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負けないで、ぼっちトマト!

#UDCアース

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#UDCアース


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●ぼっちなトメートー
 UDCアース、とある都市の地下に、悪が潜む。
 小さなホール程度の空間に、祭壇が1つ。その頂上に据え置かれたコタツから、悪の主が姿を見せる。
 トマトだ。その名もゴッドトマト。ただし自称。
 それを見上げるのは、月を思わせる岩塊に乗り、浮遊するうさぎ達。
「ぼっちこそ真理! リア充を駆逐し、世界をぼっちで埋め尽くす! それがぼっち世界創世計画!」
 声変わり前の少年のような声で、宣言するゴッドトマト。
「でも」
 へにょん。ゴッドトマトのヘタがしおれた。
「ボクが出て行ってこの姿を見せれば、狂気でぼっち化させられると思うけど、人前に出るの苦手だし」
 頑張って! ゴッドトマト様ならやれる! ゴーッド! ゴーッド!
 そんな声が聞こえてくるかのように、ぴょんこ、とジャンプするうさぎ達。
 しかし、ゴッドトマトは奮起するどころか、コタツに引きこもってしまう。
「お、応援するな……褒められるのとかホントムリ」
 コタツから顔……トマトの顔とは……を出したゴッドトマトの一言に、うさぎ達は沈黙した。
「だから、みんなが街に繰り出して、リア充っぽい人間を捕まえてくるんだ。ボクが正気を奪ってやる」
 ゴッドトマトの命に従い、うさぎ達は次々エレベーターに乗り込んだ。
 地上を目指すうさぎ達。恐るべき侵攻の開始である。
「……ああ、1人は和むなあ……」
 1人残されたゴッドトマトは、安心したように、コタツに潜り込んだ。

●グリモアベース
「皆様、お集まりいただき感謝いたします。今回の冒険の舞台は、UDCアースでございます」
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)の言葉に呼応し、周囲の風景が切りかわった。
「今回の敵は、邪神教団を率いるトマトの怪物・ゴッドトマトでございます。このトマトを倒し、ぼっち世界創世計画を阻止するのが今回の任務」
 ぼっち世界創世計画とは?
「このトマト、いわゆる『ぼっち』と呼ばれる方でございまして。リア充を排除して自分に住みよい世界を作ろうとしているのでございますが、その性格のせいで外にもなかなか出たがらず、配下は、うさぎ達だけの様子」
 その上、自己評価が低く、応援されたり褒めたりされる事に、拒否反応を示すという。
「戦闘中にゴッドトマトを応援したり、褒めたりすると、動きが鈍ります。敵が悶えている間に、ドーン! と攻撃を叩き込んでやるのです」
 映画などで応援上映というものがあるが、これはその逆である。
 既にヴェルタールによって、敵の拠点は、とある繁華街……雑居ビルの地下だと判明している。
 リア充をさらおうと地上に現れたうさぎ達を、迎撃するのだ。なお、リア充っぽく振舞うと、狙われる確率が上がるらしい。
「このうさぎ達を撃退し、ゴッドトマトの元に案内してもらいましょう。そこでトマトを討つことが出来れば、任務完了です」
 さて。
 この繁華街の裏路地には、隠れ家的な喫茶店があるという。
「任務完了の暁には、こちらでプハーッと一服するのはいかがでしょう。私の調べでは、珈琲や紅茶はもちろん、ケーキバイキングも充実しているとか」
 それでは、ご武運を。
 ヴェルタールは、そう締めくくった。


七尾マサムネ
 こんにちは。七尾マサムネです。
 此度の冒険の舞台は、スペースシップワールド。

●うさぎ
 浮遊する月型の岩塊に乗ったうさぎ。
 言葉は喋れませんが、こちらの言葉は通じます。
 ちなみに、応援や褒め殺し作戦は通じません。

●ゴッドトマト
 リア充を憎む、謎の巨大トマト。一応、教団を率いる偉い奴。
 その姿を見ると、普通の人間なら、正気を失ってしまうとか。実は凄い。
 外見、性格、野望などに関して、ちょっとでも応援されたり褒められたりすると、動揺します。むしろ動揺させてください。

●カフェ
 まったりできます。
 お1人様でゆっくりするもよし、お仲間で談笑するもよし、です。

 それでは、皆様の参戦、お待ちしております!
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第1章 集団戦 『月の兎』

POW   :    満月
【透明化】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮捕食態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    新月
自身と自身の装備、【騎乗している浮遊岩石】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
WIZ   :    朔望
【油断や庇護欲】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【仲間】から、高命中力の【装備武器による一撃】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アスティリア・モノノフィシー
SPD
くう、うさぎさん可愛い…
可愛いうさぎさんに侵略されたらダメなんて言えなくなるじゃないですか。
なんて卑怯なオブリビオンなんでしょう。

とはいえ、トマトのボッチ世界化計画なんて許せるものではないですしね。

私は後方からユーベルコードを使用してうさぎを攻撃。一撃で仕留められるようにしっかりと狙います。
【新月】では音に注意し、近づく音があればその方向が判れば射撃、わかりづらければ距離を保つようにします。

正直、うさぎさんが逃げないのであれば新月で消えていてもあまり問題ないと思うのですよね。…ほら、疲れません?


桜・吹雪
(わかる現代語!を読みながら
リア充…でございますか
家政婦としての仕事が充実している等は違うのでしょうね

甘味店を巡り、自身と甘味の「映える」写真を撮って参りましょう
えすえぬえすなるものに投稿して…なにやら「いいよ」という通知が沢山…
充実しておりますわね、といった振りを

街の皆様を連れていかせるわけにはいきませんので、兎様がたは捕らえさせて頂きますわ

白蛇を呼び出し共に【殺気】を振りまき注意を集めますわ
相手の動きを【見切り】【学習力】し、回避しながら白蛇で巻き付き拘束を試みますわ
案内をお願いしたいので、移動の際に不可視の鋼糸を張り巡らせこちらでも拘束を試みましょう

エスコートお願い致しますわね兎様


ポク・ョゥョゥ
ケーキもー
トマトもー
おいしそー

うんとね、リア充たんにちかよるのー
風船もっていくよー
ぽくね、ぱんだの着ぐるみ?にみえるかなー
はーいって風船あげて、いっしょにお写真とってー
たのしくわいわい、するんだよー
そしたら兎たんくるかなー?

