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未来へと続く道(作者 ブラツ
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●ロード・トゥ・サバイブ
「皆、集まってくれてアリガト!」
 アコニィ・リード(偽神暗姫・f25062)はグリモアベースの会議室へ集った猟兵達にぺこりと頭を下げると、そのまま不慣れな手付きでコンソールを弄り倒す。
「少し、前から、ね……孤立した拠点同士を、結ぶ、道の建設が始まって、いるんだ」
 ガチャガチャとスイッチを押しまくり、ようやく背後のスクリーンには作戦地域の全景が映る。そこにはアポカリプスヘル・ジャパン・フナバシ・エリアと書かれた広大な土地があった。そして中心から四方八方へと伸びる筋――そのどれもが、新たに敷かれた道だという。この道についてアコニィが、マニュアルを見ながら懸命に説明していた。
「舗装の種類はマカダム舗装って言って、砕石をローラーで圧し固めたものになるの。まだ、アスファルトやコンクリートは確保出来てないから……」
 単に技術的な問題では無く、オブリビオンやオブリビオン・ストームによって『壊される』事も想定して敷設する為、作業性や材料の手間なども考えてこの手段が普及しているのだと思う、との事。それに何度壊されても、諦めなければやがて道は定着する……そう信じて、アポカリプスヘルの人々は道や新たな道を築いているのだ、とも。
「こうして、拠点同士が繋がればこの世界もきっと繁栄を取り戻せると思う。でね」
 続けてカチリとスイッチを押せば、予想通り奴ら――オブリビオンの姿が、スクリーンに映し出された。それは機械の獣と、機動兵器に跨った眼光鋭い老人。
「やっぱり出てくるんだ。邪魔する奴らが」
 どちらも悪しき気配を微塵も隠さないでいる。声を震わせてアコニィが言葉を続けた。

「道路を敷く為のルートを切り開いた先に、機械の獣の群れが待ち構えているわ」
 フナバシから北上して目指す拠点はイチカワ・エリア方面。この間に陣取っているのが、まずは機械の獣の群れだという。
「こいつらは人攫いの手先みたいなものね。で、獣の群れの奥に元凶……死神爺がいる」
 その機械の獣達を操っているのが死神爺と呼ばれる、歴戦のエンジニアだったオブリビオン。アコニィ曰く、自身を生み出したマッドサイエンティスト、らしい。
「人攫いと人体実験で生計を立ててる最低のクソジジィよ。オブリビオンになったみたいだけれど、やってる事は変わらない……むしろ、もっと酷くなってるわ」
 不死に近い特性を得た今、自由気ままに人狩りと研究を謳歌しているとの事だ。それこそオブリビオンをこの世界へ更に蔓延らせる様な悪魔めいた所業。
「だからお願い、絶対に倒して欲しいの」
 これからの世界と生命の為にと、アコニィは息を荒げた。

「作戦は三工程に分かれるわ。ルートの確保、障害の排除、ボスの撃滅、この三つ」
 アコニィの言葉と共に赤いロッドの先から光が迸り――グリモアがゲートを開く。
「それじゃあ皆、ヨロシクね!」
 明るい声と共に再び、アコニィはぺこりと頭を下げた。

 繋がったアポカリプスヘルの状況はいつも通り――ただ違うのは、猟兵達の背後ではこの世界の人々が道を広げるべく、様々な重機と共に道無き道を進んでいた。しかし眼前には隆起した巨大な断崖にそこかしこに亀裂の入った大地。真っ直ぐ進むだけではどうにもならないだろう……だからこそ今、猟兵達の力が必要なのだ。





