ラストナイト(作者 北辰
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#ダークセイヴァー  #辺境伯の紋章 


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#辺境伯の紋章


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●錆びた騎士
 主命が下りた。
 辺境に生まれた空白地帯に向かい、そこに生きる全てを手中に収めることが、此度の我々の使命だ。
 槍を構え、一糸乱れぬ行進で私に続く部下達の士気も高く、騎士としての誇りに満ち溢れている。

 (そんな訳がないだろう)

 ──何かが、私の中で声を上げたようにも思えるが。
 主より賜りし、誇りある紋章。輝くそれが蠢けば、そのような雑念などたちどころに消える。
 さあ、今宵も人民の為、剣を振るうのだ。

●最後の夜
「皆様、お集りいただきありがとうございます。世界コードネーム:ダークセイヴァーにて、オブリビオンの出現が確認されました」
 シスター服に身を包んだグリモア猟兵が、自分の呼びかけに応じてグリモアベースに集った猟兵達へ語りだす。

 ダークセイヴァーでも、猟兵達の活躍によって生まれた人類側の領域が徐々に増えている。
 人類砦と呼ばれる、立ち上がった人々によって作られた拠点や、猟兵が異端の神を討った事で生まれた辺境空白地帯。
 少しずつではあれど、常夜の世界の状況は改善しており……だからこそ、『支配者』も動き出している。
「今回、皆様が対峙するのは『辺境伯』と呼ばれるオブリビオンの一体となります。強力なオブリビオンへ、紋章と呼ばれる寄生虫オブリビオンが憑りつくことで生まれる存在ですね」
 ただでさえ強力な力を持つ個体に、宝石のようなブローチ大の寄生虫が触手を這わせて憑りつくのだ。
 そうして生まれる辺境伯達の力は凄まじく、通常であれば猟兵ですら苦戦を強いられるような存在である。
「ですが、今回は、我々に有利な状況です。まず、辺境伯の襲撃前に予知が成功しましたので、迎撃準備の時間が存在すること」
 今回、猟兵達が向かう空白地帯は開けた平野であるが、数十年以上前の廃村の名残が点々と存在しており、隠れたり、罠を仕掛ける余地は十分にあるだろう。
 敵の進軍ルートには人々の住む村もある為、そちらの避難にも手を回す必要があるが……その上で、敵を迎え撃つ準備をする機会もある。
 そして何より、これはチャンスなのだ。
「できれば、『辺境伯の紋章』に関しても捕獲をお願いします。寄生先が倒れれば紋章も活動を停止するようなので、特別な技術は不要のはずです」
 ダークセイヴァーを支配する上位の吸血鬼に関しては、未だ多くの謎が残っている。
 かの世界に真の平和を齎すためにはいずれ彼らを討伐する必要があり、その為に、彼らが与えたとされる『辺境伯の紋章』は重要な手掛かりとなり得るのだ。

「辺境伯──個体名、『赤錆の騎士』。オブリビオンとなる前は、人々の為に吸血鬼へ立ち向かった、勇敢な騎士であったようです」
 過去の英雄が率いる忘我の軍勢。
 過去の誇りと、現在の命。
 そして、未来の勝利の為に、錆びついた騎士の進軍を今夜で最後のものとする。
 夜の世界へ続くグリモアの光の中へ進む猟兵達は、迷うことなくその歩を進めるのだった。


北辰
 OPの閲覧ありがとうございます。
 どのような英雄も過去になればオブリビオン。北辰です。

 ダークセイヴァー、『辺境伯の紋章』戦となります。
 支配領域を広げようと進軍する騎士を迎撃してください。

●一章
 迎撃準備となります。
 場所はいくらかの草と花が生い茂る平野。
 人の居なくなった廃村の名残が各所に見られます。
 草は人間大の体格の猟兵が隠れるには短いですが、罠を仕掛け、隠すことはできるでしょう。
 より大掛かりな罠、猟兵本人が隠れる場合は廃屋を利用するか、猟兵自身がバリケード等を作成する必要が有ります。

 また、オブリビオンの進軍ルートにはいくらかの村があるようですので、そちらの避難をスムーズにする為の移動補助、説得等に回っていただくことも可能です。
 この場合、直接的な迎撃準備はできませんが、避難が早く終われば、浮いた時間で迎撃準備を手伝えたとし、シナリオ全体の迎撃効果が強化されます。

●二章、三章
 騎士の率いる軍勢、騎士本人との連戦です。
 部下達は強化されたオブリビオンではありませんが、騎士に統率された連携力をもって猟兵へと襲いかかります。

 辺境伯である騎士は紋章によって強化されております。
 紋章の捕獲そのものは難しくありませんが、シンプルに強敵であります。
 準備した迎撃装置の利用の他、紋章を狙うことで一時的に強化を消すことも可能でしょう。

●受付期間
 OP公開時、章移行時に断章を公開いたします。
 プレイングの送信は、それ以降にお願いできれば幸いです。
 プレイング締切に関しては、具体的な期日は設けません。

 それでは、誇りすら錆びついた騎士の終わらぬ行進。
 それを終わらせてくださる猟兵の皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『辺境伯迎撃準備』

POW襲撃を行うポイントに移動し、攻撃の為の準備を整える
SPD進軍する辺境伯の偵察を行い、事前に可能な限り情報を得る
WIZ進路上の村の村びとなど、戦場に巻き込まれそうな一般人の避難を行う
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●音
 昼夜問わず陽の差さないダークセイヴァーであれど、夜と呼ばれる時間帯では、どこかその闇がより深くなったような錯覚を覚える。
 星々と、月明かりだけが照らす廃村の中、とうに人の途絶えたはずの廃屋から出てくる人影。

 ある者は、草地にまぎれたトラップを。
 ある者は、堂々と迎え撃つための防壁を作り。
 ある者は、周囲の村々に危険を伝えるべく、走り去る。
 猟兵達が、それぞれの創意工夫で戦いへの準備を整え、無音だったこの地には、人が生み出す活力ある音が響いていく。

 それとは、また別の。
 力強くも何処か意志の抜け落ちた、規則正しい足音。
 迫りくる彼らの音が届くまで、もう少し。
ナハト・ダァト
避難の補助、説得を行う

済まないガ、時間が無イ。
要点だケかいつまめバ、この周辺ハ襲撃されル。

私達ノ指示通りニ、避難ヲ行っテ欲しイ。

失っテ、後悔してからでハ遅イ。
今、捨て無けれバ。
今後ノ平穏は無ニ帰ル。

私達ハ、その為ニ。
君達ヲ助けニ来たのダ。

同意した村人達へ「へその緒」を渡して行き。
班わけを行った班長へ指示を出して
避難先へ誘導する。
絆の深い者同士が別れない事を考えた、避難隊の班わけを行う。

村人が避難していくことを「瞳」
「へその緒」で確認しながら

移動の足跡がばれない様、後処理を残像分身と本体で行っていく

闇ハもウ、十分だろウ。
彼らノ歴史ヲ、奪わせハしないとモ。


トリテレイア・ゼロナイン
辺境地帯に住む人々の猟兵の知名度はある筈
避難指示にも従ってくれるでしょう
あとは速やかな伝達と行動が行えるかです

装着したUCで飛翔
村から村へ避難を呼び掛け
上空から●情報収集し得た地形情報も伝え移動時のトラブルも軽減に努め

移動に不安を抱えている方はいらっしゃいますか?
ご家族ごと乗せた荷車を私が●怪力で安全圏まで運んで差し上げます

慣性制御で加速などの身体的負担も少ない筈

安全圏と村への往復でUCのエネルギー残量は僅か
これ以降には使えませんね
一度限りの奇襲用として対艦ビーム砲を廃屋に隠すくらいでしょう

過去の英雄の名誉を護るのも今を戦う騎士の務め
私の場合は些か手段に問題はありますが

…迎え撃たせてもらいます


クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

上位の吸血鬼と辺境伯……。大概好き勝手をしている吸血鬼達に、少なからず指示を出せるとは、一体どんな存在なのか
興味はつきませんが、今は目の前の事件に集中しましょう

