14
無慈悲なるHARVEST

#アポカリプスヘル

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アポカリプスヘル


0





 時は世紀末。数多の人類が死滅し、今なお発生するオブリビオン・ストームが吹き荒ぶこの世の終わりかと思われる世界、アポカリプスヘル。
 この荒廃した大地に点在している拠点の一つに、赤いモヒカン姿の珍妙な世紀末的なファッションに身を包んだ集団がいた。そう、彼らの名は『レッドターキーズ』絵面的にもこんななりだが、幾度の苦難を乗り越え、人々からの期待を背負うそこそこ有名な奪還者(ブリンガー)たちなのである。そんな彼らの拠点を囲うように、今現在、赤々と収穫を待つばかりのトマトやイチゴといった農作物が一面に広がっていた。
「ヒャア! もう我慢できねぇ!」
「おい、まだそれは青いぞ! ――待て、あれを見ろ!」

『『ハーーヴェスト! 収穫の時間だーー!』』

 荒廃した大地にただでさえ目立つ大規模な農園が在れば、当然ながら野盗たちの目に留まる。砂煙と爆音を上げながら、農園を更地にするような勢いで、装甲ドーザーの群が迫った。しかし、赤きモヒカンたちの心に迷いはない。むしろ、向こうから獲物が来たかのような瞳で、高々と得物を掲げたのだ。
「ヒャッハー! 返り討ちだー! ――ヒャッ!?」
 意気揚々と勇んで迎え撃つモヒカンたち。だが、野盗たちの背後を遠望してみれば、更に大きな砂煙を上げながら迫るソレに気付くと、一斉に絶望の貌に染まり、次々と得物を取り落とす。
「あ、あぁ……あれは、駄目だ! もう、おしまいだぁ……」
 彼らの瞳には、逆立ちしても勝てなさそうな圧倒的な巨影が映っていたのだった。


「助けてください! お願いします! 何なら見返りに手羽先になるんで!」
 世紀末ファッション姿の赤い鶏冠が愛らしいニワトリのキマイラ、ロースト・チキン(チキン野郎・f03598)が、君たちに気付くと、突如、地に頭を擦りつけて土下座をしてきた。
「へへへっ……仕事ですぜ?」
 ロースト曰く、アポカリプスヘルのスパイシーカンダマントと呼ばれる荒野に奪還者『レッドターキーズ』たち赤きモヒカン集団の拠点があるそうだ。そこの周辺では、最近になって大規模な農場が徐々に築かれはじめたという。そんな農場で、農作物の収穫も間近という中、野盗の襲撃があるそうなのだが、これだけなら彼らでも、なんとかなりそうな気もしないこともない。しかし、事はそう単純ではなかった。問題なのは、野盗の背後から迫っている超巨大な存在である。
「襲撃してくる野盗は、収穫と称して、更地にしようとしやがるキルドーザーズというレイダーの群だ! だが、次に控えてるデカブツが……く、このままじゃ、完熟トマトたちが……ひぃ!?」
 何かを思い出したのか挙動不審に怯えた様な表情で、詳細を語るローストだが、今から向かえば彼らの農場を、於いては、この世界の未来の新たなる一歩を守る事ができるとのこと。
「あっ、それでは皆様のご活躍とご無事をお祈りしております。はい」
 何かを縋る様な瞳をした鶏が柱の陰から猟兵たちを見送ったのであった。


プレジデンテ
 モヒカンが出演の段階で、もうネタだって分かるよね? よね? こんにちは、プレジデンテです。今回は、アポカリプスヘルで赤いモヒカンたちと一緒に、農作物を収穫するスローライフです(違)

 1章は、集団戦です。赤く実った農作物を装甲ドーザー型のレイダーたちが収穫しに来てくれます。

 2章は、ボス戦です。超弩級の陸上戦艦が、全部まとめて無慈悲に収穫しに来てくれます。

 3章は、日常です。赤いモヒカンたちが育てた農場のお手伝いをしてあげましょう。

 それでは、皆様のスローライフなプレイングをお待ちしております。
31




第1章 集団戦 『キルドーザーズ』

POW   :    キルドーザーズ鉄の掟『遅ェ奴はクソ!』
【敵に向けてチキンレースのような集団突進】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    キルドーザーズ鉄の掟『雑魚は死ね!』
自身の【モヒカン】が輝く間、【同士討ちを全く厭わぬ突進】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    キルドーザーズ鉄の掟『敵は轢き殺せ!』
【ドーザーブレードを振り回しながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【雄叫びを上げながら無秩序に走り回る仲間】の協力があれば威力が倍増する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


アポカリプスヘル、スパイシーカンダマント荒野には、赤と緑で彩られた大規模農園が広がっている。そこでは、赤きモヒカン集団『レッドターキーズ』が、今日も今日とて農作業に勤しんでいたのであった。

「ヒャ―ッ! 水だ! 水を蒔くぜ!!」
「これでかかぁに腹一杯食べさせてやれる! 流石、アニキ!」
「オレ、アニキの為ならたとえ死の中、水の中だ!!」

 この数多の赤きモヒカンたちの中に、彼らが尊敬してやまない一際ワイルドな肉体のモヒカンが、満足気な様子で立っていた。彼こそ知る人ぞ知る奪還者『レッドターキーズ』のリーダー、レッド・ターキーズその人である。

「アニキー! レイダーどもがこっちに向かってきやす!」
「チッ、収穫の時期を嗅ぎつけに来やがったか!? おい、逃がすんじゃねーぞ! お前ら!!」
「「ヒャッハーー!!」」

『『ハーヴェスト! 収穫の時間だ!』』

 ――装甲ドーザーの群が、農園へと迫る。
防人・拓也
『水陸両用熱核ホバーイージス艦 あまぎ』のCICにある大型ビジョンで敵影を確認しながら
「敵は装甲車…というか、ブルドーザーか。ま、こいつの初陣にはちょうど良さそうだ」
と言いながら、手元にあるパネルを操作し始める。
「MAWS、起動。データ入力開始。目標、敵装甲車。使用弾種はトマホークミサイル。発射数、10発。敵をグループごとに分けて、1発ずつ着弾させる」
と言い、入力完了。あまぎの前後にある複数の『Mk.51 VLS』の内、後方の蓋が開く。
「トマホーク、発射」
と言い、VLSから次々とミサイルを発射。ミサイルで撃ち漏らした敵は新型127mm速射砲でCICから手動で操作しながら応戦。
アドリブ・連携可。


天城・千歳
【SPD】
アドリブ、絡み歓迎

収穫まで漕ぎ着けた農園を襲撃して蹂躙ですか。無粋な人達ですね。
そうゆう方々にはそれなりの対応をしてあげましょう。
「斥候部隊、農園周辺地域に展開し索敵及び観測網を形成して下さい」
UCで呼出した斥候部隊を農園周辺に展開し、索敵、観測網を形成して【情報収集】し、収集した情報を元に【戦闘知識】で敵の配置、進路、速度を把握し、自身を中心に構築したネットワークを使って味方と情報を共有。
自身とA-1歩行戦車、歩行工作車の武装による【誘導弾】の【一斉発射】による【範囲攻撃】で【先制攻撃】を行う。
先制攻撃後は【地形の利用】をして敵の攻撃を防ぎつつ【制圧射撃】と【砲撃】で攻撃を行う。



●前哨戦の狼煙

「敵は装甲車……というか、ブルドーザーか。ま、こいつの初陣にはちょうど良さそうだ」
 放棄された大型の建物をカモフラージュにしつつ待機していた水陸両用熱核ホバーイージス艦 あまぎの艦内の戦闘指揮所内に設けられている大型ビジョンを中心に、他の猟兵の協力の下に映し出された複数のホロディスプレイを睨みながら防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)は、砂煙を上げながら爆走するレイダーの群を多角的な視点も含めて、具に観察していた。その姿は、装甲ドーザーとレイダーが接合された異様さである。パワー、スピード共に、野盗だからといって侮る事はできないだろう。むしろ、ああいう連中こそ予想外の行動を起こす可能性があるかもしれないのだ。故に、安全マージンは、いくら投入しても、し足りないくらいだと思うのだった。――だが、そろそろ頃合いか。拓也は、冷静に頷きながら独り言ちると、拓也は、手元にあるパネルを操作し始める。

「こちらリーパー。ご協力感謝します。――天城さん?」
「はいはーい、聞こえてますよ――もう、よろしいのでしょうか?」
 拓也の通信に応えたのは、あまぎの甲板上にて、蒼い戦闘用装甲を備えたリモート義体を操る天城・千歳(ウォーマシンの電脳魔術士・f06941)であった。奇しくもこの艦と同じ名を持つのも何かの縁を感じさせる。彼女の本体は自立型コアユニット故、現在は、別の場所にいるのだが、レイダーたちの襲来に備え、情報収集の共有化の為、拓也の操る艦、あまぎには、義体の司令塔として、戦闘用義体を配置し、更に、斥候部隊――隠密性を重視された偵察用義体を農園周辺に数百規模で配置していたのだ。共有した情報の下、機と彼の意向を確認する。

「……えぇ、そろそろ仕掛けようかと思います」
「――分かりました。こちらも戦闘態勢に移行します。――斥候部隊は、引き続き農園周辺地域に展開し、索敵及び観測網を形成、構築。敵部隊の進路、速度から接敵までの時間を遂次、ネットワーク経由で、あまぎ並びに通信可能な猟兵さん達に通達して下さい」 
 ――2つの『あまぎ』が動き出す。イージス艦、あまぎの熱核反応タービンエンジンがホバークラフトシステムにリンクするとそれまでカモフラージュしていた建物の残骸に、振動と共に勢いよく砂埃が叩きつけられる。ガラガラと崩れる瓦礫の崩壊音がおさまると、災厄を祓う盾は、静かに移動を開始した。その両脇には、天城の操るA-1歩行戦車と歩行工作車が並走する。今のタイミングで、先制攻撃を加えれば、奇襲となりやすいだろう。拓也は、再度、素早くパネルを操作する。

「MAWS、起動。――データ入力開始。目標、敵装甲車群。使用弾種はトマホークミサイル。発射数、10発。敵をグループごとに分けて、1発ずつ着弾させる」
 彼の言の通り、天城より齎された情報は、敵の配置などをグループ化する為の割り出しやより高度なMAWSの命中精度を叩き出す事に一役買っていたのだ。拓也は、全ての情報入力が完了するとあまぎの前後に備え付けられた複数のMk.51 VLSの内、後方の蓋を開いた。そして、ロック解除に移行すると最後の釦を押し込んだのだ。直後、艦内を揺らすような振動と轟音と共に、VLSから煙を上げながら次々と垂直にミサイルが発射される。

「トマホーク、連続発射! あまぎの力、見せてやる!!」

 ――天高く立ち昇る煙と轟音。エンジンを更に吹かしながら、超高速であまぎへと進路を進めるキルドーザーズの集団は、打ち上げられたソレらを見上げるもただ一瞥するだけに留まった。災厄を祓う盾、水陸両用熱核ホバーイージス艦 あまぎ、此処に在りとレイダーたちに知らしめていた。実際は、既に放たれたミサイルよりも、強奪し甲斐がありそうな目先の利(艦船)に、関心を寄せてしまっていたわけだが。

『なんだか、音と煙を出すモノを打ち上げたみてぇだが、そんなことより、あのデカい船は、奪い甲斐がありそうだぜ! ハーヴェスト! 収穫に遅れる奴は、クソ! いくぞ、テメェら!!』
『『ハーーヴェスト!!』』

 ――だが、ソレらが自分達に降り注ぐなど想像もしなった。次の瞬間、地を抉るようにミサイルが次々と目標に着弾し巨大なクレーターが生み出される。爆音と共に大地を慟哭させながら、彼らを焼き尽くしたのだ。だが当然ながら、敵も容易ではない。ソレらをものともせずに、視界が悪くなった硝煙の中を突破してくるレイダーたちが次々と現れ始める。拓也も想定内とばかりに、CICより、1門の新型127mm速射砲を操作しながら、撃ち漏らしを迎撃する。そして、巨大なあまぎを包囲するかのように、徐々に新手のレイダーたちが合流しはじめている事にも気付くのだった。彼らは、得物であるドーザーブレードを高々と掲げながら、こちらに捕捉させないかのように蛇行しながら、あまぎへと接近してきた来たのだ。

『ブリンガー共の大歓迎だぜぇ! 敵はクソな味方諸共、轢き殺せ! 取り付いて収穫だ!!』

 敵の手段を選ばぬ勢いに、僅かにヒヤリとしそうになるも、この場で戦っているのは拓也だけではなく、自らのみで解決できると思う程己惚れてもいないのだ。むしろ、この状況こそ、彼を一層冷静に保たせ、生来の粘り強さの本領を発揮させていたのだ。やがて、取りつこうとするレイダーたちを艦の急旋回で振り払うように砂煙を上げながら一回転すると、この地に存在するもう一つの『あまぎ』に次を託したのだ。

「収穫まで漕ぎ着けた農園を襲撃して蹂躙ですか。無粋な人達ですね。そうゆう方々にはそれなりの対応をしてあげましょう」
 一体のレイダーが、拓也の操る艦の急転進の勢いで振り払われ、バランスを崩した直後、その胸部を光線が貫く。それを皮切りに、周囲を見渡せば、同様に、レーザーで射抜かれる者、複数からなる小型ミサイルの連続着弾によって爆散した者もいた。これらを行なったのは、歩行戦車らと共に動いていた千歳である。彼女は、戦闘用義体のブースターユニットを吹かしながらゴツゴツと荒れた大地を縫うように疾駆し、次々とレイダーたちをブラスターライフルの餌食にしていく。集団には、連射によるばら撒きで対応し、時には急接近からの三点バーストで一息に仕留めていったのだ。やがて、敵の数も相まってかブラスターの残弾が無くなると、長銃を鈍器に見立て、接近してきた敵を殴り飛ばしながら、サブウェポンで駆逐していくのと入れ替わるように、透かさず彼女のやや後方から彼女と同様の標準武装を展開させながら、前面へ移動してきたA-1歩行戦車の援護を受けながら、その後方に位置していた歩行工作車から複合ユニットの補給を受け取っていた。

「とりあえず、あまぎ周辺の進路クリア。――次から次へとキリがないです」
「全くだ。……だが、ここからが正念場だな」
 農園を守る為には、ここで『あまぎ』は、引くわけにはいかない。少なくともこちらへ向かって来る一団は受け持つ必要があった。通信越しに一呼吸置くと、遠くから追加のおかわりを目にすることになる。

「まだいけますか?」
「問題ない。一群を引き付けた後、再度、状況を開始する」

 僅かに残った天へと昇る硝煙の軌跡は、戦闘のはじまりを意味しているかのようであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

叢雲・凪
まずはその世界の住人・猟兵仲間に挨拶をしよう…。
礼儀は大事。年上の人や先輩にはちゃんとしないとね。
一見無法者に見えるターキーズの彼らにも丁寧な挨拶だ。
『どうも ジンライ・フォックスです』(お辞儀しつつ)

ボクのコスチュームがターキーズの仲間と思われそうなほど赤いのは偶然だけど…まぁ彼らが真面目に働いているなら守る理由はそれだけで十分。

敵はバイクを使ったアウトロー。典型的な断罪対象だ。
ダッシュ+残像+ジャンプ+リミッター解除を用いて高速移動しつつ
敵のバイクに張り付いて黒雷槌+属性攻撃でバイクを使用不能にする。
電子部品はあるはずだ。壊してやる。

「どうも…ヨタモノ・ヘッズさん」(無慈悲に電撃カラテ)


九十九・静香
まあ、このような大地でも筋肉その他諸所の力で農園を築く素晴らしい方々がいるとは感服いたします
では若輩ではありますがお手伝い致しましょう

『お初にお目にかかります、れつどたあきい様』
筋肉令嬢姿に変身
農園に対し◆拠点防御の構えにて
◆怪力で刃亜部流や断部流を振り回し
超筋肉による蹴りやジャンプからの◆踏み付けで攻撃していきます

集団突進にはユーベルコヲドを使用
大地の震動、風の流れを◆力溜めしながら筋肉感覚で感知し相手の速度と進路を完全予測し瞬間筋肉回避
無理な集団突進は体勢を崩す元
致命的箇所、すなわち乗り手の急所を狙い◆カウンターの超怪力筋肉拳連撃を繰り出します

ドヲザアだけ残せば後で作業に使えるでしょう



●同年代の挨拶

 遥か彼方まで広大な荒れた大地が続いているかのような世紀末の世。その内にあって、奪還者、レッドターキーズと呼ばれる赤きモヒカン者たちが中心となり活動しているこの拠点では、その周辺を大規模に開拓したことで農園が築かれていた。そこでは、イチゴやトマトといった今が旬の赤き実りたちが、収穫の刻を今か今かと待っていたのだ。

