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たとえぱ、そんなありきたりなものがたり

#UDCアース

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#UDCアース


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「ひぃ、ふぅ、みぃ……あー、めんどくせぇ。全員居るな? 話はじめっぞ。」
 集まった猟兵の不思議そうな表情をスルーしつつ話し出したのは青景・黒影(くるりくらり・f00707)……の、はずだが。
「世界はUDCアース。場所はー、んーと……、シズオカ、だな。UDCアースの中では有名な山に隣接したトコだ。
 まー、その山ってのが昔から割りといろんな信仰を集めてた訳なんだが。山岳信仰っつーやつな。その信仰者の一部が邪神を召喚しようとしてるらしい。」
 そこまで言えばあとはわかるだろう? と投げやりに説明を切り上げようとする彼に『もっと詳しい情報をくれ』と言えば一瞬嫌そうな顔をして、猟兵に向き直り、真面目に話はじめた。
「どの世界にも少数ながらあるもの。それが『山岳信仰』だ。山を神聖な場所と位置付け、敬い、祈りを捧げる。」
 どの世界にも存在するもの。だからこそ、邪なモノに信仰心を重ねる者もいるのだろう。
 UDCアースと呼ばれるその世界は、人と人の繋がりが極端に少ない。誰もがみな、自分以外の他人に興味を抱かない。
 突然となりに住む住人が邪神を召喚しようとしても、『自分には関係ない』ので、見逃されているのだ。
「で、だ。そんな山岳信仰を行ってる、ある団体が何者かにそそのかされるがままに邪神を呼び出そうとしている。それをどうにかしてきてほしい、ってのが今回の仕事だ。」
 成る程。ならばいつも通り当事者らに接触して、それとなく情報を集めていこうか。
「あぁ、今回の仕事は『子供から情報を聞き出す必要がある』」
 なぜ?誰かが首をかしげると男は続ける。
「邪神を召喚しようとしているものたちは殆どが子供のいる親たちの集まりだ。ならば大人に尋ねるよりも子供に聞いた方が情報収集しやすいだろう?」
 なるほど、道理だ。
「大人の行動に子供ってのは敏感なものだ。つー訳でまずは子供。子供をさがせ。」
 情報を集めていくうちにきっと、新たにわかることもあるだろう。
 説明を聞き終え、各々世界を渡る準備を始めた猟兵らに彼はこう言葉を投げ掛けて送り出した。
「青いのが評価するあんたらの力を見せてほしい、死なない程度に頑張れよ。猟兵(キボウ)たち。」


樹志岐
 ごきげんよう。マスターの樹志岐でございます。
 多重人格者って一人でいろんな話し方ができるから楽しいですよね。
 それはさておき、今回は子供の親たちの多く集まるとある宗教団体が邪神を召喚しようとしているらしいので、それを阻止する依頼です。
 
 それでは、よろしくお願いいたします!

 ※青景くんが今回いなかった理由はシナリオ内でわかるかもしれません。
  現段階ではお腹がいたかったと思っといてください。
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第1章 冒険 『ゴーストタウンに潜む影』

POW   :    少しでも怪しいと思った家に片っ端から侵入して探す

SPD   :    地域中歩き回って、予知などの情報に合致する家に目星をつける

WIZ   :    ここまでの情報から推理したり、周辺施設の人などに話を聞く

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵らが降り立ったのは四方を林に囲まれた小さな田舎町だった。
 1学年1クラスの小学校。中学は周辺の小学校が三校集まってひとつの学校に通っているらしい。県道が町の中心部から外れの方まで延び、それが隣町まで続いている。
 小さいながら商店も、医院もある。けして過疎化している訳ではない、はずなのだが……、
 大人の姿はおろか、情報を得ようにも子供の姿も見当たらないのは妙だろう。
 まるでゴーストタウン。これは探すのも一苦労かもしれない。
 
 町のどこからもその姿を望める、信仰の象徴たる山は何を見ているのか?
苧環・つづら
この世界この国生まれだとあの霊峰には大小特別な想いを抱くものよね。
……歪められるのは良い気がしないわ。

この町では多いとは言えない子供、の親が多数を占める団体……
きっと、我が子の健康や幸せを切に祈らない親なんて居ない。
では逆に、年齢も様々な筈の子供の親が集まりうるのは……
……学習塾?病院?……何か違う気が……あ、氏子?

そうね、町を囲む林の中にお社の類が無いか探してみよう。
親と来慣れてるなら子供も周りに居るかも……

もし子供達がいたらあのお山の事を聞いてみようか。
どんな時が綺麗に見える?とか、お山は好き?とか、挨拶したりする?とか。
――それはみんなのお父さんお母さん達も一緒なのかな?とか。



 苧環・つづら(残響にて紡ぐ円環・f06155)にとってUDCアースの人々が、その山を深く信仰する理由はなんとなく理解できる。
 それ故に、いい気はしないのだと。特別な想いを抱く人々の、その純粋な願いが歪められるのは許せないと彼……あるいは、彼女は語った。
 きっと子供の健康や幸せを祈る親たちの願いが歪められてしまった結果なのだ、これは。
 さて、年齢も性別も違う子供達が集まる場所と言えば?
「学習塾? 病院? はたまた学校?」
 指折り数えながら色々と候補をあげてみるが、どれも微妙に違う気がする。
 大きくも小さすぎでもない田舎町。そこで誰もがそこを知っていて、集まる場所といえば……
「……神社。」
 この周辺地域を古くから守る氏子と、神社ならなにかわかるかもしれない。