【闇夜の翼】を発動。移動力を活かして、進軍ルート上の村へ向かい避難指示をだす(敵から近い順に移動)

離れる事を渋る人がいるなら、苦手だが頑張って説得
この先の人類砦を襲うのが連中の目的であり、であれば誰もいない村を積極的に襲う事はないはず。命も、村も両方を守るためには、寧ろ離れる方が安全。……という感じで

出来る限りの村を巡った後は、敵の現在地を把握するべく上空から偵察を試みる(気付かれない事を最優先で)


●三人寄らば
「ま、待ってくれ、隣村にも嫁に行った娘がいるんだ!」
 猟兵たちによる、オブリビオンの進軍ルートに存在する村々への説得。
 それは、『本来であれば』難しいものになったに違いない。
 文明レベルの高くないこのダークセイヴァーにおいて、生活基盤のある村を一時的にでも捨てるという決断をするハードルの高さが一つ。
 加えてこの地域では、村と村との間での交流がまだ生きていた。
 それは間違いなく喜ばしいことではあるが、ひとたびこのような状況に陥れば、自分達だけが逃げるわけにはいかないという村人の良心が足かせになる。
「──大丈夫、安心シてほしい……《聞いていたナ? 悪いが、こちらかラそちらの村に行った者ヲ、探しテおいて欲しイ》」
 繰り返すが、『本来であれば』、避難は困難であったろう。

「……ソレなりに数ガいるようダ。手分ケした方が良イ」
 それを最初に提案したのは、ナハト・ダァト(聖泥・f01760)。
 村人たちの避難誘導に回る猟兵に小さな触手のようなものを配りながら、彼は言葉を続ける。
「飛べル者は、遠くを担当してくれないカ? なるべく、早く現場ニ向かえる方が良いだロう」
 その視線が向かう先は、機械の身体を持つトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)と、半魔の血を宿すクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)。
 通信装置代わりの触手をナハトから受け取る彼らは、一刻も早く村人たちを救うべく、夜闇の空へと飛び立っていたのだ。

「《──はい、娘さんは無事ですよ。名前は~~……間違いありませんね?》」
 もっとも遠くへ、すなわち、敵に最も近い村へ向かっていたのはクロスだ。
 彼自身すら蝕む闇のオーラを持って飛翔する彼のユーベルコード、【闇夜の翼(シュヴァルツェ・フリューゲル)】は、このダークセイヴァーの空において、もっとも発見されにくい類の力である。
 それを活かし、もっとも危険度の高い村に降り立った彼は、努めて冷静に村人たちを説得し、避難を促していく。
 率直に言ってクロスは口が回る方ではないけれど、ナハトから借り受けた触手による念話の連携があれば、村同士の情報を共有することで信頼を得るのは難しくない。
 この地域一帯すべてを守るため、今は逃げてほしい。
 ナハトの通信による支えもあり、クロスは順調に村人たちを説得し、安全な場所まで逃がしていく。
「さて……これで俺が説得する場所は終わり……ここからだな」
 もちろん、クロスとて他の猟兵に助けられるばかりではない。
 村人たちの説得を追えたのなら、彼はその翼をはためかせ、一気に夜空の天を目指していく。
 十分な光度を取った彼の視界には、少しずつ此方へ迫る仄かな灯が映る。
「来てるけど……まだ距離はある。《始めてください、トリテレイアさん》」

「《ええ、お任せください。》では皆さん、出発しますよ……!」
 触手による念話を介し連携の要となるナハト、飛翔能力とその隠密性を活かして敵に最も近い監視役となるクロスに対して、トリテレイアの長所はウォーマシンとしての膂力である。
 彼が今回の任務の為に持ち込んだ【戦機猟兵用全環境機動型大型標的攻撃試作装備(プロトマルチアームドフォート・イェーガーカスタム)】の出力は圧倒的であり、複数人が乗る荷車すらも運搬可能。
 その力を活かした彼は、付近でも最も大きな村に赴き、村人たちの避難を手伝っていた。
「《──トリテレイア君、ナハトダ。首尾はドウなっているかね》」
「《予想以上に老人や子供が多いですね。この村以外にも向かうとなると、ギリギリになるかもしれません》」
「《なら、そこは俺が……》」
「《イや、トリテレイア君のブースターは有用ダが些か目立ツ。クロス君はそのまま敵ヲ警戒していて欲しイ、私が残リに向かおウ》」
 猟兵の側にとって幸運であったのは、この三人が居合わせたことだろう。
 敵に見つかりにくいクロスが居れば、オブリビオンが最接近するギリギリの段階までを直に見極めることができる。
 危険がどれだけ迫っているかが正確にわかれば、トリテレイアはそちらに割かなければいけない警戒をすることなく、避難民の運搬に集中できる。
 そして、通信用の電波塔などあるはずもないこの世界において、この連携を実現するナハトの重要性は語るまでもない。

「《ウム、避難は間に合いソうだ。残りノ避難と後処理は此方でやル、クロス君ノ判断で、君らは先ニ撤退して欲しイ》」
「《はい、お願いします……空白地帯では、迎撃準備の手伝いですね》」
「《なら、そちらに着いたらクロスさんの手をお借りしてよいでしょうか? エネルギーは心許ないですが、対艦ビーム砲を廃屋に隠せないかと……》」
 今を生きる人々の命を、その暮らしの歴史を。
 過去に生きた英雄の名誉を。
 すべてを守るため、猟兵たちは一丸となって決戦に備えていく。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

御形・菘
辺境伯とはなかなかイケてる肩書ではないか!
ただのう…寄生虫で強化というのは、方法がカッコ悪い!
パワーアップするにも、手段は選ばねばいかんぞ!

避難誘導や罠設営は皆に任せて、妾は防壁やバリケードの設営を行うとしよう
平野を漫然と進攻させては、此方がただ不利になるだけであるからのう
進軍経路を絞り込ませ、トラップ嵌めや迎撃の援けにするぞ!

はっはっは、力仕事は任せておくがよい!
廃村の不要な建物を解体して素早く運搬、組み立てていくとしよう
頑丈そうなもの、脆そうなもの、外見はあえて統一感を崩すぞ
知恵を持つ軍勢だからこそ、人が姿を隠せるサイズの壁を作れば、ただ存在だけでも警戒の対象になるであろうよ


フォルク・リア
「紋章か。どうにも厄介な事になっているね。
しかも今回の相手は大勢で現れるらしい。」
しかし、迎え撃つのにお誂え向きな場所もある。
確り歓迎の準備をしようか。

作業の為に石等を使って
グラビティテンペストを発動。
重力で地面を削り、土を運ぶなど
効率的に工作を進める。
辺りを見渡し敵が来るであろう方向に
草に紛れた落とし穴を設置。
あまり深くはせず。進行を遅らせ攻撃の隙を作る事が目的。
密集させて作るより広範囲に散発的に作成、
その位置を読ませない。

掘った分の土で落とし穴の後ろに
人が1~2人隠れられる程度の土塁を作成。
此方も多数作り実際に隠れる人がいなくても
フェイクとして敵に警戒させる。
「後は到着を待つばかり、か。」


●万事順調
 辺境伯とはなかなかイケてる肩書である。
 強力なオブリビオンが、紋章の力によって更なる力を得たというのもいい。対峙する敵の格が上がれば、それに立ち向かう猟兵の活躍もより華々しくなると云うもの。
 ただ……ただねぇ。
「ただのう……寄生虫で強化というのは、方法がカッコ悪い! パワーアップするにも、手段は選ばねばいかんぞ!」
 その辺、妾的にマイナスポイント。
 御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)はちょっと変わった視点から来る敵を評しつつ、迎撃準備にいそしんでいた。

