海のそこ、きみの月(作者 遅咲
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#キマイラフューチャー  #戦後 


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#キマイラフューチャー
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#戦後


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●海のそこ、きみの月
 ゆらゆらと、水面が揺れる。こぷりと洩れた空気の泡が、静かに天へのぼる。
 ひかりの梯子はまっすぐ降りることはなく、やんわりと曲がりながら水底に沈んでいく。
 電子の幻がつくりだした海中を、あわい花弁が、水晶の欠片が、星の雫が泳ぐ。
 見上げてみれば、丸いかがやきの輪郭はぼやけていて。

 きらきら、きらきら。

 ――背ぇ高のっぽの青い流れ星が、月へと手を伸ばした。

●星のいろ、ぼくの空
 グリモアベースで佇む長身の人間が、猟兵達に頭を下げる。
「こん、にちは。キマイラ、フューチャー、の、事件、です」
 世母都・かんろ(秋霖・f18159)が青年の声でたどたどしく世界の名を告げると、その背で揺らいでいる空間が、ポップなサイバーパンク都市の景色を映す。手にしたタブレット端末を操作すると、彼の物ではない女性の声が説明を始めた。

「現在、キマイラフューチャーで静かな流行となっている小さな箱庭型テーマパークに怪人が出現します。そのテーマパークはホログラムによる仮想空間での体験を売りにしており、期間を設けて都度内容を変更しています。
 今回は月夜の海がテーマとなっており、ホログラムによる疑似的な月夜の海を、水底から楽しむ仕様となっています。花弁や水晶、星の雫など、参加者の想像する様々な物を自由に浮かせることが出来ます。
 また、アバターによる別人格や匿名で『いらないもの』を捨てに行くことも出来ます」
 いらないもの、という言葉に首を傾げた猟兵達に、かんろが小さく言葉を洩らす。
「おもちゃ、とか、指輪、とか。大切、に、して、た、もの。小さな、もの、なら、なんで、も。ゴミ、じゃ、なければ、いい、ん、ですって」
 そう語ってから、再び端末を操作して女性の声を呼びだす。
「月夜の海を体験中、怪人達が乱入してくるでしょう。皆様にはまず箱庭を楽しんで頂いてから、その撃退をお願いします――以上」

 かんろはそっと傘を開いて、猟兵達をちらりと見る。
「夏、だか、ら。ホロ、グラム、の、海、も、涼しくて、綺麗、だと、思い、ます」
 グリモアのてるてる坊主が、ふわりと踊った。


遅咲
 こんにちは、遅咲です。
 オープニングをご覧頂きありがとうございます。

●成功条件
 月夜の海を楽しんで、全てのオブリビオンを撃破する。

 皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
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第1章 日常 『つきはそこから』

POW深海魚の心地で游ぐ
SPD名無しの匿名希望さん
WIZ偽物アバターの独り言
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


鵜飼・章
夜も海も僕は好きだからここはとても居心地がいいね
ゆらゆら漂うホログラムを眺めていたら
なんだかうとうと眠くなってしまうよ

昨日も夜更かししてしまったんだっけ
僕が眠るまでは今日なんだ、なんてよく口にする屁理屈で
夜が好きなひとは月や星を眺めているとは限らないんだって
明日が来るのがいやだから夜を更かしてしまうんだ

『明日』っていらないものには入らないのかな
匿名で明日くんを放流したらどうなるんだろう
月のとなりに朝日が昇ったりしてね
ナンセンスだよ
だって僕は海底から明日と今日の境目を眺めてる

ほかにも浮かべていいのかな
じゃあ鴉…いやカブトムシ…
ううんかわいくない
ウミクワガタなら許されるかな…
空気を読んで蝶にしよう


 こぷり、ぷかり。青の濃淡が光と影に揺らめいて、海底に迷い込んだ猟兵達を出迎える。
 アメジストの双眸を細めながら、鵜飼・章は幻想の海で掌を泳がせる。
 夜も海もすきだから、此処はなんだか居心地がいい。リズムを取ることなく、自由気ままにゆらゆら漂う星の雫、花のひとひら。何をするでもなく眺めているだけで、なんだか眠たくなってしまう。
「(昨日も夜更かししてしまったんだっけ)」
 うとうとしだした思考の隅で、過ぎてしまった夜を思い出す。僕が眠るまでは今日なんだ、なんて。よく口にする屁理屈が、人間社会ではあまり通らないことは識っている。
 どこかの誰かが言っていた――夜が好きなひとは、月や星を眺めているとは限らないんだって。
「(明日が来るのがいやだから、夜を更かしてしまうんだ)」
 ふと、思いつく。『明日』は『いらないもの』になるのだろうか。せっかくの重い月、やってみようと匿名で流した『明日くん』に、さようなら。やわい月の隣に朝陽が昇って融けたりするなら、
「ナンセンスだよ」
 だって僕は――海底から明日と今日の境目を眺めてる。
 章の想いを汲んだのか、ただの偶然でしかないのか。流した『明日』は、ゆるやかなひかりのながい魚と成って、海の底で静かに丸まっている。
 君はそうなるんだ、と声をかけて、ほかにも浮かべてみようか思案する。
「じゃあ鴉……いやカブトムシ……」
 ううん、これはわかる。たぶんきっと、世間的にかわいくない。ウミクワガタならどうだろう、ちゃんと海の生き物だし。
 結局のところ空気を読んだ青年は、浮かび流れていく蝶々を見送る。ぱちりぱちりと明滅を繰り返す蝶が、いつかの境目でゆるやかに融けていった。
大成功 🔵🔵🔵

川村・育代
最近のバーチャルシアターは進んでるのね。
本当の海の中みたいね。
海の中にプカプカ浮かんで漂いながら月明かりや満天の星空を眺めるイメージで楽しむわ。
たまには何も考えずに美しい物を楽しみながらくつろがせてもらうわ。
えっ、捨てたい物?無いわね。
確かに、あたしは人間の醜い面ばかり見てきたけど、だからってそういった物を捨てるのはそれに関わった子たちの事を忘れてしまうような気がするから。
あの少女の真っ黒な炎のような怒りと氷の刃で身を切られるような悲しみ、あの少年の迫り来る死への恐怖と絶望、その身を蝕む病の苦痛、健康な子への憎しみに似た羨望、他にもいろいろな物があたしの一部になってるから。


「本当の海の中みたいね」
 最近のヴァーチャルシアターの技術進化に、川村・育代は感心の声をあげた。ただでさえ軽いエクトプラズムの身体は、今はぷかぷかと海の中に浮かんでいる。漂う少女の視界には、月明かりと星屑が散りばめられていた。
 バタ足ひとつすることなく、ただ浮き沈みを楽しむ。たまにはなんにも考えず、美しいものだけを見ていたっていい。青くて透明な水の流れを、育代は深呼吸して体内へ招き入れる。
 ふいに、指先に触れた星のかけらが、音も立てずにゆるやかに融けて消えてを繰り返す。そういえば、『いらないもの』を捨てることができるんだっけ。けれど育代の頭には、
「無いわね」
 そう、『捨てたいもの』なんてひとつも浮かばなかった。
 人間の醜い面ばかりをその目に映し、その身に吸収してきた負の感情。それを捨て去ってしまっては、その感情に囚われたこども達を忘れてしまう気がした。
 少女の真っ黒な炎のような怒り、氷の刃で身を切られるような悲しみ。同級生の嘲笑りへの悔しさ。
 少年の迫り来る死への恐怖と絶望、その身を蝕む病の苦痛。健康な子への憎しみに似た羨望。
 そのどれもが痛々しくて、かなしくて、やるせなくて。全部代わってあげたくて、すこしずつ分けてもらった、いろんな感情のかけら達。全部があたしの一部だから、一粒だって誰にも渡してやらない。
「それに、この海にはきっと不要だわ」
 目の前を通りすぎる水晶の群れが、おかっぱ頭にふるりときらめきを遺していく。
大成功 🔵🔵🔵

アース・ゼノビア
【庭】
泡を触っても感触がない…ほんとに幻なんだ
幽玄な海の底を回遊しつつ、迷わないようにと
淡い光の粒を描き
小石のように爪弾いて落としていく
ふと振り返れば、逃げる石ひとつ
…あれ?ヤドカリになっちゃったかな?

湖近くで育ったから、海には潜ったことなくてさ
人魚やイルカで賑やかな頭上を見て微笑み
さて何を描こうか…

浅いところはこないだルゥと歩いたよな
珊瑚の間に貝がいて
巻いてる貝、潜る貝、飛んでく貝(パフパフと泳ぐ二枚貝を描き)

オズは海詳しいよね。どんな魚が住んでるの?
…いや、オズが描くやつ美味しそうなやつばっかり
このままでは献立の幻が浮かんでしまう…
今夜は魚を買って帰ろうか…
(苦し紛れにイカを描いて逃がし)


オズウェルド・ソルクラヴィス
【庭】
…、…確かにすげーな
何度か夜の海中も経験したが…
こういう世界は見たことがねぇな…
月光を湛える青に魅せられながら共に歩き
ふと、その軌跡に小石達を発見し
コイツも面白い事をするよなと
こっそり、その内の一つを小さなヤドカリに変えてみる
その内動くかもしれないが…
一つくらいなくなっても怒らねぇだろう
…たぶん

にしても、何を悩む必要があるんだ?と
逆に首を傾げて悩み
ルゥーに誰が、食うか…と反論しながら

海…
魚な…

アジ、ヒラメ、マダイ…
そういや色とりどりのスズメダイの仲間も食えるんだよな…と
思い浮かべては泳がし
イルカや人魚
ようやく出て来たイカに
盛り過ぎじゃねぇかと内心で思いながらも
タツノオトシゴも足してみる


ルゥー・ブランシュ
【庭】
わぁ!すごいっ!
海の中なのに息ができる~✨

珊瑚さんも
お魚さんもこんなにいっぱい見るの初めて!
でも、お月様は海の中から見ても綺麗なんだね~🌕
(とわくわくしながら二人に話しかけ

ねぇねぇ、人魚さんもいたりするのかな~?
イルカさんにも会いたい!
(白イルカや精霊のような微笑む人魚も想像して
ほろぐらむってすごいね!
魔法みたいv
そうだ!
ねぇ、オズもアースも何か出して~♪
一緒に、3人の海さん作ろう✨
あっ!でもオズ、ここのお魚さん獲って食べるのは禁止なの!
(さっと浮かべた小さく青いお魚さんを手で隠して
うん、巻貝さんもイカさんのお友達も作るー!
(アースの話からも想像してピンクのクラゲさんも作り出していく


 すぅ、と吸い込んだ息はそのまま、溺れる苦しさは一切感じない。海中で呼吸ができることに、ルゥー・ブランシュは目を輝かせた。
「わぁ!すごいっ!」
「ほんとに幻なんだ」
 こぷりと浮いた水泡に触れてみても、弾けて消える感触だけがない。アース・ゼノビアが不思議そうに首を傾げる隣で、オズウェルド・ソルクラヴィスも、青のグラデーションに満ちた世界をぐるりと見渡した。
「……確かにすげーな」
 これまでも何度か夜の海中を体験していても、海の底を不自由なく泳ぎ歩くことなんて滅多にない出来事。ルゥーほどこどもじゃないけれど、心が動かない訳がない。
 太白桜をゆらりと流して、少女は青年二人の先をゆく。だって珊瑚さんもお魚さんも、こんなにいっぱい見るのは初めて。
「でも、お月様は海の中から見ても綺麗なんだね~」
「ルゥー、あまり急がないようにね」
 幽玄に微睡みそうな水底は、電子の海とはいえ迷ってしまいそうで。アースはふと思いついたように、人差し指を絵筆の代わりに小さく動かす。
 ころんと生まれた光の粒は、ヘンゼルとグレーテルを救った小石のように青年達の来た道に輝きを落としていく。迷子になっては困るから、と、少し心配性な親友のはからいに気付いて、オズウェルドはちょっとしたいたずらを思いつく。
 アースとルゥーが見ていない隙に、ひかる小石の一粒に手足を付け足し。新たにいのちを宿した小さなヤドカリは、えっちらおっちら大逃亡。
「……あれ?」
 何気なく振り返ったアースの目に、それでは皆さんさようなら、と逃げる小石の姿。ヤドカリになっちゃったか、とくすり笑む視線の先には、その犯人の素知らぬ顔。
「ねぇねぇ、ココって人魚さんもいたりするのかな~? イルカさんにも会いたい!」
「人魚は居ねえだろ」
「そんなことないもん!」
 つれない幼馴染に頬を膨らませて、ルゥーはぎゅっと両目を閉じて想像の翼を広げる。瞬間、ゆっくりと三人の頭上を泳ぐ影が映った。
「わぁあ、居た~!」
 淡い髪を靡かせながら、七色に輝く尾びれを揺らめかせた人魚姫は、少女の思い描いた童話のヒロイン。共に泳ぐシロイルカはきゅいきゅいと鳴いて、くるりんとその場で一回転。
 ほろぐらむってすごい、まるで魔法なの。そうだ、と閃いたなら早速実行。青年二人にも何か出してとせがんでみせる。
「一緒に、三人の海さん作ろう! あっ! でもオズ、ここのお魚さん獲って食べるのは禁止なの!」
「誰が食うか……」
 一方アースはというと、少女のお願いごとに意外にも考え込んだ様子で、さて、何を描こうかと頭上の人魚とイルカを見上げた。
「湖近くで育ったから、海には潜ったことなくてさ」
 すぐには思いつかないんだ、とゆるく微笑を零す。対してオズウェルドは首を傾げる。むしろ何を悩む必要があるのだろう、海に居るモノなら何でもいいだろうに。
「オズは海詳しいよね。どんな魚が住んでるの?」
「まぁな、海……魚な……」
 さらりと動いたオズウェルドの指先が、アジにヒラメ、マダイと次々に賑やかさを増していく。そういや色とりどりのスズメダイの仲間も食えるんだよな……と思った時には、瑠璃色の小さな魚を泳がせていた。瞬間、さっと自分の背中に隠すルゥー。だってなんだかオズの食欲も増してるもん。
 このままでは献立の幻が浮かんでしまう。二人の攻防にくすくすわらいつつ、今夜の晩御飯は魚を買って帰ろうか。ふと、アースはこの前ルゥーと出かけた浅瀬の海を思い出す。確か珊瑚の間に貝が居て、巻いてる貝、潜る貝、それに飛んでく面白い貝。自然と指先が描いたのは、ぱふぱふと口を開けては泳ぐ二枚貝だった。
 巻貝を描いたあとには、イカもそっと流して。ルゥーが描いたピンクのクラゲが更に海に華やかさを添える。
 盛り過ぎじゃねぇか、と内心思いつつも、最後にオズウェルドがタツノオトシゴを連れてきて。
 気付けば三人の海は、人魚姫の住む美しい海の国になりましたとさ。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳥栖・エンデ
わあ、魚でもないのに水底から
月夜の海を見られるなんて
貴重な体験が出来たもんだねぇ
深海魚の気持ちで愉しもうか

ぶくぶく沈む心地が味わえないのは
ちょっと残念だけれども
夜空はどんな場所から見上げても良いものだ
……本物の星に、手は届かないけれど
白色、黄色の花びら浮かべて
少しは掴めそうな気分が知れるだろうか

海中でだけ息の出来る魚でも
星に近づける鳥にも成れないが、
こうして夢の見られるヒトであったのは
別に悪くもなかったと想う〜
まあ、仮想空間なんて言ってしまうと
夢から覚めてしまいそうだけどねぇ


アドリブも歓迎です


 わぁ、と感嘆の声をあげて、山羊の蹄がこつりこつりと電子の海をゆく。月の光が降り注ぐ水底を、魚でもないのに見られるなんて。
「貴重な体験が出来たもんだねぇ」
 鳥栖・エンデは感心するように言葉をもらして、深海魚の気持ちで愉しむことにした。こぷりと泡が溢れはするものの、ぶくぶく沈む心地は味わえない。それがちょっぴり残念だけれど、夜空というものはどんな場所から見上げても良いものだと知っている。
 見上げる度にぽっかりと浮かぶ月はゆらゆらと輪郭を亡くしていて、満月にしては不安定な形をしている。
 淡い白と黄色の花弁が、ふわりとエンデの身体を攫うように寄せては返す。まるで砂浜に打ち寄せる漣の彩に似ていて、時折彼の掌や飾り羽根に触れては融けた。
 ――本物の星に、手は届かないけれど。
 少しは掴めそうな気分が知れるだろうか、と浮かべたひとひら達が、やわく踊っては揺れる姿に目を細める。
 蛇の鱗尾を疑似的な水の流れに揺蕩わせれば、花弁と共に月光を吸収して、きらりと新しいひかりを生み出す。
 様々な青色に混じって輝く花弁に、水晶の欠片や星の雫も相まって、幻想の海の底でエンデは歩く。
 海中でだけ息の出来る魚でも、星に近づける鳥にも成れないが。こうして夢の見られるヒトであったのは、別に悪くなかったと想う。まあ、仮想空間なんてばっさり言ってしまうと、夢から覚めてしまいそうだけどねぇ。
「それはもう少し先にしようかな~」
 今はまだ、月夜を見上げる。幻の海の話を、新しい物語のひとつに加えるのもいいかもしれない。科学でつくられた偽物の中でも、ヒトは夢を見られるのだから。
大成功 🔵🔵🔵

天音・亮
巴(f02927)と

見て見て巴
すごいね、これホログラムなんだって
月が照らす海の箱庭
いつも賑やかな声は少しだけ小さめに
きっと届くよ、巴なら

掬うように掌を開けばその中にも小さな月夜の海が出来て
いらないものかあ…
巴は何かある?