わーい、兎たんだー
あがめよー
とんでるの?じゃあね、おともだちよぶんだー
『ぱくといっしょ』だよー
ぱくにのって、いっしょにたいじだー
とうめいになっても、ぽくお耳で音きくよーそこだー
『バウンドボディ』でのびーるのびーる
ぽくぱーんち〜

油断?しないよー
ぽくだってかわいいって村の人いってたぞ〜えっへん

兎たんつかまえたーのびーるお腕でぐるぐるまき〜
トマトたんみせてほしーのー


神宮時・蒼
…混乱。…トマトの、神様。…えと、何を、言っているのか、よく…?
…え、ぼっち…?…うさぎ…?
…頭が、煮えそう、です…。

リア充…。リアルが充実、してれば、いい、のですよね?
お買い物、したり、読書、しながら、お茶、飲んでれば、釣れるでしょうか…。
にしても、うさぎさん、なんだって、どうして、トマトに従って、いるのか…。

殺戮捕食態とか怖そうですね。出来れば見たくないものです。
大きな槌には要注意。血糊がすさまじいので、威力も相当でしょう
可愛いけれど、惑わされてあげません。どちらかというと、何でトマトに、という感情が強すぎて…。

あの浮遊岩石を壊せたら動きが鈍くなりませんかね、試しに攻撃してみましょう



●うさぎを追え!
 繁華街の一角。
 パンダの着ぐるみが、風船を配っていた。
 着ぐるみに見えるのは、しかして、ポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)である。
 遊び帰りでテンション高めな女子高生達に囲まれたポクは、ハイタッチしたり一緒に写メ撮ったり盛り上がっている。平和。
 すると、ふわりふわりと、岩塊に乗ったうさぎ達が近づいて来た。
 敵だ。ゴッドトマトの配下だ!
「わーい、兎たんだーあがめよー」
 自分からとてとてと近づいていくと、ポクは、崇められのポーズ。
 しかし、うさぎが崇めるのはトマトだけ。
「んー、とんでるの? じゃあね、おともだちよぶんだー」
 ポクは、まっしろドラゴンのパクの背中にまたがると、うさぎ退治を始めた。
 何だかとっても大きいけれど、当たらなければ意味はない。
 そう考えたのか、うさぎ達の姿が透けていく。
 何だかとってもスケスケだけど、音まで消せるわけじゃない。
 そう考えたポクは、精神集中。耳をそばだてると、今度は、びょーん、と腕を伸ばした。
「そこだー」
 ポクパンチ!
 意外な技に虚をつかれたうさぎ達は、割と一網打尽になった。
 腕にぐるぐる巻きにされたうさぎ達に、ポクはこうお願いした。
「うんとねー、トマトたんみせてほしーのー」
 どうやら、リア充を探すうさぎ達は、幾つかのチームに分かれて行動しているようだ。
 そのチームの1つの様子を、アスティリア・モノノフィシー(清光素色の狙撃手・f00280)は曲がり角のコンビニの陰から見つめていた。
 うっとりしていた。
「くう……こんな可愛いうさぎさんに侵略されたらダメなんて言えなくなるじゃないですか。なんて卑怯なオブリビオンなんでしょう」
 とはいえ、うさぎの可愛らしさと、トマトのぼっち世界化計画は、また別の話。
 突然、うさぎの一羽が、燃えた。
 奇襲! 動揺し、辺りを見回すが、次々と岩塊から落下していくうさぎ達。アスティリアの炎弾による狙撃を受けたのだ。
 しかし、敵もただ的になっているわけではない。
 不意にアスティリアは、気配を感知。とっさに虚空を射撃すると、小さな悲鳴と共に、うさぎの姿が現れた。透明化が解除されたのだ。
 既に他のうさぎも透明化し、視認できない状態だ。
 が、【新月】なる技は透明になる……それ以上でも以下でもない。
 しばし、透明化したうさぎ達と相対するアスティリア。その間も、うさぎ達の体力は削られていく。何もしなくても。
「……疲れません?」
 アスティリアのもっともな指摘を受け、うさぎ達は透明化を解いた。
 なんだかしょんぼりしていた。
(「リア充……でございますか。家政婦としての仕事が充実している等とは、また違うのでしょうね」)
 甘味処の席に座り、『わかる現代語!』なる本を読んでいた桜・吹雪(主を求めて三千世界・f09844)の元にやってきたのは白うさぎ……ではなく、注文していた素敵白玉だった。
 携帯端末を向けると、吹雪と白玉の『映える』写真をぱしゃり。
「さて、これを『えすえぬえす』なるものに投稿して……」
 そうして吹雪が店を出る頃には、『いいよ』の通知が山盛り。
 増えていく数字。醸し出される充実感の引力か。すいー、と、うさぎ達が近寄って来た。
「リア充感、出せたようですね」
 逃げる吹雪。人気のない方へとおびき寄せられるうさぎ達。
 たどりついた公園で待ち構えていたのは、白蛇に騎乗した吹雪だった。
 吹雪と白蛇、両者の殺気が、うさぎ達を震わせる。他のリア充には目移りさせない。
 すると、うさぎ達は……小首を傾げた。
「これは何とも愛らしい……しかし惑わされません」
 あざとい攻撃は見切った。
 数分後、捕らえられていたのは、うさぎ達の方だった。白蛇に巻き付かれ、自由に動かせるのは、長い耳くらい。
「それでは、エスコートお願い致しますわね兎様」
 吹雪の頼みを、うさぎが断る余地はなさそうだった。
 さてさて、こちらは良い感じのカフェ。
 お洒落なブックカバーをかけた文庫本を手にした神宮時・蒼(終わらぬ雨・f03681)。
 リア充感の演出の一環として、ショッピング帰りを装った蒼の頭は……混乱していた。
(「……トマトの、神様。……えと、何を、言っているのか、よく……え、ぼっち……? ……うさぎ……?」)
 本の内容が入ってこない。どうしよう。
 そんな蒼の心情など露知らず、うさぎの一団が現れた。
 このうさぎ達、なぜぼっちトマトに従っているのだろう。ぼっちうさぎなのか、それともリア充を憎んでいるのか、あるいは、大作映画が撮れそうな感動的な出会いがあったのか……。
 などと蒼が想像の翼を広げていると、うさぎ達が迫る。
「……?」
 出た。可愛いのポーズ。
 しかし、蒼の心は1ミリも揺らがなかった。
 何でトマトに、という感情の方が強すぎた。両手で抱えるようにした木槌の血痕も気になる。
 仕方なく、浮遊岩塊の機動力を生かし、襲い来るうさぎ達。
 物理ならむしろシンプルで良い。蒼は神霊体に変化すると、薙刀を振るった。衝撃波が、見事岩塊を砕く。
 移動モジュールを失ったうさぎは、もはやただのうさぎ。
 神霊体を解除すると、蒼はうさぎ達の駆逐に移った。煮えた頭を冷ましながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

エミリィ・ジゼル
たしかUDCアースのジャポネの歌にありましたよね
「ウサギ美味しいかの山」とかそんなのが

ウサギいいですよね。
故郷でもウサギ――デュ・ラパンはポピュラーな食材です。
話してたらお腹がすいてきました。
今夜の晩御飯はウサギにしましょう。

というわけで早速ウサギ狩りです。

【増えるメイドの術】を使い、かじできないさんズを召喚。
20人を超えるメイド包囲網でウサギたちを追い立てて
『インクシューター』や『重力子放射線射出なんちゃら』の射撃で乱獲します。

ウサギが近づいてきたら武器を『シャークチェーンソー』に切り替え、
今度はバッサバッサと屠殺していきます。

庇護欲?
そんなもんはありません。肉は肉です。


オウカ・キサラギ
SPD
他者との絡みアドリブOK
ぼっちなのは気楽だけど、お友達がいないと寂しいよ。
だからぼっち世界創世計画なんて許すわけにはいかない!

