【TST】コーベポー塔・回転展望パノラマビュー
●地上に輝く五芒星
キマイラフューチャーの遺跡群は非常事態に見舞われていた。
『それぞれ謂れのある五つの遺産にお参りをすれば願いが叶う』
キマイラフューチャーの住人たちの間でそんな噂がささやかれている遺産郡、その全ての遺跡がオブリビオンに占拠されてしまったのである。
このままでは、オブリビオンの願いが叶えられてしまうかもしれない。
手遅れになる前に。全ての遺跡を取り戻さなくてはならない。
グリモアは、不吉な予兆を告げていた。
それは、旧きと新しきが共存する街に聳える白亜の巨大樹。
それは、未曾有の災害の後に建てられた海風と共に在る塔。
それは、極寒の地において人々を見守り続けたタワー。
それは、長い争いの末に当時の人々が作り上げた心の支え。
それは、人々の信仰の場であった広いステージ。
彼らはささやかな願いを胸に、あるいは尊敬の意を込めて、それら遺産群をこう呼んだ。
トーキョースカイスリーと。
●コーベポー塔
キマイラフューチャー某所。
イコクジョウチョ溢れる港町風リゾートビーチの一角に、旧人類の遺した塔が建っていた。
青く澄み切った人工海に、鼓型の美しい塔の赤色が良く映える。
その塔は、今日もキマイラ達で賑わっているーー筈だった。
筈だったのだが、営業時間内だというのに、
360度総ガラスの展望室はキマっこひとり居ない寂しい状態だ。
ブンブーン。
「このコーベポー塔は、我らオブリビオンが完全に占領したわ!
さて、ティラノサウルス怪人様に報告したら任務完了よ」
「我らの願いが叶うのは目前ね! とても楽しみだわ!」
そんな不穏な会話を交わしながら、
展望室では、働き蜂戦闘員がせわしなく飛び回っているのであった。
●グリモアベース
「コーベポー塔ってなあに? って顔してるね!
よーし、あたしが説明してあげる♪」
リリーナ・ロリポップ(バーチャルキャラクターのゴッドペインター・f01947)は、にっと笑って説明を始めた。
キマイラフューチャーのとある区画。
そこは港町風リゾートビーチとして、キマイラ達の人気観光スポットになっていた。
「コーベポー塔の見所は、なんといっても360度見渡せるパノラマビュー展望室!
人工海のウォーターフロントに建っていて絶景スポットなんだよ。
あとね、フロア全体がゆっくり回転する座席があって、座ったまま360度の景色を楽しめるんだって。超スゴーイ!」
回転する事務椅子に座ってクルクル回りつつ、リリーナのテンションは急上昇。
「さっそく遊びに行こうよ! って言いたいところだけど、今はオブリビオンが占拠しちゃってるんだよね。
奴らの願いが叶っちゃったら大変だし、キマイラ達はオブリビオンが怖くて塔に近づけなくて困ってるんだ!」
そういった事情があり、猟兵達にオブリビオン退治を頼みたいという。
「見事退治した後は、塔に遊びに行こうね! 夜景がキレイなんだってさ」
そう言って、コーベポー塔へ猟兵達を送り出すリリーナだったが、
「そうそう、5つの塔を制覇すると、願いが叶うかもってウワサだよ♪」
ウィンクをして締めくくった。
koguma
オープニングをご覧いただきありがとうございます!
今回は『トーキョースカイスリー』略してTSTの連携依頼をお送りします。
5つある塔シナリオの内、コーベポー塔を担当するkogumaです。
どれか気に入った塔に、是非遊びに来てみてくださいね♪
5つ全ての塔へ赴くと、願いが叶うかもしれません♪
●戦闘時の補足事項
オブリビオンとの戦闘場所は、360度ガラス窓の展望室です。
グリモアベースから直接展望室にお送りします。
戦闘の章ではキマイラは居ないので、避難誘導等は必要ありません。
思う存分暴れてオーケーです!
●塔観光(3章)の補足事項
3章では、プレイングで時間帯を指定すると、その時間帯の景色を楽しむ事が出来ます。
キマイラ達が観光に訪れて、ワイワイしています。
プレイングにてお声掛けあった場合のみ、リリーナが登場します。
出来るだけ全員描写を頑張ります!
3章は青丸5つで終わってしまうため、まとまった人数のプレイングを頂いてから執筆に入らせて頂く予定です。
ご一緒に参加の場合、【旅団名】または【相手のお名前(ID)】をプレイングに明記して頂けると助かります。
それでは、皆さんのご参加を心よりお待ちしております♪
第1章 集団戦
『働き蜂戦闘員』
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POW : 御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フロッシュ・フェローチェス
大暴れするには少し狭いな。
流れをつかむ【先制攻撃】は基本。
全面ガラス張りだし散弾銃は使えないか。
此処は銃は単発の形態に可変。
態と緩慢に歩いて【残像】を見せ回り込み、【だまし討ち】の短刀で仕留めよう。
それが開戦か、参戦の合図だ。
音超え【ダッシュ】は程々に。
使うのは先の残像や【フェイント】合わせの刃と蹴り【早業】の連撃だ。
更に敢えて間隙を作り、誘い込み【見切り】【カウンター】で首を落とす。
銃発砲後に追い超し、反対から撃って相殺も出来るよ?弾に挟まれてクタバレ。
面白いものを見せようか?【選択したUC】を。
効果時間内なら回避だけじゃなく、怒涛の連打や【敵を盾にする】も容易。
……どこまでものろいね。
アンナ・フランツウェイ
オブリビオン達も大規模な作戦を仕掛けてきたもんだ。組織的行動だろうが、そうじゃなかろうがオブリビオンを断罪する事に変わりは無い。
戦闘員が動き出す前に先制攻撃を仕掛け、断罪剣・ラストブラッドで戦闘員の胸元を目がけ突きを放つ。命中したら傷口をえぐるで追撃し、確実にトドメを刺したい。
戦闘員を倒した事で数を押すを使って来たなら、こっちも拒絶式・呪詛黒百合を発動し、現れた増援をまとめて攻撃する。増援を呼ぶなら、こっちも範囲攻撃のユーべルコードで応戦するだけだ。
相澤・樟
なんとかと煙は高いところを好むっていうけど、オブリビオンにも当てはまるのかねえ?