「……のう。落とし穴それでいいのか? もっと深くして下にエッグい棘とか敷かない?」
 そんな彼女が捕まえたのはフードの術士、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)。
 重力を操り、効率的に地面を掘り進める彼の手際は見事なものだが、だからこそそれを見た菘にとっては、もう一声と言いたくもなる。
「いや、これでいいんだ……今回の相手、何を警戒するべきか、わかるかい?」
 だが、当然のごとくフォルクとて考えあっての行動だ。
 それを説明する前に、とでもいうような彼は、菘に対して一つの問いを投げかける。
「ん? そりゃあ、知恵と数じゃろう。オブリビオンは騎士であったらしいからの、統率された軍隊となれば、相応に厄介に違いない」
「そこまで分かってるなら話は早い。落とし穴は、その統率を乱すための物さ」
 二人が共通して認識するように、今回の敵は騎士が率いる軍勢だ。
 確かな訓練を受けた彼らは、そのまま戦いに突入すれば大きな脅威となって猟兵たちを襲う事だろう。
 故に、ファルクは直接相手を削るより、その強みを潰す方にこそ重きを置いた。
 深くはないが、広範囲に散発的に作られる落とし穴は、騎士の軍勢を混乱させ、その進軍を鈍らせることだろう。

「おー、考えてるんじゃなー……あ、掘った土持ってっていい?」
「まあ、構わないが……何に使うんだい?」
「いや何、壊れすぎてる廃屋とか土とかで壁を作っとけば、連中いらん警戒して罠から注意を逸らせんかなって」
 納得した直後、菘の言い出した提案に、ファルクがわずかに眉を上げる。
 彼女の考えたことは、まさしくファルクもやろうとしていたこと。
 それを彼女に任せて自分は落とし穴作りに集中できるのなら、バラバラに作業をするよりも効率的に準備を進められるだろう。
 当然、快諾するに決まっている。
 土と廃材を持って、張り切って力仕事に従事する彼女から視線を逸らしたファルクは、それまで行っていた落とし穴作りに再び没頭する。
 強大な力持つオブリビオンであるというベースの予知に疑いはない。
 準備を進めてなお、厳しい戦いになるだろうことは予測できている。
 だが、ファルクたちのすべきことは変わらない。
 敵が脅威なのであれば、此方は持てるすべてでそれを迎え撃つだけなのだから。

「紋章か。どうにも厄介な事になっているけれど……後は到着を待つばかり、か」
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

シャルロット・クリスティア
この廃村の量……いったいどれほどの人々が犠牲になったのか……。
……いえ、感傷に浸っている暇はありませんね。
まだ間に合う、ならばこれ以上の被害は出させない……。

交戦予定ポイントを見渡せる場所の廃屋を探します。出来れば、建物が密集していた方がポイントを絞らせづらくて望ましい。狙撃地点をそこに定める。
ポイントを決めたら、今度は交戦ポイントと狙撃地点を結ぶ間、進路上に楔を用いたスパイク罠やロープを張り、迎撃態勢を。
間に合わせられれば、狙撃地点が気付かれたとしても進軍速度は緩む。
他の猟兵の攻撃と合わせられれば、対処は十分に可能になる筈……。

先へ進めるわけにはいかない……ここで確実に討ち取らねば。


●此処はまだ間に合うから
 錆びついた騎士、その軍勢の到着までは残り幾ばくも無い。
 辺境伯との決戦が近づき、猟兵たちも迎撃の準備を速やかに整えていく。
 そんな中で、廃村の中を歩き回り、狙撃に適した潜伏ポイントを探す金糸の少女、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)の表情は固いもの。
 猟兵と言えど、十代の半ばをようやく過ぎようという彼女。辺境伯という強力なオブリビオンとの戦いを前に、その緊張は隠しきれるものでも無い……そう考えるのは、シャルロットという猟兵を知らない者だ。

「(この廃村の量……いったいどれほどの人々が犠牲になったのか……)」
 視界に広がる、人の営みのなごり。
 この地には、仲間たちが向かっただろう未だ生き残っている村もあれば、既に生命の気配が途絶えた集落も多く存在する。
 それを作ったのは何者か、このダークセイヴァーで生を受けた彼女だからこそ理解できる。
 かつて此処に生きていただろう人々は、己の肉親とそれほど変わらぬ最期を迎えたのだろうと。

「……此処は、村長さんのお家だったのでしょうか。村全体が見渡せますね」
 そこまで進めた思考を押し殺し、彼女は潜伏場所の策定をすませる。
 少しばかりの小高い丘、そこに残るひときわ大きな家の瓦礫は、ユーベルコードを使う相手に対する遮蔽物としては不安が残るが、小柄なシャルロットが隠れるには十分な大きさだ。
 少なくとも、狙撃を始める段階では支障はない。
 敵の反撃は……隠れきれるか、見つかったとて逃げ切れるかの、シャルロット本人の腕の見せ所だろう。

 そこまでの確認ができたなら、ぼうっと此処に立つ意味もない。
 用意していたハンマーや楔を用意して彼女が向かうのは、仲間たちが落とし穴やバリケードを設置している地点。
 間違いなく、あそこが戦場となる。道すがらに低く張ったロープやスパイクを用意しながら、シャルロットは歩む。
 取れる手はすべて実行する覚悟で、彼女はギリギリまで戦場を形作っていく。

 その胸に宿るのは、絶対にオブリビオンを止めるという決意。
 何故ならこの地は──まだ間に合うのだから。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『信仰し進軍する人の群れ』

POW ●人の群れが飲み込み、蹂躙する
【槍を持ち一斉突撃を行うこと】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●全てを焼き払い、踏みつけ進軍する
【持ち帰られた弓から放たれる斉射】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【火矢】で攻撃する。
WIZ ●守るべき信仰の為に
対象のユーベルコードに対し【集団による防御結界】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●すべてすべて、かつての話
 かつて、騎士達は一つの意思の下に団結していた。

 かつて、騎士達はあまねく命を守らんと剣を手にした。

 かつて。

「バリケードに、廃屋からの気配……待ち伏せだな」
 無人の空白領域を確保するだけ。
 ただそれだけだった筈の任が変じていることに、錆びついた騎士はすぐに勘付く。
 不自然に人が消えた道中の村、鎧を通して肌に突き刺さるような戦意。
 居るのだ。自分たちが戦うべき相手──猟兵が。
「まずは、露払いが必要か……出番だぞ、お前たち」
 部下たちにかける声に滲むのは、長年培った信頼そのもの。
「はっ! 必ずや勝利を主へ捧げましょう!」
 応える部下の声も士気高く。
 尊敬すべき騎士の下、許してはならない敵と戦い続けた自負と誇りがそこにある。

 そのかつてと、今相対する敵が異なることなど、個としての意識を殆ど喪失した彼らは気づかず。
 槍を構えた過去の軍勢は、その歩みを前へと進める。
フォルク・リア
「全く勇ましいね。
まるで一丁前の騎士団みたいだ。
やる事がまともだったらの話だけど。」
罠を仕掛けた付近
土壁の影で待ち伏せ。
事前に死々散霊滅符を発動し周囲に符を隠す。

準備が整い敵が射程距離まで来たら
隠した符の一部を使い敵を攻撃。
結界を張られたらデモニックロッドの闇の魔弾や
呪装銃「カオスエンペラー」を織り交ぜて攻撃。
攻撃しつつ敵の結界の要所や要となる人物を見極める。
また敵からの攻撃は土壁に隠れてやり過し
敵が接近し罠にかかるのを待つ。
敵が罠にかかり、隙が出来た瞬間を【見切り】
周囲の符で一斉攻撃をかけつつ
敵が結界を張ったら事前に見極めた人物や
要所に向けて魔弾やカオスエンペラーで集中攻撃。
結界を打ち破る。


●崩壊
 錆びついた騎士の率いる軍勢は、ある種の精鋭と言ってよい。
 遠い日、このダークセイヴァーが闇夜に閉ざされる前の時代、結束し剣を取った者たちの集まりであり、骸の海の住民となるその以前からの強者である。
 故にこそ、彼らは判断を誤らず……予測は容易い。
「土壁か……全軍停止っ! 伏兵を警戒せよっ!」
 背後に控える騎士に代わり、軍勢の先頭を歩んでいた副官が声を張り上げる。
 その叫びに遅れることなく進軍は止まり、兵達は猟兵たちが作った陣地を警戒し始める。
「全く勇ましいね。まるで一丁前の騎士団みたいだ。やる事がまともだったらの話だけど」
 その様子をどこか冷めた目で見るのは、兵たちの予測通り土壁に身を潜ませるフォルク。
 彼らの統率は見事であり、生前はさぞ勇ましく戦ったのだろう。
 だが、彼らは吸血鬼の前に膝を屈した過去の亡霊。ユーベルコードという奇跡を相手取るには、勇ましさと団結では届かない。