まずは戦闘員のウサギさんたちだね!
【聞き耳】【第六感】でだいたいの位置を割り出して【毒使い】【マヒ攻撃】【クイックドロウ】で動きを封じるように乱れ打ちするよ!
向こうの位置がわかりにくいから【ダッシュ】や【ジャンプ】を駆使してその場にとどまらず動きまくって向こうの狙いをずらすよ!


神原・響
『うさぎ、うさぎ。食べるのは怒られるから、捕まえて餅をつかせるのじゃ』
道案内のために、ウサギを食べるのはだめですよね。
黒の女王は、ふざけた態度ですがその目は、完全に捕食者のものです。
響は、地形を利用してウサギを追い詰め、女王の影でウサギを捕まえます。


ベルゼ・クルイーク
ほう、兎形のオブリビオンか。旨そうじゃの。
是非喰ろうてみたいもんじゃ。

◆おびき寄せ
りあじゅう、とな?
儂にはよくわからんが、ぼっち、とやらではなければいいのだろう?
では適当に他の猟兵とでも仲良くしてみるさ
じじぃは人と話すのは嫌いではないぞ?(かっかっか

◆うさぎおいし
近寄って来たら捕まえて喰らう
「おやおや、愛らしいのう。それに…とても旨そうじゃ」
マスクを外し、ギザギザの歯を見せて喰らいつく
上手く行けば強化されるので、新たな獲物を捕まえ喰らう

「…ちぃっとだけ持って帰って、御八つにしたいもんじゃのう」
倒したうちの1羽(か肉片)を持って帰ります
見咎める人がいたら「おやおや、みつかったか」と笑ってやめます



●猟兵VSうさぎ
 同じ頃。
 通り沿いのベンチに腰を下ろし、ベルゼ・クルイーク(暴食の牙・f13004)とオウカ・キサラギ(お日様大好き腹ペコガール・f04702)が談笑していた。
 正直、ベルゼには、『りあじゅう』なる概念は、よくわからぬ。だが、『ぼっち』というのはかろうじて理解できる。
 幸い、人と話すのは嫌いではない。
 ベルゼがオウカとたわいもない会話を楽しんでいると、案の定、うさぎ達の第六感的能力……『リア充探知センサー』に引っかかった。
 浮遊岩塊を駆り、木槌を振り上げてくる敵を見て、ベルゼはオウカと顔を見合わせ、うなずいた。
「おやおや、愛らしいのう。それに……とても旨そうじゃ」
 うさぎがたじろいだ。ベルゼの言葉と、マスクの下から現れたギザギザの歯に。
「ぼっちなのは気楽だけど、お友達がいないと寂しいよ。だからぼっち世界創世計画なんて許すわけにはいかない!」
 そう宣言するオウカと、ベルゼ、うさぎ達の戦場は、付近にあった空きビル内に移っていく。
 1階は、複数の空き店舗が並ぶ。辺りを警戒しながら、うさぎ達は分散した。オウカ達の奇襲で一網打尽にされるのを避けるためか。
 元・居酒屋に身を隠した2匹のうさぎは、しかし、体が硬直したのに気付いた。
 オウカの、早撃ちを受けたのだ。マヒにより自由は奪われ、更には、弾丸に込められた毒が、その体を蝕む。
 すると、他のうさぎが、ゴミ箱の陰から飛び出してきた。
「おっと!」
 オウカは壁を蹴り、跳躍、疾走。
 そして次の標的を定めようとしていたオウカは、不意にその場を飛びのいた。直後、埃舞う無人の空間を、敵の攻撃が空しく通り過ぎた。
 自分の第六感に感謝しながら、オウカは敵の姿を目視した。
 ……なんかポーズを取ってる。
 かわいい? かわいいよね? いいからかわいいって思えゴルァ。
 あざとさの押し売りがオウカを襲ったが、受け流した。
 そこに、襲い掛かるベルゼ。庇護欲をそそるポーズをしていてかわしそこねた1羽が、文字通り、餌食となる。
 糧を得たベルゼの細胞が、ふつふつと沸き立つ。強化された肉体が、次なる獲物を求め、飛びかかる。
 喰らえば喰らうほどに、ベルゼの肉体は強靭さを増す。うさぎ達は1羽、また1羽と数を減らしていく。
「……ちぃっとだけ持って帰って、御八つにしたいもんじゃのう」
 案内役は1羽いればいいじゃろう。ベルゼはそう言った。口元を染める赤いものをぬぐいながら。
 別動隊が、猟兵と交戦中。
 そんな情報を得た別のうさぎチームの前にも、黒衣の男性が立ちはだかっていた。
『うさぎ、うさぎ』
 黒衣……神原・響(黒の女王の契約者・f06317)は、傍らに浮かぶ黒の女王のうきうきぷりを見る。
 何やらふざけた態度にも見えるが、目がコワイ。捕食者のそれ。
「道案内のために、ウサギを食べるのはだめですよね」
『なら捕まえて餅をつかせるのじゃ』
 女王の切り替えは早かった。
 餅つきはイヤ。うさぎ達は、岩塊を透明化させると、殺戮捕食形態へと変貌した。
 殺意の塊と化した敵を、しかし、響はそつない身のこなしでかわしていく。
 躍起になり追走してくる敵を、裏路地に誘い込む響。
 この辺りはうさぎ達のホームとも呼べるエリアだが、地形を利用する術には、響の方に一日の長があった。
 響を追っていたはずのうさぎ達は、行き止まりとご対面。
 振り返れば、背後に眼鏡のエージェント。
「それでは、頼みますよお姫様!」
『よかろう、存分にもてなしてやるのじゃ。童の影でな!』
 霊体である黒の女王から、影が生まれた。影は茨となり、ビル壁を、アスファルトの地面を、疾駆する。
 逃げ場を失ったうさぎ達は、抗う術を持たず。
 しゅるり、縛られ、響の虜囚。
 こちらも、うさぎの一団を追うエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)。その足取りは、どこか楽し気だ。
「ウサギいいですよね。故郷でもウサギ――デュ・ラパンはポピュラーな食材です」
 すると何だかお腹がすいてきた気がする。
「今夜の晩御飯はウサギにしましょう」
 今決めた。
 そしてエミリィは増えた。術を行使して、エミリィコピーを出現させたのだ。
 ずらり並んだその額には、『1』の数字。通称『かじできないさんズ』だ。
 20人を超えるメイド包囲網が、うさぎ達を追い立てる。
 それぞれが手にした『インクシューター』や、『重力子放射線射出なんちゃら』が火……もとい、火以外のものを噴きまくる。
 光乱れ、水が舞う。浮遊岩塊を操作し、ジグザグな軌道を描いて突破すると、メイド達に接近するうさぎが1羽。
 しかし、そんな勇敢なうさぎを待ち構えていたのは、『シャークチェーンソー』を携えたエミリィコピーだった。額の数字は『10』。
 合体強化されたメイドさんの前に、為すすべはなかった。バッサバッサと屠殺されていくうさぎ達。
 庇護欲? 何それ美味しいの?
 美味しいのは肉。そしてうさぎは肉。つまりそういう事ですよね。

