夏の涼と呪いの剣士と籠絡ラムプ(作者 柚葵チハヤ
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 ――これは夢かしら?

 目の前にいる青年を驚き眼で、少女は見つめていた。
 いつも虐められてた。
 だから、救ってくれる人が欲しかった。
「綺麗……ですね」
 やっと出た言葉はその一言だけ。喉がカラカラ。彼はにっと笑みを浮かべた。
「そんなこと、初めて言われたな」
 彼は私を見て、そっと頬に手を添える。
「で、俺は何をすれば良い?」
「……私は……」
 絞り出す言葉に、彼は笑みを深めた。
「俺は刀を振れれば、それで良い」
 そんな彼の声は、彼女には届かない。

 ――助けてくれるなら、だれでもいいの……。

 しかも彼は、美しい青年だった。彼女にとって、彼は英雄のように見えた。

「ようこそ皆様、よく来て下さいました。皆様にお願いしたいのは、サクラミラージュでの事件……今はまだ起きていませんが、皆様の手で、その事件を未然に防いで欲しいのです」
 そう告げるのは、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)。その表情はどこか悲しげで。
「皆様の向かう街では、夏の涼を楽しむお祭りが行われています。店では、風鈴や団扇に扇子、風車などが売られています。かき氷や透明な飴細工も売られているようですね。数多くの方々が浴衣を着て、楽しんでいるようです……そこに、籠絡ラムプを持った者がやってきます……」
 そこで皆にラムプを持つ者を特定して、凶行を止めて欲しいとのこと。
「ラムプを持つ者は、夕方に現れるようです。なので、それまでは、お祭りを楽しむことも可能ですよ。でも、できれば、店の人や祭りを楽しんでいる人に話しかけて、ラムプを持つ人を探していただけると助かります。どうやら、その土地に住む少女みたいですから。でも、それ以上はわかりませんでした」
 相手が分かれば、何か対策が立てられるかも知れない。
「私の予知では、お祭りで無差別殺人が行われるのが見えました。そんな悲しい状況にしないよう、皆様……お願いいたしますわ」
 そういって、夏の暑さを吹き飛ばすような、爽やかな祭りの場へと、リズは猟兵達を送ったのだった。


柚葵チハヤ
 どうもこんにちは! 柚葵チハヤです。
 今回のシナリオ、とっても今の時期にピッタリ!! しかも美形!!
 ちょっぴりわくわくしてるチハヤです。

 今回のシナリオでは……。

 1章……夏の涼のお祭りに参加!
 2章……ラムプから出てきた影朧とのバトル。
 3章……ラムプを持つ少女のケア。

 という流れとなっています。

 さて、1章では、夏の涼を楽しむお祭りに参加していただきます。時間帯は午前中からとなります。ラムプを持つ少女は夕方に現れるので、それまでガッツリお楽しみ下さい。
 リズが情報収集して欲しいと言っていましたが、なくても、すぐに分かるので、お祭りメインでも問題ありません。でも、より良い展開を願うのでしたら、少しだけ情報収集しておくと後が楽になるかも知れませんね。

 1章は断章は入りませんので、そのままプレイングをかけてくださいませ。
 あっと、誰かと一緒に楽しむのでしたら、必ず「相手の名前またはID」や「団体名」等をプレイングにお忘れ無く。

 皆さんの素敵なプレイング、お待ちしていますね。
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第1章 日常 『夏の涼』

POW楽しく涼む
SPD静かに涼む
WIZ優雅に涼む
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


リュヌ・ミミティック
・心情
ラムプ、とても綺麗、僕、大好きなんだ

・行動
まずは飴細工を買いつつ、狐火ノ囁キ(洋灯)片手に情報収取だーっ
この飴美味しいねって食べつつ、にこにこ笑顔で【コミュ力】と多少の【誘惑】を使って話をきいてみよう
「ん、おー…あの、ねーここらへんで、ラムプ好きな子、いない、かなー?」
ちょっと強引かもしれないけど、自分が洋灯好きな事、そういう子ならお店もきっと知ってるに違いないことを【言いくるめ】てみよう

お話が無事きけたら、苺味、葡萄味、檸檬に林檎、色んな味のいろんな動物の飴細工
いっぱい買って、お土産にしちゃうね!

