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【戦後】残党狩り、あるいは財宝狩り

#アックス&ウィザーズ #戦後 #群竜大陸

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●魂喰らいの森
 鬱蒼とした森の中で、オブリビオンの群らしき集団が蠢いた。それらは嘆き叫んで哀れみを誘う。その下では森の動植物に魂を食われ伏している何者かの死体があった。妖精のような姿をした群は不思議な音を響かせ、どこかへと向かって飛ぶ。その先にいたのは、二人組の人間の姿だった。

●グリモアベース
「私たちの冒険はこれからだ!」

 夕日に向かって走り出しそうなテンションでこう言ったのは棗・瑠璃子(ハイカラさんの學徒兵・f22649)!

「今回はアックス&ウィザーズの『魂喰らいの森』ってところに行ってもらうわ」

 彼女は続けて……そこは『生物の魂』を喰らう動植物の生えた森で、敵は『森の番人』と呼ばれている。なお、いまだ『群竜大陸』は極めて危険な土地であり、オブリビオンの残党も多く蠢いている……ということを超ザックリと説明した。

「オブリビオンは色々いるけど、そうね……残党を率いているのは二人組の奴隷商人。魂を啜る効果がある攻撃をしてくるわね。対処法は楽しい思い出を考えること。他にも目つぶしをしたり人質を取ったりしてくるわ」

 瑠璃子は唸りつつもこう続ける。

「ここでは魂喰らいの森の核が取れるわ。最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つ球形の核で、半径25cm程度で金貨500枚の価値があるわ。日本円にすると500万円」

 ここまで言うと、彼女は説明は終わりだと言わんばかりに手を叩いて猟兵たちに微笑んだ。

「というわけで、頑張って!」


人参SiriSiri
 はじめまして!!! はじめましてじゃない方はお世話になっております!! 人参Sirisiriです!!
 よろしくお願いします!!

 今回は三章構成です!!
 一章では『魂喰らいの森』を探索していただきます。説明はオープニングにて。
 その後二・三章は戦闘です!
 三章では『楽しい思い出を強く心に念じ、魂すすりの能力に対抗する』ことでプレイングボーナスがつきます。
 あと希望者に『魂喰らいの森の核』プレゼントです!! 頑張ってください!!
 なお、領主の御狐・稲見之守さんは領主として活動するプレイングが可能です。

 連携ですが、相手様のIDを指定するか共通の単語を【】で指定すると確実です。期限までに相手様が不在の場合返金します!

 プレイングはオープニング公開後すぐ受け付けます。

 皆さんのプレイングお待ちしています!
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第1章 冒険 『群竜大陸の探索』

POW   :    地道に歩き回って情報を集めたり、あえて危険な場所に踏み込んで捜索する

SPD   :    潜伏するオブリビオンの痕跡を見つけ出し、隠れ場所を突き止める

WIZ   :    オブリビオンの行動を予測して網をはったり、偽情報で誘き出したりする

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラスタリア・ファルディオン
【アドリブ連携歓迎】
POW

森の周辺で聞き込みを開始する、主に『魂喰らいの森』に向かったのはどれくらいで、どれくらいの被害が出ているのかを。
『宝にはあまり興味はないんだけど……被害が出ているのなら、助けてあげないとダメだからね、結末がどうであれ』
既に『奴隷商人という存在と力』『森の番人』等の様々な情報が出ていても、状況は変化していない事から被害は少なからず出ているのだと推測。

『……よし、なら行くしかないか』
それぐらいの情報を集めたら、腰につけていた黒い剣《見果てた末の剣》の鞘に手を取り、その森へと足を進めます。この先で待つ物に想いを巡らせながら。



「いいや、わからないね。死んだんじゃねえかなあ、ありゃあ」
「この間三人くらい入っていったが、その後は見てないなあ」
「まだ生きているかもしれないが……どうだろうな。正直怖いよ」
「そうか……ありがとう」

 ラスタリア・ファルディオン(何かを夢見る反英雄――・f27673)の問いかけに、人々は首を振って答える。それを聞いた彼女はこれまで集めた情報を思い返して目を閉じた。

