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トマトと試練と本の世界

#アリスラビリンス #猟書家 #童話調

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●トマトの国
 アリスラビリンスに、トマトの妖精が住む国がありました。
 住人は皆、手足が生えた大きなトマトです。
 子どもは青いミニトマト。大人になればなるほど大きく赤みが増していきます。
 何せトマトです。うかつにケンカなんてしたら、すぐに潰れてしまうので、この国は自然と平和です。
 むしろ口喧嘩が進化したのでは? いいえ、口喧嘩も行きつくところは殴り合いなのでやめました。
 そんな平和でデリケートなトマトランドに、お客さんがやってきました。
 黒ずくめの紳士です。
 本を一冊携えていて、表紙には謎の言語で『日々是試練(ひびこれしれん)』と書かれています。
 紳士さんは、トマト妖精にお辞儀した後、こう言います。
「ごきげんよう。僕は『猟書家(ビブリオマニア)』。皆さんを素敵な夢の国に招待しにきたのです」
 猟書と名乗る紳士に、トマト妖精達は首を傾げます。
「夢の国トマ?」
「……新手の詐欺トマ?」
「とんでもない。やはり体験してもらうのが一番でしょう。さあ、ショウ・タイム!」
 ばっ。紳士が、手にしていた本を開くと。
 トマト妖精達は、全く見知らぬ場所に飛ばされていました。
 のどかな平原、空には太陽。
 割と普通? いいえ、おかしなところがありました。
 きらきら輝く太陽には、なぜか、矢印と数字が刻まれていたのです……。

●グリモアベース
 冒険の舞台は、アリスラビリンス。
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)は、猟兵達に行く先を示した。
「トマト妖精の住むトマトランドに、謎の紳士が現れ、住人を本の世界に飛ばしてしまうという案件。これの解決をお願いしたいのでございます」
 本の世界に直接転移はできないが、トマトランドを訪れたものは自動的に本の世界に飛ばされてしまうので、問題はない。
「『日々是試練』という名の本の世界では、トマト妖精がピンチに陥っています。実体化した自分の影が、ドッジボールを挑んでくるのでございます」
 トマト妖精はトマトなので、ボールをまともに受ければ潰れてしまう。
 できるだけ妖精達を保護しながら、影を撃退していってくださると幸いでございます、とヴェルタールは頼み込んだ。
 なお、天に浮かぶ太陽には、矢印が書かれている。その方向に進むことで、ドッジボール地獄から脱出することができる。
 影が投げてくるボールをかわし、相手を倒しながら、矢印の方向に進んでほしい。
 そして、太陽には数字も刻まれている。ページの数を表したものだ。
 先に進むごとに、ページ数が更新されていく仕組みである。それにともなって、次第に周囲の風景も変わっていくだろう。
「なんやかんやあってドッジボールのページをクリアすれば、オウガとの戦いのページに移行いたします」
 迷路を作り出して妨害してくる。直接戦闘は苦手なタイプらしい。
 なお、注意する点がある。
 それは、矢印の方向と逆に進んでしまうと、生命力を奪われ、全て失うと本の世界の住人になってしまう……という事。
「いうなれば、反転負荷。ただし、本の世界のオウガ達には、そのルールは通じないようです。ビシッ、とご留意くださいませ」
 謎の紳士の正体をつかむためにも、物語をハッピーエンドに導かねば。


七尾マサムネ
 トマト妖精、ピンチ!

●一章
 猟兵やトマト妖精達の影と、ドッジボールをします。
 あまり逃げてばかりだと、矢印とは別方向に進んでしまうため、生命力が削られます。
 ボールを受け止め、投げ返し、ユーベルコードなども駆使して、敵を突破していきましょう。
 なお、影には、矢印ルールは効きません。

●二章
 現れたオウガが迷路を作り出し、皆さんの進行を阻みます。
 ここでも、太陽の示す矢印と逆に進むと、生命力にダメージが来るので注意です。
 (多少戻るくらいなら大丈夫です)
 このオウガにも矢印ルールは通じません。

●三章
 ボスのオウガが立ちはだかります。
 通常のユーベルコードに加え、「猟兵を矢印とは別方向に投げ飛ばす」というこしゃくな技で生命力を削ってくるので、対処してください。
 (対処プレイングがある場合はプレイングボーナスがつきます)
 もちろんボスにも矢印ルールは通じません。

 なお、このシナリオは、リプレイをオープニング冒頭部分のように「~です、ます」調の文体でお送りする予定です。

 それでは、皆さんのご参加、お待ちしております~!
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第1章 冒険 『クロッケー知らない?じゃあドッジボールで』

POW   :    積極的に前に出て攻撃

SPD   :    相手のボールを避けつつ攻撃

WIZ   :    外野から冷静に状況を見て攻撃

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 本の世界に転移してきた猟兵達が見たものは。
 一列に並んだ、いくつものドッジボールコートでした。
 そのどれもが、絶賛、試合中のようです。
「ヘイヘーイ、無様に踊っちまいな!」
「ひゃわわ、きりきりまいトマ~」
 一番近くのコートでも、トマト妖精達が、影トマトの投げるボールに翻弄されています。
 トマト妖精達は内野に押し込められ、外野の影達からボールで攻められています。なんという拷問。
 このままでは、赤色の惨劇は避けられません。
 コートに乱入して、トマト妖精達を助けましょう。そして、矢印の方向へ進むのです。物語を結末に導く為に!
鈴木・志乃
イジメじゃねーか!!!
トマトさん無事かーっ!!


トマトさん下がってて、無理しないで
ったくこれが新手の詐欺じゃなくてなんだと言うのだ
ドッジボールの相手私が引き受けてやる!

早業高速詠唱でトマトにオーラ防御を展開
万が一にでも掠ったら本当に一大事じゃないか
第六感で行動を見切り腹で抱えるようにキャッチするよ
きつかったら念動力も併用して確保!
そのまんま思い切りぶん投げる。念動力込みでスピード上げて。

どーしょーもなく収集つかなくなったらUC発動
ドッジボールのボールは無機物ですね?
無機物ならUCの対象のハズだ
ドッジボールのルールに則ってないから、これあくまで最終手段だけどね
さっ、トマトさん先へ進みましょう!


黒瀬・ナナ
【POW】
内野に押し込められて一方的に攻められるだなんて、なんという拷問なの!酷いわ!
ここはおねえさんに任せて!

矢印と別方向にならないように注意して、トマト妖精さん達を『かばう』ように立ち回り。
『気合い』と『元気』でガンガン走って積極的にバンバン攻めるわね。
ボールが当たっても泣かない、めげない、諦めない。
劣勢でも皆を『鼓舞』して活路を見出だすわ。大丈夫、わたし達はやれば出来る子なのよ!

ボールをキャッチしたら『カウンター』ね!さぁ、ここからわたし達の怒涛の反撃よ!
【羅刹旋風】の要領で腕をぐるぐる回して、『怪力』で思いっきり投げるわよ!