 
 周囲を木で囲まれた厳かな空間。楽しげに笑う子供たちの声が聞こえるそこは、昔も今も変わらず、人々の暮らしに寄り添って存在してきたのだろう。
「ちょっとごめんなさい? 聞きたいことがあるのだけど。」
 突然声をかけられた女の子は不思議そうに首を傾げた。
 例えどんな姿の者でも、猟兵ならば現地の住人には普通に見える。多重人格者で性別不詳の彼も、子供からはきっと普通のお姉さんに見えるのかもしれない。
「あなた、あの、お山のことはご存じ?」
「うん、しってるよ。ふしのやま。」
 ふしのやま……不死の山というのがそれの呼び名らしい。山のことを聞くと少女はあどけない笑顔で色々話してくれた。
「みんなはゆきをかぶった、ふゆのおやまがすきだっていうんだけど わたしはなつのおやまがすきなの。よるにはやまをのぼるひとのための、あかりがキラキラしてきれいなの。」
「へぇ、そうなの。あなたはあのお山が大好きなのね。」
「うん!」
「じゃあそれは、お父さんやお母さんも同じなのかしら?」
 つづらが問いかけると少女の顔が曇った。
「わからない。パパもママも、おやまのはなしをしたがらないの。よるにどこかにでかけちゃうし。」
「そう……。パパとママがどこに出掛けていくかはわかる?」
「わかるよ!こうみんかん!」
 公民館。次の行き先は決まったようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

佐久間・嶺滋
うーむ、田舎だとよくあることだがこうもまぁ、捕まりにくいとな。
予め子供の登下校時間や帰りに寄りそうな施設辺りに辺りをつけながら【情報収集】をしていくことから始めようか。

【影の追跡者の召喚】に関しては有効そうな場合のみ。
たぶん現段階では情報もへったくれも無さそうなので子供が居そうな場所を【情報収集】するというのを念頭に。

巧く子供が見つかった場合、最近大人たちに変わったことは無いだろうか、とざっくりと聞いていくことから始める。【コミュ力】とか使って。
子供の他愛ない話って数漁ると意外とヒットしそうだから侮れないよな。



 困ったような顔で頬を掻いているのは佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)だ。
 田舎出身の彼は、そこで暮らす人たちの行動心理を少しは理解している。平日の昼下がりならばどこかの家で隠居らが数人集まって他愛ない話に花を咲かせている……はずだが、それもない。
「仕方ない、子供たちが立ち寄りそうな場所を当たってみるか。」
 とはいえ学校の近くでは教員らから不審な目で見られそうだ。通報なんてされてはたまったものではない。
 ならばどこがいいか?田舎の子供が集まりそうな場所といえば。

 ベンチと水飲み場があるだけの公園というよりも空き地と称した方が良さげな場所も、子供たちにかかれば最高の遊び場となる。
 所々剥げた芝生は子供たちが自転車を乗り回したせいだろうか。生命力が強い芝生でも、その復活は望みが薄そうだ。
 そんな公園に数人の子供たちが集まって遊んでいた。かすかに聞こえるそれから察するに、忍者ごっこをしているらしい。
「なあ、聞きたいことがあるんだが」
 子供たちの視線が嶺滋を射抜く。『なんだこいつ』。
「もしかして敵か……!」
 は?
「てきしゅー! てきしゅー! かかれー!!!」
 ワッと子供たちが沸き上がり群がる。相手をしないと話を聞けなそうだ。

「で、話って何だよあにきー!」
 一通り遊んだ後。嶺滋は子供たちに『兄貴』と呼ばれ、なつかれていた。
「あぁ、最近大人の人たちに変わったことはなかったか?」
「変わったこと?」
 何かあったか? さぁ?
 子供たちが互いに顔を見合わせる。
「……ぼく、しってる。」
 おとなしそうな少年が、おずおずと手をあげた。
「……夜に大人たちが公民館に集まってるんだ。『会合』だって言ってるけど、神様を憑依させようとしてるんだって。何年かまえに、同じことをやったけど、うまくいかなかったからリベンジしてるんだよ。」
 邪神を憑依させる儀式の再挑戦。それが公民館で行われている。
 一度目がどうなったのか、わからないが今回もその目論見は阻止しなくては。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥星・流矢
シズオカ…神社と動物パークと山は巡って、お土産はパイに茶葉に…
え?観光よりも任務が優先?そんなー。
しょうがない、さっさと召喚を阻止しますか。

観光は好きだからな、町を巡って地理関係を把握するか。
変なものとか珍しいものを見かけたら、一緒に記録しておこう。
「現地民も気付かない名所ってのも、意外とあるんだよなー」

怪しい家を見かけたら、周りをぐるっと一周して、なにか気になる点が無いか見てみるか。
ある程度情報をメモったら、他の猟兵に情報連携だな。

もし散策中に子供を見かけたら、ダッシュで捕まえて、情報連携時に一緒に引き渡すか。
え?児童誘拐だって?…あー…(特に考えてなかった)



 琥星・流矢(世界旅人・f10204)は旅人だ。旅行や観光何てものは彼にとって生き甲斐のようなものだ。
 UDCアースのシズオカと言えば? 神社にサファリ園。山に海も。お土産ならばお茶にパイにミカンもおいしい。今からわくわくがとまらない。
 さぁ、楽しい楽しい観光の前にちょっと大変なお仕事をしなくては。

 彼の調査は足が全てだ。穴場の観光スポットを探すように、怪しい場所を探す。
 霜柱のたった地面を踏みしめればサクサクと小さい音を立てて割れる。
 四季という概念のあるこの世界は美しい。世界によって美しいと感じる場所は変わるが、サムライエンパイアやUDCアースの美しいところはやはり四季だろう。
 こんなに寒いときはこたつにみかんなんていいかもしれない。鍋を囲むのもいい。
「まぁ囲む相手はいないんだけどね。」
 苦笑いをしながら一人ごちればいつのまにか足は小さな社の前で止まっていた。
 黒塗りに赤い屋根の比較的新しめの社には鍵がかけられ、それの上には札が貼り付けられている。
 筆でかかれたそれの文字をそっとなぞる。文字はわからないが、なんとなく『影』という文字は見てとれた。
 この場所と周囲の情報を事細かにメモを取り、彼はその場をあとにしたのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

御狐・稲見之守
ほほん、山岳信仰とな。山とは古来より“あちら”側の世界とされるものであるしな。ワシの世界にも山伏やら天狗やらがおるわ…しかしまあ、それがこんな有様では役小角が草葉の陰で泣いておるのではないかの。

