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熱砂の饗宴

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●簒奪者
 二足歩行の獣が、大きな布袋を引きずって砂漠を歩く。
 己の拠点であるオアシスに到着すると、獣は袋を開いた。
 中身は、近くの集落を襲って奪ってきた、金貨や装飾品。
 鋭い爪を備えた手で、獣は袋の中を掬う。じゃら、と音が鳴った。
『……カネ』
 獣は、愛おしそうに、金銀財宝に頬ずりをする。
 その仕草は、獣がまだ人間であった頃の、残滓。
 放置しておけば、獣はまた集落を襲うことだろう。

●彼の依頼
「アックス&ウィザーズの砂漠地帯で、近隣の集落を襲い、金目のものを盗んで回っている魔物の存在が確認されたんだ。皆には、この魔物『呪飾獣カツィカ』の討伐を頼みたい」
 グリモア猟兵、宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、そう切り出した。
「場所は、砂漠地帯のオアシスだ。そこを、カツィカは拠点として占拠してるみたいでな。そこに乗り込んで、カツィカを倒してくれ」
 ただ、と彼は補足する。
「オアシスは涼しいだろうけど、周辺の砂漠地帯はかなり暑い。おまけに、炎の精霊がわんさか住み着いてるんだ……カツィカを守るみたいにな。炎の精霊との戦闘は避けられないぜ。めちゃくちゃ暑い中での戦いになると思うけど、しっかり炎の精霊をやっつけて、オアシスに突入するための活路を切り開いてくれ」
 つまり。まず、砂漠地帯での、炎の精霊との集団戦が行われる。次に、オアシスに乗り込み、呪飾獣カツィカを倒す……という流れだ。
「んで、さ」
 ここまで真面目な顔で話してきた拓未は、相好を崩した。
「終わったら、集落でパーッと宴会だ。羊のミルクから作ったバターにチーズ、果物にパン。酒にお茶も……あ、未成年はアルコール禁止だぜ。砂漠の住民の大盤振る舞い、全力で楽しんできてくれ!」


地斬理々亜
 地斬(ちきり)です。
 今回もよろしくお願い申し上げます。

●第1章
 砂漠地帯で、『炎の精霊』との集団戦。

●第2章
 オアシスで、『呪飾獣カツィカ』とのボス戦。

●第3章
 魔物を倒したお礼として、集落で、住民の大盤振る舞いを受ける。(宴会)

 このような流れとなります。

 なお、グリモア猟兵の拓未は、プレイングでお誘いがあった場合のみ、第3章に登場します。
(お誘いがなかった場合のリプレイ登場や、戦闘への加勢はできません)

 猟兵の皆さんのカッコいいバトルシーンと、ほっこり日常をしっかりと描かせていただきます。
 どうぞよろしくお願いします!
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第1章 集団戦 『炎の精霊』

POW   :    炎の身体
【燃え盛る身体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に炎の傷跡が刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    空駆け
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    火喰い
予め【炎や高熱を吸収する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佑・盾
オアシスに付く前に干上がっちゃうのは嫌だなぁ。
ふふーん、しかし装備を換装できるボクにとっては炎など既に敵ではないんだよ!
火には水、それは未来永劫変わることのない真理なんだよ!

【WIZ】で判定。
【BurstBinder】胸部に換装した【BurstFireEngineUnit】からの高圧水流での水の【属性攻撃】でダメージを与えるよ!
ユーベルコードで動きも止めて、ね。
【火炎耐性】もあるから一気に押し込んであげるよ!

ボクなら周囲にまき散らされた炎も消火できるから任せて!



 事前に聞いていた通り、砂漠は猛暑であった。
「オアシスに着く前に干上がっちゃうのは嫌だなぁ」
 赤い竜の尾を揺らし歩む、佑・盾(BurstBinder/JUNE・f11075)の、オレンジ色の前髪から汗が滴り落ちる。
 やがて、問題の、炎の精霊達がいるエリアに突入すると、さらに、むっと熱気が増した。
 だが、盾は、『ふふーん』と笑った。
「しかし、装備を換装できるボクにとっては、炎など既に敵ではないんだよ!」
 携行型固定砲台、アームドフォート『BurstBinder』。その胸部には、二門の放水銃『BurstFireEngineUnit』が換装されている。
 ロボットハンド達が、どこからか水を運んでくる。それは、放水銃へと充填された。準備は万端だ。
「火には水、それは未来永劫変わることのない真理なんだよ!」
 これから盾が放つのは、属性の相性を踏まえた攻撃。彼女は元気な笑顔を浮かべ、曇りのない空色の瞳で、炎の精霊達を見据えた。
「鎮圧するよ!」
 『BurstBinder/code:IMPULSE(バーストバインダー・コード・インパルス)』。盾の胸部の巨大な放水銃から、炎の精霊達目掛けて、高圧水流が放たれる。
 ジュウ――!!
 激しい音と共に、高温の蒸気が噴き上がった。
 もし接近して水で攻撃していたら、蒸気で火傷していたかもしれない。だが、幸いにして、盾は距離をとって放水している。
 精霊達の体温はみるみる冷却され、次々と活動を停止し、やがて消滅していく。
「どんどん行くよ! 一気に押し込んであげるよ!」
 盾は屈託なく笑って言った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジニア・ドグダラ
【WIZ】
砂漠という事は……しっかりとした足場はそこまで期待できないかもしれませんね。で、あるならば、私は隠れて周りの方の援護を行った方が良いと、愚考します。