他の猟兵さん達とも協力して、敵の突破を目指すのよ。



 ごうっ!
 影トマトの投げたボールが、トマト妖精さんに迫ります。
「トマトみたいに潰れろやオラァァァー!!」
「トマトですが何かトマぁぁぁ!?!?」
 コートに赤い水たまりができる……寸前でした。
 ばしん!
「あれ、潰れてない……トマ??」
「トマトさん無事かーっ!!」
 剛速球を受け止めたのは、コートに飛び込んできた鈴木・志乃(ブラック・f12101)でした。
「た、助けに来てくれたトマ?」
「トマトさん下がってて、無理しないで」
 志乃は、妖精さんの盾になると、敵陣の影トマトを睨みます。
「ふん、1人増えたくらいでトマト野郎の末路は変わらないぜ」
「影の方はずいぶんと口が悪いみたいね! その目は節穴かしら?」
「ま、まさか2人目だと?」
 影トマト達が、声の主を探してきょろきょろ。
 すると、太陽を背にして、少女が降ってきました。
 しゅたっ。トマト妖精さんの前に着地したのは、黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)です。
「内野に押し込められて一方的に攻められるだなんて、なんという拷問なの! 酷いわ!」
「わかる!」
 志乃も同意します。もはやイジメです。
「トマト妖精さん、ここはおねえさん達に任せて! 美味しく料理なんてさせないから!」
「い、命拾いしたトマ~」
 ナナ達からどんどこ溢れる頼もしさに、トマト妖精さん達は疑うことなくすがりつきます。これぞ猟兵パワーでしょう。
「これが新手の詐欺じゃなくてなんだと言うのだ。お前らの相手私らが引き受けてやる!」
 敵に啖呵を切った志乃が、手にしたボールを投げ返します。
 影トマトが、ぶち抜かれる寸前……。
 ずもももん。
 敵陣に志乃っぽい影が具現化して、ボールをキャッチしたではありませんか。
 不敵な笑みを浮かべる志乃シャドウ。もしくは、ブラック志乃。
「……ブラックはやめるんだっ!?」
「ふっふっふ。影の力をみせてやる」
 必殺技っぽい構えをとる志乃シャドウが、トマト妖精達を震えあがらせます。
 ぎゅうん! 唸りを上げてボールが飛びます。
 とっさに志乃は、オーラを張り巡らせて、トマト妖精さんをガードします。
「危ないだろ! 掠っただけでも一大事な皆さんだぞ!」
「黙れ。トマトソースにしてやるよ」
 志乃シャドウが、口元を歪めます。
「そうそう。いきがって見せたところで、ここではドッジボールが全てを決めるのよー」
 地面から噴き出した影が、ナナの姿を取りました。
 ゆるい口調の志乃シャドウからパスを受け、ナナシャドウがご投球。
 ちらり。ナナは、太陽に示された矢印の方向を確認。反対へ進まないよう注意しながら、立ち回ります。
「うわわ、お助けトマ~」
「こっちよトマトさん!」
 ばっ。ナナがすかさずかばいます。
 ナナの武器は、気合いと元気です。
「大丈夫、わたし達はやれば出来る子なのよ!」
 泣かない、めげない、諦めない。
 ナナの鼓舞を受けて、ジューサーミキサーで処理される寸前のようだったトマト妖精達さんも、明るさを取り戻していきます。体の赤みも増していきます。
「少しくらい気持ちが明るくなったからって、体のもろさは変わらないのよー」
 ばすん!
 ナナシャドウ渾身の一投を、ナナは正面から受け止めました。
「なな、なんてことー」
「影が光より先に進む事なんてありえないのよ! さぁ、ここからわたし達の怒涛の反撃よ!」
 ボールをつかむと、腕を勢いよく回して威力をチャージ。ユーベルコードの要領です。
 そしてナナの怪力から、強力な一投が繰り出されました。
 ばしーん!
 気持ちの良い音を立てて、ナナシャドウが吹き飛びました。てんてん、と地面にボールが転がります。
「力こそパワーねー」
 敗れたナナの影が、しゅうう、と消えていきます。
「まずは1人ね!」
 その後もナナは、影の猛反撃にも負けず、ボールをキャッチ。怒涛の勢いで、影トマト達を次々アウトにしていきます。
「ちっ、使えねえ連中だぜ。あたしがやってやんよ」
 劣勢に焦る志乃シャドウが、渾身の投球をしてきました。
「影を打ち消すのが光ってもんなんです!」
 きゅぴん。志乃の第六感が閃き、お腹で抱えるようにキャッチ。
 ボールが手に入ればこっちのもの。
 志乃が投げたボールは、空中で速度を上げていきます。念動力による加速です!
「ひっ、こ、こっちくんなああーっ!」
 志乃シャドウの叫びも空しく。
 ぼこーん、と体にヒット。
 あまりの威力にボールは跳ね返り、他の影トマト達に次々ぶつかっていくではありませんか。
「ぶべらっ」
「げふっ」
 ピンボールみたいなことになって、志乃シャドウや影トマト達が軒並み倒れていきます。
「ふう、最終手段を使わずに済んだ……さっ、トマトさん先へ進みましょう!」
「やったトマ!」
「救いの神トマ!」
「神様は言い過ぎじゃないかしら?」
 志乃とナナが、トマト妖精さん達から拍手喝さいを浴びていると。
 周囲の景色が変わっていきます。
 空を見上げると、太陽の数字がもりもり増えていました。本のページが進んでいくのです!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レン・デイドリーム
トマトがドッジボールしたらそれは危ないよね……
僕も運動は得意じゃないけど、平和な国の住人を守るためだ
ちょっと頑張ってみよう

……ということで古代戦士の霊さんお願いします
いきなり他力本願だけど、ほら、命がけだから……
僕はトマトさん達を守って、戦士さんには積極的に攻めてもらうよ

僕自身は【オーラ防御】を展開してトマトさん達の壁になる
オーラはトマトさん達が潰れるのを防ぐために使うよ
ボールも頑張ってキャッチする……【第六感】とか使って……

戦士さんにも積極的にボールをキャッチしてもらい、影達を攻撃してもらうよ
古代の戦士さんだよ、きっと運動神経も良いんだ
がんがん攻めて!ほら、シュエも応援してるよ!頑張って!



 レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)が駆け付けた本の世界は、森ステージでした。攻略は順調のようです。
 けれどそこでも、トマト妖精さん達が、命の危機にさらされていました。
「おらおらートマトはぶっ潰すぜー」
「ひいい、ボク達の影なのにトマトの気持ちがわからないトマ?」
 トマト妖精さんの訴えも、影には通じないようです。
「トマトがドッジボールしたらそれは危ないよね……」
 レンは想像しました。
 地獄絵図でした。
 とっさに試合に乱入するレンですが、運動は得意な方ではなかったりします。
「それでも、平和の為、トマトさん達は守って見せる。……ということで古代戦士の霊さんお願いします」
 レンの(他力本願な)呼び掛けに応えて、勇ましい戦士の霊体が現れました。
 命がかかっているので、手段は選びません。レンというよりトマトさんの。
 すると、影トマト達からブーイングが来ました。
「槍はルール違反でーす」
「えっ。じゃ、じゃあ武器は置いて、戦士さん……」
 レンのお願いに、戦士さんは、槍を地面に置きました。渋々。
「よし、処刑タイムだ!」
 影トマトがいきなり投球してきました。
 とっさにレンはオーラで壁を作り、トマトさん達を守ります。
「ひいい有り難いですトマ!」
「一度防いだくらいでいい気になるなよ?」
 影トマト達は、びしばしボールをぶつけてきます。いつの間にかレンの影も加わっていました。
「死ねやあああ」
 本物のレンなら言わなそうなことを言って、全力でボールを投げる影レン。
 しかし、満を持して立ちはだかった戦士さんが、球を受け止めました。
 ぶん。剛力でもって球を投げ返すと、影レンを一発でアウトにしました。影は、しゅるると消えていきます。
「よくも新入りを!」
 味方の敵討ちに、影トマトが反撃します。
 ですが、何とかレンもボールをキャッチ、戦士さんにパス。戦士さんは、華麗な投球術で、影をアウトにしていきます。
「強いトマ!」
「救世主トマ!」
 トマトさん達が、こぞって戦士さんに声援を送ります。
「ほら、シュエも応援してるよ! 頑張って!」
 レンに寄り添う白い触手がうねうねしています。
 レン達の期待を背負った戦士さんは、がんがん攻めました。
 そのかいあって、敵陣は綺麗に掃除されました。太陽の数字も進みます!

成功 🔵​🔵​🔴​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

あら美味しs……んん、ナンて理不尽!
オレだって進んで惨劇が見たいワケじゃねぇしネ
間に入って*庇いながら球の軌道*見切り
たぬちゃんがしっかりキャッチ出来るよう弾いていくわねぇ
自分で取って投げないのかって?
オレ投げない方が確実じゃない……(目逸らしつ)(射撃攻撃苦手)
更には【黒嵐】で旋風巻き起こし
たぬちゃんの炎をあおっていこうかしらネ

つうかナニ喜んでンのよ、そんなに投げられたいワケ?
隙見てたぬちゃんの首根っこ掴んだら*怪力でたぬちゃんぶん投げるわ
ルール?
最初から無いも同然じゃナイの、コッチも知ったこっちゃないわ
しっかり庇いながら、一気にカタつけてきましょ


火狸・さつま
コノf03130と

わわ、大変!
ぷんすこ間に割って入って
トマト君達庇いつつ
オーラ防御でボール弾く

コノからのボールにおめめぱちくり
え?投げるの、苦手?
じゃ、俺だけ、特別?!
ぱぁあっと嬉しそうに尻尾振りたくり
御機嫌で炎纏わせ外野の影達へ投擲属性攻撃

ボール軌道見切り
雷火の雷撃纏わせた尻尾で打ち返し攻撃したり
キャッチして反撃投擲
安全に移動出来るよに外野の数減らす

首根っこ掴まれても何のその!
だて、これは、あいじょうの、成せる業だから!(語弊)
ボールしっかと抱えたまま御機嫌で身を任せ
ひゅんっと吹っ飛べば渾身の【粉砕】叩きつけ一網打尽!

さぁ、いまのうち!走って走って!
あの、矢印の、方向に!
一緒に、脱出、しよ!



