね。
ふだんの煩悩や欲望が流されて、洗われていく気がするよ。

「……」(ハイライトの消えていく瞳)

って、あぶないあぶない。
煩悩消したら、心がなくなっちゃうところだったよ。
やっぱりすこしは残しておかないとね!

と、みなさまの可愛い姿をタブレットで撮影しちゃうね!


天星・雲雀
【電脳の箱庭】

猟団の人たちと夜のお散歩に来ました。

「生体の蛍が見れるということで、満月より明るい狐火の『オトモ』達は、亜空間内にお留守番です」(オトモの灯りも好きですよ。ここに居ない『オトモ』を思いつつ)

「きれいな人工の川沿い、屋台とかは在るのでしょうか?ホール内とはいえ、在ると楽しいと思うのですが」(きょろきょろ)

「蛍狩り、飛んで光ってるのは全てオスで、葉っぱの上で光ってるのがメス。
つまり、飛んでる分は少し撃ち落としても、種族的なダメージは低い」

「繊細な光ですね・・・」

写真撮影ですか?「イエーイ♪」

夜景の光が美しいのは、そこに命があるからです。広告の裏を見つつ
「帰りに、どこか寄りますか?」


鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
紺色の浴衣着用

(旅団の皆と一緒に来てみたけど…まだ緊張するなぁ…)

旅団に入って日も浅い。それどころか猟兵としても活動し始めたばかりだ。
何を話せばいいのかな…と迷っていると、突拍子もない行動を取り始めるメンバーが!

(そうか、蛍がいない世界出身の人達もいるんだ)

慌てて止め必至になって説明しているうちに、緊張していた自分がおかしくなってきて…。なんだか肩の力が抜けたな。

その後は皆と楽しくお喋りしながら過ごす

辺りが暗いので躓いたりする人がいないか気を付けておく。
もしいたら生まれながらの光でこっそり手当。

最初は緊張したけど、凄く楽しい時間になった。
まだ、もう少しこの時間は続いてくれるかな?


シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】

「アイ、シスカ!!狩りってモンスターをハントする方じゃなくて紅葉狩りとか…ああダークセイヴァーもSSWも紅葉は無かったわね!!」
と、アイとシスカのコンバットスタイルに突っ込んで隠蔽魔術を使って何とかする。
「後、ホタルは絶滅危惧種!殺しちゃダメ!!」

と、落ち着いたら一緒に旅団メンバーと一緒にホタルを見物する。
「やはり、ホタルの冷光は何度見ても良い物よね。私はイギリス生まれだと思うけど来日してよく見ていたみたいね」
アリスになる以前の記憶(上級階級の生まれで愛されて育てられていたいたことは分かっている)は実はうろ覚えな私でも、この光景は覚えがあるのかジンとくる。


シスカ・ブラックウィドー
【電脳の箱庭】
浴衣姿、なぜか大口径ガトリングガンを担いでいる。

さあ、ホタルはどこかな?(きょろきょろ)
え、そういうイベントじゃない?
そっかー。ごめん、アイさんこれしまっといて......(ガトリングガンを電脳空間に預ける)

蛍狩りの説明を受け、河原で蛍を探す。

「わあ、綺麗!ボクの写真集の背景にぴったりかも♪」
誰かにカメラを渡して蛍とボクの写真をいっぱい撮ろう。

記念に集合写真も一枚。はい、チーズ★
※男性です


椎宮・司
【電脳の箱庭】
蛍狩りときたか、夏だねえ
しかし他所の世界はいいねえ
こんなにお手軽に酒が飲めるなんてサ(缶チューハイ片手に)
何とか狩りに酒は必須さね
大丈夫大丈夫、こっそり飲むサ

ま、物騒なのは見なかったことにして
保護者…はひりょさんに任せておけば大丈夫そうだねえ
オスメスとか雲雀さんの話を肴に
歩きながらのんびり飲むとしようか
お、お前さんも飲むかい?(缶に止まった蛍に話しかけ)

キレイな蛍に浄化されかかってる理緒さんにゃ
昼間の蛍を見ないことをオススメするよ(笑いながら)

写真ってのも楽しいねえ
いいよ好きに撮りなよ記念撮影もどんとこい、サ

お、帰りは何処か寄るかい?
なら、それを楽しみに頑張るとしようか


「蛍ですかっ!?」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は勢い込んでグリモア猟兵の話に食いついた。
「私の出身世界のスペースシップワールドには蛍がいなかったので、見るのは初めてですっ! さあ、みなさん、行きましょうっ!」
 アイの誘いに仲間たちが次々と乗る。
 アイは淡い白の髪によく似合う、白地に桜模様の浴衣を来て、出かけることにした。
 シスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)も白地に緑の水玉模様をあしらった爽やかな浴衣姿だ。先頭を行くアイの横を歩く。
「楽しみだね、アイさん。蛍狩り、でしょ」
「ええ! シスカさん、頑張って狩りませんと!」
「久しぶりにみんなとでーと! はじめていっしょに行く人もたくさんいるし、楽しみだね♪」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)も胸を躍らせる。
(あんまりいっしょできてなかったけど、こういう機会にみんなと仲良くなれたら嬉しいな)
 人見知りというわけではないが、なかなか人との距離を詰められない。そんな理緒にとって、今回の蛍狩りは皆と仲良くなる絶好のチャンスだ。ついそわそわとしてしまう。
「生体の蛍が見れるということで、満月よりも明るい狐火の『オトモ』達は亜空間内にお留守番です」
 天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)はいつも連れている狐火の『オトモ』を思う。
(オトモの灯りも好きですよ)
 赤と青の光を放つオトモ達の灯りも蛍に負けぬくらい綺麗だ。だからこそ、今日はお留守番。帰ったら蛍のことを話してあげようと思うと、楽しみが増える。
(旅団の皆と一緒に来てみたけど……まだ緊張するなぁ……)
 鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)は紺色の浴衣をきりりと着こなしつつも、内心は緊張で鼓動が速い。なにせ旅団に入って日も浅い。それどころか猟兵としても活動し始めたばかりだ。どうしたって緊張してしまう。
(何を話せばいいのかな……)
 緊張で口の中まで乾いてしまう。つい、輪から外れそうになって、自身を励ます。
(大丈夫、少しずつ仲良くなればいいんだ)
 シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)は皆の貴重なツッコミ役だ。縦ロールの髪を今日も丁寧に整えて、皆が変なことをしないかはらはらしながら歩いている。歩く姿は貴族令嬢、やはり綺麗だ。
「蛍狩りときたか、夏だねえ」
 椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)は皆から少し遅れてのんびりと歩く。手には缶チューハイ。
「しかし他所の世界はいいねえ。こんなにお手軽に酒が飲めるなんてサ」
 歩きながら飲めるなど、酒飲みには最高である。一口飲めば、UDCアースらしい酒の味が身に染みる。
「何とか狩りに酒は必須さね」
 とは言え、自分以外はひりょがかろうじてお酒を飲める年だが、後は未成年。
(大丈夫大丈夫、こっそり飲むサ)
 ちゃんと未成年の子たちのことも考える、いいお姉さんなのである。

 ところで、「蛍狩り」である。
 この言葉、わかる人はわかるが、わからない人にはまったくわからない。
 なにしろ「狩り」である。ハンティングである。
 『螢のゆうべ』の会場に入った途端、アイとシスカは目つきを変えた。
「なるほど、凶悪な宇宙怪獣ホ・タールを狩るのが任務なんですねっ!」
 アイは意気揚々と機動戦車オベイロンを召喚した。人型に変形して強化外装にもなる優れものだ。
 アイの横でシスカも戦車ガトリング砲カスタムを担いでいる。
「さあ、ホタルはどこかな?」
 やる気まんまんの二人に慌てたようにシャルロットの声が飛ぶ。
「アイ、シスカ!! 狩りってモンスターをハントする方じゃなくて紅葉狩りとか……ああダークセイヴァーもSSWも紅葉はなかったわね!!」
 これは説明に時間がかかりそうだ。とりあえず、シャルロットは隠蔽魔術を使って二人の武器を見えなくする。
「後、ホタルは絶滅危惧種! 殺しちゃダメ!!」
「「えー」」
 アイとシスカは納得できないように声を揃える。
「蛍狩り、飛んで光ってるのは全てオスで、葉っぱの上で光ってるのがメス。つまり飛んでる分は少し撃ち落としても、種族的なダメージは低い」
「ホタルは絶滅危惧種」
 雲雀の冷静な分析?にもう一度念を押すシャルロット。
(そうか、蛍がいない世界出身の人達もいるんだ)
 呆然として見ていたひりょは改めて世界の広さを感じ、懸命に言葉を紡いだ。
「蛍狩りって言うのは……蛍の光を楽しむことを言うんです。蛍を捕まえることじゃないんです」
「……え、ホ・タールを狩るのとは、違う?」
「え、そういうイベントじゃない?」
「はい、どちらかと言えば季節の風情を楽しむイベントで……」
「ひりょ、ナイス説明だわ」
 シャルロットがふう、と大きく息を吐く。これなら納得してもらえるだろう。
「あ、蛍さんはハントしちゃだめだよー!? むしろ蛍さんに心を撃ち抜かれて、ハントされてください!」
 理緒も慌てて言葉を挟む。
「わかりました。蛍というのは殺さずに見るものなんですね」
 アイは機動戦車オベイロンをユーベルコードの電脳空間に送還しながら、肩を落とした。
「残念です」
「ごめん、アイさんこれしまっといて……」
 シスカもアイに頼んで電脳空間にガトリングガンを預け、一件落着。
 一番後ろから眺めていた司は目をすがめた。
(ま、物騒なのは見なかったことにして。保護者……はひりょさんとシャルロットさんに任せておけば大丈夫そうだねえ)
 缶チューハイが美味しい。司はほっと一息ついた。

 ということで、螢狩り開始。
「わぁっ、まるで、SSWの星空みたいですっ」
 会場に入るや否や、一面に飛ぶ螢を見て、子供のようにはしゃぐアイ。舞う螢を追いかけ、駆け出す。星空に手を伸ばすように蛍に手を伸ばして……。
「はうっ」
 残念ながら、アイは運動音痴。何もない所で転んでしまう。びたんと結構大きな音がした。思わず顔を歪めるけれども。
「あれ、痛……くない?」
 躓いたりする人がいないか気をつけていたひりょがこっそり手当してくれたのだ。どこか気恥ずかしそうなひりょに、アイは大きな声で言う。
「治してくれてありがとうございますっ」
 アイが満面の笑みを浮かべると、緊張気味だったひりょの表情にも笑顔が浮かんだ。
(なんだか肩の力が抜けたな)
 ひりょもようやく楽しく蛍を眺めることができた。ひりょがしゃがみこんで蛍を眺めていると、隣に理緒もしゃがみこんだ。
「ほら、じーっとみてると、柔らかな光の明滅に、心がだんだん無になっていくよね」
 理緒は蛍狩りの醍醐味を説明する。
「ふだんの煩悩や欲望が流されて、洗われていく気がするよ」
「そうですね、心が洗われます」
 蛍が光る。人工の小川の流れるさらさらという音。静かな、夜の景色。
「……」
 理緒の瞳からハイライトが消えていく。
「理緒さん?」
「はっ」
 理緒はひりょの声にようやく正気に戻る。
(って、あぶないあぶない。煩悩消したら心がなくなっちゃうところだったよ)
 理緒は慌てて頭をふるふると振って、琥珀色の瞳に輝きを取り戻した。
(やっぱりすこしは残しておかないとね!)
「理緒さんにゃ昼間の蛍を見ないことをオススメするよ」
 理緒が浄化される様子を見て、司が笑いながら忠告をしてくれる。
「昼間の蛍、ですか?」
「ああ。あれは……そうさね、夜とは別ものだからねえ」
 司はけらけらと笑いながら、ゆっくりと川沿いを歩いていく。すると、甘い水を求めたのか、蛍がチューハイの缶に止まった。
「お、お前さんも飲むかい?」
 司が微笑むと、螢は同意するように光を瞬いてみせた。司は乾杯、と言うように、缶を掲げる。
 川沿いの床几台に腰掛けているのは雲雀だ。
(きれいな人工の川沿い、屋台とかは在るのでしょうか?)
 在れば楽しいと思う、と気になっていた雲雀だったが、ホールに入る前に焼きそばを焼いているボランティアがいるのを目ざとく発見していた。焼きそばを手に螢を眺める。
「やはり、ホタルの冷光は何度見ても良い物よね。私はイギリス生まれだと思うけど来日してよく見ていたみたいね」
 アリスになる以前の記憶は実はうろ覚えなシャルロット。それでもこの光景は覚えがあるのかジンとくる。胸を締め付ける光。きっとそれはおぼろげに覚えている「愛されていた記憶」と関係なくはないだろう。だからこそ、シャルロットの胸を打つのだ。
「繊細な光ですね……」
 雲雀もじんわりと螢を眺める。『オトモ』達とはまた違った光はやっぱりこれはこれで綺麗だ。
(夜景の光が美しいのは、そこに命があるからです)
 雲雀は螢の儚い命を思う。そう思って眺めると、螢の光は淡く、それでいて力強い。
「わあ、綺麗! ボクの写真集の背景にぴったりかも♪」
 シスカは螢の飛び交う世界を見て両手を広げた。この空間で撮る写真は格別だろう。
「シスカさん、写真撮りましょうか?」
 理緒が声をかけた。
「本当? お願いしていい?」
 シスカは理緒にカメラを渡した。
「ホタルを背景にいっぱい撮ってほしいんだ!」
「わかりました、がんばりますね」
 難しい夜光モードでの撮影だが、理緒は楽しそうだ。シスカは色々なポーズを取る。背中越し、振り返って微笑むシスカ。組んだ手に顎を乗せ、螢を眺めるシスカ。両手を広げ少し顔を上げ、螢が飛ぶ姿を満喫するシスカ。どれも可愛らしい。可愛いは性別を越えるのだ。問題ない。
 理緒はシスカを撮りながら、ふと自分のタブレットも取り出した。皆の可愛い姿をタブレットで撮影しようと思ったのだ。
「雲雀さん、撮ってもいいですか?」
「イエーイ♪」
 しっかりポーズを作る雲雀。なかなかノリがよい。
「写真ってのも楽しいねえ」
「あ、司さんもいいですか?」
「いいよ好きに撮りなよ」
「はい、撮りますよー」
 缶チューハイと一緒にポーズをとる司。
 理緒が撮っているのを見れば、シスカも皆を撮りたくなってくる。
「じゃあ、記念に集合写真も撮ろう!」
 シスカの提案に皆が嬉しそうに笑った。
「そうですね、みんなで撮ってもらいましょうか」
 アイが言うと、ひりょがおずおずと口を挟んだ。
「よければ、俺が撮るけど……」
「ダメよ、こういうのは全員写っているのに意味があるの」
 シャルロットはきっぱりと言い切ると、植物センターの係員を呼んできた。シスカのカメラと理緒のタブレットを渡して、全員を撮ってもらうようにお願いする。
「じゃあ、いくよー。はい、チーズ★」
 シスカの声に合わせて、シャッターが切られた。思い出は切り取られ、データに保存される。
 帰りに寄る場所のことも気になるけれど、今はじっくり螢を眺めよう。
「こんなに綺麗なら、やっぱりハンティングして帰りたくなりますね」
「ホタルは絶滅危惧種って言ってるでしょ!」
「でも、部屋で飼えばいつでも星空の中にいるみたいだよ?」
「自分は『オトモ』達がいるから、遠慮しますね」
「蛍……飼えるのかな……」
「わたし、毎日蛍を見てたら、浄化されて消えちゃいそう」
「ははは。蛍ってもんは時々見るからいいもんだ」
 わいわいと話すのもまた一興。共に見る仲間がいるからこそ、螢は綺麗で、その輝きを強くするのだろう。
 『螢のゆうべ』は無事に閉会しようとしていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 冒険 『真実は散歩道』