自身は【存在感】を【目立たない】ように砂の中に体を潜めるようにして【地形を利用】しつつ、【高速詠唱】による素早い召喚を行います。

死霊騎士自体はあえて敵を【釣り】出すように【おびき寄せ】て密集させ、味方に攻撃させやすいようにします。
死霊蛇竜はその尾を砂面に盛大に振り上げ、相手に砂をかけてUCを使いづらくした後、砂霧の中から突撃すると見せかけて空中に飛びあがり、【だまし討ち】を仕掛け、各個撃破を狙っていきます。

※アドリブ・他者との協力歓迎


シル・ウィンディア
炎の精霊かぁ
確かに、あの子達、性格は結構過激だしね…
ま、まぁ、ここであったも何かの縁だし

…頭、冷やしてもらおっか(物理)

熱いからあんまり接敵したくないけど
【空中戦】【残像】【ダッシュ】と空中を使っての機動戦を行うね
攻撃は【属性攻撃】で氷を選択して、二刀流の光刃剣で【2回攻撃】を行うよ
攻撃には【フェイント】も使用して、撹乱しつつ攻撃だね

ヒット&アウェイで攻撃しては、離れてを繰り返して
敵の攻撃は【第六感】で察知して、【見切り】で回避を行うよ
被弾時は【オーラ防御】で軽減

【高速詠唱】と【全力魔法】で
エレメンタル・ファンタジアを使用するよ
具現する自然現象は、氷の嵐っ!
さぁ、頭冷してもらうよっ!



「炎の精霊かぁ。確かに、あの子達、性格は結構過激だしね……」
 精霊術士である、シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)がそう口にした。
 ……と。ざっく、ざっく、ざっく、と音が聞こえる。
 シルがそちらを見ると、大きな棺桶を背負った女性が、砂を掘っていた。ジニア・ドグダラ(朝焼けの背を追う者・f01191)である。
「え、えっと……何してるの?」
「足場は期待できないと判断し、隠れて援護を行った方が良いと愚考しました」
 ジニアはシルの問いに淡々と答え、穴を掘り続ける。
 やがて、棺桶ごとすっぽり入れる程度の大穴が砂漠にできた。
「それでは、入ります」
 穴に入り、ジニアは目立たないように自分の体に砂をかけてゆく。
 ジニアの姿は、砂山の中に埋もれた。
「……暑くないのかな?」
「…………」
 シルが思わず問うが、砂山から答えは返らない。砂が音を吸収していて、互いの声は聞こえないのだ。
 そうこうしている間に、こちらに気づいた炎の精霊達が、接近してくる。
「し、信じてるよっ!」
 シルは、ジニアが潜む砂山をそのままに、精霊達の方へ駆け出した。

 一方、砂山の中。
(「暑いです」)
 照りつける太陽をたっぷりと浴びた、砂。その中にジニアは埋もれている。
 まるで蒸し風呂である。灰色のフードがあっという間に汗みずくになり、額に貼りついていた。
(「とにかく、援護を」)
 砂の中で、ジニアは高速詠唱を始めた。

 残像を残しつつ、シルは駆けて跳躍。小さな体が空中を舞う。それと共に、短い銀のロッドから光刃を発現させ、シルは攻撃を繰り出した。
 氷の力を帯びた、光刃剣『エレメンティア』が、十字に炎の精霊を切り裂く。
 さらに、上から切り下ろすと見せかけ、フェイントで首を下から貫く。
 一体、また一体と、炎の精霊が力尽きていった。
 敵の群れから距離をとったシルは、気づく。
(「精霊達が、密集してきてる?」)
 その時、シルの肩に、後ろからぽんと手が置かれた。
 シルが振り向けば、そこには死霊騎士がいた。
「オバケ!?」
 思わず怯えるシルを、死霊騎士は後方に引き倒す。
 シルが一瞬前にいた場所の真横から、炎の爪が振るわれ、何もない場所を通過していった。ちり、とシルの前髪が軽く焦げる。
「あ、ありがと……」
 シルは死霊騎士に礼を言った。これは、ジニアが、『リザレクト・オブリビオン』で召喚したものだと気づいたのだ。
 死霊騎士は、敵をおびき寄せ密集させ、シルが攻撃しやすいようにしている。
 さらに、ジニアが召喚した存在は、もう一体。
 その存在は――死霊蛇竜は、尾を使って、盛大に砂を精霊達にかけた。じっくりと熱を吸収して力を高めるなど、させない。
 続けて、舞い上げられた砂の霧の中から、突撃する……と見せかけ、蛇竜は空中に飛び上がる。不意を突かれた精霊達が、蛇竜の牙の狭間に消えた。
「……わたしも、負けてられないねっ!」
 シルもまた、高速で詠唱を行う。発動するのは全力魔法――『エレメンタル・ファンタジア』だ!
「さぁ、頭冷やしてもらうよっ!」
 発動したのは、氷の嵐。
 一歩間違えば暴走しかねないそれを、シルは懸命に制御する。
 やがて、灼熱の地に似つかわしくない凍てつく風が収まる頃には、炎の精霊達は、かなり数を減らしていた。
「……あ!」
 何かに気づいたシルが、後ろに駆け戻る。
 ざくざくと砂を掘ると、脱水症状でぐったりしているジニアの姿が現れた。
 なお、脱水症状は傷ではないので、ユーベルコードは解除されなかったようだ。
「…………水をください」
 かすれた声で言うジニアへと、シルはあわてて水筒を手渡したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