 本の世界で繰り広げられる、ドッジボール大会。
「うわ! 皮に擦り傷がトマ!」
「わわ、大変!」
 火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)が、トマト妖精さんのピンチに駆け付けました。
「フフフ、お前の運命はトマトピューレだ!」
「そうは、させない!」
 ぷんすこ! さつまはトマトさんとボールの間に割って入ると、オーラでボールを弾き飛ばしました。
「わわっ!? もしかして、助けてくれる……トマ?」
「影っぽくないし、きっとそうトマ」
 ざわざわ。
 コノハ・ライゼ(空々・f03130)は、コート内に押し込められたトマト妖精さん達を見回しました。
 大人もいれば子どももいます。中でも、大人は赤く色づいて。
「あら美味しs……んん、ナンて理不尽!」
 コノハは本音をねじ伏せました。
 幸い、トマトさん達には聞こえなかったようです。
「さァ、人助け……トマト助けといきましょ。オレだって進んで惨劇が見たいワケじゃねぇしネ」
「言ってくれるじゃないの」
 敵コートに、もう1人、コノハが現れました。影コノハです。
「うふふ、『トマト殺し』と呼ばれた俺達に勝てるかしラ?」
「あぁら、ずいぶんと生意気な影ちゃんネ」
 ばちばち。
 光と影。2人のコノハの視線が、火花を散らします。
「さぁ、ショーの続きよ!」
 影コノハの投球!
 けれど、その軌道は見切りました。
 コノハは、トマトさんの前に出ると、ボールを……。
 ばしん。
 弾きました。
「わわ?!」
 とっさにさつまがキャッチしたので、アウトではありません。……多分。
 コノハからの突然のボールに、さつま、おめめぱちくり。
「取らないの? 投げないの?」
「え? だってオレ投げない方が確実じゃない……」
 コノハが目を逸らしたのは、たぬちゃんからでしょうか。
 それとも、射撃が苦手な現実からでしょうか……。
 ですが、さつまの反応は、コノハの予想の斜め上でした。
「え? 投げるの、苦手? じゃ、俺だけ、特別?!」
 ぱぁあ。
 さつまが、笑顔を咲かせました。しっぽも嬉しそうに、ぶんぶんぶん。
 普段からボールよろしく投げられていたのは、きっと、愛情の裏返しだったのでしょう!(さつま個人の感想です)
 お陰で、さつまはすっかり上機嫌。ボールに炎を纏わせて、外野の影達へ投擲しました。燃えあがるボール。必殺技の気配がします!
 ぶわっ。ボールが一回り大きくなりました。コノハが呼び出した管狐が旋風を起こし、炎の勢いを更に強めたのです。
 合体攻撃です!
「ひゃああ」
 ヒット!
 火球の直撃を受けて、影が消えていきます。
 補充要員として現れたのは、影の狐……さつまシャドウでした。
「喰らえー」
 反撃の投球が来ました。
 対するさつまは、ボールの軌道を見切ると、今度は尻尾に雷撃を纏わせて、打ち返しました。
「!?」
 ぼんぼんぼん!
 ばちばち輝くボールは、次々と影トマト達に跳ね返って、次々と倒していきます。よいことです。相手の数が減れば、トマトさん達も安全に移動できますから!
 コノハの言葉の余韻は、まだ続いているようです。さつまはご機嫌モード続行中です。
「つうかナニ喜んでンのよ、そんなに投げられたいワケ?」
 むんず。
 コノハがおもむろに、さつまの首根っこを掴みました。あまりに自然な流れ過ぎて、一瞬、何が起こったのかわからないレベルです。
「ちょっ、大丈夫トマ?」
「実はこの人、敵かな? 味方かな? トマ!」
 トマトさん達が慌てだしますが、どっこい、さつまはなんのその!
「だて、これは、あいじょうの、成せる業だから!」
 なにか語弊があるような気がします。
 さつまは、ボールをしっかと抱えたまま、相変わらずの御機嫌でコノハに身をゆだねます。
「それじゃあ……いくわヨッ!」
 ぎゅんっ。
 コノハの全力投球。射撃は苦手ですが、投狸なら話は別です。
 さつま&ボールが、虚空を駆け抜けます。そして着弾。
「わー!?」
 影達が、一斉に吹き飛びました。ストライクです。違うスポーツになりましたが。
 巻き込まれた影さつまも消えていきます。
「うわわ……」
「ちょっとちょっと! ボールを持った狸をそのまま投げるなんて! ルールは何処いったのヨ!」
 影コノハが、猛抗議してきます。
 ですがコノハは、いたって涼しい顔で、受け流します。
「ルール? そんなの最初から無いも同然じゃナイの、コッチも知ったこっちゃないわ」
 すがりついてくるトマトさん達を背に庇いながら、コノハが言い返しました。
「さ、たぬちゃん、とどめさしちゃって」
「りょーかい!」
 コノハに任され、さつま、大奮闘。
 影は蹴散らされ、道が開けました。
「やったトマ!」
「これで潰れなくても済むトマ!」
「さぁ、いまのうち! 走って走って! あの、矢印の、方向に! 一緒に、脱出、しよ!」
 さつま達に先導され、トマト妖精さん達がぽてぽて走り出します。
 物語の先を目指して!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
今の状況は素敵じゃないから詐欺だと思ったけど
本気で素敵と思っている悪趣味な奴かもしれないな
そんな計画はしっかり邪魔してあげないとね

矢印に注意しながらボールを積極的に取りにいく
ボールは1個、トマトさんに当たらないようにするには取るのが一番確実そう
UC絶望の福音で先読みしてキャッチ
矢印ルールのせいで取りに行けないなら、ターゲットを矢印ルールの向きに合わせて引っ張って回避させよう
それにしてもトマトさんは当たったら即死なのに、影トマトは違うってずるいなあ

そういえば影の俺も出てくるんだっけ?めんどくさ…
俺と似た性格なら自分が負けるわけないと思っているから
回避するのがやっとと思わせ油断させて隙を作らせよう



 猟兵達の活躍は、太陽に刻まれた数字をどんどん増やしています。
 物語の進行に合わせたのでしょうか。
 背景を砂浜に変えたコートに、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)が参戦しました。
「た、助けてくれるトマ?」
「もちろん」
 トマト妖精さんのすがる視線に、サンディは頼もしい答えを返しました。
 トマト妖精さんが潰される今の状況は、素敵じゃありません。ですからやはりコレは詐欺だとサンディも思っていましたが。
 あの黒ずくめは、他人が苦しむ様を本気で素敵と思うタイプの悪趣味な奴かもしれません。
 なら、そんな計画は断固阻止、です。
「1人増えた? なら倒しがいが増したってもんだ!」
 影トマトが、サンディにボールを投げつけました。
 ちらり、サンディは、空の太陽の矢印を見ます。
 もしも後ろに下がったり、ボールに吹き飛ばされたりしたら、逆方向行き。ダメージが来ます。
「なら、下がらなければいいだけさ」
 ばしん!
 有言実行、サンディは、危なげなくボールをキャッチしました。
「なっ、こっちの狙う場所がわかってたとでも!?」
 まるで未来を予知していたかのようなサンディの動きに、影トマトがおののきました。まるで、ではなく、実際その通りだったりします。
 いくら影トマトの数が多くても、ボールは1つだけです。ボールが手元にあれば、トマトさん達に命の危険はありません。
 そして反撃。サンディの狙いは正確で、影トマトを撃破していきます。
 ですが、消えたそばから、新たな影が生えてきます。
「そのシステムずるいなあ」
 トマト妖精さんは即死なのに。
 そして現れたのは、サンディの影でした。
 自身に満ち溢れた表情です。なんだかめんどくさい。
「トマトと光のオレに、死を!」
 影サンディの球が来ます。
 サンディは、狙われたトマトさんの手を取り、自分の方へ引き寄せました。矢印ルールの事も頭に入れておかないといけないので面倒くさいです。
「ほらほら、避けてばかりじゃ勝てないぞ?」
 一方的な防戦に追い込まれるサンディ達に、影サンディは勝ち誇ります。自分が負けるはずがないという余裕。
 けれどサンディは、そんな性格、お見通しでした。
 威力と狙いが雑になったところで、サンディがキャッチ。
 避ける隙なんて与えません。すぐに無言で投げ返し、影サンディを撃滅しました。
 慢心、ダメゼッタイ。

成功 🔵​🔵​🔴​

木元・杏
きゅっとねじりハチマキ
トマトは美味しい。美味しいは守らねばならぬ使命感
ばっとコートに乱入し、トマト妖精さん達の庇いに入る

大丈夫とま。わたし達に任せてとま

受け止めたボールを影の一体に向け、怪力全開全力で投げつけそして倒す!

……狙いと別の影に当たったけど無問題(※ノーコン
さ、この調子で前進しながらやっつけて行こ
トマトさん達を鼓舞して後退しないように気持ちを前向きに
ん、あの矢印に向かって、ごー、とま(太陽指差し

うさみん☆とうさみみメイドさんズ(半分)はトマトさん達の後ろを守り、背後からのボールに注意
受け止め投げ返しで倒す
近付いてきた影はパンチで倒してね

メイドさんズ(もう半分)はわたしと一緒に前で守る



 本のページはめくられます。
 そして新たなコートに、ばっ、と乱入したのは、木元・杏(食い倒れますたーあんさんぽ・f16565)。きゅっ、と締めたねじりハチマキが凛々しいです。
 トマトは美味しい。美味しいは守らねばならぬ。使命感ゆえの行動です。
「大丈夫とま。わたし達に任せてとま」
「ありがとトマ~。危なくトマトピューレになるところだったトマ」
 それ美味しそう、と杏は思いました。思うだけです。本人には言えません。
「ていや」
 ばすん!
 杏の可憐な腕から繰り出された剛速球が、影トマトを吹き飛ばしました。
 ……狙っていた奴の隣にいた影トマトが。
「……狙いと別の影に当たったけど無問題」
「……もしかしてヘタ、トマ?」
 トマト妖精さん、意外と辛辣です。
「……いいえこれはフェイント」
「なるほどトマ!」
 トマトさんの尊敬のまなざしがまぶしいです。
「さ、この調子で前進しながらやっつけて行こ」
 うさみん☆とうさみみメイドさんズに、トマトさん達の後ろを守ってもらいます。
 残るメイドさんズと杏自身は、前衛です。
「これで下がる必要ない。切り抜けて元の世界に帰る、絶対」
「そうトマ、あの幸せだった日々に戻るトマ」
 杏に励まされ、トマトさん達も元気を取り戻します。
「……そう簡単にはいかない」
 ずももも、と影が現れました。杏シャドウです。
 悪の存在だからでしょうか。クールビューティ感が、本人よりちょっぴり増している気がします。
「さあ、一斉に、攻めて」
 杏シャドウの号令一下、影トマト達が反撃開始です。怒涛の投球。雨あられ。
「うわあ、潰されるトマ!」
「もっと綺麗な死に方したかったトマ!」
 響く悲鳴。
 ですが、ピンチのトマトさん達を、うさみみメイドさんズが鉄壁のディフェンス。
 うさみん☆がキャッチしたボールを、杏にパスです。
「えい」
 どすん!
 杏シャドウが、ボールの強襲を受け止めます。
「このくらい……なっ」
 腕の中で暴れるボールの勢いに耐え切れず、杏シャドウは吹き飛ばされました。
「なんて、力。クール、じゃない」
「物理もまた、女子力」
 こくり。
 消えゆく自分の影を、杏は見送りました。
 やがて、女子力(物理)で敵を蹴散らして、道は開けました。
「ん、あの矢印に向かって、ごー、とま」
「ごー、トマ!」
 太陽を指差す杏にならい、トマトさん達もポーズを決めました。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『迷路実験の主』

