終わりのない冒険の世界を(作者 心音マリ
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●世界は救われた、けれど……
 アックス&ウィザーズの世界で起きた帝竜戦役。そして、それによってオブリビオン・フォーミュラである帝竜ヴァルギリオスは討たれ、世界は滅亡の危機から救われた。
 だがそんなことを知るのは猟兵ぐらいなもので、この世界に暮らす冒険者にとっては何ら変わらない日常が続いているのだ。
 帝竜が打ち倒されたところで世界に存在するモンスターが消えるわけではなく、そして残されたオブリビオン達もまた、消えるわけではないのだから──。

●いざ、モンスター退治へ!
「世はまさに冒険時代なのです!です!」
 バァン!と紙切れを一枚(普通の人間が扱うようなサイズの紙だ)小さなテーブルの上に叩きつけながらフルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は宣言した。
 注目を集めるには十分だが全く説明が足りてない。むしろグリードオーシャンの世界の話かと思われそうな言葉にしかし、フルールは首を横に振る。
「今回の依頼は私の故郷、アックス&ウィザーズでのお話なのですよ」
 ちょいちょいと先ほど叩きつけた紙を示す。覗き込んだ猟兵達が見たのは少しカラフルな鶏に小さな触手がくっついてるように見える絵。絵の下には「討伐依頼:石化コンビ『コカメデューズ』」と書いてあり続いて報酬や居場所についていくらか書かれていた。
 一見ただの討伐依頼の紙であり猟兵の出番はないようにも思えるが、グリモア猟兵が持ってくるあたり違うのであろう。
「この依頼書にかかれている石化コンビ『コカメデューズ』なのですけど、実はオブリビオンなのです。帝竜ヴァルギリオスは倒されて世界に平和は戻りましたですけど、世界に散らばっているオブリビオンの残党は消えたわけではないのです」
 そう、世界にまだまだオブリビオンは残っている。今回偶然そのオブリビオンが普通のモンスター退治の依頼に紛れ、討伐対象として酒場の依頼に舞い込んだというわけらしい。
 普通の冒険者にオブリビオンの相手をするのは難しい。そのためオブリビオンだと予知で知ったフルールが先んじて依頼を受けてきたのだ。(そして猟兵達の目の前で叩きつけられたわけだが)

「依頼書によれば『コカメデューズ』は群れで湿地帯の奥に縄張りを持ってるみたいなのです。どうにも時折湿地帯の近くを通る人たちを石化させるだけさせて放置プレイをかますという、迷惑極まりない行動ばっかりしてるみたいなのですよ」
 命までは奪ってないのでマシとみるべきなのか、放置しておけば命が危ぶまれるのでやはり問題だとみるべきなのか。反応はまちまちではあったが、迷惑していることには違いない。
 なにより相手はオブリビオンだ。それだけで猟兵としては出る理由があるというものだ。
「それとこれは私が調べた結果なのですけど、件の湿地帯はどうも奥へ行けば行くほどヒルやらモンスターなどの危険があるようなのです。そのため湿地帯の中を通る人はおらず、近くの道を通るだけになっているようなのですね」
 奥へ行くためには道を拓きながら進む必要があるだろう。また、『コカメデューズ』たちが縄張りを守るために石化の魔法罠を仕掛けている可能性もあるらしい。近くに石化したものが見えた場合は要注意だとフルールは告げる。

「重大さが感じにくい相手ですけど相手はオブリビオンなのです。油断せずお仕事をお願いしますですよ」
 フルールの持つグリモアが起動し猟兵達を現地へ運ぶ。そんな猟兵達へフルールから最後の言葉が届いた。
「そういえば依頼していた酒場のマスターさんから聞いたのですけど、後で利き酒選手権を行うそうなのですよ。依頼を片づけたらちょうどいい時間だと思いますですので良かったら参加してきてもいいと思うのです!お仕事の後には打ち上げも必要なのですから!」


心音マリ
 アルダワの戦争以来ですね。お久しぶりです心音マリでございます。
 アックス&ウィザーズの戦争は終わりましたが、久々でも元気にアックス&ウィザーズのシナリオとなります。

 こちらでは湿地帯を抜け、奥に潜むオブリビオンの群れを退治するシナリオとなっております。3章ではフルールが言っていたように酒場での利き酒選手権に参加していただけます。
 未成年の方には利きジュース選手権がございますのでこちらに参加していただけます。
 ただ飲むだけでも本気で当てに行くのでもどうぞご自由にお楽しみください。

 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『湿地帯を超えろ』

POW吸血ヒルが降って来た!
SPD毒沼にローパーが居る!
WIZ魔法罠が仕掛けられている!
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ヘンペル・トリックボックス
いやはや、大変な戦争でしたが──それでも世界は回ってゆく。長生きしても退屈はしませんねぇ、えぇ。

さて、楽しい催しの前に一仕事すると致しましょう。なにしろ仕事のあとに飲む一杯は格別ですからネ!
UCを発動し、小鬼の群れを呼び出してから湿地帯を往きましょう。足場が大層悪いでしょうから、進行方向の地面は『火行熒惑符』と『土行鎮星符』で乾燥・補強しながら道を造ります。
先行させた小鬼が石化する場所があれば避けて通ります。ほっとくのも可愛そうなので、石化した子は他の小鬼たちに【運搬】して貰いますか……。