紫洲川・珠璃
「さて、まずは炎の精霊の排除ね」
砂漠地帯とは、足場が悪くて厄介ね、と文句を言っていても始まらないので
まずは精霊を片づけましょう

WIZで対応

基本的に刀(虚鐵)で【フェイント】【2回攻撃】を主軸に攻撃。
なのだけど、フォックスファイアの炎熱をわざと吸収させて、
敵の火食いを誘発させ、見破り易い攻撃を【見切り】で回避後
カウンターで攻撃をしかけられるか試してみるわ

結構危険かもしれないけれど、うまくすれば有利に戦えそうなので
やってみる

アドリブ可、他社連携可



「さて、まずは炎の精霊の排除ね」
 紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)は穏やかな口調で言い、唇を引き結んだ。
 妖刀、『虚鐵』を鞘から抜き放ち、炎の精霊達目掛けて駆け出す。
(「足場が悪くて厄介ね」)
 踏み込むたびに、足が砂に沈む。それでも珠璃は、文句を口に出すこともなく、走った。
 炎の精霊が珠璃へと迫る。珠璃は、精霊の首を落とす軌道で刀を振るう……だが、それはフェイント。直前で刀を持つ手首を返し、精霊の前足を斬りつけ、胴体を切り払った。致命傷を受け、炎の精霊は消滅する。
 陽動を交えた二連続の斬撃が、一体、また一体と、次々に精霊を切り伏せてゆく。
「頃合いね」
 珠璃は呟き、『フォックスファイア』を発動。19個の狐火が、精霊へと放たれた。
 炎の精霊は、高熱を吸収し戦闘力を高める性質を持つ。精霊は、ばくばくと、嬉しそうに火を食った。
 精霊が纏う炎が勢いを増し、駆ける速度も向上する。返礼とばかりに、炎の精霊は、真っ直ぐ珠璃に駆け寄り、高熱の牙が並ぶ口を開いて飛び掛かった。
 珠璃の姿が、消える。
 否。攻撃を見切り、かがんで回避したのだ。同時に、影刃が上から下へ弧を描くように振るわれる。
 高熱を得て増した力に酔い、見破りやすい動きで飛び掛かってきた精霊は、綺麗に両断された。
「毎回、こううまくいくとは限らないかもしれないけれど……今回は賭けに勝ったわね」
 あえて敵にユーベルコードを発動させ、カウンターで攻撃を仕掛ける……それは、危険なギャンブルであることは間違いない。
 だが、勝利の天秤は、珠璃に傾いたのだ。
 残る炎の精霊は、あとわずかである。

成功 🔵​🔵​🔴​

神宮寺・絵里香
〈心情〉
熱砂の砂漠に炎の精霊か…。水行使いの巫女としては最悪な環境だな。
まあ、だからこそ覆し甲斐があるというものだ。
さて、神宮寺の巫女は雨乞いの巫女。その真価は雨を降らせること。
砂漠に恵みの雨を降らせる奇跡、とくと御照覧あれ。
〈戦闘〉
【力溜め】【全力魔法】を使いUCを発動。雨を降らせる。
偽槍蛇乃目と黒蛇剣ウルミをメイン武器にして戦闘。
武器には【水属性】を付与。基本戦術は黒蛇剣での【薙ぎ払い】
敵の攻撃は【戦闘知識】を基に【見切り】危ない攻撃は傘で
【武器受け】をして受け流す。
遠くの敵には「因達羅乃矢」で対応。【高速詠唱】をして【範囲攻撃】
で範囲拡大。【麻痺攻撃】を付与した痺れる雷で攻撃。


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
オレ、暑いのは嫌いなんだよな……
熱い料理ならおいしく食べられるから、宴会の為にも悪い獣も邪魔する精霊もぶっとばす!

