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我ら髪の毛刈り団!

#グリードオーシャン #深海人 #深海島

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#深海島


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●ぶくぶく、ふしぎな

 ぶくぶく、ぶくぶく、海面に大きな気泡が頭を出したかと思えばポンッと割れた。
 そこへ大きな影が無数、ゆらりと波や海流を物ともせずに接近する。
「刈れ、刈れぇぇぇい!! どんな種族でも毛を持つヤツの毛を刈り尽くせぇぇぇい!!」
 海賊船の先頭に立つ眩しいほどのスキンヘッドを持つ男は声を上げた。

 さぁ、大変!

 これは猟兵の出番ではないのだろうか?

●グリモアベース

「皆さん、集まってくれてありがとうですよ~♪」
 翼が生えた魚のグリモアがダミア・アレフェド(蒼海の人魚・f01502)の周りを泳ぎ、猟兵に気が付いた彼女は腰から生えている翼を羽ばたかせながら笑みを浮かべたままコチラを向いた。
「あのですね! グリードオーシャンという世界には他の世界から落ちてきた島の他にも“深海島”という“貝や珊瑚でできた都市”があるのですよ!」
 ルビーの様な赤い瞳をキラキラと輝かせながらダミアは、嬉しそうに猟兵たちに“深海島”の事を話す。
「話によると、空気の泡に包まれていて海の中に存在しているそうなのですが……コンキスタドールに狙われているそうなのですよ……で す の でっ」
 ダミアが一呼吸し、キリッと真剣な表情になるとグリードオーシャンの地図を指した。
「深海島の位置は把握しておりますので、皆さんの手でコンキスタドールから守って下さい。あっ、深海島とは海の中にあるとはいえ空気の泡で泳げなくても、海洋系種族や機械ではくても息は出来ますよ♪」
 蒼く美しい尾びれを揺らしながらダミアは説明をする。
「まぁ、水圧とかは大変だと思いますが猟兵の皆さんなら大丈夫ですよ! それでは、深海島を守ってきてくださいね! ……私も行きたかったですよ~……」
 笑顔で猟兵を見送りながらダミアはぽつりと呟いた。


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

 海の世界って素敵ですよね!!
 題名からしてネタシナリオですみません。
 日常のみダミアの同行可能です!

 最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
 それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『巨大魚』

POW   :    船喰らい
【頭部からの体当たり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鋭い牙によるかみ砕き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    テイルフィンインパクト
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    ウォータービーム
レベル×5本の【海水】属性の【水流弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シホ・イオア
深海は初めてだけどたいやきがいるから大丈夫☆
さあ、困ってる人を助けに行くよ!

熱帯魚のたいやきのおかげで水中での行動に問題はない
とはいえ水中をホームにしている相手にどこまでいけるのか……
慎重に行動していこう
初めて見る光景だから誘惑多いけどね☆

「輝石解放、サファイア! 浄化の雨よ集え!」
無数の水球を体当たりを狙う敵に対しカウンターになるよう面状に放射
水中だから水球は視認しにくいし
態勢を崩すくらいは期待できるんじゃないかな?
動きが崩れたら光輪とビームで追加攻撃するよ

防御は残像を使いつつたいやきに乗って水中戦等で対応

アドリブ連携歓迎



●深海島を守る

「さあ、困ってる人を助けに行くよ! たいやき」
 色鮮やかな熱帯魚“たいやき”の背に乗ったシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は、ぼこぼこと気泡が出ている海面をアメシストの様な大きな瞳で見つめる。
 海の中に入るというのは少々不安が胸に残るが、たいやきが紳士っぽく自慢のネクタイを静かに手ヒレで撫でながらゆっくりと海面に近付く。
「準備は出来ているよ」
 ぐっ、とシホが胸元で拳を握りしめるとたいやきの背中に抱き着き、目を閉じた瞬間にバシャンと水の音と共に冷たい液体が体を覆う感覚に思わず身震いをしてしまう。
「あ……」
 息を止めてしまっていたシホは、瞳を開くと海面から射す陽光が揺れ動きまるで森の木漏れ日を思わせた。
 感嘆のため息を漏らし、青い宝石の様に光り輝く海面に見とれているとたいやきが音がする方向に振り向くと、おっほんと軽く咳払いを一つ。
 “巨大魚”たちが普通の魚よりも大きく生え揃った鋭い牙を剥き出しにして、シホ達に襲い掛かろうとした。
「輝石解放、サファイア! 浄化の雨よ集え!」
 “宝石剣エリクシア”を手にするとシホが声高らかに言うと、彼女の周囲に渦を巻きながら小さな球体が出来上がると浄化の力を込めた無数の水球は、巨大魚たちに向かって放たれる。
 水球が巨大魚たちに当たり、魚たちは見えない攻撃に戸惑っていると――
「たいやき、攻撃するよ!」
 シホは手の中に彼女から溢れる光を集めて出来た“ルミナス・リング”を投げて近い巨大魚に当て、“ミステリアス・レディ”のビームを放って巨大魚の群れを貫いた。
「息は問題なく出来るし、たいやきがいれば海の中で戦うのは怖くないよ!」
 終わったら新しい世界の景色をゆっくりと眺めたい、と思いながらシホは沖から次々とやってくる巨大魚たちを見据えた。