 かくして、猟兵達は捕らえたうさぎを案内人として、ゴッドトマトの待つ雑居ビル、その地下へと乗り込んだのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『正気を奪う赤い果実』

POW   :    硬化する赤い果実
全身を【硬質の物質】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    振動する赤い果実
【高速で振動することで衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    空腹を満たす赤い果実
【空腹】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【無数のトマトの塊】から、高命中力の【トマト弾】を飛ばす。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠赤城・傀です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 結論から言う。トマトがいた。
 うさぎ達の案内でたどりついたビルの地下……祭壇に備え付けられたコタツで、トマトが暖まっていた。
「おおおおお前ら誰だよ!? ひひひひ人んちに土足で踏み込むなよ! こ、この礼儀知らず!」
 露骨に動揺するゴッドトマト。
 目に相当する視覚器官がどこにあるのかさっぱりだが、なんとなく、こちらと目を合わせないようにしているのはわかる。奴はそういうトマトだ。
「さ、さては、ボクの野望に気づいて止めに来た奴等だな? そうはいかないぞ! ぼっちの住みやすい世界を作って何が悪い!」
 喋ってるうちにテンションが上がってきたのだろう。すらすらと言葉が出てくるし、全身から、妖しいオーラが立ち上り始めた。
 オーラ、それは虚無。目を凝らしてとらえようとしてはいけない。虚無は虚無でも、恐るべき虚無なのだ。
 人と人のつながりを断ち、ぼっちへと誘う恐怖のオーラ。
 それと相対してなお正気なのは、皆が猟兵だからだ。普通の人間なら10秒ともたずにぼっちの仲間入り……かもしれない。
 こんなものが野に放たれれば、端的に言って、よくない。
 ゴッドトマト、討つべし!
ベルゼ・クルイーク
うさぎ、なかなかに旨かったのう
…おや。
「これはこれは、また喰いでがありそうなトマトじゃ」
肉もたらふく喰ったし、野菜も取っておかんと体に悪いのう

◆しかし…
お前さん、ぼっち、がええんじゃろう?
ここに一人で居るだけなら、
儂らにこうして狙われる事もなかったじゃろうに。
「お前さん、仲間が欲しかったんじゃろ?ぼっち、とやらの」
矛盾じゃのう
でも、人生そんなもんかも知れんの

◆あそぼじゃないか
まあお前さんの事情はさておき
儂はお前さんが喰いたいんじゃ
まずは仕留めてしまわんとな

ユーベルコード【戯れ事】を使う
…爪を使って刻むのが良いかのう
『儂と遊んでくれんかのう』
独りではさびしかろ?せめて最期に、あそぼじゃないか


アスティリア・モノノフィシー
SPD
まあ、なんて瑞々しくてりっぱなトマトさんなんでしょう!
質感もトマトの中のトマトとでも言いましょうか。ぼっちなんてとても似つかわしくないその存在感!
…と、褒めるのはこの位でいいでしょうか?
あまりトマトを褒めたことがないですし、そもそもトマトの褒め方なんて誰にも教わったことがないです。

さて。

トマトさんが動揺したところで攻撃開始です。
遠慮なく拳銃で射撃です。果肉が飛び散ろうが構いません。
食べ物は粗末にしてはいけませんが、オブリビオンは含まれませんよね。

「言っておきますが、世界がぼっちで埋め尽くされたらそれはもう既にぼっちという志を共にした集団であって、真のぼっちではないのですよ?」


ポク・ョゥョゥ
トマトたんだー
誰?ぽくだよー
礼儀?しってるよー
あがめよー

コタツいいなー、ぽくも一緒にはいりたーい
だめかなー?あれ、かたくなったのー?
ぺちぺちしてもうごかない〜ね
んー、いい手?ざわりー
トマトたん、すっごいすべすべだねー
つやつやできれいなのーぽくすりすりしていーい?
にこにこほめるよー
やわらかくなるかなー

でもおいしそー。あー
トマトがいっぱいきたよー
いただきまーす、あーん
大きなお口でたべるよーむぐむぐ
とってもおいしートマトだね〜ってまたほめるよー

攻撃わすれてたー
『バウンドボディ』でぽくぱんちときっくだー
振動来たら一緒にぽよぽよゆれちゃうかも〜

怪我した人、いるかなー?
ぽくひかるよー元気になってね〜


神宮時・蒼
………(呆気)
…小物。…思ってた、のと、なんか、ちょっと、違い、ます、ね…。意外と、小心者…、…者?なのでしょうか…。(もっと偉そうだと思っていた様子)

(炬燵で暖まったら、トマトの皮が剥けたりしないのか)
というどうでもいい感情を抱きながら(ただし無表情)戦闘に参加。
とりあえず、トマトの動向には注意。
空腹を感じる事がほとんどないので(感覚が鈍い)トマト弾が来たら落ち着いて軌道を見て避けます。…でも、このトマト、食べれるんでしょうか…。いや、食べたくは、ない、ですけれど…。

