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帝都の旋律穿つ刻

作者：幾夜緋琉

●帝都の旋律穿つ刻
「みんな、お疲れ様ー！　今日はみんなに、サクラミラージュの危険を救ってきて欲しいんだ！」
　と、双葉・翔は拳を振り上げつつ、猟兵達に声を掛ける。
　そして、早速立ち止まってくれた猟兵達へ。
「今回の依頼の舞台となるのは、サクラミラージュの街に建つ、オペラホール。このオペラホールでは毎日、サクラミラージュに住む人達に娯楽を提供しているんだ」
「でも、そんなサクラミラージュのオペラホールに、幻朧戦線の者達が襲撃を仕掛ける、というのが予測されたんだ。そして幻朧戦線は、自分達だけでなく、非人道的な殺戮兵器『影朧兵器』を投入してくる様なんだ」
「『影朧兵器』は目に付いた者を全て殺戮する者だ。そしてこの影朧甲胄は、影朧を燃料として動き、影朧の呪いにより操縦者を蝕む……つまり、影朧の呪いで操縦者を逃さず殺す、という危険な相手だ」
「……そんな危険な影朧兵器を放置しておいては、オペラホールを訪れる人達が被害にあう事になる。そこで、皆の力で影朧兵器を討伐してきて欲しいんだ！」
「ちなみに影朧兵器を護る様に、グラッジ弾で武装した幻朧戦線の面々が襲い掛かってくるから、それを先ずは倒す必要がある」
「周囲には一般人も沢山いるから、それを護りながら戦う必要が有る。まあ、幻朧戦線の面々も一般人ではあるけど……罪の無い一般人と、犯罪を犯そうとしている一般人……どちらを助けるべきかは、分かるよね？」
「ちなみに幻朧甲胄は、最初は元としている影朧『八代目『芦屋・道満』』の姿を纏っている様なんだ。これを倒さない事には、影朧甲胄の本体を叩く事は出来ない。つまり、幻朧戦線を倒し、影朧の姿を纏った影朧甲冑を倒し、その仮けの皮を剥がした上で影朧甲胄を倒してきて欲しい……って事になるって訳だ」
　そして、最後に翔は。
「何にせよ、一般人が危機に瀕している状況なのは間違いない。皆の力で、確実に仕留めてきて欲しい。宜しく頼むね！！」
　と、拳を振り上げた。

第1章 冒険 『幻朧戦線の襲撃』

POW   :    襲い来る幻朧戦線の一般兵を肉壁となって阻止し、重要施設や一般人の安全を守ります SPD   :    混乱する戦場を駆けまわり、幻朧戦線の一般兵を各個撃破して無力化していきます WIZ   :    敵の襲撃計画を看破し、適切な避難計画をたてて一般人を誘導し安全を確保します 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

　サクラミラージュの世界の一角にある、オペラホール。
　日毎オペラが演じられ、サクラミラージュに棲まう人達の娯楽の一つとなっている。
　……しかし、そんな娯楽を疎む者達……幻朧戦線が襲撃すると聞いた猟兵達は、オペラホールへと急ぐ。
「……全く……仕方ねえな」
　と亞東・霧亥が溜息を吐く。
　……しかし、この事態を放置しておく訳にはならない。
　そして霧亥は、取り急ぎ。
「皆、こっちだ！　オペラホールに逃げるんだ！　入口一つを残して、全て鍵を閉めるんだ！」
　と、周りに居た一般人らをオペラホールの客席へ逃げ込む様に指示。
　そう指示しつつ。
「あ、あとその壁貸して下さい、御願いします」
　と言うと共に……その壁に手足を生やした、己の身長の3倍のぬりかべへと変身。
　そして、その巨体と硬さで壁になる。
『小賢しい！！』
　と、一般兵の面々が銃撃。
　しかしぬりかべとなった霧亥はその攻撃を通す事無く、その身体で受け止めきり、そして……近づいてきた一般兵を千切っては投げ、更には別の壁をもぎ取り、力任せに投げつけ、一般兵の数を減らすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「影朧兵器ですか……これはなかなか厄介なものが持ち込まれたものですね」
　対峙する幻朧戦線を真っ直ぐに見つめる高階・茉莉。
　しかし、当然のことながら幻朧戦線の面々は、その様な事を考慮することなどはない。
「……どんな相手であれ、一般人を死なせたりはしません！」
　と、決意と共にオペラホールの前に飛び込む。
　そして、恐怖に蹲る来訪客へ。
「大丈夫ですよ。私に任せておけば、必ず助かりますから」
　優しい微笑みと共に、逃げる先を指示。
　しかし、それを妨害しようとする兵士達。
「……オペラホールを、貴方に荒らさせる訳にはいきません」
　と、じっと見据える。
　しかし、兵士達はというと。
『煩い……！！』
　怒号で返し、怒号と共に銃撃。
　……ただ、躱せば逃げている一般人に当たりかねない。
　だから……あえてその身で庇う事で、一般人に攻撃を通さない様にする。
　そして。
「風に舞う茉莉の花々よ、華やかな芳香と共に敵を切り刻みなさい！」
　と『風に舞う茉莉の領域』を発動し、敵対する一般兵達を攻撃し、傷付けていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「それにしても……厄介な人達ね」
　肩を竦めるバジル・サラザール。
　周囲の一般人に向けて無差別に攻撃してくる幻朧戦線……その攻撃から、一般人を抱きかかえ、回避させる。
　敵の数も減りつつはあるが……いかんせん、まだ数が多い。
「ほら、みんな、大丈夫？　ここは私達に任せて、逃げなさい」
　と、一般人らが逃げるのを補助しつつ……転んだりして、怪我をした人が居れば。
「あまり無理はしないようにね……ほら、これで大丈夫。気をつけてね！」
　と、早急に応急処置を施し、逃げる事が出来るように治療。
『ありがとうございます……このご恩は……！』
「恩とかどうでもいいから、生き残る事、いい？　ほら、早く行きなさい」
　発破を掛けるように、肩を叩いて送り出す。
『わ、分かりました……！！』
　と、何度もぺこりと頭を下げながらその場から逃げていく一般人。
　……その後もバジルは、一般人達の逃走を手助けしながら、猟兵の仲間達に後方からの支援を行うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

「……オペラホールを狙うなんて、大胆な作戦を立てる幻朧戦線の方々だね。でも、人々の命を救うのが私達猟兵の役目、ここは頑張るよ！」
　ぐっと拳を振り上げた赤嶺・愛。
　そして、すぐさま彼女はダッシュで一般兵達に向けて接近。
　そして。
「皆の平和の為に、私は戦うよ！」
　と即座に『優しき闘気』を発動し、己に高速移動と64本の光の矢を番える。
　……そして。
「私たちは正義の味方だよ、人々を傷付ける悪い奴は成敗するね！」
　と、強い気概と共に、斬り込みながら光の矢を周囲に多重放射。
　次々と光の矢に撃ち抜かれ、倒れていく一般兵。
　それに倒れなかった敵については、高速移動で接近、一閃……を繰り返して、確実に数を減らし行く。
　対する敵の攻撃については、上手く盾で攻撃を受け止め……返す刀の一閃を喰らわせ、ダメージを加算していく。
　……そんな愛と、他猟兵達の力を合わせる事で、大量に刃を向けていた一般兵達を、確実に仕留めていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『八代目『芦屋・道満』』

POW   :    陰陽召鬼『百鬼夜行』 【調伏した魑魅魍魎や妖怪の大群 】を降らせる事で、戦場全体が【百鬼夜行】と同じ環境に変化する。［百鬼夜行］に適応した者の行動成功率が上昇する。 SPD   :    陰陽双剣『達人剣術』 いま戦っている対象に有効な【属性や状態異常を引き起こす陰と陽の双剣 】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。 WIZ   :    陰陽極意『八卦迷宮陣』 戦場全体に、【各々の恐怖を見せる白昼夢 】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。 イラスト：さいばし 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

　そして、ほぼ全ての一般兵達を楽した所に……。
『……』
　姿を現わした、影朧兵器。
　そして猟兵達に対し、影朧兵器は早速周囲に調伏した魑魅魍魎と妖怪の大群を一気に降らせる。
　……正しく、百鬼夜行の魑魅魍魎の行進が始まる所に、猟兵達は対峙するのであった。