POW   :    心因性の負荷課題
戦場全体に、【対象の心的外傷を模す敵を配置した、肉】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    可能性の袋小路課題
戦場全体に、【対象が渇望するものを模す敵を配置した、肉】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    不可逆性の報酬課題
戦場全体に、【対象が失くしたものを模す敵を配置した、肉】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 救出したトマト妖精さん達を連れて。
 猟兵達が、ドッジボールの試練を抜けた頃でした。
 太陽のカウントは、だいぶ増えていました。物語が進んでいる証拠です。
 それに合わせて、景色が大きく変わります。
 砂漠です。
 すると、砂の中から、何かが姿を現しました。なんともフレッシュな色合いをしたそれは、毛の生えていないマウス……ヌードマウスのようでした。オウガです。
 が。
 マウスの形が崩れ、にゅるにゅると不気味なものへと変化していきます。
 そして、殺風景だった砂漠に、肉で出来た巨大迷路を造り上げていくではありませんか。
「サア、ジッケンをハジメヨウ」
 オウガが喋りました。もはや形は定まっていません。
「オマエタチのココロをサラケダセ」
 不気味な声が響いた途端、トマト妖精さんが、悲鳴を上げました。
「ひいい、道に、石が落ちてるトマあああ!」
 トマト妖精さん達を震え上がらせたのは、行く手に現れた石でした。何の変哲もない。
「もしつまずいて転んじゃったら、体潰れるトマああ!」
 恐怖です。
 どうやらこのオウガは、相手のトラウマや願い、喪失したもの……そういったものを具現化するようです。
 トマトさん達が悶え苦しむさまを、オウガ達は、迷路の曲がり角から観察しています。
 どうやら、体を張った戦いは、得意じゃないみたいです。
 それならば、力に訴えましょう。
 迷路を切り抜け、オウガをぱぱっ、と掃除するのです。
 ……おっと、太陽の矢印の方向と、トラウマには気を付けて!
サンディ・ノックス
矢印どおりに迷路を進むには
進行方向の壁を壊す方法しか思いつかないな
怖がっているトマトさんも連れて移動したかったけれど
巻き込みかねないから俺一人で行こう

真の姿解放
金眼の赤い竜人と化し、黒剣や【解放・夜陰】で進路を切り拓いて進む

恐怖の心当たりなんてないけれど何が出てくるだろう

現れるのは幼い少年
痩せっぽちの体は黒い服で目立たない
茶髪でどこを見ているかあまり読み取れない青い瞳
けれど表情は穏やかな微笑み
指を組み光を放っている

…昔の、俺
聖なる存在だったかつてを見せられたら
このままで居たかったという後悔の念くらい起こるよ
でも過去は変わらないし、俺は今も幸せだ

だから立ち止まらない
為すべきことのために先に進むよ



 サンディ・ノックスを物語の先に進ませまいと、迷路が地面からそそり立ちました。
「助っ人さーん!」
 壁の向こう、分断されたトマト妖精さんの悲鳴が聞こえます。
 サンディは、トマトさん達にその場で待っているよう告げると、迷路からの脱出を図ります。
 高くそびえたつ壁の、更に上。太陽の矢印は、迷路とは逆方向を示しています。オウガの悪意を感じます。
「矢印どおりに進むには、こうするしかないな」
 そう告げると、サンディは、金の眼をした、赤い竜人へと変貌を遂げます。
 朱の宝玉を埋め込んだ黒剣を抜くと、竜のりょ力をふるって……迷路を破壊します。
 壁は相当に堅いもののはずですが、真の姿の力を発揮したサンディの前に、あえなく突破されて行きます。
 剣戟に加えて、漆黒の水晶群も放って、サンディは順調に前進していきます。
 もちろん、オウガがこの状況を黙って観察しているはずがありません。
 壁の一部が分かれたかと思うと、人影となってサンディの前に立ちふさがりました。
 茶色の髪をした、幼い少年です。
 黒い服に包まれてあまり目立ちませんが、その体は痩せています。
 ただ虚空を見つめるような、視線の行先を読み取らせない、青い瞳。
 指を組んで、聖なる光を放ったその少年は、ただ穏やかな微笑みをたたえています。
 サンディには、心当たりがありました。
「……昔の、俺」
 聖なる存在だった、かつての自分です。
 竜人になっていることもあり、今の自分とは、外見も年齢も、離れて見えます。
 過去の自分と対面した事で、このままで居たかったという後悔の念が、サンディの胸に湧き上がります。
「ドウスル、ドウスル」
 オウガの不気味な声が、どこからともなく響いてきます。サンディの迷いを、楽しげに見守っている気配がします。
 サンディは、まぶたを伏せました。
「確かに、後悔はある。でも過去は変わらないし、俺は今も幸せだ」
 そして再び目を開くと、黒剣を強く握りしめました。
「だから立ち止まらない。為すべきことのために先に進むよ」
 一閃。
 過去の幻影を切り裂くと、隠れてサンディを観察していたオウガまでをも両断します。
「ソレが、オマエの、コタエ、カ……」
 迷路の作り手であるオウガを失うと同時に、迷路も消えていきます。
 無事、難関を越えたサンディを、トマト妖精さん達が迎えました。
 空の太陽の数字が、幾つも増えました。未来に進んだ証拠でした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・デイドリーム
僕らが渇望するものってなんだろう?
そう思いつつ迷路を進むと、落ちてたのは最新式の家電に大きなぬいぐるみがいっぱい
これは確かに僕とシュエが買いたいものだぞ……

手足の生えた洗濯機がこちらに飛びかかってくるわ、大きなサメぐるみか本物のサメみたいに襲ってくるわ
アリスラビリンスらしいようなそうでないような
とりあえず【オーラ防御】で身を守りつつ反撃していこう

相手の接近に合わせてUCも発動するよ
見た目かどうあれ原材料はあの肉だと推測
それなら噛み砕けるはずだ

矢印の方向にも気を付けよう
逆走せざるを得ない時はダッシュで
【学習力】で迷路はしっかり観察しつつ攻略

これが本物だったらなぁ
本当に買うならいくらかかるかな……



「トマトさん達は下がっててね」
「わかったトマ」
 妖精さん達にそう言い含めたすぐ後、レン・デイドリームは、迷路に飲み込まれました。
 オウガ達がせっせと作り上げた、自慢の逸品です。そこには、レンの心を反映した敵が配置されると言いますが。
「僕らが渇望するものってなんだろう?」
 レンの呟きに、シュエも、くねっ、と疑問するように体を傾けます。
 そうして、迷路を進むうち、答えは形となって、2人の前に現れました。
「これは……」
 白い塊と、大きな獣的なシルエットが往く手を阻みました。
 白の正体は、家電でした。最新式。
 獣的なものの正体は、ぬいぐるみでした。たくさん。
 レンとシュエは、顔を見合わせました。
「これは確かに僕とシュエが買いたいものだぞ……」
 しかし敵です。
『クリーニング!』
 にゅ。
 家電の1つ、洗濯機から四肢が生えたかと思うと、レン達に跳びかかってきました。
 お化け洗濯機をとっさにかわすレンですが、その拍子に、ぬいぐるみを踏んでしまいます。いっぱいあるので。
『キシャーッ!』
 ぬいぐるみだったはずのサメが吠えて、喰らいついてきました。
 他のぬいぐるみや家電達も仮初の命で、元気にレン達を襲います。
「アリスラビリンスらしいような、そうでないような……」
 凶暴化した冷蔵庫にハリネズミ。
 オーラで噛みつきや体当たりを防ぎながら、レンは迷路を進みます。
「これが本物だったらなぁ。本当に買うならいくらかかるかな……」
 計算していくとかなりの額になって来たので、レンは考えるのをやめました。
 オウガの仕業なので、まあまあ悪意があります。通路は、太陽の矢印と反対になるよう仕組まれていますが、シュエの導きもあり、切り抜けていきます。
「? シュエ、どうしたの」
 シュエの指し示す方向に目をやると、肉で編まれた不定形がいました。レンの反応を観察していた、オウガです。
 レンは一気に接近すると、その腕を狼の頭に変えて、オウガを噛み砕きました。
「ヨ、ヨクボウにミをユダネテイレバ、ヨイモノを……」
 奇妙な音階の声をもらして、オウガが消えていきます。
 それに合わせて、家電やぬいぐるみ、レン用の迷路もなくなっていきます。
「さよなら、僕とシュエの欲しいもの……」
 総額云百万越えの家電達が霞のように消えていくさまは、レンにもったいなさを感じさせるのでした。
 ……偽物ですけど。