【WIZ】童達に話を聞け、されど老いも若きも姿なしと。まあ連中が山岳信仰のていなれば怪しきは神社などの霊場か、寂れて人気のない場所か。或いは何処かに集められているなら学校……止む無し、UC式神符。ちょいと骨は折れるが【全力魔法】で手持ちの式神符全部を総動員じゃ。追跡する対象は「人がいる痕跡」とす。

さてまあ、何故に童達に話を聞かねばならぬのか。うーむ、やはり贄にされてしまうんかの……。



 御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)はカミサマである。
 神と言ってもいわゆるご神木やお地蔵様といった類いのものだが、そちら側に近い物だ。山がそちら側だと言うことを誰よりも知っている。
「しかしまあ、それがこんな有様では役小角(えん の おづの)が草葉の陰で泣いておるのではないかの。」
 手元でヒラヒラと式神符を弄びながら思案する。
 子供に話を聞け、と言われたわりには肝心の子供の姿が見えない。それどころか大人や老人の姿も見かけないとは、何かあったのだろうか。
「告げる。我が命を分けし式神よ。この地に残る人の痕跡を探せ。」
 ありったけの符をばら蒔けば、小さな式神たちが御狐稲見之守の霊力を受けて具現化し、四方へ飛んでいく。
「小さきことは便利哉。」
 式神たちに任せるだけでは心もとないので、自分も周辺を探索してみるとしよう。

 とある平屋の一軒家、姉妹らしき少女達が歌を紡ぐ。
 聞き馴染みのないそれはこの土地の民謡だろうか。少女はその歌に込められた意味をきっと知らないのだろう。
『我らを抱く気高き山の その麓に暮らし務めを果たす
 信仰には恩情を、異端には報いを
 我らが信ず祈りの神に 空を使えば成り果てる』
 母親らしき声が、少女達を呼ぶ。
「そろそろ出掛けるわよー!」
「はぁい! いこう、なっちゃん」
「うん、おねえちゃん。」
 その声は明るく、どこか寂しく、空に響いていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

結城・蓮
山岳信仰、神様、憑依、不死の山、子供、影……空を使う?
やれやれ、よくわからないね。
とにかく、これだけ子供がいるんだ、この子達に害が出ないようにしなきゃね。

夜の公民館。
話は出ているんだ、調べない訳にはいかないよね。
近くで聞き耳を立てよう。夜だし外から影は出来ないはずだけど、なるべく目立たないように気をつけて隠れながら。
気付かれそうになったら《幻影の姫君》で透明化してやり過ごすよ。

さあて、鬼が出るか蛇が出るか。
ま、待ち受けるのはオブリビオンだし、この話だけで全容が分かるわけでもない。
次の展開を待とうじゃないか。



 結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)は今までに上がった気になる単語を並べてみたものの、やっぱりわからないと首を捻った。
 情報がまだ足りない。子供を守るためにも、今ある情報のなかで更に情報を得られそうな場所と言えば……。

『夜の公民館』
 建物の裏手に隠れて様子を窺えば集まる大人と、それについて歩く子供の組み合わせが多数見受けられる。
 彼らの会話は『寒いねぇ』『宿題やった?』等ごくごく普通のやりとりで、何か含みがあるようには聞こえなかった。
 もしかしたら、公民館の中に何かがあるのかもしれない。自身に透明化のユーベルコードをかけて、最後に中に入っていった親子に紛れて忍び込む。
「ねーねー、今日もお祈りなの?」
「そうよ、しっかり気持ちを込めてお祈りしないと強い子になれないわよ」
「えー! やだー!」
 この親子もやはり、仲の良い普通の親子に見える。
「あぁ、山本さんで今日は最後ですね。寒い中来ていただきましたし、早くはじめてしまいましょうか」
 最後に入ってきた山本親子にそう声をかけたのは、日本人にしては目立つ金髪の女性。
「(彼女が教祖、あるいはこの集まりを取り仕切っている人物かな。この人は子供をつれているようには見えないけど。)」
 女性の容姿をまじまじと見つめていると、女性がこちらに向けて笑った。
 明らかに『視線が合った』。心臓が高鳴る。
「……今日は、姿を見せない招かれざるお客様にお帰りいただくことからはじめましょうか」
 親子の大半は『訳がわからない』といった顔だが、それを気にもとめず、女性は扉を開ける。
「さぁ、オキャクサマ。お帰りくださいませ」
 女性が蓮に向けてそう投げ掛ければ、
「お帰りくださいませ」
「おカエりくださいませ」
「オカエリクダサイマセ」
 まるでエコーのように集まっていた親子が繰り返す。
 その気に圧倒され、外に出た蓮の耳に、あとから聞こえてきたのは楽しげな談笑だけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変大歓迎】

やれやれ。シズオカ、不死の山ねぇ……
UDCアース出身としては、あの山を好き勝手されたくないもんだよ。
そして夜の公民館。ヤバい予感しかしないよ。

アタシは潜入できるようなこなれた手なんてないからね。
公民館の駐車場にさりげなくカブを停めて、
そこから【超感覚探知】のテレパスを飛ばす。
あくまでもさりげなくを心がけて、
住人の思考を順々に触っていくよ。
おそらくその中に儀式の中心人物がいるはず。

もしも逆探知されたら、その時はその時さ。
即座にバイクを始動して、とんずらこくよ!



 再び、夜の公民館。
 駐車場に愛車のカブを停めて溜め息をひとつ吐けば、白い息は闇夜に消えていった。
 彼女もまたUDCアースの出身だ。山の存在は知っていたし、それをよくない目的のために使われることは許せない。
 温くなった缶コーヒーの中身を呷ってから公民館の中、集会が行われている部屋に意識を集中させる。
 集会の参加者の意識に自身の意識を同調させて情報を集めようとしているのだ。

 一人目。一年生の子供を持つ母親。
 ーーこの子がずっと元気でいられますように。いつまでも笑顔でいてくれますように。
   いつか誰かを愛せますように。

 二人目。小学三年生の女子。
 ーー白くてふわふわなカミサマに、また会えたらいいなぁ。 

 三人目。六年生の孫を預かる男性。
 ーー婿殿の病気が快復にむかうように。孫と婿殿がまた共に暮らせるように。頼みます、ゲンエイ様。

 四人目。????
 ーーお外から私たちをみている、あなたはだぁれ?