「……これが、八代目『芦屋・道満』の力を纏った影朧兵器か……」
　静かに敵影を見つめる久遠寺・遙翔。
　その傍らに現れ始めた魑魅魍魎、妖怪の大群……『陰陽召鬼『百鬼夜行』』。
　しかし彼らが動く前に、遙翔は先制攻撃を開始。
「最初っから全力で行かせて貰うぜ」
　と、遙翔は彼女の懐へと潜り込むと共に、炎の属性を付与した鎧砕きと鎧無視攻撃の二回攻撃。
　弱点を突いたその一撃は、彼女と、その取り巻きの魑魅魍魎達を薙ぎ倒していく。
　……ただ、まだまだ魑魅魍魎の者共は数が多い。
　それに加え、殺されても怯む事無く……死しても尚、攻撃の手を喰らわせてくる。
「っ……邪魔くせえな……！」
　と苛立ち気味に遙翔は吐き捨てつつも、立ち向かってくる魑魅魍魎共を斬り伏せていく。
　……その間に、相手はというと……『陰陽極意『八卦迷宮陣』を発動。
　猟兵達と己の間に迷路を作り出し、一旦間合いを取る様な動きを見せる。
　そして、その迷宮の中にも更に蠢く魑魅魍魎。
「仕方ねえな……」
　舌打ちしながら、遙翔は天焔解放を使い、立ちはだかる魑魅魍魎共を無差別に叩き伏せていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

　と、仲間が先陣を切る所に、高階・茉莉と赤嶺・愛、亞東・霧亥の三人も追撃。
「芦屋・道満ですか……」
「そうですね。どんな怖い敵が現れるかと思ったら、可愛い女の子だったね？」
「可愛い女の子に、大鬼小鬼……姿形は違えど此処にも沸くか……」
「そうですね……可愛いですが、其処に秘められた力は壮大なものでしょうね……油断は禁物です」
「ええ。強い力を持っている事には変わりないだろうから、油断は出来ません」
「……そうか？　百鬼は少ないな。万は来ないと話しにならん」
　と、三人がそんな会話を躱すのに対し、相手は……八卦迷宮陣に護られた状態。
　そして、更に『陰陽双剣『達人剣術』』を発動し、相手の首をカッ裂く為かの様な曲刀を両手に握り、対峙。
　魑魅魍魎達を嗾け、猟兵達の体力を削る事で、戦闘時に楽になる様に仕向ける。
「さて……と。一気にぶち壊して行ってやろうか」
　と霧亥は『屍山血河』を発動し、『帝竜ワーム』に変身し、百鬼夜行の戦場を、雷雲の支配する戦場に変化させる。
　更に雷雲から大地へ、豪雨の様な雷を降らせ、魑魅魍魎達を雷雲に撃ち抜いていく。
　……そんな雷鳴に、最後のトドメを刺されていく魑魅魍魎。
　その屍を踏み越えて、彼女の元へと接近。
「全ての者に慈愛の力を、そして邪悪なる者には制裁の力を！」
　愛が遠距離から、『ハートフル・レインボー』を発動し、視認している彼女に対して『七色のハート型のエネルギーの嵐』で攻撃。
　更には茉莉も。
「無限に連なる太古の呪文よ、その力で邪悪なるものを退けなさい！」
　『無限の文字列』を発動し、光による攻撃。
　茉莉、愛の二人が遠距離から攻撃し……霧亥が真っ正面から対峙する作戦を遂行。
　雷鳴に過半数の魑魅魍魎が崩れ去り、彼女への道が切り拓かれていく。
「良し。勢いに乗って行くとするか」
　霧亥が仲間達に告げて、後方から茉莉と愛の援護射撃を受けつつ八卦迷宮陣を進む。
　沢山の魑魅魍魎を……あらかた倒し切り、迷宮の出口へと到達すると……そこには変わらず立つ彼女。
「このまま影朧甲胄の本体を叩きます！　オブリビオンの力を砕きましょう！」
　と茉莉が言うと、それに愛、霧亥二人も頷く。
　そして、最も接近している霧亥の一閃に続き、愛も。
「これでも喰らって下さい！」
　マヒ攻撃を織り交ぜた、全力の一撃を叩き込む。
『グゥ……』
　……僅かながら、くぐもった声が聞こえる。
　どうやら、その一撃が効いた模様で。
「効いてるみたいだな。良し、一気に畳みかけるか」
「そうですね……一気に仕掛けて、オブリビオンの力を破壊しましょう！」
　霧亥の言葉に茉莉が頷く。
　そして、茉莉は二回攻撃で、更に彼女を四方八方から仕掛け、追い詰める。
　更に愛のマヒ攻撃、霧亥の雷鳴の一撃を上空と正面の二陣から攻撃。
　影朧兵器の纏いし、仮初めの姿『八代目『芦屋・道満』』は、それに対抗しきる事も出来ず……彼女の纏いし幻想を砕き散らすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第3章 ボス戦 『影朧甲冑』