 兵たちが慎重に土壁へと接近を試みる、その直前。
 唐突に爆ぜたのは、彼らの足元であった。
「うわぁっ!?」
「か、紙だ! 紙が爆発するぞ!!」
 フォルクの仕掛けた、【死々散霊滅符(シシサンレイメップ)】という伏せ札。
 薄い呪符は容易く土に紛れて、その存在を知らぬ兵に見つけられるものではない。
 しかし、予想外の攻撃により、確かに兵達に動揺が走るが、彼らの強みは群である点に存在する。
「狼狽えるな! 陣を組め、結界で防げる攻撃だっ!」
 混乱の最中、かろうじて平静を保った誰かの声。
 固い団結で結ばれた彼らは、正体不明の攻撃よりも、仲間の声こそを信頼する。
 一人が声を上げれば、それは軍全体に伝播し、彼らは一致団結した防御へと移る。

「…………」
 それを、静かに見つめる死霊術士。
 個人の力は脅威ではないが、結束した結界を散発的な爆撃で崩すことはフォルクにも難しい。
 符と自身の火力を集中させ、一人か二人を落とせる程度だろう。
「……それでいい。要は、見えた」
 軍勢の結束は確かに固い。
 だが、それを率いる騎士は一人であり、結束を強める中心人物も限られた数だ。
 残りの呪符を一気に爆破し、結界に僅かなほころびを作る。

 その直後に響く銃声と、最初に声を張り上げた兵の倒れる音。
 それは、強固な軍勢が崩れ落ちていく、最初の音であった。
成功 🔵🔵🔴

トリテレイア・ゼロナイン
(廃屋の中で1章の対艦ビーム砲構え●スナイパー技能で狙いつけ)
統率の取れた騎士団、生前は如何な由来を持っていたのか…

いえ、例え吸血鬼と敵対していたとしても今はその走狗
儘ならぬものですね

対艦砲を●ハッキングし●限界突破
UCも乗せた巨大ビームの●なぎ払い掃射で初手で敵集団に大打撃を与えます

対艦砲を廃棄し機械馬に●騎乗
敵集団に突撃
●怪力で振るう槍と馬の●踏みつけで突破
ここまで派手に暴れれば味方を●かばうことにも繋がるでしょう

敵が態勢を整え槍衾を形成すればこちらも格納銃器展開
●なぎ払い掃射で持ち手を仕留め槍衾に穴を開け
飛び込み槍で一掃

この先に住まう人々への手出しは能わず!
全力を以て阻ませていただきます


シャルロット・クリスティア
……それでは、狙撃を開始するとしましょうか。
先に整えておいたポイントから、愛用の機関銃で射程外から仕掛けます。
他の猟兵の交戦に紛れて数を減らせればそれでよし。
感づかれないうちに極力仕留めておきたいところです。

……とは言え、限界はある。どこかで気付かれはするでしょう。
狙撃手を潰しにこちらに接近してくる敵はいるかもしれません。

……しかし、罠は既に仕掛けてある。
無理に近づけばダメージは免れず、悩んで足を止めれば的になる。
そして安全なルートはそちらには解らない……。
……近づかれる前に沈めることなどは容易い。

ゲリラ戦とは、こういうものです。


●蹂躙
「くそ、陣形を組みなおせ! 敵は少数だ、数の利はこちらにあるっ!」
 猟兵からの攻撃を受けた騎士団がその態勢を立て直す。
 中心的な人物を失えば混乱は必至であれど、彼らの士気の拠り所は強い信仰と長である騎士にある。
 軍勢として痛手を受けようと、彼らはやがて立ち直り、再び戦意を滾らせる。
 この地に現れたかつての勇士たちは、そのような戦士であった。
「(統率の取れた騎士団、生前は如何な由来を持っていたのか……)」
 一朝一夕で生まれる軍ではない。
 それをよく理解するトリテレイアにとって、かつての彼らが人民の為吸血鬼に立ち向かったという事実は、彼の思考回路に暗い影を落としうるものだ。
 だが、かつて彼らがそのような存在であったのなら、今それを体現するのはトリテレイアである。
 吸血鬼の走狗となり果てた彼らの活動は、この世界に生きる無辜の人々の涙となる。
 それを理解する白い騎士は、己の感情に蓋をする。

「む……おい、あの光は何だ!?」
「新手か……総員、襲撃に備えよ!」
「……申し訳ありませんが、それでは──手ぬるい」
 廃屋の中、強まっていく燐光に兵たちの一部が気づく。
 当然、警戒を強める彼らは、それが敵の手によるものだとすぐさま理解するが……実態は彼らの知識のはるか先を越えるもの。
「な、なんだアレは──」
 引き金を引くトリテレイアが構えるのは、星の海征く鉄船すらも落とす熱線砲。
 一発で十分だと、無理やりに最大出力を引き出されたその光は、オブリビオンの軍勢を薙ぎ払うように呑み込んでいく。
 大地を崩し、石は融解し硝子化するほどの火力を浴びせられた者は、断末魔を上げる事すら許されず、その身を蒸発させていく。
 人間の軍勢であれば、これで終わる。
 だが、今の相手は既に迎えた死を忘れた骸の海の住民。
 ユーベルコードの域にまで達した大火力を浴びせられても、直撃を免れた者が立ち上がり、槍を構える。
「狼狽えるな! あのような大魔術が連続して使えるわけもなし、討ち取るぞ!」
 誤解に基づく、しかし結果的には正しい結論を叩きだした檄を飛ばし、兵達は鉄造りの大騎士をねめつける。
 間違いなく痛打を与えた。だが、この狂信の徒を崩すには、まだ足りないのだ。

「ええ、予測通り……ここからも、手筈通りに」
「はい、狙撃を開始するとしましょうか」

「ぐぅっ!?」
「な、挟撃かっ!」
 砲を廃棄し、機械馬に跨ったトリテレイアが迫りくる。
 しかし、兵団を襲う鉄の雨は、騎士とはまるで違う方向から降り注ぐのだ。
 トリテレイアの控えていた廃屋とは別方向。
 さらに遠くのポイントに潜伏していたシャルロットは、気配を悟られまいと息を殺していた体勢から一転、機関銃を構え、オブリビオン達への攻撃を開始する。
 予想だにしていなかった個所からの援護射撃を受け浮足立つ兵士たちへ、槍を構えたトリテレイアは容赦なく突撃していく。
「この先に住まう人々への手出しは能わず……容赦はしませんよ!」
 火器管制の機能を備えた戦争兵器であるトリテレイアにとって、一方向からのみ来る味方の射線を把握し、双方に邪魔とならない攻撃を仕掛けるなど容易い事。
 加えて、狙撃手は猟兵として多くの戦場を渡り歩いたシャルロット。
 敵集団の中でもよく目立つトリテレイアさえ避ければ良い射撃は、彼女にとってそう難しいことでは決してない。

「や、槍衾だ! あの大騎士を押し返すのだ!」
「まず鉄礫だろう! 結界だ、結界を優先しなくては!」
 此処で、兵団の最大の弱点が露呈する。
 彼らは集団で現れるオブリビオンとしては、強靭な部類ではある。
 しかし、それは脅威が一つ、あるいは明確な優先順位を定め、彼らが一丸となって迎え撃てる場合だ。
 兵たちを蹴散らしていくトリテレイア、次々に銃弾を放つシャルロット。
 どちらも彼らを脅かす大きな脅威であり、それに対する対処の順番は容易には決まらない。
 付け加えるならば、槍を振るうトリテレイアを止めるために槍衾を組めばシャルロットの良い的でしかなく、シャルロットの排除に移るには、トリテレイアを無視する被害が大きすぎる。
 意思統一の問題。そして、二つの脅威へ同時に対処することができない彼らには、猟兵たちの攻撃は止められない。
 それでも、ごく僅かな兵はトリテレイアの槍を逃れ、シャルロットを討つべく走る。

