7
ねこねこパイレーツ!(作者 天宮朱那
7


●メガリスの試練
『ふぎゃあああぁぁぁおぉぉぉっっ!!!』
 とある島の一角。その海賊団の駐留地ではある試練が行われ、それは失敗した。
「これはいかんにゃ! メガリスに飲み込まれやがったにゃ!」
「船長! 命令を、にゃ!」
 バンダナをつけたケットシーが叫び、猫科キマイラが身構える。
 試練が行われた広場には暗黒の渦が巻き、その中央ではコンキスタドールと化した、かつての仲間の変わり果てた姿。船長と呼ばれたケットシーはカットラスを掲げ叫んだ。
「ああ――海賊として部下の不始末のオトシマエをつけるのは掟だぜにゃ!」
 号令と共に海賊団全員で海の魔物と化した同胞に向け飛びかかった。
 すまない、フラウ。
 船長と呼ばれた漢の頬を一筋の涙が伝い――。
『はっ! あたいを止められるものか! クソが!!』
 あっさり返り討ちに遭ったのだった。

●猫島の海賊団
 グリモアベースに集う猟兵達を前に、ミカン箱の上に載ってロータス・プンダリーカ(猫の銃形使い・f10883)は尻尾をゆらりと動かしながら説明を始めた。
「その島、昔アルダワ世界から落ちてきたみたいで……にゃんと住人達の殆どがケットシーなんですのにゃ」
 多分ケットシーがいっぱいの場所から来たのだろう。そして暖かい気候が彼らには適応したらしく、のんびりまったり南国海ライフを営んでいるらしい。
 通称「猫ヶ島」が今回の舞台である。

 ケットシーと言えば冒険を美徳とした種族である。大海原の大冒険に出ない訳が無い。そんなケットシーや、周辺島の猫科キマイラや賢い動物(主に猫)で構成されたのが、今回の救出対象である「ねこねこ海賊団」なのだ。
「集落や漁村から離れた入り江に海賊団の拠点がありますにゃ。そしてそこで彼らはメガリスの試練を仲間の一人に受けさせて……彼女は失敗して命を落とすのにゃ」
 しゅんと耳を伏せてロータスは告げる。フラウという女海賊の落命、その定めは変えられない。おまけにコンキスタドールと化したフラウは、掟に従って彼女を葬り去ろうとしたかつての仲間達を容赦なく返り討ちにしたのだ。

「海賊さん達は地面に深さ3mくらいの大穴に放り込まれて実験台にされてますのにゃ」
 実験台?と誰かが問うと、ロータスはこくりと頷いた。
「フラウが手にしたメガリスは、無限にお酒が溢れる杯ですにゃ。けど代償として彼女自身は酔わない体質の動物『ハネオツパイ』の姿になってしまいましたにゃ」
 元々酒好きな彼女。ビバ呑み放題!なのに酔えない。お陰でイライラが募るばかり。
「自分が酔えるお酒漁ってて、その飲み物が本当に酒か確認するのに海賊さん達へアルコールハラスメントやマタタビハラスメントしてますのにゃ」
 どうやら猫じゃなくなったのでマタタビでも酔えなくなったらしい。
 このままでは海賊達がアル中で肝臓やられて死んでしまう。

「まずは海賊さん達を救出して欲しいですにゃ。フラウが酒蔵漁りに行ってる間に潜入して助けるのにゃ」
 ただしフラウに召喚されたジャコウネコキマイラのコンキスタドール達が見張り番としているので、戦いは避けられない。
「救出活動してる頃にはフラウが戻ってくると思うにゃ。海賊さん達は酔ってフニャンフニャンだけど……彼らの声がフラウに届くかも知れにゃいし」
 元々は仲間だった彼ら。コンキスタドールと化した彼女の心に響けば、動揺させてやる可能性は否定出来ない。
「無事に終わったら、海賊の掟を果たせた海賊団は宴会をするのが決まりなのですにゃ。島の人達も誘われるらしいし、参加してくると良いですにゃ」
 勝利の宴でもあり、喪った仲間への餞でもあるらしいから。
「ボクも別世界の同胞が気になるんで顔出し行きますにゃよ」
 決して海の幸、即ち豊富なお魚さん目当てな訳では無いと強調しつつ、ロータスはグリモアの光を掲げて猟兵達を送り出すのであった。





第3章 日常 『ねこのしま』

POWケットシー達とノンビリ過ごして交流
SPDケットシー達と食事しながら交流
WIZケットシー達と歌って踊って遊びながら交流
👑5 🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コンキスタドールと化した女海賊・フラウは猟兵達の助太刀により、骸の海へと葬られた。ねこねこ海賊団の面々は海賊の掟を果たせた安堵に胸を撫で下ろしていた。
 お酒を散々無理矢理飲まされていた海賊達も、薬やらお茶やら回復の術やらで元気を取り戻し、まだ体調が優れない者も直に良くなることだろう。
「お前らのお陰で助かった――海賊団を代表して礼を言うぜにゃ」
 船長猫は堂々と尻尾を立てたまま、猟兵達に頭を下げた。
「海賊の掟を果たした後は慰労もこめて宴会をするのが習わしだぜにゃ」
 是非、助けてくれた皆にも参加して欲しいと海賊達は口々に述べ、そのまま会場となる島の集落にある大きさ酒場へと案内された。