 深海島を守る戦いは始まったばかりだ――

大成功 🔵​🔵​🔵​

富井・亮平
【心情】
来たなッ! 傍若無人のオブリビオンめッ!
このイェーガーレッドがいればもう安心ッ!
たちまち焼き魚にしてやろうッ!

【行動】
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
重視するのは攻撃力ッ!
炎・水・風の三つの魔力を絶妙なバランスで活用ッ!
風の魔力で作り出した泡の中に炎の魔力を凝縮することで、爆弾化した泡を作り出すぞッ!
これを水の魔力に乗せて散布・展開だッ!

体当たりしてきた敵を爆発で吹き飛ばしたり、勢いで噛みついた敵を粉砕したりするッ!
普通の泡も爆弾かもしれない、という疑心暗鬼効果が発揮されれば敵は攻撃をためらうようになるだろうッ!
攻撃は最大の防御にもなるというわけだッ!



●海に現る赤き正義

 大海原の海面にぶくぶくと泡が始める場所に転送された富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)は、燃える様な全身赤い“ヒーローコスチューム”を身に纏ったまま水飛沫を上げながら海の中へと突っ込んだ。
「来たなッ! 傍若無人のオブリビオンめッ!
 このイェーガーレッドがいればもう安心ッ!
 たちまち焼き魚にしてやろうッ!」
 豪快に現れ、声高らかに亮平が言うと巨大魚の群れは素早く声がした方へ向いた。
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
 かっこよくポーズを決めながら亮平、否イェーガーレッドが叫ぶと水の魔力が腕に宿り、風の魔力は体を覆い、そいて炎の魔力がゴウゴウと燃え盛りながら残った方の腕に渦を巻きながら覆った。
 深海島から生成されている気泡を風の魔力で操り、その中に炎を閉じ込めると水の魔力を宿した腕を頭上に掲げた。
「骨が柔らかくなるまで焼き尽くしてろうッ!!」
 イェーガーレッドは気泡を操り、自身の方へ泳いでくる巨大魚の群れに向かった気泡の中は炎の魔力によって高熱で海水は気化されている。
 そう、偶然の出来事であった――
 巨大魚の群れに気泡が当たると、水の中でも聞こえる程の爆発音とその衝撃が海水を震わせた。
「焼き魚どころか木っ端微塵ではないかッ!」
 予想外の出来事にイェーガーレッドは内心驚きながらも、巨大魚の群れは彼が操る気泡に注意しながらじっとにらみ合う。
 再び水の魔力で気泡を操り、巨大魚の群れに突っ込ませると一瞬怯みただただ気泡から逃げ回る。

 巨大魚の群れは猟兵たちに目もくれずに、ただの気泡から逃げ回り隙だらけだ。

 猛攻を仕掛けるなら、今だ――

大成功 🔵​🔵​🔵​

弥久・銀花(サポート)
敵が集団の場合は罠に掛けて一網打尽、或いは私が囮になって頃島までエスコートしますね

ユーベルコードのワイルドエールで敵に突っ込んだり、縦穴を掘って敵を落としたり
無視できない煽り攻撃で楽しく罵倒しながら他の人の近くまで誘引したりします


(ですが例によって奇襲には弱いので、場合によってはあっさりと敗北します、触手とかエッチなトラップとかには特によく引っ掛かります)


龍統・光明(サポート)
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』
ヤドリガミの電脳魔術士×神器遣い

性別:男

外見:赤い瞳・銀髪・色白

口調:俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

特徴:基本冷静沈着。但しノリは良い。
普段二刀流と蹴術を織り交ぜる戦闘スタイルだが、
AS展開時は一転二丁銃と羽形ブラスターを操り戦う。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用

基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う

常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている

自由に動かして頂いて構いません。(NG:ギャグ・コミカル)


木元・祭莉(サポート)
「おいら、一人前の猟兵になるんだー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、12歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。

いつも深く考えず、場合に応じてテキトーに、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語やおのまとぺを多用します。

ユーベルコードは、地味に戦闘力底上げに使うことが多いです。
例外は守護神降臨。
飼い雌ニワトリのたまこがモデルで、世界最強で最恐で最凶、なんだそうです。

多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!