POW手あたり次第に手がかりを探す!
SPDマップを記録してルートを探す。
WIZ情報収集をしてルートを絞る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 『螢のゆうべ』を楽しんだ一行は、出口でグリモア猟兵が言っていたアプリ会社のスタンプを渡された。
 名刺大のそれには天気予報アプリを無料にするために、スタンプに記載されているお店を「正しく順番に」回れ、と書いてある。とは言え、その順番はノーヒントだ。自分でルートを探さなければならない。
 だが、呪詛型UDCだ。手順どおりに回らなくてもなんとなく顔を出してくるような予感もする。

 お店は街で有名なラーメン店や、ファッションビルに入ったタピオカドリンク店、レモネード専門店、チョコケーキの美味しいお店、といったお食事系から、外国人に人気がありそうな和風雑貨のお店、大勢の人が歩く様子を高層階から見られる展望台、文具・雑貨の専門ビル、ゲームセンターなど意外と数がある。
 一軒に絞って楽しむのもあり。UDCを確実に追い詰めるためにルートを探すのもあり。
 さあ、どうやって過ごそうか。
轆轤坂・蛇夜
『正しく順番に』…手がかりは、書いてないのね…。判子に数字でも振ってあるのなら分かるけど…。まぁ、ひとまず楽しみましょう…。

折角だから、現世の食べ物を食べるのもいいわね…この店先にある、作り物の食べ物は何かしら…らーめん?しょっぱそうだけど、食べてみましょうか…。

…思ったより、しょっぱいわ。ええと、次は…たぴおか?丘の上にあるのかしら。たぴ岡という人がやっているのかもしれないわね…。あ、たぴ岡さんのお飲み物下さい…。

れもねーどに、ちょこけーき…お腹がいっぱいになってきた、少し休みましょう…確か展望台にも判子があったはず…。

(そういえば、げーむせんたーの太鼓は本物なのかしら)

ふう…お腹いっぱい。


 轆轤坂・蛇夜(ろくろ首のような蛇女・f27966)はスタンプカードを手に首をひねった。表も裏も丁寧に見直したが、『正しく順番に』と言われるような手かがりはどこにも書いていない。
(判子に数字でも振ってあるのなら分かるけど……)
 結局、どこかに行ってみるしかなさそうだ。
(まぁ、ひとまず楽しみましょう……)
 スタンプカードに描いてある簡易的な地図を見ながら、蛇夜は歩き出す。色々なものが書いてあるが……。
(折角だから、現世の食べ物を食べるのもいいわね……)
 スタンプカードのお店と思われる店先に作り物の食べ物が並べられていた。蛇夜には見た覚えがない。
(この作り物の食べ物は何かしら……)
 しげしげと眺めると丼の下に「ラーメン」と書かれている。汁は蕎麦やうどんよりも濃い色合いだが、同じような麺類なのだろう。
(らーめん? しょっぱそうだけど、食べてみましょうか……)
 からからとお店の扉を開けて、店内に入る。活気のある店内に気圧されながらも、ラーメンを頼み、食べてみた。
(……思ったより、しょっぱいわ)
 予想外だった。周囲を見渡すと皆平気な顔でラーメンを啜っている。現世では味の好みも変わってしまったのだろうか。
 丁寧にお礼を言い、スタンプを貰うと、蛇夜は次のスタンプをもらいに歩きだす。
(ええと、次は……たぴおか? 丘の上にあるのかしら。たぴ岡という人がやっているのかもしれないわね……)
 お店には清潔そうな女の子の店員さんが蛇夜に笑いかけてきた。
「いらっしゃいませ!」
「あ、たぴ岡さんのお飲み物下さい……」
「黒糖ミルクティでよろしいですかー?」
「こくとう?」
 本当はこく藤さんという人がやっているのだろうか。
「じゃあ、それで……」
 店員さんの勢いに負けて、そのままそれを頼む。黒糖タピオカミルクティを出され、蛇夜は飲んでみた。
(今度は甘いし、なにか口に詰まる……)
 現世はつくづく不思議なところである。
 そのまま、スタンプどおりにれもねーど、ちょこけーきと食べると、次第にお腹がいっぱいになってきた。
(少し休みましょう……確か展望台にも判子があったはず……)
 高い展望台は人が歩いている様子や車が走る様子がよく見える。まるで人が人形のように小さく見え、蛇夜はふう、と息をついた。
 展望台に来る前に寄ったゲームセンターで見た物を思い出す。
(そういえば、げーむせんたーの太鼓は本物なのかしら)
 なにせ和太鼓が置いてあったのである。幽世ではそれなりに見る打楽器だが、現世でも叩いている人がいるとは。それもあんなに大勢。
「ふう……お腹いっぱい」
 蛇夜はお腹をさすりながら、現世の人並みを眺める。やっぱり不思議で興味深い世界である。
大成功 🔵🔵🔵

ケルスティン・フレデリクション
どこをまわろうかなぁ。正しく順番に…?うーん、わからない…
わからないから、スイーツたべにいくね…!
最初は、タピオカドリンク!ミルクティーのを飲むよ!
えへへ、おいしい…
つぎは、チョコケーキのおみせ!ケーキだいすき!いただきまーす!
探索しながらも、ちゃんと周りはみてるよ。
なにかあったら【第六感】で感じ取れるし、何か気になることをお話ししてたら【情報収集】を行うね。
でも気になるスイーツ見つけたら、そっちに行っちゃうかも…。
あまいのがすきなの…シュークリームがいちばんすき…。

おなか一杯になっちゃうかも。


 スタンプカードをむむむ、と見つめ、ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)は考え込んでいた。
(どこをまわろうかなぁ。正しく順番に……? うーん、わからない……)
 なにせ、番号が振ってあったり、道順が書いてあったりしないのだ。不親切なことこの上ない。
 ケルスティンはしばらく考えてから、大きく頷いた。
(わからないから、スイーツたべにいくね……!)
 これはこれで大正解である。わからなければ好きなものを食べる、は鉄則だ。
 弾む足取りでまずはタピオカドリンクのお店へ。
「ミルクティーのください!」
 背伸びしながらカウンターの店員さんにお願いすると、店員さんは笑顔でミルクティのタピオカドリンクを渡してくれた。
「はい、どうぞ。こぼさないようにね」
「はーい!」
 ストローを伝ってタピオカが口の中に飛び込んでくる。ミルクティと調和してほどよい甘さだ。
(えへへ、おいしい……)
 タピオカドリンクを飲みながら、ケルスティンは周囲をぐるりと見渡した。特に猟兵の勘に訴えかけてくるものはまだない。
 タピオカドリンクを飲み終えると、今度はチョコケーキのお店へ!
 席に案内してもらい待っていると、チョコスポンジにたっぷりチョコを染み込ませ、チョコレートクリームを存分に塗ったチョコレートケーキが出てきた。
(ケーキだいすき! いただきまーす!)
 ケルスティンはチョコケーキを丁寧に切り分け、小さなお口でぱくり。
(おいしいー!)
 幸せに頬を押さえていると、ふと店員さんたちの話し声が聞こえた。
「最近、ここのケーキを食べると雨が降るってSNSで噂されてるんだってー」
「えー、風評被害ー。雨なんてたまたま降るものじゃないのー」
(雨ふり?)
 そういえば、グリモア猟兵は『螢のゆうべ』を見、スタンプをクリアすると雨がよく降るようになると言っていた記憶がある。
「雨、ふるの?」
 ケルスティンが小首を傾げて店員さんに尋ねると、店員さんは困ったように笑ってみせた。
「今日はこんなに晴れてるもの、大丈夫!」
「でも、そう言えば雨に降られる回数は増えたかも……」
「雨、こまるね」
「そうだよねえ」
 ケルスティンに気軽に話しかけてくれる店員さん。
「あんまり人に話してほしくないんだ。黙っててくれればシュークリームをひとつ追加してあげる」
「シュークリーム!」
 ケルスティンの目の色が変わった。シュークリームはあまいたべものの中でも一番好きな食べ物なのだ。
「だまってるよ! だいじょうぶ!」
 ケルスティンの懸命な声に、店員さんは笑顔でシュークリームを追加してくれた。
(おなか一杯……)
 結局、チョコケーキとシュークリームを食べて、大満足のケルスティン。外に出ると、確かに空は曇り空になっている気がした。
大成功 🔵🔵🔵

崎谷・奈緒
『正しく順番に』……ね。
ふふーん。まあ、この名探偵ナオにかかれば楽勝ってわけよ!いざ行かん!
さて、最初はどのルートから……む、アレはテレビでやってた伝説のたこ焼き屋さんではないか!すいませーん、ひとつくださーい!

……つい美味しくいただいてしまった。いかんいかん。
ちゃんと調査しなければ……む!あのビルの広告は……あたしが好きな時計ブランドの最新作!発売していたのか!これを見逃す手はないな!行くぞウオオオ!(突貫)

……ことほどさようにフラフラしがちなあたしではあるが、【コミュ力】を使って色んな店の店員さんやお客さんから情報収集はしてるよ。
何かわかればいいけど……あ、タピオカおかわりお願いしまーす!