全身炎だから迂闊に近づくとこっちが火だるまになりかねないな……
大振りの攻撃だとフェイントさせて敵に隙の大きい攻撃を誘発させてカウンターを狙うぜ
砂漠だから普通の地面と違って動きにくいことも頭に入れて、とにかく焦らず小さなダメージでも確実に攻撃を入れていくぞ

敵の攻撃で地面に炎の傷痕が出来たら敵がその上に立つ前にグラウンドクラッシャーで破壊してみる
距離が遠く敵が辿り着くのが速い場合は投擲してでも破壊を試みるぜ
「とにかく暑いし熱い!だが頭はクールに心はホットにして勝利は頂いていくぜ!」



「オレ、暑いのは嫌いなんだよな……」
 グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)が言う。
 くぅ、と彼女の腹の虫が鳴いた。暑くても食欲は健在。敵をぶっ飛ばした後の宴会が楽しみで、仕方がない。
「確かに暑い。熱砂の砂漠に炎の精霊とは、オレのような水行使いの巫女としては、最悪な環境だ。だが」
 グァーネッツォの隣。神宮寺・絵里香(雨冠乃巫女・f03667)が言い、不敵な笑みを浮かべた。
「だからこそ覆し甲斐があるというものだ」
 それを聞いたグァーネッツォが、絵里香を見る。
「何するつもりだ?」
「涼しくしてやる。神宮寺の巫女は、雨乞いの巫女。その真価は雨を降らせること」
 絵里香は人差し指と中指を揃え、自分の唇の前に垂直に立てた。すぅと息を吸い込み、高らかに絵里香は声を上げる。
「砂漠に恵みの雨を降らせる奇跡、とくと御照覧あれ。――大いなる水を司りし白蛇の神よ! 汝が巫女たるこの我に恵みの雨を与え給え! 急急如律令!」
 『我等雨雲と共に舞い踊る巫女也(アメカンムリノミコ)』。その力で、雨雲が天に生まれる。恵みの雨が、一帯に降り注いだ。
 無論、それだけで炎の精霊が全滅するということはない。だが、雨は周辺の温度を下げる。太陽光を浴びた砂から、熱を奪おうとしていた炎の精霊が、戸惑いだした。
「今だ、行くぞ」
「おー!」
 二振りの武器を抜き放って駆け出した絵里香に、グァーネッツォが続く。
 先陣を切った絵里香は、『黒蛇剣 ウルミ』の形状を変化させ、薙ぎ払う。降り注ぐ雨が彼女に力を与え、水属性を帯びた黒剣が炎の精霊を薙ぎ倒してゆく。飛び掛かってきた敵の一体は、紅色の仕込み傘、『擬槍 蛇乃目』を開いて防いだ。
「はあーっ!」
 裂帛の気合と共に、グァーネッツォは竜骨の巨大斧を振り下ろす。『グラウンドクラッシャー』による一撃が、地形ごと炎の精霊を砕いた。
 続いてグァーネッツォは、もう一度、『竜骨ナチュラルアックス』を大きく振り上げた。がら空きの胴体に、真っ直ぐ突撃してきた炎の精霊が迫る。だが。
「フェイントだぜ! 隙だらけだ」
 グァーネッツォは会心の笑みを浮かべる。バーバリアンの膂力で、巨大斧を片手で軽々と支えると、空いた手で槍を抜き放った。限りなく存在感の薄い、『幽冥竜槍ファントムドラゴンランス』。その先端が精霊の口内へと突き出され、急停止できなかった精霊は串刺しになった。
「頭はクールに、心はホットにして、勝利は頂いていくぜ!」
 焦ることなく、着実にグァーネッツォは攻撃を重ね、順調に炎の精霊の数を減らしてゆく。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ!」
 絵里香は、遠方の敵へと指先を向けた。グァーネッツォの視界に、遠くに落ちる一条の青白い閃光が映った。
 雨水で濡れ、電気がより通りやすくなっていた炎の精霊は、消し炭と化す。
 もう、オアシスへの通行の障害となる炎の精霊は、存在しない。
「よっしゃ! やったぜ!」
 グァーネッツォは絵里香にハイタッチを求める。
 絵里香は、ふっと微笑んでそれに応じる。
 ぱしっ、と快い音が砂漠に響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『呪飾獣カツィカ』

POW   :    呪獣の一撃
単純で重い【呪詛を纏った爪 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    呪飾解放
自身に【金山羊の呪詛 】をまとい、高速移動と【呪いの咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    カツィカ・カタラ
【両掌 】から【呪詛】を放ち、【呪縛】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナミル・タグイールです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ようやく見つけたけど、禍々しい強さを感じるぜ
これは気を引き締めて挑まないと!

