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春が来ないからこれからドゥンドゥン平原を焼こうぜ

#アックス&ウィザーズ

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●寒がりな花竜
 沈々と雪が降り積もる北の草原の一角に。小さな丘の様に雪が降り積もっている。
 雪の下に眠る花竜は、夢を見る。未だ未だ遠い、暖かで賑やかな春を夢見て眠る。
 常であれば、寒さが苦手なこの花竜は長い冬を冬眠しながら越冬する。たっぷりの栄養を蓄えた花竜は、今年も変わらず雪の下で春を待つ予定であった。

●そして草原が燃えていた
 不意に、自身を包む雪が溶けだし、肌に温かな熱を感じた。春はまだ先のはずだけど、そう違和感を感じて花竜が目を開くと。
 草原が燃えていた。それはもう豪快に。
 周囲には、枯れ草が燃え上がった無数の火の粉が舞い踊り、動物の形を為していた。無数の炎の精霊が暴れ狂う様は、幻想的ですらあった。
 ドラゴンである自分に危害を加えるつもりがないのはわかってはいるが、花竜は困っていた。
 ――冬眠から覚めちゃったからご飯探さないと、あと寒い。寒いのやだなぁ。
 冬眠から目覚めたばかりで鈍った思考の中で、花竜は行動方針を纏めた。
 ――とりあえずこいつらについていって、草原とか森とか燃やして暖をとろう。

●春とうそぶく
「春はまだ遠いっすね。寒くて部屋からでたくないんすけど…。あ、集まってもらってどうもっすよ」
 グリモアベースの一角に電気ストーブを持ち込み、もこもこに着込んで暖をとるレグルス・メネアが集まった猟兵達に声をかける。
「それで、お仕事のお話っすけど。草原が燃えるんすよ、草も生えないぐらいに」
 アックスウィザードにある山の麓の草原。レグルスによると、冬になり、熱源を求めて旅をする炎の精霊達の進路上にその草原があるそうな。
「この草原燃やしてあったまろうぜ!ってテンションあがりまくるみたいなんすけど、物理的に。丁度そのあたりに、冬眠してた花竜がいたみたいなんすよね…」
 春が来たと勘違いして目がさめるとか、迷惑な話っすよね、と付け加える。
「あたしなら二度寝三度寝余裕なんすけど…半端に冬眠からさめたもんで、お腹空かせてるみたいなんすよね。それで、炎の精霊さん達とご飯と暖を求めてまわりのものドゥンドゥン燃やそうとしてるみたいなんすよ」
 そのまま花竜達が進み続けると、大規模な山火事にもつながりかねないので、なんとしてもとめてもらいたいと続ける。
「まずは、草原燃やしてる炎の精霊さん達をなんとかしてもらいたいっす。火が落ち着けば、花竜は寒さに弱いんで、多少は動きも鈍るとおもうんすよ」

●終わった後はお買い物
「そういえば、草原の近くに結構大きなキャラバンがキャンプ張ってるらしいっすよ。問題無く鎮火できれば、買い物にいくのも良いかもしれないっすね。各地の名産とか色々取りそろえてみたいっすよ?」
 それじゃあ、そろそろ送っていく時間っすね、と上着をはずして結びの言葉を伝える。
「寒いなか申し訳ないんすけど、山火事食い止められるようによろしくたのむっすね」


八幡の人
 お初にお目にかかります、八幡の人と申します。
 初めての依頼で手探り状態ですが、頂いたプレイングを楽しいリプレイでお返しできるよう微力を尽くしますので、宜しくお願い致します。

●第一章
 まずは、草原に現れた炎の精霊達の駆除を行って頂きます。
 戦場は隠れる場所のない広い草原です。燃えてます。
 奇襲等には向いていない地形になりますので、それを踏まえた上でそれぞれの行動方針を固めて頂ければと思います。
 花竜の妨害はありません。

●第二章
 精霊達を駆除した後に、花竜の討伐を行って頂きます。とてもとても大きいです。

●第三章
 近くのキャラバンキャンプでお買い物などが可能です。各地方の名産や、飲食店、猛獣使いのショー等が行われています。アックス&ウィザード特有の骨董品やアクセサリーなども売っているかもしれません。

 チームやペア等でご一緒されるかたは、その旨わかるように記載をお願い致します。
 複雑なギミックや条件のない討伐に依頼になります。
 皆様のご参加と、熱いプレイングを楽しみにお待ちしています。
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第1章 集団戦 『炎の精霊』

POW   :    炎の身体
【燃え盛る身体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に炎の傷跡が刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    空駆け
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    火喰い
予め【炎や高熱を吸収する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

氏神・鹿糸
私も火の精霊とは仲良しよ。素敵な友人でありたいと思ってるわ。
でも、私はねぇ…花や草木を殺すものは大嫌いよ。ええ、本当に。

広い平原ね。技能[火炎耐性]を使って真っ向から迎えるしかないわね。
初めは少しずつ、エレメンタルロッドの日傘で水属性の技能[全力魔法]を操るわ。
「少し、熱過ぎない?落ち着いて歩みを止めたらどう?」

水で少し、力を削げたら[属性攻撃](水)で【エレメンタル・ファンタジア】。
水の精霊を竜巻に乗せて、氷の吹雪に。炎の精霊を取り囲むわ。
「広い平原だもの。ちょっとは暴走しても良いでしょう?」

水で少しでもその炎を縮めるつもり。これ以上草花を燃やさせないわ。

(アドリブ・連携歓迎)


満月・双葉
寒いのは嫌ですが、この場合暖かいというより寧ろ暑くないですか?

さて、敵の行動は要観察ですね

可能ならば他の猟兵と連携してことに当たります
地形を把握し死角を利用、援護射撃で撹乱して敵を掃討しやすい環境を作ります

遠近入り交じる多彩な攻撃で翻弄していきます
桜姫から衝撃波を放ち薙ぎ払い、大鎌への変形で吸血し、生命力を吸収する2回攻撃を放ちます
パパ直筆の御札からは恐怖を与える呪詛、同士討ちを誘発する催眠術
薔薇の涙を投擲し傷口を抉り
大根で串刺し
スナイパーを用いお兄ちゃんの銃で遠くからまたはゼロ距離で射撃

敵の攻撃は第六感や野生の勘で見切り、見切れないものは盾受けやオーラ防御で防ぎ、火は火炎耐性で耐えます


熨斗蘭・百合
火を熾す為の薪として草花が必要なのも理解しておる、その温もりは植物がもたらす恵みの一つと言えるじゃろう。だがここまでの無法となると…、捨置く訳には行かぬな。

【戦闘】
自身は決定打に欠けると判断し、牽制や足止め、妨害を目的に行動
《ジャジメント・クルセイド》で《火喰い》を使い戦闘力を増強しようとする相手の妨害や、《炎の身体》によって出来た地形の炎の傷跡や燃えている地面を対象にしやや強引に消火を行う等、出来るだけ相手に戦闘力を増強されないようにする。

接近され《ジャッジメント・クルセイド》を使う余裕が無さそうなら所持している武器による《気絶攻撃》で気絶を狙う

《空駆け》による上空からの強襲も警戒しておく


一郷・亞衿
(レグルスさんを見て)おっ、何だか親近感。
さておき、戦闘だね。文字通りのホットスタートってやつ?

様子見がてらに、まずは範囲攻撃──と行きたい所だけど、気安く複数に攻撃出来そうな手持ちの技が熱い系の奴ばっかりなんだよね……実体あるのかな、あの虎。
とりあえずここは『未詳生物:スカイフィッシュ』で行ってみよう。超高速で飛び回る【ロッズ】で衝撃波を発生させ、燃える野を消火&敵に攻撃!所詮小型の虫みたいな生きものだし最悪そのまま燃え落ちそうな気はするけど、様子見だし感じ感じ。
相手の動きを<見切り>ながら戦えば被害は少なく出来るだろうし、敵のことを知るのが先決かな。
(アドリブ・絡み等全般OKです)



●燃え行く草原
 草原は熱に包まれていた。
 小さな、けれど無数の炎の精霊が火の粉の舞う草原を駆け巡る。揺らめく炎は虎の形を為し、雪解けの草木を食いちぎり荒らしていく。
 嬉々として暴れていた精霊達は、何かの気配を感じ草原の一角へと目をむける。

●熨斗蘭・百合(深森の魔女・f12830)
「火を熾す為の薪として草花が必要なのも理解しておる、その温もりは植物がもたらす恵みの一つと言えるじゃろう。しかしのぅ…」
 ここまでの無法となると、捨て置く訳にも行かぬな。赤い瞳で見渡せば、目の前前はおびただしい炎の精霊の群れ。
 まあよくも増えたものじゃな。うむ、妾は今回は皆の助力にまわらせてもらうとしよう。
 うなり声と共に、火の粉を口の中から零す精霊達が妾に殺到し始める。
 熱を孕む風に銀髪をなびかせ、怯むこと無く杖を構えて前を見据える。
 「皆、よろしく頼むぞ」

●満月・双葉(星のカケラ・f01681)
 前方で精霊と相対する仲間達の影に潜み、僕はお兄ちゃんの銃を構える。
 熱は高いところに向かうはずだけど、なんだろうここ。暖かいというより寧ろ暑くないですか?せっかくの伏せ撃ち、匍匐なのにロマンも感じない。
 仲間に殺到する炎の精霊を、銀縁眼鏡越しに見据え、僕は引き金を引く。弾丸が、過たず目標を打ち抜くのが僕の「眼」には視える。
 だから、連射した。お兄ちゃんの銃からマズルフラッシュが瞬く度、薬莢が排出される度に炎の精霊がはじけ飛んでいく。
 観察は継続、そろそろ前に前にでようか。一旦銃をしまい、武器を持ち替え走り出す僕の横を、白い線が高速で追い抜いていく。

●一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)
「『自分のこのからだがアイスクリームのように溶けて流れてしまえばいい』…っていってる場合じゃない、文字通りのホットスタートってやつかな?」
 銃声と共にはじけとぶ炎の精霊達をみながら、白いマスクにこもる熱を吐き、一息。双葉ちゃんが奇襲に成功したから、あたしも動こうか。まずは範囲攻撃と行きたい所だけど、気安く複数に攻撃出来そうな手持ちの技が熱い系の奴ばっかりなんだよね。
 よし、決めた。とりあえずここは様子見で、スカイフィッシュに頑張って貰おう。
「いけっ!ロッズ!!燃える野と精霊達を消火して!」
 あたしの言葉に応え、百に及ぶ高速の白い線が炎の中を飛翔する。超高速で飛び回るロッズ達は、衝撃波を伴い炎の精霊を、そして燃える草木の炎を吹き飛ばしていく。
 いいよいいよ、そのまま頑張って…あ、虎に食べられた。あと各所で段々と燃え尽きてきてる。所詮小さな虫みたいなものだし、様子見だし感じ感じ。でも、良い感じに数が減らせたんじゃないかな?

●氏神・鹿糸(四季の檻・f00815)
 ロッズ達が駆け抜けることでできた道を、冬の花――雪色の椿の日傘をさして進む。
 火の精霊とは仲良しよ。素敵な友人でありたいと思ってるわ。けれど…私の眼下に広がるのは、冬になり種子を残して枯れた草木、春の開花に向けて、じっと眠るお花達の草原。そんな愛しくてけなげな子達を、嬉々として燃やす精霊達。
 本当はあなた達とも仲よくしたいけれど。私はねぇ…花や草木を殺すものは大嫌いよ。ええ、本当に。だから、少し落ち着いてちょうだいね。
 雪色の花に変化した日傘をくるりくるりと数回転。足を止めた今が好機と、炎の精霊達が私に殺到するけれど、問題無いわ。
「今日も綺麗で素敵な貴方。今日も力を貸して頂戴ねえ」
 私の素敵な精霊の具現である日傘から、はらりはらりと白い花弁のような雪がこぼれ落ち始める。水の属性が凝縮された雪の花弁は風に乗り、付近の炎の精霊達を包み込む。相反する属性と混じり、炎の精霊達が縮小し…やがて土へと帰っていく。
「少し、熱過ぎない?落ち着いて歩みを止めたらどう?」
 そうおすすめはするのだけれど、まだ元気な子がいるわねぇ。まわりの子達とまじって段々と大きくなりはじめてるわ。
 けれど、問題無いわ。
 だって――。

●熨斗蘭・百合
「こっちもじゃな、易々と強化はさせられんのぅ」
 森の外は手練れの猟兵が多いようじゃの、火力は皆にまかせて、妾は妾の役目をこなすとしよう。
 今度は鹿糸のほうに炎の精霊がむかっておるな、邪魔はさせぬよ。再び杖を掲げ、妾は空へと杖の頭を向ける。炎で赤く染まる空から、妾が召喚した光輝が肥大化を始めていた炎の精霊の群体を打ち抜き霧散させる。ついでに消火もできて、一石二鳥じゃな。
 さて、それでは次の目標は…妾の後ろ?!驚いて振り回した杖が、吸い込まれるように炎の精霊の側頭部に直撃した。あ、気絶しておる。驚かせるでないわ。
 む…気づけば囲まれておるの、すまぬが、誰ぞ手を貸して――

●満月・双葉
 瑞々しくも凶悪な大根が、百合さんを囲んでいた炎の精霊のうち一体を串刺しにする。
 手のかわりに差し出すのは僕の大根だけど、気にしないで下さい。武器としては優秀だから、そんな微妙な顔をしないで信じてほしいです。
 まだ数が多いですね、家族の武器の使いどころですかね。敵を串刺しにした大根をしまい、剣を抜刀して一閃。甲高い音を伴う不可視の衝撃波に、僕と百合さんのまわりの炎の精霊が破裂するように吹き飛ばされる。流れるように変形させた大鎌で得物を切り裂けば、周囲の精霊が恐怖に怯え始める。
 パパ直筆の御札の効果は抜群。大根にやられることを嫌がっているわけではない、はず。
 僕のバイブルである有り難い本で精霊を殴打しながら、鹿糸さん達をみやる。決め手まで、あと少し。