とはいえ、観光スポットを占拠されるのは困るから、さくさくっと倒してしまいたいね
集団戦は仲間との連携が大事だよね…
俺は打たれ強いわけじゃないから、援護を基本にして危なくなった味方の手助けに気を配ろう
さて、俺の人形の出番だね
イッコ、ニコ、サンコ、頑張っておくれよ
数は多いがサイズが問題で決定力は欠けるけど、手数と連携はピカイチさ
ぬいぐるみの攻撃と俺たち狐火で、働き蜂の撹乱を請け負おう
気を付けないと狐火に焼かれるぞー?
気を付けてても、俺以外の仲間の攻撃が当たるだろうけどね
●こちらコーベポー塔展望台
ブーンブンブン。
働き蜂戦闘員達がせわしなく行き交う、コーベポー塔展望室。
そこは青く澄んだ人工海を一望できるパノラマビュー!
「わー素敵な眺め」
「ちょっと、遊びに来たわけじゃないのよ? さぁティラノサウルス怪人様に報告に行くわよ」
「はーい」
とある働き蜂戦闘員は肩をすくめて、ボスの元へ向う仲間の群れに合流した。
時を同じくして。
ぐるりと輪を成した展望室の、働き蜂戦闘員達がいる位置の反対側に、グリモアベースから猟兵達が降り立った。
周囲を観察するフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)。
大暴れするには少し狭い。
全面ガラス張りとあって散弾銃は使えないと判断し、銃を単発の形態に可変して戦闘に備える。
●一発触発
わいわい雑談しながら接近してくる働き蜂戦闘員達と、3人の猟兵が鉢合った。
「……何者!? この塔は占拠したはずよ!」
槍を構えて警戒するオブリビオン達に、フロッシュが態と緩慢に歩いて近づいてくる。
「それ以上近づいたら刺すわよ!」
言われても足を止めないフロッシュ。彼女の残像が視界いっぱいに現れ、目を奪われている隙に、
背中でちょいちょいと動いている羽が、短刀で切り落とされて散り落ちた。
自慢の羽を失い、わなわなと震え出す働き蜂戦闘員。
「……よくもやったわね! 許さないわよ!」
怒り心頭で襲い掛かってこようとしたが、動き出す前に、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)の剣が戦闘員の胸元を貫いた。
「アンタ達オブリビオンも、大規模な作戦を仕掛けてきたものだな。
ーー組織的行動だろうが、そうじゃなかろうがオブリビオンを断罪する事に変わりは無い」
「ウグッ……」
胸元に突き刺さった【断罪剣・ラストブラッド】を引き抜こうと抵抗するが、
アンナが剣を引き抜いてやれば、鋸のようになった片側の刃が容赦なく傷口を抉る。
意識が途切れる直前、働き蜂戦闘員は声を絞り出し、
「き……緊急事態よ……皆来て、頂戴……!」
それを聞き届けて、猟兵達の元におびただしい数の羽音が近付いてきた。
ブーンブンブン。耳障りな羽音を響かせながら、大群で駆けつける働き蜂隊員達!
背中の小さな羽は飾りだ。
円形の展望室をコーナリングして駆けて来る大群を前にしても、アンナは臆さない。
まとめて相手をしてやろう。と装備した武器を、無数のクロユリの花弁に変えて纏い、
「構うな! どんどん行くわよ!」
と、勇ましく向かってくる敵らの頭上に花弁がはらはらと降り注いだ。
怨念を帯びた黒い花弁の餌食となって、働き蜂戦闘員達はアンナに近付く事すらままならない。
そして反対周りに現れた増援には、相澤・樟(浮浪雲・f03036)が迎え撃つ。
「イッコ、ニコ、サンコ、頑張っておくれよ」
狐のからくり人形達が降り立ち、狐火を宿した樟と共に敵の群れへ対峙する。
襲い掛かってくる敵達は、数は多いが動きは単調。
イッコ、ニコ、サンコは敵の攻撃を掻い潜り、3匹がかりで1体の戦闘員を叩きのめした。
「うぐぐ……」
子ぎつね人形達に押さえつけられた戦闘員へ、樟の狐火が当たって燃え上がり、
「気を付けないと狐火に焼かれるぞー?」
(「気を付けていても、俺以外の仲間の攻撃が当たるだろうけどね」)
「うぎゃあああ!」
狐火が、クロユリの花弁が、猟兵に近付こうとするオブリビオン達へ片っ端から襲い掛かってゆく。
「なんとかと煙は高いところを好むっていうけど、オブリビオンにも当てはまるのかねえ?」
「なんですって!」
「あったま来ちゃう!」
「どういう意味?」
「アンタは黙ってて!」
口々に文句を言いながら迫ってくる敵達に、複数合体した大きな狐火が燃え広がった。
2人の健闘で、増援の働き蜂戦闘員達も減りつつある。
一方で、敵の手はフロッシュへ及び、
「ふふふっ、私の華麗な飛翔に着いてこられるかしら!」
ぱたぱたぱた。小さな羽を必死で羽ばたかせ、実際は足で空中を蹴りあげてジャンプ!