●巨大魚を倒し尽くせ

「不思議な……感じです」
 ぶくぶく、と海の中から生成される気泡をルビーの様に赤い瞳に映しながら弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)は、ぽつりと呟くと腹の底に響くような爆発音がする方向へ振り向いた。
 すると、巨大魚の群れがそれから逃げるかのように蜘蛛の子が散るように逃げる姿が視界に入る。
「で? それって戦うのに何か関係の有る事なんですか? もっと他に良い方法があるのでは無いでしょうか?」
 仁王立ちになって腕を組むと銀花は、逃げようとする巨大魚に向かって大声で言い放った。
 その言葉を聞いてムッと苛立ちを覚えた巨大魚の群れは銀花の方へ方向転換すると、一斉に彼女に向かって泳ぎ出した。
「びゅーん! おいら参上!」
 銀花と巨大魚の群れの間に割って入ってきた小さな人狼は木元・祭莉(おいらおいら詐欺・f16554)だ。
「ゆらゆら〜ってね!」
 祭莉の身体から放たれた白炎により、蜃気楼が発生して銀花と祭莉の幻影が現れてどれが本物なのか分からずに戸惑う巨大魚の群れ。
「総餓の神髄を垣間見ろ、奥義・涅槃寂静……」
 チン、と鍔鳴りが聞こえた頃には龍統・光明(千変万化の超越者・f02421)の“絶”から放たれた神速の斬撃によって、動きに迷いのある巨大魚は手に取るように分かり黒い斬撃が消える頃には海の藻屑と化して消えていた。
「今ならどーんでばーんと倒せるね!」
 祭莉が陽気に言いながら“アンバーナックル”で巨大魚を殴って粉砕すると、他に戦っている猟兵のユーベルコードが爆発したりビームが放たれている方へ一瞬だけ視線を向けた。
「それはお二方の素晴らしい援護あった故にだ」
 巨大魚の頭部を蹴って怯んだ瞬間に光明は、“神装【布都御魂】”で素早く斬ると残骸は細かい泡となって海の中へ消えた。
 幻影が薄れてきたのであろうか、巨大魚の群れは本物の祭莉たちに向かって巨大化した針、というよりも槍の先程の大きさもある牙が生えている口を大きく開いたまま泳いできた。
「そんな芸しか出来ないのですか?」
 鼻で笑いながら銀花が挑発すると、巨大魚の群れが視界から消えた。
 小さな気泡が視界を白く染め、再びドンという音が海の中で響いたかと思えば布の切れ端が海に散らばる。
「――っ!?」
 それは銀花の服、直接噛み付かれはされなかったものの軍服風のワンピースが引き裂かれて、それに宿る老軍人の亡霊は彼女の傍で嬉しそうに凝視している。
「お姉ちゃん!!」
 次の攻撃が来るのを野生の勘で察した祭莉は、銀花の腕を掴んで引き寄せると先程まで銀花が居た場所に無数の水流弾が通り過ぎた。
「た、助かりました」
「お礼は後でいいから!」
 銀花の言葉に祭莉が首を振りながら言うと、ユーベルコード『白楼炎(ハクロウエン)』を再び発動させて巨大魚の群れから放たれる水流弾から逃れる。
「(こんな形で役に立つとは思いませんでした)」
 銀花の胸に巻かれているサラシに手を当て、胸を撫で下ろしながら海の中から空を見上げた。
 戦いの音、衝撃、そして小さな泡となって消える巨大魚の群れが無ければもっと綺麗な景色なのだろうと思いながら赤い瞳にその風景を映す。
「俺の後ろに隠れておけ」
「あ、はい」
 光明が銀花を庇う様に前に立つと、両手に握られている二振りの刀“絶”と“神装【布都御魂】”を振るう。
「どーん!!」
 祭莉が無邪気な声を上げながら自身よりも大きな巨大魚をパンチで吹き飛ばす。
 そして、訪れる静寂は巨大魚の群れを全て倒せた事がその場にいる猟兵たちは直ぐに分かった。

 静かになったその場所をから深く、深く、気泡が上がって来る方へと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 日常 『みんなでお茶会!』

POW   :    お茶菓子を楽しむ!