真の姿を解放し手足に竜鱗が生えるぞ
動体視力で敵の動きを観察し、攻撃する予兆を見切っていく
特に爪による一撃は武器受けはせず回避に専念する
下手に受けたら防御を貫かれる気配ビンビンだぜ

ただ呪撃の一撃をかわし続けても地形を破壊されて追い込まれかねないから、
オアシスだから水源がありそうな場所まで誘導して
敵の攻撃、最悪オレ自身が壊して急な噴水や水圧など地形を利用して
何とか槍の初撃を当ててみせる
ドラゴニック・エンドが発動できたらドラゴンには敵の爪や装飾など
攻撃や呪詛の要となる部位の破壊を狙って貰うぜ
「どれだけ強かろうと諦めないぜ!」



「ようやく見つけたぜ」
 グァーネッツォは砂を踏み、オアシスに入った。視線の先には、鋭い爪の獣……呪飾獣カツィカ。
 カツィカは顔を上げ、グァーネッツォを見た。カツィカからは、濃厚な呪詛の気配が漂う。
「禍々しい強さを感じるぜ……これは気を引き締めて挑まないとな!」
 言うと、グァーネッツォは、真の姿を解放した。彼女の手足を竜の鱗が覆う。
『……ゥ』
 カツィカの喉の奥から、低い声が漏れる。獣は低く屈み、素早く跳躍。爪を振りかぶり、グァーネッツォに襲い掛かった。
 だが、グァーネッツォの金の瞳は、その攻撃の予兆を見切っている。グァーネッツォは大きく後方にステップし、回避した。呪詛を纏った爪が、砂地を大きく抉る。
(「下手に受けたら防御を貫かれる気配ビンビンだぜ……それに」)
 ――このままかわし続けても、地形の破壊によって追い込まれかねない。
(「なら、こっちだ!」)
 グァーネッツォは、振るわれる獣の爪を回避しながら、相手に気づかれないように自然に、移動を始めた。
 カツィカを誘導した先は……オアシスの水場。
 獣はグァーネッツォの狙いに気づくことなく、再び爪を振り上げる。その小さな体を、真っ二つに引き裂こうと。
「今だ!」
 グァーネッツォは真横に転がる。
 振り下ろされた爪は水面に勢いよくぶつかり、激しく水が跳ね上がる。それは、一瞬、獣の視界を阻害した。
 その瞬間を狙い、グァーネッツォは竜槍を投げる。カツィカの脇腹へ、それは突き刺さった。
 直後、召喚ドラゴンがカツィカへと放たれる――『ドラゴニック・エンド』の発動に成功したのだ。
 ドラゴンは、カツィカが被っている金色の骨へと、牙で噛り付く。その骨こそが、おそらく呪詛の要。ドラゴンが姿を消した頃には、骨の一部が砕け、欠けていた。
『……グルル、ウゥ』
 カツィカは唸り声を上げ、グァーネッツォを見据える。
「どれだけ強かろうと諦めないぜ!」
 グァーネッツォは、楽しそうに笑った。

成功 🔵​🔵​🔴​

シル・ウィンディア
あ、あつかったぁ…
さすが、炎の精霊達だね
無事にお仕置きも終わったし、次は…
さぁ、やろっかっ!

光刃剣二本を一本に束ねて、大型剣化させて両手持ちをします。
やることは、変わらず…
機動力で撹乱して、隙を見つけて攻撃あるのみっ!
【ダッシュ】や【空中戦】、【残像】を駆使して相手への距離をつめて攻撃をします
距離を詰める時、離れる時は、変速してタイミングをずらすように行動をするね

攻撃時は、【フェイント】を織り交ぜて、【二回攻撃】と【属性攻撃(氷)】そして【鎧砕き】を駆使して攻撃を行うよ
このモードの剣なら多少は行けるはずっ!

隙を見せたら、エレメンタル・ファランクスで一気に押し切ります
【高速詠唱】【全力魔法】でね


紫洲川・珠璃
「本命のお出ましね。手早く倒して、というわけにもいかないかしら」

獣が相手だから、というわけじゃないけれど神狐召喚を使って神威を駆る銀狐になって戦うわ
右に左にと撹乱するように駆けつつ、銀の狐火で牽制、敵の要らしき金の角まで接近出来たら本命の爪牙で攻撃

敵の「カツィカ・カタラ」は両の掌から呪詛を発生させるということは、後ろ足で立ち上がる感じになりそうなので、狐火を呪詛にぶつけつつ懐まで飛び込んで足(出来れば腱)を狙って爪を一閃
足に怪我を負わせ機動力を削いで以後の戦闘を有利に進めようとするわ


可能であればアドリブ、他社連携希望


ジニア・ドグダラ
今の骨は……呪詛によるものならば、上等です。此方は、元々呪詛に浸っている身、多少のなら【呪詛耐性】で耐えて見せましょう。

持っているフックワイヤーでオアシスの木々を飛び回りつつ、持っている死霊銃で【空中戦】による攻撃を仕掛けていきましょう。相手が攻撃しそうになった際には、【第六感】に従い、【逃げ足】に徹しつつ行動しますが……?
ふと、いつもより軽快に飛び回っていることに気付き、敵を見ます。敵の背後には奇妙な【存在感】を醸し出す、筋骨隆々な手足が生えた棺桶が立っています。そして、蓋の隙間から多数の手を生やし、敵を捕縛しようとしているのを見て、困惑しつつ死霊銃を連発します。

※アドリブ・他者との協力歓迎


佑・盾
泥棒しちゃいけません。
まぁ、人っていうよりも動物っぽいからそんな理屈は通用しないか。
相手が動物だというのなら弱肉強食のルールしかないね。
つまり実力行使だよ!