なかなかのジャンプ力を駆使して襲い来るが、スピード勝負ならフロッシュの独壇場。
「なっ……」
働き蜂戦闘員の蹴りは空しくフロッシュの残像を掻き消し、知らぬ間に背中を切り裂かれて蹴り落とされた。
見失ったフロッシュを探して見回せば、
目前、ガラス越しの景色を背に立っている。
「小賢しいわね……!」
今度こそ逃がすまいと跳躍した刹那、働き蜂戦闘員の攻撃は届かぬまま首が、落ちた。
周囲の働き蜂戦闘員達がざわつくが、
フロッシュは気に留めず発砲してターゲットの肩口を貫き、
肩を庇う暇もなく、追い越したフロッシュに背後から撃たれてーー。
「弾に挟まれてクタバレ」
ターゲットとなった働き蜂戦闘員は、流血と共に崩れ落ちた。
「一体何が起こったの?」
「ええい、一斉に掛かるわよ!」
動揺が広がるが、だからこそ大勢の力で仕留めたかったのだろう。
フロッシュにオブリビオン達が群がった! しかし、
「面白いものを見せようか?」
廻砲『P・X』を発動したフロッシュには、
敵の動きがスローモーションに、否。止まって見えてすら居たのだろう。
怒涛の攻撃を悠々と躱し、時に敵を盾にして攻め入る。
展望室の横幅いっぱいに立ちはだかる者達を全て撃ち抜き、ユーベルコードの効果が尽きた時には、
働き蜂戦闘員達の大量の屍が転がっていた。
「……どこまでものろいね」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
猟兵に倒しつくされたかと思った働き蜂戦闘員達だったが、数匹がむくりと起き上がった。
「……猟兵なんかに、邪魔はさせないわ!
私達のボスが願いを叶えるまで退くわけにはいかないのよ!」
働き蜂戦闘員達はボロボロだが、戦う意思が残っているようだ。
さぁ猟兵達の手で、一気にケリをつけてしまおう!
スパイニア・ソーン
連携歓迎
コーベポー塔。かつてモジュール合体式のロボが襲来したとかしなかったという噂がある塔ね。
海がきれいに見えて素敵な展望台が無粋な蜂達に占拠されたとなったら、キマイラの猟兵としては放っておけませんねぇ。
害虫はさくっと駆除してしまいましょう。
終わったら夜景を見ながら一杯やりますか。
蜂怪人たちの死角側から潜入し、ダガーでスニークキルを狙う。
先行者の攻撃で混乱している今が好機。その首掻き切ってあげる。
【シーブズ・ギャンビット】を使用する際は、着こんでいる外套を目くらましにしながら攻撃する
蜂の毒は恐ろしいけれど、針を使う前に倒してしまえば問題ないでしょう?
アリン・フェアフィールド
わー遅刻遅刻~!
私も360度パノラマビュー観たいよー!
……あっここもう展望台!?やったー!
どんな眺めかな~…ってちょっとだけ確かめに行こうと思ったら、うわわ、怪人!
もー!邪魔しないでよはこっちの台詞だよー!
きみ達がどんな野望を抱いてるか知らないけど、ここは皆のための大事な場所。
皆の景色を独り占めなんてさせないよ!
よーし、数には数をってことで!
【スクラップ・ジャイアントの手】センジュ・ガトリングモード!
腕をたくさん増やしてたくさんなぐる!
がちゃがちゃ音が中々にうるさいのが玉に瑕だけど……あっちもぶんぶん鳴らしてるしおあいこだよね!
きみ達の槍と、私のスクラップ、どっちがタフか根比べだよ!
●残党を葬れ!
赤くそびえるコーベポー塔。
かつて、モジュール合体式のロボが襲来したとかしなかったとか。
「きれいな海ね。こんな素敵な展望台が無粋な蜂達に占領されたとなったら、キマイラ猟兵としては放って置けませんねぇ」
展望室に着いたスパイニア・ソーン(致命の一矢・f03958)はガラスにそっと触れ、景色を眺めていた。
「わー遅刻遅刻〜! 私も360度パノラマビュー観たいよー!」
アリン・フェアフィールド(Glow Girl・f06291)もグリモアベースから降り立ち、
「……あっここもう展望台!? やったー!」
どんな眺めかな〜……と窓ガラスに近付くと、目前に広がるパノラマビュー。きらめく海と空の青さに目を輝かせた。
先行の猟兵達によってコテンパンにやられた働き蜂戦闘員達が倒れていたが、
アリンの明るい声に気づいて意識を取り戻した数体が、ゆっくりと起き上がった。
「うわわ、怪人!」
足元に倒れていたオブリビオンが起き上がったので、アリンは驚き飛び退いた。
「えらい目に遭ったわ……って、また猟兵!
私達、いえティラノサウルス怪人様の崇高な計画を邪魔しないでちょうだい!」
2人へ槍を向けて声を荒げるが。
「もー! 邪魔しないでよはこっちの台詞だよー!
きみ達がどんな野望を抱いてるか知らないけど、ここは皆のための大事な場所。
皆の景色を独り占めなんてさせないよ!」
「ええ、害虫はさくっと駆除してしまいましょう。
終わったら夜景を見ながら一杯やりますか」
アリンとスパイニアは背中合わせに武器を構えた。
「いくわよ、ティラノサウルス怪人様の為に!」
「「オーッ!!」」
威勢よく槍を掲げた働き蜂戦闘員達を、スクラップハンドを装着したアリンが迎え撃つ。
「よーし、数には数をってことで!」
変形して、センジュ・ガトリングモード!
たくさん増やした腕を自在に操って、バラバラのタイミングで向かってくる鉢達を殴り落とす。
その度にスクラップハンドが、がちゃがちゃ音を立てるが。
(「うるさいのが玉に瑕だけど……」)
ブーン……ブンブン。
ブンブン、ブーンブン!