炬燵で暖まってそうな部分を攻撃してみましょう。皮が割れるかもしれませんし。



●ご対面、ゴッドトマト
 うさぎの味を思い出しつつ。
 ベルゼ・クルイークは、祭壇のコタツに鎮座するゴッドトマトと対面した。
「これはこれは、また喰いでがありそうなトマトじゃ」
 肉はたらふく喰った。野菜も採っておかないと、栄養バランスがよくなかろう。
 ところで、と、ベルゼが切り出す。
「お前さん、ぼっち、がええんじゃろう? ここに1人で大人しくしとるだけなら、儂らにこうして狙われる事もなかったじゃろうに」
「ボクがこうして悶々としてる間にも、リア充はきゃっきゃうふふ、人生をエンジョイしてるに違いない! そんなの許せるかー!」
 なんというひがみ。
 だが、言葉のうちに秘められた感情を、ベルゼは敏感に読み取っていた。
「お前さん、仲間が欲しかったんじゃろ? ぼっち、とやらの」
 矛盾。
 でも、人生そんなもんかも知れんの、とベルゼはしみじみ思った。
「まあお前さんの事情はさておき、儂はお前さんが喰いたいんじゃ」
 ベルゼの目が、猟兵のそれに変わる。
 床を蹴り、ゴッドトマトの元へと疾走する。
 ユーベルコード【戯れ事】。超速を得たベルゼが、一瞬で距離を詰める。
「独りではさびしかろ? せめて最期に、あそぼじゃないか」
「さいご……そんなわけにいくかー!」
 抗うゴッドトマトの声を遮って。
 ベルゼの爪が、真紅のボディをえぐった。
 悲鳴を上げるゴッドトマトを目の当たりにして、神宮時・蒼は、あっけに取られていた。
「……思ってた、のと、なんか、ちょっと、違い、ます、ね……。意外と、小物、というか小心者……者? なのでしょうか……」
 というか、コタツで暖まったら、トマトの皮が剥けたりしないのか。
 そんな素朴にして割とどうでもいい感情を、心という名の小箱に仕舞い。
 蒼は戦いに臨んだ。
「そこのお前! ぼっちの仲間入りさせてやるー!」
 爪撃の痛みに耐えたゴッドトマトが、トマトの塊を呼び出した。
 同時に、放たれた念が蒼の空腹を誘う。
 が、ヤドリガミということもあり、食欲感覚の鈍い蒼には、通用しなかった。
 一応、トマト弾が発射されるが、空腹に誘い込めなかった事でへろへろだ。
「このトマト、食べれるんでしょうか……いや、食べたくは、ない、ですけれど……」
 ひらりと弾をかわすと、蒼は、自身の本体……氷晶石と琥珀のブローチ……を複製すると、念動力で操る。
「ウザいー!」
 振動するトマトから同心円状に放射された衝撃が、バラバラの軌道を描く複製を叩き落としていく。
 だが、くぐり抜けたいくつかが、ゴッドトマトに命中した。コタツで暖まっていそうな部分ばかりに、集中して。
 すると。
 トマトの皮が、割れた。
「ちょ、ちょっと皮がむけただけだ!」
「本当、なんて瑞々しくてりっぱなトマトさんなんでしょう!」
 まだまだ形を保つトマトを、アスティリア・モノノフィシーが称賛した。
「質感もトマトの中のトマトとでも言いましょうか。ぼっちなんてとても似つかわしくないその存在感!」
(「……と、褒め方はこんな感じでいいでしょうか?」)
 少々迷うアスティリア。
 日常的にトマトを褒める機会はあまりない。そもそもトマトの褒め方自体、誰かに教わったことがない。
 しかし幸い、それは杞憂だった。
「やーめーろー! むずがゆくなるー!」
 アスティリアの言葉にうろたえたゴッドトマトが、左右に行ったり来たり。
「それはよかったです。じゃあいきますね」
 ごろごろ動き回る標的を、アスティリアは正確に撃ち抜いた。
 弾丸にこめられた炎の魔力が、相手を焼きトマトにする。
「食べ物は粗末にしてはいけませんが、オブリビオンは含まれませんよね」
 そもそも食用じゃないし。
「世界がぼっちで埋め尽くされたら、それはもう既にぼっちという志を共にした集団であって、真のぼっちではないのですよ?」
「うーん? 言われてみれば……」
「わーいトマトたんだー」
 悩むゴッドトマトの元に、楽し気に跳ねてくるのは、ポク・ョゥョゥ。
 ゴッドトマトも、悩んでいる場合じゃないと思い直したらしい。
「だ、誰だよお前ー!」
「誰? ぽくだよー」
「だから誰だよ!?」
 ゴッドトマトのツッコミも構わず、ポクはコタツに興味津々。
「いいなー、ぽくも一緒にはいりたーいだめかなー?」
「くーるーなー」
 テリトリーに侵入される事を拒否したゴッドトマトが、硬化した。
 動かなく、というか『動けなく』なったトマトを、ポクは、ぺちぺち。
「すっごいすべすべだねー。つやつやできれいなのーぽくすりすりしていーい?」
 にこにこほめると、手触りが柔らかくなった気がした。
「やや、やめろ褒めるなー! ボクは狂気をもたらす邪悪の化身だぞ!」
 ポクを追い払うべく、ゴッドトマトはトマトの塊を呼び出した。
 塊を見ているうちに、お腹がすいてくる。そこにトマト弾、襲来!
「喰らえー!」
「食べていいのーいただきまーす、あーん」
 ポクの大きな口に吸い込まれていくトマト達。
「むぐむぐ……とってもおいしートマトだね〜」
「だーかーらー! 褒めるのは……」
「あー攻撃するの忘れてたー」
 ポクは【バウンドボディ】でぽよんぽよんになると、
「ぽくきっくー」
「ふぎゃっ」
 ゴッドトマトをコタツから吹き飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

エミリィ・ジゼル
いやぁ、兎もたくさん手に入ってホクホクです。
あ、丁度いいところにトマトが落ちてる。
これは兎とトマトで料理を作りなさいというお告げですね。
間違いありません。

え、ぼっちトマト?別にトマトがぼっちだろうがそうじゃなかろうかどうでもいいです。
黙って食べられてください。

というわけで楽しいトマト狩りのお時間です。
物理的な攻撃をするとせっかくのおいしそうなトマトが痛みそうですので精神攻撃を行います。
使うユベコはこちらの【黒歴史を暴くメイドの術】。
これでトマトの黒歴史を赤裸々に暴きます。
ついでにトマトさんの写真と黒歴史の内容をネットに流しましょう。
そうすれば彼の心は完膚なきまでに粉砕されるってすんぽーです。


神原・響
『随分とでかいトマトじゃなぁ。よし、決めたぞ響。あれでハヤシライスをつくるのじゃ!』
「ええ、了解しました姫様。」
飛んでくるトマトを幾千万の影の茨で編んだネットで受け止め、黒剣で調理しやすい大きさにスライスしていきます。


桜・吹雪
まあ…なんて瑞々しいトマトでございましょう
侍女の端くれ
多くの食材を調理してきましたが、これほど食指が動くトマトは視たことがありませんわ
青々としたへたに整った大ぶりな身
何よりも赤々としたそそる色味
煮物、その身を残したトマトソース、焼き物も善いかもしれませんわね
どのような料理にするか悩むぐらいに素敵な、まさにゴッドトマトでございますね(ほぅ、と頬に手をあてて溜息を
このような素敵なトマトでできた料理を食せばそれ以外なにもいらない…ぼっちになってしまうのも頷けますわ

そういうわけですので、調理させてくださいませ
ユベコで桜吹雪を纏い、美味しいところを見切り、万能包丁で身をそいでいきますわ
ご容赦くださいませ


オウカ・キサラギ
SPD
褒めて動揺したところを攻撃かぁ。
少し悪い気もするけど、見るだけで人が発狂する奴なんて外に出すわけにはいかない!
仕方ないけど褒め殺し(物理)だ!

