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深淵(Operation Abyss)(作者 ユウキ
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● 施設に残された手記。

 こつこつこつ。
 よるのあしおとまだひびく。
 だれかがいまもおしごとしてる。
 こつこつこつ。
 きのうはさんにんいなくなり。
 きょうはさんにんあしおとふえた。
 こつこつこつ。
 こつこつこつこつこつこつこつ。
 あしたはひとり、あしおとふえる。

● グリモアベース 作戦会議室。

 グリモアベースの作戦会議室に集まった猟兵達にユウキは告げる。
「UDCで救援要請だ」
 曰く、別の事件で保護した少女と組織の部隊が行方不明になったらしい。
「簡単に説明するとだな、その子の両親は我々に敵対的な教団の研究所で勤務してたらしいんだが、数日前に組織の作戦で研究所は制圧。その子もそこで保護された。だが、先日奇妙な事に調査に赴いた部隊が姿を消してな」
 そして、調査に赴いた部隊が姿を消した次の日の夜、少女が姿を消したそうだ。
「明らかにその研究所になにかあるのは分かっているんだが、少数とは言え精鋭といって差し支えない職員で構成された部隊が消失したとなると、彼等では手に負えない案件である可能性が高い。よって、諸君の手を借りたい」
 そう言って部屋の電気を消すと、プロジェクターを操作したユウキ。
 薄暗い部屋のホワイトボードに、古びた施設の映像が写し出される。
「今回、諸君に調査を依頼する施設だ。外観は古いが、内部はそれなりに新しい。だが、制圧作戦の際に教団の戦闘員との交戦もあったため、酷く散らかっていることが予想される。おそらく死体も手付かずだが勘弁してくれ」
 続いて映し出される研究所の見取り図。
「一階は研究員等の居住スペースだが、ここは特に問題は無いだろう。少なくとも、地上の調査中は職員達に異常は見られなかった。最奥部にエレベーターがあり、そこから地下の研究所に侵入出来るが後述の理由から電気設備がどうなっているか分からない。ライトは支給するが、必要に応じて各員光源を用意する事を推奨する」
 地下の研究所とされるスペースはかなり広そうだ。
「地下に降りた部隊が帰還しなかったのは先程話したが、雑音が酷いものの地下に降下後の音声ログが残っている」
 そう言ってログを再生するユウキ。
 最初、地下までエレベーターで降下した部隊が、足元に水が溜まっている事を報告する。
 しばらくはそのまま地下を探索していたようだが、途中からなにか不可解な事が起こり始めた。

 雑音、隊員達の足音らしき水を蹴る音だけが聞こえる。
「…て」
 隊員の1人が声を上げた。
「な………か聞こえ……か?」
 雑音が激しい。
 隊員の声もよく判別出来ない。
「足……と?」
 雑音が少し弱くなる。
「バカな、こんなに水浸しなんだぞ?」
「でも……ほら!」
「……クソっ、なにか居る……構えろ」
 銃を構える音、微かに、こつこつという足音らしき音が聞こえる。
 再び、雑音が強くなった。
「こ……ちわ」
「君は……つば……ちゃん? ど……て?」
 隊員の声とは違う、幼い少女らしき声と、途切れ途切れの隊員の声。
 雑音が大きくなる。
 雑音に発砲音と悲鳴が微かに混ざってブツリと音がすると、音声が止まった。

「以上が通信機越しにこちらに届いたログの内容だ、この後、隊員達からの通信が途絶。また、ログの幼い声だが解析の結果、居なくなった少女の物と酷似しているという事が判明している……んだけどな」
 そう言ってユウキは少し言葉に詰まる。
「実際、この音声がこちらに届いた時には、まだ少女……石川・椿(イシカワ・ツバキ)は組織の保護施設に居たんだ。少女の喪失は隊員達が消えた日の夜。よって、この声の主が少女の可能性は低い……だが、ログで声の主を認めた隊員がおそらく"つばきちゃん"と呼んでいるのもまた事実……はっきりいって訳がわからん」
 そう言いながら、ユウキはプロジェクターに少女の写真を映した。
 小さく儚げな笑顔のかわいらしい少女だ。
「この子が例の少女だが、隊員達の消失に関わっている可能性もゼロじゃない。注意してくれ」
 そして、ユウキはゲートを開き始めた。
「地下は足元が水浸しらしく、電気がショートしている可能性がある。ま、だからライトを支給するわけだな。また、喪失した少女、石川・椿に関してはもし発見してもむやみに保護しようとするな。作戦の概要は以上だ。行ってこい、猟兵」





第3章 集団戦 『雑踏』

POW ●雑踏
【四方八方から行き交う雑踏の踏み付け】が命中した対象に対し、高威力高命中の【無限に続く雑踏の踏み付け】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD ●行進
【物理法則を無視した隊列行進】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ ●環境統一
防具を0.05秒で着替える事ができる。また、着用中の防具の初期技能を「100レベル」で使用できる。
👑11

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 足だ。
 いくつもの"足だけ"が、宙に浮かんで硬質な足音を立てて近付いてくる。
 男の足。
 女の足。
 ブーツを履いた足。
 スニーカーを履いた足。
 ヒールを履いた足。
 本来その上にあるはずの股も、上半身もない。
 そして空間全体に、少女の甲高い笑い声が響き渡った。
「みなさんダンスはいかが? でも下手な人は踏まれちゃうかもね? キャハハハッ!!」
 声は少女のそれだ。
 だが、少女というにはあまりにも悪意に満ちた笑い声。
「どうせ忙しそうに歩いてばっかで暇なんでしょう? だったら足だけでいいじゃない? ぐちゃぐちゃにしてそいつのお仲間にしてあげるよ!!」