「『正しく順番に』……ね」
 崎谷・奈緒(唇の魔術・f27714)は名刺大のスタンプカードを緑の瞳で眺めて、それから魅惑的に笑った。
「ふふーん。まあ、この名探偵ナオにかかれば楽勝ってわけよ! いざ行かん!」
 名探偵を自称するだけあって、出身世界であるUDCアースを守る心意気だけは負けていない。あまり大きな声で言うと恥ずかしいので世間さまには黙っているが、粋なお姉さんなのである。
(さて、最初はどのルートから……む)
 スタンプカードを見ていた奈緒は、一軒のお店に注目した。さては名探偵ナオ、もう正解を発見したのか!?
(アレはテレビでやってた伝説のたこ焼き屋さんではないか!)
 そう、タコがとても大きくて、よいタコを仕入れたときにしか開店しない幻のたこ焼き屋さんである。
「すいませーん、ひとつくださーい!」
「はいよ!」
 ねじり鉢巻のおじさんが、奈緒にいい返事をしてくれる。くるりくるりとたこ焼きを回し、お皿に六つ並べて……。
「ところで、おじさん。このアプリのこと知ってる?」
 奈緒がおじさんの手付きを眺めながら名刺大のカードを見せると、たこ焼き屋のおじさんはああ、と頷いた。
「このスタンプのことだろう? いつの間にか置いてあったんだよなあ。あ、一個おまけしておこうか」
「やった!」
「アプリとかはよくわからないんだけど、当たる天気予報ならいいよなあ」
 七個のたこ焼きがお皿に並べられて、ほくほくの奈緒。情報の収穫はなかったが、たこ焼き一個は大きい。
 はふはふと美味しくたこ焼きをいただいてしまった。
(いかんいかん。ちゃんと調査をしなければ……む!)
 奈緒は気を引き締める。今度はカードから目を離し、ビルの広告へ鋭い視線を飛ばした。
(あのビルの広告は……あたしが好きな時計ブランドの最新作! 発売していたのか!)
 これは大変である。一度売り切れたら、次に入荷するまで忸怩たる思いで待たなくてはいけない。
(これを見逃す手はないな! 行くぞウオオオ!)
 ちょっと寄り道をして時計ブランド店へと向かう奈緒。
 フラフラしているように見えるが、しっかりと時計ブランド店でも同じ年頃のお客さんに聞き込みをするのは忘れない。
「このアプリのこと、知ってる?」
「あー、うちの弟がさー、このアプリのマスコットキャライラストコンテストに応募したんだよねー」
「マスコットキャラ? コンテスト?」
「アプリに3Dキャラがついてて、それがしゃべるんだって。有名声優が声を当てるとかで、SNSで有名になったらしいよー」
「ありがとう、ご協力感謝!」
 しっかり時計を購入し、情報もゲット。あとは正しい順番を当てれば、おそらくはUDCにたどり着くのだろうけど……。
(とりあえず、タピオカ屋さんでタピオカ飲もうかな)
 あちこち走り回った奈緒は、水分補給も兼ねてタピオカをしっかりおかわりしたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

ハロ・シエラ
さて、ここからは【ファランビー】!
蛍は綺麗でしたし、ゆっくりお話も出来た素敵な時間でした。
ですが遊んでばかりもいられません。
まずはスタンプラリーを……なるほど、確かにその順番だときれいに回れそうですね。
さすがロランさん、私達の頭脳です!
手早く回って早くUDCを……でもスタンプだけ貰うのも気が引けますね、お金も多少は持っていますし、何か買うなどしましょうか。
このレモネード、喉の乾きにとても嬉しい味ですね。
あ、チェリカさんにはこの巾着袋とか似合うかも知れません……目と同じ、綺麗な赤ですよ。

展望台からの光景もとても綺麗です。
この遠くまで続く人と生活の灯り……ダークセイヴァーにも取り戻したいですね。


チェリカ・ロンド
【ファランビー】!
さぁ、お仕事よ!スタンプラリーで本丸を目指しましょ!
ルートは、うん、ロランについてくわ!(思考放棄)
迅速に素早く行動するのよ、だってこれはお仕事だからね!
うんでもまぁレモネードくらいいいわよね。ホント、爽やかでおいしい!
え、きんちゃく?わ、かわいい!赤なら、ハロも同じ目の色よね!お揃いにしちゃう?
お金は大丈夫よ!私も一人前の猟兵なんだから!

……そ、そうよ、仕事よ!大丈夫忘れてなんかないわ!
あ、チョコレートのお店……ううん忘れてないわ!
ここが噂の展望台ね!こっからUDCの気配を探してうわぁキレイ!
晴れてるから、ずっと向こうまで見えるわね!

……スタンプ、いまいくつだっけ?


ロラン・ヒュッテンブレナー
スタンプラリーも【ファランビー】!なの

えと、電脳空間からアクセスして【情報収集】しようかな
スタートとスタンプの配置を見れば、ルートが分かるかも?(【追跡】)
目星、着いたよ、いこ?

やっぱり、木とか草とかない景色は、慣れないね
でも、人がいっぱいで活気があるの
スタンプも、色んなお店にあるね
お金、大丈夫?

このタピオカっての、不思議な感じだけど、おいしいよ
ちょっと、飲みきれなさそうだけど…(食が細い)
ここは見慣れないものが多いから、すっごく面白いの!
おそろいの巾着、いいな
※スタンプラリーの事はそっちのけで遊ぶ

展望台って、高いね…(ぶるぶる)
ほわぁ~、すっごく遠くまで見えるね!
これ全部、人の営みなんだね…


「さて、ここからは」
「さぁ、お仕事よ! スタンプラリーで本丸を目指しましょ!」
 【ファランビー】の面々は蛍狩りを終え、気を引き締めるように顔を見合わせて頷いた。
(蛍は綺麗でしたし、ゆっくりお話も出来た素敵な時間でした。ですが遊んでばかりもいられません)
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は表情を引き締める。チェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)も難しい顔で、スタンプラリーのお店を眺めた。
「でも、ルートはどうしよう?」
「えと、電脳空間からアクセスして、調べてみようかな」
 ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は耳を動かしながら、早速ふわりと電脳世界へとアクセスする。広がる他の人には見えない世界へ獣の手を伸ばし、スタートとスタンプの配置とこの周囲の地図、ついでにアプリ会社の位置まで組み合わせて表示した。すると、いくつかのルートが浮かび上がる。
(これかな?)
 ひとつ、アプリ会社の周囲をぐるりとまわるルートがある。それがどうにも怪しい。
「目星、着いたよ、いこ?」
 ロランがそのルートを頭に叩き込み、電脳世界を消すとチェリカはうん、とひとつ頷いた。
「ロランについていくわ!」
 これは決して思考放棄ではないのである!
「どのような順で回るのですか?」
 ハロが尋ねると、ロランは見えたルートを丁寧に説明した。ハロはにっこりと微笑む。
「なるほど、確かにその順番だときれいに回れそうですね。さすがロランさん、私達の頭脳です!」
 ハロのまっすぐな褒め言葉にロランは照れたように尻尾をぱたぱたと動かした。
「スタンプをもらえば、いいんだよね」
「そうですね、手早く回って早くUDCを見つけませんと」
「迅速に素早く行動するのよ、だってこれはお仕事だからね!」
 かくて三人は勢いよくスタートした。

 街を歩きながらロランはきょろきょろしてしまう。どうしても景色に慣れなくて尻尾がぱたぱた。
「やっぱり、木とか草とかない景色は、慣れないね」
 ロランの住んでいたところとは大きく異なる世界にお店。街路樹が肩身が狭そうに立っている。
「でも、人がいっぱいで活気があるの」
「そうですね。あ、このお店のようですよ。すみません」
 ハロがラーメン屋さんを見つけると、事情を話し、三人分のスタンプだけ押してもらう。ラーメン屋の店内も人がいっぱい。ロランは思わず耳をぱたぱたさせた。
「スタンプも、色んなお店にあるね」
「……でも、スタンプだけ貰うのも気が引けますね」
 順調に集まりつつあるスタンプを眺めつつ、ハロがぽつりとつぶやいた。次に訪れたのはレモネードの専門店だ。黄色の爽やかな色合いで飾られたお店は三人に喉の乾きを思い出させた。
「うんでもまぁ、レモネードくらいいいわよね」
 チェリカが言うと、ハロとロランも頷いた。
「お金も多少は持っていますし、何か買うなどしましょうか」
「うん、ぼくも、少しは大丈夫かなって思う」
「よし、決まりね! すみませーん、レモネードを三つください!」
 チェリカがカウンターでお願いすると、冷たいレモネードが三つ差し出された。三人はストローに口をつけて一口。
「このレモネード、喉の乾きにとても嬉しい味ですね」
「ホント、爽やかでおいしい!」
「うん、おいしい……」
 レモネードの爽やかな甘さに気負っていた気持ちも解けていく。足早に、迅速に、と歩いていた三人の歩調は、蛍狩りのときと同じようにゆっくりになった。
 続いて訪れたのはタピオカ専門店。
「私、タピオカも飲みたいの。いいかしら?」
 チェリカが言い出すと、ハロとロランも笑顔になった。
「噂には聞きますが、なかなか飲む機会はありませんからね」
「うん、ぼくも飲んでみたい……」
 レモネードの後に一杯ずつ飲むのは大変なので、買うのは三人でひとつ。味見をするならこれで十分だ。
「このタピオカっての、不思議な感じだけど、おいしいよ」
「もちもちしてるのね。さっきのレモネードとは対照的に甘い!」
「ふふ、これはこれで美味しいですね」
(よかった、一人だったら飲みきれなかったかも)
 ロランはほっとしながら、タピオカを存分に楽しむ。
 次に訪れたのは、和雑貨を扱うお店だ。
「あ、チェリカさん」
 スタンプをもらおうとしたハロは、お店の中にあった巾着袋に目を止めた。吸い込まれそうな赤色の巾着。
「チェリカさんにはこの巾着袋とか似合うかもしれません……目と同じ、綺麗な赤ですよ」
「え、きんちゃく?」
 他の小物を見ていたチェリカはハロの元へ駆け寄り、笑顔になった。
「わ、かわいい! 赤なら、ハロも同じ目の色よね!」
 そう、ハロもチェリカも綺麗な赤の瞳だ。二人が手に巾着を持つと、よく似合う。
「お揃いにしちゃう?」
「いいですね、お揃い。そうしましょうか」
「おそろいの巾着、いいな……」
 ロランはパタンと尻尾を下げた。チェリカとハロは同時に同じ巾着を掴む。
「ロランさんは、これがいいです」
「柄は私たちと同じで、色はロランの瞳の色と同じ紫よ」
 その二人の気の合った声に、ロランは二人を見、それから笑った。
「ふふ、ハロちゃんとチェリカちゃん、本当に気が合うの」
「まさかチェリカさんと同じものをお勧めするなんて……」
「私たちの仲がいい証拠だもの! じゃあ、この巾着を三つ買いましょう」
 こうして、お揃いの巾着を購入。うきうきと次の場所へ。
「お金、大丈夫?」
「お金は大丈夫よ! 私も一人前の猟兵なんだから!」
 心配そうなロランにチェリカはぱんと自分の頬を叩いて気合を入れ直した。
「……そ、そうよ、仕事よ! 大丈夫忘れてなんかないわ!」
「チョコケーキのお店はスタンプだけでいいでしょうか」
「あ、チョコレートのお店……ううん忘れてないわ!」
「でもチョコケーキも美味しそうだね」
「ああ、ロラン、迷わせないで。でも、味見も仕事のひとつよね」
「ふふ、一つだけ買って、三人でまた分けましょうか」
「もう、ハロまで! でも、そうね、こんなに美味しそうなケーキだもの!」
 三人はお店の人に頼んで、チョコケーキを分け合う。
「「「美味しい~」」」
 一斉に声が揃えば、迷っていたことも忘れてしまう。

 そして、噂の展望台へ。
「こっからUDCの気配を探してうわぁキレイ!」
 チェリカはぱあっと笑顔になると展望台の端まで駆けていき、下を見下ろした。
「晴れてるから、ずっと向こうまで見えるわね!」
「展望台って、高いね……」
 ロランは尻尾を震わせながら、チェリカの後へ。
「ほわぁ~、すっごく遠くまで見えるね!」
 ハロもチェリカの横に並んで、景色を眺めた。
「この遠くまで続く人と生活の灯り……ダークセイヴァーにも取り戻したいですね」
「これ全部、人の営みなんだね……」
 それぞれの感慨を抱いて、景色を眺める。小さな人が動き、車が動き、沢山の灯りが街を彩っている。それは、それぞれのいた世界では考えられない光景。
 だから、今は一歩ずつ。三人で進んでいこう。
「……スタンプ、いまいくつだっけ?」
「まだ時間はありますよ、大丈夫」
「あと少し、見ていても、平気」
「……うん」
 チェリカは自然とハロとロランの手を取った。ここには蛍の輝きにも劣らぬ命の光がある。
 三人はしばらく、黙って景色を見つめていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

草野・千秋
POW

店を回ってスタンプを集めるだけでアプリが無料?
今どき天気予報アプリだなんて大抵無料でしょうに
しかもらどの店も契約を結んだ記憶がない
……何やら匂いますね

正しく順番にとは言いますが正解は書いてないのですね
ならば手当り次第に探すまで
第六感の惹かれるままに情報収集を使いつつ
お店は全部行くつもりで歩き倒します
ラーメン屋さんにタピオカ屋さん、何やら食べ歩きになりそうです
僕こう見えてもラーメンにはうるさい方で
出汁は魚介系とか好みですね
タピオカ!僕の近所の商店街の人は言ってました
そろそろタピオカも流行りが終わりそうって
でも流行るくらい美味しいならいつ食べても美味しいですよね(もちもち)


(店を回ってスタンプを集めるだけでアプリが無料?)
 蛍狩りを終えて、名刺大のカードを眺めながら草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は眉をひそめる。
(今どき天気予報アプリだなんて大抵無料でしょうに。しかもどの店も契約を結んだ記憶がない)
 千秋の猟兵の勘が訴えかけてくる。
(……何やら匂いますね)
 これはやはり、しっかり追い詰めなければなるまい。
 千秋は名刺大のカードを裏表まんべんなく見てから、ふむ、と首をかしげた。
(正しく順番にとは言いますが正解は書いてないのですね)
 お店をしばらく眺めてから、千秋は歩きだす。
(ならば手当り次第に探すまで)
 ここは猟兵の第六感の出番である。お店は全部行くつもりで歩き倒す!