POW   :    無影兜割 【刀による大上段からの振り下ろし】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    影朧飛翔弾 【甲冑の指先から、小型ミサイルの連射】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。 WIZ   :    影朧蒸気 全身を【燃料とされた影朧の呪いが宿るドス黒い蒸気】で覆い、自身が敵から受けた【影朧甲冑への攻撃回数】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。 イラスト：雲間陽子 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

　……そして、仮初めの姿が解けた後。
　禍々しく、完全なる機械な姿……『影朧兵器』。
『……』
　ただ、影朧兵器からは何か言葉を発する事も無い。
　ただ、目前の猟兵達を殺す事が、目的。
　勿論、その中に隠されし搭乗者は……殺さなければ死ぬがのみ。
　だからこそ、殺すが為に動くのであった。












「……とうとう現れましたね、影朧甲胄」
　唇を噛みしめ、見つめる高梨・茉莉。
　それに赤嶺・愛も。
「うん。影朧甲胄……何とも禍々しい存在だね。それも殺意しか持って居ないのなら、話し合いの余地もないし、戦うしかないか」
「ええ。殺戮の為に動くものならば、私達も容赦しません」
　愛と茉莉の会話、それに白匣・覚醒も。
「それにしても……禍々しい気配一杯ですね。何か……あの甲胄に囚われていて出られない、というか……棺の様な気がします。まぁ、それを解放するには倒す他にはないのですが……」
　静かに瞑目した覚醒に、七星・桜華とレシア・ラミリィズが。
「そうだね。倒さない事には一般人が被害に逢うだけ。そんな事、させる訳には行かないしね！」
「ええ。わたくしと楽しく殺し合いましょう？」
　と言うと共に、ダンスのステップを踊るが如く、レシアが進み出ていく。
　……ただ、まだその太刀筋は大振りで、影朧甲胄は上手く躱す。
　そして、反撃の一閃、『無影兜割』を、その頭上から一閃、叩きつける。
　……が、その一撃を。
「っ……！」
　咄嗟に間に割り込んだのは、亞東・霧亥。
　無刀取りを発動し、敵の一閃を無効化。
『……』
　そして、攻撃を受け止められた影朧甲胄は、剣を一端持ち上げ、間合いを取り直す。
「……結構効くな……」
　衝撃を受け止めた腕に、しびれが残る……それだけの衝撃を繰り出してくる強敵。
　……まぁ、攻撃自体が大振りなので、良く良く見極めれば躱す事も可能ではあるが……。
「何にしても、倒す他にありません……行きます。無限に連なる太古の呪文よ、その力で邪悪なるものを退けなさい！」
　と茉莉が早速『無限の文字列』を発動し、光の属性攻撃で集中攻撃。
　更に愛も。
「皆の平和の為に、私は戦うよ！」
　と『優しき闘気』を纏い、高速移動能力を手に入れた彼女が懐に潜り込み。
「喰らって！」
　と、光の矢を至近距離から大量に放つ事で、光の矢による串刺し攻撃。
　……そして、桜華も。
「天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと！」
　と、強い口調で言い放つと共に、懐に潜り込んだ愛に合わせ、地を蹴り飛翔。
　影朧甲胄の頭上の方から、鎧無視を載せた一撃を叩きつけていく。
　……その硬い甲胄を貫き通す強烈な一撃に、数歩退く。
　でも、すぐに攻撃の体勢を取らされ……攻撃体勢。
「……ふむ……やはり操られている様な感じですか？　……取りあえず、攻撃を続けましょうか」