「くそっ、アイツさえ倒せば……ぐわっ!?」
 そんな勇者の足元を掬うのはシャルロットの用意した罠。
 スパイクに傷つけられ、ロープに足を取られ……どちらにせよ、まともに進めはしない。
 彼らは、軍としては確かに精強だ。
 ならば群として機能させないことが肝要であり、シャルロットはその術をよく知っている。
「──ゲリラ戦とは、こういうものです」
 彼女の小さな呟きは、兵たちには届かず。
 代わりに向けられるのは、慈悲なき銃弾だけであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ナハト・ダァト
信仰モ、正義モ
嘗てノ物ダ

決めるのハ、君達デ無ク
今ニ生きルモノだヨ

敵軍に向かって絨毯爆撃後
催眠術、精神攻撃、言いくるめも用いて
敵と味方を誤認させた状態で操る

そレ程までニ、義ニ縋りたイなラ
互いニ押し付ケ合い給エ

自身は溶け込む夜を使用し
液状化と気体化で物理攻撃に対しての回避性を高め
更に表面積を広めることで
攻撃距離の確保
洗脳した敵軍の武器に改造を加え
種子を取り付けさせる事で
雪だるま式に洗脳対象を増やしていく

掌握し終え、同士討ちの命令を出しながら
潜み隠れた敵の索敵も行わせる
「瞳」からシンパ探り
扇動による誘き出しも実行

変わラ無イ過去ハ、ここデ潰え給エ


御形・菘
右手で、眼前の空間をコンコンコンッと
はーっはっはっは! ようこそ、妾の統べる世界へ!
大いに警戒せい、怪しさ全開であろう!
不測の情報の洪水に、精々溺れてもらおうかのう

この花々そのものに罠など一切無い! ただエモい、妾にとってはそれで完璧!
まあ、皆が作った罠などは勝手に覆い隠してしまうがのう?
はっはっは、邪神討伐の一番槍をつける勇士は誰だ!
…などと、落とし穴の後ろで、大音声で名乗りを上げるがな
注意はすべて妾に引きつけてやろう、隠密やら遠距離攻撃組の援護でな

突撃など恐れるに足りず!
攻撃力のブチ上がった妾の前には一切が無意味よ
まして罠で連携が崩れた状況ではのう? 左腕にことごとくブッ飛ばされるがよい!


クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

周囲の村が襲われる心配はなし、迎撃の準備もある程度は整った
であれば、後はとにかく全力で戦い抜くだけですね

最初は仕掛けられた罠も活用しながら黒剣(長剣状態)で端から少しずつ削る

敵の突撃を警戒しつつ、仕掛けてきたら少し距離を取って【蹂躙する棘の鎖】を発動。敵の足元を狙って鎖で攻撃
ダメージを与えると共に突進の勢いを削ぎ、ついでに何体かでも転んでくれれば更に妨害できる
それでも敵が向かってくるなら黒剣を大鎌に変化させ『範囲攻撃』で纏めて迎え撃つ
2回目以降の妨害は無理に狙わず、普通にUCも織り交ぜて攻撃する

ダメージは『激痛耐性』で耐えつつ、攻撃時に『生命力吸収』する事で体力だけは回復する


●花は踊る、剣は舞う。泥が染み入る
 猟兵たちの攻撃により大きな打撃を受けたオブリビオン達。
 しかし、彼らの戦意はまだ折れてなどいない。
「はーっはっはっは! ようこそ、妾の統べる世界へ!」
「な、なんだアレは!?」
 だからこそ、此処で畳みかけなければいけないのだ。
 菘の操るユーベルコードによって現れる美しい花吹雪。
 これは、本来であれば菘自身の戦意高揚の役割しか持たぬが、今この時、この場所においては更なる力を発揮する。
「この花々そのものに罠など一切無い! ただエモい、妾にとってはそれで完璧! ──まあ、皆が作った罠などは勝手に覆い隠してしまうがのう?」
 菘は高らかに声を上げる。落とし穴とバリケードの後ろで。
 罠の存在を言うかどうかはちょっと迷ったが、多分他の猟兵に散々ボコられた後っぽいので、口上の格好良さを優先していいだろう。
 楽しそうに笑う菘を前にして、兵団は動くに動けない。
 あるとわかっている罠。
 それを花吹雪が覆い隠してしまうせいで見切ることができなくなっているのも大きいが、もう一つ。
「くそ、なんだこの花の量……こんなもの何処から!」
「あれ、食いつくのそこか? ……あー、この世界の民ならそうもなるかのう」
 オブリビオン達が、真に世の為に立ち上がったその時にはもう、闇に覆われていたこの世界。
 花と言えば、有翼の民が頭部に生やしているものか、本当に小さなものが僅かに咲く程度。
 花畑など見たこともないオブリビオンにとって、菘の作った光景はまったくの未知であり、常以上の警戒心を抱いていたのだ。

「うーむ、そこまでウケると妾も悪い気はせんが……ほれ、足元注意と、頭上注意じゃ」
 しかし、ここは猟兵とオブリビオンが相対する戦場。
 間抜けに立ちすくむものに、勝利は訪れない。
「う、うわぁ!? 火薬か、どこから!?」
「上です、何か黒いものが上から小さな爆弾を!」
「駄目ダ! もウ飛び去っテ追えナイ!」
 菘が完璧に引き付けていた兵士たちを、降り注ぐ爆弾が襲う。
 それが、小さな種子であると、哀れな犠牲者に根を張ったと。
 同胞の声が、一つ増えたと気づく者は此処にはいない。
「っ! 今ですね……!」
 そんな混乱の中、隠れ潜んでいたクロスが飛び出す。
 黒剣を構えた彼に気付いた兵が槍を向けるものの、味方との連携を十全に行えない彼らがクロスに敵うはずもない。
 加えて、足場には猟兵たちの作った落とし穴。
 クロスはまるで見えているかのように固い足場を走り剣を振るうが、追う兵士が槍を振るおうと踏み込むたびに、地面は崩落し、彼らを呑み込んでいく。
「はっはっは、勇ましいのう! ほれ頑張れ兵士ども、敵は一人じゃぞ!」
「あんまり煽らないでください!」
 棘の鎖を操り、複数の兵を纏めて叩き伏せるクロスは、戦いながらも菘へ叫ぶ。
 その様は、まさしく孤軍奮闘……しかし、それは正しい認識ではない。
 まず第一に、バリケードの裏から出てこない菘も紛れもない猟兵であり、彼女が盤面に存在する限り、兵士たちはクロスに集中しきれない事。
 二つ目は、クロスが落とし穴の位置を見切る絡繰り。
 落とし穴を作っていた猟兵の一人である菘は、ユーベルコードで呼び出した花弁に少しだけ細工を施した。
 落とし穴の真上に降る花だけ、ほんの少し色を濃く。
 あからさまな目印であるけれど、何の問題もない。
 夜目のきくダンピールでなければ分からぬほどの、ほんの少しの差異なのだから。
 そして、最後。菘は、野次の中に一つの嘘を混ぜた。
 クロスは、当然ながら一人で戦ってなどいない。
 菘とて、持てる手を駆使して彼を援護しているのだ。

 故に、敵は『三人』と、訂正すべきであった。

 初めの爆弾は種子であった。
 種子には、心を冒す毒が眠っていた。
 認識をずらし、意志を曲げ、事実を隠す。
 一度潜り込んだのなら、派手な目晦ましは不要だ。
 心を奪った者の影に隠れ、その手の武器に種子を植え付け、寄生された兵を増やして繰り返す。
 勝ちを確信した菘が、名乗りを上げながら左腕を振り上げる。
 彼女はとても目立つ。目を向ける兵たちは、潜り込んだ異物に気付けない。
 勝利を決定づけるべく、クロスが大鎌で兵を薙ぎ払う。
 彼はとても目立つ。異物に気付かない兵が、また一人その意思を手放した。
 種子が根を張る速度は、どんどん、どんどん、増していき。