【SPDで判定】
相手は呪詛使いなのかな?【呪詛耐性】で相手の攻撃をある程度防げそう。
【BB/RocketBooster】のロケット噴射で通常ではありえない挙動で動きながら捕らえられないように戦おう。
攻撃は【BurstBinder】に換装した【BurstBlasterUnit】で砲撃するよ!


神宮寺・絵里香
〈心情〉
・中々歯応えのありそうな敵だ。この手の敵は確実に足止めして
 連携してささっと倒し切るに限る
・かなり足の速い敵のようだ。麻痺を入れて足を封じておくか

〈戦闘〉
高速詠唱をした『我等雨雲と共に舞い踊る巫女也』を使用して
雨を降らす
叢雲をメイン武器に戦闘。傘や短槍は必要に応じて使い分け
武器には【破魔】と【雷属性】を付与。神聖な痺れる雷の【麻痺攻撃】
をメインに立ち回り
敵の攻撃については【世界知識】と【戦闘知識】を基に分析、危険な
攻撃を【見切り】、躱せない攻撃には【武器受け】もしながら受け流す
『因達羅乃矢』は【高速詠唱】をして速射性を重視
【破魔】の属性を付与した【麻痺攻撃】で痺れを狙う



「あ、あつかったぁ……」
 オアシスに着いたシルの肌を、涼しい風が撫でる。
「さすが、炎の精霊達だね。無事にお仕置きも終わったし、次は……」
 辺りを見渡せば、呪飾獣カツィカの姿が視界に入った。
「泥棒しちゃいけません。……なんて理屈は、通用しないか。人っていうよりも、動物っぽいからね。なら、弱肉強食のルール……実力行使しかないね!」
 無邪気な笑顔を浮かべて、盾が言う。
「あの骨は……」
 一方、ジニアが見つめていたのは、カツィカが頭に被る骨。
「もしかすると、あれは元々人間で、あの骨が放つ呪詛によって獣と化したのかもしれませんね」
 呪詛に浸る身であるジニアには、そう推測できた。真実かどうかは、分からない。
 仮にそうだとしても、人間に戻すのはおそらく不可能だろう。
「ですが、上等です」
「うん!」
 ジニアは呪詛耐性を高める。盾も同様に、呪詛に備えた。
「なかなか歯ごたえのありそうな敵だな」
「ええ、いよいよ本命のお出ましというわけね」
 絵里香と珠璃が、言葉を交わす。
「この手の敵はささっと倒しきるに限る」
「同感ね。手早く倒しましょう」
 絵里香の言葉に同意した珠璃が、カツィカへと駆け出す。
「さぁ、やろっかっ!」
 光刃剣を束ね、一本の大型剣となし、両手でそれを構えたシルが、元気な一声と共に続いた。