「……!?」
 嫌な汗が頬を伝うのを感じた。
 気付かれた? いや、そうではない。しかしこちらの一方的な接触にかかわらず、確かに何者かに『語りかけられた』
 いったい何に? どうやって? その答えを猟兵達はすぐに知ることとなる

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『マガツアリス』

POW   :    古き神々の意志
【邪神「第零の蟻」】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
SPD   :    呪われし鉤爪
【異様に膨れた両腕の鉤爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    軍隊蟻の行進
いま戦っている対象に有効な【悍ましき妖虫】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「そう、あなたたちですのね。わたしたちを探っていたのは」
 現れたのは少女のような顔と、昆虫のような体を持ったオブリビオン。彼女は自身を『マガツアリス』と名乗った。
「ええ、あなた方のことはしっていますとも。われらの同士が幾度となく倒され、あの暗い昏い海へと還されていくのを、何度も見ましたので」
 同じ顔、同じ姿のオブリビオンが続ける。
「けれど、わたしたちが何をしたと言うのですか。わたしたちは救いを求める声に応え、手を貸したただけ。その結果がどうなろうと、それは人間の自業自得でしょう?」
 それを罪だと言うのならば。マガツアリスは異形の手を猟兵らへと向けた。
「わたしたちをすべて倒しなさい、猟兵。全てはそこからはじまるのですから」
 そしてそれが成されたのなら、謎を全て教えて差し上げましょう。
佐久間・嶺滋
自業自得と言うか。だが『それ』を唆した人間がいる以上は彼らも犠牲者だ。
どのような形であれ、人間が『願い』を持たずに生きるのは不可能に近い。
………無駄話が過ぎたな。還ってくれ。


【サイキックブラスト】に【目潰し】【マヒ攻撃】【呪詛】を付与。
電光で目眩ましをかけつつ呪詛を込めた電流で動きを封じよう。
なるべく【忍び足】で音を消して、隙を見せた個体から【暗殺】。
外しても【恐怖を与える】ことで敵陣を混乱させる。

乱戦が想定されるだろうので【第六感】で危険を察知した場合は
【残像】で回避をするか近くの【敵を盾にする】。


知っているならば話は早い。お前達にも還る時が来たというだけだ。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

ちっ、読み違えた…!
群体ならそりゃこちらもお見通しってわけかよ!
公民館の中の個体もなんとかしたいけど、
まずは周りの奴らを片付けないと!
即座にカブを戦闘モードのギアまで上げて急発進!
【ゴッドスピードライド】を発動させて
駐車場の周りのマガツアリスを倒しに移る!
サイキックブラストは相手に当てるんじゃなく
周りを照らすために放射し続けるよ!
なんせ奴らの鉤爪には注意しときたいからね!

本当はあの爺さんの言う「ゲンエイ様」に会いたいところだけど、
ままならないねぇ…!



「ちっ、読み違えた…!」
「落ち着け。多少のトラブルは付き物だろう?」
 軍隊蟻の如く湧き出るマガツアリス達に舌を打つ多喜を、嶺滋は冷静に宥める。
 勿論トラブルは少なく、理想は全くないのが望ましいが致しかたあるまい。
「お前の行く末を既に知っているならば話は早い。お前達にも還る時が来たというだけだ」
 彼女らは親子達の行いとそのいく末を『自業自得』と言った。だが『それ』を唆した者がいる以上は彼らも犠牲者だ。
 人が『願い』を持たずに生きるのは不可能に近いことを彼は知っている。それがどのような形であれ、だ。
 ふわりと蒼い影が、炎が、『死』が嶺滋を包み込む。まずは奴らの動きを封じることから始めようか。
 両手にエネルギーを集め、それを放つ。ただし攻撃としてではなく目眩ましの為に、だ。
「くっ、何を……、だが!」
 目元より夜闇に生きるモノ、光の中は息辛い。呼吸が出来ぬほどの光を受けてなお、放つ妖虫は大挙として押し寄せる。
 それらは嶺滋の頬を掠めていくが、そのひとつひとつを冷静に燃やし、雷撃にて撃ち落とし、獲物を振るい潰してく。
「……へーぇ、なかなかやるじゃん?」
 多喜は口笛をひとつ、称賛の言葉を向ける。
 さぁ、自分も動きだそう。何せ聞きたいことは山ほどある。
「あの爺さんの言う「ゲンエイ様」に会いたいところだけど、ままならないねぇ…!」
 サイキックナックルを手に嵌め、握って開いてを繰り返し感触を確かめる。カブのエンジンをふかして飛び乗り、突っ込んでいけば愛車は戦闘モードへと変形していく。
 彼女もサイキックブラストの心得をもっている。周囲を明るく照らし、鉤爪による攻撃を回避しやすくする狙いだ。
「ふ……、明るい程度でわたしたちの攻撃をかわせるとおもっているのかしら」
 笑わせないで。アリス達の笑い声が増えて、反響して、不協和音を奏でる。
 しかしその状況においても多喜は余裕な顔を崩さなかった。
「あんた知らないだろ? あたしのカブの底力、みせてやるから」
 彼女の愛車はカブの姿をしているがその正体は宇宙バイクてある。彼女のユーベルコードと合わせることで、その真価を発揮する。
 今の彼女は戦場を誰よりもはやく駆け抜ける流星だ。そしてそれから繰り出される拳は隕石のごとき重たい一撃で敵を次々沈黙させていく。
「あぁ……、わたしたちが、同胞達が還っていく……」
「心配するな、お前も直ぐに送ってやるさ」
 嘆くようにこぼすアリスに気配を消して忍び寄っていた嶺滋が影の武具……、『千変万化の葬影』を振るう。
「あぁ、わたしも還る。あの暗くて冷たい海へ……。ひとついいことをおしえてあげましょう」
 ーーゲンエイ様なんて存在しない。あれらは信仰のナレノハテ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