(ラーメン屋さんにタピオカ屋さん、何やら食べ歩きになりそうです)
 千秋がまず目指したのはラーメン屋さんだ。店構えを眺め、千秋は挑むようにお店のドアを開けた。
(僕こう見えてもラーメンにはうるさい方で)
「らっしゃい!」
 威勢のいいラーメン屋さんのようだ。
(ふむ、お店は清潔、それにこの香りは……)
 千秋は鼻を動かし、眼鏡の弦を押さえた。
「出汁は魚介系ですね、好みです」
「匂いだけでわかるのかい、兄さん!」
 ラーメン屋の主人と思われる男性が笑顔を見せる。
「ええ。ラーメンをひとつください」
「はいよっ、ラーメン一丁!」
 ふわりと香る魚介系の出汁の香り。ラーメンの茹で上がる湯気。眼鏡が曇るが、そこは致し方ない。
「兄さんにはチャーシューを一枚おまけだ。はいよ、ラーメン一丁!」
 千秋の前にチャーシューが三枚入ったラーメンが置かれる。千秋はいただきます、と手を合わせ、ラーメンを啜った。
「……これは、美味しいですね」
「嬉しいねえ、兄さん!」
 ご主人、とても笑顔だ。これなら何でも答えてくれそうである。
「天気予報アプリのスタンプの話を聞いたんですが」
「ああ、あれなあ。お客が増えたのはいいが、気味が悪いよなあ」
 主人は他のお客のラーメンを茹でながら、言う。
「ここのラーメンを食べると雨が降る、なんて噂も流れてるらしいし、いい迷惑だよ」
「なるほど」
 千秋はラーメンを汁まで完食すると、お店を出た。
 次に向かうはタピオカ屋さんである。
(僕の近所の商店街の人は言ってました。そろそろタピオカも流行りが終わりそうって)
 そうなのである。街の流行は早い。閉店していくタピオカ屋さんも多いという。
「タピオカミルクティください」
「かしこまりました」
 お店のお姉さんに注文し、タピオカミルクティを購入する。
(でも流行るくらい美味しいならいつ食べても美味しいですよね)
 タピオカをもちもち食べていると、通りがかった女子高生の声が聞こえた。
「これこれ。このタピオカ屋さんでゲットした、天気予報アプリ」
「へえ、可愛い顔と声してるじゃん」
(天気予報で可愛い顔と声?)
 千秋が遠目から眺めると、3Dの女の子キャラがスマホ画面いっぱいに表示され、天気を喋ってる。とても天気予報アプリとは思い難い。
(あれが、例のアプリなのですね、ふむ……)
「はーい、明日の天気は雨、でーす♪」
 アプリの甲高い声が、やけに千秋の耳に残った。
大成功 🔵🔵🔵

シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】
「ここのチョコレートケーキ店は普段でも良く取り寄せて食べているわね。新作はあるかしら?」
入店して自分の目利きで各猟兵の好みに合うチョコレートケーキを見繕うわ。
ケーキが作成されるまで時間つぶしにアイとシスカがいるゲームセンターに行って様子を見るけど、そこで呪詛型UDCがアプリという形を取っていることを思い出してゲームセンターの機材の様子がおかしくないか店員から不審に思われない範疇(タブレットのアプリを起動して探査等)で電脳魔術師としての能力や技術でチェック。
一通りチェックした後にケーキを取りに行ってみんなで楽しむわ。


シスカ・ブラックウィドー
【電脳の箱庭】
よーし、日本のスイーツを制覇だ!(甘味処を回る)
お腹いっぱいになったらゲームセンターへ行ってみよう。クレーンゲームでぬいぐるみを取りたいんだ♪

え、ゲームで勝負? 面白い、受けて立とうじゃないか!

強気だね、アイさん。ならボクが勝ったらペンギンのコスプレでもしてもらおうかな?

ダンスなら負けないよ!ボクはスタァだからね!(浴衣でサンダルのままリズムに乗る)
※ヒーローズアースの国民的スタア


アイ・リスパー
【電脳の箱庭】
「皆さん、UDCに辿り着くためにも全力で調査しましょうっ!」
(訳:旅団メンバーで遊び倒しましょう!)

食べ物屋から観光名所まで、皆で楽しみながら回りましょう。
UDCアースの食べ物は美味しいですね!

そして皆で入ったゲームセンター。
ゲームでしたら電脳魔術士である私の得意分野です!

「誰か私と勝負しませんか?
負けた方が勝った方の言うことを何でも聞くという条件で!」

ふふふ、【チューリングの神託機械】でゲームをハッキングすれば私の勝ちは揺るぎませんからね!
どんな条件でも飲みますよ!

「それではシスカさん、勝負です!」

ランダムに決めたゲームは……ダンスゲーム!?

運動音痴な私は惨敗するのでした。


天星・雲雀
【電脳の箱庭】

「辛さエベレストラーメン、パワーワードですね」
理緒さんは、太鼓判を押していましたが、自分は、丁重に遠慮しつつ。

猟団のみんなと御店を回る中、ふと気になった。

「自分たちの世界の形は、どのようなものでしょうか?」

しばらくして、展望台の手すりから身を乗り出して、ガラス越しに蛍にも劣らない夜景を眺める。

「自分たちの生きている世界。自分たちの命の光です」

儚きは、人の命。この世界を支えている命。
されど永遠に栄えた文明は、かつて無く。
自分たちもまた、明かりを灯す種火に過ぎないのかもしれません。

常に狙われる世界、誰にも奪わせません。
自分以外にも、守り手は居るんです!

(アドリブ・絡み・大歓迎です)


鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
(さて、どこを回ろうか…ん?)

ふと見たラーメン店、店の名前に見覚えが。
「ここって、街で話題の有名なラーメン店じゃないかっ。こんな所にあったんだね」

この後UDCとの戦闘もある事を想定するとしっかり食べておく必要はある。
というのも、俺が使う治療能力は使い始めると結構体力を消耗する。
戦闘ともなれば治療頻度も上がるだろう。
戦闘の途中で体力消耗し過ぎてダウンなんて目も当てられない…。
という事で皆でラーメン店に。
噂に聞いてた店の一番人気のラーメンを頼んで食べる、食べる。
普段は一人で食事取っているけど、皆で食事していると食が進む。
べ、別に大食らいじゃないんだからねっ!(周りにしっかりバレました


菫宮・理緒
【電脳の箱庭】

ここって有名なラーメン屋さんなんだ。
なら行ってみよう。食べてみようー♪

大将。
麺少なめの柔らかめ。ヤサイアブラマシマシ。
ニンニク抜き。辛さエベレスト。

よくわからない感じだったら、
とりあえず、このお店でいちばん辛いのを頼もう。
北極とか鬼辛とか地獄的なの、あるよね。

うん。赤いね。やっぱりこのくらい赤くないとね!

美味しそうにラーメンを食べつつ。
「あ、みんなもちょっと食べてみる? ここのならマイルドだよ」
と勧めてみるね(普通の人には辛いと言うより痛いレベル)

さすがは人気のお店だね。美味しかった!
もう負ける要素はなにもないね!

あ、大将、次回までにもちょっと辛いのあると嬉しいなー♪


椎宮・司
【電脳の箱庭】
(ラーメンは初めてらしい)
らーめん……ラーメン
うどんとは違うのかいコレ?
違う……むう……まあ食べてみればわかるかねえ

しかし何を頼んだものか……

……というか理緒さんのソレは人が食べていいもんなのかい?
そんなに赤いの、神社の鳥居でも見たこと無いんだが
神聖通り越して死の匂いがするんだが
こっちはマイルド?本当に?
じゃあそれにしようか

って、ちょいと赤さは減じてるけれども
汁から何から真っ赤っかじゃないか!
コレ本当に食え…痛ぁっ!?
くっ、まさかこんなに危険なモノだったとは
でもここまできたからにゃあ引くわけにはいかないね!
女は度胸だ!食い切ってやる!
そんなわけであとは頼んだよひりょさん!


「皆さん、UDCに辿り着くためにも全力で調査しましょうっ!」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)の声に全力で応える【電脳の箱庭】の面々。
 ちなみに意訳「旅団メンバーで遊び倒しましょう!」。全員よく理解している。
 さて、と皆は手にした名刺大のスタンプカードを眺めた。
「食べ物屋から観光名所まで、皆で楽しみながら回りましょう」
 アイの言葉に皆は頷きながら、どこへ行こうかと口々に話し合う。
「よーし、ボクは日本のスイーツを制覇だ!」
 シスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)は甘味処を巡る気まんまんだ。シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)はチョコレートケーキ店を見て、「あら」と声を上げる。
「ここのチョコレートケーキ店は普段でも良く取り寄せて食べているわね」
 美味しさにもこだわりのあるシャルロットである。チョコレートケーキのことはシャルロットに任せればよいだろう。
 鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)はスタンプカードを見て悩む。
(さて、どこを回ろうか……ん?)
 目を止めたのはラーメン店。店の名前には見覚えがある。
「ここって、街で話題の有名なラーメン店じゃないかっ。こんな所にあったんだね」
 その言葉に食いついたのは菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だ。
「ここって有名なラーメン屋さんなんだ。なら行ってみよう。食べてみようー♪」
「らーめん……ラーメン?」
 ラーメンは初めてらしい椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)が首を傾げる。これはなおさら行ってみなければなるまい。
「自分は展望台に行ってみたいです」
 最後に主張したのは天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)。これでだいたい行く場所は決まっただろうか。
「では、最初にラーメン屋さんへ行きましょうか。みなさん、はぐれないように行きましょう!」
 アイが先頭に立って歩きだす。賑やかな街巡りの始まりだ。