接近してくる度にうっとおしい羽音を響かせる働き蜂戦闘員達と、騒音勝負はおあいこか。
がっちゃん、がっちゃんとハンドを叩きつけて、
「キャッ! 間一髪ぅー!」
偶然指間をすり抜けた蜂が、アリンに槍先を突きつけるが空を斬る。
それでも再び突きを繰り出し、
「うーん、細かいコントロールは効かないんだ。でもその分たくさん殴れば問題ないよね。
きみ達の槍と、私のスクラップ、どっちがタフか根比べだよ!」
賑やかな攻防戦が、再び繰り広げられた。
それを好機に、スパイニアは働き蜂戦闘員達の死角に滑り込んだ。
スクラップハンドに迫られて後ずさる敵に狙いを定めーー、
「もう、あのでっかい手何なのよ!……?」
ため息混じりに振り向いた働き蜂戦闘員の視界は、目の前に放たれた外套に遮られた。
「ヒッ……!」
息を呑んだ瞬間、首筋にぴたりとあてられたダガーの刃先。
「その首掻き切ってあげる」
赤い瞳を細めて耳元で囁いた刹那、ズブリと突き刺さるダガー。引き抜かれると共に崩れ落ちた働き蜂戦闘員は、一撃で絶命していた。
「くっ、こちらにも猟兵が居たとはね……おのれ!」
仲間が殺られたのを目の当たりにしていた敵が、空中ジャンプで顔面を目掛けて飛びかかってきた!
しかし、外套を脱いで身軽になったスパイニアの放ったダガーが、速さで上回ったのだ。
「グッ……」
心臓を貫いて、標本のように壁に突き刺さった敵はぐったりと項垂れた。
「そっちに何体か行かなかった?」
「ええ、始末したわ。蜂の毒は恐ろしいけれど、針を使う前に倒してしまえば問題ないわね」
外套を拾い上げて埃を払いつつ、周囲を見渡せば力尽きた働き蜂戦闘員達が転がっている。
今度こそ、起き上がってくる者は居ないようだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『ティラノサウルス怪人』
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POW : ザウルスモード
【巨大なティラノザウルス】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ティラノクロー
【鋭く長い爪】による素早い一撃を放つ。また、【装甲をパージする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 学説バリエーション
対象の攻撃を軽減する【羽毛モード】に変身しつつ、【体から生えた鋭く尖った針のような羽毛】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「報告はまだか?」
イライラした様子で行ったり来たり、ウロウロしているティラノサウルス怪人。
「他の塔のオブリビオン達はとっくに願いを叶えてしまったかも知れないな。
クソッこうしては居られん! 働き蜂戦闘員共、現場は何をしているんだ—!」
ティラノサウルス怪人はドスッドスッと床を踏みしめて、猛ダッシュで展望室に現れようとしていた。
相澤・樟
いやはや、数が多くてくたびれたね
なんとか殲滅できたし、いよいよ御大のお成りのようだね
しかし、これまた図体の大きいのが来たもんだ…
うちの狐の物理攻撃効いてなくないか?
色々手を加えてるけど、ぬいぐるみだしねぇ…
もうちょい経験値積めば物理でもいけそうだけど
ともかく、仲間との連携を取って怪人に攻撃を畳み掛けようか
縦横無尽に飛び回る狐のぬいぐるみに和みそうだけど、集中集中
さあ、うちの狐たちのとっておきを食らわせてあげよう
イッコ、ニコ、サンコでっかいのお見舞しておやり
ぬいぐるみの口からとはいえ、狐口閃光の威力には自信があるよ?
スパイニア・ソーン
アドリブ連携歓迎
やっと真打のご登場ですか。オブリビオンの野望なんてロクでもない願いでしょうから……ここで退場願おうか。
展望室の物陰に潜み、ティラノ怪人を【千里眼撃ち】で毒矢狙撃
接近されたらダガーで応戦。デカくなってくれれば的がデカくなって良し、装甲を捨ててくれれば刺し易くなって良し。
油断はしないさ。けれど、いくら変身しようが、ワタシはどのオマエにも最適な毒を編むぞ。でなければ蠱毒の看板が廃るというものだ。
「ワタシの蠱毒はどうだ?オブリビオン」
「オマエの願いは此処で潰える。花開く事など無く、猟兵に摘み取られると知れ」
「ガラスの部屋に恐竜、なんと奇抜な光景だろうね。どこかの映画みたいじゃないか」
●ティラノサウルス怪人の憤怒
「おいおい、一体何があったんだ!」
展望室に現れたティラノサウルス怪人は思わず叫んだ。
働き蜂戦闘員達が誰も彼も皆、倒れていたからだ。
「畜生、計画が台無しだ」
のっしのっし、ぐるりと展望室を歩き回る怪人の様子を、
スパイニア・ソーン(致命の一矢・f03958)が物陰に潜んで伺っていた。
(「やっと真打のご登場ですか。オブリビオンの野望なんてロクでもない願いでしょうから……ここで退場願おうか」)
ついに塔を占拠して、願いが叶うのは目前だったというのに!
ティラノサウルス怪人はイライラ怒りながら、犯人を探し回っている。
スパイニアは息を潜め、近づいて来る足音と気配を感じていた。それはさながら、
(「ガラスの部屋に恐竜、なんと奇抜な光景だろうね。どこかの映画みたいじゃないか」)
「……誰だ? これはお前の仕業だな!?」
ギロリと睨み付けた視線の先にはーー相澤・樟(浮浪雲・f03036)が悠然と立っていた。
思い込んだら一直線のティラノサウルス怪人。
樟を犯人と決めつけるが、今回ばかりは予想的中だ。
いやはや、数が多くてくたびれたねと、
のんびりと言ってのける樟に、これまた怒りを募らせているようだった。
「いよいよ御大のお成りのようだね。しかし、これまた図体の大きいのが来たもんだ……」
見上げた樟と目が合って、鋭く長い爪を向けた!
