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石と快楽の間

#ダークセイヴァー #人類砦 #闇の救済者

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●妖しい気配がプンプンするぜ!(グリモア猟兵M・A)
「この組み合わせ、どっか視た気がするっすね~……」
 妙にどこか間延びした口調で秋月・充嘉(キマイラメカニカ・f01160)は集まり始めた猟兵達に気づくと軽く手をあげた。
「お仕事っすよ、場所はダークセイヴァー。人類砦ってご存知っすか?知ってる人は復習も兼ねて聞いてほしいっすよ」
 人類砦とは、「闇の救済者達」の活動が実を結び、僅かずつ生まれるようになったヴァンパイアの支配が及ばない人類の活動圏。それが人類砦。
 砦、とは言うが実態は小さな寒村から山岳地帯にある本当の砦まで振れ幅は大きい。今回の人類砦は辺境にある小さな村だ。
 そこに魔法兵器を携えたある吸血鬼が襲いに行く。

「吸血鬼の名前は『ベリル・アルカード』。人狼であり吸血鬼でもある快楽主義者っす」
 快楽主義者。
「で、携えている魔法兵器の名称は『ウォールゴーレム』。捕らえた得物を石化して取り込む動く壁っす」
 石化。取り込む。
「もしこのままほっといたら、人類砦にいた人達はみーんなウォールゴーレムに取り込まれて、取り込んだ人達をベリルが美味しく頂くっすね」
 美味しく頂く。

 ……一人の猟兵が手を挙げた。
「かえっていいですか」
「……まぁ、拒否は認めるっすよ」
 自分が気持ち良くなりたい好色な吸血鬼が美味しい餌を求めにやってきた。
 言葉にすれば、まぁつまりそういうことである。
「できれば俺自身行きたかったっすよ」
 けどグリモア猟兵である自分にもしものことがあってはいけないので仕方なく、本当に仕方なく猟兵たちに依頼することになったのだ。

「じゃ、敵戦力の説明に入るっすよ~」
 ウォールゴーレムは本体がぶつかった対象を石化して取り組もうとしてくるので、基本的にはその体当たりを避けて弱点である悪魔の頭部を破壊すればいい。
「そのあとにベリルが確実に来るんで、ウォールゴーレムに『わざと』取り込まれてベリルに限りなく近づくのも戦法としてはありかもしれないっすね」
 その場合、ベリルから最初の一撃をもらうことになるだろう。
「で、ベリル自身の能力っすけど」
 見つめた相手に淫紋を転写させ、そこから超強力な魅力と発情効果で今まで経験したことのないようなとんでもない快楽を与え動きを封じる魔眼。
 己の『体液』を代償に召喚し、超強力な催淫効果のある毒液等で攻撃してくる蝙蝠や蛇の使い魔。
 視認した相手に不運な出来事を強制的に起こす、他人の不幸で愉悦を感じる性格。
 ……最後だけ弱く聞こえるがそこはオブリビオン、ふつうあり得ないだろうというレベルの不運が降りかかるので要注意。

「ベリルを無事に撃破できたら、そこの事後処理をお願いするっすよ。まだまだ小さい砦っすからね、人手は欲しいところっす」
 それじゃあよろしくー、と残ってくれた勇気ある猟兵たちを送り出すキマイラであった。


川内嘉治
 石化と人狼のマリアージュ~吸血鬼を添えて~。

 業の深さが上がった気がする、川内嘉治です。
 ええ、石化です。快楽主義者です。アレな匂いがすごいしますね。
 とはいえ、あまりにもアレ過ぎるプレイングはマスタリングしますのでご容赦を。
 では補足。

 第一章、ウォールゴーレムとの戦闘です。基本的に敵の攻撃をかわして反撃するのを想定していますが、敵の攻撃をくらい『わざと』取り込まれ石化するのも、まぁOKです。(一応青丸は入れます)ただし、第二章で若干不利になります。
 第二章、ウォールゴーレムの回収にやって来たボス、ベリル・アルカードとの戦闘。前章でウォールゴーレムに取り込まれた人はベリルから先制を受けることになります。(前章のみ参加の方は、この章中ベリルに籠絡されたかほっとかれたという扱いになります)
 OPには書きませんでしたが、第三章は人類砦にて獅子舞風の祭事を行います。魔物役として充嘉がいますので(殺さない程度に)ぶっ飛ばしてください。大丈夫、いざとなったら変わり身のユーベルコードを使いますので。

 ではでは、嘉き狩りを。
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第1章 集団戦 『蹂躙魔法兵器『ウォールゴーレム』』

POW   :    ウォール・キャプチャー
【ウォールゴーレム本体】が命中した対象に対し、高威力高命中の【本体へ取り込みと石化同化】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ウォール・キャプチャー
【ウォールゴーレム本体】が命中した対象に対し、高威力高命中の【本体へ取り込みと石化同化】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    ウォール・キャプチャー
【ウォールゴーレム本体】が命中した対象に対し、高威力高命中の【本体へ取り込みと石化同化】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

春霞・遙
この調子でダークセイヴァーに人が生きることのできる地域が増えて欲しいです。
そのための小さな一手のお手伝いをしましょう。

命中すればその時点で次の攻撃に写ってくれるんじゃないでしょうか。なら、触手の群れを差し出して私は回避しますね。そのまま取り込まれてベリルの隙を突いてください。と触手に「言いくるめ」しておきます。
石に対して銃撃が効くのかわかりませんが、頭部を狙うために射撃で戦います。
敵がユーベルコードを使ってきたら、抵抗して私に噛み付いてこようが逃げようとしようが容赦なく触手たちを掴んでゴーレムに向かって投げつけます。何匹も。
ゴーレムが同化したモノに対して疑問を持ってくれるならいいですけど。



●模範解答
 人類砦、それはこのダークセイヴァーの世界で生きる人々がオブリビオンの脅威に怯えずに日々を過ごせられる小さな地域。
 その地域を増やすための小さな一手をと春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)はゴーレムに対峙する。
 自分が石化して取り込まれるわけにはいかない、ならばどうするか。遥は謎を喰らう触手を召喚し触手たちに指示を出す。
「そのまま取り込まれてベリルの隙をついてくださいね」
 取り込ませた触手でベリルの隙を突こうという魂胆だ。
 触手達をその場に待機させ自分はゴーレムから離れる。
 地鳴りをたてながらゴーレムは触手にぶつかり、石化させ取り込む。
「ガ、ギギ……?」
 さすがに取り込んだものが人でないことに気づいたようだ。疑問を感じたゴーレムの何体かは取り込んだ触手に疑問を喰われ動きが止まる。止まったところで弱点である頭部に銃を撃ち破壊する。
 残ったゴーレムは取り込むべき対象である遥を見つけると、我先にと遥へと向かってくる。それらに対し、遥は触手を何匹も掴んでは投げつけ自分が捕まらないように自分の優位性を確保し続けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
その…なんだ?
このベリルとかいう奴、相当趣味が…趣味が悪すぎるぞ。
人の性癖に口を出すつもりはねえが…それはそうとしてそういう迷惑をかけるのはやめとけって話だ。

そんじゃ、迷惑兵器を片付けるぜ!
クソッタレな壁が取り込みに来るって事はよォ…動きが読みやすいって事だ!
これほどやり易いこたぁねぇな!
俺を囮にしてまっすぐ飛び込んで来た所に"セキュア"で抑え込み、"コンテイン"で強制収容し、"プロテクト"でユーベルコードを隔離するッ!
うまく封印したら、後はそのロックなデビルヅラに鉛玉をたっぷりくれてやる!