・口調捕捉
「ん、」「ん。」「ん、おー」が最初につく。また、変な所で区切って喋るのが癖


馬県・義透
アドリブ歓迎。

複合型悪霊。生前の四人は戦友だった。
人格:第四人格『不動なる者』
一人称『わし/我ら』。わりと古風。

…身長の高さに慣れぬ(生前160、今181)
いつまでも額をぶつけるわけにはいかん。慣れるためにも、三人に無理をいって表に出ている、が…。
なかなかに面白い祭りだな。生前だと、戦乱の最中ゆえ、四人一緒に楽しむことはなかった。
なので、飴細工や風鈴の店などを巡ろう。

それと、ラムプを持った者を見なかったか聞こう。聞く場合、なにか品は買うことにする。
部屋に飾るのもいいだろうから。

※他の三人は、生前とあまり変わらなかったり低くなった程度。
こういうときに表に出る『疾き者』が「いいですよー」と言った。


ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との絡み歓迎

■心情
籠絡ラムプですか、影朧が出てしまうと厄介なことになりますわね。
まぁ、まずは夏の涼のお祭りに参加して
人々との交流を楽しみましょう。

■行動
私は、赤い薔薇柄の浴衣を着て、楽しみたいと思いますわ。
「かき氷とか、美味しそうですわね」
そう言いつつ、イチゴシロップのかき氷を頂きますわ。
「冷たくてとても気持ちいいですわ♪」

その土地の人たちにも【礼儀作法】で話しかけ
【コミュ力】でラムプを持つ者を聞いたりと【情報収集】しますわ。

「この街を、影朧の襲撃で台無しにさせる訳にはいきませんわよ!」


 この夏の涼の祭りにやってきたのは、三人の猟兵だ。
「ん。これ、ください」
 透き通った金魚の飴細工を指さし、購入するのは、狐火の如く青い光を放つ洋燈を片手に持つリュヌ・ミミティック(狐薊の鳴き声・f02038)。
 受け取った飴をさっそくひとなめして。
「ん、おい、し……」
 ぴこぴこと嬉しそうに耳を動かしながら、リュヌは飴を舐めていく。よく見ると、飴を交流した店は、若い者達、特に女性に人気のようだ。並ぶ女性達も嬉しそうに飴を購入している様子。ならばと、リュヌは決める。
「ん、おー……その、この飴、おいし、ねー」
 にこにこ笑顔に、持ち前のコミュ力と誘惑を交えて、店先で飴を舐めているお姉さん方に声をかけていく。
「あら、可愛い子ね。どこからきたの?」
「ほんと、この店の飴、おいしいんだよね。特に動物の形をしたのが美味しいの」
「あたしはレモン味が好き! ホント美味しいよね」
 どうやら、リュヌの可愛らしさにお姉さんの警戒心も薄れていたようだ。これならば、いろいろと話が聞けそうだとリュヌは続ける。
「ん、おー……あの、ねーここらへんで、ラムプ好きな子、いない、かなー?」
 片手に持つ洋燈を揺らしながら、尋ねると。
「そういえば、カナ子が新しいラムプを買ったって聞いたわ」
「なんだか胡散臭い露店で買ったんでしょ?」
「ああ、知らないんだっけ。カナ子っていうのは、近所で根暗な子なんだ。大人しいんだけど、なんか雰囲気が怖くって」
 どうやら、その子が今回のターゲットのようだ。
「ん、あー……あの、教えて、くれて……ありが、とう」
 ぺこりと丁寧にお礼を言うと、お姉さん方は笑顔で見送ってくれた。彼女が現れるまでまだ時間がある。ならばと……お姉さん方が話していた飴が気になったリュヌは、もう一度、先ほどのお店に戻って、たくさんの動物の形をした飴をお土産にしたのだった。

 ちりーんと、風鈴が鳴った。
 ちなみに風が吹いたからなったのではなく……。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……この身長の高さに慣れぬだけだ」
 風鈴が飾られているところに頭をぶつけたのは、馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)。そして、心配そうに声をかけたのは、赤い薔薇柄の浴衣を着たローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)だ。
 なぜ、頭をぶつけたのかというと……。