「許さんっ! 覚悟しろ!」
鋭い斬撃と共に飛び掛かり、爪痕が床を抉り。
間一髪、避けた樟の袖が少し破れて布が散る。
「こちらの番かな? さぁ行っておいで」
間合いを取り、3匹の子ぎつねのぬいぐるみを次々と召還すると、
子ぎつね達は散り散りにティラノサウルス怪人に飛びかかり、翻弄するのだった。
「ええい、うっとおしい!」
天井から床に達する大きな窓を足場にして所狭しと何度も向かってくる子ぎつね達を、
ティラノサウルス怪人は大きく腕を振り回して振り払った。
縦横無尽に飛び回る子ぎつね達をみて、つい和む樟だったが、
「……おっと、大丈夫かい?」
と、叩き落とされてしまった子達を自分の元に集め、
イマイチ物理攻撃が効いていない様子の怪人に目を向けた。
(「色々手を加えてるけど、ぬいぐるみだしねぇ……。
もうちょい経験値積めば物理でもいけそうだけど」)
「ちょこまかと小賢しい! だが、そこのデカいのを倒せば俺の勝ちだな? ……次は当てる!」
揚々と、再び爪を光らせたティラノサウルス怪人だったが、
その額に毒矢が突き刺さった。
「ワタシの蠱毒はどうだ? オブリビオン」
物陰から現れたスパイニアを、血走った眼で睨み付ける。
「クソッ、こんなもの効かん!」
しかし毒は体を駆け巡り蝕んでゆく。強がりはそう長く持たないだろう。
ティラノサウルス怪人は強引に矢を引き抜いて、スパイニアを睨み付けたまま装甲をパージした。
重そうな音を立てて装甲が床に落ち、
身軽になって、ドスドス床を踏み鳴らしながら接近してくる。
立ち向かうスパイニアの手にはダガーが光り、
長く鋭い爪の斬撃をダガーで受け止め、いなす。
火花散らす攻防が続き、懲りずに爪を振りかぶってくる怪人へ、間合いをって再び千里眼撃ちを放った。
「オマエの願いは此処で潰える。花開く事など無く、猟兵に摘み取られると知れ」
「うぐぁああ!」
毒矢は胸に突き刺さり、たまらず蹲る怪人を見下ろして囁いた。
「いくら変身しようが、ワタシはどのオマエにも最適な毒を編むぞ。でなければ蠱毒の看板が廃るというものだ」
装甲をパージしたのは、スパイニアにとって好都合。
的を増やしてくれたようなモノだ。
じわじわと毒に蝕まれ、悔しそうに蹲っているティラノサウルス怪人の目の前に、
樟が子ぎつね達を連れて立ちはだかった。
「イッコ、ニコ、サンコでっかいのお見舞しておやり」
さあ、うちの狐たちのとっておきを食らわせてあげよう。
「射出用意……イグニッション!」
3匹は頷いて一斉に口を開き、ビームの照準をティラノサウルス怪人に向け、発射!
眩い閃光が怪人の全身を覆った。
「うあああ! 止めろ、止めてくれー!」
ぬいぐるみの口からとはいえ、狐口閃光の威力は相当なものだ。
ティラノサウルス怪人はプスプスと黒こげになって、弱々しく窓ガラスに寄り掛かったのだった。
「クソッ、願いを叶えるまで……オレは滅び、ない……」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリン・フェアフィールド
わ、ティラノサウルス!その頭、電子図鑑で見たことある~!
あなたが怪人達のボスなんだね。
そういえばあなた達の願いって、何なの?
やっぱり世界征服とかそんな感じ?
何にしても、皆の憩いの場を奪うようなやり方なら
叶えさせてあげるわけにはいかないけどね!
【スクラップ・ジャイアントの手】ビッグ・パンチモード!
メテオ級パンチを喰らえー!
って、うわーすごい怒っちゃった!?
カッコいい!ホンモノのティラノサウルス見られたのはちょっと嬉しいかも!
じゃなくて、展望台壊させないようにしないと……!
ガラスが割れて落ちたら危ないし、走って内側の方に誘き寄せる!
スクラップハンドの[グラップル]で捕まえて動きを止められないかな?
メルフローレ・カノン
遅れての推参になりましたが
オブリビオンの撃破に助勢します。
古代の遺跡(?)にいる目前の怪人と対峙すればいいのですね。
私の得物はメインがメイスで予備武器が剣、
状況で使い分けます。
硬いものはメイスで[鎧砕き]、
羽毛などは剣で切り裂くとかしましょう。
その上で、[力溜め]の上[2回攻撃]したり
[気絶攻撃]で敵の動きを鈍らせ他の人の支援もします。
「全力で行きますよ!」
敵の攻撃は、高速攻撃は[見切り]でかわし、
爪や針は[武器受け][なぎ払い]で払いのけます。
攻撃を耐える状況なら[オーラ防御]【無敵城塞】を使用します。
「ここは堪えてみせます!」
アンナ・フランツウェイ
本命が来たか。アンタが叶えたい願いとやらも、ここで断ち切る。
先制攻撃で攻撃を仕掛け、怪人からの攻撃は見切りを使った回避と、武器受けで防御して対処。対処後カウンターで攻撃を仕掛け続け、学説バリエーションの発動を引き出そう。
学説バリエーションを発動してきたら断罪式・莢蒾花を発動。自分の血液で出来た杭を放って、怪人のユーべルコードを封じよう。攻撃を軽減出来る能力でも、それに頼り切りの油断は命取りだと教えてやる。
ユーべルコードを封じたら、断罪剣・ラストブラッドを怪人の胸元へ突き立て、傷口をえぐるでさらに深手を負わせてやる。装甲があるなら鎧砕きで砕いて突き刺す。
●大暴れティラノサウルスに立ち向かえ!
「わ、ティラノサウルス! その頭、電子図鑑で見たことある~! あなたが怪人達のボスなんだね」
興味津々でのぞき込むアリン・フェアフィールド(Glow Girl・f06291)。
「ああ? また猟兵が来やがった……」
窓にもたれかかっていたティラノサウルス怪人は、アリンに気付き、のそのそと立ち上がった。
「そういえばあなた達の願いって、何なの? やっぱり世界征服とかそんな感じ?」
「世界征服! ああ、いい響きだ!
そうだ、オレ様がキマイラフューチャーの支配者になる!」
願いを叶えるという野心が甦って、さっきの猟兵との戦闘で折れかけた闘志が、再び漲って来たようだ。
「やっぱりそうだったんだね。皆の憩いの場を奪うような願い、叶えさせてあげるわけにはいかないよ!」
巨大なスクラップハンドを構えたアリンの元へ、
「遅れての推参になりましたが、オブリビオンの撃破に助勢します」
メイスを握りしめたメルフローレ・カノン(世界とみんなを守る……かもしれないお助けシスター・f03056)が加わった。
ふたりは頷き合い、
「メテオ級パンチを喰らえー!」
アリンはスクラップハンドをグーの形に変えて、ビッグ・パンチモード!
ティラノサウルス怪人は顔面を殴り飛ばされ、ガラス窓に叩きつけられた。
「痛えな! 何しやがる!!」
低い怒声と共に勢いよく立ち上がり、
「ガアアアア!」
ザウルスモードに変形! アリンの目の前で、みるみる巨大化してゆくではないか。
「うわーすごい怒っちゃった!?
カッコいい! ホンモノのティラノサウルス見られたのはちょっと嬉しいかも!」
ギロリと睨んだ巨大ティラノサウルスと目が合ったが、アリンは好奇心のままにはしゃいでいる。
「……じゃなくて、展望台壊させないようにしないと……!」
はっと思い直し、ガラスが割れないよう内側へ向かって駆け出すアリンの後ろを、
ドスドスドス! と、展望室が揺れる程踏みしめて、巨大ティラノサウルスが追いかけて来る。
標的を追うマシーンと化した怪人の鋭い爪が、壁を抉りアリンのすぐ背後に迫った。
「ひゃあ!」
びっくりして、ぴょんと飛びのいたアリンの先に、構えるメルフローレ。
ティラノサウルス怪人は、追いかける内に視界に入ったメルフローレへ標的を変えてタックルを見舞うが、
さっと身を引いて躱して着地すると、彼女の黒髪がふわりと舞った。
「完全に理性を失っていますね。パワーは恐るべきものですが、攻撃が単調すぎます」
……ドスドスドス!
躱されたティラノサウルス怪人は、展望室を1周走って戻ってきたではないか。
カーブをコーナリングして、メルフローレをロックオン。どんどん近付いて来る。
「ここは堪えてみせます!」
メルフローレは無敵城塞を発動し、その場に構えた。
全く動く事は出来ないが、飛びかかってくる怪人を恐れず真っすぐ見据える。
「ガアアアア!」
全力を込めた斬撃を見舞うが、メルフローレの防御が勝り、弾かれた。
それでも、これでもか! これでもか! と攻撃を繰り返すが、メルフローレに傷一つ付ける事が出来ない。
そうして耐えている内にアリンが接近し、怪人は理性を失った瞳をアリンへ向けた。
「これで、動きを止められないかな?」
今にも飛び掛かろうとする巨大ティラノサウルスを、グラップルでわしっと捕まえれば、
スクラップハンドから逃れようと、力いっぱいジタバタ抵抗している!
「やったー上手くいった!」
「グルルルル……!」
アリンにおさえつけられ、フーフー激高しているティラノサウルス怪人へ、
「全力で行きますよ!」
無敵城塞を解いてメイスを手にしたメルフローレが対峙する。
その華奢な体格からは想像もつかないほどのスウィングでメイスを叩きつければ、
堅牢な鎧が嘘のように打ち砕かれ、破片が飛び散った。
驚いたティラノサウルス怪人は露わになった上半身を庇おうとしたが、
「まだまだ、行きます!」
力溜めした打撃を食らい、思わず蹲った所へ2度目の強打が襲い掛かった。
そして鈍い打撃音と共に、後頭部に一撃。
「ぐあっ」
ドスーンと横向きに倒れた巨大ティラノサウルスは白目を剥いて、普通のサイズに戻ってゆく。
気絶しているティラノサウルス怪人を、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)がじっと見下ろしていた。
「本命が来たか。アンタが叶えたい願いとやらも、ここで断ち切る」
働き蜂戦闘員のボス、ーーティラノサウルス怪人とはこいつの事かと納得し、
ハッと目を覚ましたばかりのティラノサウルス怪人を、剣で斬りつけた。
「ぐっ……また猟兵が増えやがったか」
切り裂かれた肩口を庇いつつアンナへ鋭い爪を振るうが、その勢いは精彩を欠いていた。
猟兵達が繰り出した攻撃の数々が、ティラノサウルス怪人の体力を確実に奪っているのだ。
(「ザウルスモードの超耐久という能力に頼りすぎだ。その油断が命取りだと教えてやる」)
アンナは爪の斬撃を退け、反対の肩を切り裂いた。
剣先がなぞった傍から血飛沫が上がり、怪人は顔を歪めるが攻撃の手を止めない。
再び振り下ろされた爪を、アンナは目と鼻の先で剣を構えて受け止め、はじき返した。
のけぞったティラノサウルス怪人は、
「このままじゃあ、埒が明かねえ!」
ふんぬっ! と力を籠めると、バッと全身にふわふわの羽毛が生えて、羽毛モードに変化した。
