究極合体!!グレートリョウヘイガーDX!!
「みんな巨大ロボ好き!?好きよね!?」
いつものグリモアベース。猟兵達を出迎えたのはやたらと目を輝かせたミア・ウィスタリア(天上天下唯画独尊・f05179)。その手には何やら金色に光る破片が握られている。
「ふふーん、スペースシップワールドで進んでる未踏領域の調査なんだけど、実は面白いことが分かってね……それがコレよ!」
そう切り出し、ミアは手にした金色の破片を見せびらかす様に猟兵達の眼前にかざした。
「銀河皇帝が使ってた【マインド】っていう武器、覚えてるかしら。あの背中にくっついてた奴。実はねー、あの【マインド】はぁ……この前みんなが倒したクエーサービースト「マインドミナBVA」から出来てるって言うことが分かったのよ! これはそのBVAの破片!」
何故か自分がドヤ顔をするミア。
うん、おまえはなにもしてないがな?
「銀河皇帝はこれを「ワープ能力の強化」に使ってたみたいだけど、これは本来「パイロットの動きやユーベルコードをダイレクトに伝達する装置」みたい。…………って言うことはよ?」
ミアの瞳が鋭い光を放った。
ホログラムウインドウに巨大ロボとゲームタイトルめいたロゴが表示される。
「コイツを使えばクエーサービースト並みにデカイ巨大ロボを作ることだって出来るじゃない! 実は既にそういう計画が立ち上がっているの。名付けて「惑星ロボ建造計画」!」
そう、文字通り惑星サイズのロボットを1から組み上げるのだ。
それに猟兵達が搭乗する事でクエーサービーストとの「サイズ差」を埋めてしまおうと言う試みらしい。
「巨大ロボが嫌いなオタクなんていないもの。各自思いつく限りの血と汗と涙と後なんか色々ほとばしる愛を注いでちょうだい! これにはちゃんと意味があってね。みんなのこだわりが強ければ強いほど、それはちゃんとマインドが汲み取ってくれるわ」
具体的には思念の影響を受けてより頑丈になるらしい。
ホログラムウインドウにハートマークからエネルギーが注がれる巨大ロボの図が表示される。
「見た目は多少不格好になるかもだけど、どうせ試作品だしね。センス爆発で好きなように作って良いんじゃないかしら。勿論出来上がったら未踏領域で実地テストもしてもらうわよ。まぁ出力調整にはまだ難があるらしくて、一人で操縦出来る時間は限られてるみたいだけどね」
正確には「猟兵一人が操縦に耐えられる時間」だ。
思念兵器マインドの搭載により、試作型惑星ロボには「メインパイロットとなった猟兵のユーベルコードを、同じ強さで小惑星レベルのサイズにして放つ」と言う機能が備わっている。この時マインドを通じて発生する強烈なフィードバックにより、一度ユーベルコードを放つと疲労で倒れてしまうらしい。
天球儀が回転し、星の海へと通じるゲートが開かれた。
「この試作機で良いデータが集まれば、未踏領域の調査もぐっと楽になる筈よ。みんなの力作を期待してるわ」
龍眼智
ファイナルフュージョン承認!
龍眼智です。
久々のスペースシップワールドは【Q】シナリオになります。
巨大ロボを作って、巨大ロボで出撃して、巨大ロボで戦いましょう。
では、以下構成です。
第一章;冒険
第二章;ボス戦
第三章;ボス戦
第一章は惑星ロボを建造するシーンです。
思う存分皆様のこだわりをぶつけてください。
第二章、第三章はクエーサービーストとの連戦になります。
オープニングにもありましたが、惑星ロボに乗ってユーベルコードを一発撃つと猟兵はダウンしてしまいます。
一台の惑星ロボのパイロットを持ち回りで操縦すると思っていただければ大丈夫でしょう。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 冒険
『試作型惑星ロボ開発計画』
|
POW : 完成したパーツを組み立てて、小惑星サイズの巨大ロボを完成させる
SPD : 試作型惑星ロボの完成に必要な装置を作成したり、分割したパーツごとに完成させていく
WIZ : 試作型惑星ロボの設計を行なったり、必要な資材をもつスペースシップに出向いて交渉する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
―――スペースシップワールド:未踏領域境界宙域
ゲートを潜り抜けた猟兵達を待ち受けていたのは、巨大極まる鉄骨と黄金塊の海だ。
一本一本が小規模なビルほどもある構造材が背骨の如く連なり、複雑に絡み合い骨組みを形成している。
その隙間を縫うように飛び回っている工作船や資材艦、設計事務所を兼ねた小型戦艦がまるで羽虫の様だ。
余りの縮尺の違いに軽く目眩を覚えるが、呆けてばかりもいられない。
ここから作り上げねばならないのだ。
クェーサービーストをも凌駕する、最強の鉄の巨神を。
人員も、材料も、文字通り山程ある。
さぁ、建造を始めよう。
白斑・物九郎
【Lv2】
ァ?
巨大ロボ建造だァ?
あのデケエのに対抗するにゃ妥当じゃありましょうけども
にしたって『思いの強さが反映される』て
何世紀前のロボットアニメですかよ
キマフューでだって懐古厨しか生き永らえてねえようなジャンルでしょうさ、ったく――
・とかなんとか言いながら【ワイルドドライブⅡ】発動
・パーツ群をモザイク状に溶かし崩しては、望みの向きで接合させた所で無機物回帰、【念動力】も交えたこの手順でサクサク組み立てる
>>>実はノリノリ<<<
・システムをセルフハックしてジェネレーターに限界稼働を強いる浪漫仕様を絶対搭載する
・デザインは『でっかい四脚機獣(ねこ)』
・名は――『ジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”』
地殻変動宛らに組み上げられていく構造材の合間を縫う無数の工作船。
当然ながら、その一つ一つの甲板上でも沢山の作業員達が動き回っている。
とある船―――船首上に寝転がって端末を弄っている青年がいた。
黒い猫耳付きのヘルメットを被った白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は、胡乱げな視線を眼下で忙しなく動き回る作業員達を一瞥すると、改めて頭上に広がる壮大な構造物を見渡した。
「ハッ、巨大ロボ建造なぁ……あのデケエのに対抗するにゃ妥当じゃありましょうけどもよ」
解らなくはない。
これでも日頃キマイラフューチャーを根城にしている身だ。
メジャーなものからマイナーどころまで、一通り押さえているつもりではある。
巨大ロボは浪漫だろうとも。あぁそうだろうとも。
しかしである。
立ち上がり、宙を撫でるように手を振ると、船一隻分もありそうな巨大パーツ郡がモザイクの海へと分解される。
「『思いの強さが反映される』て……一体何世紀前のロボットアニメですかよ」
接合面がモザイクに溶けたパーツが、宙を裂く鳴動音と共に回転し、ゆっくりと組み合わさるとモザイクが消える。
溶接しているのだ。
「キマフューでだって懐古厨しか生き永らえてねえようなジャンルでしょうさ、ったく」
無造作に動かしていた物九郎の腕が、徐々にマニピュレーターを動かすかの様な精密な動きに。
四脚走行に耐えうる重心の設計。内骨格、人工筋肉、アクチュエーターの配線。
そして忘れてはいけない浪漫ブースト。
コックピットからシークレットコードを送る事により、ジェネレーターの出力リミッターを解除する事が出来る機能も取り付けた。
おやおや? もしかしてノリノリですね?(CV:天の声)
「兄ちゃんすげぇの作ってんなぁ!」
「ぁ?」
野太い男の声にギロリと背後を睥睨する。
目の前で繰り広げられるダイナミックな組み立てに、いつの間にか作業員達が集まってきていたようだ。
「名前、決まってんのかい?」
中年の作業員の男の問いに、物九郎は、改めて目の前に組み上がった猫モチーフの四脚機獣を眺め、満足気に頷いた。
「決まってまさぁ―――『ジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”』ッスよ」
成功
🔵🔵🔴
雪・兼光
◇Lv2
いいねぇ。『思いの強さが反映…。』大好きだ。
人型で
長期でもつかる様に新規部品は抑える
SSW規格の高品質部品を使う
軽くしたいから骨組みに装甲を付ける様に
火器は頭のバルカンだけ
武装は外付け、拡張性優先
武装には浪漫を
背中に背をえるブースターに変形するブラスターで
他の機体と互換性があるカートリッジ制にして
威力を高めたければ倍使う様にして…。
コクピットシート裏に他生物の感応派を受信できるシステムを付けて
関節部分に感応波で制御するチップを練り込んだ素材を使って尚且つ分散させて
やべ俺の脳波で偶にコイツ動くわ…。同じリアクションするし
ぇぇ…。白と金色のつもりなんだけど、一部の装甲が青く発光してね…?