SPD   :    お茶を楽しむ!

WIZ   :    島民との会話を楽しむ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●深海島でのひと時

 気泡が発生している方へと進むと、そこには“貝や珊瑚でできた都市”が巨大な気泡に包まれていた。
 正に“深海島”と呼ぶに相応しい所だ。
「おや、外からのお客さんなんて何時ぶりだろう? まぁ、歓迎しましょう。さぁさぁ、お茶とお菓子でもどうぞ」
 そう島民が言うと、猟兵を快く出迎えると見たこともないお菓子と飲み物が用意されたテーブルへと案内される。

 アナタは何をする?
フローリア・ヤマト(サポート)
『大丈夫よ、私達に任せて』
『うるさいわね……ちょっと黙らせるわ!』
呪いにより余命少しの、クールな美少女です。
口調は上記のように少しツンとした感じですが、人間が嫌いなわけではなく、仲間や人々のことを心の底では大切に思っており、戦闘でもうまくサポートしようと立ち回ります。
また、敵に対しても怯むことはなく、時には挑発めいたセリフも交えながら、死角や弱点を突いて確実に仕留めることを狙って戦います。
フローリアのUCは、嵌めている「呪いの指輪」から黒い糸や影を放つ……みたいなイメージなので、そのように描写していただけると嬉しいです。


ミュー・ティフィア(サポート)
困ってそうですね。少しお手伝いしましょうか?


基本的に誰に対しても友好的。
時々うん、と相槌をしたり、敬語はやや崩れ気味です。
好きなものは紅茶です。
余裕があれば飲みたいし、色んな人とお茶会とかしたいです。
楽しい事は皆で楽しんだ方が良いに決まってるんです。

トゥッティを通して加護を与えてくれている精霊とはとても仲良しです。

なるべくなら助けられる人は全員助けます。
復興のお手伝いとかもしますし、皆が明日も生きられるように歌や言葉で元気付けられたら嬉しいです。

いかなる場合でも公序良俗に反する事には関わりません。

もちろんお酒は飲まないけど、私って酔ってるに近い状態になると女王様気質のドSになるって聞きました。



●賑やかなアフタヌーンティー

「こんな事をしているヒマはないハズよね?」
 黒い巫女装束が目立つフローリア・ヤマト(呪いと共に戦う少女・f09692)は、銀の長い髪を振り乱しながらサァイアの様な青い瞳で睨んだ。
「良いじゃないですか。グリモア猟兵の予知によると、襲ってくる連中のボスが来るまでに時間がある様ですから」
 フローリアより半分も歳が下である幼い少女ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)は、遠慮なくテーブルに腰を下ろすとコーラルの様なピンクの髪を揺らしながら小さく首を傾げた。
「ね?」
 出来立てのお菓子がテーブルの中央に並べられており、フルーティーで花様な香りがするティーカップをミューは優雅な動作で口に運ぶ。
「だけどっ!」
「はいっ」
 フローリアは表情を変えないが青い瞳は焦りを感じているのであろう揺らいでいたが、そんな事はお構いなしにミューは焼きたてのお菓子を口へ放り投げた。
「(く、悔しいけど、美味しい……)」
 ぐぬぬ、と呻き声を漏らしながらフローリアは咀嚼していると次は飲み物を差し出された。
「果物沢山で凄く美味しいですよ」
「ひ、一口だけだからね」
 ミューが満面の笑みで言うと、フローリアは『これはおままごとなのよ。そう、小さな子に付き合っているだけよ!』と自信に言い聞かせながら程よい温度のフルーツティーを口する。
 ふわっ、とマンゴーやパイナップルにレモンの甘くて酸っぱい果物の匂いが鼻腔に広がり、程よい温度で後味がスッキリしていた、
「ね? 美味しいですよね」
「お兄様にも……」
 ぱくり、と一口サイズのお菓子を頬張りながらミューが言うと、フローリアはぽつりと呟きながらティーカップに浮かぶフルーツを見詰める。
「大丈夫です。皆、猟兵になってから更に失ったり、得たい物のためとか……そういう信念を持って戦っているんです。まぁ、中には違う人もいますけどね」
 宝石の様にキラキラと太陽の光で揺らめく深海島の空を見上げると、ミューはくすくすと小さな笑い声を出しながら言った。
「それも、そうなのかしら?」
「そうですよ。だって、先に“深海島”に着いて住民から歓迎され、これから襲って来るオブリビオンを万全の状態で戦えるのです」
 ふと、思い出した疑問をフローリアが口にすると、ミューはこくりと力強く頷きながらニコッと可憐な花が咲くような笑みを浮かべた。
「それもそうね。美味しいから食べたいとか、飲みたいとかじゃないからね! 戦いに備えて英気を養っているだけよ」
「分かっています。ただ、私はこうしてお茶をしてくれるフローリアと、楽しくお茶会したいだけなのです」
 ぱくり、と切り分けられたケーキを頬張るフローリアにミューが、サファイヤやルビーの様なオッドアイに彼女を映しながら嬉しそうに言う。
「分かったわよ。付き合ってあげるわ! でも、此処にお兄様も……」
 少し不服そうな様子のフローリアは、ミューの歩み寄る姿勢に折れてしまいお茶会に付き合う事にする。
 指にはめている“呪いの指輪”を撫でた、フローリアの寿命はまだ五ヵ月もあるが――否、五ヵ月“しか”ないのだ。
 その時が来るまで、戦い事も必要だがミューの様に色んな人とお茶会を楽しみたいという気持ちは、理解出来ないワケではない。