私は思いつかないなあ
欲張りだから、大切なものはひとつも捨てたくないよ
もしかしたらいつか抱えきれずに溢れて零れて
どれか捨てるしかなくなっちゃう未来が来るとしても
最後の最後まで私の中に居て欲しいって、そう思っちゃう

巴は何かを捨てるんだろうか
それとももう捨てたことがある?
分からないけど、月を見上げるきみは何処かいつもと違って見えた

月を見ると私は少し怖くなる…でも
それはまだ内緒


五条・巴
亮(f26138)と

水底から月を
そう、ここからでも月は
月の光は届くんだね

ホログラムで映し出された煌めく水面
隣の亮から聞こえる小さな声も拾うことは容易いくらい
静かな場所

僕もここまで届くかな

…いらないもの、捨てたいもの
あっても僕は捨てれないんだろうな

欲張りでもわがままでもいいじゃないか
僕だって、僕が手に入れたもの全て、離したくないよ

水面の更に下、いつもより遠くに見える月はまぶしい
言葉にはしないけれど、捨てれるとするなら
──生まれた時から僕を縛る”定”は捨ててみたい

亮の掬う水面の月は自分の手で覆い隠して、
綺麗な景色だねって、笑って見せた


「見て見て巴、すごいね」
 幻の水底で、天音・亮が空色の瞳を瞬かせる。ホログラムがつくった月が照らす海の箱庭では、賑やかな声をいつもより小さく落として密やかに。
 隣で微笑う五条・巴も、そっと天井の無い青色と光を見上げる。水底から月を――そう、ここからでも。
 電子仕掛けで煌めく水面が揺蕩うこの世界は、亮の囁き声だって容易く拾えてしまうほどの静けさを保っている。月の光がここにも届くのならば、
「――僕もここまで届くかな」
「きっと届くよ、巴なら」
 月になると誓った彼の零した言葉が、ぷかりと小さな泡に成る。その泡についていくように、亮の言葉がぷわり、こぽり。
 何気なく少女が両の掌を丸くつくって、掬いあげるような仕草をすれば、頭上に浮かぶものよりも小さな月夜の海が生まれる。
「いらないものかあ……」
 そっとこの海にすてられるという、『いらないもの』。きっと人それぞれ、様々なものを流していくのだろう、けれど。
「私は思いつかないなあ」
 掌の中でゆらゆら浮かぶきいろい大きな星を、小さな水晶の煌めきが時折飾る。
「欲張りだから、大切なものはひとつも捨てたくない」
 抱きしめ続けたそれらは、ひとかけらだって必要で。もしかしたら、いつか抱えきれずに溢れて零れて、どれか捨てるしかなくなっちゃう未来が来るとしても。
「最後の最後まで私の中に居て欲しいって、そう思っちゃう」
「亮らしいね」
 そう返した巴の艶やかな黒髪に、揺らぐ月の光がさやさやと降るのがほんのわずか、まぶしくて。巴は何かある? と、亮が問えば。いらないもの、捨てたいもの、と、青年になってまだひととせ経たぬ少年が呟いた。
 ――あっても僕は、捨てれないんだろうな。
「欲張りでもわがままでもいいじゃないか。僕だって、僕が手に入れたもの全て、離したくないよ」
 そう口にしたらなんだかお揃いじみていて、似てるね、なんて言葉をおとす。水面の更に下、いつもより遠くに見える月がまぶしい。少女の掌に浮かぶ月夜がまた揺れる。
 言葉どころか一粒の泡にすらしないけれど、捨てれるとするなら──生まれた時から僕を縛る“定”は捨ててみたい。
「綺麗な景色だね」
 彼女の掬う水面の月をしろい手で覆い隠して微笑った彼の、さっきまで月を見上げていた眼差しが、何処かいつもと違って見えたから。巴は何かを捨てるんだろうか、それとも、
「(――もう捨てたことがある?)」
 何故だか口には出来なくて、月を見ると少しだけ怖くなってしまうのも、太陽の娘はまだ内緒にして。おんなじように、微笑ってみせた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ミア・レイシッド
王様。
人は海から生まれて海に還るという話をしっているかしら。
母なる海というのよ。

王様。
ホログラムというものをしっているかしら。
映像だそうよ。

わたくしはホログラムの海から月を見上げるのだわ。
あの月も映像というのだから
生物の技術はとんでもないものだわ。

王様。
わたくしたちも想像をするのよ。
母なる海に浮かべるものはカラスの羽根ね。

わたくしの海には王様がいるのだわ。
黒い羽根が不吉だなんて失礼しちゃう。
映像の羽根なんてわたくしの手からすり抜けてしまうのでしょう。
しっているわ。
ほんものはわたくしの帽子の中にあるのだわ。

匿名で捨てるもの
「カラスの羽根」

いらないもの。


(王様は使い魔のカラス)


 青の濃淡に月の光が音もなく落ちていく。水晶のきらめきと星屑が瞬いていて、闇と言うには色彩に溢れすぎる海の底。ミア・レイシッドは肩に止まるカラスへ呼びかける。
「王様。人は海から生まれて海に還るという話をしっているかしら。母なる海というのよ」
 かつんと鳴らした靴音は、本来の地上よりも深く遠くに響くよう。王様、と少女は再びカラスに声をかける。
「ホログラムというものをしっているかしら。映像だそうよ」
 小首を傾げる王様を肩に乗せたまま、すっと人差し指と視線を天に向ける。黒装束に包んだこの身が浸かっている海の彩も、見上げた月までもが映像というツクリモノ。
「生物の技術はとんでもないものだわ」
 かぁ、とひと鳴きした王様の表情は知れないけれど、わたくしたちも想像をするのよ。母なる海に浮かべるものは、そう、カラスの羽根。
 ――人が海に還るのならば、わたくしが還るところには王様がいるのだわ。
 ふわふわとどこかやわらかく、それでいて艶やかで立派な黒い羽根がミアの周囲に散っていく。こんなにもうつくしいものなのに、人ときたらわかっていない。
「黒い羽根が不吉だなんて失礼しちゃう」
 人の恐怖を闇に溶かして食べてあげているのは、わたくしたちなのに。ふいに触れた映像の羽根が、ミアの掌をするり通り抜けていく。
「しっているわ」
 ――だってほんものは、わたくしの帽子の中にあるのだわ。
 匿名ですてた映像の羽根に未練はない。だっていらないもの。一度だけ羽搏いた王様の翼が星屑に触れて、夜空を混ぜたようにきらめいた。
大成功 🔵🔵🔵

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)に誘われて。
紅茶を飲み読書をしながらや寝床でなら浴びたことはある。
しかしこうして海の底で月光浴をすることはなかったな。
仮想空間のなかの出来事とはいえとても新鮮だ。
そういえば何かを浮かせることもできると説明を受けたな。
雪の結晶は可能だろうか。故郷の雪を想像し試みてみる。
…これはこれで中々…。
でだ。さっきから隣の露が心配そうに私を横目でみてくるな。
無視してもいいが少々うっとうしくなったので聞く。
…相変わらずこの子には呆れるばかりだ。
「吸血鬼の中にはそういう個体も存在するだろうが…。
私はそんなことはない。今の住処で何度も浴び…て…」
少し話過ぎたか。今度一緒にしたい…とせがまれた。


神坂・露
レーちゃん(f14377)と一緒。
湖とか川をぷかぷか浮かびながら月光浴はするけれど。
底から月を眺めたり月光浴するのは初めてだわ♪
普段より柔らかい月の光がとっても気持ちがいい~。
いつもみたいにしたくなっちゃうわ♪怒られるわよね。
…。
レーちゃんも月が好きだと思って誘ってみたけど…。
吸血鬼だから月はダメだったかしら…とちらりと見るわ。
ほら、ヴァンパイアって月だと狂暴化するんでしょう?
あたしは咬まれても大丈夫だけど…周囲に影響あるとね。
そんな心配が顔にでたのかしら。不思議そうな顔されたわ。
だから心配だって説明したら思い切り苦笑されたわ。むぅ。
だって心配だったんだもん。そーゆー姿一度もみないけど。


 ゆるゆると泳ぐ色とりどりの魚達を、青の流れと月の光が照らしている。
「いつも浴びてる光より、やわらかくって気持ちいい~」
 うんと伸びをした神坂・露の腕の動きに合わせて、電子の水流が揺らめいた。普段から湖や川にぷかぷか浮かびながらの月光浴が趣味の少女も、水底から月を眺めて光を浴びるのは初めて。
「いつもみたいにしたくなっちゃうわ♪」
 ついつい服を脱いでしまいたいけれど、それは怒られてしまうから。ぼやけた輪郭の黄色い大きな星を見上げる。
「仮想空間のなかの出来事とはいえ、とても新鮮だ」
 露に誘われてヴァーチャルの海に降り立ったシビラ・レーヴェンスも、ふむ、と頷き辺りを見渡す。こぷりと浮かぶ泡が、天高く揺らぐ水面の月に向かって昇っていく。紅茶を飲みながらの読書中や、眠りにつくひとときに差し込む光を浴びることはあれど、露と同じく水底からの月光浴は初体験。
 そういえば、と思い出したのはこの箱庭での遊び方。故郷のしんしんと降る雪を思い浮かべれば、生まれる白い六花のきらめき。はらはらと舞う雪結晶が、魚の群れに華やかさを追加する。
「これはこれで、中々……」
 しかし、いつもならこの辺りで雪を見てはしゃぎ始めるであろう露の視線が、ちらちらと心配そうなのはシビラもわかっていた。無視してもいいけれど、そのままなのも少々うっとおしい。
「なんだ、そっちから誘っておいて静かだな」
「……だって、レーちゃん。吸血鬼だから月はダメだったかしら、って思って……」
 親友も月がすきだと思って誘ったものの、ヴァンパイアは月を見ると狂暴化すると聞く。自分が咬まれても平気でも、ホログラムとはいえ周囲に影響があったら。
 露の心配が顔に出やすかったのか、それともシビラだから気付いたのか。相変わらずの性格に呆れるばかりで、だけど嫌いではなくて、苦笑がもれる。
「吸血鬼の中にはそういう個体も存在するだろうが……私はそんなことはない。今の住処で何度も浴び……て……」
「そう!? じゃあ今度、一緒に本物の月光浴もしましょ!」
 ほっと安心した表情から、一気に目を輝かせる親友に、う、とシビラはたじろぐ。
「大体、そんなに心配なら誘わないほうがいいだろう」
「むぅ……だってぇ……」
 だって心配だったんだもん、そーゆー姿一度もみないけど。でも、一緒に月が見たくって。
 まぁいいか、とでも言うように。どちらからともなく少女達の手が繋がれる。二人で見る水底からの月は、やわらかい。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

幻武・極
へぇ、これはすごいね。
さすが、キマイラフューチャーの技術力といったところかな。
水底から月を眺めるなんて普段できないからね。
まあ、修行で川に潜ったりすることはあるけど、こうしてゆっくり眺めることはなかったからね。


 ホログラムでできた幻の箱庭で、少年めいた見目の少女が興味深そうに海底を歩く。
「へぇ、これはすごいね」
 流石はキマイラフューチャーの技術力といったところか。幻武・極の視界に広がる水の彩は、青の濃淡にいくつものきらめきを反射しながら、月の光を奥底まで届かせている。
 水底から月を眺めるなんて、普段ならまずできない。とはいえ、修行に明け暮れる日々を送っている少女は、元々川に潜ったとしても、ゆっくり眺めることはなかったのだけど。
 何気なく泳ぐように両手を動かしてみれば、水晶の欠片がゆるりと煌いて、時折綺羅星のように輝いてみせる。こぷりと唇からもらした泡が、水面の月へと浮かんで、途中で弾けて消える。
「消えずに昇っていく泡もあるかな」
 こどもが宙に吹いたしゃぼん玉だって簡単に割れてしまうのだから、映像の泡が水面に辿り着くことは難しい。それでもなんとなく、応援してやりたくなるもので。
 もう一度、ふっと吐いた息。いくつもの泡がぷかぷかふわりと浮いていくのを、極は煌きと共に見送っていた。
大成功 🔵🔵🔵

真幌・縫
マクベスくん(f15930)と♪

わぁ、綺麗だねぇ…。
光が柔らかくゆらゆらしてる。
海の底からお月様が見れるのって素敵だね。
ホログラムだからサジ太も濡れないし。

花弁も散らせるんだよね。
それじゃあ、八重咲きのジャスミンのお花をぱっはって!うん、綺麗♪
マクベスくんは何か散らしてみる?
赤いゼラニウムかぁ…ふふ、じゃあ、ぬいからもえいっ(マクベスに花弁を散らして

今年ももう夏なんだよね。
ホログラムの海も綺麗で涼しげだけど。
今年も一緒に海とかプールに行けたらいいね♪

うん、依頼頑張ろうね♪


マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
キマフュにこんなとこがあったんだな
本物の海の底はもっと暗いんだろうけど、
光がキラキラしててすっごい綺麗だなっ!
ああ、前に一緒に泳げたらって言ってたもんな
泳げはしないけど、サジ太も一緒に海の中を体験しようぜ

おお~、すっごい綺麗だなっ
オレも?ん~…やっぱオレの好きな色かな
赤いゼラニウムとか綺麗なんじゃね?
縫の方に向かって散らしてみる
ははっ、いいじゃん♪

そうだな、今年も一緒に泳ぎに行けたらいいな
新しい世界も増えたし海で冒険すんのも楽しそうだしな
その前に…まずは怪人退治だな


 きらきらと輝く水晶のかけらと星の雫に、映像の月の光。それらが海底に満ちた青に様々な色を内包させて幻想的な彩を見せてくれている。
「わぁ、綺麗だねぇ……」
「キマフュにこんなとこがあったんだな」
 ロマンチックな光景に、真幌・縫は水晶や星屑達のように瞳を輝かせた。隣に立つマクベス・メインクーンも、知らなかった素敵スポットにどことなくはしゃいだ声をあげる。やわらかな光はゆらゆらと、それでいてきらきらと二人に降り注ぐ。
「海の底からお月様が見れるのって素敵だね。ホログラムだからサジ太も濡れないし」
「ああ、前に一緒に泳げたらって言ってたもんな」
 翼を生やした猫のぬいぐるみ、『ザジ太』の頭をうれしげに撫でる縫に、よかったな、とマクベスが笑いかける。泳ぐことはできないが、今日は三人一緒に海の中を思う存分体験しよう。
 ふと、少女の前をひらひらと舞う小さな花弁達。確か花弁も散らせるのだと思い出して、それじゃあ、と縫は空いている掌でぱっぱ。次の瞬間、八重咲の白い花が辺りに散らばって、うん、綺麗と、少女が顔をほころばせる。
「おお~、すっごい綺麗だなっ」
「ジャスミンだよ♪」
 マクベスくんも、とせがんだ縫に、少しだけ考えたマクベスも、縫めがけて掌をぱっ。赤いゼラニウムの花弁が降りまかれて、ジャスミンと共に電子の水に流れて、少女の周囲を纏わるようにやわく踊りだす。
「ははっ、いいじゃん♪」
 いたずらっ子のように笑った友達に、じゃあぬいからも、と、マクベスめがけて白い花弁を降り散らす。まるで少年少女の一挙一動に合わせているように、紅白の花彩が青の中で、ゆらゆらと輝きを帯びて舞う。
 二人と一緒に海を楽しむザジ太も、なんとなく表情が明るく嬉しそうに見えるのは、きっと気のせいなんかじゃない。
「呼吸も気にしないで、海の中でお散歩するのって楽しいね!」
「ああ! 不思議だけど、面白いよなっ」
 ゆらゆら、ふわふわ。ふいに、こぷりと浮かぶ泡のひとつがザジ太に触れて、音もなく弾けて消える。
「今年も、もう夏なんだよね」
 ホログラムの海も綺麗で涼しげだけど。やっぱり本物の海が見たい、水に触れて、つめたさとあつさを確かめたい。
「今年も一緒に海とかプールに行けたらいいね♪」
「そうだな、今年も一緒に泳ぎに行けたらいいな」
 新しい海の世界も増えたのだ、海で冒険を繰り広げるのも楽しそう。ああ、でもその前に。
「まずは怪人退治だな」
「うん、頑張ろうね♪」
 二人は猟兵、これからお仕事なのである。夏のお楽しみは、そのあと。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