 ――慣れるためにも、三人に無理をいって表に出ている、が……。

 そう義透は、亡くなった4人の戦友が一つの体を持った複合型の悪霊だ。
 今、表に出ているのは、第四人格の『不動なる者』だ。こういうときに表に出る『疾き者』が「いいですよー」と言ったので、少しでも慣れるために出てきたのだ。ちなみに『不動なる者』の生前の身長は160センチ、現在は181センチと20センチ近く違う高さにやや戸惑っている様子。でも、こうして歩いていると慣れてきたらしく、額をぶつける回数も減ってきたようだ。まだ少し額が赤くなっているが。
「なかなかに面白い祭りだな。生前だと、戦乱の最中ゆえ、四人一緒に楽しむことはなかった」
 そう笑みを深めて、先ほど頭が激突した風鈴屋に入っていった。
「うむ、これがいいか。部屋に飾るのもいいだろうから」
 色鮮やかな魚が描かれた、風鈴を一つ手に取り、店員に声をかける。
「この風鈴を買いたいのだが……」
「お客さん、お目が高いね。うちの商品でもなかなかの品だよ」
 どうやら、いつの間にやら、良い風鈴を選び取ったようだ。金を支払い、品物を包んでいる間に義透も情報収集を行う。
「ラムプを持った者かい? 祭りだからたくさんいるよ。……ああ、そんならうちの近くに住んでるカナ子ちゃんが、持っていたね。珍しく陽気に笑ってたから覚えているんだ。いつもは少し大人しい子だからね」
「そうか。……良い情報をありがとう」
 店員から買った風鈴を受け取り、義透は次に飴屋へと向かった。

「籠絡ラムプですか……影朧が出てしまうと厄介なことになりますわね。まぁ、まずは夏の涼のお祭りに参加して、人々との交流を楽しみましょう」
 飴屋へと向かう義透と別れ、ローズもまた、浴衣姿でお祭りを楽しむ。
「あら、かき氷屋さん。美味しそうですわね」
 惹かれる様にローズはその店に入り、きらきら輝くようなイチゴのかき氷が目の前でやり取りしているのを見かけた。
「すみません、私にもそのイチゴのかき氷、ひとつくださいな」
「へい、少々待ってくだせいや」
 元気な店員の声が響く。外が暑いせいか、かき氷は飛ぶように売れていた。そして、数分後にローズの前にもお目当てのイチゴのかき氷が渡される。かなり大盛だが、ふわふわの氷だからすぐに食べられるだろう。
「冷たくて、とても気持ちいいですわ♪」
 と、かき氷を堪能していると、その店の客の声が聞こえてきた。
「ねえねえ、聞いた? カナ子のこと」
「なんか、胡散臭いラムプを買ったんでしょう? ちょっと怖いわ」
「いつも苛められて可哀そうだけど、間に入ったら、あの子達に仕返しされるのも怖いし」
「いじめるのも少しわかるわ。あの子、ちょっと不気味なのよね。いつも一人で本読んで、ときどき笑ってるし」
 聞き耳をしていたローズはたまらなく立ち上がると。
「ちょっと、その話、詳しくお聞かせくださいませんか?」
 噂話をしていた女学生の輪の中に入っていく。

 そして、彼女が現れる時を迎える。
 噂のラムプを持った少女が、ゆっくりと祭りの広場へと向かっていく。
 と、そこに声をかける者がいた。
「そのラムプ、とても綺麗。僕、大好きなんだ」
 似たような洋燈を片手に、リュヌが声をかけた。
「もしや、貴殿がカナ子殿か……?」
 次に声をかけたのは、義透だ。
「あ、あなたたちは……だれ!?」
「通りすがりの超弩級戦力……ですわね」
 そう少女……いやカナ子に言い放すのは、ローズだ。
 その言葉に、少女はさっそくラムプを使って、影朧を呼び出す。
「この街を、影朧の襲撃で台無しにさせる訳にはいきませんわよ!」
 その声と同時に、三人はさっそく愛用の武器を手に身構えたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『黒輝血』