「……な、何故だ! 何が起こっている!?」
 オブリビオンが、驚愕と恐怖を顔に滲ませて叫ぶ。
 彼を取り囲むのは、虚ろな目をした同胞たち。
 槍を向けられた彼は、状況の理解が追い付かないまま、ただ叫ぶのみ。
「……何モ起きナかった。変わル事の無イ過去に、相応シイ結末が来ただけダ」
 答えるのは、紛れ込んでいた異物──ナハト。
 ユーベルコードで意思を奪った兵たちを支配する彼が、せめてもの憐みで聞かせた声を最後に、生き残りの兵は槍に貫かれる。
 そうして、残るのは木偶人形となり果てたオブリビオンと、猟兵達だけだ。
「サテ……伏兵ガ居ないカ探らせヨう。その後ハ、彼らモ骸の海ニ還ってもらワネば」
「そうですね、此処からが本当の戦い。使える戦力は使ってしまって、我々の力は温存すべきだ」
 黒剣を振り、剣についた血を飛ばすクロスは、その緊張を保ったまま。
 それも当然。まだ、敵は居るのだから。
「『辺境伯』……結局、手出しもせず見ているだけじゃったの。おかげで楽じゃったが、相手も元気なのは変わらん」
 もっとも、何が相手だろうと、テンションの上がった必殺の左を打ち込んでやるだけだが。
 そう戦意を滾らす菘が見つめるその彼方。
 がしゃんがしゃん、ぎしぎしと。
 金属の鎧がこすれ合い、錆びが触れあいきしむ音が響いてくる。

 狂信者の兵団を退けた猟兵達。
 それを討たんと剣を構える錆びついた騎士は、悠然と此方へ歩いて来るのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴


第3章 ボス戦 『赤錆の騎士』

POW ●強撃
【瞬時に間合いを詰め、二刀の剣】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD ●致命へと繋がる
【剣による打ち払い】が命中した対象に対し、高威力高命中の【刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ ●切り裂き詰める
対象のユーベルコードに対し【超常すら切り裂く斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●がらんどう、あるいは微かな抵抗
 二振りの剣を抜き放ち、辺境伯──赤錆の騎士は迫りくる。
 錆びた全身鎧は、されどその頑強さを感じさせる威容を誇り、胸に憑りつく禍々しい宝石、『辺境伯の紋章』は鎧に触手を這わせながらも妖しい輝きを放つ。
 かの騎士が、紋章によって力を増した辺境伯、それに相応しい力を持つオブリビオンであることは疑う余地もない。

 だけど、それでもなお。
 騎士には、強大なオブリビオンとしての、軍を率いる長としての、卓越した技量を持つ剣士としての。
 覇気、とでも呼ぶべきものが、明らかに欠けていた。
 剣も、鎧も、決して侮るべきではない力を感じさせるものだ。
 けれども、その振るい手たる彼自身が何らかの気力を失っているように見て取れるのだ。
 最初から不自然ではあった。
 騎士が率いた狂信の徒は、結束と統率を持って初めてその真価を発揮できる手合いの者。
 彼らが猟兵と接敵したその時から、騎士が戦場に介入していたのならば、猟兵はより苦しい戦いを強いられていたはずなのだ。

 宝石が、瞬くように輝く。
 剣を振り上げる騎士が、猟兵に敵意を向けていることに間違いはない。
 だが、彼が己の、オブリビオンの勝利を望んでいるか。
 是であると断じるには、あまりに異様な光景であった。
フォルク・リア
「赤錆の騎士か。
個としての力と紋章の力を併せ持つ。
掛け値なしに強敵の筈だが。」
本当にそれだけなのか。
奴自身の意思は別にあるのか。
それも、戦って確かめるしかないか。

攻撃の機会を窺って
周辺の罠を使いグラビティテンペストを発動。
重力波で敵を攻撃。
斬撃により相殺されても
重力の働く方向を変える等変化をつけて攻撃を続ける。

それも退けて敵が接近したら
一時グラビティテンペストを解除。
敵の足元等を狙って罠を設置。
敵が罠にかかりペースを乱したら
【早業】で血煙の様なオーラを纏った真の姿を解放。
【高速詠唱】でグラビティテンペストを再度発動し
全力の超重力で紋章を押し潰す。
「チャンスは此処だ。逃しはしない、狙った敵は。」


シャルロット・クリスティア
……抵抗、しているのですか?
骸の海に呑まれ、吸血鬼の手駒と成り果てても尚、人に仇為す行いを拒んでいる……。
そう言う事なんでしょうか。

いずれにせよ……いえ、だからこそ、かもしれませんが。
その剣をこれ以上不必要な血で染める前に、終わらせます。

幸い、ここまで遠方からの射撃に徹していた以上、身を隠すものは多い。
他の猟兵が戦っている間に息を潜め、身を隠し、死角に回り込む。
相手は一人、周囲を払えぬ死角はどうしてもできるもの。
後は……その首を、掻く。

この身は救済者には程遠い。誰かを守るには、手段を選べない人間です。
誇り高き騎士は卑劣な闇討ちに沈んだ……どうしようもない筋書きですが、ご勘弁を。


●機転
「……抵抗、しているのですか?」
 騎士から離れた廃屋に身を潜めながら、シャルロットはぽつりと呟く。
 遠くから様子を伺う彼女の目にも、騎士の様子が異様であることはよく分かる。
 相手は既に死した亡霊、たまたま調子が悪いなどありはしない。
 彼の足を引くのは、肉体か精神か。
 骸の海に呑まれ、吸血鬼の手駒と成り果てても尚、人に仇為す行いを拒む何かが、まだ彼の中に残っているのだろうか。
「いずれにせよ……いえ、だからこそ、かもしれませんが」
 少女が銃を下ろし、その手に握るのは鋭い短刀。
 鎧ごと叩き潰す剛力に縁はなく、狙撃は既に見られている。
 であれば、シャルロットの為すべきは、この小さな刃を彼の鎧の隙間に通すこと。
 そう──あの剣がこれ以上不必要な血で染まる、その前に。

「赤錆の騎士か。個としての力と紋章の力を併せ持つ、掛け値なしに強敵の筈だが」
 一方で、迫りくるオブリビオンをまず迎え撃つのはフォルク。
 術士である彼が、剣に長けた騎士の前に立つ。本来であれば危険極まりない行為だ。
 もちろん、それは勝利の為。
 相手は強大な力を持つ騎士、フォルクの術の技量も決して劣るものではないが、考えなしにそれをぶつけて勝てる相手ではない。
「(見極める必要がある。相手が剣を振るう、その一瞬の隙を……)」
 たとえ接近にリスクがあろうとも、距離を取り、隠れ潜んでいては勝機を見出せない。
 本質的に研究者であるフォルクだが、だからこそ、勝利の為に必要な条件を冷静に見定められた上でのこの選択なのだ。
 だが、それでもこの危険な戦いに挑むには、もう一つ。
 この騎士の意思がどこにあるのか。
 それを見極めるにも戦う必要があるのだという直感が、彼の背中を押していた。
「a、aa……!」
 騎士の鎧が、ぎしりと軋む。
 目の前のフォルクを斬り捨てるべく剣を握るその姿は堂に入っており、フォルクの首筋にもヒヤリとしたものが走る。

 瞬間、動くのは両者。
 ひと際強く踏み込む騎士を横から叩くのは、フォルクの操る重力波。
「──……ッ!」
「なるほど、重い……死してなお、衰えは無しか!」
 攻撃の瞬間を叩かれた騎士がたたらを踏み、カウンターの見極めに成功したはずのフォルクも顔をしかめる。
 先に戦った兵士たちなら、堪える間もなく吹き飛ばされる一撃だ。
 だというのに、目の前の騎士はよろめく程度で、依然その剣はフォルクへと向けられる。
 もはや火ぶたは切って落とされ、攻撃の手を緩めればあの錆びた剣がフォルクの首を刎ね飛ばすだろうことは想像に難くない。
「aa……、aaa!!」
 二撃、三撃。
 フォルクが操る重力波が立て続けに騎士を襲う。
 その猛攻に、効果が出ていないわけではない。
 それでも騎士は崩れず、変幻自在に全方向から襲い来る重力の連撃にやがて対応を始める。
「これは……!」
 騎士の振るった剣が虚空を裂く。
 その意味にフォルクが気づいたのは直後。
 重力を操っていた支配下の微粒子が、その機能を停止したのだ。
 そうして、フォルクによる術の包囲網にできた、隙とすら呼べぬ僅かな空白。
 ……それを見逃すようでは、『辺境伯』という称号は与えられない。