 ならば、フローリアという猟兵がいた事を思い出に残せば、仲間からお兄様へ伝えてくれる

 居なくなっても、指輪と皆の思い出の中で生きていられるから――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シホ・イオア
島民とおしゃべり。

この島がどんな所なのかを知りたいし、
外からお客さんが来なくなった理由とかあるのかな?
困ってることとかないですかー?

問題ないようならお菓子をもらうよ。
どんなものか楽しみだしね。



●広がる青、海の中の都市

 驚いた、アメシストの様な大きな紫色の瞳に青い光が降り注ぐ“深海島”と呼ばれる都市の空を見上げ、樹々の間から差す木漏れ日の様でオーロラの様な光に瞳は奪われてしまった。
「わぁ……」
「来てくれてありがとう、小さく愛らしい猟兵さん」
 感嘆の声を上げるシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)に、住民の女性が優しい笑みを浮かべながら声を掛けた。
「ここの島ってどんな所なのかな?」
「そう、ですね。メガリスを取り込んだ珊瑚が巨大化した島で、海に生きるモノ達のお陰で住めているんですよ」
 シホの疑問に女性は焼き菓子とジュースをテーブルに並べながら答えた。
「それとこの島へ外からお客さんが来なくなった理由とかあるのかな?」
「この島を狙っている海賊や配下がうろつき、よく遊びに来ていた魚たちの姿が消えてしまったの」
 女性はシュン、とあきらかに落ち込んでいる様子で話すと、ぐるりと周囲を見渡した。
 シホは珊瑚で出来た小さな箱に座り、女性と同じ方向へ視線を向けるが小さな気泡がゆらゆらと揺れながら海面に向かって上る光景しか見えない。
「本来でしたら、色とりどりの魚たちが見えるのですけど……あ、ささどうぞ」
 女性が小さくため息を吐くと、首をふるふると横に振って笑みを浮かべるとシホにお菓子とジュースを勧める。
「それでは、いただくね!」
 ぱくり、と自身と同じ大きさのお菓子を齧り付き、ふと他の猟兵たちの話を耳にした。
 この島に向かおうとした時に襲ってきた巨大魚、そしてこの島を狙っているオブリビオンが『住民が悩まされている』事だというのは理解したシホは、不思議な味がするジュースでお菓子を流し込んだ。
「(……来る!)」
 ぴくり、と青く透明な羽が動き、シホが顔を上げて視線を向けた先には――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカ』

POW   :    脱毛一閃
【毛根を完全死滅させる猛毒を塗った二刀の剣】が命中した対象を切断する。
SPD   :    スキンヘッドバーサーカー
【毛根を持つ連中に対する自身の怒り】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【二刀を合体、超々々々々々威力の巨大鋏】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    つるぴかボム
レベル×5本の【強烈な脱毛効果の毒ガスを充填した、毒】属性の【投擲爆弾】を放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●海の中を進む海賊船

「うぉぉぉ!! 寄越せ、そのふさふさで美しい髪の毛を!!」
 船頭で巨大なハサミを振り回しながら“『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカ”は叫ぶ。
 島が揺れたかと思えば、島に船が突っ込み上陸すると鋭い眼光で住民を見渡した。
「ひっ!?」
 恐怖のあまりに住民の一人は動けず、ゴルガを怯えた表情で見詰めた。
「よーし、お前に決めた!!」
 ゴルガは住民に向かって駆け出す。

 助けなければ!