苧環・つづら
救いに応え、力ある手を伸べる、確かに聴こえは良いわ。
でもね。
……貴女達も含め、オブリビオンは『全ては世界の滅びの為に』……でしょう?
それを、嫌という程、知ってるアタシには、受け入れられない。
……気が変わった、アタシが戦る。待ってて迦河稚ちゃん。

マヒ攻撃・破魔・鎧無視攻撃・衝撃波・フェイント、
出来る嫌がらせありったけ載せた鎮魂歌召喚。
貴女達の大嫌いな骸の海に引き摺り込んであげる。
向こうのちょっかいは見切り残像での回避を優先、
例え間合いに踏み込まれてもカウンターとだまし討ちでさようなら。

――夏も冬も変わらず此処に座す遥か古からの拠り所を、不二の霊峰を穢すな。
ああ、ゲンエイ……ゲン影、かしら、ね。



 救いに応え、力ある手を伸べる。なるほど、確かに聴こえは良いのかもしれないとつづらは思った。
「でもそれはすべて世界の滅亡のため、でしょう?」
 マガツアリスはそれに答えず、ただ薄い笑み浮かべてこちらをみている。肯定をしていないが否定もしていないその態度はおそらく『肯定』なのだろう。
 どちらにしても、だ。
「夏も冬も変わらず此処に座す遥か古からの拠り所を、不二の霊峰を穢すな」
 憤りの色を帯びた視線でアリスを睨むように射抜けば、彼女たちはわからないといった表情で首をかしげる。
「たかが山。たかが地形。それを慈しむなんて可笑しなモノたち」
「好きに言ってなさい。……アタシが戦る。待ってて迦河稚ちゃん」
 普段の戦闘時には迦河稚と呼ぶ淑女に人格交代をするのだが今回は譲らない、いや、『譲れない』
 確固たる意思を見せるつづらの前に迦河稚は意思表示をしてこない。
 呆れられたのか、言い出したら聞かないと諦めているのか。どちらにしても、今回は譲ってくれるらしい。
「さぁ、来なさいアリんこ。アタシができる最大の嫌がらせをこれでもかってしてやるわ!」
 分かりやすい挑発。しかし知能が比較的低い個体たちには挑発は有効だった。
 複数のアリスが召喚する妖虫の群れを、麻痺や早破魔などの効果を付与させた鎮魂花……、在りし日の幻。
 既に世界からは失くなってしまった花(それ)で一掃し、撃ち漏らしたものはカウンター攻撃で確実に潰す。
「アタシは優しくないの。でもこれくらいはしてあげるわ」
 絶滅してしまった花。その花びらは彼女たちを骸の海へと還す為の船であり、弔い花。ゆめうつつ。幻に抱かれ、何体かのアリス達が送られていった。
「幻、ゲンエイ。……あぁ、幻影、かしら」
 風に拐われて空へと舞い上がった花びらにのせられ消えていくオブリビオンが最期に笑う。
 それが、正解だと言うように。そんな気がした。

成功 🔵​🔵​🔴​

穂積・直哉
(アドリブ改変OK)

…人は勝手に話を創って、膨らませて、信じて、縋る
明るい未来の為ならどんな話でも
『幻影』『存在しない』『信仰のナレノハテ』…
ゲンエイ様も人が創ったモノなのか?

…(殺気・恫喝)を使う
人を利用して、弄んどいて、その態度か?
救いに応えた?手を貸した?ふざけんな
そんなの滅亡を招く為の建前だ

お前らは過去
お前らは厄災
とっととおウチ<骸の海>に帰って眠りなよ

(見切り・スライディング・第六感)で攻撃を回避
【スカイステッパー】や(空中戦)も駆使し空中も戦場として利用して
【S・OD】と(範囲攻撃・早業・2回攻撃・スナイパー・フェイント)で纏め撃つ
近づいて来る奴は(カウンター・だまし討ち)で反撃だ



 穂積・直哉(人間のスカイダンサー・f06617)は顔をしかめていた。
 邪神の召喚。かつて自分が巻き込まれたそれ。自身が猟兵となったきっかけを与えた儀式。
『幻影』『存在しない』『信仰のナレノハテ』……、
 今回の事件はそれに似ているような気がして仕方なかったのだ。
「救いに応えた? 手を貸した? ふざけんな。そんなの滅亡を招く為の建前だ」
 普段とは違う、噛みつくような語り方にマガツアリス達はクスクスと嗤う。
「滅亡を招く為の建前。結構じゃない。わたしたちは最初にこう告げたわ。『この手をとるなら茨の道』と。
 それでも彼女たちはわたしたちの手をとった。貴方達の言葉で言うなら『自業自得』でしょう?」
 とんだ悪徳商法だと思った。
 どう言ったとて相手はオブリビオン。骸の海に棄てられた災厄な過去。ならば、
「とっとと骸の海(おうち)に還って眠りなよ」
 直哉の怒りと殺気を込めた言葉は彼らには効かなかった。いや、理解できなかったのかもしれない。
 何れにしてもアリス達は簡単には譲ってくれないらしい。両手を広げて呼び出すのはカブトムシに似た、白くて大きな悍ましい妖虫の群れ。
 数でねじ伏せようと言う魂胆なのだろうか、それならばこちらもそれにノろう。
 群がってくるそれらを回避する。ジャンプ力にはすこしばかり自信があった。
「さぁて、覚悟はいいか?『―全弾、喰らっとけ!』」
 そのまま地を這う妖虫と、アリスたちに向けて放った衝撃波は刀剣の形をしており、それらは全て敵を切り裂き或いは貫いて沈黙させた。
「おやすみ、せめていいユメを」
 最期に柄にもなく手向けの言葉を送る。

 さぁ、残るアリスはただ一体だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

モッチ・モチ
(アドリブ歓迎デス♪)

ラスト一体!となればお任せデスヨ♪

過去の存在であるオブリビオンをあるべき場所に返す、その一念で戦いマス!
ホルスターから投擲用食器ナイフを敵に向かって投げつつ接近

続いて、【ライスケーキフロムザラック】を使い、あらゆる選択肢の中から敵の攻撃を回避できる未来を予測し回避しマス

ふところに飛び込んでアッパー!