「我、此処に喚び現したるは、神威の一片! 今一時なれど、其の力、我が身に宿さん!!」
 先頭を走る珠璃の姿が、一匹の銀狐に変わった。『神狐召喚』――獣が相手だからというわけではないが、珠璃もまた、獣と化した。
「――急急如律令!」
 高速での詠唱を終えた絵里香が、『我等雨雲と共に舞い踊る巫女也(アメカンムリノミコ)』を発動した。再び上空に現れた雨雲が、恵みの雨を降らせる。オアシスの水場の水面に、いくつも波紋が生じた。
 カツィカとの距離を詰めたシルは、氷の属性を帯びた光刃の大型剣で、フェイントを交えながら二度にわたって斬りつける。カツィカの肌が裂かれ、凍てついた。
 シルに反撃しようとするカツィカの視界を邪魔するように、銀狐――珠璃が走る。右へ、左へ、攪乱するように。珠璃の爪牙は、カツィカの被る骨を傷つけた。
 フックワイヤーをオアシスの樹木に突き刺し、ジニアは飛び回る。死霊の呪詛に塗れた改造拳銃にて、空中からカツィカを射撃。死霊の弾丸が、カツィカを射抜いた。
 盾は、四肢に装着した『BB/RocketBooster』のロケット噴射を用いて、一気にカツィカに接近。アームドフォート『BurstBinder』の胸部に換装した、『BurstBlasterUnit』の砲口が開いた。
「いっけー!」
 盾の胸部から、二条のビーム砲がカツィカに浴びせられる。
 しゅうしゅうと全身から白煙を上げながらも、カツィカはぎろりと猟兵達を見た。
 珠璃、シル、ジニア、盾。いずれも、様々な方向に素早く動き回っていて、狙いが定められない。
 カツィカの眼は、薙刀『叢雲』を手に駆けてくる絵里香の姿を捕らえた。
『グル、ルルゥ!!』
 獣は後ろ足で立つ。両掌に、呪詛が集中した。ユーベルコード、『カツィカ・カタラ』を放とうとしている。戦闘知識により、かわせそうにないと判断した絵里香は、武器で受けようと、構えた。
(「思った通りね」)
 珠璃が、銀に輝く狐火を、カツィカの両掌にぶつける。放たれようとしていた呪詛は、思いもよらぬ攻撃を受けたことで、霧散した。
 続いて珠璃は、カツィカに肉薄。飛び込み、爪を一閃する。カツィカの後ろ足の腱が、断たれた。
『……グゥ!?』
 バランスを崩したカツィカ。
「助かった」
 絵里香は珠璃へと短く礼を言う。銀狐は尻尾をひらりと振って応じた。
 さらに、絵里香はカツィカへ追撃。神聖な、痺れる雷を帯びた薙刀の刃が、カツィカの、もう片方の後ろ足に突き立った。閃光が弾け、カツィカの動きが止まる。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・インダラヤ・ソワカ! 神々の王の裁きよここに! 魔を滅ぼせ因達羅の矢よ!!」
 高速詠唱を行った絵里香は、指先をカツィカに向け、『因達羅乃矢(インドラノヤ)』をカツィカへ放つ。青白い破魔の稲妻が、天から落ち、カツィカを撃った。
 ふと、フックワイヤーで飛び回っていたジニアは、体がいつもより軽いことに気づいた。
 カツィカの方を、ジニアは見る。
 両足を傷つけられ、前のめりに倒れているカツィカの近くには、筋骨隆々な手足が生えた棺桶が立っていた。
 全力疾走が可能な棺桶。『縛棺疾走』……カンオケマンである。
 棺桶の蓋が開く。その隙間からは数多の闇の手が伸び、カツィカの下半身を棺桶へと引きずり込み、腰の辺りで挟み込んだ。
『グギイィ!!』
 一時的だが、完全に動けなくなったカツィカが叫びを上げる。ジニアは困惑しながらも、死霊銃をカツィカへ連射した。
「……えっと、今だねっ!」
 カンオケマンの姿に一瞬ぽかんとしていたシルが、我に返る。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ……。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 高速で詠唱――全力魔法、『エレメンタル・ファランクス』。110本の、火・水・風・土の4属性の魔力砲撃が、カツィカへと放たれた。
 砲撃が当たる直前に、カンオケマンはカツィカを放し、屈強な足でびょんと飛び退く。
『――アアァァ!!』
 砲撃を受けたカツィカの、頭に被った骨が完全に砕け散る。獣もまた命尽き――オブリビオンは、活動を停止した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『全部終わったら後は宴会だ!』

POW   :    食え! 飲め! 倒れるまで!

SPD   :    食べよう、飲もう。誰かに押し付けつつも目分量で。

WIZ   :    食べよう、飲もう。但し己の腹のお肉と要相談で。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 集落を襲っていた魔物は、猟兵達の活躍により、倒れた。
 砂上での、戦いという名の『宴』は、幕を下ろした。
 ここからは、比喩のない『宴』……集落での宴会である。
 ――さあ、飲めや食えやの始まりだ!
ジニア・ドグダラ
【WIZ】
宴会、です……!!
羊のミルクは、実際には飲んだことないので、楽しみ、ですね……もちろん、バターやチーズも、です。バターとチーズは、少し焼いたのを、パンに乗せて、熱いのを食べてみたい、です……!ただ、それだけですと、たぶん舌が火傷するので、そこでお酒を飲み干して……うん、とても、楽しみです……!(……ただ、ここまで食べ過ぎて、お腹のお肉、付き過ぎないか、心配ですが……気にしては、駄目ですね)

宙夢さんも、私たちの転送に、大変だったでしょうし、一緒に食べて、疲れを癒したり、しませんか?

※アドリブ・他者との協力歓迎


紫洲川・珠璃
私は私の都合で、オブリビオンを倒して回っているだけなので、こうやって歓待を受けるとちょっと戸惑うわね
とはいえ、脅威を排除したのは事実なので、歓待されておくのもいいのかもしれないわ

軽く飲食をした後は、果汁のグラスだけ持って、人気のないところで一人でちびちびやります
「金銀財宝、ね。そんなに欲しいものなのかしら・・・」



「冒険者の皆様!」
「このたびは、誠にありがとうございました!」
 集落の人々は、ずらりとご馳走を並べて猟兵達をもてなした。
「宴会、です……!!」
 ぱぁっ、と瞳を輝かせるジニア。一方、珠璃はわずかに戸惑っていた。
(「私は私の都合で、オブリビオンを倒して回っているだけなのだけれど」)
 彼女が戦う理由は、胸に秘める『刃』がゆえである。あくまで自分のため、とも言えるだろう。
(「とはいえ、脅威を排除したのは事実ね」)
 歓待されておくのもいいかもしれない、と、珠璃はジニアに続いて宴席に向かった。