「……うん、状況は変化していないみたいだ」

 もう一度聞き込みをしてみても結果は同じ、これ以上は中へ入って調べるしかないだろう。そう決めたラスタリアは目の前に広がる森を見つめた。

「宝にはあまり興味はないんだけど……被害が出ているのなら、助けてあげないとダメだからね、結末がどうであれ」

 そう呟いた後、彼女はすっと息を吸う。

「……よし、なら行くしかないか」

 決意した彼女は腰の黒剣――《見果てた末の剣》の鞘に手をかけ、森へと足を進める。この先で待つものに想いを巡らせながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御狐・稲見之守
 
うむ、ワシが領主の『魂喰卿』御狐稲見之守である。
さてどーしたもんかナ……あー、そうじゃなァ。

この先、2章でも魂啜りが発生し
特定の行動をした者の魂は啜らないよう森に命令しとこか。

例えば、恥ずかしい思い出を強く念じるとか
脱衣して肌を晒すとか、ユーベルコード名を叫びながら戦うとか

まあ、その辺の条件はMS殿に一任するとしよう。
なるべく面白そうなことになりそうな方向でひとつ。

それでは諸君、健闘を祈る。



「うむ、ワシが領主の『魂喰卿』御狐稲見之守である」

 どこかに向かって胸を張りながらオッドアイの少女はこう言った。少女、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は森に這入ると考え込むような仕草を見せる。

「さてどーしたもんかナ……あー、そうじゃなァ。この先でも魂啜りが発生し、特定の行動をした者の魂は啜らないよう森に命令しとこ」

 さて特定の行動とは。なるべく面白いものが良いーー彼女はぬう、と唸りながらその内容を考えて森に命令した。

「例えばそうじゃな……ユーベルコード名を叫びながら戦うとかはどうじゃろ。ちゃんと詠唱もつけるんじゃ。急に歌うとなおよし。うんそれにしよう」

 と言うと命令を終えたのかぽふぽふと地を叩いて稲見之守は立ち上がる。

「よし! まあ任意じゃ。対抗策はそれだけではないからのう」

 快活な笑い声を響かせ、彼女は森の中を行く。

「それでは諸君、健闘を祈る」

 鬱蒼とした森に彼女の声が響いていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎
魂喰らいの森の核入手希望


選択UCを使い森の外で待機
その間に情報を整理しておきます
…しかし、嫌な予感がする
二人組の奴隷商人…あいつらじゃなければいいんっすけどね

過去奴隷だった時を思い出して首を振る
あいつらは確かに俺が殺した。けどその魂が骸の海に堕ちたのであれば可能性的にはあり得る。だが同時にそうなってほしくないとも思っている
血の繋がりなんてない。奴隷の子供を専門に扱うからそう呼ばれていて俺だってその内の一人だった

問題は…あの二人を見て俺は殺意を抑えられるだろうか?
数々の子供を攫い調教して売り、食い物にしていたあいつらを見て楽しい記憶を思い出せるだろうか?
それだけが…心配っすね



 ざわざわと揺れる木々の前で久遠・翔(性別迷子・f00042)は【影の追跡者(シャドウチェイサー)】を召喚し、森へ放った。追跡者の帰りを待つ間、翔はこれまでに得た情報を整理する。

(二人組の奴隷商人……嫌な予感がする)

 その単語を導にして、翔の脳裏に奴隷だった頃の記憶が過った。

(……あいつらじゃなければいいんっすけどね)

 子供の奴隷ばかりを扱うその様から異名を付けられた商人ーー当然のことながら翔と血の繋がりなどない。彼らから受けた仕打ちを思い出して、翔は首を振った。

「あいつらは確かに俺が殺したはずだ……」

 両の手にあの時の感触が蘇る。魂が骸の海に堕ちたのであれば、オブリビオンとなっていても不思議ではない。だが同時に、そうなってほしくないとも思っている翔がいた。

(問題は……あの二人を見て俺は殺意を抑えられるだろうか?)

 生々しい記憶を前に楽しい記憶を思い出せるだろうか?