 住民の髪どころか、命も奪いかねない勢いだ!
シホ・イオア
うーん、光ってるね☆
気にしなくてもスキンヘッドの似合う男の人ってカッコいいと思うのに。
あ、似合ってても乱暴者は問題外だゾ!

住民を守るように前に立ちはだかって制圧射撃で足を止める。
「輝石解放、ルビー! 悪い子は何をとは言わないけど燃やしちゃうぞ!」
ガトリングと炎で敵の爆弾を処理する弾幕を張り
誘導した炎で正確に相手を狙っていく。
回避については霞の残像を使って的を絞らせず直撃を避ける。

連携アドリブ歓迎。


木元・祭莉
うわ。つるつるぴかぴか!
おっちゃん、輝いてるね!!

狙われてる人を、どーんと突き飛ばして登場。
ゴメンね、怪我ない?

うん。毛はあるね。だいじょぶだね!(にぱ)

おっちゃん、ふさふさ嫌いなの?
おいらのしっぽも、ふさふさだよ♪
どう? しっぽほしい?(しっぽふりふり)
それじゃ、こっちで戦おっかー♪(誘導)

いざ、参る!
攻撃は、左右の護拳で受け止めるね。毛根はそこじゃないよー♪

ね。ないものねだりはよくないよ?
おっちゃんには、りっぱな鋏があるじゃない♪
無理に奪うんじゃなくてさ、床屋を目指すとかすればよかったのにー。

でもまあ。
オブリビオンだから仕方ないかー。
大人しく骸の海にお帰りねー♪(灰燼拳)



●テカるモノ、それはスキンヘッド!

「うーん、光ってるね☆」
 太陽の光差し込む海中にて頭頂部が光っているのを見て、シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)は思わず眩しそうにアメシストの様な紫色の目を細めながら明るい声で言った。
「うわ。つるつるぴかぴか! おっちゃん、輝いてるね!!」
 深海島の住民からお菓子を貰い、小さな体で守るように前に出る木元・祭莉(かしこさが暴走したかしこいアホの子・f16554)は、満月の様な銀色の大きな瞳をキラキラと輝かせながらお菓子を頬張る。
「気にしなくてもスキンヘッドの似合う男の人ってカッコいいと思うのに」
 シホの言葉に同意するかのように住民たちは頷くが、コンプレックスである部分を褒められても執着している『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカにとってその言葉は、挑発や侮辱として受け取ってしまい茹でタコの様に顔を赤くした。
 投擲爆弾『つるぴかボム』を怒りのままに放り投げ、カランと地面に落ちると爆発音と共に脱毛効果が含まれている毒が島内を漂い始める。
「ゴメンね、怪我ない?」
 俊足を生かして祭莉は、住民をドーンと突き飛ばして毒から遠ざけると両手を合わせて謝罪しながら確認をする。
「うん。毛はあるね。だいじょぶだね!」
 毒によって髪が失われていない事を。