ドッグハンガーでは様々なパーツが同時並行で建造されている真っ最中だ。
その一角。
全長数百メートルは有ろうかと言う人型巨大ロボットが、無数の工作機によって組み上げられていく様を見上げている男がいる。
「いいねぇ。『思いの強さが反映…。』大好きだ」
吊り上がった三白眼に少年の様な眼の輝きを宿し、しみじみとそう呟くのは雪・兼光(ブラスターガンナー・f14765)。
目下のところ、彼が宙域の各所から調達してきたSSW規格メーカーの部品を使ったロボットの建造は順調だ。
隣でコンソールを操作する現場監督らしき男性が部品リスト眺めて溜息を付く。
「しっかしよくもまぁ、こんな高級品ばっか集めてきたもんだなぁ……配線材はḠ3コミュニケーションズのハイグレード、装甲板は全部磁性流体ナノマテリアル合金、制御チップ周りはブローニング・テクノロジーの軍用モノときた。コイツ一体で最新の大型宇宙船が買えちまうぞ」
「長期で使うことになるかもしれないからな。品質にはこだわった方がいい」
徹底的な軽量化が図られた兼光の機体は、スリムでシャープなシルエットをしている。武装も頭部の左右に一門ずつ、バルカン砲が付いているだけだ。
そこに、外部パーツとして大型ブラスターを備えたブースターバックパックがドッキングする。
外部拡張パーツを組み替えることで汎用性を出す狙いだ。
「よし、組み立ては終了だ。後は脳波レベルのキャリブレーションだな」
しかし、兼光はソフトウェア業者を呼び出そうとする現場監督に待ったをかける。
「いや、まだだ。コイツを取り付けないとな」
彼が取り出したのは掌に収まるサイズの受信機だ。
コックピットに乗り込むとシートの裏側に取り付ける。
「うぉっ!?」
その瞬間、ハンガーを大きく揺らし機体表面を青い光が走った。
(もしかして……)
兼光はシートに座り、脳内に腕を動かすイメージを思い描いてみる。
すると―――
「やべぇ、俺の脳波でコイツ動くわ……」
余談だが、その日、ドッグハンガーで謎の踊りを披露する巨大ロボットがいると言う噂が、宙域を駆け巡ったそうな……
成功
🔵🔵🔴
高砂・オリフィス
Level3
ぼくは待っていた! ぼくのパッションが宇宙に飛び出して、お星様サイズになるこの時を!
惑星ロボ、いいじゃんいいじゃんサイコーじゃん! あははっ楽しくなってきたー!
とりあえず踊りながら考えようか、こう、体動かさないといいアイデア浮かばないよねっ
よし! うーん、名前はジャンボオリフィスに決定!
名前なんかどーでもいい? あははっ、たしかにそーかも!
とりあえず関節を強化して柔軟に動けるようにしたいよねっ
やっぱりどでかいロボで派手に肉弾戦、バーっとズガンとずどどーんと! たしょーぶかっこーでも大丈夫さ!
会議は踊る、されど進まず。
何処の世界だったが定かではないが、そんな例えが有る。
確か参加者同士の利害が衝突して中々結論が纏まらないと言う意味だったが、今、この会議は踊っている。
「惑星ロボ、いいじゃんいいじゃんサイコーじゃん! あははっ楽しくなってきたー!」
そう、開発会議が始まるやいなやテンションが爆上がりして踊りだした高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)によって、物理的に踊り出してしまったのだ。
常々思っていたのだ。
自分のパッションは地球上に収まるものではないと。
いつか無限の宇宙へ飛び出して、何処までも大きく広がっていくのだと。
流石に惑星サイズになるとは思わなかったが、そこはそれである。
全ては勢いだ。
サンバのリズムが大音響で流れる会議室で眼鏡を掛けた設計者の青年が声を張り上げる。踊りながら。
「皆さんそろそろメインコンセプトぐらいはFIXしましょうよ! このままでは我々のチームだけ制作が出遅れてしまいます!」
「えー! なにー! きこえなーい!」
だがしかし、青年の悲痛な叫びに返ってきたのはオリフィスのアクロバティックなハンドスピンだった。
周りにいる中年の現場作業員組から喝采が巻き起こる。
「だーかーらー! そろそろ方向性ぐらいはですねー!」
「じゃあね…よし! うーん、名前はジャンボオリフィスに決定!」
「名前から!?」
「名前なんかどーでもいい? あははっ、たしかにそーかも!」
そう言いつつ、華麗な着地からパウメイラを決めた。
「いやぁ、すげぇな姉ちゃん。関節がゴムか何かで出来てんじゃねぇのかい」
ギャラリーとかしていた現場作業員の男達からそんな声が聞こえてくる。
(ん……?関節?)
オリフィスの脳裏を電流が走り抜けた。
「そーだ! なんかこう、関節を強化して自在に動くようにしたら!? こう、何か手をものすっごくでっかくして派手に肉弾戦!」
即座にホログラムボードにアイディアスケッチを起こし始める。
まぁ……実際はそう表現すればカッコいいと言うだけで、ミミズがのたくったような前衛画ではあるが……
「こう、バーっとズガンとずどどーんと! みたいな感じで」
とは言え、イメージは伝わったようだ。
「なるほど…重心を多少下げれば、巨大な前腕部とのバランスも取れそうですね」
「関節部は磁性流体リキッドで行けるだろう。カーボンチューブで包めば漏れ出す事もねぇさ」
方向性さえ決まれば後は早い。
グレートオリフィス(仮)が宙域に舞う時も近いだろう。
成功
🔵🔵🔴
ビスマス・テルマール
【LV3】
巨大ロボは特撮で戦隊モノはおろか、ラ●ダーでもお約束になりつつありますが
『思いの強さが反映される』って言う浪漫も含めて滾りますね
フォルムデザインは
わたしの真の姿がオーマグロ(他のユーベルコードの)を纏った様な感じにして
ご当地パワーの順応性を高める為に【ビルド・なめろうビームウェポン】で武装を一種類は『武器改造』する形で作っちゃいましょうか
【ハワイアンなめろうのビームウィング】を生成してバーニアに接続を
機動性と攻撃にも使えて
光の翼な感じで
他は皆さんの作り方を『情報収集』して参考にしつつ組み立て
白兵戦や機動に耐えれる様に間接やフレームも強化を
機体名は……デア・オーマグロで行きましょうか
巨大ロボが出てくると言うと、どんなシーンを思い浮かべるだろうか。
スペースシップワールドでは、やはり軍用兵器の一種と言う認識が根強い。
だが他の世界、例えばUDCアースやキマイラフューチャーではどうかと言うと、ヒーローの秘密兵器として登場するイメージが強いだろう。
例えば特撮の戦隊ヒーロー。
例えば某バイクに乗った(最近はそうでないこともあるらしいが)昆虫仮面のお兄さん。
例えば―――地元企業の熱烈なバックアップを受けて、ご当地名産品を普及させるべく世界と戦うご当地ヒーロー。
最近はそんなところにも巨大ロボが進出しているらしい。
「ふむふむ……やはり基礎部分はどの機体もそんなに変わりませんね」
ドッグハンガーに並ぶロボット達の間を飛び回り作業工程を見学しているビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、そんなご当地ヒーローならぬご当地猟兵とでも呼べる存在だ。
UDCアースのとある地方に伝わる郷土料理『なめろう』の伝道師として、日夜布教活動に励むクリスタリアンの少女である。
一通りの情報収集を終え、自身の機体を建造中のドッグハンガーに戻ってきたビスマスを現場監督が出迎える。
「おぅ、丁度良いところに来た。外装は嬢ちゃんのデザインオーダー通りに仕上げといたぜ」
「わ、出来たんですね! 見せてもらいます!」
喜び勇んでハンガーに飛んでいったビスマスの眼に移ったのは、自身をそのまま巨大化したかの様な威容だ。
虹色に輝く蒼鉛の装甲にバーニアを内蔵したフレアスカート。
頭部はビスマスの有するなめろう鎧装の内の一つ、オーマグロを模したフォルムになっている。
「…………………」
「どぅでぇ、注文通りだろ?」
「…………んー、ご当地パワーが足りませんね」
「んあ?」
耳慣れない単語に呆けた表情をする現場監督を尻目に、ビスマスは床を蹴り、巨大ロボの胸の位置まで舞い上がる。
「生成開始(ビルド・オン)っ! なめろうビームウェポンっ!」
虚空に手をかざすと余剰資材として宙を漂っていたマインドが反応し、巨大ロボが背負えるサイズのバックパックへと変形していく。
やがて野球のホームベースの様な五角形のバーニアに変形したなめろうウェポンに、ワイキキを思わせるブルーの波とマグロの意匠が刻まれる。
ビスマスは念動力でなめろうウェポンを巨大ロボの背中にドッキング。
ディメイション・ローカルドライバーにハワイアンなめろうカードをセット!