KOフィニッシュ、デス♪



「ラスト一体! となればお任せデスヨ♪」
 モッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)は元気よく拳を上げてぴょんと跳ねる。
「……あなた大丈夫? 来るべき時間を間違えていない?」
「うっ、それは否めないデスが……」
 アリスがどちらの事を指しているのか、少しだけ疑問だがそれはそれ。
 彼女を倒さねば、世界を救うことは叶わないのだ。ならばやらなくてはなるまい。
 地を蹴り駆け出す。ホルスターから煌めく銀食器を握り、駆ける。翔る。ただ早く、速く、銀食器のナイフを投擲する。
「あら。そんなもの簡単に落とせるわ」
 自分に迫り来る銀食器を妖虫の群れが食器を叩き落とし、あるいは食らいつき、それらを無効化していく。
 結果、アリスにはただの一本もそれが届くことはなかったが、それでも彼女には十分であった。
 いくつかの妖虫が彼女へ向けて襲いかかるが、それでも余裕の笑みを崩さない。
「ふふふン♪ そう簡単にいくと思わないことデスネ!」
 ユーベルコード、【rackからぼたライスケーキ(ライスケーキ・フロム・ザ・ラック)】を発動した彼女に敵はない。
 可能性という枝から有益な択を選び取り、まるで踊るように華麗なステップを踏みアリスの懐に踏み込む。
「華麗にアッパー! そしてフィニッシュデス!」
 顎に拳の一撃を受け、アリスは吹っ飛んでいく。
「ばかな、こんなのただの偶然じゃない……」
「運じゃないデス。実力デス♪」
 勝利のVサイン。斯くてオブリビオン達は沈黙した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ナレノハテ』

POW   :    悪イ子ニハオ仕置キ
【人形の指先 】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ママノ言ウコトヲ聞キナサイ
見えない【魔力糸 】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ   :    アノ子ノ待ツ夜ニ
【巨大な白銀の魔力弾 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【周辺の天候を猛吹雪にして】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠柊木・ましろです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あら、また会いましたわね」
 公民館より出てきた見目麗しい銀髪の女性は、猟兵の姿を見ると優雅に笑いかけてそんな声をかける。
 猟兵らのなかにはきっと彼女を見たことがあるだろう。この集まりの中心人物。後ろには旦那だろうか、うつむき加減で一人の男性が付いてきている。
「そうまで私たちの邪魔をしたいの?」
 あえて優雅に物腰柔らかく、女性は問いかける。
「でも残念。そうしようとするならばワタシはあなた達を排除しなければならないわ。
 無理だと思う? でもワタシたちにはそれだけの力があるわ」
 ゲンエイ様から賜った力。その力を行使して、ゲンエイ様を再び呼び出すのがワタシの使命。
「使命を果たすために、あなた達を排除するわ。覚悟なさい、“猟兵”?」
 自分達を猟兵だと認識している。つまり彼女達はオブリビオンだ。倒さねばならない。
 さぁ、武器をとれ猟兵。決戦の時だ。
穂積・直哉
(アドリブ改変・連携OK

さっきは柄も無く怒りすぎたなー、反省反省(てへぺろっ
…まぁそんくらい邪神には迷惑してるんでね

邪魔?
だってさ、猟兵とオブリビオンの関係って"それ"でしょ?
オレはこの世界の為に、依頼遂行の為に、お前を排除する
そーゆーもんでしょ?

そういや今日のこれからの天気は知ってる?
…晴れ時々、夕立だ
って事で(スナイパー・早業・二回攻撃、だまし討ちも?)と
【S・A】で敵の攻撃ごと纏め撃ってやる

撃ち切れなかった攻撃や反撃は
(第六感・見切り)で目に見えなくとも察知し回避

(見切れてなかった場合:
直哉の意思に反して【Phantom Pain】の発動OKです
痛いのとか気分悪くなるのは(耐性)で我慢



「いやぁ、さっきは柄にもなく怒り過ぎたかな」
 反省しなくてはという直哉だが、その態度や口ぶりはまるでその気がないように見られる。
 実際その気はないのだと相手には見破られているのだろう。女性は直哉を冷ややかな視線で、それでいて我が子の悪戯を見た母親のような慈愛を帯びた目で見つめている。
「癇癪を起こす子供のようね、可愛らしい。どう、あなた? ワタシたちと、ゲンエイ様の子供になってみる気は」
「あると思う?」
「ないわね」
 そうだろう。頭をがしがしと掻いてから相手を見据える。
「っていうか迷惑してるんだよね。昔も今も。あんたらの都合に振り回されるのはもう懲り懲りなんだよ」
 だから邪魔をする。互いの理想のために、互いの理想を阻む因子を排除する。
 ーーだって僕らの関係って、ソレがすべてだろう?
 女の唇が歪に笑む。『そのとおり』だと言うように。ならばもはや言葉は不要だ。
「あの子が、待っているの。早く帰らなくては心配て泣いてしまうかもしれないわ」
 女の指先に集まる巨大な魔力の渦が弾丸のような形を作り、直哉に向かう。
 冷気をまとったそれは、周囲を吹雪に変える。
「吹雪か。オレの天気予報だと今日はこれから夕立だったんだけどな」
 ほら、と空を指差すと『何事か』と女も空を見る。
 キラリと煌めく空気の刃は夏に突然降る雨のように怒涛の勢いをもって女を切り裂いていった。
 まさに『夕立』。急な雨に降られた女だが、それでもまだ『何事もない』と言ったように笑っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携歓迎】

黒幕の女性についてきている男性……?おかしいね。
妙な予感がする、まずは二人を引きはがす!
カブに乗ったまま、突進……するけど狙いは、
男性の方!ぶつかるんじゃなくてひったくる様に
女性から距離を取らせようとする!
すり抜けざまにサイキックブラストをばら撒いて、
近付けさせないようにするよ。
治療ができるような味方がいたら彼を任せて、
アタシはすぐに女性の方へ戦いに戻るよ!
さっきばら撒いたサイキックブラストは布石。
戦場で戦ってる味方を援護するように
【黄泉送る檻】を発動させるよ!
これで魔力糸もそうそう広げられないだろうさ!
夕立には雷が付き物だろ?
そのまま痺れてイキなっ!



「女が黒幕なのはわかったけど……」
 それに付き従うように寄り添う男はいったい何者だろうか。多喜は首をかしげた。
 わからない。わからない、が。
「(なんだか嫌な予感がする)」
 二人を近づけさせてはいけない気がする。カブのエンジンをふかし、そのまま女に向かって突っ込む。
「あら危ない。事故を起こしてはいけないでしょう?」
 女はいまいち危機感のない言葉でそれをたしなめながらも明確な敵意を持って、多喜に魔力の弾丸を放ち続ける。
 しかしそれは、日頃から培っている運転技術の前ではかわすに容易い。多喜の目標は無事故無違反、ゴールド免許だった。
 女のすぐそばをカブがすれ違うと女の髪がその風圧で靡き、それと同時に女はため息を漏らす。
「あぁ、まったく……子供が真似をしたらどうするのかしら。ねぇ、アナタ」
 『アナタ』と。女が本来声をかけたかった男は彼女の後ろにはおらず。その足元で『何か』が『爆ぜるような音』がした。
「残念だったね、あんたの相方はこっちさ! さぁ、夕立には雨が付き物だろう?」
 パチリ、パチリ。バチバチと。
 小さな音はやがて轟音となって周囲に轟き、女を電流の檻に閉じ込める。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよ、黄泉送る檻(サイキネティック・プリズン)!」
 それはサイキックブラストの応用。多喜が編み出した唯一無二のユーベルコード。
 痺れるような膨大なエネルギーは、女の身を焦がす。しばらくはこちらに手出しはできないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​


 あぁそうだ、男性の身は無事だろうか? 声をかけようと振り返るが、男は身動きのひとつも取らない。
 まるで糸の切れた操り人形のように。
佐久間・嶺滋
……はぁ、本気でそう思ってるのか。面倒な親も居たもんだな……。

魔力弾を【第六感】で察知し、
発射寸前に【サイキックブラスト】を打ち込み。
【目潰し】【マヒ攻撃】【呪詛】で相手の諸々を制限しつつ、
此方は【残像】を活かしながら避ける。
怯んだ隙に猛吹雪の地形には立たせないように此方の視界の開けた場所へ押し込むように攻撃。
暗殺の必要性は無いな。真正面から押し込もうか。

「信仰の自由というのはあるが、他人に迷惑を掛けるのは宜しくない」
「親ね。……俺の両親はとうに居ないがアンタみたいなのは丁重にお断りするよ」



「ぐ、ぅ、ああぁあぁぁぁぁぁ!!!!!」
 それは獣の咆哮のように聞こえたかもしれない。少なくともそれは先刻まで上品な妻を演じていた女の声とはかけ離れていた。
 そんな母の、親の、人間のナレノハテを見て、嶺滋は短く息を吐いた。
 自分と言うものを見失いかけ、ただただ無差別に攻撃を放つ女性を見て、もはや暗殺を狙う必要もないと冷静に対処していく。
 自分に親はもういない。どうにかなってしまいそうなほど想いを寄せていた愛すべき人も。
 自分のすべてを捧げてもいいとさえ思える相手がいる幸福を知っている。だが、
「あんたみたいなのは願い下げ、だな」
 それで身を滅ぼした者の責任までは取れないし、そういったものを救うのが猟兵の仕事だ。
「こっちだってお断りですわ……、あぁ忌々しい猟兵! 無様に死んでしまいなさい!」
 周囲の気を集め、形作られる大きな弾丸をその都度嶺滋はサイキックブラストて打ち消していく。
「あっ」
 次第に弾丸が作られる早さより放たれるサイキックブラストの早さが上回っていき、小さな声をあげる。
 電流の檻には劣るがそれでも常人ならば感電死しかねないそれを受け、女はがくりと膝をついた。
「どうして、どうしてこんな」
 その呟きはきっとだれにも聞こえない。

成功 🔵​🔵​🔴​

エコリアチ・ヤエ
遅ればせながら参戦だ。そのゲンエイ様とやらを呼ばせやしねぇ。
後ろに控えてる男、人間なのかどうか。だがどちらでもいい。邪魔なら人間だろうが攻撃に巻き込もうが気にしねぇ。
リザレクト・オブリビオンで死霊を召喚する。蛇竜に騎士をのせ敵へと向かわせる。敵の攻撃をどちらかがあえて引き受け、もう片方が敵を斬り伏せさせよう。
直接対峙になりそうな場合は死霊を引き上げて杖による呪詛をメインに戦う。

[アドリブなどなんでもOK]


苧環・つづら
……ゴメンね、迦河稚ちゃん。
今回は最後までアタシに行かせて。

……数年前にも試みて失敗したそうね、ゲンエイ様降ろし。
不二の山を語りたがらない大人、子供の守り神のように拝む大人。
ああ、空を使えば成り果てる……でしたっけ、子供の歌。
で、そこの自由意志空っぽの同伴者。

ねえ、そんなに大事な大事なアナタの子供は何故此処に居ないの?
――子供の親集めといて肝心の説得力が行方不明よ?