第3章 ボス戦 『死神爺』

POW ●「お前さん、動きが丸見えだ」『…ゲイゲキカイシ』
自身が操縦する【殺戮浮遊戦車 】の【AI演算による未来予測システム】と【制圧火力並びに防御フィールドの出力】を増強する。
SPD ●無限の射撃
【搭乗している殺戮歩行戦車の全周索敵 】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【遮蔽も守りも無視して必ず急所を貫く一斉射】で攻撃する。
WIZ ●銃神テリトリー
自身からレベルm半径内の無機物を【高い戦闘力を持つ武装フラスコチャイルド 】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アコニィ・リードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●死神
『あーあ……まあガラクタどもじゃこんなもんか』
 不意に風が止んだ。変わって聞こえてきたのは、嗄れた老人の声。
『ここから先は通行止めだ。そしてお前らは、道具だよ』
 浮遊する球体の戦闘マシンに坐した老人が、拳銃を片手に舗装された道へ向かい近付いてくる。細身ながら筋骨隆々の身体に旧式の義腕が、この老人が潜り抜けてきた修羅場を想起させる。ピタリとその動きを止めた老人は辺りを一瞥し、さも詰まらなそうに言葉を紡ぐ。諦観と哀悼と、僅かな憤怒を語気に混ぜて。
『道具が未来を今更始める必要もあるまい――だから』
 ぐらりと、獣だった残骸が揺れた様な気がした。それに僅か気を取られた刹那、いつの間にか手にした拳銃をこちらへ向けて――死神が宣戦を布告する。
『俺が有効活用してやる、まとめてな』
『システム、キドウ』
 その言葉は人々へ、そして猟兵達に向けて。遍く可能性を打ち消さんとする。
『もう手遅れなんだ。諦めて糧となれ』
 マシンが唸り、バチバチと紫電が舞う。この過去を討ち滅ぼさなければ、我等に未来は無い。

※プレイング募集:現在より。他、オープニングコメントに準じます。
箒星・仄々

人攫いや人体実験は許せません
そしてやはり貴男もOストームの犠牲者です
海へお送りします

ランさんに騎乗
UCで空気抵抗減じ速度増
上空から突撃

射撃超える速さとサーカスめいた機動で回避
魔力放ち迎撃したり魔力の盾で防御
被弾も鱗がつるっと受け流し

ランさんは反転し離脱
私は…いつの間にかいません

魔法の迷彩で消え
爆発や硝煙に紛れて飛び降り
風の魔力で戦車へ

発見されたら自由落下&疾風加速し
自身もUCで攻撃掻い潜り
一気に迫り戦車&死神さんをぺろ
摩擦0で腕や武装、機構が空回りや分解
道具は大切にしてあげて下さいね

事後に演奏
死神さんが
海で大切な方々と会えるよう祈念

未来への揺ぎ無い意志を祝福する曲を奏でます
やりましたね♪


オヴェリア・ゲランド

ほぅ、人馬一体…いや、人機一体というやつか。
面白い芸を持っているようだが…私の後ろで未来を紡がんとする勇者達には届かないな。

◎諦めを断つ
「老人、未来なく人すら辞めた貴様が諦めるのは勝手だが…それを他者に押しつけるのはやめていただこう」
遠距離からの火力は全て我が【覇気】による【念動力】で逸らし【オーラ防御】で弾き、力の【リミッターを解除】した【次元斬】で距離すら超え防御フィールドすら抜ける壱の太刀。
「先など誰にも分からぬ、ゆえに勝ち獲るのだ…未来を、明日を!」
未来予測システムさえ覆す超常の一刀にて開いた次元断裂を通って【切り込み】肉薄して【薙ぎ払い】戦車を【吹き飛ばし】て人機一体を崩す。


叢雲・凪(サポート)
人間のミュータントヒーロー×ゴッドハンド、
ヒーロー名【ジンライ・フォックス】

まずはその世界の住人・猟兵仲間に挨拶をしよう…。
礼儀は大事。年上の人や先輩にはちゃんとしないとね。
『どうも ジンライ・フォックスです』(お辞儀しつつ)

基本的な戦い方は【リミッター解除】を使ってからの【ダッシュ】+【残像】+【夜天九尾】を使った電光石火の接近で敵との距離を詰め畳み掛けよう。相手が強力な単体ボスなら一気に攻撃を仕掛ける。