「さぁ目覚めなさい! デア・オーマグロ!!」
固定ハンガーが解除され、宙域へとその勇姿を現したデア・オーマグロが、全長数十キロにも及ぶ輝くなめろうの翼を広げた。
成功
🔵🔵🔴
備傘・剱
さて、どうやって組み立てるかな…
あんなけ巨大なものをどうにかするんだから、よく考えないとな
まずは、鋭い刃物に、殻を割る道具…ハンマーあたりか?
それに、内部を腑分けするために必要な各種道具…
それと、ちゃんと外殻とかを洗浄できる液体が必要だな
…ん?いや、ちゃんと防具も考えてるぞ?ほら、汚れちゃだめだからってことで、エプロンとかも必要だろ?
いや、クェーサービーストを解体するのって大変なうえに、ちゃんと食べれる所、食べられない所わけないと調理できないしな
え?食べないのか?…案外、いい味してると思うんだが、お前、どうだ
外宇宙の新しい食料問題、解決するぞ?
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
「さて、どうやって組み立てるかな…」
続々と機体が完成していく中、備傘・剱(絶路・f01759)は思案にふけっていた。
目の前では、着々と彼の乗る人型巨大ロボの素体が完成しつつあった。
茶色を貴重としたずんぐりとした横長の身体は、この世界から失われて等しい地上遺跡の遺物『DOGU-』がモチーフになっていると言う。
しかし、現状この機体には一切武装の類が搭載されていない。
剱は正に今、武装の搭載内容を練っている真っ最中なのだ。
(あんだけ巨大なものをどうにかするんだから、よく考えないとな……)
サイバーディスプレイにホログラム図面を浮かべ、拡張現実で武装をあてがって行く。
そこに図面データを受け取りに来た技術担当者がやってきた。
「失礼します。素体の組み立てが終了したそうで、そろそろ外装部分の製造に移りたいのですが、設計データって上がりましたか?」
「あぁ、丁度良いところに来た。大体固まったから、内容のレビューを頼む」
剱は早速とばかりにホログラムウインドウに武装の内容を映し出す。
「まずは、鋭い刃物に、殻を割る道具…ハンマーあたりか?」
なるほど打撃武器か、と担当者が頷く。
「それに、内部を腑分けするために必要な各種道具…」
ん? と、担当者が首を傾げた。
何か今、妙な単語が出てこなかっただろうか。
「それと、ちゃんと外殻とかを洗浄できる液体が必要だな」
戦闘中なのに何故洗浄? そもそも宇宙戦仕様の筈が液体とは……
「あ、あの……」
既に疑問点が多すぎる。堪らず手を挙げようとした担当者の顔色を察したのか、剱はこう続けた。
「…ん?いや、ちゃんと防具も考えてるぞ?ほら、汚れちゃだめだからってことで、エプロンとかも必要だろ?」
担当者が盛大にズッコケた。
「そ、それは本当に武装ですか? 外見的なデザインという意味合いではなく?」
「いや、クェーサービーストを解体するのって大変なうえに、ちゃんと食べれる所、食べられない所わけないと調理できないしな」
「食べるんですか!? クエーサービーストを!?」
何ということだろう。
先程から彼が熱心に語っていたのは戦闘の為の装備ではない。
獲って喰う為の装備だったのだ。
確かに、殺して、捌いて、肉にすると言う流れで言えば、とてつもなく効率的な装備だ。
驚きの余りメガネ型ディスプレイがずり落ちた担当者に、剱もまた驚いた顔をした。
まるで自分が日頃当たり前だと思っていた習慣を、他人がやっていなかった時の様な……。
「え?食べないのか?…案外、いい味してると思うんだが……」
「………………………そう…………ですか?」
少なくとも食欲を唆る見た目はしていない……様に思う。
そもそもサイズがサイズだけにまず「食べる」と言う選択肢に結びつかないし、本当に可食部が存在するのかも疑問だ。
「お前、どうだ? 外宇宙の新しい食料問題、解決するぞ?」
「いや……私はちょっと……」
認識の違いとは恐ろしい。
本当に可食部を持ち帰れるかは別として、剱の装備案は無事可決されたのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『クエーサービースト・マインドミナBVA』
|
POW : BVAジェノビック
【無限に変化する外殻が超殺戮形態 】に変形し、自身の【防御力】を代償に、自身の【攻撃力と攻撃速度】を強化する。
SPD : BVAエクスタリ
いま戦っている対象に有効な【無限に変化する外殻が変形した殺戮兵器 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : BVAリモーフ
対象のユーベルコードを防御すると、それを【無限に変化する外殻によって再現し 】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
【プレイング受付は幕間公開後となります。しばしお待ちを】
―――未踏領域。
猟兵達は、それぞれがマインドを材料に建造した巨大ロボットに搭乗し、宇宙を進んでいた。
「各機、動作に問題は無いかね」
猟兵達の後方に控える惑星ロボ建造船団の旗艦から通信が入る。
「本計画は、これより第2フェイズに移行。対クエーサービースト戦闘における有用性の実証実験に入る。既に相手の座標も把握済だ」
コックピットのホログラムウインドウに、現在地とクエーサービースト・マインドミナBVAの位置が表示される。
相手の大きさから見て、肉眼で捉えられる距離に到達するまで、もう幾ばくもないだろう。
「再度念を押しておくが、惑星ロボは君達のユーベルコードを小惑星レベルにまで拡大して放つ事が出来るが、それは一人に付き一回だけだ。一度ユーベルコードを放つだけでもとてつもなく疲れると思うから、くれぐれも無茶はしないでくれ」
そういえば、と疑問に思った者がいる。
自分達は今、一人ずつ別のロボットに登場しているが、機体のサイズは精々が数kmと言った所だ。確かに巨大ではあるのだが……小惑星サイズの敵と対等に渡り合う為には些か小さくはないか?
そんな疑問は、コンソールから鳴り響いた警報音によって掻き消された。
マインドミナBVAに補足されたのだ。
全長にして数百kmはあろうかと言う黄金の球体生物は、表面に無数のドリルを形成しながら真っ直ぐ此方に向かってくる。
その時、猟兵達の乗るロボットが一斉に同じ反応を示した。
―――Docking System Unlock―――
次いでコックピット中央に一つのボタンがせり上がってきた。
漢字で大きく【承認】と書いてある。
「さぁ惑星ロボの初陣だ! ボタンを押し給え! そしてこう叫ぶのだ!!」
「「「「「グレーートリョウ!ヘイガーーーッッ!!!」」」」
猟兵達の乗る巨大ロボ達が次々と変形して行く。
あるものは腕に。
あるものは足に。
あるものは胴に。
あるものは飛行ユニットに。
連結ビームが互いを繋ぎ、轟音と共に接続される。
胸元にエンブレムが輝き、クエーサービーストに勝るとも劣らない小惑星サイズの超巨大ロボが完成した。
さぁ戦え猟兵達!
惑星ロボの力をクエーサービーストに見せつけてやるのだ!
白斑・物九郎
【Lv3】
●猫型四脚機獣『ジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”』に搭乗してエントリー
ァ?
なんですて?
変形合体だァ?