●一郷・亞衿
 ロッズは一度全部燃え尽きちゃったけど、もう一回いこう。敵の動きも観察して、だいぶん予測がつくようになってきた。あたしは、肌をなめるように押し寄せる炎の奔流を見極め回避為ながら、炎の中を突き進む。
 再びロッズの群れを召喚し、炎の精霊達へと突撃させる。そっちが数なら、こっちも数で行ってみよう。
 また燃え尽きる?『やってみるではない。やるかやらないかだ』。そっちが倒れるまで出し続ければ、あたし達の勝ち。それに――
「そろそろ、天気が変わる頃。猛吹雪の後に、身を焦がすような日差しにご用心、ってね」

●氏神・鹿糸
 みんなが時間を作ってくれたおかげで、十分にお友達を集めることができたわ。
「本来は雪の舞うこの季節。美しいこの土地の隣人達。私達に、力をかしてくれるかしら?」
 私の日傘の周囲に、小さくて白いお友達が集まってくる。私の呼びかけに応えて集まった水の精霊達が、徐々に周囲の気温を下げていく。日傘が回転する速度が徐々に徐々に増していき…白い花弁を散らす日傘を目に、竜巻が生まれる。
「広い平原だもの。ちょっとは暴走しても良いでしょう?」
 本来の季節を取り戻しす手助けをしてちょうだい、と囁く私の求めに。水の精霊達が竜巻にのり、やがて大吹雪へと変わる。大吹雪は、広い平原の四分の一程も巻き込む程に成長し、炎の精霊達を飲み込み、即座に凍り付かせていく。
 竜巻に巻き込まれたが、凍結をなんとか免れた炎の精霊達が逃げるように空へと舞い上がっていく。

●熨斗蘭・百合
 ふっ、竜巻の中から逃げるとすれば、空に逃げるしかなかろう。それがわかっているのであれば――。
「皆が追い込んでくれると信じられるなら、置き撃ちも容易い。練りに練った、裁きの光を堪能するとよいのじゃ!」


 敵の逃げ道を見極め、時間をかけて魔力を込めて放たれた百合のジャッジメントクルセイドの光が、草原に突き刺さり。炎の精霊達を飲み込み、爆散した。
 四人の奮戦により。草原を埋め尽くし、無数にみえた炎の精霊達も、その数を半分までに減じることに成功した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

荒谷・つかさ
【ワイルドハント】で出陣
これが本当の炎上芸……って、呑気に言ってる場合じゃ無いわね。
チーム内では猟団長(f04631)と共に前衛を務め、近接戦闘及び後衛への侵攻阻止役を担う。
基本は大剣「零式・改二」を「怪力」技能で自在に操って【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】を片っ端から叩きこみ、加えて「衝撃波」での範囲攻撃も行う。
この際、付近に炎上地形があるなら可能な限り巻き込んで破壊し、消火活動を行う。
リダンさんのUCで塗り潰された跡は、できるだけ巻き込まないよう注意。
後ろへ抜けようとする敵は身体を張ってでも阻止するわ。
ニコリネとプリンセラ、二人体制の援護があるもの。
多少の無茶は問題なしよ!


プリンセラ・プリンセス
【ワイルドハント】「思えばマトモに連携を取るのは初めてですわね」 多少不安になるが今回は後衛だ。兄姉ならば大丈夫だろう。「誰ぞ来よ。――支援の時間です」 応えたのは12番目の兄姉セシル。髪が波打つ金色になり、穏やかな聖母の如き雰囲気を纏う。「では、前衛の方々は思う存分お暴れになってくださいませ。怪我はこちらで癒やして差し上げます。――あ、物九郎様。二歩後ろへ」 「異世界のこの消防車、でしたか。便利なものがありますのねぇ」 戦況を見やすいように消防車に乗って支援。生まれながらの光での回復がメイン。よほど余裕があればジャッジメントクルセイドで攻撃。 オルタナティブ・ダブルの分身による囮も忘れない。


ニコリネ・ユーリカ
猟団【ワイルドハント】で出陣!
緑が萌えるとは言うけれど、
草原が燃えちゃったら大変!
春に咲く草花がなくなってしまうわ。
ぺんぺん草も生えないのは、私達【ワイルドハント】が通った道だけ。
そうよね、猟団長(f04631)?

精霊を強化する炎は消火してしまいましょう。
大型化学消防車を召喚して、放水開始!
ここは息の合わせどころ。
ホースはリダンさんにお任せします!

火消しの半被に袖を通した時から私は本気よ。
背中にワ組を背負ったなら、火事は厳禁!
花売り娘ですもの、いずれ芽吹く命を守らなきゃね。

仲間が火傷したら、プリンセラさんと一緒に適宜回復を。
即席で考えた猟団のテーマ曲を歌って、皆を元気付けましょう!


白斑・物九郎
【ワイルドハント】
動画配信者の身空にゃ炎上とかマジ縁起でもありませんわ
応とも、一匹残らず狩り尽くせ
猟団長がココに宣言する
ワイルドハントの始まりっスよ


●SPD
リダンのねーさん発デザイン衣装でバフ
プリンセラとニコリネのねーさんからの適宜支援

と来りゃ荒谷のねーさんと前衛張るのが俺めの仕事

【砂嵐の王・単騎行軍】
敵陣に斬り込んで切り崩す地上戦は荒谷のねーさんに任せて、空駆けに入った炎精霊を伸ばした腕でとっ捕まえてブチ落とす、地対空戦の心構えで臨みまさ(野生の勘&グラップル)
俺めの半径20mから逃げられると思いなさんなよ

消防車が放水荒振ってる時はヨコへ退いてまさ
ニコリネのねーさん、割と過激な技ァ使うんスね


リダン・ムグルエギ
【ワイルドハント】の事前準備担当、リダンよ
今回は時代を超えた火消し、をテーマに動画を撮りに来たの
事前に防具改造で作った耐火性の高いハッピを作って配るわ
さぁ、ワ組の火消しのはじまりよ!

うーん、この和洋現代混ぜた感じが実に動画映えしそうね
スマホを撮影状態にしたままニコリネさんの出した消防車のホースをお借りして、その消火液を塗料代わりに大地を染めてやるわ!
実質救助活動でもあるけれど…炎を消すなんてアートみたいなものよ。
中心で戦うぶっちーやアラヤさんの方へ炎の精霊を追い込むように外堀を埋める感じで消火液で塗りつぶしていくわ
火を食べようとしてるところなんて集中的に消火ね!
この車超便利ねーアタシも欲しいわ



●炎よりも熱く
 燃え盛る野に、五つの影が降り立つ。
 揃いの法被に袖を通し、荒ぶる風に裾をはためかせ並ぶ姿は威風堂々。炎を睨み、背負うは「ワ組」の二文字と火消しの心意気。
 争いの火種を消してまわって三千世界。今日はアックス&ウィザードからオンエアー。
 チャンネルはそのまま、今日も暑い熱い配信が始まる。

●その名も――
「動画配信者の身空にゃ、炎上とかマジ縁起でもありませんわ」
 炎の精霊が荒れ狂う野をみやり、白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)が溜息を零す。
「これが本当の炎上芸ってやつね」
 胸を張り腕をくみながら、言ってやったとばかりに荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)が応じる。
「言ってる場合じゃないわよ?これを消していくのが今日のお仕事なんだから。雰囲気をだすために、法被も用意したものね」
「そうです、このまま放っておいたら春に咲く草花が無くなってしまうわ。」
 撮影用のデバイスの準備をしながらリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)が応じれば、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)がその通りだと頷く。花売りを生業にするニコリネにとっては、将来花を咲かせ、実を結ぶ草花が燃える光景は看過できない。
「今日は猟団の皆様とのお仕事。思えば、皆様とご一緒に、まともに連携をとる機会は初めてですわね」
 少し不安げに、プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)が風に長く輝く金髪と法被をなびかせながら呟く。そんなプリンセラの不安を和らげるように、ニコリネが笑みを零す。
「大丈夫よプリンセラさん。私達が通った道には、ぺんぺん草もはえないもの。そうよね、猟団長?」
 ニコリネの問いかけに、4人が物九郎を同時にみやる。陽の下、火の戦場でも金色の瞳で仲間を見据え。
「応とも、一匹残らず狩り尽くせ。猟団長がココに宣言する」
 自然、歯をむいて笑い、高らかに宣言する。
「ワイルドハントの始まりっスよ!」

●ニコリネ・ユーリカ
 緑が萌えるとは言うけれど、草原が燃えちゃったら大変!大切な草花を燃やす精霊も、燃えているかわいそうこ達も、みんな消火してしまいましょう。
 その為にも――。
 私が手をかざした先の空間が歪む。明滅する無数のモザイクが徐々に鮮明になり、一つの形を為していく。全長8m程の、炎を表す真っ赤なフォルム。大容量の消化剤を吐出する大口径のホースが2門、高圧での放出を支える高性能のポンプを搭載。悪路を踏破し、どこへでも駆けつける大型の車輪に、側面には『ワ組』の二文字――真っ赤な化学消防車。働く乗り物って素敵よね。
「リダンさんとプリンセラさん、私と一緒に消火しましょう。息の合わせどころね!」
 ホースをリダンさんに任せて、後衛のプリンセラさんは車の上へ。操縦は任されましょう。
 背中にワ組を背負ったなら、火事は厳禁!春になったら、きっと綺麗な草原に生まれ変わるわ。花売り娘ですもの、いずれ芽吹く命を守らなきゃね。
 花には水と愛情を。炎には放水を。仲間には、即興の応援歌を!
 【お花担当】の私は、火消しの半被に袖を通した時から本気よ。さあ、行きましょう。
「今日も一日、ご安全に!」

●プリンセラ・プリンセス
 随分と大きな車…。便利なものがありますのね。ニコリネさんの指示に従い、私は消防車の上に騎乗させて頂きましょう。
 前にでるのは物九郎様とつかさ様、私達は後衛ですわね。消防車の上に降り立ち、私は燃える平原を見渡す。戦場全域がお相手のフィールドですが…兄姉でしたら大丈夫でしょう。胸に手をあて、私の『中』にいる兄姉に語りかける。
「誰ぞ来よ。――支援の時間です」
 私の中の別の人格が眼を覚ます。私の意識が内に戻る前に、ご挨拶とお願いを。お早うございます、セシル姉様。どうか猟団の皆様のご支援をお願い致します。
――承りました、という声は自分の声なのか、それとも姉様の声だったのか判別がつかないうちに、意識が入れ替わる。
 意識がいれかわり、初めに感じたのは肌をさすような熱。この中を進みのは、容易ではないでしょう。だからこそ、大切なプリンセラに託された『私』の役目は。
「皆様の怪我を癒やし支えるのが、私の役目ですわね」
 そういえば、この乗り物、異世界の消防車というのでしたか。便利なものがありますのねぇ…。私は、魔力を宿す宝石を冠に抱く王笏を、号令をだすように戦線へと向ける。【受付担当】として、精霊達へ宣戦布告するように、一声。
「私が皆様の支援を行います。物九郎様、つかさ様は思う存分お暴れになってくださいませ!」

●荒谷・つかさ
 先陣は私と猟団長の二人だけ、然れども敵は無数。【斬り込み担当】としての任を果たすには申し分ないわ。
 得物は零式・改二。手に伝わる確かな質量と、冴えた刀身を手に私は炎の野を駆ける。
 餌場を荒らされた怒りか、虎の姿を為した精霊達が群れをなして駆けてくる。真っ向から向かって来るのは嫌いじゃないわね。私達の道に立ち塞がるのであれば。
「真っ向から斬り捨てるのみよ」
 巨大な大剣の切っ先を空へと向ければ、自然、その重量は地へと向かう。敵が多数なら、絡めては無しの力押しよ。最上段からの振り下ろしという、明快な一閃。
 しかし、それが巨大な質量を伴う零式・改二であり、羅刹として鍛え上げた私の豪腕で振るうのであれば。
「この剣に、打ち砕けぬもの無し!」
 敵が来る。だから、砕いた。稲妻の如き速度で振るわれた大剣は質量と風圧をもって眼前の精霊達を圧壊させ、それでも止まらずに燃える大地を穿つ。
 腹に響くような轟音と、私の手に痺れるような手応えが伝わってくるけれど、止まらない。更に力を込め大地を抉れば、剣先を起点として衝撃波が空を翔る。
 燃える草木の熱も、炎の精霊も諸共に。不可視の衝撃で切り伏せる。
 まずは一陣…少しは減らしたつもりだけど、数が多いわね。豪快な攻撃の後の隙を狙って、後衛に炎を放つ精霊がみえる。面で押し寄せてくる炎を剣と体をはって凌ぐけれど、避けきれない炎が肌を焼く。声にこそださないけど、熱いわねっ。
 けれど、私を支えてくれる声が二つ。
「つかさ様、すぐに癒やしますわ!」
 プリンセラさんの暖かな光に、熱を帯びた肌が癒えていく。
「ワイルドハントはこれぐらいの炎に負けません!最後まで、頑張りましょう!」
 ニコリネさんの即興の応援歌に、心が奮い立つ。その声を背中に、再び私は奮起する。
 ニコリネさんとプリンセラさんの二人体制の援護があるもの。だからまだまだ、戦える。だから、大剣を握り斬り込んでいく。それが私の役割だから。
「多少の無茶は問題なしよ!」