正直聞きたい事は山程あるけど応えてくれるかも分からない。
向こうが放つ魔力弾は氷槍陣召喚でカウンター相殺、余力で攻撃。
足りなきゃ衝撃波で撃ち上げればいいわ。
……子供をダシにして親を使って滅びを招くなら、アタシは決して許さない。


数宮・多喜
【改変歓迎・連携希望】

うっわぁ。まさかここまで見境なくなるとはね……
アンタは、幸せな過去に囚われ過ぎたのかい?
そうしてすがり過ぎると、大事な「今」も見失うだろうに。
……こんな風にな。

無差別の攻撃を【騎乗】【操縦】でかわしながら、
合間合間で【時縛る糸】を放つよ。
そうやって彼女の思考に隙間を開けて、
味方の猟兵が付け入る隙を広げようじゃないのさ。

……ああ、さっきの男性かい?
がっちりと背中に括り付けるよ。
少なくとも、この戦いが終わるまでは
アタシの後ろに据えといた方が収まり良さそうだからね。
本当は、介抱できる人が来てくれてればいいんだけどねぇ……!



 自身の背後に保護した男は糸が切れたように動かない。チラリとそちらに視線を向けると、同じく男へと視線を向ける猟兵が居た。
「アンタもこの男が気になる?」
 イタズラっぽく、皮肉っぽく笑いながら言葉をかけるとその大柄な猟兵、エコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)は『いいや』と首を横に振った。
「そいつが人間なのかどうか……、わからないが邪魔なら『巻き込んでも仕方ない』だろう?」
 笑い出してしまいたい声を圧し殺しながらも笑うその姿は確かに悪魔のようであった。悪魔というものが存在すればの話だが。
 そんな悪魔の囁きに同意を示したのはつづらだった。
「まぁ、そこのお兄さんの言うことも一理あるじゃない?」
 中身のない信仰、自由意思空っぽの同伴者。主義主張も行方不明。
「……ねぇ、ホントのアナタはどこなのかしら?」
 笑いながら尋ねるその態度が引き金となったのか。女は金切り声を上げる。
 放たれた魔力で編み出された糸が、猟兵らを捕らえようと意思をもってこちらに向かって来る。
「うっわぁ、まさかここまで見境なくなるとはね……」
 若干ヒき気味に多喜が言葉を漏らす。
 そうやって幸せな過去に囚われ過ぎた結果がこれだと言ったら、女はどんな風に返答をするのだろう。
 ……きっと、もはやどんな言葉も聞こえないのだろうけれど。
「さて、あたしは支援にまわるとしようかな。ところで『今、なんどきだい?』」
 その言葉は呪いのように、猟兵たちの動きを格段に素早くさせた。いや、それは女の感覚に依るもので実際は女の主観時間が止まっているのだが、女はそれに気づけない。
「まじないとのろいは紙一重、ってな。さぁ、それだけで終わると思うなよ?
『我、生の丘から汝を喚ぶ者。汝、死の微睡みに揺蕩う御魂。汝、我が言の葉に応じるならば死の淵より来たれ』!!」
 エコリアチの詠唱にコンクリートの地面が薄紫の光を放ちながら、沼地のように水面が揺れる。
 現れたのは黒ずんだ銀の甲冑に身を包んだ死霊騎士と、エコリアチの三倍ほどの大きさの死霊蛇竜だ。
 それが敵だという、攻撃を指示する合図という合図を送る必要もないだろう。どちらも唯一の敵を視界に認めると獣のような唸り声を上げて女へと飛び掛かる。
 その体をぶつけ、あるいは噛みつき四肢に巻き付き動きを封じ、そして斬りかかる。
 苦痛に顔は歪み、悲痛の色を帯びて叫ぶ声は戦闘を始めるまでの上品さはもはや欠片もなかった。
「……数年前にも試みて、失敗したそうね。『ゲンエイ様降ろし』」
 聞こえているのかどうか定かではない。けれどそんなこと関係ない。聞こえていようと、いまいと。
「『空を使えば成り果てる』、でしたっけ。子供の歌。この地域の方言らしいわね? 『知らない振りをしたら成り果てる』……ねぇ、アナタは何から目を背けていたのかしら?」
 聞きたいことは山程ある。それも今の状態では難しいだろう。
 話しかけてもなにもわからない。ならばこちらは好き勝手やらせてもらおうか。
 冷気が集まり、空気を凍らせて槍を形作る。
 つづらの髪の色ににたアイスブルーの槍は一様にその切っ先を女に向けている。
「……子供をダシにして親を使って滅びを招くなら、アタシは決して許さない。『……吹雪すら臆す蹂躙を、此処に』」
 春を迎えつつある季節の、ほんの一瞬の寒気。空気を切り裂き、割れる氷の音。女の高い高い断末魔。
 それは次第に小さくなっていき、氷が溶けると共に女の姿も消えていた。

●たとえば、そんなありきたりなものがたり
 いつかの情景。
「ねぇ、あなた。あの子が、あの子が戻ってくるかもしれないの。ゲンエイ様っていう神様に祈りを捧げれば、きっと!」
 やつれた顔の女ーー母親だろうかーーが、男性に話しかけている。
 子供を突然亡くしたり、行方不明になったりした親の集まりがあるのだと、彼女は言った。それに祈ればあの子が帰ってくるのだとも。
「今度『ゲンエイ様』を呼び出すのですって。ゲンエイ様はこの土地にでは形を保てないから依り代が要るの」
 日を追う毎に女はゲンエイ様にのめり込んでいき、それと共に元気を取り戻していった。
 それを男は咎めなかった。亡くしてしまった事は悲しいけれど、それよりも今生きている命……愛すべき妻が生きていてくれて、元気になってくれる。それが何より喜ばしかったから。
「一丁目のソウくんが依り代に選ばれたわ。凄いことなのよ! ソウくんは幸せものね。それにもうすぐあの子に会える……」
 嬉しそうに語る女の横顔を見つめ、その髪を鋤くように頭を撫でる。
 幸せだ。彼女が幸せだから。彼女を幸せにしてくれたゲンエイ様を広めなくてはいけない。幸せをもっともっと増やさなくては。

 ーー壊れていたのは、誰が最初だったのか。
 子供の幸せを願った母と、妻の幸せを喜んだ夫と、それに巻き込まれた依り代と。
 これは、たとえば、そんなありきたりなものがたり

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年03月10日
宿敵 『ナレノハテ』 を撃破!


挿絵イラスト