POW ●俺と死合おうってのかァ!? ヒハハハッ!!
【致死性の蛇毒に濡れた刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●…呪え…呪え、呪え呪え、呪え呪え呪え呪え呪え!!
自身の【鬼灯色の瞳】が輝く間、【実体を持った蛇の呪い】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ ●死ぬまで苦しむ毒に踊るってのはどうだァ?
【蛇毒と呪い】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に大量の毒蛇を解き放ち】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は鬼灯原・孤檻です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ほう……なかなかの手練れ揃いじゃないか」
 ラムプから現れたのは、刀を持った一人の青年。
 短めの銀髪に、赤い瞳の……美しい青年でもあった。
「お、お願い! あいつらを倒して、イクちゃんと清美、浩司達を殺して!」
 ラムプを持つ、三つ網で眼鏡の少女……それが、恐らく話題に上がっていたカナ子だろう。そして、カナ子が言った三人の名前……それが、この祭りに来ているだろう、恨みのある相手のことだろう。

 それよりも、まず先に、目の前にいる影朧の青年『黒輝血』を倒すことが先決。
 猟兵達へとゆっくりと距離を詰めていく黒輝血は、にやりと笑みを浮かべた。


※マスターより
 いよいよ、影朧とのバトルです。
 影朧は今のところ、カナ子には目もくれずに、猟兵達を狙ってやってきます。しかし、不利になるとなにをしてくるかわかりません。
 念のためにカナ子を守るようにすると、よりよく立ち回れることでしょう。
 皆さんの熱いプレイング、お待ちしています。
馬県・義透
引き続き『不動なる者』
対応武器:黒曜山

わしが表に出ていて正解だった。
守りつつ戦うのは、わしが得手とするもの!
基本は【武器受け】で攻撃をいなし、隙を見ては【生命力吸収】しつつの剣を振り抜く。

こういう手合いは、使役者でも手にかけようとするかもしれぬ。
カナ子殿の方に行きそうになったら、【それは山のように】を発動して【かばう】。
しかしこの【毒耐性】、どうしてあるのかと思ったら、『疾き者』由来か…。

…一つの疑問は、『一度死んでいる』悪霊に致死性の毒が利くのか否か。『我ら』は、間違いなく一度死んでいるからな。

さて、黒曜山ばかりだが。何も、他の武器が扱えぬわけではないぞ?
たとえば、仕込みやすい漆黒風とかな。


リュヌ・ミミティック
アドリブ・絡み◎

・心情
ん、おー……これ、が、悪、い、ラムプ、だ、ねー?
ダフィット、猫憑き季月、一緒にたおそ、ねー

・戦闘
狐乃火焔で、他の猟兵の援護だよ
基本的にカナ子さんが大丈夫か見つつ、支援するよ
もしもカナ子さんに攻撃がいきそうなら【かばう】ね
猫憑き季月で攻撃をしているように【フェイント】かけたりして、攪乱できたりしたらしちゃおうか
「ん、おー…、悪い、も、のは、燃え、ちゃ、えー!」
あのね、カナ子さん、
「ん、ねー? ど、んな、本を、よむ、のー?」
そんな風な会話したいんだ、だから…
今は全部、終わらせちゃおう

・口調捕捉
「ん、」「ん。」「ん、おー」が最初につく。また、変な所で区切って喋るのが癖


「わしが表に出ていて正解だった」
 義透は、漆黒の剣、黒曜山を引き抜き、影朧の青年『黒輝血』の刀をいなす。
「何が正解……なんだァ?」
「守りつつ戦うのは、わしが得手とするものだということだ!」
「俺と死合おうってのかァ!? ヒハハハッ!!」 
 瞬く間に何度も振り抜く剣を、義透は黒曜山でいなしていく。