●リダン・ムグルエギ
 手製の和風の法被を着込むニコリネさんやプリンセラさん達に、技術の粋を集めた消防車。和洋現代混ぜたこの感じ、実に動画映えしそう。【事前準備担当】として、頑張った甲斐がありそうね。
「リダンさんは、このホースを使ってね。無線のスイッチで発停と強弱の操作ができるわ。補充とか他の操作は、私に任せてね」
「ありがとう、ニコリネさん。任せて、消火液を撒くのも塗料を撒くのも。炎を消すのなんて、アートに変わりないわ」
 ホースを受け取り、スイッチの操作を確認する。オッケー、問題無いわ。ぱちんとウインクをひとつすれば、配信先から歓声があがるのが聞こえてくる。
 視聴者のノリも上々。さぁ、ワ組の火消しの始まりよ!
 まずは、アラヤさんに群がる子達から追い払いましょう。ニコリネさん、プリンセラさん、放水開始するわよ?消化液を塗料代わりに大地を染めてやるわ!
 唸りをあげる消防車。アタシが操作するホースの先端から、高圧で消化液が吐出される。手から逃れるようにホースが暴れるけれど、大きなエアブラシのようなもの。アートの領分なら、問題無く扱ってみせるわ。
 放出される消火液の気配に、アラヤさんが進路を変えるのがみえる。ありがとう、それじゃあ遠慮無く消火を始めるわ。
 アタシが消化液を撒いた軌跡が、真っ赤なキャンバスを白く染め上げていく。炎の精霊は白く染められ地へと落ち、アートの一部と化す。火をたべて大きくなった精霊は絵のアクセント、集中的に狙っていくわ。
 上手く避けてる精霊もいるけれど、構わないわ。誘導暗示はアタシの領分なの。アラヤさんやぶっちー達のほうに追い詰められてるのに、いつ頃きづくかしら。
 曲線、直線織りなして。大地に真っ白なアートを描いていく。
「火事と喧嘩は江戸の『華』。ぶっちーには、みえてるかしら?」

●白斑・物九郎
 空を駆ける炎の精霊を仕留めに空へと飛び上がった眼下に、それがみえる。なるほど、こいつは確かに『華』ですわ。草竜が望んでやまない春の花、真っ白な消火液で描かれたどでかい桜の花びら。リダンのねーさんも粋なことをするもんですわな。上からの映像は俺めのほうでとっときまさ。
 斬り込み役は荒谷のねーさん。支援はプリンセラとニコリネのねーさん。バフ役はリダンのねーさん。地上は任せて問題なさそうっスね。
 俺めの廻りを、さっきから離れてちろちろ炎の精霊がとんでやがりますけど。俺めの仕事は、空をとんでる連中をブチおとすこと。
「【近接戦闘担当】の、狩りの悪魔の腕がどんだけ長ェか、教えてやりまさァ」
 あっちも野生の勘か空へ逃げて、俺めのほうに近づいてこない。こそこそと、遠くから火の玉をまきちらそうとしてるのを眼で捉える。ハァン、俺めから逃げるのであれば距離が足りないんですわ。
 俺めの腕の半ばが、モザイクに包まれる。虚実曖昧になった腕の先、俺めの手が空を駆け伸び、炎の虎を数体わしづかみにする。捕まえた。焦がすような熱が手を焼くが、構わない。
「ブチ落としてやりまさぁ!」
 リダンのねーさんが描く花の中心に向けて精霊をたたき落とせば、衝撃に地面が揺れ、砂塵が舞い上がる。全方位半径20m、俺めのテリトリーから逃げられると思いなさんなよ。
 炎で熱をもった手は、ニコリネとプリンセラのねーさん達がすぐに癒やしてくれる。
 だから、遠慮無し。燃える野を高速で駆け抜け、空行く虎を片端からたたき落とし、嵐の如く砂塵を撒き散らす。追い立てられた得物達は逃げ場を失い、やがて花模様のの中心へと追い詰められる。
「狩猟者としての格の違いを、教えてやりまさぁ!」

●ワイルドハント
「狩猟者としての格の違いを、教えてやりまさぁ!」
 最後に空にのこった炎の精霊をたたき落とし、猟団長である物九郎の号令が、草原に響き渡る。
 プリンセラが、集められた炎の精霊の上空から裁きの光を打ち放つ。
 つかさの大剣の一振りが、炎の精霊ごと中心部に巨大な穴を穿ち。
 動画の一部クライマックスへ向け、ニコリネの消防車が唸りをあげ、ニコリネの猟団の歌が挿入歌としてカットイン。
 仕上げに、ホースを手繰るリダンが消火液で花柱を描けば。真っ赤だった草原に、白い桜の花が咲く。
 草原からは火の手が払われ、配信先からは歓声が響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『息吹の竜『グラスアボラス』』

POW   :    フラワリングブレス
【吐き出された息吹 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【咲き乱れるフラワーカッター】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ガーデン・オブ・ゲンティアナ
自身の装備武器を無数の【竜胆 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    フラワーフィールド
【吐き出された息吹 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を花畑で埋め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ナイツ・ディンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暴れる花竜
 炎の精霊が消え、草原を包んでいた熱が徐々に薄らいでいく。1日も経てば、また寒さの厳しい、季節通りの気候にもどるだろう。
 ただし、納得がいかないものが一頭。
 寒さに震えながら、全長20m程もある花竜がのそりと身を起こす。普段は穏やかな花竜であるが、寒さと空腹に。その目は怒りに燃えていた。
 口元から吐息とともに花を散らしながら、花竜は猟兵達の方をみる。放っておけば、近くの村やキャラバンを襲い、食料を奪いにいくことが容易に想像できる。
 ここで、なんとしても彼を止めなくてはならない。
満月・双葉
僕も寒いの嫌いです…ですが、それが迷惑をかけていい理由にはなりません

連携を重視
地形を把握し、死角利用を心掛ける
攪乱により隙を作らせ先制攻撃により戦闘を有利に

ユーベルコード冥界の女王の怒りを前に使い相手を動揺させた後、お姉ちゃん…『力を貸して』

第六感や野生の勘を使い攻撃を見切り、見切れぬものはオーラ防御や盾受け、武器受けで受ける

攻撃法はコロコロ変えて相手に把握させず予測も出来ぬように

パパ直筆の御札は恐怖を与える呪詛や催眠術
桜姫による傷口を抉りつつの生命力吸収攻撃から大鎌に変形させ、衝撃波による薙ぎ払い吹き飛ばす2回攻撃
大根で串刺し
本を投擲
スナイパーを利用し銃で狙撃。零距離射撃も出来ますしね


一郷・亞衿
WIZ技使う人がいたら連携して行きたいかな。ちょっと心理的な抵抗はあるけど、花畑のせいで相手が強くなるなら除草せざるを得ない……!

先に見た消防車の姿に感化されたので、こちらも世界観に似合わないものを使っていきますか。
日用品雑貨類をランダム召喚するUC『キャプテン・スーパーマーケット』を使用!除草剤、草刈機、ヘッジトリマー……何が出てくるかは解らないけど、何がしか使えるものは出てくるでしょ。

自分への反応攻撃に対しては……”指定した全ての対象を攻撃”するんだったら、目眩ましとかすれば被害抑えられるかな?記憶を操作する<催眠術>の光を放つ金色のペン型デバイスを<だまし討ち>気味に喰らわせてみよう。



●春よ来いと、思い騒げば
 燃え尽き荒れた野を睥睨し、小さな丘が鳴動する。冬眠で固まった体をほぐすように羽を伸ばした姿は、約十五尋にも及ぶ。
 普段は円らな瞳は朱に染まり、熱を奪った猟兵達を睨み付けている。のそりと起こした巨体で一歩を踏みしめる度に、大地が震える。
 空を仰ぎ、巨体からは似合わない高い声で咆哮をあげれば、吐息にのって空に花が咲き乱れる。地に落ちた花は生長し、花竜を中心に花畑が広がり始める。決して春を迎えることのできない、幻想の花が。
「寒いのは嫌ですか。僕も寒いのは嫌いです…」
 炎の精霊との戦いが終わり。兄の銃に弾を込めながら、満月・双葉(星のカケラ・f01681)が囁く。けれど、と。
「それが迷惑をかけていい理由にはなりません。このまま街にでもいかれたら大問題ですし」
「花畑が広がるのは悪くないんだけど、この子のテリトリーが広がるのはまずいよね」
 残ったロッズ達を回収した一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)が双葉の隣に合流する。熱気を払うように少しだけマスクに隙間をあけ、空気をいれて涼をとる。
「双葉ちゃんは遠近どっちもいけるんだよね?あたしが先に前にでるから、掩護お願い。そっから先は流れで行こう!」
「わかりました。僕が攪乱するので、先にお願いします。死角に入るので、一旦失礼しますね」
 亞衿が宜しくね、と手を振った時には双葉は気配を消しながら移動を始めていた。
「『種と共に冬を越え、鳥と共に春を歌おう』。今はまだ種の時期、目覚めが早すぎたね。もう一度、眠ってもらうよ!」

●満月・双葉
 亞衿さんが花竜に向かって駆け出すのを確認して、僕は死角を探して移動する。先程の戦いで抉れた地面が点在している。どんな力で打ち込んだらこうなるんだろう…。
 窪地の一つに隠れ、お兄ちゃんの銃の先端だけを穴の外にだす。スコープ越しに戦場をみれば、亞衿さんが花竜に近づいているのがわかる。亞衿さんと花竜でサイズ比率がすごいけど、僕の『眼』は距離を測り損ねない。
 距離200、180、160…140で丘が動く。花竜が息を吸み始めているのを僕の眼が捉える。照準を花竜の下顎へ切り替える。
 距離120、100…今。引き金にかけた指をひけば、乾いた音と銃の反動が僕の体に伝わる。着弾を確認するより先に、慣れた手つきで弾を込める。
 次弾の装填を確認。だから、連射した。死角外からの不意打ちに、花竜が驚いたように息をとめるのが見える。さすがの巨体、これだけだととおしきれませんか。
 銃弾を撃ち込んだ僕を探して、花竜の視線が僕のほうをみる。その目が怒りに燃えているのがみえるけれど、こちらをみてくれるなら好都合。
 普段は外さない銀縁の眼鏡をはずし、シャツの縁にとめる。魔眼殺し越しにみていた世界が、一変する。変わる世界の中で、僕は花竜と視線をあわせる。
「僕と眼をあわせたら、死ぬより酷い想いをしますよ。死んだほうがまし?かもしれませんね」
 花竜をみやれば、花竜が見えない何かに怯えるように動きをとめているのがわかる。花竜が怖がるものってなんだろう。想像はつかないけれど――
「ひとまず、足止めは十分かな」

●一郷・亞衿
 よしよし、双葉ちゃんナイスナイス。これで相手の懐に潜り込めたよ、って懐大きすぎるけどね。
 花竜は自分の花畑にいると、手がつけられなくなるんだっけ。一時しかもたない花畑とはいえ、刈り取るのはちょっと心理的抵抗はあるけど…こればかりは仕方なし、除草せざるを得ないね!
 ホームセンターで売ってるもので何か丁度良いものあったかな…ようし、良いものこいこい!
 花竜に向かって駆けながら、あたしは空へと手を掲げる。『お買い上げ有り難うございます』ってアナウンスと共に、あたしの手に何かが現れる。ずしりと伝わる確かな重量。
 黒光りする刃渡りは実に1m弱。使われている刃は安心安全高品質、特殊コーティング仕様の国産品。安全のためのガードの横にあるリコイルスターターは、大馬力のエンジン式の証。使い方は、自然にあたしの頭に流れ込んでくる。
「本格的…というか、業務用のエンジンヘッジトリマー…本当にホムセンで売ってるの?えーっと……何コレ?幾らすんの?」
『オイルとあわせて、しめて十万ななせ…』ききたくなかったよ!と、とりあえずよし。それじゃあ、除草作業の開始だよ!
 スターターを引けば、すぐにエンジンが始動。あたしの手と腕を伝い、両肩に振動がくる。刃が回転を始めているのを確認して、あたしは花畑を駆け抜ける。
 唸りをあげるヘッジトリマーで成長した草花を撫でれば、抵抗無く剪定が完了する。良い感じ良い感じ。
 とはいえ、花竜も黙ってみてないよね。上を見上げれば、花畑を荒らされた事に怒ったのか、改めて花の混じった吐息を撒き散らし始める。
 ううー、範囲広い!あたしは得意のダッシュで花竜の下を駆け抜ける。着弾した吐息が後ろ髪をかすめるけどセーフ。
「また花畑が増えてるっ。でも、増やされるより先に刈り取ればいいだけだよねっ」
 走る、走る、走る。花竜が首をまわし、あたしを追ってくるのよりも早く駆け抜け、ブレスの度に増える花畑を刈っていく。
 あたしもそろそろきついけど…そっちもそろそろ息切れするよね?しばらく続く追いかけっこの後に、花竜の吐息がやむのが見える。
 これで少しだけ一息つける、と思ってたけど…攻撃方法かえてきた?!花竜が振り上げた大きな足の爪が、竜胆の花弁にかわり、あたりを舞い始める。
 まずいまずい、まわりにみんなもいるのに。よーし、こんな時は…これの出番!
 あたしは金色のニューラライザーをとりだして、花竜の眼に向け光を照射。
「『おっと、すまない。あんたのおばさんだった?それじゃ、こっちのはあんたのおじさんだな!』」
 催眠効果のある光をあびて、一時的に花竜の視界が混濁する。標的を取り違え、無人の野に竜胆の花が墜ちていくのをみて、ひとまずは安心。ここまでくれば
「双葉ちゃん、あと宜しく!」

●満月・双葉
 亞衿さんが花竜の注意をそらしたのを確認して、僕は前に駆け出す。竜胆の花が行く手を邪魔するけれど、身体にオーラを纏わせ駆け抜ける。多少の被弾は問題無し。
 花竜までの距離が100をきる。近づいて見上げる姿は巨体。僕だけだと手が足りない。だから、僕の大切な人の名前を呼ぶ。
「お姉ちゃん…力を貸して」
 僕の呼びかけに応えるように。首と背中に、僕を優しく抱きしめて、包みこむような熱を感じる。その熱は、僕の幻想かもしれないけれど。
 羽根を広げ、僕の後ろを翔るお姉ちゃんの霊がフルートを構える。初めは優しい調べ。曲調はうつりゆき、レント、アダージョ、アンダンテ。
 アレグロ、ブレストを越え。音色は可聴帯域を越え魔性の調べになる。その音を嫌がるように、花竜の動きが鈍り、暴れ出す。
 ありがとう、お姉ちゃん。そう呟いて、僕は花竜の身体を駆け上る。僕を身体からふるい落とそうと、花竜の足がふるわれる。風圧を伴ってせまる質量に背中に嫌な汗をかきながらも、身をかがめてぎりぎりでやりすごす。
 あれには流石にあたりたくないですね…。お返しに、とばかりに身体を駆け上る間に、僕は大根をとりだし竜の身体に突き立てる。大根を足場にして更に跳躍。勢いで吐息もかわして、かわりに僕のバイブルを頭にぶつけて注意をそらす。ちゃんと後で回収するよ。
 竜の巨大な片羽根の付け根にたどり着く。花竜が身体をふるわせて、振り落とされる前に――
「まずは片方、もらいます」
 桜花を大鎌に変形させ、二閃。吹き上がる血と共に、花竜の甲高い悲鳴が草原に響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

氏神・鹿糸
悪い精霊さんの次は
花の竜………戦わないとダメ?