「これでどうだぁ!」
得意げな表情で、体から生えた鋭く尖った針のような羽毛を一斉にアンナへ放つ。
それは逃げ場も無いほどに雨のように降り注いだが、
メイスの代わりに剣に持ち替えたメルフローレが、剣を一振り。
大きく悠然と薙ぎ払えば、羽毛の針が剣筋にそって振り払われた。
得意げだったティラノサウルス怪人の表情が曇り、悔しそうに歪む。
さらに、首元のフワフワの羽毛をメルフローレに切り裂かれ、羽毛が周囲に舞い落ちた。
「うわあああ……」
情けない悲鳴を上げて、未練たらしく首元をさすったかと思えば、
まだ羽毛は残っていると自分に言い聞かせるように呟いて、また針のように飛ばす攻撃を再開させるが。
それも長くは続かない。
「アンタは動けない。逃げられない」
半ばやけっぱちに連続攻撃を繰り出す怪人とは対照的に、
断罪式・莢蒾花を詠唱するアンナは落ち着き払っていた。
そして彼女自身の血で出来た杭が生み出されーーティラノサウルス怪人の腹を深く穿った。
「ウグッ……!」
その瞬間、羽毛攻撃がぴたりと止んだ。
「あ、あれ? ちくしょう!」
ティラノサウルス怪人は捕縛されたまま必死に術を試みるが、羽毛攻撃が放たれることはもう、二度とない。
「アンタはここで終わりだ」
「嫌だああああ! オレは塔を占拠した! ……願いを、叶えるんだ……!」
抵抗するティラノサウルス怪人の胸元へ【断罪剣・ラストブラッド】を突き立て、
血で錆びた鋸刃で容赦なく抉れば、怪人の悲鳴が展望室中に響き渡った。
それでも彼女の緑の瞳に躊躇いは無く、怪人が息絶えるまで傷口を抉るのだった。
「……動かないね?」
「ああ。オブリビオンの願いとやらは潰えたな」
「一件落着ですね」
剣の血を払って、3人はティラノサウルス怪人の終わりを見届けた。
大成功
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第3章 日常
『観光名所で遊ぼう』
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POW : 見所スポットをあれこれ回って、めいいっぱい堪能しよう
SPD : たくさん写真撮影や動画配信をして楽しもう
WIZ : 名所の由来に思いを馳せながら観光してみよう
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●コーベポー塔営業再開
「猟兵がオブリビオンを退治してくれたんだって」
「やったー! さっそく観光しよーう!」
キマイラフューチャーの住民であるキマイラ達が、コーベポー塔の営業再開を聞きつけて続々とやって来た。
オブリビオン達が占拠していた時とは打って変わって、観光スポットとしての佇まいを取り戻した展望室へ、さぁ遊びに行ってみよう!
スパイニア・ソーン
アドリブ連携歓迎
回転展望台の窓際席で港の夜景を眺めながら仕事終わりの一杯(ワイン)を楽しんでいる。
傍を行き交うキマイラを見ていたり、傍に来た猟兵に声を掛けたりもする。
「行き交う船、煌めく夜景、仕事上がりの一杯には最高の肴ね」
かつて交易船で賑わったであろう港は今、キマイラたちの乗る遊覧船が行きかっているのだろう。
……この世界は喧騒は似合えど、郷愁は似合わないですねぇ。
かつての港町を模したリゾート地ですけど、この塔はここが本当の港町であった時から此処を見守ってきていたのでしょう。そう思うと、年月を経ても朽ちることなくそびえているこの塔を守れた事が誇らしく思えます。
……お土産に何か買っていきますか。
イデア・ファンタジア
夕焼け!
一面橙色の世界から、陽が沈んで藍色になっていくまで、座席に座ってじっくり楽しむよ。
スケッチブックを開いて何枚も描き止めちゃおう。
終わったらそろそろ良い時間だし、夕食にしようかな。
景色のいいレストラン、あるといいなぁ。
相澤・樟
うんうん、無事に脅威も排除できたから観光客も安心だね
やっぱり観光地はこうでなくちゃねぇ
俺も楽しませてもらおう
まずは、やっぱり展望台からの景色を堪能しなきゃはじまらない
戦ってるときは気にする余裕なかったけど、結構高いね、良い眺めだ
これが地元とかなら、自分の家はあっちの方!とかやるんだろうね
景色を堪能したら、ショッピングとかしたいけど、良さげな店はあるかな?
土産のひとつでも物色したいね
名物の菓子とか、お土産にもらって若干こまるご当地ペナントとか
いやげものとかいうんだっけ?
俺は結構好きだけどね
楽しいねえ、うん
守れて良かったよ、ほんと
アリン・フェアフィールド
お仕事しゅーりょーいぇいいぇい!
皆もリリーナもお疲れさま~!
キマイラ達も戻ってきたことだし、わたしも観光していこーっと。
海がキラキラして見える明るい時間帯がいいな。
ねーリリーナ~!一緒に展望台で360度ぐるっとしない?
飲み物とかお菓子とかコンコンして持っていこ!
港町の景色って素敵。リリーナは海好き?
地上の海ってホント綺麗だよね!
人工でも、風に揺れてて、太陽の光を反射して眩しいのがいいと思うんだ。
わーあそこ、向こうの陸に遊園地があるよ!
あっちも行ってみたいなー!
他のスカイスリーにもいつか…ううん、いっそキマイラフューチャーの
全部の名所を制覇するのがわたしの「叶えたい願い」かも!