「――乾杯!」
 コップが合わせられる。
「楽しみ、ですね……」
 わくわくした様子で、ジニアは器の中の羊乳を見つめた。
 くい、と中身を口に含む。
「!」
 驚きにジニアの目が見開かれた。
「これは……とても、濃厚ですね」
 初めて体験する羊乳の味わいに、ジニアは微笑んだ。
 続けて、少し火で炙ったチーズを、溶かしたバターと一緒にパンに乗せ、熱々を一口。
「……っ!」
 羊の乳製品は、コクがあって美味しい。とはいえ、少し熱過ぎた。
 急いで飲み物をジニアは喉に流し込む。それは、酒。今度は心地の良い熱さが、ジニアの喉に満ちた。
 ふう、とジニアは一息。
「宙夢さんも、大変だったでしょうし。一緒に、疲れを、癒しましょう」
「おう、誘ってくれてサンキュ。ありがたく、ご相伴にあずからせてもらうぜ」
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)はジニアへ礼を言ってから、カットされたメロンに羊のチーズを乗せて食べ始める。
 と、静かに飲食を楽しんでいた珠璃は、果汁の入ったコップを手に、そっと席を離れた。
 宴会の楽しみ方は人それぞれ。ジニア達は引き止めるでもなく、その背を見送った。
(「……それにしても、ここまで食べ過ぎて、お腹のお肉、付き過ぎないか、心配ですが……」)
 ジニアの心を、そんな思いが過ぎるものの。
(「……気にしては、駄目ですね」)
 思い直して、ジニアは次のパンに手を伸ばした。今度は火傷しないよう、ふーふー吹く。

 珠璃は人気のない場所で、葡萄の果汁をちびちび飲みながら、呪飾獣カツィカへと思いを馳せる。
「金銀財宝、ね。そんなに欲しいものなのかしら……」
 杯を傾ければ、きらめく陽光が水面に反射した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
【POW】
よっしゃー、飯だご馳走だ宴だー!
強い奴との戦の後の上手いもんは格別だぞ!

パンも果物もバターもチーズもお茶もミルクも満遍なく食べて飲む
「んくんく、もぐもぐ……全部うめー! オレのグルメスポットに記憶しておかないとな!」
ファントムドラゴンランスのファンも一緒に戦ってくれて労いたいから、
集落の住人を驚かせたり嫌がらせない様にお願いするぞ
「ファンもいなかったらアイツらは倒せなかった、だから宴会に参加させてくれ」
(※ファンは許可が出るまで我慢してる。認められれば果物をおいしく頬張る)

……いやー、食った食った飲んだ飲んだ
これでまた強い奴と戦えるぜ
「こちらこそオレ達を信頼してくれて、ありがとな!」



「よっしゃー、飯だご馳走だ宴だー!」
 場に並ぶ食事に、グァーネッツォはぐっと両拳を握って喜びを表した。
 彼女いわく。『強い奴との戦の後の美味いもんは格別』である。
 強敵との戦いを終えた満足感と、ほど良い空腹感が、味をより一層引き立ててくれるのだ。
「遠慮なく、いただくぜ!」
 パンにバター、果物、お茶にミルク。
「んくんく、もぐもぐ」
 次から次へと、グァーネッツォは取り分けて平らげていく。
 それから、羊のチーズを大胆にひと齧りして、叫んだ。
「うめー!」
 強く存在を主張するチーズの旨味が、舌から、ダイレクトな快楽をグァーネッツォの脳髄に届ける。そんなチーズなのだから、叫ぶのもやむなしだ。
 だが、グァーネッツォにとっては、チーズだけでなく、他の物も、全てが最高に美味しく感じられたのであった。
「オレのグルメスポットに記憶しておかないとな! それと……」
 グァーネッツォは、周囲の人々を驚かせないように気をつけながら、ファントムドラゴンランスを取り出した。
 竜騎士の槍は変身を解き、身長30cmほどの小型ドラゴンに姿を変えた。
「ファンもいなかったらアイツらは倒せなかった、だから宴会に参加させてくれ」
 グァーネッツォが住民達に頼む間も、ドラゴンのファンはうずうず。
「ええ、もちろんですよ」
「よっしゃ、ありがとな! 食べていいぜ、ファン!」
 住民の答えを聞いたグァーネッツォが、ファンに許可を出す。ファンは、嬉しそうに果物を頬張り始めた。
 それから、しばらくして。
「……いやー、食った食った、飲んだ飲んだ。これでまた強い奴と戦えるぜ」
 いっぱいになったお腹を軽くさすり、グァーネッツォは笑顔を浮かべた。ファンも満足気である。
「本当に、本当にありがとうございました」
 重ねて礼を言う住民達へ、グァーネッツォは笑顔で応じた。
「こちらこそオレ達を信頼してくれて、ありがとな!」

 大盤振る舞いの宴で、身も心も満たされて。
 グァーネッツォ達、猟兵は、またオブリビオンとの戦いに向かうのだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月29日


挿絵イラスト