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愁魔の煩い(作者 秋月雅哉
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●愁魔は人間が大嫌い
「はぁ……領地に人間が増えてきたね。害虫は目障りだな。ねぇ、適当にいくつか村を滅ぼしてくるようにほかの配下に命じてくれる?」
『愁魔』メルスィン・ヘレルはそこにある爪切りをとってくれる? と頼むような気楽さで、そして心底面倒だというように配下である混血の落とし子に伝令を命じた。
 愁魔に滅ぼされることを恐れて従順な部下として彼女に仕えている混血の落とし子はわかりました、と一礼して殲滅部隊に領主の命令を告げに行く。人狩りを楽しむ殲滅部隊は嬉々としてこの命令を受け入れるだろう。
(私はあとどれくらいの間、生きられるだろう? ご主人様の不興を買わないように怯えながら生きる意味はあるのだろうか。それでも……絶対服従以外の道は考えられない……それが私の弱さなのでしょうね)
 殲滅部隊が人狩りに向かったことをメルスィンに伝えるとあぁ、そう、とそっけない返事が返ってくる。不興を買っただろうかとかすかに体をこわばらせる混血の落とし子に
愁魔は次の命令を放った。
「じゃああなたたちは屋敷の警備をお願い。なんか猟兵とかいうのがオブリビオン倒して回ってるらしいしさ。私は退屈も嫌いだけど害虫を視界に入れるのも大嫌いなの。私の居室に来る前に始末してちょうだい。……猟兵たちが現れなかったら、人狩りに反発してくる領民を皆殺しにして。裁量は任せるから」
「かしこまりました、ご主人様」
「あなたたち番犬は私が買ったんだからさ、ちゃんと仕事してよね。でもまぁ……あなたたちを倒して私の居室に乗り込んでくるくらい強い相手なら、少しは退屈せずに済むのかな?」
 生まれつき絶大な力を持つ吸血鬼の少女はそう言って猫のように目を細めたのだった。

●愁魔退治
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。愁魔と呼ばれるオブリビオンが領民を虐殺しようと人狩りと呼ばれる殲滅部隊を村に差し向けています」
 しかし止めてほしいのはその惨状ではない、と雨宮・冬華はわずかに眉を顰める。
「人狩り部隊を殲滅しても、愁魔はすぐに戦力を補充して同じことを繰り返すと思うので……皆さんには領主の館を強襲してほしいんです」
 警備兵として混血の落とし子と呼ばれるオブリビオンたちが警備しているようです、と冬華は告げる。
「でも普段より戦力はかなり減っていますので強襲するなら今回がチャンスだと思います。混血の落とし子と愁魔メルスィンを倒したら、近くの村の人たちにもう危険は去ったのだとお知らせするために演劇会を開こうかな、と思うんです。人狩りで生きた心地もしないでしょうし」
 私もその際は同行するので皆さんの力を貸してください、と冬華は大きく頭を下げたのだった。


秋月雅哉
 相変わらずダークセイヴァーでのみ息をしている感じのある秋月です。
 今回も領主の館強襲シナリオになります。
 技能やユーベルーどの判定より心情をぶつけあうシナリオのほうが得意なので、混血の落とし子や愁魔メルスィンに思いの丈をぶつけるプレイングのほうが描写がうまくいくのではないかな、と思っています。
(過去のシナリオを見ていただけるとわかりますが戦闘描写はごく薄いMSです)
 皆さんのプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『混血の落とし子』

POW ●落とし子の牙
【自らの血液で作られた矢】が命中した対象に対し、高威力高命中の【牙による噛み付き攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD ●血の盟約
【主人である吸血鬼に自らの血を捧げる】事で【黒き祝福を受けた決戦モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ ●落とし子への祝福
【邪悪な黒き光】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


タリアルド・キャバルステッド
私にとって、人々の衣食住を守ることは命を守ることと同等に大切なこと。
村を捨てて逃げれば命は助かるかもしれませんが、人として尊厳ある生活は守れない……
本当の意味で村を救うには領主の『愁魔』を倒すしか無いと言うことですね。


UC「TORNADO」を発動。
この敵は血を操る攻撃を得意とする様子。
ならば乾燥させることで戦力を削ぐことが出来るのでは。
そしてまとめて吹き飛ばしてあげましょう。