「く、なにっ!?」
 騎士は、重い鎧を纏っている身でありながらも、跳ねる獣のように加速し、フォルクへと接近する。
 だが、フォルクが目を見開いたのはそこではない。
 繰り返しの話になるが、フォルクは冷静な判断の下、騎士の前に立っている。 
 接近された時の想定が無いはずもない。重力を生み出している微粒子をユーベルコードの影響下から外す──罠の再設置で、敵の隙を作るつもりであった。
 だが、相手は紋章を与えられた強大なオブリビオン。
 落とし穴、それも部下たちが餌食となったのを見た後であるのなら、それを飛び越える程度の運動能力は当然持ち合わせている。
 一度ユーベルコードを解除してしまったフォルクに、純粋な身体能力だけで騎士から逃れる手立てはない。
 赤錆の浮いた剣が、視界の中でやけにゆっくり迫りくる。
 目の前の光景に、錆色が占める割合がどんどん増していき。

 そこに金が混じった時、フォルクの思考は今わの際の加速を取りやめた。

「──すまない、助かった」
「いえ、当然のことです……」
 視界の外、廃屋に身を潜めながら接近してきていたシャルロット。
 騎士の完全な隙を突ける状況で、しかし彼女が選んだのは仲間を救うための牽制だった。
 短剣が裂いたのは騎士の腕。
 首を狙えば騎士を仕留められたかもしれぬが、そも、シャルロットが奇襲という一種の邪道を選択したのは人を守るため。
 見捨てるという選択肢など、彼女にはあり得なかった。
「a、aaaaa──!」
 逃した勝機は大きなものだ。
 騎士の前に姿を晒してしまった彼女には、既に奇襲の選択肢は残っていない。
 騎士として鍛えられた肉体で長剣を振るう敵と、短剣を握る小柄なシャルロット。
 猟兵たる彼女の身体能力は低くはないものの、リーチに勝るオブリビオンと真正面から戦うのは無謀だった。
 それでも、この選択に後悔はない。
 咆哮をあげながら踏み込む騎士へ、シャルロットはそれでも気丈な眼差しを向ける。

 繰り返しになるが。
 シャルロットには、奇襲の選択肢は残っていない。
「チャンスは此処だ」
 だが、もう一人は別だ。

「ッ!?」
 騎士の足元が崩れる。
 研究者であるフォルクの日常はトライ&エラー、窮地に立たされ、そこから挽回の道を模索するのはごく当然にできる事である。
 罠は通じなかった。しかし、シャルロットという新しい要素で条件は変わる。
 騎士の戦意は彼女に向かっている、ならば試そう。
 試して、成功するのなら、改めてプラン通りに事を進めるのみだ。
「手を貸す、紋章を潰すぞ!」
「っ! はい!」
 フォルクの叫びに、シャルロットが飛び出す。
 体勢を崩した騎士の防御は間に合わず、彼女の短剣は禍々しい宝石へと突き立てられる。
 硬い、鋭さではなく、重さが必要な相手だ。
 手応えに反射的にそう思考したシャルロットの握る刃は、しかしその圧を急激に増す。
 瞬間的に血煙のようなオーラを纏い、力を増した真の姿となったフォルクの重力波が、彼女の短剣を楔として打ち込む。
 びしり、という音が響いたのちに。

「……ギ、ギイアアァァァァァ!!!」
 猟兵でも、騎士のものでも無い悍ましい悲鳴。
 それは、真に邪悪な者がもたらした紋章が、生まれて初めて受ける痛みに上げた苦痛。
 猟兵たちの攻撃の成功を示す証に他ならないものであった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

トリテレイア・ゼロナイン
機械馬から飛び降り
脚部スラスターでの●スライディング移動で接近
センサーでの●情報収集と●暗視で相対速度と剣筋●見切り自己●ハッキングでスラスタ●限界突破
加速し敵の目算狂わせ二刀を●怪力●武器受け盾受けで防御
反撃で間合いを離し

…指揮にも手を抜いておりましたね

少し質問を
私はこの先の人々の命の為、盾を掲げます
貴方は何の為に、誰の為にその剣を執っているのですか

再度の攻撃に合わせUC使用
二刀を完全に躱して受け流し
振るう剣で紋章触手を斬り飛ばし鎧から弾き飛ばし

もう一度、問います
その剣は何の為に、誰の為に振るっていたのですか

その返答が貴方という騎士の在り方
それを胸に、骸の海にお戻りいただきます!

剣を一閃


ナハト・ダァト
真の姿解放

何であレ
私ノやル事ハ変わラなイ
君ガどうあっタかハ、既知デ有リ
過去ノ事ダ
現在の妄執なド、どうでモ良いヨ

賢イ方法でモ、卓越しタ手段でモ無イ
如何ニ協力な「個」であレ
「群」にハ脆イものダ

2回攻撃により数を増やした触手で
鎧無視攻撃、医術、情報収集から弱点を狙って攻撃

しかし、それ自体はフェイントで本命は紋章
倍にした数の半分は武器改造により透明化
敵が見えている半分を切り伏せた所で
不意討ち、カウンターによる情報収集で得た紋章を取り出す医術を行う

既ニ、方法ハ既知ダ
「瞳」ハ全てヲ視ル
無論、君ガどんナ過去デあるかモ

誇りなんテ、死人にハ要らなイだろウ
背負うにハ、鎧ガ重すぎたネ


クロス・シュバルツ
連携、アドリブ可

戦意が欠けているとはいえ、侮る事は出来ない相手……
相手がどうしてあのようになったのかは分かりませんが、戦うのなら全力で行きましょう

片腕を狙って【噛み砕く黒蛇の牙】を発動。互いの腕を繋いで動きを封じると共に『継続ダメージ』を与えつつ『生命力吸収』を行う

二刀は厄介ですが、こうして片腕を封じればその技も十分には発揮できないでしょう
黒剣は距離に応じて長剣か短剣に形を変えて臨機応変に。『残像』を使った『フェイント』で撹乱、隙間を縫って『鎧無視攻撃』で本体に攻撃

接近しているだけに敵UCは脅威だけど、繋がった鎖から動きを察知して回避・防御を試みる

これ以上戦う必要はない。……眠ってしまえ


●断末魔
「ギギ、ギィィアァ……!」
「…………」
 宿主と寄生紋章、二つで一つのオブリビオンとも呼べる『辺境伯』。
 だが、猟兵に対する反応は対照的なものだった。
 攻撃を受け、宝石のような本体にひびを入れられて苦悶の声を上げる紋章に対して、騎士はこの段階でもその意思を露わにすることは無い。
 表出するほどのものが残っているのかどうかも、定かではないが。
「……何であレ、私ノやル事ハ変わラなイ」
 騎士に対峙するブラックタール、ナハトはぽつりと呟く。
 その身体を、常とは正反対の白い輝きで満たしながらも、彼は騎士の挙動をつぶさに観察する。
 かの騎士が如何な想いとともに生きていたとしても、すべてはとうに終わった過去でしかない。
 ナハトがすべきことは、眼前のオブリビオンの討伐である。
 一人きりとなった騎士を狩るために必要な手段は何か。
 彼はただ、静かに思考を重ねる。