……いまさら気が付きましたが。早いトコ抜け出さないと革靴がダメになるネこりゃ……。

アドリブ連携歓迎です。


●続いていく世界
 あちらこちらがぬかるみ、普通に進むことは躊躇われる湿地帯。そんな中において、1本の乾いた道がまるで導くかのように奥へと続いている。
「長生きしても退屈はしませんねぇ、えぇ」
 道の作り主であるヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)は賑やかな(もしくは騒々しい)小鬼たちを引き連れて、自身の持つ符の力でぬかるんだ地面を乾燥させては先に進んでいた。
 先頭をいくのは小鬼たち。小さい黒い毛玉がわらわらきゃいきゃいぎゃあぎゃあと新しい道を進んでいく。ここに酒の一本でもあればまた愉しくあったのだろうが……それは仕事を終えてからのお楽しみ、というやつだろう。
『なにしろ仕事のあとに飲む一杯は格別ですからネ!』とは彼の言だ。
 と、仕事後の一杯に思いを巡らせているヘンペルであったが、唐突に小鬼たちの群れが騒がしくなる。
 みれば小鬼の1匹が灰色になって転がっていた。話にあった魔法罠であろう。綺麗に引っかかって石像となり果てていたが、罠の場所が分かったという意味ではとても重要な役割を果たしたと言える。
 罠を避けるように先へ進みながら名誉(?)の石化を遂げた小鬼は運ぶように他の小鬼たちに指示を出す。さすがにそのまま放置するのは可哀想に思えたのだ。
 酒場へ行けば治療手段を知っている人もいるだろうし、そもそも時間が経てば治るのかもしれない。そうでなくとも罠を作った張本人である『コカメデューズ』を倒せば治る可能性も考えれば放置する理由もなかった。
 ただ再び元気を取り戻した小鬼たちに神輿のように運ばれているのを見ると、そのうちどこかにぶつけて壊したり落とさないか多少不安になるヘンペルであった。

「おや?」
 ふとヘンペルの目の前を白い何かがよぎった。漂い始めた冷気に首をかしげながらも彼と小鬼たちは先を行く。
「……いまさら気が付きましたが。早いトコ抜け出さないと革靴がダメになるネこりゃ……」
 泥のつき始めた靴を視界の端に入れ、小さなボヤキを残しながら。
成功 🔵🔵🔴

チル・スケイル
帝竜の野望が潰えても、この世界は変わりませんね。私としても、依頼があるなら向かうだけです
承りました。吉報をお待ちください

…(湿地越えか。ヒルにモンスターに魔法罠か。なるほど)
…(ではまず【氷術・場】を使う。空に向かって魔法を撃ち雪を振らせ、湿地帯を凍土に変える)
…(ヒルは低温では活動できない。大抵のモンスターも鈍るだろう。それでも私の前に現れたら杖で射撃する)
…(魔法罠にも注意を払わなければ。魔力を探りながら進み、怪しい場所は射撃。石化罠を起動させる事で発見、回避しよう)

…(ところでこれ、石化してる人がいたら相当寒く辛い思いをしているのでは)
…………
…(少し急ごう)


●真冬の湿地
「帝竜の野望が潰えても、この世界は変わりませんね。私としても、依頼があるなら向かうだけです」
 その後『承りました。吉報をお待ちください』とグリモア猟兵に続けていった彼女は、今や凍った地面の上に立っていた。
 彼女の名はチル・スケイル(氷鱗・f27327)という。真っ白な鱗が雪のような竜派のドラゴニアンだ。チルの手には1本のライフル……否、ライフルに似た杖カシュパフィロが握られており、見上げた空からは晴れているにもかかわらず鱗のような白い雪が舞う。
 雪が触れた個所から葉は木は水は草は凍り、みるみる気温を下げていく。それはチルの故郷を思い起こさせるようで──しばし目を閉じてからチルは蒼いローブを翻して奥へと進んでいく。

 実のところ凍らせるというのは有効であっただろう。水分が多くぬかるんで足場が悪かろうとも、含んでいる水ごと凍らせてしまえばしっかりした足場となるのだから。
 一歩一歩、周囲を警戒しながらしっかりとした足取りでチルは進んでいく。これまでの道のりでは言われたようなヒルやモンスターの姿は見なかった。おそらくは急な寒さで活動するどころではないのだろう。
 問題は『コカメデューズ』の仕掛けたという魔法罠だが……。
「……そこ」
 銃声一発。放たれた魔法弾が何もない空間を駆け抜ける。と、とある一か所で突然威力を失い、乾いた音を響かせて魔法弾が凍った地面へと落ちた。石化の魔法罠だと地面に落ちた弾を見ずともチルにはわかっていた。
 他にも同様の魔力がないかを探り、石化した魔法弾は後続があった時の目印に残していく。

 順調な探索であったが、冷たい風が頬を撫でチルはふと気づく。
(ところでこれ、石化してる人がいたら相当寒く辛い思いをしているのでは)
 今や彼女の力によって湿地帯全てとは言わないが、彼女を中心に少なくないエリアが凍土と化していた。そして凍らずとも寒さというのは伝播するわけで……。
「……少し急ごう」
 慎重なのは変わらずだが、奧へと向かう足どりを少し早めたのであった。
成功 🔵🔵🔴

榎・うさみっち
いやぁ~この前の戦争ではガッポガッポ稼げたぜ
コカメデューズとやらは倒したら
どんだけ報酬が弾むのか楽しみだぜ!
下心満々で冒険に向かうのであった

まずはUCでさむらいっちゆたんぽとまほみっちゆたんぽを
それぞれ半数ずつ複製!
俺の周りを囲むようにしていざ出陣!
道を塞いでいるものがあったら
さむらいっちがスパーンと切り倒したり
まほみっちの属性攻撃で燃やしたり飛ばしたりして
効率良く奥を目指していくぜ!
更に刀や杖の先っちょでこまめに
そこら辺をツンツンさせて罠が無いかチェック
いざとなればこいつらが犠牲になってくれる!
(去年のA&Wの探索でも同じようなこと言ってた)
ただのゆたんぽだから石化されても問題無いしな!


●そろそろ付喪神あたりに怒られそう
「いやぁ~この前の戦争ではガッポガッポ稼げたぜ。コカメデューズとやらは倒したら、どんだけ報酬が弾むのか楽しみだぜ!」
 下心を隠すことなくぶーんと湿地帯を進むのは小さな体にピンクの髪と垂れたウサ耳、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)である。
 そんな彼の左手は着物姿に手に刀を持ったうさみっちゆたんぽシリーズが1種、さむらいっちゆたんぽが。右手には三角帽子にローブ、手には杖のこちらもうさみっちゆたんぽシリーズが1種、まほみっちゆたんぽが。だいたい35体ずつ、うさみっちを守るようにぐるりと囲んで控えていた。
 何故だか若干涼しい気はするが、周りを囲っているのはゆたんぽなのでぬくぬく、そんなに気にならないうさみっちはぶんぶん進んでいく。

「よーし、命が宿ったゆたんぽの本気!喰らえー!!」
 道中で飛び出してきたモンスター(うねうねしていたけどなんだか元気なさそうに見えた)はスパッとさむらいっちゆたんぽがうねうねを切り飛ばし、まほみっちゆたんぽが本体を燃やしていた。おおよそ35体から放たれる火球はなかなかキャンプファイアーだったとか。本気って怖い。
 もちろん、道中の罠の存在も忘れない。一番先頭のゆたんぽ達に罠探知を任せたのだ。探知方法?手持ちの武器で突っついて回ること。
 と、罠を起動させたのかさむらいっちゆたんぽが灰色でカチカチになって転がった。半分湿地のぬかるみに埋もれたそれを見ながらも、うさみっちは特別なにも思っていないのか罠を避けて進む。
 ちなみにここまでで犠牲になったゆたんぽはさむらいっちゆたんぽが3体、まほみっちゆたんぽが1体であった。そのうち犠牲になったうさみっちゆたんぽの進化系(?)うらみっちゆたんぽとか出そう。
「ご苦労!ま、ただのゆたんぽだから石化されても問題無いしな!」
 なんだがどこかで(例えばトラップハウスと化していた廃城の中とか)聞いたことがあるようなないような犠牲になったゆたんぽが同じような、そんなことを言いながら先に進むのであった。

「ぴゃああああああああああ!?」
 その後、再び現れたモンスターを切った破片が思いっきりうさみっち本人に飛んできて悲鳴を上げたのは別のお話。
成功 🔵🔵🔴

リット・ダイセル
●戦争には参加できなかったけど、俺の故郷はまだまだ冒険し放題! ということで、頑張ってクエスト成功を目指すぞ。

●湿地帯だから足を取られたりすると面倒くさいな。アースジャイアントを召喚して彼の背中に乗る形で進んで行こう。
頭上から何か落ちてきてもいいように左手の盾は出来るだけ掲げておくぜ。

●後は剣やジャイアントの武器で茂みなどを切り払いつつ、一歩一歩確実に進行。ぬかるみや深みには特に気をつけておこう。

●吸血ヒルもいるのか……鎧を着込んでるから大丈夫かもしれないけど、時々確認して払い落としていくぞ。

●湿地帯を抜けたらオブリビオンの巣窟か……体力配分も慎重にしないとな……


●巨人とヒルと……
 ドシーン、ドシーン!
 冷気漂う湿地帯を1体の巨人が歩いていく。2mを越える背中を追うようにリット・ダイセル(流浪剣士・f26828)は歩いていた。
「戦争には参加できなかったけど、俺の故郷はまだまだ冒険し放題!」
 依頼の成功を目指すぞ、と気合を入れる彼の歩みに迷いはない。
 当初は巨人の背中に乗って行こうと思っていたのだが、巨人はリットの行動をトレースして動くもの。リットが動かなければ巨人も動かないと気づき、こうして巨人を先行させ安全を確認しながら先へ進んでいるのであった。
 巨人の良いところはその体重がリットより重いこと。故に危険なぬかるみ付近に足を踏みいれればすぐにわかり、避けることで安全に奥へと進むことができていた。
 足を踏み入れるのもためらうような茂みは彼がその手のバスターソードを振るえば、巨人はその倍の大きさのバスターソードを振るって茂みを刈り取る。大剣の生み出した風が周囲の木々を揺らした。
──と。
「うわっ!?」
 突如として頭上の木々から白い何かがバラバラとリット目掛けて降ってくる。その大半は掲げていた盾に弾かれ地面に落ちてうごめくことになった。
「吸血ヒルか……」
 払い落したヒルを(巨人と一緒に)踏みつぶすと、休憩も兼ねてヒルが入り込んでいないか鎧を検分する。隙間に入り込んでいたヒルを何匹か見つけて放り投げると、伸びを一つしてから再び奥へと進んでいく。

 奥に待ち受けるというオブリビオンに気を引き締めながら。
成功 🔵🔵🔴


第2章 集団戦 『石化コンビ『コカメデューズ』』

POW ●かわいいわたしを見て見てー?
【視線】が命中した対象に対し、高威力高命中の【石化の呪い】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD ●裸婦像にしようよ~?(どうなっても知らないっス)
【石化毒が含まれるコカトリスの嘴】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ ●(石化ブレス…喰らえっス!)
【コカトリスの嘴】から【広範囲に石化ブレス】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●不思議な石化コンビ『コカメデューズ』!
 猟兵達がたどり着いたそこは湿地帯の中にしてはしっかりした地面と草の生えた開けた場所であった。
 よくよく見れば地面は石でできており、草ですら石化しているところもある。
「やだー、みてー、呼んでもないのに侵入者ー」
『だーからやりすぎだって言ったっス……』
 声が聞こえる方を見やればそこから現れたのは依頼書にも描かれていたカラフルな鶏、その背にある触手のようなものがうねると続いて少女の顔が現れる。
「望んでないけどー、せっかくだしインテリアにしようよ。いいでしょ?」
『しかたないっス……やれるだけやるっス』
 楽しそうに背中の少女が笑い、触手……否、蛇の髪をうごめかせる。まだ幼いがメデューサのようだ。
 対してカラフルな鶏──コカトリスであろう──はため息をついてから猟兵達をにらんだ。
 クェーーーーーーーーッ!!!!!!!!!
 そのまま大きく鳴くと……くすくすうふふ、少女の笑い声と共にあちらこちらから眼前の姿と同じ『コカメデューズ』たちが現れる。

 猟兵たちはそれぞれ自分の獲物を手にする。このオブリビオンを倒せば依頼達成だ!


●お知らせ
 諸事情によりプレイングの受付開始日時を6月17日(水)の朝からとさせてください。
 それより前に送っていただいた場合ですと流してしまう可能性が高いため、ご了承いただけますと幸いです。
ヘンペル・トリックボックス
さて、足場は安定しているようで何よりですが……此方まで石にされては本末転倒、無駄なく卒なくスマァトに仕事を終わらせるとしましょう。えぇ、紳士的に……!

……とは言え、ああも飛び回られては攻撃するのも一苦労。此方も相応の手札を切りますか。
UC発動。喚び出した飛行型式神の群れに【高速詠唱】と【多重詠唱】を併用し、『火行熒惑符』で火属性を付与。自立特攻式の爆弾に仕立て上げます。基本は数を活かした死角からの強襲と爆発による火【属性攻撃】。

──さて、そろそろ痺れを切らす頃合いですかな?
ブレスの前兆が見えたら一斉に敵の上空へと退避、わざと式神を石化させ、爆発する石の雨として攻撃に転用するとしましょう。


●鴉と鶏
「やーっちゃえっ!やーっちゃえっ!」
『鳥任せにしないで欲しいっス……』
 気の抜けるようなやり取りを前にしてもヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)は特別なにを思うわけでもないらしい。手に持つ仕込み杖でこつこつと地面を突いて、その強度を確かめる。
「さて、足場は安定しているようで何よりですが……此方まで石にされては本末転倒、無駄なく卒なくスマァトに仕事を終わらせるとしましょう」
 ──えぇ、紳士的に……!
 彼の言葉に合わせるように白い鴉が一羽、舞った。

 しかしきゃいきゃいぎゃあぎゃあと騒がしい『コカメデューズ』はあっちへ跳ねたりこっちで飛んだり自由自在。近寄ろうものなら1体叩いても2体に襲われかねないありさまだ。
 なればこそとヘンペルは紙吹雪と見間違えんばかりに紙片をまき散らす。
「集いて唸れや獣の式。散れや羽ばたけ禽の式。囲め囲め、いついつ出遣る──」
 朗々と上げる声に合わせて紙片たちが形を作り、それぞれが鳥の形状をもって飛び回る。仕上げにと一言二言囁けば、白かった紙片からなる式神たちの身体が赤く発光し、1体が『コカメデューズ』を掠めると爆発し、吹き飛ばす。
『鬱陶しいっス!』
 逃げようとした1体は式神の群れに追いつかれ、立ち向かおうとすれば死角から飛び込んできた式神に特攻される。数百にもなる数の差に手も足も出ないまま『コカメデューズ』の丸焼きだけが生成されては消えていく。
「もう全部石にしちゃおうよー」
『いう暇あったらやってほしいっス……が、しょうがないっス!』
 このまま相手していたらやられると判断した『コカメデューズ』たちが一か所に集まり、口元から灰色の煙が漏れ始めた。複数匹で集まって一気に邪魔な式神を石化させてしまおうという策のようであった。
 それを見て取って式神たちは逃げるように上空へと飛んだが、その程度ではブレスの射程圏内。今に全て石化して、後は残った猟兵を石化させればいい。ブレスを一斉に吐いたコカトリスたちはそう思っていた。
「そうするだろうと思っておりました」

 それがヘンペルの狙いであるとも知らず。

 式神たちが石化した時、『コカメデューズ』たちは自分たちの作戦の成功を悟った。
 そして石化した式神たちが落ちてきたとき、『コカメデューズ』たちは自分たちの失態を悟ったのだ。
 ヘンペルによって付与された式神への属性は石化されようとも健在。重力に従い落下した式神たちは、爆発する石の雨と化して集まっていた『コカメデューズ』を一網打尽にしたのであった。
成功 🔵🔵🔴

チル・スケイル
…(どうする…まあ、普段通りでいいか)

…(なるべく離れた場所から魔法弾での狙撃。コカトリスの翼を狙い、凍らせて落とす)
…(落下して狙いが定まらない所に、もう一撃加えて仕留める)

…(身を隠す場所がほぼないのが残念だが…それでも射程には自信がある)
…(向こうが行うのが嘴での攻撃なら、射程はかなり短いはず)

…(ブレスも離れれば避けられるとして、視線か…私も翼で飛行し3次元的に動く。これで回避)

…(何にせよ。これくらいの相手に苦戦するなら、私は群竜大陸で死んでいるだろう)


●静かなる狙撃手
 さて、一方がまるで爆弾でも大量投擲したかのような惨事と爆音を横目に銃……ではなくスナイパーライフルに似た杖、カシュパフィロを湿地帯とこの『コカメデューズ』の縄張りギリギリの場所でチル・スケイル(氷鱗・f27327)は構えていた。
 身を隠す場所を探した結果、湿地帯に近い方が身を隠しやすいと判断したのだ。
 数少ない樹木の影へ雪のような尻尾を隠し、降り積もる雪のように静かに狙いを定める。狙うのは飛び回り、かつなるべく離れた存在。
 しばらく窺って──いた。
 パシュン!
『……っス!?』
「やぁん、落ちてる落ちてるぅ!」
 放たれた氷の魔法弾は寸分の狂いなく『コカメデューズ』──コカトリスの右翼の付け根へ命中。凍り付いて動かせなくなったがために落下し、慌てているところへもう一撃。
 パリンッ!
 2発の魔法弾を受け完全に凍り付いたそれは、やけにあっけない音と共に地面に叩きつけられ粉々に散った。

 遠距離からの的確な射撃。それがチルの選んだ戦法だった。
 1発目で身体の自由を奪い、2発目で仕留める。
 普段通り、しかしながら最も自信のある方法。安全で、しかし確実な方法を彼女は選んだのだ。そしてそれを確実に実行するだけの能力──ユーベルコード──ももちろん備えていた。
 シンプルな狙撃ながらユーベルコードにまで昇華させたそれは、チルが気づかれない限り狙いは思いのまま。
(向こうが行うのが嘴での攻撃なら、射程はかなり短いはず)
 チルの予想通り、射撃をしていく中で初撃でメデューサの方がチルに気づき、その方へ落ちるように誘導することもあった。しかしその嘴が到着するまでに再びの氷の魔法弾が襲い、一歩下がった彼女の目の前で氷の花を散らせるだけであった。
 あっけない。散った氷の欠片を踏みしめてチルは思う。だが、それでいいのだ。
(何にせよ。これくらいの相手に苦戦するなら、私は群竜大陸で死んでいるだろう)
 思い返すのは帝竜戦役での戦いの数々。猟兵として初めて身を置いたその戦いは、こんなものの比ではなかった。
 もっと苛烈な環境、自身へ働き掛けてくる謎、強化されたオブリビオン。
 それでもチルは戦い抜いた。戦い抜いたからこそ、思うのだ。
(普段通りでいいか)
 奴らには普段通りの、慣れたやり方で、十分だと。
 打ち倒した敵が10を越えたところで、狙撃場所がバレないよう位置取りを変えながらチルは少しだけ目を細めた。
大成功 🔵🔵🔵

榎・うさみっち
コカトリスとメデューサ……
なるほどコカメデューズ!!
ネーミングの由来にようやく気付くなど

やいお前ら!おいしい報奨金…じゃない
人々の平穏の為にもここで倒されてもらうぜい!

ぴゃあああ!目が合うと石化するのか!ヤベーな!
手持ちのゆたんぽ達を念動力で動かして
俺の目の前に陣取らせて盾にするぜ!
収納用ゆたんぽから代わりはいくらでも出せる!

逃げ回りつつこっそりUC発動し
おばけっち達による不意打ち攻撃!
敵が視線をこっちに向けようとした瞬間に
ペシンッと横っ面から攻撃して
無理やり視線をそらさせたりな

5体のうち数体だけ可視化して
あっかんべーとかして挑発&翻弄しつつ
残りの見えない奴らが攻撃、という連携プレー!


●怨みではないけど幽霊はいた……のかもしれない
 あちらでボンボン、こちらで落下。それでもなお暴れまわる『コカメデューズ』をじっと見つめる小さな影。特徴的なピンクの髪と垂れたウサ耳、後ジト目。榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)である。
「コカトリスとメデューサ……」
 何やら真剣に考えこんでいるうさみっち。石化させてくるという奴らへの対策を考えているのか……。
 ピコンと何か思いついたように顔を上げる。
「なるほどコカメデューズ!!」
 違った。ようやく名前の由来に気づいただけだった。
 そんなこと考えていたのかよ!と突っ込む人はここにいないことは果たして幸いだったのか、それはともかく。
「やいお前ら!おいしい報奨金…じゃない。人々の平穏の為にもここで倒されてもらうぜい!」
 ぴょいと『コカメデューズ』たちの前に飛び出したうさみっちはビシィと指を突きつけるとそう宣言した。本音が漏れているような気がしたがきっと気のせいである。気のせいだってば!
「見て見てー!可愛いのがいるよ」
『かわいいの判断基準で相手選ぶのやめてほしいっス……』
 高らかな宣言にメデューサは目を輝かせ。その下のコカトリスが肩を落とす。しかし主導権はメデューサにあるのか単純に頼まれたら断れない真面目な正確なだけか、その視界に収めやすいように飛び掛かる。
「ほらー!かわいいわたしを見て見てー?」
「ぴゃあああ!」
 ウインクと共に視線を向けてうさみっちを石化……と思いきや、ゴロンと地面に転がったのは被害個体がそろそろ両手になるかもしれない筆頭候補、うさみっちゆたんぽシリーズが1つ、さむらいっちゆたんぽである。
「えっ?なんで!?」
「なーんてな!俺の周りはゆたんぽ達が護ってくれるぜ」
「はぁ!?」
 慌てて視線を動かして、またも石化して転がったのはばにみっちゆたんぽ。ゆたんぽがなくなったなら隙間が、と思えばどこからともなくまたゆたんぽが出てくる。っていうかゆたんぽの中から出てくる。マトリョーシカもびっくり。
 じゃあそのゆたんぽを石化させてしまえ!と思えばどこからともなく頬を叩かれ視線はあらぬ方向へ。
「かわいいわたしを叩くなんて誰よー!」
 ぶうぶう怒る間に下のコカトリスごとベしべしされてあっけなくダウン。異変に気付いた他の『コカメデューズ』が見渡せば、いた。幽霊風味なうさみっちが1体、あっかんべーしながら誘ってくる。
 挑発につられて突っ込んでいこうとした数体が見えない何かに吹き飛ばされダウン。
「ふっふっふ、うさみっち達の恨みつらみ!喰らえー!!」
 うさみっちゆたんぽたちを盾にして身の安全を確保したうさみっちは、見えない幽霊風うさみっちで『コカメデューズ』をおちょくりながらも確実に撃破していくのであった。
成功 🔵🔵🔴

リット・ダイセル
・えーと……なんだろう、ネーミングセンスは少し横に置いといて。
少なくとも人を石像にするっていう尋常じゃない迷惑を振りまいてるわけだし、きっちりと退治てくれよう。

・俺は真っ向勝負だな。まずは「オーラ防御」で身を固め、【メガリス・アクティブ】で左手の盾とフックを活性化させてコカトリスの嘴に「盾受け」と「シールドバッシュ」で対抗だ。
「カウンター」や「鎧砕き」も用いて、その嘴を逆に破壊できないか試しながらコカトリスの足元に潜り込んで剣で足や腹を叩き切ってダウンさせ、そこで改めて首やメドゥーサを攻撃だ。

・考えなしに目立ち過ぎたのが命取りだったな。こういうのをUDCでは「雉も鳴かずば」って言うんだっけ?


●騎士の戦い方
「えーと……なんだろう、ネーミングセンスは少し横に置いといて」
 リット・ダイセル(流浪剣士・f26828)は心なしか穏やかな目を『コカメデューズ』に向けていた。彼らが自分たちで名乗り始めたのか、それともペアで行動している様子から他の誰かが勝手につけたのか、それはおそらく知る由もないこと。そして、問題になることではないのだ。
 問題なのはそう『人を石像にするという尋常じゃない迷惑を振りまいてる』こと。
 人に迷惑をかけているのなら、それがオブリビオンであろうが仮にそうでなかろうが退治してみせるのだ。

 さっと身一つで『コカメデューズ』の前に飛び出したリットは左手の義手となっているフックを振るう。異変を察知した『コカメデューズ』(のコカトリスの方)が飛びのくと綺麗な羽根がいくつか散った。
「あーあ、いたそー、かわいそー。悪い子は石像にしちゃおうよ」
『その意見には強烈に賛成っス!』
 嘴を鋭く光らせたコカトリスがこちらの番とばかりに飛び掛かる。狙いはリットの左手、先ほど傷つけてくれたフックだ。
「無駄だっ!」
 飛び込んでくるコカトリスにもリットは怯まない。そもそも真っ向勝負を選んだ時点でこうなることは見えていたのだ。タイミングを見計らい振るうは再び左手。
 ──ガァン!!!
 それまでの大きさからおよそ3倍に拡大した左の丸い盾でコカトリスの嘴を下から上へ、正確に突き上げる!
『~~~~!!!???』
「きゃぁっ!?」
 嘴がへし折れそうなほどの強い衝撃にコカトリスは目を回し、突き上げられひっくり返ったコカトリスにしがみついていられなかったメデューサは落馬ならぬ落鳥。当然、明らかな隙を見逃すリットではない。
 右手のロングソードでコカトリスを斬り上げると返す刃で地面に転がったメデューサを切り捨てる。
「考えなしに目立ち過ぎたのが命取りだったな。こういうのをUDCでは「雉も鳴かずば」って言うんだっけ?」
 オブリビオンである以上、グリモア猟兵の予知に捕まるのは時間の問題であったのかもしれない。それでも、このような形で露見することはなかったのではないだろうか。
 消えゆく愉快犯なコンビにそう声をかけると、次の獲物を探してリットは戦場を駆ける。
成功 🔵🔵🔴

桑原・こがね(サポート)
あたしを見ろォ!
登場は雷鳴と共に、派手に演出していきたいわね!
名乗りを上げて注目されたいわね!
囮役とかも嫌いじゃないわ。

こそこそしたり駆け引きするのは苦手だし、何事も正面突破の力技で解決したい!

戦うときは大体斬りかかるか、武器を投げつけるか、雷出すかのどれかね。徒手空拳も心得が無くもないわ!

さーて、雷鳴を轟かせるわよ!


●見てほしい者、目立ちたい者
「あたしを見ろォ!」
 突然、声が響くとともに晴れていた戦場に雷鳴が轟いた。
 声の出所を見やれば小柄な女性の姿。金の髪をなびかせ、堂々と胸を張る桑原・こがね(銀雷・f03679)の姿がそこにあった。
 パチパチと音を立てる銀色の雷光を身に纏い、堂々と『コカメデューズ』たちの中に立つ姿はとても、それはもうとても目立った。その目立ち具合に小さなメデューサがむくれる程度には。
「ぷぅー!なんかあいつが目立つの気に入らないー」
「そうよそうよ!」
「わたしのがかわいいもん!」
「かわいいわたしを見て見てー!」
 メデューサの視線が一斉にこがねへと突き刺さる!
 このままでは石像と化しかねない、だが彼女は刀へ手を添えるものの動かない。
 視線がかすめても、その髪が、服が、体の一部が石化し始めても、まだ、まだ動かない。
 そう、なぜならば──。
「隠れたらあたしが目立たないだろう!」
 ニィっと笑みを浮かべ、刀を抜いたこがねは黄金の稲妻となった。
 パシッ、パシュン、ザシュ、シャキン。
 瞬時に4つの音が鳴ったと思えば、それまでこがねを見つめていた『コカメデューズ』たちが倒れていく。
『何事っス!?』
 遠目に様子を見ていたコカトリスから悲鳴のような声が上がる。
 まだまだ観客がいる気配に、刀を振るうと浮かべた笑みを濃くして声の方へ駆けていった。

 そして最後の一体が倒される頃、あちこちを石化させたこがねはどこか満足げな顔をしていたという。
成功 🔵🔵🔴


第3章 日常 『利き酒選手権~ジュースもあるよ~』

POW味なんて知ったこっちゃねぇ!と豪快に飲む
SPD研ぎ澄まされた感覚でテイスティング
WIZ酒、ジュースの出し方から出題者側の心理を推察
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●利き酒選手権!
「おう、お前ら、お疲れ様」
 オブリビオンを倒し、報告に戻った猟兵達を出迎えたのは酒場のマスターと酒の香りだった。
 奥では騒がしく出来上がったような冒険者たちの声がする。
 聞いていた通り、利き酒選手権が行われているらしい。あの出来上がっている冒険者のうち何人が挑戦者なのかは全くの不明だが。
 報酬を猟兵達に投げ渡すと追加報酬ついでに参加していってはどうかとマスターは猟兵達を誘う。
 なんでもマスター秘蔵のお宝ワインを5つあるワインから探し当てられるか、というものらしい。
 未成年の場合はお宝ワインを作る時に使われるブドウを使ったブドウジュースを当てる問題となるようだ。

「もし当てたらお宝ワインでも好きなワインでも別の酒でも1杯おごるぜ。未成年なら好きなジュースな」
 そう言ってマスターは(かわいいとは言えない)ウインクをすると5つのグラスを並べた。
 当てにいくのも、仕事終わりの1杯とただ楽しんで飲むのも君たちの自由だ。
チル・スケイル
ほう、お宝ワイン…酒場での一時も報酬の一部。のんびりまったり飲みましょう。
利き酒?まあ、せっかくですからやるだけやります。

……ふう…ワインの味。酒場の喧騒。猟兵となる前からの日常だったはずですが、不思議と、こう…懐かしいというか…
…いいものです。当たり前の日常というのも。(飛んできた流れ弾ファイアボールを凍らせてかき消しながら)

…これ美味しいですね。これがお宝ワインでしょうか?(※不正解)

そろそろ故郷に仕送りする時期ですし、お金と一緒にこのワインも送りましょう。樽で売って頂けますか?


●これが『日常』
 ワイワイガヤガヤ。
 賑やかな酒場の中でカウンター席の一つに腰かけたチル・スケイル(氷鱗・f27327)は目の前に並べられた5つのグラスとその中のワインを見ていた。依頼の報酬をもらうことだけが彼女にとっての報酬ではない。酒場での一時ですら彼女にとっては報酬の一部だ。もちろん、利き酒と言われ提示された5つのグラスも。
「まあ、せっかくですからやるだけやります」
 どちらかといえばワインが飲めるのならば、といった風に端のグラスから手に取って香りを楽しみながら口を付ける。
 舌先でワインを転がしながら味わうようにチルは目を閉じた。
 グラスやカップの触れ合う音、食器の触れ合う音、他の冒険者たちの声、出入りする足音。
 どれもこれもアックス&ウィザーズの世界では、冒険者としては、当たり前の喧騒。猟兵となる前から冒険者であったチルにとっても当たり前の日常であったはずだ。だがしかし、どこか懐かしさを覚えてしまうのは猟兵となり、帝竜戦役を経て、異なる世界へと足を延ばしたためだろうか。
 理由は、わからない。さりとて困るものでもない。
「……いいものです。当たり前の日常というのも」
 不意に怒声が響いた。喧嘩だろうか?
 食器が割れる音や何かが投げつけられるような音や悲鳴と共に飛んできた火の玉を杖先一つで凍らせると、何事もなかったかのようにワインを飲み進める。
「バカヤロウ!喧嘩なら外でやれや、外で!!!……手馴れてるなぁ、姉ちゃん」
 マスターの苦笑も気にすることなくチルのひと時は続く。

「……これが美味しいですね。これがお宝ワインでしょうか?」
「いいや、残念。こいつじゃないんだな、これが。でも飲みやすいだろ?」
 結局、全て飲んだチルが選んだグラスは4番目に飲んだもの。ほど良い酸味と飲みやすさが心地よく一番おいしいと感じたものだった。
 ちなみに少し酔ったであろう彼女の真っ白な鱗はほんのり赤みを帯びているように見えた。
「ええ、美味しかったです。……そろそろ故郷に仕送りする時期ですし、お金と一緒にこのワインも送りましょう。樽で売って頂けますか?」
「おう、構わないぜ。村でも街でも送り先が分かれば姉ちゃんからだって質を落とさないように送っておいてやるよ」
「助かります」
 ワインを故郷へ送る約束を取り付け、それが故郷の皆に届いた頃を想像して、酔いだけでなく暖かくなった胸の中を抱えながらチルは酒場を後にしたのだった。
大成功 🔵🔵🔵

榎・うさみっち
フッ、仕事上がりの一杯は最高だぜ
まぁ俺はピチピチの8歳だからジュースだけど!
オレンジジュースをカランコロンと鳴らしつつ

ほほーう、利きジュース選手権とな?
うさみっち様も参加しないわけにはいかないな!
もし正解したら大好きな抹茶ラテを…
ってこの世界には何となく無さそうだな抹茶
じゃあ極上のいちごミルクを頂くぜ!

気分はソムリエっち
グラスの中をくんくんと嗅いでチビチビ飲んでいく
ふむふむ、これは甘味が強いな
何杯でもグビグビ行けそうな俺好みの味わいだ
これは…正直酸っぱすぎてちょっと飲みづらい
いや、良薬口に苦しとか言うし
飲みづらいくらいがむしろ高級品の証では…!?

う~~~ん、これだぁー!!
※結果おまかせ


●誕生!ソムリエっち!
「フッ、仕事上がりの一杯は最高だぜ」
 優雅にグラス(中身はオレンジジュースだ!)を鳴らしながら一仕事終えた雰囲気に酔っているのは榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)である。
 黒いホスト風なスーツを着て漂わせている風格は大人のそれであるが、年齢は8歳のためちゃんとジュースである。思わず二度見したくなる年齢であるが事実だから仕方がない。うさみっちは種族うさみっちといっても過言ではない故に!

 さてさて、そんなうさみっちであるが利きジュース選手権にも嬉々として参加。正解したら何を貰おうかと想いを巡らせながら目の前に並べられたグラス(もちろんフェアリーサイズである)を眺める。
 服装も相まってその様子はまさにソムリエ。しっかり香りを確認し、一口ずつゆっくりと飲んでいく。
 1つ目のグラスは香りがよかった。顔を近づけるだけで甘いブドウの香りがする。
 2つ目のグラスはそこまで香りがしなかったが、澄んでいて綺麗な色をしていた。
「ふむふむ、これは甘味が強いな。何杯でもグビグビ行けそうな俺好みの味わいだ」
 それは3つ目のグラスを口にした感想だった。先に飲んだ2つのグラスの中身に比べて明らかに甘い。中に砂糖でも追加で入れたのかとばかりの甘さだが、くどいほどの甘さでもなく甘味が好きな人ならばするすると飲める、そんなジュースであった。
「うぇっ……!?」
 4つ目のグラスを確かめて、最後5つ目のグラス。口にした瞬間、ジト目をぎゅっとつぶって上げた悲鳴にマスターは思わずとばかりに笑い声を漏らす。
「これは……正直酸っぱすぎてちょっと飲みづらい」
 ちびちびと、本当にちびちびと他の4つより明らかに時間をかけて飲み切ると、3つ目のグラスの底に残っていたジュースで地味に口直しをしながらうさみっちは考える。
 明らかに飲みにくかった最後のグラス。飲みづらくて全く好みではないが『良薬口に苦し』とはよくいうものだ。飲みづらいぐらいがむしろ高級品の証なのではないか?
 しかししかし、3つ目のグラスは甘くて美味しかった。好みだし何杯でもいけそうだった。高級品なんだから美味しくて当たり前なのでは?
 いやいやしかし、1つ目のグラスは香りがよかったし高級品というのは味だけでなく香りも……。
「う~~~ん、これだぁー!!」
 迷いに迷ったうさみっちがビシッと示したグラスは──。

「うーん、これも美味だな。勝負に勝った後の一杯は最高だぜ」
 カランコロン。結局、勘で好みだった3つ目のグラスを選んだうさみっちは見事に正解。
 報酬にいちごミルクを貰った彼は、再び優雅にグラスを鳴らしてその味を楽しむのであった。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月05日
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