 ――一つの疑問は、『一度死んでいる』悪霊に致死性の毒が利くのか否か。『我ら』は、間違いなく一度死んでいるからな。

 その答えは効くであった。ただ、その効果は痛みが強くなったり、手にしびれがきたりと、身を蝕むほどではない。
「毒耐性……どうしてあるのかと思ったら、『疾き者』由来か」
 これほど敵の攻撃回数が多いと、徐々に押されそうになる。
 だが、忘れてはならない。そう、戦っているのは、義透だけではないのだ。
「ん、おー……たっぷ、りと、遊ん、で、おい、で!」
 後方で狐乃火焔(キツネノホノオ)を発動させるのは、リュヌ。たくさんの小さなキツネ型の炎を放ち、黒輝血へと向かわせる。
「くうっ……後で倒してやるから、黙ってろォ!!」
「ん、おー……悪、い、ラムプ、だ、ねー? ダフィット、猫憑き季月、一緒にたおそ、ねー」
 付き従う白いドラゴンと、からくり仕掛けの猫のぬいぐるみへと、リュヌは話しかけると。
「うるさい、黙れ黙れェ!!」
 黒輝血の鬼灯色の瞳が輝き、実体を持った蛇の呪いの攻撃が急激に増えていく。
 その攻撃は、近くにいた宿主であるカナ子の方にも……。
「い、いやああ!!」
「不動なれ」
 恐ろしくなって、叫ぶカナ子の前に、義透が山のように立ちはだかり、敵の攻撃を一身に受け止めた。お陰でカナ子も、動けなくなるかわりに無敵の防御を誇るそれは山のように(ウゴカザルコトヤマノゴトク)で、義透も無傷である。
 リュヌも即座にカナ子の側にいて、声をかけた。
「ん。あの、ね……カナ子さん、ど、んな、本を、よむ、のー? ……って、そん、な風な、会話、したいんだ。だか、ら……」
 リュヌは再び、狐乃火焔で敵へと放つ。
「ん、おー、今、は全部、終わ、らせ、ちゃおう」
「で……でも……」
 慕っていた英雄もとい、黒輝血から攻撃を受けそうになって、カナ子は、戸惑いを見せるようになった。
 その間にも無敵モードを解いた義透が口を開く。
「さて、この刀である黒曜山ばかりだが。何も、他の武器が扱えぬわけではないぞ? たとえば……仕込みやすい漆黒風とかな」
 そういって、懐に忍ばせていた緑色に輝く棒手裏剣を敵へと放つ。
 義透の放った手裏剣は、黒輝血の腕に突き刺さった。
「おのれェ……おのれェ! 許さねえ、許さねェぞォ、てめえらァ!!」
 恨みのこもった目で黒輝血は、猟兵達だけでなく、カナ子をも睨みつけたのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

馬県・義透
予想通り、カナ子殿も標的になったか。
少々手数が足りぬ。ならば、増やすのみ!
【オルタナティブ・ダブル】で第三人格『侵す者』を呼び出す。
こやつと目線の高さが同じなのが信じられん。
だが、われらの連携、侮るなよ。
わしは、山のように守ってみせる。

『侵す者』(生前194cm)
一人称『わし/わしら』豪快古風。
なるほど、四人のうちの、もうひとりの前衛。切り開くことが得意のわしか!兄者!
(生前は血縁ではなく、『不動なる者』のことは兄のように慕っていた)
火のような…炎のような攻めこそ、わしの特徴。ゆえに『侵す者』!
カナ子とやら。目の前のやつは、お前を『守る』と言ったのか?
…わしらは守るぞ。まだ間に合うのだからな。


ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎

■心情
苛めは良くないですけど、復讐するのも間違っていますわよね。
ともあれ、カナ子には真っ当に生きて欲しいですし
影朧に殺させたりもしませんから。

■行動
白銀勇霊装(UC)を使用して戦いますわ。
【ダッシュ】で一気に敵との距離を詰めて
夕の憩いを使っての【2回攻撃】で攻撃していきますわね。
【マヒ攻撃】も織り交ぜて敵の動きを止めつつ戦いますわ。

敵の蛇毒と呪いに対しては、【見切り】で避けるように努め
避けきれない時は【毒耐性】や【呪詛耐性】で耐えるようにしますわ。
また、自身が負傷したらUCの能力の
戦闘力増強と【生命力吸収】で戦いますわね。