…まあ失敗したらしたで…ベリルとやらを至近距離でぶん殴るプランBに移るか。



●ある種模範解答
「その、なんだ……?」
 ブリッツ・エレクトロダンス(★3:クロヒョウDJ・f01017)は顔見知りのグリモア猟兵から聞いた情報を思い出す。
「このベリルとかいう奴、相当趣味が……趣味が悪すぎるぞ」
 人の性癖に口を出すつもりはないが、それはそうとして。そういう迷惑を赤の他人にかけるのはやめとけって話だ。

 ベリルに言いたいことはあるがまずは迷惑兵器を片付けてからだ。
 ゴーレムが自分を取り込みにやってくる、つまり動きが読みやすいということだ。
 シンプルでやり易い、それならやることは一つだ。
「さぁ、クソッタレな壁どもこっちだぜ!」
 自分そのものが囮となり、まっすぐに向かってきたゴーレムに対し封印バッチを起動させる。
 ”セキュア”で抑え込み、”コンテイン”で強制収容。
「そして”プロテクト”でかくっ……!」
 最後の一つが起動するより前にゴーレムの動きがわずかだけ速かった。
 ウォールゴーレムはブリッツにぶつかり石化させ己の中に取り込んでしまった。
(くっそ……しょうがねぇ、こうなりゃベリルをぶん殴るプランBに変更だ)
 取り込まれた黒豹は次に来るであろうベリルを殴るための作戦を思案し始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

わー!わー!来ないでくださーい!!!
と【ウィザード・ミサイル】を必死に飛ばしつつ逃げています…!
このままじゃ追いつかれ…ひゃわ!?転んでしまって…ひっ!?壁が目前…足が…脚も…身体が…手も腕も…頭も壁に呑みこまれて…!?
やだやだ!こんな最期迎えたくないのですよー!誰か…だれ…か…たす…け…
(泣き叫び無様な姿を晒したまま生きたレリーフの石像へと化す)

…と、あからさまに襲われる側ですが、これは一種の作戦!
わざと取り込まれてボスが来たら重い一撃を浴びせるのですよっ!
石化にはわざと負けますが、快楽には絶対負けませんっ!!
取り込まれてからが本番…なのですっ!



●これは作戦
「わー!わー!来ないでくださーい!!!」
 ウィザード・ミサイルを何発も撃ち込み悪魔のゴーレムから逃げようとするテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)。
 ウィザード・ミサイルのほとんどはゴーレムにぶつかるも、弱点を狙っていないため動きをわずかだけ止めることしかできない。
 このままでは追い付かれてしまうと焦るテフラ。とうとう、足がもつれてしまい転んでしまう。
「あいたたた……あっ、嘘……」
 転び、閉じてしまった目を開けるとそこには壁。
 急いで体を引きずるがその動きは壁よりも、遅い。
 壁がテフラの足を取り込む、そのまま脚を、次は身体を。手も腕も取り込み、最後には……。
「やだやだ!こんな最期迎えたくないのですよー!誰か…だれ…か…たす…け…」
 声はどこにも届かず、テフラは泣き叫び無様な姿を晒したまま生きたレリーフの石像へと化した。

 ……というのは全て計算済み。あからさまに襲われる側になっているが、これは一種の作戦。
 わざとゴーレムに取り込まれボスが来たら重い一撃を浴びせるための準備。
 石化にはわざと負けるが、快楽には絶対に負けない。
 取り込まれてからが、本番だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

桐府田・丈華
【心情】
「変態な狼吸血鬼って事…だよね
なんか怖いなぁ…」
なんて思いつつ依頼に臨みます
【戦闘】
「壁だよね 壁なら直ぐ倒しちゃうんだから!」
ウォールゴーレムを発見したら戦闘開始!
メインで使うユーベルコードはバトルキャラクターズ
キャラクターズたちと他の猟兵さんたちと連携して戦います
一気に追い詰めようとして隙が生まれたり、他の猟兵さんを庇ったりしてウォールゴーレムに一撃を喰らってしまい
必死に抵抗してもがくもその壁に一部になってしまったり
ベリルのお楽しみの相手になってしまうかも


中條・竜矢
人を壁に閉じ込めた上で、か。全く迷惑な上に厄介な集まりだな。
石にして興奮するのは理解できないが、そうやって動きを奪うのは気に入らない。仕留める。

あの体に浮かんでいるのも壁の犠牲者か。手遅れかもしれないが、せめて悪魔の頭だけを狙う。助かるかもしれないからな。
体当たりされそうになったらジャンプして空中に上がることで回避してそのまま悪魔の頭の部分をユーベルコードで攻撃する。空中にとどまってもこちらを狙ってこないだろうからダメージを与える度に着地してあえて狙わせる。
宙に上がる体力が尽きるより先に相手が倒れることを信じて繰り返すしかないな。
【アドリブ、アレンジOK】



●多勢に無勢
「変態な狼吸血鬼って事……だよね。なんか怖いなぁ……」
 桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)は聞いておいたボスの特徴を思い出す。
 隣で同じように思い出していた中條・竜矢(変化する竜騎士・f03331)も同意する。
「人を壁に閉じ込めた上で、か。全く迷惑な上に厄介な集まりだな」
 石にして興奮するのには理解はできないが、そうやって動きを奪うのは気に入らない。
 丈華はバトルキャラクターズを召喚し、竜矢と即席の連携を行いはじめる。
 キャラクターズは忍者や戦士、魔法使いなど。その数、58体。
 丈華と竜矢の二人を足してちょうど60。数の上では有利になりウォールゴーレム達に仕掛ける。
 ゴーレムの体当たりを竜矢はジャンプしてかわし、キャラクターズと共に頭部の弱点へと攻撃を叩き込む。
 二人の連携はうまくいったかに見えた。