●護ること、滅ぼすこと
「私にとって、人々の衣食住を守ることは命を守ることと同等に大切なこと。村を捨てて逃げれば命は助かるかもしれませんが、人として尊厳ある生活は守れない……。本当の意味で村を救うには領主の『愁魔』を倒すしか無いと言うことですね」
 衣食住を守り、生活環境を整えるにはどうしても村が必要だし、流浪の果てに安息の地があるとは限らない、とタリアルド・キャバルステッドは嘆息する。
 人類砦の建設などにより少しずつダークセイヴァーも変わってきてはいるが、まだまだ貧しく、領主の圧政に苦しむ世界で村を捨てろとはタリアルドは言えなかった。
「手早く領主を倒せば人狩り、といいましたか。殲滅部隊を止めることができるかもしれません。そのためにもあなたを倒して先に進ませていただきます」
「ご主人様にたてついて生き延びた人間はいないのよ? 諦めるという選択肢はないの? 人々の衣食住を守る以上に、自分の命を守っても誰も責めないわ。この領地の人々はみんな生きることを半ば以上諦めているもの」
 混沌の落とし子はなぜこの猟兵は自ら死地に赴こうとするのだろう、と心底不思議そうに首をかしげて問うた。
 自分が戦うのは領主が怖いからだ。領主に殺されないためには不興を買わず、目立たず、役に立つこと。それで最低限自分たちの身は守ることができる。
「聞こえていませんでしたか? 私にとっては自分の命を守ることも、人の命を守ることも等しく重要で大切なことなのです。自分だけが助かろうとは思わないし……愁魔を討ってこの地の絶望を終わらせます」
「そう……強いのね。あなたは」
 このオブリビオンは『混血』である故か血を媒介にした攻撃方法に長けている、とタリアルドは判断すると湿気を取り除き急速な乾燥をもたらす小さな竜巻を放った。
「乾燥させることで血液を媒介とした力を封じることができると算段したのですが……いかがですか? このまま吹き飛ばして差し上げましょうか。一つ一つは小さな竜巻ですが塵も積もれば山となる、ですよ」
「ご主人様の命令を守らないわけにはいかないわ。でも、確かにちょっと分は悪いかもしれない」
 戦いは始まったばかりでまだ先行きは不透明だ。
成功 🔵🔵🔴

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブ歓迎

「落とし後子よ、“光の箱庭”へと還りなさい☆彡」と祈り『フェアリーランド』の壺の中から光/風の精霊を呼んで聖霊と月霊を呼んで“七色こんぺいとう”を配って『月世界の英霊』で空間飛翔して攻撃を避けながら『月霊覚醒』で敵のUCを封印/弱体化させます♪
『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃を仕掛けます☆彡
機会を見て『クリスタライズ』で姿を隠して『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

旅兵の怪我人に『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します♪

「さぁ、魂魄を鎮め神様の御園へと旅立ちなさい☆」


ルカ・クルオーレ
アドリブ連携歓迎

とりあえずこの連中を突破しないと本命さんには辿り着けないってことだねえ。
邪魔くさいな。
此方が狩らせてもらうよ、君らと…君らのご主人様をね。

【錬成カミヤドリ】で武器を増幅してなぎ払ってしまおうかな、ちまちま相手するのも疲れるしね。
「自分の意思を捨てた人形なんかに僕を止められると思ってるのかな?」

嫌気がさすねえ、自分らがそうだからって他人の生きる意志を奪ってもイイなんて事あるわけないじゃん。
お前らがどう思っていようがくだらない生き方だね。


●価値観の違い
「とりあえずこの連中を突破しないと本命さんには辿り着けないってことだねえ。邪魔くさいな。此方が狩らせてもらうよ、君らと……君らのご主人様をね」
「そう簡単に狩らせると思っているの? 主のためにある。それが十社としての務め。阻止させてもらうわ」
 ルカ・クルオーレの言葉にオブリビオンたちは静かにルカと祝聖嬢・ティファーナを包囲する。
「落とし子よ、“光の箱庭”へと還りなさい」
 自分に力を貸してくれる精霊へと七色こんぺいとうを配り、混血の落とし子のユーベルコードを封印しにかかるティファーナ。
 ティファーナにタイミングを合わせるようにルカは自分の本体である器物を複数錬成し武器を増幅することでまとめて薙ぎ払いにかかる。
「自分の意思を捨てた人形なんかに僕を止められると思ってるのかな?」
「自分の意志を捨てた人形だからこそできることがあることもあるのよ」
 落とし子たちは複製された武器を巧みにかわし、攻撃のかなめとなっているルカに反撃を仕掛ける。
「おっと、そうはさせないよ。猟兵だって連係プレイはするんだからね♪」
 ルカに集中攻撃を仕掛け一点突破しようとした落とし子たちを、ルカに注意を集中させていた隙に姿を隠していたティファーナが猛攻によって援護する。
「さぁ、魂魄を鎮め神様の御園へと旅立ちなさい☆」
「わたしたちに信じる神などいないし、わたしたちに開かれている御園なんてないわよ。開かれているなら、今こうして恐怖に縛られていることだってなかった!」
「お前たちは現状を変えようという努力をしたのかい? 努力もしないまま救われない、不幸だ、報われない。そんな風に嘆いている悲劇のヒロインぶったオブリビオンなんて誰も救ってくれるわけがないだろう?」
 ティファーナの援護を受けて、ルカが再び放った一撃は今度は落とし子の一人にしっかりと命中し、その命を散らした。
「嫌気がさすねえ、自分らがそうだからって他人の生きる意志を奪ってもイイなんて事あるわけないじゃん。お前らがどう思っていようがくだらない生き方だね」
「くだらないとはボクは思わないけど、恐怖に縛られて自由がないのは悲しい生き方だね。神罰の聖矢で罪を浄化してあげるから、おそれずに御園の存在を信じて今の自分を解き放ってごらん。キミたちの因果も、キミたちを苦しめた領主も、ボクたちが打ち払おう。ダークセイヴァーに新しい風が吹くころ、いつかキミたちが人として帰ってこられますように♪」
「キミは甘いね……でもまぁ、助けられたのは事実だし、仕事としてオブリビオンを片付けられれば文句はない。個人の価値観にまで口を出すほど狭量ではないさ」
 ティファーナの温かな見送りの言葉にルカは冷めた言葉を挟むが、それ以上は何も言わずに戦いへと戻っていったのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