すごいなぁ、そこにいるだけで多くの人間が発狂してリア充じゃなくなっちゃうなんて、すさまじい影響力だね! まさに対リア充最終兵器! それになんて瑞々しくて新鮮なトマトなんだろ! こんなトマトがこの世に存在するなんて信じられないよ!

褒めてる間に【力溜め】【スナイパー】で果肉部分を狙って【輝き放つ金剛の弾丸】で攻撃!
仕留めきれなかったら宝石弾の【属性攻撃】を乱れ打ちだー!
向こうの攻撃は【第六感】で察知して【ダッシュ】【ジャンプ】で回避するよ!



●トマトのライフはもう……
『随分とでかいトマトじゃなぁ』
 祭壇から、転がり落ちてくるゴッドトマト。
 その超Lサイズを目の当たりにした黒の女王が、感心した。
 しきりにうなずいていた女王だったが、かたわらの神原・響に顔を向けると、
『よし、決めたぞ響。あれでハヤシライスをつくるのじゃ!』
「ええ、了解しました姫様」
 響の対応は、迅速だった。
 素早くゴッドトマトとの距離を詰め、攻撃動作に移る。
「ち、近寄るなー!」
 ゴッドトマトの声に呼応して、トマト塊の群れが出現。
 黒の女王のハヤシライス欲求の影響か、響を空腹感が襲う。
 術中にはまった、と、笑みに似たしわを刻むゴッドトマト。
 高精度のトマト弾が、響達をロックオン。だが、響にとっては願ってもない攻撃。
 飛来するトマト弾を阻んだのは、茨だった。黒の女王の影の茨。
 ひそやかに床や壁を侵食していたそれが、虚空でネットの形に編まれていく。
 そしてトマト弾は、すべからく影の網に受け止められた。
「なにー!?」
 驚愕のゴッドトマト。
 食材を確保した響は、次なる工程に移る。
 軽やかに黒剣を振るうと、調理しやすいサイズにトマト弾をスライス。
 響の優雅なクッキング風景を前に、ゴッドトマトが物凄く残念そうな声を絞り出していた。
「お、お前ら、ボクを何だと思ってるんだ!」
 トマトだよ。
 猟兵達の掌の上で転がされるも同然のゴッドトマト。
 攻撃にさらされてもなお艶めく赤いボディを見つめ、桜・吹雪がうっとりしていた。
「わたくしも侍女の端くれ。多くの食材を調理してきましたが、これほど食指が動くトマトは視たことがありませんわ」
 吹雪の羨望の眼差し。
 ぞぞぞっ、とゴッドトマトの表面が波打った。
「青々としたへたに整った大ぶりな身」
「ぐわー!」
「何よりも赤々としたそそる色味」
「げふー!」
 一言ごとに悶え、縦に伸びたり横に潰れたり。トマト七変化を楽しむ吹雪。
「煮物、その身を残したトマトソース、焼き物も善いかもしれませんわね。どのような料理にもなりうる万能さ、まさにゴッドトマトでございますね」
 ほぅ、と頬に手をあてて溜息をつく吹雪。悩まし気。
「このような素敵トマトの料理を食せばそれ以外なにもいらない……ぼっちになってしまうのも頷けますわ」
「頷くなー!」
「……そういうわけですので、調理させてくださいませ」
 吹雪の手には、きらり光る万能包丁。
「ひっ」
 ゴッドトマトが本能的な恐怖を覚えた。
「美味しいところ、いただきますわ。ご容赦くださいませ」
 桜吹雪をまとった吹雪が、俊足にて調理を開始した。
「お前ら少しはビビれよ! 狂気の化身だぞボク!」
「ホント、すごいなぁ、そこにいるだけで多くの人間が発狂してリア充じゃなくなっちゃうなんて、すさまじい影響力だね! まさに対リア充最終兵器!」
 食材を提供し体積を減らしたゴッドトマトの強がりに、オウカ・キサラギが調子を合わせた。
「そうだろ……って、ほほほ褒めても許さないからなー!?」
 めっちゃ動揺するトマト。
 そのぷるぷる反応を見て、オウカが褒めの第二波を浴びせた。
「それに、なんて瑞々しくて新鮮なトマトなんだろ! こんなトマトがこの世に存在するなんて信じられないよ!」
「も、もうやめてー……」
 理由のない(あるけど)褒め殺しが、ゴッドトマトを襲う。
 その間にもオウカの溜めた力が高まる。動揺したところを攻撃するのは、少し悪い気もするが、相手は、見るだけで人が発狂する物騒な存在だ。
 オウカは、ぷるぷるする果肉部分を狙い、【輝き放つ金剛の弾丸】を放つ。
 ゼロコンマ秒の世界を駆け抜けた魔石が、トマトを貫通する。
「ぎゃわー!?」
 ぶちゅっと音がして、赤いものが床や壁に飛び散る。
 が、まだかろうじてトマトはうごめいている。
「仕留めきれなかったかぁ。なら!」
 オウカが追撃する。
 属性力を帯びて輝く宝石弾が、室内に乱れ舞った。
 そこへ、ちょっと遅れて地下に現れたエミリィ・ジゼルは、何やら満足げだった。
「いやぁ、兎もたくさん手に入ってホクホクです。あ、丁度いいところにトマトが落ちてる。これは兎とトマトで料理を作りなさいというお告げですね。間違いありません」
「ちげーよ!」
 ゴッドトマトのツッコミ。ゴッドツッコミ。
「まぁ別にトマトがぼっちだろうがそうじゃなかろうかどうでもいいです。黙って食べられてください」
 というわけで、楽しいトマト狩りのお時間。
 エミリィが選択したのは、精神攻撃。物理攻撃では食材を痛めてしまうおそれがあるので。
「……なんだ、嫌な記憶がめっちゃ湧いてくる!?」
 エミリィの力を受けたゴッドトマトが、のたうち始めた。
 トマトボディから、映像が次々飛び出してくる。
 それじゃあペア作ってーって言われたのに1人だけ余ったり、1人二役で小粋なトークの練習してみたり。
 時には、ぼっちを卒業しようと背伸びした結果、痛いリア充もどきが誕生したり。
 黒歴史の強制暴露。その名も、【黒歴史を暴くメイドの術】。
 ……怖。
「じゃあこれネットに流しときますね」
「やーめーろー!?」
 ぱぁん!
 エミリィの恐るべき攻撃により、ゴッドトマトのガラスのハートは、完膚なきまでに粉砕された。
 というか、全身が弾け飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『カフェで一休み』