「危ない!」
 その時、丈華が思わず竜矢を突き飛ばした。竜矢の着地の隙を狙おうとしたゴーレムに気づいたのだ。
 遅れて竜矢が気づくも時遅し。丈華はゴーレムに取り込まれてしまった。丈華が召喚したキャラクターズも使用者が行動不能になってしまったからだろう、一体また一体と消えてしまう。
 数の有利が逆転してしまった。
「くそっ!」
 悪態をつき丈華を取り込んだゴーレムにユーベルコードを打ち込もうとするも、他のゴーレム達が竜矢を取り込もうと動き、それが結果的に庇う形になり狙う対象に届かない。
 ゴーレムの攻撃を避けようと何度もジャンプし弱点へ攻撃する竜矢だが、数の差はどうしても埋まらない。何度も跳び上がりすぎて流石に息が上がりはじめた。
 上がった息を整えるために一瞬、動きが遅れてしまう。その一瞬が命取りとなった。
 背後から迫る壁に気づくのが遅れた。
「ぐっ、しまっ……!」
 せめてわずかでも跳び上がろうとするも間に合わず、声を出せたのはほんの一瞬。竜矢もまたウォールゴーレムに取り込まれてしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ルク・フッシー
美味しくいただくって、何されちゃうんですか?石のまま噛み砕かれて、食べられるんですか!?ひえ〜…

えええ、石版に浮き出てるのは、捕まった人ですか…!?な、なんてひどいことを!

えっと、とにかく弱点らしき悪魔の頭に塗料の弾丸を集中させて…くっ、思ったよりかなり硬い…!しかもじりじりと迫ってきて…

一旦下がるしか…え、いつの間にか後ろに石版が…あっ(石化)

(ふ、不覚です…目の前の石版に気を取られて、後ろがおろそかになってたなんて…ああ、もう涙も出ません…
こ、これじゃ全然動けない…!せめて人狼のオブリビオンが現れる前に、少しでも魔力を溜めないと…)



●勘違い?
「美味しくいただくって、何されちゃうんですか?ま、まさか石のまま噛み砕かれて、食べられるんですか!?ひえ〜……」
 ルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)は少し勘違いをしていた。そういう意味だったらある意味でよかったかもしれないがあえて言わない。
 怯えているルクに気づいたのかウォールゴーレム達が彼に向ってくる。
「えええ、石版に浮き出てるのは、捕まった人ですか……!?な、なんてひどいことを!」
 ゴーレムの石板部分に浮かぶ人の石像を見てさらにルクは怯える。
 このままでは自分も取り込まれて、石になったままかみ砕かれて食べられてしまうかもしれない。
 そんな恐怖を覚えたルクはゴーレムの頭に集中して染料の弾丸を撃ち込む。
 だが、威力が足りないのか破壊までには及ばない。
 じりじりと近づいてくる壁に焦り、一度後退しようとふり返る。
「え、うそ、せきば……」
 前ばかりに集中していたからか、後ろから来たゴーレムに気づけなかったルクは取り込まれ石化してしまった。
(ふ、不覚です……目の前の石版に気を取られて、後ろがおろそかになってたなんて……ああ、もう涙も出ません……。こ、これじゃ全然動けない……!せめて人狼のオブリビオンが現れる前に、少しでも魔力を溜めないと……)
 動けないなりになんとか魔力を溜めようともがくルクだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーク・アルカード
【心情】
なんだか怖くて嫌な匂いがする……。
ずっと前にいた場所みたいな。

……でも、お仕事だから頑張らないと。
※マフラーに顔を埋めて「勇気」を貰います。

【戦闘】
えっと、捕まった方が油断させられる?
すぐに脱出できるように動ける隙間を作りながら捕まろうかな。
※マフラーは汚れないように懐にしまってから捕まります。

ちょっとの間だけでも動けなくなるのって何だか嫌だな。
いつものお仕事なのに……落ち着かないや。



●子狼の予感
「なんだろ……なんだか怖くて嫌な匂いがする……」
 ルーク・アルカード(小さな狩人・f06946)は言いようのない予感を感じていた。
 ずっと前にいた場所みたいな怖くて嫌な匂い。
「……でも、お仕事だから頑張らないと」
 マフラーに顔を埋め、すぅと息を吸う。顔を離し、巻いたマフラーをほどき汚れないよう懐にしまう。
 ゴゴゴと最後のウォールゴーレムがルークを捉える。
(えっと、わざと捕まってもいいんだっけ……そのほうが油断させられる?)
 だったら、ここで体力を消耗してもしょうがないかも。
 そう判断したルークは自分からゴーレムへと近づく。
 すぐに脱出できるように動ける隙間を作りながらゴーレムに捕まる。
(ちょっとの間だけでも動けなくなるのって何だか嫌だな。いつものお仕事なのに……落ち着かないや)
 落ち着かない理由は石化になるだけではないかもしれない。
 だが少なくてこの段階では。ルーク本人も、気づかなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ベリル・アルカード』

POW   :    ラストクレスト
【魔眼で見つめた相手に淫紋を転写し、そこ】から【超強力な魅了と発情効果】を放ち、【経験したことがない快楽】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    ダーティーランペイジ
自身の【体液】を代償に、【作成した蝙蝠や蛇などの使い魔】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【超強力な催淫効果のある毒液など】で戦う。
WIZ   :    幸災楽禍の狂宴
【他人の不幸に愉悦を感じる性格】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【襲いかかる不運な出来事】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ルーク・アルカードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●好色な獣
 ベリル・アルカードは撒いた餌を『回収』しに悠々とやって来た。
「……数は減ってるが、まあいい。何匹釣れたか……ん?」
 そして気づく。撒いた餌に『敵』が食いついていることを。
「くくっ、はははッ!俺様に一矢報いようってか!?」
 『敵』の考えていることは解らない。が、だからどうした?叩き潰し喰えばいいだけ。

「さぁ、俺様を愉しませてみせろ!!」
中條・竜矢
【POW判定】
ぐっ……ううう、捕まってしまうとは。だが終わってたまるか。どうにか隙を突いて。

(相手のユーベルコードを受けるが隙を見つけてユーベルコードで反撃する)
このままこれで……!(鎖を振り回して相手を地面にたたきつけることでダメージを増やそうとする)
う、あっあああっ……(鎖を切って距離を取ろうとするが、切る前に湧き上がる熱さに耐えきれなくなり、体の力が抜ける)
や、やめ、はあっ……うあっ
(逆に鎖を引っ張られ引き寄せられる。魅了の影響も合わさり、耐えようとするも相手に好き放題されてしまう)