※黒雷で生成されたマフラーを解いて夜天九尾発動。尻尾1本につき10秒 合計90秒間の間超高速で動ける。90秒で決着をつける。並みの動体視力では対応できないはずだ。

『天誅・・・』


●死者の帝国
『御託はもういいだろ……始めるぜ』
 問答無用。搭乗したマシンが唸り声を上げながらガンランチャーを乱射する。容赦の無い苛烈な砲撃が大地を穿ち、バリケード代わりに積み上げられた獣の残骸すら木端微塵に吹き飛ばす。しかし。
「人攫いや人体実験は許せません。そしてやはり貴男もオブリビオン・ストームの犠牲者です――」
『消えた!?』
 その奥、鋼に隠れた小柄な影は――箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は凛として言い放ち、溢れる砲火を風の様に潜り抜けた。
「――だから、骸の海へ還します。ここは死者の世界じゃない!」
『ハッ! だったら……やって見せろよ!』
 何時の間にか巨大な空飛ぶ目旗魚に跨って、鋭い穂先で空を裂き地を駆ける仄々。如何に強烈な攻撃だろうと、視界に収まらなければ当たる事は無い。影が宙を踊り、風を裂く音すら貫いて――否、超常が自身の摩擦を極限まで落として、風よりも早く死神の元へと迫ったのだ。
『獣風情が……いや、違う!』
 全長が5mはあろう巨大な目旗魚が勇壮に尾を振って、あたかも水面を跳ねる様に地を滑る。死神の放つ誘導弾が引きつけられては手前で爆ぜて、爆炎の中より再び目旗魚が姿を現した時――仄々の姿は無かった。
『消えただと……!』
 矢張り、あれは只の猫と魚じゃあない。恐らくは異世界の――こんな所でも鉢合わせるとは。運命の皮肉を呪い、死神が再び周囲を索敵した刹那、不意に巨大な振動が死神を襲った。
「道具は大切にしてあげて下さいね」
『お前は生命を精々大事にしやがれ』
 いつの間にか、仄々がにゅっと影より出でて――魔力で姿を眩ませて、懐へと入り込んでいたのだ――その超常を死神のマシンへペロリと放つ。
『なっ、トルクが……!』
 それは摩擦抵抗を極限まで減らす恐るべき技。機械動作のかみ合いで駆動していた部品が途端に力を失い、マシンはぐらりと姿勢を崩してしまう。
「やりましたね♪」
『とでも言うと思ったか!』
 しかしそれも一瞬、バラリと滑らかな機械のパーツが散らばって、瞬時に機構をセカンダリに切り替えて瞬く間にその場から飛び去った死神。使えぬならば交換すればいい――徹底的な合理主義が生み出した機械の悪魔は未だ健在。しかしぎこちない動きは、それらが慣らし途中である事を暗に示す。
『これだけ動けば十分だ。そして――捉えたぞ』
 照準を示す赤いラインが仄々へと突き刺さり、ガンランチャーが一斉に火を噴く。刹那の猛襲――再び巻き上がった爆炎が視界を覆って、それらが晴れた時、目の前には大きな二つの影が姿を現していた。

「どうも。ジンライ・フォックスです」
「間一髪だったか。しかし」
 一人は漆黒を身に纏った叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)、そしてもう一人はオヴェリア・ゲランド(銀の剣帝・f25174)……美しき戦士達が仄々の前に立ち、間一髪その攻撃を防ぎ切ったのだ。
「人馬一体……いや、人機一体というやつか。面白い芸を持っているようだが……」
 いつの間にか、死神のマシンの周囲に不可視の力場が形成されて、舞い上がる粉塵をじわりと押し退けていた。この僅かな間隙にモードを切り替えて――センサに光を滾らせたマシンが鋭くオヴェリアを睨む。
「私の後ろで未来を紡がんとする勇者達には届かないな」
『遅かれ早かれ終わるんだ。そんなに大事か、未来とやらが!』
 嘲笑する死神。されど臆する事無くオヴェリアは大剣を高々と掲げた。途端、オヴェリアの周囲に烈風が巻き起こる。視界を遮る爆炎が吹き飛ばされて、静寂が辺りを支配した。
「老人、未来なく人すら辞めた貴様が諦めるのは勝手だが……それを他者に押しつけるのはやめていただこう」
 一歩、踏み込むと同時にオヴェリアの姿が消えた。その跡を消し飛ばす様に凄まじき火線がマシンより放たれる。間一髪滾る気勢が念動と共にその威を削いで、眼前へ飛び込んだオヴェリアの一太刀がマシンごと死神を遠くへと弾き飛ばす!
「ヴィラン滅ぶべし。出てこい、眠れる九尾――黒神の化身!! 夜天九尾!!」
 更に凪の追撃が死神を襲う。九つの黒雷めいた尻尾を振って、徐々に漆黒が剥がれていく。それを代償に発動した超常が凪を神速の破壊力へと変貌せしめて、無数の残像を纏い四方八方から必殺の一撃が死神のマシンを揺らし続けた。
『ヴィランだと、貴様も俺と同じか――!』
 自らの出自を思い死神が叫ぶ。同胞か――それでも容赦はしない。視界にさえ入れば当てられる――だが、凪は余りにも早かった。オヴェリアの初太刀をかろうじで凌いだ隙に、漆黒の雷は戦場を支配したのだから。如何に強力な火器であろうと、当たらなければどうにもならない。
「まるでロデオだな。だがッ!」
 翻弄される死神を再び見据え、オヴェリアは掲げた大剣を脇構えに。狙いは超常の予測すら覆す超常の一撃を――バリアを張るならば、その内側から攻撃すればよい。
「こうなると予測できたか、老人?」
『過程などどうでもいい! いずれ何もかも死に絶える!』
 黒雷は更に勢いを増して、凪の姿が露わになっていく。最早誰にも止める事は出来ない――荒れ狂う稲光がマシンの意を削ぎながら、遂に必殺の機会は訪れる。
「そんな事はありません。勝手に決めつけないで下さい!」
 仄々が、まるでロケットの様に飛ばした目旗魚が死神の懐に不意の一撃を喰らわせたのだ。神速を携えるのは一人だけではない。意識外からの奇襲にたじろいだ刹那、怒涛の勢いで猟兵達が続々と力を開放する。
「そんなに死ぬのが怖かったか?」
『何ィッ!』
 可愛らしい、されど凛とした素顔を晒した凪の一撃が遂にマシンの動力を捉えて。
「――天誅」
『させるかッ!』
 黒雷が天より死神に裁きの一撃を喰らわせた。避けようにももう遅い――漆黒がマシンの動きを止めて、バリアの範囲を最大限露わにする。そしてそれこそが、オヴェリアの狙い。
「先など誰にも分からぬ、ゆえに勝ち獲るのだ……未来を、明日を!」
 裂帛の気合いと共に次元すら断つ一撃が、バリアを通り越して死神そのものを真っ二つに切り裂いた。その超常の一撃がマシンごと吹き飛ばして、物言わぬ機械はバチバチと紫電を纏って機能を停止する。
『貴様……らぁッ!?』
 継ぎ接ぎだらけの五体を晒し、死神が激高した。ざっくりと袈裟懸けに斬られた跡から淀んだオイルめいた血を垂れ流し、セーフモードで再起を図るマシンから尋常ならぬ爆音が轟いた。
『まだ、だ……これで終わりでは……無ァい!』
 瞬間、死神の叫びと共に周囲に転がる獣の残骸が――物言わぬ機械がずぶりと形を崩して、人造人間――フラスコチャイルドの姿となる。
『終わらせるのは……俺だッ!』
 そして吹き荒ぶ風が、地獄の第二ラウンドを厳かに告げるのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