　と言いつつ、覚醒は『謎を喰らう触手の群れ』を発動し、敵に紫の触手の塊より、高命中力の謎を喰らう触手を飛ばし、絡みつかせる。
　その拘束を、大きな左、右に振って振り解こうとするが……しっかりと絡みついていて、引き剥がせない。
　そんなジタバタしている彼に、レシアが更に。
「ふふ……面白いですわね。さぁ、カーミラ。一緒に踊りましょう！」
　微笑みを浮かべたレシア……それに呼応する様に、その手の鮮血剣『カーミラ』が、彼女の手の中に戦慄く。
　……すると、彼女の動きは先程までとは全く違い……俊敏に。
　剣と共に影朧甲胄へと斬り掛かる……反撃の一閃を喰らったとしても、血を被り、笑みを浮かべながら剣を振り回す。
　……ただ、その攻撃は時に味方にも剥いてしまったり。
「そこ……違いますよ！」
「うふふ、ごめんあそばせ！」
　愛の言葉に笑うレシア。
　……ともあれ、レシアの剣撃は、敵の攻撃を惹きつけつつも、渾身の一撃を度々繰り出すので、共にダメージを大きく減らして行く。
　ただ、レシア自身もかなりのダメージを喰らい……共に傷つき合う。
　それを補助する様、霧亥、桜華も別の面に回り込み、背後からの一閃を繰り出していく。
　3面から幾度となく攻撃を繰り出し、敵の体力を削り行く。
　ただ、影朧甲胄は猟兵達の攻撃に対し、【影朧蒸気】を噴出。
　ドス黒い蒸気を更に吹き出し、戦闘力増強及び生命力吸収能力を付与する。
　……だが。
「勝った後に派手に騒ぐんだ！　だからここで誰一人として倒れはしないよ！　我が闘気、解き放つ！！」
　と叫びつつ、桜華は【フルバースト・オーラデストラクション】を発動し、攻撃力を上げて、攻勢。
　茉莉、愛の二人も、一撃毎の攻撃力を増やす様、全力魔法や破魔、鎧無視攻撃を大量に重ねる事で、一撃、一撃の攻撃力を大幅に強化した上で、確りと攻撃を叩きつける。
　そして、霧亥が。
「この拳に穿てぬもの無し！」
　懐に潜り込んで、帯電する拳による超高速かつ、大威力の一撃を放つ【鬼哭雷鳴・螺閃拳】。
『……！！』
　その一撃が決まると、雷音と共に、影朧甲胄の全身が雷鳴に包まれる。
　……その雷鳴により、僅かではあるが敵の動きが鈍る。
「今です」
　戦況を静かに判断していた覚醒が、仲間達へ伝える。
　そして、呼吸を合わせた猟兵達が……敵の動きの隙をついて、全方位を取り囲む。
「うふふ……さぁ、もっと楽しく、わたくしと殺し合いましょう？」
　カーミラを突き刺し、敵の甲胄の継ぎ目に一閃を喰らわせると……そこから血飛沫が噴き出す。
　……それと共に、甲胄は片膝からがくり、と崩れ墜ち、体制を崩す。
　どうにか立ち上がろうとするが……上手く立ち上がれない。
「……あなたも死にたくは無いから殺そうとしたのでしょうけれど、私もむざむざと死ぬわけにはいきませんので、ごめんなさい」
　と、茉莉が言い放つと共に、渾身の全力魔法を叩き込む。
　そして、愛も。
「可哀想な機会だったけど、どうか安らかに眠ってね」
　と宣言すると共に、ダッシュし、優しき闘気の光の矢を至近距離から全弾、放つ。
　……そんな猟兵達の、一撃一撃が重い総攻撃。
　体制を崩した影朧甲胄は、攻撃を躱す事も出来ず……立ち上がることも出来ない。
　その硬いはずの甲胄も、所々が破損。
　……甲胄の下に蠢く素体が、苦しむ様な素振りを見せるが……それを救う事は、最早不可能。
　……そして。
「さて……と、そろそろ終わりにしようか。苦痛無く、一撃で終わらせる」
　と……その素体の所に、再び『鬼哭神鳴・螺閃拳』の一閃。
　その一閃に……影朧甲胄は、完全に動きを止めたのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

最終結果：成功 完成日:2020年06月12日 宿敵 『八代目『芦屋・道満』』 を撃破！