【アドリブ、絡みOK】



●最初の犠牲者
「さて、まずはどいつから頂くか……」
 敬うように鎮座されているウォールゴーレムを品定めするベリルは一体のゴーレムに目を向ける。
(ぐっ……ううう、捕まってしまうとは。だが終わってたまるか。どうにか隙を突いて)
 そこに取り込まれていたのは竜矢だった。
「まずはお前だ」
 そう言って、竜矢を捕らえていたゴーレムの頭部を壊すと同時に竜矢に魔眼を向ける。
 竜矢の体に淫紋が転写されるがなんとか隙を見つけ、ドラゴニアン・チェインをぶつける。
「ほう?」
 片腕に鎖をつけられたベリルはそのまま空中へ。そして、地面に叩きつけられる。
 派手な土煙がたち繋げた距離をとるため鎖を切ろうとした竜矢はしかし、身体の底から沸き上がる熱情に耐えきれず声をあげる。
「う、あっあああっ……」
 欲が、身体中に駆けめぐる。体の力が入らない。
 立っていられなくなった竜矢の体を繋げたままの鎖が無理やり立たせる。
 引っ張られた先には、嗜虐的な笑みを浮かべた吸血鬼。
「ヤンチャなガキだなぁ?躾が必要だな」
「や、やめ、はあっ……うあっ」
 至近距離で見つめられ、身体をまさぐられドラゴニアンの口から嬌声が漏れ始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルク・フッシー
ううう、オブリビオンが来ちゃいました…くうう、
な、何を…あっ…!?(見つめられ石化したまま発情)

(石化してるせいで逃げることも発散することもできず、快楽責めに耐えるしかできない)

そ、そんな!動けない、のに、こんな事、されたら…ああっ!
ううう…なんて…なんてきもちいいんでしょう……
……いや…いやぁ!ボク、大好きな人だって、いるのに…こんな…こんな!

うおああああーっ!いっけえーっ!

(愛と怒りと魔力を爆発させ石化を破り、ありったけの魔力を流れ星に変えてオブリビオンにぶつける)



●犠牲者になりかけた
「ふー、悪くないメシだ。さて、次は……」
 『食事』をしたベリルは次の『餌』を見分し始める。
(ううう、オブリビオンが来ちゃいました……)
 次の対象として選ばれたのは、ルクだった。
 ルクを取り込んでいるゴーレムの頭部を破壊しようとし、その手を止める。
「さっきのも悪かねぇが、連続でこられるのも面倒だな……」
 ニヤリ、と吸血鬼は嗤い石化したままのルクを魔眼で見つめる。
(くうう、な、何を……あっ……!?)
 石化して動けないルクは直に魔眼を見つめかえしてしまう。

 石化しているはずなのに全身に熱が回ってくるのをルクは感じている。
 発散したい、動けない、見られている、動けない。
 ベリルは嗤いながら石化したままのルクの身体を弄る。
(そ、そんな!動けない、のに、こんな事、されたら……ああっ!)
 感触が、気持ち良い。いっそのこと、このまま……。
(……いや……いやぁ!ボク、大好きな人だって、いるのに……こんな……こんな!)
 ピシリとゴーレムに亀裂が入る。その音はベリルの耳にも入ったが些末なことと無視していた。
 それは、ある種の油断だった。
 やがてゴーレムが崩れさりルクの石化が解けた。
「なにっ!?」
「うおああああーっ!いっけえーっ!」
 まさか自力で石化を解除するとは思ってなかったのか、完全に油断していたベリルにありったけの魔力を流れ星に変えてぶつける。

「チッ……!」
 舌打ちしたベリルは流星で傷ついた身体から出る血を蛇の使い魔に変え、ルクに巻きつかせる。
「テメェは、後でたっぷり躾けてやる!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
きやがった…トンデモ系デジャヴ野郎…
先手を打たれるのはプランBに折り込み済。
催淫毒が回りきって理性がトブまで派手に暴れ狂ってやる、それがプランB―――バーサーカーのBだッ!

蝙蝠や蛇に噛まれようが催淫毒を注入されようが知ったこっちゃねえ!
俺は!!トンデモ系デジャヴ野郎を!!!ぶん殴る!!!!

おっと、使い魔任せで距離を離そうなんてやめた方がいいぜ!
プランBの俺は…服代なんて出費を気にしねえからな!
吠えろ『疾風神雷(シュトルムブリッツ)』!服ごと!!使い魔ごと!!!風雷で焼き尽くす!!!!


…あ、クソ。流石にそろそろ我慢の限界が来た…か…
別な意味でバーサク…しそう…だ…っ…



●第二の犠牲者
(きやがった……トンデモ系デジャヴ野郎……)
 石になっているブリッツはベリルが近づくのを今か今かと待ち構えている。
 先手を取られるのはプランBに折り込み済。
 石化が解けたと同時にベリルの顔面に殴りかかる。
「おっと……!」
 頬に掠めてわずかに血が滲む。その血で使い魔を作成しブリッツに襲わせ、自分は距離を取ろうと後ろに下がろうとする。
 だが、ブリッツはその行動も読んでいた。
 使い魔の蝙蝠や蛇に噛みつかれ催淫毒が注入されるも構わない。
 トンデモ系デジャヴ野郎をぶん殴る。
「吠えろ『疾風神雷(シュトルムブリッツ)』!」 
 服ごと、使い魔ごと、ベリルを風雷で焼き尽くす。服代という出費?気にしない。
 それがブリッツが取ったプランB―バーサーカー―だ。
 

「……あ、クソ。流石にそろそろ我慢の限界が来た……か……」
 疾風の動きで使い魔ごとダメージを与えることは出来た。身にまとっていた服も水着以外燃え尽きた。
 しかし、すでに身体に流し込まれた毒は消し去ることは出来ていなかった。
(別な意味でバーサク……しそう……だ……っ……)
「ハッ、ようやくまわってきたか!」
 催淫毒が身体にまわるのは予想していた。だが、自分が思っているより早くまわりきっている。
(まさか……)
 視認した相手に不運な出来事を強制的に起こす、他人の不幸で愉悦を感じる性格。
(弱く聞こえるかもしれないけど、そこはオブリビオンなんで。運命を相当ねじ曲げるっすよ~)
 グリモア猟兵が言っていた台詞を思い出す。
「暴れた分、たっぷりと喰わせてもらうぜ?」
「クッソが……あ……くぅ……」
 吸血鬼の手が黒豹の腰に、唯一残っていた水着にのびた。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
事前情報を甘く見てました。思った以上に道徳上よろしくないオブリビオンのようで。
……正直そういうのって見るほうが恥ずかしいというか、非道い目に遭う側の方が考える余裕が無い分気楽というか。
あぁもう!そんなことを言っても埒が明かないので、捕まった方々が脱出や反撃できる隙を作るよう頑張りましょう。

刃物を持ち合わせていないので、ペンを掌に突き刺して激痛と血液を壁に喰わせた触手どもに与えます。快楽に取り込まれても構わないけれど敵と戦うのに邪魔になるなら食べてしまえ。
近づけるのなら「零距離射撃」を狙う。