「それだけが……心配っすね」

 その口からはか細い呟きが溢れる。それと同時に翔の背に悪寒が走った。追跡者が何か見つけたようだ。
 追跡者の目を通して見えるもの、それはーー。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『崩壊妖精』

POW   :    妖精の叫び
【意味をなさない叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    妖精の嘆き
【なぜ痛い思いをさせるのかへの嘆き】【私が悪かったのかへの嘆き】【助けてくれないのかへの嘆き】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    妖精の痛み
【哀れみ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【崩壊妖精】から、高命中力の【体が崩壊するような痛みを感じさせる思念】を飛ばす。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
 サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写していただけるとありがたいです。ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的な特徴として「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
 嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
よく使う武器は「大天狗正宗」「千子村正権現」「鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!



 森の木々が風に揺られて葉音を立てる。猟兵の気配を察したのか、その陰の隙間から妖精が飛び出してきた。最初は一人だったそれは刻が経つにつれ増えていく。

「将軍なんだから、戦わなきゃね」

 刃を煌めかせ徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)は口角を上げた。

「この家光、悪は決して許せぬ!」

 その声と同時に斬り伏せた妖精からは助けてくれないことへの恨み、なぜ痛い思いをさせるのかという痛切な嘆きが上がる。それを受けた家光は力が鈍るのを感じた。そして、続いてやってきた意味をなさない叫びに膝をつく。

「一か八か……嫌いな言葉じゃありません!」

 それでも家光は余裕を崩さない。彼は刀を掲げ、自分の帰りを待つ妻たちの姿を思い浮かべた。

「愛する者の声が、我が力となる!」

 【大奥の叫び(ラブ・コール)】によって何人もの声援が響く。それに力をもらった家光は立ち上がり、妖精の群れに飛び込んだ。
 剣戟の後、場に残ったのは彼一人であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紫洲川・珠璃(サポート)
キャラの雰囲気は落ち着いたお姉さんの感じ
口数はどちらかというと少なく物静か

戦闘は速度を生かした撹乱を主として手数重視の攻撃で戦います
足は止めず常に動き回ります
武器は主に一振りの刀を両手持ちで使い、まれに脇差として所持している二本目を抜きます。



 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 襲撃を受けて妖精たちが騒めく。折れた枝を踏むぱきりという音とともに、一人の女が現れた。銀の髪に端正な顔立ちをした女の名は紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)。

「どこにいるの……」

 その目は仇を追っていた。しかし姿を見せるのは哀れな妖精ばかり。彼女は刀を抜き応戦する。意味を成さない叫びも物ともせず、斬る。それでも妖精たちは数を増やしていく。彼女は目を閉じ、口を開いた。

「我、此処に求むるは、火軍の尖兵。我が喚び声に応えて赤熱の森より姿現せ、焔纏いし我が眷属」

 彼女の呼びかけに応えるようにして狐の形をした焔が地を駆ける。彼女のユーベルコードである【炎狐】は一塊になりより大きな九尾の狐になると、妖精の群れに覆い被さった。妖精たちは肌を焼き尽くすそれに悲鳴すら上げられず、一人また一人と灰になっていく。

「ここにも、いない……」

 森を消し炭にするかと思われたそれがふっと、幻のように消えた。焼け跡に一人、珠璃が佇んでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​

御狐・稲見之守
一章だけ顔出して高みの見物を決め込むつもりであったが……ま、言い出しっぺがやらんとナ。それに領主として御行儀の悪い『森の番人』はおしおきせにゃ。

[眩惑の術]――お前が胡蝶か、胡蝶がお前か……なんてナ。ふふ、痛くはないさ。[催眠術][呪詛]さあ今しばし眠るが良い。

妖精が眠ったらば、その身に触れて[生命力吸収]してその魂を喰らうてやろう。ふふっ、伊達で『魂喰卿』などと名乗っちゃおらん。帝竜戦役時、こうして森の中を喰い荒らしたもんさ。