POW   :    わいわいお喋りしながらお茶する

SPD   :    店内を楽しみながらお茶する

WIZ   :    まったりのんびりお茶する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 精神と物理。
 二重の攻撃にさらされたゴッドトマトは、遂に爆発四散。狂気が世界を侵食する事は、もはやない。
 1つの脅威が去った事を知る由もなく、繁華街の行き交う人々の間には、平穏な時間が流れていた。
 そしてそんな日常の中に、カフェを訪れる猟兵の姿があった。
 鼻孔をくすぐる、豊かな香り。
 ふわり、温かな空気に混じって届く苦み。そこに加わるほのかな甘み。癒しの空間が、ここにある。
 珈琲に紅茶、スイーツ……しかもここはケーキバイキング形式……。
 カフェは、心の温泉だ。
神宮時・蒼
【WIZ】
…トマト…。…当分、忘れられ、なさそう、です…。…いんぱくと、強すぎて…。

ともあれ、折角なので隅っこの方で静かにお茶をしましょう。
ばいきんぐ?好きなのを選んでいいんですね。
小さめのケーキを2個、お砂糖を2つ溶かした紅茶を、のんびりとつつきます。
(…いちご、甘い、です。…たまには、こういう、のも、いいのかも、しれません、ね…。)
人と関わるのは苦手なので、極力こっそりと。
のんびりとした時間を過ごします。



(「……トマト……」)
 戦いが終わっても。
 神宮時・蒼の脳裏には、赤いアイツが焼き付いていた。
(「……当分、忘れられ、なさそう、です……いんぱくと、強すぎて……」)
 赤の呪縛から少しでもエスケープしようと、蒼はカフェを訪れていた。
 ちょうど空いていた、一階、隅っこの席を選ぶと、静かにお茶を楽しむ事にする。
 あまり人と関わるのは得意でない蒼だけれど、1人でも楽しめるのが喫茶店のいいところ。
 メニューを開いて、ご注文。
「……ええと、この紅茶を」
「ケーキバイキングはいかがしますか?」
「ばいきんぐ? 好きなのを選んでいいんですね」
 お願いします、と蒼が控えめに答えると、かしこまりました、と店員さんが微笑んだ。
 バイキングコーナーに並んだケーキは、色とりどり。これは迷う。
 その中で、蒼が皿に乗せたのは、小さめのケーキ2つ。
 運ばれてきた紅茶に、砂糖を2つほど溶かして、ティータイムの始まり始まり。
 ケーキの上に、ちょこん、と載ったいちごをいただく。
(「……いちご、甘い、です。……たまには、こういう、のも、いいのかも、しれません、ね……」)
 口に広がる甘さをじんわり感じながら。
 のんびりとしたひとときを過ごす蒼だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

オウカ・キサラギ
被害が出る前にやっつけられてよかったね!
さぁてあとはカフェでのんびりタイムだ!

ケーキバイキング……?いいの?お腹の容量が許す限り食べていいの?
よーし!食べまくるぞー!
体重?カロリー?ふっ、そんなの猟兵の仕事で十分に消費できる!きっと!

それじゃいただきます!
まずは王道ショートケーキ!ふわふわスポンジにしっとり生クリームと甘酸っぱいイチゴの組み合わせが最高だ!!
続いてチョコレートケーキ!ほろ苦いけどしっかりと甘みもあって甘いだけがケーキじゃないって教えてくれるね!
それからモンブランにチーズケーキにシフォンケーキも!
あぁもう幸せすぎるよ!
かなりお腹が苦しいけど、ボクは満足だよー。
ごちそうさまでした!



 ケーキバイキング。
 それは、制限時間とお腹の容量が許す限り食べていい、魅惑のバトルフィールド。
 戦いの疲れも何のその。オウカ・キサラギは、やる気満々だった。
「よーし! 食べまくるぞー! いただきます!」
 ……え、体重? カロリー?
「ふっ、そんなの猟兵の仕事で十分に消費できる! きっと!」
 保証はしません!
 まずオウカが選んだのは、王道オブ王道こと、ショートケーキ。
 期待通り、スポンジはふわふわ、全身を彩る生クリームはしっとり。
 そして、王冠の如く飾られたイチゴの甘酸っぱさ……三重奏が、最高の美味しさを届けてくれる。控えめに言って最高だ。
「次は……チョコレートケーキ!」
 チョコが、オウカの舌にほろ苦さをもたらす。それでいて、上品な甘みもある。
 甘いだけがケーキの魅力ではない。その事を教えてくれるようだ。
 助走を終えたオウカは、怒涛のスパートをかけた。モンブラン! チーズケーキ! 飲み物で小休憩……からのシフォンケーキ!
 戦いの疲れはもはや遠い彼方。オウカの体にスイーツの力が満ちる。
「あぁもう幸せすぎるよ! かなりお腹が苦しいけど、ボクは満足だよー」
 ごちそうさまでした!
 見ている方まで幸せになる笑顔で、オウカはお腹を撫でた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アスティリア・モノノフィシー
SPD
「まあ、素敵なケーキ!まるで宝石のような装飾で…」
っと、トマトさんを煽てる癖でつい。もう別に褒める必要もなかったですね。

でも。
「ああ、やっぱり食べるのが勿体ないくらいですー」
フルーツタルトをいっぱいお皿に乗せたらもう宝石箱ですよね!
紅茶をいれながらのんびり優雅にティータイムします。

こうやってのんびり幸せなティータイムを過ごせるのっていいですよね。
普段猟兵生活忙しいですしね。

あ、お皿いっぱい乗せても食べきれる量しか取りませんよ?
食べ物は大事にしないと。
…まあ、甘い物はすぐ消化するって言いますしね(しれっと)



 つやつやブルーベリーにイチゴ、キウイ……エトセトラエトセトラ。
 皿に乗せたフルーツタルトを前に、アスティリア・モノノフィシーの双眸は、きらきら。
「まあ、素敵なケーキ! まるで宝石のような装飾で……」
 と、思わず口に出してから、アスティリアは気づいた。
「……っと、もう別に褒める必要もなかったですね」
 とはいえ、実際、褒めてしまいたくなるほどの出来栄えなのだ。このタルト。
「ああ、やっぱり食べるのが勿体ないくらいですー」
 どうしよう、このまま手をつけずに、目を楽しませていたい。
 でも美味しそうで食指を止めるのが大変……。悩ましい。
 悩ましいけど、いただきます。
 ティーポットで運ばれて来た紅茶をカップにいれ、のんびり優雅にティータイム。
「こうやって幸せな時間を過ごせるのっていいですよね」
 普段の猟兵生活の忙しさを癒すように。アスティリアは、フルーツタルトを口に運んでいく。
 並んでいたタルト達が、どんどんと皿を旅立ち、アスティリアの元へ。
 皿のタルトは、たくさんあるように見えるかもしれないが、あくまで食べきれると判断した量。食べ物は大事にしないと。
「……まあ、甘い物はすぐ消化するって言いますしね」
 しれっとつぶやき、新たなタルトを頬張るアスティリアだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ポク・ョゥョゥ
トマトたん、なむー
わーいケーキだー
いっぱいたべるよー