【心を喰らう触手の群れ】ども、あなたたちも邪神の眷属なら異界の鬼くらい圧倒してみせなさい。

色々お任せします



●女もいけました??
 おそらく唯一といっていい石化の被害を免れた遥は、ベリルと対峙する。
 グリモア猟兵からの事前情報である程度はわかってはいたつもりだったが、どうやら認識は甘かったようだ。
 ベリル・アルカードは想像以上に道徳上よろしくないオブリビオンだった。
「……正直そういうのって見るほうが恥ずかしいというか、非道い目に遭う側の方が考える余裕が無い分気楽というか。あぁ、もう!」
 言っても埒が明かないので、まだ石化している他の猟兵がどうにかできる時間を稼ぐ意味でも戦闘をはじめる。
 刃物を用意していない遥はペンを自分の掌に突き刺し、激痛とそこから溢れる血液をゴーレムに取り込ませていた触手たちに叩きつける。
「【心を喰らう触手の群れ】ども、あなたたちも邪神の眷属なら異界の鬼くらい圧倒してみせなさい」
 痛みという感情と血を喰らった触手たちは無理矢理石化を解き、異界の鬼―吸血鬼を喰らおうと襲いかかる。
 向かってくる触手にベリルは『体液』で使い魔を作成し防御と撃破に回し、自身は遥へと近付く。
「女もたまには喰わねぇとなぁ?」

 ぐいと遥の身体を引寄せたベリルはそのまま乱暴に口づけする。
「んむぅ!?」
 口をふさがれ舌をねじ込まれる。拳で背中を強く叩くがベリルは気にせず舌をより深くねじ込む。
「ッ!?」
 ぴくりとベリルの目が見開き、口を離し遥を突き飛ばす。
 ベリルの口の端からわずかに血を垂らす。
 快楽すらも触手に喰わせた遥はねじ込んだベリルの舌に噛みついたのだ。
「おもしれぇ……!ますます喰いたくなってきたぜ」
 嗜虐的な笑みが吸血鬼の顔に浮かんだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

石化されている間は我慢…我慢なのですっ!
相手から解除して攻めて来たら何とか耐えて【癒しの鳴き声】で自身の石化を解除!
お返しに【石化ポーション】で石化し返してやるのです!!

それでもダメであれば【蝋シャンパン】で自分ごと巻き込んでやるのですよっ!!


桐府田・丈華
【心情】捕まっちゃうなんてちょっと情けなかったかな…
でも敵に接近出来るならチャンスって事だよね!
【戦闘】
一撃はなんとか耐えて一気に勝負に
バトルキャラクターを召喚して戦闘開始!
敵の淫紋に苦しめられたり、初めて味わう感覚に戸惑ったり
そこをベリルを愉しませてしまったり
執拗な攻撃に屈しそうになったりしてしまうかも
他の猟兵さんと連携して戦います
(他の猟兵さんと絡み、アドリブOKです


ルーク・アルカード
※セリフと行動のアドリブ歓迎です。

【心情】
あう……。怖い声と匂いがする……。
また痛いのやられるのやだな……。

※懐にいれていたマフラーがはらりと零れるのを見て、『勇気』を出して刀を握りしめ飛び出します。

【戦闘】
マフラーを巻いて一心、戦闘開始。
まずは武器に『吸血』させて『武器改造』、大量に切り結ぶだろうから刀身の厚さと鋭さをマシマシ。
攻撃は『野生の勘』や危ないのを『第六感』で感じたのを避ける。

痛いのも怖いのも我慢して、最後に『捨て身の一撃』で攻撃。

※たくさんの使い魔との戦闘で傷つきながらも反撃するの希望です。
※できればトドメを刺したいです。



●石、猫、蝋
(石化されている間は我慢……我慢なのですっ!)
 テフラは動けない身体でベリルを待つ。
 石化を解除されて淫紋をつけられるのか、石化されたまま快楽を送りつけられるのか。
 ベリルは魔眼でテフラを見つめながら、ゴーレムの頭部を破壊する。
(きたぁ……!)
 顔の部分から解除が速かったのだろう。テフラはチャンスとばかりにユーベルコードを使う。

「にゃ~ん♪」

 突然の猫の声真似で戦闘の場の空気が一瞬止まる。
 もちろんテフラはただ猫の声真似を唐突にしようと思ったわけではない。
 テフラが使ったユーベルコード『癒しの鳴き声』は猫の鳴き声を聞きそれに共感したもの全てを治療する能力だ。
 治療とはつまり、石化も淫欲も解除される。
 石化がいち早く解除されたテフラは、石化されたお返しにと所持していた石化ポーションをベリルに向かって投げつける。
「おっとぉ……!」
 一度下がり、石化ポーションを蝙蝠の使い魔で防ぎ石化された使い魔は蛇の使い魔で壊していく。
「くぅ~!だったらこれでどうですか!」
 石化返しを防がれたテフラは、それならとシャンパンを振りながらベリルに特攻する。
「なんだ、酔わせるってか!」
「残念ながら違います!ボクもろとも蝋人形に……!」
 なっちゃえ、と最後まで言うことはできなかった。
 テフラの持っていたシャンパンが暴発し、テフラにだけ蝋が被ってしまったのだ。
 至近距離にいた相手にまったくかからずに全部自分だけかぶるなんて偶然は普通ありえない。
「くくく……!自分から動かなくなるなんてなぁ?」
 とんでもない不運だよなぁ?
 相手の不運を喜ぶベリルの性格が一枚上手だったのだ。
 蝋人形になったテフラにはもう興味を失ったのか残りの猟兵に眼を向ける。

●恐怖
 そこにはテフラのユーベルコードで石化を解除された丈華とルークの姿があった。
(あう……。怖い声と匂いがする……)
 ベリルを直視したルークは固まり、尻尾も下を向いてしまっている。ベリルもルークを見、そして気づく。
「お前……そうか、お前か!くははっこれはいい!」
 お前はまだ躾てなかったもんなぁ?
 ベリルの嗜虐的な笑みになお身体を縮めるルーク。
 それを見た丈華はルークの前に出る。
「戦えないなら逃げたほうがいいよ」
「え……?」
 丈華は視線をベリルに向けたまま、ルークに話しかける。
「たぶんだけど、宿敵……みたいなものなんでしょ?怖いのも当然だよ」
 バトルキャラクターズを召喚しバトルキャラクターを合体させ額の数を増やす。
「ボクが時間を稼ぐからキミは逃げて」
「あ……」
 ルークの返事を待たずに丈華はバトルキャラクターと共にベリルに向かう。