「──来ますね」
 黒剣を握るクロスが、冷や汗を一筋流しながら呟いたその直後。
 剣を振り上げた騎士が突っ込んでくるのを、二人の猟兵は左右へ躱す。
 先手を取ったのは騎士であれど、期せずしてクロスとナハトによって騎士を挟み撃ちにできる形。
 当然、その好機を見逃すほど二人は甘くない。ナハトは己が触手を繰り出し、クロスは腕輪から伸びる鎖で騎士への攻撃を試みる。
「ふム、やはリ急所へノ攻撃ヲ容易く許シはしナいな……」
「片腕だけでもこの力……紋章も本気か……!」
 しかし、猟兵たちの攻めは騎士の命を奪うには至らない。
 右の剣が振り上げられれば、的確に鎧の隙間を狙っていた触手は斬り払われ、左の剣が真一文字に抜かれれば、鎖は甲高い金属音と共に打ち払われる。
 ナハトにも、クロスにも余力が無いわけではない。
 だが、ナハトにとってのそれは勝利を手にするための伏せ札であり、おいそれと此処で使ってしまうわけにはいかない。
 クロスとしても、状況を打破する為の策はあるものの、それを使えばクロス自身もリスクを負わねばならない危険な手段だ。
 ならば、猟兵とオブリビオンはどちらも攻めきれず、ここで延々と武器を打ち付け合うしかないのか?
 当然ではあるが、そうはならない。
 先に言った通り、辺境伯はもはや孤立無援であるが……猟兵は、そうではないのだから。
「……!」
 真っ先に気付いたのは、オブリビオンの側。
 耳に届いた地を駆ける何かの足音を察知した騎士が素早く飛びのけば、その場所はすぐに巨大な何かに踏みつぶされる。
「申し訳ありません、村の入り口近くでしたので、少々合流が遅れました……!」
 その正体は、機械の馬に跨ったトリテレイア。
 現れた三人目に対し、騎士は剣を固く握り直し、紋章はギイギイと耳障りな叫びをひと際大きくして、鎧に這わせた触手をせわしなく動かす。
 ──『辺境伯』としてならば、この出征は完全なる失敗である。
 手勢は全滅し、この空白地帯の確保もできないのであれば、行うべきは猟兵たちの戦力情報を持ち帰るための撤退だ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 紋章が訴えるその結論を無視しながら、『騎士』は剣を取る。
「……指揮にも手を抜いておりましたね」
 紋章の様子の変化から、戦闘の為に生まれた機械としての思考能力から。気づいた事実を口には出さず。
 トリテレイアは、ただ一言を呟いてからその大盾を構えた。

 この状況であれば、小回りの利かない巨大馬はかえって邪魔になる。
 飛び降りたトリテレイアがスラスターを吹かせて突進すると同時に、クロスも駆ける。
 錆びた騎士の剣と、白い騎士の盾が真正面からぶつかるその時、クロスは先ほどと同じように鎖を繰り出す。
 先の膠着と異なるのは、トリテレイアという膂力に優れた仲間の存在。
「──蛇よ、喰らえ」
 毒蛇のごとき牙をもって騎士の片腕を捕らえる鎖が、クロスの腕によって全力で引かれる。
「…………ッ!」
 全力で引き、ようやく片腕を抑えられるというのは流石の辺境伯だと呼ぶべきか。
 先ほどこのユーベルコードを使っていれば、逆にクロスが引き寄せられ、あの剛剣を無防備に受けていたかもしれない。
 しかし、今の騎士の眼前にはトリテレイアが居るのだ。
 クロスだけに集中すれば、その隙をトリテレイアが確実に突いてくると分かっているのだから、強力なオブリビオンといえど強引な手段を取ることはできない。
 徐々に押し込まれる騎士に対して、次に仕掛けるのはナハト。
 こちらも先ほどと同じように、自分の身体である触手を繰り出し、騎士の鎧の隙間を狙う。
「────」
 騎士の思考に生じる、一瞬の逡巡。
 オブリビオンの下した結論は仕切り直し。トリテレイアの大盾を足で蹴り離し、クロスに拘束された腕とは逆の剣でナハトの触手を迎え撃つ。
「おヤ、気が利クね」
「何を狙っているかは見ましたから……未来で」
 騎士の剣が触手を斬ると同時に、その思考に生じる疑問。
 再びの攻撃を無力化されたというのに、まったく動じた様子のないナハト。
 そして、騎士の蹴りと同時に後ずさったトリテレイア。
 その動きにより、トリテレイアは下がるものの……騎士の側は、ナハトの至近距離からの離脱に失敗していた。
 だが、それに何の意味が?
「ギギッ!? ギガギャガガガ!!」
 答えを叫んだのは、胸元の紋章。
 己の身体でない紋章に何が起こったのか、騎士の理解は致命的に遅れていた。
 ナハトの触手は、騎士に斬り払われたものがすべてではない。
 透明にして忍ばせていた半数は、真正面から弱点を狙ったものを隠れ蓑にしながら、騎士を『辺境伯』たらしめる紋章へと取りついていたのだった。
「よし、今です!」
「抵抗が緩んだ……俺も!」
 動揺と焦りに動きが鈍った騎士へ、トリテレイアとクロスが再び肉薄する。
 鎖に片腕を拘束された騎士が、咄嗟の抵抗として振るう剣。
 ユーベルコードとして、当たれば一撃で戦闘不能になりかねないその暴威。
 それでも、それに臆することのないクロスが剣を振るい、その攻撃を無力化すれば、紋章へと伸ばされるトリテレイアの剣を阻むものは何も残らない。
 紋章と騎士を繋ぐ触手が断たれれば、いよいよもって紋章へナハトの行う『摘出』に抵抗する力は残らず。
「ギ……ギャアアアアア!!?」
 宿主から引き離された悍ましい宝石が上げた断末魔。
 ナハトの手に収まったその輝きが失われ始めるのは、その直後の事であった。

●騎士は眠り、猟兵は
「…………」
「まだ、戦う気なのか……」
 紋章を奪われた赤錆の騎士。
 過剰な力をその身に宿していた反動なのだろうか、足元はふらつき、剣を握る手はおぼつかない。
 その様を見つめるクロスの表情は険しくなるものの、敵は依然として剣を下ろしはしない。
「ひとつ、問います」
 その時、口を開いたのはトリテレイアだ。
 クロスは弱り切った相手に積極的に仕掛ける様子はなく、確保した紋章を観察するナハトも、騎士に対して言う事がある様子でもない。
 しかし、トリテレイアは別だ。
 目の前の相手が騎士であるのなら、トリテレイアは彼に問うべきことがある。
「私はこの先の人々の命の為、盾を掲げます。貴方は何の為に、誰の為にその剣を執っているのですか」
 問いたかったのは、騎士としての在り方。
 ここまで、意味のある言葉を何も発さなかった彼であるものの、それでもこの騎士は逃走を選ばず、『辺境伯』という強力なオブリビオンが此処で倒れる未来を選んだ。
 彼が、騎士として何を考えていたのか。
 骸の海に還る前に、問わねばならないと思ったのだ。

 騎士が、トリテレイアの盾へ剣を向ける。
 命を守るのだとトリテレイアが語った盾へ、錆びついた騎士は剣を向け。
 そして。

「これ以上戦う必要はない……眠ってしまえ」
 トリテレイアと共に、剣を振るったクロスが呟く。
 オブリビオンを倒すのは容易かった。
 なにせ、敵が何も武器を持っていなかったのだから。
「……そうですね、彼の返答は受け取りました。あとは、眠ってもらいましょう」
 トリテレイアも、静かに同調する。
 命を守るための盾へ剣を向け──そして、手放した騎士。
 声なき彼が最期に何を考えたのか、すべては分からずとも、彼はトリテレイアの問いに、騎士として答えたのだろう。
「あア、死人ニ対しテ、それ以上ニ考エる事も無イ……私たちハ、コレかラもあるのダかラネ」
 剣を振るった男たちへ声をかけるナハトの手に握られた『辺境伯の紋章』。
 これを錆びた騎士に、より多くのオブリビオンを与え、『辺境伯』を生み出した存在がこの世界にはまだ存在する。
 避難させた人々の平穏は守られたが、この世界に光を取り戻したわけではない。
 騎士は眠る、されど、猟兵の戦いは何も終わっていないのだ。

 人々に戦いの終わりを告げに行くために歩み出した彼らの面持ちは、しかし新たな戦いを予感した鋭い眼差しを保ったままであった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月06日
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