成功 🔵​🔵​🔴​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

トラウマ、ねぇ
この手のは初めてじゃないし出てくるモノはお察し
銀の髪、痩せ細った体躯
……オレだよ、十年程前の

だからどう出るかもようく分かってる
トマトちゃん達が一緒ならすぐ間に立ち*庇い
己の肌裂き【黒涌】生んでミンナを守るよう配置するわネ

つうか喰わねぇヨ、と思わずコッチがツッコミ入れながら
敵はたぬちゃんに任せ……と思ったら
ナンで似た様なの増えてる訳!?
喜んでる場合か!
二度見の上に舌打ちして、はしゃぐたぬちゃんの襟を面倒とばかりに掴み
ほぼゼロ距離からの投狸

……そうヨ「オレ」は一人で十分
ま、この調子で(無理矢理)道開けてけば
矢印から逸れずに進めるデショ

(アドリブ等歓迎)


火狸・さつま
コノf03130と

せっせせっせ石を除け除け
ふと顔上げれば
だぁれ?
髪、綺麗…
痩せてる…お腹空いてる、の?(首傾げ)
でも、トマト君達は、食べちゃ、ダメ
ささっと、コノと一緒にトマト君達庇うよに立ち塞がり
じーぃと見れば
似て、る…コノ、なの?
なんで、トラウマ…?
でも俺、若いコノ見れて、嬉し…わわ!!
知ってる、コノ!いっぱい!!
俺ね、コノと一緒、嬉し、楽しって思てたから
きと、願望に、出ちゃた!えへへ…わぁ!
急でも大丈夫!
早業【封殺】範囲攻撃!
2回攻撃オウガへ拾った石に炎纏わせ投擲属性攻撃!
眼福幸せだた、けど
やっぱり本物だけが大好きなコノ、だから!
一人で、良い、の
色々して欲し、のも、本当の、コノじゃなきゃ!



 コノハ・ライゼ達は、さっそく迷路に閉じ込められました。
 もちろん、トマト妖精さん達も一緒です。
「ヤバいトマー!」
「閉じ込められたトマー!」
「ま、(無理矢理)道開けてけば、矢印から逸れずに進めるデショ」
 慌てるトマトさん達をしり目に、コノハは平然と言います。クールなその態度に、トマトさん達は憧れます。
 さて、迷路の番人は、オーダーメイドと聞きます。コノハにはコノハをもてなす敵が現れるのだとか。
「トラウマ、ねぇ。この手のは初めてじゃないし出てくるモノはお察し」
 コノハが肩をすくめた途端、壁の肉が分離して、何かの形を作り始めました。
「たぬちゃん、たぬちゃん」
「え、なに?」
 迷路から抜け出そうと、せっせせっせと石を除け除けしていた火狸・さつまが、コノハに呼ばれて、顔を上げました。そこには、
「……だぁれ?」
 銀の髪、痩せ細った体躯。
「髪、綺麗……」
 さつま、てっとこ近寄ります。けれど、相手の様子に、ふにっ、と首をかしげて。
「痩せてる……お腹空いてる、の?」
 答えはありません。
 さつまはそれを、答えができないくらい空腹なのだと解釈しました。
「でも、トマト君達は、食べちゃ、ダメ」
 ささっ。さつまは、おびえるトマトさん達を庇って両腕を広げました。
「そそ、自分達、おいしくないトマ」
「中身のジュレ感が苦手な人もいるトマ」
「つうか喰わねぇヨ」
 コノハからツッコミが入りました。
 そして、ため息交じりに種明かしをします。
「……オレだよ、十年程前の」
「……むかしの、コノ?」
 さつまが、じーぃと見れば、確かに。
「似て、る……コノ、なの? なんで、トラウマ……?」
 さつまの疑問には答えず、コノハは過去の自分を見つめました。どう出るかもようく分かっています。
 相手が行動に出来る前に、コノハはためらいもなく、自分の肌を傷付けました。
 ひぇっ、と青ざめるトマトさん達を安心させるように、コノハは手を振ります。
 すると、傷口からこぼれ出たのは血ではなく、影狐達でした。トマトさん達のガードマンになります。
「トラウマ……でも俺、若いコノ見れて、嬉し……」
 ついつい、さつまがほっこりしていると、過去コノハは、思いのほか容赦なく攻撃を仕掛けてきました。
 けれど、その狙いは、どれも影狐がガードします。
「オレは守りに徹して、敵はたぬちゃんに任せ……」
 コノハが、すっかり観戦モードになっていますと。
「??」
 ぽこんぽこん。
 コノハが大発生したではありませんか。
「わわ!! 知ってる、コノ! いっぱい!!」
 さつまが歓声を上げます。またしても。
 今度は、現在の……さつまの知るコノハ達が、迷路を埋め尽くしたのです。
「ナンで似た様なの増えてる訳!?」
「俺ね、コノと一緒、嬉し、楽しって思てたから。きと、願望に、出ちゃた! えへへ……わぁ!」
「喜んでる場合か!」
 二度見&舌打ち。
 コノハは、面倒とばかりに、はしゃぐさつまの襟を掴むと、
「きゅ!」
 投狸しました。
 ほとんど零距離からのたぬきアタックでしたから、相手も避けようがありません。
 コース上にいた偽コノハ達が次々と吹き飛ばされていきます。
 頭から相手に激突しても、にこにこのさつまです。そこに、コノハの偽物達が突然、襲いかかります。
 けれど、さつまは、とっさに青と黒の狐火を灯しました。偽物達を追い払います。
 コノハのトラウマコノハも巻き込んでいきます。「やっつけちゃって、よかた?」と、ちら、と視線を投げてくるさつまに、コノハは「何が?」という顔をしました。
 さつまが倒してくれたなら、それで充分です。
『ニセモノでもヨロコビはカクセヌようダナ』
 肉の編み物……オウガが、さつまを観察しています。
 それを目ざとく見つけたさつまは、すかさず、拾った石を投げつけました。ぼっ、と、空中で炎を宿した塊が二発、オウガを打ちました。
『ナ、ナゼだ……コウフクをカンジテイタはずデハ?』
「確かに、眼福幸せだた、けど」
 全身でハテナを表現するオウガを、さつまは、きっ、と睨みました。
「やっぱり本物だけが大好きなコノ、だから! 一人で、良い、の。色々して欲し、のも、本当の、コノじゃなきゃ!」
 オウガや偽コノハと一緒に消えていく迷路の中で、さつまは力説しました。
「……そうヨ、『オレ』は一人で十分」
 オリジナルコノハが、ほのかな笑みをたたえて、言いました。
 過去は過去として。今は今として。
「それに……うかつにいっぱいいたら、ありがたみが薄れちゃうデショ?」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と合流

見て、まつりん。あれがお肉で出来た迷路
…乙女の感が告げる。あれは食せないお肉
お肉があるのに食せない…試練厳しめ

(はっ)

この音はおとうさんの子守唄(※音痴)
そしてうなされて見る、遊園地の暗い、狭い、高いな迷路の夢が目の前に
ま、まつりんしっぽお貸しして…って、まつりんどこ!?
動揺して後ろを振り向くとまつりんとごちんっ
…あ、まつりん後ろにいた
トマトさん達の存在にも気付き、息を吸って
だだだだだ大丈夫とま、後退は絶対しないとま

む、たまこの声?
そしてまつりんの声が前に

まつりんが笑う場所が
いつだって暗闇からの出口
【鎌鼬】でお肉をすぱっと切り取る

…お肉、少し味見していい?


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)に追い付いた!

試練って、アレだよね。
ウウッてなる、アレ。
やだなあ、アレ。

えっと、暗くてよく見えないケド、矢印の方に進むんだね。

(遠くから『コケ』)
あ。(耳ぴく)
行くしかないから行くケド……(アンちゃんに隠れつつ)

(ばったりご対面)
ほらー!
やっぱりいたー!

ちっこい奴が、超ジャンプ力で蹴爪きらん☆
ギャー!
(綾帯で迎撃。だが躱された!)

うー、通してよー。
トマちゃんたち、助けてあげなきゃ……
(キラリ嘴)
ギャー!

はっ。
(生たまこが背後から威嚇中)
わわ、来てたの?
え、偽物許すまじ?(ギラリ)
わーん、前門も後門もたまこー!!(疾走)

勢いでお肉も撃破!
あー、アンちゃん食べちゃダメー!



「アンちゃーん」
「……む」
 自分の名を呼ぶ声に、木元・杏は振り返りました。
 すると思った通り、木元・祭莉(とっとこまつさんぽ?・f16554)がとっとこ走ってきました。
「アンちゃん! やっと追いついたー!」
「お友達トマ?」
 杏にたずねるトマト妖精さんに、祭莉は、むふん、と胸を張りました。
「アンちゃんの兄、まつりんですとま!」
「これはごていねいにどうもですトマ」
 自己紹介を済ませて、トマトさん達と仲良くなった祭莉に、杏は、指差しました。行く手を遮る、恐ろしき罠を。
「見て、まつりん。あれがお肉で出来た迷路」
「お肉!? 危険な香りがする……!」
「……乙女の感が告げる。あれは食せないお肉。お肉があるのに食せない……試練厳しめ」
 ぐぬぬっ、と唇を噛む杏を、迷路はぐわっ、と取り込みました。容赦なく。
 一緒に迷路へ閉じ込められた祭莉は、トマトさん達と並んで、ぶるぶるしています。
「試練って、アレだよね。ウウッてなる、アレ。やだなあ、アレ」
 それでも、矢印の方向へと進まなければなりません。
 祭莉にしがみつかれたまま、迷路を進む杏は、ふと、気づきました。どこからともなく流れてくる、奇妙な音に。
 すると、トマトさん達は、首を傾げたり、耳に手を当てたりします。
「トマトさん……耳、どこ?」
 ともあれ、杏は確信します。この音は、おとうさんの子守唄です。ただし、音痴……。
「何だか調子狂うトマ」
「父が、ご迷惑を」
 杏は、ぺこりと頭を下げました。
 すると、どうしたことでしょう。迷路がぐにゃりと歪んで、遊園地になりました。
 暗い、狭い、高い。三拍子がそろった、子守唄にうなされた時によく見る、夢の迷路です。
 これには、さすがの杏もおめめぐるぐる、正気を失いかけます。
「ま、まつりんしっぽお貸しして……って、まつりんどこ!?」
 あたふた、ぱたぱた。
 暗がりを、手で探り探り。
 そして、後ろを振り向いた拍子に、おでこがごちん!
「わあ!?」
「……あ、まつりん後ろにいた」
「トマ」
「トマ」
 祭莉の、更に後ろにいた赤い塊の皆さんが、次々と尻餅をつきます。
 そうでした、トマトさん達も一緒でした。それに気付いた杏は、息を吸って。
「だだだだだ大丈夫とま、後退は絶対しないとま」
「ほほほほんとトマ?」
 トマトさん達もそこそこ動揺しているので、ぷちパニック状態です。
「……あ」
 ふと、祭莉のふわふわお耳が、ぴくり。
 遠くから、今度は鳴き声がしたのです。
『コケ』
「む、たまこの声?」
「うう、行くしかないから行くケド……」
 杏の袖をつかみ、隠れつつ、祭莉が進んでいきますと。
 ばったり。
『コケ』
「ほらー! やっぱりいたー!」
 たまこが現れた!
 案の定、容赦はありません。祭莉目がけ超ジャンプ! 爪がキラリ、キックを繰りだします!
『コケー!』
「ギャー!」
 祭莉は、とっさに、綾帯で迎え撃ちます。だが躱された!
「うー、通してよー。トマちゃんたち、助けてあげなきゃ……」
 嘴、キラリ。
『コケー!』
「ギャー!」
 けれど、嘴アタックは……きません。
「なんで……? はっ」
 祭莉が振り返りますと、そこに生たまこが居りました。こけっ、と偽たまこを威嚇しています。
「わわ、来てたの?」
「コケっ」
「え、偽物許すまじ?」
 ギラリ。目と嘴が煌めいて。
 一方、刺客の名に懸けて、偽たまこも黙ってはいません。
 まぼろしの観覧車を背景に、にらみ合う二大たまこ……。そして。
「「コケー!!」」
「わーん、前門も後門もたまこー!!」
 祭莉は、一目散に走り出しました。白炎噴き出し、猛ダッシュ!
「あれ? 何かいるー?」
 曲がり角、オウガがいました。祭莉達を観察していた奴です。
「どいてどいてー!」
「マ、マテ……」
 どごん!
 オウガが蹴散らされました。更に、たまこ達の突撃を受けて、消えていきます。
 一方、トマトさん達と一緒に取り残された杏ですが、祭莉の声が、前の方から響いてきます。
「まつりんが笑う場所が、いつだって暗闇からの出口」
 杏は、トマトさん達を連れて駆け出します。
 道すがら、オウガを見つけると、杏はうさ印の護身刀を引き抜きました。
「コ、コチラにクルナ」
 オウガの訴えもどこ吹く風。
 すぱっ。そのまま、オウガごと、迷路を一閃。
 真っ二つになって消えていくオウガ。杏はついでに、良い感じのお肉を、すぱっ、と切り取りました。
「あー、アンちゃん! イテ」
 一足先に迷路を抜け出した祭莉は、追いかけて来た杏に手を振りました。……生たまこにつつかれながら。
 すると杏は、おずおずと、獲物を差し出しました。
「……お肉、少し味見していい?」
「ダメー!」
 祭莉が、両手でバツ印を作りました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『兎騎士・ジーク』

POW   :    兎連斬
【連続で繰り出す素早い武器の斬撃】が命中した対象を切断する。
SPD   :    兎突
【武器の突き】による素早い一撃を放つ。また、【鎧の一部をパージするか兜を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    超化人参摂取
【仕込んでいた特殊な人参を食べ暴走状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニーヤ・カトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 トマトさん達を連れた、本の世界の冒険。
 そろそろ、終わりに差し掛かって来たようです。
 いつの間にか、太陽の数字は、三桁を越えていました。読書家です。
 すると、またもや景色が大きく変わりました。お城です。
 どぉん……と、大きな門がそそり立ちます。その前に立ちはだかるのは、鎧の騎士でした。ウサギの。
「この門の向こうがエピローグ。だが、お前達が、エンディングを迎える事はない」
 うさ騎士ことジークは、金色のハルバードで、お天道様を示します。
「あの矢印に背けば、命は奪われる。だがそれは、この本の世界の住人になるということでもある。痛みは一瞬。この永遠不変の世界で、平和に暮らすのだ」
 ジークも、本の世界のルールは、ご存じの様子。投げる気満々です。明後日の方向に。
 けれど、そうは問屋が卸しません。
 それに、
「嫌トマ! そこかしこで危険が危ない世界になんていられないトマ!」
「あと怪しい人に一言モノ申してやりたいトマ」
「まあ猟兵さんが何とかしてくれるトマ!」
 トマトさん達が、口々に訴えます。
 そうです。ここはトマトさんはもちろん、猟兵もいるべき場所ではありません。
 最後の番人、ジークを倒し、トマトランドに戻るのです。
 何より……トマト妖精さんの期待の眼差しがまぶしいですし!
レン・デイドリーム
トマトさん達に「何とかしてくれる」と思われてる以上は頑張ろう
僕も元の世界に帰りたいしね

サモニング・ガイスト
僕とシュエと古代戦士さんと三人がかりで戦うよ
戦士さんにはドッジボールの時と同じく華麗に動いて戦ってもらう
……囮だけど
暴走した相手は速く動く物を狙うみたいだ
だから戦士さんには速く動いてもらって敵を引きつけてもらう
余裕があれば炎や槍でも攻撃してもらうよ

その間に僕達も頑張ろう
戦士さんとタイミングを合わせ、敵が足を止めたりする時に【呪詛】を籠めた【衝撃波】で攻撃
衝撃波の方に反応するかもしれないから、僕は攻撃する度に移動しようか
その時に矢印の方向に気をつけて
出来るだけ前に進み続けるように注意しよう



 レン・デイドリームは、トマトさん達の羨望の眼差しを浴びて、ぽりぽりと頭をかきました。
「『何とかしてくれる』って頼られてる以上は頑張ろう。僕も元の世界に帰りたいしね」
「帰る場所は此処だ。この先に貴様の物語はない」
 クールなセリフとともに、ジークがハルバードを突きつけてきます。
 騎士には、戦士。
 レンは、傍らに古代の戦士さんを召喚しました。
 シュエも一緒ですから、3人がかりです。文殊の知恵です。荒事なので知恵はあんまり関係ないかもしれませんが。
「戦いは数ではない。質だ」
 先に仕掛けたのは、ジークでした。
 厄介そうなレンを狙いたい様子ですが、そうは問屋がおろしません。古代戦士さんの槍が、ハルバードを弾きます。
「邪魔をするな」
 しばし、戦士さんが、ジークと華麗な戦いを繰り広げます。
「やるな。ならば」
 ジークは、人参を取り出しました。かじります。
 赤眼が、激しく光を放ちます。同時に、全身から噴き出した覇気を、シュエがオーラで防ぎました。
 理性の代わりに力を手に入れたジークの赤い眼が、古代戦士さんを追います。
 その視線を離さぬように、戦士さんが素早く戦場を駆け回ります。
 ですが、暴走ジークも肉薄します。対する戦士さんも、槍さばきと炎で反撃します。
 ジークが眼光で赤い軌跡を描けば、戦士さんも炎で空間を赤く染めます。派手な立ち回りも、すべては囮の役目です。決め手は、やはりレンです。
 槍を弾いた隙を、レンが突きました。呪詛を籠めた衝撃波を、ジークにお見舞いします。
 ぎろり。吹き飛ばされながらも、ジークの瞳が、レンを射抜きました。
 とっさにレンが位置を変えると、再び戦士さんが前に出て、ジークの意識を引き寄せます。
 ジークは気づいていませんが、レンは矢印の示す方向へと進んでいます。投げられてしまわないよう注意を払いながら。
「わーい、その調子トマ!」
「やっちまうトマ!」
 トマトさん達から、レンへと、物騒な声援が来ます。
「ああ、あんまりはしゃぐと……」
 ジークの標的にされてしまわないかと、レンはほんのり心配でしたが、トマトさん達の手足は短く、ずんぐりむっくり。
 とても俊敏そうに見えなかったので、事なきを得るのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
平和な世界であろうとこんなところに興味ないし
トマトさんの言葉を聞いて気付いたよ、彼らにとっては平和ですらない
お前を倒して帰らせてもらうね

真の姿は継続
黒剣を大剣に変形
さっきの迷路は面倒だったなぁとUC解放・朔を発動
俺をこんな姿に変えている悪意で戦場を覆う
トマトさん、あまりじっくり迷路を見つめないでね?