 向かってきた丈華にベリルは呆れたように嗤う。
「なんだ、ナイト気取りかぁ?甘ぇんだよ!」
 ベリルの出した使い魔が丈華とバトルキャラクターに噛み付く。
「くっ……」
 注入される催淫毒にうわずった声をあげ、動きが止まる丈華。
 そこにベリルは魔眼で見つめ淫紋を転写させより淫欲を巡らせようとする。
「は、あ……う……」
 力が抜け座り込む丈華。まだ短い人生の中で感じたことのない快楽が彼女の身体に駆けめぐる。
 バトルキャラクター達が一生懸命に攻撃するが、その攻撃は使い魔に防がれベリル本人には届かない。
 ベリルは悠々と丈華へと近づき、彼女の顔をあげさせる。
「気持ちいいよなぁ?」
「あ……う……」
 このままこの快楽に身を任せようか。そんな考えが丈華の脳裏によぎる。
 だが、そんなことはさせないとバトルキャラクターがベリルに突撃する。
 舌打ちし、蛇使い魔でバトルキャラクターごと丈華を縛りつける。
「テメェも、後回しだ。今は……」
 視線をルークへ、自分の元から離れた子狼へと、己の欲を満たそうと嗤う。
「お前だ……!」

●因縁
 狼吸血鬼はルークへとゆっくりと近づく。
(また痛いのやられるのやだな……)
 痛いのは嫌だ、怖いのも嫌だ。でも……。
 懐にいれていたマフラーがはらりと零れ落ちる。
「あ……」
 地面に落ちたそれを見て、ベリルも足を止める。
「……なんだ、そのボロきれは?」
(ボロきれ……?)
「っ!ボロきれじゃ、ない……!」
 邪魔なものとして踏みつけようとしたベリルからマフラーを取り戻し、首に巻き、ベリルをまっすぐ見る。
「……なんだ、その眼は」
 反抗的な目、倒すという決心の目。
「主に向かってその眼はなんだ!!!」
「……!」
 ベリルの恫喝に怯まずに血晶刀・金盞華に自分の血を吸わせ、刀身の厚さと鋭さを自分が思える最大限に強くさせる。

「あぁ、そうか!だったら、心まで壊してヤるよ!!」
 ベリルは己が出した『体液』で使い魔を大量に召喚しルークに差し向ける。
 ルークもまた、ベリルへと駆け出す。
 正面にくる蛇を真っ二つに断ち切り、右からくる蝙蝠を避け、左からくる蝙蝠を横に薙ぐ。
 それでもかわしきれなかった、致命傷を避けるために犠牲にした身体の一部に使い魔たちが噛みつき毒を流し込む。
 痛みとその一瞬後から感じる快楽に顔をしかめる。だけど、我慢する。
 自分が討たないと。この吸血鬼は自身の快楽のためだけに多くの不幸をまき散らす。
 使い魔の数が減り、ベリルへの通り道が僅かにできた。

 ルークはその道に飛び込む。
 ベリルが己の身を守ろうと構えるが遅い。
 ルークの刀はベリルの胸、心臓へと突き刺さった。
「カッ……!てめ、ぇ……!」
 肩で息を吸うルークにベリルの腕がのびる。
「ただじゃ……、消えねぇ……!テメェ、だけは……俺様が、しつけて……やる……!」
 どこにその力が残っていたのか、ベリルはルークの顔を無理矢理上げさせると、その口を奪った。
「……っ!んん……!」
 暴れるルークを抑え込み、舌をねじ込み絡ませ、互いの粘液を混ぜ込ませる。
 執着的な接吻はほんの少しの時間だけだった。
 口を離し、銀の糸が切れるとベリルは嗤った。
「これで、テメェは、俺様の……!」
 最後まで言い切れず、ベリル・アルカードは消滅した。

「……僕は、おじさんの、ものじゃない」
 ベリル消滅後、ルークは乱暴に口元を拭った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ファンタジー獅子舞』

POW   :    魔獣を追い払う

SPD   :    すばやく駆けつけ村人を救う

WIZ   :    罠を仕掛けたりして村に辿り着けなくする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●祭事
 ペグとロープで囲い、かがり火を焚いた簡易的な広場に『魔物』が一匹、躍り出た。
 全身を闇で覆ったような真っ黒なその姿は、獅子とも狼とも龍ともとれる。
 『魔物』は己を見ている人類に向かって大きく吼え、広場の中を練り歩く。

●少し前
「皆さんお疲れ様っすよ~」
 周囲の安全が取れたので、充嘉がテレポートで送った猟兵たちに労いの言葉を送っていた。
「さて皆さん、お疲れのところ申し訳ないっすが、最後にもう一仕事だけお願いしたいっす」
 人類砦のこれからの門手を祝うために獅子舞をしないかと。
 この世界は、まだオブリビオンの脅威から脱したわけではない。
 たまたま予知ができただけで、他の人類砦は無事ではないかもしれない。
「明日への希望とか、気晴らしとか。そういうのが必要だと思うんすよ」
 それは、気休めにしかならないかもしれないけれど。
「だけど、ほんのちょっとでも人々が笑えるなら」

 それは嬉しいことだろう。


 充嘉が『魔物』役として広場を練り歩いています。
 参加者の皆さんはこの『魔物』を(殺さない程度に)退治してください。
 ユーベルコードの使用もOKです。
 本物の魔物は来ないので、そこはご安心ください。
ルク・フッシー
えっとー、魔物役の充嘉さんを退治すればいいんですねー

そう言えば充嘉さん、できれば自分がオブリビオンと戦いたかった、とおっしゃっていたような…
せっかくですから、似た攻撃をしてみましょう

いきますよー、それーっ
絵筆を振るい、充嘉さんの全身に石のような灰色塗料を浴びせます

ボクのUC【彫像塗装】は塗った相手をカチコチに固めます。
硬くするだけで傷つける事はないので安心です

石版のオブリビオンを真似てみましたが、充嘉さん、これで満足でしょうか?(悪気なし)
感想を聞けるのは、動けるようになってからでしょうけどね〜

(固まってる間の充嘉さんの心の声や感想も執筆お願いします)



●初手石化
 最初に『魔物』――充嘉へと向かったのはルクだ。
 殺さない程度に攻撃していいと聞いているが、さてどうしようか。
 ふと、グリモアベースで充嘉がこぼしていた台詞を思い出す。