「輝石解放、ルビー! 悪い子は何をとは言わないけど燃やしちゃうぞ!」
 シホのブーツに仕込まれた“マジカルガトリングブーツ”の銃口が剥き出しになると、魔力が収縮されると複数の銃口が回転しながら魔法弾を射出する。
 ガガガッ、と魔法弾がゴルカの足元に着弾するとゴルカはハサミを頭上に掲げ、まるで踊っているかのように足をジタバタさせながら後退する。
「愛の炎よ、優雅に舞い踊れ!」
 間髪入れずにシホが声高らかに言うと、ゴルカが更に投げようとしていた『つるぴかボム』目掛けて愛の炎を操って放つ。
 ボン! と、爆発音と共に爆風が吹き、シホは残像を残しながら回避する。
 煙が消えた後には黒焦げになったゴルカが唖然とした表情で立っており、その隙に祭莉が駆け寄るとこれみよしがにふかふかの尻尾を振りながら見上げた。
「おっちゃん、ふさふさ嫌いなの? おいらのしっぽも、ふさふさだよ♪」
 ふりふり、尻尾の毛は髪の毛ではないのでゴルカは生返事しながら祭莉へ視線を向けた。
「どう? しっぽほしい?」
 自慢の毛並みに見惚れているんだろう、と祭莉は思いながらゴルカの眼前に尻尾を向けて揺らすと、毛先は鼻先をくすぐるとゴルカがデカイクシャミを深海島に響かせた。
「この……ガキがぁぁぁ!!」
 ゴルカが巨大なハサミを地面に叩き付けると、怒声を上げながら腰に帯刀している二刀の剣を引き抜いた。
「毛根はそこじゃないよー♪」
 左右からハサミの様に振られた剣を祭莉が拳で受け止めると、口元を吊り上げながら笑みを浮かべるとゆらりと尻尾を揺らした。
「ね。ないものねだりはよくないよ? おっちゃんには、りっぱな鋏があるじゃない♪無理に奪うんじゃなくてさ、床屋を目指すとかすればよかったのにー」
 ゴルカを見上げながら祭莉は、小さく首を傾げながら言うも声は届いていないのであろうか?

 剣を振るう手を止めない――

「オブリビオンだから仕方ないかー」
 過去の存在故にか、過去に囚われているならば出来ることは一つ。
「大人しく骸の海にお帰りねー♪」
 祭莉の小さくとも、鋭く重たい拳の一撃がゴルカの頬を当たると巨体は四肢を躍らせながら地面に転がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

七瀬・夏希
見たところ、敵は近接武器がメインのようだ。
わざわざ敵の戦い方に合わせてやる必要はない。
距離を取って戦うのが得策だろう。

物陰に隠れつつアサルトライフルを構える。
敵に狙いを付けたなら、射撃開始。
敵の全身を射抜いていく。

これで倒れてくれれば良いが……そうは問屋が卸さないか。
ならば、こちらもメインの武器を使わせて貰おう。
雨叢雲剣を召喚。【神器解放】で無数の複製を作り出し、敵目掛けて射出する。

人の髪を奪いに来たんだ。
逆に自分が何かを奪われることくらいは想定していたんだろう?

と言っても、別にお前から貰いたいものなどないがな。
熨斗を付けて骸の海に還してやるよ。



●猟人

「(見たところ、敵は近接武器がメインのようだ。さて、わざわざ敵の戦い方に合わせてやる必要はない)」
 他の猟兵たちが戦っている間に七瀬・夏希(UDC特殊部隊員・f29827)は、小柄とは言い難い長身を隠す為に大きめの家の影に身を隠した。
 慣れぬ環境での戦いに戸惑いを感じつつも“アサルトウェポン”を手にし、距離的にスコープは不要と判断してレッドドットサイトを装着すると影から状況を確認する、
「(簡単に倒せる相手ではないだろうが……それでも、私には“コレ”で少しでも――)」
 冷たい鋼の銃身を撫でながら夏希は、静かに息を吸うとアサルトウェポンの銃口を“『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカ”へと向ける。
 グリップを握りしめ、中腰になると冷たい引き金を引いた。
 ダダダッ、銃口から弾丸がフルオートで射出され、夏希はブレぬ様に制御しながらゴルカの四肢を狙う。
「これで倒れてくれれば良いが……」
 硝煙のニオイ、火薬のニオイが鼻を突く中でぽつりと夏希は呟きながら煙が消えるのを見詰めていた。
「そうは問屋が卸さないか」
 彼女の目に映ったのは、四肢を貫かれてもかすり傷程度のゴルカを見て小さく息を吐いた。
 だが、アサルトウェポンを地面に放り投げると“天叢雲剣”を抜刀して、地面に突き立てながらゴルカを見据えた。
「人の髪を奪いに来たんだ。逆に自分が何かを奪われることくらいは想定していたんだろう?」
 ユーベルコードによって天叢雲剣に施された封印が解かれ、夏希の周囲に手にしているのと同じ天叢雲剣が無限複製されて剣先はゴルカに向けられる。
「深海の島に住む人々の気持ちを私が代弁してやろう――舞え、我が天叢雲剣たちよ!」
 キッと鋭くゴルカを睨むと、夏希は声高らかに号令の言葉を響かせると無数の天叢雲剣がゴルカに向かって矢の様に射出された。
「熨斗を付けて骸の海に還してやるよ!!」
 地面に刺した天叢雲剣を握る手にグッと力を入れ、茶色い瞳を見開きながら夏希は吠える様に言葉を言い放った。

 これは、倒すための一手だ

 そう、この目で過去の海へ帰るのを見るまで――帰れない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

七瀬・夏希
やったか!?

……っ!
あれを受けてまだ生きてるなんてな
もう私には…………“私”? そうか、“オレ”は……

ああ、待たせてすまない
異世界に来たのは初めてだったんでね、少し混乱していたようだ

行くぜ、チャンプ
今からオレの本気を見せてやるよ

全ての神器を召喚し、完全武装
まずは小銃で脚を撃ち抜き、移動できないようにしてから、武器を破壊していく

さっき、あんたから貰いたいものなんてないって言ったな
だが、よく見てみると、あんたの身体にはオレにはないものが付いてるよな
せっかくだから、それを切り取らせてもらおうか

短剣を構えてゆっくりと歩いていき……UCを使用
一瞬で距離を詰め、心臓を貫く

そんなもの、欲しがるわけないだろ?



●団の終わり、深海島の平穏は訪れる

「やったか!?」
 天叢雲剣を振り下ろし、手ごたえを感じた七瀬・夏希(UDC特殊部隊員・f29827)は声を上げた。
「……っ!」
 ギンッ、鉄と鉄がぶつかり合う音が響き、夏希はハッとした表情でゴルカを見上げる。
 柄を握る手が痺れているのを感じながら力任せに振ってしまった事を後悔しつつも、素早く後方へ跳躍して距離を取った。
「(あれを受けてまだ生きてるなんてな。もう私には…………“私”? そうか、“オレ”は……)」
 カラン、珊瑚などの死骸で出来た地面に手から滑り落ちた天叢雲剣が転がる。
 ジンジンと痛む手を胸元で握り締めると夏希は、ゆっくりと瞬きをしながら海面から射す水面を見上げた。
 静かであり、低く海水が波打つ様な音が響く。

 ここは、まるで母の腹の中の様だ――

 そう感じた時には手の痛みは無くなり、目を細めるとゆっくりと深呼吸をした。
「(ああ、待たせてすまない)」
 この不思議な世界での戦いは初めてである夏希だったが、地上で戦うのと変わらない事を身体で、本能で理解する。
「行くぜ、チャンプ。今からオレの本気を見せてやるよ――」
 再び開かれた瞳はギラギラと闘争心が込められた光を帯びており、ユーベルコードによって全ての神器を強化させると“神器:小銃”を腰のホルスターから引き抜いた。
 セーフティを外して、脇に固定するとグリップを握りしめるとトリガーを引いた。
 ダダダッ、銃口から弾丸が次々と射出されるとゴルカの巨大なハサミを弾き飛ばし、そして機動力を奪うために足をハチの巣の状態にさせる。
「さっき、あんたから貰いたいものなんてないって言ったな」
 熱で熱くなった神器:小銃を手放し、夏希はゆっくりと歩む。
 裾に忍ばせていた“神器:短刀”を取り出し、革製のカバーを取って小さな刀身に曇りの一つもない短刀の柄を手の中で回す。
「だが、よく見てみると、あんたの身体にはオレにはないものが付いてるよな」
 グイッ、と近づく。
「な、なにを、だ!?」
 動けない足を引きずりながら、大男の部類であるゴルカは尻もちをついたまま必死に後退する。
「せっかくだから、それを切り取らせてもらおうか」
 短刀を逆手に持つと、夏希は柄に掌を添えるとゆっくりと振り上げた。
 
 スッ、と吸い込まれるように

 短刀の刃は、筋肉に守られているハズの胸部に柄まで沈む程に

 深く、深く、突いた――

 口から鮮血を吐き、ドスン、と巨体が後ろに倒れると体は霧散して過去の海へと帰って行った。
「そんなもの、欲しがるわけないだろ?」
 踵を返し、夏希は最後の姿を一瞥しただけで低く呟いた。
 普通ならばあるのだが、彼女には無い部分に手を添える。

 どんな形であれ、“生きている”

 住民たちは、戦いが終わったのを他の猟兵から聞いたのであろう。
 家のドアや物陰から顔を出すと、歓喜の声を上げながら彼らを命の恩人として持て成してくれた。
「(たまには、いいか)」
 赤みの強いコーラル系の唇を吊り上げながら夏希は、平和が訪れた深海島の宴に出てきた料理を舌鼓をしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月29日


挿絵イラスト