海竜住まうサンゴの海で
海底。そこは宇宙よりも過酷な環境であり、今だ多くの謎が隠された場所である。無数の未知と神秘が待ち受け、闇の中で様々な顔を見せてくれるだろう。
「海底はいいよ。静かで、綺麗で、暗いことを除けばいつまで居たくなるんだよ」
そう語るのはグリモア猟兵のクトゥルティア・ドラグノフ。彼女は水生キマイラ故か、深海には多少の心得があるようである。
勿論そんな深海談義をするために猟兵たちを集めたわけではないと、クトゥルティアは断りを入れてから、今回の依頼を話し出す。
ここグリードオーシャンでは、一部の深海人たちが暮らす、海に沈んでいる、貝や珊瑚でできた都市がある。これを深海島と呼ぶ。周辺は空気の泡に包まれており、この空気の泡があるおかげで深海島はこれ以上沈まず、かつ普通の人も息ができるのだ。
つまり海底奥深くに沈んでいるわけではないので、真っ暗というわけではない。そこは安心してほしい。
しかし、そんな深海島にも悪意は伸びる。今回の事件は、この深海島を、コンキスタドールが襲撃し占領してしまうというものである。
それを未然に防ぐため、猟兵たちには深海島で戦ってほしいということだ。
だが深海島が海の中にある。たどり着くまでに息が続くのかと疑問が上がる。確かにエラ呼吸の出来る水生ドラゴニアン・キマイラや深海人以外では厳しく見える依頼だが、実際はそうでもないようである。
「深海島からは空気の泡がボコボコと沢山沸き上がっていてね、これを吸いながら潜れば、海の中で息ができない猟兵でも深海島に行けるんだよ! もっと、それはコンキスタドールにとっても一緒だけどね」
そう注釈をつけ、心配の必要はないとクトゥルティアは伝える。
「コンキスタドールの先兵を片付けたら、首領が来るまでに時間があるそうだから、深海島を楽しみつつ、来る首領に備えるのが良いと思うよ! ちなみに、今回舞台になる深海島こと【ドラゴン・シー・アイランド】は、人が乗れるほど大きなタツノオトシゴが生息しているそうなんだ。サンゴ礁をタツノオトシゴたちと一緒に泳いで楽しむのもいいかもね!」
それでは、行ってらっしゃい。そう言って、クトゥルティアは鉄甲船に飛び込み台を用意し、猟兵たちが飛び込みやすいようにするのであった。
しじる
初めましての方は初めまして、そうでない方はお世話になっております。しじると申します。
私が大好きな海の中関連のシナリオフレームでしたので、飛びつかせていただきました。
目的は単純明快、タツノオトシゴたちが住む深海島を、コンキスタドールの手から守ろう!
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております!
第1章 集団戦
『リストリクトソルジャー』
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POW : もっと虐めて!もっと蔑んで見て!もっと罵って!
全身を【虐められる他の子への嫉妬強化オーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷、視線、言葉を被虐的に解釈した回数】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD : 自由なんていけない、そうでしょ?服従しましょう?
対象への質問と共に、【対象の着ている衣服のすぐ上】から【自身の纏うのと同じリストリクトスーツ】を召喚する。満足な答えを得るまで、自身の纏うのと同じリストリクトスーツは対象を【包み込み被虐束縛嗜好に体と心を染める洗脳】で攻撃する。
WIZ : 新たな同志の召喚&洗脳(即興)
召喚したレベル×1体の【一般人を全身スーツとベルトで包みこんだ上】に【一般人を自身と同じ思考に洗脳するアンテナ】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鉄甲船から飛び込み海の中。無数の空気の泡と、透き通ったグランブルー。その先に沈む深海島。
色とりどりのサンゴに覆われ、遠方からでもその美しさは宝石のよう。
しかしその光景に汚を足すいくつかの点と叫び声。
「ガボガアアアアアボボボボ(溺死プレイもいいものですわ!!)」
「ゴゴボボボボ(水圧で潰れそう、締め付けられてるみたいで、イイ!!)」
今回のコンキスタドールの先兵である、【リストリクトソルジャー】である。
なんというか、啓蒙が高そうな連中だ。
だが立派なコンキスタドール、放置すれば深海島に害をなすだろう。なれば討つのが猟兵の仕事である。
武器を取り、水中で優雅に舞い踊れ!