 ――できれば俺自身行きたかったっすよ。

(充嘉さん、オブリビオンと戦いたがってたみたいですし……せっかくなら似た攻撃で。それならこれかな?)
「それじゃーいきますよー、それーっ!」
 と絵筆をふるい充嘉に染料をぶちまけるルク。ぐあおと叫びながら付いた染料を落とそうと体を揺らそうとした瞬間、充嘉の体はカチコチの石像になった。
(あれっ!?)
 予想してなかったのか石像になっていた充嘉は内心驚いていた。
 とことこと近づいたルクが耳元でひそひそとささやいた。
「石板のオブリビオンを真似てみましたが、充嘉さん、これで満足でしょうか?」
 あとで感想を教えてくださいねと。悪気のない全く純粋な言葉に充嘉の心がちょっぴり傷ついた。
(会いたかったのはこっちじゃなくてベリルのほうでかなり下心あったんすけどさすがに言えない……!あぁ、でも……)
 動きたくても動けないもどかしさ。敵が来るかもしれないスリルさ。実は残っている身体の感覚。
(これはこれでいいかもしれない……!)
 充嘉の心の中のストックが一つ増えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

春霞・遙
強い敵でしたね。倒せて良かった……本当に、良かった。
情けないな。私も強くならないと……。

気持ちを切り替えてお祭りに興じましょう。
【葬送花】で花吹雪の演出をして木の杖を手に殺陣を演じます。
「なぎ払い」や「吹き飛ばし」や「気絶攻撃」の「パフォーマンス」をしようと思います。

近接戦闘は得意じゃないんです。当たったらごめんなさい。



●殺陣
 遥は口をゆすぎながら今回の一連の戦闘を思い返す。
 ゴーレム相手には油断はなかった。吸血鬼相手にも、なかったはず。
 強敵だったが倒せてよかった。それはうれしい。
 だけれど、どこか半分ほど負けていた自分がいる。
 情けないなぁ、私も強くならないと……。
 口をゆすぎ切り、ふうとため息。両頬を軽くたたく。
 気持ち、切り替えよう。

「風に舞う薄紅の嬰児よ惑う命の導きと成れ」
 木の杖を『魔物』、充嘉に向け【葬送花】で花吹雪を舞わせる。
 常に薄暗いダークセイヴァーの世界で舞う花吹雪はどこか幻想的で非日常的だった。
 花吹雪を杖で指揮するように動かし、充嘉もその動きにならう。
 なぎ払うように動かせば、ぎりぎりぶつからないところでくらったように動き。
 吹き飛ばすように突き動かせば、後ろに向かいながら大げさ気味にバク転する。
 そろそろ自分の番は終わりにしようと、杖を充嘉に当てるふりをしようとしたところで、つい距離を見誤ってしまい、充嘉の額にぶつけてしまうというトラブルが起こってしまったが、それもまた『パフォーマンス』に見えたようだ。
 砦にいる人々は楽しそうに笑っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
あー、クソ…アレに無理矢理"発散"させられたとはいえ、まだ微妙にきっついぜもう…!

こういう時は運動して残りの分を無理矢理にでも発散するしかねえな…!
そんな訳で悪いがちょっと付き合ってもらうぜ!
(ブリッツは蹴り主軸の格闘戦を仕掛けた!
 だが、調子が悪い&格闘戦と平行して電脳ゴーグル上で何か作業をしているせいで蹴りにキレがない)

よし、ULTを…ぶちかますぜ!
(蹴りから一転、殴打ラッシュのモーションを自分の身体で"再生"する。
 それと同時にショートメールを充嘉の端末に送信する。『後でちょっとつきあえ』…何かのお誘いである。 )



●すっきりしたい
(あー、クソ……アレに無理矢理"発散"させられたとはいえ、まだ微妙にきっついぜもう……!)
 砦に残っていた服を着用し頭をかくブリッツ。
 どうせ”発散”させられるなら最後まで出しきれと、もういない狼吸血鬼に悪態をつく。
 とにかく残ったものはしょうがない。
「そんな訳で悪いがちょっと付き合ってもらうぜ!」
 『魔物』退治に参加し無理矢理にでも発散させなければ。

 そんなわけでブリッツは格闘戦を『魔物』状態の充嘉に仕掛ける。
 足技を主体にしたその連撃はしかし、どうもキレがない。
(まだ調子が戻ってないんすかねぇ?)
 お願いをしておいてなんだが、休んでもよかったのに。
 ちょっと申し訳なさがたつ充嘉を知ってか知らずか、蹴りをやめ充嘉の懐へ入り込む。
「よし、ULTを……ぶちかますぜ!」
(やっべ……!)
 さっきまでのキレの悪さが一転し攻勢にでるブリッツにさすがにまずいと思ったのか、慌てて人に戻り両腕でガードする。
 突然、充嘉の耳元に発信音が鳴る。
(?なんすか)
 脳内で確認すると差出人は目の前にいるブリッツ。
 内容は短く。

『後でちょっとつきあえ』

 それはいわゆる『お誘い』であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ディルガス・ブルトガング
たまたま通りかかったけど、お祭りでもやってるのかい?
へぇ~獅子舞かぁ…楽しそうじゃん!
俺も混ぜてもらお~っと

…この魔物役の旦那、結構強そうに見えるんだけど?
それに、俺には分かる…強い生気の持ち主だ
魔物を退治するフリをしつつ、こっそり生気を頂いちゃおう

はぁ~~、生き返るぅ
…までは良かったんだけど、あまりに濃厚な生気の影響で色んな意味で体が元気になりすぎちゃってね
旦那がそれに気づいてしまったみたいで…?
あっ、これはその…違うんだって!
いや、違うというわけでも…アンタ、責任取ってくれよ!

その後、逆に屈強な魔物さんに責任を取らされてしまったとか
うん、確かに『魔物』だったね

〔アドリブ絡み濃厚接触歓迎!〕


中條・竜矢
【POW判定】
はあ……ひどい目にあった……(相手のユーベルコードの効果は切れたが、ベリルにされた「躾」の影響は抜けていない)
しかし、今は抑えるとして……祭りだな。よし。

正面から獅子舞とぶつかって派手にいこう。
ドラゴンランスで獅子舞のペースと合うように構えては攻撃を裁く動きを繰り返し、隙を突いてユーベルコードで派手に吹き飛ばす。
威力は控えめで爆発の派手さ重視だ。

その後は、うん、おとなしくしていよう。体は熱いが……トラブルになるといけないからな(その後本当にトラブルがなかったかは不明)
(アドリブ、絡み歓迎)



●飛入り参加
 たまたま別件でダークセイヴァーの世界に来ていたディルガス・ブルトガング(呪鎧の黒騎士・f17021)は活気のある一角を偶然見かける。
「お祭りでもやっているのかい?」
「この砦を守ってくださった方達が、獅子舞?というのを見せているんですよ」
「へぇ〜獅子舞かぁ……楽しそうじゃん!」
 俺も混ぜてもらお〜っと。

●二対一の演武その一
「はあ……ひどい目にあった……」
 竜矢はため息をつきながら熱くなった額を触る。ベリルが使ったユーベルコードの効果はもう消えているが、その後にされた『躾』の影響はまだ抜けていない。
 ……思い出すと、身体の奥底がまた熱くなってくる。
 頭を振り、どうにか抑えこむ。今は祭りだ。そちらに集中しなくては。

 広場の方へ向かうと見知らぬ人物が準備運動をしていた。
 軽く自己紹介をしあう竜矢とディルガスの二人。
「よろしく」
「こちらこそ。でも、二人がかりでも大丈夫かな?楽しそうでつい参加しちゃったけど」
「まぁ、大丈夫じゃないか?充嘉さんも特になにも言ってこないようだし」
 言って『魔物』に变化している充嘉を見ると、大丈夫と言うように龍の尾をくねらせていた。
 それならばとドラゴンランスを構え、正面から充嘉へとぶつかりにいく竜矢。
 ディルガスは横に回り込み戦闘の隙を伺う。
 充嘉が振り下ろす爪を竜矢はランスで捌いて、隙を見つけランスを突きだす。
 突き出したランスは影龍の翼に軽くあたり、派手な爆発が起こる。
 威力はかなり控えているようだが、爆発の派手さで怯んだ充嘉に今度はディルカスが前に出る。

(……この魔物役の旦那、結構強そうに見えるんだけど?それに、俺には分かる……強い生気の持ち主だ)
 魔物退治のフリをしつつ、充嘉からその溢れる生気をちょっとばかり頂きたい。
 そんな下心を混ぜながら充嘉の懐に入り込み腕をつきだす。
 はたから見ると魔物にボディブローをくり出しているように。その実、当たる瞬間に力を抜いて軽く接触するように。
 とんと当たった腕から生気をもらうディルガス。
(はぁ~~、生き返るぅ……)
 予想通り、充嘉の生気は濃厚で。あまりの濃厚さで身体のいろんなところが元気になりすぎたのは、少し予想外だった。
 ぐるぅ?と唸った充嘉はどうやら気づいたようで。
(やっべぇ、旦那に気づかれた)
「……アンタ、責任取ってくれよ!」
 ニヤリと、人に見えない位置で充嘉が笑った。

●祭事終了後
 少し時間を早め、先に祭事が終わった後の話し。
 広場から少し離れた場所でおとなしく座り込んでいた竜矢に充嘉は声をかけた。
「あ、竜矢くんここにいたっすか」
「充嘉さん。えっと……なんです?」
 なぜか充嘉の龍の尻尾に引っ付いているディルガスにはあえて触れず、聞いてみる。
「んー?この後空いてるなら一緒に『スッキリ』しよっかなーって」
「えっと、それって……」
 おそらく『そういう意味のスッキリ』なのだろう。
「ちなみに、他に誰が……?」
「先にブリッツから誘われていたし、ディルガスくんもオッケーなんで俺含め三人っすね」
 つまり竜矢も入れると四人になる。
 顔を赤らめる竜矢ににやにやと笑う充嘉。そんな充嘉の尻尾に抱きついているディルガス。

 身体の熱が残る竜矢は誘いに乗ったのか、そして四人がどんな『スッキリ』をしたのかは、四人だけの秘密だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルーク・アルカード
※アドリブ等々歓迎。
WIZで判定。

【心情】
ん……ちょっと疲れちゃった。
すこし休んでから残りのお仕事しよ。

【行動】
トリック&トリートボックスで罠いっぱいつくろ。
踏んだら縄に足が取られるやつや、木の杭が飛んでくるのとか。
いっぱいお仕事したからお腹空いちゃった。お菓子たべよ。
……村のみんなも食べる?
ちょっとならわけてもいい、よ。

ん、魔物さんだ。嚙まれたらかしこくなるんだっけ?
……ちがう?


桐府田・丈華
「魔獣退治だ!
退治しちゃうぞー!」
とみんなで楽しく魔獣をたいじします
主にスカイステッパーで
お遊びのような攻撃でみんな仲良く楽しみます
(ポチッとの猟兵さんとの連携OKです)



●二対一の演武その二
 時間を巻き戻し、最後の演武が執り行われる少し前。
 ほかの参加者の演武をルークは座って眺めていた。
(ちょっと疲れちゃったなぁ……)
 トリック&トリートボックスを開け、ゴソゴソと中を漁る。
 ロリポップキャンディーを取り出し口に入れる。
 甘い味が口の中に広がっていく。
 ふと目をやると、砦に住んでいる子供たちが物欲しそうにルークを見ている。正確にはルークというより、キャンディーのほうだが。
「……みんなも食べる?」
 ちょっとならわけても、いいよ。

 子供たちに一本ずつキャンディーをわけ、親であろう大人たちに感謝され、もどかしさを感じながらマフラーに顔をうずめるルーク。
 その横でちゃっかりキャンディーを貰っていた丈華。そんな彼女にルークは何とはなしに話しかける。
「獅子の魔物さんに噛まれたらかしこくなるんだっけ?」
「え、うーん……たぶん?」
 たしか、良くなりたい体の箇所に噛みついてもらうとその箇所がよくなるような。
「あ、でも……」
「でも?」
「良くなった後、ありがとうって感謝しないと、すごーく怒って、良くした体の部分を持っていっちゃうって聞いた気がする」
「え……こわい」
 何か別のものがまざっているような。どちらにしろ充嘉はそんなことはしない。

 他の参加者の演武が終わり、最後のトリを飾るのはルークと丈華の二人。
 なんだかんだ一人で相手をしていた充嘉だが、まだ元気はありそうだ。
「最後の魔物退治、だね……」
「よーし、退治しちゃうぞー!」
 もちろん二人は充嘉以上に元気だ。
 よいしょよいしょとルークがトリック&トリートボックスで罠を作り、そこに丈華がスカイステッパーでジャンプしながら充嘉を誘い込む。
 縄に足が取られた隙にえいえいと丈華が攻撃。罠から抜け出した充嘉が丈華に向かって突撃するも空中に逃げた彼女には届かず。別の罠を踏み、木の杭が飛び出す。
 ふらふらとした演技を取る充嘉を見て、ルークをそろそろ終わりかなと思い新しい罠を仕掛ける。
 横に立つ丈華に耳打ち。うなずく彼女はジャンプし充嘉の背中に乗る。
「充嘉さん、最後はあそこにある罠で終わりです」
 丈華の伝言に頷いた充嘉はルークが立つ場所へ走り出す。
 罠を踏み出す寸前に丈華は飛び降り、ルークも後ろに二、三歩下がる。
 踏んだ罠から連続して破裂音がし、『魔物』は苦しそうな声をあげ大きな音をたてながら倒れる。
 こうして『魔物』は退治され、観客から拍手が送られる。

 これでこの人類砦が安全になるかと言われたら、残念ながらそうはならない。
 だが少なくとも、明日に生きる希望を持つことはできただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月05日
宿敵 『ベリル・アルカード』 を撃破!


挿絵イラスト