アーハーハ、オケ把握。そーゆー仕様ってコトですわな。
・変形しながら連結ビームで繋がったりなんだりする最中の搭乗機の中で、ゴロ寝の傍ら器用に身をこなし、うまいこと操縦席に陣取り続ける図
『グレートリョウ』? 『ヘイガー』?
おうコラ旗艦。コレ叫ばなきゃダメなヤツなんですかよ?
(通信でイチャモン付ける)
(まあ必要だってんならちゃんと叫ばなくもない)
・レーダー要らずの【野生の勘】で達者に操縦
・炎の【属性攻撃】、ヒートドライブ発動
・配置されたポジションから、折を見て炎のネコパンチをブッぱなす
宇宙を駆ける様に飛翔する猫型四脚機獣『ジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”』
白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)は、突如目の前に現れた【承認】ボタンを見下ろし、技術者達の意図を悟った。
「アーハーハ、オケ把握。そーゆー仕様ってコトですわな」
舌打ちを一つ。
そう言えば惑星ロボは一台だけと言う話だったのに、何故あんなにも各自が好き勝手に作る事が許されていたのだろうと思っていたら、こういう事だったのだ。
確かにキマイラフューチャーでも巨大ロボに変形合体は付き物だ。
否、醍醐味と言っても良い。
だがしかし―――一つだけ、どうしても言わないと気が済まないことがある。
物九郎は旗艦への通信回線を繋げた。
「どうしたジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”! 君の機体からフュージョン承認が降りていないぞ!?」
「フュージョン承認だぁ? まぁたトンチキな名前つけよってからに……おうコラ旗艦。コレ叫ばなきゃダメなヤツなんですかよ?」
「いいや? 機能的には押すだけで合体はする」
丁度コックピットの中で器用にごろ寝の体勢を取り、頬杖を付いていた物九郎は、その一言に頭が手から滑り落ちた。
鈍い音と共に一瞬通信画面から彼の姿が消える。
「〜〜〜〜💢💢💢!!!」
即座に画面に復帰した彼の額に浮いた青筋が、言外にこう言っていた。
(おぅワレふざけとんのかい!)
「―――しかし」
「ァ?」
「言ったはずだ。惑星ロボは『想いの強さを反映する』と。名を呼ぶとは、思念を言葉として形作り、指向性を持って注ぎ込む行為に他ならない。無言で只ボタンを押した場合と比べて……きっと、出力は雲泥の差になる筈だ」
そう断言する旗艦長の目は真っ直ぐで、真剣だった。
「………………そうですかよ」
応えはせず。捨て台詞の様にそれだけ残し、物九郎は通信を切った。
仰向けに寝転がったまま両手の指の骨をボキリと鳴らし、ついでに首の左右もゴキリと鳴らす。
握りしめた拳は中天に。
【承認】ボタンを叩き割る勢いで振り下ろした。
「グレーートリョウッ! ヘイガーーーッッ!!!」
「NNNYYYAAAAAAAAGG」
ジ・ストームライダー“Mk-Ⅱ”が雄叫びを上げ、その首と胴体が分離する。
胴体は中央から真っ二つに分かれ、連結ビームに導かれリョウヘイガーの両足にドッキング。
飛翔した首パーツはコックピットを伴い、胴体中央に組み込まれた。
機体管制を示すコンソールパネルのパラメーターが四脚機獣から人型ロボに変わり、マインドで出来た操縦桿がせり上がってくる。
ガッチリと操縦桿をホールドした瞬間、物九郎の視界はコックピットから無限の宇宙へとワープした。
リョウヘイガーの視界とリンクしたのだ。
目の前(と言っても実際は何十kmも先なのだろうが)、マインドミナBVAが棘付き鉄球の様に変形した外殻を振り下ろそうとしている。
その表面にはびっしりと無数のドリルが蠢いており、細胞分裂の様な不気味さを演出している。
「ザ・レフトハンド――【属性攻撃・炎】ON」
宣言と共に、リョウヘイガーが左拳を引き絞る。
肘の角度を90度に。腰の回転も加えて全身の打点を全て左手に集める。
太陽さながらに白熱する左拳から溢れる焔の尾が、フレアめいて前腕部全体を炎で包んでいく。
ギリギリと軋みを上げる全身が、力の解放を求める様に極限まで膨張していた。
それは鉄槌。
この世に砕けぬもの等存在せぬ、全てを終わらせる破滅の一撃。
最早射爆と言っても過言ではない程に充填されたエネルギーが今にも破裂せんとするその刹那。
―――外殻が来た。
「トップバッターis俺め! ブチのめしてやりまさァ!」
物九郎の裂帛の気合と共に、全長数十kmの超高熱の杭が、クエーサービーストの外殻を粉微塵に破砕した。
成功
🔵🔵🔴
ビスマス・テルマール
【LV3】
何ヵ月か前にこのタイプと戦った事はありますが……今度は状況が違いますよね
リョーヘイガーの『デア・オーマグロ』の性能
試させて頂きます
かっ飛ばしますので、皆さんもシッカリ捕まってて下さい
●POW
『属性攻撃(デコイ)』と『オーラ防御』を込めた『一斉発射』の『弾幕』をばら蒔き
『空中戦』で【ハワイアンなめろうのビームウィング】で掛け『切り込み』つつ『第六感』で『見切り』『残像』で回避し
撹乱しつつ隙を見てUC発動
コクビット席で絶対超硬剣を生成し『大食い』
白金竜装態を纏い
巨大化した【緋緋色金の沖膾(ミンククジラのなめろう)光剣】を『怪力』で『鎧無視攻撃』を込め
チェストーっと『料理』しちゃいましょう
爆炎の拳が炸裂した後、リョウヘイガーは、まるで糸の切れた操り人形の如く無防備な状態に陥った。
ユーベルコードを撃った反動による莫大なフィードバックにより、操縦者がダウンしてしまったのだ。
だが、パイロット候補はまだまだいる。
次に機体の操作権限を掌握したのはビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。
「また会いましたね……クエーサービースト」
リョーヘイガーの視界越しに眼前のマインドミナBVAを見据える。
未だ受けた衝撃を殺しきれていないのか、表面が小規模な爆発を繰り返しながら外殻を宙に撒き散らしている。
相対するのは実に何ヵ月ぶりだろうか。
前に戦った時は生身だったが、今回は此方も状況が違う。
ビスマスは操縦桿を改めてしっかりと握りしめた。
「リョーヘイガーの『デア・オーマグロ』の性能、試させて頂きます。かっ飛ばしますので、皆さんもシッカリ捕まってて下さい!」
リョーヘイガーの背中にドッキングしていた飛行ユニットが、側面に並んだ無数のスラスターを展開していく。
そこから、一斉に何かが排出された。
遠目には昏い色の霧の様にも見えたそれは、近づくに連れ、徐々にその姿を明らかにしていく。
マグロ。
それは無数と言える量のマグロを模したデコイミサイルだ。
湾曲した軌道を描きながらも一直線にクエーサービーストに殺到するマグロミサイルは、スピードを全く落とすことなく次々と外殻を割り砕きながら突き刺さっていく。
辺りは一瞬にして壮絶な弾幕合戦へと移行した。
クエーサービーストも負けじと砕かれた外殻を鋭利な杭状に変形させてリョーヘイガーへと放ってくる。
「ハワイアンなめろうビームウィング! 展開!」
驟雨の如く飛来する黄金柱の嵐は二重で来た。
ビスマスは『デア・オーマグロ』に搭載されたなめろうビームウイングの羽ばたきによって第一波を跳ね返し、その勢いを生かして急加速。
第二波の横を錐揉み回転で通り抜け、全長数百キロに達するなめろうウイングですれ違いざまに斬撃を重ねていく。
眼下、位置関係からして自らの真下に来たクエーサービーストを見下ろし、ビスマスは操縦桿を手放し、構えた。
「トドメです。生成開始(ビルド・オン)っ! 絶対超硬剣・秋刀魚のなめろう(蜂蜜味噌)味っ! プラチナさん……貴女の力、借りますね。」
その手に現れた絶対超硬剣に勢いよく齧り付いた瞬間、リョーヘイガーの外装が虹色に輝き、白銀の鱗に覆われていく。
それはかつて、異世界のレアメタルが満ちた洞窟に君臨していた帝竜「プラチナ」をモチーフにした鎧装だ。
「沖膾光剣!!」
背中の飛行ユニットが分離変形し、光剣の柄となり手の中へ。
腰だめに構えた柄から伸びるなめろうブレードの刀身は最早1光年先までも届きそうな長さだ。
「チェエエストオオオオオオオーーー!!!」
宙域ごとぶった斬る勢いの沖膾光剣の一撃が、クエーサービーストを縦一直線に斬り伏せた。
成功
🔵🔵🔴
高砂・オリフィス
Level3
前にもおっきい敵と戦ったことあるけど、これはスケール違うなぁ! あははっ!
んんっ、うおおおー! ぼくたちの技を、小惑星レベルに拡大!? しかも合体!?
……どゆこと? しかも一回限り? えーなんか色々試させろーっ! 無理? じゃあ得意技でいきまーす!
使用するユーベルコード……これだっ!《かつて過ぎたる現在》!
まさかロボットが踊って戦うとは思わないでしょ! ぼくも信じられない!
んーっ心地よい疲労感! 運動はやめられないね、宇宙遊泳っていうの? クセになりそう、あははっ!
「んんっ、うおおおー!」
戦闘機動によって激しく揺れるリョウヘイガーの右肩。
そこに高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)の機体は合体していた。
上下左右に揺さぶられるコックピットは、きっとそこにいるのが彼女でなければ、強烈に襲い来るGによって戦闘どころではなかっただろう。
しかし、身体は良くても頭の中までそうはいかない。
今、彼女の視界に広がっているのは無限の宇宙とクエーサービースト。
自分の身体も生身ではなく、何百kmと言う途方も無い大きさの鉄の塊だ。
(え〜〜〜と、なんだっけ、ロボットが一杯合体して、ぼくたちの技を、小惑星レベルに拡大出来るんだっけ?)
―――どゆこと?
そもそも今これはどういう状況だ?
先程機体の揺れから思わず目の前の金色の棒を握ってしまった時から視界がおかしくなったけど、自分の肉体は今どうなっているんだろうか。
(たすけてエライ人!)
「キャァッ!?」
そこを更に衝撃が襲う。
どうやら此方が無防備なのを良いことにクエーサービーストが再生した外殻で反撃の一撃を叩き込んできた様だ。
『どうしたリョウヘイガー! 動きが止まっているぞ!』
視界の済にホログラムウインドウが開き、旗艦長の顔が大写しになる。
「あっ! エライ人! これどうやったら動くの!?」
「イメージだ。リョウヘイガーを自分の肉体だと思って、どこをどうしたいと念じるだけでいい。ユーベルコードも問題なく放てるはずだ」
「でもそれは一回だけなんでしょ?」
「そうだな」
「えーやだやだもっと色々試したい〜っ! 試させろーっ!」
オリフィスの念波とシンクロしてきたのか、リョウヘイガーが駄々をこねる様に両腕を振る。
「まぁ、勿論耐えられるならやってもらって構わんとも。それはそれで今後の神経フィードバック機構の改良にも役立つだろう……それよりも」
「へ?」
「二撃目が来ているようだぞ」
旗艦長の通信が切れると同時、目の前ではクエーサービーストが棘付き鉄球の形に固めた外殻を振りかぶり、正拳突きの要領で真っ直ぐ此方に突き込んでくるところだった。
―――その時、リョウヘイガーの全身の関節が眩い黄金の光を発する。
高速で一直線に伸びてくる棘付き鉄球は小さな山ほどもありそうな大きさだ。
しかし、先程までの緩慢な動きが嘘のように、リョウヘイガーは瞬時に真横にスウェー。
棘付き鉄球を紙一重の距離でやり過ごす。
そして、その勢いを殺さずに全重量を乗せた横蹴りをクロスカウンター!
砕けた外殻を撒き散らしながらクエーサービーストが大きく弾き飛ばされる。
「無理なら仕方ないか。じゃあ…得意技で行くしかないね!」
そう、これはオリフィスの得意とする格闘技、カポエイラの動きだ。
直線攻撃に対する避け技セグンダ・エスキーバからの横蹴りシャパ。
そして構えのジンガ。今、それを全長数百kmの巨人が行っている。
「今度はこっちから行くよ!」
背中のバーニアが一斉に展開し、吹き飛ばされるクエーサービーストを追いかけるように間合いを詰めると、今度は押し出し蹴りのベンサォンで追い打ち。
「隙ありっ! もー、動きが硬いよっ?」
そして、トドメとばかりに回転蹴りアルマーダから回し蹴りのマルテーロコンボ。
「んーっ心地よい疲労感! 運動はやめられないね! 宇宙遊泳っていうの?癖になりそうかも……」
薄れゆく意識の中で、彼女の視界にはクエーサービーストが表面に小規模な爆発を無数に生じさせながら吹き飛ばされていく様子が映っていた。
成功
🔵🔵🔴
備傘・剱
さぁ、宣言通り、料理を開始してやろう
というわけで、青龍撃発動!
ちゃんと美味しく食べてやるからなぁ~
さぁ、接近して、水弾と、誘導弾、衝撃波、呪殺弾を弾幕にしつつ、調理と二回攻撃と、鎧無視攻撃と鎧砕きを重ねた一撃で包丁を突き立ててやろう
外骨格も丁寧に外さないと、な
これ、いろんな道具に加工できるんだよ
内臓の腑分けと肉質の違う所もちゃんと丁寧に分けないと、あとで臭みのもとになるからな
さぁ、調理と解体は時間勝負、鮮度もそうだが、よい熟成をするためには、躊躇してる時間はないからな
こいつに初めて会ったときはデカさに驚いたが、対等に解体ができるようになるって気持ちいいなぁ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
―――ロボットは、食事をしない。
否、正確には、【有機生命体をエネルギーとして経口摂取する事は無い】
これは普遍的な概念だ。
例えスペースシップワールドで無い、他のロボットが存在する世界であっても、
やはりロボットとはそういうものなのだ。
だがしかし―――
パイロットが入れ代わり立ち代わりする惑星ロボ「グレートリョウヘイガ―」おいて、次なる操縦者の思念は、明らかな捕食者のソレだった。
「さぁ、宣言通り、料理を開始してやろう!」
備傘・剱(絶路・f01759)は自らの機体に搭載されていた解体用の巨大包丁を起動。
リョウヘイガーの前腕部が展開し、巨大な片刃のブレードが姿を表す。
「天よ、祝え!青龍、ここに降臨せり!踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」
煌めく星の光を総身に受けた銀の刃が、無数の細かい氷の粒で覆われていく。
螺旋を描く様に包丁に白の霧が巻き付いて行く様子は、「青龍撃」の名の通り、
龍が巻き付いているかの様だ。
新たな攻撃を警戒したか、クエーサービーストもまだ砕かれていない面の外殻を変形させ巨大な砲塔郡を作り出した。
ハリネズミの棘の如し密度で密集した砲塔から、黄金色の熱線が掃射される。
「っと! 往生際の悪い。ちゃんと美味しく食べてやるからなぁ~」
壁のような密度で照射される熱線の嵐。
剱は、それを水弾の弾幕で応戦しながら徐々に距離を詰めていく。
狙うは外殻と外殻の間の継ぎ目。
狩人として、料理人として、数々の獲物を仕留めてきた剱の勘がそう言っている。
何故ならば、例え相手が惑星サイズであろうと、生き物である限り表皮が有り、骨格があり、内臓がある事に変わりはない。
「そこだぁ!」
砲撃の嵐を掻い潜り、再び白兵距離に達したリョウヘイガーの巨大包丁が、クエーサービーストの分厚い表皮を突き破り、何十kmと言う長さの刀身を一気に根本まで押し込んだ!
「GGGGGGGGGGGGGGGGGGGOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO―――」
宙域に、初めてクエーサービーストの苦悶の呻き声が響き渡った。
しかし、双方ここからが本番である。
剱に取ってはお楽しみタイム。
そしてクエーサービーストにとっては地獄の始まりだ。
何せこれから、生きたまま解体しようというのだから……。
「さて、まずは外骨格を外すところからか。丁寧に外さない加工しづらくなるしな」
包丁で外殻を抉るように剥がし、内部の肉質部分を露出させていく。
「GOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO―――」
「内臓の腑分けと肉質の違う所もちゃんと丁寧に分けないと、あとで臭みのもとになるからな。手早くやらないと」
滝のように宇宙空間にぶち撒けられる体液を浴びながら、リョウヘイガーは何度もクエーサービーストに包丁を突き立て、肉を削り取っていく。
※非常にショッキングな映像が流れております。心臓が弱い方はお気をつけ下さい。
「いやぁ、こいつに初めて会ったときはデカさに驚いたが、対等に解体ができるようになるって気持ちいいなぁ」
余談ではあるが、この時、旗艦ブリッジではトイレに駆け込む観測員が続出したと言うのは……彼の預かり知らぬ話である。
大成功
🔵🔵🔵
桑原・こがね(サポート)
あたしを見ろォ!
登場は雷鳴と共に、派手に演出していきたいわね!
名乗りを上げて注目されたいわね!
囮役とかも嫌いじゃないわ。
こそこそしたり駆け引きするのは苦手だし、何事も正面突破の力技で解決したい!
戦うときは大体斬りかかるか、武器を投げつけるか、雷出すかのどれかね。徒手空拳も心得が無くもないわ!
さーて、雷鳴を轟かせるわよ!
いつまでその状態が続いたろうか。
最早一方的な蹂躙と化していた両者の残虐ファイトは、リョウヘイガーが突如動かなくなる事により一応の収束を見た。
「G……GGGGGGGGGGGGGGGGGGG」
攻撃が止んだことを悟ってか、クエーサービーストが掴みかかったまま脱力しているリョウヘイガーを振り払う。
意趣返しのつもりだろうか。
腕のように伸びた外殻が鋭く、凶暴な形状のピックの様な形状に成形され、リョウヘイガーの胸元目掛けて振り下ろされた。
ーーーその時、宙域一帯に二つの動きが生じた。
一つは建造艦隊全域を物理的に揺さぶる程の大轟音。
そしてもう一つは数千キロに渡って宙域をクモの巣状に駆け巡る壮大な稲妻だ。
「残念だったわね化物! ここからはあたしのターンよ!」
いつの間にかパイロット権限は桑原・こがね(銀雷・f03679)へと移り変わっていたようだ。リョウヘイガーの右手がピックの先端をガッシリと掴んでいる。
力を込める。
指先を起点に、腕全体を水路に水が流れる様に黄金の紋様が刻まれていく。
それは彼女の機体に搭載された唯一の武装、その名も「雷神掌」
渦のような数の稲妻を纏い、今、そのエネルギーは臨界を迎えようとしていた。
「さーて、雷鳴を轟かせるわよ! 痺れさせてあげる!」
ーーー瞬間、宙域から全ての音が消える。
まず、波が来た。
両者を中心とする瞬間的な次元震動が、莫大な衝撃波となって微細な(と言っても数十メートルはある)スペースデブリを津波の如く押し流す。
それにほぼ重なる様に特大の雷鳴が宙を裂き、クエーサービーストの形成したピックが粉微塵に爆散した。
破壊はそれだけに留まらない。
落雷の何百倍にも匹敵するこがねの一撃はクエーサービーストの外殻を突き破り、傷付いた内部を焼き尽くしていく。
「GGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGGーーーーー!!!」
果たしてそれは断末魔だったのだろうか。
赤熱した恒星と化したクエーサービーストは、壮絶な爆発を起こし、未踏領域の藻屑と消えた。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『クエーサービースト・ヴァキアスEAT』
|
POW : EATグラトニウム
【周囲に蠢く存在を喰らいたいという暴食】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD : EATマテリライズ
【外殻を物質を破壊する超振動モード】に変形し、自身の【喰らった栄養分の消化】を代償に、自身の【外殻の防御力・スピード・反射速度】を強化する。
WIZ : EATベルゼバブル
【あらゆる生物・物質を消化する分解液の霧】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠メイスン・ドットハック」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
【プレイング受付は幕間公開後となります。しばしお待ち下さい】
無数の小さな欠片と化して宇宙に散らばるマインドミナBVA。
微塵に砕け散って尚、その外殻は蠢くのをやめていない。
小さな欠片同士の結合が至るところで起き、その合間を金色の外殻が接着剤の様に埋めていく。
それは宛ら惑星が誕生する瞬間を眼にしているかのようだ。
だがーーー次の瞬間、突如としてマインドミナBVAが姿を消した。
忽然と。空間ごと削り取られたかのように。
一瞬の後、音が来た。
何か、硬いものを噛み砕いて、咀嚼する様な音だ。
大気もない真空状態だと言うのに、その場の誰もが空間の鳴動を感じていた。
途方もなく巨大な何かが、ミミズの様に漆黒の闇を喰い破って這いずってくるのを。
まさかーーと、旗艦ブリッジにいた誰かが呟いた。
まさか、マインドミナほどの質量がある生物を捕食出来るナニカがいるとでもいうのか。
瞬間、鳴り響くアラート音にブリッジは一気に騒然となる。
「これは……生体反応!?」
「全長600……700……そんな! 1000kmを越えてます!!」
「データ照合来ました。個体名:クエーサービースト・ヴァキアスEATです!」
「悪食か! なんて間の悪い……」
表情を険しくした旗艦長はリョウヘイガーとの通信回線を開いた。
「聞こえるか、リョウヘイガーパイロット諸君。戦闘が終わって一息つきたいところだろうが、残念ながらそうも行かなくなった。もうそちらからは肉眼で確認出来るだろう。あれは通称『悪食の遊泳者』。宇宙船だろうと巨大生物だろうと無差別に捕食し、その栄養分で外殻を硬質化していく厄介なクエーサービーストだ」
先の戦闘でリョウヘイガーの機体も少なからずダメージを受けている。
しかし、ここで破れてはこれまで集めたデータも、素材も全てが水の泡になってしまう。
「連戦で厳しいと思うが無事にデータを持ち帰るまでが調査だ。何とか頑張ってほしい」
備傘・剱
ほほう…
人の獲物を捕食した、と言うわけだな?
つまり、俺に対する挑戦と捉えていいわけだ
決めようじゃないか、どちらが捕食者なのかをよ
調理開始、発動
それと同時に全兵装、オーラ防御、全力展開
さぁ、始めよう、鰻、もとい、ヴァキアスEAT捌き!
結界術で動きを封じて、早業で鱗を落とし、鎧無視攻撃で柔らかくなった所に串打ちして、鎧砕きで強引にナイフを突き刺して調理で捌いてくれる
霧や、超神道モードは念動力である程度、逸らして被害を抑えらえるだろうし、こっちが捕食しようとしている意思を精神攻撃でぶつければ、感情を削ぐこともできるだろうな
宇宙スタミナ食に一石投じてやるわ、その贄となれ!
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
「ほほぅ……やってくれたな……」
そう呟く備傘・剱(絶路・f01759)は、静かに怒っていた。
何故ならば、今正に目の前でヴァキアスEATの胃袋に収められようとしているマインドミナBVAは、元はと言えば彼が丁寧に解体し、食材として持ち帰る物だった筈だ。
つまり彼からすれば獲物を横取りされたと言うことになる。
「良かろう。俺に対する挑戦と受け取った。決めようじゃないか、どちらが捕食者なのかをよ!」
再びリョウヘイガーが解体用の巨大包丁を手にとった。
同時、前腕部から数本の長大な鉄の杭が射出され、もう片方の五指の間に収まる。
「さぁ、始めよう! 鰻ーーーもとい、ヴァキアスEAT捌き! オブリ飯の神髄見せてやるぜ! 調理開始だ!」
奇しくも、この日は土用の丑の日。
スペースシップワールドでも、船内の環境設定を夏季空間へと切り替えを行う区切りの日だ。
この世界では失われて久しい、太古の惑星文明の風習にあやかり、毎年この日は海洋養殖船で獲れた宇宙鰻を食して夏の訪れを感じると言う文化がある。
サイズがかなりアレだが、ヴァキアスEATもよくよく見れば鰻に似ているではないか。
ーーーならばいける。いけるはずだ。
「宇宙スタミナ食に一石投じてやるわ、その贄となれ!」
気合一閃。剱の投擲した巨大鉄串がヴァキアスEATの腹に突き刺さり電撃の檻を形成する。
「KKKKKKKKKKKKKKEEEEEEEEEEEEEEEEE」
不快そうに巨体を捩るヴァキアスEAT。防衛反応なのか、その背中にびっしりとならんだ鋭利な鱗が電動ノコギリの様に高速で往復振動を始めた。
身を捩り、電撃結界を内側から破壊しようともがく。
「やらせるかよ! 魚類捌きの基本! まずは丁寧に鱗を落とすべし!」
ブースターを展開し、一気に腹側から背中側に回った剱は、高速振動する鱗を根本から刈り取るように包丁を水平に叩き込んでいく。
「ちっ! 流石に硬いな、刃が欠けそうだ!」
硬質化した鱗を砕く衝撃がダイレクトに伝わり、リョウヘイガーの腕が軋みを上げる。
遂に鱗の下から除く表皮が剥き出しになった。
剱は順手に持った包丁を逆手に持ち替え、鉄串と共に垂直に突き立てる!
「GGGGGGGGGSYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
包丁がヴァキアスEATの背に深々と突き刺さり、渾身の力で一気に引き裂く!
面積にして約数十km。
ヴァキアスEATの毒々しい色をした体液が、漆黒の宇宙にぶち撒けられた。
成功
🔵🔵🔴
白斑・物九郎
【Lv3】
●SPD
もう一戦だァ?
ったく、大分ムチャしてガタ来てますってに
まあイイですわ
重ねて動かす方法、無くはありませんしな
オラッシークレットコード解禁!
折角積んだアレ、使わにゃ勿体ありませんしな!
デッドリーナイン・ナンバーツー・ダッシュ
【ビーストドライブⅢ】、フルカウル
【蹂躙】しろ――『ジ・ストームライダーMk-Ⅱ改』!
・ジェネレーターに【限界突破】させる浪漫仕様を今こそ発動
・操縦桿の傍のひみつスロットに「マタタビ」って書いてあるカートリッジを挿入
・そうですこれがシークレットコードです
・機体をネコマタの骸魂で覆って再建、ブッ込む
・活動限界時間とジェネレーター限界の兼ね合いは【野生の勘】で悟る
白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)が最初に感じたのは違和感だった。
彼の紅黒模様の猫耳がピクリと震える。
(こらぁ片腕イワしましたな....?)
先程、高速振動する鱗をブレードで断ち割る際、肩関節から歪な音がしていたのを彼は聞いていた。
実際操縦権が自分に移った今も、リョウヘイガーはヴァキアスEATの背にブレードを突き立てて立ったままだが、腕を幾ら動かそうと念を込めようとも、指一本動く気配がない。
「GGGGGGGGGGAAAAAAwAA!!!」
その時、ヴァキアスEATの鱗が再び高速振動を始めた。
リョウヘイガーの腕が鱗の間に挟まれ、プレス機に引き込まれる様にひしゃげていく。
「チィッ!」
物九郎は間一髪、片腕をパージし宙に離脱、自分毎スクラップにされる未来は回避した。
(ったく、こんな状態でもう一戦だァ?大分ムチャしてガタ来てますってに)
だが、同時にありがたくもある。
何故なら、遂に【アレ】を使う時がやってきたのだから!!
「折角積んだアレ、使わにゃ勿体ありませんしな!」
物九郎はホログラムキーボードを立ち上げ、コントロールパネルにコードを入力。
ーsecret mode:MATATABI-DRIVEー
「デッドリーナイン・ナンバーツー・ダッシュ
【ビーストドライブⅢ】、フルカウル」
操縦桿が展開し、鍵型の差込口が現れる。
「蹂躙しろ――『ジ・ストームライダーMk-Ⅱ改』!」
物九郎は懐から『マタタビ』と書かれたカートリッジを取り出し、叩き付ける様な勢いで差込口にブッ刺した。
「NNNNNNNNNYYAAAAGGGHH!!!」
リョウヘイガーの胸部にドッキングしているジ・ストームライダーMk-Ⅱの目が金色の光を放ち、周囲に微細な火の玉を召喚していく。
無数と言える量の揺らめく火球は、その一つ一つが幽世より顕し骸玉「猫又」の大群だ。
蒼炎の奔流と化した猫又達は、瞬く間にリョウヘイガーを取り巻き、その身を半透明の巨大な猫型魔獣へと変貌を遂げて行く。
縦長の瞳孔が、真円に開いた。
全長数百kmの巨体が、しなやかな俊敏さを持って再びヴァキアスEATに襲いかかる。
鋭い爪を備えた巨大猫パンチが絨毯爆撃さながらに炸裂し、ヴァキアスEATの外殻をごっそりと抉り取った。
成功
🔵🔵🔴
高砂・オリフィス
Level3
あははっ! 連戦で厳しいかもって? どんと来いだよっ! ようやく体があったまってきたところさっ
この熱気を全宇宙に届けること、それがダンサーであるぼくの使命! やるぞーっ!
因果は回る現在を使用! 自分に推進力を付与して、鉄砲弾のように突っ込む!
さらに帯びた熱で焼き尽くしてあげるよ! この広いステージ、少しでも盛り上げなきゃもったいない!
何これ、ミスト?! いーねいーね! そういう演出ぼくは好き! 敵とも、もちろん味方とも、協力して作り上げてく舞台こそ醍醐味さ! フィナーレは派手にいっくよー!
その時、遂に鎌首をもたげたヴァキアスEATがリョウヘイガーの姿を捉えた。
鋭利な石塔が並んだ峡谷の如き顎が、空間を引き裂きながら開かれていく。
「GGGGGG..........GAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
そこから放たれるのは爆音どころではない音量の咆哮だ。
しかし、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)はその大音響に快活な笑顔を返す。
「あははっ! やっとこっちを見てくれたね! ようやく体があったまってきたところさっ」
(連戦で厳しいかもって?どんと来いだよっ!)
否、寧ろ面白いのは此処からだ。
自らの中で、爆発しそうな程にうねりを上げるエネルギー。
この熱気を全宇宙に伝えることこそ、自分の、否、ダンサーの使命と言っても良い!
「やるぞーーっ!! 全力全開フルスピードっ! 盛り上がってこーよ!」
オリフィスが手を振り上げると同時、亜空間ゲートを通り、ブースターユニットが飛来。リョウヘイガーの腰にドッキングする。
「いっけぇぇぇぇーーーーー!!」
棚引く量子リアクターの燐光を引き連れ、赤熱した巨大な弾丸と化したリョウヘイガーが、一直線にヴァキアスEATに飛び蹴りを叩き込む。
灼炎の華が咲き、肉片が弾けて飛ぶのは被弾の証だ。
「GAAAAAAAAAAAAAAA!!」
それを押し除ける様にカウンターアタックが来た。
足蹴にされたヴァキアスEATが、下から天に溶解の霧を噴き付けたのだ。
真紅に輝く装甲の表面が不気味な泡を立てながら歪み、剥がれ落ちていく。
「何これ、ミスト?! いーねいーね! そう来なくっちゃ!」
オリフィスの視界にエラーメッセージが乱舞する。
だが動きは止まらない。
いや、止められない。
円を描く様に、時に絡み合う様に。
舞台は確実にフィナーレへと近付きつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
十文字・真(サポート)
14歳の中学生です。思春期なため女子に興味津々です
基本の口調は「厨二(我、貴様、だ、だな、だろう、なのか?)」、素で話す時は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。当て字、横文字、妙に難しい言葉が好きです
常に厨二な感じで喋りますが色々未熟な為、時折素の口調が出てしまったり、「それ厨二?」な事を言ったりもします。笑い方は「くくく…」です
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
フィロメーラ・アステール
「どうやら間に合ったようだな!」
さあ、このお助け妖精ロボと合体するんだ!
このリョウヘイブースターで移動速度は約3倍…
え、飛行ユニットもうある?
ブースターもかぶってるとか言うな!
翼とジェットは多い方がカッコイイから、いいんだって!
とにかく【願い願われし綺羅星】を発動!
守るべき民と散っていった仲間達(死んでない)の想いが【第六感】を通して出る力となるぜ!
そして機体を【気合い】の【オーラ防御】の輝きで包み【全力魔法】で加速し、【残像】とともに突撃するぞ!
つまりロボ自体が流星となって敵をうつ!!!
生物や物質を消化するなら、オーラのバリアで耐えられる!
はず!
まあ超スピードで突っ切れば被害は最低限さ!
「くくく……深遠《ケイオス・フィールド》に揺蕩う悠久の時を放浪する妖魚スペキュロスよ。深遠は『シン』の毒気が充ちた事で新たな世界線へと移行した。これよりは漆黒の教えを司るこの十字神が「かの者」にトランスしてやろう!」
次なるリョウヘイガーのパイロットが最初にしたことは、ビシッと立てた人差し指をヴァキアスEATに突き付ける事だった。
黄金に輝く瞳が眩しい、快活そうな少年だ。
名を、十文字・真(十字神(クロス・ゴッド)・f25150)と言う。
やや煽り気味の角度で頭部パーツを掌で覆うそのポーズからは、空間全体を震わせる言いしれぬ圧力が感じられ…………………感じれない。
そう、残念なことに……非常に残念なことに、彼は厨二病を患う、至極真っ当な中学生だった。それもどちらかと言うと、クラスメイトの女子が階段の踊り場でターンする時、遠心力と言う神秘の圧力が暴き立てる楽園の門へと想いを馳せる様な。
宙域に一瞬、大気もないのに生暖かい風が流れた気がする。
「GGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
停滞を破ったのはヴァキアスEATからだった。
最早生半可な攻撃は効かぬと悟ったか、剣山の如し顎を限界まで開き、リョウヘイがーの胴へ噛み付こうと迫ってくる。
「ハハハ! こやつめ! まだまだ活きが良いではないか! よかろう、我が十字剣(クロスブレード)により斬り捨てられよ!」
五指を広げた手を振りかざすと、マインド粒子が反応し長大な十字架を模した剣が顕現する。
黄金に輝く巨大な十字剣は、ヴァキアスEATの口を水平に切り裂く様な軌道で叩き込まれた。
しかし―――
「NNNNNNNGGGGGGGGGGGGGGGGGG」
「な、なに!? 我が断罪の紅き剣閃を防いだだと!?」
確かな手応え感じたのも束の間、真は十字剣が全く動かせない事に気付く。
硬い肉質に食い込んだのか。否、これは逆だ。喰い付かれている。
ヴァキアスEATが、地殻すら破砕して咀嚼する強靭な顎で剣を止めているのだ。
同時、真の意識を叩き付けるような眠気が襲う。
「っ! クソッ、もう活動限界かよ……」
だが今はマズイ。
何故なら目の前では既に視界いっぱいに広がった牙の天地が上下からリョウヘイガーを押し潰そうとしているのだ。
こうして十字剣で押し返そうと力を込めていなければ、瞬時にヴァキアスEATの顎がリョウヘイガーの全身を破砕するだろう。
我が身は勿論、意識を失っている他のパイロットの身柄も危ない。
(マジか……これ、ヤバいんじゃ)
マインドのフィードバックで朦朧としてくる視界の片隅に、彼方より一際輝く何かが近付いてくる。
(何だあれ……流れ星…?)
近づくにつれ徐々に輪郭が解ってくる。
輝く光の尾を引いて飛んでくるのはX型の大型量子リアクターを広げた戦闘機だ。
通信回線が開き、真の視界にフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の顔が大写しになる。
「どうやら間に合ったようだな!」
「ぞ、増援か!?」
「その通り! 通りすがりのお助け妖精さんとはあたしの事だ! さぁ説明している時間はない。早くこのお助け妖精ロボと合体するんだ! このリョウヘイブースターを装着すれば移動速度は約3倍に……」
「……いや、飛行ユニットならもう付いてるけど」
「え?もうある?」
「正直ブースターよりは必殺武器みたいな奴の方が……」
「しゃらーーっぷ!! 翼とジェットは多い方がカッコイイから、いいんだって!」
金色の妖精はそこまで一気に捲し立てると通信を終了。
合体シーケンスを開始してしまった。
量子リアクターがバラバラに分かれ、ファンネルの様に不規則な軌道を描き、リョウヘイガーの背中に浮遊装甲としてドッキングする。
「お前はしっかりその剣握っとけ! 後はあたしがふっ飛ばしてやる!」
量子リアクターの出力が、瞬時に臨界点を突破した。
先程まで仄かに散る燐光の様だった黄金色の光は、今や瀑布の如き勢いで宙域を照らしている。
三対六翼の光の波動が、びくともしなかった十字剣を徐々に押し返し始めた。
これは―――何も彼女だけの力ではない。
―――これまでの戦いで操縦桿を握ってきた猟兵達の意思。
―――後方に控える建造船団で戦闘データの解析を続けるオペレーター達の意思。
―――機体に魂を込め送り出した、現場監督や作業員達の意思。
―――額に汗をかき、渾身の図面を書き上げた設計者達の意思。
それら全てを、マインドを通じて思念エネルギーと化し、量子リアクターを通して推進力としているのだ。
「みんなのパワーをお星様に! さぁ突っ切れーーー!!!」
「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「GIIIIISSSSSSSSYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
ヒビが入ったヴァキアスEATの牙が、この時遂に、破砕音と共に砕ける。
行った。
全身を流星と化したリョウヘイガーは、全長1000kmにも及ぶ極巨大生物を、頭から水平に断ち割った。
「ふ……くくく……さらばだ妖魚スペキュロス。深淵たる闇の向こうで……いつの日かまた……相見えようぞ……」
どうにか最後は厨二の心で締め括り、真は余韻と共に意識を手放すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
キャロル・キャロライン
【Lv3】
リョウヘイガー……凄まじい力です。
こういったものがあれば、私の国が失われることも……私の……国……?
いえ、今は余計なことを考えている余裕はありません。
まずは、あの敵を倒すことに専念いたしましょう!
UCを発動し、幾多の白銀の鎖と剣を召喚。
まずは鎖で敵を捕縛し、身動きを封じます。
続けてその全身に向けて剣を一斉発射!
本来の時でさえ、あらゆるものを貫通し、地形すら破壊するこの攻撃。
リョウヘイガーにより強化されたものならば、あの巨体と言えど無視できない筈!
敵がひるんだところで、白銀のランスでリョウヘイガーの全質量を掛けてチャージを行います!
宇宙の塵へと還りなさい! クェーサービースト!
宙を悠然と泳ぐように、深手を負ったヴァキアスEATがゆっくりと船団から離れていく。
キャロル・キャロライン(アリスナイト・f27877)は改めて自らの乗る巨大すぎる人型の要塞を見下ろしていた。
(リョウヘイガー……凄まじい力です。こういったものがあれば、私の国が失われることも……)
そこでふと、思考が途切れる。
「私の……国……?」
分からない。
何か、何かとても大切な物があったような気がするのだが、それはまるで霞が掛かった様に茫洋としていて、輪郭が掴めない。
そんな彼女を現実に引き戻したのは旗艦からの通信画面だった。
「大変だリョウヘイガーパイロット諸君! クエーサービーストの生体反応が君達から離れつつある。このままでは逃げられるぞ!」
そうだ、大勢は決したとは言え未だ戦闘は続行中である。
(そうですね。まずはあの敵を倒すことに専念いたしましょう!)
キャロルが手を広げると、背後に直径数kmはあろうかと言う光の輪が無数に口をあけていく。
そこから射出されるのは白銀の鎖と剣の大群だ。
星々の淡い光を反射して煌めく光の糸が、生き物の様に蠢きヴァキアスEATを絡め取っていく。
「GGGGGGGGGGGGGGGGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
断末魔を上げるかの様に、最後の力を振り絞って外殻を震わせ、脱出を図ろうとするヴァキアスEAT。
だがキャロルはそれを許さない。
「させません!」
回転しながら周りと飛び回っていた剣達が一斉に中心に向きを揃え、全方位からヴァキアスEATを宙に縫い止める!
「これで終わりです」
マインドの光がリョウヘイガーの手に集まっていく。
やがて姿を表すのは美しい意匠の施された白銀の突撃槍。
その穂先が、鎖と剣で雁字搦めに縛られた獲物へと向けられる。
背部バーニアが白い燐光を散らし、臨界の瞬間を待ち構えている。
「宇宙の塵へと還りなさい! クェーサービースト!」
キャロルの気合が炸裂した瞬間、白銀の光が瀑布の如き勢いで噴射される。
突撃した。
「GGGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」
狙いは一つ、外殻が剥げ落ちたヴァキアスEATの額部分。
巨大な弾丸と化した大槍に顎を貫かれた悪食の遊泳者は、白銀の閃光を撒き散らしながら、破裂するように、その長大な身体を崩壊させていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