ルク・フッシー
う、海の中…スカーフで呼吸できるとはいえ、戦うとなると難しいです…
で、でも挑戦しないと!こういう環境での戦いはこれから増えてくるかもしれません…
い、行きます!とーっ!(飛び込む)
…あ、尻尾を魚のヒレのように使えば…少しは上手く、泳げてる、気がします…
あ、あれは……うわあっ(敵の姿にドン引き)
洗脳された人に対して【修復描画】を使用。塗料を浴びせ、スーツとベルトを着せられた状態という『負傷を治療』します
絵筆の穂から塗料を吹き出し水中ジェット機動で移動、勢いをつけて打撃。怪しげなベルトを優先して狙います
敵に会ってから倒すまで一言も発しません。発したくありません
「う、海の中…スカーフで呼吸できるとはいえ、戦うとなると難しいです…」
鉄甲船の飛び込み台の上で、そう溢してしまうのは【ルク・フッシー】である。
彼は竜派ドラゴニアンではあるが、水生ではない。いくら呼吸ができると約束されていても、海の深くへと沈めと言われれば抵抗があるに決まっている。
だが、グリードオーシャンでは今後、このような水中での戦いを強いられる場面も出てくるかもしれない。経験しているとしていないでは雲泥の差である。
なれば怯えるだけでなく、勇気を振り絞って向かうのがルクという少年である。彼は臆病ではあるが、逃げ出す卑怯者ではないのだ。向かうべき場所に、打ち倒さねばならない悪がいるなら、勇気を振り絞り飛び込む、強い少年であるから。
「い、行きます! とーっ!」
可愛らしい掛け声と共に、ルクは海へと飛び込むのであった。
一面に広がる偉大な青。尻尾を魚のヒレのように使うことで、思った以上に泳ぐことが出来ていたルクは、冒涜的な光景を目の当たりにすることとなった。
呼吸をすることが出来るのに、あえてしないで溺れるリストリクトソルジャーどもである。
「あ、あれは……うわあっ」
見なかったことに出来たらどれだけ幸せか。恐怖よりも、なんとも言い難い不快感が襲ってくる。言葉を交わすことすら不快に思える存在というのは、なかなかいないが、彼女らはルクにとってのそれになったようだ。
「ゴバアアアアアバ!(猟兵! 自由におよいでいますわね!)」
「ゴボボボボアアアボ!!(自由なんていけない、そうでしょ?服従しましょう?)」
一般人を召喚して、全身スーツとベルトで覆うとする。しかしそこにすかさずルクのユーベルコード【修復描画(リカバリー・ドロー)】が炸裂する。
水に油、海水に滲まない特製絵の具が、一般人らの【ーツとベルトを着せられた状態という負傷を治療】する。
すると、当然一般人らは元に戻り、空気を求めて深海島に泳いでいく。そしてそれはリストリクトソルジャーたちにも言える。
彼女たちもまた、スーツとベルトに洗脳された被害者なのだから。
自身の疲労と引き換えに、ルクは水圧で非常に重く感じる筆を、必死で振るい、絵の具を飛ばす。
振りぬいたのなら、絵の具を筆の穂先から吹き出し、水中ジェット機動で移動する。バレルロールで螺旋を描き、すり抜けざまにベルトへ一閃。治癒の力が邪悪に満ちたキャンバスを美しく彩れば、また一人自由に戻る。
慣れない水中戦闘とは言え、決して素人とは思わせない戦闘により、その優しさで、リストリクトソルジャーの肉体を傷つけることなく、スーツの束縛から解放させていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
マールシア・マーフィー
グリードオーシャンの海か
先祖がこの海の出身者から鮫魔法を学んだと聞いてるから、今回は恩返しのつもりで行こうかな
さあ、レッツダイビング!
うんうん、予想通り美しい海だ
深海適正と環境適正で水圧に適応し呼吸も確保、後は高速泳法で今回の敵の元に向かおう
…どうやら今回の相手は僕とは反りが合わなそうだね
僕は自由を愛してるんだ
君達とは相容れないよ
会話する気もないけどね
頼むよ相棒!
【海を駆ける双牙】で相棒と共に高速泳法と水中戦の心得で高速で泳ぎ回って相手を翻弄、無酸素の多重詠唱で奴らを空気の膜で包み込んであげよう
これでもう息苦しくないだろう?
喜ばせないよう、次はあの変なベルトを水の槍を多重詠唱し同時に突き壊すよ
エルフと言えば森をイメージする者が多いだろう。しかしこの多様性に溢れた世界では、そうではないエルフもいる。
【マールシア・マーフィー】、彼女もまたそういうエルフであり、海辺に暮らしていたのだ。
「グリードオーシャンの海か。先祖がこの海の出身者から鮫魔法を学んだと聞いてるから、今回は恩返しのつもりで行こうかな」
そう呟いて、準備運動を軽くとるマールシア。海辺暮らし故に、足を吊ったさいの恐怖も重々承知。それが終えてから、飛び込み台に乗り、キレイな飛び込みフォームをとって、海面へとダイブしていった。
「さあ、レッツダイビング!」
グリードオーシャンの海は、マールシアの予想通り、とても澄んでおり綺麗であった。
見渡す限りの蒼には一点の曇りもなく、みるものを魅了していく。
浅い海域には、小魚や中型の回遊魚が楽しげに伸び伸びと泳ぎ回り、この海の素晴らしさを言葉以外で伝えていた。
だからこそ、深海島周辺に写る汚が尚更目立つのだ。
「ガバババ(あら、新しい猟兵ですわ!)」
「ゴバボボボ(自由に泳ぐなんて下らない! 私たちと一緒に束縛されましょう?)」
そういって、自由な海を冒涜する穢れた紫が手を伸ばす。
それを許すわけないのが、海を愛するマールシアである。
「なるほど……僕とは反りが合わなそうだね。僕は自由を愛してるんだ。君達とは相容れないよ」
広い海で育った彼女の発言は、確かに重く強い。軽蔑と宣誓の言葉と共に、ユーベルコードを発動させる。
「もっとも、会話する気もないけどね。頼むよ相棒!」
ユーベルコード【海を駆ける双牙(ユニゾン・ファング)】。召喚されるは、映画に引っ張りだこのホホジロザメ。
騎乗し、静かな海に闘争の海流を発生させる。
それを防がんと、リストリクトソルジャーが洗脳を行おうとするが、先の先。
周辺に舞う空気の泡を固めて打ち出すことで、彼女らをその膜で覆った。
まさかの援護のような行動に戸惑ったリストリクトソルジャーだが、空気の膜で覆われたと言うことは、泳ぎ舵取りするための手足まで包まれているということ。
これでは移動が出来ない。浮力に負けて浮いていく。そうなればただの的である。
「これでもう息苦しくないだろう?」
その一言が、リストリクトソルジャーが最後に聞いた言葉であった。
ホホジロサメと、召喚された水の槍が、海に相応しくない邪悪を、串刺し喰らい潰していくのであった。
蒼に表れる赤は、それすらも美しく彩るのであった。
大成功
🔵🔵🔵
天王寺・七海
なに、こいつら。
まぁ、ともかく、この島に侵入するってことなら、七海ちゃん達が…容赦はしないぜ!!
そして、集団で来るって言うなら、七海ちゃん達も、その手で行くんだぜ!!
ほれ、あたしたちの群れだけじゃなく、更に別の面子も呼ばせてもらうじゃん。
ここでUC使用。他のシャチの群れも大量に呼んで、一気に集団を殲滅しに行く。
「ここは海、人型じゃあ、七海ちゃんたちの攻撃に対抗しきれないわよ」
あと、念のため、洗脳には注意して、決して単独では仕掛けないようにしておく。
アドリブ歓迎
なに、こいつら。そんな率直な意見を持ったのは【天王寺・七海】である。確かにこれを見てそう言いたくなるのは無理もない。自ら望んで溺死をしようとし、あまつさえそれを楽しもうという変態の思考は理解できるものではない。
「まぁ、ともかく、この島に侵入するってことなら、七海ちゃん達が…容赦はしないぜ!!」
言葉に合わせて、七海の夫率いる群れと、ユーベルコード【オルカライヴ】で呼び出された別の群れが、連携してリストリクトソルジャーを狙う。
シャチは海での生態系頂点である。自身の何倍も大きいクジラさえ狩り、太古にはメガロドンという超巨大鮫すら絶滅に追いやった。ここはそのシャチたちのホームグラウンドである。
「ここは海、人型じゃあ、七海ちゃんたちの攻撃に対抗しきれないわよ」
その言葉通りである。悠々と自在に泳ぐ七海たちの速度は、並みの人型では到底到達できない。言葉を発することすらままならぬリストリクトソルジャーを、必ず複数で攻撃し、仕留めていく様は、正しく海のギャングと恐れらるその様を体現したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ニィエン・バハムート
生まれは深海人で【深海適応】【環境耐性】【高速泳法】【水中機動】持ちの私からすれば水中で呼吸ができるだけの敵なんて何するものぞ…なんですの、あれ?
【先制攻撃】のUCによる電気【属性・範囲・マヒ攻撃】で敵を減らせるだけ減らします。残った敵にスーツで束縛されたら、洗脳されながら自分を【鼓舞】してスーツによる【封印を解く】ような被虐行動を取ります。自分自身を電撃で攻撃、万物を切り裂く爪でスーツごと自分を切り裂くという被虐行為。電撃と斬撃でスーツを破壊。ダメージは【激痛耐性】で耐えます。
あっぶな…ごほん!
故郷を捨てるほどの私の【情熱】と跳ねっ返りっぷりに対して服従だなんて、ちゃんちゃら可笑しいですの!
深海生まれ、深海育ち、お魚連中大体友達。竜に憧れ、ナマズの体を捨てた【ニィエン・バハムート】にとって、深海は故郷。ホームグラウンドである。
「水中で呼吸ができるだけの敵なんて何するものぞ…なんですの、あれ?」
硬直するニィエン。それも無理はない。だって敵は呼吸をしていないのだから。
「ガバババ!(あ、深海人)」
「ボボボボバ?(でも竜っぽい見た目しているわよ)」
何を言っているか分からないが、先制を取ることは有利になる。ニィエンはユーベルコード【デンキナマズのビリビリ電撃(デンキナマズノビリビリデンゲキ)】を発動させる。
「雷霆万鈞!バハムート・サンダー!」
バハムート・オーラによって強化された電撃は、周辺のリストリクトソルジャーを、感電通り越して肉片にしていく。とくに海水は電流を流しやすく、10億V超という膨大な発射機構を得た電気は、少量でも人体を沸騰させ容易く崩壊させる。所謂水蒸気爆発を発生させて、肉体を内から吹っ飛ばす。
「ゴバ!? ボガアアアアア!!(こ、これはいけませんわ。自由にさせてはいけませんわ)」
危機感を覚えたリストリクトソルジャーが、自身の纏うのと同じリストリクトスーツを召喚し、ニィエンを拘束する。しかし電流はニィエン自身も焼いているのだ。
その電流はニィエン自身のもの。しっかりとダメージを受け、被虐思考を押さえつけている。
とはいえ、リストリクトソルジャーに比べて負うダメージはもちろん低いのだが。
「あっぶな…ごほん! 故郷を捨てるほどの私の情熱と跳ねっ返りっぷりに対して服従だなんて、ちゃんちゃら可笑しいですの!」
鋭いバハムート・ガントレットと電撃により、スーツを完全に破壊したニィエンの電撃は終わらない。
敵は、竜王の威光の前に爆ぜること以外を許されず、蒼き海を朱に染め、塵と化していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 日常
『不思議な生き物とともに』
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POW : 大型の水生生物に乗って海へ
SPD : 翼をもつ生き物に乗って空へ
WIZ : 小柄な生き物と一休み
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
先兵コンキスタドールを蹴散らした猟兵たちの活躍は、深海島に住んでいた全ての深海人達が見ていた。
彼らは猟兵たちを大いに讃え、感謝がしたいと述べ、この島の名物である【海竜】でぜひ遊んでほしいというのであった。
海竜こと、人ほどの大きさのタツノオトシゴは、この辺りでは軍馬ならぬ軍竜としても使われるほど屈強でなおかつ人懐っこいという。また個体によってはメガリスを喰らっているためか、会話することも可能のようだ。
来る首領に備えるのも大事ではあるが、息抜きに海竜たちと、美しいサンゴ礁を回遊するのもいいかもしれない。
ルク・フッシー
わわ、大歓迎されてます?ぼ、ボクはその、できる事をがんばっただけ、というか…いやあ、えへへ…
たくさんの人と話して、少し疲れちゃいました…せっかくですから海竜さんに乗せてもらい、観光しながら一休みです
あ、そうだ!翻訳の魔法を使い海竜さんに話しかけ、オススメの場所へ連れて行ってもらおうと思います
人と話すより、ちょっと気が楽です
綺麗なサンゴ礁です…描きたいですね…描きましょう!…(にこにこお絵描き)
この光景をオブリビオンに荒らさせはしません。頑張ります!
深海島に響き渡る、猟兵達を讃える声。それは嬉しくもあり、ちょっぴりと恥ずかしい。そんな思いを抱くのは【ルク・フッシー】もそうであった。
「わわ、大歓迎されてます?ぼ、ボクはその、できる事をがんばっただけ、というか…いやあ、えへへ…」
頬がつい緩むのも仕方がないこと。深海人達は猟兵皆に話を求め、あれやこれやと聞いていく。しかし答え続けるというのは疲れるものである。
この後に首領コンキスタドールを倒さなければならないことを考えれば、あまり体力は消耗したくなかった。ルクは、ちょっとした隙を見つけて、住民たちの塊から脱出し、例の珊瑚礁にたどり着くのであった。
海竜たちの姿は既に見え、珊瑚礁は入り口の時点で既に美麗である。だが、オススメスポットならどうなるのだろうか?
好きになったルクは、翻訳魔法を使って、海竜たちから話を聞くことにした。
そうしてオススメスポットへと案内されれば、そこに広がる絶景の数々。
無数の珊瑚礁に、死した珊瑚の粒子が舞い、幻想的な彩りを淡く演出し、この景色自体が一枚の絵画とでも思いたくなる。
「綺麗なサンゴ礁です…描きたいですね…描きましょう!」
例のコンキスタドールが来るまで、まだまだ時間がある。そう考えたルクは、慣れた手付きで筆をとって描き始めた。
写真のように精巧な絵を産み出しつつ、ルクは思った。
この光景をオブリビオンに荒らさせはしません、と。
「頑張りますッ!」
誰に見られている訳でもなく、だが純粋なそう呟き、ルクを固めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
マールシア・マーフィー
おお!こんなに大きなタツノオトシゴは初めて見た!
まさかこんな海の仲間に会えるなんて感激だよ
それに乗せてくれるのかい?
ここの深海人さん達は本当にいい人達だね!
またとない機会だ
お言葉に甘えさせてもらおう!
シーエルフの衣の動物と話せる魔法でまずは挨拶しよう
うんうん、見れば見るほど可愛いね
陸の馬よりも好きかもしれないよ
それじゃあ背に乗せてもらって共に海を泳ごうか
深海適応もあるから問題なく一緒に泳げる筈
やっぱりイルカや鮫とは違う乗り心地だね
泳ぎ方も独特で楽しいな
それにとても気を使って泳いでくれている
とても賢い子だね
やはりこの海は美しい
そこに住む人々の心もね
だから絶対に僕が守ってみせるよ
連携・アドリブ ○
いくら海辺住まいとはいえ、人よりも巨大なタツノオトシゴなんて、まず見れるかどうか怪しいものである。【マールシア・マーフィー】は、その異様で神秘的な光景に言葉が漏れた。
「おお! こんなに大きなタツノオトシゴは初めて見た! まさかこんな海の仲間に会えるなんて感激だよ」
さらに乗せてもらえると聞いて、なおさら興奮してきたようだ。
このまたとない機会をものにするため、マールシアは住民たちの言葉に甘えることにしたようだ。
シーエルフの衣による、動物と会話を可能とする魔法を使い、まず気さくに挨拶。その愛嬌にあったかわいらしい様子で挨拶を返してくれる海竜。特に嫌がることはなく、むしろ進んで背に乗せてくれた。
「やっぱりイルカや鮫とは違う乗り心地だね」
実際に乗ったことがあるマールシアの言葉は、確かに実感を持つ。イルカやサメと違い、純粋に水平移動といった様子で動くためだろう。
最も、それはマールシアに気を使っての移動かもしれないが。それはもちろんマールシア自身も気づいている。
「とても賢い子だね」
そう、ポツリとこぼして顔を上げる。
目の前に広がる、色とりどりの美しいサンゴ礁。そこに住む人たちのように、よどみはなく、満面にきらめいて温かい。ここがもうじきコンキスタドールによって襲われるなど、考えたくもない。
「だから絶対に僕が守ってみせるよ」
改めて決意を固め、マールシアは静かな海を見つめるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
天王寺・七海
なんか、色々と、戦力はあるって感じですわね。
それでも、コンキスタドールには、勝てない可能性があるし。
まぁ、七海ちゃんとしては、一旦、サンゴ礁を泳ぎ回ってみたいものですわね。
メガリス食べた個体も?
色々とあるのね。
こういった、海の底の平和、守らないとね。
アドリブ歓迎
自身が想像していた以上に、この深海島は色々と戦力があるようだ。そう感想を心に持つのは【天王寺・七海】である。
「それでも、コンキスタドールには、勝てない可能性があるし」
近年強化を続けるコンキスタドール相手に、深海島の実力がどこまで通用するかは不明。それに予知通りであれば、戦闘の結果は深海島の敗北である。猟兵のカバーは必須といえよう。
「まぁ、七海ちゃんとしては、一旦、サンゴ礁を泳ぎ回ってみたいものですわね」
しかし、ずっと気を張っているのは疲れるものである。リフレッシュは大切である。
七海はこの島の名物ともいえる、大サンゴ礁周辺を回遊することにした。
目の前に広がる美麗なサンゴ、そこで楽し気に泳ぎ回る人ほどの大きさのあるタツノオトシゴ。幻想的で、夢の世界と思ってしまうほどの美しい光景。
しかもいくつかのタツノオトシゴは、メガリスを捕食しているため、人語を話すことができるのだから、なおさら不思議な光景である。
「色々とあるのね……こういった、海の底の平和、守らないとね」
やがて来るコンキスタドール、これを討ち、この景色を守るためにも、七海は改めて決意を固めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ニィエン・バハムート
さっきの戦い見られてたんですのね…私、危うく自滅しかけたので、かなり恥ずかしいのですが……ええい、こんなところ(※失敗したのに何故か人々が褒めてくる場所)にいられませんの!
と、海竜に乗って飛び出しますわ。
メガリスを食べて喋る個体って凄いですわね…メガリスの試練に失敗してコンキスタドールへと堕ちる海賊は後を絶たないというのに…さすがは海竜。『竜』と名のつく生物なだけありますの。と、今乗ってる海竜を褒めますわ。喋れない個体だったとしても海の生物とならそこそこ意思疎通は取れますの。※【動物と話す】
珊瑚礁…いいですわよね…珊瑚礁が広がる光景って好きですの。
――ここを守るためにも、気合入れていきますわ。
正直なことを言うと、危うく自滅しかけたあの場面で、なぜ住民が讃えてくるのかがわからない。羞恥が顔を赤く染めていく。こんな場所からは一刻も早く抜け出したい。それが【ニィエン・バハムート】が抱えていた気持ちである。
颯爽と海竜に飛び乗り、いざサンゴ礁へ。
「それにしても、メガリスを食べて喋る個体って凄いですわね…メガリスの試練に失敗してコンキスタドールへと堕ちる海賊は後を絶たないというのに…さすがは海竜。『竜』と名のつく生物なだけありますの」
今の乗るタツノオトシゴにそう語りかける。この個体はメガリスを食していないので、人語は話せないが、ニィエンには関係ない。深海で育った彼女は、魚の言葉を知っているのだから。
曰く、この島のメガリスは木の実型で、母体の木から幾つでもとれるそうだ。それがこの広大なサンゴ礁の土台となる肥沃な土地を作り、それが巨大なタツノオトシゴを生み出すきっかけとなったそうだ。
いうなれば、このサンゴ礁もある意味メガリスのようなものであるという。
「珊瑚礁…いいですわよね…珊瑚礁が広がる光景って好きですの」
たとえ、それがメガリスによって作られたものでも、美しきことには変わりない。
素直な感想を述べ、ニィエンは頭上を睨む。
やがてやってくるだろうコンキスタドール、それに宣戦布告するように、一つ呟くのであった。
「ここを守るためにも、気合入れていきますわ」
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『禿海賊団』脱毛突撃隊長のゴルカ』
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POW : 脱毛一閃
【毛根を完全死滅させる猛毒を塗った二刀の剣】が命中した対象を切断する。
SPD : スキンヘッドバーサーカー
【毛根を持つ連中に対する自身の怒り】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【二刀を合体、超々々々々々威力の巨大鋏】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ : つるぴかボム
レベル×5本の【強烈な脱毛効果の毒ガスを充填した、毒】属性の【投擲爆弾】を放つ。
イラスト:猫家式ぱな子
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハゲ。それはイケメンならば許され、残念ならば許されない。毛根が死滅した頭皮は、悲しみと憎しみを生み、不毛な戦いを引き起こす。
ならば、そもそも毛なぞなければいいのだ。
「深海人ならば、毛はないと思っていたのに……許さん! この島のメガリス確保の後は、全住民の完全脱毛じゃ!!」
そんな理不尽理論を振りかざし、鋏のような二本の剣を手にサンゴ礁に参陣する。こいつこそがコンキスタドールの首級。この事件の発端である。
煌びやかなサンゴ礁で、強大なハゲとの戦いが幕開けた。
※三章では、サンゴ礁での戦闘になります。海竜たちに乗って戦うもよし、入り組んだサンゴ礁の地形を利用するのもよしです!
皆様の素敵なプレイング、おまちしております!
大門・有人
不採用含めて全て歓迎だ。
バイクは持って来れそうにねえな。なら海竜に乗るまでだ!
……いやこれどう扱えばいいんだ!?
騎乗技能もないし、戸惑いつつもゴルカへクイックドロウ。
まともに当てられる状況じゃないが、牽制弾で注意を引く。味方の援護だ。
こーのハゲ野郎。リーゼントは男の魂だ、死滅させれるもんならやってみやがれスットコドッコイ!
挑発して逃げるぞ。接近戦は絶対にしない、ハゲにされてたまるか!
追い付かれたらキックで対応。さすがに海竜を盾にも出来ねえ、覚悟を決めてインファイトだ。拳銃で思い切りあのパチンコ頭をドツいてやる。
髪も無事に敵の排除に成功したら、そうだな。
リーゼントを流行らせるのも悪くないな。
海中でも動くバイク、そんなものはスペース・シップ・ワールドのスターライドくらいだろう。ゆえに、【大門・有人】はバイクではなく海竜に騎乗を試みたが……。
「……いやこれどう扱えばいいんだ!?」
バイク操作とは全く違う。海竜騎乗は騎馬に近い。騎馬未経験の有人には過酷な試練である。だが、やるしかないのも事実。
幸い海竜は頭が良く、有人の動かしやすいように動いてはいるが、何分初心者。慣れない動きで向かいつつも、ゴルカへ大型リボルバーによる、素早い射撃を放つ。
「ええい、髪を持つものは、こういうこざかしい真似をするから嫌いじゃあ!!」
「こーのハゲ野郎。リーゼントは男の魂だ、死滅させれるもんならやってみやがれスットコドッコイ!」
挑発を交えつつ、ゴルカの注意を引き寄せようとする有人。こんなわかりやすい挑発に、普通は乗るだろうか。いや、乗ってしまうから、深海人完全脱毛というくだらない思考に至るのだ。
「やかましい! これからハゲの時代だと教えてやる!」
叫んで追いかけてくるゴルカを、蹴りやリボルバーによる殴打であしらう有人。リーゼントを流行らせるのも悪くない、なんて心に思いつつも、ゴルカの注意を一心に受け、他の猟兵の攻撃チャンスを作るのであった。
大成功
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ルク・フッシー
うわ…あの人ムチャクチャしか言ってない…
とにかく、人々を襲わせる訳にはいきません!
爆弾は危険ですが、サンゴ礁を巻き込むのも忍びないです…だから真っ向勝負します
絵筆が変化した白い花弁を集めて爆弾を防ぐ盾にし、相手の攻撃の隙間を縫うようにして氷属性の花弁を射出。冷気で鈍らせ、そのまま残りの花弁を浴びせ攻撃します
有人が注意を引いたおかげで、攻撃を挟む隙が生まれた。それを見逃す【ルク・フッシー】ではない。
「うわ…あの人ムチャクチャしか言ってない…」
そんな本音がぽろっと出つつも、攻撃の準備は手抜かりなく。
ユーベルコード【花宴描画(フラワーズ・ドロー)】の準備は万全、塗料製の花びらに変化した自身の装備武器が、ゴルカに射出される。
それは冷気属性。着弾したゴルカの動きが若干鈍くなる。
「ぬおぁ!? ええい、竜が髪の毛なんぞ生やすでない!!」
無茶苦茶理論を振りかざしつつ、ゴルカがつるぴかボムの投擲体制に入るが、先に受けた不意の一発は大きく、鈍った投擲速度は隙だらけ。
その合間を射抜くように、赤の多いサンゴ礁に映える白の花吹雪が、ゴルカへ再度殺到する。
肉体は氷結し、動きは完全に停止し、ならばと追撃に、残った花びらを玉のように集結させて放つ。
螺旋を描いて飛ぶ花弁の砲弾は、確かにゴルカに直撃。きれいに禿げたその頭部に、氷のかつらを作りつつ、はるか彼方へ吹き飛ばすのであった。
大成功
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マールシア・マーフィー
やれやれ、まさか個人的な怨恨とはね…
そんな想いにこの海を汚させるわけにはいかないよ
ここできっちり倒させてもらうよ!
僕はここの軍竜くんに騎乗スキルで乗せてもらい、動物と話す魔法で指示を出しながら奴を翻弄しよう
あの巨大な鋏は雷の属性攻撃を込めたシャボン玉をぶつけて牽制し見切りで避けよう
爆弾は多重詠唱した大量の氷属性の泡で閉じ込めて不発させるよ
奴を攻撃して挑発し、珊瑚礁の中を軍竜くんの知ってるルートで縦横無尽に駆けながら奴と鬼ごっこだ
その内、広く深海島から離れた場所に出たら僕の勝ちだ
追い詰められた?
違うね
ここなら思い切り吹き飛ばせるのさ
僕の全魔力で【海王召喚】!
やってください海王様!
連携・アドリブ○
まさか個人的な恨みだったとは思いもよらなかったのか、【マールシア・マーフィー】は絶句せざるを得なかった。
だが、そんな自分勝手で、この美しい海を穢させる訳にはいかない。
「ここできっちり倒させてもらうよ!」
いうが早い。海竜に手慣れた動作で飛び乗り、かの竜と対話しながら、吹き飛ぶゴルカへ追撃に向かう。
「ぬぅ、ハゲ舐めるな!」
追撃に向かってくるマールシアを、ゴルカは脱毛一閃で迎撃しようとするが、それはシャボンの魔法で跳ね返される。弾力のある魔法のシャボン玉は強靭で、ゴルカの鋏を通さない。
「こっちだよ、残念頭さん」
軽い挑発を入れつつ、海竜の見知ったルート、入り組んだサンゴ礁を駆ける。ゴルカも愚直にそれを追う。
だがそれが罠と気づくのは、完全にはまってからである。
「追い詰めたぞ、銀髪!!」
入り組み、アンブッシュに向いたサンゴ礁から離れさせたことで、有利をとったと勘違いするゴルカ。その幻想をぶち壊す言霊を、マールシアは放った。
「追い詰められた? 違うね。ここなら思い切り吹き飛ばせるのさ。やってください海王様!」
その言葉に合わせて、ユーベルコード【海王召喚(サモン・リバイアサン)】が発動する。
呼び出されるのは巨大な海蛇の魔物。海王と呼ばれた絶対の蛇。その鱗は、絶対神の稲妻でも傷つくことはなし。雄々しい咆哮とともにブレスを放てば、海流を変化させるほどの水流が放たれる。
圧縮されて高圧になったそれは、確かにゴルカへ致命の一撃を与えるのであった。
大成功
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天王寺・七海
つるっぱげの海賊団船長?
まぁ、七海ちゃんも、毛がないけどね。
でもね、やっていいことと、駄目なことってあると思うの。
あんたの場合は、駄目ね。
毛のあるすべて…全生命体の4割(鳥と哺乳類のほとんど)を敵に回すようなことを。
ちなみに、そんな攻撃(脱毛)、あたしたちには効かないし、なんなら、今回は、周りの人の方のサポートをしておくわね。
シャチホコファンネルシステムで遠距離から牽制しつつ当てて、それから、UCで拘束させておくわね。
ここって、空気があるし、呼吸に事ないから、使用回数無制限ってところなのよね。
てなわけで、残念だったわね、禿船長。
ニィエン・バハムート
私が今までに見かけた深海人の猟兵の方々、9割は髪の毛生えてましたわよ。
まずは最初の戦いの時のように【深海適応】【環境耐性】【高速泳法】【水中機動】で移動してなるべくサンゴ礁から離れます。
あなたは髪の毛が生えていない種族としての深海人を求めたようですが、そんなこと髪の毛が生えないタイプの深海人は気にしませんの。だってそれが自然なんですもの。だから毛のない深海人がいたとしてもあなたは理解されませんの。まさしく不毛な考え方でしたわね。
と挑発すれば多分追ってくるでしょう。
電気だと海竜たちやサンゴ礁に有害…そうだ。内側から爆ぜて魚の餌になってくださいな。
あ、しまった。海が血で汚れてしまいましたの。
「つるっぱげの海賊団船長?」
自身も毛が生えてはいないが、ついこう思った七海を責める者は、ゴルカ以外いないだろう。
サンゴ礁の外、海の中で吹き飛ぶゴルカを見つめつつ思う。
世の中には、許されてよいものと悪いものがある。ゴルカは当然後者である。
「毛のあるすべて…全生命体の4割(鳥と哺乳類のほとんど)を敵に回すようなことを」
「そうですわ。それに私が今までに見かけた深海人の猟兵の方々、9割は髪の毛生えてましたわよ」
同意し、言葉を続けるのは【ニィエン・バハムート】である。
そもそも、毛が生えていない深海人からしても、ゴルカの考えは理解されるものではないのだ。なぜなら、その深海人にとっては、毛が生えていないことこそが自然なのだ。毛の生えている種族を恨む必要なぞどこにもない。
「まさしく不毛な考え方でしたわね」
「なんだと貴様ら!」
海王にやられたことも忘れて、あっさりと挑発に乗るゴルカ。猪突猛進に二人へ向かって泳ぐが、陸上生物ヒト科ヒトの体を出ない以上、水中は本場の生命体よりはるかに低いのだ。追いつくなんて夢のまた夢。
「空気の有り難味、知っておくのね」
一定の距離を保ち、二つのシャチホコファンネルからバスターとランチャーを射出。そうして回避位置を絞ったのならば、ユーベルコード【エアロストーム】が牙をむく。
頭部にある呼吸器から放たれる乱気流は、水中だろうと関係ない。むしろ海流を引き起こし、地上以上にゴルカの行動を制限する。
そうして動けなくなれば、七海は隠れ里が主、いずれ真の竜王になるだろう少女へ視線を送る。
「既に審判は下されましたわ、脱毛突撃隊長のゴルカ。竜王の裁きを受けるといい」
右手を高々と上げる。それは振り上げられる断頭斧のように、ゴルカに下される判決の意味を悟らせた。もっとも、悟ったところで回避の術は無いのだが。
「……バハムート・ジャッジメント」
静かに銘は告げられ、指を鳴らした乾いた軽快な音とともに腕が振り下ろされた。
ユーベルコード【ナマズのグラグラ大地震Ver2.0(ナマズノグラグラダイジシンバージョンツー)】が発動する。
この世の物質は、互いが強固に繋がりあって形を成している。それは強い衝撃などで崩れれば、砂で作られた巨城が波で砂に還るように、脆く崩壊する。
ゴルカの内部で直接問答無用で発生する地震は、何億トンという大質量の水塊を、容易く崩し津波に変えるほどの振動に、耐えることなどできるわけなどない。
恨みの言葉を吐くこともなく、己が消し飛んだことを理解することもできず、ゴルカは、海という青の染め物についた赤いシミとなった。
「あ、しまった。海が血で汚れてしまいましたの」
ついやってしまったと呟くニィエン。しかし、海は美しくも残酷である。
その血に誘われてやってくるのは肉食魚ら。海に漂う不快なゴルカだったものは、彼らによって掃除されていく。黒ずんだ穢れた紅も、いずれは消えて、ゴルカがいたということすら消し去ってくれるだろう。
こうして、猟兵たちは深海島に平穏をもたらした。
この広大なる海にある悪意の一つをまた潰し、世界の平和への一歩を刻んだのだ。
猟兵たちはその後、深海人たちによって手厚い歓迎を受け、海竜らと美しい海を満喫するのであった。
大成功
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