皆がたくさん攻撃してくれているものね。
戦力的にも問題なさそうね?
他の人の戦闘補佐に回りましょう。

「寒いものね。分かるわ。でも花の竜なら植物を大切にしないとダメでしょう?」
攻撃からは適宜[オーラ防御]で対応。
皆が攻撃しやすいように。
攻撃力は余り無いけど、火の精霊を放ち、竜の意識を邪魔するわ。


「ウィリアム、力を貸してね。『自らの敵のなかで、もっとも美しい精霊よ…』」
フードを被った顔の見えない小さな精霊。
優しいウィリアムよ。
少しでも負傷を負った人には、ユーベルコードで回復。
みんなの少し後ろに立って、適宜回復させていくわ。

(アドリブ・連携歓迎)


タニヤ・ヒルヴィサーリ
遅参失礼しますわ、微力ながら応援に参りましたの!
大きなドラゴンですわね
若干気の毒ですけれど、あれが街で暴れる前に仕留めてしまいますのよ

巫覡載霊の舞で神様…森の貴婦人、狩猟の女神ミーリッキ様を降ろしますの
練達な皆様に比べて出来ることが少ないですけれど、攻めて攻めて隙をつくりますのよ!
広がる花畑は薙刀の衝撃波となぎ払いで散らしていきますの
接近が叶えば鎧通しで傷を与えにいきますわ
狙うのは関節やお腹の下、極力柔らかそうな箇所を狙います
刃がとおれば、ブレイズフレイムで内側から燃やしていきますの!

危なそうな攻撃がきたら、一旦逃げの一択ですの
私、回避手段は少ないんですのよ…ふきゃーん?!



●優しさに包まれたなら
 地響きを起こしながら暴れる巨体から、甲高い咆哮があがる。仲間の猟兵が片翼の動きを封じるのをみて、気の毒そうに鹿糸が瞳を伏せる。
「悪い精霊さんの次は、花の竜…。戦わないとダメ?」
 本来であれば、比較的大人しい性質の花竜である。同じ草花を愛する鹿糸にとっては、好んで戦いたい相手ではない。
 しかし、相手はオブリビオン。被害が広がる前にとめなければと、覚悟を決める。
「遅参失礼しますわ、鹿糸さん。微力ながら応援に参りましたの!」
 ツンと伸びた狐耳を揺らし、タニヤが鹿糸の隣に降り立つ。
「いらっしゃいタニヤ、それとこんにちは。こんな時だけれど、一緒にがんばりましょうねえ」
「承りましたの。それにしても…大きなドラゴンですわね」
 小柄なタニヤにとっては、十数倍以上も差がある花竜を見上げて唖然とする。
「戦ってるのは、私達だけじゃないわ。私もみんなの補佐に回るから、安心して」
 そう鹿糸が優しげに笑えば、タニヤが頷きで応じる。穏やかな気性の二人が、同時に花竜を見上げる。
 気持ちは同じ、気の毒な花竜をとめてあげること。白い花弁を散らす日傘と、薙刀が同じ方向を向く。
「私が前にでますわ。ご助力、お願いしますの鹿糸さん。それでは…参りますのよ!」

●タニヤ・ヒルヴィサーリ(北欧の巫女妖狐・f13628)
 今目の前にいるのは、怒りに震える花竜の姿。本来の姿をみたことはありませんけれど、話しを伝え聞く限りは優しい花竜なのですわね。
 若干気の毒ですけれど、あれが街で暴れる前に仕留めてしまいますのよ。
 薙刀を持ち、神に捧げる舞を踊る。踊りに合わせ、仕立ての良いメイド服の裾がふわりと風に舞う。舞うごとに意識が徐々に白くなり、私の器がからっぽになっていく。
「森の貴婦人、森の奥方様。狩猟の神ミーリッキ様。迷える竜を沈める為に、私を導いてください。幸運の枝の上に、導いてください」
 私の中に、大きな何かが入ってくるのを感じる。小柄な体躯の隅々に力が行き渡り、知覚が広がる。全能感にも近い力を得られる代償は、私自身の寿命。
 無駄に命を削るつもりはありませんの、速く終わらせてしまいますわ!
 薙刀を構え、私は前に進む。花の舞う草原は美しいですけれど…申し訳ないですが、散らせてもらいますわ。私の内から溢れる神気を薙刀の切っ先にのせ、一閃。凜と、鈴がなるような音と共に一帯の花が散る。
 新たに自分のテリトリーを荒らす侵入者に、花竜が視線を向けてくる。ようやくこちらを向いてくれましたのね。
 練達の猟兵の皆様に比べて、出来ることは少ないですけれど。攻めて攻めて、隙をつくりますのよ!私と他の皆様を纏めて追い散らすように、花竜の背中のトゲが竜胆の花弁にかわり、花畑を舞い始める。
 薙刀を振るい花弁を散らしていく。一閃、二閃、三閃。けれど、散らしきれない。ミーリッキ様の力でいくらかの被弾は防御できますけれど…私、回避と防御の手段は少ないんですのよー?!
「ふきゃーん?!」

●氏神・鹿糸(四季の檻・f00815)
 仲間の猟兵の皆が戦い、応じる花竜の花吹雪が吹き荒れる光景がみえる。これが戦いでなければ、幻想的な光景だけれど。
「寒いものね。ぬくもりが欲しかったのも、わかるわ」
 でも、と私は思う。花竜の吐息が枯れ野に次々と花を咲かせていく。暖を欲し暴れる花竜は、自らその花畑を踏み荒らしていることに気づかない。
「花の竜なら。花を愛する竜なら、植物を大切にしないとダメでしょう?」
 距離の離れた私のところまで、紫紺の花弁が迫り来る。竜胆の花言葉は…。
「一緒に春を喜んでくれる相手がいなくて、寂しかったの?」
 応じるように、私はドライアドが変化した日傘を掲げる。真っ白な椿の傘から零れる白い花弁が、紫紺の花弁と絡み合い地に落ちていく。日傘の内にいる私には届かない。
 短い間だけれど、花が咲く喜びを一緒に共有しましょう。本当は寂しがり屋で優しい、素敵なあなた。
 けれど…本当に残念だけれど、仲間が傷つくのをほおっておけないわ。ごめんなさいね。
 タニヤが花吹雪に阻まれ、足止めをされているのが眼に入る。いけない。直接花竜を攻撃する力はあまりないけれど、気をそらすお手伝いはできるわ。
 先程までの戦いで、この地にはまだ沢山の火の属性が残っているわ。だから、私の隣人に呼びかける。
「冬の地で身を寄せ合う美しき者。暖かで無形の隣人。私に力をかして頂戴ね」
 私の呼びかけに応じ、冬の空に揺蕩っていた火の精霊達が、再び形を為して集まってくる。さっきまでの猛々しい虎型じゃないわ。
「私の仲間達が先に進む為に。あの花竜を眠らせてあげる為に。飛び回って、注意をそらしてくれるかしら?」
 言葉を介さない精霊達が頷き、花弁の舞う空へと飛び立っていく。徐々に数を増やし、精霊の総数が50を越えた。精霊達を鬱陶しがるように花竜が花弁を差し向ければ、からかうように距離をとり、また近づくのを繰り返す。
 ありがとう、おかげで少しだけ余裕ができたわ。今の間に、タニヤの支援に専念しましょう。土地の精霊ではなく、私自身の精霊に呼びかける。信頼する、愛しい隣人。
「ウィリアム、力を貸してね」
 掲げた私の手のひらに、親しんだ、暖かい光が宿るのを感じる。光は徐々に形をなし、小さな精霊へと姿を変える。フードで隠した顔はみえないけれど、優しい優しいウィリアム。
「自らの敵の中で、もっとも美しい精霊よ。その輝きを放ち癒やしをもたらしなさい」
 応じるように、ウィリアムが暖かで。けれど、草原を包むような光を放つ。
 頑張る私の仲間の手助け、よろしくたのむわね、ウィリアム。

●タニヤ・ヒルヴィサーリ
 ううう、痛いですの手数多いですの…!なんとかここを切り抜けないとじり貧ですわ。薙刀を必死に振るい、焦れるように一進一退を繰り返していると、不意に花吹雪の圧が緩むのを感じる。
 あ、鹿糸さんが注意をそらしてくれてましたのね。それに、身体の痛みが惹いていきますわ。有り難うございますの、鹿糸さん!
 後ろを振り返ると、がんばってと手をふる鹿糸さんと、背中をおす暖かな光が眼に入る。だから、駆けだした。少しでも傷を負わせるなら、注意をそらしてもらってる今しかない。
 駆ける、駆ける。前を塞ぐ花弁を切り伏せ、ようやく竜の足下へ至る。体重を感じさせない小柄な身体で竜の身体を跳ね回る。ち、ちっちゃくないですの!
 先程傷つけられた背中の羽根を警戒したのか、花竜の身体を跳ね回る私ごと押しつぶすように身体を揺らして暴れ回る。
 構いませんの。非力な私では固い皮膚に刃を通せないのは自明。それならば、自分が怪我をおってでも狙うはただ一点。何度目かの跳躍で花竜の眼前に躍り出て、文字通り竜と目が合う。
 私の狙いを察したのか、逃れようとする竜に、鹿糸さんの火の妖精さんがちょっかいをかけ、一時的に動きを封じる。
「あまり痛い思いはさせたくありませんでしたけれど…ごめんなさいですの!」
 私の体重と落下速度をのせた薙刀の切っ先が、竜の片目に突き刺さる。痛みを長引かせないように。巨大な瞳に潜った刃にミーリッキ様の神威と、私自身の内から燃えあがる熱をこめ、延焼させる。
 片方の視界を失い、手負いになった獣のいななきが響き渡るのを耳にしながら、私は花竜の身体から跳躍した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

白斑・物九郎
【ワイルドハント】
●WIZ
L95式サイドアーム装備(拳銃じゃきーん)
荒谷のねーさんが突っ込んでく傍ら、息吹竜相手に適当にパンパン射掛けてやりますわ(狩猟の魔眼[攻撃力特化]+喧嘩極意[命中率重視])

コレは相手に「俺めはこういう戦い方をするヤツだ」って思わせる為の布石
竜がフラワーフィールドの自己強化を頼みにするような機動に入ったら、本命の作戦を発動しまさ

【砂嵐の王】!
モザイク空間を投射
竜がフラワーフィールドの強化効果上で荒谷のねーさんとカチ合う瞬間を狙い澄まして(野生の勘)、その地形効果を俺めのモザイク空間で上書き

強化効果を見越して突っ込んで来た瞬間、その強化効果をブッこ抜く
オラッ隙曝しなさいや


プリンセラ・プリンセス
【ワイルドハント】 「皆よ来よ。――決戦の時間です」
真の姿を解放する。他人格の全てのスキルや能力をプリンセラで使うことが出来る。頭の中では数十人の兄姉が喋っていて煩いことこの上ないが。衣装も変化する。それは女帝とも言うべき荘厳な物で。
ヒュポスタシスを槍へと変えると馬に飛び乗る(データはバイクですが馬です) 竜の周囲を回転するように回りつつジャッジメントクルセイド、弓、拳銃、フレイル、長銃と武器を次々と変形させてダメージを与える。巨体の相手に狙うのは神経の集まる体の末端。そこを集中して狙う。 「竜の注意はこちらが引きつけます。その間に攻撃を!」 ブレスや息吹はオルタナティブなどで回避。


白鳥・深菜
【ワイルドハント】

「【遊撃担当】白鳥深菜。【お花担当】さん、花を届けに来たわ」

さて、私の担当は……寒さへの弱さを刺す、でいいわね?
了解。徹底的に全力で一発、勝負してやるわ。

思い描く。
寒さに弱く、花を操る。それを制するのは簡単だ。
草木も眠る吹雪の一発でも起こせばいい。
されど草木の、花の。その美しさまで奪いたくはない。

故に思い描く。
凍てつき白き華を咲かす、自然の草木の美しさを。
それは「氷花」……冬に咲く偽りの白き花。
そして願わくば、春を感じる色を添えて。

「――希うは<氷>の<花吹雪>!白き華よ芽吹け!そして吹雪を巻き起こせ!」

これが私の【全力魔法】……ってとこかしら。後は任せたわよ、皆。


ニコリネ・ユーリカ
【ワイルドハント】で決戦!
花片で誰かを傷付けるなんて、お花が可哀想。
ここはバキュームカーを召喚して、全部吸い込んじゃいましょう!
タンクに集めた竜胆は、後でリースにアレンジして、
討伐の証に猟団のペントハウスに飾るの。
【お花担当】を名乗る身として、摘んだ命の責任を負わないと。
花言葉は「正義」、うん、いいじゃない!