「まあ、このような大地でも筋肉その他諸所の力で農園を築く素晴らしい方々がいるとは感服いたします。では若輩ではありますがご挨拶を兼ねて、彼らのお手伝い致しましょう」
「うん……礼儀は大事。年上の人や先輩にはちゃんとしないとね。一見無法者に見えるだろうターキーズの彼らにも畏敬を込めて丁寧な挨拶だ」

 そして、戦闘が開始される少し前、律義にもレッドターキーズの面々に挨拶をしに来た者たちがいた。九十九・静香(怪奇!筋肉令嬢・f22751)と叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)の両名である。そんな彼女らを何処からともなく現れたレッドターキーズの面々が、下卑た笑みを浮かべながら立ち塞がったのだ。

「ヒャッハー! おっと、嬢ちゃんたち、此処はあぶねぇから通さねぇぜ?」

 これまたモヒカンの代表者でもあるレッド・ターキーズの言動もアレだが、年若い彼女らを気遣ってか、この先は戦場になるだろうから危険なので、行くのは止めておけと言って来たのだった。思わぬ気遣いに、二人は、顔を見合わせるとお互いに頷き合い、ぺこりと頭を下げお辞儀をしながら挨拶をする。

「お初にお目にかかります、れつどたあきい様。九十九・静香と申しますわ」
「どうも ジンライ・フォックスです。ボクのコスチュームがターキーズの仲間と思われそうなほど赤いのは偶然だけど……まぁ、貴方たちが、真面目に働いているなら守る理由はそれだけで十分」

「へっへっへ、アニキ! こいつぁ、驚きましたぜ! 二人とも上玉になる逸材でさぁ!」
「まぁ、待て! 青い果実を収穫するにはまだ早い。何よりソッチの嬢ちゃんは、赤い格好をしているってことは、俺たちへのリスペクトなんだぜ? 期待に応えねぇ訳にはいかねぇだろ?」

 言動はアレだが、恐らく、こんな娘たちが、戦わなければならないような世界にはさせない。強気なのは、それだけ自分たちに期待しているからであって、それに応えるべきなのだと言っているのだろう。……言動はアレなのだが。因みに、余談だがアニキ呼びした顔面が世紀末な強面のモブモヒカンは、静香や凪と同じ年齢の15歳なのだった。ターキーズは、親指を立ててサムズアップを凪にする一方で、車椅子をコロコロと転がしていた静香には何か思う所があるのか苦渋の顔色を見せていた。

「赤い仮面の嬢ちゃんは、まだいい。だが、そっちの車椅子に乗っている嬢ちゃんは別だ。此処は、ホントにヤベェから、早いところ拠点の地下シェルターに避難しな!」
「――問題ありませんわ」

 静香が車椅子からすっくと立ち上がると、驚くことに、見る見る内に肉体が肥大化していった。やがて、それが限界まで達した時に現れたのは、先ほどのか弱さなど微塵も思わせないような超越した筋肉と体躯を備えた男性ボディビルも真っ青な筋肉令嬢がポージングをしながら断部流な車椅子を片手に持ち上げながら其処に佇んでいたのだ。その姿は、拠点の守護神であると言われれば納得せざるを得ない威容さに、モヒカンたちは股間を押さえながら僅かに後ずさる。

「な、なんだ……嬢ちゃんたちも――えぇ、お嬢様方も奪還者だったのか? いや、でしたか?」 

 先程とは打って変わり、自分たちに対して何か腰が低くなったモヒカンたちに、一通り挨拶を済ませると、彼らの案内の下、迫り来るレイダーたちを迎え撃つべく二人は、配置についたのだった。砂煙を上げながら徐々に近づいてくる集団を凪は、睨むように睥睨する。

「敵はバイクを使ったアウトロー。典型的な断罪対象だ……ん、バイク?」

『『ハーヴェスト! 収穫の時間だ!!』』

 砂煙を上げてるレイダーっていうから、てっきり典型的なバイクに跨ったレイダーかと思ってたけど、よく見ればドーザー、ドーザーじゃないか! 外見は、ブルドーザーにレイダーが接合され、安全第一がモットーなショベルを備えたイロモノレイダーだったのだ。若干、思ったものと違った事に、少し変な焦りを覚えるも、間髪入れずに、自分の脇を勢いよく通過した静香が、敵の一体に目掛けて飛び出したのだ。突進するドーザーのシャベルを両手で掴み上げ、そのまま思いっ切り、車体ごと引っ繰り返すと、透かさず置いていた得物である断部流と刃亜部流を振り回しながら、レイダーを殴りつけるのだった。

「どっせい!!」
「うわ……アレはなんか守護神だー」
「ウフゥゥン! 今日も私の筋肉が滾っておりますわ♪」

 その静香の存在を危惧したのかレイダーたちは、ターゲット彼女に絞り、犠牲を厭わない超高速での集団突進を繰り出す。対する静香は、静かに佇むと、全身の超筋肉感覚を鋭敏化し、大地の震動、風の流れを読みながら、相手の速度と進路を完全予測すると突撃を瞬間的に筋肉で回避していったのだ。――だが、敵の数は多い。

「筋肉は時には静かに感ずる。研ぎ澄ました筋肉の感覚は未来の光景すら教えてくれます。そして、柳の如く筋肉は翻り、鋭く打つもの!! 無理な集団突進は体勢を崩す元ですわ! ホワ、タタァーー!!」

 次の瞬間、取り囲んだドーザー型レイダーの上部が、静香の筋肉によって次々に吹き飛ぶ。何を言っているのか分からないかもしれないが、兎に角、筋肉の力で、敵の致命的箇所を狙ったすなわち急所をカウンターの超怪力筋肉拳連撃を繰り出すことで敵の集団を一度に仕留めたのであった。
「ドヲザアだけ残せば後で作業に使えるでしょう?」
「さて、ボクも負けられないね」
「よし、あとはオレに任せろ! アニキ、天から見ていてくだせぇ!」
「……え?」
 静香が目立つように立ち振る舞ってくれていたことで、今度は自分の機だと判断し、行動を開始しようとしたところへ何を思ったのか、実は、彼女と同年代だったというモヒカン君が現れて、ヒャッハーと敵に向かって飛び出していったのだ。きっと、彼の中にも対抗意識があったのだろう。そして、呆気なく敵のリーダーの一人と思わしき者に捕えれたモヒカン君。このまま放置すれば、彼は助からないだろう。それに、静香のような割と筋肉任せのゴリ押しで助ける訳にもいかない。どう救うべきか……いや、どう敵を断罪するべきかが重要だった。かつて、凶悪なヴィラン犯罪に巻き込まれ、その際に家族全員を失ったことで、自身の無力さと世界の非情さ知る彼女だからこそ何が『悪』なのかハッキリさせなければならない。モヒカン君(15)は、確かに人相も素行も悪いだろうが、根の所、悪ではない。――そう、だからこそ、先入観などで、銃口を向ける相手を間違ってはいけないのだ。其処に至った凪の表情は仮面で覆われ、読み取ることはできないが、その感情すら隠されていたとしても、彼女もまたその根幹は、心優しい少女なのであろう。

「――目標を断罪する 」
 倒れた味方を跳ね飛ばしながら、次々と迫り来るドーザー集団の合間を縫うように、捕まったモヒカンの下へと残像を残しながら、素早く疾駆する。辿り着き、繰り出される攻撃。

『ハーヴェスト!!』
「機械なら何処かに電子部品はあるはずだ。壊してやる! 黒雷槌!!」

 凪は、ドーザー部分に張り付くと、即座に黒雷槌を纏った拳を機体に流し込み、電子部品をショートさせ、パワーを強制的にダウンさせた。

『う、動かねぇぞ、クソが! あいつは、どこいった!? ――ん、んん?』
「どうも……ヨタモノ・ヘッズさん」

 黒雷槌を放った際、背後へと飛び移った凪は、努めて冷静に応える。そう言うや否や呆然と後ろを見上げる敵の頭頂部へと無慈悲にも電撃カラテを放ったのだ。

「お前の罪を数えろ! その魂さえも残さず消し飛ばす……!」
『あぽぁぁぁ――――!?』

 ぱっくりと頭部が半分に割れ、黒墨になった敵の残骸を残しながら、彼女は地面に転がっているモヒカン君の様子を伺う。眼が白黒で、少し黒焦げになってはいるものの気絶しているだけだと思うので、恐らく無事だ。……多分。
 やがて、周辺のレイダーたちを一掃し終えた静香が、こちらへと合流を果たすと、その溢れんばかりの筋肉を魅せ付けながら、彼をお姫様抱っこで回収していったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ラブリー・ラビットクロー
おいマザー
なんでモヒカンがこんなに居るんだ?
【ネットワークで検索しますか?】
良いモヒカンと悪いモヒカンがいるんだ?
【ネットワークに接続出来ませんでした。】
同じモヒカンでもケンカするんだ
しょーがねーのん
らぶが取り持ってあげるなん
【警告。熱源を複数感知。オブリビオンが発生している可能性があります。直ぐに避難を開始して下さい。】
ところでどのモヒカンをどつけばいーんだ?

マザー
クルマに乗ったモヒカンに気をつけるん
トマトとかに行く前に引き付けるぞ
【よくわかりません】
マザー
ライト点灯
【フラッシュライトを点灯します】
よーし
そのまま目くらまし攻撃だぞ
【バッテリー残量が20%を切りました】
おいまざー
しっかりしろ



――ちょっと遠出してみよう。この荒廃した世界をそんな何処かへ遊びに行くような気軽さで、ラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)は、いつもの相方を置いてきぼりにして、人々が、スパイシーカンダマントと噂する地域へとやって来た。この地へ来てまず驚いたのは、赤き棟髪刈りをした謎の集団との出会いであった。ラブリーは当初、取り囲んだ彼らの人相があまりにも凶悪なものだから、オブリビオンか何かだと思って、マザーの返答も聞かぬままに、火炎放射器でまるごと燃やそうとしたものだ。しかし、即座に実力の差を思い知ってしまった彼らは、彼女に対して、腰が低くなったことで、矛を収めるに至る。赤きモヒカンたちの話を聞くと、どうやら彼らは、レッドターキーズと言う名の奪還者たちらしい。以外にもその面とは裏腹に、奇声を上げながら、頻りに水を勧めてきたり、そして親切にも、赤い棟髪の天使ばかりが群れるこの楽園のような農場へと案内されたのだ。

「ヒャッハー! 生かして返すなぁ!!」
『さぁ、収穫だ! ハーヴェスト!!』

 ――だが、現在、この地は地獄であった。農園に到着早々、ラブリーは、襲撃に巻き込まれてしまったのである。こっちもモヒカンなら襲撃側もモヒカンである。どっちも奇声をあげながら活発的だ。ぶっちゃけ、見分けがつかない。

「おいマザー。なんでモヒカンがこんなに居るんだ?」
【ネットワークで検索しますか?】
「良いモヒカンと悪いモヒカンがいるんだ?」
【ネットワークに接続出来ませんでした。】
「同じモヒカンでもケンカするんだ。しょーがねーのん、らぶが取り持ってあげるなん」
 ラブリーは、先ず、目を凝らしながら、彼らを見分けようとする。髪の色が、赤いのと黄色いのだ。青いのがいれば、まるで信号機のようだった。
【警告。熱源を複数感知。オブリビオンが発生している可能性があります。直ぐに避難を開始して下さい。】
「知ってた。ところでどのモヒカンをどつけばいーんだ? 黄色いの? 赤いの?」
【より詳細な情報が必要です。ネットワークで検索しますか?】
「情報か。髪でも毟ればいいのか?」
【ネットワークで検索しますか?】
「めんどーだから両方ともたおそー」
【ネットワークに接続出来ませんでした。】

「「赤い方! 赤い方が味方です!!」」

 ラブリーとビッグマザーの噛み合わない不穏なやり取りを聞いていたレッドターキーズのモヒカンたちが、必死に懇願していたのだ。きっと彼らの記憶に残る酷い出来事が道中であったに違いない。そんなこんなで、黄色いモヒカンたちキルドーザーズを相手にすることになったのだ。ラブリーは、端末を片手に赤いモヒカンたちと駆け出す。

「マザー、クルマに乗ったモヒカンに気をつけるん。トマトとかに行く前に引き付けるぞ」
【よくわかりません】
 レイダーは、エンジンを吹かせながら、超高速で、ラブリーたちへと迫る。車体に搭載された血糊のついた安全第一のドーザショベルごと引き潰そうとしていたのである。

『ハーヴェスト!!』
「マザー、ライト点灯」
【フラッシュライトを点灯します】
『うおっ、まぶし!?』
 マザーが収束して発した光は、赤と青が交互に激しく点滅させるパカパカの技法そのものだった。そのまま見続ければ、光過敏性発作を引き起こし病院送りになるような割とヤバいものであり、所謂、なんとかモンスターショックである。つまり良い子は、テレビを見るときは部屋を明るくして離れて見てくださいということを示していたのだ。敵は、まともに動けないでいるぞ、ラブリーよ、今がチャンスだ!
「よーし、そのまま目くらまし攻撃だぞ」
【バッテリー残量が20%を切りました。まもなシャットダウンします。】
「おいマザー、しっかりしろ」
【ザザザァ…………】
 あっ、死んだ。ラブリーは、慌ててガンガンガンと叩きつけた。――隣にいたモヒカンの頭に。
「や、やめてくだせぇ!」
 次に、振回してみると、手からマザーがすっぽ抜けた。

『ギャァァア!』
 なんということでしょう。敵の頭部に、端末の角が直撃してしまったのである。痛みに、運転操作をミスったレイダーは、赤きモヒカンたちが掘ったであろう落とし穴へと落ちてしまったのである。――勝利だ。ラブリーは、端末を拾い上げるとそれに語りかける。それに対し、ピロンという可愛い音で端末は、応えたのだ。

「おいマザー、だいじょうぶか」
【おはようございます。ラブリー。今日は2020年12月24日です。メリークリスマス。七面鳥を用意しましょう。】
「おー、あかいしちめんちょうならそこらじゅうにいるぞ」
 そのやり取りを聞いてた赤きモヒカンたちは、隅っこで震えていたという。

成功 🔵​🔵​🔴​

叢雲・凪
しまった… 電力の調整を間違ったか…(焦げてしまっているモヒカン君を見つつ)

彼の療養に付き添おう。ボクの責任だ…。
その前に静香さんに共闘のお礼を

「見事な剛力無双だった。凄く心強かったよ ありがとう」(お辞儀しつつ)
(正直なところあの豹変には度肝を抜かれた。)


モヒカン君が目を覚ますまでとりあえず看病だ。
タオルで体を拭いて 清潔な服に着替えさせて…

目を覚ましたらまずは謝罪だ。
「ごめん ボクのミスでキミに怪我を負わせてしまった」【礼儀作法】
(誠意を見せる為に仮面を外している)

「言い訳はしない キミの決意(突撃)も含めてボクが行動をすべきだった。キミはここで休んでいてくれ キミの決意はボクが引き継ぐ」



●新たなる決意

(しまった……。電力の調整を間違ったか……)

 各所でレイダーとの死闘が燻る中、未だ凪は、敵の集団からの追撃を受けていた。それに対して、黒雷を纏い放つことで、後退する者たち援護をしながら、同時に黒焦げにしてしまったモヒカン君を気遣いつつ、こうなった事への責任を感じて物思いに耽っていた。それを察してか、先程の戦いで共闘関係となった筋肉少女は気を利かせながら、殿の交代を提案したのだ。凪は、その心遣いにお辞儀をすると、正直なところあの豹変には度肝を抜かれたことを思い出しつつも、剛力無双の働きぶりに心強くも感謝をしつつ、彼を安全なところまで運ぶことに対して、引き受けたのである。踵を返すように戦場へと戻る少女に背を向け、自分の今やるべきことを果たす。自身よりも背丈の高く、年齢の割に不相応ながっしりとした肉体がその身にのしかかるも、猟兵故にそれほどの重さは感じさせない。

(――彼の療養に付き添おう。モヒカン君が目を覚ますまでとりあえず看病だ)

 一息つける場所に到着すると、彼を安静にするように横たわらせる。そして、タオルで体を拭き清潔な服に着替えさせた。その顔は、戦闘中のような強面ではない。まるで憑き物が落ちたかのように年相応だった。だが肉体を見れば分かる。彼は猟兵ではないが、この若さで、かなり痛めつけられたのだろう。その身体には苦難の痕が伺えるのだった。彼の過去に一体何があったらモヒカンに……。凪は、首を振りながら仮面に触れ自嘲する。過去があるから今があるのだ。自分はそれを仮面で覆い隠したに過ぎないのだから。――目を覚ましたらまずは謝罪だな。そうこうする内に、彼は目を覚ます事となる。彼女は自身の仮面を外す床に静かに置いた。そこには一人の少女と少年がいるだけだなのである。

「ぐ、ぐっ……ハッ!? こ、ここは!?」
「ごめん ボクのミスでキミに怪我を負わせてしまった。言い訳はしない。キミの決意も含めて、ボクが行動をすべきだった。」
「そうか……。オレは、駄目だったのか」
「あとの事は任せてキミはここで休んでいてくれ キミの決意はボクが引き継ぐ」

 彼は、自分を心得ているのか無言で頷くと、再び横になった。凪は、モヒカンの語られぬ想いを受け継ぐと、すっと立ち上がる。まだ戦いは、終わっていないのだから。さぁ、前に進もう。

成功 🔵​🔵​🔴​

純・あやめ
警告します!今すぐUターンして帰りなさい!
もしもこの先へと強行突破を試みるというのであれば…強盗未遂の現行犯で逮捕します!
『律義ねぇ。こいつらが言う事聞くはずないのは分かってるでしょうに』
だって、わたしはお巡りさんだもの。手続きは踏むし、悪い事する犯罪者は…やっつけるよ、【カキツバタ】!

チェスピースから悪魔の力を召喚!
【カランコエ】、【ワルナスビ】、「緊急事態空域」であいつらの足止めお願いね
後は二丁警棒で気絶させて、捕縛するよ
『ねぇ、捕縛した連中が他の味方の攻撃に巻き込まれてるけど、いいの?』
えー?捕まえた後は知らないよー。検察の仕事に警察は手出し無用だよ
『単に処理が面倒なだけでしょ』


アシェラ・ヘリオース
「ここから先は通行止めだ」
装甲ドーザー達の正面に【空中浮遊】で降り立とう

提携農園の確保は新規事業展開の為に欠かせない
レイダー達には退場を願おう

方針は【先制攻撃】で、バイザー内でロックオンカーソルを合わせたレイダー共に大火力を叩き込みたい
多重に展開したフォース誘導弾を曲射の軌道で放ち、奴等の無防備な上体をロックオンし狙い撃ちといこう【念動力、誘導弾、砲撃、乱れ撃ち、範囲攻撃、吹き飛ばし】

「流石にタフな奴もいるようだ」
焼け残った相手は、赤光の剣を伸ばして止めを刺す
あるいはその攻撃を赤光の盾で受け止めて、農園の者達を守りたい



●ロイヤルガード

『収穫の時間だ! ハーヴェスト!!』

 キルドーザーズの一団が、雄叫びを上げながら農園へと迫る。血糊のついたドーザーブレードを振り回しながら、農園への行く手を阻む障害物を次々と破壊して回っていた。このまま放置すれば、間を置かず彼らの手で蹂躙される事だろう。――だが其処に立ち塞がる者たちがいた。

「警告します! 今すぐUターンして帰りなさい! もしもこの先へと強行突破を試みるというのであれば…強盗未遂の現行犯で逮捕します!」
「その通り、ここから先は通行止めだ」

 それは、敵の進路を塞ぐべく張り込んでいた純・あやめ(砂塵の衛士・f26963)と宙より舞い降りたアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)である。二人は、互いの得物である特殊警棒と赤光する闇理力剣をクロスさせながら、此処は通さないという意気込みで、敵の正面に立ち塞がったのだ。組み合わせ的に、まるで、検問所の交通整理のようだったが。そのノリに呆れるようにあやめの黒のクイーンピースに宿る女悪魔、カキツバタが溜息をつきながら応える。

『律義ねぇ。こいつらが言う事聞くはずないのは分かってるでしょうに』
「だって、わたしはお巡りさんだもの。手続きは踏むし、それに、悪い事する犯罪者は、やっつける」
「うむ、手順を踏むことは大事な事だな」

 あやめの返答に、アシェラも真剣に同意する。二人とも、衛士隊長経験者故からか、性根的にも真面目な性格なのだ。まぁ、真面目さも十人十色ではあるが。それに、敵と同じように問答無用で無慈悲に襲撃するわけにはいかない。どのような経緯で、結果、どのような手段を取るにことになっても、それに至るまでの正当性が必要なのだから。――故に、農園の者達を守りたい。その彼女らの想いはとても真摯であったのだから。

「カランコエ、ワルナスビ、あいつらの足止めお願いね!」
「さて、こちらはどうしたものかな」

 あやめは、取り出した、チェスピースから悪魔の力を召喚する。解放された悪魔たちが鬨の声をあげる。一方、アシェラは、その身にゆらゆらと蠢く、闇のフォースを身に纏い何かの準備をはじめたのだった。ここだけ見ていれば、二人とも発言とは裏腹の邪悪な力を使っている何かの使徒のようですよね。
 やがて、荒野の戦場を突如、突風が吹き荒び、平衡感覚を狂わせるかのような砂塵が舞う。――ダウンバースト。あやめは、この暴風と敵が群れる只中へその脚力と足捌きを上手く活かしながら、二丁警棒を両手にしっかりと握り直し駆け出していく。その後方からは、彼女を援護するかのように、アシェラが、上げていたバイザーを下げると、フォース誘導弾を円を描くかのように遂次展開させていった。――ポニーテールを揺らしながら、接敵するあやめ。敵の頭部へと二度、警棒を叩きつけると、敵は巨体を大きく揺らすと目を白黒させながら沈んでいく。

「先ずは、一人目!」
『アポァッ!?』

 あやめは、泡を吹くレイダーを放置して、次々と作業のように獲物を捕縛していく。そして、同様の手順を繰り返すごとに、彼女の背後では赤黒く光り輝く大爆発が起こっていた。それを悪魔なのに割と常識人っぽいカキツバタが、怪訝な様子で指摘しつつ、あやめへと問うていた。

『ねぇ、捕縛した連中が、他の味方の攻撃に巻き込まれてるけど、いいの?』
「えー? 捕まえた後は知らないよー。検察の仕事に警察は手出し無用だよ」
『……単に処理が面倒なだけでしょ、あんた』

 そんなやり取りをしてるあやめたちを余所に、アシェラは、冷静沈着に某秘密結社の某鶏が持ち込んできた事案に対して、良い風に捉え、組織活動の為に、貢献しようとしていた。

(提携農園の確保は、喫茶店展開に於いても、新規事業展開の為にも欠かせない。レイダー達には、ここで退場を願おう!)

「目標補足、照準固定……一掃する」

 アシェラは、バイザー内であやめの動きを追うように、沈黙したレイダーたちも含め、ロックオンカーソルを次々と合わせる。すると、多重展開された理力弾は、弧を描くように別々の方向へと連続で放たれる。まるでそれは、統制が取れてないかのようなトリッキーな動きをする理力弾。しかし、それらには、アシェラの誘導の理力が込められており、狙い違わずに、追い詰めるように違う方向から敵へと着弾すると、大爆発を引き起こしていた。――だが、それをものともせず、黒焦げになりながらも、突破してくる敵も当然ながらいる。

「流石にタフな奴もいるようだ」
『死ねぇぇぇ――! アマがぁぁ!!』

 加速による勢いと重量あるドーザーブレードが、フォースで強化された赤光の盾とぶつかり火花を散らす。だが、事前に放たれていたフォースの誘導弾はその隙を逃しはしない。間髪入れずに、両側面より、敵に着弾すると、隙が空いた胸部目掛けて、赤光のフォース剣を伸ばすように突き出すと止めを刺したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
すまない遅くなった。今までパンジャンドラムしか効かない邪神をパンジャンドラムする為に野生のパンジャンドラムを捕獲していたんだ。
状況は理解した(していない)。ポジションはパンジャンドラムでいく。
楽園の住人となったパンジャンドラム達を召喚、高速回転で空中浮遊する欠陥兵器(パンジャンドラム)達がキルドーザー達にパンジャンドラムしパンジャンドラムしていく。
やはりパンジャンドラム。パンジャンドラムはすべてを解決する。
……まて、『レッドターキーズ』それは乗り物じゃない、乗り物じゃないんだ!
『レッドターキーズ』ぅぅぅ!……うんギャグキャラならアフロになる程度よね、知ってた


エドゥアルト・ルーデル
狼狽えるなモヒカンども!!(モヒカン達を吹き飛ばしながら)
やあ諸君また会ったでござるな!元気?

詰まる所相手は突進しかしないんだからこちらも突進で迎え撃つでござるよ相手の【集団突進】を正面に、戦闘ツールからコンソールをスイと開き特殊な【コンソールコマンド】を打ち込めば…何ということでしょうお手持ちの【パンジャンドラム】が威力3倍!サイズ3倍!と色々通常の3倍になりますぞ!赤く塗って角でもつけとく?
今日も大量に持ってきたから盛大に転がすんでござるよ…おかわりもあるぞ!(コマンドで増やしながら)

なおコンソールコマンドはむやみに使えばゲーム性を破壊することになるので現実では程々にネ!拙者との約束だ!



●世紀末だよ(変態)紳士淑女の国の驚異のメカニズム

「「もう、駄目だぁー、おしまいだぁー」」

 ――何事かが起きたのだろう、この項目、再演初っ端から、一部の目のいいモヒカンたちが、遠くにある何かに気付くと両手を地につけて項垂れていたのだ。――だが、そんな弱気なモヒカンたちなど、オレたちは見たくはないぞ。そんな中、その絶望的な暗闇を打ち破る不審者……いや、紳士が現れる!

「狼狽えるなモヒカンども!!」
「ひでぶっ!」
「あべしぃ!」
「あわびゅう!」
「な、な、殴ったな! かーちゃんにも打たれたことないのに!?」

 灰色の目をしていたモヒカンたちを次々と殴り飛ばす者――そう、我らが恥望……いや、希望、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)である。

「やあ、諸君また会ったでござるな! 元気?」

 ビシッと片手を上げながら、ニッコリと怪しさ満点に笑みを湛えるエドゥアルトは、動揺するモヒカンたちへ喝を入れたのだ。彼曰く、詰まる所、相手は突進しかしないんだからこちらも突進で迎え撃つでござるよということらしい。だが、彼らの不信感は、未だに拭えずにいる。だって、彼の存在が不審なんだもの。

「……ど、どうやって戦うって言うんだよ!?」
「そういうと思って、秘策の準備は万端でござるぞ! ヘイ、例のモノ、カモーン!!」
「はーい♪ お待たせ~☆」

 そこに、コロコロとタイヤのようなモノ……彼の有名なパンジャンドラムなるものの上に乗りながら現れたのは、こっちも色々な意味でヤバい淑女、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)であった。秘策って、ソレUDCアースで捕獲してた欠陥兵器じゃねーか。

「すまない遅くなった。今までパンジャンドラムしか効かない邪神をパンジャンドラムする為に、野生のパンジャンドラムを捕獲していたんだ」
「うむ、問題ないですぞ、時間ぴったりでござる」
「――状況は理解した。ポジションはパンジャンドラムでいく」

 アリスは、状況は理解してませんと書いてあるかのような真顔で返答すると、エドゥアルトも静かにうんうんと頷きながら、腕に備えた戦闘ツールであるスマートウォッチを弄る。すると、そこから表示されたコンソールをスイと開きながら、目的のコマンドを打ち込めば、あら不思議……なんということでしょう。

「パンジャンドラムの性能が、威力3倍! サイズも3倍! と色々通常の3倍になりますぞ! おっと、赤く塗って角でもつけとく?」
「あっ、ソレ、わたしがやっておくわね♪」

 アリスは、そう言いながら、うねうねと動くピンクのブレードアンテナをぶっ刺し――ちょっと待て! それ、お前の触手じゃね? それに1機だけじゃ物足りないような気がするよ。その疑問を同様にモヒカンたちも気に掛けると、エドゥアルトがコマンドでパンジャンドラムを増やしながら言うのであった。

「大丈夫でござるぞ! 今日も大量に持ってきたから、盛大に転がすんでござるよ……おかわりもあるぞ!」

 ころころと次々出現するピンクの触手アンテナ付き、パンジャンたち。アリスによって召喚されたソレらは総じて、アリスの楽園(意味深い)の住人であり、何処かのお花的な大回転を彷彿させるようなのものではないだろうかと疑ってしまうのだ。自由意思をも持っていたパンジャンたちは、高速回転で空中浮遊しながらキルドーザー達に、次々とパンジャンドラムしパンジャンドラムしていく。

「うむ、やはりパンジャンドラム。パンジャンドラムはすべてを解決するわね♪」
「さぁ、次はお前たちでござるぞ! さぁ、この船に乗り込め!!」
「「え!?」」

 二人のやり取りに、動揺を隠せないモヒカンたち、なんか一部が、あらぬ方向に飛んでいき爆散してるんだが、これについては?

「大丈夫だから! あれはただのヒールだから! 爆散しても、マジで回復するんでござるよ、いや、むしろ気持ぢよく……。いやいや、マジで! マジで!!」
「あぁ……、なんだかやれる気がしてきたぜ! いくぞ、お前ら!」
「「ヒャッハー!!」」

 エドゥアルトに背中を押されながら、相手の集団突進を正面に、パンジャンドラムに次々と騎乗するレッドターキーズたち。

「……まて、それは乗り物じゃない、乗り物じゃないんだぁ! レッドターキーズぅぅぅ!!?」

 そりゃそうだ。アリスは、彼らの決心を止めに入ろうとするが、実際は、心が揺るがない内に、彼女の操作で強制的に敵陣へ向けて吶喊させられていたのだ。次々とモヒカン諸共に爆散するパンジャン。彼らは良い奴だったよ。

「なおコンソールコマンドはむやみに使えばゲーム性を破壊することになるので現実では程々にネ! 拙者との約束だ!」
「……うんギャグキャラならアフロになる程度よね、知ってた!」
 二人は、デフォルメされた某電圧ボーイの如く、親指を立てて、彼らの雄姿を称えたのだった。尚、彼らは全員、生きていたらしい。ところで、お前ら本当は裏で談合とかしてない?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パルル・ブラックベリー
えーと、そもそもパルルちゃんはクソうるせえ重機野郎と赤髪農家野郎のどっちと戦えばいいのかにゃー?え?農家野郎は味方?パルルちゃんのファンじゃないのは敵でも味方でもないよ
さて、それはどうでもいいや。どうせ身体が小さいから一人くらい戦線から外れててもバレないでしょ!後ろに回り込んどこ!
それとな、とりあえずその髪型見てるとなんかムカつくんだよ!!オラ!ハゲろ!なんか触っちまったしこのまま振り回して敵中に突っ込んじゃお!惨たらしく死ね!惨たらしく死ね!
イヤッハァー!これぞドーザーズ・ハイ!世界はパルルちゃんを中心に回ってるゥー!


オーキッド・シュライン
●心情
・あらあら、略奪者ですか。お馬鹿さんが群れをなしてぞろそろと。不埒な輩は、ローストさんのようにこんがりと焼き尽くしましょうか。
・わたくし…割とヒーロアースの喫茶店更地にされたの怒っていますのでね。憂さ晴らしに燃やさせていただきますわ。
・では、偉大なるオリュンポスの名の元に敵対者を灰塵と変えましょう。

●戦闘
・UCでスパイダーを召喚。炎の糸で網を創り出し突進してくるお馬鹿さんを絡めとりますわ。攻撃回数が増えるならば、その分罠に引っかかる敵も多いでしょう。
・罠で足を止めた敵に、ブラスターを連射して焼却。網を迂回してくる敵の進行先には、合体させて大きくした蜘蛛を配置して、逃さずに撃破しますわ


ビッグ・サン
またこのスパイシーカンダマントに来るとは思いませんでしたね
まあ、オリュンポスのアポカリポス支部の設置にちょうどいい場所と言えばちょうどいい場所ですし、今回は下見の意味も込めて手を貸しましょう

それにしても、以前は無かったトマトとイチゴ畑ができていてレッドターキーズの頑張りが見られますね

アポカリポスヘルの荒野にこれだけの農園を作るのは容易ではなかったでしょう

私も少し協力しますよ
トマトやイチゴに肥料を与えて、農園に少し術をかけておきましょう

迷宮の魔法によって、農園は迷宮と化します

どっちを向いてもトマトとイチゴの迷宮をさまようが良いですよ



●実録、妖精さん! なんとなくオチが分かる燃える女と燃える農園

「あらあら、略奪者ですか。お馬鹿さんが群れをなしてぞろそろと……不埒な輩は、ローストチキンのようにこんがりと焼き尽くしましょうか」
 どうしたオーキッド・シュライン(絢爛なる豪火・f15793)よ。なんか笑顔が若干歪んでいるようで怖いんだが。
「わたくし……割とヒーロアースの喫茶店更地にされたの怒っていますのでね」
 そのことですね、すみません。

「あ、私はトマトに肥料をあげているので、頑張ってください」

 その脇では、いそいそと農園のトマトの手入れをしているビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)が、オーキッドの呟きに応えていた。ある意味、彼はその更地事件にした某主犯格の協力者でもあったと思うのだが。さて、ビッグは、此度のスパイシーカンダマント荒野に来るにあたり、このレッドターキーズの拠点が、秘密結社オリュンポスのアポカリポス支部を設置するには、ちょうどいい場所ではないかと、今回の件を利用し、下見の意味も込め来ていた。きっと、彼のお方は、このことをすべて見越した上で、大いなる深謀遠慮にて、皆を導いたに違いないのだ。オーキッドも彼の方の深い思慮を察し、どのような結果を求めているのかを我々は学ばなければならない。――などということはなく、唯の思い付きで動いただけの臀部好きな浅慮無謀の権化のような存在なのだが。
「ちょっと、もとはと言えば、貴方たちが原因で! もう! もう! もう!」
「おやー、のどかですねー。農園ですから、きっと何処かで牛が鳴いてるのでしょうか。あぁ、そうそう、私はここで水を撒く事しか出来ません。ですがオーキッドさんには、オーキッドさんにしか出来ない事があるはずですよ」
 オーキッドの怒りの悲鳴に、ビッグは親指を立ててオーキッドの健闘を祈ったのだった。おい、ビッグ、もっと彼女が納得する言い訳と救済策を何か出すんだ。 

「……憂さ晴らしに燃やさせていただきますわ」
 あ、うん、どうぞ。オーキッドが、紅蓮の炎の躰で出来た蜘蛛たちを次々に召喚する。幾多もの炎を糸を吐くそれらは、網の様に、突進の勢いと手数に任せたレイダーたちを何度も直接絡め捕り、更に火傷を負わせながら引き倒していったのだ。デンドロビウムの意匠が施された熱線銃から放たれた炎が足を止められた敵の身を焼き尽くしていく。炎の網を掻い潜り、彼女に接近してきた敵は、巨大な蜘蛛がドーザーごと飲み込むように覆いかぶさっていったのだ。
「では、偉大なるオリュンポスの名の元に敵対者を灰塵と変えましょう!」
 ほどほどにな。

「えーと、ところで、そもそもパルルちゃんはクソうるせえ重機野郎と赤髪農家野郎のどっちと戦えばいいのかにゃー?」
 けろりんとした顔で、パルル・ブラックベリー(腹黒フェアリー・f10498)が、パタパタと翅を羽搏かせながら、遅れたやって来た。あれ、お前いたの? ほら、あっちにオーキッドやここの農園の管理している赤いモヒカンたちが戦っているから、一緒に手伝ってきてあげなさい。
「え? 農家野郎は味方? パルルちゃんのファンじゃないのは敵でも味方でもないよ」
 なんだと。
「さて、それはどうでもいいや。どうせ身体が小さいから一人くらい戦線から外れててもバレないでしょ!」
 どうでもよくない。あ、おい、こら何処へ行く。そうこうしている内に、パルルは、自由気ままに戦線を離脱し、何故か『来た時より広がっているような気がする』農園の方へと飛んで行ったのだ。そこでは、赤いモヒカンたちが防壁を張りながら、これ以上、敵のレイダーたちを侵入させまいと、割と真剣な表情で奔走していたのだ。彼女は、彼らの働きにキラリと満足気な笑顔で頷く。ここは、アイドルとして彼らに激励してやらねばなるまいと、彼らの後ろに回り込んで行動を開始したのだ。やや邪悪さが漏れ出ていたのは気のせいだろうか。――て、何故に後ろに?
「とりあえずその髪型見てるとなんかムカつくんだよ!! オラ! ハゲろぉ!!」
 パルルの大きさや体形からは、あり得ないような力で、モヒカンの一人の棟髪をむんずと掴み上げる。
「い、いでぇええよぉぉ!?」
「ちっ、なんか触っちまったしぃ、このまま振り回して敵中に突っ込んじゃお! 惨たらしく死ね! 惨たらしく死ねぇ!!」
 よく見れば、敵のレイダーの一部が農園へと侵入していたのだ。ここぞとばかりに吐き出すように普段溜まっていた全てを(敵味方を含んだ)モヒカンたちへとぶつける。
「イヤッハァー! これぞドーザーズ・ハイ! 世界はパルルちゃんを中心に回ってるゥー!! 鈍器の代わりはいくらでもあるぅぅう!!」
 パルルは、鈍器(モヒカン)を振り回しながら、敵を次々と屠っていく。赤きモヒカンは、敵の返り血で、血塗れになり、逆にその持ち手の部分(棟髪)も含めて、毟り取れない頑丈さが不思議なぐらいだった。――ピンク色の悪魔(妖精)の上げる奇声は、農園を駆け巡っていたのだ。

「それにしても、以前は無かったトマトとイチゴ畑ができていてレッドターキーズの頑張りが見られますね」

 一方、ビッグはというと、各所で行われている戦闘音を聞きつつも、のんびりと農園を見渡していた。赤きモヒカンたちが、このアポカリポスヘルの荒野に、これだけの農園を作るのは容易ではなかった筈だ。知識や試行錯誤を繰り返して、現在に至ったのは目で見て分ける。そんな感心で静かに頷いていたのだ。――実は、彼も何もしていなかったわけではない。トマトやイチゴに肥料を与えているついでとばかりに、少しばかり協力もしていた。

「――農園に少し術をかけておきましょうか。迷宮の魔法によって、農園は迷宮と化します。どっちを向いてもトマトとイチゴの迷宮をさまようが良いですよ」
 見渡す限り広がる、拡張されたトマトとイチゴ農園。暫くの間、本丸の農園を守る囮にはもってこいだ。まぁ、力を解除したら、それはなかったことになるかもしれないが。

「おーほっほっほ! 私の中の獄炎よ! 全てを焼き尽くし、燃え広がりなさい!!」

 あっ、火の粉が飛んできた。

「「ぎゃあああー」」
「燃えるアイドルパルルちゃん! ……なんて、ふざんけんなっ! パルルちゃんが失われたら、世界の損失だろぉー!?」

「あぁ~~」

 オーキッド御乱心。パルル絶体絶命。魔力を糧にした炎が、迷宮(農園)に引火し、気が付くと炎の迷宮と化し、そこに迷い込んでいたレイダーたちをも焼き尽くす。それはさながら、この世の焦熱地獄。――ついでに、その場にいたパルルとモヒカンたちの悲鳴も聞こえていたので、それに対処すべく、ビッグは笑いながら、慌てて掛けていったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『陸上戦艦』紀伊』

POW   :    アポカリプス・ランドフリート
【技能【艦隊(周囲にLv×1隻の主砲や地上】【魚雷で敵を攻撃する護衛艦を配置する)】を】【発動した後、護衛艦で輪形陣を構築する事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鋼鉄の咆哮
【技能【艦隊】を発動した後、主・副砲の砲弾】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【主砲・副砲で連続砲撃を行う、砲戦モード】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    弾丸雨注の領域
【技能【艦隊】を発動した後、対空火器の砲身】を向けた対象に、【主砲の榴散弾を含めた、弾幕を展開する事】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ――戦車を超える存在。全ての理不尽を撥ね退けるべく生み出された其れは、過去の大戦時の設計思想を下に、開発されたもの。その名は、超弩級の『陸上戦艦、紀伊』。かつては、その圧倒的な火力を中心に、複数の護衛艦を率いたフラグシップでもあった。――だが、それでもオブリビオン・ストームには勝てなかったのだが。

『目標、オブリビオン・ストー――ザ、ザザァァ……標的を修正します』

 オブリビン化により、自動化されら無機質な艦内AIによる放送が艦内に響く。戦艦は、砂煙を巻き上げながら、農園へとその圧倒的な巨体で農園を蹂躙すべく無慈悲にもその速度を上げていたのだった。
アシェラ・ヘリオース
「艦隊戦とは懐かしいな。オリュンポス農園に手を出した報いをくれてやろう」
【威厳】をもって告げながら、守護対象の領有権も主張しておく
この手の主張機会を逃さないのが勢力伸長のコツだ。オーナーから否と言われれば、レイダー達に対する牽制だとかわせば良い

ともあれ、強敵相手なので真の姿の近衛装束を纏い【黒風鎧装】で更に強化する
【空中浮遊】で俯瞰し【戦闘知識、鼓舞、集団戦術、拠点防御】で指揮を執る

防御は、赤光の盾を展開し【盾受け、オーラ防御】
攻撃は、艦隊や護衛艦に対して収束フォースによる【砲撃、誘導弾、範囲攻撃、乱れ撃ち】
敵陣が崩れれば、旗艦を狙い「破天槍」を【投擲、念動力、吹き飛ばし、衝撃波】で叩き込もう


防人・拓也
敵の様子をビジョンで見て
「敵主砲は3連装3基で9門。こちらは同時に誘導できるのは10発。間髪入れずに連続斉射されたら、防ぎ切れない。ならば…」
と言い、パネルを操作して迎撃と反撃の準備。
敵主砲発射と弾の数をレーダーで確認後に
「SM-2、トマホーク発射!」
と言い、VLSからSM-2を3発、トマホークを1発発射。
トマホークは敵が艦隊を展開した時を想定し、艦隊の後方を迂回するようにプログラミング。目標は敵の後部主砲。
SM-2は各主砲から撃たれた先頭弾を狙う。残り6発は敵の連続斉射への備え。
「連続で迎撃するなら、各々の先頭弾に当てて誘爆させるしかない。コンマ1秒でもズレたら…アウトだ」
アドリブ・連携可。


天城・千歳
【POW】
アドリブ、絡み歓迎

さて、本命が出て来ましたか。この艦の実力を測るには最適の相手ですね。全力で行きますよ。

「陸戦艇艦隊出撃、本艦を中心に輪形陣を組め!」
会敵前にUCで陸戦艇艦隊を召喚、愛鷹を中心に輪形陣を展開して自身の防御力を上昇。
リモート義体は愛鷹と陸戦艇隊のレーダー、観測装置、センサーを使った【情報収集】を行い、収集した情報を元に【戦闘知識】で最適な兵装と艦隊運動を判断、【誘導弾】の【一斉発射】による【先制攻撃】で敵艦隊を攻撃後、護衛艦は陸戦艇隊に任せ愛鷹は紀伊相手に主砲での【砲撃】を行います。主砲の攻撃と並行して対空砲群による敵艦上部構造物への集中射撃で【部位破壊】を狙います


エドゥアルト・ルーデル
あるとすればスタンドプレーから生じる変なシンクロニシティだけでござる

陸上戦艦には陸上戦艦をぶつけんだYO!
そういう訳で創造で作った【架空兵器】を呼び出しますぞ!出すのは勿論陸上戦艦(お出しされる物はお任せ)でござるよ
一番好きな陸上戦艦を頼む、さあ記憶を呼び起こすのだ!

逝くぞモヒカン共!呼び出した戦艦に乗り込んで敵艦隊と砲撃戦ですぞ!旗艦めがけて全速前進DA!
副砲他は周辺の護衛艦群を、主砲は敵の旗艦を狙って砲撃ですぞ!
せっかくだからモヒカン共にも砲手をやって貰うか…弾幕が薄かったら怒るぞ

楽しくなってきたので最後は古式ゆかしく衝角戦法と行こうじゃないか
でぇじょぶだ創造製だから基本無敵でござるよ



●咆哮の荒野

 農園より、数十キロの距離。砂塵を舞い上げながら迫るその巨体、陸上戦艦 紀伊は、その存在を誇示していた。

『――会敵の可能性あり。敵の戦力規模を想定し、艦隊の招集を要請す。コード“八八”――消失項目多数確認。既存データを流用し、艦隊の再編成を行う。承認完了』

 艦に搭載されていたであろう無機質なAIの動作音が鳴ると、次の瞬間には、濛々と周囲の砂塵の数が更に増した。数多の巨艦が、紀伊を中心に展開されていったのだ。それは、かつて紀伊に搭載された八八と呼ばれるデータを下にして顕現した『艦隊』であったのだ。

「艦隊戦とは懐かしいな。だが、オリュンポス農園に手を出した報いをくれてやろう」

 司令部として、仮設テントの様な物が建てられた農園では、アシェラ・ヘリオースによる全体指揮が取られていた。赤きモヒカンたちが奇声を上げながら、忙しなく出入りする中で、彼女は味方より齎された情報から、敵の戦力規模が想像以上であることを確認する。そして、威厳に満ちた佇まいで、真っ青になりながら居並ぶモヒカンたちを見渡すと、組織の守護対象である彼らの領有権を主張した。一瞬、ざわつく。しかし、この手の主張は、レイダー達に対する牽制も兼ねて、機会を逃さないのが勢力伸長のコツなのだ。しかし、ここがオリュンポスの農園であったという事実はない。
 そこに戦地へと向かったリーダーに代わって隣で取次のようなことをしていたサングラス姿のモヒカンが、自分たちはいつから某秘密結社に組み込まれたのだろう事を含めて、いくつかの質問をしてきたのだ。その的確な内容(ツッコミ)からも伺えるように、世界が崩壊する前は、何処かの優秀な秘書だったのかもしれない。それに対し、アシェラは、何故か自信満々に不敵な笑みを浮かべるのだった。つまりはこうだ。『あなたには分からないのか? 私も分からない!』である。冷静沈着であるが、その実、割と大雑多な面が多々ある彼女は、司令官(ソレ)っぽくしていただけであったのだ。
「初っ端から艦隊戦(殴り合い)やるのはどうかと―――」
 言いたいことは分かります。そんなサングラスモヒカンの苦言も言い終える前にアシェラが口を開く。
「ふ、勝ったな」
 いきなり勝利宣言。モヒカンたちは、驚きで目を見開き、作戦なき作戦に一抹の不安を憶えたのだった。


「敵の主砲は3連装3基で9門。こちらは同時に誘導できるのは10発。間髪入れずに連続斉射されたら、防ぎ切れない」
 防人・拓也は、索敵された敵戦艦を様子を戦闘指揮所内に映し出されたビジョンを見つめると、額から伝う汗を拭った。徐々に画面をズームアウトさせていくと想像を絶する数の艦隊の姿を確認してしまったからである。あの巨大な陸上戦艦程ではないが、通常の護衛艦に混じり何隻か中核を担う存在も確認していた。しかも現在、艦隊戦の準備が完了しているのは、すでに展開していたこの水陸両用熱核ホバーイージス艦、あまぎのみであったのだ。敵の艦隊は、まだ展開中である……。

「ならば……」

 今こそ、イージス艦の名の通り、盾となり、全武装を迎撃に回すぐらいのつもりで挑むしかないだろう。彼の手は、未だかつてない速度で次々と流れるように情報を打ち込んでいく。悲鳴をあげる指先を構わずにパネルを操作して、迎撃と反撃準備を整え、各主力艦からの敵の主砲の発射と弾の数をレーダーで確認し――。次の瞬間、艦内を捕捉されたのか警告音が鳴り響く。――想定よりも早い。敵の艦隊は、未だ展開中だが、敵戦艦は早々に、こちらを脅威と感じ狙いを定めて来たようだ。拓也の焦る身体に対して、頭は冷静に状況を見極めるていた。今一度、それら繋ぎ合わせる。ここからの想定外は、臨機応変に補う。自分を鼓舞するように最後まで諦めるなと。

「SM-2、トマホーク発射!」

 システムが稼働すると、VLSから次々と硝煙が上がる。トマホークを1発、慣性誘導装置搭載型スタンダートミサイル3発を発射する。先ず、トマホークは、牽制の為、展開された艦隊の後方を迂回するようにプログラミングをした。――目標は敵の後部主砲。SM-2は、放たれた砲弾の先頭弾を狙う。残り6発は敵の連続斉射への備えだった。――刹那、砲撃が鳴り響く。あまぎを狙った砲弾が、凄まじい速度で迫る中、計算され尽くされた初弾のミサイルが同時に弾頭に接触する。三度の爆発を経て、再度、敵艦の主砲が、次々と連続で火を放つ。オートパイロット機能があるとは言え、敵はオブリビオン、先程の敵の主砲攻撃から得た情報を更新し、距離、速度、弾道等あらゆるものを打ち込む。

「――それぞれの先頭弾に当てて誘爆させるしかない。コンマ1秒でもズレたら…アウトだ」

 なけなしの6発を更に迎撃で射出する。弾頭を狙い予定通り誘爆さる。そして、一部は――情報に僅かなズレが生じていた。このままでは当たらない。だが、彼は努めて焦らない。この距離からならばと、その場で急遽修正。当たらないならば、こちらで、マニュアル爆破すればいいのだと。次の瞬間、大きな揺れと共にエアバーストが起こる。所謂、曳火射撃だ。それに巻き込まれるように、弾頭が誘爆したもの。そしてしなかったものは、弾道を変えることで艦の直撃をさけることができた――迎撃成功。同時に、お返しとばかりに大きく迂回させていた巡航ミサイルが、速度を上げて敵戦艦の後部砲塔に着弾したのを確認したのだった。

『――後部砲塔被弾、損傷軽微。戦闘続行に支障はありません。これより“艦隊戦”に移行す』 

 敵は、一時後退すると艦隊の中央に移動する。イージス艦、あまぎもそれに合わせるかのように一時後退をした。次は、艦隊同士での総力戦となるだろう。敵艦隊は、陸上戦艦、紀伊を中心に、周囲を護衛艦たちが輪形陣を張るように徐々に展開していったのだ。

「――防人さん、無事ですか?」
「えぇ、なんとか」

 一方、前哨戦を行った拓也は、天城・千歳が率いる『陸上戦艦 愛鷹』を中心とした陸戦艇艦隊と合流しつつあった。リモート義体にその身を宿す天城は、彼の交戦記録と併せて愛鷹と陸戦艇隊の観測装置に備えられたセンサーに接続すると、今まで収集した情報を整理し、更にそれを下に、最適な兵装への切替と艦隊運動を判断していったのである。まぁ、ここまで来たら殴り合いをするべきなのだろうが。

「さて、本命が出て来ましたか。あちらの設計図を基に、独自改良したこの艦の実力を測るには最適の相手ですね。全力で行きますよ! こちらも本艦並びあまぎを中心に輪形陣を組め、艦隊戦用意!」
 彼女が指令を出すと、数多の陸戦艇が二艦を取り囲むように、配置が完了すると、各砲座がそれぞれを捉える。

「砲撃開始!!」
『――砲撃開始』

 切られた火蓋の先制は、敵艦隊への着弾を以って示される。千歳の効率化された戦術は、兵器の稼働率を大幅に上げていたようだ。双方で絶え間なく繰り返される砲撃の応酬は、途切れることなく、陸戦艇や護衛艦を陸の海へと幾多も沈めていった。愛鷹艦内では、アラートが鳴り響き、ホロディスプレイには撃破された陸戦艇がレッドカラーに染まる。向こうが火砲を放てば、こちらはその弾頭を防ぐべく、対空砲の嵐が弾幕となって撃ち落とす。炎と硝煙と砂煙が混じり合うように立ち昇り、荒野の海原の視界は最悪であった。各種探知機器をフルで使用し、敵の残数を把握していく。だが、その隙を突くかのように、追加されたかのような敵の護衛艦からは、一斉に地上魚雷が放たれ、こちらの旗艦を食い破るべく、次々と陸戦艇を吹き飛ばしていたのだ。再度、警告を示す音が鳴ると、一時的に破られた陸戦艇の防御陣の穴を二本の魚雷が、まさに到達しようとする。しかし、透かさず、拓也のあまぎによるフォローが入ると、搭載された二基の20mm多銃身機銃がそれらを大地に向けて放ち迎撃する。千歳は、その間に各陸戦艇のミサイルシステムと連動し、魚雷搭載艦をロック反撃にミサイルを放つのだった。狙い違わず、敵の護衛艦の火器を吹き飛ばすように爆炎が立ち昇る。――やがて愛鷹は、敵の主力艦である紀伊へと目標を定め主砲を旋回させると、轟音と共に砲撃を放ったのだ。併せて追撃に、各対空砲群が艦上部構造物への集中射撃が行われ、敵艦の艦橋や砲塔が次々と吹き飛んだ。――崩れ落ちる敵戦艦。やったか。と思うのも束の間、その後方より同じ形の巨影を再び捉えることとなる。しかも、少なくとも三艦。其れらは、紀伊型陸上戦艦の艦隊に組み込まれた同型艦であった。

「いまいち手応えが――それに……!? まさか同型艦ですか!」
『駿河大破。――リソースを回収します』

 主力艦の1つを犠牲に、三つの艦船の主砲は、愛鷹へと向けられる。このまま撃たれては、こちらもただではすむまい。――だがそこに、何処かの某鍵十字帝国の超巨大戦車を更に大きくしたかと思わせるような陸上戦艦が敵の側面へと姿を曝したのだ。

「あるとすればスタンドプレーから生じる変なシンクロニシティだけでござる……つまり――待たせたな、ひよっこ共!」
「「ヒャッハー!!」」

 全世界の皆さまお待たせしました。我らがエドゥアルト・ルーデルと赤きモヒカン軍団たちが、この窮地に颯爽と駆けつけてきたのです。陸上戦艦には陸上戦艦をぶつけんだYOというノリのままに無為無策な吶喊攻撃です。おい、そんな陸上戦艦で大丈夫か?

「大丈夫、問題ないでござ――!?」

 次の瞬間、彼らは敵艦隊の集中砲火をこれでもかというぐらい執拗に浴びることとなり、見事爆散、艦と共に荒野の肥やしとなったという。

「――という夢を見たでござる」

 何だ夢か。なら仕切り直しか。まぁ、そういう未来もある訳で、ご存知の通り、創造で作った架空兵器を呼び出すことにしたようだ。出すのは勿論、陸上戦艦らしい。懲りないね。――で、どうするの?

「一番好きな陸上戦艦を頼む! さぁ、記憶を呼び起こすのだ!」

 おい、お任せとか卑怯だぞ。それ、悩み過ぎて絶対にイロイロ混ざるやつだわこれ。そんなこんなしている内に、ほわんほわんと妄想の煙がおさまると、棟髪刈り型アンテナブレード付きの巨大ロボが変形したような鉄歯車級ランドシップっぽい陸上戦艦が姿をあらわしたのだ。腕も少しなら稼働して殴り合いもできちゃうぞ。よし、以下、モヒ艦と呼称しよう。因みに船首には巨大ドリル、そして主砲は、人でいう股間部分についてるよ。って、大陸キャノンかい。副砲は、もち胸部の先。

「逝くぞモヒカン共! ゴーアヘッド!! 戦場のモヒカンは、豚のケツにキスをする! 旗艦めがけて全速前進DA!!」
「「ヒャッハー!!」」

 エドゥアルトは、呼び出したモヒ艦に赤きモヒカン達と共に乗り込むと、敵の陣形を食い破るべく単艦にて、側面から突っ込む。ロボの頭部っぽい艦橋にて、指揮を執りつつ、各種砲塔、銃火器の砲手として配置されたモヒカンたちを叱咤するのだった。集中砲火の雨を潜り抜ける。しかし、天の神の想像からの創造によって生み出されたこの艦は『今だけ』はまさに無敵。主砲の直撃を受けても無傷なのだ。まぁ、ニヤつくエドゥアルトとは対照的に、モヒカンたちはビビりまくる。

「ひ、ヒャーー!?」
「おい、そこなにやってんの! ……弾幕が薄かったら怒るぞ」

 彼らもある意味に命懸けなので、もう無茶苦茶に撃ちまくっていたのだろう。不思議と護衛艦群に命中してたのは、敵のど真ん中に来てしまっていたからである。主砲も巨艦の1つを捉え、確実にダメージを与えていた。しかし、あまり調子に乗るのは、彼の性質上推奨はしない。
 
「楽しくなってきたので、最後は古式ゆかしく衝角戦法と行こうじゃないか!」
 それ絶対ダメな奴だ。モヒ艦は、その勢いのまま敵艦へと体当たりすると、双方の艦を大きく揺さぶるも、敵艦船の側面鋼板を抉る様に、大穴が巨大ドリルで空けられる。これ大丈夫か?

「でぇじょぶだ~創造製だから基本無敵でござるよ!」
 ホントに?

「「……え?」」
 想像に疑念を感じたらしい。

「あら、ドリルが抜けず……い、いつの間にか囲まれてるでござる!? あ、腕が吹き飛んだ! だ、だ、だ、大丈夫でござる! あんなものはただの飾り!」
 ほら、言わんこっちゃない。敵艦に突っ込んだまま身動きの取れなくなったモヒ艦を徐々に、敵艦が包囲を狭めていく。コレはいい囮だ。――そこへ、あまぎと愛鷹を中心とする砲撃、そして空中よりは、数多の赤光の理力弾が放たれたのだ。それらは、彼らを狙っていた護衛艦の砲塔を吹き飛ばしながら、陣形そのものをも崩そうとしていた。その隙に、ドリルを逆回転させながら、至近距離から主砲を放ち、艦の一部を吹き飛ばしながら、その勢いでなんとか抜け出すモヒ艦。一方、半壊した敵艦の上空では、赤黒いエネルギーが渦を巻く。そこに居たのは、司令部より我慢できずに抜け出してきた黒き旋風と近衛装束を纏い真の姿へと至ったアシェラだったのだ。敵艦もそれに気付き、撃ち落そうと対空砲が彼女に向かって火を噴く。だが、フォースを纏いし、赤光の盾を突破するには至らなかった。

「――また、この槍を振るう事になるとはな」

 彼女は、片手に持った励起状態の赤品槍から力を徐々に解放すると、真下に位置する敵の巨艦に向けて勢いよく投擲したのだ。――艦は地響きを上げて、引き裂かれるように真っ二つになる。やがて、臨界に至ったかのように消え失せていったのだった。これで敵陣形は崩れたと言ってもいい。ならば、次の段階に移行するとしよう。

「――航空支援を要請する」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

パルル・ブラックベリー
この野郎!このパルルちゃん様に火を放ったゴミクソ野郎は……そこのバカでかい鉄の塊、お前かぁー!……いやデカ過ぎない?ドーザーとかそんなレベルじゃないでしょコレ

とりあえず接近を止めないと被害が農場なんて生温いこと言ってられないだろうからなんとかしよう
えーでもパルルちゃん非力だしみんなみたいな知恵もないしあるのはこの可愛らしさっていう武器しかないしこんな鉄屑にパルルちゃんの良さ絶対分からないだろうし

ハッ!パルルちゃんには歌があるじゃないか!よろしい、パルルちゃんの素晴らしい歌唱で動きを止めて見せよう!
すげー!なんでかよくわからないけど砂が凍ったし榴散弾も氷になってるわ!んじゃ後任せた!


ラブリー・ラビットクロー
連携歓迎

おわー
ねえマザー
今の見たんだ?
凄い炎
凄い迷路作ってあっとゆーまにモヒカンやっつけたん
【今野三反田という連絡先は見つかりません。新規登録を行いますか?】
燃えるアイドルおりゅんぽすって言ってた
なんな?
きっと凄い人達なんな!
【そうかもしれませんね】
よーし
らぶも頑張ってモヒカンの船燃やすなん

ぎゃあ
おっきい船
しょーがねーのん
らぶも翼広げてお空から戦う
空からなら大砲撃たれてもお野菜は無事
仲間への照準もずらせるかもなん
んん
マザー敵が来る
【いってらっしゃいませ】
バカ!
兎に角旋回して逃げ回るん
こーしょーの基本は忍耐力って本で見た
もし敵の弾がなくなったらお船に取り付くぞ
ラビットブレスの燃料は満タンなん🐰


アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きなように。
オリュンポスパレス(不可思議な船)で出撃。
撃ち出される対空火器の弾幕をプラチナちゃん似の戦士の霊達が集団戦術で放つ天候操作での雷嵐属性攻撃神罰で焼却し、抜けてきた分は船体を覆う結界術で高めた各種耐性で軽減する。
多重詠唱、防御に使う術式と平行して攻撃の為の術式を同時に展開。魔力溜めでチャージしリミッター解除、限界突破した力を溜めていく。戦士の霊達が掲げた漆黒の剣から漆黒の雷が立ち昇り融合し漆黒の多頭雷龍を形作る。解き放たれた雷龍はその無数の首で敵の悉くを捕食し蹂躙するでしょう(集団戦術/一斉発射/乱れ撃ち/天候操作/雷嵐属性攻撃神罰/鎧砕き/鎧無視攻撃/破壊工作)


オーキッド・シュライン
●心情
・あら、大きい。これは燃やしがいがありそうですわね。あれをばーっとド派手に燃やせば少しは気は晴れるんでしょうかね。わたくしのキッチンの恨み…。まだまだ晴れませんわ。わたくしのストレス発散の為に、業火絢爛に燃え尽きなさい

●戦闘
・UCを発動。そのまま上空に舞い上がり空中戦。空中から極小の蘭の花弁を降らせて爆撃&破壊工作。膨大な熱量で大量に召喚された主砲の砲身を歪ませて詰まらせることで自壊させつつ、本体に向けて残像がでるほどのダッシュで高速移動。船の内部に乗り込んでから再度極小の蘭の花弁を船内にばら撒く。ある程度充満したかなと思ったら、空に上がってブラスターで点火。内部からの爆発でド派手に焼く


ミレア・ソリティス
航空要請を確認しました。
微力ながら、ミレア・ソリティス、支援に入ります

到着後UC【コード・テンペスト】で空戦用サブユニットと合体し、戦闘機形態へ変形して交戦を開始
可能ならば『ハッキング・挑発・かばう』でこちらへと攻撃意識を誘導し、
戦場の敵艦すべてに対する弱い「認識阻害ジャミング」で攪乱を行いつつ
誘導攻撃端末を展開して『集団戦術・援護射撃』でダメージを与えます
敵攻撃は『見切り・激痛耐性』で凌ぎ、できる限り支援と囮を継続します


場合によっては機体下部の大型砲「ノヴァ・バスター」での
『鎧無視攻撃+砲撃+重力属性攻撃』のマイクロブラックホール弾頭での攻撃、

※アドリブ連携歓迎です



 
「――航空要請を確認しました。微力ながら支援に入ります」

 司令部より航空支援要請を受けたミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)は、コード・テンペストを発動し、直後に転送されてきた空戦用サブユニットと合体すると、アームド・ベースと化し、荒野の上空へと飛び立った。そして、敵影を確認すると戦闘機形態へ変形し、交戦の準備をしたのだ。その到来に反応するかのように敵艦隊も、ミレアを捕捉する。対して彼女も敵システムの脆弱性を突くようにハッキングし、攻撃意識の誘導を試みていた。

『――航空戦力確認、各艦は、迎撃せよ。』
「誘導成功、アクセスオールグリーン。続けて当機への認識阻害ジャミング展開します」

 砲塔や対空砲が矢継ぎ早にミレアに向けて放たれるも、認識阻害ジャミングを行った彼女を前に、狙いは的を外れ、攪乱されるばかりだった。そしてその隙に、機体後方より、遠隔型の誘導攻撃端末が分離しながら空中へスラスターを放出しながら、次々に展開していくと、自身の脅威度の高い敵を探っていくのだった。すると次の瞬間、彼女の近くに展開していた端末が、彼女の側面に急加速で割り込むと、ミレア守るように爆発し、砕け散ったのだ。それは、ジャミングから復帰した敵艦の一つからの直撃弾だったようだ。他にも狙っていたようだが、見れば、地上の一部が凍り付いている。

「端末一機ロスト、味方からの支援も確認、当機への被害無し、反撃を行います」

 だが想定通りとばかりに、瞬時に彼女を正確に狙っていた護衛艦の武装目掛けて、四方八方からエネルギー粒子のブラスターが光条となって放たれる。それと時を同じく、ミレアが纏うサブユニットの機体下部からも、換装音を立てながら大型筒が展開されると、大型砲ノヴァ・バスターがその姿を現すと、口径からチャージされたエネルギーと共に、大出力砲撃が放たれたのだ。そこに装填された弾頭は、マイクロブラックホールを作る凶悪仕様。直後、その直撃を受けてしまった敵の護衛艦は、内部に向かって捻じ曲がる様に金属の悲鳴を上げながら潰されていくと、その装甲を爆発炎上させたのだった。

「このまま、囮を継続します」

 ミレアは、敵艦の沈黙を確認をすると、再度加速しながら、脅威となるべく艦を選別しながら、敵艦隊の中へとスラスターを吹かせながら、突っ込んで行ったのであった。

 さて、場面は変わり、猟兵たちの艦隊が、航空支援を受けている中、スパイシーカンダマント荒野上空に、色々な意味で夜の魔王城なお城が載ったそれはそれは不思議な船が浮かんでいたという。船上の城の名は、オリュンポスパレス。その名を聞いただけで、何故か墜落の二文字が頭を過る。城内からは、幾多もの艶のある悲鳴が轟き渡っていた。誰がいるかって? そりゃあ。

「呼んだかしら♪」
 
 呼んでません。お脳もピンクな夜の女王こと彼女の名は、アリス・セカンドカラーである。その周囲を取り囲むように侍る同じ容姿の少女たち。その娘たちは、つい最近、何処かの世界の戦争で見たことがあるような気がするどこぞのドラゴンの中身にいた、如何にもかよわい感じの白金髪の例の彼女であった。その彼女たちはというと、自由を奪われ、死んだような眼で、アリス恒例のピンク触手によって弄ばれていたのだった。霊だから仕方ないが、これはひどい。自身のユーベルコードをこういう目的で使う人物は限られているが、どうやらアリスも例に漏れぬようだ。アリスよ、お楽しみのところ悪いがそろそろ出番だからな。

「ふふふ、仕方がないわね♡」

 彼女はフットワークの軽い腰を上げると、城のテラスに出で、眼下に展開する敵艦隊、紀伊率いる艦船を目にした。その表情は嗜虐的な笑みである。いつの間にか船上に居並んだプラチナ似の少女戦士の霊たちは、一様に規律正しく、漆黒の剣を構える。そして艦隊は、上空から接近する船の存在を感知し、対空砲で標的と定める構えを見せたのだ。
 
「じゃあ、ちゃんと出来たら、わたしから、ご褒美あげるわ♡」

 次の瞬間、艦隊からの砲火が、船のパレス目掛けて放たれる。対する少女戦士の霊たちは、神なる裁きを遥かな虚空より、広げ落とす事で、次々と弾頭を消滅させていったのだ。一部、その網を抜けるものもあったが、船体を覆うように展開された雷と幾多にも重ねられた結界術と合わさり見事に防がれていた。更にここからアリスの霊たちは、彼女の指示の下、攻勢に移る。魔力で編み込まれたその力を解放し、それをテコに更に加速度的に、魔力の限界まで力を貯める。霊たちの掲げられた漆黒の剣は、空を染めるような暗黒の雷霆がうねりを上げるように立ち昇ると、枝分かれし、やがてその姿を多頭雷龍へと形作る。敵の対空砲が、途切れる一瞬、解き放たれた雷龍は、その無数の首を地上へと向けると、艦隊の護衛艦や紀伊の武装や装甲を捕食するように次々と蹂躙していったのだ。

「やったか!」
【――バロス!】

 アリスの立てたフラグを即座に回収するかのように、蹂躙し過ぎた雷流は、何処からか聞こえてきた破滅の呪文と共に――この船も捕食したのだった。


 時は少し戻り、燃え上がる農園迷宮をじっと見つめていたラブリー・ラビットクローは、情報端末であるマザーに話しかけていた。先の襲撃の際、黄色いモヒカンレイダーたちを焼き尽くし、今も尚、ゆらゆらと紅い焔が迷路を灯していたのである。

「おわー、ねえマザー。今の見たんだ?」
【今野三反田という連絡先は見つかりません。新規登録を行いますか?】
「なん。すごい炎、すごい迷路作って、あっとゆーまにモヒカンやっつけたん!」
【火災を確認しました。カンダマントシティー消防局に通報します。この電話番号は現在使われておりません。】
「そういえばさっきー、燃えるアイドルおりゅんぽすって言ってた。なんな? きっと凄い人達なんな!」
【そうかもしれませんね】
「よーし、らぶも頑張ってモヒカンの船、燃やすなん」
【放火は犯罪ですよラブリー。すみやかにカンダマントシティー警察署への自首をお勧めします。】

 火を見て無性に消毒してしまいたくなるような内なる衝動に興奮するラブリーと先程、投げつけられた時の衝撃からだろうか、この地域の中途半端な情報を受信したっぽいようなマザーとのズレたやり取りが続く中、炎の中を飛び出してきた腹黒妖精もとい、煤だらけの真っ黒な姿の妖精、パルル・ブラックベリーが姿をあらわしたのだ。いや、もしかしたら、1匹いたら30匹はいるとかいう例の黒光りするアレの内の1匹なのかもしれない。

「この野郎――! このパルルちゃん様に火を放ったゴミクソ野郎は……そこのバカでかい鉄の塊、お前かぁ――!!」

 農園へと進路を勧める巨大な艦船を指差しながら、八つ当たりに意気込むパルルであったが、彼女の視点で、超がつくほどの極大な『艦隊』の姿を見てしまい、その貌は最初の威勢とは裏腹に、徐々に引き攣りながら青く染まり、尻込みをするのであった。

「え? ……いやいやデカ過ぎない? ドーザーとかそんなレベルじゃないでしょコレ!?」

 迫り来るその強大さに、とりあえず接近だけでも止めなければ、被害が自分身含めて農場だけに留まらないだろうことは目に見えていた。ならば、生温いことなど言ってられないだろうからなんとかしようと、主に彼女に僅かばかり残るあるかどうか不明な良心というものが考えるのだ。

「えー、でもパルルちゃん非力だしみんなみたいな知恵もないし……」

 その言い訳は微妙に無理があるような気がする。お前はもっと逞しい筈だ。もっと頑張れ。

「――あるのはこの可愛らしさっていう武器しかないし、こんな鉄屑たちにパルルちゃんの良さなんて絶対分からないだろうし」

 えー。だ、大丈夫だパルルよ。微々たるものだが、荒野の肥やしぐらいにはなると思うぞ。

「ハッ!? パルルちゃんには歌があるじゃないか! よろしい、パルルちゃんの素晴らしい歌唱で動きを止めて見せよう!」

 パルルの宣言に応えるかのように、飛来する榴散弾の雨。対してパルルは、旋律を響かせる。それは、美しくも綺麗な音色――だが、同時に訪れたのは、それはそれは身の毛もよだつ不気味さと空気を、大地をも凍てつかせる程の狂気であった。荒野に舞う砂と弾丸は、氷の結晶となり、背後の炎も凍り付きガラガラと崩れ落ちる。幸い、迷宮が壁になって農園は無事だったようだ。これデスボイスですわ。何気に、それを間近で聞いてしまっていたラブリーと生命体でない筈のマザーまでもが、パルルを名状しがたき畏怖の存在を見つめるような瞳で捉えながら、ガタガタとその身を震わせていた。パルルよこの始末どうするよ。

「すげー! なんでかよくわからないけど砂が凍ったし、榴散弾も氷になってるわ! んじゃ、後任せた!」

 何か危機感を感じたパルルは、即座に立ち去ろうとするも、ガシッと胴体を握り掴まれてしまった。見れば、青い顔で死んだような瞳をしたラブリーが彼女を捕えていたのだ。

「てへっ☆ パルルちゃんに何かご用?」
「アイドルは、歌い続ける機械。たまよけなん。いい?」
【衛生害虫の駆除は、カンダマントシティー保健所にご相談下さい。現在は業務時間外です。】

 そして、凍てつく大地に、先行した航空機のスラスター音とパルルの悲鳴という弾避けが轟く中、先程の衝撃から一息ついたラブリーの頭上をと黒く影が覆う。それは、アリスの不思議な船が通過していった瞬間だった。やがて、その城を載せた船は、艦隊との交戦状態に入る。彼女も意を決して、戦火に飛び込む為、その身に宿す偽神兵装の一つを解放した。背部より展開された巨大な六翼、差し当たり熾天使を思わせるようなそれは、セラフィムユニットでも呼称しておこう。

「ぎゃあ、おっきい船! しょーがねーのん、らぶもこの翼広げてお空から戦う」
【今日の天気は、吹雪。フライトには適しません。お出掛けの際は、傘が必要ですよラブリー】

 中空へと飛翔したラブリーたちは、空中に攻撃を引きつければ、たとえ弾丸の嵐が撃たれても、拘束され歌い続ける機械と化したパルルさえいれば、農園の野菜も被害を最小限に留められ、また間接的に他の味方の船への集中攻撃を分散させる事にも繋がるだろうと考えたのだ。――そして、その考えは見事的中し、艦隊の一部がラブリーたちを狙うと、次々と対空砲火を放つ。チューブから中身を絞り出すように妖精を握り、弾幕を凍らせようとするも、ガス欠のように、彼女たちの傍を弾が通過していったのだ。おい、弾通ってるぞ、働けパルル。だが、彼女は既に歌い過ぎて『綺麗な歌』はもう枯れていたようだ。

「こ、こんな特等席で、知らない子と心中なんて嫌じゃ――!!」
「ち……、つかえないん。んん、マザー、敵が来る」
【いってらっしゃいませ】
「ななな、な、なんとかしなさよ! アイドルは、世界遺産よ! パルルちゃんレベルの損失だと影響は計り知れないわ! カップ麺が出来る程度まで待ってあげる 」
【3分間、待ってあげます】
「ちょっとだまれ、バカ! こーしょーの基本は、忍耐力って本で見た、兎に角旋回して逃げ回るん!」
【お帰りはあちらです】

 ラブリーは、弾幕の中を旋回しながら、時に鋭角的に飛び回ると急降下で真っ逆さまに駆け抜け敵を出し抜く。やがて弾丸の嵐を突っ切ると、敵の護衛艦の目の前へと出ることとなった。

「ラビットブレスの燃料は満タンなん🐰」

 彼女は見越したように、天地真逆の宙返り状態で、得物を構えると照準を定める。その武装は、師匠と慕う存在が、瘴気の地下で見つけた多目的火炎放射器、ラビットブレスであった。それを通常の放出系から射出系に切り替え、焼夷弾モードで、敵の艦橋目掛けて放ったのだ。次の瞬間、内部より炎が吹き上がると炎に包まれ、沈黙する艦船。

「三分間待つまでも無かったわね! ……でも案外、割と地味な攻撃よね」
「ばかにすんなん」
【――バロス!】
 そして、彼女たちのこのやり取りは、こっそりと破滅の言葉を齎していたのだった。


「あら、大きい。これは燃やしがいがありそうですわね。あれをばーっとド派手に燃やせば少しは気は晴れるんでしょうかね」

 一方、知らない人が、その言動を聞けば、何処かのヤバい放火魔かと間違われかねないような事を言った人物、オーキッド・シュラインの腹の虫はいまだおさまらずに燻って、いや、燃え続けていたのだ。その姿は、一言で言い表すならば『魔人』。真紅の瞳をした揚羽蝶の羽根を持つその存在は、負の感情を醸し出させながら、彼女の周囲を旋回するように舞う爆発する微小な蘭の花弁を操ると、また一つ、敵艦を火の海に沈めていたのだった。途中、空中ですれ違ったミレアが驚愕の視線を送って来たものの何かを察して自分の役割に戻って行った。しかし、艦隊はいまだに多く存在し行く手を阻む。遠くに今だ健在する紀伊に近づく為には、数多の護衛艦を倒していかなければならないだろう。

「うぅぅ、わたくしのキッチンの恨み……。まだまだ晴れませんわ。わたくしのストレス発散の為に、業火絢爛に燃え尽きなさい!」

 幾多も無理矢理増設されたように備えられた敵艦の砲身内に花弁が滑り込むと、膨大な熱量を発しながら歪み融解していく。その状態で、砲塔を放てば、破裂音と共に、自壊し周囲への被害を齎すのだった。だが、このままでは埒が明かない。そう思いながら、ふと彼女の上を影が過った。上を向くと城を載せた空飛ぶ船が、対空砲火の餌食になりながらも、外観を保ったままゆっくりと墜落していく姿が目に入ったのだ。

「アレですわ!」

 閃くや否や、オーキッドは、残像を残す程の高速移動で敵の対空砲火の嵐を潜り抜けて、(アリスの)船の内部に侵入する。内部では丁度、白金髪の少女たちが、ひぃひぃと涙を流しながら荷物を抱えて、脱出している最中だった。同じく、すれ違ったアリスも荷造りされて(意味深い)一緒に運ばれて行ったのが見て取れた。オーキッドは、船内の各所を駆け巡ると、蘭の花弁をばら撒きながら、充填させていく。そして、十分に溜まると、内部から上空へと脱出したのだ。――次の瞬間、各所で爆発が起こった。その爆発で、船の墜落軌道が変更されていく。加速度的に落ちる先は、勿論、敵旗艦、紀伊である。彼女は、墜落する船を花弁の爆発を操作し、パルスジェットと見立てる事で、敵に向けて質量弾として落とす事を思いついたようだ。名付けて『オリュンポスパレス落とし』である。敵艦隊は、その落下、いや墜落軌道に気付くと、対空砲のみならず、主砲まで用いると、全力でそれを破壊すべく火力を集中させた。それに応戦するように、ミレアの支援も加わると、戦場に多く展開されていた誘導攻撃端末が閃光を放ちながら、敵艦隊の軌道を変え得ることに繋がる攻撃武装を遂次、破壊していく。――そして、紀伊のAIは、撃墜が不可能だと判断すると、即座に、同型艦や護衛艦を再展開させると自らの盾としたのだった。やがて、墜落する船が艦隊群へと衝突する直前、上空では、オーキッドによる最後の一点火として、ブラスターの引き金が引かれたのだった。――着弾。刹那、艦内に残っていた花弁が誘爆、爆風と共に大地は大きく激震を起こす。船の質量弾の威力とオーキッドが溜め込んだ力が合わさり、内部からの高熱と共に拡散した大爆発は、紀伊が展開していた艦隊をまるごと飲み込み全てを焼き払ったのだ。まさに、この世の地獄絵図、無慈悲なる収穫であり、無傷な艦など一隻も残ってなどいなかったのだ。

「……や、やり過ぎましたわ。農園の方、大丈夫ですわよね?」

戦場は、次なる局面を迎えつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビッグ・サン
九十九ちゃんも、あやめちゃんも、アシェラちゃんも、オーキッドちゃんもパルルちゃんも良い活躍してますね
特にオーキッドちゃんからは大総統に対する熱い思いが感じられますよ
(アリスからは目を背ける)

さて、私もさぼっていたわけではありませんよ
以前来たときは、レッドターキーズが自衛できるようにドーピング薬を置いていきましたが、農園ができたら、さらなる自衛策が必要でしょう

そう言うビッグは何か赤いものの上に立っている
彼の肥料で異様に巨大化したトマトだ

ふふ、大きくても味は良いのはもちろん、巨大化しても自重でつぶれない強度、敵を押しつぶす戦闘力、まさに無敵のトマトですよ

欠点は敵と味方の区別ができないぐらいである


九十九・静香
戦艦が陸上で走っているとは…わたくしの世界にも軍艦はありますが、世界が違えばこのような事もあるのですね
その大いなる鉄の威容、全霊の筋肉にて挑みましょう!

まずは護衛艦に接近しないといけませんわね
主砲や魚雷は◆怪力で◆踏み付けた地面から◆吹き飛ばした岩等をぶつけたり、断部流の叩きつけからの◆衝撃波、超筋肉喉からの◆大声による衝撃波、想像した刃亜部流の◆炎属性刃から放射した炎で遠距離にて爆破させる事で退けます

近付いた所でUCを発動66tギリギリまで護衛艦を腕に引き寄せ纏めて持ち上げ、◆薙ぎ払う事で本体を護る護衛艦を排除致します
残った残骸を本体に叩きつけ、◆力溜め怪力拳で残骸を更に本体に押し込みます


純・あやめ
うわー、大物だねー
『どうするのよ。あんたの技、ほとんど対人用でしょ?』
そりゃこのサイズ差なら出来る作戦は決まってるよー。一寸法師って知ってる?
『…あ、あんたって子は(絶句)』

リフレクターコインを展開して、それを足場にジャンプを繰り返して敵の砲撃を掻い潜って接近するよ
射程内になったら「黄金桜幻郷」で船体に穴を開けて、そこから中へ突撃!
後は中で桜領域を広げて侵食しつつ、内側から徹底的に抉りまくるのみだよ

『外の味方から諸共に轟沈させられるでしょうが!』
大丈夫、大丈夫♪わたし、結構頑丈なんだよ?
『この…あっぱかぱー!
【サクラ】、領域の強化をこの子の防御力に全振りして!すぐに!』


リカルド・マスケラス
アドリブ歓迎っすよ~

颯爽と現れる狐のお面
「チャラっと参上! チャラにちは~……ってすごいことになってるっすね」
農地を守りに参戦したら艦隊戦をしていた。何を言っているか(ry

「あ、でも、面白いこと思いついたっす」
敵と戦っている陸上戦艦(モヒ艦あたり)にヒーローマスクらしく憑依して、その影を利用して【影魔人の術】で影魔人を召喚っす!うまくいけば憑依した戦艦の3倍サイズの魔人の登場っす!
「いくっすよー、影魔人!」
攻撃はシンプルに【怪力】で殴る。多少の射程や数も腕を伸ばしたりして【なぎ払い】で蹂躙する。

そういうのができなかったら、普通に宇宙バイクでビーム砲とかミサイルランチャー使って攻撃してるっす


ルベル・ノウフィル
wiz
エドュアルト殿のお言葉が僕には難しい単語の羅列でございます
ですが、きゅぴーんと魂で感じ取るものがある

つまりこう

1、オーラ―防御と盾で一発防御して~
2、UC写夭
【技能【艦隊】を発動した後、対空火器の砲身】を向けた対象に、【主砲の榴散弾を含めた、弾幕を展開する事】でダメージを与える。命中率が高い。

陸上戦艦には陸上戦艦をぶつける、YES!
「蹂躙せよ!」

僕ちょっと完璧じゃないです?
完璧すぎて自分が怖い……なんかください
はなまるとかそういうのでよい

あとおまかせ



『――我が艦隊の被害甚大、撤退戦へ移行します。本艦を中心に、残存艦を結集、オブリビオンストームを突破――エラー。再起します。残存艦による敵殲滅を続行します』

 紀伊率いる敵艦隊は、命じられた指令の下、息を吹き返すように再始動する。その全てを蹂躙し尽くさんが為。

「うわー、大物だねー」
『どうするのよ。あんたの技、ほとんど対人用でしょ?』

敵の最後の悪あがきとでも言うべき進軍を今の今まで見つめるばかりだけあったのは、純・あやめであった。というのも、彼女は対人戦に特化した戦闘スタイルがメインであった為、このサイズレベルの敵とは非常に相性が悪い。無策でそのまま突っ込めば、その場のノリで世紀末救世主に挑む無法者よろしく、プチっと物理的に潰されてしまうオチしか見えなかったのだ。

「そりゃ、このサイズ差なら出来る作戦は決まってるよー。あー、でも一寸法師って知ってる?」
『……あ、あんたって子は』

 唐突にあやめが発した言葉の意図することを感じ取ったカキツバタは絶句する。しかし、その行動を起こす為には、まだ状況が足りない。だが、攻勢に出る絶好の機会というものが、必ず訪れるだろうことを彼女は確信すると、笑みを浮かべていたのだった。

「ヒャッハー! ホント、酷い目に遭ったぜ」

 その頃、黒いお髭の変態紳士の裏技によって生み出された陸上戦艦こと、モヒ艦に乗り込み後退していたレッドターキーズ、赤きモヒカンたちはというと、やっとあの色々な意味でヤバい混沌な戦場から離脱出来たことにホッとしていた。もう自分たちの出番は終わりだとばかりに一息ついていたのだが、そんな彼らに平穏は、許さなかったのである。それはというのも、新たなる混沌の使徒たちが、ランドシップの甲板上にログインすることになったからだ。

「チャラっと参上! チャラにちは~……って、すごいことになってるっすね!?」
「うむ、黒髭殿の遺言が、僕には難しい単語の羅列でございます。ですが、きゅぴーんと魂で感じ取るものがありますな!」

 颯爽と現れる宇宙バイク、アルタイルに備えつけられた狐のお面こと、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)と、彼に文字通り便乗していたルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)が参戦したのだった。彼らの参戦は、最早、ぶっちゃけ過剰戦力に近いかもしれないのだが、アポカリプスヘルに生きる人々の為にと、新たな援軍として農地を守りに駆けつけたのだ。しかし、いざ到着してみると、割とガチな艦隊戦繰り広げていたと思ったら、今度は、美しくも悍ましい歌声とともに戦場が凍り付いたり、猟兵の空飛ぶ船っぽいもので、何処かの誰かが、質量兵器落としをし出したりする状況に、やや動揺しつつも、妙な対抗意識を芽生えさせていたのである。何を言っているか分からないかもしれないが、事実そうなのだから仕方ないのだ。

「あ、でも、面白いこと思いついたっす!」

 リカルド、お前もかよ。彼が一体何をし出したかというと、敵から後退してきたこのモヒ艦に、本体を飛びつかせると、影魔人の術と兼ね合わせて自身のヒーローマスクである身をも利用し、この艦自体に自分を憑依させたのである。そして、後退していたところを急遽、逆走し出し、敵目掛けて前進を開始したのである。――勿論、とある黒髭紳士とモヒカンたちを乗せたままで。

「「ちょ、まっ!?」」

 モヒカンたちの嘆きのままに、浸食した影は問答無用で艦と共に中の人たちを入れたまま前進しながら徐々に肥大化していく。ある意味、本来の仕様であっただろうウォーカーマシン形態に移行しながらも、影による闇の浸食が晴れた頃には、その巨体はすでに元の3倍と化していたのだ。まさに、黒きモヒ艦影魔人の爆誕の瞬間であった。

「いくっすよー、影魔人――そー、はぶっ!?」

 いざ、攻撃を仕掛けようとするリカルドだが、これだけ目立つ巨体で、ガションガションと闊歩しようとすれば、当然ながら、最優先で狙われる。有無を言わさず、砲弾や魚雷が殺到し、顔面部は、直撃弾をモロに受けることになったのだ。――だが、無駄にデカいという事はそれだけ頑丈なのである。立ち込める硝煙が散ると無事な姿のモヒ艦影魔人、そして、その肩にちょことん可愛らしく乗ったルベルの姿もあったのだ。

「ふっふっふー、どうやら、僕の出番でありますな。その技、貰ったでありますぞ!」

 腕を組むルベルの瞳がキラリと光ったかと思うと、自身に飛来した砲弾を纏いしオーラと盾で、即座に防いで見せ、返す刃で自身のUC、写夭を展開させたのである。次の瞬間、モヒ艦影魔人の周囲には、アレンジされた力によって模倣された艦隊の数々、艦橋にモヒカン飾りがついた文字通りのモヒ艦隊が顕現したのである。

「作戦名は、棟髪刈りですぞ! では、蹂躙せよ!」

 ルベルは、何か疼きそうな片眼を隠しながら片腕を前に突き出す厨二なポースをすると、陸上戦艦には陸上戦艦をぶつけるぜ、YES! というノリで艦隊同士を文字通りぶつけ合ったのだ。双方の艦が激突すると同時に爆散する。あっ、コレ特攻艦だ。次々と敵艦諸共に轟沈するモヒ艦隊。しかし、それはモヒ艦影魔人リカルドが、紀伊へと立ち向かう為、その未来へと繋げる一撃を放つ為、全ての路に続いている尊い犠牲なのだと。ならば、ここで引いてはいけない。

「負けてられないっすね!」

 その捨て身的な献身と奮起にリカルドも応え、立ちはだかる艦隊を元々、艦船にあった双胸砲、股間砲を放ちながら吹き飛ばしつつ、その巨体からくる膂力で殴りつけ、腕を伸ばしては阻む敵を払い除けるといった手段で、徐々に紀伊との間合いを詰めて行ったのだ。――だが、ルベルがここで危ういフリを巡らせた。

(今の僕ちょっと完璧じゃないです? 完璧すぎて自分が怖い……天の神様、ご褒美になんかください! とりあえず、はなまるとかそういうのでよい)

 ――それは現実のものとなる。某紳士の至言曰く『あるとすればスタンドプレーから生じる変なシンクロニシティだけでござる』と。さぁ、望み通り、受け取るがいいルベルよ! 刹那、ルベルに向かって流れ弾が飛来し爆散する。それは誰かからの称賛の火花(はなまる)となって、キャインと悲鳴の残響を残ししながら、彼を吹っ飛ばしてしまったのだ。多分、本人は防御してたから無事だよ。

「なんか今、汚ねぇ花火が――あっ!?」

 その拍子、ルベル花火の笑劇……いや、衝撃に驚き、足を縺れさせてしまったモヒ艦影魔人リカルドは、転倒しそうになるも、無理矢理踏ん張ったせいで変な勢いがつき、何処かの力士よろしく、スーパーな飛翔頭突きのように、敵の戦艦側面装甲板目掛けて、突っ込んでいってしまったのだった……頭から。

「ぬ、抜けないっす!?」

 頭部のモヒカンが装甲版に突き刺さる。そして、何故か察したかのように、その状態をスルーしたまま進む紀伊のAI。確かに敵艦にダメージは与えた……与えたけど、コレじゃないんだ。こんな惨めな与え方じゃないんだ。誰か助けてくれ、今、この起き上がってはいけないような気がする状況から救ってやってくれ、このままじゃ報われない。だが、リカルドの願いも虚しく、モヒカンを敵に突き刺さしたままに、紀伊にズルズルと地面を引き摺られていくのであった。だが彼らの犠牲は無駄ではなく、敵の機動力を大いに削いだのである。

 ――応酬に継ぐ応酬、同士討ちや猟兵たちの砲火を受けながらも、ボロボロとなった僅かな艦隊+おまけの進軍はそれでも尚、止まらなかった。

「戦艦が陸上で走っているとは……わたくしの世界にも軍艦はありますが、世界が違えばこのような事もあるのですね」

 そこには魅せる筋肉の化身、九十九・静香が進軍する艦隊の前へと静かに立ち塞がっていた。彼女は一人、前へと進む。その行為は、無謀以外の何ものでもない。しかし、彼女には引けない理由があったのだ。――そう『筋肉』だ。自分の目の前に挑むべき存在がある。ならば、己が筋肉の全て掛けて、我が筋肉ここにありと世に知らしめなければならないのだ。

「――その大いなる鉄の威容、わたしくの全身全霊の筋肉にて、挑みましょう!」

 静香は、脚部に力を込めると恐るべき瞬発力で駆け出した。先ずは、立ち塞ぐように残っていた護衛艦に狙いを定める。対する護衛艦は、残った砲塔や魚雷を放ちながら進行方向に現れた小さな敵を排除をしようとする。大地へと彼女の凄まじい脚力が繰り出され、空をもを揺らしたかと思った瞬間、踏み抜かれた反動で、巨大な瓦礫が宙を舞い、敵の弾丸に向かって吹き飛ばされたのだった。更にそこから、接近した護衛艦とすれ違いざまに断部流を叩きつけて、追撃に声帯と超筋肉喉から放つ大声の衝撃波で、護衛艦の一つを横転させる。そこに透かさず他の敵から銃撃が向かって来るも、彼女が刃亜部流を取り上げると、付与された炎属性の刃から放出された火炎弾が、幾多もの火花となり、迎撃することで退けたのだった。
 やがて、彼女は立ち止まるとその真なる筋肉の力を解放する。

「さぁ、鍛えた筋肉はあらゆる物を引き寄せる物! わたくしの上腕二頭筋よ、全てを引き寄せ掴み取るのです!!」

 ――両手を天高く突き出し抱擁のポージング。そして、信じられないことが起きる。UCによって力を増したところで、相手はそれ以上の重量を持つ艦船、たとえ70トン前後の力があったとしても、到底持ち上がる筈も無いのだった。だが、それは見事に覆される。横転した護衛艦が、彼女の腕に引き寄せられたかと思うと、その圧倒的な巨体を持ち上げたのだ。この瞬間、彼女は筋肉の可能性と言う名の説明し難き、梃の原理的なナニカを示したのだった。

「DO・SU・KO・I!!」

 気合一喝、静香は、護衛艦をその身諸共に、遥か空へと放り投げる。更に空中に浮いた彼女は、なんとその勢いのまま艦ごと方向転換し、地上にいた戦艦の紀伊の頭上目掛けて、圧殺の構えをみせる。

「うぉーしっぷですわっ!」

 直後、衝突による轟音と衝撃が周囲の砂塵を巻き上げながら渦巻くも、まだ終わりではない。更に追撃とばかりに、押し込むように全力の筋肉を躍動させ、その装甲に楔を突き立て打つように、護衛艦の残骸に拳を叩きつけると、敵艦内部へと大きく穿ったのだ。

「うわー、アレ見た? あれが本場のジャパニーズスモウレスラーだよ!」
『あんたの頭の中の相撲は、戦艦と取組むのかしら?』

 硬貨の群体からなるリフレクターコインを展開しながら、それを足場にジャンプを繰り返して敵の砲撃を掻い潜っていたあやめは、驚きの表情で、静香の成した成果を見据えていた。だったら、自分も負けられないと、何処か敵の内側へ侵入して攻撃できる場所はないかと探り出す。そして、直ぐに見つけたのだ。半ば忘れられたように放置され、ズルズルと引きずられ続けていたモヒ艦影魔人リカルドのモヒカンが突き刺さった場所を。

「ほら、あそこあそこ!」
『あぁー、アレね……他の場所にしない?』

 あやめがその場所を指摘すると、リカルドの本体の仮面が救いを求めるようにこちらを向いていたが、カキツバタは見なかったことにした。しかし、あやめは構わずに、穿たれた隙間へと近づくと、空間を抉り喰らう黄金の桜吹雪を放つと内側へと侵入させたのだ。すると、入っていく桜吹雪とともに黄金の桜林が、艦の内部から突き破りながら、侵食させていったのだ。その反動で、ようやく突き刺さっていたモヒカンがすっぽ抜けて、後方にころころと転がっていくリカルド。そして、なんか恨みがましい雰囲気を放置したあやめは、それに構わず、船内に侵入すると、加速度的に更に、艦への侵食率を上昇させていったのだ。

「よし、このまま桜林だらけに――」
『って、状況と雰囲気的に、今さっき転がっていった外の味方に、私たち諸共、轟沈させられるでしょうが!』
「大丈夫、大丈夫♪ わたし、結構頑丈なんだよ?」
『この…あっぱかぱー! サクラ、領域の強化をこの子の防御力に全振りして! すぐに!!』

 カキツバタの指示で、黄金のキングのチェスピースに宿る『サクラ』が、大慌てで、黄金の桜林で作られた樹木の籠であやめを囲んだ。直後、艦船内部を叩きつけるように何度も衝撃が襲う。

「いままで、お返しっす!!」

 心の涙を流すリカルドのぐるぐるパンチ的な攻撃により、あやめは、艦の内部で四方八方にシェイクされながらも、桜林に護られたことで、空けた穴から放り出されてしまうのだった。
 猟兵たちの繰り返される無慈悲攻撃を前に、紀伊を守護する艦隊は刻一刻と数を減らす。紀伊自身もまた、すでにまともな原型を留めてはおらず、ただ全力で走り続けるだけ存在であった。しかし、それは容易に農園を蹂躙するだけの力は残っていることだろう。このままでは、農園が危うい。――だが、ここで最後の農園の守護神がいま目覚めようとしていた。

「いやー、九十九ちゃんも、あやめちゃんも、アシェラちゃんも、オーキッドちゃんもパルルちゃんも良い活躍してますねー。特にオーキッドちゃんからは大総統に対する熱い思いが感じられますよー」

 そう言いつつ、戦場を見つめながらも、アリスの存在からは、目を背けていたビッグ・サンがそこにはいた。誰かの熱い思いとやらは置いておくとして、ところで守護神ってお前なの? 農園の手入ればかりしてた気がするが。

「いえ、私もさぼっていたわけではありませんよー。以前来たときは、レッドターキーズが自衛できるようにドーピング薬を置いていきましたが、農園ができたのなら、さらなる自衛策が必要でしょう?」

 そう前置きをしたビッグは、地面を指し示すと、何か赤いものの上に立っていた。それがみるみるうちに見上げるほどに巨大化していったのだ。ナニコレ。

「こいつをどう思います?」

 凄く大きいトマトです。どうやらそれは、彼の肥料で、陸上戦艦並に異様に巨大化したトマトであった。

「ふふ、大きくても味は良いのはもちろん、巨大化しても自重でつぶれない強度、敵を押しつぶすほどの戦闘力、まさに無敵のトマトですよ」

 確かにトマトの皮の硬さって、育ち方で割と洒落にならなかったりするからね。確かに巨大化すればそれを受け止めるぐらい出来そうだけど、戦艦相手ならどうだろう。それになんか嫌な予感がする。

「――まぁ、欠点は敵と味方の区別ができないぐらいですけど」

 それか。

『HARVEST――!!』

 ――農園の怨敵来たり。超巨大トマトは、底知れぬ絶叫を上げながら、戦艦紀伊に向け飛び出した。その赤々とした身を繰り、地を波打ちながら、トドメはオレに任せろと言わんばかりに、立ち塞がる残存護衛艦の全てを跳ね飛ばしながら駆逐し、更には、近くにいた味方をもついでに、跳ね飛ばしていた。

「「ちょ!?」」

 そして、この戦いに終止符が打たれる。中身が弾け飛ぶような衝突音とともに、砂煙が巻き起こり、周囲に赤と緑の液体と種が降り注ぐ。やがて荒野は沈黙し、皆で突っ込んだ。

「「と、とまとでとまっとる!?」」

 ――戦いは終わった。そこには、巨大トマトに突き刺さり、全ての機能を停止した陸上戦艦の紀伊の残骸が残るだけだった。こうして、農園は守られたのだ。
 そして、何処からか湧いてきたレッドターキーズのモヒカンたちが、戦艦残骸の艦橋の頂上に現れると、赤き七面鳥の横側の刺繍が入った旗をそこに掲げ、勝利を宣言したのだった。

「ヒャッハーー! オレたちの勝利だ!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『アポカリプスで農業を』

POW   :    力仕事を担当する

SPD   :    丁寧な仕事を心掛ける

WIZ   :    技術指導などを行う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 激戦の爪痕は、スパイシーカンダマント荒野に大きく残された。復興の兆しは、未だ僅かばかり。だが、猟兵たちの活躍により、レッドターキーズの農園は守られたのだから。ならば、この地に生きるモヒカンたちは、その程度の出来事では挫けないだろう。

 ――さぁ、明日への希望を胸に、この地で農業を行なおうではないか。
九十九・静香
遂に平和が戻りましたわね……では復興作業もしくは農作業のお手伝いと参りましょう

筋肉令嬢状態でUCにてメイド隊を68人招集致します
ドーザーの残骸等使えそうなものをお聞きして
◆怪力で◆運搬、メイド隊らにも手伝いして貰い運びましょう

農作業に関しては素人なので
力仕事をお聞きし◆学習力にて学びメイド隊との団体行動にて◆奉仕活動致します
筋肉にてできる仕事ならば、我ら全身全霊にて尽くす所存です!

力仕事でない仕事の時は全員での◆鼓舞ボディビルポージングにて応援致します。
ふう、農作業もいいものですわね……昔の病床では考えられなかった事。
ええ、なんて幸せな事でしょうね……収穫が楽しみですわ



「遂に平和が戻りましたわね……」

 九十九・静香は、巨大なトマトに突き刺さる残骸を背景に臨む。激戦の爪痕は、思い返せば感慨深いものがある。ならば、次は農園の収穫などの雑事に積極的に関わるべきであろう。

「では復興作業もしくは農作業のお手伝いと参りましょう」

 筋肉令嬢な静香は、そう意志を固めポージングを決める。すると彼女の背には、分体粘液を与えられた九十九家が誇るボディビルなメイドたちが整列する。その数なんと68名。その中の一人が、彼女の前に進み出て、ポージングすると、それに応じるようにポージングをし返す。因みに、この肉体言語に意味があるようで、そう深い意味はない。

「さぁ、仕事を命じます、九十九筋肉給仕隊!」
『畏まりました。筋肉にてできる仕事ならば、我ら全身全霊にて尽くす所存です!』
『『全てはお嬢様と筋肉の為に!!』』

 作業内容の確認を終えたメイドたちは、農園の各所に地響きを立てながら散らばると、各々の作業に取り掛かる。復興事業には、瓦礫の撤去やドーザーの残骸であるショベルを担ぎ上げながら、(主に味方に)荒らされた土地を力任せに整地していく。農作業では、広大な農地をカバーするべく本来なら、重機が必要だろう行為を大きなコンテナ片手に次々に熟していくものだから、同じく作業に携わったレッドターキーズのモヒカンたちが半口をあけながら僅かに震えている様子だった。同じ筋肉質な存在にも関わらず、どうしてここまで差が出てしまったのだろうか。やがて、静香もそれらの作業に加わるべく、手近なモヒカンに、自分にも何が出来ることがないか聞くことにしたのだった。それは、彼女自身がその類の素人なので、それならばと責任者に聞くのがベストだったからである。

「わたくしにもなにか出来る事はありませんこと?」
「へ? ひ、ひぃぃ!? あ、あ、あ、お、お嬢様はどうぞ休んでいてくださいませ!!」
「あら? 遠慮しなくてもいいのですが……」
「そ、そんなことはありません。十分! 十分過ぎるぐらい手伝っていただいております!!」

 何故か静香は、全力丁寧にご遠慮されたのである。それはというのも、自分達よりもデカいボディビルメイドたちと一緒に農作業するだけでも精神的負担が大きいにも関わらず、更に彼女らの主であり、先程の戦いで艦船を放り投げた存在が目の前に現れれば、粗相をすれば殺られる、自分たちなどは、あのトマトのように握り潰され、赤々と農園の肥やしになってしまうのではないかと彼らの本能的を刺激してしまったからだ。むしろ、その姿で、向けられる善意の心と笑顔は、彼らにとって圧力のようなものであったのだろう。何となく心中を察した彼女は、徐にボデイビルポージングをする。それに呼応するかのようにメイド達も一斉に作業の手を止め、ポージングで返答す。何故かモヒカンたちもそれに従わなければならない雰囲気にのまれ、ポージングすると作業を全力で再開する。――それは、純粋な鼓舞だった。かつて、病床の折に何もできなかった自分が今は何かが出来るという実感から。そして、収穫に向けて、一人一人の気持ち繋がったような気がするからこそ、自身の内よりこみ上げてくるものがポージングとなって表現されたのだろう。

「ふう、農作業もいいものですわね……ええ、なんて幸せな事でしょうね……収穫が楽しみですわ」

 しかし、冷汗を流しながら必死に作業を行いながら、顔を引き攣らせるモヒカンたちにとっては、違う想いがあったのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
汝が為したいように為すがよい。
ふむ、農業とかまったくわからない。なので、作業員たるレッドターキーズをペロペロヒーリングで元気にしてあげる方向でイこうと思います☆
ま、戦闘で負傷した子も多いみたいだし、まずはそっちの治療からね。衛生面が大事だから結界術の異空間で施術するわよ♪
化術で身体の一部なりパラサイトテンタクルなりも舌に出来るので治療効率は悪くないわよ?ほーら、ひだの一枚一枚を舌にしてのペロペロたまらないでしょ?
農作業で疲れた身体にもペロペロヒーリングで情熱的に元気注入(ドーピング)して限界突破したスタミナ(継戦能力)を発揮できるようにしてあ・げ・る♡



「ふむ、農業とかまったくわからない」

 開口一番、そう語ったアリス・セカンドカラーは、たわわに実った農作物を収穫していたレッドターキーズのモヒカンたちを一望していた。昔から餅は餅屋の言葉通り、専門家は専門家に任せるべきだと判断したからだ。と言っても、棟髪刈り専用麦藁帽子を被っているとはいえ、彼らが専門家かどうかは怪しいのだが。
「なので、作業員たるレッドターキーズをペロペロヒーリングで元気にしてあげる方向でイこうと思います☆」
 アリスよ、お前は一体何をしようとしている。そう言うや否や戦闘で負傷したらしき一人のモヒカンに近づくと結界で覆い尽くすと、中の空間をあれこれと弄りながら、無菌の個室とした。医療行為を行う際、治療時の衛生面の確保は大事である。大事であるが故にアリスがやると不思議と不安しかないのは何故だろう。

「さぁ、結界術の異空間で施術するわよ♪」
「ひ、ひぃぃぃぃ!?」

 アリスから無邪気にして欲望が駄々洩れる気に中てられたモヒカンは悲鳴をあげた。対してアリスは、空間と身体を同化させその一部を化術にて、規制すべきピンクな寄生触手たちをわらわらを生み出すと彼を優しく包み込む。そして、触手の先端からは、粘り付くような粘液が漏れ出て、パックリと割れたかと思うと、そこから人の舌のようなものがが姿を現したのだ。それらが、項、脇、腰の括れ等々をぺろりと嘗め回す。するとあら不思議、負傷した身体は見る見るうちに癒されていくではないか。それどころか快楽が全身を駆け巡ると、己の躰が違うモノになっていくのを彼は実感していた。その迸る快楽に身を任せたい。だが、そんなことはさせないと必死に抗うも、対してアリスは、曝け出された彼の胸元に指を這わせると静かにぺろりと嘗めたのだ。

「ほーら、ひだの一枚一枚を舌にしてのペロペロたまらないでしょ?」
「や、やめてくれ! オレは幼女に襲われるとかそんな趣味はないんだ!! うわぁぁぁぁ……!?」
「うふふふ♪ (あまりもアレな妄言なため削除されました)してあ・げ・る♡」

 ――後日、レッドターキーズの広大な農園の一角で、一際、成果をあげたところがあった。まるで何かを忘れたいかのように、一心不乱に働き続ける頭髪だけ赤い、真っ白に燃え尽きたようなモヒカンたち姿があったという。彼らの傷は癒えた。だが、彼らの精神は癒すことの出来ない傷を残したのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

純・あやめ
農業かー、あまりやった事ないんだよねー
とりあえず人手が欲しいから…【カキツバタ】も手伝ってよ
『は?なんでよ?自力でやんなさい、それぐらい!』
はいはい、文句は言わないの。どんどん片付けちゃおうねー

『…ねぇ、なんだかモヒカン共の様子がおかしくない?こっちをチラチラ見てるというか…』
そりゃ、そんなエロい格好(真の姿参照)してるからじゃない?
『思春期の中学生かっ?!というか、この格好はあんたのスタイルを投影してるんだから、エロい妄想されてるのはあんたも一緒よ!』
…え?(しばし熟考)…うん、ちょっと生活指導してこようか(警棒を構えてモヒカン達へ向かう)



 その農園の一角では、ニンジンが育てられていた。土まみれの赤きモヒカンたちの手は、それらをせっせと引き抜きながら収穫していく。――だが、彼らの視線だけは、他に向いていた。その先には、一体のウサギがいたからだ。ウサギは、ニンジンが大好物である。云わば、農園の天敵だ。ならば、しっかりかりねっとりとなめまわすようにつぶさにその動作を監視しなければならないと、彼らは、体温が熱くなるのを感じながら心に決めていた。

『……ねぇ、なんだかモヒカン共の様子がおかしくない? こっちをチラチラ見てるというか……』
「そりゃ、そんなエロい格好してるからじゃない?」

 畑に入ってから、粘り付くような視線を感じたカキツバタが、ふと周囲を見回すと、無言でニンジン収穫に勤しむモヒカンたちの姿があった。そして、そんな彼らに、目を合わせようとすると露骨に逸らすその挙動に不審に思いながら、純・あやめへと語りかけていたのだ。そんなカキツバタの疑問にどこ吹く風のあやめは、現在の自身の恰好について指摘した。それはというのもその姿は、カキツバタの存在が、あやめの身体の表層上に出た事で言いようのないぐらいバニーガールであったからだ。ぶっちゃけ、ニンジン畑にバニーガールってどうなんだよと。あんまりな組み合わせに、薄っすらと赤い頬で、慌てて視線を逸らしたことからも、彼らの心には、俺のニンジンを食わせてやりたい(意味深い)とか思っていたに違いないのだろう。

『思春期の中学生かっ!? というか、この格好はあんたのスタイルを投影してるんだから、エロい妄想されてるのはあんたも一緒よ!』
「……え?」

 カキツバタの指摘に、あやめが熟考するように固まる。どうやら、あやめの真の姿とやらは、彼女のスタイルが反映されたものらしい。つまり、ウサギプレイ(意味深い)とやらが、彼女の本質のようだ。まぁ、といっても狩る側と狩られる側という意味では、逆転しているのだろうが。

「……うん、ちょっと生活指導してこようか」
『ち、ちょっと、何する気よ!』

 徐に警棒を取り出しモヒカンたちへと向かうあやめ。どうやら彼女は、考えるのを放棄したようだ。その動作に、リビドーの限界を超えてしまったモヒカンたちも勿論いたわけだが。そんな彼らは、彼女の前に立ち塞がるとニンジンを高々と掲げて高揚する。

「ヒャッハー! ここは、通さねぇぜ! 通してほしくば、俺のニンジンを食わせ――!?」 
「(ニコリ)」
『あぁ……』

 ――後に誰かが語る。絶叫が轟くニンジン畑の中、ウサギ(が)狩りを行ったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビッグ・サン
ふむ、オリュンポス農園も無事に守れたようですね

後はここにオリュンポスアポカリプスヘル支部を建設すれば、今回の作戦は大成功ですよ

アジト偽装のためのカフェも立派に作れば、オーキッドちゃんの機嫌も直って、大総統が焼かれたりする事も無くなるでしょう

(ビッグは荒野に残った戦艦の残骸でゴーレムを作ると、残骸を集めてアジトの作成にかかる)

ほら、レッドターキーズの皆さんも手伝ってくださいよ
オリュンポスの印が入ったグッズをあげますから頑張って

(オリュンポスの旗や服や刺青シールを配る)

いやー
今回は皆さん良い仕事しましたねー

オリュンポスアポカリプスヘル支部もできて、支部長のローストチキンさんも大喜びですよ



「ふむ、オリュンポス農園も無事に守れたようですね」

 レッドターキーズの農園で、ほぼ終始、農作業に勤しんでいたビック・サンは、そんなことを言う。救助に来た団員の物量に任せて既成事実を作ろうとしているのは、ある意味、確信犯的なものがあったのだろう。だからこそ敢えて言おう。此処は、オリュンポス農園などではないと言うておろうが。

「後はここにオリュンポスアポカリプスヘル支部を建設すれば、今回の作戦は大成功ですよ」

 一見ビッグは、農作業に貢献してないように見えるが、地味に手伝いはしていた。それはというのも、アジトの作成をする為に、資材として、農園に散らばった戦艦の残骸をゴーレム化しながら、集めていたことが、結果的に片付けに繋がっていたからだ。因みに彼は、アジトを作る為の土地をレッドターキーズから融通して貰っている。先の戦いで、誰かさんによって放火された疑似農園を出現させた折、その灰となったものを肥料や耕作地として、所謂、焼畑農法を彼らに提供していることから見ても、ここに至るまでの間、色々と先を見越していたのかもしれない。

「アジト偽装のためのカフェも立派に作れば、時期も時期ですし、南国風につくれば、彼女の機嫌も直って、あの方が焼かれたりする事も無くなるでしょう」

 そうビッグが語ると、次の計画に移行すべく、レッドターキーズの面々に声を掛けたのだ。見返りには、オリュンポスの印が入ったグッズ(旗や服や刺青シール)を配ったらしいが評判は微妙だったようである。
 喫茶に提供する為の農作物は、手頃で手に入るようにあった方がベストだ。とれたてというものはどの世界でも需要は高い。ならばと、その周辺を新たな農園として開拓することにした。残骸ゴーレムとモヒカンが協力することで、農園の拡張と建物を組み立てが、あれよあれよ云う間に形となる。

「いやー、今回は皆さん良い仕事しましたねー」

 ビッグは、思う。これでこの建物が完成すれば、何処かの鳥の丸焼きも大喜びに違いないと確信をもって笑みを浮かべたのだった。因みに後日、一部のモヒカンたちと喫茶の一角が何処かへ飛ばされたという噂は、別のお話しである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラブリー・ラビットクロー
アドリブ連携歓迎

でっかいトマトだったん…
でも敵も凄くでっかかったからいー
農場は無事だったのかなー?でもきっとモヒカンたちは懲りないからもしちょっと荒れちゃっててもまた頑張って治すも思うんだ
じゃーらぶはこれからのモヒカンの助けになるよーにお手伝いできるかな?
UCで今までらぶが戦った敵のモヒカンとかせんかんとか、かいじゅーとかネズミとかを描いたハリボテを沢山つくっていくぞ
これを農場の近くに建てればきっとみんなびっくりして農場に近寄らなくなるのん
だからできるだけ精巧にじょーずにつくっちゃお

よーし
これでもーだいじょーぶなんな
おりゅんぽすのかっこいーヒト達も着いてるから安心だぞ
よかったな



「でっかいトマトだったん…」
【遺伝子組み換え品種は、危険を伴います。安全な遺伝子組み換え食品をネットワークで検索しますか?】
「でも敵も凄くでっかかったからいー」 
【ネットワークに接続出来ませんでした。】

 敵戦艦の残骸が突き刺さるトマトを見上げながら、ラブリー・ラビットクローは、戦いの感傷に耽っていた。戦いの被害は、割とあるのかもしれない。主に味方の戦い方が派手だったからだ。農園は無事だろうかと心配に思いつつも、レッドターキーズのモヒカンたちを見れば、ちょっとぐらい荒れていたとしても、また頑張って復興するだろうという思いもあったのだ。

「じゃーらぶはこれからのモヒカンの助けになるよーにお手伝いできるかな?」
【ラブリーならできますよ】
「よーし、今までらぶが戦った敵のモヒカンとかせんかんとか、かいじゅーとかネズミとかを描いたハリボテを沢山つくっていくぞ」
【きっと、喜ばれるかもしれませんね】
「だからできるだけ精巧にじょーずにつくっちゃお」

 そう心に決めたラブリーは、農園の端っこで作業を開始したのだ。彼女のUC、頭の中のセカイの全ては、かつて見たことがあるものを偽物として再現する。それは、楽しいことも辛いことも含めて、このセカイが好きという気持ちを忘れないがために生まれた力そのものでもあったのだ。彼女は、次々と記憶の中のオブリビオンたちをハリボテとして生み出していく。その中には、先程のドーザーモヒカンや戦艦もある。まぁ、現物よりは若干小さいモノもあったようだが、それらが津波のように一つ一つの溢れる想いと共に出現したのだった。

「これを農場の近くに建てればきっとみんなびっくりして農場に近寄らなくなるのん」

 故にちょっと調子に乗った。

「ん? ありゃなんだ……? ひ、ひぃ!? レイダーの大軍団の襲撃だ!!」
「「もうおしまいだー!!」」

 そりゃね。農園の近くに、突如オブリビオンの割と精巧なハリボテ、最大で70mサイズのが出現すれば、騒動になるよな。一番、びっくりなのは、事情を知らない農作業していたモヒカンたちで、農園から、涙を流しながら慌てて逃走を図ったのだ。

「よーし、これでもーだいじょーぶなんな。おりゅんぽすのかっこいーヒト達も着いてるから安心だぞ。よかったな」
【皆さん、涙を流して喜んでましたね】

 どうやらラブリーも何処かの組織の面子に負けず劣らず大概であったようだ。いずれにしても、こんなものが立ち並ぶ場所に、敢えて来たがる敵もしばらくはいないだろう。そういう意味では、ラブリーの貢献は高かったのだ。



 ――猟兵たちの手伝いにより、レッドターキーズの農園は大きく賑わった。戦いの勝利と収穫を祝う歓声の中、これからも彼らは、明日の希望に向かって、農作業をし続けることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月19日


挿絵イラスト