敵は投げ飛ばそうと勝手に近付いてくるだろうから
来たら大剣で撃ち飛ばす(バッターのように)
俺の一部のようなものだし壁を壊してくるとしても来る方向はわかるよ
敵が暴走状態になったら投げられる危険はなくなるだろうからUC解除
トマトさんに隅に移動してもらうよう伝え、その間は彼らより早く動いて敵と対峙
剣戟で交戦



 サンディ・ノックスと、兎騎士ジーク。
 門の前、合いまみえる2人の騎士を、トマト妖精さん達が見守っています。
「この世界こそが、お前達のいるべき場所なのだ」
「平和な世界であろうとこんなところに興味ないし」
 ジークが、武器と共に突きつけた断定を、サンディは首を振って受け流します。
「トマトさんの言葉を聞いて気付いたよ、彼らにとっては平和ですらない。お前を倒して帰らせてもらうね」
 ジークに突きつけ返した黒剣を、くるりと回します。
 すると剣は、一回り以上もの大きさに変わりました。
「ならば、この世界に焼き付けてくれよう」
 ジークが仕掛けてきました。
(「さっきの迷路は面倒だったなぁ」)
 サンディが思うと同時、ジークを、入り組んだ道が遮りました。
 迷路です。漆黒の水晶が、壁を形作っています。更に、サンディを真の姿に変えている悪意が戦場を覆います。
「あ、トマトさん、あまりじっくり迷路を見つめないでね?」
 水晶に興味津々のトマトさんを、サンディが制しました。
「? わかったトマ!」
 優しく守ってくれるサンディに、トマトさん、素直です。
 それはそうと、ジークです。黙っていても、向こうから来てくれるはずです。
 この迷路はサンディの一部も同じ。ジークの来る方向は手に取るようにわかります。
 案の定、ジークは、迷路の妨害も何のその、サンディ目指して接近してきます。
 それを待ち構えていたサンディは、構えていた大剣を思い切りスイング。
「!?」
 ジークの体を打ち返しました。野球のバッターのように。
「くっ、此の手は使いたくはなかったが」
 壁に叩きつけられたジークは、取り出した人参をかじりました。
 すると、赤い瞳が、まばゆく輝きました。大剣の応戦も何のその、ひたすらにサンディを狙ってきます。
 怪力で、壁が破壊される寸前、迷路が消えました。
 トマトさん達を隅の方へ避難させると、サンディ自身は素早く動いて、ジークを引きつけます。
 ここからは、剣の腕の見せ所。サンディの剣舞が、力任せの暴走ジークを圧倒します。
「くっ」
 ジークの足が、急に止まりました。
 サンディの体力よりも、ジークの人参パワーが尽きるのが先だったようです。
 やったトマ、と、トマトさん達から、拍手喝采が贈られました。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
たぬちゃん(f03797)と

……ま、猟兵サンが何とかしちゃいましょ
一言物申したいのはよく分かるしねぇ

トマトちゃん達は危険だから離れててネ

武器の動きは*見切り、敢えて直撃避け受ける事で
トマトちゃん達へ攻撃いかない様*庇うわねぇ
*オーラ防御で弾き、威力削ぎ、*激痛耐性も併せて凌ぐわ
そんな捌き方じゃ、断てなくてよ

たぬちゃん、火ぃ貸してと声掛け兎へ踏み込み【震呈】召喚
威力増したフライパンで殴りつけ投げる隙なんて与えないわ
イイ食材じゃない、美味しく*料理してあげる
後退した分さらに踏み込み*2回攻撃といきましょ
*傷口をえぐるよう狙い殴って、傷受けた分もしっかり*捕食、*生命力吸収しとかないとネ


火狸・さつま
コノf03130と

お城ー!おっきな門!!
あ!うさちゃんだ…おみみ触りたい
しっぽはどこかな
きょろきょろちょこまか
この世界で?永遠不変なんて、つまんないし、ここ、平和じゃない、よ!
逆方向へ、投げる?何言ってる、の?
コノ以外になんて!絶対!ヤぁだ!!
ぷんすこ!

オーラ防御を全力魔法でトマト君達へかけて
俺達に、お任せ、あれ!
ふんす!

【燐火】の範囲攻撃
炎仔狐達わらわらと素早い攻撃阻害するよに沢山嗾けて
攻撃見切り躱しカウンター
オーラ防御纏わせた仔はコノやトマト君達をかばうように
炎扱うの、得意!なんだから!

お手伝い要請待ってたとばかりにコノの元へ一際大きな炎の仔を数匹
コノがフライパン握る姿、好き!かっくいい!



 コノハ・ライゼは、「お任せするトマ!」なんて言い出すトマト妖精さん達に、お応えする事にしました。
「……ま、猟兵サンが何とかしちゃいましょ。ウサ騎士に一言物申したいのはよく分かるしねぇ。……ってたぬちゃん、急ぐと危ないわヨ?」
「うわーい!!」
 とててっ、と火狸・さつまが走り出します。
「見て見てコノ! お城ー! おっきな門!!」
 この景色、まさに、絵本の世界です。
 そしてその登場人物が、さつま達の行く手に立ちはだかります。兎騎士・ジーク!
「あ! うさちゃんだ……おみみ触りたい」
 さつま、ジークの兜から飛び出す長い耳に注目です。
「しっぽはどこかな」
 きょろきょろ、ちょこまか。
 自分の周りをくるくる回るさつまの鼻先に、ジークの武器が突きつけられました。
「落ち着け。これからこの世界で永遠に過ごすのだ。私と戯れる時間もたっぷりとあろう」
「この世界、で?」
 ジークの言葉に、さつまは、ふるふる、と頭を振りました。
「永遠不変なんて、つまんないし、ここ、平和じゃない、よ!」
「ふむ、まだ外の世界の法則に囚われているようだ。ならば、その活を奪い、この世界の住人としてくれる」
 ジークの手が、さつまを捕まえようと伸びてきます。投げるつもりです。太陽の矢印と逆方向に。
「投げる? 何言ってる、の? コノ以外になんて! 絶対! ヤぁだ!!」
 ぷんすこ!
 さつまは、魔の手をすり抜け、断固拒否しました。アリクイのように力強く仁王立ち。
「ずいぶん気に入られちゃったみたいネ、投狸」
 ね! と同意を求めて振り返るさつまに、しれっと笑顔を返して。コノハは、トマトさん達に手を振りました。
「さ、トマトちゃん達は危険だから離れててネ」
「らじゃー! トマ」
 ささっ。
 コノハの指示に従って、トマトさん達が、円を描くように距離を取りました。
 うっかり、矢印と逆方向に行きかけたトマトさんがいたので、コノハが引っ張ってセーフにしました。
「他人に構っている暇はないぞ!」
 ジークが、コノハを襲撃します。
 金色のハルバードが容赦なく振るわれますが、コノハはそれをスマートに見切り、あるいはオーラを盾にしては受け、流します。
「トマトちゃん達は傷付けさせないわ」
 何せ、刃がかすめただけで薄皮が剥がれ、果肉がコンニチハしてしまう種族です。
「そんな捌き方じゃ、断てなくてよ」
「騎士でも戦士でもないようだが、出来る……!」
 一撃もまともに命中させられずにいたジークが、コノハを素直に称賛します。
「仕方ない。ならば、その赤き民からだ」
 だっ。
 ジークが狙ったのは、トマト妖精さん達でした。
「ききき騎士道精神とかないトマ?」
 トマトさん、赤い体が青ざめます。
 ですが、ジークの魔の手が、トマトさん達に届くことはありませんでした。
ばちっ!
「何っ!?」
 トマトさん達を、光のヴェールが覆っています。さつまの魔法です。
「させない! あとは、俺達に、お任せ、あれ!」
 ふんす!
 勇姿を披露するさつまに、トマトさん達から歓声が浴びせられます。
「頑張るトマ! たぬきさん!」
「厄介な……むむ」
 ジークが、とっさにその場を離れました。
 わらわら。
 ジークが自由に動き回れないように、さつまの炎の仔狐達が、跳びかかっていくのです。次々と。
「ならば、力の源を断つ!」
 ジークの怒涛の連続技を、さつまと仔狐は、すささっ、とかわしていきます。
 そして、攻撃を繰りだした直後を狙って、炎の仔達をけしかけます。
「炎扱うの、得意! なんだから!」
「たぬちゃん、コッチにも火ぃ貸して」
 コノハのお願いに、「それを! 待ってた!」とばかり、さつまは大盤振る舞い。
一際大きな炎の仔を、何匹も向かわせました。
「それいけ! コノ!」
「まかせて」
 そして、ジークへと踏み込むコノハの手元に召喚されたのは……フライパンです。そこに狐火が宿って、熱量と攻撃力がアップします。
「調理器具だと!?」
 見慣れぬ武器に、ジークが目を見開きました。
 さつまの援護で威力を増したフライパンが、唸ります。
 鎧のジークを殴りつけ、防戦に追い込みます。これでは武器をふるうどころか、コノハを投げ飛ばす余裕もありません。
「コノがフライパン握る姿、好き! かっくいい!」
 きらっきら!
 さつまとトマトさん達、感激の眼差しです。
 コノハのウインクでハートを射抜かれたトマトガールさんが気絶します。
「騎士が料理人に圧倒されるとは……」
「イイ食材じゃない、美味しく『料理』してあげる」
 相手が後退した分、踏み込みの幅があります。それを利用して、コノハは、フライパンを一発。かえすフライパンで、隙なく二発。
 傷口をえぐるように殴り、ついでにジークの生命力を奪い取って、受けた傷もしっかり塞ぎます。
「さすが、コノ! 食材! 無駄に、しない!」
 さつま、拍手! 喝采! です!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
うさ騎士の頭を眺め
うさみん☆眺め