ぽくねー、ガトーショコラ?すきだよー
あとね、フォンダンショコラー
オペラは大人のあじー
おーいしー
食べ過ぎてほっぺがリスになっちゃった
ぽくぱんだだよー

何か飲みたいなーブラックコーヒー?
ポクみたいー
んー…にがーい
ミルク入れたらおいしー

そうだーあのね
一緒に写メ?撮った女子高生?たんがねー
スマホ教えてくれたのー
連絡取ったらみんな来てくれるかなー?
今日はぽくのおごりだーあがめよー
あーんしたいなー

あとねあとね、チョコファウンテン?やってみたいのー
いちごーマシュマロー、あれー?
ぽくのお手手についちゃったよー
チョコぽくだー

お土産かえるかなー
ぱくにもあげるんだー


神原・響
カフェの設備を借りて、うさぎとトマトを使ったハヤシライスをメインに料理を作り、集まった猟兵達にふるまいます。
絡み、アドリブOK。



 ポク・ョゥョゥの周りは、ちょっと賑やか、ちょっと華やか。
 先ほど、うさぎ誘き出しの時に知り合った女子高生達と一緒にお茶してるのだ。
「今日はぽくのおごりだーあがめよー」
「あがめるー!」
 太っ腹なポクに、わぁい、と喜びの声。
 さてさて、ポクが選んだのはガトーショコラに、フォンダンショコラ。
「オペラは大人のあじー」
「ポク、はい、あーん」
「あーん」
 ぱくり。
「ぽくもお返しだーあーん」
「じゃあ、あたしもお返し。あーん」
 みんなにケーキをあげて、もらって。
 すると、ポクの顔を見た女の子の1人が、噴き出した。
「ちょ、食べ過ぎ! ほっぺがリスみたいになってるし!」
「えーぽくぱんだだよー」
 なんか飲んだ方がいいよー、と勧められ、ポクはブラックコーヒーを注文。
「黒くてぽくみたいー……んー…にがーい」
「うわ変顔してるー!」
 とぽとぽとミルクを足したら程よい感じ。
「あ、チョコファウンテン!」
「ぽくもやってみたいなー」
 女子高生ズに手を引かれ、ポクも参加。
 真っ赤ないちごにふわふわマシュマロ。さあ、どれからチョコをかけよう?
「あれー? ぽくのお手手についちゃったよー」
「あ、チョコポクになってる!」
「美味しそうー」
 そうして楽しい時間を過ごすポク。
 パクへのお土産の、お店特製のお菓子も忘れずに。
「って、あれーなんだかいいにおいー」
 何やら、厨房の方からかぐわしい香り。
 香りと湯気を連れ、皿を優雅に運んで来たのは、神原・響。
 香りの源は、ハヤシライスだ。それも、響特製である。お店に特別に許可をもらって、調理させてもらったのだ。
 トマトや肉……食材は、先ほど調達した新鮮なものばかり。
 他にも、サイドメニューとしてサラダやスープ。ちょっとしたランチ……というには、立派すぎるかもしれない。
『響のハヤシライスじゃからな! 存分に味わうがよいのじゃ!』
 黒の女王、ちょっぴり偉そうに言った。
 料理をふるまう響。すると、響を呼ぶ声。
『響よ、童の分もちゃんとあるのじゃろうな?』
「勿論です。さあ、姫様もどうぞ」
『おお!』
 自分用のハヤシライスを見て、女王の目が輝く。
 外見こそ小柄だが、こう見えて大食いだ。もっとも、その姿、いかようにも変えられるのではあるが、そこはそれ。
『うむ、よいトマトが手に入ってよかったのじゃ』
「任務も無事果たせましたし」
 ほくほく、満足げな女王。
 そして、それぞれにひとときを過ごすお客さんや猟兵達を眺め、響は安堵した。
 1人でも、たくさんでも。それぞれの幸せの形があるのだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桜・吹雪
街の皆様がご無事で一安心でございますね
あの素敵な食材が消えてしまったのは残念ですが、せっかくの機会ですので甘味を頂きましょう
飲み物は暖かい紅茶を頂きます
アルダワの茶葉とはまた違う香りで美味しいですわね
お土産に買ってれ帰れるといいのですが
バイキング形式…可愛い形のケーキが沢山ですわね
飾り付けもとても勉強になります
甘味の最先端でございますね…
あまりじっと視ていてはほかのお客様の邪魔になりますわね
小さなサイズの物を数品ずつ、何度かにわけて頂きます
クリーム、チョコ、果実にビスケット生地
どのケーキも甘露のようですわ
と…勉強に来たつもりが口元が緩んでおりました(手で口元を隠して
穏やかな時間でございますね



 桜・吹雪も、あたたかな紅茶を楽しんでいた。
 ふわり香る匂い、そして味わいは、アルダワの茶葉とはまた違う。
 けれど吹雪は、この紅茶にしかない美味しさを感じていた。
 街の人々に被害が出なかった事もあり、吹雪は心やすらかにカフェを堪能していた。あの素敵食材が消えてしまったのは残念だが……。
 さて、ケーキバイキング。並んだケーキ、その形はもちろん、飾りつけも、繊細かつ綺麗。
「甘味の最先端でございますね……」
 観ているだけで、勉強になる。
 が、あまりじっと見ているわけにもいかないだろう。そそそ、と他のお客さんの邪魔にならないよう、ケーキを選んで席に戻る。
 吹雪が選んだのは、小ぶりなものばかり。色んな種類を楽しみたいのだ。
 それでは、いただきます。
「はむ……」
 美味。
 クリーム、チョコ、果実にビスケット生地……どのケーキも、まさに甘露。
 ふと、気づいて、吹雪は口元を隠した。クリームが付いていたから、ではない。
 この店を訪れたのは、勉強の一環。そのつもりが、いつの間にか口元が緩んでしまっていたからだ。
 とてもとても、穏やかな時間。
 勉強と同じくらい純粋に楽しんでしまった気もするけれど、それはそれで。
 お店特製の紅茶セットをお土産に。吹雪は幸せな気持ちのまま、店を後にしたのだった。

 かくして。
 ぼっちトマトによるぼっち世界創世計画は、猟兵達の活躍により潰えた。
 ぼっち教団が、再び暗躍する事はないだろう。きっと。……多分。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト