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嘘とクレームをコーヒーに溶かして(作者 屋守保英
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●クレーマー嫌い
「て、てんちょぉ~……」
「今日はいつにも増して酷いわね……」
 東京都内某所、カフェ「マキアート」の店内にて。
 店員が小さくなって、頭を下げ続ける店長に縋りついていた。店長も店長で、げっそりした表情を隠さない。
 何故なら。
「ちょっと!! ミルクポットに髪の毛が入ってたんだけど!!」
「ラテアートお願いしますって言いましたよね? こんなのがラテアートだって言うんですか??」
「カフェだというのにウイスキーの一本も置いてないじゃと!? なっとらん!!」
 店内に飛び交う怒号、怒声。来る客来る客、揃いも揃ってクレーマーなのだ。
 そのいずれもが理不尽な要求を突き付けてくる。最後の老人なんて、ここをカフェバーだと勘違いしているんじゃなかろうか。ただのカフェなのに。
「はぁぁ……」
「なんだその溜め息は!! 客をバカにしているのか!!」
 店長以下、店員一同、心は一つだった。
 もうこんな店、絶対に辞めてやる。

●クレーマーめんどくさい
「……UDCアースは、こんな態度の客が横行しているのか……」
 イミ・ラーティカイネン(夢知らせのユーモレスク・f20847)はそう吐き捨てて、グリモアから映し出される映像を見ていた。
 彼の見た夢は事件の予兆。一見、テレビドラマのワンシーンのようにしか見えないその映像の中にも、オブリビオンの影は確かにある。
 イミが憎たらし気に視線を送るそのUDCは、口角泡を飛ばして店員に食って掛かる老人だ。このご時世、マスクは着けているものの、そのマスクは顎の下。意味がない。
「このなんとも尊大で不遜な男がUDC『暴走老人』だ。筋違いな怒りを周囲に撒き散らし、理不尽なクレームと乗用車による突貫で、店舗を次々に破壊する。このカフェ『マキアート』も今まさに、破壊される寸前だ」
 そう言いながらため息をついて、彼が映し出したのはカフェの店内だ。カントリー調の内装に柔らかな色合いで揃えられたチェア。趣味のいい店内なだけに、クレーマーの被害に遭っていることがなんとも惜しい。
 店長と思しき女性が頭を下げる姿を映しながら、イミが皮肉っぽく笑う。
「クレーマーというのは面白いものでな、誰か一人が目をつけたその店に、蟻のように集まってくる。始まりがどんなに些細なものであってもな。そこは攻撃していい場所だ、と認識するんだろう。逆に言えば、一度毅然とした態度で撃退すれば、自然と離れていく」
 攻撃していいと判断した店は攻撃していい。攻撃できない店は近寄らない。謎の嗅覚でそれらを判断するクレーマーには、毅然と対応してクレーマーを寄せ付けないのが最適解だ。
 お客様は神様とはよく言うが、貧乏神や疫病神はお帰りいただくのが一番である。
 それをよくよく理解しているらしいイミも、にやりと笑って猟兵たちに指を向けた。
「というわけで、だ。先輩たちにはクレーマー集団に対処してきてもらう。マイルドに嘘をついてやりこめるもよし、ズバッと正論で返して撃退するもよし、物理的にお帰りいただくもよし、だ。
 あぁ……だが、物理的にお帰りいただくのは最後の暴走老人だけだぞ。それ以外のクレーマーに物理手段を行使したら、向こうの思うつぼだ」
 クレーマーがどんどん押し寄せてくるが、手を出していいのはUDCの暴走老人だけ。それ以外のクレーマーは一般人なので、手を出したら逆に店の評判が落ちてしまう。
 口八丁を駆使して、正論で切り返して。様々なクレーマーに適切に対応するのが、今回の仕事の内容だ。
 説明を終えたイミがグリモアから投影する映像を消す。ガジェットをくるりと回せば、聞こえてくるのは穏やかなカントリーミュージックだ。
「準備はいいか、先輩たち? 面倒な案件だとは思うが、無事に仕事を終わらせて、ちゃんと帰って来るんだぞ」





第2章 冒険 『お客様は神様です!』

POW気合で耐え抜く!
SPD速やかに要求に応える!
WIZ頭を絞って言い負かす!
👑11

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●お客様は神様です、と客が言うのはどうだろう
「おい、このメニューは頼んでないぞ! ぼったくるつもりか!」
「どれだけ待たせるつもり!? もういいわ、キャンセルで!!」
 なおもカフェ「マキアート」の店内に響くクレームの声、声、声。
 店員たちは相変わらずげっそりしながら料理や飲料を作っている。クレームの度合いも先程までより幾分、悪質だ。
 そろそろ、嘘だけで言いくるめるには難しい部分もあるだろうか。
 猟兵たちは理不尽なクレームに対処すべく、また動き始めるのだった。

●特記事項
 ・第一章の時より悪質なクレーマーが、店内に跋扈しています。
  言いくるめ、耐え抜き、その他諸々を駆使して、クレーマーを撃退してください。
  ただし、腕づくで追い出すのはダメです。怪我をさせたりしたらクレームの元なので。