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希望から続く道~命の糧を得るために(作者 三ノ木咲紀
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● アポカリプスヘル ロージスシティにて
 アポカリプスヘルの一角に、規模の大きな拠点があった。
 かつて物流倉庫だった場所に構えられた拠点の周囲はかつてオブリビオン・ストーム多発地帯と呼ばれていたが、今ではそれも消えて他所との交流が始まっていた。
 拠点の人口を支えるには倉庫からの物資だけでは足りず、この街の周囲では以前から農業が行われていた。
 この農地を大きくしよう。少しでも収穫を増やせば備蓄ができる。他所の街での物々交換にも使える。
 荒れ地にトラクターを走らせては大きな石を取り除いていた農夫達は、拠点の方から近づいてくる少女に慌ててトラクターから降りた。
「こ、こりゃあ天使様!」
「こんな町外れにお出ましなんて、いけねぇよ!」
「こんにちは。メルにもお手伝い、させてもらっても、いいかな……?」
 天使と呼ばれた少女ーーメルは、農夫達の返事を待たずに転がっていた岩を拾い上げた。華奢で小柄なメルは一抱えほどの岩を持ち上げようとするが、すぐにふらついて尻もちをついてしまう。
 その場に平伏した農夫達は、慌ててメルを助け起こすと困ったようにため息をついた。
「ああ、大丈夫だからもうお帰りくだせぇ!」
「貴女様はこの街をオブリビオンからお守りくださる大切な天使様なんだから!」
「天使様は来たるべき時に、お力をお使いくだせぇ。それが街の人間の望みでさぁ」
 へつらうような媚びるような、縋るような目の光に、メルは足元に転がる石の数を数える。いつもそうだ。みんなそうだ。メルを「天使」と呼ぶばかりで、メル自身を見てくれない。
「メルにそんな力、無いよ」
「いやいやいやいや」
「天使様は、天使様だ」
「今まで通りどうか、お守りくださいませ!」
 再びひれ伏し拝む農夫達を、メルは悲しそうに見下ろす。何か言おうと口を開いた時、遠くに現れた黒い姿に目を見開いた。

 オブリビオンだ。ついに来たのだ。

 宙に浮いた黒い人影は足元の岩砂漠を汚泥に変えながら、ゆっくりと近づいてくる。荒れた闇を纏い、目だけが異様に輝いている少女と目が合ったメルは、唇を噛むと一歩下がった。
「あの子も……フラスコチャイルドだ……」
「ひ、ひえぇぇ! オブリビオンだ!」
「お助けください天使様!」
 縋り付く農夫たちに、メルは一歩も動けない。周囲にゾンビバルーンを漂わせた黒い少女は、メル達の姿に口角を上げた。

● グリモアベースにて
「仕事だよアンタ達」
 集まった猟兵に語り掛けたパラス・アテナ(都市防衛の死神・f10709)は、アポカリプスヘルの地図を広げると一つの拠点を指差した。
「アンタ達が守ってくれた拠点の一つに、ロージスシティって場所がある。ここは以前から壁の外側で農業をしていたようだが、街の外に吹き荒れていたオブリビオン・ストーム多発地帯が無くなったのを機に農地を広げようとしている。ここにオブリビオンの襲撃が予知されたんだ。これを退けておくれ」
 現れるのは、『『フラスコより溢れし災厄』実験体参拾五式』と呼ばれるオブリビオン。試作型万能細胞で世界を浄化するために生み出されたが、失敗。自らの体内に取り込んだ汚染物質で世界を汚泥に沈める存在になってしまったのだ。
 汚泥のガスを取り込んだゾンビバルーンが周囲を漂っていて、まずはこれを倒す必要がある。
「残念だが、これ以上の情報は無いよ。何か目的があるのか、それとも通りすがっただけなのか。何にせよ、ここで倒さなけりゃ拠点が一つ腐海に沈む」
 オブリビオンの進行方向に、「天使」と呼ばれる少女と農夫たちがいる。彼らの避難も必要だろう。
「あの滅びに瀕した世界でも生きようとする連中の歩みを、こんなところで止めさせるわけにはいかないからね。アンタ達の働きに期待してるよ」
 頷く猟兵達を見渡したパラスは、グリモアを発動させた。





第3章 日常 『アポカリプスで農業を』

POW力仕事を担当する
SPD丁寧な仕事を心掛ける
WIZ技術指導などを行う
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 汚泥と腐海のほとりで
 脅威は去った。
 オブリビオンが退けられ、拠点が腐海に沈むのは回避されたが、その代償は大きかった。
 見渡す限りの荒野は汚泥に沈み、ところどころは腐海に変わり瘴気を放っている。
 このままではこの先何十年も、農作物はおろか通行さえできない死の土地と成り果ててしまう。また瘴気はオブリビオンを呼び寄せてしまいかねない。
「あぁ、農地が……」
「おや、あそこはどうして泥じゃないんだ?」
 呆然と膝をつく農夫たちは、戦闘で浄化した土地を指差すとその一帯へと近づいた。
 焼き払われ、また浄化された土地は汚泥が払われ、元の土地が見えてきている。
 汚泥や腐海には太刀打ちできない農夫たちも、ここまで回復したら自力で何とか戻せそうだ。
 農夫たちから話を聞いたメルは、猟兵達に向き合った。
「あのね。この土地を浄化するお手伝いを、おねがいしてもいい? この土地をこのままにはしておけないの。おねがいします」
 頭を下げたメルに、猟兵達は頷く。
 汚泥に沈んだ土地を見渡した猟兵達は、それぞれの手段で土地を浄化していった。


 第三章は、汚泥に沈んだ土地の浄化をお願いします。
 破魔などの技能やユーベルコードの他にも、高温で焼き払うのも有効です。
 また、農地はここだけではありません。無事だった農地では普通に農業指導の需要もありますので、そちらを手伝っていただいても構いません。
 また他に何かやりたいことがありましたら、自由にプレイングをおかけ下さい。
 公序良俗に反するプレイングはマスタリングされます。
 お声掛けがありましたら、パラスやメルが登場します。無ければ登場しません。

 オープニングの補足で記入させていただいた「もし「こうなんじゃないかな?」的なこと」ですが、プレイングでは難しいと思いましたのでスレッドを立てさせていただきました。
 もし何かありましたら、こちらにお寄せ下さい。
 採用のお約束はできませんが、参考にさせていただきます。

【事後行動スレ】シナリオの続きを推理するスレ
https://tw6.jp/club/thread?thread_id=47716&mode=last50

 プレイングは7月9日(木)朝8:31以降お寄せ下さい。
 この章のみの参加も歓迎します。システム的に閉まるまでは受付させていただく予定です。