「苛めは良くないですけど、復讐するのも間違っていますわよね」
 ローズはそのオレンジ色の瞳を、悲しげに伏せながら、そう呟く。
 そして、発動させるのは、白銀勇霊装(ハナコトバハシロクカガヤキシヨロイ)。
「我は纏う、薔薇の気高さに等しき……極みの鎧!」
 アルヌワブランの薔薇で彩られた甲冑で覆い、夕焼け色の刀身のロングソード、夕の憩いを手に、ローズは構える。
「ともあれ、カナ子には真っ当に生きて欲しいですし、影朧に殺させたりもしませんから」
「黙れ黙れ!! 貴様ら全員、皆殺しだァ!!」
 黒輝血は、猟兵達へと蛇毒と呪いと、自らを強化するための毒蛇をも大地に解き放った。
「いいですわよ。もっとも私達を倒せれば、ですけれど」
 襲いかかってくる呪いや蛇を切り刻みながら、黒輝血へと肉薄し、マヒ攻撃を交えた攻撃を仕掛けていく。
「ぐぬっ……うお……」
 動きを止めた黒輝血を見て、カナ子を守り続ける義透も動き出す。
「予想通り、カナ子殿も標的になったか。少々手数が足りぬ。ならば、増やすのみ!」
 オルタナティブ・ダブルで、もう一人の自分……いや、第三人格『侵す者』を呼び出した。
「なるほど……四人のうちの、もうひとりの前衛。切り開くことが得意のわしを呼んだか、兄者!」
「ああ、頼むぞ。……とはいっても、こやつと目線の高さが同じなのが信じられん」
「ん? 何か言ったか? 兄者?」
「いや、なんでもない。……頼むぞ」
 カナ子を守り続ける義透に声を掛けられ、飾り気のないスピア、黒燭炎を手にした義透が頷くと黒輝血へと向かう。
「俺と死合おうってのかァ!? ヒハハハッ!!」
 黒輝血の刀を黒燭炎で受け止めながらも、炎のような雄々しさで斬りつけていく。
「火のような……炎のような攻めこそ、わしの特徴。ゆえに『侵す者』!」
「ぐっ……黙れェ!!」
「私もいるのも、忘れずに、ですわ!」
 ローズも夕の憩いで攻撃を重ねていく。
「われらの連携、侮るなよ。わしは、山のように守ってみせる」
 カナ子の側で、襲いかかる毒蛇を処理する義透が声を上げた。
「カナ子とやら。目の前のやつは、お前を『守る』と言ったのか? ……ならば、わしらは守るぞ。まだ間に合うのだからな」
 黒輝血と戦う黒燭炎を持った義透が、その攻撃をより強くさせた。
「うお……」
 蹌踉けたところで、ローズが敵を斬りつけ。
「これで……止めだっ!」
 最後に義透の黒燭炎の切っ先が、黒輝血の胸を貫いた。
「俺、は……まだ……」
 体が黒い靄に包まれると、黒輝血はその体を消し去ったのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 日常 『籠絡ラムプの後始末』

POW本物のユベルコヲド使いの矜持を見せつけ、目指すべき正しい道を力強く指し示す
SPD事件の関係者や目撃者、残された証拠品などを上手く利用して、相応しい罰を与える(与えなくても良い)
WIZ偽ユーベルコヲド使いを説得したり、問題を解決するなどして、同じ過ちを繰り返さないように教育する
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 残されたのは、割れたラムプを前に、呆然としているカナ子だけ。
「虐めるの……私、何も……してないのに……私だけ……」
 ぽろぽろと涙を流し、狼狽えている様子。
「どうして、私だけ……いつも私だけ! 誰も助けてくれないのっ!!」
 悲しみながら、怒りも猟兵達へと向けている。

 こんな彼女に、猟兵達は……なにをしてあげられるだろうか。

※マスターより
 先ほどの戦闘で、カナ子はやや興奮気味です。
 まずは落ち着かせてから、話を聞いたり、寄り添ったりすると良いかと思われます。
 皆様からのプレイング、お待ちしています。
ローズ・ベルシュタイン
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との協力歓迎

■心情
カナ子も、だいぶ混乱気味みたいですわね。
まずは落ち着かせてあげましょう。

■行動
薔薇園狂詩曲でヴァイオリンを【楽器演奏】でカナ子に聴かせてあげますわ。
綺麗な音楽を聴けば、心も落ち着くでしょうし。

その後は、【優しさ】を使い穏やかにカナ子に話しかけますわね。
「カナ子、貴女の行ったことは正しい事とは言えないでしょうけど
だからと言って自暴自棄になる必要も無いと思いますわ。
これから、同じ過ちを繰り返さない事が大事ですので」