コノハ・ライゼ
ああ、なんて綺麗
揺らめく月の色、水の青、沢山の彩り
欲しいモノに溢れた世界に揺蕩えるナンて……役得ってヤツかしらネ
涼やかな温度も心地良く
銀の星をたくさん浮かべて不思議な銀河にいる気分で
目に映るモノ全てを記憶に刻むかのように
それでいて一歩ずつ何もかも忘れるように、のんびり歩きましょ

世界に彩りが溢れているコトを教えてくれたのは
あの人だったか、あの人が語る別の誰かだったか覚えてないケド
オレはそうする事が当たり前のように、キレイなモノを求めている
それは、飢えを凌ぐに似て

もし捨てれるものなら、この身をと言いたいトコだけど
それはしないと決めたし、何より大きすぎるわよねぇ
ゴメンね、貰うばかりで


 揺らめく月の色、水の青、沢山の彩り。ああ、なんて綺麗、と、コノハ・ライゼはその煌きに身を浸す。
「欲しいモノに溢れた世界に揺蕩えるナンて……役得ってヤツかしらネ」
 世界中から集めた無数の彩を、すべて虹にして押し込めたようなうみいろの時間。どことなくひんやり涼やかな温度も、最近の蒸し暑さを嫌がる膚には心地良い。
 すきなものを浮かべていいという箱庭に、ならばと銀の星をいくつも散らす。たくさん浮かべたきらきら星で、まるで不思議な銀河にいる気分。
 目に映るモノ全てを記憶に刻んで、なのに一歩ずつ何もかも忘れるように、ゆるり妖狐はひとりで夜を泳ぎあるく。
 ――世界に彩りが溢れているコトを教えてくれたのは、あの人だったか。それともあの人が語る別の誰かだったかは、もうとっくの昔のことで、覚えていない。
 けれどコノハは、そうすることが当たり前のように、キレイなモノを求めている。淡々と、切々と、うつくしいなにかを追いかけている。獣が飢えを凌ぐ姿に似ているようで、あの人はそんな自分を『さみしい』なんて言うかしら。
 焦燥感はないけれど、からだにあいた空っぽが、もっともっととせわしない。月の光を浴びるくらいは、ゆっくりだってイイじゃない。
 ふと、胸をつく衝動――もしも、捨てられるものならば。この身を、と言いたいトコだけど。それはしないと決めたのだし、
「何より大きすぎるわよねぇ」
 自嘲めいた笑みが浮かんで、こぷりとちいさな泡が生まれた。銀の星粒にぶつかったそれらは弾けて砕けて、星々と一緒に融けてなくなるのを見遣る。
「――ゴメンね、貰うばかりで」
 それは誰にも届きやしない、こころ。
大成功 🔵🔵🔵

ジニア・ドグダラ
【佐藤家】
呼び方
柊那さん
音海さん

海底から、というのも非日常の体験としては、とても良いですね……

音海さんに手を引かれながら、柊那さんとこの後の事について相談しつつ一緒に頭上の海を見上げて楽しんでおります。

海というと鮮やかな魚が良く印象にありますが、此処の場合は暗い中でも様々な物が輝き、溢れ、溶けていくのがまた、大変情緒的であるかと……
特に、水面で揺れる月というのも、普段見る物とは全く違うからこそ、ではありますね。

ふと立ち止まって、集まっていく気泡を見つけました。
私達の呼吸が、小さな泡となり、それが集まり海月のようになり、海に浮く不思議な月となる。
それもはじけてしまうのでしょうが、また新しく……


音海・心結
【佐藤家】
◆呼び方
柊那→おねーちゃん
ジニア→ジニア


ふわふわ、ゆらゆら
幻想的で、どこか退廃的にも見える海の底
二人の手を取り、先導するように
緩く繋がれた手は、まるで王子様のよう
エスコートも慣れたもの

ね、ねっ!
すごく綺麗なのですよっ

あわい花弁も、水晶の欠片も、星の雫も
僅かな光が水中で煌いているのです
どれも綺麗で、一番なんて決められない
視線は自ずと上へ上へと

わっ!
気泡、でしょうか?
ぷっくりとした泡があるのですよっ!

ぶくぶくぶくぶく
小さな泡が合体して、大きな泡に
……再現されててすごいですねぇ
言葉が零れた

おねーちゃんっ! ジニアっ!
今日は付き合ってくれてありがとですよ♪
緩んだほっぺたは幸せいっぱい


佐藤・柊那
【佐藤家】
呼び方
心結
ジニア嬢

や、綺麗なもんやな。
誘われてきたけど、中々珍しいもんやわ。海の底を歩くって
まぁ、実際はこんなもんやないやろうけど
風情があるわなー

ジニア嬢と一緒にエスコートされてやって来たけど
心結は色々誘ってくれてありがたいもんやわ

さて、うちのお姫様はあっちこっち視線を彷徨わせとるなー
転ぶ前に止めるべきか、転ぶのをほっとくべきか
後でジニア嬢と相談して決めてみようかね。

なんにせよ、花丸笑顔でええことや
見てて、こっちも楽しくなってくるわ。


 ホログラムの生み出す海の彩は青一色に留まらず、濃淡や泳ぐ生き物の色、きらきらと輝く塵によって、訪れた客人達に幻想的な風景を体感させている。
「ね、ねっ! すごく綺麗なのですよっ」
 音海・心結はだいすきな二人の手を引いて、するりと夜の水底をゆく。緩く繋がれた手は物語の王子様のようで、愛らしい姿をしていてもエスコートは慣れたもの。
「海底から、というのも非日常の体験としては、とても良いですね……」
「まぁ、実際はこんなもんやないやろうけど」
 風情があるわなー、と感心した声をあげているのは、ちょっぴり小さな王子様に手を引かれ、ジニア・ドグダラと共に遥か頭上に浮かぶ水面の月を見上げる佐藤・柊那。
 ジニアにとって海といえば、鮮やかな魚の印象がある。けれどこの電子の海の場合、深く暗い海底でも様々な物が輝き、溢れ、溶けていく。とても情緒的な光景に、ほぅ、とため息をついて。それに、水面で揺れる月というのも、普段とは全く違う見目をしているからかもしれない。
「このあとはどうしましょうか」
「せやなー、とりあえずうちのお姫様が転ばんように止めるか、転ぶのをほっとくか」
 指先に纏わりつく星屑の欠片を泳がせている柊那の視線の先では、エスコートを完遂した心結が揺らめくひかりの帯やかがやきに心を奪われている様子。あわい花弁も、水晶の欠片も、星の雫も、ひとつひとつは僅かな光。けれどそのどれもが綺麗で、一番なんて決められない。自然に視線は上へ上へと昇っていって、ふと、ぷくりと零れるように咲いた泡に気付いた。
 振り返れば、それはジニアと柊那の唇から零れた言葉の空気。わぁ、と感嘆の声をあげれば、心結の唇からも新たに生まれるちいさな泡の群れ。
 それらが浮かんでぶつかりあって、こぷり、ぷかりと融けあって。大きな泡はくらげのようにゆらゆらり。ゆるく流れに身を任せ、そろりふわりと不定形な月の元へと静かに泳いでいく。
「……再現されててすごいですねぇ」
 キマイラフューチャーのホログラムとはここまで出来るものなのか。思わず感心の言葉がもれた心結の隣、立ち止まっていたジニアも想いを馳せる。
 私達の呼吸が、小さな泡となり、それが集まり海月のようになり、海に浮く不思議な月となる。それもはじけてしまうだろうけれど、また新しくうまれる様は、ちいさないのちの巡りに似ていた。
 何気なく、ふぅ、とゆっくり息を吐いた柊那の唇から、さきほどよりも一回り大きな泡がこぼれて。ぽん、と現れたそれを掌で二人の元へと扇いでやれば、指先で踊っていた星屑と共に、心結とジニアをきらめきの中に包みこむ。
「きらきらなのですっ」
「はい、なんだか、瞬きするのも惜しいくらいに」
「そーかそーか、花丸笑顔でええことや」
 楽しげにはしゃぐ妹とやわい笑顔を向ける友人に、柊那も笑みを深くして。己とジニアをおでかけに誘ってくれる心結への感謝の気持ちは、きっと十分に伝わっている。
「おねーちゃんっ! ジニアっ! 今日は付き合ってくれてありがとですよ♪」
 緩んだほっぺは幸せいっぱい。少女の笑顔は、だいすきな二人にも伝染していく。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

照宮・梨花
素敵なテーマパークね
私の住む砦の側に湖があるけれど、湖の底から見る景色はこんな感じなのかしら

好きなものを浮かせて良いのなら、花をたくさん浮かべるのだわ
照宮の五人姉妹、それぞれの花よ

長女の私は梨の花
次女の茉莉はジャスミンの花
三女の李香はスモモの花
四女の美果は蜜柑の花
五女の愛路はマルメロの花

名前はみんな花や果樹からとってパパが付けてくれたもの
ヤドリガミの私は打ち捨てられた砦の門で、茉莉は城門扉から零れ落ちたネジ
転生して生まれてきた子もいるわ
私達はみんな「捨てられたもの」だったり「欠けたもの」
でも拾ってくれたパパがいて、命をくれたママがいて、みんな家族になったのだわ
だからいらないものなんてないの


 花の色、星の軌跡、水晶のひとひら。夜の青に沈んでは浮かぶ無数の宝物達が、照宮・梨花の若草の瞳に映りこむ。
「素敵なテーマパークね」
 少女の住む砦の傍には湖があるけれど、彼の水底から見る景色はこんな感じなのかしら。小首をかしげて、月の光が射しこむ天を見上げる。
 ふわふわと泳ぐきらめき達の仲間を自由に増やすのが、この箱庭での遊び方のひとつ。すきなものを浮かせていいのなら――花をたくさん、浮かべるのだわ。
 長女の梨花は癒しを込めた梨の花、次女の茉莉は温和なジャスミンを。三女の李香は甘いスモモで、四女の美果は可憐な蜜柑。そして末っ子の愛路は魅惑のマルメロの花。
 まるでマザーグースを謡うように、ひとつひとつに愛をこめてその名を紡ぐ。梨花が思い描いたのは、姉妹をかたちづくる白い花々の名前。青のグラデーションに散りばめられた白の花群は、降りしきる月の光でうつくしく軽やかに踊りだす。
 この名はすべて、育ての父が名付けてくれたもの。ヤドリガミである少女の元は、朽ちて捨てられた砦の門。妹はヤドリガミだけではなく、転生によって生を宿した子も居る。
 ――私達はみんな、『捨てられたもの』だったり、『欠けたもの』。
 けれど少女達を拾いあげた父が居て、少女達にいのちを与えた母が居て。満たされていく、こころのかたち。
「みんな家族になったのだわ」
 だから、いらないものなんてないの。スカートの裾を翻し、梨花は姉妹の花々とワルツを踊る。海の中で踏むステップを、邪魔する者は誰も居ない。
大成功 🔵🔵🔵

ヘンリエッタ・モリアーティ
夜も月も海も、静かでいい
要らないものを棄てにきたけれど、美しいものには圧倒される
――棄てなきゃいけないものがたくさんある
臆病だった自分の事、無知な自分の事、傲慢な自分の事
人らしくあろうとした、そういう過去とか
やっぱり、水面に映る私の顔も嫌いだな。
他にもある
人を殺す為に使ったトリックとか、証拠、私に押し付けられる当たり前の幸せとか
色々捨てなきゃいけないけれど、今日は少しだけ
――まずは。きれいなナイフをひとつだけ棄ててみよう

ひとりごとまでうさん臭いなぁ
まあ、犯罪者の言うことなんて、全部嘘だし。
なんてことないよ、ただの独り言だもの
――電子でこんなにきれいな海なら
海なんて電子のほうがよかったのかもね


 かつり、こつり。けれど女の靴音は海の静けさに融けていく。輪郭をとうに喪って、ゆらゆら不安定な月の彩。海そのものが呼吸するようにふわふわ泳ぐ水の青。
 夜も月も海も、静かでいい。要らないものを棄てにきたヘンリエッタ・モリアーティの指先を、プリズムじみた月の光が撫でていく。幻で出来た美しいものに圧倒されて、ほんの一瞬だけ、息をのんだ。
 ――棄てなきゃいけないものがたくさんある。
 臆病だった自分の事、無知な自分の事、傲慢な自分の事。人らしくあろうとした、そういう過去とか。思い出すこともわずらわしくて、愚かに生きていたそれまでの『私達』の話。
「やっぱり、水面に映る私の顔も嫌いだな」
 遥か彼方にあるような、見上げた水面はぷかぷかと浮かぶばかりで。ヘンリエッタの顔を映すはずのものは遠くのてっぺん。
 棄てるべきものは他にもある。たとえば人を殺す為に使ったトリックとか、疑いようのない証拠だとか、ああそれと、私に押し付けられる『当たり前』の幸せとか。
 一度思い返してしまうと、なんだか色々棄てなきゃいけない――けれど、今日は少しだけ。
 綺麗で鋭利なナイフをひとつ取り出して、ほんの一瞬刃に映った自分の顔を視ることなく、ぽちゃり。
 ひとりごとまでうさん臭いなぁ、なんて笑ったあとに、こぷりと浮かぶ言葉といくつもの泡。
「まあ、犯罪者の言うことなんて、全部嘘だし」
 なんてことはない、これはただの、ひとりごと。それも全部、この綺麗なあおいろが融かしてしまう、消してしまう。それでいい。
 ――電子でこんなにきれいな海なら、海なんて電子のほうがよかったのかもね。
大成功 🔵🔵🔵

ミザール・クローヴン
寧(f22642)と
Avatar:Mizar

こういうところは実名だと危険と聞いたが、いざとなったらおれ様どうにかできるしな
そうなんだ、本物のようだろ

さ、寧……では、ないな。Nei
おれ様ちゃんとエスコートするぞ。お手をどうぞ、だ
ホログラムの世界とはいえ、迷子は大変だからな
……違うぞ、おれ様迷子にならないからな!

とはいえ、なんだかちょっぴり寧が不安そうで心配になる
なんでも浮かべられるなら……そうだ、見てろNei
月下美人の花を浮かべるように想像してみる
……ちゃんと出たか?出るな!よし!
おれ様も花のこと少し勉強したからな、夏の夜に一日だけ咲く花なんだろう?
Neiも好きな花を浮かべて見るといいぞ!


花仰木・寧
ミザールさん(f22430)と
Avatar:Nei

右も左もわからず
ミザールさんに言われるが侭あばたあとやらを登録したけれど
まあ、これは作り物の、海?
まるで絵の中に迷い込んだよう

彼に手を預けて、恐る恐る電子の海へ
は、離れないでくださいましね
ここで迷子になるのは屹度、私の方ですわ……
はぐれないよう、しっかりと手を繋ぐ

まあ、月下美人!
ふわりと浮かぶ電子の花は、何とも美しくて幻想的で
私を励ますためだと思えば、それも嬉しい
ふふ、では……桔梗の花を
あなたの瞳の色に、少し似ているでしょう?


 ヴァーチャルの世界を実名のまま探検するのは危険と聞いていたが、いざとなればどうにかなる。とはいえきちんと、“Mizar”というアバター名で電子の海に降りたミザール・クローヴンは、不安そうな女の手をひいて水底にそっと足を着く。
 右も左もわからず“Nei”と登録したものの、花仰木・寧にはなんのことやらさっぱりで。それでも、ホログラムの海の中に入ってしまえば、まぁ、と感嘆の声をあげた。
「これは作り物の、海?」
「そうなんだ、本物のようだろ」
 まるで絵の中に迷い込んだよう、Neiは幻想的な箱庭の光景に目を瞠る。とはいえやっぱり、仕組みのわからぬ機械は怖い。Mizarに手を預けて、はわ、と恐る恐る海をゆく。
「ここで迷子になるのは屹度、私の方ですわ……」
「ああ、お手をどうぞ、だ」
 サクラミラージュに住む十三歳の少年は、もう十分にレディをエスコートできるモダンボーイ。ホログラムとはいえ、海の中で迷子になっては大変だから。
「……違うぞ、おれ様は迷子にならないからな!」
 ふいに視線を感じた気がして、魚の群れにそう言い張ると、Neiがくすりと笑みをこぼす。頼もしいちいさな友人に、そうっと連れられ月の光の帯を堪能する。
 けれど、なんだかちょっぴり不安そうな姿は相変わらずで。心配したMizarの脳裏によぎるのは、この箱庭での遊び方。
「なんでも浮かべられるなら……そうだ、見てろNei」
「はい?」
 きょとんとした女の視界には、眼を閉じてうんうんと唸る少年の姿。はて、なにをしているのかしら。暫くして声を掛けようとした時、ぱっと生まれた白いひかり。やわやわといくつもの花弁がひらけば、それは寧を思わせるような月の彩。
「まあ、月下美人!」
「……ちゃんと出たか? 出るな! よし!」
 水中でふわふわと浮き沈みを繰り返す大輪の花は、華やかでいてなんとも淑やか。
「おれ様も花のこと少し勉強したからな、夏の夜に一日だけ咲く花なんだろう?」
 月夜に輝く花を咲かせることに成功して、少年は得意げに笑う。Neiもすきな花を浮かべてみろ、と誘うと、女ははにかむ。
「ふふ、では……」
 そっと目を閉じて思い浮かべたのは、自分を励ましてくれた彼のこと。藍紫の五つ星の花がひぃふう、そっと咲く。
「あ、これも知ってるぞ。桔梗だな!」
「ええ。あなたの瞳の色に、少し似ているでしょう?」
 やっといつも通りのゆるやかな笑みを取り戻したNeiに、Mizarの心配もふんわり水の中に融けていく。花と泡を纏って踊るように泳ぐ魚の群れを二人で見つめ、とりとめもなく言葉を交わす。
 降り注ぐ月の光は止むことなく、月下美人と桔梗を照らす。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

海月・びいどろ
なまえが無くて、かたちが無いなら
それはもう、ボクではない、よね
この海では、匿名だからこそ出来ることがあるの

唇を開いて、こぽり、生まれる泡は
今から、さよならする言葉

…あのね、こころを探して旅しているけれど
みえないものを見つけだすのも
すくいだすのも、難しいね
隠してしまったり、嘘をついてしまったり
迷子みたいに、ゆらゆら、するから

かつてのキミも
隠して嘘ついて、回り道したのかな
それとも、もう、こたえを知ってる?

……ううん、ほんとうは

立ち昇るあぶくを、てのひらに包んで
胸の前で、そうっとはなせば
もう、それっきり

なんにもない、からっぽのそこから
ゆうらり、浮かび上がって
まろい月のひかりに重なって見えた


 現実と夢の狭間、電子のあおいろの底。くらげの群れがゆらゆらり。海月・びいどろの、名前を映しとったような瞳が、揺らぐ月の彩を見つめる。
 なまえが無くて、かたちが無いなら――それはもう、ボクではない、よね。
 この海では、匿名だからこそ出来ることがある。いらないもの、すてたいもの。そっと流してしまいたいもの。小さな唇がうっすらと咲いて、こぽりと泡を生む。それは今から、さよならする言葉の具現。これは全部、ボクではない秘密の誰かの。
「あのね、ボク。こころを探して旅をしているけれど。みえないものを見つけだすのも、すくいだすのも、難しいね」
 こぽり、こぷり。ひとりごとがこぼれていく度に、泡がひぃふぅ浮かびあがる。
「隠してしまったり、嘘をついてしまったり。迷子みたいに、ゆらゆら、するから」
 ぷかりくぷりと泡同士ぶつかって、スリィ、フォー、ファイブ。かつて、ボクをつくったキミも、隠して嘘ついて、回り道したのかな。こころを持っていたかもしれない、キミ。
「――それとも、もう、こたえを知ってる?」
 ぱちりぱちりと、ひび割れたプリズムが弾ける音がするのは気のせいかしら。
 水底から紡がれていく、さよならで出来たあぶく。それらはいくつもいくつも立ち昇り、ゆめの宙を目指そうとしたけれど、びいどろの掌が全部包みこむ。胸の前で、そうっとはなせば、もう、それっきり。融けて弾けて、消えていた。
 言葉達にお別れしたあとで、己を形づくる電子の身体の、からっぽの胸の中。風もないのにひゅうひゅうと、何かが吹き抜けていったのは何故だっただろう。
 少年は、これからもそうやって、こころの在処を探し続けている。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 集団戦 『つよくてかわいいアニマルズ』

POW ●丸太クマさん怪人・ウェポン
【丸太兵器 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド
【鉄球攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ ●ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ピコハン 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 揺らぐ水面を遥か天井に泳がせて、猟兵達が海の底を楽しんでいると。それぞれの前に立ちふさがる小さな影達。

「アッ貴様等! ゆめかわな僕らを差し置いて何エモい感じになってるんだ!」
「その映えっぷり! さては猟兵!!」
「ここはかわゆい僕らをきらきらさんに撮影してもらう為の神スポットなんですけど!?」

 わぁわぁ喋りだした小さなアニマル達。随分お怒りのようだが――きらきらさんとは、さて、一体誰のことやら。

「きらきらさんに撮ってもらった写真をSNSに上げてちやほやされる予定なのに、お前ら猟兵が映えてたら僕らがバズらないだろ!!」

 どうやらこの箱庭をめちゃくちゃにするとか、そういう気持ちは皆無の様子。とはいえ、彼らは怪人。丸太やら鉄球やらを持ち出してきた以上、此方もしっかりと対処しなくてはならない。
 ――骸の海に、還ってもらわなくては。
真幌・縫
マクベスくん(f15930)と♪

ゆるかわ?…ゆるかわ?うん、ゆるかわの定義はいろいろだし間違ってはいないかな?
可愛い!ならやっぱりサジ太だけどね。

ぬいは別にSNS映えで写真を撮ったりするのはダメとは言わないけど…。
ここで楽しんでる人を邪魔するのはダメだと思うな。

ぬいもせっかくマクベスくんと楽しんでたのに…。
そうだ!SNS映えを気にするのならこんなのはどう?
UC【ぬいぐるみさん行進曲】
ぬいぐるみさんがたくさんだよーまさに映え〜♪


マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
うーん、相変わらずキマフュの怪人は
害なのか無害なのかわかんねぇな…
っていうかお前らなんか戦争の時に見飽きたっての
SNS映えするなら縫のぬいぐるみ達のが可愛いから
てか縫が一番可愛いし

そんなに水が欲しいならオレがやるよ
水の精霊を魔装銃に宿してUC使用
【先制攻撃】で水【属性攻撃】【範囲攻撃】を御見舞いする
敵の攻撃は【フェイント】で避けつつ
アニマルズが濡れたら
氷の精霊に替えて【限界突破】【全力魔法】で【範囲攻撃】
水を全部凍らせてやるぜっ
「#凍ったアニマルズでアップしといてやるよ」
それをスマホで撮影しながら、
縫のぬいぐるみがアニマルズと戦ってるのも撮影

うん、これも結構映えなんじゃね


 絶妙に人間めいた等身に、手にした鈍器の数々。彼らは自分こそがゆめかわなアニマルズだと主張している。
「ゆめかわ? ゆるかわ?」
 カワイイの定義はいろいろで、間違ってはいない。うん、と真幌・縫は頷いて、抱きしめる翼猫のぬいぐるみの頭を撫でる。『可愛い!』なら、やっぱりサジ太が一番。
 うーん、と、マクベス・メインクーンはゆめかわ怪人達へぞんざいな視線を送る。相変わらずキマフュの怪人という奴は、害なのか無害なのかわからない。
「っていうかお前らなんか、戦争の時に見飽きたっての」
「なんてこと言うんだ! 見飽きたなんてことはないだろ!」
「むしろ僕らって戦争でしか出番ないんだぞ!!」
 寂しい反論を適当に聞き流しながら、少年は縫とサジ太を指差す。
「SNS映えするなら、縫のぬいぐるみ達のが可愛いから。てか縫が一番可愛いし」
「えへへ~♪」
 照れる少女の白い尻尾がぴるぴると動く。なにを、とアニマルズが言い返すよりも先、動いたのはマクベス。
「そんなに水が欲しいならオレがやるよ」
 魔力を取り込む二丁の拳銃に素早く装填したのは水の精霊の一部。目にもとまらぬ速さでばら撒かれた四百近い銃弾は、青と白の飛沫をあげて文字通り弾雨を浴びせる。
「わー濡れる!」
「何してくれるんだ防水じゃないんだぞ!」
 ずぶ濡れでわめくアニマルズ。もしや自前の毛ではないのかという疑問が一瞬浮かぶものの、少年はそれを口にする間もなく次の銃弾を装填。
 ひんやりとしていた世界は急激に温度を下げる。水の精霊とバトンタッチした氷の精霊は、マクベスが引き金をひくと同時、ふっと唇を震わせ凍てつく銃弾を降らせた。
「もう一発喰らいやがれ!」
 ビュウビュウと吹きすさぶ凍結の追撃が、濡れ怪人達をみるみるうちに凍らせる。ガタガタ震えるアニマルズを、少年は手にしたスマートフォンでぱしゃぱしゃと撮影し始めた。
「#凍ったアニマルズでアップしといてやるよ」
「ひ、ひとでなし……!」
 バズりたいって言ったのはそっちだろ、と連写モードに切り替えたマクベスに、うんうん、と同意するように少女は頷いて。
「ぬいは別に、SNS映えで写真を撮ったりするのはダメとは言わないけど……ここで楽しんでる人を邪魔するのは、ダメだと思うな」
 まっとうな正論に言い返せないアニマルズ。単純に寒くて口が動かないからかもしれないが。
 縫だって、せっかくマクベスとサジ太と楽しく海底散歩していたのに。癒しスポットを自分勝手に独占するのはよくない。ふと、翼猫の少女の頭にぴこんとアイデアが閃いた。
「そうだ! SNS映えを気にするのならこんなのはどう?」
 ピンク色の花が彩る肉球型のステッキを軽くひと振り。花を模した魔法陣からぽふんと降り立ったのは小さな兎のぬいぐるみ。
「ふ、ふん、そんなの僕のほうがかわいいに決まってるだろ!」
 兎型の怪人が鼻でわらった直後、ぽふんともう一匹。更にぽふん、ぽふんと、次から次へと様々なぬいぐるみがわらわら魔法陣から降りてくる――その数は三百をゆうに超えていて。
「ぬいぐるみさんがたくさんだよーまさに映え~♪」
「いや多すぎるだろ!!」
「たくさん居たほうが可愛いでしょ?」
 兎怪人のツッコミも気にすることなく、ほわほわ幸せそうな縫。身動き取れないアニマルズへめがけて、ステッキをひと振り。
「よーし、ぬいぐるみさん、れっつごー!」
 ドドドドドド。ぬいぐるみさん達の突撃がアニマルズを非情にも圧し潰す。おーと声をあげつつ、マクベスはその光景を動画で撮影する手を止めない。
「うん、これも結構映えなんじゃね」
 猟兵だいすきなキマフュの住民達が、バズらせてくれることでしょう。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

幻武・極
やれやれ、こんなところにも怪人は現れるんだね。
ちょっと気になることを言っていたみたいだけど、懲らしめてから聞き出すとするかな。

さて、ボクの幻武百裂拳をキミ達のピコハンで相殺しきれるかな?

さて、きらきらさんって誰なのか答えてもらおうか。


照宮・梨花
あら、可愛らしい動物さんたち
でも箱庭を散らかすのはダメなのだわ
そんなことしたら動物さんたちも一緒に片付けちゃうんだから

鉄球が飛んできたらコンパクトミラーを開いて『折鏡の大盾』を構えるわ
最初の一撃を食い止められたらそれでいいの
だってこの盾は鏡……すかさずカウンター攻撃を仕掛けましょう
『超吸収屑取《大尊》』(掃除機)を構えて鉄球をこちらへ引き寄せたら、ユーベルコード【夢の洗濯機】の中に吸い込むの
そんなに鉄球を振り回したいのなら、洗濯機の中にして欲しいのだわ
真っ白になるまで洗濯機の中でぐるんぐるん
洗い終えたら乾燥モートでくるんぐるんするんだから

さあ、綺麗になったかしら
もう散らかしてはだめよ?


「やれやれ、こんなところにも怪人は現れるんだね」
 呆れ気味にため息をつく幻武・極の隣で、照宮・梨花はあら、と朗らかな声をあげる。
「可愛らしい動物さんたちね」
「そうかな? 本人達が言うほど可愛い要素はなさそうだけど」
「貴様の目は節穴か!? ゆめかわのみで構成されてるだろうが!」
 ぽこぽこと湯気を立たせて、小さなアニマルズが極に向かって各々武器を構える。途端、梨花は困ったような表情で残念がる。
「せっかく可愛いのに……箱庭を散らかすのはダメなのだわ。そんなことしたら、あなたたちも一緒に片付けちゃうんだから」
「ぬぅ、その衣装にお片付け宣言! メイドさん属性で僕らより目立とうという魂胆だな!」
「片付けられるなら片付けてみるがいいさ!」
 複数の犬型怪人が、手にした鎖をじゃらりと鳴らす。ぶおん、と、てこの原理で振り回された鎖の先に繋がる鉄球の群れが、梨花めがけて勢いよくぶん投げられる。けれど、梨花が慌てることなくポケットから取り出したのはシンプルなコンパクトミラー。
 ぱ、と鏡が開かれた瞬間、そこに現れたのは梨花を覆うほどの丸い鏡張りの大盾。最初の一撃を食い止められたなら、それでいい――だってこの盾は鏡ですもの。
 鏡に映った鉄球の群れは、まっすぐアニマルズ達に跳ね返る。潰されてはたまらないと、わぁわぁ逃げ惑う怪人達。そんな彼らをよそに、梨花はふわりと広がるスカートの中から、次の武器を支度を始める。
「よいしょっと」
 小型とはいえそんなものを何処に隠していたのか、誰の目から見ても明らかな掃除機をスイッチオン。小気味よい音を立てながら吸い込まれていく鉄球は、そもそも犬型怪人達が手綱を握っている訳で。
「引っ張られてるよ僕ら!?」
「吸ーわーれーるー!!」
 仲間にピンチに気付いた兎型怪人が、ピコハンを振りあげ梨花へと襲いかかる。おっと、と極はその前に立ちふさがってぐっと拳を握り、攻撃の構えを取った。
「メイドさんのお掃除の時間は邪魔させないよ」
 目にもとまらぬ素早さで繰り出される拳の連撃は、どれが本物でどれが幻かなど関係ない。相殺しきれぬ一撃が、確実に怪人を打ちのめす。
 掃除もいよいよ大詰め。梨花が引き寄せた怪人達を出迎えたのは大きな洗濯機の中。ごうんごうんと音を立てる洗濯機に詰め込まれた怪人達に、メイドは最後の質問をする。
「この月夜の海を汚そうとするのはあなた達なのかしら?」
「ちーがーいーまーすー!」
「まぁ、嘘をつくなんていけないのだわ」
 怪人達としては嘘はついていないけれど、納得できる答えではなければ仕方がない。水と洗剤と素敵な魔法でぐるんぐるんと回転し続け、しっかりと熱風による乾燥を施される始末。
「さあ、綺麗になったかしら――もう散らかしてはだめよ?」
「それに、きらきらさんって誰なのかも聞かせてくれるよね?」
 まっしろふっくらにされたのに、アニマルズは虫の息だった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

アース・ゼノビア
【庭】
ゆめ…かわ。ばえ…
怒ってるのは解るけど、難しいこと言ってるな…
オズルゥと顔を見合わせても期待される始末だし
医者は語学者じゃないんだぞ、オズ
うーん。仕方ない

その…つかぬこと聞いてすまないね。エモいってなに?


電子の海は傷つかないだろうけど
神すぽっと?を壊さないよう配慮はしようか

風の全力魔法結界術で
敵攻撃を押し返しつつ動きの癖を読み
風魔法を宿した武器受けで捌き乍らのカウンター狙い
氷属性のなぎ払いで手足の動きを鈍らせよう

充分弱らせたら神樹の槍で命中率を強化
君らも此処を楽しみにきたのだろうに
すまないが――まぁその武器はだめだね。退去いただこうか

写真がバズるって何だろう
きらきらさんに聞くしかないか…


オズウェルド・ソルクラヴィス
【庭】

…おぃ、翻訳頼む

ルゥー同様
彼奴らが何云ってんのかオレにはわからねぇ…
お前、医者だろ?(とアースに期待の眼差しを
そもそも…バズるってなんだ?

―ん?
ただし、説明=理解となるのかも謎で…

…そろそろ、やっちまってもいいよな?
取り合えず物騒(鉄球持ち)な奴を一匹
無論、仕留めるつもりで槍で刺してみる
二人分の結界もあるしなと
初手からUC発動

―ちょこまかするな

全力魔法で炎を纏わせたなぎ払いと衝撃波で範囲攻撃
感、見切り、風を纏わせたオーラ防御を使い
特にピコハンとやらの攻撃は回避に専念
UCが相殺されても
カウンターに鎧無視と部位破壊を交えた槍術で仕留める

にしても、こいつ等の次はきらきらか…
碌な感じがしねぇな…


ルゥー・ブランシュ
【庭】

ねぇねぇアース『えもい』ってなーに?
りょうへいって『生える』の?
オズも、なにか知ってる?

謎めいたあにまるさんに
なぞなぞ言葉
でんしの海には、不思議な事がいっぱいなんだね?

でも、喧嘩はダメなの!
それに、この世界も壊しちゃだめ!
(とオズにも云って
互いの攻撃から海を守るべく
特に皆で浮かべた子達を中心にアースに続いて
光のバリアを張るの
援護射撃はだいじな本に溜めた魔力で光の矢で
攻撃にはオーラ防御や本の角で殴る咄嗟の一撃も使い
UCの桜の花びらで攻撃しつつ
イルカさん助けてってイメージを海に浮かべて
相手の視界も塞いでみるの

でも、なんであんなに怒ってたんだろう?
きらきらさんも、やっぱり怒ってるのかな?


 猟兵達に向かって、ぷんすこいちゃもんをつけてきたアニマルズを凝視する幼馴染三人。やがて、オズウェルド・ソルクラヴィスがアース・ゼノビアへ視線を投げて一言。
「……おぃ、翻訳頼む」
「えっ俺?」
「ねぇねぇアース、『えもい』ってなーに? りょうへいって『生える』の?」
 初めて聞く単語が氾濫していて、さっぱりわからねぇという表情のオズウェルド。アースなら知ってるでしょ、という確信に満ちたルゥー・ブランシュの純粋な眼差し。
「二人とも、なんでとりあえず俺に訊くの」
「お前、医者だろ?」
「医者は語学者じゃないんだぞ。雑学や流行語まで知ってる訳じゃないよ」
 うぅんとアースは悩みながら、仕方がないと一歩前に出る。そうして、申し訳なさそうに怪人達に話しかけた。
「その……つかぬこと聞いてすまないね。エモいってなに?」
「エモいの意味も知らないくせにこの神スポットで映えてるのか貴様等!」
「美男美少女で映えやがって! 問答無用!!」
 いや、だから教えてほしかったのだけど。そんな青年の想いもむなしく、怪人達が凶器を振りかざす。
「んだよ、もうやる気じゃねぇか」
 説明のひとつもあれば聞いてやろうと思っていたが、そんな気遣いは無用だったか、とオズウェルドは焔立ち昇る闘気を身体に宿す。すぐさま、あっ、と声をあげたルゥーが周囲を見渡して慌てたように青年へと叫ぶ。
「喧嘩はダメなの! それに、この世界も壊しちゃだめ!」
 謎めいたあにまるさんのなぞなぞ言葉。電子の海は不思議でいっぱいだけど、悲しい気持ちでいっぱいにはしたくない。少女の気持ちを汲んで、アースはふるりと風の魔力を喚ぶ。電子の海は傷つかないだろうけど、『神すぽっと』とやらを壊すのはしのびない。
 びゅうびゅうと吹き荒れる風は、肉眼で見える程の風圧で怪人達の周囲に結界を張る。此方から範囲を狭めてしまえば、敵の攻撃は外側の箱庭に影響することはないだろう。アースに追随するように、ルゥーも魔導書をはらりと捲る。あたたかな光が電子の海を包みこんで、三人で浮かべた人魚姫達もこれで一安心。
「そろそろ、やっちまってもいいよな」
 二重に張られた結界を確かめて、あおい瞳がぎろりと睨む。掌に刻まれた紋から形を吐き出された槍が、瞬時に一体を仕留める。止まることなく次々に繰り出される槍の演武の的にならぬよう、動き始めた怪人達の群れが此方へ接近。すかさずアースの魔法が丸太を叩き落として、氷の息吹が手足を凍てつかせる。しかし、小さな身体のアニマルズを個別に捉えるのは難しく、三人がかりでも数を捌ききれない。
「っと、結構骨が折れそう、かな!」
「ちっ。ルゥー! そっち行ったぞ!」
「きゃっ」
 本に溜めた魔力を光の矢として放ちながらも、隙が大きくなる少女はオーラの膜と本の角でなんとか応戦。このままでは――ふと、ルゥーの頭に降ってきたアイデア。目を閉じて、浮かべるのは海の仲間達。
「イルカさん、助けて……ッ」
 ――きゅ、とひと鳴きしたシロイルカは、少女に包みこんでもらった光をお供に飛び跳ねる。イルカが生みだす仮想現実の激流が月光と少女の光を反射し、その眩しさに拍車をかけた。
「うわあ眩しい! ってあいたー!」
「なんか全然見えないけど今すっごいエモい映像が目の前にある気がするー!」
 怪人達は視界を邪魔され、互いの立ち位置すらわからないらしい。ごつんとぶつかり合いながら、あっちへおろおろこっちへうろうろ。
「イルカさん、ありがとー!」
 次は、あたしが頑張る番。白寵櫻のけがれなき花弁が吹き荒れると、電子の海に美しい桜の雨が降り注ぐ。このチャンスを逃すものかと、桜雨に身を隠しながら青年二人が駆けた。
 宵の龍がくるりと回転させた二又槍は、持ち主の闘気を反映するように轟々と焔を纏って燃えあがる。ぶわりと薙いだ一撃が、白い花弁と共にアニマルズに熱を与えて焼き尽くす。
「――ちょこまかするな」
 火焔を纏った龍と背中合わせに立つ蒼翼が、ふわりと揺れる。氷青の宝玉がやわく彩を宿して、魔槍をとん、と鳴らす。
「君らも此処を楽しみにきたのだろうに。すまないが、」
 ず、と音もなく空間を穿つようなそれは、友の桜と焔を幸い躱せた怪人達をあっさりと地に縫い留める。反撃を狙ったのであろう丸太を見て、アースは言いかけた謝罪の言葉をとめて、首を横に振る。
「――まぁその武器はだめだね。退去いただこうか」
 アニマルズを一掃した三人には、やはり疑問が残った。
「結局、写真がバズるって何だろう」
「なんであんなに怒ってたかも、わかんないね」
「きらきらさんに聞くしかないか……」
 うーんと首をひねっているアースとルゥー。一方で、オズウェルドは苦々しい表情をしていた。
「きらきらって、碌な感じがしねぇな……」
 そう、そんな名前の人物、間違いなく怪しすぎるものだから。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
「ふむ。目立てないから怒っているのか…」
言葉を調べ大体は理解した。
きらきらはわからなったがこの界隈では有名人なのだろう。

下手に魔術を行使したらテーマパーク自体が大惨事になるな。
一般の客もいるだろうしプログラムにも影響があると一大事だ。
ゴーグルとスマホを併用して【電子の精】でカタをつける。
要は私達猟兵よりも目立たせればいいのだろう?

相手の攻撃は露の背中に乗り露に任せるとして。
きらきらには劣るだろうが私は怪人達を気持ちよくさせよう。
満足させれば恐らくそれで還ってくれる…はずだ。
「きらきらという人物には腕は劣るだろうが…何を撮って欲しい?」
彼らの要求に少しでも応えるよう努める。


神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
不思議な言葉を使うのね…って思ってて見てたけど。
レーちゃんが教えてくれたわ。へー。そんな意味が。

「え? レーちゃん…何するの、急に…」
急に抱きしめられて驚いたわ。でも説明聞いて納得。
うん。説得できるまで攻撃を回避すればいいのね♪
えへへ。うん。レーちゃん背負ってがんばるわ!!
説得できたらあたしもお手伝いするわね。何しよー。

もし。もし説得に応じなかったらね。
【銀の舞】でスパスパパ…って移動しながら攻撃よ。
その時はレーちゃんにも手助けして貰うわ。
でんのーってゆーのからサポートは可能だと思うし。
でもでもこのテーマパークに被害は出したくないわ。
だからダガーで気を付けて戦う。


 エモい。英語のemotional(エモーショナル)が由来。『感情が動かされ、強く訴えかける心の動き』を意味した若者言葉。
 映え。SNS上に写真を投稿した際に、見栄え良くステキに見えるという意味で用いられる表現。写真うつりの良さを表す。
 バズる。インターネット上で口コミなどを通じて一躍話題となるさま。
「――ということらしい」
「へー、そんな意味が」
 スマートフォンでさくさくと検索結果を読み上げるシビラ・レーヴェンスの隣で、なるほど、と神坂・露が頷く。不思議な言葉を使うのね、なんて思いながら眺めていたけれど、どうやらキマイラフューチャーらしい言葉ばかりだった。
「ふむ、目立てないから怒っているのか」
「やっと理解できたかちんちくりんどもめ!」
 アニマルズのほうが二人よりも小さいのだが、それはそれとして。言葉を調べたことで、彼らの怒っている意味は大体理解できた。きらきらさんのことはわからなかったけれど、この界隈では有名人なのだろう。とにかくその人物のことは後回しにして、シビラはスマートフォンと電脳ゴーグルのプログラムを軽やかな手つきで動かす。
「要は私達猟兵よりも目立たせればいいのだろう?」
「うーん、でも目立たせてあげるって、どうやったら……え? レーちゃん何するの、急に」
 おもむろに露の背中に抱きつくシビラ。どよめく怪人達。振り返って戸惑いながら首を傾げる露に、シビラはいつもの淡々とした口調で返す。
「下手に魔術を行使して、テーマパークを大惨事にする必要はない。彼らを目立たせる役は私が担う」
「そっか、任せて♪」
 納得したように露は頷く。よっこいしょ、と小さな身体が、自分より若干高い背をしっかりとおんぶする。ててーん、此処に運動会でも始まりそうなかわいらしい組体操が完成した。
「理解を示したかと思ったらやっぱり僕らよりバズろうとしてるじゃないか!」
「あざとい! あざといぞ!!」
 ぶおんと派手な音を立てて投げ飛ばされた鉄球を、あっさりと躱す露の背に乗ってシビラが冷静な口調で諭す。
「落ち着け、私達は君達のバズりを応援する。撮影会がしたいのだろう?」
「何……!?」
 びゅんびゅん飛び交う鉄球を素早く躱し続けながら、露は友達の説得が成功するのを願う。それまで自分は、彼女を背負って攻撃を回避し続ければいい。大丈夫、だってそれだけの根性はあるんだもの。
 たたん、とスマートフォンの画面をタップし、シビラはゴーグルから宙にいくつものディスプレイを投影させる。ぱ、とシャッターを切る音がしたかと思えば、月夜の海で困惑するアニマルズを、絶妙なローアングルから撮影した画像がディスプレイに現れた。
「な、なかなかの撮影技術!」
「いや今どこでどう撮ってたんだ!?」
「きらきらという人物には腕は劣るだろうが……」
 さて、何を撮って欲しい? と、問いかければ、怪人達は次々に注文をつけながらポーズを撮り始める。
「怪人さん達! この辺りで撮ったら、花弁がふわふわ泳いでいてかわいいわ♪」
「ほんと!? わぁ撮って撮って!」
「そうだわ、さっきレーちゃんが浮かべてた雪の結晶! あれも降らせたらきっと素敵じゃないかしら♪」
「なんだそれ絶対エモいじゃないか!」
 露のアイデアとシビラの的確なカメラワークによって、アニマルズも月夜の海を満喫している様子。撮影会は、彼らが満足して穏やかに骸の海に還るまで続いた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

川村・育代
あたしの能力で一番SNS映えしていいねが稼げそうなマジカル・チェンジでピンク色の魔法少女に変身するわ。
見た目が派手な魔法少女のステッキ(ステッキで殴る)や徒手(殴る蹴る)による格闘メインの戦法で戦うつもりよ。
敵の鉄球攻撃は呪詛(手元や足下を狂わせる)と迷彩(狙いを狂わせる)を併用して受け流した所で蹴り飛ばすわ。
SNSでおかしくなった人は大勢見てきたし、怪人は旧世界の人類の成れの果て、と聞くと少し複雑な気分だけど、彼らの流儀に則っていいねを懸けて魔法少女として戦うわ。
『(魔法少女のステッキを構えてポーズを取りながら)魔法少女の力、見せてあげる』


鳥栖・エンデ
やぁやぁ水底の夢を邪魔するだなんて
無粋な怪人たちも居たもんだねぇ
きらきらさん、とか言ってた気もするけれど
星とか月のことでは絶対ないだろうしなぁ……
さっさとお帰り頂くためにも頑張るよ〜

騎士槍を投擲して、召喚ドラゴンのニールを放つ
キミたちは映える写真が撮りたいのだったっけ、
竜の焔だけで満足できたかな?獣の爪とか牙とか、
穿ったり抉ったりする槍もあるから
じゃんじゃん味わっていって下さいねぇ、なんて
自身は槍での体術メインで攻撃していく
この尻尾や蹄、ゆめかわな為だけに在るじゃないんだよ〜
羽だけは飾りものっぽいけどねぇ、と防御に使用したりもする


アドリブやアレンジも歓迎です


 こぷりと浮かぶ泡に触れて、やぁやぁと、間延びした調子で青年が怪人達へと視線を遣る。
「無粋な怪人たちも居たもんだねぇ」
 ひと時の水底の夢を邪魔する厄介者達は、自分のことしか考えていない様子。鳥栖・エンデは、ふと彼らの言っているきらきらさんについて首をひねる。
「星とか月のことでは絶対ないだろうしなぁ……」
「特定の誰か個人――恐らく、別の怪人のことじゃないかしら」
 遥か頭上で浮かぶ月の下、周囲に漂う星屑を軽く手で払って返す川村・育代の予想に、なるほど、とエンデが頷いて。青年の手にした騎士槍の穂先がアニマルズへと向く。
「さっさとお帰り頂くためにも、頑張るよ~」
「こっちはまだ一枚も撮影できてないんだ、絶対帰らないぞ!」
「そーだそーだ、貴様等が帰れー!」
 わぁわぁ身勝手に喚きながら、熊型の怪人達が丸太を抱えていきなり捨て身の特攻。血気盛んだなぁと、エンデは何気ない所作で槍を投擲する。彼の手から離れた瞬間、それは複数の怪人の胴をぶち抜いて、槍はその身をドラゴンへと変貌させる。
 大きく吼えた竜が吐き出した焔の波は、火炎放射器など比べ物にならないほどの熱を帯びていた。海の中で一瞬にして燃え上がる身体を、アニマルズは転がりながら火を消そうと一生懸命。
「キミたちは、映える写真が撮りたいのだったっけ」
 エンデはふんわりと笑む。竜の焔だけで満足できなければ、爪や牙の鋭い痛みも惜しむことなく全てあげよう。
「じゃんじゃん味わっていって下さいねぇ」
「うわーなんだよこのドラゴン! かっこいい!!」
「でもでも、かわいさなら僕らには絶対に勝てっこないね!」
 怪人達のちっぽけな自信を殺ぐように、あら、と少女の愛らしい声があがる。
「可愛さ勝負なのね。じゃあ、あたしの勝ちだわ」
 いきなりの勝利宣言に、怪人達の視線が一斉に育代へ集まる。少女の手にした魔法のステッキは、まるで女児向けアニメに出てくるそれ。ステッキをひと振りすれば、どこかチープな効果音が鳴って。
「変身バンクの時間よ――マジカル・チェンジ!!」
 奏でられる楽しい音楽と共に、きらきらと輝くリボンやハートのエフェクトが育代を包む。その間、怪人達の攻撃がぴたりと止んだのをエンデは不思議そうに眺めていた。
「自分が映えたいだけじゃなくて、映えるものを見るのも結構すきなのかな~」
 と、感想を述べている間に、ピンク色の魔法少女が姿を現す。
「魔法少女の力、見せてあげる」
 ばばーんと決めポーズを決めた育代に、かわい~と青年がのほほんと拍手していると、怪人達が騒ぎ出した。
「ずるーい!」
「そんなのキマフュの皆がすきな奴じゃん!」
「モテモテになっちゃうだろー!!」
 あ、やっぱり自分達が映えたいんだ。すかさず丸太を持ち出す彼らを、槍と蛇の尾で素早く薙ぎ払う。エンデに続くように、育代がぶわりと戦場を駆けだした。そのまま天に翳した魔法のステッキが煌いて――犬型怪人の頭をぶん殴った。昏倒する仲間に駆け寄って、アニマルズが悲鳴をあげる。
「魔法使えよ!!」
「知らないの? 格闘メイン、むしろオンリーで戦う魔法少女も居るのよ」
 こども達の教育支援の為に生まれた少女はSNSでおかしくなった人を大勢見てきている。更に怪人は旧世界の人類の成れの果てだというのだから、少しだけ複雑な気分にもなるけれど。
「あなた達の流儀に則って、いいねを懸けて魔法少女として戦うわ」
「魔法少女の定義知ってる!?」
 魔法のステッキで変身するのだから、魔法少女だ。なかばやけくそ気味に振り回された鉄球をするりと受け流し、育代は勢いよく蹴り返す。同時、エンデのドラゴン『ニール』の焔が怪人達を追い詰めれば、青年の山羊の蹄が強烈な踏みつけをお見舞いして一言。
「この尻尾や蹄、ゆめかわな為だけに在るじゃないんだよ~」
「こいつ、ずっと映えるなと思ってたけど……ちゃんと強い……」
 ゆめかわに映える青年と少女の攻撃は、アニマルズが思うよりもずっと物理に偏っていた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

天音・亮
巴(f02927)と

わあ!見て見て巴!
かわいい子達がいる!
一緒に撮りたいなぁ…撮っちゃダメかな?
うずうずそわそわ
かわいいもの好きの血が騒ぐ
でもちゃんと巴にお伺いを立てるTPOは弁えてるよ!
ダメって言われたら我慢する…

確かにここって最高に映えな神スポット
撮りたくなる気持ちはわかるよ~
巴、私達も後で撮ろうね!

でもごめんね、そういう目的なら尚更負けられない
一番の輝きは譲らないよ

武装ブーツをブレード型に変形
超加速でアニマル達を翻弄
ほらほらこっちだよー!
見続けてると目が回っちゃうかもね?ふふ



託せばきみが呼び出す牡鹿達
一頭が傍らへ
お願いねと優しく手を差し伸べながら
触れた鼻先と駆けてく蹄の音を聴いていた


五条・巴
亮(f26138)と

隣でかわいいかわいいと目を輝かせる亮
我慢するといいつつもこちらを伺う様子を見れば
意地悪にダメという気も失せて笑ってしまう

あはは、かわいい
いいね、後で一緒に映える写真撮ろうね

君たちも十分かわいいけれど、
僕等へ向けられた視線が奪われるのは悔しいな

華やかに、圧倒的な美しさと明るさで視線を引きつける亮
その周りで攻撃を受ける子達も含めてぱしゃり
隠し撮りは怒られるかな?
綺麗だから、収めておこうと思って。

さあ、亮と戯れた後は、僕とも遊んで?
"月"
遊び相手は僕のかわいい鹿たちだよ


 とことこよちよち、そんな音が似合う手足とサイズ。微妙に人型感が強い気もするが、あくまで彼らはつよくてかわいいアニマルズ。だって彼らを見つめる天音・亮の瞳が、きらきらと輝いているのだから。少女はわぁ、と歓声をあげて、五条・巴に呼びかける。
「見て見て巴! かわいい子達がいる!」
「本当だ、沢山居るね」
 にこ、と亮に微笑んで、巴は現れた怪人達を眺めた。亮にかわいいと言われて、彼らもどことなく得意げな表情をしているような気がする。手にしている凶器は、可愛らしいものではないけれど。
「そこのお前、よくわかってるじゃないか!」
「なんならこのゆるかわな僕らを撮影してもいいんだぞ? そしてオシャレ系SNSに上げてバズらせちゃってもいいんだぞ?」
「えっいいの? うぅ、一緒に撮りたいなぁ……撮っちゃダメかな?」
 怪人達からの提案に、ぱっと向日葵のように笑顔が咲いて。しかし相手はオブリビオン、亮はちらりと傍らの巴に視線を向ける。
「亮、あれは怪人だよ?」
「わっわかってる! うん、そうだよね! 我慢……する……」
 優しく諭してみたものの、相変わらずうずうずそわついている少女の姿に、少年は思わず、ふは、と笑みを零す。意地悪にダメなんて言う気も失せてしまった。
「あはは、かわいい。いいよ、ちょっとだけなら」
「やった!」
 巴から許しが出たことに小さく喜ぶ亮の姿に、ほうほうと頷くアニマルズ。
「物わかりのいい奴等じゃないか」
「猟兵って意外と話がわかるのでは?」
 とん、とん。少女は自分の脚を彩る電子仕掛けのブーツの踵を軽く鳴らす。確かにこの箱庭は最高に映えな神スポット、撮りたくなる気持ちはわかる。
「巴、私達も後で撮ろうね!」
「いいね、後で一緒に映える写真撮ろうね」
 後で、というフレーズに首を傾げる怪人達。撮るなら今では? そう、我々と。そんな風に思っていたのだが。
「――でもごめんね、そういう目的なら尚更負けられない。一番の輝きは譲らないよ」
 鋭いブレード型に変形したブーツを蹴って、亮は一気に超加速。アニマルズめがけて走りだせば、ひやりとした空気を全て奪うように怪人達の合間を縫う。
「わわわ、目が回る!」
「なんだよ! 結局僕らより映えたいんじゃないか!」
 慌てて犬型怪人が鉄球を振り回すも、少女の速度についていける者など此処には居ない。
「ほらほら、こっちだよー!」
 花形スケーターのように駆ける亮と、翻弄される怪人達をスマートフォンのカメラでぱしゃり。華やかに、圧倒的な美しさと明るさで視線を引きつける彼女の姿をきちんと撮れたのを確認して、少年はくすりと笑む。
「隠し撮りは怒られるかな?」
 とても綺麗な太陽の姿だから、収めておきたくて。彼らも十分かわいいけれど、僕等へ向けられた視線が奪われるのは悔しいから。
「巴、」
「うん」
 彼女の呼びかけに、彼が応じる。おいで、と少年が喚んだのは、無数のうつくしい牝鹿達。ぱちりぱちりと雷を纏った彼女達は、おのおのがそっと蹄を鳴らす。
「さあ、僕とも遊んで?」
 誰もが見惚れる人気モデル、『五条・巴』をその目で視ないなんてもったいない。巴から意識を逸らした怪人達をたしなめるように、牝鹿達は彼らへと奔る。
「うわーなんだこの鹿!」
「大群じゃないか!!」
「かわいいでしょ?」
 勿論、それだけじゃ済まされない。彼女達と遊んでもらうことで、SNS映えは諦めてもらわなくては。ふと、走り終わった亮の元へと一頭が寄り添う。少女はそっと鼻先に触れてわらった。
「お願いね」
 そうして駆けていく蹄の音はいくつも重なり、雷として怪人達を呑んでいく。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

鵜飼・章
…誰?
せっかく静かにお昼寝していたのに…
寝起きの僕はすこし機嫌が悪い

絵本作家として指摘させてもらうけど
きみ達ゆめかわいくはないな
まずカラーリングが何か違うし
頭身も半分ぐらいにした方がいいと思う
持っている武器の病み感も足りない
本気で映える気ある?(ダメ出しによる精神攻撃

明日くんはちょっと待っててね
UC【ダモクレスの剣】を発動し包丁か何かで整形する
そう…そんなに映えたいなら頭身を削ってもっと可愛くしてあげよう
大丈夫胴の辺りを切除して縫いなおすだけだから…
失敗してもゆめかわ感は出るんじゃない
鉄球とかは【早業/逃げ足】でかわす

色調もパステルトーンに補正してと
この写真、SNSへ投稿…できるかな?
寝よう…


ヘンリエッタ・モリアーティ
うるせー、しらねーってやつなんだけどね。わかりました。
まあ私、顔だけはいいから美しい景色に映えてしまうのも正直わからないでもないの。私はこの顔嫌いなんだけどね
エモってなんでしたっけ。エモーショナル? ああ、最近も聞いた覚えがあるのに……ごめんなさいねちょっと最近の言葉詳しくなくって
まあ、興味が無いからなんだけど

私がとびきりあなたたちをバズらせてあげましょっか
バズるってあれでしょ?話題になるってことでしょ?
オーケー、心得があるの。さ、丸太に三人乗って

飛び切り打ち上げてあげる。
目立つわよ。すごくね、色んな人が写真に撮ってくれるから
死にたくなけりゃ死なないよう、頑張って。

さん、はい。【黄昏】~!


「うるせー、しらねーってやつなんだけどね」
「なんだと! 貴様達のせいで僕らがどれだけテン下げしたと思ってるんだ!」
「かわいい僕らがバズらない責任を取れよ!」
 いかにもめんどくさそうにヘンリエッタ・モリアーティが吐き棄てるので、怪人達はわぁわぁと喚き散らす。
「あーはいはい、わかりました」
 手を軽くひらひら振って、女はうんうんと頷く。
「まあ私、顔だけはいいから。美しい景色に映えてしまうのも正直わからないでもないの。私はこの顔嫌いなんだけどね」
「お前全然わかってないだろ!!」
 ふと、騒がしい水底の隅っこで、もぞりと何かが動いた。
「うるさいなぁ……誰?」
 むくり、何処からか持ってきたタオルケットを被ったまま、青年は不機嫌そうに声をあげる。
「せっかく静かにお昼寝していたのに……」
「おはようイケメンさん。昼寝の邪魔なんて最低よね」
「こんなとこで寝る方がおかしいだろ!」
 鵜飼・章は寝起きが悪い。素敵な箱庭で気持ちよく眠っていたのを、迷惑な闖入者達に叩き起こされたのだから、その目覚めは最悪と言っていい。
「んー……映えたいの、きみ達」
「らしいの。ところでエモってなんでしたっけ」
「確かエモーショナルじゃなかった?」
「ああ、なるほど。最近も聞いた覚えがあるのに……ごめんなさいねちょっと最近の言葉詳しくなくって」
 まあ興味が無いからなんだけど。さして申し訳なさそうにもせずいかにも一応謝っておく女と、まだ目をうとうとさせながらタオルケットを丁寧に畳んでいる男の意味不明さに、アニマルズは怒りよりも困惑していた。と、タオルケットを畳み終えた章が怪人達をじろりと見渡す。
「絵本作家として指摘させてもらうけど、きみ達ゆめかわいくはないな」
「なっどう見てもゆめかわいかろう!」
「まずカラーリングが何か違うし、頭身も半分ぐらいにした方がいいと思う。持っている武器の病み感も足りない――本気で映える気ある?」
 ぐさぐさ。淡々と指摘し続ける章の本気のダメ出しを喰らったアニマルズ、幾人かがその場で崩れ落ちた。本人達も心の何処かで気にしていたのかもしれない。
「まぁまぁそんなに落ち込まないで。ねぇ、私がとびきりあなたたちをバズらせてあげましょっか」
「ほ、ほんと?」
 ヘンリエッタは軽やかな笑顔で怪人達を慰めた。女の提案に乗り気な彼らににこにこと頷いて、女は話を進める。
「バズるってあれでしょ? 話題になるってことでしょ?」
「そうさ!」
「オーケー、心得があるの。さ、丸太に乗って。何人でも大丈夫よ」
 いつの間に手にしていたのか、熊型怪人の持っていた丸太を床に置いてアニマルズへ手招き。猟兵って案外良い奴では? はしゃぎながら丸太に乗った怪人達を確かめ、女はごきごき腕を鳴らして準備運動。
「で、このあとどうするんだ?」
「飛び切り打ち上げてあげる」
「打ち上げる」
 ヘンリエッタの言葉を繰り返して、怪人達のはしゃぎ声が止んだ。
「目立つわよ。すごくね、色んな人が写真に撮ってくれるから」
 見れば章がスマートフォンのカメラを此方へと構えている。彼らの勇姿は間違いなく収めてくれるはず。ニィ、と歯を剥き出しにわらって、女は腕の力を暴発させる勢いで丸太を掴む。
「死にたくなけりゃ死なないよう、頑張って――さん、はい、」
「アァァアアアア!!」
 月めがけてぶん投げられた丸太から絶叫が響く。仲間達の悲鳴を聞いて逃げ出そうとした怪人の一人はちいさな首根っこを掴まれた。
「ひっ」
「そう……そんなに映えたいなら、頭身を削ろうよ。もっと可愛くしてあげる」
 章の足元からずるりと溢れた生ける闇。それが静かに己を形づくったのは、立派な出刃包丁だった。
「ねぇそれそういうことだよね!? そういうことだよね!?」
「大丈夫胴の辺りを切除して縫いなおすだけだから……」
 失敗してもゆめかわ感は出るんじゃない、わからないけど。ぎらりと闇の刃を光らせて、章は手術を始める。術中風景はゆめかわいくはないので、モザイク処理をかけるほど。残った怪人達は仲間の無残な光景に抱き合い身体を震わせるも、その背後から忍び寄る女の手。
「さ、第二陣様ご案内~!」
 直後、SNSにアップされたのは、色調をパステルトーンに調整したゆめかわなアニマルズ達の写真だったという。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ミザール・クローヴン
寧(f22642)と
ばずるだのばえだのよく分からないことを言って……
邪魔しにきたのはそっちの方だろう?

せっかくの海底散歩をこれ以上邪魔させないぞ!
殴って解決できるというなら、特別痛いのを喰らわせてやる!
寧!おれ様の後ろに下がっていろ!戦うのは任せておけ!
……こ、こども扱いするな!おれ様學徒の兵なんだからな!

戦術思考展開、武装情報DL
黄金爪を装着したなら敵の攻撃に合わせて攻撃を変更する
丸太なら正面から叩き壊し、鉄球ならロケットパンチで敵ごと殴り飛ばす
寧の悪魔が足止めしてくれたやつから狙っていくぞ

寧!無事か!?怪我してないか!?
うむ、おれ様はどうということはない
……そうか?ふふん!そうか!!


花仰木・寧
ミザールさん(f22430)と

私、あなたたちの仰っている言葉がよくわからないの
よろしければ、教えていただける?

愛らしい敵を相手に強い戦意はないけれど
影朧を還すのが私の役目だというならば
それに、従うまで

ああ
影朧ではなく、おぶりびおん……怪人、ですわね

ミザールさんの背を見つつ
子どもに守ってもらうばかりでは、女が廃るというもの
召喚した悪魔に寄り添い、指示を下す
アマラントス、前には出すぎないで
遠距離より花の檻を放ち、敵の足止めを図る
ミザールさんが動きやすいよう、支援を

攻撃は悪魔に受けさせ
彼が斃れれば、私に為す術はないけれど

ミザールさんこそ、痛いところはない?
あなたはまだ子どもだけれど
……頼もしかったわ


 ちいさなきらめきを抱いた、月下美人と桔梗がそろりと逃げるように流れに乗る。まぁ、と花仰木・寧がため息をついて、向こう側へと流れていく花達を残念そうに見送る。
 せっかく彼女が電子の海を見て元気になったのに、ミザール・クローヴンは散歩を台無しにしたアニマルズへと唸った。
「ばずるだのばえだの、よく分からないことを言って……邪魔しにきたのはそっちの方だろう?」
「ふん、此処は僕らの為だけの神スポットさ。住民達は勿論、猟兵なんかに占領されたくないね!」
 謝る素振りひとつ見せない怪人に言い返そうとするミザールを優しく制して、寧はそっと呼びかける。女はあくまで丁寧に、礼儀正しく問うた。
「私、あなたたちの仰っている言葉がよくわからないの。よろしければ、教えていただける?」
「バズるを知らないなんて、よっぽどの田舎者だな!」
「こいつらすっごい遅れてるよー!」
 明らかに寧を小馬鹿にする物言いなものだから、少年の怒りが頂点に達する。これ以上、海底散歩を邪魔されたくはない。殴って解決できるというなら、特別痛いのを喰らわせてやる。寧、と女の名を呼んで、さっと彼女の前に立った。
「おれ様の後ろに下がっていろ!戦うのは任せておけ!」
「でもミザールさん、あなただってまだ、」
「……こ、こども扱いするな! おれ様學徒の兵なんだからな!」
 言葉の端に乗せた寧の想いは伝わったらしく、ミザールはほんの少しぶっきらぼうに返して帽子を被り直す。
 戦術思考展開、武装情報ダウンロード――電子信号鳴り響く脳のプログラムを動かせば、黄金に輝く巨大な両爪が稼働する。少年の背を見て女は、ああ、と歌うように紡ぐ。
「そうね――あなたは、立派な學徒の兵ですものね」
 そして影朧を還すのが私の役目だというならば。それに、従うまで、と。左の薬指に宿った金剛石の輝きがいっそう増して、悪魔『アマラントス』を喚び起こす。
「影朧ではなく、おぶりびおん……怪人、ですわね」
 戦いに身を置くことの少ない女には、身近な怪異の名の方が馴染みがいいけれど。愛らしい見目とはいえ、彼らを彼らの為の海に還さなくては。
「ひぇっなんだあの爪! 奥の化け物も怖っ!」
「び、びびってちゃ駄目だ! 相手はこどもと弱そうな女なんだから、僕ら全員でかかればいけるって!」
 怖気づく仲間に檄を飛ばした熊型怪人が丸太を振り回そうとするより速く、ミザールの爪が下ろされる。真っ二つに割れた丸太を蹴り返して、今度は勢いのままに機械仕掛けの片腕が鉄球を殴り飛ばす。
「アマラントス、前には出すぎないで」
 主の指示を忠実に守る悪魔が、黒い手からぼわりと大きな蓮の花弁をアニマルズへと零す。花弁の群れは仮想現実の流れを縫うように泳ぎながら、ふっと細長い棘檻へと姿を変えた。動きを閉ざされた怪人達がもがいている隙に、ミザールがそれらを檻ごと砕いて粒子へと変換させて。
「なんだよこいつら結構強いじゃんかー!」
「当たり前だ、おれ様をこどもだと思っていたんだろ」
 なめてかかる位なら、本気で来い。星影を纏った爪が甲高い音を立てて、あらゆる敵を打ち砕く。元より手加減する気はなくても、友を馬鹿にした彼らにくれてやる慈悲もないが。
「ミザールさん、あれで最後よ」
「ああ!」
 ふ、と蓮の花嵐が吹いて、女の指輪のひかりが悪魔の陰をより濃く見せる。花吹雪から現れた星爪が最後の一匹を裂いて、それっきり。敵の殲滅を確かめて、戦術思考を通常の回路へと戻したミザールは振り返る。
「寧! 無事か!? 怪我してないか!?」
「ええ、大丈夫よ。ミザールさんこそ、痛いところはない?」
「うむ、おれ様はどうということはない」
 とろりとあまい瞳のままで、女はやわく問うて。元気よく返した少年に、にこりと笑む。
「あなたはまだ子どもだけれど……頼もしかったわ」
「……そうか? ふふん! そうか!!」
 得意満面のモダンボーイに、モダンガールは心でそっと拍手を送る。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 ボス戦 『きらきらさん』

POW ●ギンギラ流れ星さん
【ギンギラ輝く流れ星】が命中した対象を燃やす。放たれた【ギラギラの】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD ●ぴかぴか流れ星さん
単純で重い【ぴかぴか流れ星】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ ●きらきら流れ星さん
レベル×5体の、小型の戦闘用【きらきら流れ星】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はテト・ポーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 つよくてかわいい迷惑なアニマルズが、猟兵達によって骸の海へと還されているところ。時折、ホログラムではない輝きが彼らの視界を通りすぎていた。
 きらめくそれはぱしゃぱしゃと、シャッター音を伴にして。ようやく姿を現した姿は、まぎれもない星の彩を頭部に宿していた。

 きらきら、ぱしゃぱしゃ。

 ふと、手と手を合わせて再び開けば、その中でだけ銀河のひかりが満ちている。彼がアニマルズの言っていた『きらきらさん』だろう。
 箱庭に惹かれて現れた怪人は、掌サイズの銀河から流れ星を落としはじめる。敵意はなくとも、このままにはしておけない。

 ――猟兵達と、お星様の戦いが始まる。
シビラ・レーヴェンス
●露(f19223)と。
この怪人がきらきらさんか。なるほどキラキラだ。
ここで戦うのは不本意だが…止めないとな。
私は【姉妹達の軍行】で露のサポートにまわろう。
(早業、破魔、限界突破、範囲攻撃、オーラ防御)
「いつもすまないが…いってくれ、私の分身たち!」
オールレンジ攻撃…というより目隠しと気を逸らす。
露が攻めやすいように懐に入りやすいよう動いて貰う。
同じようなモノを召喚された場合でもこの子達で対応する。
サポートで動いて貰う。露の邪魔はさせない。
「頼むぞ! 私の分身たち」
私自身は間合いを取りながら移動する。
一つとことに留まっていると狙われるだろう。

終了後にやはり私の分身を抱きしめるんだな。露は…。


神坂・露
レーちゃん(f14377)と。
これがキラキラさん?…とっても綺麗な人ね。

レーちゃんがサポートしてくれるなら千人力よ♪
【銀の舞】でぱしぱしっと還らせちゃう。
(早業、2回攻撃、フェイント、ダッシュ、見切り)
ちびレーちゃんの動きを利用して攻撃するわ。
武器は使いたくないわ。この人も悪意ないみたいだし。
うーん。でも使うとしてもダガーね。お店壊しちゃうから。
武器よりも丈夫な紐みたいなのがあると助かるわね。
手足縛っちゃって身動き取れなくするただけでもいいと思うの。
…でも難しいと思うからダガーで。ごめんね。

「えへへ♪ ちびレーちゃんやっぱり好き好き♥」
きゅぅーって抱きしめて頬すりするわ。勿論終わってから。


 遠くの火花のように、近くの星のように。頭部を煌かせるきらきらさんの姿に、神坂・露はぱちりと瞬きした。
「これがキラキラさん?」
 とっても綺麗な人ね、と思わず零した感想に、シビラ・レーヴェンスが頷く。
「そのようだな。なるほど、キラキラだ」
 青いひかりを放つ長身の怪人は、軽快なステップで箱庭の光景をカメラに収めている。けれど零れ落ちる流れ星を止める気配はなく、二人がすべきことは決まっていた。
「此処で戦うのは不本意だが……止めないとな」
 露、と親友に呼びかけて、シビラは魔導書のページをはらりと捲る。露はぱっと笑顔を向けて、はあいと大きく返事をかえす。
「レーちゃんがサポートしてくれるなら千人力よ♪」
 その言葉を合図に、シビラの唇が静かに詠唱を紡ぐ。水底を模したホログラムの空間に、魔法陣が浮かびあがる。ぽん、と軽い音を立てながら現れたのは、シビラによく似た愛くるしい人形達。
「いつもすまないが……いってくれ、私の分身たち!」
 主の号令に従い、ちいさなシビラ達は一斉にきらきらさんへと飛びかかる。四百近い姉妹達の進軍は、怪人の掌から零れ落ちる無数の流れ星とぶつかり合う。
 流れ星よりも圧倒的な数で以て、姉妹達は箱庭のあちらこちらを駆ける。間を置かずに数体がきらきらさんにくっつくたび、長身は慌てたようにそれをひっぺがす。
 それを好機と見た露の姿を、怪人は捉えてはいない。これだけ沢山の人形達がひしめき合っているのは、あくまで本命である露の目隠しなのだから。
「ちびレーちゃん、やっぱり好き好き……ぎゅってしたいなぁ」
 うっかり洩れてしまう本音を今は我慢して。ちいさなシビラ達の動きに紛れて、少女はちいさな身を低くして地を蹴る。懐に潜り込めたなら、大成功。
「ごめんね」
 ダガーの一閃が素早く怪人の身体を斬り刻む。悪意のない者を攻撃することは躊躇われたけれど、このお店を壊される訳にはいかない。今だって、ぽろぽろと零れる流れ星は止むことはなくて――再び人形達の渦に身を隠した時、ふと、露の脳裏に浮かぶアイデア。
「……レーちゃん! ね、この辺りに紐とかない!?」
「紐?」
 同じ場所には留まらぬよう、距離を置きながら姉妹達に指示を出していたシビラが辺りを見渡す。すると、ほんの少し遠くに設置されていた、入場ゲート用のロープが目に付いた。
「分身、あれを持ってきてくれ!」
 すかさず数体の姉妹達が飛び出して、ゲートまで走る。えいや、と露めがけて投げられたロープは見事にキャッチされ、露は再びきらきらさんの前に姿を現す。
「大人しくして!」
 手足を縛ってしまえば、流れ星の流出を抑えられる。じたばたと長身を揺らすきらきらさんを叱りつけて、両手を縛りあげる。それが時間稼ぎにしかならなくても、自分達以外の猟兵達が駆けつけているのだから。
「頼むぞ、分身たち!」
 主の一声に応じた姉妹達が、もがくきらきらさんへと雪崩れ込む。タイミングをずらして、とん、と軽く飛びあがった露がダガーを手に踊る。
「本当にごめんね!」
 再び刃がきらめいて、星のひかりを裂いた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

幻武・極
へえ、キミがきらきらさんか。
あのアニマルズが対抗心むき出しだったのは、キミもここの月夜のホログラムに対抗心をむき出しにしているからなのかな?
まあ、理由は何であれ、迷惑をかける怪人は倒させてもらうよ。

流れ星には流れ星で対抗するかな、幻武百裂拳に属性攻撃:星を付けて衝撃波と共に放つよ。
数が多くても一撃で壊せるなら攻撃で発生する衝撃波で周りの流れ星も巻き込んでしまおう。
流星群と流星群の激突は結構見栄えがあったんじゃないかな。


川村・育代
真の姿(衣装がさらに派手になったピンク色の魔法少女スタイル)に変化してからグッドナイス・ブレイヴァーを使って戦いを挑むわ。
きらきら流れ星さんを格闘(実は、ピンク色の魔法少女スタイルは格闘能力全振りで魔法が使えないのよ)でなぎ倒しながらきらきらさんに突っ込むわ。
ユーベルコードの効果も意識して派手に名乗りを決めて(敵意の無い相手にいきなり殴りかかるのは魔法少女のやることじゃないから)アクションなども派手になるように意識して戦うわ。
しょっぱい戦い方だとドローンの向こうの人たちもしらけるから。
(アニメや特撮の最終決戦のシーンのイメージで)
『この箱庭の未来といいねを懸けてあたしと勝負よ』


「へえ、キミがきらきらさんか」
 その名の通り、星をかたどる頭部を戴くきらきらさんは、先程縛りあげられた両手のロープを解こうと一生懸命身体を動かしている。
 しかし幻武・極の呼びかけに気付いたのか、長い脚でステップを踏む。ねぇ、と羅刹の少女は再び、怪人へと呼びかける。
「あのアニマルズが対抗心むき出しだったのは、キミもここの月夜のホログラムに対抗心をむき出しにしているからなのかな?」
 喋ることのない彼は、こてんと首を傾げたのち、再び両手をぐぅぱぁじたばた。
「なんだかあれを外すのに忙しそうね」
 川村・育代の言葉に、極も確かにと頷いて。まぁ理由はなんであれ、此方がやるべきことはたったひとつ。
「迷惑をかける怪人は倒させてもらうよ!」
 極が拳をぐっと握って構えを取れば、怪人は何か思いついたように縛られた手と手を合わせる。ぱん、と軽い音を立てて浮かびあがるのは、ほんの僅かな銀河の彩。そこからひとつだけ零れた流れ星が、ロープを無理矢理引き千切る。
 自由になった長い腕を動かし始めたのを見て、育代が再びステッキを振るう。しゃらりと鳴り響く変身音と、輝くリボンやハートに包まれた少女は、先程よりもいっとう派手に愛らしいピンクに染まった魔法少女として降り立つ。
 小型のドローンがふわふわと宙を泳げば、それまで静けさに満ちていた箱庭が、少女達の戦いを見守るキマイラフューチャーの住民達の歓声で沸き立つ。
「この箱庭の未来といいねを懸けて、あたしと勝負よ」
 それはさながらアニメの最終決戦のように。二人の少女がまっすぐにきらきらさんへ視線を投げると、溢れんばかりの流れ星の奔流が此方へと襲いかかる。
 どちらが最初に動いたのか、あるいは同時だったかもしれない。地を蹴った少女達は、自らの拳で零れた星の群れを打ち砕く。自身の連撃に宙の彩を宿した極の拳が、怪人の生み出す流れ星を壊す。その度に、ぶわりと広がる衝撃の波に巻き込まれ、更にきらきらさんの流れ星が砕けて墜ちる。
「流星群と流星群の激突は、結構見栄えあるんじゃないかな!」
 星海の波がぶつかり合う間を、魔法少女が駆ける。素早い身のこなしで流れ星の波を蹴り飛ばし、風を切る音を立てながらステッキをぶん回す。ハートの彩を身に纏ったこのフォームは、実は格闘能力に全振りしたスタイル。
「魔法が使えなくなって、魅せる戦いはできるのよ」
 流れ星の海を越えて、潜り込んだきらきらさんの長い脚を踏みつける。そのままジャンプ台代わりに、だん、と強く飛びあがったまま宙を一回転したかと思えば、長身めがけてすさまじい勢いの蹴撃が閃く。
 きらきらさんが体勢を崩し床に転がる寸前、羅刹の青い髪が青空のようにたなびいて。
「ボクのことも忘れないでほしいな!」
 背中を激しく打ちつける星幻の百打が輝く。ドローン越しの視聴者の歓声は、いっそう高まるばかり。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

真幌・縫
マクベスくん(f15930)と♪
きらきらさんって名前の通りキラキラだね。
きらきらさんはそれだけでも十分映えだと思うんだけどな?
その小さな銀河とっても綺麗だよ?
でも攻撃しちゃうの?(首を傾げつつ)

むむむ、なら怪人さんとして骸の海に帰ってもらうしか無いのかな。
それなら、ぬいのキラキラを見せてあげる!

UC【虹色の魔法】
流れ星と虹色の光で勝負!
マクベスくん!攻撃するなら今だよ!

うん!マクベスくんの炎も綺麗だね♪

怪人さんに邪魔はされちゃったけどマクベスくんとサジ太とお出かけできて楽しかったよ。
ありがとう♪
…ふふ、ぬい達友達だもんね!またお出かけしよう!


マクベス・メインクーン
縫(f10334)と
おお…まじで見たまんま『きらきらさん』だな
オレたちに興味なく映える写真撮ってる感じか?
って言っても怪人は怪人だし、依頼だから倒さないとな

あー…まぁ流れ星は綺麗っちゃ綺麗だけど
うん、普通に落ちてきてるし当たったら痛そうだな
翼で飛んで【空中戦】、小刀を両手に持って炎【属性攻撃】【2回攻撃】で
敵のUCを縫が牽制してる間にUCで攻撃する
オレの炎も流れ星より綺麗だろっ?

ま、怪人倒す前に割と遊べたし
写真もいっぱい撮れたしなっ
お~…お礼とか今更さらだろ?
友達と遊びに来ただけなんだからさっ
今度も楽しいところに遊びに行けるといいな♪


 ちかちかと光を放つ星の異形頭に、マクベス・メインクーンはおお、と感嘆の声をあげた。
「まじで見たまんま『きらきらさん』だな」
「名前の通りキラキラだね」
 ふわりと笑みを咲かせながら、真幌・縫はぴこりと猫の耳を動かす。きらきらさんも流石に戦闘中は余裕がないのか、今は水底の世界を撮影してはいないけれど。
「きらきらさんはそれだけでも十分映えだと思うんだけどな?」
「もしかして、オレたちに興味なく映える写真撮ってた感じか?」
 だとするとわずかに戦いづらさを覚えるものの、怪人は怪人。縫とマクベスとて、猟兵としての役目を果たすのみ。そんな少年少女の気持ちを知ってか知らずか、きらきらさんは合わせた掌をそっと開いて銀河への入口を覗かせる。近付けば吸い込まれそうなほどの彩とプリズムで満ちた不思議な闇の耀きから、零れ落ちていく流星群。
 小さな銀河、それだけでとても綺麗なのに。
「でも攻撃しちゃうの?」
 小首傾げて問うた縫に、言葉が返ってくることはない。その代わりのように降り注がんとする星の波ははらはらと、きらきらと。勢いを殺すことなく此方へと向かってくる小さな流星群に、マクベスは怪訝な表情を見せた。
「あー……まぁ流れ星は綺麗っちゃ綺麗だけど」
 それが身体に当たったらきっと痛い。この場で何もせず、運悪く頭にでも当たってしまえば、箱庭散歩の楽しかった気分も台無しになるに違いない。
 冴えた空色の膜を濃灰の骨格で包んだ竜の翼を広げて、少年は空を舞う。無数の小さな流れ星の群れを、両翼を翻してはしなやかに避けていく。きらきらさんの意識が彼と向いている限り、ダメージを与えることは難しい。ならば、と少女が叫ぶ。
「きらきらさん! あなたにぬいのキラキラを見せてあげる!」
 愛らしい肉球とピンクの花々に彩られた杖を一振りすれば、縫の頭上に虹色の魔法陣が浮かびあがる。魔法陣から生み出されるのは、虹の力を秘めた光の矢群。いつ終わるともわからぬ流れ星の夜に勝負を仕掛ける瞬間、抱きしめていたサジ太が応援してくれているように思えて、縫は小さな翼をはばたかせた。
「これがぬいの、虹色の魔法……プリズムファンタジア!!」
 少女の声を合図に放たれた七彩が、鮮やかな軌跡を遺して流星群とぶつかり合う。星降る夜は必ず明けて、雨が止めば必ず虹が掛かるもの。華やかな色の奔流が、流れ星を相殺していく。
 それはきっとエモーショナルな光景で、きらきらさんは見惚れるように立ち尽くしている。絶好の機会を逃さず、マクベスが空を一気に駆けた。
「竜の爪の連撃、受けてもらうぜ!!」
 両手に持った二振りの小刀に宿る焔が、明々と燃ゆる。二度に渡って灼彩が怪人の長身を裂いて、防ぎようのない炎熱の刀傷を齎した。
「縫、オレの炎も流れ星より綺麗だろっ?」
「うん!」
 振り返った先で微笑む少女に、少年はまた遊ぶ約束を交わす。
 次はもっと、楽しい場所へ。だいすきな友達となら、きっと何処でも。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ミザール・クローヴン
寧(f22642)と
あれが今回の親玉か
……敵意がないからこそ厄介なやつだな
寧、おれ様だけでは庇いきれないかもしれない
警戒し続けてくれ

おれ様はあれを砕く
降り注ぐ星は機械爪で払い落とし、どうにか接近
相手を機械爪で掴めたなら、内蔵のワイヤーを伸ばして地面に叩きつけよう

地に落ちた星がどうなるか、おれ様なんでかよく知ってるのでな
立ち上がる前に追撃を
破砕する黄金で渾身の一撃をお見舞いしてやろう
そうだ、いずれ星は滅ぶものなのだ

……寧?大丈夫か?
流れ星も、こう攻撃的だと願いなど託すことはできないな
……星は昊に、か

なんだ、寧
……そうだな。いつか
いや、必ず本物の花を見に行こう


花仰木・寧
ミザールさん(f22430)と

星は、昊にこそ在るべきもの
海の底へ降りてきては、いけないわ

私のことはお構いなく
だからどうぞ、前だけを見て
あなたの背は、私がお守りいたします

悪魔をミザールさんへ追随させ
イライアスの剣で落ちる流れ星を打ち払わせる
彼が接近するための手助けを
…私が無防備ですって?
足の利かない人形でなし、避ける程度はできましてよ
その星の海ごと、切り裂いておしまいなさい!

あのお星様も、いつか昊へと還ることができるかしら
ふふ、願い事なんて思いつく暇もありませんでしたわね

ねえ、ミザールさん
いつか、本物の月下美人を見にいきましょうか


 未だに青白いひかりを宿し、かがやき続ける星模様。あれが親玉か、とミザール・クローヴンは呟いて、きらきらさんの長身を遠くに見遣った。敵意がないからこそ厄介で、害意のない者を相手にする時ほど己の実力が試される。
「寧、おれ様だけでは庇いきれないかもしれない」
 警戒し続けてくれ、と年上の友人に呼びかければ、花仰木・寧は猫の金瞳に大熊座の少年を映す。
「私のことはお構いなく――だからどうぞ、前だけを見て」
 あなたの背は、私がお守りいたします。やわく笑んで、左手の薬指に座する金剛石の耀きを放出する。主に喚ばれ再び現れた悪魔『アマラントス』は女の傍を離れ、先征くミザールの後を追う。
 怪人は再び掌を合わせて銀河を覗く。火焔よりも熱い熱を持った流れ星が猟兵達めがけて降り注いで、冷えた箱庭の海底の温度を上げる。
 あぁ、と寧は吐息をもらす。ちいさな銀河を拓こうとする彼は識っているのだろうか。星は、昊にこそ在るべきものなのだと。
「――海の底へ降りてきては、いけないわ」
 成長途中の躯体に見合わぬ巨大な黄金の両爪で、少年はぎらぎらと燃え光る流れ星をぶわりと振り落す。ふいに、その青い髪を焼こうとした数粒が避けきれず、焦げつくのを受け入れてでも進もうとした矢先。
 音もなく振られた刃の一閃が、灼けた星の一粒を砕く。更に燃え続ける焔星の群れを、悪魔の剣舞が次々に薙ぎ払った。例え零れ落ちた煌きの欠片が、随分と遠くへ離れてしまった主の元へと墜ちたとしても、アマラントスは少年の露払いをやめることはない。だってそれこそが、此度の主命であったから。
「私が無防備ですって?」
 婦人の長く細い脚が軽やかに床を踏み鳴らしては、星が焼かんとする箱庭を己が主役のダンスホールのように踊ってみせる。
「足の利かない人形でなし、避ける程度はできましてよ。アマラントス、」
 ――その星の海ごと、切り裂いておしまいなさい!
 焔星の海が、剣のひと薙ぎでさぁっと拓けて。ミザールは物言わぬ悪魔の支援に心で礼を述べ、迷うことなくまっすぐに敵前へと駆けた。間髪入れずにきらきらさんの長身を機械仕掛けの爪が掴むと、みしりと骨が砕ける音がする。
 内蔵されたワイヤーが長く伸びれば、きらきらさんの身体が宙を舞う。ど、と地面に叩きつけられた怪人に、桔梗色が獣の様に唸る。
「地に落ちた星がどうなるか、おれ様なんでかよく知ってるのでな」
 生まれる前の記憶かどうかも定かではない、ただの妄想かもしれない。時折思考回路を過ぎる墜ち逝く輝きが、誰のものかも識らないけれど。
 こどもの激情めいた、酷く強引で滅茶苦茶な一撃が怪人を襲う。戦場の只中では、流れ星に託す願いごとを思いつく暇もない。ねえ、ミザールさん、と女が少年を呼んで。
「いつか、本物の月下美人を見にいきましょうか」
「……そうだな。いつか――いや、必ず本物の花を見に行こう」
 いずれ星は滅び、花は散ってしまうから。
 それでもまた咲いて、遠い彼方で生まれるのでしょう。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鵜飼・章
(章はタオルケットにくるまって寝ている…)

僕が寝ていてもUC【パブロフの犬】が発動して
愉快な仲間の皆が危険から守ってくれるよ
魔法の図鑑から飛びだすのは映える海の生き物たち
イルカさん、クマノミさん、クリオネさんにジンベエザメさん
今度はウミクワガタもいるよ

きみはコウテイペンギンの雛を殴れるのか…(寝言)
すごくもふもふでかわいい
がんばって僕を守っている
大事な海を壊さないでって瞳できらきらさんを見てる…
撮影はご自由にどうぞ

本当につよくてかわいい子達のお陰で
流れ星が降ってきても僕は大丈夫
そんな夢を見ていた気がする
偶には今日が楽しく終わって
明日ものんびりがいいね
そういえばSNSにあげた写真、バズったかな…


照宮・梨花
あなたが流れ星さんね
きらきらして綺麗に見えるけど、メイドの私の目は誤魔化せないのだわ
ほら、こんなにゴミ(召喚された流れ星)を撒き散らして!
汚す子は許しません
私が綺麗に掃除するのだわ

ルンバ・ルンバ!
ユーベルコードでロボット型ステルス掃除機を召喚したら、片っ端からゴミに体当たりして貰うのだわ
あのゴミはぶつかると消えるみたいだどけど、ルンバは消えないから体当たり繰り返せば一掃できるはず
ゴミの対処はルンバに任せたら、強力滅菌銃《カビ殺し》で狙い討ち
除菌弾に怯んだところをお掃除グッズ《だす巾》の箒で叩くわ

とどめは《もめん子さん》にお願い
ゴミを散らかした悪い子をめって罰して貰わないと(神罰)


 度重なる猟兵達の猛攻を受けながらも、星の輝きは衰えない。とはいえ、長い手足をシックに魅せるスーツはボロボロであったし、心なしか動きも鈍くなっているけれど。
「あなたが流れ星さんね」
 ブーツの踵を鳴らして、照宮・梨花が見つめるのは怪人の眩い頭部。しかし少女は首を横に振って、びしりと人差し指を向ける。
「きらきらして綺麗に見えるけど、メイドの私の目は誤魔化せないのだわ――ほら、こんなにゴミを撒き散らして!」
 不思議そうに首を傾げるきらきらさん。そう、梨花の言うゴミとはすなわち、彼の掌の銀河から溢れだした小さな星々のこと。そこら中に散らばったそれはホログラム空間をいっそう煌かせているものの、メイドの彼女には許し難いものだった。
「んん……」
「あら?」
 もぞり、もぞり。梨花が物音のする方へと視線を向けてみれば、箱庭の隅で小さく動くタオルケットの塊。時折眉をひそめながらも、鵜飼・章は一向に目を覚ますつもりはなさそうで。寄り添うひかりのながい魚は何をするでもなく、ただゆらゆらと章の周囲で泳いでいる。まぁまぁ、と声をあげて、メイドはそっと囁いた。
「お寝坊さんなのね、此処は私に任せるのだわ――ルンバ!」
 腕まくりをして、頼れる相棒の名を口にする。すぐさま静かな駆動音が響き渡ったかと思えば、愛らしいフォルムをした小さなロボット型掃除機が総勢六十機以上。なおも放出され続ける宙の塵に対し、メイドは陣を組んだ掃除機達へ号令を掛けた。
「片っ端からお掃除するのだわ!」
 きゅいんきゅいんと返事をするように音を鳴らして、掃除機達が一斉に流星群へと体当たりを決行。ぶつかり合った瞬間、機体の中へと吸い込まれたように消えゆく星屑達のかがやきは、夜がより深く満ちていくような光景だった。
 しかし、それだけでは足りない。掃除しきれぬ小さな流れ星達が、心地よさげに眠り続ける章の頭上に降り注ぐ。が、それよりも速く、彼が抱える図鑑から飛び出す幻で出来た獣の群れ。ホログラムの海中を軽やかにジャンプし流れ星を打ち返すイルカ、鮮やかなオレンジ色で攪乱するクマノミ達。北海の妖精の名を持つクリオネ達に至っては、バッカルコーンを解放して小さな星を砕いて喰らう。
「みんな、頑張れ……」
 すぅ、と寝息を立てる章の前を、悠々と泳ぐジンベエザメが大きな口を開ければ、流星群をばくりと一飲み。眠る青年のタオルケットの上では、ウミクワガタが鋏をカタカタ鳴らして――これは恐らく威嚇だろう。
「ゴミ捨ては完了ね、除菌の時間なのだわ!」
 梨花はエプロンドレスを翻し、ポケットから取り出した小型の機関銃をトリガーを引いて、きらきらさんを滅菌せんとする。銃撃に怯んだ隙を突いて、メイドは箒で思いっきり怪人の横っ面を叩く。すぐさま反撃に出るきらきらさんの目の前に、ふわふわとした毛並みの巨大な何かが立ち塞がった。
「きみはコウテイペンギンの雛を殴れるのか……」
 むにゃ、と呟く章の声。きらきらさんと梨花の間に現れたペンギンの雛は、ひどく巨大だった。灰色の毛に包まれながら、きゅるりと潤んだ両目が怪人を見つめている。それはまるで、大事な海を壊さないで、と訴えかけるように。
 ぴたりと動きを止めたきらきらさんの背後に迫る、白い影。
「もめん子さん、めってしてちょうだい!」
 お部屋を汚す悪い子は許しません。激しい一反木綿の殴打が何度もお見舞いされて、ばちんばちんと痛々しい音が空間いっぱいに広がっている。
 けれど星降る明日の夢を見る章には、夥しいSNSの通知音すら聴こえてはいなかった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

鳥栖・エンデ
結局、親玉だったのは流れ星頭な怪人かぁ
……気に入らないなぁ
気に食わないから、さっさと過去のあるべき
ところへとお帰り頂かないとねぇ

『骨噛み』で影の怪物を呼び出して
ボクは得物の騎士槍を構えるとしようか
片方が抑えて片方で仕留めるの
昔の仕事を思い出すようで懐かしいねぇ
折角流れる星が相手なら、どんな触感がして
どんな味がするのか楽しみだなぁ

先人の言葉を借りる感じになるけれど、
もう居なくなったものが空から見守ってるとか
そういう……星は過去からくる光であって、
現在に干渉すべきではないと思うんだよねぇ
……なんてね
ボクらは夜の獣らしく、
静かな月夜の海のため頑張るだけさぁ


アドリブやアレンジも歓迎です


「結局、親玉だったのは流れ星頭な怪人かぁ」
 よろけながらも立ち上がったきらきらさんを、琥珀の双眸がひどくつまらなそうに見遣っている。つ、と吐息と共に洩れた言葉は、やたら冷えきったものだった。
「……気に入らないなぁ」
 鳥栖・エンデは、この星冠を戴く怪人が気に食わない。気に食わないから、さっさと過去のあるべき場所へ、遠い骸の海へとお帰り頂くことにした。
 長い脚で彼へと近付くきらきらさんは、片腕をはらりと振りかざす。零れた大きな一等星はぴかぴかと鮮やかに点滅して、ホログラムで波打つ地面を破壊せんとする寸前。
「此処は君が壊していいところじゃないんだよ」
 ずるり、青年の足元から這い出た黒泥色。角持つ獣の頭蓋の怪物が、鋭い猛禽の爪で一等星を受け止める。きぃん、と鋼のぶつかるような音がして、星が砕け散った。
 ぱらぱらと毀れた欠片が煌いて、闇に塗れた異形の姿をほんのりと淡い星空に変える。その場を離れようとしたきらきらさんに、待ってよ、とエンデの声がささやいた。
 夜色の騎士槍が、怪人の長身をずぶり貫く。胴を抉った穂先が風穴を開けて、悪食はわらう。二人で仕留めるこの瞬間は、まるで昔を思い出す。
「懐かしいねぇ」
 流星の触感は、食感は、その味わいはどんなものか――楽しみにしていたそれは、眩い程にはじけて刺激的だった。
 空っ風の吹く胴をそのままに、きらきらさんは退くことなく再び片腕を挙げる。一等星をエンデに放つも、青年の槍があっさりと星を受け流す。ひからぬ獣の爪が再び砕いて、またも泥身に瞬くような煌きが散った。
 いつかの誰かの言葉を借りれば、もう居なくなったものが空から見守っているなんて、面白くもない儚い幻想だ。星は過去から来訪する光であり、現在に干渉すべきではない。
「……なんてね」
 片方は骨だけになった爪で、片方は亡くした君の槍で。夜の獣達は、月夜の海で墜星を殺す。
大成功 🔵🔵🔵

天音・亮
巴(f02927)と

星の頭だ
なるほど、確かにきらきらさんだね
綺麗なお星様だけど、危険なのは頂けないな

ステージの安心安全は魅せる者として守らなきゃいけない責務だよ
…なーんて、ちょっと真面目キャラをしてみたり
さ、どっからでもかかってきなさーい
亮ちゃんは流星の上だって駆けてみせるよ!

ブーツの駆動音響かせ向かう先
破壊された地形だって私のステージ
パフォーマンスと地形の利用で駆けて魅せるよ
そんな重たい一撃を放った後で私のスピードに追い付けるかな?
出来た隙を狙って蹴り攻撃

巴ー!今の見てたー?
悪い足場の上にも関わらず無邪気に両手を振る
さて、負けず嫌いな彼はどんなステージングを魅せてくれるのかな?


五条・巴
亮と(f26138)

なるほど、確かにきらきらさんだ
あ、かぶった。ハッピーアイスクリーム

そうだね、たとえステージのどこであっても安全でなきゃ落ち着いて、集中してこちらを見れないから。

きらきらさんの生み出す銀河も星も、
小さな明かりを上書きして、天真爛漫な光で自分のものにしてしまう
星は亮を彩るアクセサリーに、銀河は天翔る亮の軌跡となるのだろう
眩しさに目を細めてしまうけれど、ステージから逸らすことは絶対に無い

ちゃんと見てたよ!
届くようにスタンディングオベーション
僕はここから幕引きを
拍手とは別の、乾いた音と銃弾のシャワーをきらきらさんに降らせて

カーテンコールは僕も出よう
これは、亮と僕のステージだから


 星の終わりは近かった。あれほど輝いていた頭部の彩は、ほんのりと儚げな光を灯しているだけで。それでもまだ煌いているように見えるのは、この空間が深い深い海のそこで、浮かぶ月がてっぺんで見守っているからなのか。
「「なるほど、確かにきらきらさんだ、」」
 あ、被った。ハッピーアイスクリーム。なんだかくすぐったい気持ちを共有して、二人は笑いあう。綺麗なお星様とダンスを踊りたいけれど、危険なのは頂けない。
「ステージの安心安全は、魅せる者として守らなきゃいけない責務だよ」
 なんて、と少し真面目な一面を見せた天音・亮がブーツの踵を鳴らせば、そうだね、と五条・巴は青に染まった拳銃に唇を寄せる。
「たとえステージのどこであっても、安全でなきゃ」
 そうでないと、観客は落ち着いて、集中してショーを見られないから。零れ落ちていく流れ星が海に満ちてしまう前に、怪人を終演に導く二人の舞台の幕が上がる。
「さ、どっからでもかかってきなさーい」
 とん、と僅かなひと蹴りで、駆動音を響かせて少女が疾駆した。風穴の空いた身体であろうと、きらきらさんは亮めがけて長い脚を泳がせる。ぶおん、と振りかざされた腕の動きは鈍く、少女の動きに追いつけるはずもない。
 軽やかなステップとターンを決めて躱した瞬間、地面を割る一等星の打撃。ああ、と少しだけ残念そうな声をあげた。
「折角のステージを壊すなんてもったいないよ?」
 けれど、そんな舞台すら自分の物にしてみせるのがエンターテイナー。瓦礫の上を駆け上って、海宙を泳ぐように一回転。重い一撃を放ったばかりの瀕死の怪人は、亮を捉えられない。
 急ターンの後、素早いダッシュで背後から迫った少女の蹴撃は、夜色よりも鮮やかな陽光の軌跡を箱庭に撒き散らす。軽い音と共に脆い足場に降り立ったと同時、きらきらさんは地面に崩れ落ちる。
「巴ー! 今の見てたー?」
 下手な崖よりも転んでしまいそうな瓦礫の上で、亮は無邪気に巴へと両手を振る。朗らかな笑顔で自分の名を呼ぶ少女に、巴は精一杯のスタンディングオベーションで返す。
「ちゃんと見てたよ!」
 怪人の拓いた銀河の星屑も、あの子は小さな明かりで上書きすれば、天真爛漫な光で自分のものにしてしまう。星の彩をアクセサリーに、銀河の深淵を天翔ける軌跡に。どれだけ眩しく目を細めても、彼が彼女から目を逸らすことはなかった。
 崩れ落ちたきらきらさんが、ゆっくりを上半身を起こす。あれだけぴかぴかと輝いていたひかりは、儚く燃え尽きる寸前の灯火のようだった。
 負けず嫌いな彼がどんなステージングを魅せてくれるのか、亮は巴の幕引きを見守る。その期待の眼差しを一心に受けて、彼の甘いかんばせはまっすぐに怪人を見据えた。
「君への拍手は、この音にしてあげる」
 ぱん、と。乾いた音がたった一度、それっきり。薄雪の星耀がシャワーとなって、はらはらときらきらさんの頭上に降り注ぐ。星弾の雨に融けるように、きらきらさんの身体は粒子となって、ホログラムの泡と共に消えて逝く。
 これは、亮と僕のステージだから――カーテンコールに現れたのは、二人のエンターテイナーだった。


 ゆらゆらと、水面が揺れる。こぷりと洩れた空気の泡が、静かに天へのぼる。
 猟兵達の奮闘のおかげで大きな被害もなく、ひかりの梯子は相変わらず、やわい流れのまま水底へ沈んでいる。
 電子の海は音もないのに、誰かの耳元でささやくように揺れる。

 ――きみの月は、いつでもそこに。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年08月09日
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