「お疲れ様ですにゃー!」
 そこでは案内をしたロータスが既に、料理を並べるお手伝いをしながら皆の到着を待っており、耳をぴこぴこしながら出迎えた。
「本当はフラウさんが試練を通過したお祝いになる筈だったらしいけど……」
 海賊達も猫ヶ島のケットシー達も、皆解っている。メガリスの試練の恐ろしさを。
 だから、この宴は喪った仲間への餞でもあるのだ。
「新たな気持ちでまた出航する為に、沢山食べて飲んでするんだぜにゃ!」
 船長猫がマタタビ酒の入ったジョッキを掲げた。あれだけ飲まされたけども、自分の意思で好きな酒を飲むのはまた別の話らしい。

 豊富な海の幸を頂くも良し。
 海賊団や島のケットシーたちと交流するも良し。
 船長猫と語り合うも良し。

 猫ヶ島のケットシー達との繋がりが出来た事を喜び祝い、お互いを識る為の時間が穏やかに始まる。
アルデルク・イドルド
何というか…お疲れさん。
メガリスは強力だがその試練もまたたやすいもんじゃないからな…しかたい割り切る方が楽なのかもしれないが。
そうはいかないものだよな…。
まぁ、今は飲んで騒いで少しでも気を紛らわそうぜ!【宴会】
マタタビ酒だけじゃなくてラム酒はねぇのか?
俺はアレの方が好きなんだが。

…メガリスは時に人生を左右。今回みたいな悲しい結果もあるだろうが。
俺やあいつみたいにある意味メガリスによって助けられた人間もいるからな…。
あの時メガリスをみつけなきゃきっと今の俺は居ないだろうから。


「何というか……お疲れさん」
 アルデルク・イドルドはねこねこ海賊団の面々に声かけながら、彼らが座る酒場の宴会テーブルの間を歩いて回っていた。
「うにゃ、海賊のアニキだにゃ」
「人間の海賊は強くて格好良いにゃあ!」
「活躍しっかり見たにゃ! 助けてくれてサンキュだにゃ!」
 身体の小さなケットシーの海賊からすると、人間の同業者に興味津々。フンフンと鼻を鳴らし尻尾をふりふりしながら、アルデルクと仲良くなりたい雰囲気を出しまくっている。
 そこに船長猫もやってきてヒゲをごしごし整えてから肉球の手を差し出してきた。
「アルデルクと言ったかにゃ。同じ海の男として感謝するぜにゃ」
「なに、困った時はお互い様だ」
 がしっとその手を握り、力強く握手を交わしたアルデルク。
「それに――メガリスは強力だがその試練もまた、たやすいもんじゃないからな……」
 そう告げる青年の悲しく寂しげな言葉に、皆神妙な表情でこくりと頷き、船長猫はマタタビ酒の入ったジョッキをぐいっと飲み干して言う。
「ここにいるユーベルコードを得た連中は皆それなりの実力と、運があったからこうしているんだぜにゃ。あいつは……運が悪かった、そう思いたいぜにゃ」
 割り切る方が楽なのだ。海賊として生きる道を選んだ以上、いつかはこんな悲しい出来事が起きる事は解りきっている。それは皆、重々承知の上なのだ。
(「だが、なかなかそうはいかないものだよな」)
 苦笑いを浮かべるアルデルク。海賊猫達の表情と、何よりその尻尾の動きを見れば彼らが今どんな感情を胸に抱いているかは解る。
 だからこそ。
「まぁ、今は飲んで騒いで少しでも気を紛らわそうぜ!」
 それこそが海賊の流儀だとも解っているから、彼は声を上げる。そして手元に運ばれたジョッキの酒を一口飲むと、何とも言えない微妙な顔をした。
「おいおい、マタタビ酒だけじゃなくてラム酒はねぇのか? 俺はアレの方が好きなんだが」
 どうも人間の味覚には合わない味だったらしい。その様子が可笑しかったのか、ケットシー達は思わずケラケラニャーニャー笑い出し、彼も釣られて肩を揺らす。

 猫達は悲しみを吹き飛ばし忘れんとするかのように。
 彼らと共に酒を煽り、アルデルクは思う。
 メガリスは時に人生を左右する。今回みたいな悲しい結果もあるだろう。
 ――だが。
(「俺やあいつみたいにある意味メガリスによって助けられた人間もいるからな……」)
 冒険と一緒なのだ。大いなる収穫と代償は紙一重。この海に生きるのは命懸け。
 あの時メガリスをみつけなきゃ、きっと今の俺は居ないだろうから。
 己自身と目の前の猫達を比べ、重ね合わせながらアルデルクはその海賊猫達と杯を合わせるのであった。
大成功 🔵🔵🔵