「自分にもっと、自信を持つことが出来たら
苛められる事もなくなるでしょうから、今後は強く生きて下さいませ。
私達も応援してますわ」


「カナ子も、だいぶ混乱気味みたいですわね。まずは落ち着かせてあげましょう」
 ローズは自分のヴァイオリンを肩に置くと、その弦に弓を滑らせる。
 奏でられるのは、優しく美しい音色。
 まるで、この曲をずっと聴いていたいと思わせるほどに、見事な技巧を見せてゆく。
 その音楽に興奮気味のカナ子も、次第に耳を傾けるようにローズを眺めていた。
 そう、ローズは薔薇園狂詩曲(ローズガーデン・ラプソディ)を発動させ、演奏に集中させたのだ。お陰で、あれほど興奮していたカナ子も、少しずつ落ち着きを取り戻しているようだ。それを見計らって、ローズはその手を止める。
「カナ子……貴女の行ったことは正しい事とは言えないでしょうけど、だからと言って自暴自棄になる必要も無いと思いますわ。これから、同じ過ちを繰り返さない事。それが大事なんですのよ」
 優しくそうカナ子へと、ローズは語りかける。
「自分にもっと、自信を持つことが出来たら、苛められる事もなくなるでしょうから、今後は強く生きて下さいませ。私達も応援してますわ」
 そう告げると、カナ子は涙を流しながら、こくりと頷いた。
大成功 🔵🔵🔵

※マスターより
 カナ子は落ち着きを取り戻しました。
 以後は落ち着きを取り戻すというアクションはなくて大丈夫です。
 引き続き、カナ子への対応をよろしくお願いします。
 また、土日は外出で執筆できませんので、日曜以降にプレイングをいただけると幸いです。どうぞ、よろしくお願いします。
馬県・義透
『不動なる者』のまま。
(威圧を与えないように、『侵す者』は「元気でな」と言いながら引っ込んだ)
できるだけ、視線を合わせよう。

まずは、怪我はないだろうか?
カナ子殿が殺さず、殺されずにいてよかった。
生きていれば、生きてさえいれば、いいことは必ずある。
『我ら』、こう見えても一度死んでいてな。何の因果か、まあここにいるが。
『我ら』のような存在を増やしたくない。カナ子殿がならなくてよかった。

ところでそのラムプ、売っていた人の特徴などはわかるか?
それは和を乱さんとする者らのと聞いている。
つまりは、カナ子殿を利用しようとしたわけだ。
『我ら』は、それを知りたい。覚えている範囲で、話してもらえぬだろうか?


 もう一人の義透が、役目を終え、そそくさと「元気でな」と言いながら消えゆくのを見送って。本来の義透が静かにカナ子の側に寄りそう。
「怪我はないか?」
 義透が尋ねると、カナ子は静かに頷き。
「いえ……ありません……」
 そう告げた。義透は優しくカナ子の目線に合わせてしゃがみ込み。
「カナ子殿が殺さず、殺されずにいてよかった。生きていれば、生きてさえいれば、いいことは必ずある」
 告げて微笑めば、カナ子も釣られて笑みを浮かべた。
「『我ら』、こう見えても一度死んでいてな。何の因果か、まあここにいるが」
「えっ!?」
 義透の告白にカナ子は驚きを隠せずにいる。だが、それよりも。
「『我ら』のような存在を増やしたくない。カナ子殿がそうならなくてよかった」
 無事を確認して、安堵した笑みをカナ子に向ける義透に、カナ子は恥ずかしそうに俯いているようだ。
 この分ならば、もう大丈夫だと判断した義透は、更にカナ子へと声をかけた。
「ところでそのラムプ、売っていた人の特徴などはわかるか? それは和を乱さんとする者らのと聞いている。つまりは、カナ子殿を利用しようとしたわけだ。『我ら』は、それを知りたい。覚えている範囲で、話してもらえぬだろうか?」
 次の予防策が立てられればよかったのだが。
「……すみません、私が会った方は、占い師みたいな方で、フードを被り口元が隠れていたので……それに、人の顔を見るのが……その苦手で……」
 お役に立てられなくてごめんなさいと頭を下げるカナ子に。
「いや、良い情報をありがとう、カナ子殿。とても参考になった」
 義透は、カナ子のその肩へと手で叩いて励ます。
「今後の歩みが良き道に向かうことを祈っている」
「……はい」

 こうして、ラムプを使った事件は、猟兵達の活躍により、未然に防ぐことができた。カナ子も、猟兵達の励ましを受けて、少しずつ前向きになったようであるが……それはまた、別の話。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月07日
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