※アドリブ共同歓迎
●快晴、蒼海パノラマビュー
グリモアベースから展望室へ足を踏み入れた相澤・樟(浮浪雲・f03036)は、キマイラ達で賑わう様子を見てほっと安堵した。
「うんうん、無事に脅威も排除できたから観光客も安心だね。
やっぱり観光地はこうでなくちゃねぇ」
景色を堪能しようと窓辺へ向かえばーー。
明るい日差しの元、キラキラと陽の光が反射した水面が美しい。
「戦ってるときは気にする余裕なかったけど、結構高いね、良い眺めだ」
これが地元とかなら、自分の家はあっちの方! とかやるんだろうね。
「うわー綺麗な海!」
アリン・フェアフィールド(Glow Girl・f06291)は展望室に到着するや否や、身を乗り出して目の前に広がる海の景色を眺めた。
リリーナ・ロリポップ(バーチャルキャラクターのゴッドペインター・f01947)も、
ふたりでコンコンしてゲットした飲み物とお菓子をどっさり抱えて後から着いて来る。
「お仕事しゅーりょーいぇいいぇい! 樟もリリーナもお疲れさま〜!」
「お疲れさまー!」
「楽しそうだねぇ。お疲れ様」
樟は微笑んで、
「ねーリリーナ〜! 一緒に展望台で360度ぐるっとしない?」
「もっちろん、行く行くー♪」
回転展望室へ向かう2人を見送った。
ここに座ろう。と、ふたつ空いている席を見つけ、テーブルにお菓子などをドサドサ置いて準備万端。
ゆっくりと回転する景色を眺めながら……。
「港町の景色って素敵。リリーナは海好き? 地上の海ってホント綺麗だよね!
人工でも、風に揺れてて、太陽の光を反射して眩しいのがいいと思うんだ」
「海大好きだよ♪ 人工だけどスゴくキレイだよね! この海を直接見られるなんて感激だよ。猟兵の皆のおかげだね」
ふたりは笑い合い、アリンは気になるものを見つけたようだ。
「わーあそこ、向こうの陸に遊園地があるよ! あっちも行ってみたいなー!」
「どこどこ? わーホントだ楽しそう!」
「他のスカイスリーにもいつか……ううん、いっそキマイラフューチャーの、
全部の名所を制覇するのがわたしの『叶えたい願い』かも!」
オブリビオンが塔を占拠してまで叶えようとした願いとは違い、その『願い』はきっと、彼女自身の手で叶えられる事だろう。
「それめっちゃいいね♪ キマイラフューチャーの名所巡りって想像しただけでワクワクしてくるよ」
一方、景色を堪能した樟はエスカレーターを登っておみやげショップへ足を踏み入れた。
「プリンが名物なんだよねー」
カゴにお土産をぽいぽい放り込んでゆくキマイラを横目に店の奥へ進めば、
壁にコーベポー塔のご当地ペナントがディスプレイされていた。
(「お土産に貰って若干困るご当地ペナント……いやげものとか言うんだっけ?
俺は結構好きだけどね」)
じっくりと店内を見て回り、お気に入りの物を見つけただろうか?
(「楽しいねえ、うん。守れて良かったよ、ほんと」)
塔観光を堪能し、改めてオブリビオンから塔を守った事を実感するのだった。
●夕刻、海は茜色に染まりーーナイトビュー夜の街が煌めいて
太陽が西に傾き、海も展望室も鮮やかな橙色に染まった。
昼間の賑やかな雰囲気は一変、パノラマ回転展望室では、まばらに着席したキマイラ達がのんびりと景色を眺めている。
イデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)は、ゆったりとした雰囲気を楽しみつつ、落ち着ける席を見つけて座り、スケッチブックを開いた。
一面橙色の世界から、日が沈んで藍色になってゆくまでーー。
座席に座ってじっくりと、筆を走らせる手が止まることはなかった。
刻々と移り変わる景色を、何枚もの絵に描き留めて……。
「そろそろいい時間だし、夕食にしようかな」
スケッチブックを閉じて周りを見回すと、客の顔ぶれは、夜景を目当てに来た者達にすっかり入れ替わっていた。
静かにさざ波が打ち返す夜の海。
ゆっくりと進む展望室の回転に身を任せれば、街灯が煌めく港町の景色が迎えてくれる。
スパイニア・ソーン(致命の一矢・f03958)はそんな景色を眺めながら、ワインを傾けるのだった。
「行き交う船、煌めく夜景、仕事上がりの一杯には最高の肴ね」
かつて交易船で賑わったであろう港は今、キマイラたちの乗る遊覧船が行きかっているのだろう。
……この世界は喧騒は似合えど、郷愁は似合わない。
そんな風に想いを巡らせていた時、ふと席を立つイデアに気がついた。
「こんばんは、アナタも猟兵ね。楽しんでいるかしら?」
「うん、絵を描いていたんだよ」
七大絵筆『セプテントリオン』を使って描かれた作品はどれも鮮やかで、刻々と表情を変える風景の瞬間を切り取ったかのようだ。
「いい時間だし、そろそろ夕食をと思って。景色のいいレストランを探している所だよ」
「出掛けるのね。楽しんでいらっしゃい」
塔の周囲には、キマイラ達が太鼓判を押す素敵なレストランが点在しているという。
どこにしようかなと思案しながら、出掛けて行くイデアを見送って、スパイニアは再びワインに口を付けた。
「わー夜景もサイッコーだね!」
「港町風でロマンチックだねぇーまた来ようね! ぜったい!」
はしゃぎながら帰ってゆくキマイラを眺めつつ、永きに渡り彼らを見守って来たであろうコーベポー塔へ想いを馳せる。
ーーかつての港町を模したリゾート地としてキマイラ達に愛されるエリア。
しかしこの塔はきっと、本当の港町であった時から此処を見守って来たのであろう。
窓にそっと触れ、
年月を経ても朽ちることなくそびえている、この塔を守れた事を誇らしく思うのだった。
「……お土産に何か買っていきましょうか」
赤くそびえ立つコーベポー塔。今は、ライトアップされて夜の街を見守っている。
猟兵の活躍により守られたこの塔は、これからもキマイラ達の観光スポットとして末永く愛される事だろう。
大成功
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