アンナ・フランツウェイ
生きる為に怯えながら服従し戦う…。くだらないな、アンタ達。それじゃ生きてるなんて言えないと思うけど…。

私が戦う理由は何かって?村人の為?そんなはずはない。むしろ人間なんてただのバケモノだし、むしろアンタ達の主が率いる殲滅部隊で虐殺されろと内心思ってる。

そんな私が戦う理由。冬華さんに頼まれたのもあるけど…、まだ私が私自身でありたいから。私の中の憎悪…呪詛天使に身を任せて戦っては、アンタ達オブリビオンと何も変わらない。いや、たとえ私がバケモノだったとしても、魂だけは私自身でいたい。その為に…私は戦っているんだ!

だからアンタ達には消えてもらう。…だけど、せめて苦しませないようにはしてあげるよ。


●生きる理由、戦う理由
「生きる為に怯えながら服従し戦う……。くだらないな、アンタ達。それじゃ生きてるなんて言えないと思うけど……」
 戦いに身を置く以上死神とダンスを踊り、命を刈り取られる一歩手前で敵と入れ替わるような立場に置かれることもある。生きることが目的なら逃げて、隠れひそめばいいのに、とアンナ・フランツウェイは思わずにいられない。
「じゃあ、あなたはなんのために戦うの? わたしたちだって必死なのよ。逃げればご主人様に殺される。あなたたちを殺さなければあなたたちに殺される。どこにも私たちの安住の地なんてない!」
「私が戦う理由は何かって?村人の為?そんなはずはない」
 むしろ人間なんてただのバケモノだし、むしろアンタ達の主が率いる殲滅部隊で虐殺されろと内心思ってる、と内心でアンナは付け加える。アンナにとって人間は救済の対象ではないのだ。
「そんな私が戦う理由はね、頼まれたからっていうのもあるけど……私自身でありたいからよ。恐怖で牙を抜かれ爪を切られたあなたたちペットとは違う。私の中の憎悪……呪詛天使に身を任せて戦っては、アンタ達オブリビオンと何も変わらない。いや、たとえ私がバケモノだったとしても、魂だけは私自身でいたい。その為に……私は戦っているんだ! だからアンタ達には消えてもらう。……だけど、せめて苦しませないようにはしてあげるよ」
 生きる道は自分で決める。自分の中の呪詛天使を浄化することはできなくても、自分自身をバケモノと定義してしまうような人生でも、それでも自分らしくありたい。
「地獄の釜は開いた。断罪の時だ!」
 そういってアンナは自身の血液を代償に大量の処刑道具を作り出し、オブリビオンとの戦いへと身を投じたのだった。
成功 🔵🔵🔴

ナギ・ヌドゥー
オブリビオンでも死が怖いか?
……怯えるなよ、死ねばきっと救われる。
己が生の意味を疑う者に祝福を与えよう。

【殺気】を帯びた【残像】を無数に発生させる【フェイント】で敵の狙いを定めさせない
『愁魔』がそんなに恐ろしいなら、今ここで果てる事こそ幸せだろう?【精神攻撃】
等と言葉で惑わせ隙を見い出す
ユーベルコード発動
超加速により急襲斬撃
痛み恐怖を感じる間もなく殺してやろう【早業】

これが解放であり安寧だ……
奴隷として生きる意味など何もない


●死という名の安寧を
「オブリビオンでも死が怖いか? ……怯えるなよ、死ねばきっと救われる。己が生の意味を疑う者に祝福を与えよう」
 まるで死神のようにナギ・ヌドゥーがオブリビオンにささやきかける。殺気を帯びた残像によるフェイントのせいで、どこにナギがいるのかを見失った混血の落とし子たちは怯えたように身をこわばらせた。
「怯えるなよ、といっただろう? 安心していい。無駄に苦しませる趣味はないし……アンタたちは『愁魔』が恐ろしいんだろう? 今ここで果てる事こそ幸せだろうさ。死は永い眠りだ。誰に怯えることも、なにかを強要されることもない。ほら、祝福だと思えるようになったか?」
 言葉巧みに動揺を深めるその様はまるで禁断の果実を食べることをそそのかした蛇のよう。
「加速しろ――限界を超えて!」
 過剰なドーピングでトランスモードに陥ったナギは超加速でまだ動揺を抑え込み切れていないオブリビオンたちを強襲する。
 倒れ果てた骸に殺人者はそっとつぶやいた。
「これが解放であり安寧だ……。奴隷として生きる意味など何もない」
 それはかつて奴隷として生きたナギだからこそ、言えたセリフだったのかもしれない。
成功 🔵🔵🔴