目には目を
ウサ耳にはふわ耳&ウサ耳連合軍
くーるびゅーてぃ、召喚
身長175センチ、黒靴はピンヒール、すらり伸びた脚は白タイツ
そしてウサ耳

さ、まつりんと共にダッシュして?
メイドの本領はお掃除
竹箒でまつりんの分も槍の連続攻撃をいなしていって?

まつりんの肩に乗ってたうさみん☆、まつりんパンチに合わせてうさ騎士を目潰し

わたしはまつりん達の応援
さ、トマトさん達も一緒に掛け声とま

うさ騎士殿、門番などやめてウサミミランドに戻ろう?
最後はびゅーてぃのピンヒールで踏みつけ

トマトさん達もう大丈夫とま
お礼なんてそんな
今度会う時にトマトランドの名物などを…


木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、行くよ!

太陽の数字もだいぶ増えたね。
矢印の向きもあんまり動かなくなったし。
そろそろ終わりかな?

わあ。
ウサ騎士だー。
ウサ王子の親戚かなあ?

間合いは不利だケド。
ウサに負けると、父ちゃんに笑われそうだし。
……後ろから、生守護神も見てるし。

あ、CBさんだー。今日もキレイだねー。
共闘ヨロシクでっす♪

長物相手は、呼吸が全て。
深呼吸。
木元祭莉、参る!

ステップは左右に。ダッシュは上下に。
後退は不可。であれば。
肉を斬らせて骨を断つ!

CBの作った攻撃の間隙に潜り込むように。
躱した槍の柄に足を掛け、飛ぶ!

この間合いなら。
鎧の継ぎ目に、正拳の一撃!

うさみん☆、もっかい兜かぶせちゃえー♪



 意気揚々。
 木元・祭莉は、トマトさん達を引き連れ、冒険を続けます。
「太陽の数字もだいぶ増えたね。矢印の向きもあんまり動かなくなったし。そろそろ終わりかな?」
 祭莉の読みは的中しました。
 すぐにお城が見えてきて、その門を守る騎士の姿も、はっきりと。
「わあ。ウサ騎士だー。ウサ王子の親戚かなあ?」
 しげしげ。祭莉に観察されて、ジークは何処か居心地が悪そうです。
 じゃきん。
 敵の武器が、祭莉に突きつけられます。立派な金色の長物です。
「むむむー……間合いは不利だケド。ウサに負けると、父ちゃんに笑われそうだし」
それに、
「……後ろから、生守護神も見てるし」
「コケ」
 生たまこの圧です。
「人生とは日々是試練。ゆえにお前達の相手をするのも、自分にとっては試練……うむむ?」
 じっ。
 木元・杏は、うさ騎士ことジークの頭を眺めました。
「ぶしつけな。何をそんなに……」
「動いちゃダメ」
 じっ。
 今度は、うさみん☆を眺めました。
 どちらも、頭を飾るのは、長い耳です。
 目には目を。ウサ耳にはふわ耳&ウサ耳連合軍を。
「くーるびゅーてぃ、召喚」
 杏は、この場に相応しい援軍を呼びました。
 身長175センチ、黒靴はピンヒール、すらり伸びた脚は白タイツに包まれて。
 そして何より、特徴的なウサ耳。ここ大事。
「CBさん、今日もキレイだねー。共闘ヨロシクでっす♪」
 祭莉がご挨拶すると、CBさんは、セクシーなウインクで応えました。クール。
 さて、長物相手は、呼吸が全てです。
 祭莉は、すうっ、と深呼吸。
「木元祭莉、参る!」
 いよいよ本の最終章、ウサ城門の戦いです!
「さ、まつりんと共にダッシュして?」
 杏の合図で、くーるびゅーてぃが、駆け出しました。
「数の差など!」
 怒涛の槍撃が、CB達を歓迎します。
 メイドの本領といえば、お掃除。くーるびゅーてぃは、手にした竹箒で、自分だけでなく祭莉の分まで、槍の連続攻撃をいなします。ささっと。
「むう、何という箒さばき……!」
 ジークが褒めます。ウサ耳同士、親近感でしょうか。
「だが、メイドに戦で遅れをとっては、騎士の名折れ!」
ジークが気合と共に、槍撃を繰りだしてきます。雨あられです。
 祭莉も、CBに守られるばかりではありません。
 相手の動作や、その癖を見極め、切っ先をかわします。
(「ステップは左右に。ダッシュは上下に。後退は不可。であれば」)
たまこだけでなく、太陽の矢印のプレッシャーも注意して。
「肉を斬らせて骨を断つ!」
 祭莉が、踏み込みました。
 くーるびゅーてぃが、ジークを箒で突き返しました。その隙間に、祭莉が体を潜り込ませます。
 ですが、相手も攻撃を待ち構えていました。槍のカウンター!
「な」
 ジーク、手応えのなさに怪訝そう。代わりに重さが来ます。
 祭莉です。見極め、躱した槍の柄に足を掛け、飛びます!
 そして、鎧の継ぎ目に、強い、正拳の一撃!
 祭莉から手痛い反撃を喰らったジークは、その場に止まる事もかなわず、吹き飛びました。
 更には兜がずるりと脱げます。
「矢印ルールが無効でなければやられていた……!」
「それっぽいコト言ってる暇、ないよ?」
 祭莉の肩に乗っていたうさみん☆が、ジャンプ。ジークを目潰ししました。
「ななっ、なんと卑劣な……!」
「投げようとしてるから、おあいこ」
 杏は、しれっ、とお返しすると、周りのトマトさん達に声を掛けます。
「さ、トマトさん達も一緒に掛け声とま」
「わかったトマ!」
「せーの」
「「「まつりんふぁいとー!!!」」」
 トマトさん達を巻き込んで、杏の声援が、祭莉に注がれます。
 ここは、本の世界。ジークのホームのはずですが、何だかアウェー感が凄いです。
「応援ありがとー♪ さ、いまのうち! うさみん☆、もっかい兜かぶせちゃえー♪」
 祭莉のリクエストにお応えして、うさみん☆が拾った兜を、ジークにセット。うさみん☆、どやっ。
「ま、前が見えん……!」
「あ、ゴメーン♪」
 兜を前後反対にかぶせられ、視界を遮られたジークは、隙だらけです。
「うさ騎士殿、門番などやめてウサミミランドに戻ろう?」
 ようやく兜を直したジークに、杏が言いました。
 待っていたのは、無敵の、びゅーてぃキック。
 びゅーてぃのピンヒールが、ジークの鎧の傷を穿ち、とどめを刺しました。
「ウサミミランド、とは……!」
 ぽむん。
 仰向けに倒れたジークが、キャロット色の煙を上げて、爆発しました。
 それが鍵になったように、門が開きます。すると中から、光の雪崩が、どっ、と押し寄せて……!

「はっ」
「コケッ」
 祭莉達が目を覚ましますと、そこはトマトランドでした。
「戻ってきたトマ!」
「あの詐欺師がいないトマ」
 元凶である、『猟書家』の姿は、ありません。ただ、地面に四角い焦げ跡があるだけです。ちょうど本一冊分くらいの。
「これで元通り平和トマ」
「猟兵さん達のお陰トマ」
 トマトさん達、平和が一番らしく、『猟書家』の行方は特に気にならないようです。
 正体も目的もわからずじまいでしたが、きっとまた現れるはずです。その時は逃さないぞ。
 くるり、杏は、トマトさん達を振り返りました。
「トマトさん達もう大丈夫とま」
「うん、やっぱりおうちが一番トマ!」
「そんなに義理堅い方じゃないけど、何かお礼をさせて欲しいトマ」
「お礼なんてそんな」
 杏は、両手をぶんぶん振りました。
 それから、そわそわした様子で、こう言いました。
「じゃ、じゃあ、今度会う時にトマトランドの名物などを……」
「うちの名物と言えば『きゅうりのピクルス』トマ」
 トマト関係ありませんでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月30日
宿敵 『兎騎士・ジーク』 を撃破!


挿絵イラスト