 ラーメン店の前に、シスカたっての希望でタピオカ屋さんにも寄った。なにせスイーツめぐりがシスカの希望だ。シスカはタピオカをもちもちしながらラーメン屋の店の前に飾られている食品サンプルを眺める。
「これ全部食べたら、甘いもの入らなくなっちゃいそうだなあ」
「そうね。私もラーメンとチョコレートケーキは一度には食べられないわ」
 シャルロットも表情を曇らせる。
「他の皆さんはどうですか?」
 アイが尋ねると、ひりょは大きく頷いた。
「俺はできればしっかりと食べておきたいな」
「私もラーメン、食べてみたいな」
 理緒が言えば、雲雀も頷いた。
「自分も食べられます」
「らーめん……うどんとは違うのかいコレ?」
 司はサンプルとにらめっこ中だ。
「うどんとは違います。ラーメンはなんというか……」
「ラーメンなんです!」
 ひりょが説明に苦しんでいると、理緒がどん、と効果音がつきそうな勢いで言った。
「違う……むう……まあ食べてみればわかるかねえ」
 ひとまず納得した様子の司。アイは少し悩んでから、シスカとシャルロットに声をかけた。
「それなら、私たちは三人でひとつを頼みましょうか。別行動というのも味気ないですし」
「そうだね。味見くらいなら大丈夫だよ」
「ええ、そうね。食べずに帰るのも勿体ないものね」
 こうして七名という団体で入店。アイとシスカとシャルロットは事情を話して、定番の醤油ラーメンをひとつ注文した。
 メニューとにらみ合うのはひりょだ。
(この後UDCとの戦闘もある事を想定するとしっかり食べておく必要はある)
 そう、ひりょの使う治癒能力は使い始めると結構体力を消耗するのだ。戦闘ともなれば治療頻度も上がるはず。そうすると……。
(戦闘の途中で体力消耗し過ぎてダウンなんて目も当てられない……)
「大将、この店で一番人気のラーメンをとりあえずひとつ」
「はいよ。他は決まったかい」
 お店の大将が理緒と雲雀と司を見る。理緒は指を組み、通の表情で言った。
「大将。麺少なめの柔らかめ。ヤサイアブラマシマシ。ニンニク抜き。辛さエベレスト」
「来たね、辛さエベレスト! はいよっ」
「辛さエベレストラーメン、パワーワードですね」
「美味しいよ。雲雀さんも食べてみたら?」
「いえ、私はひりょさんと同じ、普通のラーメンで」
 雲雀は丁重に辛さエベレストラーメンを辞退する。迷うのは司だ。なにしろ、どれも意味がわからない。
「しかし何を頼んだものか……」
「じゃあ、司さんは皆のラーメンを見てから決めればいいですよ」
 雲雀の提案に、司は乗ることにした。アイとシスカとシャルロットの前に小さめのラーメン丼が置かれる。続いて、ひりょと雲雀の前にも。
「いただきまーす」
 皆で声を揃えてラーメンを啜る。
「UDCアースの食べ物は美味しいですね」
 アイが言えば、シスカとシャルロットも頷いた。
「うん、これはスイーツじゃないけど美味しいな♪」
「そうね。ラーメンだと思って侮っていたわ。美味しいじゃない」
「うん、ここのラーメンは、本当に、美味しいんだ」
 食べる手が止まらないひりょ。雲雀もゆっくりと啜る。
「本当ですね、美味しいです」
「おまたせ、辛さエベレスト!」
 どん、と理緒の前に置かれたのは真っ赤なスープと真っ赤な麺が印象的な真っ赤なラーメン。
「うん、赤いね。やっぱりこのくらい赤くないとね!」
「理緒さんのソレは人が食べていいもんなのかい?」
 司は色や匂いを理緒の傍で感じながら、思わず身を引いてしまう。
「そんなに赤いの、神社の鳥居でも見たこと無いんだが。神聖通り越して死の匂いがするんだが」
「そんなことないですよー」
 ずずっと辛さエベレストを啜る理緒。それを見守る皆。こっそり二杯目を頼むひりょ。
「うん、美味しい。あ、みんなもちょっと食べてみる? ここのならマイルドだよ」
 漂う唐辛子の刺激臭。真っ赤なラーメンを美味しそうに啜る理緒は、確かに死の匂いすら感じる。
 皆がふるふると無言で首を振る中、未だ注文に迷っていた司が考え込んだ。
「こっちはマイルド? 本当に?」
「マイルドですよ、他のお店のなんて、目を開けていられなかったりしますもん」
「じゃあそれにしようか」
 挑戦者、司。辛さエベレストが運ばれてくる。何故かひりょの前にも三杯目のラーメンが。
 司と理緒の話を聞いていたのだろう、若干赤さは控えられてはいるが。
「汁から何から真っ赤っかじゃないか! コレ本当に食え……痛ぁっ!?」
 そう、辛さエベレスト。これは辛いというよりも痛いレベルの辛さなのだ。もんどりうつ司を皆は手を合わせて見守った。
「くっ、まさかこんなに危険なモノだったとは。でもここまできたからにゃあ引くわけにはいかないね!」
 司姐さん、さすがは江戸っ子である。
「司さん、無理はしないでくださいね」
「そうだよ、それは死にそうな色をしてるよ」
「この後に影響が出るかもしれませんし……」
 三人で一杯を美味しく食べきったアイとシスカとシャルロットが心配そうに声をかける。司は腕まくりをした。
「女は度胸だ! 食い切ってやる! そんなわけで後は頼んだよひりょさん!」
「任せておいてください、あ、ラーメン、もう一杯ください」
「ひりょさん、四杯目ですね」
 頼もしい返事をしながら、ラーメンを食べてるひりょ。雲雀が空になった丼を見て、冷静に突っ込む。
「べ、別に大食らいじゃないんだからねっ!」
 慌てて言うが、しっかりバレてます。たぶん、体力消耗するとしてもラーメン四杯は多いだろう。
 かくて意地で食べきり、倒れた司をひりょが背負って、皆はラーメン店を出た。
「さすがは人気のお店だね。美味しかった! もう負ける要素はなにもないね!」
 理緒が最後に意気揚々とお店を後にする。
「あ、大将、次回までえにもちょっと辛いのあると嬉しいなー♪」
「はいよ、検討しておくな!」
 理緒以外の全員が、検討なんてしなくていい、と思ったとか思わなかったとか。

 先にチョコレートケーキ店でチョコレートケーキを見繕っているというシャルロットと一時別れて、皆はゲームセンターへ。
「クレーンゲームでぬいぐるみを取りたいんだ♪」
 シスカはうきうきとクレーンゲームの前へ。理緒と雲雀もかわいいぬいぐるみがないかクレーンゲームの周囲を歩き回る。司はぐったりとして座り込んでいるので、ひりょが傍で看病中だ。
 ゲームセンターをぐるりと見回し、アイはにっこりと微笑む。
(ゲームでしたら電脳魔術士である私の得意分野です!)
 そう、アイには絶対の自信があるのだ。
「誰か私と勝負しませんか?」
「おお」
「そ、それは」
「かえって怖いような」
 理緒と雲雀とひりょが顔を見合わせる中、アイはシスカを見た。シスカは目を瞬く。
「え、ゲームで勝負? 面白い、受けて立とうじゃないか!」
「負けた方が勝った方の言うことを何でも聞くという条件で!」
「強気だね、アイさん。ならボクが勝ったらペンギンのコスプレでもしてもらおうかな?」
「ペンギンでもイルカでもしますよ。私が勝ったら……そうですね、シスカさんには猫のきぐるみを着てもらいましょう!」
 ここに勝負が勃発した。ちょうどそこにやってきたシャルロットが頭を押さえたのを誰も見ていなかった。
(少し目を離したらこれだから……)
 とは言え、始まってしまった勝負はもう止められない。
 アイは内心でほくそ笑んでいた。
(ふふふ、ユーベルコード【チューリングの神託機械】でゲームをハッキングすれば私の勝ちは揺るぎませんからね! どんな条件でも飲みますよ!)
 そう、アイには絶対の勝利への道筋が見えていたのである!
「それではシスカさん、勝負です!」
「じゃあ、ゲームはランダムで決めよう。司さん、どれか気になるゲームはある?」
 ゲームセンターも初めての司に決めてもらうのは極めて公平と言えた。シスカの問いかけに司はぐったりとしながらも周囲を見回す。
「あのぴかぴか光ってるのが楽しそうだねえ」
「あれは……」
「ダンスゲーム!?」
 そう、音楽に合わせてステップを踏むアレである。
(こ、これはハッキングしても、ある程度はステップを踏まなくちゃ判定がでない……)
 アイの顔が青ざめる。対してシスカは自信満々の笑顔だ。
「ダンスなら負けないよ! ボクはスタァだからね!」
 そう、シスカはヒーローズアースの国民的スタァなのである!
 理緒と雲雀とひりょが周囲で見守る中、ダンスゲームに乗るアイとシスカ。
「難易度は難しいのでもいいかな、アイさん?」
「え、ええ、そうですね……」
 アイから魂が抜けていくのが目に見えるようだ。
 そんな中、シャルロットはタブレットを取り出していた。
(そういえば、呪詛型UDCはアプリという形を取っていたわ。ゲームセンターの機材の調子などにも絡んでいるかもしれない)
 タブレットで周囲をおかしな電波が飛んでいないか、バグなどが出ていないか、電脳魔術士の能力や技術で調査を行う。だが、どうやらゲームセンターの機器には影響が出ていないらしい。
(空振りかしら……私の目を誤魔化せるとは思わないもの)
 シャルロットがデータを真剣な目で眺めていると、音楽が流れ始めた。某ゲームのテーマソングにもなっているバーチャル・シンガーの歌だ。
 馴染みのある曲であれば、皆、手拍子をしてアイとシスカのステップを眺める。
 シスカは浴衣姿、しかもサンダルのまま器用にリズムにのり、ステップを踏む。さすがはスタァである。対してアイは……。
「あれ?」
 すかっ。
「えっと」
 すかっ。
「うー」
 すかっ。
 ことごとく光る床を踏み外していく。しかも足がもつれてバランスを崩す有様。そう、アイは運動音痴なのだった。
 曲が終わると、勝負は一目瞭然。
「勝者、シスカさーん!」
「やんややんや」
「すごいですね、シスカさん!」
 理緒と雲雀とひりょが褒め称える中、シスカはご機嫌にポーズ。アイはしゃがみこんでのの字を描く。
「わかりました、ペンギンのコスプレですね……わかりましたよ……」
「ふふ、楽しみにしてるね、アイさん♪」
「ひと運動したことですし、チョコレートケーキの準備も出来た頃よ」
 シャルロットが皆に声をかけた。
「よーし、チョコレートケーキ!」
「そうですね、チョコレートケーキ!」
 シスカとアイはその言葉に揃って笑顔になった。

 さて、チョコレートケーキ店である。
 先に一人で来ていたシャルロットは店員に頼んで、各自の好みに合いそうなチョコレートケーキを見繕っていた。紅茶が用意され、全員の元にケーキが運ばれてくる。
「まず、アイとシスカには定番のチョコレートショートケーキ。ここのお店の一番人気でもある、甘さもコクもあるケーキよ」
 シャルロットの解説にアイとシスカは目の前のケーキをしげしげと眺める。チョコレートスポンジの間にチョコクリーム。デコレーションはいちごとチョコクリームとチョコづくし。
「理緒さんと雲雀さんにはガトーショコラを選んだわ。シンプルだけど、味わい深い一品よ」
 チョコレートをオーブンで焼いた上から下までチョコレートの一品。さりげなくかかった粉砂糖がまた美味しさを助長する。
「ひりょさんと司さんにはオペラを。コーヒー風の生地を使用しているから、大人のコクが楽しめるわ」
 生地とクリームとチョコレートの層が鮮やかである。大人の落ち着きというものが漂うチョコケーキ。そして……。
「私はザッハトルテを。これはスポンジの間にアプリコットジャムが入っていることが多いのだけど、今だけ限定でフランボワーズが使われているの。やはり新作はチェックしないとね」
 丸い形のチョコレートケーキはケーキの王様と呼ばれるにふさわしい貫禄がある。
 皆は目を輝かせて、フォークを手にした。
「いただきまーす」
 声を揃えて、ケーキを一口。
「これ、美味しいですね」
「うん、美味しい! これだけ美味しいスイーツならボクも満足」
「ああ、うん、舌が生き返ったよ……美味しいねえ」
「ええ、これは甘さも控えめで本当に美味しいです」
「へー! チョコレートケーキってこんなに美味しかったんだね」
「満足です。これは本当に美味しい」
「そう、よかったわ」
 シャルロットは紅茶を一口飲んでから、自分の分のザッハトルテを一口。馴染みの店であるからこその安心した美味しさを味わう。
(皆に喜んでもらえてよかったわ)
「これ、おかわり食べたーい」
「そうですね、もうひとつくらい余裕で入りますよ」
「シスカ! アイ! こういうところのケーキはひとつで満足するものなの!」
 しばらく二つ目を頼むかどうかで、三人の駆け引きが行われたとか。

 最後に展望台へと来た一行。
 雲雀には皆で店を回っている間、ふと気になることがあった。
(自分たちの世界の形は、どのようなものでしょうか?)
 だからこそ、展望台に来たと同時に展望台の手すりから身を乗り出して、ガラス越しに蛍にも劣らない夜景を眺める。
 そこにはUDCアースの街が、沢山の光と共に広がっていた。
(自分たちの生きている世界。自分たちの命の光です)
 皆も雲雀と同じように展望台の手すりから身を乗り出し、光を眺める。
「綺麗ですね」
「うん、写真撮ってもらおうかなー」
「撮るなら撮ってあげるわよ」
 アイとシスカとシャルロットが話す横で雲雀はじっと光を見ていた。
(儚きは、人の命。この世界を支えている命。されど永遠に栄えた文明は、かつて無く。自分たちもまた、明かりを灯す種火に過ぎないのかもしれません)
 雲雀は手を見つめる。小さな手。
「雲雀さんも写真撮ろう?」
「そうですね、みんなで撮りましょうか」
「こういうもんはみんな一緒がいいさね」
 理緒とひりょと司が雲雀へ手を伸ばす。雲雀は皆に手を伸ばし返し、強く心に誓った。
(常に狙われる世界、誰にも奪わせません。自分以外にも、守り手は居るんです!)
 そう、雲雀には仲間がいる。雲雀は笑顔を作った。
「ええ、みんな一緒がいいです」
 スタンプは全部溜まっている。あとはUDCが出てくるのを待つばかり――。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 集団戦 『都市伝説『てるてる・ヨーコさん』』

POW ●災害警報
自身が操縦する【雨雲 】の【降水確率】と【災害警戒レベル】を増強する。
SPD ●今日のラッキーアイテム
いま戦っている対象に有効な【ラッキーアイテム 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ ●今日の天気は晴れのち・・・
【いま自分にとって都合のいい天気 】を降らせる事で、戦場全体が【その天気に応じた環境】と同じ環境に変化する。[その天気に応じた環境]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――それは、天気予報アプリを作った会社の入っているビルの正面玄関で。

「やあやあやあ、天気予報アプリの『てるてる・ヨーコ』さんだよ」
 出てきた呪詛型UDCはやけに気さくに声をかけてきた。
「ちなみに、ヨーコさんは妖狐だからヨーコさんなんだ。可愛いでしょ」
 声は有名な女性声優の声。どうやら、アプリ会社がヨーコさんの絵をコンテストで募集し、それを3D化、最後に女性声優の声をあてて、天気予報アプリに仕上げたらしい。動いてしゃべる天気予報アプリ。それが『てるてる・ヨーコ』さんなのだ。
「ヨーコさんは機嫌がいいから、なんでもお願いを叶えてあげるよ。え? 雨を降らせてほしい? 叶えてあげよう!」
 言うが早いが、空がかき曇り、雨が降り出した。
「他にもお願いを叶えてあげるよ。その代わり、雨を降らせるけどね。さあさあ、次のお願い事はなにかな!」

 とりあえず、消えてほしいかな。
ケルスティン・フレデリクション
…おなかいっぱいになったから、いっぱいうごかなきゃ!
きゅうに、あめがふったらびっくりするよ!
いっぱいぬれたら、かぜひいちゃう…。

【属性攻撃】【範囲攻撃】振ってくる雨は凍らせて雪にしちゃお!
その方がきれいだものね。
ルル、おねがーい!
って鳥形の氷属性の精霊のルルにお願いするね
私は【環境耐性】、【氷結耐性】でがまん!

おどろいて、隙があったら【ひかりのしらべ】できらきらーって攻撃しちゃう!
雨の日がいっぱいは、みんなおどろいちゃうから、ほどほどにしようね!


(……おなかいっぱいになったから、いっぱいうごかなきゃ!)
 ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)はえいえい、とやる気を出してヨーコさんを見た。
 けれどもヨーコさんが突然降らせた雨に、驚いて頭をかばうように手を髪におく。
「きゅうに、あめがふったらびっくりするよ! いっぱいぬれたら、かぜひいちゃう……」
「でも、今は梅雨だからいーのです! もっと雨を降らせるよー!」
 ヨーコさんが雨を降らせようとするので、ケルスティンは慌てて両手を広げた。
(降ってくる雨は凍らせて雪にしちゃお! その方がきれいだものね)
 と、ケルスティンの懐でぬくぬくしていた白い小鳥が顔を出す。ぴ?と小さな声で鳴くとケルスティンの髪の花を啄もうと肩へとぴょんと飛び乗った。ケルスティンは慌てて髪を押さえて花を啄まれないようにする。白い羽を撫でて、ケルスティンは言った。
「ルル、おねがーい!」
 真っ白ふくふくの鳥さん、ルルはこう見えても氷属性の精霊だ。大好きなケルスティンのお願いに、ルルはふくっと羽を膨らませて応えた。
 ぴぃ、と鳴き声が響く。同時に降っている雨は凍り、雪へと変化した。真っ白な雪が街にちらちらと落ちる様はロマンチックだ。ケルスティンはルルを肩に載せたまま、身を抱きしめる。寒さは耐性がある、我慢できないほどでもない。
「わ、ヨーコさんの降らせた雨が雪に! こんなこと、天気予報では予報できないよー!」
 大混乱に陥るヨーコさん。なにしろ一応は天気予報アプリだ。予報と違う天気になれば慌てるのは当然と言えよう。
(おどろいてる! よーし!)
 ケルスティンはヨーコさんに指先を向けた。
「きらきらーっ」
 雪の合間から鋭く落ちてくる光。それはヨーコさんに突き刺さった。
「わー! 雪の合間から虹も見えるなんて……」
 そう、ケルスティンの落とした天からの光で一瞬だけ空に虹がかかったのだ。ヨーコさんはぼんやりと虹を見上げた。
「天気予報じゃわからないこともあるんだなあ……」
 そうつぶやいて、ヨーコさんはきらきらと電子の粒になって消滅した。
 ケルスティンはルルの羽を撫でながら、ヨーコさんのいた場所へと呼びかける。
「雨の日がいっぱいは、みんなおどろいちゃうから、ほどほどにしようね!」
 同意するようにぴぃ、とルルが鳴く。雪は雨に戻り、ケルスティンは雨宿りのために慌ててビルの入り口へと駆け込んだ。
大成功 🔵🔵🔵

ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜

そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。

マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。


「ど~も~。要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。よろしくっすよ~」
 ニニニナ・ロイガー(一般UDC職員・f17135)は金髪の髪を掻きながらヨーコさんに頭を下げてみせた。とても攻撃してくるとは思えないその挨拶にヨーコさんもご機嫌に挨拶を返す。
「ヨーコさんだよ! お願い事を叶えてあげる。代わりに雨を降らせるけど!」
「ははーん、お願い事叶える系の都市伝説っすか。メジャーなところっすね~」
 ニニニナはふむふむとうなずくと、逆にずい、とヨーコさんに近づいた。
「そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?」
「え?」
 ヨーコさん、もちろん、わけがわからない。
「長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ」
 触手のオンパレードである。
 それもそのはず、ニニニナのソウルフレンドとも言えるドビーちゃんはニニニナの体の中に棲んでいる見えざる触手なのだ。つまりドビーちゃんに協力してもらえれば、触手としてできないことはない。なかなか強力なUDC職員なのである。
「え、いや、ヨーコさん、触手みたいなのはパスかなあ……」
 ヨーコさん、後退り。
「いやあ、今は触手も色々っすよ。あ、触手本体は見えないようになってるので、一般人が狂気になったりするとか気にしないで大丈夫っすよ~」
「一般人のことはどーでもいいんだ、いや、触手は……あ、でも」
 ヨーコさん、何かに気づいたように足を止める。
「なんだ、ヨーコさんってばアプリだから、触手なんて関係ないんだー」
「あ、なんだ、電脳系なんっすね~」
 ニニニナはにっこりと笑った。
「じゃあ、マニアックなところで電脳アクセス触手なんてどうっすか? 便利っすよ」
「え」
 ニニニナの背後から何か圧が飛び出してきた。それは不可視の触手。見えないのだから避けようがない。ヨーコさんの体に見えない触手が絡みつく。
「これで、サーバーとのデータを切断すればおしまいっすね。じゃあ、お疲れ様っした!」
「いや、ちょっと、ま」
 ヨーコさんの最後の言葉が途切れた。データが切断され、ヨーコさんは電子の結晶となって消えていく。ニニニナは触手を再び体内へと呼び戻した。
「呆気ない都市伝説っすね。もう少し遊びたかったっすね、ドビーちゃん」
 ニニニナの体内で、ドビーちゃんが同意するようにうごめいた。
成功 🔵🔵🔴

アーサー・ツヴァイク(サポート)
※何でも歓迎!

『貴様らの悪事は、お天道様はもちろん…何より俺が許さねぇ!』

俺はアーサー、改造人間だ。
普段は寝てばっかりだが…事件が起きたら即覚醒! 悪い奴らを太陽の向こう側までぶっ飛ばす正義のヒーロー【ドーンブレイカー】になって大暴れ、だぜ!
苦手な事は頭を使う事、得意な事はオブリビオンをぶっ飛ばす事だ!

NG行為はないつもりだが…ヒーローらしい動きの方がやりやすいな。まあ、策を弄する頭が無いから問題もないけどな!

あと、武器やUCは好きに使っていいぜ。

んじゃ、宜しく頼むぜ!!


 雨の降る街。現れたUDC、ヨーコさん。
「さあ、願い事を言ってよ! 叶えてあげる分、雨を降らせるから!」
 呪詛型UDCがその猛威を振るおうとした、まさにその時だった。
「トォッ!」
 アプリ開発会社のビルの屋上から正義のヒーローが舞い降りた!
「貴様らの悪事は、お天道様はもちろん……何より俺が許さねぇ!」
 アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)は改造人間である! 普段は寝てばかりの彼だが、事件が起きたら即覚醒! 悪い奴らを太陽の向こう側までぶっ飛ばす正義のヒーロー【ドーンブレイカー】になるのだ!
「というわけで、お前が今回のオブリビオンだな! 雨を降らせるなんて小さな悪事だが、俺のヒーローセンサーが見逃さねえ! 太陽の向こう側までぶっ飛ばしてやるぜ!」
「いや、待って、こんないたいけな呪詛型UDCに対して、乱暴すぎやしませんか!」
 必死に言い募るヨーコさん。だが、悪は悪。正義は正義。そしてオブリビオンはオブリビオンなのである。
「俺は頭を使うことは苦手だ。得意なことはオブリビオンをぶっ飛ばす事だ!」
 アーサーが効果音がつきそうな勢いで言うと、ヨーコさんは逃げる態勢を取った。
「ダメ無理、ヨーコさんの勝てる相手じゃないから逃げる」
「おっと、俺の目から逃れようったってそうはいかないぜ!」
 アーサー、いやドーンブレイカーはぐっと右手を引いた。
「【Select……BUILD ACTION!】」
 右手に生まれるのは想像から創造する巨大なドリルアーム。それは無敵の防御をも突き破る、必殺のドリルアームだ!
「電脳だろうが、無敵だろうが……全部ぶち破ってやるぜ!!」
 ドリルアームが旋回する。ブーンという低い音が流れ、ドーンブレイカーはヨーコさんに肉薄した。
「行くぜ!」
 左足に体重をかけ、ドーンブレイカーは引いた右手のドリルアームを一気にヨーコさんへ向けて繰り出した。天気予報アプリでしかないヨーコさんに躱すすべはない。ヨーコさんの腹部をドリルアームが捕らえた。ドリルが、電子の姿をかき消していく。
「あ、あ、電波受信部が、こわれ」
 プツン、とヨーコさんの声が途切れた。同時にヨーコさんは光の粒となり、電子の泡となって消えていく。
 ドーンブレイカー、いや、アーサーはドリルアームを解除して、雨の降る街を見上げた。
「お天道様が出ない日でも、この世界は俺が守る……!」
 トオッ!と再びビルの屋上へと跳ぶアーサー。
 そう、正義の味方【ドーンブレイカー】の戦いはまだ続くのだった……!
成功 🔵🔵🔴

草野・千秋
今流行りの感染型UDCのようですね
妖狐?
いや、僕が今まで出会ってきたエンパイアとかの妖狐さんとは違う気がしますね……
声優さんの声まであてて、これいくらかかったのやら?
空梅雨も困りますけど、でも雨ばかりは気が滅入ってしまいますし、サイボーグの僕としては幻肢痛が疼きます
天気というものは自然の赴くままに任せてこそなのです!
人間やUDCの出る幕ではない!
変身!

勇気で戦いに立ち向かいます
UC【Judgement you only】で攻撃力をアップ
短期決戦に挑みます!
怪力、2回攻撃で敵をねじ伏せようと
攻撃は第六感、視力、戦闘知識で見切り
激痛耐性、盾受けで耐える


(今流行りの感染型UDCのようですね)
 草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)はヨーコさんを鋭く観察しながら、そう結論づけた。ただ、どうしても一点、納得できないところがある。
「ヨーコさんは妖狐だからヨーコさんなんだよ。可愛いでしょ?」
「妖狐?」
 千秋の声に疑問の色が浮かんだ。
(いや、僕が今まで出会ってきたエンパイアとかの妖狐さんとは違う気がしますね……)
 本物の妖狐と、キャラクターの妖狐との違いだろう。千秋が胡乱な目でヨーコさんを見ているのに気づいたのか、ヨーコさんはぷんすかと怒る。
「妖狐だよ! ほらほら、可愛いしっぽも生えてるでしょ!」
「尻尾が生えているから妖狐とは限りませんが……」
 そっと千秋は反論しておく。変わらずぷんすか怒るヨーコさんの声だけは可愛らしい。
(声優さんの声まであてて、これいくらかかったのやら?)
 たかが天気予報アプリが有料だったのも、これで理解できた。とは言え。
「空梅雨も困りますけど、でも雨ばかりは気が滅入ってしまいますし、サイボーグの僕としては幻肢痛が疼きます」
 千秋はまっすぐにヨーコさんを見て言った。
「天気というものは自然の赴くままに任せてこそなのです!人間やUDCの出る幕ではない! 変身!」
 千秋は決めポーズを取ると、断罪戦士ダムナーティオーに変身した! 弱きを助け、悪を挫くヒーロー、それが断罪戦士ダムナーティオーである!
「断罪戦士ダムナーティオー推参! 悪を駆逐する!」
 メカニカルなヒーロースーツに身を包み、千秋、いや、ダムナーティオーはヨーコさんに拳を向ける。
「この街のために……蛍を見せてくれたり、ラーメンを食べさせてくれたりしたこの街を守るために! 僕は勇気で戦いに挑む!」
 千秋が認め信じた者のために。千秋を信じてくれた者のために。千秋は――ダムナーティオーは挫けぬ正義の心で自身の攻撃力を強化し、一気にヨーコさんへ肉薄した。
 挑むは短期決戦。
「いや、待って、ヨーコさん、ただのアプリだから! 正義の味方とか強すぎるから!」
「言い訳は無用!」
 逃げようとするヨーコさんの退路を鋭い視力と第六感、そして今までの戦闘知識で見切り、断つ。そして、リズミカルに躍りかかった。
「武器を使う必要すらない、骸の海へと消えろ!」
 両手にパワーをみなぎらせ、右腕を引いたと同時に左、右と連続でヨーコさんを殴り飛ばす。怪力に物を言わせたパワーファイト。アプリのヨーコさんが敵うはずもない。
 瞬時にヨーコさんとアプリの回線は遮断され、ヨーコさんはきらきらと電子の粒になって消滅した。
 ダムナーティオー、いや千秋は消滅したヨーコさんを見て、息を吐く。
(この地のUDCは消滅しました。ですが、僕の戦いはまだまだ続きます……オブリビオンがいなくなくなる日まで)
 千秋を信じてくれた人々がいる限り、彼は正義の剣を下ろすことはないのだろう。
大成功 🔵🔵🔵

ロラン・ヒュッテンブレナー
都市伝説浄化も【ファランビー】!

なんだろ?
オブリビオンだけど、悪い人じゃないように思うの…
この人のおかげで、楽しい一日だったから

ハロちゃん、待って、まって!(割り込んでヨーコを庇う)
あのね、あの人と、遊んでみない?

えと、ヨーコさん?
その、お天気雨ってのが、見たいな
ぼくたちの世界にないから
それに、雨は好きなの

ヨーコさん、おススメスポットのお天気予報と案内をして欲しいの
お天気アプリって、そう言う感じだったよね?

ヨーコさん、スタンプラリー、楽しかったよ
色んな場所を回って、色々見て
だから、ありがと

ヨーコさん、最後にもう一つお願い
骸の海に還って

UCで狐火の行列を作って案内するの
ヨーコさん、嫁入りの時なの


チェリカ・ロンド
【ファランビー】!アドリブ歓迎!

私もハロと一緒で即チェリカ砲でぶっ飛ばしちゃおうかと思ってたけど……。
うーん、ロランの言うことも分かるかな。オブリビオンにしては毒気がないのよね、ヨーコさん。

ねぇ、願いを叶えてくれるなら、お日様を見せて!私たち、普段雲ばっかりで明かりのないところに住んでるから……ね!
お天気雨も、いいものね。雨は好きよ、作物を育ててくれるもの。
できるなら、傘を差して雨の音を楽しみながら、ヨーコさんの案内で雨のお散歩をするわ。相手を満足させて浄化する、ロランの作戦ね!
最後はハロと一緒に、UCの聖なる光で祝福するわ。
今度はきっと、素敵なお天気の精になって、私たちの世界にも来てね!


ハロ・シエラ
【ファランビー】!
正しいルートを辿れたのか、どうやらオブリビオンを誘い出せた様ですね。
ならば後は戦うだけ……ロ、ロランさん!?
危ないですよ、剣を抜いているのに……え、遊ぶ?
……分かりました、皆さんがそう仰るなら。
折角楽しい一日でしたし、雨の中、オブリビオンと踊るのも良いかも知れません。
ただ、何か起きたらいつでも【早業】で対処出来る様に【第六感】は働かせておきます。
天気雨と言う不思議な天気の中、彼女はどう動くのでしょう。
私達の願いどおり、一緒に遊んで骸の海へ還ってくれるのでしょうか。
それならばチェリカさんの光に【破魔】の力を乗せて送ります。
幻ですが、ユーベルコードで道標も作れればいいですね。


 【ファランビー】の三人も、正しいルートを辿れたようだった。
「どうやらオブリビオンを誘い出せた様ですね」
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)はすらりとレイピア、リトルフォックスを抜いてヨーコさんを見据えた。
「ならば後は戦うだけ……」
「ハロちゃん、待って、まって!」
 突然、ハロとヨーコさんの間に割り込み、ヨーコさんを庇ったのはロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)だ。
「ロ、ロランさん!? 危ないですよ、剣を抜いているのに……」
 ハロはリトルフォックスの切っ先を引きながら、当惑したようにロランを見た。
 ロランは尻尾をぱたりと動かし、背に庇ったヨーコさんを見る。ヨーコさんも驚いた表情だ。
(なんだろ? オブリビオンだけど、悪い人じゃないように思うの……。この人のおかげで、楽しい一日だったから)
 ロランはヨーコさんに笑いかけ、ハロへと向き直った。
「あのね、あの人と遊んでみない?」
「……え、遊ぶ?」
「うーん……」
 ハロの隣でチェリカ砲の準備をしていたチェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)もロランとハロを見比べて、改めて腕組みをする。
「私もハロと一緒で即チェリカ砲でぶっ飛ばしちゃおうかと思ってたけど……」
「チェリカさん? 相手はオブリビオンですよ?」
 ハロは不安そうにチェリカを見る。チェリカはわかってる、というように頷いてから肩をすくめた。
「ロランの言うことも分かるかな。オブリビオンにしては毒気がないのよね、ヨーコさん」
「……分かりました、皆さんがそう仰るなら」
 ハロは迷いながらもリトルフォックスを鞘に収めた。
「折角楽しい一日でしたし、雨の中、オブリビオンと踊るのも良いかも知れません」
「ありがとう、ハロちゃん」
「ただ、何か起きたらいつでも対処できるようにはしておきますからね」
「さすがハロ! さあ、ロラン、全力で最後も遊びましょ!」
 即座に遊びへと切り替えたチェリカに、ロランはわくわくと耳を動かした。
 事態がわかってないのはヨーコさんだ。
「え? え? ヨーコさんと遊んでくれるの?」
「ねぇ、ヨーコさん!」
 ずい、とヨーコさんに近づくチェリカ。
「願いを叶えてくれるなら、お日様を見せて! 私たち、普段雲ばっかりで明かりのないところに住んでるから……ね!」
 確かにダークセイヴァーは雲が垂れ込め、陽の光など見えない。チェリカが願うのも当然と言えよう。
「任せて! お天気になぁれ!」
 ヨーコさんが手にしていた傘を空に向かって振ると、夜だというのに昼のような日差しが降り注いだ。明るい空だ。チェリカが望んだようにお日様が見える。
「すごい、本当にお日様!」
「お天気……すごいね……!」
「眩しいですね……」
 ロランは興奮で尻尾をぱたぱたとさせ、ハロもさすがに目を細めた。
「えと、ヨーコさん?」
 今度はロランが恐る恐る声をかける。ヨーコさんはご機嫌そうにロランを見た。
「ん、今度のお願い事はなあに?」
「その、お天気雨ってのが、見たいな」
「天気雨?」
「ぼくたちの世界にないから。それに、雨は好きなの」
「任せて、任せて。お天気雨になぁれ!」
 晴れ間からぽつりと落ちてくる雨。その雨は強くはなく、晴れ間から滴り落ちる。濡れるのが気持ちいいくらいの雨だ。
「お天気雨もいいものね。雨は好きよ、作物を育ててくれるもの」
「……そうですね」
 チェリカが雨の中、くるくると踊る様子を、ハロはまだ不安そうに見守っていた。
(天気雨という不思議な天気の中、彼女はどう動くのでしょう)
 人が良さそう、とは言え、オブリビオンである。警戒を解くわけにはいかない。
(私達の願いどおり、一緒に遊んで骸の海へ還ってくれるのでしょうか)
 天気雨を降らせて得意げになっているヨーコさんに、ロランはもうひとつお願い事をした。
「ヨーコさん、おススメスポットのお天気予報と案内をして欲しいの。お天気アプリって、そう言う感じだったよね?」
「はーい。ヨーコさんのおススメでいいのかな? 三人で梅雨時に行くならちょっと歩くけど、神社なんてどうかな?」
「神社?」
「今なら紫陽花が綺麗だよ。マップを表示するね」
 ヨーコさんは三人に見えるように空中に電子マップを広げた。
「この大通りをまっすぐ歩いていけば着くよ。明日の天気は曇りのち雨。明後日は曇りだから、オススメは明後日かなあ」
「すごーい、本当に天気予報のアプリみたいじゃない!」
 チェリカが言うと、ヨーコさんが笑う。
「いや、天気予報アプリだから、ヨーコさん!」
「ごめんごめん、忘れてた」
 チェリカも笑う。ロランも耳を動かしてご機嫌だ。ハロだけ、どうしてもリトルフォックスの柄から手が離せない。
「できるなら、傘を差して雨の音を楽しみながら、ヨーコさんの案内で雨のお散歩をしたいな。ちょっと遠いのかぁ」
 チェリカは宙に浮かんだ地図を見て残念そうに言う。確かにここからだと三十分ほどかかってしまいそうだ。
「明後日、三人で行けばいいよ。ヨーコさんはアプリだからしょっちゅうは出てこられないし、それに」
 ヨーコさんは天気雨を見上げて、さばさばと笑った。
「お願い言ってもらえるなんて、思わなかったなあ。お天気で喜んでもらえるなんて、ヨーコさん、ずいぶんと忘れてたよ」
 チェリカとハロは顔を見合わせる。
 相手を満足させて浄化する、ロランの作戦は、ここまでは上手くいっているように思えた。
「ヨーコさん、スタンプラリー、楽しかったよ。色んな場所を回って、色々見て。だから、ありがと」
「ううん、楽しんでくれたなら、ヨーコさんも嬉しいや! アプリ冥利につきます」
 ヨーコさんも尻尾をぱたぱたと振る。ロランは笑顔で言った。
「ヨーコさん、最後にもう一つお願い。骸の海に還って」
 天気雨が降る音だけが静かに響く。ヨーコさんは少し黙ってからロランを見て困ったように言った。
「ヨーコさんさあ、お天気アプリのくせに、骸の海の場所は表示できないんだ。見送ってくれる?」
「もちろんだよ」
 ロランが微笑む。ハロはほっとしたように胸をなでおろした。それを見ていたのか、ヨーコさんはハロに笑いかける。
「心配かけちゃったね。還るから、見守ってくれるかな」
「私は……」
「ありがとね、ハロ。我侭聞いてもらっちゃって。最後に力を貸してほしいな」
「チェリカさんの頼みでしたら、もちろんです」
 ロランが電脳世界にアクセスして、狐火の行列を作り、骸の海へと案内する。
 チェリカが聖なる光を灯し祝福をすると、その光にハロは破魔の力を載せた。そして、リトルフォックスを引き抜き、幻を作り出す。ユーベルコードでできた道標だ。
「お礼は言いません、あなたはオブリビオンですから。でも……今日は楽しかったです」
 ハロが言うと、ヨーコさんはにぃっと笑った。
「そのくらいの意気があるほうがヨーコさんは好きだよ。三人とも、ありがと!」
 ヨーコさんは道標に沿い、チェリカたちの光を浴びながら、ゆっくりとロランの狐火の中を歩き去っていく。
「ヨーコさん、嫁入りの時なの」
 ロランがぽつりとつぶやく。天気雨は狐の嫁入りとも言う。妖狐のヨーコさんにとっては、まさに嫁入り日和だ。
「今度はきっと、素敵なお天気の精になって、私たちの世界にも来てね!」
 チェリカが手を降った。ロランもぱたぱたと尻尾を振り、ハロはリトルフォックスを構えたまま、まっすぐにヨーコさんが消えるのを見守る。
「あ、そうそう、きっともうじき晴れ間が見えるよ!」
 ヨーコさんはそう言って光の中で消えた。
 天気雨は消え、空は夜空に変わりぼんやりと星が瞬く。三人はごく自然に空を見上げた。
「神社、今度行ってみよっか」
「そうですね。紫陽花が綺麗な間には」
「うん……また、三人で行きたいね」
 三人は、約束、と笑い合ったのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シャルロット・シフファート
【電脳の箱庭】
「これはある意味倒し辛い敵ね…」
と、言いながらもユーベルコードを起動。物理現象を操作して上空気流に干渉。そこから天候操作能力同士でお互いのイニシアチブを取り合いながら仲間の支援を行う。
そして、攻撃については雷撃や吹雪を発生させてヨーコを攻撃。
更にびしょぬれになったアイの服を温風で乾かすわね。


鳳凰院・ひりょ
【電脳の箱庭】
(雨か…、念の為に持ってきた上着が簡単な防水加工されてたはず。羽織れば良さそうだ)
とはいえ、他の皆はそうはいかないだろう。
濡れて体が冷えれば体力も消耗しちゃうし、風邪引いちゃうかもしれない。
しっかりエネルギーは補充したから、生まれながらの光で皆を治療するのは全く問題なし。
ヨーコさん、手に傘を持ってるから本人は雨降っても平気、というつもりなのかな…?あれがなかったら雨降らそうとしないんじゃ?
光陣の呪札で傘を持っている方のヨーコさんの手を攻撃、ヨーコさんが傘を手放す状況を作り出そうと試みる。
戦闘後は皆にタオルを買ってきて配る。
「とりあえずこれで。風邪引かないうちに早く帰りますか」


アイ・リスパー
【電脳の箱庭】
ペンギンコスプレ中

「天気を操る程度の能力で、電脳魔術士である私に勝てると思わないことですねっ!」

ホロキーボードとディスプレイを展開。
相手が天気を変えるなら、こちらも気象操作で対抗です。
【バタフライ効果】で竜巻を起こし雨雲を吹き飛ばして敵の天候操作を封じましょう。

「みなさんっ、今のうちに攻撃をっ!」

雨雲を散らしてしまえば降ってくるのは小雨程度!
そんなものがペンギンに効くと思わないでください!

「って、あれ?
電脳空間との接続が……?
あ、雨でショートしましたーっ!?」

キーボードがショートして電脳魔術が使えなくなり……
集中豪雨を浴びて下着までビショビショに濡れるのでした。

「くしゅんっ」


天星・雲雀
【電脳の箱庭】

「雨が降って来ましたね。オトモ、和傘を差してください」
自分は、足元が水浸しでも【地形適応】の技能持ちなので、滑って転ぶようなことは有りません。
足取りの心もとない方とか居ましたら、手をつないで、支えましょうか・・・?体格差があるから、全身で受け止めてなんとか・・・。

「お願いですか?そうですね。これだけの雨が有れば水車も良く回るでしょうが、ここには水車が一台もありません。雨を降らせるなら、場所を選んでください」

「あの傘をどうにかすれば良いんですね?助太刀します。オトモ!UC獅子の座流星弾で、ヨーコさんの傘を弾き飛ばして!ついでに、彼女の持ってるデバイスも!破壊できるなら、なお良し!」


シスカ・ブラックウィドー
【電脳の箱庭】

雨が降ってきたな......。傘で顔を隠して一般人のフリをして近づこう。すれ違い様に【暗殺アンブレラ】でぶすっ。
攻撃する瞬間だけ【吸血鬼覚醒】を使ってダメージを底上げするよ。
余裕があれば傘を攻撃して弾き飛ばしてしまおう。

さあ、今だよみんな!


菫宮・理緒
【電脳の箱庭】

いちおう防水仕様ではあるけど、機材とは相性良くはないよね。

っていうか、天気予報?
そうか、あなたがデマ情報の出所か!

天気予報なんてちーっとも当たらないどころか、
言ったこと3時間後には翻すし、外しても笑ってるし、
まさしく(ピー)が(自主規制)して(見せられないヨ!)な存在だよね。

お願いを叶えてあげる? なんで上から目線?
普段の外しっぷりからして、跪いて、
いつものおわびに叶えさせてください、でしょうが!

さぁお前の未来を予報してみろー!

と、なにがあったのか、という勢いで詰めます。
謝っても許さないけどね! と、【虚実置換】で消しにかかるね。
(買ったばかりの機材を雨で壊された経験があります)


椎宮・司
【電脳の箱庭】
あ゛ー……辛さで死ぬかと思った
生きてるな、あたい
それじゃ気を取り直して戦うとしようか!

狐が雨降らすってなんだそりゃ
狐の嫁入りでもし損ねたかい?
ま、あたいは濡れるのも嫌いじゃないけどな
言うだろ?水も滴るイイ女ってサ

どうやらお前さんは雨がお気に入りのようだ
で、こっちの皆は雨嫌い、と……理緒さんは何があったやら
ま、天気をどうにかするなら先手で切り崩すとしようか
特にシスカさんのために隙が出来れば幸いだ

お前さんのUCは雨場ならこっちにも利点アリ
雨で足元が悪かろうと
そもそも川の水面すら跳ねるのが石の水切りサ
刀を構えつつ、ちょいと足に力を溜めて
「あたいの【水切り突き】、かわせるかい?!」


「これはある意味倒し辛い敵ね……」
 シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)は呟きながらも、ユーベルコードを起動する手を止めない。
 確かに【電脳の箱庭】の面々は電脳世界にアクセスする者が多い。雨と機材ははっきり言って相性が悪い。
 ヨーコさんの降らす雨は次第に強くなってくる。
「雨が降って来ましたね。オトモ、和傘を差してください」
 天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)が共にいる狐火の『オトモ』に声をかけると、赤と青のオトモは二匹?で一緒に和傘を雲雀に差し掛けた。和傘が雨を弾く音が響く。
(雨か……、念の為に持ってきた上着が簡単な防水加工されてたはず。羽織れば良さそうだ)
 鳳凰院・ひりょ(人間の聖者・f27864)は上着を羽織ってとりあえずの対策を取る。
(とはいえ、他の皆はそうはいかないだろう。濡れて体が冷えれば体力も消耗しちゃうし、風邪引いちゃうかもしれない)
 回復手として、ひりょは不安そうに皆を見回した。
(あれ?)
 ペンギンのコスプレがいる。
 ひりょが目をこすると、ペンギンのコスプレはちょっと照れたように雨に濡れてわたわたしていた。
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)だった。先刻、ゲームセンターで負けた罰ゲームをしっかりしていた。では、勝ったシスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)は?
 いない。
(いない?)
 ひりょは周囲をきょろきょろと見渡す。
 ひりょがシスカを探している間に、舌をぱたぱたと扇いでいたのは椎宮・司(裏長屋の剣小町・f05659)だ。
(あ゛ー……辛さで死ぬかと思った。生きてるな、あたい)
 雨で体が冷えて、ようやく正気に戻るのだから皮肉なものだ。
(それじゃ気を取り直して戦うとしようか!)
 ヨーコさんを見据え、腰の刀に手をかける司。
「狐が雨降らすってなんだそりゃ。狐の嫁入りでもし損ねたかい?」
「ヨーコさんはまだ嫁入りなんてしなくていいんですー」
 減らず口を叩いてくるUDCに対して、司は余裕の笑みだ。
「ま、あたいは濡れるのも嫌いじゃないけどな。言うだろ? 水も滴るイイ女ってサ」
「司さんは余裕ですね」
 雲雀がうんうんと頷くと、ずい、とヨーコさんのほうへ菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)が一歩進み出た。
(いちおう防水仕様ではあるけど、機材とは相性良くはないよね)
 理緒はそういう理由もあり、大変ご立腹だ。
「っていうか、天気予報? そうかあなたがデマ情報の出所か!」
「デマ!?」
 ヨーコさんが驚くのを無視して、理緒は立て板に水とばかりに言い募る。
「天気予報なんてちーっとも当たらないどころか、言ったこと三時間後には翻すし、外しても笑ってるし、まさしく(ピー)が(自主規制)して(見せられないヨ!)な存在だよね」
「な、な、な」
 ヨーコさん、ぴくぴく震える。理緒の追撃は続く。
「お願いを叶えてあげる? なんで上から目線? 普段の外しっぷりからして、跪いて、いつものおわびにかなえさせてください、でしょうが!」
(……理緒さんは何があったやら)
 司は理緒の様子を見てただならぬ気配を感じた。これは止めないほうがよさそうだ。
「どうやらお前さんは雨がお気に入りのようだ。で、こっちの皆は雨嫌い、と……」
 司がヨーコさんに語りかけていると、目の端に可愛らしい動物がプリントされた傘が目に入った。
(おや、あそこに隠れているのはシスカさんじゃないかい)
 ひりょも同じタイミングでシスカを見つけていた。
(隙を狙っているのかな? 向こうはシスカさんに気づいていないみたいだし、俺も気づかないふりをしてるのがよさそうだ)
 次第に足元も悪くなってきた。雲雀は誰かの足取りが心もとないことはないか、注意深く見渡してから、ヨーコへと言う。
「お願いですか? そうですね。これだけの雨が有れば水車も良く回るでしょうが、ここには水車が一台もありません。雨を降らせるなら、場所を選んでください」
「みんな、ヨーコさんの親切を無下に断るのかー!」
「なにが親切だよ!」
 キレそうなUDCに理緒がさらに突っ込む。
(ま、天気をどうにかするなら先手で切り崩すとしようか。特にシスカさんのために隙が出来れば幸いだ)
 司がまずは腰を低くして構えをとった。
「お前さんのUCが雨場ならこっちにも利点アリ。雨で足元が悪かろうとそもそも川の水面すら跳ねるのが石の水切りサ」
 足に力を溜めて、司は刀を抜き放った。切っ先をヨーコさんへと向け、素早く間合いを詰める。
「あたいの【水切り突き】、かわせるかい?!」
 放ったユーベルコードの鋭い突き。ヨーコさんはただの天気予報アプリなので避けるなどという器用なことはできない。司の切っ先はヨーコさんの肩を貫いた。
 そこへ、動物がプリントされた傘が近づいてきた。
「雨が降ってきたな……」
 傘で顔を隠し、一般人のフリ。ヨーコさんは司の次の攻撃に警戒して、近づく傘には気づかない。
 傘は――傘をさしたシスカはヨーコさんの背後を通り、すれ違いざまに傘をヨーコさんへと突き刺した。ただの傘ではない。これは傘に偽装したレイピアなのだ。しかも、ヨーコさんを突き刺す瞬間だけ、シスカの瞳が紅くなる。ヴァンパイアに一瞬変身し、戦闘能力を上げたのだ。レイピアはヨーコさんを貫通する。
「さあ、今だよみんな!」
 シスカがヨーコさんの動きを止めたところで、アイとシャルロットが同時に動いた。
 シャルロットはユーベルコードで物理現象を操作、上空気流に干渉する。天候をこちらも操作しようというのだ。
「アンタができることなら私にもできるわ。調子に乗らないことね」
 雨を降らそうとするヨーコさんに対して、雨雲を飛ばそうとするシャルロット。
「天気を操る程度の能力で、電脳魔術士である私に勝てると思わないことですねっ!」
 アイもホロキーボードとディスプレイを展開。素早く大気中の気体分子の運動の解析を完了させる。そしてシャルロットと同じく気象操作で竜巻を起こした。
「シャルロットさん、行きますよっ!」
「ええ、いつでもどうぞ」
 アイとシャルロットのコンビネーション。アイが竜巻を起こし雨雲を吹き飛ばすと、シャルロットはその竜巻を利用して、雷撃をヨーコさんへと降らした。
 ヨーコさんは雷撃にあたり、ピシリと動きを止めた。体がブレる。
「みなさんっ、今のうちに攻撃をっ!」
 アイが皆へと攻撃の合図をかける。
(雨雲を散らしてしまえば降ってくるのは小雨程度! そんなものがペンギンに効くと思わないでください!)
 念の為もう一度記載するが、アイはペンギンのコスプレ中である。もう一手を押し込もうとして、アイはペンギンの手でキーボードを叩いた。
「って、あれ? 電脳空間との接続が……? あ、雨でショートしましたーっ!?」
 なんとキーボードがショートして電脳魔術が使えなくなってしまう。
「今だ、ヨーコさんの雨!」
 ヨーコさんがアイへと集中豪雨を浴びせかける。下着までびしょびしょに濡れてしまいアイはしょんぼり。
「くしゅんっ」
 仕方ないわね、とばかりにシャルロットは温風を用意してアイの服を乾かす。ひりょも遠くから風邪を引かないようにアイへと治療を行う。
 そして治療しながら、ひりょは雨の中でも平気な顔をしているヨーコさんを観察した。
(ヨーコさん、手に傘を持ってるから本人は雨降っても平気、というつもりなのかな……? あれがなかったら雨降らそうとしないんじゃ?)
 ひりょは、光陣の呪札を翻す。光の束がヨーコさんの手を攻撃する。それにすぐに気づいたのは雲雀だ。
「あの傘をどうにかすれば良いんですね? 助太刀します」
「ありがとう、何か秘密があるような気がするんだ」
「オトモ! ユーベルコード【獅子の座流星弾】でヨーコさんの傘を弾き飛ばして! ついでに彼女の持ってるデバイスも! 破壊できるなら、なお良し!」
 オトモたちはすさまじい速さでヨーコさんに迫り、その手を弾き飛ばしていく。
「あ、ヨーコさんの傘!」
「これはもらっておくねー」
 ヨーコさんが傘に手を伸ばそうとするのを、シスカがさらに遠くへと弾き飛ばす。ヨーコさんが傘に気を取られている間に、オトモたちはヨーコさんのデバイスも弾き飛ばした。
 こうなるとヨーコさんは丸腰だ。
 理緒がにっこりと微笑む。
「さぁお前の未来を予報してみろー!」
「いや、ごめんなさい、もう当たらない天気予報はしませんから、許して」
「謝っても許さないけどね!」
 理緒がユーベルコード【虚実置換】でヨーコさんを消しにかかる。もうヨーコさんに抵抗できるだけの力は残っていない。ヨーコさんはしっかりと防水加工されたタブレットの画像と入れ替えられるように姿を消した。
「お疲れ様。しかし、理緒さん、なんであんなにすごかったんだい?」
 司が声をかけると理緒は照れたように笑った。
「買ったばかりの機材を雨で壊された経験があるんだよねー……」
「それは……くしゅんっ」
「アイ、動かないで。もう少し温風をかけるから」
「すみません……」
 シャルロットに乾かしてもらいながらアイは理緒に同情する。と、コンビニへと走っていたひりょが手にタオルをいっぱい持って戻ってきた。
「とりあえずこれで。風邪引かないうちに早く帰りますか」
 一人ひとりにタオルを配ると、皆、少しほっとした表情になった。
 ヨーコさんもいなくなり、空は雨が上がり、星空が見える。まだ夜は少し肌寒い。
「温かいものでも買って帰りますかっ」
「そうね。紅茶の美味しいお店があるけれども、どうかしら」
「はーい、ボク、甘いものが食べたいでーす!」
「自分はオトモがいるからさほど寒くないですが、甘いものはいいですね」
「あ、寒い人がいたら早めに治療するから言ってね」
「私は甘いものより辛いものがいいかなー。ラーメン食べに行こうかなー」
「あたいは付き合わないからね……甘いもののほうが平和でいいから」
 皆、笑いながらタオルで体を拭きつつ歩き出す。

 こうして事件は終わった。アプリはいつの間にかアプリストアから消え、話題にのぼらないようになったと言う。
 猟兵たちの活躍で、ひとつの不安の種は取り除かれたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月05日
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