「いやー命令した後は高みの見物を決め込むつもりであったが……」

 混乱した妖精は攻撃から逃れるべく閑散としたエリアに飛ぶ、しかしそこに待ち構えていたのは鷹揚な態度の少女であった。

「ま、言い出しっぺがやらんとナ」

 少女、御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)は不敵な笑みで妖精を迎える。

「それに領主として御行儀の悪い『森の番人』はおしおきせにゃ」

 助けを求める声を遠くに稲見之守は言の葉を紡いだ。黒と金の瞳が敵の姿を捉える。射竦められ妖精たちは動けない。

「――お前が胡蝶か、胡蝶がお前か……なんてナ。ふふ、痛くはないさ」

 それは眠りを催す響きでもあり、呪詛の響きでもある。続くのはその力の名前であった。

「【眩惑の術】ーー!! さあ今しばし眠るが良い」

 彼女のユーベルコード【眩惑の術】をまともに受けた妖精たちは夢の中へ誘われる。幸福な夢を見ながらふらふらとどこかへ飛んでいくものもいればその場で眠りにつく者もいた。伏している妖精に近付くと、稲見之守はそっと触れその生命力を吸っていく。

「ふふっ、伊達で『魂喰卿』などと名乗っちゃおらん。帝竜戦役時、こうして森の中を喰い荒らしたもんさ」

 魂喰らいの森の中、少女の哄笑が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


この子達も苦しんでいる…こんな姿見せられたら救うに決まっているじゃないっすか

崩壊妖精たちの前に立ち武器を捨てます
そして自分は敵じゃないとアピールするように手を広げゆっくり近づきます
攻撃を受けても避けずに痛みを受け進みながら語り掛けます

辛かったんっすね。苦しかったんっすね…この痛みが教えてくれます、けど…もうそんなに苦しまなくてもいいんっすよ?

微笑んで相手の懐まで歩んで行って優しく抱きしめます
大丈夫、安心してくださいっす…今その痛みから解放してあげますね?と選択UCが発動して妖精を癒していきます

偽善でも構わない
この場にいる苦しむ妖精を見過ごせない
だから力が続く限り癒していきます


久遠寺・遥翔(サポート)
「先制攻撃」「空中戦」「ダッシュ」「ジャンプ」「残像」による高機動戦闘で翻弄しながら「第六感」「見切り」で敵の攻撃を回避しつつ
炎の「属性攻撃」「生命力吸収」「焼却」「一斉発射」「2回攻撃」「範囲攻撃」という広範囲を焼き尽くす炎で敵を蹂躙しつつ体力を奪って長時間戦える状態を保つぜ
ただまぁ周辺被害を気にする場面では焼却はせずピンポイントで撃ち落としていくとするかね

防衛が必要なら
「オーラ防御」「盾受け」「拠点防御」「かばう」辺りで守るべき対象を守り抜く

敵が空中戦を得意としている場合は天焔解放を使う
失敗が溜まっていたら魔焔解放で逆転狙いだ
他にも状況に応じた攻撃系のユーベルコードで立ち回るぜ



「駆け抜けるぜ、相棒ッ!」

 変形した『フェンリル』を駆り、久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー・f01190)は【音を超えて奔れ鋼の狼(フェンリル・ハイマニューバ)】を発動させた。目にも留まらぬ速さで彼は敵を屠っていく。何が起こったのかもわからないまま、妖精たちは一人、また一人と地に伏していった。

「行くぜ行くぜーッ!!」

 彼は哀れみを誘うその嘆きにも心を鬼にして立ち向かう。数で敵わなければ炎で周囲を焼き尽くし対応した。

「危ないところだったな……」

 そうして、第六感で何かを感じ取り離れると、刹那、意味をなさない叫びが響いた。群れでの大合唱。まともに聞いていれば重傷を負っていただろう。
 やれやれと首を振って安堵したのも束の間、遥翔は視線の先に異様な動きを見て目を丸くした。

「!? なにしてんだ!!」
「この子達も苦しんでいる……こんな姿見せられたら救うに決まってるじゃないっすか」

 そこにいたのは久遠・翔(性別迷子・f00042)だ。翔は敵の前で武器を捨てている。そうして抱擁を授けるかのように手を広げ、妖精達に近づいていく。

「大丈夫……大丈夫っすよ……」

 オブリビオンに同情した末に重傷を負う猟兵の噂を思い出して、遥翔は武器を構えた。一方で妖精たちは翔の行動に騒めいている。

「辛かったんっすね。苦しかったんっすね……この痛みが教えてくれます」

 攻撃を受けてもなお、翔の歩みは止まらない。群れの一人の前に立った翔は、震えている身体に手を回して抱きしめる。

「けど……もうそんなに苦しまなくてもいいんっすよ?」

 優しい腕の中で妖精は怯え、暴れた。その抵抗をものともせず、翔はゆっくりと語りかける。

「大丈夫、安心してくださいっす……今その痛みから解放してあげますね?」

 【無自覚の介抱術(キュアオール)】。そのユーベルコードを受け妖精はかくりと目を閉じた。その表情は安らかで、眠るようだった。
 その後も翔は力の続く限りそれを続ける。その様を見て遥翔は安堵の息を吐いた。

「……ヒヤヒヤしたぜ……」
「うん? 何すか?」

 なにがなんだかといった表情で翔は首を傾げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『両親』』

POW   :    ダーティーファイト
【人質を取る・目潰しをするなどの卑怯な手段】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    戦闘奴隷召喚
戦闘用の、自身と同じ強さの【複数体の戦闘用攻撃奴隷】と【複数体の防御用奴隷】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    子供奴隷の進撃
レベル×5体の、小型の戦闘用【子供奴隷】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は久遠・翔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御狐・稲見之守
ちょっとボスの名前、闇深くないか?
まあ良い。奴隷もオブリビオンのユーベルコードなれば容赦する必要はない。が、無用の流血は我が趣味ではないな。

必殺[UC狐摘み]――こやーん、なんてなぁ?
背後に回ったらば首根を掴み[生命力吸収]にて彼奴らの魂を啜ってやろう。

おまけだ、[催眠術][呪詛]首輪に手脚を枷に戒められ虐げられ家畜以下の扱いをうける夢でも見ているがよい。



 妖精の群れが消えた後、そこにいたのは二人の人間、男女の商人の姿をしたオブリビオンだった。女の方は何事か言い、地に鞭を叩きつける。
 すると、複数人の子供が現れる。子供たちのうち数人は男女を守るように囲み、もう数人は猟兵たちに向け歩き出した。その中の一人、出遅れた子供は背中に鞭を受けている。

「ちょっとこのボス、闇深くないか?」

 その様を見て顔を引きつらせるのは御狐・稲見之守(モノノ怪神・f00307)。しかしすぐ持ち直す。

「まあ良い。奴隷もオブリビオンのユーベルコードなれば容赦する必要はない」

 彼女はその子供たちを一瞥し、不敵に笑った。

「が、無用の流血は我が趣味ではないな」

 身構えた彼女が子供たちに攻撃をーーと思いきや、次の瞬間女の後ろに現れる。稲見之守はそのまま首根を掴み、こう口にする。

「必殺【狐摘み(ドレイン・タッチ)】――こやーん、なんてなぁ?」

 突然の攻撃に男も女も奴隷たちも反撃できず、彼女に生命力を吸われるままとなる。魂の一部を啜られた女は崩れ落ち悶えた。
 主人が攻撃を受けたためか、子供たちは消え、場には男と女のみ残る。続いて稲見之守は転がる女に手をかざす。

「おまけだ、手脚を枷に戒められ虐げられ家畜以下の扱いをうける夢でも見ているがよい」

 その呪詛を受けた女はぴたりと動きを止め唸り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠・翔
アドリブ絡み歓迎


やっぱり…テメェらかよ
大人しく死んでおけよ…
俺の事を糞犬と呼びお決まりの罵倒、笑い方まであの時と同じ…本当に反吐が出る
ふざけるなと突撃すると奴隷召喚されて動揺

召喚された奴隷達は…かつて同じ場所で『家族』にされた人達
記憶も同じく持っていて戦いたくないと言っているが両親の命令に逆らえず襲い掛かってくるのを捌くしかなく…しかも苦しい記憶のせいで魂を啜られて

だけど、苦しんでいる『兄弟』達を攻撃できない
だから…テメェの力貸せ!と叫び真の姿開放と同時に選択UCを起動
淫靡な漆黒のドレスと漆黒の影の手を操る姿となり奴隷達の因果を書き換え解放させます

両親は…邪神が捕まえうまそうに喰らっていきます



 悪夢から醒めた女は立ち上がり、周囲を窺った。その表情はどこか憔悴しているようだったが、暫くすると持ち直した。が、何か見つけたのかにやりと笑う。

「やっぱり……テメェらかよ。大人しく死んでおけよ……」

 彼らが見つけたのは久遠・翔(性別迷子・f00042)。翔は二人を睨み、武器を構えた。

「よう糞犬! まだ生きてたんだな!!」

 男の方がこう言って嗤い、嘲る。女もそれに同調した。それを聞いた翔は眉間の皺を深くする。

「笑い方まであの時と同じ……本当に反吐が出る」

 いつまでもそうやっていそうな二人に翔は突撃する。

「ふざけるな!!」

 が、女の方がそれに気付き手を広げた。

「さあおいで、私たちの『家族』!」

 するとどこからか子供の奴隷たちが現れる。彼らは翔の姿を認めると目を丸くし、身を竦ませた。

「翔……?」
「そんな……」
「戦いたくないよ!」
「うるせえ!! さっさと行け!」

 止まっているところを男に殴られ、奴隷たちは渋々進軍する。翔は彼らの握るナイフを捌くも、決定的な一撃は与えられないでいた。まるで『兄弟』のように育った奴隷たちの顔を見るとどうしても手が止まる。翔がそうしている間にも、奴隷たちは苦しい記憶が故に森の植物に魂を啜られ藻搔いた。

「くそっ……出来ねえ……」

 どうしようもなくなった翔は天を仰ぎ叫ぶ。

「救う為なら俺の身を喰らえ! 代わりにテメェの力をよこせ!!」

 その声を呼び水に、翔の体が黒に包まれる。黒は淫靡なドレスへと変わり、その身を飾った。そしてその背には無数の手がある。
 手は奴隷たちに伸びた。優しいその手付きに因果を書き換えられ彼らの顔は安らいでいく。解放された奴隷たちはどこかへ消えていった。

「よかった……」

 綻ぶような表情の翔。その向こうで、盾となる奴隷を失った男女は恐怖に顔を強張らせる。

「ひっ! なにこれ!?」
「い、いてえ……なんだ……なにが起こっ……」

 邪神に囚われた翔の『両親』はその身を喰われ、二度目の死を迎えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​


オブリビオンが邪神に喰われ消滅するその前にも、猟兵たちによる激しい戦闘があった。悪夢に倒れた女を前に男は動揺していた。が、すぐに持ち直し戦闘用の奴隷を召喚する。その一部は男女の周囲を囲み守った。
奴隷たちは隊列を組み、相対する猟兵に向かって歩みを進めるーー。
クリミネル・ルプス(サポート)
関西弁の元気な肉体武闘派人狼。
人狼の身体能力と鍛えた格闘技で戦う。
痛み等の耐性用いての潰し合い上等。
体内に蓄積させた糖原物質を使用した搦め手も使う。
周囲(空間、物質)の匂いからの状況把握推察も可能。

基本は『生き残る事』だが、オブリビオンは許さない姿勢。
特に命や尊厳を踏み躙る系統には本性(真の姿など)が出る。
【ネタ、絡み、合わせなど歓迎です】
【肌の露出やエッチな事には羞恥心はあまり無い。彼氏持ちで一線は超えさせない】

・真の姿時
身体能力の向上と体の変化。
戦闘思考が先立ち、やや、残忍(確実にトドメ刺す)



 奴隷たちは進む。虚ろなその様は見る者の哀れを誘った。疲れ、足を止めた奴隷は男に殴られ罵られる。

「おうおう大変なことになっとるなぁ」

 そんな中、銀髪の女性――クリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)は拳を握りつつ敵の出方を伺った。

「まあ、ウチはやることをやるだけや――けど」

 彼女の鋭い視線の先には、この小さい命たちを弄ぶ男の姿がある。静かな怒りと共に、クリミネルは真の姿を解放した。

「こればっかりは見過ごせへんなぁ」

 身体を変化させ、身体能力を向上させた彼女は恐るべき速さで男に近付いた。それを阻むように奴隷たちの震える手がクリミネルを襲う。

「ちょっと寝といてや」

 それらを受け流しながら、彼女は握りしめた拳を男の顔めがけて放つ。

「行くで!」

 奴隷を突破された男に為すすべもなく、力強い拳がめり込んだ。

「ぐっ!」

 男が攻撃を受け、奴隷たちはどこかへと消える。遠くへと吹き飛ばされた男は、木々に背を打ち付け地に落ちた。

成功 🔵​🔵​🔴​

クレア・ベルディモード(サポート)
かわいい忠犬系お嬢様。
ギャグやお色気シーンの被害者要因。
割とひどい目にあっても健気に頑張ります。
天然でボケて、常識でツッコミをするタイプ。
勉強は出来る方なので、知識面ではそれなりに。
礼儀作法はお手の物、内心はともかく自信に溢れた笑みを浮かべ貴族らしく振舞う事は出来ます。
戦闘面ではいまいちですが、精神面ではどんなにボロボロになりながらも折れない鋼メンタルです。
貴族としての矜持もあり、庶民を守る義務と責任の為に無茶をすることも。

ヤラレ役、あるいは周囲を称賛する役大歓迎。
正直、貴族より農民が向いてる。


クリュウ・リヴィエ(サポート)
記憶喪失のダンピールだよ。
名前も年齢も本当かどうか、僕にも判らない。
ま、気にしてないけどね。

自分の過去は判らなくても、色々考えるのは好きだよ。
他人の行動とか状況とかに違和感があると、それに何か意味がないのか考えちゃうよね。
まあ、それで僕が有利になるかどうかは別問題だけど。

あとは食べることも好き。
食わず嫌いはしないし、残さないよ。

戦うときは、突っ込んで力任せに殴り掛かることが多いかな。
一応、剣も魔法も使えるんだけど、結局シンプルなのが性に合うね。



 地に転がっていた男は暫し経つと起き上がり、無数の奴隷を召喚する。今度は戦闘用の子供らと違う、あまりにも普通の子供の群れだった。突如として森の中に召喚され、きょろきょろとしている者も居る。

「なんですの!?」

 その様に動揺しているのはクレア・ベルディモード(駆け出し猟兵・f05060)! 彼女は武器を構え、応戦する。一撃でも食らった子供たちは消滅するが、男によってすぐ補充される。使い捨てられ、酷使される子供たち――その様に猟兵は、

「あの木の実とかって食べられるのかな」
「食べられないわよ!?」

 森に生えている木の実のことを考えていた。クレアと呑気なやりとりを繰り広げたのはクリュウ・リヴィエ(よろず呑み・f03518)。美しい銀髪はクレアの艶々と輝く金髪と対照的だ。クリュウは状況を把握すると、ふっと微笑んだ。

「でもまあ、うん、結局シンプルなのが性に合うね」

 彼は敵の中へ飛び込み、男に殴り掛かる。その外見からは想像できない力強い右ストレート! 途中奴隷たちに邪魔されても堂々と薙ぎ払う。

「よっと!」

 複数人に取り囲まれても軽やかにジャンプし、空中で一回転。

「待って、私も――」

 クリュウの戦いぶりに刺激され、出遅れたクレアも負けじと歩を進める。が、――

「あ!? ちょちょちょちょ」

 時すでに遅し、彼女は周囲を包囲されていた。奴隷たちはどこかにこにこと笑っている。なぜだ。

「イヤーッ!! もうだめですわー!! 死ですわー!!」

 お嬢様言葉がオタク間で密かにブーム中のエセお嬢様言葉になっているが、切羽詰まっているので仕方がない!!

「新しいママー」
「ママじゃありません!! 引っ張らないで!」

 奴隷たちのナイフに裂かれ、彼女はその肌を露出させる。

「イヤーッ!! 私の服が―!!! ……そろそろ真面目にやるわよ!」

 ロングスカートはミニスカに、胸元は大きく開きというセクシーな姿を披露しつつ、彼女は戦闘モードになり、真顔になる。

「来たれ我が騎士、影の剣! ……総員、突撃せよ!!」

 放つ魔法の剣が奴隷たちと男に刺さる。その後には男女のみが残った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月12日
宿敵 『『両親』』 を撃破!


挿絵イラスト