皆が戦っている時は、後衛から歌声で回復支援を。
仲間と同じ法被を翻して、コブシを利かせた唄を一曲!

深菜さんの花吹雪、綺麗ねぇ。
ええ、お花は誰かの心を動かすものじゃなくっちゃ。

山火事で失われた草木が心配なのだけれど。
どうか逞しく、春に命の躍動を見せてね。
もえるような緑が、其処にありますように。


荒谷・つかさ
【ワイルドハント】

さて、一人で相手する時は地形ごと焼いてやるんだけど。
チームで動くなら必要無いわね。支援は任せたわ。

引き続き前衛として直接戦闘担当
【五行同期・精霊降臨術】を発動、火行を木行で補助し大剣「零式・改二」に火属性付与(攻撃力強化)
「風迅刀」の「属性攻撃」技能から発生する風の刃も纏わせておき、ブレスの迎撃時のみ解放して焼き払い相殺を狙う

序盤は【斬り込み担当】らしく真正面から突撃、真っ向から障害となって押しとどめる
猟団長(f04631)が地形を塗り替えると同時にギアを上げ、「押しとどめる」戦いから「仕留める」戦いに移行
急所狙いで大剣突き刺してから過熱させるわ
バーベキューになりなさい!


リダン・ムグルエギ
【ワイルドハント】で出げ…あら、6人目
ワ組って、戦隊モノ的な何かだったのかしら(法被を投げ渡し)
どう思う?紅…黒一点のぶっちー

敵は寒がりなの?
じゃあ今回のデザインは…冬眠ね

法被に仕込んだ模様、アートで描いた花にも催眠術のタネは仕込んだわ
それを見た花竜の五感…特に温感を操り偽りの「極度の寒さ」を与えるの
タイミングは…そうね、ぶっちーの技と合わせましょ
ミナさんの本当の寒さと合わされば冬眠に近い所まで持っていけそう
今よ、焼肉た…斬り込み担当さん!

暴れる姿もサマになるデザインのブレス、アタシは好きよ
でも、季節が悪かったわ
春(未来)の花々のために、過去は散って肥料になって
それが正しいこの世界のデザインよ



●総員集合
 幻想の花が咲き誇る野に、六つの影が降り立つ。
「一人増えてる気がするけど。追加戦士って、ワ組は戦隊モノ的な何かだったかしら」
「番組の後半に現れる新たな仲間、動画映えするとおもわない?」
 仕方ないわね、とお手製の法被を投げ渡すリダンに、深菜が鈴の鳴るような声で応える。
「どう思う、紅…黒一点のぶっちー?」
「黒一点て…俺めに聞かんでくださいや」
 動画的にはいいんじゃっスかと物九郎が応じれば、法被を着込んだ深菜が笑みを零す。
「深菜様も増え、ワイルドハントと花竜の決戦ですわね」
 意識を戻したプリンセラが、花竜を見上げる。手負いになった花竜が、痛みと寒さで遙か遠くの森のほうを向き、かけだそうとするのが見て取れる。そんな様子を、ニコリネが痛ましそうにみつめる。
「少しかわいそうだけど。花片で誰かを傷つけるなんて、お花が可愛そう。花竜も、ここで止めてあげましょうね」
「そうね。大事になる前に花畑で眠らせてあげましょ」
 頷きで応じるつかさを、リダンが本当にそれだけが理由かしら、という眼でみるが、気にしない。
「まァ、キマフューの視聴者も待ってることですし?後半戦、はじめましょうや」
 揃いの法被をはためかせ、6人がそれぞれの得物を構え花竜を視る。
 撮影機材の調子は問題無し。リアルタイムの視聴者数は増えるばかり。
 だから、始めよう。
「巨竜狩り、ワイルドハントの始まりっすよ!目ェみひらいて視てなさいや、ステイチューン!」

●荒谷・つかさ(護剣銀風・f02032)
 痛みに耐えかねるように暴れる花竜が吠え猛り、怒りを込めて踏みしめる度に大地が揺れる。
「あの巨体、生半な攻撃じゃ傷をいれるのは難しそうね」
 私は零式・改二を地面に突き刺し、両手をあける。愛剣の刃に迷い無く人差しを滑らせれば、赤い雫が指先から零れ落ちる。
 私の魂が宿る朱色で線を引き、空に星を描けば。草原に、この地に住むもの達がざわめき始める。
「木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生む」
 生生流転、何かの死は何かの生に繋がる。世界は絶えず変化し、相育み生かす連綿と続く円環。
「これ即ち五行相生、星の理也」
 五芒星の頂点を円環で繋げば、枯れた草花が零式・改二の刀身を覆う。
「五行同期、精霊降臨!」
 私の声に応えて集まった火の精霊が大剣に宿り、草花を糧に刀身が緋色の炎に包まれる。
 炎に包まれた大剣を手に、私は花竜へと距離を詰めていく。
 花竜がこちらを向く。怒りにまかせ吐き出した吐息に、指向性をもった無数の花々が、円月輪のように回転しながら押し寄せる。
 後ろには仲間がいる。斬り込み役として、後ろに通すわけにはいかない。だから、斬り裂いた。
「疾っ!」
 一閃。大剣の炎が風に煽られ、火勢を増す。線の斬撃で斬り裂いた花が燃え広がり、面で花を焼き尽くしていく。
 竜の吐息を一身にうける私の横を、何かが駆け抜けていく。

●プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)
 暴れる花竜を止めるには、手が多いほうが良いですわね。今回はつかさ様達と一緒に、私も前にでましょう。
 私自身に前で戦う力はありませんので、兄姉の力を貸して頂きましょう。この場に、対応できそうな兄様姉様は…。いえ、違いますわね。誰か1人でなくても良いのですわ。
 私は両手を胸にあて、深呼吸をひとつ。私の中に眠る、別の人格『達』に声をかける。
「皆よ来よ。――決戦の時間です」
 静寂から、一転。私の中で、沢山の兄様と姉様達が目を覚ます。私を心配するように、はたまた激励するように、もしくは強敵である花竜に意気軒昂。
 それぞれが好きな事を話すものですから、私の頭の中は割れ鐘が響いているよう。けれど、誰もが私を心配してくれているのは伝わります。有り難うございます、兄様達、姉様達。
 兄姉達の目覚めと共に、私の長い髪の輝きが増す。私の纏うドレスに豪奢な、けれど上品な金糸銀糸の意匠が浮き上がってくる。女帝の風格。それは、少しだけ先の未来の私なのかもしれない。それとも、兄姉達が願う私の姿なのか。
 数十の意識に、思考は千々に乱れるのに冴え渡っていく。矛盾するこの感覚は言葉にできない。
 指を鳴らせば、どこからともなく愛馬が現れる。今日も勇敢な戦働きを期待する。私が一撫ですると、嘶きで応える。今日の得物は、まずは馬上槍。ヒュポスタシスの柄を握れば、淡い輝きと共にその姿を変える。
 愛馬にまたがれば、合図をせずとも草原を駆ける。つかさ様が奮戦してくれている隙に、花竜へと近づいていく。
 煩わしそうに、私の倍以上もある花竜の足が迫る。ぎりぎりで足の裏から逃げるけれど、衝撃に馬にのった身体が浮き上がる。乗馬が得意な兄様の指示で身体を御し、槍の得意な兄様のタイミングで足を突く。
 いらただしげにこちらを視た時には、槍は長銃に姿をかえている。銃を扱えば国一番の姉様が私の身体を手繰り、不安定な馬上からの射撃を可能にする。弓、拳銃、フレイル、次々に手をかえ品をかえ、花竜の意識を散らしていく。
「敵の注意はこちらが引きつけます。その間に、皆様は攻撃を!」

●白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)
 プリンセラも気合はいってるっすね。俺めも荒谷のねーさんの支援に、『初めは』攪乱にまわりまさ。『初めは』、ね。
 にぃっと歯列を剥いて笑う。エルから借用している、使い勝手のいい拳銃をとりだし構える。副兵装じゃ、いいところに打ち込まないと脅しにもなりませんわ。
 だから、支援を要請する。
「ザミエルシステム、起動」
 キマフューで待つ仲間から、力が来る。世界を越えて、電脳魔術が俺めの頭にリンクする。俺めの五感から得られるデータを送れば、即座に演算処理された世界の移ろいの確率がフィードバックされる。
 俺めの視界には、花竜の身体が三重にも四重にもぶれて映り込む。それは花竜の行動予測の可視化。近未来視にも近い膨大な情報量の処理に、頭に焼けるような熱を感じるが、捨て置く。これぐらい気にしてるようじゃ、狩猟者なのれませんわ。
 エルの演算結果と俺め自身の身体がつげる勘にあわせて、引き金をひく。花竜の巨体には豆粒みてーなもんかもしれやせんが。爪と肉のつなぎ目、やーらかい膝裏、誰かがつけた傷口。雨だれ石を穿つっつって、何度も何度も同じ所に打ち込んでやりゃあ、ちったあこたえやがりますよね?
 ハァン、怒りやがっていらっしゃるんですかね?馬鹿の一つ覚えみたいにまた竜胆の花まきちらそうとしてるみたいっすけど…。草花大事にしない輩には、俺めの仲間は怖いんですわ。

●ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)
 またそんなに花をまき散らして!愛しい花々でみんなを傷つけさせないわ。
 さっきは消防車だったから、次に呼ぶべきは…そうね、これにしましょう。
 私が手を掲げた先の空間が歪み、エンジン音を響かせながら、車両が徐々に姿を現し始める。水と空気を象徴する空色に輝く車体。大容量のタンクは3.5t。物を吸い込む性能を決める真空ポンプは高品質の国産製、動力は余すこと無くトルクを伝えるフルパワーPTO。
 車両の後ろには、特殊車両を表す「8」ナンバーが燦然と輝いている。何度みても素敵なナンバーね。
 長く巻かれたホースをたぐれば、バキュームカーが全貌を現す。これで、全部吸い込んじゃいましょう!
 PTOにクラッチを繋ぎ直せば、ホースが唸りをあげて廻りのものを吸い込み始める。
 集めた花片は、全部終わったらリースにアレンジするわ。【お花担当】を名乗る身としては、摘んだ命の責任を負わないと。
「猟団長、つかささん、プリンセラさん!吸引始めるから、吸い込まれないように気をつけてね!」
 ホースをつかささん達のほうに向ければ、あたりを漂う紫の花弁が勢いよく吸い込まれ始める。タンクはいくらでも容量があるわ。限界まで、吸い込んじゃいましょう!
 大所は吸込きれたかしら?ホースは車両に固定して、そのまま応援歌を歌いましょう。
 紫の花弁と花畑をバックに。全力で歌うわ、こぶしをきかせて!歌は私で歌います、聴いて下さい!
「竜胆の花言葉は正義だったかしら。いいじゃない、みんなを護る為の正義の歌を歌い上げるわ!」

●SideDragon
 片翼を失い、片目を失った。寒さに震える身体に、空腹を訴え続ける燃費の悪い巨体。
 自分のまわりを飛び回り、痛みを残していく小さな人間達。自分のテリトリーである花畑は荒らされ、今も自身の身体が生み出した紫紺の花が不可思議なものに吸い込まれ続けている。
 怒りと寒さで朦朧とする意識。何もかもが苛立たしい。
 行く手の邪魔をする人間達を払う為に、残った翼と、傷ついた翼に力を込め。巨大な身体が上空へ飛び上がる。飛行はできなくとも、数秒飛べれば十分に過ぎる。
 人間達の戦いをみてきたけれど、10名が集まったところで自分の花畑の全てを消すには、手が足りていない。ならば、自分に有利な花畑を広げ続ける。
 躱すならかわせと、花竜は上空で大きく大きく息を吸い込み。渾身の力を込めて、射出した。
 その様子をみて、地上で退避したり、防御にまわる人間達を尻目に。着弾した吐息は、今までの何倍にも花畑を広げる。
 自分が最大限力を振るうことができるフィールドで、体勢を立て直そう。花竜の巨体からは考えられないぐらいに、ふわりとした速度で花竜が地上へと舞い戻りはじめる。
 
●白斑・物九郎
 追い詰められたら、力の限り花畑を広げようとする。予想ビンゴすぎて、笑えまさぁ。
 10名じゃ花畑の拡張をとめきれねーって、高をくくったんじゃにゃーですかね。
 細工は流々、後はなんとやらってね。自分のテリトリーに降りてきて、強化を図る姿をみて、俺めは走り出す。
 花竜が地上に降り立ち、顔を緩めるまで後10,9,8,7…。ハァン、強化なんかさせないんですわ!
 ぎりぎりのタイミングに、着地点に俺めの腕を向ければ。空間が歪む強烈なノイズと共に、花畑の一帯が砂塵のようなモザイクに包まれる。バフくれるつもりでやがったんでしょうけど、バフごとうばってやりまさぁ!
「オラッ、隙さらしなさいや!」

●リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)
 あら、もくろみ通りに綺麗にはまったみたいね。さすがぶっちー達ね。花竜の驚いた顔、みんなは見えてるかしら?
 え、アタシは今回後方でずっと何もしてなかった?失礼ね、ちゃんと仕込みはしてるわよ。
 あたしのアートをみた時点で、戦う前に勝負は決まってるの。結果はもうすぐでるから、視聴者のみんなには少しだけ種明かしをするわ。
 今回の敵は寒がりってことだったから、グリモアベースで仕込みはしてきたの。【事前準備担当】だもの、当然よね。
 今回のデザインコンセプトは『冬眠』ね。法被に仕込んだ模様、それに消化液で描いた桜の花のアート。
 どちらにも、何度も見続けたら五感を狂わせる暗示を仕込んだわ。プリンセラさん達が動き回ってくれたから、アルコールみたいにきいてくるころよ。
 狂わせるのは、花竜の温感。寒さが苦手な花竜『極度に寒いところにいる』って間違えた情報を与えたら、どうなるかしら?
 その結果を見る前に、ミナさんのほうにカメラ一度きりかえるわね。ミナさん、最初からずっと力を貯めるのに集中してたから…ちょっとすごいわよ?

●白鳥・深菜(空を彷徨う翼・f04881)
 ここにいるみんながしっかり時間を稼いでくれたから、もう少しで魔力が限界までたまりそうよ。
 今回の私の担当は、しっかり寒さって弱点を刺すことね。
 見てる限りでも、随分と寒いのを嫌がってるもの。
 私自身の魔力をためるのと同時に、この地にいる精霊にも力を貸してもらうわ。
 本来は厳冬の野っ原よ。水の精霊氷の精霊、探さなくてもたくさんいるでしょ。みんなちょっといらっしゃい。
 私の呼びかけと、吃水線から溢れるぐらいにたまってきた魔力に応えて、精霊達が沢山集まってくる。精霊使いでなくとも見えるぐらいの、濃厚な精霊達の密度。
 外からきた炎の精霊達に荒らされた怒りと。それ以上に、仲が良かった花竜が暴れる姿に悲しむ思いが切々と伝わってくる。本来は、精霊と花竜なんて仲がいいはずよね。
 了解。貴女達の為ってわけじゃないけど、徹底的に全力で一発、勝負してやるわ。
 あと少しで魔力も臨界。けれど、大きな足音が近づいてくる。もう一波乱ありそうね。
 まあでも…ここまで辿り着けるかしら?だって――。

●リダン・ムグルエギ
 カメラを戻すわね。花竜の最後のあがきかしら。目に見えるぐらいに渦巻くミナさんの魔力をみて、こっちに向かってきてるわ。
 ぶっちーが花畑を上書きしてるから、花竜も狙ってた本来の力をだしきれてないのよね。
 それに…そろそろアタシの催眠も聞いてくる頃。ほら、動きが鈍ってきた。
 暴れる姿も、サマになる花が舞い散るデザインのブレスも、アタシは好きよ。けれど、とアタシは周囲をみわたす。
 残念だけど、季節が悪かったわ。少し先の未来。次の春の花々の為に、過去は散って肥料になる。
 それが、正しいこの世界のデザインよ。
 そろそろ眠る時間よ。さあ、タイミングは今よ、焼き肉担当…いえ、斬り込み担当さん?

●荒谷・つかさ
 誰が焼き肉担当よ?!
 ようやく抑えに回る時期は終わり。猟団長達の奸計にはまった花竜を仕留める時ね。
 かわらず緋色の炎と周囲を歪ませるほどの陽炎が渦巻く大剣をもって、深菜さん達の前に立つ。邪魔はさせないわ。
 障害物を払うように繰り出される花竜の大きな爪。けれど、明らかに動きが鈍い。リダンさんの暗示、すごい効果ね。
 勢い地面を抉る花竜の足下をかわし、地に縫いつけるように花竜の足に燃える大剣を突き入れる。深菜さんの技が発動するまで、絶対に離さないわ!
 強く精霊に想いを伝えれば、大剣が過熱し花竜の肉を内部から焼き焦がしていく。
「バーベキューになりなさいな!」
「荒谷のねーさん、やっぱりそれくうんすか…?」
「やっぱり焼き肉担当にかえるべきじゃないかしら…」
「だ、だめですよそんなこといっちゃ…!」
 そこ、ひそひそ話聞こえてるわよ?!
「POW系女子は燃費が悪いのよ!」

●白鳥・深菜
 私もPOW系女子になるのかしら。WIZ系な、はず。とりあえず、それはいいとして。
 おかげで魔力もたまりきったわ。
 後は魔力を開放するだけだけど…。精霊達や、数日の命である花々をみて、私は思う。
 これだけお膳立てしてもらった今、この花々を散らしてしまうの難しくはない。
 けれど、この花々の美しさまで奪いたくはない。
 だから、思い描き、願う。たとえ一時の幻であっても。
 身体の中で溢れんばかりに渦巻く魔力は、私が掲げた白銀のレイピアへと伝播していく。濃密な魔力の開放に、水と氷の精霊達が周囲を舞い始める。
 レイピアを軸に、魔力の竜巻が生まれ始める。
 だから、精霊達に願う。私が望む、終わりの形を。
「希うは――氷の花吹雪!白き華よ芽吹け!そして吹雪を巻き起こせ!」
 私の願いに、水と氷の精霊達が溶け合い、華の形を成していく。冬に咲く、偽りの白き氷花達。
 それは竜巻に乗り、荒れた草原を包む吹雪へと姿を変える。精霊達も、ワイルドハントのみなも、猟兵達も。そして、花竜も、その幻想的な光景を見つめる。
 荒れた野は雪と氷花に覆われ、白く姿を変えていく。吐く息が白く凍えるようになる頃には。
 暴れる花竜の動きは、停止していた。花をみながら、徐々に徐々に目蓋がおちていく。
 花竜の目蓋が閉じきる寸前に。おやすみなさいという声が聞こえたのは、私の幻聴だろうか。

●ニコリネ・ユーリカ
 花竜の目蓋がおちて、永い眠りにつく。
 深菜さんの花吹雪、綺麗ねぇ。お花は、誰かの心を動かすものじゃなくっちゃ。
 花竜さんも…満足してくれたなら、いいのだけれど。
 雪と氷花に包まれた草原を見渡して、私は願う。
 火事で失われた草木が心配なのだけれど。どうか、たくましく、春に命の躍動をみせてね。
 どうか…もえるような緑が、其処にありますように。
 それはきっと、ここにいるみんなの願いでも、あるはずだから。

●???
 雪の下に眠る花竜は、夢を見る。未だ未だ遠い、暖かで賑やかな春を夢見て眠る。
 きっとその光景をみることは、もう叶わないけれど。
 自分の身体が、土を潤し、草花を育て。そこに集まる鳥や動物を楽しませる肥料になればと願う。
 そうすればきっと…春の喜びを誰かと感じられるはずだから。
 花竜は、夢をみる。また、いつか。誰かと共に春を喜ぶ、そんな夢を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『のんびり市場巡り!』

POW   :    食べ物や装備のお店へ!

SPD   :    アクセサリーや道具のお店へ!

WIZ   :    書物や骨董品のお店へ!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ファンタジーキャラバン
 花竜が永い眠りについた草原を後にした猟兵達は、近くでキャンプをしている大型のキャラバンの下へ向かう。
 炎の精霊達の出現で足止めを余儀なくされていたキャラバンの商人達は、是非遊んでいって欲しいと猟兵達を迎え入れる。
 旅人が交易や観光を行う事もあるキャラバンのキャンプでは、沢山の出店やショーが行われているらしい。
 アックス&ウィザーズの各地の名産や料理。武器やアクセサリー、骨董品などの店。各地の草花の種等も売っているかもしれない。
 キャンプの中央では、ビーストマスター達による猛獣ショーなども行われているらしい。
 近づく春に向けて、活気づくキャラバン。財布の緩みを誘う賑わいがここにある。
満月・双葉
【WIZ】
のんびり本に目を通しながら、買う本を選ぼうかな…
こんな目をしていると人間性が無くなっていくから…本でも読んで勉強し続けないと…ね。
二三冊選んだら買って、骨董品の方に。
骨董品は、コミュ力で店主と話をしながら良いのがないか…これはどう云う縁のものですか?何か面白いものは無いですか?何かあれば買いましょうかね…お金はまぁ、あるので。
備前焼のカップ…タンポポコーヒー飲むのに良さそう。


アドリブ歓迎



●異世界と本の旅人
 熱気に包まれた市場の雑踏を歩く。見渡してみれば、交易路の拠点にもなっている為か、様々な種族が入り交じっているのがわかる。
 さっきまで寒い草原にいたので、暖かいのは有り難い。せっかくの機会だし、ゆっくり本でも選ぼうかな。
 案内図があるわけでもないので、僕は書籍を取り扱っているお店をぶらぶらと歩いて探して回る。
 銀縁眼鏡越しに見える市場は、活気づいてみえる。けれど、視界の端。眼鏡を通さずに『視る』世界は、色が変わってみえる。
 こんな目をしていると、人間性が薄くなっていくから、本でも読んで勉強しないと、ね。ブリッジを押し上げ、眼鏡を調整する。
 少し細い路地に入ったところで、主に書籍を扱っている露天商の一角にたどり着く。
 アックス&ウィザーズの書籍って、どんなのがあるんだろう。活版印刷がまだ主流じゃないのか、値札をみるとどれも少し高めの値段設定。
 けど、だからこそ装飾が一定じゃなく、本によって趣向をこらしているのは面白い。
「お姉さん、何か捜し物かい?」
 顔をあげてみると、人の良さそうな店主さんが僕のほうに声をかけてきているのが目に入る。
「特に、何かを探してるわけじゃないんんですが。流行のものや、面白い本はないですか?」
「そうさなぁ…流行ものっていうなら、竜退治や洞窟踏破の冒険譚。凄い冒険者の人らがたまに現れたのを、吟遊詩人が弾き語りしてるのをまとめたもんだな」
 凄い冒険者…たぶん僕達のような猟兵のことだろうな、とは思うけれど口にはださず、店主さんの話に頷きで返す。
「後は、お姉さんぐらいの子達の間で流行ってるのは、恋愛小説かね。王族と村娘の恋愛譚とかは売れ筋だね。うちでも何冊か取り扱ってるけど、一冊どうだい?」
 店主さんが差し出した本を一冊手に取ると、革表紙の本にしては可愛い装飾がされている。なるほど、今の若い子はこういうのが好きなんでしょうか。
「店主さんが面白いと思った物を、何冊か見繕って下さい。値段は気にしませんので」
「そうさなぁ…俺のおすすめってことなら、このあたりかな。4冊で値段は銀貨7枚(7千円)、いや冒険者さんだろ?なら銀貨6枚でどうだい?」
 最近も、冒険者には草原の竜を討伐してもらったばっかりだからな、感謝してるよ、と笑う店主さんは、やたらと表紙が可愛い本をピックアップして僕に勧めてくれる。
 選定に迷いがなかったのと、嬉しそうに差し出しているあたり、多分お兄さんも好きな本なんだろうなというのがなんとなく伝わってくる。そういうことであれば断る理由もない。
 人間性とかを勉強するには、たぶんあたりのはず、だから。
「それじゃあ、それでお願いします」
「毎度あり!」

 購入した本を胸に抱えて歩いていると、雑貨…いや、骨董品のお店かな?アンティークっぽい雰囲気のものが並んでいるお店が目に入る。店主さんはおひげのたくましいドワーフのおじさん。
 興味を惹かれてお店の前にいってみると、店主さんからじろりとにらまれる。何もしてないはずだけど。気難しい店主さんなんですかね。
「なんのようだ?」
「ええと…お店のものに興味があってきたんですが…この斧とかって、どういう謂われのものですか?」
 つれない態度の店員さんだけれど、目にはいった年季の感じられる斧を指さして訪ねてみる。不機嫌そうな顔だった店主さんの顔が、くわっと見開かれる。
「…なかなか良い物に目をつける。そうさな、尋ねられたからには答えなければなるまいな」
 そういって、店主さんが厳かに口を開く。
 …長かった。とても長かった。この斧を打った鍛治氏の半生から始まり、斧が持ち主の手にうつるまでのエピソード。そこからはその斧の活躍にエトセトラ。全て聞き終わるのにたっぷりと30分はかかった気がします。
 そのおかげで、随分僕に気を許してくれたみたいなので、結果オーライでは、あるのかもしれませんが。
 しばらくお店のものについて色々と話をきいたりしていると。露天のあまり目立たないところに、こじんまりとした陶器のカップが僕の眼に入る。
「店主さん、そのカップも何か、あるんですか?」
 気になって訪ねてみると、店主さんが少し驚いたような顔をする。
「…何か気になったのかね?」
「そうですね…」
 なんと返すのが正しいのだろうか。…悩んでもしかたない、思った事をそのまま伝えよう。
「僕が使ってみたいと、そう思いました」
 そういうと、なんとも照れくさそうに店主さんがおひげをしごき始める。おや、珍しい表情。
「そうか…わしが手慰みでつくったものなんじゃがな。気に入ったか、そうかそうか」
 なら、持って行くといい、と店主さんが上機嫌でカップをつつんでくれる。本当の意味で掘り出し物ですが…良い買い物になりました。
「有り難うございます。タンポポ珈琲をのむのに、使わせてもらいます」

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿
【WIZ】
皆お疲れー。こういう隊商みたいなのってそれこそゲームとかでしか見たこと無かったし(UDC出身)、テンションあがるなあ!

折角A&W世界に来てるんだし、魔術使う時の媒介になりそうな道具を探したいかな。魔導書とかでもいいけど、ここはひとつ骨董品扱ってる露店を眺めてみたい所。ランプとか、香炉とか。
これだけ大規模な隊商だと中には紛い物扱ってる店とかもあるかもだけど、そういうのに引っかかったりしたとしても後から思えばいい思い出になったりするもんだよね……とは言え進んで引っかかりたい訳でも無いし、<第六感>を働かせて良さげなのを探します。何とかうまく<言いくるめ>て値切ったりとかも出来ないかなあ。



●異世界奇譚
 やー、みんなお疲れー。お仕事も終わったし、ゆっくり買い物ができるね。
 街まで一緒だったみんなと分かれて、あたしは一人キャラバンの散策に繰り出す。
 見渡してみれば、種族の垣根を無くして交流する人やエルフ・ドワーフにフェアリーの人達。ごめん嘘、エルフとドワーフの人達がなんか食べ物の好みで喧嘩してるのが見える。異世界感凄い。
 けど、こういう隊商みたいなのって、それこそゲームでしかみたことなかったから、テンションあがるなー!
 何か面白い物に巡り会えると嬉しいね。

 鼻腔をくすぐる香りに、暖かい果実水と、ほくほくの蒸し芋を買い食いしながらストリートをぶらぶらする。せっかくアックス&ウィザーズにきてるんだから、魔術使うときの媒介とか、それっぽいものが欲しいよね。
 メインストリートではそういうお店は見つからなかったけど、メインストリートから少し離れた路地のほうで、あたしの第六感が何かを囁くのを感じる。あ、この雰囲気何かありそう。
 あたしの勘に従って路地を進んでいくと、ひときわ怪しいお店がみつかる。お店の廻りにもくもくと香の煙が漂ってたり、は虫類っぽいものの尻尾とか、何が入ってるのかわからない瓶とかが所狭しと並べてある。
 あと、お店の名前が凄い。看板に赤黒い文字でかかれた『不気味屋さん』って何を考えてつけたんだろう。
 でも、何か面白そうなものがありそう。とりあえず、勇気をだして近づいて店主さんに声をかけてみよう。
「こんにちはー、ええと…ここって何扱ってるお店?」
「けひひ、みてのとおりじゃよ」
 みてもわからなかったからきいたんだけどなー?!そんな『ご存じのこととは思いますが』みたいな返答されても困るかなぁ。
「ええと…例えばこれは?」
 瓶の中にはいった、20cmぐらいの何かの牙のようなものを指さして訪ねてみる。
「それは、とある砂漠地帯に現れる怪物の牙じゃな。滅多に姿をあらわさんから、稀少品じゃぞ」
「へぇ…どんな怪物?これ使って何か薬つくったりするの?」
「薬というよりは、狩猟で使う毒薬代わりにつかうようじゃなぁ。それと、どんな生き物かっていうとじゃな」
 店主さんが話す怪物の特徴をまとめると、こんな感じ。曰く、巨大なミミズのような容姿で、体長は2メートルから最大で3メートル程度。曰く、砂中に潜み、近くを通りがかった生き物を無差別に襲い、捕食する。曰く、強力な毒液を撒き散らし、時には口から雷撃を発生させるのだとか。
 それって…モンゴリアンデスワーム…そうか、ここファンタジー世界だった?!店主さんの話の真偽はさておき、いてもおかしくは、ないのかなぁ。ううん、みてみたいような、夢が夢で終わらないようなこの感じ。ファンタジー…。
「その怪物って、本当にいるの?」
「さてなぁ…わしはみたことないし、死体もみたわけでもないしのぅ。ただ、そういう触れ込みで薬効は確かじゃから、仕入れて売っておるんよ」
 きひひと店長さんが悪びれずに笑う。まあ、話の真偽はともかく薬効が確かなら詐欺にはならないしね。夢があるんだかないんだか。
 その後、商品の話を聞いてるとうさんくさい話がまあでてくるでてくる。曰く、昔滅んだ国の御姫様の亡霊の涙だとか、100年に一度だけ実を付ける神木の実だとか。
 けれど、店主さんの語り口はなかなか面白い。本当にありそうなそうでもないような、曖昧の境界を狙って話をしてる感じ。まるで、まことしやかに囁かれる都市伝説みたいな語り口。
 進んで偽物にひっかかるつもりはないけど、こういう面白い物なら最悪騙されても良い思い出になるかもしれないよね。そんなことを思いながら品物を吟味していると、古びたランプのようなものがあたしの目にとまる。
「店長さん、そのランプは?」
「このランプはな…本当に自分が苦しいと思った時に火を灯すと、自分の願いをかなえてくれる魔人が現れるっていう曰くつきの魔法具じゃな」
「それって、本当…?」
 もうあたしと店長さんとの何度目かのやりとり。それに、店長さんはきひひと笑って応える。
「さてのぅ、『本当に苦しい時』というのがどれぐらいの状況かわからんからなぁ。今のところ、魔人を呼び出せたって話はわしは聞いたことないのぅ」
 けれどまぁ、と店長さんはあたしのほうをみて、また笑う。
「この業界でよく言われることじゃな」
 それはきっと、あたしもよく知ってる言葉。だから、声をかぶせるように唱和する。
「「『信じるも信じないも、あなた次第』」」
 うさんくさいことこの上ないけど、悪くない。悪くないね。
「よし、それ買った」
「毎度あり、大事にしとくれよ」
 たとえ騙されてたしても、きっとその時は笑い話として誰かに話をすることもできる。だから、最後にあたしはいろんな話をしてくれた店長さんに、御礼を込めて笑顔を送る。
「たくさん話きいたんだから、いっぱいおまけしてよね?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

白斑・物九郎
【ワイルドハント】
あの竜、最後目ェ合った気がしたんですけどもよ
なんか妙に安らかな――んにゃ、なんでもありませんわ

●POW
そのヘンちょい見物しまさ

・プリンセラと
おたく確かこの世界の育ちでしたよな
こーゆー時って何食っときゃ間違いないんスか?

・買い食い&猛獣ショー見物
普段からキマイラ同士のプロレスとか見てますからな
今更特に感じるモンも無いかと思いきや、なかなかどうして
この「言うコト聞くのか聞かないのか分からない感」は結構ハラハラさせてくれるモンですわな
出番終わった猛獣にテキトーに話し掛けてみんとす(野生の勘コミで動物と話す)
おたくら何が楽しくて生きてるんスか?

・リダンへ
酒入ってんのかババア!!!!!


プリンセラ・プリンセス
【ワイルドハント】
猛獣ショーではなく露店メイン。
猛獣の類はよく城に献上しにきていたので見慣れていた。だがこんなキャラバンは王宮までやってこない。
並んでいる物の質は王宮と比べるべくもないが、そういう問題ではない。/
「すいません白斑様、私、王宮から出たことがないのでこういった庶民のものについてはとんと……。ですがいい匂いはいたしますしどれも美味しいのではないでしょうか」/
「きゃっ……! リ、リダン様?」
「(顔をしかめる)――お酒ですか? あまり飲み過ぎはよくないと思いますけど……」
「いえ私は別に。けど頭の中でお兄様方が飲みたい飲ませろと煩くて……」
/屋台の串焼きを小さく齧りながら美味しそうに食べる


リダン・ムグルエギ
SPD
動画はお終い、ここからは余暇の時間ね
アタシ、A&Wの意匠の類が好きなの
アクセ類を見たり買って
思い付きがあれば白い花の手稿に書き留めるわ

ま、たまには買うのも悪くないわね
と”花の種”を少し購入
あと”飲み物”も買って…
【ワイルドハント】を強襲するわ

背後からドーン
「あははは、プリンセラちゃん、楽しんでるぅ?
ヒマワリの種と地元のエールを手に絡み酒!
「オツボネじょーとーよー。ふふ、飲めるの羨ましいでしょー?あ、串アタシにもちょーだーい!

ぐだぐだしつつも猛獣ショーには目を輝かせ
「おー、すごーい!いいデザインだわ!

ま、アレよ
一応、あの竜への手向け酒って事で…駄目?
植える用の種も別で買ったしね

アドリブ歓迎


荒谷・つかさ
【ワイルドハント】【POW】
戦いは終わりね。
それじゃ……盛大に食べ歩くわよ!
(盛大にお腹を鳴らしながら)
……さっきも言ったけど、真っ向から力でぶつかり合うから燃費悪いのっ!

ホントは花竜を焼肉にしてやるつもりだったけど。
あんなに安らかに眠ってるんだもの、流石の私でも気が引けるわ。

という訳で、深菜と一緒に屋台巡り。
でっかい骨付き肉を豪快に齧りながら、美味しそうなものを片っ端から買いあさるわよ。
屋台の定番の串焼きに、お肉を挟んだパン、口直しに生野菜のビネガー和えも。
……深菜、そんなので足りるの?(もっしゃもっしゃ)
あ、淡水魚の姿揚げなんかも美味しそう!それください!
(※きちんと全部完食しました)


白鳥・深菜
【ワイルドハント】

今回は派手に全力魔法を撃ってMPも尽きたし……
狩った後は、そうだね。ごはん(POW)だよ。

ところで皆は何食べたい?ん、お肉?
お肉……あ、串焼き。これいいんじゃないかな?

では、獲物をしかと、いただきます。
(あむあむ)

え?つかささん、骨付き肉まで行きます?
私は言うほどたくさん食べるタイプじゃないから、結構です。
小食ってわけじゃないけど、食事はのんびり食べるタイプだから……
あ、淡水魚の姿揚げは下さい。

あと。(急に背後からドーンした)リダンさん。
あんまり派手に羽目を外したら……狩りますよ?
(急にシリアス顔になるシロフクロウ)

……って、え。なんでこうなった?
(そしてまさかの急展開)


ニコリネ・ユーリカ
【ワイルドハント】の皆とめいっぱい楽しみます!

先ずはお買物。
私もこんな開放的な所で営業してみたいなぁ。
店主さん、お花の種はある? A&Wの固有種を育ててみたいの。
将来は自分で育てた花を売りたいから、その第一歩として!

猛獣ショーも観たいなぁ。
でっかいケバブを手に拳を突き上げながらショーを楽しむ。イッツワイルド。
あの子達賢いのね、すごくケバブ見てる。やだこわい。
猟団長(f04631)……まさか会話が出来るの?

あーっ!リダンさん飲み過ぎグダグダになってる。
あの竜の手向けに…? やっぱりオトナだなぁ。
私の分も飲んで下さいお願いします(追加注文)

皆と冒険が出来て楽しかった!
また一緒に遊びに行きましょう!



●狩りの後はお買い物
 花竜討伐が終わり、ワイルドハントの六人がキャラバンにたどり着く。外からでも聞こえる賑やかな喧騒に、誰からともなく感嘆の声があがる。
 人混みで全員で動いても自由に動けないので、夜まで自由行動。夜になったら、どこか飯屋で集まろうと物九郎が指示をだす。
 法被を脱ぎいつもの服装に戻った六人は、思い思いに喧騒の中へと飛びこんでいった。

●フラワーランド(ニコリネ・ユーリカ)
 廻りを見渡したらどこも活気のある露天。お客さん達も寒さに負けず、みんな楽しそうな笑顔よね。
 私もこんな開放的なところで営業してみたいなぁ。
 なにはともあれ、まずはお買い物!せっかくだから、お店でだすお花の種を仕入れなきゃ。
 良いお店がないかなぁって探していたら、ひときわ目立つお花のお店。お店を包むように咲いてるあのお花達、この寒い時期なのにみんな生花よね。
 あのお店なら、きっといい種がありそうよね。
「店主さん、こんにちは!」
「はーい、いらっしゃーい!」
 笑顔で迎えてくれたのは、小さな女性の妖精さん。妖精さんの年齢はわかりにくいけれど、多分私と同じくらいかしら。
「すんすん…。お姉さん、花の香りがするね。大事に育てられた、花の香り。同業者の人かな?」
「そうなの!ねえ、店主さん、いいお花の種はあるかしら?この世界の固有の…ええと、珍しくて綺麗な花を育ててみたいのだけれど」
 花が好きな人通し、通じ合えたみたいでなんだか嬉しい。あ、そういえばこの世界の人達は、私達は冒険者ぐらいしか認識してなかったのだったかしら。
「うーん…珍しい花ねぇ。それじゃあ、こんなのはどうかしら」
 妖精さんが棚からとりだしたのは、萌えるような緑色をした小さな種。
「これはどんな花が咲くのかしら?」
「これはね、『ココロの花』っていうの。私達妖精の郷にはよく咲いてるんだけど…他じゃあまりみないわね。春先に咲く花なんだけど、開花条件は育ててくれた人が『良い人』であること。それと、注いだ愛情分だけ綺麗な花を咲かせてくれるの」
 そういって、私の手のひらに妖精さんが一粒種をのせる。すると、種がなんだかとくんと、応えたような反応がかえってくる。
「お花を大事にするお姉さんとか、お姉さんの友達なら、きっと春には綺麗な花が咲くと思うな」
 そう言われると、俄然育ててみたくなるわね。将来は自分で育てたお花を売ってみたいから…まずは、その第一歩!
「素敵なお花を教えてくれて有り難う。それじゃあ、そのお花の種を下さいな」

●異世界雑貨店(リダン・ムグルエギ)
 熱い中寒い中での動画の撮影もお終い。ここからはゆっくり余暇の時間ね。
 若い女の子が多い通りを探せば、雑貨屋さんやアクセサリーショップの露天商が多い通りに行き当たる。
 アックス&ウィザーズのアクセサリーって良いわよね。自然豊かなものから金属質で硬派な意匠まで、幅広いデザインが好きよ。
 時間はあるもの、何軒かゆっくりお店をみてまわりましょう。
「こんにちは、ちょっとお店みせてもらってもいいかしら」
「いらっしゃいませ、ゆっくりみていってくださいね!」
 朗らかに対応してくれたのは、人間の女の子。キルティングのおしゃれな服に、髪や首下にお店のものを使ったアクセサリー。
「可愛いデザインね。今の流行かしら?」
「有り難うございます!私と同じぐらいの年代の子達には好評ですよ。うちはエルフの職人さんと、ドワーフの職人さんからもアクセサリーを仕入れてるのが自慢なんです」
「それで、草木がメインものと、金属がメインのものどちらも取り扱ってるのね。どっちも素敵なデザインね」
 ひとつひとつ手に取って、デザインや作りをつぶさに観察していく。
 一つの木片から丁寧に削り出して形を為した花形のブローチ。花のデザインには、いくつかの規則性がみてとれる。たぶん、エルフの郷や家によって細部が違うんじゃないかしら。
 転圧を繰り返して、金属で見事な曲線を描いたネックレスに加工した物。機械もないのに、ドワーフの加工技術は見事よね。
 うーん、みてるだけでインスピレーションが刺激されるわね。
「それじゃあ、これとこれ…それと、そっちのも頂いていいかしら?」
「お買い上げ、ありがとうございます!」
 せっかくだから、いくつか気に入ったのは買って帰りましょう。ああ、それと…。
「ついでて悪いけれど、どこかに草花の種がうってるお店、しらないかしら?」
「花の種、ですか?」
 今の私達には、必要なものよね?

●食い倒れない(荒谷・つかさ/白鳥・深菜)
 人通りの多いメインストリートには、鼻腔をくすぐる屋台料理の香りがそこかしこと漂っている。依頼も終わった今、懐の余裕は十分。
「戦いは終わりね。それじゃあ…盛大に食べ歩くわよ!」
「つかささん、お腹なってますよ」
「う、うるさいわね。さっきもいったけど、真っ向からぶつかりあうから燃費悪いのっ!」
 動けばお腹が減る、これ自然の摂理。自分を納得させるように頷くけれど、深菜は釈然としない顔。深菜もこっち側だと思ってたのに…。
「仕方が無いじゃない。本当は、花竜を焼き肉にするつもりだったけど…」
「んー、それはそうよね」
 それに関しては、深菜も頷きで返してくれる。あんな安らかに眠ってるんだもの、流石の私でも気がひけるわ。
「食べ損なったから私はお腹がすいてるの。屋台巡り始めましょう」
「そうね。私も派手に魔法使ってお腹空いてるし、美味しいもの食べてまわりましょう。ところで、つかささんは何食べたいの?」
 深菜は何を言ってるのかしら。
「決まってるじゃない、美味しそうなもの、片っ端から買って歩くわよ!」

 この人は何を言っているんだろう。やっぱり焼き肉担当に替えた方が…って、もう称号がかわってましたかそうですか。
「とりあえず、私はあっちのお店の串焼き買ってきますね」
 甘辛いタレが焼ける香りと音に目をむければ、大きな串焼きのお店が目に入る。お肉の鮮度も捌き方焼き方も、お肉を大事にした良い仕事してる。
「おじさん、美味しいところ一本欲しいんだけど」
「お、らっしゃい!細いねーちゃんだな、おまけしとくからタンと食えタンと!」
「ありがとう、頂くわね」
 サービスで長い串いっぱいにお肉をさしてくれた串焼きは、わずか銅貨3枚(300円)。コストパフォーマンス最高。自然が豊かな土地だから、得物には困ってないのかもしれないわね。
 そういえば何のお肉か聞いてなかったけど、きっと大丈夫よね。
「それでは、得物をしかといただきます」
 食料として狩られた生き物に感謝して、串焼きを頂きます。あむあむ。一口噛めば、口の中に溢れてくる肉汁。焦がさず肉汁を逃さず、焼き加減が絶妙だったのだろう。
 後からくる甘辛いタレも、お肉に絡んでとても美味。無心にお肉を咀嚼していると、いつのまにか一串食べきってました。ご馳走様でした。
「つかささん、ここの屋台の串焼きが美味しいです…」
 よ、と告げようとした私の言葉がつまる。
 振り向いた先にいるつかささんが、たくさんの食料を抱えていた。それはもう、大量に。
 私が買ったお店とは別のお店の串焼きを数種類、粉物をやいたお好み焼きのようなもの、新鮮なチーズが湯気をたてるサンドイッチ、香草とビネガーのパンチがきいたマリネエトセトラエトセトラ。
 私が後ろを向いていたこの数分の間に何があったのか。

「…深菜、そんなので足りてるの?」
 私がお店をまわってる間に、深菜はまだ串焼きしか食べていないようだった。鮮度が落ちにくい冬の時期。食材が新鮮な為か、どの屋台の食べ物もとても美味しい。お腹の中が充実していくのを感じる。
「私は言うほど沢山たべるタイプじゃないから…結構です」
「懐に余裕はあるんだから、遠慮しなくてもいいのに」
 サンドイッチを食べ終え、袋のなかからお肉の塊を取り出す。キマイラフューチャーの映像でみて、一度は食べてみたいとおもっていたものに近いフォルム。マンモス肉とか、漫画肉?といわれている骨付きの焼き肉。
 かぶりつけば、粗野で野性的な、しかし芳醇な肉の味わいが口の中に広がる。美味しい。
「え、つかささん骨付き肉までいきます…?うーん…あ、じゃあ私はそっちの魚の姿揚げ貰いますね」
 そうそう、そうやって遠慮せずに素直に食べればいいのよ。
「なんだかさらっとPOW系女子の仲間にされた気がしますけど、多分WIZ担当ですからね、私」

●初めての城下町(プリンセラ・プリンセス/白斑・物九郎)
 賑やかな喧騒。王宮に居たときは、何不自由のないものが廻りに溢れていた。広間の中央で行われているらしい猛獣ショーも、物珍しいものではない。様々な猛獣が王家への献上品として捧げられていた。
 王宮に溢れていた物に比べて、露天商で売られている物は格段に質素なはず、だけれど。
 廻りを見渡せば、人、人、人。誰もが皆、冬の寒さに負けないような、暖かい笑顔。
 初めてこういった市場にでてきた私は、周囲の熱気に圧倒される。
「そういやぁ、おたくこの世界…アックス&ウィザーズの育ちでしたよな」
 行動を共にしている白斑様が、物珍しそうに廻りを見渡している。
「みたことのない食材から、色んな食材があるんですけども。こーゆー時って、何くっときゃ間違いないんスか?」
 白斑様に問われて、気づく。こんなキャラバンは、王宮までやってきたことがない。
「すいません、白斑様。この世界の生まれではあるのですが…私、王宮から出たことがないので、こういった庶民のものについてはとんと…」
「そういえば、王女様なんですっけ?別に謝らんでも、それなら仕方ないんじゃニャーですか?」
 頭の後ろに腕をまわして、気にしなくても良いと白斑様が告げる。有り難うございます。
 改めて、私は露天と人の賑わいを見渡す。お肉を焼いている串から漂う香り。子供が幸せそうに食べている、リンゴやいちごを糖蜜でコーティングしたお菓子。威勢のいいおじさまが呼び込みをしている蒸かしたお芋。優しそうなおばさまがつくっている、暖かそうな汁物。
 王宮で育った、世間をあまり知らない私ですけれど。それでも、この活気や、ここにいる人々をみれば、わかる。だから、自信をもって応える。
「けれど…そうですわね。どれも、とても良い匂いが致します。皆、美味しそうに食べています。ですから…どれも、美味しいのではないのでしょうか」
 そう言って私が白斑様をみると。
「はっ…、ちげえねえですわな」
 そう言って、笑ってくれる。だから、きっと間違っていないと思えることを、嬉しく思う。
「あの串焼き、というものを食べてみたいです。白斑様、参りましょう」

●猛獣VS猛獣?(白斑・物九郎/プリンセラ・プリンセス/ニコリネ・ユーリカ)
 ニコリネと買い食いした後に、串焼き片手に中央の広間へと足を向ける。
 串焼き、俺めなら一口でいきそうですけど、プリンセラの一口はほんっと小さいんですわ。まあ、上手そうにたべてますし、ゆっくりたべなさいや。
「あ、猟団長、それにプリンセラさん!」
 聞き馴染みのある声がすると思ったら、ニコリネのねーさんですかよ。目的のもんはみつかったんすかね?
「ばっちり、珍しいお花の種手に入れたのよ。猛獣ショーみようとおもったら、二人がいたからきちゃったわ」
「良い物がみつかったのでしたら、良かったですわねニコリネ様」
「ふふ、プリンセラさんも美味しそうなもの食べてるわね」
「ニコリネのねーさんも上手そうなもんもってますけども。そんなのもって猛獣ショーみにいったら、とびかかられるんじゃニャーですかね」
「ん…だ、大丈夫、きっと!」
 自信なさげにしてますけど、んまぁ、最悪とびかかられてもなんとかなるからいいんスけどね。そんなこんな話ながら広場に向かえば、柵に囲まれた広間のまわりには結構な人だかり。
 ジャンプ台や火の輪、色んなショーの道具がならぶ広間には、数人の猛獣使いと共に、象や獅子、大きな鹿のようなものや熊のが檻に入っている姿がみえる。
 するりするりと身を滑り込ませて、とった席は最前列。三人で屋台のつまみ片手に開演を待っていると、座長の挨拶でショーの幕が下りる。
 定番の火の輪くぐりに、熊が二足歩行してのシーソーでのバランス取り。象がシーソーの片側を踏んで団員が大ジャンプ。
 猛獣ショーならキマイラ同士のプロレスとかみてますから、今更特に感じるもんもないとおもってましたけど、なかなかどうして。
 時折、若い猛獣使いと猛獣とのショーに危うげなところも見え隠れするのがみてとれる。
「この、言うこと聞くのか聞かないのかわからない感は結構はらはらさせてくれるもんですわな」
 串焼きの肉をかみしめながら観戦していれば、横に居るニコリネのねーさんが拳を突き上げて応援しているのが見える。それも串焼き片手に。
 前から思ってましたが、結構ワイルドっすよねニコリネのねーさん。
 お、出番が終わったライオンがこっちにきとりまさ。せっかくですし、ちっとばかし会話こころみてみますかね。
 柵越しに、こいこいと手招きをすれば、不思議そうな顔をしてこっちに近づいてくる。
「不躾な質問で悪いんすけど。おたくら、何が楽しくていきてるんすか?」
「え、猟団長ライオンとしゃべれるの?!」
「さすが白斑様ですわ…」
「いやまあ、野生の勘みたいなもんですけど」
 俺めとニコリネのねーさん、それとプリンセラをみた後に、ライオンがひとつ頷く。ニコリネのねーさんとプリンセラがもってる串焼きをみながら、ライオンが観客席に響き渡るような咆哮をあげる。
「「きゃあ?!」」
 驚いた二人と周囲の観客をみて、ライオンがくつくつと笑ったような顔をする。いやあ、それあんまりいい楽しみっつか、趣味じゃねーとおもうんですけども…。

●春よ来い
 猛獣ショーも終わり、やがて賑やかだったキャラバンも日が落ちてくる。子供も楽しめていたキャラバンは顔をかえ、夕飯代わりの飲食店や居酒屋中心の出店が増えていた。
 特にどこの店と決めていたわけではないが、オープン式の小さな屋台の一角。三人で行動していた物九郎達に、つかさと深菜の二人が合流する。
「夕飯の時間ね。あ、店員さん、おすすめのもの一式と、飲み物お願いします。6人分ね」
「さっきまでずっと食べ続けてたじゃないつかささん…」
 満ち足りた表情のつかさと、お腹をさすりながら後をついてくる深菜の対比に、物九郎が苦笑を零す。
「また随分色んな店をまわってきたようで」
「大丈夫ですかつかさ様、深菜様…」
「そういえば…リダンさんがいないわね」
 プリンセラが心配そうに声をかけるかたわら、ニコリネが周囲をみわたしリダンを探す。人混みの中には、それらしい人影を見つける事はできない。
 と…
「どーーーーーーーん!!!!あはははは、プリンセラちゃん、みんな、たのしんでるぅー?!」
 暗闇の中から、リダンがプリンセラや仲間達の背後から抱きつくように覆い被さる。その吐息に、アルコールが混じっているのが感じられる。
「きゃっ!り、リダン様?!」
「っと、なになに?!」
「おもてぇっ?!んの、酒はいってんのかババア!!」
 物九郎がうっとうしそうに背中のリダンを振り払えば、けらけらと笑ってリダンが応える。エールを片手に、どうみても酔っ払いです本当にありがとうございます。
「オツボネじょーとーよー。ふふ、お酒飲めるの羨ましいでしょー?」
 すっごく美味しくて楽しいわよ、とリダンが笑う。
「あーっ、リダンさん飲み過ぎてグダグダになってる!」
「お酒ですか…?あまり飲み過ぎはよくないと思いますけど…」
「リダンさん…お酒をたしなめる年齢とはいえ、あんまり派手に羽目をはずすと…狩りますよ?」
 非難囂々のニコリネに、心配そうに注意を促すプリンセラ。深菜は剣呑な目をリダンに向ける。
「んっふふ、そんなににらまないでよ、ごめんなさいね」
 そういって、リダンはふところから小さな革袋をとりだしてテーブルの上に置く。
「なんですか、それ?」
 リダンが革袋の口をあけてみれば、種々の花の種が見て取れる。花に詳しいニコリネは花の種をみて、口元に手をあてる。
「あ、これ…春に咲く花の種ばっかりですね」
「花の種なんてどうするんですか?」
 しかたないですね、とまた腰を下ろした深菜が、次は不思議そうな目を向ける。その視線に、簡単よ、とリダンが応える。
「あの草原に、花の種を植えようと思って。『あのこ』の手向け。献花もかねてね」
 このお酒も、手向けのお酒よ、とエールを煽って、にこりと微笑む。
「…あの竜、最後目ぇ合った気がしたんですけどもよ。妙に安らかな…まあ、これ以上はなんでもありませんわ」
「息をひきとるときも、穏やかなものだったものね」
 腕を組んで呟く物九郎に、おかげでたべそこねたはと、つかさが冗談めかして続ける。
「え、あのシリアスな展開ですか?怒った私損じゃないですか」
「理由をきかなければ、怒ってしかるべきだったとおもいますわ、つかさ様」
「あー…あの竜の手向けのお酒ってことですか。やっぱりリダンさんは大人だなぁ…」
 そんな会話をしているうちに、6人分の飲み物が運ばれてくる。誰とも無く、皆がそれぞれのグラスを掲げる。
「んまあ、『あれ』にはそれぞれ思うことはあるとおもいますがね」
 物九郎が皆をみわたし、音頭をとる。
「はやいところ…春よこい。っつーことで」
 乾杯、という声と共に、6つのグラスがカチリとぶつかり音を立てる。
 
 篝火が焚かれるキャラバンの空の上を、南風にのった季節外れの花片が舞っていた。
 少し早い春を、共に喜ぶように。別れを告げるように。
 暖かな春まで、あと少し。
 ――春よ、こい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト